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1. (WO2019049229) HIGH-FREQUENCY TREATMENT TOOL AND ENDOSCOPIC SYSTEM
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明 細 書

発明の名称 高周波処置具および内視鏡システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085  

産業上の利用可能性

0086  

符号の説明

0087  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : 高周波処置具および内視鏡システム

技術分野

[0001]
 本発明は、チャンネルの先端部に起上台を有する内視鏡と組み合わせて使用される高周波処置具、およびこの高周波処置具を備える内視鏡システムに関する。

背景技術

[0002]
 胆管結石の除去に内視鏡を用いるとき、胆管の出口である十二指腸乳頭が狭いため、そのままでは結石を排出できない場合がある。このような場合、内視鏡に通した、例えば特許文献1および2に示すようなパピロトームなどの内視鏡用処置具によって、乳頭括約筋を切開して、胆管の出口を広げてから結石を引き出している。
 はちまき襞の位置は、十二指腸乳頭の周囲で胆管が伸びる方向に略一致しており、この方向は血管が少なく出血し難いので、一般に、乳頭括約筋は、はちまき襞の方向に切開される。
[0003]
 ここで、胆膵の処置に適した内視鏡では、十二指腸に挿入して内視鏡画像を取得したときに、胆管がほぼ12時方向を向く画像が得られる。この種の内視鏡には、パピロトームを12時方向に上下させることができる起上台が設けられている。
 切開時には、パピロトームの切開部を手元側の操作で張る。切開部がシースから離れて切開部のみが十二指腸乳頭P2に押し付けられる。これによって、切開部と切開される部分の粘膜との間に大きな圧力を生じる。切開部に通電しながら起上台を駆動させると、パピロトームの先端が12時方向に移動して、十二指腸乳頭が切開される。
[0004]
 その一方、胆管が形態的な特徴等を有する場合、十二指腸などの周辺臓器に狭窄がある場合、患者が過去に十二指腸などの周辺臓器に外科手術を受けている場合などは、十二指腸乳頭近辺の胆管の向きが、内視鏡画面の12時方向と異なる場合がある。
 そこで、従来のパピロトームは、内視鏡画面上で12時方向以外の方向でも切開し易くすることを目的とし、手元から回転トルクを伝達するトルク伝達部材を設けている。これにより、パピロトームは、シースの基端側をその軸線周りに回動させる回転トルクをナイフ部分の先端まで伝えられるように構成されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 日本国特開2005-334000号公報
特許文献2 : 米国特許第7371237号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 このような乳頭括約筋の切開に用いられるパピロトームにおいては、胆膵用の内視鏡先端から突出させたときに、ナイフ部分(シース本体の先端部)の向きが自動的に内視鏡画面のほぼ12時方向に向くことが望ましい。
 内視鏡挿入部を患者の口から内視鏡挿入部を挿入して十二指腸乳頭まで到達させ、内視鏡挿入部の基端側から処置具を挿入して内視鏡挿入部の先端から突出させる。このとき、処置具の挿入部は、操作部から処置部までの間の複数箇所で受動的に湾曲する。ここで、処置部の軸周りの回転機能を備える従来のパピロトームでは、操作部の回動操作をナイフ部分の先端まで伝達可能な回転トルクを備えるため、上述のように複数箇所での受動的な湾曲に伴い、ナイフ部分が12時方向と異なる向きに配向される場合があり、ナイフ部分の向きを意図した向きに合わせる操作が煩雑である。
[0007]
 本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、処置部の軸線周りの向きを調整する機能を備えながら、内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通させたシースの先端部が起上台で湾曲された状態で突出したときに、処置部を軸線周りの所定の向きに突出させることができる高周波処置具、およびこの高周波処置具を備える内視鏡システムを提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の第1の態様に係る高周波処置具は、処置具挿通用チャンネルを有し受動的に湾曲可能な受動湾曲部と、前記処置具挿通用チャンネルに挿通される処置具を起上させる起上台と、観察光学系とを有する内視鏡と共に使用される高周波処置具であって、先端領域と基端領域を有して前記内視鏡の前記処置具挿通用チャンネルに挿入可能な外径を有し、前記基端領域において長手軸に沿って延びたルーメンを有するシース本体と、前記シース本体の外周面から突出して前記シース本体の長手軸に沿って延びており、組織を切開可能なワイヤ状の切開部と、前記シース本体に少なくとも一部が固定され、前記シース本体の長手軸に沿って中心軸が延びて前記ルーメン内に挿通され、前記中心軸上で互いに直交する二平面に沿った二方向に曲げる際の曲げ抵抗が異なる異方性抵抗領域を有するワイヤと、を備え、前記シース本体の前記長手軸上に延びる一平面を前記シース本体の基準平面としたとき、前記切開部は、前記基準平面上または前記基準平面に対して傾斜する方向に沿って前記シース本体の外周面から突出し、前記ワイヤの前記異方性抵抗領域の前記二平面のうち前記曲げ抵抗が最も小さい方に沿う平面は、前記基準平面と平行または一致するように、前記ワイヤが前記シース本体に固定されている。
[0009]
 本発明の第2の態様によれば、上記第1の態様の高周波処置具において、前記ワイヤの前記異方性抵抗領域は、前記中心軸上で互いに直交する前記二平面に沿った二方向に曲げ剛性が異なる異方性剛性域であり、前記ワイヤの前記異方性剛性域の前記二平面のうち、前記曲げ剛性が最も低い方向に沿う平面は、前記基準平面と平行または一致するように、前記ワイヤが前記シース本体に固定されていてもよい。
[0010]
 本発明の第3の態様によれば、上記第2の態様の高周波処置具において、前記ワイヤは、複数の素線からなり、前記ワイヤは、前記異方性抵抗領域において、前記基準平面に沿って、前記複数の素線の密度が高い領域と前記複数の素線の密度が低い領域とが並ぶように配置されることにより、前記二平面に沿った二方向における前記ワイヤの前記曲げ抵抗が異なるように構成されていてもよい。
[0011]
 本発明の第4の態様によれば、上記第1の態様の高周波処置具において、前記ワイヤは、前記異方性抵抗領域において、前記二平面に沿った二方向の内の一方向に沿って曲がり癖が付与されていてもよい。
[0012]
 本発明の第5の態様によれば、上記第1の態様の高周波処置具において、前記切開部は、前記基準平面から45度以内の範囲で前記基準平面に対して傾斜する方向に前記シース本体の外周面から突出してもよい。
[0013]
 本発明の第6の態様によれば、上記第1の態様の高周波処置具は、前記先端領域に前記シース本体の外周を覆うように固定されたブレードと、前記ワイヤの基端に取り付けられたハンドルと、を備え、前記ワイヤは、前記ルーメン内で前記中心軸周りに回動可能であり、前記ワイヤの先端は前記ブレードに固定されていてもよい。
[0014]
 本発明の第7の態様によれば、上記第1の態様の高周波処置具において、前記シース本体は、前記先端領域に前記基準平面上で前記シース本体の中心軸が湾曲する湾曲形状への復元力を有するプリカーブ部を備えてもよい。
[0015]
 本発明の第8の態様の内視鏡システムは、請求項1に記載の高周波処置具と、前記シース本体が挿通可能であって、先端部に起上台を有する前記処置具挿通用チャンネルが形成された内視鏡と、を備え、前記シース本体は、前記シース本体の先端部が前記起上台で湾曲される方向と前記基準第一平面とが平行となるように前記処置具挿通用チャンネルに配置される。

発明の効果

[0016]
 上記各態様の高周波処置具および内視鏡システムによれば、内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通させたシース本体の先端部が起上台で湾曲された状態で突出したときに、シース本体の先端を軸線周りの所定の向きに突出させることができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明の一実施形態に係る高周波処置具を用いた内視鏡システムを示す図であり、一部を断面で示す図である。
[図2] 本発明の一実施形態に係る高周波処置具の側面図であり、一部を破断して示す図である。
[図3] 本発明の一実施形態に係る高周波処置具の斜視図であり、内部構造の一部を示す図である。
[図4] 本発明の一実施形態の高周波処置具の一部を示す斜視図である。
[図5] 図3に示すV-V線における断面図である。
[図6] 図3に示すVI-VI線における断面図である。
[図7] 本発明の一実施形態に係る高周波処置具の切開部を示す斜視図である。
[図8] トルクワイヤの第一構成例を示す模式図である。
[図9] トルクワイヤの第二構成例を示す模式図である。
[図10] トルクワイヤの第三構成例を示す模式図である。
[図11] 図3に示すXI-XI線における断面図である。
[図12] 本発明の一実施形態の高周波処置具の概要を示す側面図である。
[図13] 本発明の一実施形態の内視鏡システムの使用例を示す模式図である。
[図14] 本発明の一実施形態に係る高周波処置具の使用例を示す模式図である。
[図15] 本発明の一実施形態の内視鏡システムの使用例を示す模式図である。
[図16] 本発明の一実施形態の内視鏡システムの使用時の内視鏡画像の一例を示す模式図である。
[図17] 本発明の一実施形態に係る高周波処置具の使用例を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、図1から図17を参照しながら、本発明に係る高周波処置具及び内視鏡システムの一実施形態を高周波処置具がパピロトームである場合を例に説明する。
 図1は、本発明の一実施形態に係るパピロトーム2を用いた内視鏡システム1の一部を断面で示す図である。図2は、本実施形態に係るパピロトーム2の側面図であり、一部を断面で示す図である。図3は、高周波処置具の斜視図であり、内部構造の一部を模式的に示す図である。図4は、高周波処置具の一部を示す斜視図である。
[0019]
 図1に示すように、内視鏡システム1は、パピロトーム2(処置具、高周波処置具)と、内視鏡3とを備えている。パピロトーム2は内視鏡3と組み合わせて使用される。
[0020]
 図1および図2に示すように、パピロトーム2は、シース本体4と、トルクワイヤ5と、切開部6と、ハンドル14と、操作部140と、を備えている。以下の説明において、パピロトーム2のうち、ハンドル14が設けられている側を基端側と称し、切開部6が設けられ、体内に挿入される側を先端側と称する。内視鏡3においても内視鏡操作部170側を基端側と称し、体内に挿入され内視鏡3の撮像部が設けられる側を先端側と称する。
[0021]
 また、以下の説明において、シース本体4の長手軸C4上に延びる一平面をシース本体の基準平面S1と称する。また、シース本体4において、基準平面S1と直交する直交平面S2を境界とする一方の領域を第一領域R1と称し、他方の領域を第二領域R2と称する。
[0022]
 シース本体4は、長手軸C4に沿って複数のルーメンを有する長尺部材である。シース本体4は、先端領域と基端領域を有して内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿入可能な外径を有する。図3及び図4に示すように、シース本体4は、先端シース40と、基端シース41と、複数の接続チューブ16t、17t、18tとを有する。シース本体4はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂で形成されている。
[0023]
 先端シース40は、ガイドワイヤルーメン16dと、ナイフルーメン17dと、送液ルーメン18dとを有するマルチルーメンチューブである。ガイドワイヤルーメン16d、ナイフルーメン17d、及び送液ルーメン18dは、長手軸C4に沿って先端シース40の先端から基端まで延びて形成され、それぞれ先端シース40の先端及び基端に開口している。
[0024]
 先端シース40の先端部の外周面には、ナイフルーメン17dと先端シース40の外周とを連通させる2つの貫通孔17a、17bが長手軸C4方向に離間して形成されている。貫通孔17a、17bは、ナイフルーメン17dの内周面から先端シース40の外周面に向かって、基準平面S1に対して傾斜する方向に沿って形成されている。
[0025]
 先端シース40の基端部には、ブレード7が外装されている。ブレード7は、接着材や熱収縮チューブなどで先端シース40に固定されている。ブレード7は、例えば、細いステンレス線を複数本の束にし、格子状に編んで管状にしたり、ステンレス線やステンレスの帯を1条または多条のコイル状に巻いて管状にしたり、1条または多条のコイルを巻き方向を交互に違えながら多層に巻いて管状にした部材が使用される。
[0026]
 先端シース40は、プリカーブ部43を備えてもよい。プリカーブ部43は基準平面S1に沿って先端シース40が湾曲する湾曲形状への復元力を有する。プリカーブ部43は、貫通孔17a、17bが形成された外周面が湾曲の内側となるように湾曲する。
[0027]
 基端シース41は、ガイドワイヤルーメン16pと、ナイフルーメン17pと、送液ルーメン18pと、トルクワイヤルーメン15とを有するマルチルーメンチューブである。ガイドワイヤルーメン16p、ナイフルーメン17p、送液ルーメン18p、及びトルクワイヤルーメン15は、長手軸C4に沿って基端シース41の先端から基端まで延びており、それぞれ基端シース41の先端及び基端に開口している。
[0028]
 基端シース41には、基端シース41の外周面に長手軸C4に沿ってスリット162(図6参照)が形成されている。基端シース41の基端部には、スリットと接続され、スリット162よりも大きく開口した開口部161が形成されている(図2参照)。基端シース41のガイドワイヤルーメン16pは、スリット162及び開口部161を介して基端シース41の外部と連通している。
[0029]
 先端シース40と基端シース41とは、長手軸C4方向に離間して直列に配置されている。先端シース40と基端シース41との間には複数の接続チューブ16t、17t、18tが設けられている。複数の接続チューブ16t、17t、18tは、先端シース40のガイドワイヤルーメン16d、ナイフルーメン17d及び送液ルーメン18dと、基端シース41のガイドワイヤルーメン16pと、ナイフルーメン17pと、送液ルーメン18pとを、それぞれ接続するチューブである。
[0030]
 次に、先端シース40及び基端シース41における各ルーメンの配置について説明する。図5は、図3に示すV-V線における断面図である。図6は、図3に示すVI-VI線における断面図である。図5及び図6において、基準平面S1は図の上下方向に延びる平面として図示している。図5及び図6において、直交平面S2より上方が第一領域R1であり、下方が第二領域R2である。
[0031]
 図5に示すように、先端シース40では、ガイドワイヤルーメン16dは基準平面S1上の第二領域R2に形成されている。先端シース40において、ガイドワイヤルーメン16dは、基準平面S1上にあればよい。ナイフルーメン17dと送液ルーメン18dとは、第一領域R1に形成されている。ナイフルーメン17dと送液ルーメン18dとは、基準平面S1を間に挟む位置に形成されている。ナイフルーメン17dは、長手軸C4に直交する先端シース40の断面を基端側から見た断面視において、基準平面S1よりも左側に配置する。
[0032]
 図6に示すように、基端シース41では、スリット及び開口部は基準平面S1上に形成されている。ガイドワイヤルーメン16pは、基準平面S1上の第二領域R2に形成されている。トルクワイヤルーメン15は、第一領域R1であって基準平面S1を含む位置に形成されている。トルクワイヤルーメン15は、ルーメンの中心が基準平面S1上あるいは近傍に位置するように形成されることが好ましい。ナイフルーメン17pと送液ルーメン18pとは、直交平面S2近傍であって基準平面S1を挟む位置に形成されている。
[0033]
 ガイドワイヤルーメン16p及びトルクワイヤルーメン15の内径は、ナイフルーメン17p及び送液ルーメン18pの内径より大きい。また、ガイドワイヤルーメン16p及びトルクワイヤルーメン15は基準平面S1の近傍に位置することが好ましい。基端シース41では、ナイフルーメン17p及び送液ルーメン18pの位置は特に限定されず、ガイドワイヤルーメン16p及びトルクワイヤルーメン15からずれて形成されればよい。
[0034]
 図4に示すように、先端シース40のガイドワイヤルーメン16pと基端シース41のガイドワイヤルーメン16dとは、接続チューブ16tで接続されて連通している。先端シース40のナイフルーメン17dと基端シース41のナイフルーメン17pとは、接続チューブ17tで接続されて連通している。先端シース40の送液ルーメン18dと基端シース41の送液ルーメン18pとは、接続チューブ18tで接続されて連通している。
[0035]
 図5及び図6に示すように、先端シース40と基端シース41とでは、ナイフルーメン17p、17d及び送液ルーメン18p、18dの位置が異なる。図4に示すように、ナイフルーメン17p、17d及び送液ルーメン18p、18dは、接続チューブ17t、18tの部分で経路が緩やかに湾曲している。
[0036]
 ガイドワイヤルーメン16pには、ガイドワイヤが挿通される。
[0037]
 ナイフルーメン17p、17dには導電ワイヤ19が挿通されている。導電ワイヤ19は、導電性を有する芯線が適宜の合成樹脂からなる絶縁被膜(不図示)によって被膜されている。図7は、本実施形態の切開部6を示す斜視図である。導電ワイヤ19は、基端側の貫通孔17bにおいてナイフルーメン17dからシース本体4の外側に突出し、長手軸C4に沿って先端側に延設され、先端側の貫通孔17aからナイフルーメン17d内に入り、先端がナイフルーメン17d内に固定されている。導電ワイヤ19のうち、貫通孔17a、17bからシース本体4の外側に露出している部分は、絶縁被膜が被膜されておらず、芯線が露出しており、組織を切開可能なワイヤ状の切開部6を構成する。
[0038]
 切開部6は、貫通孔17a、17bに沿ってシース本体4の外側に突出する。したがって、切開部6は、基準平面S1に対して鋭角に傾斜する方向に沿ってシース本体4の外周面から突出している。
[0039]
 トルクワイヤ5は、単線ワイヤである。本実施形態のトルクワイヤ5は、単線ワイヤを示したが、トルクワイヤ5は複数の素線を束ねたワイヤ等であってもよい。トルクワイヤ5は例えば、ステンレス線やニッケルチタン合金で形成することができる。
[0040]
 トルクワイヤ5は、中心軸C5上で互いに直交する二平面D1、D2に沿った二方向に曲げる際の曲げ抵抗が異なる異方性抵抗領域を少なくとも一部に有する。異方性抵抗領域R5は、図6に示すように、トルクワイヤ5の中心軸C5を通り直交する二方向にトルクワイヤ5を曲げる際の曲げ抵抗が異なる。直交する二方向のうち曲げ抵抗が最も小さい方に沿う平面を第一平面D1と称し、第1平面D1と直交する平面を第2平面D2と称する。
[0041]
 本実施形態では、異方性抵抗領域R5は、トルクワイヤ5の先端から基端側の所定の領域に形成されている。具体的には、異方性抵抗領域R5の基端は、シース本体4の長手軸C4方向において、後述する開口部161の先端位置に等しい位置まで形成されている。異方性抵抗領域R5は、トルクワイヤ5の少なくとも一部に備えればよく、トルクワイヤ5の全長にわたって異方性抵抗領域R5を備えてもよい。また、トルクワイヤ5の少なくとも一部に異方性抵抗領域R5を備える場合は、トルクワイヤ5の先端部を含む領域に形成すると、後述するブレード7との接続部分において、シース本体4の湾曲方向が所望の方向に規制されるため、先端領域RDへの回転トルクの伝達精度を高めることができ、長手軸C4まわりの切開部6の向きをより精度良く調整できるので好ましい。
[0042]
 トルクワイヤ5は、シース本体4の長手軸C4に沿って中心軸C5が延びてトルクワイヤルーメン15内に挿通されている。トルクワイヤ5の先端は基端シース41の先端よりも先端側に延出して先端シース40の基端に固定されている。
[0043]
 図2及び図3に示すように、トルクワイヤ5の先端部は、中心軸C5に直交する断面形状が半円状であり、第二平面D2に沿う方向に平面部51が形成されている。トルクワイヤ5の先端部は、切削あるいは圧縮変形により上記断面形状となるように先端部を形成する方法や、半円状のワイヤをトルクワイヤ5の先端に溶接する方法等により形成されている。
[0044]
 図11は、図3のXI-XI線における断面図である。図11に示すように、トルクワイヤ5の先端部は、平面部51が直交平面S2と平行となるように配置されて、先端シース40の基端部のブレード7に固定されている。図6に示すように、トルクワイヤ5の異方性抵抗領域における第一平面D1は、基準平面S1と平行または一致するように配置された状態で、トルクワイヤ5が先端シース40に固定されている。
 また、トルクワイヤ5は、トルクワイヤ5の中心軸C5上で直交する二平面に曲げる際に異なる曲げ抵抗を有する異方性抵抗領域R5を有する。切開部6を備えたシース本体4の先端部を処置具挿通用チャンネル15から突出させるだけで、内視鏡画像上において切開部6が11時の方向に向くように、中心軸C5上で直交する二平面のうち曲げ抵抗の低い第一平面D1を、基準平面S1に沿わせた状態で、トルクワイヤ5が先端シース40に固定される。なお、プリカーブ部43の湾曲方向とトルクワイヤ5の第一平面D1とが平行になるように、トルクワイヤ5は先端シース40に取り付けられている方が好ましい。
[0045]
 異方性抵抗領域R5を有するトルクワイヤ5の構成例を以下に示す。図8から図10は、トルクワイヤ5の第一構成例から第三構成例を示す模式図である。
[0046]
 図8に示す第一構成例のトルクワイヤ5Aは、トルクワイヤ5Aに所定の曲げ癖が付与されている。トルクワイヤ5Aの中心軸C5上で直交する二平面のうち、第一平面D1に沿ってトルクワイヤ5Aが湾曲するように曲げ癖を付けることによりトルクワイヤ5Aは第一平面D1に沿って曲がり易い。したがって、第一平面D1の曲げ抵抗が第二平面D2の曲げ抵抗よりも低い異方性抵抗領域を形成している。
[0047]
 図9に示す第二構成例のトルクワイヤ5Bは、トルクワイヤ5Bの中心軸C5に直交する断面形状を非真円、すなわち中心軸C5上で直交する二平面D1、D2に沿う方向の直径が異なるように構成する。この結果、第二構成例のトルクワイヤ5Bでは、トルクワイヤ5の異方性抵抗領域R5は、中心軸C5上で互いに直交する二平面D1,D2に沿った二方向に曲げ剛性が異なる異方性剛性域となる。具体的には、トルクワイヤ5Bにおける第二平面D2に沿う方向の直径が第一平面D1に沿う方向の直径よりも長くすることにより、第一平面D1に沿う方向の曲げ剛性が第二平面D2に沿う方向の曲げ剛性よりも低い異方性剛性域(異方性抵抗領域)を形成している。
[0048]
 図10に示す第三構成例のトルクワイヤ5Cは、トルクワイヤ5を複数の素線を束ねたワイヤで構成する例である。第三構成例のトルクワイヤ5Cは、中心軸C5に直交するトルクワイヤ5Cの断面において、一方側の領域に素線を低密度で配置し、他方側の領域に素線を高密度で配置している。つまり、トルクワイヤ5Cは、中心軸C5に直交するトルクワイヤ5Cの断面において、直交する二平面D1、D2に沿った二方向のうちの一方向に沿って、一方側の領域に素線を低密度で配置し、他方側の領域に素線を高密度で配置している。この結果、素線が高密度で配置された領域の方が、素線が低密度で配置された領域に比べて曲がり難くなる。そこで、トルクワイヤ5Cの素線が疎に配置された領域と高密度に配置された領域とが第一平面D1に沿う方向に並ぶように配置すると、第一平面D1に沿う方向にトルクワイヤ5Cの曲げ抵抗の大きさが異なりトルクワイヤ5は素線が疎に配置された領域が湾曲の内側になるように湾曲し易くなる。このように、素線の密度を異ならせることにより、トルクワイヤ5の異方性抵抗領域を形成してもよい。
[0049]
 この他、トルクワイヤ5の異方性抵抗領域は、上記第一構成例から第三構成例を組み合わせて形成してもよい。例えば、第三構成例のように素線の密度配置が異なる複数の素線を束ねたワイヤからなり、かつ、第二構成例のように直交する二方向における直径が異なるトルクワイヤであってもよい。また、第二構成例のように直交する二方向における直径が異なるトルクワイヤにさらに第一構成例のように曲げ癖を付与してもよい。
[0050]
 パピロトーム2は、シース本体4が操作部140からシース本体4の先端部まで長手軸C4が直線上に位置するように配置した状態で、トルクワイヤ5の第一平面D1と、シース本体4の基準平面S1とが平行となり、且つ、トルクワイヤ5の第二平面D2とシース本体4の直交平面S2とが平行となるように配置される。
[0051]
 第一構成例のトルクワイヤ5Aの場合、上述の通り、第一平面D1の曲げ抵抗が第二平面D2の曲げ抵抗よりも低い異方性抵抗領域を形成しており、さらに、第一平面D1に沿ってトルクワイヤ5を曲げる際にも曲げ抵抗に差がある。
 この場合、第一平面D1が基準平面S1と平行となり、且つ、トルクワイヤ5の第二平面D2と直交平面S2とが平行となるように、トルクワイヤ5がシース本体4に固定される。また、第一平面D1に沿って曲げる際に曲げ抵抗が低い方向(曲げ癖による湾曲形状の内側)を基準平面S1のうちガイドワイヤルーメン16d側に向けた状態で、トルクワイヤ5が先端シース40に固定される方が好ましい。本構造を採用することにより、基端シース41が湾曲する際、トルクワイヤ5の曲げ癖の湾曲に沿うように基端シース41が湾曲し易くなる。これにより、切開部6を備えたシース本体4の先端部を処置具挿通用チャンネル15から突出させるだけで、内視鏡画像上において切開部6を11時の方向に向かせ易くなる。なお、第一平面D1に沿って曲げる際に曲げ抵抗が低い方向がプリカーブ部43のプリカーブと逆向きになるようにトルクワイヤ5を先端シース40に固定する方が好ましい。
[0052]
 第二構成例のトルクワイヤ5Bの場合、トルクワイヤ5の異方性剛性域R5の二平面D1、D2のうち、曲げ剛性が最も低い方向に沿う第一平面D1は、基準平面S1と平行または一致するように、トルクワイヤ5がシース本体4に固定される。
[0053]
 第三構成例のトルクワイヤ5Cの場合、上述の通り、第一平面D1に沿う方向にトルクワイヤ5Cの曲げ抵抗の大きさが異なる。この場合も、第一構成例と同様に、第一平面D1が基準平面S1と平行となり、且つ、トルクワイヤ5Cの第二平面D2と直交平面S2とが平行となるように、トルクワイヤ5Cがシース本体4に固定される。また、第一平面D1に沿って曲げる際に曲げ抵抗が低い方向(素線密度が疎の領域)を基準平面S1のうちガイドワイヤルーメン16d側に向けた状態で、トルクワイヤ5Cが先端シース40に固定される方が好ましい。本構造を採用することにより、基端シース41が湾曲する際、トルクワイヤ5Cは素線が疎に配置された領域が湾曲の内側になるように基端シース41が湾曲し易くなる。これにより、切開部6を備えたシース本体4の先端部を処置具挿通用チャンネル15から突出させるだけで、内視鏡画像上において切開部6を11時の方向に向かせ易くなる。なお、第一平面D1に沿って曲げる際に曲げ抵抗が低い方向がプリカーブ部43のプリカーブと逆向きになるようにトルクワイヤ5Cを先端シース40に固定する方が好ましい。
[0054]
 図2に示すように、シース本体4の長手軸C4方向において、トルクワイヤ5が配置されている領域を基端領域RPと称し、先端シース40の基端部とトルクワイヤ5の先端部との固定部よりも先端側の領域を先端領域RDと称する。
[0055]
 トルクワイヤ5の基端には、トルクワイヤ5よりも大径のハンドル14が固定されている。トルクワイヤ5は、トルクワイヤルーメン15には挿通されているのみであり、基端シース41とは連結されていない。したがって、トルクワイヤ5は、図2及び図3に矢印A1で示すように、中心軸C5まわりにハンドル14を回転操作することにより、トルクワイヤルーメン15に対して、中心軸C5周りに相対回転可能に挿通されている。一方、トルクワイヤ5の先端は、先端シース40に固定されているため、ハンドル14を中心軸C5周り(図3に示す矢印A1方向)に回転操作すると、トルクワイヤ5を介して回転トルクが伝達されて先端シース40が基端シース41に対して長手軸C4周り(図3に示す矢印A2方向)に回動可能である。
[0056]
 図2及び図3に示すように、先端シース40と基端シース41とが複数の接続チューブ16t、17t、18t及びトルクワイヤ5を介して接続され、先端シース40の先端部から基端シース41の先端部までの領域は被覆チューブ11により覆われている。
[0057]
 図1から図3に示すように、操作部140は、基端シース41の基端側に設けられている。図1に示すように、操作部140は、操作部本体141と、ハンドルシャフト142と、スライダ143とを有している。操作部本体141は、基端シース41の基端部に取付けられている。ハンドルシャフト142は、操作部本体141に先端が取付けられた棒状の部材である。スライダ143は、ハンドルシャフト142に対してスライド可能に設けられている。
 操作部本体141には送液ルーメン18pに連通する送液口金145が設けられている。送液口金145には、不図示のシリンジが着脱可能である。
[0058]
 ハンドルシャフト142の基端部には、リング142aが取付けられている。
 スライダ143には、導電ワイヤ19に電気的に接続された端子143aが設けられている。端子143aは、外部の高周波電源に接続可能である。スライダ143には、ハンドルシャフト142を挟むように一対のリング143b、143cが取付けられている。
[0059]
 ハンドルシャフト142に対してスライダ143を先端側に移動させる(押込む)ことで切開部6を直線状にするとともに先端シース40の外周面に切開部6を沿わせた状態にできる。ハンドルシャフト142に対してスライダ143を基端側に移動させる(引戻す)ことで先端シース40が相対的に湾曲して、切開部6が張った状態にできる(図12参照)。
[0060]
 図1に示すように、内視鏡3は、内視鏡挿入部150の基端に内視鏡操作部170が設けられた側視タイプの公知の内視鏡を用いることができる。内視鏡挿入部150は、受動湾曲部158と、湾曲部157と、先端硬質部156とを備える。受動湾曲部158は、外力を受けて受動的に湾曲可能な可撓性を有する。内視鏡挿入部150は、全長にわたって長手軸方向に沿って延びる処置具挿通用チャンネル151を有する。処置具挿通用チャンネル151には、パピロトーム2が挿通される。
[0061]
 先端硬質部156の先端開口156a近傍の処置具挿通用チャンネル151内には起上台61が設けられている。起上台61の先端部には操作ワイヤ62が接続されていて、操作ワイヤ62の基端部は内視鏡挿入部150を通して内視鏡操作部170に接続されている。操作ワイヤ62は図1のみに示している。起上台61は、処置具挿通用チャンネル151に挿通されるパピロトーム2を起上させる。
[0062]
 先端開口156aの縁部には、照明ユニット156bと、不図示のCCDなどからなる観察ユニット156c(観察光学系)とが外部に露出した状態で設けられている。照明ユニット156bおよび観察ユニット156cは、不図示の配線により内視鏡操作部170に接続されている。
[0063]
 パピロトーム2を使用した手技を説明する。
 以下の手技では、術者U2と術者U2の作業を補助する補助者U1とが使用者として内視鏡システム1を使用する。補助者U1は、パピロトーム2の操作部140を把持し、術者U2は、内視鏡操作部170及びパピロトーム2のシース本体4の一部を保持する。術者U2は、モニタに表示された画像を確認しながら、必要に応じてノブ171を操作して、湾曲部157を湾曲させつつ患者Pの口から内視鏡3の内視鏡挿入部150を挿入する。このとき、図13に示すように、患者Pは、診察台200上に伏臥位で顔を右に向けて横たわっている。
[0064]
 シース本体4が鉗子栓173に挿通され、開口部161が鉗子栓173よりも基端側に位置するように配置する。
 図17に示すように、ガイドワイヤWを内視鏡3の鉗子栓173の貫通孔を通して処置具挿通用チャンネル151に挿通する。このガイドワイヤWを、十二指腸P1を通して胆管P3内に導入しておく。
 パピロトーム2のガイドワイヤルーメン16dの先端にガイドワイヤWの基端部を挿通し、ガイドワイヤWをシース本体4の開口部161から外部に引出す。鉗子栓173の貫通孔を通して処置具挿通用チャンネル151に、パピロトーム2のシース本体4を挿入させる。
[0065]
 鉗子栓173にシース本体4が挿通されると、鉗子栓173の弁とシース本体4との間に摩擦力が作用し、鉗子栓173とシース本体4とがほぼ水密に封止される。
[0066]
 内視鏡挿入部150が患者Pの口から処置対象部位である胆管P3近傍に到達すると、パピロトーム2のシース本体4及び内視鏡挿入部150の受動湾曲部158は、複数箇所で湾曲する。具体的には、図13及び図14に示すように、第1湾曲部B1から第6湾曲部で湾曲する。第1湾曲部は、パピロトーム2が内視鏡3の鉗子栓173に挿入されて、術者U2が保持する部分である。第2湾曲部B2は、術者U2による内視鏡操作部170の保持位置から下垂した内視鏡挿入部150が診察台200の上面近傍に達し、患者Pの口に向かって湾曲する部分である。第3湾曲部B3は、患者Pの喉に沿って湾曲する部分である。第4湾曲部B4及び第5湾曲部は、患者Pの胃Stを通過する際に湾曲する部分である。第6湾曲部B6は、パピロトーム2の先端部において、内視鏡3の起上台61により起上されて湾曲する部分である。
[0067]
 診察台200上をx-y平面とし、診察台200の鉛直方向をz方向とする。第1湾曲部B1および第2湾曲部B2は、図9に示すz方向の成分を含む湾曲である。第2湾曲部B2よりも先端側の内視鏡挿入部150及びシース本体4は、診察台200の上面(図13に示すx-y平面)と略平行に延びる。したがって、内視鏡挿入部150の第3湾曲部B3、第4湾曲部B4、及び第5湾曲部B5は、x-y平面に沿って湾曲する。このとき、シース本体4は内視鏡挿入部150の湾曲により力が加わり受動的に湾曲する。シース本体4の基端領域RPは、基準平面S1に沿って湾曲し易いように構成されている。その結果、シース本体4の基端領域RPが位置する内視鏡挿入部150の第3湾曲部B3、第4湾曲部B4、ならびに第5湾曲部B5のいずれかに基端シース41が位置する状態において、基準平面S1がx-y平面に略平行となるように、処置具挿通用チャンネル151内でシース本体4が長手軸C4周りに回転する。その結果、シース本体4の上記構成により、処置具挿通用チャンネル151から突出したシース本体4の先端の長手軸C4周りの向きが、所定の方向を向くように突出させることができる。この結果、起上台61で湾曲される第6湾曲部B6を、容易に所定の方向に向かせることができる。
[0068]
 術者U2は、内視鏡3の処置具挿通用チャンネル151に挿入するシース本体4の挿入量を調整して、パピロトーム2を処置具挿通用チャンネル151からシース本体4の先端を突出させる。
[0069]
 トルクワイヤ5の第一平面D1がプリカーブ部43の湾曲方向に沿うように、トルクワイヤ5は先端シース40に取り付けられている。具体的には、上記の第1構成例及び第3構成例で示したように、第一平面D1に沿ってトルクワイヤ5を曲げる際の曲げ抵抗に差がある場合、曲げ抵抗が最も低い方向をプリカーブ部43のプリカーブと逆向きになるようにトルクワイヤ5を先端シース40に固定する。この構成により、シース本体4を直交平面S2に沿って見たときに、シース本体4は、基端領域RPと先端領域RDとが逆方向に湾曲したS字形状に湾曲し易いように構成されている。この構成により、シース本体4のプリカーブ部43のプリカーブの方向に沿ってトルクワイヤ5が第一平面D1に沿って曲がり、切開部6が十二指腸乳頭P2に挿入しやすくなる。
[0070]
 このように構成することにより、シース本体4を処置具挿通用チャンネル151に挿入する経路において、切開部6が位置する部分と、胃Stのカーブに沿って湾曲する第4湾曲部B4及び第5湾曲部B5に沿って配置可能である。このとき、プリカーブ部43とトルクワイヤ5とは基準平面S1に沿って湾曲するため、診察台200のx-y平面と略平行な面上に基準平面S1が位置するように配置され、シース本体4を円滑に湾曲させることができる。また、シース本体4の先端部が基準平面S1上で起上台61により湾曲される。その結果、内視鏡画像では、基準平面S1が概ね12時の方向に重畳するようにシース本体4の先端部が位置した状態でシース本体4の先端を突出させることができる。このとき、基準平面S1に対して鋭角に傾斜する方向に突出している切開部6が11時の方向に向いた状態でシース本体4の先端部を突出させることができる。
[0071]
 その後、シース本体4の先端を十二指腸乳頭P2に挿入する。例えば、胆管と膵管との分岐点等において、切開部6の向きを処置対象部位に位置合わせする場合、ハンドル14を中心軸C5周りに回転操作して、切開部6の向きを調整する。
[0072]
 術者U2は、表示部に表示された画像で、はちまき襞P4の位置を確認して切開する方向を決定するとともに、現在の切開部6の向きを確認する。そして、切開すべき方向を図16に示す矢印E1に示す12時方向と決定し、ハンドル14を中心軸C5周りに回転操作して切開部6の向きを確認する。このとき、パピロトーム2は、異方性抵抗領域R5を有するトルクワイヤ5を備えるので、起上台61でシース本体4の先端部を湾曲させると、シース本体4の先端は、基準平面S1が図16に矢印E1で示す12時方向に重畳するように向いた状態で突出させることができる。
[0073]
 患者Pのはちまき襞P4の位置が、表示部に表示された画像の12時の方向とずれている場合、術者U2は、以下に説明するように切開部6の向きを11時方向(図16に示す矢印E2方向)に変える。
[0074]
 まず、レバー72を操作して起上台61を完全に起上させ、シース本体4を、完全に起上した起上台61と処置具挿通用チャンネル151の内周面との間で挟持する。
 補助者U1は、ハンドル14を長手軸C4周りに回動させることで、先端シース40の基端側において、トルクワイヤ5を周方向の一方側に回動させる。
[0075]
 回転トルクはシース本体4のトルクワイヤルーメン15に挿通されたトルクワイヤ5を介してブレード7に伝達され、先端領域RDに伝わる。これにより、補助者U1が操作部140で入力した回転トルクがトルクワイヤ5を介してシース本体4の先端領域RDに伝達して、シース本体4が長手軸C4周りに回動する。
 このとき、基端領域RPの先端が先端領域RDの基端側と接続されているため、先端領域RDから基端領域RPにも回転トルクが伝わる。しかし、シース本体4はトルクワイヤ5よりも回転トルクの伝達力が低くねじれやすい材料でできているため、基端領域RPの先端に加わった回転トルクは、シース本体4がねじれることで吸収される。
[0076]
 補助者U1は、ハンドル14を回動させてトルクワイヤ5を介してシース本体4に回転トルクを作用させつつ、シース本体4の先端部の長手軸C4周りの向きを、内視鏡3の表示部に表示された画像で観察しながら、切開部6の向きを11時方向E2に位置合わせする。このように、患者の個人差などにより、切開すべき方向が12時方向とは異なる場合にも、切開部6の向きを調整することができる。
[0077]
 次に、切開部6の向きが所望の向き、すなわち11時方向E2になったときに、図2に示すようにトルクワイヤ5の基端側において、ハンドル14を周方向に回動させて、被挟持部13よりも基端側に作用する回転トルクを解除する。
[0078]
 次に。レバー72を操作して起上台61を倒す。パピロトーム2の端子を高周波電源に接続する。操作部140のリング42a、43b、43cに指を適宜入れて操作部140を把持し、スライダ143を引戻して切開部6を張る。
[0079]
 高周波電源から高周波電流を流し、レバー72を操作して起上台61を起上させたり倒したりしてシース本体4の先端を首振り動作させる。切開部6が接触する十二指腸乳頭P2の組織に高周波電流と切開部6の張力による圧力が加わって、十二指腸乳頭P2が切開される。例えば、表示部の画像により必要な切開量に達したことが確認できたら、高周波電流の通電を停止させる。
[0080]
 十二指腸乳頭P2の切開が完了したら、スライダ143を押込んでシース本体4の先端部に切開部6を沿わせてから、パピロトーム2を抜去する。このとき、パピロトーム2の代わりに不図示のバスケット鉗子などを挿入する。バスケット鉗子は、切開された十二指腸乳頭P2から胆管P3に挿入され、結石を捕捉する。結石が大きいときは破砕し、結石が小さいときはそのまま胆管P3から排出する。結石を排出したら、バスケット鉗子および内視鏡3を体内から抜去する。
[0081]
 以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
 例えば、上記実施形態では、シース本体に3つまたは4つのルーメンが形成されているとしたが、これらには少なくとも1つのルーメンが形成されていればよい。
[0082]
 高周波処置具がパピロトームである例を示したが、高周波処置具はこれに限られない。例えば、シース本体4の先端にL字状の高周波ナイフが設けられた高周波処置具であっても高周波ナイフを、シース本体4の長手軸C4周りの所望の向きに正確に向かせることができる。
[0083]
 上記実施形態では、先端シース40にプリカーブ部43を備える例を示したが、本発明においてプリカーブ部は必須の構成ではない。また、上記実施形態では、プリカーブ部43が基準平面S1上で湾曲する例を示したが、本発明の必須の構成ではない。
[0084]
 上記実施形態では、切開部6は、基準平面S1に対して傾斜する方向にシース本体4の外周面から突出している例を示したが、切開部は、基準平面S1に沿う方向にシース本体4の外周面から突出してもよい。
[0085]
 上記実施形態では、基準平面S1に対して傾斜する方向に突出している切開部6が11時の方向に向いた状態でシース本体4の先端部を突出させる例を示したが、切開部6の突出方向はこれに限定されない。切開部6は、基準平面S1から45度以内の範囲で基準平面S1に対して傾斜する方向にシース本体4の外周面から突出する構成であればよい。この構成により、基準平面S1を介して、シース本体4及びトルクワイヤの曲げ方向と、切開部6のシース本体4からの突出方向とを位置合わせして、使用時における切開部6の向きを精度よく調整できる。

産業上の利用可能性

[0086]
 上記各実施形態の高周波処置具および内視鏡システムによれば、内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通させたシース本体の先端部が起上台で湾曲された状態で突出したときに、シース本体の先端部を軸線周りの所定の向きに精度良く突出させることができる。

符号の説明

[0087]
 1 内視鏡システム
 2 パピロトーム(高周波処置具)
 3 内視鏡
 4 シース本体
 5 トルクワイヤ
 6 切開部
 7 ブレード
 14 ハンドル
 15 トルクワイヤルーメン
 140 操作部
 151 チャンネル(処置具挿通用チャンネル)
 RD 先端領域
 RP 基端領域
 R5 異方性抵抗領域

請求の範囲

[請求項1]
 処置具挿通用チャンネルを有し受動的に湾曲可能な受動湾曲部と、前記処置具挿通用チャンネルに挿通される処置具を起上させる起上台と、観察光学系とを有する内視鏡と共に使用される高周波処置具であって、
 先端領域と基端領域を有して前記内視鏡の前記処置具挿通用チャンネルに挿入可能な外径を有し、前記基端領域において長手軸に沿って延びたルーメンを有するシース本体と、
 前記シース本体の外周面から突出して前記シース本体の長手軸に沿って延びており、組織を切開可能なワイヤ状の切開部と、
 前記シース本体に少なくとも一部が固定され、前記シース本体の長手軸に沿って中心軸が延びて前記ルーメン内に挿通され、前記中心軸上で互いに直交する二平面に沿った二方向に曲げる際の曲げ抵抗が異なる異方性抵抗領域を有するワイヤと、
 を備え、
 前記シース本体の前記長手軸上に延びる一平面を前記シース本体の基準平面としたとき、前記切開部は、前記基準平面上または前記基準平面に対して傾斜する方向に沿って前記シース本体の外周面から突出し、
 前記ワイヤの前記異方性抵抗領域の前記二平面のうち前記曲げ抵抗が最も小さい方に沿う平面は、前記基準平面と平行または一致するように、前記ワイヤが前記シース本体に固定されている
高周波処置具。
[請求項2]
 前記ワイヤの前記異方性抵抗領域は、前記中心軸上で互いに直交する前記二平面に沿った二方向に曲げ剛性が異なる異方性剛性域であり、
 前記ワイヤの前記異方性剛性域の前記二平面のうち、前記曲げ剛性が最も低い方向に沿う平面は、前記基準平面と平行または一致するように、前記ワイヤが前記シース本体に固定されている
 請求項1に記載の高周波処置具。
[請求項3]
 前記ワイヤは、複数の素線からなり、
 前記ワイヤは、前記異方性抵抗領域において、前記基準平面に沿って、前記複数の素線の密度が高い領域と前記複数の素線の密度が低い領域とが並ぶように配置されることにより、前記二平面に沿った二方向における前記ワイヤの前記曲げ抵抗が異なるように構成されている
 請求項2に記載の高周波処置具。
[請求項4]
 前記ワイヤは、前記異方性抵抗領域において、前記二平面に沿った二方向の内の一方向に沿って曲がり癖が付与されている
 請求項1に記載の高周波処置具。
[請求項5]
 前記切開部は、前記基準平面から45度以内の範囲で前記基準平面に対して傾斜する方向に前記シース本体の外周面から突出する
 請求項1に記載の高周波処置具。
[請求項6]
 前記先端領域に前記シース本体の外周を覆うように固定されたブレードと、
 前記ワイヤの基端に取り付けられたハンドルと、を備え、
 前記ワイヤは、前記ルーメン内で前記中心軸周りに回動可能であり、
 前記ワイヤの先端は前記ブレードに固定されている
 請求項1に記載の高周波処置具。
[請求項7]
 前記シース本体は、前記先端領域に前記基準平面上で前記シース本体の中心軸が湾曲する湾曲形状への復元力を有するプリカーブ部を備える
 請求項1に記載の高周波処置具。
[請求項8]
 請求項1に記載の高周波処置具と、
 前記シース本体が挿通可能であって、先端部に起上台を有する前記処置具挿通用チャンネルが形成された内視鏡と、
 を備え、
 前記シース本体は、前記シース本体の先端部が前記起上台で湾曲される方向と前記基準平面とが平行となるように前記処置具挿通用チャンネルに配置される内視鏡システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]