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1. WO2008013305 - FEUILLE EN ACIER INOXYDABLE POUR PIÈCES ET PROCÉDÉ DE FABRICATION DE CELLE-CI

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[ JA ]
明 細書

部品用ステンレス鋼板及びその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、工業製品として加工等されるステンレス鋼板及びその製造方法に関し、 詳しくは高強度、高疲労特性及び優れた加工性を有し、さらには高平坦度、低残留 応力である部品用ステンレス鋼板とその製造方法に関する。すなわち、本発明は、ス テンレス鋼板又は鋼帯 (以降、総称して「ステンレス鋼板」と記載することがある。)から 製造される多くの製品、部品で優れた性能を発揮するステンレス鋼板及びその製造 方法に関する。特に製品の小型 ·軽量化にともない高精度 ·複雑化する、工業製品 内に組み込まれて使用される多種多様の部品に適するステンレス鋼板及びその製 造方法に関する。

背景技術

[0002] 自動車、家電製品、 IT機器、携帯電話等の各種工業製品には、多種多様な部品 がその内外に使用されている。各部品の材料も多種多様であるが金属材料が多く適 用され、その中でもステンレス鋼が用いられている場合が多い。これらステンレス鋼を 材料とした部品の多くは、プレス加工やエッチング加工等の方法によりステンレス鋼 板から製作される。

[0003] 例えば、プレス加工の場合、該ステンレス鋼板を切肖 I」、プランキング等により所定寸 法とした後、金型を用いて所定の形状に成形する。その代表的なものとしてパネ部品 を挙げること力 sできる。パネ部品は多くの工業製品に使用され、また、 1つの製品中の 多くの部位に用いられていることもある。また、パネ部品の種類も多ぐ形状により皿 パネと板パネに大別される。具体的にはボルトとナットの間に挿入されるワッシャー、 携帯電話ボタン下で使用される小型皿パネ、自動車やオートバイに使用されるガス ケッ卜、メタノレパッキン等を挙げること力 Sできる。

[0004] 一方、エッチング加工は板表面にフォトレジスト法でパターンを形成し、酸に浸漬、 スプレーで吹き付ける等の化学的手段により素材の一部を腐食、除去 (エッチング)し 、パターンに対応する形状を得るというものである。エッチング加工はプレス加工が困 難であるような例えば精密部品の加工への適用が多い。これには例えば磁気ヘッド 固定に使用されるジンノ^レ (パネ)、プリンター紙送り用歯車等の小型部品、極めて多 数の小さな孔を開ける従来型 TVのシャドーマスク、プリント基板印刷用メッシュ等を 挙げること力 Sでさる。

[0005] このようなステンレス鋼を用いた部品において、近年における部品の小型 ·軽量化 及び複雑化'高精度化の傾向が進み、次のような各種特性がさらに必要とされてきて いる。

•強度:パネ部品では応力が付与されること、他に構造体の側面を持つ部品も多ぐ 小型軽量化 (による剛性の低下)に対して、素材には高強度が必要とされる。

•成形性:部品の複雑化 ·高精度化にともない、より複雑な形状を高精度に加工する ことを要するため、優れた成形性が必要とされる。一般的には、成形性は材料の伸び (延性)に比例し、強度と伸びが対立 (両立しない)関係にあり、高強度と優れた成形性 の両立が必要とされる。

•エッチング性:同様に部品の複雑化 ·高精度化にともない、局所的に発生する孔 (ェ ツチングピット)等の欠陥が無い、平滑な加工面を得るために優れたエッチング性が 要求される。

•疲労特性:パネ部品では繰り返し変動応力が負荷される場合も多ぐ小型 ·軽量化 に伴い変形量が増加することから優れた疲労特性が要求される。また、素材段階で 優れるものの、成形により大きく劣化する場合が多ぐ部品として優れ、高い信頼性を 有することが必要とされる。

•平坦度:高精度 ·複雑化を続ける部品の形状を安定獲得し、小型 ·軽量化する製品 への組込み時の不良率を下げる (歩留りを上昇する)ため、板形状に優れ、高い平坦 度を安定して有することが必要とされる。

•残留応力: (部品に対して)比較的大きな素材から採取した場合、部品は周囲の拘束 から解放され、残留する応力の解放により形状が変化する。すなわち、部品は所定 の形状を示さず、(小型 ·軽量化する)製品への組込み時の不良率が上がる (歩留りが 下がる)。このため、残留応力が低ぐ安定していること力 S必要とされる。

[0006] 従来において、以上のような部品等には SUS301や SUS304のような準安定ォー ステナイ K γ )系ステンレス鋼が使用されてきた。該オーステナイト系ステンレス鋼で は室温で加工することにより、 γ母相から硬質なマルテンサイト相への変態(加工誘 起マルテンサイト(α ' )変態)を生じさせることができる。これにより、ある程度の延性 を有しつつ、強度の高いステンレス鋼板を得ることが可能である。この加工は通常冷 間圧延により行われ、該冷間圧延の圧下率を調整することによる強度調整が可能で ある。延性を有しつつ高強度が得られるのは、加工誘起マルテンサイト(α ' )変態で 当該部分のみが硬化することにより局所的な変形が抑制され、軟質な未変態部(γ 部)に変形が伝播し、全体が均一に変形して高い伸びを示すことによる。これは TRI Ρ効果とレ、われて!/、る。このような特徴から準安定オーステナイト( γ )系ステンレス鋼 は JIS規格 (IIS G 4313)においてバネ用ステンレス鋼帯としても分類されている。

[0007] また、これらステンレス鋼の疲労特性に関しては特許文献 1に破壊の起点となる化 合物の寸法の限定によるものが開示されている。また、特許文献 2にはエッチング性 の改善に関して、エッチングピット (孔)の起点となる化合物の分布の限定によるものが 開示されている。さらに、特許文献 3には、結晶粒微細化による成形性および疲労特 性の改善に関して示されて!/、る。

[0008] これら準安定オーステナイト ( γ )系ステンレス鋼の製造工程につ!/、て説明すると、 概ね図 5に示すような工程を有するものである。すなわち、溶製された铸塊は熱間圧 延及び必要に応じて焼鈍した後、図 5に示したように、冷間圧延と焼鈍を繰返して所 定板厚へ減厚される。次いで、調質圧延、形状矯正、歪取のための歪取焼鈍がなさ れる。これらのうち、調質圧延では製品板厚に減厚すると同時に、加工硬化により性 能調整をすることができる。調質圧延が終了した時点で製品板厚にて目標性能が得 られるように所定板厚への減厚がなされている。その後、性能を大きく変化させない 範囲で、形状矯正による平坦度改善、歪取のための歪取焼鈍で残留応力低減がな される。

[0009] さらにこれら一連の製造工程を改善したものとして、特許文献 4及び特許文献 5に は、 TA(Tension— Annealing)処理が開示されている。これは調質圧延後の性能を 大きく変化させない範囲にて張力を付与しつつ比較的低温で加熱するというもので あり、平坦度改善と残留応力低減を同時に行うことができる。

[0010] さらに、他の製造方法の一つとして、特許文献 6及び特許文献 7には、調質焼鈍法 を有するステンレス鋼の製造方法及び該調質焼鈍法で得られる高性能な準安定 γ 系ステンレス鋼板が開示されている。その工程の概略を図 6に示す。これは所定の組 成を有するステンレス素材について製品板厚への冷間圧延により加工硬化した材料 を調質焼鈍にて軟化させるとともに性能を調整するというものである。これにより、材 料は再結晶粒と前加工の影響を残した未再結晶部との混合組織となり、その割合の 適正化で高強度と高延性とを両立させることができる。さらに、調質焼鈍時には加工 誘起マルテンサイト( α ' )相からオーステナイト( γ )母相への変態 (これを「逆変態」と 記載する。)、回復及び再結晶が起こり、これにより残留応力が低減される。加えて、 逆変態は体積変化をともなうので、張力付与により軟化を調整し、比較的容易かつ 短時間での性能調整及び形状矯正も可能である。すなわち、製品内部に組込まれ て使用される部品の素材に適する高性能材料を合理的かつ安定して製造することが できる。

[0011] また、特許文献 8〜; 10には、素材であるステンレス鋼板の圧延条件及び熱処理条 件を特定し、結晶粒内に転移やマルテンサイトを導入して結晶粒内のエッチング速 度を増加させるフォトエッチング加工用ステンレス鋼板が開示されている。これは当 該結晶粒内のエッチング速度を結晶粒界と同等にする等により、エッチング面の平 滑性が向上されるというものである。

[0012] 特許文献 1 :特開 2005— 290449号公報

特許文献 2:特開 2000— 273586号公報

特許文献 3:特開平 5— 279802号公報

特許文献 4 :特開平 10— 34237号公報

特許文献 5 :特開 2001— 226718号公報

特許文献 6:特許第 3603726号公報

特許文献 7:特開 2002— 194506号公報

特許文献 8 :特開 2005— 314772号公報

特許文献 9:特開 2005— 320586号公報

特許文献 10 :特開 2005— 320587号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0013] しかし、近年における部品の小型 ·軽量化及び精密 ·高精度化の傾向に対応するこ とのできるステンレス鋼板が必要とされ、上記した各特性の更なる向上が課題であつ た。特許文献 1〜3に示した各発明についても限界があり、さらなる性能向上が要求 されていた。特にバネ材においては、製品として加工された後の疲労特性の向上及 び小型化された部品を精度良く加工することのできる加工性 (成形性及びエッチング 性)向上が課題であった。

[0014] 製造方法についても同様の課題を有しており、上記課題を解決し得るステンレス鋼 板を製造する方法を採用することが課題とされていた。ところが、従来の製造方法や 特許文献 4及び特許文献 5の製造方法では、素材の高強度と高延性の両立には限 界があった。加えて、素材はより薄ぐ高強度化しているので形状矯正が困難となり、 板形状が悪化する傾向にあった。また、歪取焼鈍が長時間化し生産性を阻害する要 因となっていた。さらには、部品が多種多用で板厚、硬さも異なり、かつ使用量が比 較的少量にとどまる場合もあることから、これら問題が顕著となり、製品コストの大幅な 上昇を招いていた。

[0015] 特許文献 6及び特許文献 7に記載の製造方法では、製品、部品の小型 ·軽量化の 傾向の促進、品種の拡大等によるさらなる加工性の向上に対応するための課題を有 していた。

[0016] 特許文献 8〜; 10に記載のフォトエッチング加工用ステンレス鋼板では、エッチング の平滑度は得られるものの、必ずしも良好な強度及び延性、疲労特性を備えるとは いえな力、つた。これにより、さらなる性能向上が必要である課題を有していた。

[0017] そこで本発明は、良好な強度及び延性を備えつつ、加工性 (成形性、エッチング性 )及び疲労特性を向上させることのできるステンレス鋼板及び該ステンレス鋼板の製 造方法を提供することを課題とする。さらには、当該ステンレス鋼板の製造方法により 上記本発明のステンレス鋼板を安価かつ工業的に安定供給することも課題とする。 課題を解決するための手段

[0018] 本発明者らは、鋭意検討の結果、上記課題を解決するため次のような知見等を得 て本発明を完成させた。すなわち、従来のステンレス鋼板及びその製造方法では得 られなかったステンレス鋼板の特性向上のための混合組織(高延性の再結晶組織と 高強度の加工誘起マルテンサイト相が残存する未再結晶組織との混合である組織) を得ることを検討した。そして、そのための、一連の圧延加工における最終圧延率や 材料組成の影響について詳細に調査した。その結果、後述するような混合組織を有 するステンレス鋼板及びその製造方法により加工性及び疲労特性等も向上させるこ とができることがわかった。

[0019] 詳しくは、次のような知見に基づくものである。

ω混合組織を有する構造により性能が向上する。これは、混合組織における再結 晶部では結晶粒微細化による強化と密度上昇による粒界での不均一変形の抑制の 効果があり、一方、混合組織における未再結晶部では加工硬化と逆変態した γ相か らの加工誘起 α '変態による TRIP効果がある。これにより、材料はそれらの複合効果 力 高強度を維持することができる。加えて、均一に変形が進展し、成形性 (延性)が 向上する。また、エッチング性に関しても同様に考えることができ、結晶粒微細化及 び γ母相という単一構造の増加によりエッチング加工面が均一になると考えられる。 その結果、疲労破壊の起点となる不均一な部分が消滅し、成形後及びエッチング加 ェ後の疲労特性が向上する。

[0020] (b)材料組成等の各種条件を適正化するとともに、ステンレス鋼板の混合組織及び 内在する化合物の分布を調整することにより、材料の加工性、疲労特性を向上させる こと力 Sできる。具体的には、混合組織に加え、質量 5gあたりに内在する最大径 20 m以上の化合物を 30個以下とすることにより、加工によって顕在化する欠陥が観察さ れなくなり、加工部表面が平滑となる。これにより加工前に対して 90%以上の疲労強 度が加工後にも維持される。疲労破壊が該欠陥への応力集中により発生することか ら、同強度の向上はこの欠陥を減らすことにより達成されると考える。

[0021] (c)製造方法については、製造時においてステンレス鋼板に与えられる張力力該 ステンレス鋼板の組織中の γ相からなる再結晶粒の割合を変化させたり、未再結晶 部における γ相の割合を変化させたりする。これは、調質焼鈍を有する製造方法を 適用した場合に、体積変化をともなう α ' (加工誘起マルテンサイト)相から γ母相へ の逆変態が調質焼鈍時の張力によって制御されることによる。該張力の付与により軟 化が緩やかになることから、張力の増加は逆変態を抑制して残存する α ' (加工誘起 マルテンサイト)量を増加させるものと考えられる。すなわち、該張力によってステンレ ス鋼の金属組織を制御することができる。

[0022] ただし一方で、張力が過大な場合、未再結晶部の Ί相が冷却中に α '相に変態す ることがわかった。これは未再結晶部中の γ相が残存する加工歪に加え、張力の影 響により冷却中に所定温度以下で加工誘起によるマルテンサイト変態( α ' )が生じる ためと考えられる。従って、負荷する張力も逆変態が考慮された所定の範囲でおこな われなければならない。

[0023] (d)また、製造方法について、最終的な冷間圧延は圧下率を大きくとることで化合 物を粉砕し、微細化する事が可能である。これは性能調整を別工程 (調質焼鈍)とす る利点の一つであり、調質圧延では性能調整のために所定の加工率での実施が必 要不可避となるからである。

[0024] 以下、本発明につ!/、て説明する。

[0025] 請求の範囲第 1項に記載の発明は、ステンレス鋼の全体を 100質量%としたときに 、 Cを 0. 01—0. 08質量0 /0、 Siを 0. 1— 2. 0質量0 /0、 Mnを 3. 0質量0 /0以下、 Crを 10. 0—20. 0質量0 /0、Niを 3. 0—12. 0質量0 /0、 Nを 0. 02—0. 24質量0 /0で各成 分を含有し、かつ、該含有された前記各成分の質量%の値が代入される式

Md= 500-458(C + N)- 9(Si + Mn)- 14Cr- 20Ni

で表される Md値が 0〜80を満足し、残部が不可避的不純物である化学組成を有し 、各成分により形成された化合物のうち最大径が 20 m以上である該化合物の内在 量がステンレス鋼の質量 5gあたりに 30個以下であり、さらに該ステンレス鋼全体の金 属組織が再結晶粒及び未再結晶部の混合組織であること特徴とする部品用ステンレ ス鋼板を提供することにより前記課題を解決する。

[0026] 請求の範囲第 2項に記載の発明は、ステンレス鋼の全体を 100質量%としたときに 、 Cを 0. 01—0. 08質量0 /0、 Siを 0. 1— 2. 0質量0 /0、 Mnを 3. 0質量0 /0以下、 Crを 10. 0〜20. 0質量0 /0、 Niを 3. 0~12. 0質量0 /0、 Nを 0. 02〜0. 24質量0 /0、及び Nb、 Ti、 Vから選ばれる 1種以上を 0. 5質量%以下で各成分を含有し、かつ、該含

有された前記各成分の質量%の値が代入される式

Md= 500-458(C + N)- 9(Si + Mn)- 14Cr- 20Ni- 65Nb- 27Ti- 61V で表される Md値が 0〜80を満足し、残部が不可避的不純物である化学組成を有し 、各成分により形成された化合物のうち最大径が 20 m以上である該化合物の内在 量がステンレス鋼の質量 5gあたりに 30個以下であり、さらに該ステンレス鋼全体の金 属組織が再結晶粒と未再結晶部の混合組織であること特徴とする部品用ステンレス 鋼板を提供することにより前記課題を解決する。

[0027] 請求の範囲第 3項に記載の発明は、請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の部品用 ステンレス鋼板の再結晶粒の平均粒径は 10 m以下であることを特徴とする。

[0028] 請求の範囲第 4項に記載の発明は、請求の範囲第 3項に記載の部品用ステンレス 鋼板の混合組織が 70質量%以上のオーステナイト相であることを特徴とする。

[0029] 請求の範囲第 5項に記載の発明は、ステンレス鋼の全体を 100質量%としたときに 、 Cを 0. 01—0. 08質量0 /0、 Siを 0. 1— 2. 0質量0 /0、 Mnを 3. 0質量0 /0以下、 Crを 10. 0—20. 0質量0 /0、Niを 3. 0—12. 0質量0 /0、 Nを 0. 02—0. 24質量0 /0で各成 分を含有し、かつ、該含有された前記各成分の質量%の値が代入される式

Md= 500-458(C + N)- 9(Si + Mn)- 14Cr- 20Ni

で表される Md値が 0〜80を満足し、残部が不可避的不純物である化学組成を有す る素材を少なくとも 1回冷間圧延する第一冷間圧延工程 (S1)と、第一冷間圧延工程 と組して該第一冷間圧延工程後に配置される第一焼鈍工程(S2)と、第一焼鈍工程 の後工程側に具備される最後の圧延であり、圧下率が 20%以上、かつ第一冷間圧 延との合計の圧下率が 60%以上となる第二冷間圧延工程(S3)と、第二冷間圧延ェ 程後の前記素材を 650〜; 1000°Cで 300秒以下で保持するとともに、該保持された 温度における素材の 0. 2%耐カ以下で張力を与えて調質する第二焼鈍工程 (S4)と を有する部品用ステンレス鋼板製造方法により前記課題を解決する。

[0030] 請求の範囲第 6項に記載の発明は、ステンレス鋼の全体を 100質量%としたときに 、 Cを 0. 01—0. 08質量0 /0、 Siを 0. 1— 2. 0質量0 /0、 Mnを 3. 0質量0 /0以下、 Crを 10. 0〜20. 0質量0 /0、 Niを 3. 0~12. 0質量0 /0、 Nを 0. 02〜0. 24質量0 /0、及び Nb、 Ti、 Vから選ばれる 1種以上を 0. 5質量%以下で各成分を含有し、かつ、該含

有された前記各成分の質量%の値が代入される式

Md= 500-458(C + N)- 9(Si + Mn)- 14Cr- 20Ni- 65Nb- 27Ti- 61V で表される Md値が 0〜80を満足し、残部が不可避的不純物である化学組成を有す る素材を少なくとも 1回冷間圧延する第一冷間圧延工程 (S1)と、第一冷間圧延工程 と組して該第一冷間圧延工程後に配置される第一焼鈍工程(S2)と、第一焼鈍工程 の後工程側に具備される最後の圧延であり、圧下率が 20%以上、かつ第一冷間圧 延との合計の圧下率が 60%以上となる第二冷間圧延工程(S3)と、第二冷間圧延ェ 程後の素材を 650〜; 1000°Cで 300秒以下で保持するとともに、該保持された温度 における素材の 0. 2%耐カ以下で張力を与えて調質する第二焼鈍工程 (S4)とを有 する部品用ステンレス鋼板製造方法を提供することにより前記課題を解決する。

[0031] 請求の範囲第 7項に記載の発明は、請求の範囲第 5項又は第 6項に記載の部品用 ステンレス鋼板製造方法の第二焼鈍工程の張力が、保持された温度における素材 の 0. 2%耐力の 40%以下であることを特徴とする。

[0032] 請求の範囲第 8項に記載の発明は、請求の範囲第 5項〜第 7項のいずれか一項に 記載の部品用ステンレス鋼板製造方法における第二焼鈍工程 (S4)後さらに調質圧 延を施すことを特徴とする。

発明の効果

[0033] 本発明によれば、多種多様な部品を精度よぐ高い信頼性を有して製造することの できるステンレス鋼板及びその製造方法を提供することができる。特に、本発明では 成形性及び成形後の疲労特性に優れ、信頼性の高いステンレス鋼板を安価に、 つ工業的に安定して提供することが可能となる。また、最近の環境問題にも対応し、 小型化 ·軽量化による資源の有効活用をさらに進めることも可能である。

図面の簡単な説明

[0034] [図 1]本発明の製造方法の流れの 1態様を説明するための図である。

[図 2]素材の温度と 0 · 2 %耐力との関係の 1例を示すグラフである。

[図 3]本実施例により得られた結果をもとに作成したステンレス鋼板の硬度と伸びとの

[図 4]本実施例の No. 4及び No. 28の場合における曲げ部の表面を拡大して示した 写真である。

[図 5]従来のステンレス鋼板の製造方法の 1つの例を説明するための図である。

[図 6]従来のステンレス鋼板の製造方法の他の例を説明するための図である。

符号の説明

[0035] S1 第一冷間圧延工程

S2 第一焼鈍工程

S3 第二冷間圧延工程

S4 第二焼鈍工程

発明を実施するための最良の形態

[0036] 本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の 形態から明らかにされる。

[0037] 以下、本発明の最良の形態、及びその好ましい範囲等について説明する。

(1)ステンレスま岡板

はじめに本発明のステンレス鋼板について説明する。上述したように本発明のステ ンレス鋼板では、その組成並びに組織、 Md値、及び内在する化合物の態様に特徴 を有するものである。以下に各々について説明する。

[0038] (1 1)成分

本発明に含有される成分及びその含有量について説明する。本発明のステンレス 鋼板の主成分は Feであり、以下に示す含有量は、ステンレス鋼板全体を 100質量% としたときの割合を示すものである。

[0039] - C : Cの含有量は、 0. 01-0. 08質量%とする。 Cは安価かつ有効な侵入型固 溶強化元素の一つである。 0. 01質量%以上含有させる固溶強化の作用が発揮され る。一方、上限値は、 0. 08質量%である。これは、 Cは強力な γ安定化元素であり、 過度の添加は必要となる加工誘起マルテンサイト ( α ' )変態を抑制してしまうことによ る。また、調質焼鈍を含む製造方法の場合には、調質焼鈍時に Cr 23 C 6化合物に代 表される粒界への粗大な炭化物の析出を招き、加工性や耐食性を劣化させるからで ある。 C含有量のさらに好ましい範囲は、 0. 02-0. 07質量%である。

[0040] - Si : Siの含有量は 0.;!〜 2. 0質量%とする。 Siは有効な固溶強化元素である。 下限値を 0. 1質量%以上としたのは、これにより高温強度を上昇させ、本発明の特 徴である上述の混合組織の獲得が容易となるからである。上限値を 2. 0質量%とし たのは、 Siはフェライ Κ α )安定化元素でもあり、過度の添加は調質焼鈍時に残存す る α,相を増加させるからである。 Si含有量のさらに好ましい範囲は、 0. 2〜; 1. 8質 量%である。

[0041] .Mn : Mnの含有量は 3. 0質量%以下とする。 Mnは γ安定化元素であり、他の 元素とのバランスを考えて添加される。含有量を 3. 0質量%以下としたのは、過度に 添加した場合、 α,相力 S得られなくなることによる。また、介在物等を形成し、加工性 や耐食性を劣化させる場合があるからである。 Mn含有量のさらに好ましい範囲は、 2 . 6質量%以下である。

[0042] - Cr: Crの含有量は 10. 0— 20. 0質量%である。 Crはステンレス鋼の基本合金 元素の一つである。含有量を 10. 0質量%以上としたのは必要な耐食性を得るため である。上限値を 20. 0質量%としたのは、 Crが α安定化元素であり、過度の添加は 調質焼鈍後に残存する α '相を増加することによる。 Cr含有量のさらに好ましい範囲 は 13. 0—19. 0質量0 /0である。

[0043] .Ni : Niの含有量は 3. 0〜12. 0質量%である。 Niもステンレス鋼の基本合金元 素の一つであり、最も有効な γ安定化元素である。下限値を 3. 0質量%としたのは、 室温で安定した γ相を得るために必要不可欠であることによる。上限値を 12. 0質量 %としたのは、所定の範囲で α '変態を起こす必要があるからである。 Ni含有量のさ らに好ましい範囲は、 3. 5-11. 5質量%である。

[0044] .N : Nの含有量は、 0. 02〜0. 25質量%である。 Nは Cと同様に有効な侵入型 固溶強化元素の一つであり、 Cに比べてより高温まで化合物を形成すること無く固溶 すること力 Sできる。すなわち、本発明の主要な強化元素である。かかる観点から、下 限値を 0. 02質量%とした。上限値を 0. 25質量%としたのは、過度に添加した場合 、熱間での加工性を劣化させ、板の製造を阻害する虞があるからである。また、 Nは Cと同様に強力な γ安定化元素の一つであり、 α '変態を抑制することにもよる。 Ν含 有量のさらに好ましい範囲は 0. 04-0. 20%で、更に好ましい範囲は 0. 08-0. 0 2%で、最も好ましい範囲は 0. 10-0. 20質量%である。

[0045] .Nb : Nbの含有量は 0. 50質量%以下である。 Nbは高温でも比較的安定かつ微 細分散した Nb化合物を析出して混合組織の獲得を容易にし、粒成長抑制により再 結晶粒を微細化することができる。上限値を 0. 50質量%としたのは、過度の添加は 粗大な化合物を形成し、材料の延性を低下させることによる。また、高価な物質であり 、コストの観点からも上限値を設けた。 Nbのさらに好ましい範囲は、 0. 45質量%以 下である。

[0046] -Ti : Tiの含有量は、 0. 50質量%以下である。 Tiは Nbと同様の効果を有すると 考えられる。すなわち、 Ti化合物の析出により混合組織の獲得を容易にし、再結晶 粒を微細化することができる。さらに、 Nbよりも容易に化合物を形成すると考えられる 。上限値を 0. 50質量%としたのは、過度の添加は粗大な化合物を形成し、材料の 延性を低下させることによる。 Ti含有量はさらに好ましくは、 0. 45質量%以下である

[0047] -V: Vの含有量は 0. 50質量%以下である。 Vは Nb、Tiと同様の効果を有する。

すなわち、 V化合物の析出により混合組織の獲得を容易にし、再結晶粒を微細化す る。上限値を 0. 50質量%としたのは、過度の添加は粗大な化合物を形成し、材料の 延性を低下させることによる。 V含有量のさらに好ましい範囲は、 0. 001質量%以上 、 0. 45質量%以下である。

[0048] 上記成分以外に工業的側面から添加される元素、例えば溶製時脱酸剤として使用 される Ca、 A1あるいは REM (希土類金属)、熱間加工性の改善が見込まれる Bを必 要に応じて合計量で 0. 3質量%以下となるように含有してもよい。さらにスクラップを 原料とする場合、不可避的となる Cu、 Moの各々を 0. 4質量%以下で含有してもよ い。 Cu、 Moは本発明においては γ安定度の調整元素として作用する。また、通常 の組成における不可避的不純物が含まれても良い。

[0049] (1 2) Μ 直

Md値は、本発明において式(1)又は式(2)で表される式により計算され、その値が 0〜80°Cであるものとする。ここで、不可避的不純物としてではない上記 Nb、 Ti、 V 力も選ばれる少なくともいずれ力、 1つが添加された場合には式(2)を用いる。いずれ も添加されない場合には式(1)を用いて計算される。また、式中の記号 C、 N、 Si、 M n、 Cr、 Ni、 Nb、 Ti、 Vは、それぞれ対応する成分の含有量(質量%)が代入される。

Md = 500-458 (C + N)— 9 (Si + Mn)— 14Cr— 20Ni · · · (1)

Md = 500-458 (C + N)— 9 (Si + Mn)— 14Cr— 20Ni

- 65Nb- 27Ti- 61V · · · (2)

Md値は。 Cの単位で表され、加工誘起マルテンサイト( α ' )変態の起こり易さを示す ものである。式は、 γ単相の材料に 30%の引張変形を与えた時、全体の 50%が α ' 相に変態する温度(30°C)を本発明における一連の実験結果に基づレ、て定式化した ものである。本発明は上述のとおり、準安定 γ系ステンレス鋼を対象とし、 α '変態の 活用するものであるため、 α '変態を制御することが必要ある。そこでこのために最適 な Md値を 0〜80°Cとした。さらに好ましくは、 10〜70°Cである。

[0050] (1 3)化合物の態様

本発明のステンレス鋼板では、該ステンレス鋼板に含有される化合物において、そ の最大径が 20 m以上ものは、当該ステンレス鋼板の質量 5gあたりに 30個以下で 内在するものである。これにより、化合物に起因する欠陥の発生を減少させることが できる。すなわち、素材が優れた成形性を有すると共に、粗大化合物が表面近傍に 存在する確立が極端に小さくなると考えられる。プレス加工の場合、両者 (素材と粗大 化合物)の変形能の大きな差に起因する凹凸、微少な割れが改善される。また、エツ チング加工の場合、耐食性の違いに起因する化合物露出、更には脱落による孔 (ェ ツチピット)等の局所的な欠陥の発生が撲滅される。これにより、部品は加工部表面が 平滑となり、疲労特性が向上する。また、この局所的欠陥は同加工部表面の最大粗 さの測定により検出されると考える。

[0051] (1 4)組織の態様

本発明のステンレス鋼板の材料組織は、再結晶粒と前加工の影響を残す未再結晶 部の混合した組織で定義される「混合組織」である。これにより高強度と高延性を両 立すること力 Sできるとともに、高平坦度化、低残留応力化も可能となる。また、混合組 織は 70面積%以上の γ相力、らなる構造としてもよい。該 γ相を主要な構造とすること によりさらに成形性、疲労特性が向上する。さらに好ましくは、 80面積%以上である。

[0052] 以上のようなステンレス鋼板とすることにより、各種特性について優れたものとしつ つ、加工性(成形性、エッチング性)及び疲労特性を向上させることのできるステンレ ス鋼板を提供することができる。また、これに加えて、再結晶の粒径を 10 m以下と してもよい。これにより、結晶粒微細化に起因する成形性、疲労特性がさらに向上す る。さらに好ましくは、 6 m以下である。

[0053] (2)ステンレス鋼板の製造方法

次に、本発明のステンレス鋼板の製造方法の 1つの実施形態について説明する。 本発明のステンレス鋼板の製造方法は、図 1に示したように、少なくとも 1回以上の冷 間圧延工程である第一冷間圧延工程(S 1)と、該第一冷間圧延工程(S1)と組となる 少なくとも 1回の第一焼鈍工程 (S2)と、第二冷間圧延工程 (S3)と、調質を目的とし た焼鈍である第二焼鈍工程(S4)とを備えるものである。以下に各々について説明す

[0054] (2— 1)第一冷間圧延工程 (S1)

第一冷間圧延工程(S1)には、上述した成分が添加され熱間加工された素材が供 給される。本工程では、主に素材の寸法を最終的に得られる鋼板に近づけることを 目的におこなうものである。従って、必ずしも 1回である必要はなぐ数回に及ぶ圧延 が行われても良い。具体的には、後で実施される第二冷間圧延との合計の圧下率が 60%以上、好ましくは 70%以上、更に好ましくは 80%以上であれば良ぐ最も好まし くは 90%以上である。

[0055] (2— 2)第一焼鈍工程(S2)

これは、上記第一冷間圧延工程(S1)と組となる工程であり、主に素材の軟化と延 性を付与することを目的とする工程である。従って、通常行われる焼鈍工程であれば その条件は特に限定されるものではない。当該条件は、供給される素材及び最終的 に得られる鋼板の態様によって決められるものである。

[0056] (2— 3)第二冷間圧延工程(S3)

第二冷間圧延工程 (S3)は、上記第一冷間圧延工程 (S1)及び第一焼鈍工程 (S2 )後に配置され、最後の冷間圧延をする工程である。第二冷間圧延工程(S3)では、 最終的に得るステンレス鋼板の板厚まで減厚する。このとき減厚は、圧下率で 20% 以上、かつ第一冷間圧延との合計の圧下率が 60%以上である。これは圧下率を 20 %以上とすることにより十分な加工誘起マルテンサイト( α ' )相を得ることができるか らである。さらにはこれにより結晶粒の微細化もできる。好ましくは 30%以上である。 また、第一冷間圧延と第二冷間圧延との合計の圧下率が 60%以上としたのは、圧下 率を大きくとることによって、化合物を微細に粉砕し、 20 in以上の粗大な化合物の 数を減らすことができる。これにより、当該化合物の最大径を小さくし、 20 m以上の 粗大な化合物の数を減らすことが可能となる。この時、小径のワークロールを用いて 冷間圧延する方が、粗大な化合物を破砕する効果が高いので、好ましい。

[0057] (2— 4)第二焼鈍工程(S4)

第二焼鈍工程(S4)は、最後の焼鈍工程でありこれにより最終的に得ることのできる ステンレス鋼板の材質的な態様が決まる。具体的には、本工程では焼鈍温度を 650 〜; 1000°C、保持時間を 300秒以下とした。これは、材料の機械的性質を調整すると ともに、結晶粒の成長等の素材の金属組織に与える影響と製造効率との観点から規 定されたものである。これにより効率的であるとともに、高平坦度、低残留応力である ステンレス鋼板を得ることができる。

[0058] さらに、第二焼鈍工程(S4)では、上記焼鈍温度にされるとともに、素材に張力が付 与される。張力の大きさは焼鈍温度における素材の 0. 2%耐カ以下である。さらに好 ましくは該 0. 2%耐力の 40%以下である。かかる大きさで素材に張力を負荷すること により、逆変態が調整される。従って、素材に微細な再結晶粒が含まれるようになると ともに、該素材を γ相の割合が高い混合組織を有するものとすることができる。これに より、得られるステンレス鋼板にバランスの良い強度と延性が付与され、高平坦度、低 残留応力を両立することもできる。図 2に素材の温度と、該素材の 0. 2%耐力の値と の関係の例を示すグラフを表した。張力は例えば該図 2によって決められて負荷され

[0059] 介在物を微細化する方法としては、溶製時に粗大介在物の浮上分離を強化するの ための手段が講じられることが好ましい。これには、溶湯の加熱保持時間を延長する ことによって粗大な介在物を浮上分離させる方法がある。その他に小径のロールで 上記第一冷間圧延工程 (S 1 )及び第二冷間圧延工程 (S2)を行うことによって粗大な 介在物を微細に破砕する方法を挙げることができる。また、前記 2つの方法を組み合 わせても良ぐステンレス鋼板に含有される最大径が 20 以上の化合物力当該 ステンレス鋼板の質量 5gあたりに 30個以下に低減できる方法であれば良い。

さらに、本発明が高性能化を発現する介在物分布および混合組織による効果を維 持できる範囲であれば、強度を高める等の目的で、上記第二焼鈍後に調質圧延を施 すことも可能である。

[0060] このような部品用ステンレス鋼板製造方法により、本発明の部品用ステンレス鋼板 を製造すること力できる。すなわち、上記各種特性について優れたものとしつつ、カロ ェ性 (成形性、エッチング性)及び疲労特性を向上させることのできるステンレス鋼板 を製造して提供することができる。そして本製造方法によれば、上記本発明のステン レス鋼板を安価かつ工業的に安定供給することが可能である。

実施例

[0061] 次に実施例によりさらに詳しく説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されるも のではない。実施例では、本発明に該当するステンレス鋼板及び本発明には該当し ないステンレス鋼板をそれぞれ製造し各種評価をおこなったものである。

[0062] (i)供試材の製造

供試材の組成を表 1に示した。各成分のうち本発明の範囲外のものについてはそ の含有量の数字に対して「 *」を付した。

[0063] [表 1]

組成 (質 ¾) d 備考 鋼 c Si Mn Cr Ni N Nb Ti V (¾) a 0.021 0.23 0.25 18.46 4.62 0.203 く 0.001 <0.001 く 0.001 42.2 - b 0.025 0.48 1.28 17.08 6.83 0.118 <0.001 く 0.001 く 0.001 42.9 - c 0.054 0.52 1.21 13.03 10.60 0.116 く 0.001 く 0.001 <0.001 12.2 - d 0.027 0.49 1.27 17.09 6.87 0.110 0.295 く 0.001 く 0.001 25.6 - e 0.026 0.50 1.25 17.14 6.88 0.119 く 0.001 0.282 く 0.001 32.7 - f 0.024 0.52 1.29 17.02 6.94 0.121 く 0.001 <0.001 0.276 23.4 - g 0.127* 0.53 1.12 25.01* 2.0 0.042* く 0.001 く 0.001 く 0.001 17.4* - 0.124* 3.29* 1.16 17.41 6.99 0.289* く 0.001 く 0.001 <0.001 -112.7* - i 0.024 0.52 1.19 17.11 7.01 0.124 0.694* く 0.001 く 0.001 -8.0* - j 0.021 0.49 1.31 17.14 6.91 0.127 く 0.001 0.596* く 0.001 21.8* - k 0.118* 0.61 1.12 17.09 7.04 0.060 0.002 0.001 0.001 22.6 SUS301鋼

I 0.060 0.58 0.83 18.36 8.24 0.050 0.003 0.001 0.001 1 .8 SUS304鋼

Md = 500-458(C + N) -9(Si + n) -14Cr-20Ni

又は

Md=500-458(C + N)-9(Si + Mn)-14Cr-20Ni-65Nb-27Ti~61V

[0064] 表 1に a〜lに示した組成を有する各素材について各製造条件に従ってステンレス 鋼板を製造した。表 2に製造工程における主要な条件を示した。

[0065] [表 2]

供試鋼 製造工程 介在物微小化対策第一と第二冷

No. 第二冷間圧延 第二焼鈍工程

鋼 間圧延の合

加熱時間小径ロー計の圧下率圧下率 ;皿度時間張力 の延長ル使用 (%) (*) (°C) (秒) (%)

1 a 実施 - 95 50 800 30 30

2 b 実施 - 95 50 S00 30 30

3 b 実施 - 95 30 800 30 30

4 b 実施 - 95 50 800 30 30

5 b 実施 - 95 70 800 30 30

6 b 実施 95 50 800 180 30

7 b 実施 95 50 800 30 50

8 b 実施 - 95 50 800 30 70

9 b 実施 - 95 60 700 30 30

10 b 実施 実施 95 70 800 30 30

1 1 c 実施 - 95 30 900 30 30

12 c 実施 - 95 50 900 30 30

13 c 実施 - 95 50 800 30 30

14 d 実施 - 80 50 900 30 30

1 5 d 実施 - 80 50 800 30 30

16 e 実施 - 80 50 900 30 30

17 f - 実施 80 50 900 30 30

18 b 実施 - 55* 10* 700 30 30

19 b - - 50* 10* 800 30 30

20 b 実施 - 95 50 1100* 30 30

21 b 実施 - 95 50 800 * 30 30

22 *

g 実施 - 80 50 900 30 30

23 - - 80 50 800 30 30

24 . 1 * - - 80 50 800 30 30

25 . *

J - - 80 50 800 30 30

26 k * 施 80 50 S00 30 30

27 k * 実施 - 調質圧延、形状強制歪取焼鈍 500¾、300秒

28 k * 実施 - - 調質圧延、形状強制歪取焼鈍 500¾、300秒

29 k * 実施 - - 調質圧延、形状強制歪取焼鈍 500°C、300秒

30 1* 実施 - - 調質圧延、形状強制歪取焼鈍 500°C、300秒

31 r 実施 調質圧延、形状強制歪取焼鈍 500°C、300秒

32 r 実施 - 調質圧延、形状強制歪取焼鈍 500°C、 300秒 表 2を参照しつつ製造方法について詳しく説明する。表 2において本発明の範囲 外となるものについては、「*」を付した。冷間圧延にいたるまでの工程は各製造条 件において共通する。具体的には、小型铸塊を溶製し、切削加工、熱間圧延、焼鈍 、脱スケーノレ (酸洗净)を ifつた。また表 2ίこ No. l ~No. 16、 No. 18、 No. 20〜No . 22、 No. 26〜No. 32で示した例については、介在物微細化対策として、溶製時 に粗大介在物の浮上分離強化のために溶湯の加熱保持時間を延長した。

[0067] このようにして得られた素材につき No. l ~No. 26で示した鋼材については、一部 を切削加工および酸洗により板厚調整した後、第一冷間圧延及び焼鈍、さらに表 2 に示した条件で第二冷間圧延及び第二焼鈍をおこなった。板厚は最終的に 0. 2m mとした。ここで、 No. 10及び No. 17で示した例については、介在物微細化対策と して冷間圧延に使用するロール径をそれ以外で使用した直径 200mmワークロール に対して、直径 60mmの小径ワークロールを使用した。

[0068] 一方、 No. 27〜No32の例では、表 2に示したように厚さ 0. 2mmに調質圧延し、 JI S G 4313において規定される各硬度仕様とした。そしてその後、テンションレベラ 一による形状矯正、 500°C加熱、 300秒保持での歪取焼鈍をおこなった。なお、冷 延圧延時のワークロールは直径 200mmのものを使用した。

[0069] 以上のようにして得られた厚さ 0. 2mmの薄板より試験片を採取し、諸特性を調査、 比較した。

[0070] (ii)評価項目及びその評価方法

以下に評価項目とその評価方法を説明する。

化合物分布:はじめに 5gの試料を採取し、 10%臭素メタノール溶液により母材部 を腐食除去した。その後、所定寸法の孔のフィルタを通して残留物を抽出し、該残留 物を走査型電子顕微鏡(SEM : Scanning Electron Microscope)を用いて観察 し、その最大径が 20 a m以上の化合物の総数を得た。

[0071] 結晶粒径:試料について圧延方向(R. D. )に平行な断面について、埋込、研磨 、エッチング後の組織を光学顕微鏡、及び SEMを用いて観察した。また、薄膜を作 成し、透過型電子顕微鏡(TEM : Transmission Electron Microscope)を用い て組織を観察した。そして、各々において平均的な組織の写真を撮影し、該写真より 結晶粒径を測定した。また、これにより組織が混合組織であるかの判断も行った。

[0072] なお、結晶粒径は No.;!〜 No. 26については調質焼鈍後の再結晶粒の値、 No.

27〜No. 32については第二焼鈍工程後のィ直を示す。ここで No. 27〜No. 32につ

いては調質圧延により変形して展伸粒となるため、表 3中には括弧で記載した。また

、歪取焼鈍による粒径変化は無いと仮定した。

[0073] γ相比率:板表面について、 X線回折装置を用いて回折パターンを測定し、各相 ピークの積分強度比により Ί相、 α '相の割合を算出した。

[0074] 硬度:板表面について、マイクロ'ビッカース硬度計を用いて 9. 8Νの荷重で測定 した。

[0075] 伸び:圧延方向(R. D. )に平行に採取し IS— 3Β号試験片について、インスト ロン型試験機を用いて測定した。

[0076] 表面粗さ: R. D.に垂直に採取した短冊状試験片の曲げ半径 2mmにおける直 角曲げ前後の曲げ外周部表面について、レーザー顕微鏡を用いて表面粗さの最大 高さ (Ry)を測定し、

増加率(%) = 100 X (曲げ加工後の Ry 加工前の Ry) / (加工前の Ry) により評価した。

[0077] 疲労特性:両振り式平面曲げ試験機を用いて、曲げ加工を施していない素材で の疲労限度 (107回繰返し曲げに耐える応力の上限値)を明らかにした。次いで、上 記表面粗さを測定の曲げに用いた試験片に対し、素材の疲労限度の 90%の応力に て繰返し曲げを施し、 107回繰返し曲げ後の割れ有無を調査した。割れた場合を X 、割れな力た場合を〇で評価した。

[0078] 板反り:本実施例においては、板反りにより平坦度を評価した。その方法は、調質 焼鈍又は、形状矯正 +歪取焼鈍の前後に R. D.に平行に採取した長さ 500mmの 試験片について、目視にて吊下げでの浮上り反りの高さを測定し、

減少率(%) = 100 X (処理後反り処理前反り)/処理前反り

により評価した。

[0079] 残留応力:調質焼鈍、又は形状矯正 +歪取焼鈍の前後に採取した試験片につい て、 X線応力測定装置を用いて、板表面での R. D.での残留応力を測定し、 減少率(%) = 100 X (処理後応力処理前応力)/処理前応力

により評価した。

[0080] (iii)結果

次に結果について説明する。はじめに得られたステンレス鋼板の組織 ·構造につい てその結果を説明する。表 3に結果を示す。

[表 3]

化合物 組織 ·構造

鋼 最大怪 20 m以上 再結晶粒径 r相比率備考

の化合物総数 (個)租徵

(%)

a 8 混合 2 98 本発明例 b 6 混合 1 1 99 本発明例 b 10 混合 4 95 本発明例 b 6 混合 3 95 本発明例 b 8 混台 2 99 本発明例 b 6 混合 5 96 本発明例 b 6 混合 2 66 本発明例 b 6 2 57 本発明例 b 6 m ≤2 84 本発明例 b 0 混合 2 98 本発明例

c 13 昆 CI 14 100 本発明例

c 4 12 96 本発明例 c 4 4 93 本発明例 d 1 1 4 94 本発明例 d 1 1 itXi 2 92 本発明例

e 9 3 94 本発明例 f 24 3 96 本発明例 b 26 未再結晶 * (無) 99 比較例 b 42* 混合 16 91 比較例 b 6 再結晶 22 100 比較例 b 6 未冉 晶 -(無) 7 比較例

*

g 18 (無) 0 比較例 h * 32 * 混合 14 100 比較例

. 1 * 50 * 混合 ≤2 96 比較例

. *

J 34 * 混合 <2 97 比較例 k * 12 得 16 100 比較例 k * 13 木土冉 g B * (24) 30 比較例

8 未 結 (24) 10 比較例

10 未再 (24) 3 比較例

8 未再齄晶 * (26) 60 比較例

16 未再 ¾¾3曰日 (26} 42 比較例

20 木土得 fi±曰 * (26) 30 比較例 表 3からわかるように、本発明の製造方法の条件を満たした No.;!〜 No. 17に関しては、最大径が 20 m以上の化合物はいずれも 30個以下であり、組織も 混合組織を得ることができた。一方、 No. 18〜No. 32においては、いずれも最大径 力 ¾0 m以上の化合物が 30個以上となる、又は組織が混合組織とならないという不 具合が生じ、本発明の製造方法の効果が顕著に現れている。

[0083] 次に、得られたステンレス鋼板の各種特性について説明する。表 4に結果を示す。

[0084] [表 4]

硬度 伸び表面粗さ增加

率(%) 曲げ疲板反り増残留応力調質記号

労特性 加率 増加率 (JIS G 備考

(Hv) (%) エッチンク" 曲げ (%) ( %) 4313)

370 43.6 -83 47 o - 84 -82 - 本発明例

31 1 46.6 -48 54 o -92 -94 - 本発明例

382 42.4 -76 44 o -83 -81 - 本発明例

396 42.9 -78 40 o -82 -82 - 本発明例

404 38.2 -81 36 o -79 -81 - 本発明例

361 46.8 -77 48 o -86 -88 - 本発明例

399 33.9 -81 52 o -89 -86 - 本発明例

402 32.9 -81 53 o -92 -84 - 本発明例

443 31.9 -86 52 o -81 -82 - 本発明例

398 46.3 -90 30 o -82 -84 - 本発明例

297 48.6 -41 59 o -92 -93 - 本発明例

302 43.7 -54 55 〇 - 90 -94 - 本発明例

339 49.8 -80 41 o -87 -84 - 本発明例

329 52.8 -54 42 o -87 -92 - 本発明例

401 39.5 -88 33 0 -84 -86 - 本発明例

376 45.3 -89 38 0 -85 -89 ― 本発明例

382 41.7 -84 36 o -88 -84 - 本発明例

21 1 48.2 148 392 X -82 -83 - 比較例

283 39.5 169 319 X -85 -84 - 比較例

192 51.8 81 218 X -96 -98 一 比較例

461 1 5.8 75 462 X -36 -39 - 比較例

328 1 6.4 -48 296 X 13 -46 - 比較例

520 4.1 189 892{ X ) X -46 -54 - 比較例

472 13.6 198 394 X -92 -91 - 比較例

468 12.8 207 491{x) X -90 -93 - 比較例

246 32.5 169 277 X -96 -94 - 比較例

340 34.2 79 221 X -40 -38 301 -1 /2H 比較例

389 24.5 24 24S X -36 -34 301 -3/4H 比較例

473 8.9 64 324 X -31 -18 301-H 比較例

295 30.8 48 205 X -42 -42 304 - 1 /2H 比較例

354 18.4 36 274 X -38 -45 304-3/4H 比較例

394 7.2 50 358 X -42 -40 304-H 比較例 実施例の結果に基づく硬度と伸びとの関係を図 3に示した。表 4及び図 3 力、らわかるように、本発明例である No. l~No. 17では、比較例である No. 18〜No . 32のいずれよりも高強度及び高延性である。

[0086] また、本発明例は曲げ加工後の表面粗さの最大値の増加率がいずれも 60%以下 となり、均一変形の進行により成形性の向上があらわれている。図 4は、曲げ加工前 後における表面の写真及びそのときの表面粗さ(Ry)を示したものである。具体的に は、発明例(No. 4)及び比較例(No. 28)について平板、曲げ半径 2mm及び曲げ 半径 0. 5mmの場合のそれぞれについて示している。これら写真及び Ryの値力、らも 本発明の効果を見ることができる。特に、平板では、いずれのステンレス鋼板もほぼ 同じ表面粗さである力曲げ加工を加えるとその表面粗さに大きな差が現れる。

[0087] さらに表 4において曲げ疲労特性も本発明は良好である。これにより、曲げ加工後 においても優れた疲労特性を維持することができる。すなわち、混合組織に加えて内 在する化合物分布の適正化により、均一な変形の進展、曲げ加工時に発生する欠 陥が減る。これにより、優れた成形性を示し、高い疲労強度を維持することできたと考 X_られる。

[0088] 一方、エッチング性に関しても、加工面は表面粗さの最大値が減少してエッチング ピット等の欠陥が減り、加工前に比べて逆に平滑化する傾向にある。すなわち、本発 明によってはエッチング性を含めた加工性も向上させることができ、加工部品でも高 V、疲労強度を維持することができる。

[0089] さらには板反り及び残留応力も増加率が小さぐ残留応力については 70%以上も 減少した。従って、本発明にお!/、てはかかる特性に関しても大幅な効果が認められる

[0090] 本発明例の中では、 No. 2、 No. 11、及び No. 12では、調質焼鈍温度が比較的 高いので、再結晶粒径が 10〃 mを越える。また、 No. 7、 No. 8については、付与す る張力が 0. 2%耐力の 40%を越えるので、混合組織の γ相の比率が 70%より小さく なる。これにより、比較例よりは優れたステンレス鋼板を得ることができるものの、本発 明例の中では強度と延性のバランスが劣る傾向にある。これらについて、 No. 2、 No . 11、及び No. 12に対して (ま、 No. 14、 No. 16、及び No. 17のように、 Nb、 Ti、 V の添加により粒成長抑制をすることができさらなる改善か可能である。また、 No. 7、

No. 8対しては No. 10のように付与張力を小さくすることにより改善することができる

[0091] 介在物微細化対策を実施した No. l~No. 18、 No. 20〜No. 22、 No. 26〜No . 32は、最大径が 20 以上の介在物個数が本発明の範囲内であり、特に介在物 の浮上と小径ワークロールを使用した No. 10は、本発明例の中で最良の強度と延 性とのバランス及び加工性を示す。

[0092] 一方、比較例は上述のように本発明例に比べて強度と延性のバランスに劣る。具体 的には No. 18〜No. 21は成分の含有量、及び Md値は本発明の範囲に該当する ものであるが、 No. 18及び No. 19は圧下率不足のために最大径 20 m以上の化 合物が 30個以上発生した。その結果、混合組織の未形成により良好な特性を得られ ていない。また、 No. 20及び No. 21は調質焼鈍温度が本発明の製造方法の範囲 外であるために混合組織が形成されず、加工性、疲労特性ともに従来材と同等以下 であった。他の比較例についても材料が必要組成を満たしておらず、高性能化しな い。

[0093] さらに、 No. 2の材料に 10%、 20%の圧下率にて調質圧延を施した材料の特性調 查結果を表 5に示す。表 5において、 No. 2— aは、 No. 2の材料に 10%の圧下率に て調質圧延を施した場合、 No. 2— bは同じく 20%の圧下率の場合である。その結 果、同材は調質圧延後も優れた特性を維持してレ、ること力 S確認される。

[0094] [表 5]


[0095] 以上、現時点において、最も実践的でありかつ、好ましいと思われる実施形態に関 連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限 定されるものではなぐ請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或 いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う、部品用ステ ンレス鋼板及びその製造方法も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解さ れなければならない。