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1. WO2020161825 - DISPOSITIF ET PROCÉDÉ DE TRAITEMENT D'EAU

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明 細 書

発明の名称 水処理装置および水処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060  

符号の説明

0061  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 水処理装置および水処理方法

技術分野

[0001]
 本発明は、都市下水や有機性廃水、窒素含有廃水を生物処理によって浄化処理する生物学的水処理装置および水処理方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 都市下水や有機性廃水、窒素含有廃水を処理する一般的な方法として、活性汚泥法がある。活性汚泥法とは、浄化機能をもつ微生物群(活性汚泥)を生物反応槽にたくわえ、これと廃水とを混合・接触させつつ散気することにより、廃水中の汚濁物を酸化・分解する方法である。この汚濁物を十分に浄化するためには、適切な量の空気を生物反応槽に供給する必要がある。このような生物反応槽への空気供給を散気と呼ぶ。
 散気に要するエネルギーは、活性汚泥法を用いた水処理の多くを占める。従来の水処理システムにおいて、水処理に対するエネルギー効率を高めるため、好気槽のアンモニア態窒素濃度の変動に対するアンモニア分解能力の追従性を高めることにより、散気風量を総じて低減する方法が提案されている。具体的には、原水のアンモニア態窒素濃度を計測する第1のアンモニア計と、目標操作量を生成する曝気風量演算部と、目標操作量に基づいて散気風量を制御する曝気風量制御部とを備え、曝気風量演算部では、原水アンモニア態窒素濃度に基づいたフィードフォワード制御系と、好気槽アンモニア態窒素濃度に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック制御系により散気風量を演算する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2012-66231号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上述したような従来の水処理装置にあっては、水処理に対するエネルギー効率を高めるため、散気に要するエネルギーの更なる低減が求められていた。例えば従来の水処理装置にあっては、原水中のアンモニア態窒素濃度あるいは好気槽内のアンモニア態窒素濃度に基づいて演算した散気風量を好気槽全体に渡って同一に散気している。一般に水処理装置は構成が複雑であるため、装置設計を単純化するため散気は好気槽全体に渡って同一とする場合が多い。しかし、好気槽に流入した原水は好気槽内の流下方向に向かって経時的に処理されていくことから、好気槽の位置に応じて生物反応槽内で起こる生物反応の反応速度は異なり、それに伴い必要な散気風量も好気槽の位置に応じて異なる。よって、従来の水処理装置では好気槽内の位置に応じて適切な散気風量を供給することができず、散気風量を効率よく調節することによって散気に要するエネルギーの更なる低減が期待されていた。
[0005]
 本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたもので、散気に要するエネルギーの更なる低減が可能な生物学的水処理装置および水処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明に係る水処理装置は、流入口から流入した被処理水に空気を散気して生物反応処理を行い排出口から排出する生物反応槽内に、空気を散気する第1散気部および第2散気部と、第1散気部の散気量および第2散気部の散気量を制御する散気量算出部とを備え、第1散気部は生物反応槽内で流入口からの距離が第2散気部よりも短い位置に配置され、散気量算出部は、第1散気部と第2散気部の散気量を異なるように制御することを特徴とする。
[0007]
 本発明に係る水処理方法は、生物反応槽に流入する被処理水の流入負荷を計測するステップと、生物反応槽から流出する被処理水の流出汚濁物濃度を計測するステップと、生物反応槽内の被処理水の流下する方向に沿って複数個設置された散気部に対応して、流入負荷に基づき、各散気部の流入口側制御散気量を異なるように算出するステップと、さらに、流出汚濁物濃度に基づき、各散気部の流出口側制御散気量を異なるように算出するステップと、流入口側制御散気量および流出口側制御散気量を加算することにより、各散気部に対応した散気量を決定するステップと、各散気量に対応した空気が供給された各散気部が空気をそれぞれ散気するステップとを含む。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、散気に要するエネルギーの更なる低減が可能な生物学的水処理装置および水処理方法を提供することが可能となる。
[0009]
 また、本発明に係る水処理方法によれば、排出される流出水の汚濁物濃度を精緻に制御できる。また、過不足のない散気量で効率よく処理水質を制御でき、各散気部の反応槽内での位置に従って、適切な散気量を設定でき、効率のよい水質制御が行え、流入する被処理水の流入負荷が変動しても反応槽の各散気部から適切な量の空気供給を実現でき、排出される流出水の汚濁物濃度をより目標値に近づけることができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の実施の形態1に係る水処理装置の構成図である。
[図2] 本発明の実施の形態2に係る水処理装置の構成図である。
[図3] 本発明の実施の形態2に係る散気量算出部の構成図である。
[図4] 本発明の実施の形態3に係る水処理装置の構成図である。
[図5] 本発明の実施の形態3に係る散気量算出部の構成図である。

発明を実施するための形態

[0011]
実施の形態1.
 本発明の実施の形態1に係る水処理装置について、図1に基づいて説明する。図1は生物学的水処理装置の構成図である。
[0012]
 図1において、活性汚泥を蓄えた生物反応槽1で、配管103を介して流入する被処理水を生物反応によって浄化処理し、浄化処理後の流出水を配管106に排出する。配管106を介して生物反応槽1から排出された流出水に含まれる活性汚泥を沈殿槽2に沈殿させる。沈殿処理したあとの上澄水は配管108を介して排出される。また、沈殿処理によって分離した活性汚泥は、配管dを介して生物反応槽1へ返送されるが、余剰分は配管eを介して外部に排出される。
 生物反応槽1において、生物反応槽1の上流には散気を実施しない嫌気領域101が存在する。嫌気領域を通過したのち、散気部が設置され、散気部から散気された空気と活性汚泥が混合される好気領域102になる。実施の形態1に係る水処理装置においては、嫌気領域101と好気領域102間は仕切り板100が設けられている。仕切り板100を設けることで、散気部30からの空気が嫌気領域101に混入することを確実に防ぎ、嫌気領域101の嫌気度を良好に保つことが期待できる。本発明は当一例に限定されず、仕切り板100を省略してもよい。また、仕切り板100に替えて、異なる水槽、或いは回路構造によって分けられるように構成してもよい。
 実施の形態1に係る水処理装置では、生物反応槽1内の好気領域102において被処理水の流下方向に沿って、複数個の散気部30(第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33)が設置されている。第1散気部は、生物反応槽1内で流入口からの距離が第2散気部よりも短い位置に配置され、第3散気部は、生物反応槽1内で流入口からの距離が第2散気部よりも長い位置に配置されている。
 また、各散気部の散気量をそれぞれ個別に制御する散気量算出部70(第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73)、および散気量算出部70で算出された各散気量に対応した空気を散気部30にそれぞれ供給する空気供給部40(第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43)が設けられている。
[0013]
 生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷を測定する流入負荷測定部5は、配管103に取り付けられ、あるいは配管以外の水路に設置され、生物反応槽1に流入する前の被処理水の流入負荷を測定する。流入負荷測定部5には流量計、汚濁物濃度計(アンモニア態窒素濃度計、全窒素濃度計、BOD計、COD計など)の少なくとも1つ以上の計測機器を設ける。流量計と汚濁物濃度計をどちらも設ける場合は、生物反応槽1に流入する被処理水の流量と流入汚濁物濃度の積を流入負荷として算出しても良い。また、流量計が備わっていない処理場では、流量計の代替として流入渠の堰の開度などを使用しても良い。さらに、季節等の影響を考慮するために、流量計や汚濁物濃度計に加えて、水温計を設けていても良い。実施の形態1において、流入負荷は生物反応槽1に流入する被処理水の流量と流入汚濁物濃度の積で算出される。
 第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73は、信号線5aを介して入力する流入負荷に基づいて、各散気部に供給する散気量を算出し、算出した散気量をそれぞれ信号線71a、72a、73aを介して第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43に送信する。第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43は、送信された散気量に従って配管41a、42a、43aを介して生物反応槽1内の第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33に空気を供給する。生物反応槽1内において、配管103を介して流入する被処理水を活性汚泥および第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33から散気された空気と混合・撹拌し、水中の汚濁物質を生物学的に酸化分解することで浄化処理する。
[0014]
 次に、実施の形態1に係る水処理方法を説明する。
 生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷は流入負荷測定部5で測定され、信号線5aを介して第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73に伝えられる。第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73では、流入負荷に基づき、第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33から供給する散気量の設定値をそれぞれ算出する。
 各散気量算出部は、それぞれに接続されている散気部に予め定められた係数を記録しており、信号線5aを介して伝えられた流入負荷を基に下記の(a)と(b)の和を算出する。
 (a)流入負荷測定部5で測定された生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷に、散気部に予め定められた第1係数を乗じた量
 (b)散気部定数
 このようにして算出された散気量の設定値をそれぞれの散気量算出部に接続された散気部に伝えることにより、相当する散気量の空気が各散気部から生物反応槽に供給される。
[0015]
 ここで、第1係数は、生物反応槽1に流入する流入負荷の変動に対して素早く散気量を追従させるために最適な散気量を得ることができるよう、シミュレーションまたは実プラントデータの解析結果により求めた最適値であり、散気部の位置あるいは個数によってそれぞれ異なった最適値が設定される。
 例えば、流入負荷測定部5に流量計とアンモニア態窒素濃度計を設けている場合、散気量算出部71では、第1散気部31から供給される散気量の設定値G [Nm /hr]を式(1)により算出する。
[0016]
[数1]


[0017]
 ここで、S INは流入汚濁物濃度であり、生物反応槽へ流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度測定値[単位:mg/L]である。Q INは生物反応槽へ流入する被処理水の流量測定値[単位:m /hr]である。k 11は第1散気部31の第1係数であり、k 13は散気量算出部71の散気部定数である。
 同様に、散気量算出部72、73では、散気量の設定値G 、G [Nm /hr]を式(2)、式(3)によってそれぞれ第2散気部32、33の散気量を算出する。
[0018]
[数2]


[0019]
[数3]


[0020]
 ここで、k 21は第2散気部32の第1係数であり、k 23は第2散気部32の散気部定数である。k 31は第3散気部33の第1係数であり、k 33は第3散気部33の散気部定数である。 
 式(1)、式(2)、式(3)においては、各散気部に対応する第1係数は、前述したように、生物反応槽1に流入する流入負荷の変動に対して素早く散気量を追従させるために最適な空気供給量を得ることができるよう、シミュレーションまたは実プラントデータの解析結果により求めた最適値であるが、さらに、第1係数k11、k21、k31は、k11≧k21≧k31の関係が成立するように値を設定する。また、各散気部定数k13、k23、k33は、各散気部の散気量を微調整するために設定する定数であり、例えば各散気部における散気量の最小値が設定される。
 これにより、生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷変動に基づいて、生物反応槽1の流入口に近い散気部ほど散気される散気量が大きくなる。
 式(1)、式(2)、式(3)によって算出された散気量の設定値G 、G 、G はそれぞれ信号線71a、72a、73aを介して第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43に伝えられる。
 第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43では、それぞれ配管41a、42a、43aおよび第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33を介して、それぞれに設定された量の空気を生物反応槽1内に供給する。
[0021]
 なお、上記説明では散気部を3つとしたが、散気部は生物反応槽1内の好気領域102において被処理水の流下方向に沿って2つ以上が望ましく、複数個設置されている。複数個の散気部に対して、散気量算出部が式(4)より各散気部から供給する最適な散気量を算出できる。
[0022]
[数4]


[0023]
 ここで、G は各散気部における散気量の設定値であり、i=1,・・・,nは散気部の数を表し、生物反応槽内における被処理水の流下方向に沿った散気部の順番である。nは2以上の自然数である。S INは生物反応槽へ流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度測定値[単位:mg/L]、Q INは流量測定値[単位:m /hr]、k i1は散気部の第1係数、k i3は散気部の散気部定数をそれぞれ表す。
 なお、式(4)において、被処理水の流入負荷は、生物反応槽1に流入する被処理水の流量と流入汚濁物濃度の積で算出されているが、生物反応槽1に流入する被処理水の流量のみを計測する場合、(a)として生物反応槽1に流入する被処理水の流量に、散気部に予め定められた第1係数を乗じた量を設定することで、式(4)を用いて散気量の設定値を算出できる。同様に、生物反応槽1に流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度のみを計測する場合、(a)として生物反応槽1に流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度に、散気部に予め定められた第1係数を乗じた量を設定することで、式(4)を用いて散気量の設定値を算出できる。
[0024]
 また、図1では流入負荷測定部5を生物反応槽1の流入側の配管103に接続したが、流入負荷測定部5は、生物反応槽1内の取付位置104、取付位置105にも取り付けることができる。取付位置104は、生物反応槽1内の流入口側であり、嫌気領域に位置する。取付位置105は、生物反応槽1内の流入口側に最も近接した第1散気部31が配置された箇所、好気領域の入り口側に位置する。
 流入負荷測定部5の測定位置は制御の目的に応じて取り付け位置を、配管103、取付位置104、取付位置105のいずれかに変更することができる。流入負荷変動が大きい処理場の場合、流入負荷測定部5を配管103に接続することで、流入負荷の変動をいち早く検知することができる。これにより流入負荷変動に対する散気量の追従性を向上させ、流出水質を安定させることができる。一方、取付位置105は好気領域に流入する真の流入負荷が測定されることになるため、処理に必要な散気量を正確に演算でき、総散気量を最も少なくすることができる。
[0025]
 生物反応槽1には配管103を介して流入する被処理水だけでなく、配管dを介して沈殿槽2から活性汚泥が返送される。被処理水による流入負荷変動だけでなく返送された活性汚泥の影響も考慮したい場合には生物反応槽1の入り口付近である取付位置104に流入負荷測定部5を取りつける。これにより、生物反応槽1に流入する真の流入負荷が測定されることになるため、返送汚泥の影響を考慮しつつ、流入負荷の変動にも素早く対応できる。よって、過不足のない空気供給が可能となり、散気量は配管103で測定する場合より削減できる。
 なお、取付位置104に流入負荷測定部5を設置した場合、嫌気領域を通過する前の被処理水の流入負荷に基づいて各散気部の散気量が算出されることから、散気量制御にタイムラグが生じる。このようなタイムラグを解消し、散気量の更なる削減を目指す場合には、生物反応槽1内において活性汚泥が空気と混合し始める位置である好気領域の入り口の取付位置105に流入負荷測定部5を設置すればよい。
[0026]
 また、図1では嫌気領域と活性汚泥が空気と混合する好気領域が一つの生物反応槽に存在する場合について説明しているが、嫌気領域と好気領域が異なる水槽であり、それぞれ嫌気槽、好気槽の槽で区切られている場合でも同様の効果が得られる。この場合、好気槽において、被処理水の流下する方向に沿って複数の散気部を設置し、かつ、それぞれの散気部に対して空気を提供する空気供給部及び散気量算出部により、各散気部の散気量を個別に制御する。具体的には、被処理水の流入負荷に基づき、生物反応槽内において、流入口側に近いほど散気量を大きくし、流出口側に近いほど散気量を小さく供給するように設定する。
 図1では好気領域の前に嫌気領域のみが存在する場合について説明したが、りん・窒素の生物学的同時除去法である嫌気・無酸素・好気法(A2O法ともいう)に代表されるように、好気領域の前段に散気を行わない領域が2つ以上存在する場合も考えられる。その場合には、取付位置104は、生物反応槽1内の流入口側、取付位置105は好気領域の入り口側とすることで、同様の効果が得られる。
[0027]
 実施の形態1に係る水処理装置および水処理方法によれば、生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷を基にして生物反応槽1内に供給する空気量を設定するので、流入負荷の変動に対して散気量の追従性が向上し、流入負荷の変動に基づいていち早く散気量を制御でき、流出水質の変動を抑制することができる。生物反応槽1の流入口側に近い散気部ほど散気量を大きくすることで、流入負荷変動の影響を大きく受ける生物反応槽上流側での水質変動を抑制できる。また、生物反応槽内の取付位置で流入負荷を測定する場合、真の流入負荷が測定され、処理に必要な散気量を適切に算出でき、総散気量を削減できる。
[0028]
実施の形態2.
 本発明の実施の形態2に係る生物学的水処理装置について、図2に基づいて説明する。 図2は生物学的水処理装置の構成図である。実施の形態2では、被処理水を計測する測定部は、実施の形態1に係る水処理装置における流入口側の流入負荷測定部ではなく、流出口側に流出汚濁物濃度測定部が設けられている。なお、実施の形態2では、実施の形態1と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
 生物反応槽1から排出される流出水の汚濁物濃度を測定する流出汚濁物濃度測定部6は、生物反応槽外の流出口側の配管106に取り付けられ、あるいは配管以外の水路に設置され、生物反応槽から流出された被処理水の流出汚濁物濃度を測定する。流出汚濁物濃度測定部6には水処理において水質管理対象としている汚濁物の測定器を設けており、例えばアンモニア態窒素濃度計、全窒素濃度計、BOD計、COD計などがある。また、季節等の影響を考慮するために、汚濁物濃度計に加えて、水温計を設けていても良い。流出汚濁物濃度は信号線6aを介して第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73に送られる。
 取付位置107は、流出汚濁物濃度測定部6の配管106以外の取り付け候補位置であり、生物反応槽内の流出口側に位置する。取付位置107にも流出汚濁物濃度測定部6を設置することができる。
[0029]
 次に、実施の形態2に係る水処理方法を説明する。
 図3は実施の形態2に係る散気量算出部71の構成図である。散気量算出部71は、流出汚濁物濃度差分値算出部8、比例項算出部9、積分項算出部10、微分項算出部11、目標散気量算出部12およびこれらの算出部を接続する信号線で構成されている。図3に基づいて、第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73における散気量の算出方法について説明する。なお、図3では散気量算出部71について説明するが、散気量算出部72、73においても同様の構成である。
 流出汚濁物濃度差分値算出部8は、信号線6aを介して送られた流出汚濁物濃度および流出水の汚濁物濃度目標値により流出汚濁物濃度差分を算出する。      
流出汚濁物濃度差分値算出部8から、信号線8a、8b、8cを介して送られた流出汚濁物濃度差分値に基づいて、比例項算出部9では比例制御量G (P制御)を算出し、積分項算出部10では積分制御量G (I制御)を算出し、微分項算出部11では、微分制御量G (D制御)を算出する。それぞれ式(5-1)、式(5-2)、式(5-3)式によりG 、G 、G を算出する。
[0030]
[数5-1]


[0031]
[数5-2]


[0032]
[数5-3]


[0033]
 ここで、S OUTは流出汚濁物濃度であり、生物反応槽から流出する被処理水のアンモニア態窒素濃度測定値[単位:mg/L]である。S は流出水の汚濁物濃度目標値であり、生物反応槽から流出する被処理水のアンモニア態窒素濃度の目標値[単位:mg/L]である。K は比例ゲインであり、T は積分時間であり、T は微分時間である。
 目標散気量算出部12は信号線9aを介して送られた比例制御量、信号線10aを介して送られた積分制御量、信号線11aを介して送られた微分制御量に基づいて第1散気部31に供給する散気量の設定値を算出する。算出された散気量の設定値は信号線71aを介して空気供給部41に送られる。
 各散気量算出部は、それぞれに接続されている散気部に予め定められた第2係数および散気部定数k i3を記録しており、目標散気量算出部12では信号線9a、10a、11aを介して伝えられたG 、G 、G をもとに、下記の(a)と(b)の和を算出する。散気量の計算式は式(6)となる。
 (a)(G +G +G )に散気部に予め定められた第2係数を乗じた量
 (b)散気部定数
[0034]
[数6]


[0035]
 ここで、G は各散気部に供給する散気量の設定値であり、i=1,・・・,nは散気部の数を表し、生物反応槽内における被処理水の流下方向に沿った散気部の順番である。nは2以上の自然数である。G 、G 、およびG は、それぞれ測定された流出汚濁物濃度と流出水の汚濁物濃度目標値による流出汚濁物濃度差分から算出された比例制御量、積分制御量、および微分制御量である。k i2は散気部の第2係数であり。k i3は第1散気部31の散気部定数である。
 例えば、散気量算出部71では、第1散気部31に供給する散気量の設定値G [Nm /hr]を式(7)により算出する。
[0036]
[数7]


[0037]
 ここで、k 12は第1散気部31の第2係数であり、k 13は第1散気部31の散気部定数である。
 同様に、散気量算出部72、73では、第2散気部32、33の散気量の設定値G 、G [Nm /hr]を式(8)、式(9)によってそれぞれ算出する。
[0038]
[数8]


[0039]
[数9]


[0040]
 ここで、k 22は第2散気部32の第2係数であり、k 23は第2散気部32の散気部定数である。k 32は第3散気部33の第2係数であり、k 33は第3散気部33の散気部定数である。
 式(7)、式(8)、式(9)において、各散気部に対応して予め定める係数は、流出水の汚濁物濃度が予め定められた汚濁物濃度の目標値により近づけるために最適な散気量を得ることができるよう、シミュレーションまたは実プラントデータの解析結果により求めた最適値であるが、さらに、第2係数k 12、k 22、k 32は、k 12≦k 22≦k 32の関係が成立するように値を設定する。各散気部定数k 13、k 23、k 33は、各散気部の散気量を微調整するために設定する定数であり、例えば各散気部における散気量の最小値が設定される。
[0041]
 これにより、生物反応槽内の流出口に近い散気部ほど、散気量に対するフィードバック制御量をより大きくして各散気量を算出する。
 上記のようにして算出された各散気部における散気量の設定値G 、G 、G はそれぞれ信号線71a、72a、73aを介して第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43に送信される。
 次に、第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43では、それぞれ配管41a、42a、43a、および、第1散気部31、第2散気部32、と第3散気部33を介して、それぞれに設定された散気量の空気を生物反応槽1内に供給する。
なお、上記説明では散気部を3つとしたが、散気部は生物反応槽1内の好気領域102において被処理水の流下方向に沿って2つ以上が望ましく、複数個設置されている。複数個の散気部に対して、散気量算出部が式(6)より各散気部から供給する最適な散気量を算出できる。
[0042]
 図2では流出汚濁物濃度測定部6を生物反応槽外の流出口側の配管106に接続したが、流出汚濁物濃度測定部6の測定位置は制御の目的に応じて取り付け位置を配管106、または生物反応槽内の流出口側の取付位置107のいずれかに変更することができる。
配管106では生物反応槽から流出した流出水の水質を直接測定し、結果としては流出水質を目標値に制御するために必要な散気量が演算される。要求水質以上の過剰な散気を抑制し、散気量を削減することを重視する場合は、流出汚濁物濃度測定部6を配管106に設置すればよい。
 一方、流出水の水質が管理値を超えてしまうことを完全に防止したい場合には、生物反応槽1内の下流側末端の流出口より上流側にある取付位置107に流出汚濁物濃度測定部6を設置する。取付位置107では、流出汚濁物濃度測定部6で水質を測定した後も被処理水が完全に流出するまで水処理が行われるので、流出水質を確実に管理値以下に制御することができる。
 この分、反応槽での生物処理反応が完全に終了する手前で、アンモニア態濃度を目標値まで下げることになり、総散気量は流出汚濁物濃度測定部6を配管106に設置することと比べて大きくなる可能性が高い。これにより、散気量の制御遅れなどにより流出汚濁物濃度測定部6で測定された汚濁物濃度が目標値以上となった場合でも、取付位置107より下流の領域で処理されることで、最終的な流出水の水質を良好に保つことができる。
[0043]
 実施の形態2に係る水処理装置および水処理方法によれば、生物反応槽1から流出する被処理水の汚濁物濃度と汚濁物濃度の目標値との差に基づいて、生物反応槽1内に供給する散気量を設定するので、生物反応処理後に流出される被処理水の汚濁物濃度を目標値に近づけることができる。
 また、生物反応槽1の流出口に近い散気部ほど、被処理水の流出汚濁物濃度を目標値に制御するPID制御が強くなるように各散気量を算出することにより、流出水の汚濁物濃度を目標値に対してより精緻に制御ができ、流出水質を安定に維持することができる。
[0044]
実施の形態3.
 本発明の実施の形態3に係る生物学的水処理装置について、図4に基づいて説明する。図4は生物学的水処理装置の構成図である。
 実施の形態3では、生物反応槽の流入口側に取り付けられている流入負荷測定部5と、生物反応槽の流出口側に取り付けられている流出汚濁物濃度測定部6の両方が設けられている。流入負荷は信号線5aを介して第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73に送られ、流出汚濁物濃度も信号線6aを介して第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73に送られる。
 なお、実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
[0045]
 図5は実施の形態3に係る散気量算出部の構成図である。散気量算出部71は、流出汚濁物濃度差分値算出部8、比例項算出部9、積分項算出部10、微分項算出部11、目標散気量算出部12、およびこれらの算出部を接続する信号線で構成されている。さらに、図3と相違するのは、流入負荷測定部5からの測定結果を伝送する信号線5aも目標散気算出部12に接続されている。図5に基づいて、第1散気量算出部71、第2散気量算出部72、および第3散気量算出部73における散気量の算出方法について説明する。なお、図5では散気量算出部71について説明するが、散気量算出部72、73においても同様の構成である。また、流出汚濁物濃度差分値算出部8、比例項算出部9、積分項算出部10、微分項算出部11、および、信号線8a、8b、8cは図3と同じ、又は相当部分を示している。
 目標散気量算出部12は信号線5aを介して送られた流入負荷、信号線9aを介して送られた比例項、信号線10aを介して送られた積分項、信号線11aを介して送られた微分項に基づいて第1散気部31から供給される散気量の設定値を算出する。
[0046]
 各散気量算出部は、各散気部に予め定められた第1係数k i1、第2係数k i2および散気部定数k i3を記録しており、信号線5aを介して送られる生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷、および信号線9a、10a、11aを介して送られる比例制御量G 、積分制御量G 、微分制御量G をもとに下記の(a)、(b)、(c)の和を算出する。
 (a)流入負荷測定部5で測定された生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷に、散気部に予め定められた第1係数を乗じた量による流入口側制御散気量
 (b)(G +G +G )に散気部に予め定められた第2係数を乗じた量による流出口側制御散気量
 (c)散気部定数
 このようにして算出された散気量の設定値をそれぞれの散気量算出部に接続された散気部に送信することにより、相当する散気量の空気が各散気部から生物反応槽に供給される。
[0047]
 なお、上記第1係数、第2係数および定数は、生物反応槽1から排出される流出水の汚濁物濃度が予め定められた汚濁物濃度の目標値により近づけるために最適な散気量を得ることができるよう、シミュレーションまたは実プラントデータの解析結果により求めた最適値であり、散気部の位置あるいは個数によってそれぞれ異なった値が設定される。第1係数は生物反応槽の流入口に近いほどより大きく、第2係数は生物反応槽の流出口に近いほどより大きく設定される。
 散気量算出部は、被処理水の流入負荷に基づき、生物反応槽内の流入口に近い散気部ほど、散気量をより大きくした算出値と、流出汚濁物濃度に基づき、生物反応槽内の流出口に近い散気部ほど、散気量に対するフィードバック制御量をより大きくした算出値とを加算し、各散気量を算出する。各散気部における散気量の設定値G [Nm /hr]を式(10)により算出する。
[0048]
[数10]


[0049]
 ここで、G は各散気部に供給する散気量の設定値であり、i=1,・・・,nは散気部の数を表し、生物反応槽内における被処理水の流下方向に沿った散気部の順番である。nは2以上の自然数である。S INは流入汚濁物濃度であり、生物反応槽へ流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度測定値[単位:mg/L]である。Q INは生物反応槽へ流入する被処理水の流量測定値[単位:m /hr]である。G 、G 、およびG は、それぞれ測定された流出汚濁物濃度と流出水の汚濁物濃度目標値による流出汚濁物濃度差分から算出された比例制御量、積分制御量、および微分制御量である。k i1は散気部の第1係数であり、k i2は散気部の第2係数であり、k i3は第1散気部31の散気部定数である。
 例えば、流入負荷測定部5に流量計とアンモニア態窒素濃度計を設け、流出汚濁物濃度測定部6にアンモニア態窒素濃度計を設けている場合、散気量算出部71では、第1散気部31から供給される散気量の設定値G [Nm /hr]を式(11)により算出する。
[0050]
[数11]


[0051]
 ここで、k 11は第1散気部31の第1係数であり。k 12は第1散気部31の第2係数であり。k 13は第1散気部31の散気部定数である。
 同様に、散気量算出部72、73では、第2散気部32、33の散気量の設定値G 、G [Nm /hr]を式(11)、(12)によってそれぞれ算出する。
[0052]
[数12]


[0053]
[数13]


[0054]
 ここで、k 21は第2散気部32の第1係数であり、k 22は第2散気部32の第2係数であり、k 23は第2散気部32の散気部定数である。
 また、k 31は第3散気部33の第1係数であり、k 32は第3散気部33の第2係数であり、k 33は第3散気部33の散気部定数である。
 式(11)、式(12)および式(13)において各散気部に対応して予め定める第1係数および第2係数は、前述したように、流出水の汚濁物濃度が予め定められた汚濁物濃度の目標値により近づけるために最適な散気量を得ることができるよう、シミュレーションまたは実プラントデータの解析結果により求めた最適値であるが、さらに、第1係数k 11、k 21、k 31は、k 11≧k 21≧k 31の関係が成立するように、かつ、第2係数k 12、k 22、k 32は、k 12≦k 22≦k 32の関係が成立するように値を設定する。また、実施の形態1と実施の形態2と同様に、各散気部定数k 13、k 23、k 33は、各散気部の散気量を微調整するため、各散気部における散気量の最小値が設けられている。
 これにより、散気量算出部は、被処理水の流入負荷に基づき、生物反応槽内の流入口に近い散気部ほど、散気量をより大きくした算出値と、流出汚濁物濃度に基づき、生物反応槽内の流出口に近い散気部ほど、散気量に対するフィードバック制御量をより大きくした算出値とを加算し、各散気量を算出する。
 なお、上記説明では散気部を3つとしたが、散気部は生物反応槽1内の好気領域102において被処理水の流下方向に沿って2つ以上が望ましく、複数個設置されている。複数個の散気部に対して、散気量算出部が式(10)より各散気部から供給する最適な散気量を算出できる。
 また、式(10)において、被処理水の流入負荷の変動に基づいた流入口側制御散気量は、生物反応槽1に流入する被処理水の流量と流入汚濁物濃度の積で算出されているが、生物反応槽1に流入する被処理水の流量のみ計測する場合、(a)として生物反応槽1に流入する被処理水の流量に、散気部に予め定められた第1係数を乗じた量を設定することで、式(4)を用いて散気量の設定値を算出できる。同様に、生物反応槽1に流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度のみを計測する場合、(a)として生物反応槽1に流入する被処理水のアンモニア態窒素濃度に、散気部に予め定められた第1係数を乗じた量を設定することで、式(4)を用いて散気量の設定値を算出できる。
[0055]
 図4では流入負荷測定部5を配管103に設置し、あるいは配管以外の水路に設置して生物反応槽1に流入する前の被処理水の流入負荷を計測するが、実施の形態1と同様に、流入負荷測定部5は、生物反応槽1内の取付位置104、取付位置105にも取り付けることができる。取付位置104は、生物反応槽1内の流入口側であり、嫌気領域に位置する。取付位置105は、生物反応槽1内の流入口側に最も近接した第1散気部31が配置された箇所、好気領域の入り口側に位置する。
 流入負荷測定部5の測定位置は制御の目的に応じて取り付け位置を配管103、取付位置104、取付位置105のいずれかに変更することができる。流入負荷変動が大きい処理場の場合、流入負荷測定部5を配管103に接続することで、流入負荷の変動をいち早く検知することができる。これにより流入負荷変動に対する散気量の追従性を向上させ、流出水質を安定させることができる。一方、取付位置105は好気領域に流入する真の流入負荷が測定されることになるため、処理に必要な散気量を正確に演算でき、総散気量は最も少なくなることができる。
[0056]
 生物反応槽1には配管103を介して流入する被処理水だけでなく、配管dを介して沈殿槽2から活性汚泥が返送される。被処理水による流入負荷変動だけでなく返送された活性汚泥の影響も考慮したい場合には生物反応槽1の入り口付近である取付位置104に流入負荷測定部5を取りつける。これにより、生物反応槽1に流入する真の流入負荷が測定されることになるため、返送汚泥の影響を考慮しつつ、流入負荷の変動にも素早く対応できる。流入負荷変動への機敏な応答を両立できる位置にあり、過不足のない空気供給が可能となり、散気量は配管103で測定する場合より削減できる。
なお、取付位置104に流入負荷測定部5を設置した場合、嫌気領域を通過する前の被処理水の流入負荷に基づいて第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33の散気量が算出されることから、散気量制御にタイムラグが生じる。このようなタイムラグを解消し、散気量の更なる削減を目指す場合には、生物反応槽1内において活性汚泥が空気と混合し始める位置である好気領域の入り口の取付位置105に流入負荷測定部5を設置すればよい。
 図4では好気領域の前に嫌気領域のみが存在する場合について説明したが、りん・窒素の生物学的同時除去法である嫌気・無酸素・好気法(A2O法ともいう)に代表されるように、好気領域の前段に散気を行わない領域が2つ以上存在する場合も考えられる。その場合には、取付位置104は、生物反応槽1内の流入口側、取付位置105は好気領域の入り口側とすることで、同様の効果が得られる。
[0057]
 また、図4では流出汚濁物濃度測定部6を生物反応槽外の流出口側の配管106に設置し、あるいは配管以外の水路に設置して生物反応槽1から流出された被処理水の流出汚濁物濃度を計測するが、実施の形態2と同様に、流出汚濁物濃度測定部6の測定位置は制御の目的に応じて取り付け位置を配管106、取付位置107のいずれかに変更することができる。
 配管106では生物反応槽から流出した流出水の水質を直接測定し、結果としては流出水質を目標値に制御するために必要な散気量が演算される。要求水質以上の過剰な散気を抑制し、散気量を削減することを重視する場合は、流出汚濁物濃度測定部6を配管106に設置すればよい。
[0058]
 一方、流出水の水質が管理値を超えてしまうことを完全に防止したい場合には、生物反応槽1内の下流側末端の流出口より上流側にある取付位置107に流出汚濁物濃度測定部6を設置する。取付位置107では、流出汚濁物濃度測定部6で水質を測定した後も被処理水が完全に流出するまで水処理が行われるので、流出水質を確実に管理値以下に制御することができる。
 この分、反応槽での生物処理反応が完全に終了する手前で、アンモニア態濃度を目標値まで下げることになり、総散気量は流出汚濁物濃度測定部6を配管106に設置することと比べて大きくなる可能性が高い。これにより、散気量の制御遅れなどにより流出汚濁物濃度測定部6で測定された汚濁物濃度が目標値以上となった場合でも、取付位置107より下流の領域で処理されることで、最終的な流出水の水質を良好に保つことができる。
[0059]
 実施の形態3に係る水処理装置および水処理方法によれば、生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷と、生物反応槽1から現在排出されている流出水の汚濁物濃度とこの目標値との差の両方を考慮しながら生物反応槽1内に供給する散気量を設定するので、流出水の汚濁物濃度をより目標値に近づけることができ、より精緻に水質制御ができる。
[0060]
 また、散気量を求める演算において、第1空気供給部41、第2空気供給部42、および第3空気供給部43にそれぞれ接続された第1散気部31、第2散気部32、および第3散気部33の生物反応槽1内での位置に従って、それぞれに定める係数に大小関係をつけることにより、生物反応槽1の流入部に近い散気部からは主として生物反応槽1に流入する被処理水の流入負荷に応じて、また生物反応槽1の排出部に近い散気部からは主として流出水の汚濁物濃度とこの目標値との差に応じてそれぞれ空気が供給されるので、流入負荷が変動しても生物反応槽1の各ポイントにおいて適切な空気供給を実現できるうえに、排出される流出水の汚濁物濃度をより目標値に近づけることができる。さらに、過不足のない空気供給量で効率的な水質制御ができる。

符号の説明

[0061]
1 生物反応槽、5 流入負荷測定部、6 流出汚濁物濃度測定部、8 流出汚濁物濃度差分値算出部、9 比例項算出部、10 積分項算出部、11 微分項算出部、12 目標散気量算出部、30 散気部、31 第1散気部、32 第2散気部、33 第3散気部、40 空気供給部、41 第1空気供給部、42 第2空気供給部、43 第3空気供給部、70 散気量算出部、71 第1散気量算出部、72 第2散気量算出部、73 第3散気量算出部、100 仕切り板、101 嫌気領域、102 好気領域、103、106、108 配管、104、105、107 取付位置

請求の範囲

[請求項1]
 流入口から生物反応槽内に流入した被処理水に空気を散気して生物反応処理を行い前記生物反応槽外へ排出口から排出する水処理装置において、
 前記空気を散気する第1散気部および第2散気部と、
 前記第1散気部の散気量および前記第2散気部の散気量を制御する散気量算出部とを備え、
 前記第1散気部は、前記生物反応槽内で前記流入口からの距離が前記第2散気部よりも短い位置に配置され、
 前記散気量算出部は、前記第1散気部と前記第2散気部の散気量を異なるように制御することを特徴とする水処理装置。
[請求項2]
 前記空気を散気する第3散気部を備え、
 前記第3散気部は、前記生物反応槽内で前記流入口からの距離が前記第2散気部よりも長い位置に配置され、
 前記散気量算出部は、前記第1散気部、前記第2散気部および前記第3散気部の各散気部の散気量を異なるように制御することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
[請求項3]
 前記被処理水の流入負荷を計測する流入負荷測定部を備え、
前記散気量算出部は、前記被処理水の流入負荷に基づき、前記各散気部の散気量を異なるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
[請求項4]
 前記被処理水の流出汚濁物濃度を測定する流出汚濁物濃度測定部を備え、
 前記散気量算出部は、前記流出汚濁物濃度に基づき、前記各散気部の散気量を異なるようにフィードバック制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
[請求項5]
 前記被処理水の流入負荷を測定する流入負荷測定部、および流出汚濁物濃度を測定する流出汚濁物濃度測定部を備え、
 前記散気量算出部は、前記被処理水の流入負荷に基づき、前記各散気部に対応して異なるように算出された流入口側制御散気量と、前記流出汚濁物濃度に基づき、前記各散気部に対応して異なるように算出された流出口側制御散気量とを加算することにより、前記各散気部に対する散気量をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
[請求項6]
 前記流入負荷測定部は、前記生物反応槽に流入する前の被処理水の流入負荷を計測することを特徴とする請求項3または請求項5に記載の水処理装置。
[請求項7]
 前記流入負荷測定部は、前記生物反応槽内の流入口側に設置されることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の水処理装置。
[請求項8]
 前記流入負荷測定部は、前記複数の散気部のうち前記生物反応槽内の前記流入口側に最も近接した前記散気部が配置された箇所に設置されることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の水処理装置。
[請求項9]
 前記流出汚濁物濃度測定部は、前記生物反応槽から流出した被処理水の流出汚濁物濃度を測定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の水処理装置。
[請求項10]
 前記流出汚濁物濃度測定部は、前記生物反応槽内の流出口側に設置されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の水処理装置。
[請求項11]
 被処理水が生物反応槽に流入する流入負荷を計測するステップと、
 前記流入負荷に基づき、前記生物反応槽内の前記被処理水の流下する方向に沿って複数個設置された散気部に対して、前記各散気部の流入口側制御散気量を異なるように算出するステップと、
 前記各散気量に対応した空気が供給された前記各散気部が前記空気をそれぞれ散気するステップと、
 を含む水処理方法。
[請求項12]
 生物反応槽から流出する被処理水の流出汚濁物濃度を計測するステップと、
 前記流出汚濁物濃度に基づき、前記生物反応槽内で前記被処理水の流下する方向に沿って複数個設置された散気部に対して、前記各散気部の流出口側制御散気量を異なるように算出するステップと、
 前記各散気量に対応した空気が供給された前記各散気部が前記空気をそれぞれ散気するステップと、
 を含む水処理方法。
[請求項13]
 生物反応槽に流入する被処理水の流入負荷を計測するステップと、
 前記生物反応槽から流出する前記被処理水の流出汚濁物濃度を計測するステップと、
 前記生物反応槽内の前記被処理水の流下する方向に沿って複数個設置された散気部に対応して、前記流入負荷に基づき、前記各散気部の流入口側制御散気量を異なるように算出するステップと、さらに、前記流出汚濁物濃度に基づき、前記各散気部の流出口側制御散気量を異なるように算出するステップと、
 前記流入口側制御散気量および前記流出口側制御散気量を加算することにより、各散気部に対応した散気量を決定するステップと、
前記各散気量に対応した空気が供給された前記各散気部が前記空気をそれぞれ散気するステップと、
 を含む水処理方法。
[請求項14]
 前記流出口側制御散気量を算出するステップは、
 前記流出汚濁物濃度および流出水の汚濁物濃度目標値から算出された流出汚濁物濃度差に基づき、比例制御量、積分制御量、および微分制御量をそれぞれ算出して、前記比例制御量、前記積分制御量および前記微分制御量を加算することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の水処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]