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1. (WO2019049823) ACOUSTIC WAVE FILTER DEVICE AND COMPOSITE FILTER DEVICE
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明 細 書

発明の名称 弾性波フィルタ装置及び複合フィルタ装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068  

符号の説明

0069  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 弾性波フィルタ装置及び複合フィルタ装置

技術分野

[0001]
 本発明は、半導体からなる基板と圧電体層との間に他の材料が積層されている構造を有する弾性波フィルタ装置及び複合フィルタ装置に関する。

背景技術

[0002]
 スマートフォンのRF段では、多数のバンドに対応するために、マルチプレクサなどの複合フィルタ装置が用いられている。例えば、下記の特許文献1に記載のマルチプレクサでは、アンテナ端子に、第1~第3の弾性波フィルタが接続されている。第1の弾性波フィルタは、ローバンドセルラー帯の通過帯域を有する。また、第2の弾性波フィルタは、GPSや、GLONASSの通過帯域を有する。第3の弾性波フィルタは、ミドルバンドセルラー帯の通過帯域を有している。
[0003]
 他方、下記の特許文献2は、Siからなる支持基板を有する弾性波装置が開示されている。Siからなる支持基板上に、低音速膜、圧電体層及びIDT電極がこの順序で積層されている。Siからなる支持基板は、高音速材料であるため、上記Siからなる支持基板及び低音速膜の積層構造により、圧電体層内に弾性波が効果的に閉じ込められる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : WO2016/117676 A1
特許文献2 : WO2012/086639 A1

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載されているように、複数のフィルタを共通化してなるマルチプレクサの場合、同時に複数の信号を送信することによって生じる歪が問題となることが多い。例えば、第3の弾性波フィルタから、Band7Tx信号が送信される際に、アンテナ端子から、同じスマートフォン内の別の回路から漏れてくる5GHzWiFi帯の信号と、Band7Txの信号とで、Band7Rxの周波数帯に一致する二次歪が生じる。そのため、Band7Rxの受信感度が低下するおそれがあった。そのため、マルチプレクサなどの複合フィルタ装置では、従来の帯域通過型フィルタよりも線形性に優れていることが求められる。
[0006]
 他方、本願発明者は、特許文献2に記載されている、Siからなる支持基板上に低音速膜を積層した構造では、線形性が十分ではないことを見出した。そのため、このような構造の弾性波フィルタをマルチプレクサなどの複合フィルタ装置に用いると、受信信号などにおける歪の発生が特に問題となる。
[0007]
 本発明の目的は、半導体からなる基板と圧電体層との間に他の材料が積層されている構造を有する弾性波フィルタ装置であって、線形性に優れた弾性波フィルタ装置を提供することにある。
[0008]
 本発明の他の目的は、本発明の弾性波フィルタ装置を有する複合フィルタ装置であって、信号の歪が少ない、複合フィルタ装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 本願の第1の発明は、アンテナに接続されるアンテナ端子と、入力または出力端子と、前記アンテナ端子と、前記入力または出力端子との間に接続されており、複数の弾性波共振子を有する弾性波フィルタとを備え、前記弾性波共振子が、圧電体層と、前記圧電体層上に設けられたIDT電極と、前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも、伝搬するバルク波の音速が低速である、低音速膜と、前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも、伝搬するバルク波の音速が高速であり、かつ半導体からなる基板とを有し、前記基板上に、前記低音速膜を介して前記圧電体層が積層されており、前記圧電体層上において、前記アンテナ端子に接続される引き回し配線が、前記圧電体層上に設けられた絶縁膜上に配置されている、弾性波フィルタ装置である。
[0010]
 本願の第2の発明は、アンテナに接続されるアンテナ端子と、入力または出力端子と、前記アンテナ端子と、前記入力または出力端子との間に接続されており、複数の弾性波共振子を有する弾性波フィルタとを備え、前記弾性波共振子が、半導体からなる基板と、前記半導体からなる基板上に設けられており、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電体層と、前記圧電体層の前記第1の主面上に設けられた第1の電極と、前記圧電体層の前記第2の主面に設けられており、前記第1の電極と前記圧電体層を介して対向している第2の電極とを有し、前記圧電体層上に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられており、かつ前記アンテナ端子に接続される引き回し配線とをさらに備える、弾性波フィルタ装置である。
[0011]
 以下、第1の発明及び第2の発明を総称して本発明とする。
[0012]
 本発明に係る弾性波フィルタ装置のある特定の局面では、前記基板が、シリコン基板である。
[0013]
 本発明に係る弾性波フィルタ装置の他の特定の局面では、前記絶縁膜が、合成樹脂からなる。
[0014]
 本発明に係る弾性波フィルタ装置の別の特定の局面では、前記絶縁膜が無機絶縁性材料からなる。
[0015]
 本発明に係る複合フィルタ装置は、本発明に従って構成された弾性波フィルタ装置と、前記アンテナ端子に共通接続されている少なくとも1個の他の弾性波フィルタ装置とを備える。
[0016]
 本発明に係る複合フィルタ装置は、マルチプレクサであってもよい。
[0017]
 また、本発明に係る複合フィルタ装置は、前記アンテナ端子にスイッチを介して複数の弾性波フィルタ装置が共通接続されており、前記複数の弾性波フィルタ装置の内、少なくとも1個の弾性波フィルタ装置が、本発明に従って構成された弾性波フィルタ装置である構成を有していてもよい。

発明の効果

[0018]
 本発明に係る弾性波フィルタ装置では、線形性を高めることができる。従って、本発明に係る複合フィルタ装置では、信号の歪を小さくすることができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合フィルタ装置としてのマルチプレクサの回路図である。
[図2] 図2は、本発明の第1の実施形態に係るマルチプレクサの電極構造を説明するための模式的平面図である。
[図3] 図3は、第1の実施形態のマルチプレクサにおける複数のBandの信号の送受信形態を説明するための模式図である。
[図4] 図4は、第1の実施形態のマルチプレクサで用いられている、弾性波共振子部分の正面断面図である。
[図5] 図5は、第1の実施形態のマルチプレクサにおける引き回し配線が設けられている部分を説明するための略図的正面断面図である。
[図6] 図6は、第1の実施形態の実施例及び比較例の歪特性を示す図である。
[図7] 図7は、本発明が適用される複合フィルタ装置の変形例を示す回路図である。
[図8] 図8は、第2の実施形態の弾性波フィルタ装置に用いられている弾性波共振子部分を説明するための正面断面図である。
[図9] 図9は、本発明で弾性波フィルタ装置を構成するのに用いられる弾性波共振子の変形例を説明するための正面断面図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
[0021]
 なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
[0022]
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合フィルタ装置としてのマルチプレクサの回路図である。マルチプレクサ1は、アンテナ2に接続されるアンテナ端子3を有する。アンテナ端子3に、第1の弾性波フィルタ5及び第2の弾性波フィルタ7の一端が共通接続されている。アンテナ端子3と、グラウンド電位との間に、インダクタL1が接続されている。インダクタL1は、インピーダンス整合を図るために、設けられている。
[0023]
 アンテナ端子3に、第1の弾性波フィルタ5及び第2の弾性波フィルタ7の一端同士が共通接続されている。
[0024]
 第1の弾性波フィルタ5は、WiFi帯を通過させるフィルタであり、その通過帯域は、2401MHz~2483MHzである。第1の弾性波フィルタ5は、入出力端子4を有する。入出力端子4と、アンテナ端子3とを結ぶ直列腕に、直列腕共振子S1~S5が設けられている。また、直列腕共振子S1と直列腕共振子S2との間の接続点とグラウンド電位との間に、並列腕共振子P1が接続されている。直列腕共振子S2と直列腕共振子S3との間の接続点とグラウンド電位との間に、並列腕共振子P2が接続されている。直列腕共振子S3と直列腕共振子S4との間の接続点とグラウンド電位との間に、並列腕共振子P3が接続されている。直列腕共振子S4と直列腕共振子S5との間の接続点とグラウンド電位との間に、並列腕共振子P4が接続されている。並列腕共振子P2~P4のグラウンド電位側端部は、共通接続点Aにおいて共通接続され、グラウンド電位に接続されている。第1の弾性波フィルタ5は、上記回路構成を有するラダー型フィルタである。
[0025]
 上記直列腕共振子S1~S5及び並列腕共振子P1~P4はいずれも弾性波共振子からなる。
[0026]
 他方、第2の弾性波フィルタ7は、ミドルバンド、及びハイバンドセルラー帯を通過させ、WiFi帯を減衰させるノッチフィルタであり、1710MHz~2200MHz、及び2496MHz~2690MHz帯を通過帯域とする。第2の弾性波フィルタ7は、アンテナ端子3と、出力端子6との間に接続されている。第2の弾性波フィルタ7は、直列腕共振子S11,S12を有する。直列腕共振子S11と、直列腕共振子S12との間の接続点と、グラウンド電位との間に並列腕共振子P11が接続されている。並列腕共振子P11に並列にインダクタL2が接続されている。また、並列腕共振子P11のグラウンド電位側端部とグラウンド電位との間にインダクタL3が接続されている。
[0027]
 直列腕共振子S11,S12及び並列腕共振子P11は、弾性波共振子からなる。
[0028]
 図2は、マルチプレクサ1の電極構造を示す模式的平面図である。マルチプレクサ1は、弾性波基板11を有する。弾性波基板11は、圧電体層16を有する。この圧電体層16上に図2に示す電極構造が設けられている。図2では、前述した直列腕共振子S1~S5及び並列腕共振子P1~P4、並びに直列腕共振子S11,S12及び並列腕共振子P11が設けられている各領域がXを矩形の枠で囲んだ形状で模式的に示されている。
[0029]
 また、前述した入出力端子4、出力端子6、アンテナ端子3が設けられている部分では、電極パッド上に、円で示すバンプが設けられている。なお、図2ではグラウンド電位に接続されるグラウンド端子8a~8cも併せて示す。
[0030]
 マルチプレクサ1では、引き回し配線13が、直列腕共振子S11及び直列腕共振子S5と、アンテナ端子3とを接続している。本実施形態の特徴は、この引き回し配線13と圧電体層16の間に、絶縁膜12が設けられていることにある。
[0031]
 図4は、直列腕共振子S5を構成している弾性波共振子の構造を説明するための正面断面図である。この弾性波共振子では、弾性波基板11は、Si半導体からなる基板14と、基板14上に設けられた低音速膜15と、低音速膜15上に設けられた圧電体層16とを有する。
[0032]
 圧電体層16は、カット角50°のLiTaO からなる。もっとも、本発明において、圧電体層16はこれに限定されず、他のカット角のLiTaO が用いられてもよい。また、LiNbO などの他の圧電単結晶が用いられてもよい。
[0033]
 圧電体層16を伝搬する弾性波の音速よりも低音速膜15を伝搬するバルク波の音速は低速である。低音速膜15は、この音速関係を満たす限り、適宜の材料からなる。本実施形態では、低音速膜15は、酸化ケイ素からなる。
 圧電体層16と低音速膜15の間にチタンやニッケルなどからなる中間層が設けられていてもよい。低音速膜15と基板14の間にチタンやニッケルなどからなる密着層が設けられていてもよい。また、低音速膜15は前述の音速関係を満たす材料からなる複数の層を有する多層構造であっても良い。複数の層の間にチタンやニッケルなどからなる接合層を含んでいてもよい。
[0034]
 基板14は、上記のとおり、Si半導体からなる。基板14を伝搬するバルク波の音速は、圧電体層16を伝搬する弾性波の音速よりも高速である。このような高音速材料からなる基板14上に低音速膜15が積層されており、さらに圧電体層16が積層されている。従って、圧電体層16内に弾性波を効果的に閉じ込めることができる。
[0035]
 圧電体層16上には、IDT電極17と、IDT電極17の弾性波伝搬方向両側に反射器18,19が設けられている。それによって、1ポート型弾性波共振子が構成されている。
[0036]
 上記IDT電極17及び反射器18,19は、適宜の金属もしくは合金からなる。また、積層金属膜により、IDT電極17及び反射器18,19が形成されていてもよい。
[0037]
 なお、直列腕共振子S5の構造を説明したが、直列腕共振子S1~S4、並列腕共振子P1~P4、直列腕共振子S11,S12及び並列腕共振子P11も、同様の構造を有している。
[0038]
 本実施形態のマルチプレクサ1では、第1,第2の弾性波フィルタ5,7をアンテナ端子3に接続している引き回し配線13と圧電体層16の間に絶縁膜12が設けられている。そのため、第1,第2の弾性波フィルタ5,7における線形性が高められ、マルチプレクサ1で送受信される信号における歪を小さくすることができる。これを、具体的な実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。
[0039]
 上記マルチプレクサ1の実施例を以下の要領で作製した。下記の表1に、第1の弾性波フィルタ5の設計パラメータを示す。
[0040]
[表1]


[0041]
 下記の表2に、第2の弾性波フィルタ7の設計パラメータを示す。
[0042]
[表2]


[0043]
 Si半導体からなる基板14の厚みは200μmとした。低音速膜15として、厚み670nmのSiO 膜を形成した。圧電体層16として、厚み600nmの、カット角50°のLiTaO 膜を設けた。IDT電極17及び反射器18,19については、Ti膜上にAlCu合金膜を積層してなる積層金属膜により形成した。Ti膜の厚みは12nmとし、AlCu合金膜としては、Cuを1重量%含有しているAlCu合金を用い、その厚みは162nmとした。さらに、保護膜として、図4には示していないが、IDT電極17及び反射器18,19を覆うように、25nmの厚みのSiO 膜を形成した。
[0044]
 第2の弾性波フィルタ7は、インダクタL2,L3のインダクタンスと、弾性波共振子からなる直列腕共振子S11,S12及び並列腕共振子P11の容量とを利用しているLCフィルタである。ここでは、弾性波共振子のQ値を利用して、WiFi帯減衰量が大きくされているノッチフィルタが構成されている。
[0045]
 上記引き回し配線13も上記IDT電極と同じ積層金属膜により形成した。他方絶縁膜12については、厚み2μmのSiO 膜を用いた。
[0046]
 比較のために、上記絶縁膜12が設けられていないことを除いては、上記実施例と同様にして、比較例のマルチプレクサを用意した。
[0047]
 Band7Tx信号が送信される際に、5GHzWiFi帯の信号と、Band7Txの信号とにより、2次の高調波すなわち2次歪が発生する。この高調波の一部がBand7Rxの周波数帯に重なると、第2の弾性波フィルタ7を通過する。そのため、Band7の受信感度が低下する。
[0048]
 そこで、上記実施例及び比較例のマルチプレクサにおいて、2次歪(IM2)の特性を測定した。すなわち、図3に示すように、第2の弾性波フィルタ7から、23dBmのBand7Tx信号(B7Tx)を入力し、アンテナ端子から5dBmの5GHzWiFi信号を入力した。この場合の第2の弾性波フィルタ7の出力端子において出力されるBand7Rx帯(2620MHz~2690MHz)における2次歪(IM2)を測定した。
[0049]
 結果を図6に示す。
[0050]
 図6から明らかなように、Band7Rx帯の周波数帯において、2次歪(IM2)が、比較例に比べ、実施例によれば3dBm改善していることがわかる。上記のように、2次歪(IM2)が小さくなるのは、以下の理由によると考えられる。
[0051]
 すなわち、Si半導体からなる基板14上に低音速膜15及び圧電体層16が積層されている構造では、熱や電位などの外部影響により、基板14と低音速膜15との界面に電子や正孔などのキャリアが生じる。このキャリアが生じると、キャリアが生じている界面部分が導電層のようにふるまうことになる。そのため、IDT電極17や引き回し配線13と、上記導電層との間に静電容量が生じるため、線形性が悪化する。
[0052]
 これに対して、本実施例では、図5に矢印で示すようにキャリアが生じるものの、引き回し配線13と、圧電体層16との間に絶縁膜12が設けられている。そのため、引き回し配線13と、上記導電層との間の静電容量が小さくなり、よって、線形性が改善され、上記2次歪が小さくなったものと考えられる。
[0053]
 なお、第1の弾性波フィルタ5は、WiFiフィルタであったが、他の帯域通過型フィルタであってもよい。例えば、GPS信号を通過させ、その他のセルラー帯の信号を減衰させるGPSフィルタであってもよい。
[0054]
 また、マルチプレクサ1は本発明に係る複合フィルタ装置の実施形態であるが、マルチプレクサ1中の第1の弾性波フィルタ5または第2の弾性波フィルタ7は、本発明に係る弾性波フィルタ装置の実施形態でもある。すなわち、第1の弾性波フィルタ5及び第2の弾性波フィルタ7は、アンテナ端子3に接続される引き回し配線13と、引き回し配線13と、圧電体層16との間に積層されている絶縁膜12とを有する。従って、第1の弾性波フィルタ5及び第2の弾性波フィルタ7では、線形性が高められている。そのため、結果として、マルチプレクサ1において、上記のように、信号の歪が小さくされている。
[0055]
 また、本発明に係る複合フィルタ装置は、3以上の帯域通過型フィルタが共通接続されているさまざまなマルチプレクサや複合フィルタ装置に適用することができ、その通過帯域についても限定されない。
[0056]
 図7は、本発明が適用される複合フィルタ装置の変形例を示す回路図である。複合フィルタ装置1Aでは、アンテナ2に接続されるアンテナ端子3に、スイッチSW1を介して、複数の弾性波フィルタ装置としての第1,第2の弾性波フィルタ5,7が共通接続されている。このようなスイッチSW1を介して共通接続された第1,第2の弾性波フィルタ5,7の内、少なくとも1個が本発明に従って構成された弾性波フィルタであってもよい。
[0057]
 図8は、本発明の第2の実施形態に係る複合フィルタ装置に用いられる弾性波フィルタ装置の弾性波共振子部分を示す正面断面図である。
[0058]
 第2の実施形態の複合フィルタ装置の回路構成は第1の実施形態と同様である。従って、図1に参照して説明した内容を第2の実施形態の説明においても援用することとする。
[0059]
 第2の実施形態が第1の実施形態と異なるところは、弾性波共振子及び引き回し配線が構成されている物理的な構造にある。図8に示す弾性波共振子21では、半導体からなる基板22の上面に、凹部22aが設けられている。
[0060]
 基板22上に、圧電体層23が積層されている。圧電体層23は、対向し合う第1及び第2の主面を有する。圧電体層23の第1の主面及び第2の主面にそれぞれ第1,第2の電極24,25が圧電体層23を介して対向するように設けられている。この第1の電極24及び第2の電極25が対向している部分は、上記凹部22a上に位置している。
[0061]
 他方、引き回し配線27は、第1の電極24に図示しない部分において接続されており、かつ図示しないアンテナ端子に接続されている。この引き回し配線27の下面に、絶縁膜26が積層されている。すなわち、引き回し配線27は、圧電体層23上に直接積層されていない。
[0062]
 このように、弾性波共振子21を用いた場合においても、上記引き回し配線27と、圧電体層23との間に絶縁膜26を設けることにより、第1の実施形態と同様に、線形性を高めることができる。従って、第2の実施形態の複合フィルタ装置においても、上記絶縁膜26を有する弾性波共振子が設けられている弾性波フィルタ装置を有するため、2次歪を小さくすることができる。
[0063]
なお、引き回し配線27と圧電体層23との間に設けられた絶縁膜26が、平面視したときにIDT電極17と重なる位置に設けられていると、弾性波の励振に影響を与えるため、弾性波共振子の特性が悪化してしまう。そのため、引き回し配線27と圧電体層23との間に設けられた絶縁膜26は、平面視したときにIDT電極17と重ならない位置に設けられていることが好ましい。
[0064]
 なお、本発明で用いられる弾性波共振子の構造は、特に限定されず図9に示す変形例の弾性波共振子31を用いてもよい。この弾性波共振子31では、半導体からなる基板22上に、相対的に音響インピーダンスが低い低音響インピーダンス層32,34,36と、相対的に音響インピーダンスが高い高音響インピーダンス層33,35とが交互に積層された構造を有する。この積層構造からなる音響多層膜上に、圧電体層23及び第1,第2の電極24,25が積層されている。すなわち、図8に示した凹部22aにかえて、上記音響多層膜を用いた弾性波共振子31を用いてもよい。
[0065]
 なお、第1の実施形態では、低音速膜15として、酸化ケイ素膜を用いたが、SiONなどの絶縁性材料を用いてもよい。
[0066]
 また、半導体からなる基板14については、Siに限らず、AsGaなどの他の半導体を用いてもよい。もっとも、第1の実施形態では、基板14を伝搬するバルク波の音速は、圧電体層16を伝搬する弾性波の音速よりも高いことが必要である。
[0067]
 また、前述した絶縁膜12,26の材料については、適宜の絶縁性材料を用いることができる。このような絶縁性材料としては、成膜が容易であるため、合成樹脂を好適に用いることができる。このような合成樹脂としては、特に限定されず、感光性ポリイミドなどを用いることができる。
[0068]
 また、絶縁膜12,26は、合成樹脂に限らずSiO などの無機絶縁性材料からなるものであってもよい。

符号の説明

[0069]
1…マルチプレクサ
1A…複合フィルタ装置
2…アンテナ
3…アンテナ端子
4…入出力端子
5,7…第1,第2の弾性波フィルタ
6…出力端子
8a~8c…グラウンド端子
11…弾性波基板
12,26…絶縁膜
13…引き回し配線
14…基板
15…低音速膜
16…圧電体層
17…IDT電極
18,19…反射器
21…弾性波共振子
22…基板
22a…凹部
23…圧電体層
24,25…第1,第2の電極
27…引き回し配線
31…弾性波共振子
32,34,36…低音響インピーダンス層
33,35…高音響インピーダンス層
L1,L2,L3…インダクタ
P1~P4,P11…並列腕共振子
S1~S5,S11,S12…直列腕共振子

請求の範囲

[請求項1]
 アンテナに接続されるアンテナ端子と、
 入力または出力端子と、
 前記アンテナ端子と、前記入力または出力端子との間に接続されており、複数の弾性波共振子を有する弾性波フィルタとを備え、
 前記弾性波共振子が、圧電体層と、前記圧電体層上に設けられたIDT電極と、前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも、伝搬するバルク波の音速が低速である、低音速膜と、前記圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも、伝搬するバルク波の音速が高速であり、かつ半導体からなる基板とを有し、
 前記基板上に、前記低音速膜を介して前記圧電体層が積層されており、前記圧電体層上において、前記アンテナ端子に接続される引き回し配線が、前記圧電体層上に設けられた絶縁膜上に配置されている、弾性波フィルタ装置。
[請求項2]
 アンテナに接続されるアンテナ端子と、
 入力または出力端子と、
 前記アンテナ端子と、前記入力または出力端子との間に接続されており、複数の弾性波共振子を有する弾性波フィルタとを備え、
 前記弾性波共振子が、半導体からなる基板と、前記半導体からなる基板上に設けられており、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電体層と、
 前記圧電体層の前記第1の主面上に設けられた第1の電極と、前記圧電体層の前記第2の主面に設けられており、前記第1の電極と前記圧電体層を介して対向している第2の電極とを有し、
 前記圧電体層上に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられており、かつ前記アンテナ端子に接続される引き回し配線とをさらに備える、弾性波フィルタ装置。
[請求項3]
 前記基板が、シリコン基板である、請求項1または2に記載の弾性波フィルタ装置。
[請求項4]
 前記絶縁膜が、合成樹脂からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
[請求項5]
 前記絶縁膜が無機絶縁性材料からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置と、
 前記アンテナ端子に共通接続されている少なくとも1個の他の弾性波フィルタ装置とを備える、複合フィルタ装置。
[請求項7]
 マルチプレクサである、請求項6に記載の複合フィルタ装置。
[請求項8]
 前記アンテナ端子にスイッチを介して複数の弾性波フィルタ装置が共通接続されており、前記複数の弾性波フィルタ装置の内、少なくとも1個の弾性波フィルタ装置が請求項1~5のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置である、複合フィルタ装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]