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1. WO2020158155 - DISPOSITIF DE DÉTECTION

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明 細 書

発明の名称 検出装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025  

発明の効果

0026  

図面の簡単な説明

0027  

発明を実施するための形態

0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

符号の説明

0066  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2A   2B   3A   3B   4   5   6   7   8   9   10   11   12A   12B   13   14A   14B  

明 細 書

発明の名称 : 検出装置

技術分野

[0001]
 本発明は、検出装置に関する。

背景技術

[0002]
 基板の内部に空洞を有し、基板表面の空洞の開口に素子が配置される技術が開示されている(例えば特許文献1―4)。当該技術において素子が熱電対である場合、当該技術によって流体の流量を検出することができる。また、特許文献5では、第一の熱電対の冷接点が実装される基板の部分の温度と、第二の熱電対の冷接点が実装される基板の部分の温度との差を補正する技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第5534193号公報
特許文献2 : 特許第4742972号公報
特許文献3 : 特許第4050857号公報
特許文献4 : 米国特許出願公開第2015/0020587号明細書
特許文献5 : 欧州特許出願公開第2930475号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 図1は、従来の検出装置31の断面図の概要の一例を示している。検出装置31は、中央部分にヒータ32を備える。また、検出装置31は、ヒータ32を中心としてヒータ32の両側に対称に設けられるサーモパイル33A、33Bを備える。また、サーモパイル33Aは、第一の温接点34A及び第一の冷接点35Aを備える。また、サーモパイル33Bは、第二の温接点34B及び第二の冷接点35Bを備える。また、検出装置31は、ヒータ32及びサーモパイル33A、33Bを覆う膜36を備える。また、検出装置31は、ヒータ32及びサーモパイル33A、33Bを含む膜36が設けられる基板37を備える。また、基板37は、空洞38を有し、その表面に空洞38の開口39を形成している。そして、ヒータ32は、開口39の中央部分に配置される。そして、第一の温接点34A及び第二の温接点34Bは、開口9の内側に配置される。また、第一の冷接点35A及び第二の冷接点35Bは、開口39の外側の基板37の上に配置される。
[0005]
 このような構成では、流体が流れていない場合に、ヒータからの熱は、ヒータを中心として対称に拡散すると考えられる。よって、第一の温接点34Aの温度と第一の冷接点35Aの温度との温度差と、第二の温接点34Bの温度と第二の冷接点35Bの温度との温度差とは略同一となる。その結果、サーモパイル33Aの出力とサーモパイル33Bの出力との間には差は生じない。一方、流体がサーモパイル33Aが配置される場所からサーモパイル33Bが配置される場所の方向へ流れる場合には、ヒータ32からの熱は、流体の流れの影響を受け、ヒータ32を中心として対称に広がらず、下流のサーモパイル33B側へ、より拡散していくと考えられる。よって、第一の温接点34Aの温度と第一の冷接点35Aの温度との温度差と、第二の温接点34Bの温度と第二の冷接点35Bの温度との温度差とは異なる。その結果、サーモパイル33Aの出力とサーモパイル33Bの出力との間には差が生じる。そして、サーモパイル33Aの出力とサーモパイル33Bの出力の差に基づき、流体の流量を算出することが可能となる。
[0006]
 しかしながら、基板37に形成されている開口39を含む空洞38の寸法は、誤差を含んでいる可能性が考えられる。そのような場合には、空洞38の中央部分を中心として熱が対称に分布している場合であっても、第一の冷接点35Aが配置される基板37の部分の温度と、第二の冷接点35Bが配置される基板37の部分の温度が異なる可能性がある。また、風や外部からの温度により、基板に温度分布ができる場合も、上流側の第一の冷接点35Aの温度と下流側の第二の冷接点35Bの温度が異なることが考えられる。
[0007]
 よって、サーモパイル33A、33Bの出力に基づいて求められた流体の流量の精度が低下する可能性がある。ここで、特許文献5に開示される技術を利用する場合、第一の冷接点35Aが配置される基板37の部分の温度と、第二の冷接点35Bが配置される基板37の部分の温度が異なることに関し、基板37上に温度センサを設けることで、当該2つの基板37の部分の温度差を補正することができると考えられる。しかしながら、このような技術では、検出装置31が複雑な構造となる。
[0008]
 すなわち、本発明者は、基板の内部に空洞を有し、ヒータは開口の中央部分に配置され、ヒータを挟むように設けられた二つのサーモパイルの温接点が開口の内側に配置され、冷接点が開口の外側の基板上に配置される場合には、流体の流量の検出の精度は低下する可能性を見出した。また、本発明者は、熱電対の出力を補正するためには装置の構造が複雑となることを見出した。
[0009]
 本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の内部に空洞を有し、基板表面の空洞の開口に熱電対が配置される場合であっても、流体の流量の検出の精度の低下を簡易な構造によって抑制する技術を提供することである。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
[0011]
 すなわち本発明の一側面に係る検出装置は、表面の一部に開口する空洞を有する基板と、前記基板の前記表面に前記開口を覆うように設けられる薄膜層と、前記薄膜層に設けられ、略線状の形状を有する加熱器と、前記薄膜層に設けられ複数の熱電対が直列に接続されて形成された熱電対列と、を備え、前記熱電対列における各々の熱電対においては、前記加熱器の長手方向と垂直な方向に、第一の温接点と第二の温接点とが配置され、前記第一の温接点の温度及び前記第二の温接点の温度差に基づいて出力が生成されるとともに、前記第一の温接点及び前記第二の温接点は、前記開口の法線方向から見て該開口の内側に配置される、検出装置である。
[0012]
 当該構成によれば、第一の温接点の温度と第二の温接点の温度との差が、流体が流れていない場合に略同一となり、流体が流れている場合に異なるものとなる検出装置の形成が可能である。よって、流体が流れていない場合と流体が流れる場合とで熱電対の出力に差が生じる。また、流体の流量に応じて熱電対からの出力の差は変化する。すなわち、熱電対からの出力の差に基づいて、流体の流量は求まる。
[0013]
 また、当該構成によれば、熱電対の第一の温接点と第二の温接点は、開口の内部に配置されている。よって、基板から第一の温接点または第二の温接点に熱が移動することは抑制される。よって、熱電対の出力が、基板の温度に影響されることは抑制される。また、基板の外部の温度、又は基板近傍を流れる流体の温度による影響は軽減される。すなわち、熱電対の出力の精度の低下は抑制される。よって、熱電対の出力を利用して求める流体の流量の精度は高まる。
[0014]
 また、当該構成によれば、基板を製造する場合に生じる寸法のばらつきによって形成される空洞の寸法が変わった場合であっても、熱電対の長さを変更し、第一の温接点と第二の温接点とが開口の縁を跨ぐように調節せずに済む。すなわち、空洞の寸法が変わった場合であっても、熱電対の長さを変更せずに熱電対の出力がばらつくことを抑制することができる。また、基板の寸法がばらついた場合であっても、当該基板を検出装置に使用することができ、基板を廃棄する頻度は低減される。よって、基板の生産性は向上する。
[0015]
 また、当該構成とは異なり、基板に冷接点が配置される場合、冷接点を介して熱が熱電対から基板へ移動する。よって、温接点と冷接点との間の距離を長く取り、温接点と冷接点との間の電線に熱を蓄えておく対策が必要となる場合が考えられる。一方、当該構成によれば、冷接点は基板に配置されず、第一の温接点及び第二の温接点は開口の内部に配置されるため、熱が基板へ移動することは抑制される。換言すれば、熱電対の距離を短くすることができる。よって、検出装置の小型化が実現される。
[0016]
 また、当該構成によれば、熱電対が開口の縁を跨いで配置されていないため、加熱器が生じさせた熱が熱電対を伝って基板へ移動することは抑制される。よって、熱損失が軽減される。また、基板への熱の移動が抑制されるため、分布する熱量の低下が抑制される。よって、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態である場合であっても、流体の流量は検出可能となる。すなわち、流体の流れる流量の変化に対する熱電対の感度の向上および消費される電流の低減が可能となる。
[0017]
 また、当該構成によれば、熱電対列は1つで済む。よって、構造が簡易となり、低コスト化が実現される。また、不良発生率も低減される。
[0018]
 上記一側面に係る検出装置において、前記薄膜層は系外と前記開口の縁とを連通させる孔を備え、前記開口の縁は、前記開口の法線方向から見て該開口の内側であって、前記熱電対の長手方向について、前記第一の温接点および/または前記第二の温接点より外側の領域であってもよい。
[0019]
 当該構成によれば、基板と熱電対との間の熱の移動を抑制することができる。換言すれば、熱電対あるいは加熱器と基板との距離を短くした場合であっても、熱が膜の加熱器が配置される部分に留まり、熱電対からの出力の変動は抑制される。すなわち、検出装置の小型化が実現される。
[0020]
 上記一側面に係る検出装置において、前記加熱器は、その長手方向と垂直な方向について前記開口の中央部分に1つ配置され、前記熱電対は、前記第一の温接点と前記第二の温接点が、前記加熱器を中心として前記加熱器を跨いで対称となるように配置されてもよい。
[0021]
 当該構成によれば、加熱器及び熱電対が配置される部分の幅を狭めることができる。すなわち、検出装置の小型化が実現される。
[0022]
 上記一側面に係る検出装置において、前記熱電対は、前記開口の法線方向から見て、前記第一の温接点と前記第二の温接点が、前記熱電対の長手方向について前記開口の中央部分に対して対称となるように配置され、前記加熱器は、前記開口の法線方向から見て長手方向と垂直な方向については、前記第一の温接点と前記第二の温接点との間の部分の中央に配置され、前記開口の法線方向については、前記熱電対列を挟んで前記空洞と反対側に配置されてもよい。
[0023]
 当該構成によれば、流体が流れる部分により近い場所に加熱器を配置することができる。よって、流体が流れる部分に分布する熱量は大きくなる。よって、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態である場合であっても、流体の流量は検出可能となる。すなわち、流体の流れに対して高感度な検出装置を形成することができる。
[0024]
 上記一側面に係る検出装置において、前記熱電対は、その長手方向について、前記第一の温接点と前記第二の温接点が、前記開口の法線方向から見て、前記開口の中央部分に対して対称となるように配置され、前記加熱器は、その長手方向と垂直な方向について、前記開口の法線方向から見て前記熱電対の前記第一の温接点および/または前記第二の温接点の外側に、前記熱電対と並べて配置されてもよい。
[0025]
 当該構成によれば、加熱器と熱電対とは、並んで設けられる。すなわち、検出装置を形成する工程において、加熱器及び熱電対は一緒に形成可能となる。すなわち、検出装置の形成工程は簡略化される。

発明の効果

[0026]
 本発明によれば、基板の内部に空洞を有し、基板表面の空洞の開口に熱電対が配置される場合であっても、流体の流量の検出の精度の低下を簡易な構造によって抑制する技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0027]
[図1] 図1は、従来の検出装置の断面図の概要の一例を模式的に例示する。
[図2A] 図2Aは、実施形態に係る検出装置の上面図の概要の一例を模式的に例示する。
[図2B] 図2Bは、実施形態に係る検出装置の断面図の概要の一例を模式的に例示する。
[図3A] 図3Aは、流体が流れていない場合の温度分布の一例を模式的に例示する。
[図3B] 図3Bは、流体が流れている場合の温度分布の一例を模式的に例示する。
[図4] 図4は、実施形態に係る検出装置の形成方法の一例を例示するフローチャートである。
[図5] 図5は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図6] 図6は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図7] 図7は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図8] 図8は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図9] 図9は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図10] 図10は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図11] 図11は、検出装置の形成方法の一工程を模式的に例示する。
[図12A] 図12Aは、本実施形態の変形例に係る検出装置の上面図の概要の一例を模式的に例示する。
[図12B] 図12Bは、本実施形態の変形例に係る検出装置の断面図の概要の一例を模式的に例示する。
[図13] 図13は、実施形態の変形例に係る検出装置の断面図の一例を模式的に例示する。
[図14A] 図14Aは、実施形態の変形例に係る上面図の検出装置の概要の一例を模式的に例示する。
[図14B] 図14Bは、実施形態の変形例に係る検出装置の断面図の概要の一例を模式的に例示する。

発明を実施するための形態

[0028]
 以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
[0029]
 §1 構成例
[0030]
 図2A及び図2Bは、本実施形態に係る検出装置1の概要の一例を模式的に例示する。図2Aは、検出装置1の上面図の一例を示している。また、図2Bは、検出装置1の断面図の一例であり、図2AにおけるA-A矢印断面図である。検出装置1は、中央部分に線状のヒータ2を備える。また、検出装置1は、ヒータ2を中心としてヒータ2を跨ぐように対称に配置されるサーモパイル3を備える。ここで、ヒータ2は、本発明の「加熱器」の一例である。また、サーモパイル3は、複数の熱電対が直列に接続されるものであり、本発明の「熱電対列」の一例である。また、サーモパイル3は、第一の温接点4及び第二の温接点5を備える。
[0031]
 また、検出装置1は、第一の温接点4及び第二の温接点5を覆う膜6を備える。膜6は、ヒータ2も覆う。膜6は、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜によって形成される。ここで、第一の温接点4は、本発明の「第一の温接点」の一例である。また、第二の温接点5は、本発明の「第二の温接点」の一例である。また、膜6は、本発明の「薄膜層」の一例である。
[0032]
 また、検出装置1は、ヒータ2及びサーモパイル3を含む膜6が配置される基板7を備える。基板7は、単結晶のシリコンにより形成される。また、基板7は、空洞8を有し、その表面に空洞8と通じる開口9を形成している。空洞8及び開口9は、図2A中の上下方向について、その中央部分を中心として対称な形状をしている。
[0033]
 ここで、ヒータ2は、開口9の左右方向の中央部分に配置される。そして、第一の温接点4及び第二の温接点5を含むサーモパイル3は、開口9の内側に配置される。すなわち、サーモパイル3の第一の温接点4及び第二の温接点5は、開口9の外側の基板に配置されず、ヒータ2を中心として開口9の法線方向から見て内側に対称に配置される。また、第一の温接点4から第二の温接点5へと向かう方向(熱電対の長手方向)は、流体が流れることによりヒータ2により発生させられる熱が移動する方向である。
[0034]
 §2 流量検出原理
 次に、検出装置1を用いた流量検出の原理を説明する。図3A及び図3Bは、検出装置1を用いた流量検出の原理を模式的に例示する。図3Aは、流体が流れていない状態でヒータ2に通電されている場合の温度分布の一例を模式的に例示する。一方、図3Bは、流体が流れている状態でヒータ2に通電されている場合の温度分布の一例を模式的に例示する。流体が流れていない場合、ヒータ2により発生させられた熱は、ヒータ2を中心として対称に拡散する。よって、第一の温接点4の温度T U_hotと第二の温接点5の温度T D_hotとは同一となる。すなわち、サーモパイル3の出力は生じない。一方、流体が流れている場合、ヒータ2からの熱は、流体の流れの影響を受け、ヒータ2を中心として対称に広がらず、第二の温接点5の方向へ、より拡散していく。よって、第一の温接点4の温度T U_hotと第二の温接点5の温度T D_hotとには差が生じる。そして、当該温度差に比例してサーモパイル3から出力が生じる。また、流速に応じて温度差が大きくなるため、流速の大きさをサーモパイル3の起電力の大小で検出できる。また、流体の流れる向きにより、第一の温接点4と第二の温接点5との温度差の正負が逆転し、起電力の正負も逆転するため、流体の流れる向きを検出できる。
[0035]
 §3 検出装置1の形成工程
 次に、本実施形態に係る検出装置1の形成工程の一例を説明する。図4は、本実施形態に係る検出装置1の形成工程の一例を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
[0036]
 (ステップS101)
 図5は、ステップS101における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS101では、基板7を用意する。そして、シリコン酸化膜10を基板7の全面に成膜する。その後、空洞8の開口9となる部分をエッチングなどにより除去する。ただし、開口9となる部分であって、ヒータ2が形成される部分の中央部分のシリコン酸化膜10は除去せずに残しておく。また、シリコン酸化膜10は、膜6の一部となる。
[0037]
 (ステップS102)
 図6は、ステップS102における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS102では、シリコン酸化膜10を除去した部分に、ポリシリコン層11が形成される。ポリシリコン層11は、シリコン酸化膜10を除去した部分を囲むシリコン酸化膜10の表面部分12まで延長して形成される。また、ヒータ2が形成される部分のシリコン酸化膜10の表面にもポリシリコン層11が形成され、ヒータ2として使用する。
[0038]
 (ステップS103)
 図7は、ステップS103における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS103では、ヒータ2を跨ぐようにサーモパイル3が形成される。
[0039]
 (ステップS104)
 図8は、ステップS104における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS104では、基板7をエッチングすることにより空洞8を形成する場合(後述する)にサーモパイル3を保護する筐体膜13が付与される。また、筐体膜13は、空洞8がヒータ2及びサーモパイル3の下部に形成された場合であっても強度が保てるように形成される。また、筐体膜13は、膜6の一部となる。
[0040]
 (ステップS105)
 図9は、ステップS105における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS105では、筐体膜13を貫通するようにエッチングホール14を設ける。エッチングホール14により、系外とポリシリコン層11とは連通する。
[0041]
 (ステップS106)
 図10は、ステップS106における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS106では、エッチングホール14からポリシリコン層11及び基板7を腐食させる腐食剤を供給する。腐食剤は、例えばTMAH(TetrAmethylAmmonium hydroxide)液である。ここで、ポリシリコン層11は、シリコンの多結晶体により形成されるため、TMAH液によって腐食が等方的に進行する性質を有する。すなわち、ポリシリコン層11は、基板7の実装面方向に腐食が等方的に進行していく。また、TMAH液は、ポリシリコン層11を介し、基板7へも浸透する。そして、基板7も腐食が進行する。
[0042]
 (ステップS107)
 図11は、ステップS107における工程の概要の一例を模式的に例示する。ステップS107では、TMAH液の腐食は、シリコン酸化膜10の表面部分12の上に存在するポリシリコン層11まで進行し、隙間17が形成される。また、基板7が所望の深さまで腐食が進行し空洞8が形成される。そして、TMAH液のエッチングホール14からの供給は停止される。
[0043]
 ここで、ポリシリコン層11は、TMAH液によって腐食が等方的に進行する性質を有する。よって、空洞8の寸法のばらつきは抑制される。また、隙間17の寸法のばらつきも抑制される。換言すれば、空洞8に露出される筐体膜13の面積のばらつきは抑制される。従って、空洞内の熱が筐体膜13へ伝わる度合のばらつきは抑制される。すなわち、第一の温接点4の温度と第二の温接点5の温度が空洞の形成具合によってばらつくことは抑制される。よって、サーモパイル3からの出力の差に基づいて、流体の流量を求める場合に、求められる流量のばらつきは抑制される。
[0044]
 [作用・効果]
 上記のような検出装置1によれば、第一の温接点4の温度と第二の温接点5の温度が、流体が流れていない場合に略同一となり、流体が流れている場合に異なる。よって、流体が流れていない場合と流体が流れる場合とでサーモパイル3の出力に差が生じる。また、流体の流量に応じてサーモパイル3からの出力の差は変化する。よって、サーモパイル3からの出力の差に基づいて、流体の流量を取得することができる。
[0045]
 また、上記の検出装置1によれば、サーモパイル3の第一の温接点4と第二の温接点5は、開口9の内側に配置されている。よって、基板7から第一の温接点4または第二の温接点5への熱の移動は抑制される。よって、サーモパイル3の出力が、基板7の温度に影響されることは抑制される。また、基板7の外部の温度、又は基板7の近傍を流れる流体の温度による影響は軽減される。すなわち、サーモパイル3の出力の精度の低下は抑制される。よって、サーモパイル3の出力を利用して求める流体の流量の精度は高まる。
[0046]
 また、上記の検出装置1によれば、基板7を製造する場合に生じる寸法のばらつきによって形成される空洞8の寸法が変わった場合であっても、サーモパイル3の長さを変更し、第一の温接点4と第二の温接点5とが開口9の縁を跨ぐように調節せずに済む。すなわち、空洞8の寸法が変わった場合であっても、サーモパイル3の長さを変更せずにサーモパイル3の出力のばらつきを抑制することができる。また、基板7の寸法がばらついた場合であっても、基板7を検出装置1に使用することができ、基板7を廃棄する頻度は低減される。その結果、基板7の生産性は向上する。
[0047]
 また、上記の検出装置1とは異なり、図1に示されるように、基板にサーモパイルの冷接点が配置される場合、冷接点を介して熱がサーモパイルから基板へ移動する。よって、温接点と冷接点との間の距離を長く取り、温接点と冷接点との間の電線に熱を蓄えておく対策が必要となる場合が考えられる。一方、上記の検出装置1によれば、冷接点は基板7に配置されず、第一の温接点4及び第二の温接点5は開口9の内側に配置される。よって、熱が基板7へ移動することは抑制される。換言すれば、サーモパイル3の距離を短くすることができる。よって、検出装置1の小型化が実現される。
[0048]
 また、上記の検出装置1によれば、サーモパイル3が開口9の縁を跨いで配置されていないため、ヒータ2が生じさせた熱がサーモパイル3を伝って基板7へ移動することは抑制される。よって、熱損失が軽減される。また、基板7への熱の移動が抑制されるため、分布する熱量の低下が抑制される。よって、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態である場合であっても、流体の流量は検出可能となる。すなわち、流体の流れる流量の変化に対するサーモパイル3の感度の向上および消費される電流の低減が可能となる。
[0049]
 また、上記の検出装置1によれば、サーモパイル3は1つで済む。よって、構造が簡易となり、低コスト化が実現される。また、電気回路が簡素化される。また、サーモパイル3が他の素子や配線とワイヤボンディングされる場合、ワイヤボンディングに使用されるワイヤ本数を削減することができる。また、サーモパイルの個数が減るため不良発生率が低下する。
[0050]
 また、上記の検出装置1によれば、ヒータ2及びサーモパイル3が配置される部分の幅を狭めることができる。すなわち、検出装置1の小型化が実現される。
[0051]
 §4 変形例
 以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
[0052]
 <4.1>
 図12A及び図12Bは、本実施形態の変形例に係る検出装置1Aの概要の一例を示している。図12Aは、検出装置1Aの上面図、図12Bは、検出装置1Aの断面図の一例として、図12AにおけるA-A矢印断面図を示している。検出装置1Aは、検出装置1の構造に加えて、系外と開口9の縁とを連通させる孔15を備える。孔15は、ヒータ2を中心として流体の流れる方向に並べて配置される。また、孔15は、サーモパイル3の長手方向について、第一の温接点4及び第二の温接点5よりも外側に設けられる。
[0053]
 このような検出装置1Aによれば基板7とサーモパイル3との間の熱の移動を抑制することができる。換言すれば、サーモパイル3あるいはヒータ2と基板7との距離を短くした場合であっても、熱が膜6の中央部分に留まり、サーモパイル3からの出力の変動は抑制される。すなわち、検出装置1Aの小型化が実現される。
[0054]
 <4.2>
 図13は、本実施形態の変形例に係る検出装置1Bの断面図の一例を示している。検出装置1Bは、サーモパイル3の第一の温接点4及び第二の温接点5がその長手方向について、開口9の法線方向から見て開口9の中央部分を中心として開口9の内部に対称に配置される。また、ヒータ2は、開口9の法線方向から見て長手方向と垂直な方向については、第一の温接点4と第二の温接点5との間の部分の中央に配置される。そして、ヒータ2は、開口9の法線方向については、サーモパイル3を挟んで空洞8と反対側に配置される。
[0055]
 このような検出装置1Bによれば、流体が流れる部分により近い場所にヒータ2を配置することができる。よって、流体が流れる部分に分布する熱量は大きくなる。よって、流体の流速が速く、熱が流体によって奪われやすい状態である場合であっても、流体の流量は検出可能となる。すなわち、流体の流れに対して高感度な検出装置1Bを形成することができる。
[0056]
 <4.3>
 図14A及び図14Bは、本実施形態の変形例に係る検出装置1Cの概要の一例を示している。図14Aは、検出装置1Cの上面図、図14Bは、検出装置1Cの断面図の一例として、図14AにおけるA-A矢印断面図を示している。検出装置1Cにおいて、サーモパイル3は、その長手方向について、第一の温接点4と第二の温接点5が、開口9の法線方向から見て、開口9の中央部分に対して対称となるように配置される。そして、ヒータ2A、2Bは、その長手方向と垂直な方向について、開口9の法線方向から見てサーモパイル3の第一の温接点4および第二の温接点5の外側に、サーモパイル3と並べて配置される。
[0057]
 すなわち、検出装置1Cは、流体が流れる向きに、ヒータ2A、第一の温接点4、第二の温接点5、ヒータ2Bの順に夫々の部品が並べられる。すなわち、流体が流れていない場合、第一の温接点4の温度と第二の温接点5の温度は等しくなる。一方で、流体が流れている場合、第一の温接点4の温度は上昇し、第二の温接点5の温度は下降する。
[0058]
 また、検出装置1Cを形成する工程において、ヒータ2A、2Bがシリコン酸化膜10の表面に形成されるとともに、サーモパイル3もシリコン酸化膜10の表面に並んで一緒に形成される。
[0059]
 このような検出装置1Cによれば、検出装置1Cを形成する工程において、ヒータ2A、2B及びサーモパイル3を形成する場合、ヒータ2A、2Bとサーモパイル3とを一緒に形成することができる。すなわち、検出装置1Cの形成工程は簡略化される。
[0060]
 また、上記の実施形態や変形例において例示したヒータ及びサーモパイルの配置場所は、一例であって、上記の場所に限定されない。ヒータ及びサーモパイルの配置場所は、第一の温接点4及び前記第二の温接点5が、開口9の内部に配置され、ヒータ2は、流体が流れていない場合と流体が流れている場合とで、第一の温接点4の温度、及び第二の温接点5の温度が変化するような熱の分布を生じさせる場所であればよい。
[0061]
 また、上記の検出装置を形成する過程において開けたエッチングホール14を孔15としてもよい。
[0062]
 また、孔15は、サーモパイル3の長手方向について、第一の温接点4あるいは第二の温接点5の少なくとも何れか一方の温接点よりも外側に設けられていてもよい。
[0063]
 また、ヒータは、その長手方向と垂直な方向について、開口9の法線方向から見てサーモパイル3の第一の温接点4、あるいは第二の温接点5の少なくとも何れか一方の温接点の外側に、サーモパイル3と並べて配置されてもよい。
[0064]
 以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
[0065]
 なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<付記1>
 表面の一部に開口(9)する空洞(8)を有する基板と、
 前記基板の前記表面に前記開口(9)を覆うように設けられる薄膜層(6、10、13)と、
 前記薄膜層に設けられ、略線状の形状を有する加熱器(2、2A、2B)と、
 前記薄膜層に設けられ複数の熱電対が直列に接続されて形成された熱電対列(3)と、を備え、
 前記熱電対列(3)における各々の熱電対においては、前記加熱器(2、2A、2B)の長手方向と垂直な方向に、第一の温接点(4)と第二の温接点(5)とが配置され、前記第一の温接点(4)の温度及び前記第二の温接点(5)の温度差に基づいて出力が生成されるとともに、前記第一の温接点(4)及び前記第二の温接点(5)は、前記開口(9)の法線方向から見て該開口(9)の内側に配置される、
 検出装置(1、1A、1B、1C)。
<付記2>
 前記薄膜層(6、10、13)は系外と前記開口(9)の縁とを連通させる孔(15)を備え、
前記開口(9)の縁は、前記開口(9)の法線方向から見て該開口(9)の内側であって、前記熱電対の長手方向について、前記第一の温接点(4)および/または前記第二の温接点(5)より外側の領域である、
 付記1に記載の検出装置(1A、1B、1C)。
<付記3>
 前記加熱器(2)は、その長手方向と垂直な方向について前記開口(9)の中央部分に1つ配置され、
 前記熱電対は、前記第一の温接点(4)と前記第二の温接点(5)が、前記加熱器(2)を中心として前記加熱器(2)を跨いで対称となるように配置される、
 付記1又は2に記載の検出装置(1、1A)。
<付記4>
 前記熱電対は、前記開口(9)の法線方向から見て、前記第一の温接点(4)と前記第二の温接点(5)が、前記熱電対の長手方向について前記開口(9)の中央部分に対して対称となるように配置され、
 前記加熱器(2)は、前記開口(9)の法線方向から見て長手方向と垂直な方向については、前記第一の温接点(4)と前記第二の温接点(5)との間の部分の中央に配置され、前記開口(9)の法線方向については、前記熱電対列(3)を挟んで前記空洞(8)と反対側に配置される、
 付記1又は2に記載の検出装置(1B)。
<付記5>
 前記熱電対は、その長手方向について、前記第一の温接点(4)と前記第二の温接点(5)が、前記開口(9)の法線方向から見て、前記開口(9)の中央部分に対して対称となるように配置され、
 前記加熱器(2A、2B)は、その長手方向と垂直な方向について、前記開口(9)の法線方向から見て前記熱電対の前記第一の温接点(4)および/または前記第二の温接点(5)の外側に、前記熱電対と並べて配置される、
 付記1又は2に記載の検出装置(1C)。

符号の説明

[0066]
1      :検出装置
1A     :検出装置
1B     :検出装置
1C     :検出装置
2      :ヒータ
2A     :ヒータ
2B     :ヒータ
3      :サーモパイル
4      :第一の温接点
5      :第二の温接点
6      :膜
7      :基板
8      :空洞
9      :開口
10     :シリコン酸化膜
11     :ポリシリコン層
12     :表面部分
13     :筐体膜
14     :エッチングホール
15     :孔
17     :隙間
31     :従来の検出装置
32     :ヒータ
33A    :サーモパイル
33B    :サーモパイル
34A    :第一の温接点
34B    :第二の温接点
35A    :第一の冷接点
35B    :第二の冷接点
36     :膜
37     :基板
38     :空洞
39     :開口

請求の範囲

[請求項1]
 表面の一部に開口する空洞を有する基板と、
 前記基板の前記表面に前記開口を覆うように設けられる薄膜層と、
 前記薄膜層に設けられ、略線状の形状を有する加熱器と、
 前記薄膜層に設けられ複数の熱電対が直列に接続されて形成された熱電対列と、
を備え、
 前記熱電対列における各々の熱電対においては、前記加熱器の長手方向と垂直な方向に、第一の温接点と第二の温接点とが配置され、前記第一の温接点の温度及び前記第二の温接点の温度差に基づいて出力が生成されるとともに、前記第一の温接点及び前記第二の温接点は、前記開口の法線方向から見て該開口の内側に配置される、
 検出装置。
[請求項2]
 前記薄膜層は系外と前記開口の縁とを連通させる孔を備え、
 前記開口の縁は、前記開口の法線方向から見て該開口の内側であって、前記熱電対の長手方向について、前記第一の温接点および/または前記第二の温接点より外側の領域である、
 請求項1に記載の検出装置。
[請求項3]
 前記加熱器は、その長手方向と垂直な方向について前記開口の中央部分に1つ配置され、
 前記熱電対は、前記第一の温接点と前記第二の温接点が、前記加熱器を中心として前記加熱器を跨いで対称となるように配置される、
 請求項1又は2に記載の検出装置。
[請求項4]
 前記熱電対は、前記開口の法線方向から見て、前記第一の温接点と前記第二の温接点が、前記熱電対の長手方向について前記開口の中央部分に対して対称となるように配置され、
 前記加熱器は、前記開口の法線方向から見て長手方向と垂直な方向については、前記第一の温接点と前記第二の温接点との間の部分の中央に配置され、前記開口の法線方向については、前記熱電対列を挟んで前記空洞と反対側に配置される、
 請求項1又は2に記載の検出装置。
[請求項5]
 前記熱電対は、その長手方向について、前記第一の温接点と前記第二の温接点が、前記開口の法線方向から見て、前記開口の中央部分に対して対称となるように配置され、
 前記加熱器は、その長手方向と垂直な方向について、前記開口の法線方向から見て前記熱電対の前記第一の温接点および/または前記第二の温接点の外側に、前記熱電対と並べて配置される、
 請求項1又は2に記載の検出装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12A]

[ 図 12B]

[ 図 13]

[ 図 14A]

[ 図 14B]