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1. WO2016084803 - VÉHICULE

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明 細 書

発明の名称 ビークル

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030  

発明の効果

0031  

図面の簡単な説明

0032  

発明を実施するための形態

0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160  

符号の説明

0161  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : ビークル

技術分野

[0001]
 本発明は、ビークルに関する。

背景技術

[0002]
 例えば、特許文献1には車両が示されている。特許文献1に示す車両は、ハイブリッド車両である。前記車両は、エンジン、アクセルペダル、第1回転電機、第2回転電機、及び駆動輪を備えている。第1回転電機は、エンジンの出力軸に連結されている。第1回転電機は、主に発電機として機能する。第2回転電機は、インバータを介して第1回転電機と電気的に接続されている。第2回転電機は、主にモータとして機能する。第1回転電機及び第2回転電機に電流が流れることによって、力行が行われる。第2回転電機は、車両の駆動輪に連結されている。第2回転電機は、車両駆動力を発生する。
[0003]
 特許文献1に示すような車両において、運転者によるアクセルペダルの踏込みは、車両の加速要求を表す。特許文献1に示すような車両が電子制御スロットル装置を備える場合、エンジンの吸入空気量が任意に調整可能である。従って、例えば、以下のように車両の制御が行われる。運転者によるアクセルペダルの踏込み量と車速とに基づいて第2回転電機(モータ)の目標出力が決定される。第2回転電機の目標出力に応じて第1回転電機(発電機)の目標発電電力が決定される。この目標発電電力に応じてエンジンの目標出力が決定される。この目標出力が得られるようにエンジンの吸入空気量及び燃料噴射量が制御される。この制御において、第1回転電機では発電電力が制御され、第2回転電機では出力が制御される。また、特許文献1に示すような車両において、アクセルペダルとエンジンのスロットルとが機械的に連結されている場合には、エンジンの実出力に合わせて第1回転電機の発電電力と第2回転電機の出力とが制御される。このように、特許文献1では、回転電機の電力(出力)が制御されており、様々な特性を有する複数の車種への適用が図られている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2002-345109号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に示すような車両では、例えば、モータとしての第2回転電機に供給される電流を増大させる場合、エンジンの吸入空気量及び燃料噴射量を増大させる制御が行われる。エンジンの吸入空気量及び燃料噴射量が増大すると、エンジンの回転パワーが増大する。エンジンの回転パワーは、発電機によって電力に変換される。発電機で生じた電力は、インバータを介してモータに供給される。モータに供給される電力の増大によって、駆動輪の回転パワーが増大する。
[0006]
 エンジンの回転速度は、エンジンの回転パワーのみに応じて増大しない。エンジンの回転速度は、発電機を駆動するエンジンのトルクと、発電機の負荷トルクの差に応じて変化する。例えば、エンジンのトルクが発電機の負荷トルクよりも大きい場合、エンジンの回転速度が増大する。この逆に、エンジンのトルクが発電機の負荷トルクよりも小さい場合、エンジンの回転速度が減少する。
 発電機の負荷トルクは、発電機から出力される電流に依存する。例えば、車両の加速が求められる状況で、発電機から出力される電流の増大が要求される。このとき、発電機から出力される電流を増大すると、発電機の負荷トルクが増大する。従って、エンジンの回転速度の増大が抑えられやすい。この結果、発電機からモータに向けて供給される電流の増大に要する時間が長くなる。つまり、車両の加速性が低下する。
 発電機から出力される電流を、インバータを用いて制御することが考えられる。電流の制御では、要求及び出力の状態に合せて電流が変化する。この電流は、発電機を含む回路を流れる。制御によって電流が時間とともに変化するとき、回路の応答特性に起因して、電流が制御の目標に対し過大に変化しやすい。過大な変化によって電流が増大するとき、発電機の負荷トルクが増大する。増大した発電機の負荷トルクに対しエンジンのトルクが十分に確保されないと、エンジンの回転速度の増大に要する時間が長くなる。この結果、発電機からモータに供給される電力の増大に要する時間が長くなる。つまり、加速性が劣化する。また、発電機の負荷トルクが過大に増大すると、エンジンの回転の安定性が損なわれやすい。
 エンジンの回転を安定化しつつ加速性を向上することができるビークルが求められている。
[0007]
 本発明の目的は、エンジンの回転を安定化しつつ加速性を向上することができるビークルを提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
[0009]
 (1) ビークルであって、
 ビークルは、
回転パワーを出力するエンジンであって、前記回転パワーを調整するエンジン出力調整部を有するエンジンと、
前記エンジンに接続され、前記エンジンから伝達される回転パワーに応じた電力を出力するように構成された発電機であって、永久磁石を有し前記エンジンから伝達される回転パワーにより回転するロータと、巻線及び前記巻線が巻かれたステータコアを有し前記ロータと対向して配置されたステータと、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるインダクタンス調整部とを有する発電機と、
前記発電機からバッテリを介すること無しに電流の供給を受けるモータと、
前記発電機と前記モータの間に設けられ、前記発電機から前記モータへ出力される電流を調整する電流調整装置と、
前記エンジンからの回転パワーを受けること無しに前記モータに駆動されることによって前記ビークルを駆動する駆動部材と、
前記モータに供給する電流に関する要求を受付けるとともに、受付けられた要求に応じて前記エンジン出力調整部、前記インダクタンス調整部、及び前記電流調整装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記インダクタンス調整部に、前記発電機を、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きく前記巻線のインダクタンスが小さい状態と、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に小さく前記巻線のインダクタンスが大きい状態との間で調整させ、
前記制御装置は、前記モータに供給する電流の増大の要求を受付けた場合、前記インダクタンス調整部に、前記発電機を、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きく前記インダクタンスが小さい状態に調整させるとともに、前記エンジン出力調整部に前記エンジンの回転パワーを、前記電流の増大の要求を受付けた時よりも増大させた状態に調整させつつ、前記電流調整装置に、前記エンジンの回転速度を増大させ且つ前記発電機の出力電流を増大させるように、前記発電機の出力電流を調整させる。
[0010]
 (1)のビークルでは、制御装置が、モータに供給する電流に関する要求を受付ける。ビークルは、駆動部材によって駆動される。駆動部材は、エンジンからの回転パワーを受けること無しにモータに駆動される。モータは、発電機からバッテリを介すること無しに電流供給を受ける。従って、(1)のビークルでは、電流の増大の要求が、ビークルの加速の要求を反映する。
 エンジン出力調整部は、エンジンの回転パワーを調整する。これによって、エンジンの出力トルクが調整される。エンジンの回転速度は、エンジンの出力トルクと発電機の負荷トルクに依存する。電流調整装置は、発電機からモータへ流れる電流を調整する。発電機から出力される電流が調整されることによって、発電機の負荷トルクが調整される。この結果、エンジンの回転速度が調整される。具体的には、制御装置は、電流の増大の要求を受付けた場合、エンジン出力調整部にエンジンの回転パワーを、電流の増大の要求を受付けた時よりも増大させた状態に調整させる。また、制御装置は、電流調整装置に、エンジンの回転速度が増大し且つ発電機から出力される電流が増大するように、発電機から出力される電流を調整させる。
 (1)のビークルでは、制御装置が、インダクタンス調整部に、発電機を、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きくインダクタンスが小さい状態に調整させる。この状態で、制御装置は、電流調整装置に、発電機から出力される電流を調整させる。巻線のインダクタンスが小さいため、電流調整装置が発電機からモータへ流れる電流を調整する場合に、電流の変化の応答性が高い。このため、電流調整装置による調整時において電流が変化する場合に、インダクタンスによる過渡特性に起因する過度の電流変化が抑えられる。従って、発電機のトルクが過度に増大する事態が抑えられる。従って、エンジンの回転を安定化しつつ、エンジンの回転速度を短時間で増大させることができる。このため、発電機からモータに出力される電流を短時間で増大させることができる。従って、(1)のビークルによれば、エンジンの回転を安定化しつつ加速性を向上することができる。
[0011]
 (2) (1)のビークルであって、
 前記制御装置は、前記電流の増大の要求を受付けた後、前記エンジンの回転速度が、電流の増大の要求を受付けた時の前記エンジンの回転速度よりも高いとき、前記インダクタンス調整部に、前記発電機を、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に小さく前記インダクタンスが大きい状態に調整させる。
[0012]
 一般にエンジンのトルク特性は、ある回転速度においてピークを有する。即ち、エンジンの出力トルクは、回転速度が低い状態から増大するのに伴ってピークのトルクまで増大する。つまりエンジンの回転速度が高いと、エンジンの出力トルクが大きい。
 (2)の構成によれば、エンジンの回転速度が、電流の増大の要求を受付けた時のエンジンの回転速度よりも高いときに、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に小さくインダクタンスが大きい状態に調整される。エンジンの回転速度が電流の増大の要求を受付けた時の回転速度よりも高いので、エンジンの出力トルクも大きい。従って、大きなインダクタンスにより発電機の負荷トルクが大きく変動しても、エンジンの回転速度の変動が抑えられる。従って、エンジンの回転を安定化しつつ、高い回転速度によって発電機からモータに供給される電流を増大することができる。
[0013]
 (3) (1)又は(2)のビークルであって、
 前記電流調整装置が、スイッチング素子を備え、スイッチング素子のオン/オフ動作によって、発電機からモータへ流れる電流を調整する。
[0014]
 発電機からモータへ流れる電流が、スイッチング素子のオン/オフ動作によって調整される。巻線に流れる電流は、スイッチング素子のオン/オフ動作に対しても、巻線のインダクタンスに起因する過渡特性を有する。過渡特性によって、電流の変化の遅延が大きくなると、発電機からモータへ供給される電力の効率が低下する。(3)のビークルによれば、電流の増大の要求を受付けた場合、発電機が、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きくインダクタンスが小さい状態に調整される。インダクタンスが小さいことによって、巻線のインダクタンスに起因する過渡特性が低減する。このため、電流の増大の要求を受付けた場合、高い効率で、発電機からモータへ電流を供給することができる。
[0015]
 (4) (1)から(3)のいずれか1のビークルであって、
 前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路は、少なくとも1つの非磁性体ギャップを含み、
 前記インダクタンス調整部は、前記少なくとも1つの非磁性体ギャップのうち、前記巻線と前記ロータとの間にある非磁性体ギャップの磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えように構成されている。
[0016]
 (4)の構成によれば、インダクタンス調整部は、巻線とロータとの間にある非磁性体ギャップの磁気抵抗を変えることによって巻線のインダクタンスを変える。巻線とロータとの間には、ロータの回転に伴い移動する永久磁石によって交番磁界が生じる。例えば、巻線とロータとの間にある非磁性体ギャップの磁気抵抗を減少させると、交番磁界についての損失が減少する。このため、発電機からモータへ電流を供給することができる。
[0017]
 (5) (1)から(4)のいずれか1のビークルであって、
 前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路は、少なくとも1つの非磁性体ギャップを含み、
 前記インダクタンス調整部は、前記少なくとも1つの非磁性体ギャップのうち、前記巻線のインダクタンスが設定可能な値の範囲内で最も大きい値に設定されている時の磁気抵抗が最も大きい非磁性体ギャップの磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[0018]
 (5)の構成によれば、巻線のインダクタンスが設定可能な値の範囲内で最も大きい値に設定されている時の磁気抵抗が最も大きい非磁性体ギャップの磁気抵抗が変わる。このため、巻線のインダクタンスの変化量を増大させやすい。
[0019]
 (6) (1)から(5)いずれか1のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって、前記巻線と鎖交する磁束の変化率が前記巻線のインダクタンスの変化率よりも小さくなるように前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[0020]
 (6)の構成によれば、インダクタンス調整部は、巻線と鎖交する磁束の変化率が巻線のインダクタンスの変化率よりも小さくなるように巻線のインダクタンスを変える。巻線と鎖交する磁束は、発電される電圧に直接影響を与える。(6)の構成によれば、電圧の変化を抑えつつ巻線のインダクタンスを変えることができる。(6)の構成によれば、エンジンの回転をより安定化しつつ、エンジンの回転速度を短時間で増大させることができる。
[0021]
 (7) (1)から(6)いずれか1のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記制御装置による制御に応じて前記巻線に対する前記ステータコアの少なくとも一部の相対位置を移動させて、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[0022]
 (7)の構成によれば、インダクタンス調整部が、巻線に対するステータコアの少なくとも一部の相対位置を移動させて、巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変える。従って、巻線のインダクタンスが変更し易い。従って、電流調整装置が発電機からモータへ流れる電流を調整する場合に、電流の変化の応答性をより高くすることができる。
[0023]
 (8) (7)のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記制御装置による制御に応じて前記ロータに対する前記ステータコアの相対位置を維持するように前記巻線に対する前記ステータコアの相対位置を移動させて、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[0024]
 (8)の構成によれば、ロータに対するステータコアの相対位置を維持するように巻線に対するステータコアの相対位置が移動する。従って、ロータの永久磁石からステータコアに流れる磁束の変化が抑えられる。つまり、永久磁石で生じ巻線と鎖交する磁束の変化が抑えられる。このため、巻線に対するステータコアの相対位置が移動するときの、電圧の変化が抑えられる。従って、(8)の構成によれば、インダクタンスが低下する場合に、出力電圧の変動が抑えられる。従ってインダクタンスが小さくなることによって、電流の変化の応答性が高くなる場合に、発電機の出力電圧の減少が抑えられる。
[0025]
 (9) (1)から(7)いずれか1のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記巻線を移動させて前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[0026]
 (9)の構成によれば、ロータに対するステータコアの相対位置を維持するようにステータコアに対する巻線の相対位置が移動する。従って、ロータの永久磁石からステータコアに流れる磁束の変化が抑えられる。つまり、永久磁石で生じて巻線と鎖交する磁束の変化が抑えられる。このため、巻線に対するステータコアの相対位置が移動するときの、電圧の変化が抑えられる。従って、(9)の構成によれば、インダクタンスが低下する場合に、出力電圧の変動が抑えられる。従ってインダクタンスが小さくなることによって、電流の変化の応答性が高くなる場合に、発電機の出力電圧の減少が抑えられる。
[0027]
 (10) (1)から(7)いずれか1のビークルであって、
 前記ステータコアは、前記ロータに非磁性体ギャップを介して対面する対面部を有する複数の第一ステータコア部と、前記対面部を含まない第二ステータコア部とを備え、
 前記インダクタンス調整部が、前記複数の第一ステータコア部及び前記第二ステータコア部の一方を他方に対して移動させることによって、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えるように構成されている。
[0028]
 (10)の構成によれば、インダクタンス調整部は、ステータコアが備える複数の第一ステータコア部と、第二ステータコア部の一方を他方に対して移動させる。この場合、例えばステータコアとステータコア以外の部材とのうちの一方を他方に対して移動する場合と比べて、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が大きく変わる。このため、インダクタンスの調整範囲が広くなる。
[0029]
 (11) (10)のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、
前記複数の第一ステータコア部のそれぞれと前記第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップ長が、前記複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップ長よりも短い第一状態から、
前記複数の第一ステータコア部のそれぞれと前記第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップ長が、前記複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップ長よりも長い第二状態まで、
前記複数の第一ステータコア部及び前記第二ステータコア部の一方を他方に対して移動させることによって、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えるように構成されている。
[0030]
 (11)の構成によれば、第一状態では、複数の第一ステータコア部のそれぞれと第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップ長が、複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップ長よりも短い。第二状態では、複数の第一ステータコア部のそれぞれと第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップ長が、複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップ長よりも長い。
 このため、第一状態では、巻線の電流に起因する磁束のうち、隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップを通る磁束が、主に、第一ステータコア部と第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップを通る。従って、巻線の電流に起因する磁束が、主に、第一ステータコア部と第二ステータコア部の双方を通る。第二状態では、第一ステータコア部を通る磁気回路の磁気抵抗が大きい。従って、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗がより大きく変わる。このため、インダクタンスの調整範囲が広くなる。

発明の効果

[0031]
 本発明のビークルによれば、エンジンの回転を安定化しつつ加速性を向上することができる。

図面の簡単な説明

[0032]
[図1] 本発明の第一実施形態に係るビークルの概略構成を示すブロック図である。
[図2] 図1に示すビークルのより詳細な構成を示すシステム構成図である。
[図3] 位相制御における電圧の波形の例を示す図である。
[図4] (A)は、図2に示す発電機におけるインダクタンス調整部の調整を説明するための大インダクタンス状態を示す模式図である。(B)は、小インダクタンス状態を示す模式図である。
[図5] (A)は、図4に示す発電機の巻線の等価回路を概略的に示す回路図である。(B)は、インダクタに起因する応答特性の例を示すグラフである。
[図6] ビークルの動作を説明するフローチャートである。
[図7] 図6に示す電流制御を示すフローチャートである。
[図8] ビークルの各部の状態の推移の一例を示すグラフである。
[図9] (A)第二実施形態の駆動システムの発電機におけるインダクタンス調整部の調整を説明するための大インダクタンス状態を示す模式図である。(B)は、小インダクタンス状態を示す模式図である。
[図10] 第三実施形態の駆動システムにおける発電機を示す模式図である。
[図11] (A)は、図10に示すステータの第一状態を示す模式図である。(B)は、図10に示すステータの第二状態を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0033]
 エンジンに接続された発電機と、発電機から電流の供給を受けるモータとを備えたビークルについて、本発明者が行った検討について説明する。
[0034]
 エンジンの回転パワーが増大すると、モータに供給される電流が増大する。その結果、ビークルが加速する。本発明者は、エンジンの回転パワーが増大したときにモータに供給される電流の応答に着目した。特に、本発明者は、エンジンの回転パワーが増大したとき、時間の経過に伴いモータに供給される電流が増大していく過程に着目した。
[0035]
 エンジンの回転パワーは、発電機によって電力に変換される。発電機で生じた電力は、電流調整装置を介してモータに供給される。電流調整装置は、発電機から出力される電流を調整する。これによって、電流調整装置は、発電機の負荷トルクを調整する。つまり、電流調整装置は、発電機から出力される電流を調整することによって、エンジンの回転パワーを、発電機の電力と、エンジンの回転速度増大のためのパワーとに振り分ける機能を有している。
 例えば、電流調整装置が、電流の増大の要求に応じて、発電機から出力される電流を無制限に大きくしようとすると、エンジンの回転速度の増大が抑えられてしまう。却って、モータに供給する電流の増大にかかる期間が長くなってしまう。この逆に、発電機から出力される電流を過剰に制限しようとすると、モータに供給される電流が制限される。つまり、モータに供給する電流の増大にかかる期間が長くなってしまう。
 モータに供給される電流を増大させる場合、電流調整装置は、制御装置の制御によって、エンジンの回転速度が増大しつつ発電機の出力電流が増大するように、発電機から出力される電流を調整する。この結果、モータに供給される電流の増大にかかる期間は短くなる。つまり、加速性が向上する。
[0036]
 発電機の出力電流の制御において、制御装置は、例えば、エンジンの回転速度、及び発電機の出力電流に基づいて出力電流の目標値を得る。制御装置は、出力電流が目標値になるように電流調整装置を制御する。
[0037]
 電流調整装置によって制御される電流は、発電機の巻線を含む電気回路を流れる。電気回路の電流は、巻線のインダクタンスに起因した過渡特性を有する。
 制御時における電流の応答が、巻線のインダクタンスに起因して遅くなると、電流のオーバーシュートが生じやすくなる。つまり、電流が、目標値を行きすぎる事態が生じやすくなる。電流を増大させる制御において、電流が目標値を行きすぎて増大すると、発電機の負荷トルクが過剰に増大する。増大した発電機の負荷トルクが、エンジンのトルクに近づくか、または、エンジンのトルクを超えると、エンジンの回転速度の増大が妨げられる。
 特に、電流の増大の要求は、通常、エンジンの回転速度が比較的低い状況で受け付けられる。エンジンの回転速度が比較的低い状況では、エンジンの出力トルクも比較的小さい。従って、発電機の負荷トルクの過度の変動がエンジンの回転速度に大きな影響を与える。即ち、エンジンの回転の安定性が損なわれる。また、エンジンの回転速度の増大にかかる時間が長くなる。この結果、モータに供給される電流の増大にかかる時間が長くなる。従って、ビークルの加速性が損なわれる。
[0038]
 例えば、電流の応答の遅れに起因して電流が目標値を行きすぎる事態に対応するため、
発電機から出力される電流を予め制限することが考えられる。しかし、発電機から出力される電流を制限すると、モータに供給される電流が制限される。従ってビークルの加速性が損なわれる。
[0039]
 ここで、本発明者らは、巻線のインダクタンスに着目した。
 従来、巻線のインダクタンスを減少させると鎖交磁束が減少する為、結果、発電機として十分な電流を確保する事が困難であると考えられていた。
 本発明者は、磁気回路に着目した。インダクタンスに影響する磁気回路は、巻線から見た磁気回路である。巻線から見た磁気回路と、ロータの磁石から出て巻線を通る磁気回路との間とは、互いに異なる。本発明者は、巻線から見た磁気回路と、ロータの磁石から出て巻線を通る磁気回路とを明確に区別して検討した。その結果、本発明者らは、巻線から見た磁気回路の磁気抵抗を変えることによって、インダクタンスを大きく変えることができることを見出した。
 そして、本発明者らは、巻線のインダクタンスを低下させることによって、電流の過度の変動を抑えることができることを見出した。
[0040]
 本発明によれば、電流の増大の要求が受付けられる場合、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が大きくなる。これによって、巻線のインダクタンスが、増大の要求を受け付けた時点の状態よりも小さくなる。巻線のインダクタンスが小さいと、制御時における電流の応答が速くなる。このため、電流が、目標値を行きすぎて変動する事態が抑えられる。従って、発電機の出力電流を増大させる制御において、発電機の負荷トルクとエンジンのトルクに近づく事態、又は、負荷トルクがエンジンのトルクを超える事態が抑えられる。エンジンの回転が安定化する。また、エンジンの回転速度の増大にかかる時間が短くなる。
[0041]
 以下、本発明を、好ましい実施形態に基づいて図面を参照しつつ説明する。
[0042]
 図1は、本発明の第一実施形態に係るビークルの概略構成を示すブロック図である。
 図1に示すビークルVは、自動四輪車である。ビークルVは、駆動システムPと車体Dとを備えている。ビークルVの車体Dは、4つの車輪Wa,Wb,Wc,Wd、及び要求指示部Aを備えている。つまり、ビークルVは、車輪Wa,Wb,Wc,Wdを備えている。ビークルVは、要求指示部Aを備えている。
 駆動システムPは、ビークルVの駆動源である。駆動システムPは、発電機10、エンジン14、制御装置15、コンバータ16、インバータ17、及びモータ18を備えている。つまり、ビークルVは、発電機10、エンジン14、制御装置15、コンバータ16、インバータ17、及びモータ18を備えている。コンバータ16及びインバータ17は、後述する電流調整装置CCに含まれる。
[0043]
 駆動システムPは、車輪Wa~Wdのうち、駆動輪Wc,Wdに接続されている。駆動輪Wc,Wdは、伝達機構Gを介して駆動システムPと接続されている。駆動システムPは、駆動輪Wc,Wdを回転駆動することによってビークルVを走行させる。
 駆動輪Wc,Wdは、駆動部材の一例に相当する。駆動システムPは、駆動輪Wc,Wdに機械的な力を出力する。
[0044]
 要求指示部Aは、電流要求を出力する。電流要求は、モータ18に供給される電流に関する要求である。要求指示部Aは、電流要求を表す信号を出力する。
 要求指示部Aは、アクセル操作子を有する。詳細には、要求指示部Aは、ビークルVの運転者に操作される。要求指示部Aは、操作及びビークルVの走行状況に基づいてビークルVの加速要求を出力する。ビークルVの加速要求は、駆動輪Wc,Wdを駆動するトルクに対応する。ビークルVの加速要求は、ビークルVの出力についての出力要求でもある。ビークルVの出力は、モータ18の出力に対応する。ビークルVの加速要求は、モータ18の出力トルクの要求に対応する。モータ18の出力トルクは、モータ18に供給される電流に対応する。要求指示部Aは、モータ18から出力されるトルクについてのトルク要求として、モータ18に供給する電流についての電流要求を出力する。
 要求指示部Aは、制御装置15に接続されている。要求指示部Aは、制御装置15に、電流要求を表す信号を出力する。電流要求には、電流増大の要求と電流減少の要求とが含まれる。電流増大の要求は、モータ18の出力トルクの増大の要求に対応する。電流減少の要求は、モータ18の出力トルクの減少の要求に対応する。
[0045]
 制御装置15は、例えばマイクロコントローラで構成されている。制御装置15は、コンピュータとしての中央処理装置CPUと、記憶部MEMとを備えている。中央処理装置CPUは、制御プログラムに基づいて演算処理を行う。記憶部MEMは、プログラム及び演算に関するデータを記憶する。
[0046]
 図2は、図1に示すビークルのより詳細な構成を示すシステム構成図である。
[0047]
 ビークルVは、燃料タンク10A、エアクリーナ10B、及びマフラ10Dを備えている。また、ビークルVは、回転角センサ191及び電流センサ192を備えている。
[0048]
 エンジン14は、内燃機関である。エンジン14は、燃料を燃焼させる。これによって、エンジン14は、機械的なパワーを出力する。エンジン14は、出力軸Cを有している。出力軸Cは、例えばクランク軸である。なお、図2では、エンジン14と出力軸Cの接続関係が模式的に示されている。また、エンジン14は、シリンダ142、ピストン143、コネクティングロッド145、及びクランクケース146を備えている。シリンダ142とピストン143によって、燃焼室が形成される。ピストン143と、出力軸Cとしてのクランク軸とは、コネクティングロッド145を介して接続されている。
 エンジン14は、エアクリーナ10Bを介して空気の供給を受ける。エンジン14は、燃料タンク10Aから燃料の供給を受ける。エンジン14は、燃料タンク10Aから供給される燃料を燃焼室で燃焼させることによって、ピストン143を往復動させる。出力軸Cであるクランク軸によって、往復動が回転パワーに変換される。エンジン14は、出力軸Cから機械的なパワーを出力する。エンジン14で燃焼によって生じた排気ガスは、マフラ10Dを経由して排出される。出力軸Cの回転速度は、エンジン14の回転速度を表す。
[0049]
 エンジン14から駆動輪Wc,Wdまでの動力伝達に関し、エンジン14と駆動輪Wc,Wdとは、機械要素で接続されていない。駆動輪Wc,Wdは、エンジン14からの回転パワーを受けること無しにモータ18に駆動される。駆動輪Wc,Wdは、モータ18に駆動されることによって、ビークルVを駆動する。エンジン14から出力される回転パワーのすべては、駆動システムPにおいて、一旦、機械的なパワー以外のパワーに変換される。エンジン14で発生する回転パワーは、専ら電力に変換される。詳細には、エンジン14で発生する機械的なパワーのうち損失を除いたパワーのすべては、発電機10で電力に変換される。発電機10で変換された電力は、モータ18で機械的なパワーに変換される。
 駆動システムPは、駆動システムPの外部機構をエンジン14の回転パワーで直接駆動しない。具体的には、エンジン14は、駆動輪Wc,Wdを回転パワーで直接駆動されない。このため、エンジン14の回転パワーの制御が、外部機構の動作特性による制約を受けにくい。従って、エンジン14の回転パワーの制御の自由度が高い。
[0050]
 エンジン14は、エンジン出力調整部141を有する。エンジン出力調整部141は、エンジン14の回転パワーを調整する。エンジン出力調整部141は、スロットルバルブ調整機構141a、及び燃料噴射装置141bを有する。スロットルバルブ調整機構141aは、エンジン14への空気吸入量を調整する。燃料噴射装置141bは、エンジン14に燃料を供給する。エンジン出力調整部141は、エンジン14の吸入空気量及び燃料噴射量を制御する。これによって、エンジン出力調整部141は、エンジン14が出力する回転パワーを調整する。例えば、エンジン出力調整部141が、エンジン14の吸入空気量及び燃料噴射量を増大させる。これによって、エンジン14の回転パワーが増大する。エンジン14の回転パワーが増大すると、エンジン14の回転速度、即ち出力軸Cの回転速度が増大する。
 回転角センサ191は、出力軸Cの回転角を検出する。即ち、回転角センサ191は、発電機10のロータ11の回転角を検出する。出力軸Cの回転角が検出されることによって、出力軸Cの回転速度が検出される。
[0051]
 エンジン14から発電機10までの動力伝達に関し、発電機10は、エンジン14と機械的に接続されている。発電機10は、エンジン14の出力軸Cと接続されている。本実施形態において、発電機10は、出力軸Cと直接接続されている。発電機10は、エンジン14から回転パワーを受けるとともに、モータ18に電流を供給する。発電機10は、例えば、エンジン14のクランクケース146に取付けられている。なお、発電機10は、例えば、クランクケース146から離れた位置に配置されてもよい。
 発電機10は、ロータ11、ステータ12、及びインダクタンス調整部131を備えている。
 発電機10は、三相ブラシレス型発電機である。ロータ11及びステータ12は、三相ブラシレス型発電機を構成する。
[0052]
 ロータ11は、永久磁石を有する。より詳細には、ロータ11は、複数の磁極部111とバックヨーク部112とを有する。磁極部111は永久磁石で構成されている。バックヨーク部112は、例えば強磁性材料からなる。磁極部111はバックヨーク部112とステータ12との間に配置されている。磁極部111はバックヨーク部112に取付けられている。複数の磁極部111は、ロータ11の回転軸線を中心とした周方向Zすなわちロータ11の回転方向に一列に並んで配置されている。複数の磁極部111は、N極及びS極が周方向Zで交互になるように配置されている。発電機10は、永久磁石式三相ブラシレス型発電機である。ロータ11には、電流が供給される巻線が設けられていない。
 ロータ11は、エンジン14の出力軸Cと接続されている。ロータ11は、エンジン14から伝達される回転パワーにより回転する。
 回転角センサ191は、出力軸Cの回転角を検出する。即ち、回転角センサ191は、発電機10のロータ11の回転角を検出する。
[0053]
 ステータ12は、ロータ11と対向して配置されている。ステータ12は、複数の巻線121及びステータコア122を有する。ステータコア122は、例えば強磁性材料からなる。ステータコア122は、ステータ12の磁気回路を構成する。複数の巻線121はステータコア122に巻いている。ステータコア122は、コア本体122a(図4参照)と複数の歯部122bを有する。コア本体122aは、ヨークとして機能する。複数の歯部122bは、コア本体122aから、ロータ11に向かって延びている。ロータ11に向かって延びた歯部122bの先端面と、ロータ11の磁極部111とはエアギャップを介して互いに対向している。ステータコア122の歯部122bとロータ11の磁極部111とは、直接対面している。複数の歯部122bは、周方向Zに間隔を空けて周方向Zに一列に並んでいる。複数の巻線121は、複数の歯部122bにそれぞれ巻かれている。巻線121は、複数の歯部122bの間のスロットを通るように巻かれている。各巻線121は、三相を構成するU相、V相、及びW相のいずれかの相に対応している。U相、V相、及びW相のそれぞれに対応する巻線121は、周方向Zに順に配置されている。
[0054]
 ロータ11は、エンジン14の出力軸Cに接続されている。ロータ11は、出力軸Cの回転と連動して回転する。ロータ11は、磁極部111を、ステータコア122の歯部122bと対向させた姿勢で回転させる。ロータ11が回転すると、巻線121と鎖交する磁束が変化する。これによって、巻線121に誘導起電圧が生じる。このようにして、発電機10では、発電が行われる。発電機10は、発電された電流をモータ18に供給する。発電機10が出力する電流は、モータ18に供給される。発電機10が出力する電流は、モータ18に供給される。詳細には、発電機10が出力する電流は、電流調整装置CCを介してモータ18に供給される。発電機10が出力する電流が増大すると、コンバータ16からインバータ17に供給される電流が増大し、モータ18に供給される電流が増大する。発電機10が出力する電圧は、コンバータ16及びインバータ17を介して、モータ18に供給される。
[0055]
 本実施形態において、ロータ11及びステータ12は、アキシャルギャップ型構造を有する。ロータ11とステータ12とは、ロータ11の回転軸線方向(軸方向)Xで互いに対向している。ステータ12が有する複数の歯部122bは、コア本体122aから軸方向Xに突出している。本実施形態における軸方向Xは、ロータ11とステータ12とが対向する方向である。なお、巻線121から見た磁気回路は、例えば閉ループ回路である。巻線121から見た磁気回路は、巻線121の内部経路を通って、巻線121の内部経路の一端部(ロータに近い端部)から、隣り合う巻線121の内部経路の一端部(ロータに近い端部)に至り、前記隣り合う巻線121の内部経路を通って、隣り合う巻線121の内部経路の他端部(ロータから遠い端部)から、前記巻線121の内部経路の他端部(ロータから遠い端部)に至る回路である。巻線121の内部経路は、巻線121の内側をロータ11とステータ12との対向方向に通る経路である。巻線121から見た磁気回路の一部が、エアギャップ等の非磁性体ギャップである。巻線から見た磁気回路は、例えば、ステータコア122と非磁性体ギャップとからなる。
[0056]
 インダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスLを変える。インダクタンス調整部131は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路の磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスを変える。インダクタンス調整部131は、インダクタンス調整機構である。インダクタンス調整部131は、発電機10からモータ18に供給される電流を調整することもできる。
 インダクタンス調整部131によるインダクタンス調整の詳細については、後に説明する。
[0057]
 電流調整装置CCは、発電機10とモータ18との間に設けられている。電流調整装置CCは、発電機10とモータ18との間の電力の供給経路に設けられている。電流調整装置CCは、発電機10に接続されている。電流調整装置CCは、モータ18に接続されている。
 電流調整装置CCは、発電機10からモータ18へ出力される電流を調整する。
 電流調整装置CCは、コンバータ16及びインバータ17を備えている。コンバータ16は、発電機10に接続されている。インバータ17は、コンバータ16及びモータ18に接続されている。発電機10から出力された電力は、電流調整装置CCを経由して、モータ18に供給される。即ち、発電機10から出力された電力は、コンバータ16及びインバータ17を経由して、モータ18に供給される。
 電流センサ192は、発電機10からモータ18に供給される電流を検出する。
 コンバータ16は、発電機10から出力された電流を整流する。コンバータ16は、発電機10から出力された三相交流を直流に変換する。コンバータ16は、直流を出力する。コンバータ16は、例えば、インバータ回路を有する。コンバータ16は、例えば、三相ブリッジインバータ回路を有する。前記三相ブリッジインバータ回路は、三相の各相に対応するスイッチング素子Saで構成されている。
 コンバータ16の動作は、制御装置15によって制御される。例えば、コンバータ16は、スイッチング素子Saのオン及びオフ動作のタイミングを三相交流における所定の位相角に対し変化させる。これにより、コンバータ16は、モータ18に供給する電流を調整することができる。これによって、コンバータ16は、モータ18に供給する電力を調整することができる。制御装置15によるコンバータ16の制御については、後述する。
[0058]
 インバータ17は、モータ18を駆動するための電流をモータ18に供給する。インバータ17には、コンバータ16から直流が供給される。インバータ17は、コンバータ16から出力された直流を、位相が互いに120度ずれた三相の電流に変換する。前記三相の電流は、三相ブラシレスモータの三相に対応している。インバータ17は、例えば、三相ブリッジインバータ回路を有する。前記三相ブリッジインバータ回路は、三相の各相に対応するスイッチング素子Sbで構成されている。スイッチング素子Sbは、ロータ181の回転位置を検出する図示しない位置センサからの信号に基づいて制御される。
 インバータ17は、スイッチング素子Sbのオン及びオフ動作を調整することによって、モータ18に供給される電圧を制御する。例えば、インバータ17は、スイッチング素子Sbを、パルス幅変調された信号でオン動作させる。制御装置15は、オン及びオフのデューティ比を調整する。これによって、制御装置15は、モータ18に供給される電圧を任意の値に制御する。これによって、インバータ17は、モータ18に供給する電力を調整することができる。
[0059]
 本実施形態のモータ18は三相ブラシレスモータである。また、電流調整装置CCがインバータ17を備えている。なお、モータ18として、例えば直流モータが採用され得る。モータ18として直流モータが採用される場合、インバータ17は省略される。この場合、電流調整装置CCは、コンバータ16のみを備える。
[0060]
 モータ18は、発電機10から供給される電力によって動作する。モータ18は、駆動輪Wc,Wdを回転駆動する。これによって、モータ18は、ビークルVを走行させる。動力伝達に関し、モータ18は、発電機10と機械的に接続されていない。モータ18は、発電機10からバッテリを介すること無しに電流の供給を受ける。
 モータ18は、例えば、三相ブラシレスモータである。モータ18は、ロータ181及びステータ182を備えている。本実施形態のモータ18における、ロータ181及びステータ182の構造は、発電機10のロータ11及びステータ12と同じである。
 モータ18のロータ181は、伝達機構Gを介して駆動輪Wc,Wdと接続されている。
[0061]
 本実施形態において、発電機10とモータ18とは電気的に接続されている。このため、発電機10とモータ18との間での機械的な動力伝達が不要である。従って、発電機10とモータ18の配置の自由度が高い。例えば、エンジン14に発電機10を設けて、モータ18を駆動部材としての駆動輪Wc,Wdの付近に配置することができる。
[0062]
 なお、モータ18は、発電機10と異なる構成のロータ及びステータを有していてもよい。例えば、モータ18は、発電機10と異なる数の磁極又は異なる数の歯部を有していてもよい。また、モータ18として、例えば誘導モータ又はステッピングモータが採用されてもよい。また、モータ18として、例えばブラシを備えた直流モータが採用されてもよい。
[0063]
 モータ18は、駆動輪Wc,Wdに回転パワーが伝達されるよう、駆動輪Wc,Wdと機械的に接続されている。モータ18は、伝達機構Gを介して、駆動輪Wc,Wdと機械的に接続されている。詳細には、モータ18のロータ181が、伝達機構Gと接続されている。
[0064]
 制御装置15は、エンジン出力調整部141及びインダクタンス調整部131、及び電流調整装置CCを制御する。制御装置15は、電流要求に応じて、エンジン出力調整部141及びインダクタンス調整部131、及び電流調整装置CCを制御する。電流要求は、要求指示部Aの操作量に応じて要求指示部Aから出力される。
 制御装置15は、エンジン出力調整部141及びインダクタンス調整部131、及び電流調整装置CCを制御することによって、モータ18に供給される電流を制御する。モータ18に供給される電流が制御されることによって、モータ18の出力トルクが制御される。つまり、制御装置15は、モータ18の出力トルクを制御する。モータ18の出力トルクが制御されることによって、駆動部材としての駆動輪Wc,Wdの出力トルクが制御される。つまり、制御装置15は、駆動輪Wc,Wdの出力トルクを制御している。
[0065]
 制御装置15は、エンジン14のエンジン出力調整部141、及び発電機10のインダクタンス調整部131と接続されている。また、制御装置15は、電流調整装置CCと接続されている。制御装置15は、コンバータ16及びインバータ17と接続されている。制御装置15は、回転角センサ191及び電流センサ192と接続されている。制御装置15は、回転角センサ191からの信号に基づいて、エンジン14の回転速度の情報、即ちエンジン14の出力軸Cの回転速度の情報を得る。制御装置15は、回転角センサ191からの信号に基づいて、ロータ181の回転位置の情報を得る。制御装置15は、電流センサ192からの信号によって、発電機10からモータ18に供給される電流の情報を得る。
[0066]
 制御装置15は、電流要求受付部151、エンジン制御部152、インダクタンス制御部153、及び電流制御部154を備えている。
 電流要求受付部151、エンジン制御部152、インダクタンス制御部153、及び電流制御部154は、制御装置15の中央処理装置CPUがプログラムを実行することにより構成される。以降説明する、電流要求受付部151、エンジン制御部152、インダクタンス制御部153、及び電流制御部154のそれぞれによる動作は、制御装置15の動作と言うことができる。
[0067]
 エンジン制御部152は、エンジン出力調整部141を制御する。エンジン制御部152は、エンジン出力調整部141に、エンジン14の回転パワーを調整させる。
[0068]
 電流制御部154は、電流調整装置CCを制御する。電流制御部154は、電流調整装置CCに、発電機10からモータ18へ出力される電流を調整させる。本実施形態における電流制御部154は、コンバータ16及びインバータ17の両方を制御する。
 電流制御部154は、コンバータ16に対し、位相制御を行う。位相制御は、コンバータ16のスイッチング素子Saの通電タイミングを進み又は遅らせる制御である。位相制御では、複数のスイッチング素子Saのそれぞれが、巻線121の誘導起電圧の周期に等しい周期でオン・オフ動作する。
[0069]
 図3は、位相制御における電圧の波形の例を示す図である。
 図3において、Vuは、発電機10の複数相のステータ巻線Wのうち、U相のステータ巻線Wの誘導起電圧を表している。
 Vsupは、コンバータ16が有する複数のスイッチング素子Saのうち、U相のステータ巻線Wに接続されるスイッチング素子Saの制御信号を表している。詳細には、Vsupは、U相のステータ巻線Wに接続される2つのスイッチング素子Saの制御信号を表している。VsupにおけるHレベルは、スイッチング素子Saのオン状態を表している。Lレベルは、オフ状態を表している。なお、U相、V相及びW相それぞれの誘導起電圧及び制御信号は、互いに120度ずれている。
 位相制御において、電流制御部154は、発電機10の巻線121の誘導起電圧の周期と等しい周期の信号Vsupに応じて、U相のステータ巻線Wに接続されるスイッチング素子Saのオン・オフを制御する。複数のスイッチング素子Saのオン・オフのデューティ比は固定されている。電流制御部154は、例えば、回転角センサ191の出力信号に基づいて巻線121の誘導起電圧の周期と等しい周期の信号Vsupを生成する。
 電流制御部154は、位相制御において、スイッチング素子Saの通電タイミングを進み又は遅らせることによって、ステータ巻線Wからモータ18に流れる電流を制御する。例えば、電流制御部154は、誘導起電圧Vuに対し、対応するスイッチング素子Saのオン・オフの位相を進めることによって、発電機10から出力される電流を減少させる。電流制御部154は、誘導起電圧Vuに対し、対応するスイッチング素子Saのオン・オフの位相を遅らせることによって、発電機10から出力される電流を増大させる。
[0070]
 このように、電流制御部154は、巻線121の誘導起電圧の位相に対し、複数のスイッチング素子Saそれぞれのオン・オフ動作の位相を制御する。オン・オフ動作の位相が進み又は遅れることによって、コンバータ16から出力される電流が増大又は減少する。つまり、電流制御部154によるコンバータ16の制御によって、コンバータ16から出力される電流が調整される。即ち、電流制御部154によるコンバータ16の制御によって、発電機10からモータ18へ出力される電流が調整される。
[0071]
 なお、電流制御部154は、上述した位相制御とは異なる制御を実施することも可能である。例えば、電流制御部154は、位相制御の代わりにベクトル制御を実施してもよい。ベクトル制御は、発電機10の電流を、磁極の磁束方向に対応するd軸成分と、電気角において磁束方向と垂直なq軸成分に分離して制御する方法である。ベクトル制御では、巻線121の誘導起電圧の周期より短い周期のパルス幅変調(PWM)された信号でスイッチング素子Saが動作する。ベクトル制御では、複数の巻線121の各相に正弦波の電流が流れるよう通電が行われる。信号のデューティ比の制御によってコンバータ16から出力される電流が増大又は減少する。
[0072]
 電流制御部154は、インバータ17に、モータ18へ出力される電流を調整させる。電流制御部154は、120度通電方式によるタイミングで複数のスイッチング素子Saをオン・オフ動作させる。電流制御部154は、複数のスイッチング素子Saに対しパルス幅変調(PWM)制御を実施する。例えば、電流制御部154は、パルス幅変調された信号で、スイッチング素子Saをオン動作させる。電流制御部154は、オン動作させる信号のデューティ比を制御することによって、モータ18へ出力される電流を調整する。電流制御部154は、デューティ比の制御によって、コンバータ16からインバータ17に入力される電流を調整する。即ち、電流制御部154によるコンバータ16の制御によって、発電機10からモータ18へ出力される電流が調整される。電流制御部154は、可聴周波数の上限より大きい周波数のパルスで、パルス幅変調を実施することが好ましい。可聴周波数は、20Hzから20kHzまでの周波数である。
[0073]
 なお、電流制御部154は、120度通電方式とは異なる制御を実施することも可能である。電流制御部154は、例えば、ベクトル制御を実施してもよい。
[0074]
 このように、電流制御部154は電流調整装置CCを制御することによって、発電機10からモータ18へ出力される電流を制御する。発電機10の負荷トルクは、発電機10から出力される電流に依存する。従って、電流制御部154は電流調整装置CCを制御することによって、発電機10の負荷トルクを制御する。
[0075]
 インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131を制御する。インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121のインダクタンスを調整させる。インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路の磁気抵抗を変えさせる。これによって、インダクタンス制御部153は、巻線121のインダクタンスを変える。
[0076]
 なお、発電機10から出力される電流の制御は、コンバータ16及びインバータ17のいずれを用いても実施できる。そこで、電流制御部154は、発電機10から出力される電流を制御するため、コンバータ16及びインバータ17のうち一方を制御してもよい。例えば、電流制御部154は、コンバータ16に対し位相制御を実施するとともに、インバータ17に対し120度通電方式による制御を実施する。このとき、電流制御部154は、インバータ17に対しPWM制御を実施せず、コンバータ16に対し位相の進み又は遅れの調整を行う。つまり、コンバータ16のみが、発電機10から出力される電流の制御に用いられる。
 逆に、電流制御部154は、コンバータ16に対し位相の進み又は遅れの調整を行なわず、インバータ17に対しPWM制御を実施してもよい。つまり、インバータ17のみが、発電機10から出力される電流の制御に用いられる。
[0077]
 [インダクタンス調整部]
 図4(A)及び図4(B)は、図2に示す発電機10におけるインダクタンス調整部131の調整を説明するための模式図である。図4(A)は、発電機10の大インダクタンス状態を示す。図4(B)は、発電機10の小インダクタンス状態を示す。
[0078]
 図4(A)には、発電機10に備えられたロータ11及びステータ12の一部が示されている。本実施形態の発電機10は、SPM(Surface Permanent Magnet)発電機によって構成されている。ロータ11とステータ12とは、互いに対向している。より詳細には、ロータ11の磁極部111と、ステータ12のステータコア122の歯部122bとがエアギャップを挟んで互いに対向している。磁極部111は、ステータ12に向かって露出している。
[0079]
 インダクタンス調整部131は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。これによってインダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスを変え、モータ18に供給する電流を調整する。具体的には、インダクタンス調整部131は、巻線121に対するステータコア122の相対位置を移動する。これによって、インダクタンス調整部131は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。
 巻線121は、発電機10の図示しない筐体に固定されている。ステータコア122は、巻線121に対し軸方向Xで移動自在なように筐体に支持されている。巻線121は、歯部122bに固定されていない。筒状の巻線121と歯部122bとの間には、隙間が設けられている。前記隙間は、歯部122bが巻線121に対して移動自在となる程度の隙間である。
[0080]
 インダクタンス調整部131は、筒状に巻かれた巻線121の中に出入りする方向に歯部122bが移動するよう、ステータコア122を移動させる。本実施形態では、インダクタンス調整部131は、軸方向Xにステータコア122を移動させる。制御装置15は、電流要求に応じてインダクタンス調整部131を動作させる。
 なお、図4(A)には、ステータコア122の移動を分りやすく説明するため、インダクタンス調整部131がピニオンラック機構及びモータによって模式的に示されている。ただし、ステータコア122を移動させるインダクタンス調整部131として、図に示す以外の機構が採用可能である。例えば、ステータコアと同心に配置され、ステータコアとネジ係合する円筒部材を有する機構が採用可能である。このような機構では、例えば、円筒部材がステータコアに対し回転することによって、ステータコアが軸方向Xに移動する。
 インダクタンス調整部131は、ロータ11に対するステータコア122の相対位置を維持するように、巻線121に対するステータコア122の相対位置を移動させる。図4(A)の破線Qは、ロータ11が、軸方向Xにおいて、ステータコア122と連動して移動することを表している。ロータ11とステータコア122の相対位置を維持する構造は、例えば、ロータ11を回転可能に支持する軸受部113によって形成される。軸受部113の位置は、ステータコア122に対して固定されている。
[0081]
 図4(A)及び図4(B)には、磁極部111によって生じる主な磁束F1が示されている。磁束F1の線は、磁極部111で生じる磁束F1が通る主な磁気回路を表している。そこで、磁束F1が通る磁気回路を、磁気回路F1と称する。
 磁極部111によって生じる主な磁束F1は、磁極部111、磁極部111と歯部122bとの間のエアギャップ、歯部122b、コア本体122a、及びバックヨーク部112を通って流れる。つまり、磁極部111、磁極部111と歯部122bとの間のエアギャップ、歯部122b、コア本体122a、及びバックヨーク部112によって、磁気回路F1が構成されている。
 なお、図2(A)及び図2(B)では、周方向に並んだ複数の歯部122bのうち3つの歯部122bが示されている。磁気回路F1を分かりやすく示すため、図には、3つの歯部122bのうち中央の歯部122bに磁極部111が対向した状態が示されている。
[0082]
 ロータ11が回転すると、磁極部111によって生じ、巻線121と鎖交する磁束の量が変化する。巻線121と鎖交する磁束の量が変化することによって、巻線121に誘導起電圧が生じる。すなわち、発電が行われる。
 巻線121に生じる誘導起電圧は、巻線121と鎖交する磁束の量に依存している。巻線121と鎖交する磁束の量は、磁気回路F1の磁気抵抗が大きいほど、少ない。磁気回路F1の磁気抵抗は、主に、歯部122bと磁極部111との間のエアギャップの磁気抵抗に依存している。歯部122bと磁極部111との間のエアギャップの磁気抵抗は、歯部122bと磁極部111との間のエアギャップ長L1に依存している。
 従って、巻線121に生じる誘導起電圧は、歯部122bと磁極部111との間のエアギャップ長L1に依存している。
[0083]
 図4(A)及び図4(B)には、巻線121に流れる電流によって生じる主な磁束F2が示されている。発電が行われるとき、巻線121には、誘導起電圧に起因した電流が流れる。磁束F2は、発電が行われるとき、巻線121に流れる電流によって生じる。磁束F2の線は、巻線121の電流によって生じる磁束F2が通る主な磁気回路を表している。そこで、磁束F2が通る磁気回路を、磁気回路F2と称する。磁気回路F2は、巻線121から見た磁気回路である。巻線121から見た磁気回路F2は、巻線121の内部を通り、且つ、磁気回路F2の全体の磁気抵抗が最小となる経路で構成される。
 磁気回路F2は、ステータコア122を通る。磁気回路F2は、隣り合う歯部122bを通る。図には、周方向に並んだ複数の歯部122bのうち3つの歯部122bが示されている。3つの歯部122bのうち中央の歯部122bに巻いた巻線121から見た磁気回路F2が代表として示されている。ある巻線121から見た磁気回路F2は、当該巻線121が巻いた歯部122b、及びこの歯部122bと隣り合う2つの歯部122bを通る。
 巻線121の電流によって生じる主な磁束F2は、歯部122b、コア本体122a、及び、隣り合う2つの歯部122bの間のエアギャップを通る。つまり、歯部122b、コア本体122a、及び、隣り合う歯部122bの間のエアギャップによって、磁気回路F2が構成されている。ステータコア122を通る磁気回路F2は、1つのエアギャップを含む。磁気回路F2のうちエアギャップによって構成された部分は、太線で示されている。磁気回路F2のうち、エアギャップによって構成された太線部分を、単にエアギャップF2aと称する。エアギャップF2aは、巻線121とロータ11との間にある。磁気回路F2を構成するエアギャップF2aは、巻線121とロータ11との間で、且つ、隣り合う歯部122bの間にある。エアギャップF2aは、非磁性体ギャップである。エアギャップF2aにおける磁気回路F2は、隣り合う2つの歯部122bのそれぞれの、ロータ11に対向する部分同士を繋ぐように設けられている。
 巻線121から見た磁気回路F2は、隣り合う2つの歯部122bの間のエアギャップF2aで構成される。磁気回路F2は、実質的にロータ11のバックヨーク部112で構成されない。巻線121の電流によって生じる磁束F2の多くは、次の理由で、ロータ11のバックヨーク部112を通らず、隣り合う2つの歯部122bの間のエアギャップを通る。
[0084]
 電流によって巻線121に生じる磁束F2に関して、磁極部111は、単に磁束の経路と見なされる。本実施形態において、磁極部111は、透磁率が空気と同程度に低い永久磁石で構成されている。そのため、磁極部111は、磁気回路F2において空気と同等と見なせる。磁極部111が空気と同等であるため、ステータ12とロータ11との間の実質的なエアギャップ長は、歯部122bからバックヨーク部112までの距離L11になる。歯部122bからバックヨーク部112までの距離L11は、軸方向Xにおける磁極部111の厚みを含む。そのため、磁極部111は、歯部122bから磁極部111までの距離L1よりも長い。
 しかも、本実施形態では、巻線121の電流によって生じる磁束F2の量は、磁極部111の永久磁石によって生じる磁束の量よりも少ない。巻線121の電流によって生じる磁束F2の多くは、エアギャップ長L11を隔てたバックヨーク部112に到達し難い。従って、巻線121の電流によって生じる磁束F2のうち、バックヨーク部112を通る磁束は少ない。
 従って、巻線121の電流によって生じる磁束F2の多くは、ロータ11のバックヨーク部112よりも、歯部122bと歯部122bとの間のエアギャップF2aを通る。図4(A)に示す状態では、巻線121のインダクタンスが、設定可能な値の範囲内で最も大きい値に設定されている。図4(A)に示す状態で、磁気回路F2を構成するエアギャップF2aは、磁気回路F2を構成する要素の中で磁気抵抗が最も大きい。エアギャップF2aは、磁気回路F2のうち、エアギャップF2aの残りの部分F2bよりも大きい磁気抵抗を有する。
[0085]
 巻線121のインダクタンスは、巻線121から見た磁気回路F2の磁気抵抗に依存する。巻線121のインダクタンスは、巻線121から見た磁気回路F2の磁気抵抗に反比例する。
 ここで、巻線121から見た磁気回路F2の磁気抵抗とは、巻線121の電流によって生じる磁束F2が流れる磁気回路F2の磁気抵抗である。巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2磁気抵抗には、隣り合う2つの歯部122bの間のエアギャップの磁気抵抗が含まれる。巻線121に電流によって生じる磁束F2は、厳密には、ステータ12及びロータ11の双方を通る。しかし、上述したように、巻線121に電流によって生じる磁束の多くは、ロータ11のバックヨーク部112を介さず、隣り合う2つの歯部122bの間のエアギャップを通る。従って、巻線121から見た磁気抵抗は、ロータ11を通る磁気回路F1の磁気抵抗よりも、ステータ12を通る磁気回路F2の磁気抵抗に強く依存する。つまり、巻線121のインダクタンスは、巻線121から見たロータ11を通る磁気回路F1の磁気抵抗よりも、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗に、より強く依存する。従って、巻線121のインダクタンスは、実質的に、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗に依存する。
[0086]
 インダクタンス調整部131は、巻線121に対するステータコア122の相対位置を移動させる。これによって、インダクタンス調整部131は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスを変える。例えば、インダクタンス調整部131が、ステータコア122を矢印X1の向きに移動させると、ステータコア122の歯部122bが、筒状に巻かれた巻線121の中から抜ける向きに移動する。
 図4(B)には、図4(A)の状態よりも小さいインダクタンスを有する状態が示されている。
 ステータコア122の歯部122bが、巻線121から抜けると、巻線121の中に存在するステータコア122の量が減少する。この結果、巻線121の中の磁束が拡がる。巻線121から見た磁気回路F2の観点では、磁気回路F2を構成するエアギャップF2aの長さが長くなる。従って、巻線121とロータ11との間にあるエアギャップF2aの磁気抵抗が、増大する。つまり、磁気抵抗が最も大きいエアギャップF2aの磁気抵抗が増大する。この結果、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が増大する。これによって、巻線121のインダクタンスが減少する。
[0087]
 図4(B)は、インダクタンス調整部131が、ステータコア122を矢印X1の向きに移動した状態を示している。ステータコア122を矢印X1の向きに移動した結果、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が増大する。これによって、巻線121のインダクタンスが減少する。
 インダクタンス調整部131は、磁気抵抗が最も大きいエアギャップF2aの磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部131は、隣り合う歯部122bを通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。従って、例えばエアギャップF2a以外の部分の磁気抵抗を変える場合と比べて、巻線121のインダクタンスが大きく変化しやすい。
[0088]
 さらに、インダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスの変化率が巻線121と鎖交する磁束の変化率よりも大きくなるように、巻線121のインダクタンスを変える。本実施形態の発電機10のインダクタンス調整部131は、ロータ11に対するステータコア122の相対位置を維持するように、巻線121に対するステータコア122の相対位置を移動する。
 インダクタンス調整部131が、ステータコア122を矢印X1の向きに移動させると、ロータ11も連動して矢印X1の向きに移動する。このため、ロータ11に対するステータコア122の相対位置が維持される。これによって、ステータコア122が移動する場合に、歯部122bと磁極部111との間のエアギャップ長L1の変化が抑えられる。従って、磁極部111からステータコア122に流れる磁束F1の変化が抑えられる。つまり、巻線121と鎖交する磁束F1の変化が抑えられる。
[0089]
 インダクタンス調整部131は、インダクタンス制御部153の制御によって、発電機10の状態を、図4(A)に示す大インダクタンス状態と、図4(B)に示す小インダクタンス状態との間で切換える。小インダクタンス状態は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が相対的に大きく巻線121のインダクタンスが小さい状態である。大インダクタンス状態は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が相対的に小さく巻線121のインダクタンスが大きい状態である。
 小インダクタンス状態は、あるインダクタンスの値の範囲に対応する。大インダクタンス状態は、あるインダクタンスの値の範囲に対応する。小インダクタンス状態に対応するインダクタンスは、大インダクタンス状態に対応するインダクタンスよりも小さい。小インダクタンス状態に対応するインダクタンスの範囲と、大インダクタンス状態に対応するインダクタンスの範囲とは、重なりを有さない。
 小インダクタンス状態に対応するインダクタンスと、大インダクタンス状態に対応するインダクタンスとは、例えば境界値で区別されている。境界値は、例えば、インダクタンス制御部153の制御によって取り得るインダクタンスの最大値及び最小値の中央値である。
[0090]
 インダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスの変化率が巻線121と鎖交する磁束の変化率よりも大きくなるように、巻線121のインダクタンスを変える。本実施形態の発電機10のインダクタンス調整部131は、ロータ11に対するステータコア122の相対位置を維持するように、巻線121に対するステータコア122の相対位置を移動する。
 インダクタンス調整部131が、ステータコア122を矢印X1の向きに移動させると、ロータ11も連動して矢印X1の向きに移動する。このため、ロータ11に対するステータコア122の相対位置が維持される。これによって、ステータコア122が移動する場合に、歯部122bと磁極部111との間のエアギャップ長L1の変化が抑えられる。従って、磁極部111からステータコア122に流れる磁束F1の変化が抑えられる。つまり、巻線121と鎖交する磁束F1の変化が抑えられる。
[0091]
 図5(A)は、図4(A)及び図4(B)に示す発電機10の巻線121を模式的に示す回路図である。
 図5(A)では、巻線121の作用を分かりやすくするため、一相分の回路が単純化されて示されている。
 図5(A)に示すように、巻線121は、電気的に、交流電圧源121A、インダクタ121B、及び抵抗121Cを含んでいる。巻線121は、電流調整装置CCと接続されている。電流調整装置CCは、電流制御部154に制御される。電流調整装置CCのコンバータ16は、巻線121で生じた交流を整流する。電流調整装置CCのインバータ17は、整流された直流から、モータの回転に応じた三相のパルス電流を生成する。発電機10からモータ18に供給される電流として、コンバータ16からインバータ17に流れる電流Iが示されている。電流Iは直流電流である。
 なお、発電機10からモータ18に供給される電流は、発電機10の複数の巻線121からコンバータ16に供給される電流を検出することによって求めることも可能である。また、発電機10からモータ18に供給される電流は、インバータ17から、モータ18の巻線に流れる電流を検出することによって求めることも可能である。
[0092]
 電流調整装置CCは、電流制御部154に制御されることによって、発電機10からモータ18に供給される電流Iを調整する。電流Iは、コンバータ16及びインバータ17の双方、又は一方によって制御される。電流制御部154は、制御量に基づいて、発電機10からモータ18に供給される電流Iを制御する。制御量は、エンジン14の回転速度、及び電流Iを含む。エンジン14の回転速度は、回転角センサ191の検出結果に基づいて得られる。電流Iは、電流センサ192の検出結果に基づいて得られる。電流制御部154は、制御量に応じて電流調整装置CCを制御する。これによって電流制御部154は、発電機10からモータ18に供給される電流Iを制御する。
[0093]
 電流制御部154は、電流の増大の要求が受付けられた場合、発電機10から出力される電流の増大にかかる時間が小さくなるように、発電機10から出力される電流を調整する。電流制御部154は、発電機10から出力される電流の増大にかかる時間が最小となるように、発電機10から出力される電流を調整する。電流制御部154は、エンジン14の回転速度の変化量、及び発電機10の出力電流の変化量に応じたフィードバック制御を行う。具体的には、電流制御部154は、エンジン14の回転速度が増大し且つ発電機10の出力電流が増大するように、発電機10から出力される電流を調整する(電流増大モード)。
 例えば、電流制御部154は、電流センサ192の検出結果に基づく電流の値を繰り返し記憶させ、過去に記憶された値を比較することにより、発電機10の出力電流の変化量を得る。電流制御部154は、回転角センサ191の検出結果に基づく回転速度の値を繰り返し記憶させ、過去に記憶された値を比較することにより、回転速度の変化量を得る。電流制御部154は、回転速度が増大している場合、発電機10から出力される電流目標を増大させる。電流制御部154は、発電機10から出力される電流目標の増大量を、エンジン14の回転速度の増大量に応じて制御する。例えば、電流制御部154は、エンジン14の回転速度の増大量が大きいほど、発電機10から出力される電流目標の増大量を大きくする。電流制御部154は、エンジン14の回転速度の増大量が小さい場合、電流目標の増大量を小さくする。電流制御部154は、電流調整装置CCに、電流Iを、電流目標に調整させる。このように、電流制御部154は、エンジン14の回転速度の変化量に応じたフィードバック制御により、発電機10から出力される電流を制御する。電流Iは、フィードバック制御によって変動する。
[0094]
 電流Iは、発電機10の巻線121を含む電気回路を流れる。つまり、電流Iが流れる電気回路は、インダクタ121Bを有する。電流調整装置CCが電流Iを変化させるとき、電流Iは、インダクタ121Bに起因する応答特性に沿って変化する。
[0095]
 図5(B)は、インダクタに起因する応答特性の例を示すグラフである。
 図5(B)のグラフの横軸は、時間を示す。縦軸は、電流を示す。グラフは、インダクタを含む回路が、制御によって閉じた場合における、時間の経過に伴う電流の変化の例を概略的に示している。実線は、インダクタンスが大きい場合の変化を示す。破線は、インダクタンスが小さい場合の変化を示す。
 グラフに示すように、インダクタを含む回路に流れる電流を制御する場合、電流が制御の目標に到達するのに時間がかかる。つまり、制御に対し電流の応答が遅れる。
 図5(A)に示す、巻線121を含む回路に流れる電流の応答が過渡特性によって遅れると、制御時における電流のオーバーシュートが生じやすくなる。つまり、電流が、一時的に目標値を超える事態が生じやすくなる。例えば、電流が目標値を超えて増大すると、それに応じて、発電機10の負荷トルクも増大する。発電機の負荷トルクが、エンジンのトルクに近づくか、または、エンジンのトルクを超えると、エンジンの回転速度の増大が妨げられる。また、発電機10の負荷トルクが過大になることによって、発電機10の回転が不安定となる。
[0096]
 これに対し、インダクタンスが小さい場合、図5(B)のグラフの実線に示すように電流の応答が速い。即ち、電流の応答性が高い。この結果、制御時の電流のオーバーシュートが抑えられる。
[0097]
 インダクタンス調整部131は、巻線121に対するステータコア122の相対位置を移動させる。インダクタンス調整部131は、これによって、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部131は、巻線121のインダクタンスLを変える。
 本実施形態では、電流の制御に対する電流の応答性が調整可能となる。従って、電流の制御時における、電流のオーバーシュートが抑えられる。
[0098]
 インダクタンス調整部131は、巻線121とロータ11との間にあるエアギャップF2aの磁気抵抗を変えることによって巻線121のインダクタンスを変える。巻線121とロータ11との間には、ロータ11の回転に伴い移動する磁極部111によって交番磁界が生じる。例えば、巻線121とロータ11との間にあるエアギャップF2aの磁気抵抗を減少させると、交番磁界についての損失が減少する。詳細には、エアギャップF2aを通る磁気回路F2における鉄損が減少する。損失が減少することによって、負荷トルクが小さい。
[0099]
 本実施形態では、巻線121に対するステータコア122の相対位置の移動が、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。これによって、巻線121のインダクタンスLが変わる。本実施形態では、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を変えることによってインダクタンスLを変えるので、インダクタンスLを徐々に変えることができる。
 インダクタンスを変える方法として、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗でなく、巻線の実質的な巻数を変えることが考えられる。例えば、電流出力端子として、巻線の端に設けた端子と巻線の途中に設けた端子とを切換えて用いることが考えられる。また、巻線の途中に設けた端子を他の端子と短絡することが考えられる。これによって、電流に関与する実質的な巻数が変わる。この結果、インダクタンスが変わる。
 しかし、巻線の実質的な巻数を変える場合、実質的な巻数が瞬時に大きく変わる。このため、巻線で過大な電圧が生じる。また、短時間で過大な電流が流れ易い。実質的な巻数を変える場合には、電流切換えのためのスイッチング素子の設置が求められる。さらに、スイッチング素子には、過大な電圧に対応するため、高耐圧であることが求められる。巻線には、過大な電流の変化に対応するため、太い線材の使用が求められる。従って、巻線の実質的な巻数を変える方法では、効率が低下する。また、発電機が大型化する。
 本実施形態では、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が変わることによって、巻線121のインダクタンスLが変わる。このため、巻線121のインダクタンスLを徐々に変えることができる。この結果、巻線121に生じる電圧の急激な増大が抑えられる。従って、発電機10に低耐圧の部品を接続することが可能である。このため、効率が高い。また、電流切換えのためのスイッチング素子を備えなくてよい。また、巻線に比較的細い線材を用いることができる。発電機10の大型化が抑えられる。
[0100]
 図6は、ビークルVの動作を説明するフローチャートである。
 ビークルVの動作は、制御処理を実行する制御装置15によって制御される。制御装置15は、図6に示す制御処理を繰り返す。図2も参照して制御について説明する。
[0101]
 制御装置15の電流要求受付部151が、電流の要求を受け付ける(S10)。詳細には、電流要求受付部151が、要求指示部Aから、電流の要求を表す信号を受付ける。電流要求受付部151は、要求指示部Aの操作量に基づいて、電流の要求を得る。詳細には、電流要求受付部151は、要求指示部Aの操作量、及びビークルVの走行状態に基づいて、電流の要求を得る。
[0102]
 次に、制御装置15は、電流制御を行う(S20)。制御装置15は、電流要求受付部151によって受付けられた電流の要求に基づいて、発電機10からモータ18へ出力される電流を制御する。詳細には、エンジン制御部152、インダクタンス制御部153、及び電流制御部154が、電流を制御する。
[0103]
 図7は、図6に示す電流制御を示すフローチャートである。
 制御装置15は、電流要求受付部151によって電流増大の要求が受け付けられたか否か判別する(S21)。電流要求受付部151は、例えば、電流の要求を過去の電流の要求と比較することによって電流の増大の要求を判別する。電流増大の要求が受け付けられていない場合(S21でNo)、制御装置15は、ステップS24の処理を実行する。
[0104]
 電流要求受付部151によって電流増大の要求が受け付けられた場合(S21でYes)、制御装置15は、インダクタンスを減少させる(S22)。制御装置15は、トルク増大の要求に対応する電流増大の要求が受け付けられた場合(S21でYes)、インダクタンスを減少させる(S22)。インダクタンス制御部153が、インダクタンス調整部131に、インダクタンスを減少させる。インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を大きくさせる。これによって、インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121のインダクタンスを、電流の増大の要求を受け付ける前の状態よりも小さくさせる。
[0105]
 次に、制御装置15は、制御装置15の制御モードを電流増大モードに設定する(S23)。電流増大モードは、モータ18に供給する電流を増大させるモードである。
[0106]
 次に、制御装置15は、制御装置15の制御モードが電流増大モードであるか否かを判別する(S24)。
[0107]
 制御モードが電流増大モードである場合(S24でYes)、制御装置15は、エンジンパワー増大制御及び、電流増大制御を実行する(S25)。詳細には、エンジン制御部152が、エンジン出力調整部に、エンジン14の回転パワーを増大させる。これによって、エンジン14の回転パワーが、電流の増大の要求を受付けた時よりも増大した状態となる。
 また、電流制御部154が、電流調整装置CCに、発電機10から出力される電流を調整させる。電流制御部154は、発電機10から出力される電流の増大にかかる時間が小さくなるように、発電機10から出力される電流を調整させる。発電機10から出力される電流が増大する速度は、上述したように、エンジン14の回転速度が増大する速度の影響を受ける。具体的には、電流制御部154は、電流調整装置CCに、エンジン14の回転速度が増大し且つ発電機10の出力電流が増大するように発電機10から出力される電流を調整させる。
 例えば、電流制御部154は、コンバータ16を用いて電流を制御する。電流制御部154は、コンバータ16に対し位相制御を実施することによって、発電機10から出力される電流を制御する。電流制御部154は、インバータ17に対しPWM制御無しの120度通電方式による制御を実施する。
[0108]
 このようにして、ステップS21からS25の処理によって、電流の増大の要求を受付けた場合、制御装置15が有する、エンジン制御部152、インダクタンス制御部153、及び電流制御部154は、次のように制御を行う。インダクタンス制御部153は、発電機10を、小インダクタンス状態にする。即ち、インダクタンス制御部153は、発電機10を、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きく巻線のインダクタンスが小さい状態にする。この状態で、エンジン制御部152が、エンジン出力調整部141にエンジン14の回転パワーを、電流の増大の要求を受付けた時よりも増大させる。また、電流制御部154は、エンジン14の回転速度が増大し且つ発電機10の出力電流が増大するように、発電機10から出力される電流を調整する。
[0109]
 次に、制御装置15は、エンジンの回転速度が増大したか否かを判別する(S26)。
制御装置15は、エンジンの回転速度が、少なくとも電流の増大の要求を受付けた時のエンジンの回転速度よりも高いか否かを判別する。
 より詳細には、ステップS26において、制御装置15は、エンジンの回転速度が、所定の値よりも大きいか否かを判別することによって、回転速度が増大したか否かを判別する。前記所定の値は、電流の増大の要求を受付けた時のエンジンの回転速度よりも高い値に設定される。なお、前記所定の値は、例えば、エンジン14の回転の安定性に与える発電機10の負荷トルクの影響が小さくなるような回転速度の値に設定されることが好ましい。前記所定の値は、固定値とすることができる。また例えば、前記所定の値は、エンジンの回転速度を増大させる目標値に対し所定の割合に応じた値でもよい。また、制御装置15は、例えば、エンジンの回転速度の増大が、所定の時間を超えて継続したか否かを判別することによって、回転速度が増大したか否かを判別してもよい。
[0110]
 エンジンの回転速度が増大したと判別された場合(S26でYes)、制御装置15は、発電機10の状態を、大インダクタンス状態にする。制御装置15は、インダクタンスを増大させる(S27)。詳細には、インダクタンス制御部153が、インダクタンス調整部131に、インダクタンスを増大させる。インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を小さくさせる。これによって、インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121のインダクタンスを大きくさせる。
 本実施形態において、制御装置15は、電流調整装置CCに、発電機10の出力電流が増大するように出力電流を調整する途中で、インダクタンス調整部131に、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を小さくさせる。これによって、インダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に、巻線121のインダクタンスを大きくさせる。
[0111]
 上記ステップS27において、制御装置15は、インダクタンスを増大させる速度の大きさを、上記ステップS22でインダクタンスを減少させる速度の大きさよりも小さくする。詳細には、インダクタンス制御部153は、上記ステップS27において、時間の経過と共にインダクタンスを徐々に増大させる。
[0112]
 制御装置15は、制御モードが電流増大モードでない場合(S24でNo)、電流の減少の要求を受け付けたか否かを判別する(S28)。
 電流の減少の要求を受け付けていない場合(S28でNo)、制御装置15は、後述するステップS31の処理を実施する。電流の減少の要求を受け付けた場合(S28でYes)、制御装置15は、電流増大モードの設定を解除する(S29)。この後、制御装置15は、ステップS31の処理を実施する。
[0113]
 次に、制御装置15は、エンジンパワーの制御、及び電流制御を実行する(S31)。エンジン制御部152が、電流の要求に応じてエンジン出力調整部に、エンジンの回転パワーを調整させる。また、電流制御部154が、電流の要求に応じて、電流調整装置に、発電機から出力される電流を調整させる。
 例えば、電流の要求が所定のレベルより小さくなると、エンジン制御部152がエンジンの回転パワーを減少させる。また、電流制御部154が、発電機10から出力される電流を調整させる。
[0114]
 図8は、ビークルVの各部の状態の推移の一例を示すグラフである。
 グラフの横軸は時間である。グラフは、ビークルVが加速する場合における各部の状態を示している。詳細には、グラフは、エンジン14が回転し且つビークルVが停止した状態から、ビークルVが発進する場合の状態の例を示している。
[0115]
 ビークルVは、時刻t1より前の期間、停止している。
 時刻t1で、要求指示部Aから電流の増大の要求が受け付けられる。要求指示部Aが電流の増大の要求を出力する。例えば、要求指示部Aが操作されることによって、要求指示部Aからの電流の増大の要求が受け付けられる。
[0116]
 電流の増大の要求が受付けられると、制御装置15のインダクタンス制御部153は、インダクタンス調整部131に発電機10を、小インダクタンス状態にさせる。インダクタンス調整部131は、発電機10を、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が相対的に大きく巻線121のインダクタンスLが小さい状態にする。
 なお、時刻t1より前の期間に発電機10の状態が小インダクタンス状態であった場合、制御装置15は、時刻t1の後、発電機10の小インダクタンス状態が維持されるよう制御する。
[0117]
 制御装置15は、発電機10を小インダクタンス状態にさせるとともに、エンジン出力調整部にエンジン14の回転パワーを増大させる。時刻t1の後、回転パワーの増大に伴いエンジン14の出力トルクTeが増大する。エンジンの出力トルクTeは時間の経過に伴い徐々に増大する。
[0118]
 制御装置15は、発電機10を小インダクタンス状態にさせるとともに、電流調整装置CCに、発電機10の出力電流を調整させる。
 発電機10の出力電流は、図8のグラフに示す発電機10の負荷トルクTgと同様に変化する。発電機の負荷トルクTgの変化は、発電機10の出力電流の変化を表している。
 制御装置15は、電流調整装置CCに、エンジン14の回転速度Veを増大させ且つ発電機10の出力電流を増大させるように、発電機10の出力電流を調整させる。エンジン14の回転速度Veは、発電機10の負荷トルクTgがエンジン14の出力トルクTeよりも小さい場合に増大する。従って、制御装置15は、発電機10の負荷トルクTgがエンジン14の出力トルクTeよりも小さくなるように、発電機10の出力電流を調整させる。ただし、制御装置15は、発電機10の出力電流を時間の経過とともに増大させる。
 この結果、時刻t1で電流の増大の要求が受付けられた後、エンジンの回転速度Veが増大しつつ、発電機10の出力電流が増大する。発電機10の出力電流は、図8のグラフにおいて、発電機10の負荷トルクTgの波形として表される。
[0119]
 制御装置15は、エンジン14の回転速度Veの変化、及び、発電機10の出力電流(負荷トルクTgの波形を参照)の変化に基づいて、発電機10の出力電流の制御目標を設定する。制御装置15は、発電機10の出力電流が設定した制御目標となるように、電流調整装置CCを制御する。図8に示す発電機の負荷トルクTgの破線は、発電機10の出力電流が制御目標に沿って増大する理想的な場合の負荷トルクの変化を示す。
 発電機10の出力電流が制御によって変化するとき、実際の出力電流は、回路の過渡特性に起因して、目標からずれる。出力電流は、オーバーシュートを有する。例えば、出力電流は、振動するようにずれる。従って、実際の発電機10の負荷トルクTgは、図8の破線に示す理想的な負荷トルク対し、上下に振動するようにずれる。
 例えば、出力電流が制御目標からずれることよって、発電機10の負荷トルクTgが、エンジン14の出力トルクTeに近い場合、又は、エンジン14の出力トルクTeを超える場合、エンジン14の回転速度Veの増大が抑えられる。このため、エンジン14の回転速度Veの増大にかかる時間が長くなる。この結果、発電機10の出力電流の増大にかかる時間が長くなる。従って、ビークルの加速性が低下する。また、エンジン14の回転が不安定になる。
[0120]
 そこで、例えば、発電機10の負荷トルクTgに対するエンジン14の出力トルクTeの余裕が大きくなるように、発電機10の出力電流の制御目標を低くすることが考えられる。この場合、発電機10の出力電流が低く抑えられる。この結果、発電機10の出力電流の増大にかかる時間が長くなる。従って、ビークルの加速性が損なわれる。
[0121]
 本実施形態では、電流の増大の要求が受付けられると、発電機10が小インダクタンス状態となる。このため、電流の制御に対する電流の応答が速くなる。このため、過渡特性に起因する出力電流のずれが抑えられる。発電機10の負荷トルクTgは、破線に示す目標に沿って増大しやすい。エンジン14の回転が安定化する。また、発電機10の負荷トルクTgが、エンジン14の出力トルクTeに近い事態、及び、エンジン14の出力トルクTeを超える事態が抑えられる。従って、発電機10の出力電流の増大にかかる時間が短くなる。この結果、加速性が向上する。
[0122]
 また、本実施形態では、図3を参照して説明したように、発電機からモータへ流れる電流が、スイッチング素子Saのオン/オフ動作によって調整される。
[0123]
 巻線121に流れる電流は、スイッチング素子Saのオン/オフ動作に対しても過渡特性を有する。即ち巻線121に流れる電流は、スイッチング素子Saのオン/オフ動作に対して遅れを有する。例えば、スイッチング素子Saを流れる電流は、スイッチング素子Saがオンとなった後、徐々に増大する。また、スイッチング素子Saを流れる電流は、スイッチング素子Saがオフとなった後、徐々に減少する。スイッチング素子Saに遅れて流れる電流の成分によって損失が生じる。この結果、電力効率が低下する。遅れに起因する損失は、特にスイッチング素子SaがPWM制御される場合に、PWM制御されない場合よりも大きい。オン/オフ動作の周波数を下げると、遅れに起因する損失は減少する。しかし、周波数を下げると、可聴ノイズが増大してしまう。
[0124]
 本実施形態では、電流の増大の要求を受付けられた場合、発電機10が、インダクタンスの小さい状態に調整される。インダクタンスが小さいことによって、巻線121のインダクタンスに起因する過渡特性が向上する。従って、スイッチング素子Saに遅れて流れる電流の成分による損失が抑えられる。このため、電流の増大の要求を受付けた場合、高い効率で、発電機10からモータへ電流を供給することができる。
[0125]
 時刻t2において、エンジン14の回転速度Veは、電流の増大の要求を受付けた時刻(t1)の回転速度Veよりも高い。このとき、制御装置15は、インダクタンス調整部131に、発電機10を、大インダクタンス状態にさせる。即ち、インダクタンス調整部131は、発電機10を、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗が相対的に小さく巻線121のインダクタンスが大きい状態にする。
 時刻t2では、エンジン14の回転速度Veが、電流の増大の要求を受付けた時の回転速度Veよりも高い。このため、エンジン14の出力トルクTeが、電流の増大の要求を受付けた時の出力トルクTeよりも大きい。従って、大きなインダクタンスLeにより発電機の負荷トルクが変動する場合でも、エンジン14の回転速度の変動が抑えられる。従って、エンジン14の回転を安定化しつつ、高い回転速度によって発電機10からモータ18に供給される電流を増大することができる。
[0126]
 時刻t2で、制御装置15は、インダクタンスを増大させる速度の大きさを、時刻t1でインダクタンスを減少させる速度の大きさよりも小さくする。制御装置15は、巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を減少させる速度の大きさを、時刻t1で磁気抵抗を増大させる速度の大きさよりも小さくする。制御装置15は、時間の経過と共に巻線121から見た、ステータコア122を通る磁気回路F2の磁気抵抗を徐々に減少させる。これによって、制御装置15は、インダクタンスを徐々に増大させる。
 磁気抵抗F2が減少するとき、巻線121の誘導起電圧が増大しやすい。従って、発電機10から出力される電流が増大しやすい。発電機10の負荷トルクが増大しやすい。回転速度Veが、電流の増大の要求を受付けた時刻(t1)の回転速度Veよりも高い場合に、磁気抵抗が徐々に減少することによって、誘導起電圧の急激な増大が抑えられる。また、エンジン14の回転が不安定になることが抑えられる。
[0127]
 時刻t3において、電流の減少の要求が受付けられると、制御装置15が、エンジン14の回転パワーの増大を抑える。従って、エンジン14の出力トルクTeの増大が抑えられる。また、エンジンの回転速度Veが維持されるよう、発電機10の出力電流が制御される。即ち、発電機10の負荷トルクTgがエンジン14の出力トルクTeと釣合うよう、発電機10の出力電流が制御される。
 また、電流の要求が所定のレベルより小さくなると、制御装置15が、エンジン14の回転パワーを減少させる(t4)。従って、エンジン14の出力トルクTeが低下する。この結果、エンジン14の回転速度Veが低下する。
[0128]
 図8のグラフは、ビークルVが停止した状態から、ビークルVが発進する場合の各部の状態の例を示している。しかし、上述した動作は、ビークルVが走行中に加速する場合にも適用される。つまり、走行中に、制御装置15によって電流を増大する要求が受け付けられた場合、制御装置15は、インダクタンスを減少させる。
[0129]
 [第二実施形態]
 続いて、本発明の第二実施形態について説明する。以下の第二実施形態の説明にあたっては、上述した第一実施形態との相違点を主に説明する。
 図9(A)及び図9(B)は、第二実施形態の発電機20におけるインダクタンス調整部の調整を説明するための模式図である。図9(A)は、巻線121のインダクタンスが、設定可能な値の範囲内で最も大きい値に設定されている時の状態を示している。図9(B)は、図9(A)よりも巻線121のインダクタンスが小さい値に設定されている時の状態を示している。
[0130]
 図9(A)における、巻線221、ステータコア222、及びロータ21の位置関係は、図4(A)を参照して説明した第一実施形態の位置関係と同じである。
 磁気回路F21は、磁極部211によって生じる磁束が通る磁気回路である。磁気回路F22は、巻線221から見た磁気回路である。巻線221から見た磁気回路F22は、巻線221の内部を通り、且つ、磁気回路F22の全体の磁気抵抗が最小となる経路で構成される。磁気回路F22は、ステータコア222を通る。磁気回路F22は、隣り合う2つの歯部222bを通る。
 ステータコア222を通る磁気回路F22は、エアギャップF22aを含む。エアギャップF22aは、巻線221とロータ21との間にある。磁気回路F22を構成するエアギャップF22aは、巻線221とロータ21との間で、且つ、隣り合う2つの歯部222bの間にある。エアギャップF22aは、非磁性体ギャップである。磁気回路F2を構成するエアギャップF22aは、隣り合う2つの歯部222bのそれぞれの、ロータ21に対向する部分同士を繋ぐように設けられている。
 巻線121から見た磁気回路F2は、ロータ11のバックヨーク部112を通らず、隣り合う2つの歯部122bの間のエアギャップF22aで構成される。
[0131]
 図9(A)に示す状態で、磁気回路F22を構成するエアギャップF22aの磁気抵抗は、磁気回路F22を構成する要素の磁気抵抗の中で最も大きい。エアギャップF22aは、磁気回路F22のうち、エアギャップF22aの残りの部分F22bよりも大きい磁気抵抗を有する。
[0132]
図9(A)に示す発電機20において、インダクタンス調整部231は、要求される電流要求に応じて、巻線221を移動させる。これによって、インダクタンス調整部231は、巻線221から見た、ステータコア222を通る磁気回路F22の磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部231は、巻線221のインダクタンスを変え、モータ18(図1参照)に供給する電流を調整する。
 インダクタンス調整部231は、ステータ22のステータコア222を移動させず、巻線221を移動させる。
 より詳細には、ステータコア222は、図示しない筐体に固定されている。ロータ21は、筐体に回転可能に支持されている。ロータ21は、軸方向Xについて固定されている。巻線221は、筐体に対し軸方向Xに移動自在なように筐体に支持されている。
 インダクタンス調整部231は、歯部222bが筒状の巻線221の中に出入りする方向に移動するよう、巻線221を移動させる。本実施形態では、インダクタンス調整部231は、巻線221を軸方向Xに移動させる。インダクタンス調整部231は、例えば、巻線221を矢印X2の向きに移動させる。制御装置15は、電流要求に応じてインダクタンス調整部231を動作させる。
[0133]
 図9(B)には、図9(A)の状態よりも小さいインダクタンスを有する状態が示されている。図9(B)に示す状態は、巻線221が矢印X2の向きに移動した状態である。
 本実施形態において、インダクタンス調整部231は、巻線221のみを移動させる。複数の歯部222bに巻かれた複数の巻線221はすべて一体となって移動する。これによって、インダクタンス調整部231は、巻線221に対するステータコア222の相対位置を移動させる。これによって、インダクタンス調整部231は、巻線221から見た、ステータコア222を通る磁気回路F22の磁気抵抗を変える。
 例えば、巻線221が矢印X2の向き、すなわちロータ21に向かって移動すると、ステータコア222の歯部222bが、巻線221から抜ける。歯部222bが巻線221から抜けると、巻線221の中に存在するステータコア222の量が減少する。この結果、巻線221から見た磁気回路F22を構成するエアギャップF22aの長さが長くなる。従って、巻線221とロータ21との間にあるエアギャップF22aの磁気抵抗が、増大する。つまり、磁気抵抗が最も大きいエアギャップF22aの磁気抵抗が増大する。この結果、巻線221から見た磁気回路F2の磁気抵抗が増大する。これによって、巻線221のインダクタンスが減少する。
 インダクタンス調整部231は、磁気抵抗が最も大きいエアギャップF22aの磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部231は、隣り合う歯部222bを通る磁気回路F2の磁気抵抗を変える。従って、例えばエアギャップF22a以外の部分F22bの磁気抵抗を変える場合と比べて、巻線221のインダクタンスが大きく変化しやすい。
 このようにして、インダクタンス調整部231は、巻線221から見た磁気回路F22の磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部231は、巻線221のインダクタンスを変える。
 例えば、インダクタンス調整部231が、電流増大の要求に応じて、巻線221から見た、ステータコア222を通る磁気回路F22の磁気抵抗を増大させる。これによって、インダクタンス調整部231が、巻線221のインダクタンスを減少させる。
 インダクタンス調整部231は、巻線221とロータ21との間にあるエアギャップF22aの磁気抵抗を変えることによって巻線221のインダクタンスを変える。この結果、交番磁界についての損失が減少する。従って、電気負荷装置としてのモータ18に供給する電流の調整量を増大することができる。
[0134]
 [第三実施形態]
 続いて、本発明の第三実施形態について説明する。以下の第三実施形態の説明にあたっては、上述した第一実施形態との相違点を主に説明する。
 図10は、第三実施形態の駆動システムにおける発電機30を示す模式図である。
 図10に示す発電機30におけるステータコア322は、複数の第一ステータコア部323と、第二ステータコア部324とを備えている。
 複数の第一ステータコア部323のそれぞれは、ロータ31にエアギャップを介して対面する対面部323aを有する。複数の第一ステータコア部323は、間隔を空けて円環状に配置されている。すなわち、複数の第一ステータコア部323は、周方向Zに一列に並んで配置されている。複数の第一ステータコア部323は、ステータ32において主たる歯部として機能する。そこで、第一ステータコア部323は、本明細書において、第一歯部323とも称される。第一ステータコア部323の対面部323aの周方向Zでの長さは、第一ステータコア部323の、対面部323a以外の部分の周方向Zでの長さよりも長い。巻線321は、第一ステータコア部323に巻かれている。
[0135]
 第二ステータコア部324は、第一ステータコア部323を挟んで、ロータ31とは反対の位置に配置されている。第一ステータコア部323は、第二ステータコア部324とロータ31との間に配置されている。第二ステータコア部324は、ロータ31と対面する対面部323aを有さない。第二ステータコア部324は、円環状のステータヨーク部324a、及び複数の第二歯部324bを有する。第二歯部324bは、ステータヨーク部324aよりも第一ステータコア部323の方に向かって突出している。第二歯部324bの数は、第一ステータコア部323の数と同じである。ステータヨーク部324aと第二歯部324bは、第二歯部324bを通る磁束のほぼすべてがステータヨーク部324aを通るように構成されていればよい。即ち、第二歯部324bは、ステータヨーク部324aと一体成形されていてもよい。第二歯部324bは、ステータヨーク部324aと別体に形成されてステータヨーク部324aに取り付けられてもよい。第二歯部324bは、周方向Zに一列に並んで配置されている。複数の第二歯部324bは、互いに間隔を空けて円環状に配置されている。複数の第二歯部324bの間隔は、複数の第一ステータコア部323の間隔と等しい。
[0136]
 本実施形態の発電機30におけるインダクタンス調整部331は、巻線321に対するステータコア322の一部の相対位置を移動させる。インダクタンス調整部331は、複数の第一ステータコア部323及び第二ステータコア部324の一方を他方に対して移動させる。これによって、インダクタンス調整部331は、巻線321から見た磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部331は、インダクタンスを調整する。
 インダクタンス調整部331は、制御装置15に制御される。より詳細には、第一ステータコア部323は、図示しない筐体に対して固定されている。第二ステータコア部324は、周方向Zで回転可能に支持されている。インダクタンス調整部331は、第二ステータコア部324を、ロータ31の回転軸線を中心とした周方向Zに回転させる。これによって、インダクタンス調整部331は、第二ステータコア部324を第一状態(図11(A)参照)から第二状態(図11(B)参照)まで移動させる。
[0137]
 図11(A)は、図10に示すステータ32の第一状態を示す模式図である。図11(B)は、図10に示すステータ32の第二状態を示す模式図である。
 図11(A)に示す第一状態は、大インダクタンス状態である。
 図11(A)は、巻線321のインダクタンスが、設定可能な値の範囲内で最も大きい値に設定されている時の状態を示している。図11(B)は、図11(A)よりも巻線321のインダクタンスが小さい値に設定されている時の状態を示している。
 図11(A)に示す第一状態では、周方向Zにおいて、複数の第二歯部324bのそれぞれが、複数の第一ステータコア部323のそれぞれと向かい合う。第一状態では、複数の第一ステータコア部323のそれぞれと第二ステータコア部324との間のエアギャップ長L32が、複数の第一ステータコア部323のうち隣り合う第一ステータコア部の間のエアギャップ長L33よりも短い。エアギャップ長L33は、詳細には、ロータ31とステータ32とが対向する方向において、第一ステータコア部323のそれぞれの、巻線321とロータ31の間に設けられた部分同士におけるエアギャップ長である。
 図11(B)に示す第二状態は、小インダクタンス状態である。
 図11(B)に示す第二状態では、周方向Zにおいて、複数の第二歯部324bのそれぞれが、互いに隣り合う第一ステータコア部323の間に位置する。第二状態では、複数の第一ステータコア部323のそれぞれと第二ステータコア部324との間のエアギャップ長L34が、複数の第一ステータコア部323のうち隣り合う第一ステータコア部323の間のエアギャップ長L33よりも長い。
[0138]
 第三実施形態の発電機30におけるインダクタンス調整部331の調整を説明する。
 図11(A)及び図11(B)には、磁極部311によって生じる磁束が通る磁気回路F31、及び巻線321から見た磁気回路F32が示されている。巻線321から見た磁気回路F32は、巻線321の内部を通り、且つ、磁気回路F32の全体の磁気抵抗が最小となる経路で構成される。磁気回路F32は、ステータコア322を通る。磁気回路F32は、隣り合う第一ステータコア部323(第一歯部323)を通る。
 磁気回路F32は、3つのエアギャップを含む。磁気回路F32のうち、隣り合う2つの第一ステータコア部323(第一歯部323)の間のエアギャップによって構成された部分を、エアギャップF32aと称する。磁気回路F32のうち、隣り合う2つの第一ステータコア部323(第一歯部323)のそれぞれと、第二ステータコア部324との間のエアギャップによって構成された部分を、エアギャップF32cと称する。隣り合う2つの第一ステータコア部323(第一歯部323)の間のエアギャップF32aは、巻線321とロータ31との間にある。磁気回路F22を構成するエアギャップF32aは、巻線321とロータ31との間で、且つ、隣り合う2つの第一ステータコア部323(第一歯部323)の間にある。エアギャップF32aは、隣り合う2つの第一ステータコア部323(第一歯部323)のそれぞれの、互いに対向する端面どうしを繋ぐように設けられている。
[0139]
 図11(A)に示す第一状態では、複数の第一ステータコア部323(第一歯部323)のそれぞれと第二ステータコア部324との間のエアギャップ長L32が、複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部323(第一歯部323)の間のエアギャップ長L33よりも短い。エアギャップ長L33は、磁気回路F32において最も長いエアギャップである。従って、第一状態で、巻線321から見た磁気回路F32のうち、隣り合う第一ステータコア部323の間のエアギャップF32aの磁気抵抗は、磁気回路F32を構成する要素の磁気抵抗の中で最も大きい。エアギャップF32aは、磁気回路F32のうち、エアギャップF32aの残りの部分F32b,F32c,F32dのいずれの磁気抵抗よりも大きい磁気抵抗を有する。エアギャップF32aの磁気抵抗は、第一ステータコア部323と第二ステータコア部324との間のエアギャップF32cの磁気抵抗よりも大きい。
 巻線321の電流による磁束F3は、図11(A)に示すように、隣り合う第一ステータコア部323と、第二ステータコア部324とを通じて流れる。巻線321から見た、ステータコア322を通る磁気回路F32の磁気抵抗は、隣り合う第一ステータコア部323の間のエアギャップ長L33に依存する。
 また、磁極部311によって生じる磁束F31は、隣り合う2つの第一ステータコア部323を通る。詳細には、磁束F31は、1つの磁極部311から、磁極部311と第一ステータコア部323の間のギャップ、第一ステータコア部323、第二ステータコア部324、隣の第一ステータコア部323、磁極部311と第一ステータコア部323の間のギャップ、隣りの磁極部311、そしてバックヨーク部312を通って流れる。つまり、図11(A)に示す第一状態では、磁極部311の磁気回路F31は、隣り合う2つの第一ステータコア部323と、第二ステータコア部324を通る。
[0140]
 図11(B)に示す第二状態では、複数の第一ステータコア部323のそれぞれと第二ステータコア部324との間のエアギャップ長L34が、複数の第一ステータコア部323のうち隣り合う第一ステータコア部323の間のエアギャップ長L33よりも長い。このため、巻線321から見た、ステータコア322を通る磁気回路F32の磁気抵抗は、第一ステータコア部323と第二ステータコア部324との間のエアギャップ長L34の影響を強く受ける。この結果、第二状態における巻線321から見た、ステータコア322を通る磁気回路F32の磁気抵抗は、第一状態における磁気抵抗よりも大きい。
 また、磁極部311によって生じる磁束F31は、1つの磁極部311から、磁極部311と第一ステータコア部323の間のギャップを通り、第一ステータコア部323を通る。磁束F31は、第一ステータコア部323から、直接隣の第一ステータコア部323を通る。磁極部311によって生じる磁束F31は、隣り合う2つの第一ステータコア部323の間のギャップを通る。このように、第二状態では、磁極部311によって生じる磁束F31の経路が切り替わる。また、第二状態で磁束F31の経路が切り替わらない場合でも、少なくとも磁極部311によって生じる磁束F31のうち、隣り合う2つの第一ステータコア部323の間のギャップを通る磁束が増大する。隣り合う2つの第一ステータコア部323の間のギャップを通る磁束F31が増大すると、エアギャップF32aの磁気抵抗が実質的に増大する。これは、隣り合う2つの第一ステータコア部323の間のエアギャップ長L33が増大したことと磁気的に等価である。このため、エアギャップF32aを含む磁気回路F32の磁気抵抗が、さらに大きい。巻線321のインダクタンスの変化率が、磁極部311で生じ巻線321と鎖交する磁束の変化率よりも大きい。
[0141]
 先に説明したように、巻線321のインダクタンスは、巻線321から見た磁気抵抗に反比例する傾向を有する。従って、第二状態における巻線321のインダクタンスは、第一状態における巻線321のインダクタンスよりも小さい。
 インダクタンス調整部331は、第一状態(図11(A)参照)から第二状態(図11(B)参照)まで、複数の第一ステータコア部323及び第二ステータコア部324の一方を他方に対して移動させる。これによって、インダクタンス調整部331は、巻線321から見た磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部331は、巻線321のインダクタンスを変える。
 インダクタンス調整部331は、エアギャップF32aの磁気抵抗を変える。インダクタンス調整部331は、隣り合う歯部としての第一ステータコア部323の間のエアギャップ長L33を変えることなくエアギャップF32aの磁気抵抗を変える。これによって、インダクタンス調整部331は、隣り合う歯部としての第一ステータコア部323を通る磁気回路F32の磁気抵抗を変える。エアギャップF32aは、第一状態において、磁気回路F32を構成する要素の中で磁気抵抗が最も大きい。従って、例えばエアギャップF32a以外の部分の磁気抵抗を変える場合と比べて、巻線321のインダクタンスが大きく変化しやすい。
 インダクタンス調整部331は、巻線321とロータ31との間にあるエアギャップF32aの磁気抵抗を変えることによって巻線321のインダクタンスを変える。この結果、交番磁界についての損失が減少する。従って、電気負荷装置としてのモータ18に供給する電流の調整量を増大することができる。
[0142]
 再び図10を参照して発電機30の供給電圧調整部344について説明する。
 発電機30は、インダクタンス調整部331とは別に、供給電圧調整部344を備えている。供給電圧調整部344は、制御装置15に制御されている。
 供給電圧調整部344は、ロータ31の磁極部311から出て巻線321と鎖交する鎖交磁束を変える。これによって、供給電圧調整部344は、巻線321の誘導起電圧Eを変える。これによって、供給電圧調整部344は、モータ18に供給する電圧を調整する。より詳細には、供給電圧調整部344は、ロータ31を軸方向Xに移動させる。これによって、供給電圧調整部344は、ロータ31と、ステータ32との間のエアギャップ長L311を変える。このようなロータ31の軸方向Xへの移動は、例えばロータ31を回転可能に支持する軸受部313を、軸方向Xに移動させる供給電圧調整部344によって実現されることができる。ロータ31とステータ32との間のエアギャップ長L31が変わることによって、ロータ31と、ステータ32との間の磁気抵抗が変わる。これによって、磁極部311で生じて巻線321と鎖交する磁束の量が変わる。従って、発電機30が発生する電圧が変わる。
[0143]
 なお、上述した第三実施形態では、発電機30が、インダクタンス調整部331及び供給電圧調整部344の双方を備えることを説明した。ただし、本発明の駆動システムは、供給電圧調整部を備えていなくともよい。
[0144]
 また、上述した第三実施形態では、第一ステータコア部として、ロータに対向する端部に、周方向Zすなわち第一ステータコア部が並ぶ方向に突出した突出部を有する第一ステータコア部323の例を説明した。ただし、本発明における第一ステータコア部は、突出部を有していなくてもよい。
[0145]
 また、コンバータは、ダイオードで構成されたブリッジ回路で構成されてもよい。すなわち、コンバータは、レクチファイアで構成されてもよい。この場合、コンバータは、出力電流を制御可能なレギュレータ回路を有してもよい。レギュレータ回路は、レクチファイアで整流された電流を、制御装置の制御に応じて調整する。つまり、コンバータは、レクチファイアレギュレータであってもよい。
 また、コンバータは、レギュレータ回路無しでレクチファイアを有してもよい。この場合、コンバータは、電流の制御を行わず、整流のみ行う。
[0146]
 本発明におけるエンジン出力調整部は、スロットルバルブ調整機構、及び燃料噴射装置の双方によって回転パワーを調整しなくともよい。例えば、エンジン出力調整部は、スロットルバルブ調整機構又は燃料噴射装置の一方によって回転パワーを調整してもよい。本発明におけるエンジン出力調整部は、例えば気体燃料の流量を調整するバルブ装置であってもよい。本発明におけるエンジンは、液体燃料を利用するものであってもよく、また、気体燃料を利用するものであってもよい。
[0147]
 上述した実施形態では、4つの車輪を有するビークルVの例を説明した。ただし、本発明はこれに限られず、3つ以下の車輪を有するビークル、5つ以上の車輪を有するビークル、及び車輪を有さないビークルに適用することができる。
 本発明は、例えば、車輪を備えたビークルに適用することができる。本発明における変速装置は、例えば、自動二輪車、自動三輪車、バス、トラック、ゴルフカー、カート、ATV(All-Terrain Vehicle)、ROV(Recreational Off-highway Vehicle)、及び軌道式車両に適用することができる。
 また、回転駆動部は、車輪に限られない。回転駆動部は、例えば、プロペラ、インペラ、キャタピラ、又はトラックベルトであってもよい。
 また、本発明は、例えば、フォークリフトに代表される産業車両、除雪機、農業用車両、軍用車両、スノーモービル、建機、小型滑走艇(ウォータービークル)、船舶、船外機、船内機、飛行機、及びヘリコプタに適用することができる。
[0148]
 上述した実施形態では、アキシャルギャップ型構造を有するロータ及びステータの例を説明した。ただし、本発明は、ロータとステータとが、エアギャップを介して径方向で対向するラジアルギャップ構造にも適用できる。本実施形態のアキシャルギャップ型構造における軸方向X(図4)は、本発明におけるロータとステータとが対向する方向の一例である。ラジアルギャップ構造においては、ロータとステータとが径方向に対向する。
[0149]
 また、上述した実施形態では、SPM発電機によって構成されている発電機の例を説明した。本発明の発電機は、IPM(Interior Permanent Magnet)発電機によって構成されてもよい。
 また、上述した実施形態におけるエアギャップは、非磁性体ギャップの一例である。非磁性体ギャップは、1種又は複数種の非磁性体からなるギャップである。非磁性体は、特に限定されない。非磁性体としては、例えば、空気、アルミニウム、樹脂が挙げられる。非磁性体ギャップは、少なくともエアギャップを含むことが好ましい。
[0150]
 上述した実施形態では、ロータ11がエンジン14に接続される構成の詳細として、ロータ11は、エンジン14の出力軸Cと直接接続されている例を説明した。ただし、エンジン14の出力軸Cと発電機10のロータ11とは、例えばベルト、歯車、又はドライブシャフトに代表される伝達装置を介して接続されていてもよい。
[0151]
 また、上述した実施形態では、要求指示部Aとしてアクセル操作子の例を説明した。ただし、本発明における電流要求は、アクセル操作子の出力に限られない。要求指示部、及び要求指示部から出力される電流要求として、例えば次のものが挙げられる。
・ビークルの自動速度制御装置(クルーズコントロール)から出力される加速要求の信号
・運転者が操作する、アクセル操作子とは別のスイッチ、ボリュームの出力
[0152]
 上述した実施形態では、モータの例として、三相ブラシレスモータを説明した。本発明のモータは、インダクタンス調整部の構造を含め本実施形態で説明した発電機と同様の構造を有したモータであってもよい。例えば、モータは、発電機30と同様に複数の第一ステータコア部及び第二ステータコア部を備え、第一ステータコア部及び第二ステータコア部の一方を他方に対して移動させる構造を有していてもよい。
[0153]
 本発明のビークルは、発電機で発電された電力を蓄えるバッテリを備えていてもよい。発電機は、エンジンのスタータとして、バッテリに蓄えられた電力によって動作してもよい。
 更に、ビークルのモータは、例えば、バッテリに蓄えられた電力によって動作してもよい。更に、モータは、例えば、発電機とバッテリの双方から同時に電力の供給を受けて動作してもよい。ただし、モータを駆動する電力を供給するバッテリなしで、モータが発電機から電力の供給を受ける構成は好ましい。この場合、バッテリ電圧の制約に起因する、エンジンの回転の制約又はバッテリ保護の制御が不要である。
[0154]
 上述した実施形態では、制御装置の例として、マイクロコントローラで構成された制御装置15を説明した。ただし、本発明はこれに限られない。制御装置は、例えば、ワイヤードロジックで構成することも可能である。
 また、電流要求受付部、エンジン制御部、インダクタンス制御部、及び電流制御部のすべて又は一部は、互いに別のデバイスとして提供されてもよい。
[0155]
 巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗の変更により、巻線のインダクタンスの変更が行われる。巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗の変更は、複数段階的に行われてもよく、無段階的に行われてもよく、連続的に行われてもよい。言い換えると、発電機の出力電流特性は、複数段階的に変更されてもよく、無段階的に変更されてもよく、連続的に変更されてもよい。本発明において、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗の変更は、2段階で行われてもよい。
[0156]
 前記制御装置は、前記制御装置への入力に応じて前記制御装置からの出力を決定するように構成されている。前記中央処理装置が上述した動作を行うように前記プログラムを実行することにより、前記制御装置は、エンジン出力調整部及びインダクタンス調整部の両方に対する制御を行うことができる。なお、前記プログラムは、前記制御装置への入力に応じて前記制御装置からの出力を決定するためのマップを含んでいてもよい。前記マップでは、前記制御装置への入力に関するデータと、前記制御装置からの出力に関するデータとが対応付けられている。この場合、前記プログラムは、前記コンピュータが前記制御装置への入力に応じて前記制御装置からの出力を決定する時に前記マップを参照するように前記コンピュータを動作させるように構成されている。
[0157]
 制御装置は、電流の増大の要求を受付けた場合、常に、発電機を、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きくインダクタンスが小さい状態に調整させなくともよい。例えば、緩加速の時のように、電流の増大が緩やかな場合は、巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に小さい状態に維持されてもよい。
[0158]
 上述した各実施形態において、小インダクタンス状態は、インダクタンス制御部により、巻線のインダクタンスが、インダクタンス制御部153の制御によって取り得るインダクタンスの最大値と最小値との間の境界値(例えば、中間値)より小さい値に調整されている状態である。大インダクタンス状態は、インダクタンス制御部により、巻線のインダクタンスが前記境界値より大きい値に調整されている状態である。小インダクタンス状態における巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗は、大インダクタンス状態における巻線から見た、ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗より大きい。
 但し、本発明において、小インダクタンス状態と大インダクタンス状態とは、この例に限定されない。
 例えば、小インダクタンス状態は、インダクタンス制御部により、巻線のインダクタンスが、電流の増大の要求が受け付けられた時点の巻線のインダクタンスよりも小さい値に調整された状態であってもよい。大インダクタンス状態は、インダクタンス制御部により、巻線のインダクタンスが、電流の増大の要求が受け付けられた時点の巻線のインダクタンスよりも大きい値に調整された状態であってもよい。言い換えれば、前記境界値は、電流の増大の要求が受け付けられた時点の巻線のインダクタンスの値であってもよい。
[0159]
 上述した各実施形態では、制御装置の制御により、インダクタンス調整部は、電流の増大の要求を受付けた時に、発電機を小インダクタンス状態に調整し、その後、エンジンの回転速度が前記電流の増大の要求を受付けた時のエンジン回転速度よりも高い時に、発電機を大インダクタンス状態に調整する。
 なお、本発明において、インダクタンス調整部は、発電機を小インダクタンス状態に調整した後、エンジンの回転速度が前記電流の増大の要求を受付けた時のエンジンの回転速度よりも高い時に、発電機の巻線のインダクタンスを、前記小インダクタンス状態における巻線のインダクタンスの最小値から上昇させるように調整してもよい。この場合、発電機が大インダクタンス状態となるまで、巻線のインダクタンスが調整されてもよい。また、発電機が小インダクタンス状態である状況下で、巻線のインダクタンスが調整されてもよい。
[0160]
 上記実施形態に用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。本発明は、クレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきである。

符号の説明

[0161]
 V  ビークル
 Wc,Wd  駆動輪
 10,20,30  発電機
 11,21,31  ロータ
 12,22,32  ステータ
 14  エンジン
 15  制御装置
 CC  電流調整装置
 16  コンバータ
 17  インバータ
 18  モータ
 131,231,331  インダクタンス調整部
 141  エンジン出力調整部
 323  第一ステータコア部
 324  第二ステータコア部
 344  供給電圧調整部

請求の範囲

[請求項1]
 ビークルであって、
 ビークルは、
回転パワーを出力するエンジンであって、前記回転パワーを調整するエンジン出力調整部を有するエンジンと、
前記エンジンに接続され、前記エンジンから伝達される回転パワーに応じた電力を出力するように構成された発電機であって、永久磁石を有し前記エンジンから伝達される回転パワーにより回転するロータと、巻線及び前記巻線が巻かれたステータコアを有し前記ロータと対向して配置されたステータと、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるインダクタンス調整部とを有する発電機と、
前記発電機からバッテリを介すること無しに電流の供給を受けるモータと、
前記発電機と前記モータの間に設けられ、前記発電機から前記モータへ出力される電流を調整する電流調整装置と、
前記エンジンからの回転パワーを受けること無しに前記モータに駆動されることによって前記ビークルを駆動する駆動部材と、
前記モータに供給する電流に関する要求を受付けるとともに、受付けられた要求に応じて前記エンジン出力調整部、前記インダクタンス調整部、及び前記電流調整装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記インダクタンス調整部に、前記発電機を、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きく前記巻線のインダクタンスが小さい状態と、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に小さく前記巻線のインダクタンスが大きい状態との間で調整させ、
前記制御装置は、前記モータに供給する電流の増大の要求を受付けた場合、前記インダクタンス調整部に、前記発電機を、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に大きく前記インダクタンスが小さい状態に調整させるとともに、前記エンジン出力調整部に前記エンジンの回転パワーを、前記電流の増大の要求を受付けた時よりも増大させた状態に調整させつつ、前記電流調整装置に、前記エンジンの回転速度を増大させ且つ前記発電機の出力電流を増大させるように、前記発電機の出力電流を調整させる。
[請求項2]
 請求項1に記載のビークルであって、
 前記制御装置は、前記電流の増大の要求を受付けた後、前記エンジンの回転速度が、電流の増大の要求を受付けた時の前記エンジンの回転速度よりも高いとき、前記インダクタンス調整部に、前記発電機を、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗が相対的に小さく前記インダクタンスが大きい状態に調整させる。
[請求項3]
 請求項1又は2に記載のビークルであって、
 前記電流調整装置が、スイッチング素子を備え、スイッチング素子のオン/オフ動作によって、発電機からモータへ流れる電流を調整する。
[請求項4]
 請求項1から3いずれか1項に記載のビークルであって、
 前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路は、少なくとも1つの非磁性体ギャップを含み、
 前記インダクタンス調整部は、前記少なくとも1つの非磁性体ギャップのうち、前記巻線と前記ロータとの間にある非磁性体ギャップの磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えように構成されている。
[請求項5]
 請求項1から4いずれか1項に記載のビークルであって、
 前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路は、少なくとも1つの非磁性体ギャップを含み、
 前記インダクタンス調整部は、前記少なくとも1つの非磁性体ギャップのうち、前記巻線のインダクタンスが設定可能な値の範囲内で最も大きい値に設定されている時の磁気抵抗が最も大きい非磁性体ギャップの磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[請求項6]
 請求項1から5いずれか1項に記載のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって、前記巻線と鎖交する磁束の変化率が前記巻線のインダクタンスの変化率よりも小さくなるように前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[請求項7]
 請求項1から6いずれか1項に記載のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記制御装置による制御に応じて前記巻線に対する前記ステータコアの少なくとも一部の相対位置を移動させて、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[請求項8]
 請求項7に記載のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記制御装置による制御に応じて前記ロータに対する前記ステータコアの相対位置を維持するように前記巻線に対する前記ステータコアの相対位置を移動させて、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[請求項9]
 請求項1から7いずれか1項に記載のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、前記巻線を移動させて前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えることによって前記巻線のインダクタンスを変えるように構成されている。
[請求項10]
 請求項1から7いずれか1項に記載のビークルであって、
 前記ステータコアは、前記ロータに非磁性体ギャップを介して対面する対面部を有する複数の第一ステータコア部と、前記対面部を含まない第二ステータコア部とを備え、
 前記インダクタンス調整部が、前記複数の第一ステータコア部及び前記第二ステータコア部の一方を他方に対して移動させることによって、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えるように構成されている。
[請求項11]
 請求項10に記載のビークルであって、
 前記インダクタンス調整部が、
前記複数の第一ステータコア部のそれぞれと前記第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップ長が、前記複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップ長よりも短い第一状態から、
前記複数の第一ステータコア部のそれぞれと前記第二ステータコア部との間の非磁性体ギャップ長が、前記複数の第一ステータコア部のうち隣り合う第一ステータコア部の間の非磁性体ギャップ長よりも長い第二状態まで、
前記複数の第一ステータコア部及び前記第二ステータコア部の一方を他方に対して移動させることによって、前記巻線から見た、前記ステータコアを通る磁気回路の磁気抵抗を変えるように構成されている。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]