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1. WO2020166347 - PROCÉDÉ D'ENFOURNEMENT DE MATIÈRE PREMIÈRE DANS UN HAUT FOURNEAU SANS CLOCHE, ET PROCÉDÉ D'EXPLOITATION DE HAUT FOURNEAU

Document

明 細 書

発明の名称 ベルレス高炉の原料装入方法および高炉操業方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042  

実施例

0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

符号の説明

0053  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : ベルレス高炉の原料装入方法および高炉操業方法

技術分野

[0001]
 本発明は、高炉の還元材比低減を目的としたベルレス高炉の原料装入方法および原料装入方法を用いた高炉操業方法に関する。

背景技術

[0002]
 高炉操業においては、一般に、高炉の炉上部から装入物としてコークスと鉄源原料とが交互に装入される。コークスは還元材および燃料として利用される。鉄源原料は焼結鉱、ペレット、塊鉱石などの鉄を含有する酸化物である。以下の説明では、これら鉄源原料を総称して「鉱石」と記載する。高炉の炉内ではコークス層と鉱石層が交互に形成され、原料堆積層が形成される。高炉の炉下部の羽口からは熱風が送風されると同時に、微粉炭やタールなどの補助燃料が吹き込まれる。
[0003]
 高炉の安定操業を維持するには、 炉下部から炉上部へ向けて流れるガスに対して、原料堆積層の良好な通気性を確保し、炉内ガス流れを安定化させることが必要である。炉内ガス流れの安定化は、安定した中心ガス流および炉壁ガス流の確保により達成される。原料堆積層の通気性は、主としてコークスおよび鉱石の性状、粒度および装入量により大きく影響をうける。そして、さらに炉頂からの装入物の装入方法、つまり、炉内に装入する装入物の分布状況にも大きく影響される。以下の説明では、この装入物分布状況を「装入物分布」と記載する。
[0004]
 この装入物分布の制御については、従来から、高炉の半径方向におけるコークス層と鉱石層の質量比の分布の制御が最もよく用いられている。以下の説明では、コークス層と鉱石層の質量比を「[Ore/Coke]」と記載する。高炉は原料装入装置の形式により、ベルレス高炉またはベル高炉に分類される。ベルレス高炉またはベル高炉のいずれの場合であっても、特に安定したガス流れを得るためには、炉中心部における[Ore/Coke]の値を小さくすることが有効である。
[0005]
 近年では、高出銑比かつ高微粉炭比、低燃料比操業が行われている。このような操業では、装入されるコークス量に対して鉱石量が多い操業条件となる。以下の説明では、このような操業条件を「高O/C条件」と記載する。「高O/C条件」の高炉操業では、原料堆積層内に通気抵抗の大きい鉱石層の比率が高くなるので、炉上部の圧損が増加する。この結果、吹き抜けの発生や、装入物が安定して降下せずに棚吊りやスリップなどが発生しやすくなる。このような現象により、高炉の安定操業が大きく阻害され、生産性が著しく低下する。したがって、高O/C条件下での安定操業を実現するためには、(Ore/Coke)をより精密に制御する必要がある。
[0006]
 特許文献1には、炉半径方向における炉中心からの距離をr(m)、炉口部での炉内半径をRt(m)とした場合に、炉半径方向における炉内領域を、炉中心側から順に、r/Rt≦0.20:第1領域、0.20<r/Rt≦0.80:第2領域、0.80<r/Rt:第3領域とし、[Lo/(Lc+Lo)](但し、Lo:鉱石層厚さ、Lc:コークス層厚さ)が下記(a)~(d)の条件を満足する装入分布となるよう制御する方法が開示されている。
(a)第1領域の平均値:0.5未満
(b)第2領域の平均値:0.6以上0.9未満
(c)第3領域の平均値:0.4以上0.8未満
(d)第1領域の平均値<第3領域の平均値<第2領域の平均値
 この方法では、第1および第3領域で高炉炉内の通気性を確保しつつ、第2領域の[Lo/(Lc+Lo)]を高くすることで、高炉全体の還元効率を高めている。
[0007]
 ところで、炉頂部から原料を装入する手段として、分配シュートを備えたベルレス装入装置が広く用いられている。このベルレス装入装置は、分配シュートの傾動角度と旋回数を変えることで炉半径方向での原料の落下位置と堆積量とを調整できるので、これにより、[Ore/Coke]を制御できる。分配シュートの傾動角度とは、鉛直方向と分配シュートのシュート面上の原料の流れる角度とのなす角である。
[0008]
 原料を炉内の所定位置に堆積させるには、炉内に装入した原料の堆積幅を小さくすることが有効である。特許文献2には、分配シュート先端の線速度Vを、装入する原料の性状から定まる所定値以下として、堆積物の堆積幅を小さくする方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2018-193579号公報
特許文献2 : 特開2003-328018号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 近年の高O/C条件下の操業では、単に中心部の[Ore/Coke]を低減させて、逆V字型の融着帯形状を形成させて通気の安定を図るだけでは十分ではない。炉壁部の[Ore/Coke]も低減させて通気を確保しつつ、中間部の[Ore/Coke]を高めて炉全体の還元効率を高める必要がある。このためには、原料を炉頂部から分配シュートを介して炉内の所定位置に安定かつ確実に堆積させる必要がある。
[0011]
 原料を炉内の所定位置に堆積させるには、特許文献2に開示されたような原料の堆積幅を小さくするだけでなく、所定位置に堆積させた原料の崩れの抑制も必要になる。従って、堆積幅を小さくすると共に、所定位置に堆積させた原料の崩れの抑制も考慮しながら、原料装入時の分配シュートの旋回速度を適正化する必要がある。
[0012]
 特許文献2に開示された分配シュートの先端速度の低減は、装入時間の延長を招くので、生産性を阻害する可能性がある。本発明は、上記の課題を解決し、生産性を阻害することなく、原料を炉内の所定位置に装入できるベルレス高炉の原料装入方法および当該原料装入方法を用いた高炉操業方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013]
 このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]分配シュートを旋回させて、高炉炉内に鉄源原料および炭材を装入するベルレス高炉の原料装入方法であって、前記分配シュートは、前記分配シュートの先端に前記分配シュートの搬送方向より下向きに傾斜する反発板を有し、前記分配シュートの旋回速度は10.0rpmより速い、ベルレス高炉の原料装入方法。
[2]前記分配シュートの旋回速度は12.0rpm以上である、[1]に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
[3]前記分配シュートの旋回中心から原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルまでの距離d、炉口半径Roおよび下記(1)式で定まる角度αに対して分配シュートの傾動角を1.36α以上にする、[2]に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
  tanα=Ro/d・・・(1)
[4]前記分配シュートの旋回速度は14.0rpm以上である、[1]に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
[5]前記分配シュートの旋回中心から原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルまでの距離d、炉口半径Roおよび下記(1)式で定まる角度αに対して分配シュートの傾動角を1.41α以上にする、[4]に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
  tanα=Ro/d・・・(1)
[6][1]から[5]のいずれか1つに記載のベルレス高炉の原料装入方法で、前記高炉炉内に鉄源原料および炭材を装入する、高炉操業方法。

発明の効果

[0014]
 本発明に係るベルレス高炉の原料装入方法では、分配シュートの旋回速度を10.0rpmより速くして鉱石および炭材を高炉内に装入する。これにより、生産性を阻害することなく、炉壁周辺部の炭材の堆積角を大きくでき、その堆積幅も小さくできる。この結果、炉壁部において[Ore/Coke]を低減させている領域の面積を小さくできるので、高炉のガス利用率が向上し、低還元材比低コークス比操業が実現する。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 図1は、模型設備10の概要を示す模式図である。
[図2] 図2は、反発板22を含む分配シュート18の先端部を示す斜視図と断面図である。
[図3] 図3は、装入実験により得られた重量分布を示すグラフである。
[図4] 図4は、コークスの堆積角測定実験に用いた模型設備30の断面模式図である。
[図5] 図5は、原料の装入を開始した時の炉内の状況を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 本発明者らは、ベルレス高炉における分配シュートからのコークスの落下挙動を確認するべく、内容積5,005m で炉口径が11.2mの高炉の1/17.8スケールの模型設備10を用いてコークスの装入実験を行った。図1は、模型設備10の概要を示す模式図である。
[0017]
 模型設備10は、炉頂バンカー12と、集合ホッパー16と、分配シュート18と、サンプリングボックス24と、を有する。炉頂バンカー12は、コークスや鉱石を収容する3個のホッパー14を有する。各ホッパー14の下部には、収容された原料の排出を許容するゲートが設けられている。集合ホッパー16は、炉頂バンカー12から排出された原料を分配シュート18に供給する。分配シュート18は、シュート20と、反発板22を有する。サンプリングボックス24は、分配シュート18の旋回中心に対応した位置を中心として放射状に4方向に設けられている。各サンプリングボックス24は、中心側から外側に向けて20mm間隔で分割された複数の収容部26を有する。
[0018]
 サンプリングボックス24を設置した高さは、分配シュート18の傾動・旋回の中心位置から鉛直下方に424mmのレベルに、サンプリングボックス24の上部の開口がくるように定めた。このレベル差は、模型設備10の炉口径が630mmなので、炉口径の0.67倍に相当する。
[0019]
 図2は、反発板22を含む分配シュート18の先端部を示す斜視図と断面図である。図2(a)は斜視図であり、図2(b)は断面図である。分配シュート18の搬送方向を図2(b)の矢印21方向とすると、反発板22は、分配シュート18の先端に搬送方向より下向きに傾斜して設けられる。
[0020]
 反発板22は、シュート20の搬送方向を水平と平行にした場合に、シュート20の先端から反発板22までの水平方向の距離(図2(b)のL)が70mmとなるように設けられている。反発板22の傾斜角度(図2の(b)のθ)は、水平方向に対して23°である。反発板22の角度を変更する場合には、シュート20から反発板22までの水平方向の距離を変えないように、反発板22の長さを調整した。
[0021]
 模型設備10を用いたコークスの装入実験は、以下の手順で行った。まず、粒径2.0mmから2.8mmのコークス3kgを炉頂バンカー12に装入した。3kgのコークスを17秒で切出せるように炉頂バンカー12のゲート開度を調整した。次に、ゲートを開き、コークスを炉頂バンカー12から集合ホッパー16に切出し、分配シュート18を介してコークスを落下させた。分配シュート18から落下したコークスは、サンプリングボックス24の収容部26に収容した。コークスは炭材の一例である。
[0022]
 このサンプリングボックス24の各収容部26に収容されたコークスの重量を測定し、落下したコークスの半径方向の重量分布を算出した。図3は、装入実験により得られた重量分布を示すグラフである。図3の横軸は、中心から半径方向の位置(mm)であり、縦軸は、累積重量頻度(%)である。累積重量頻度とは、中心から所定の距離離れた位置において、その位置より中心側に到達したコークス重量の全コークス重量に対する割合で定義される。
[0023]
 装入実験では、累積重量頻度が50%の位置を主流落下位置と定義し、累積重量頻度が5%から95%までの半径方向の間隔を落下幅と定義した。分配シュート18の傾動角度は、傾動・旋回の中心から424mm鉛直下方における炉壁位置が、累積重量頻度95%と一致する、すなわち、炉中心から315mmとなるように調整した。
[0024]
 分配シュート18のシュート20長さを240mmとし、分配シュート18の旋回速度を42.2、50.6、59.1rpmに変えて装入実験を行った。模型設備10は実機高炉の1/17.8スケールなので、分配シュート18から落下する原料の軌跡が実機と相似となる条件としてフルード数が一定であることを考慮すると、模型設備10における旋回速度42.2rpmは、実機高炉の旋回速度10.0rpmに相当する。模型設備10における旋回速度50.6rpmは、実機高炉の旋回速度12.0rpmに相当する。模型設備10における旋回速度59.1rpmは、実機高炉の旋回速度14.0rpmに相当する。この装入実験を、反発板22を装着した場合と装着しない場合とで行った。実験条件および結果を下記表1に示す。
[0025]
[表1]



 表1に示すように、先端に反発板22を装着した分配シュート18を用いた場合、旋回速度の上昇に伴ってコークスの落下幅が小さくなった。一方、先端に反発板22を装着していない分配シュートを用いた場合、旋回速度の上昇に伴ってコークスの落下幅は大きくなった。この結果から、先端に反発板22を装着した分配シュート18を用い、分配シュート18の旋回速度を42.2rpmより速くしてコークスを装入することで、コークスの落下幅を小さくできることが確認された。
[0026]
 次に、コークスの堆積角測定実験について説明する。図4は、コークスの堆積角測定実験に用いた模型設備30の断面模式図である。模型設備30は、炉頂バンカー12と、集合ホッパー16と、分配シュート18と、炉口径630mmの模型炉32と、を有する。炉頂バンカー12と、集合ホッパー16と、分配シュート18は、模型設備10で用いたものと同じである。堆積角測定実験では、まず、模型炉32内に傾斜角16°の堆積面を作製した。その後、装入実験と同じ手順で、当該堆積面上に分配シュート18を介してコークスを落下させ、炉壁近傍に堆積したコークスの堆積角を測定した。分配シュート18の傾動角度は、傾動・旋回の中心から424mm鉛直下方における主流落下位置が、炉中心から285~325mmとなる範囲内で調整した。主流落下位置は、模型設備10を用いたコークスの装入実験を行い測定した。この結果を下記表2、表3に示す。
[0027]
[表2]


[0028]
[表3]



 表2に示すように、先端に反発板22を装着した分配シュート18を用いた場合、旋回速度が同一の条件では、コークスの堆積角が極大となる傾動角度が存在した。主流落下位置が壁面から中心側に離れている場合は、壁面に衝突するコークスの粒子数が少ないため堆積角が小さくなる。主流の落下位置が壁面に近い場合においても、壁面に衝突するコークスの粒子数が多く、壁面からの反発が大きくなってコークスの堆積角が小さくなる。このように、主流落下位置が壁面から離れていても堆積角が小さくなり、主流落下位置が壁面に近づいてもコークスの堆積角が小さくなるので、この間にコークスの堆積角が極大となる傾斜角が存在する。
[0029]
 分配シュート18の旋回速度が高速になると、堆積角が極大となる傾動角度における主流落下位置は炉壁側に変化した。旋回速度を高くした場合、旋回速度が低い場合と比較すると、分配シュート18を流れるコークスに遠心力が働くため、より遠くにコークスが落下する。上述したように、主流落下位置が同一であったとしても、旋回速度が低い場合よりも旋回速度が高い場合の方が、落下幅が小さくなるので、堆積面に到達する前に炉壁に衝突するコークスの粒子数が減少する。このため、旋回速度が低い場合よりも旋回速度が高い場合の方が、コークスの堆積角が極大となる傾動角度における主流落下位置は炉壁側に変化する。
[0030]
 旋回速度が高速になると、主流落下位置が炉中心側においても、コークスの堆積角が大きくなっている。これは、旋回速度を高速にしたことで、コークス粒子の水平方向の速度も速くなり、主流落下位置が炉中心側であっても、堆積面と衝突したコークス粒子が炉壁側に移動し、これにより、コークスの堆積角が大きくなったと考えられる。旋回速度を同一にした条件でのコークスの堆積角の極大値をそれぞれの旋回速度で比較すると、旋回速度の上昇に伴って堆積角の極大値が大きくなった。
[0031]
 一方、表3に示すように、先端に反発板22を装着していない分配シュートを用いた場合、旋回速度が同一の条件での堆積角の極大値は旋回速度の上昇に伴って小さくなった。これは、旋回速度の上昇により、半径方向の落下幅が大きくなってコークスが疎に堆積したためと考えられる。
[0032]
 このように、先端に反発板22を装着した分配シュート18を用いた場合、分配シュート18の旋回速度を上げることで、コークスの堆積角を大きくできることが確認された。この結果から、先端に反発板22を装着した分配シュート18を用い、分配シュート18の旋回速度を42.2rpmより速くしてコークスを装入することで炉壁近傍のコークスの堆積角を大きくできることが確認された。
[0033]
 炉壁近傍のコークスの堆積角が大きくなった理由は、分配シュート18の旋回速度が速くなったことで半径方向のコークスの落下幅が小さくなりコークスが半径方向の特定の領域に密に堆積したことに加え、旋回方向のコークスの落下速度が上昇したことで、堆積したコークスの崩れる方向が、旋回速度が低い場合と比較して炉中心方向から旋回方向へと変化し、この結果、堆積したコークスが崩れにくくなったことによると考えられる。
[0034]
 次に、分配シュート18のシュート長の影響を確認することを目的として、同様の装入実験を分配シュート18のシュート長を変化させて行った。この結果を下記表4に示す。傾動角度は、旋回および傾動中心から424mm鉛直下方における主流落下位置が炉中心から285~325mmとなる範囲内において、コークスの堆積角が極大となる条件で行った。
[0035]
[表4]



 表4に示すように、分配シュートのシュート長を240mmから220mmに短縮すると、表1に示したシュート長が240mm分配シュートを用いた場合よりもコークスの落下幅が大きくなり、コークスの堆積角は小さくなった。しかしながら、シュート長が220mmの分配シュートを用いた場合であっても、分配シュートの旋回速度を50.6rpm以上にすることで、旋回速度を42.2rpmとした場合よりもコークスの落下幅は小さくなり、炉壁近傍のコークス堆積角は大きくなった。
[0036]
 分配シュートのシュート長を240mmから260mmに延長すると、シュート長が240mmの分配シュートを用いた場合よりもコークスの落下幅が小さくなり、コークスの堆積角は小さくなった。シュート長が260mmの分配シュートを用いた場合においても、分配シュートの旋回速度を50.6rpm以上にすることで、旋回速度を42.2rpmとした場合よりもコークスの落下幅は小さくなり、炉壁近傍のコークス堆積角は大きくなった。この結果から、コークスの落下幅およびコークスの堆積角は、分配シュートのシュート長が変わることで若干の影響は受けるものの、旋回速度を42.2rpmより速くすることでコークスの落下幅を小さくし、コークスの堆積角を大きくできるという傾向は変わらないことが確認された。
[0037]
 本発明に係るベルレス高炉の原料装入方法は、上記コークスの装入実験結果に基づいてなされたものである。模型設備10および模型設備30における分配シュート18の旋回速度42.2rpm、50.6rpm、59.1rpmは、実機高炉における分配シュートの旋回速度10.0rpm、12.0rpm、14.0rpmに相当する。従って、本実施形態に係るベルレス高炉の原料装入方法では、先端に分配シュートの搬送方向より下向きに傾斜する反発板を有する分配シュートを用い、当該分配シュートの旋回速度を10.0rpmより速くして高炉炉内に鉱石および炭材を装入する。これにより、生産性を阻害することなく、高炉の炉壁部に装入される炭材の堆積角を大きくでき、その落下幅を小さくできる。この結果、高炉の炉壁部において[Ore/Coke]を低減させている領域の面積を小さくでき、これにより、高炉のガス利用率が向上し、高炉における低還元材比低コークス比操業が実現できる。
[0038]
 分配シュートの旋回速度は12.0rpm以上であることが好ましい。これにより、炉壁部のコークス堆積角を、旋回速度を12.0rpm未満とした場合よりも大きくでき、後述する実施例に示すように、高炉操業における還元材比およびコークス比をさらに低減できる。
[0039]
 分配シュートの旋回速度は14.0rpm以上であることがさらに好ましい。これにより、炉壁部のコークス堆積角を、旋回速度を14.0rpm未満とした場合よりも大きくでき、高炉操業における還元材比およびコークス比をさらに低減できる。
[0040]
 さらに、分配シュートの傾動・旋回の中心位置から原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルまでの距離を短くすると、シュート先端から堆積面までの距離が低減し、コークスの落下幅がさらに小さくなる。しかしながら、主流落下位置を炉壁に到達させるには、傾動角度を増加させる必要がある。傾動角度を増加させると、原料の堆積面が降下した場合、主流落下位置の炉壁側への落下幅が大きくなる。このため、高炉の操業において原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルが変動した場合の影響を受けやすくなるといえる。この観点から、分配シュートの傾動・旋回の中心位置から原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルまでの距離を炉口半径の0.60倍以上とすることが好ましい。ここで原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルとは、分配シュートから原料の装入を開始する時点における炉内の原料の堆積表面のレベルである。
[0041]
 図5は、原料の装入を開始した時の炉内の状況を示す模式図である。図5を用いて、原料装入開始時における炉内の原料の堆積表面レベルを説明する。
[0042]
 高炉内では原料の堆積表面は水平ではないが、高炉操業では原料装入開始のタイミングを決定するために、例えば、炉壁近傍の原料の堆積表面レベルを検知するサウンジング等の検知手段を使用している。この検知手段で堆積表面レベルが一定のレベルまで降下したことを検知し、検知したタイミングで所定量の原料装入を開始する。これにより、炉内の堆積表面レベルが所定の範囲となるように管理されている。したがって、本実施形態では、原料装入開始時における炉内の原料の堆積表面レベルを、検知手段で検知される炉壁近傍の原料の堆積表面レベルにおける水平面40と定義する。また、次に説明する実施例では分配シュート18の傾動角を分配シュートの傾動・旋回の中心位置42と原料装入開始時における炉内の原料の堆積表面レベルである水平面40までの距離d、炉口半径Roおよび下記(1)式で定まる角度αを用いて表す。また、本実施例における分配シュートの傾動角とは、分配シュート18による原料の搬送方向と、鉛直下方方向とのなす角である。
tanα=Ro/d・・・(1)
実施例
[0043]
 次に、実施例を説明する。内容積5,005m で炉口径が11.2mである高炉を使用した。貯鉱槽より鉱石を切出して炉頂ホッパーに貯蔵し、貯骸槽よりコークスを切出して別の炉頂ホッパーに貯蔵した。そして、鉱石とコークスを交互に反発板を有する分配シュートに切出し、高炉炉内に鉱石およびコークスを堆積させ、高炉操業を実施した。
[0044]
 比較例1では反発板を有する分配シュートのシュート長を4.2mとし、分配シュートの旋回および傾動中心より7.55m鉛直下方を原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルとし、高炉炉内に鉱石およびコークスを堆積させた。この時、分配シュートの傾動・旋回の中心位置と原原料装入開始時における炉内の原料の堆積表面レベルまでの距離dと炉口半径Roおよび上記(1)で定まる角度αは36.6°になる。
[0045]
 コークスの装入に際しては、シュートの傾動角度を54.5°としてから装入を開始し、旋回速度を10.0~14.0rpmとして炉中心にコークスが堆積するまで傾動角度を順次低減させて装入した。
[0046]
 発明例1~15では、反発板を有する分配シュートのシュート長を4.2mとし、分配シュートの傾動・旋回の中心位置より7.55m鉛直下方を原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルとし、高炉炉内に鉱石およびコークスを堆積させ、高炉操業を実施した。
[0047]
 発明例1~15においても、分配シュートの傾動・旋回の中心位置と原原料装入開始時における炉内の原料の堆積表面レベルまでの距離dと炉口半径Roおよび上記(1)で定まる角度αは36.6°になる。
[0048]
 コークスの装入に際しては、装入開始時の分配シュートの傾動角度を、旋回速度の上昇に合わせて順次小さくし、装入開始後は炉中心にコークスが堆積するまで傾動角度を順次小さくして装入を行った。分配シュートの旋回速度は、10.5~14.0rpmとした。この発明例、比較例の操業条件および操業結果を下記表5、表6に示す。炉壁部でのコークス堆積角は、コークス装入後に装入物のプロフィールデータを取得し、このプロフィールデータにおける炉壁から1.8mまでの傾斜角から算出した。
[0049]
[表5]


[0050]
[表6]



 比較例1では、原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルにおけるコークスの落下幅が大きく、炉壁部のコークス堆積角が26.1°と小さかったのに対し、発明例1~15では炉壁部のコークス堆積角が26.5°以上になった。この結果、炉壁部において[Ore/Coke]を低減させている領域の面積が小さくなり、炉内全体のガス利用率が向上し、発明例1~15の還元材比およびコークス比は、比較例1よりも低減した。
[0051]
 分配シュートの旋回速度が12.0rpm以上となる発明例4~15では、同じ旋回速度であれば、分配シュートの傾動角度が1.36α未満とするよりも分配シュートの傾動角度が1.36α以上とすることで炉壁部のコークス堆積角が大きくなり、還元材比およびコークス比が小さくなった。この結果から、分配シュートの旋回角度を1.36α以上にすることで高炉操業における還元材比およびコークス比をさらに低減できることが確認された。
[0052]
 さらに、分配シュートの旋回速度が14.0rpm以上となる発明例13~15では、分配シュートの傾動角度が1.41α未満とするよりも分配シュートの傾動角度が1.41α以上とすることで、炉壁部のコークス堆積角が大きくなり、還元材比およびコークス比が小さくなった。この結果から、分配シュートの旋回角度を1.41α以上にすることで高炉操業における還元材比およびコークス比をさらに低減できることが確認された。

符号の説明

[0053]
 10 模型設備
 12 炉頂バンカー
 14 ホッパー
 16 集合ホッパー
 18 分配シュート
 20 シュート
 21 矢印
 22 反発板
 24 サンプリングボックス
 26 収容部
 30 模型設備
 32 模型炉
 40 水平面
 42 中心位置

請求の範囲

[請求項1]
 分配シュートを旋回させて、高炉炉内に鉄源原料および炭材を装入するベルレス高炉の原料装入方法であって、
 前記分配シュートは、前記分配シュートの先端に前記分配シュートの搬送方向より下向きに傾斜する反発板を有し、
 前記分配シュートの旋回速度は10.0rpmより速い、ベルレス高炉の原料装入方法。
[請求項2]
 前記分配シュートの旋回速度は12.0rpm以上である、請求項1に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
[請求項3]
 前記分配シュートの旋回中心から原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルまでの距離d、炉口半径Roおよび下記(1)式で定まる角度αに対して分配シュートの傾動角を1.36α以上にする、請求項2に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
 tanα=Ro/d・・・(1)
[請求項4]
 前記分配シュートの旋回速度は14.0rpm以上である、請求項1に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
[請求項5]
 前記分配シュートの旋回中心から原料装入開始時の炉内の原料堆積レベルまでの距離d、炉口半径Roおよび下記(1)式で定まる角度αに対して分配シュートの傾動角を1.41α以上にする、請求項4に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
 tanα=Ro/d・・・(1)
[請求項6]
 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のベルレス高炉の原料装入方法で、前記高炉炉内に鉄源原料および炭材を装入する、高炉操業方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]