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1. (WO2019044396) VEHICULAR CONTROL DEVICE AND VEHICULAR CONTROL METHOD
Document

明 細 書

発明の名称 車両の制御装置及び車両の制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

0003   0004   0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5A   5B   6A   6B  

明 細 書

発明の名称 : 車両の制御装置及び車両の制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 JP2001-208191Aには、エンジン、遊星歯車装置で構成された前後進切換装置、無段変速機をこの順に設けた車両が開示されている。この車両では、入力部材回転速度センサで無段変速機の入力側可変プーリの回転速度を検出し、タービン回転速度センサで前後進切換装置の複数の回転要素のうちエンジンに連結される回転要素の回転速度を検出する。

発明の概要

[0003]
 回転センサは、回転速度の大きさつまり絶対値を検出するが、回転速度の正負つまり回転方向を検出しない。このため、上述したような構成の車両では、無段変速機の入力側可変プーリの回転速度の正負を判断できずに、正負を誤った制御が行われる虞がある。
[0004]
 本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、遊星歯車機構の所定の回転要素につき、回転センサを利用した回転方向の判定を可能にする車両の制御装置及び車両の制御方法を提供することを目的とする。
[0005]
 本発明のある態様の車両の制御装置は、走行用駆動源からの動力が入力される第1回転要素と、駆動輪に動力を伝達する第2回転要素と、ブレーキに接続する第3回転要素と、を有する遊星歯車機構と、前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素のうち2つの回転要素を係合させるクラッチと、前記第1回転要素の回転速度を検出する第1回転センサと、前記第2回転要素の回転速度を検出する第2回転センサと、前記第3回転要素の回転速度を検出する第3回転センサと、を有する車両で制御を行う車両の制御装置であって、前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素の回転速度それぞれに基づき、前記第2回転要素の回転方向を判定する制御を行う制御部、を有する。
[0006]
 本発明の別の態様によれば、走行用駆動源からの動力が入力される第1回転要素と駆動輪に動力を伝達する第2回転要素とブレーキに接続する第3回転要素とを有する遊星歯車機構と、前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素のうち2つの回転要素を係合させるクラッチと、前記第1回転要素の回転速度を検出する第1回転センサと、前記第2回転要素の回転速度を検出する第2回転センサと、前記第3回転要素の回転速度を検出する第3回転センサと、を有する車両で行われる車両の制御方法であって、前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素の回転速度それぞれに基づき、前記第2回転要素の回転方向を判定すること、を含む車両の制御方法が提供される。
[0007]
 これらの態様によれば、遊星歯車機構の各回転要素の回転速度を用いた判定を行う。このため、遊星歯車機構の所定の回転要素、つまり駆動輪に動力を伝達する第2回転要素につき、遊星歯車機構の3つの回転要素の回転速度が一直線上に示されるという共線図の関係に照らし、回転センサを利用した回転方向の判定が可能になる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、車両の要部を示す図である。
[図2] 図2は、実施形態の制御の一例をフローチャートで示す図である。
[図3] 図3は、容量係数と速度比との関係を示すマップデータの模式図である。
[図4] 図4は、共線図の関係を利用した期待値の演算方法の説明図である。
[図5A] 図5Aは、タイミングチャートの第1の例の第1図である。
[図5B] 図5Bは、タイミングチャートの第1の例の第2図である。
[図6A] 図6Aは、タイミングチャートの第2の例の第1図である。
[図6B] 図6Bは、タイミングチャートの第2の例の第2図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[0010]
 図1は、車両の要部を示す図である。車両は、エンジンENGと、無段変速機TMと、駆動輪DWと、を備える。
[0011]
 エンジンENGは、車両の走行用駆動源を構成する。無段変速機TMは、ベルト式の無段変速機であり、トルクコンバータTCと、前後進切替機構SWMと、バリエータVAと、を有する。エンジンENGの動力は、トルクコンバータTC、前後進切替機構SWM、バリエータVAを介して駆動輪DWへと伝達される。換言すれば、トルクコンバータTC、前後進切替機構SWM、バリエータVAは、エンジンENGと駆動輪DWとを結ぶ動力伝達経路に設けられる。
[0012]
 トルクコンバータTCは、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータTCでは、ロックアップクラッチLUを締結することで、動力伝達効率が高められる。トルクコンバータTCは、エンジンENGと後述するサンギヤSとを結ぶ動力伝達経路上に設けられた流体伝動装置を構成する。
[0013]
 前後進切替機構SWMは、エンジンENGとバリエータVAとを結ぶ動力伝達経路に設けられる。前後進切替機構SWMは、入力される回転の回転方向を切り替えることで車両の前後進を切り替える。前後進切替機構SWMは、Dレンジつまり前進レンジ選択の際に係合される前進クラッチFWD/Cと、Rレンジつまりリバースレンジ選択の際に係合される後退ブレーキREV/Bと、を備える。前進クラッチFWD/C及び後退ブレーキREV/Bを解放すると、無段変速機TMはニュートラル状態つまり動力遮断状態になる。
[0014]
 前後進切替機構SWMは具体的には、前進クラッチFWD/C及び後退ブレーキREV/Bのほか、遊星歯車機構PGMを有して構成される。遊星歯車機構PGMは、ダブルピニオン式の遊星歯車機構であり、複数の回転要素であるサンギヤS、キャリアC、リングギヤRと、第1プラネタリピニオンP1と、第2プラネタリピニオンP2とを有する。
[0015]
 サンギヤSは、前後進切替機構SWMの入力軸に結合される。サンギヤSは、エンジンENGからの動力が入力される第1回転要素を構成する。第1プラネタリピニオンP1は、サンギヤSと噛み合い、第2プラネタリピニオンP2は、第1プラネタリピニオンP1と噛み合う。キャリアCは、前後進切替機構SWMの出力軸に結合され、第1プラネタリピニオンP1と第2プラネタリピニオンP2とを回転可能に支持する。キャリアCは、駆動輪DWに動力を伝達する第2回転要素を構成する。
[0016]
 リングギヤRは、第2プラネタリピニオンP2と噛み合う。リングギヤRには後進ブレーキREV/Bが設けられ、リングギヤRは、後進ブレーキREV/Bによって前後進切替機構SWMの固定部材FMに固定される。固定部材FMは例えば、前後進切替機構SWMのケースである。リングギヤRは、後進ブレーキREV/Bに接続する第3回転要素を構成する。
[0017]
 リングギヤRに対しては、リングギヤRの回転速度Nrを検出する回転センサ3が設けられる。言い換えれば、回転センサ3は、リングギヤRを回転速度の検出対象として設けられる。リングギヤRを回転速度の検出対象とすることは例えば、リングギヤRと同速回転する部材等を回転速度の検出対象とすることや、リングギヤRと歯車列等を介して機械的に動力伝達可能なままの状態にされる部材等を回転速度の検出対象とすることを含む。
[0018]
 回転センサ3は、磁気式の回転センサであり、リングギヤRにリング状に設けられ着磁された複数の検出歯それぞれから出る磁束をパルスとして検出する。回転センサ3によって単位時間あたりに検出されるパルスの数は、回転速度Nrによって異なってくる。このため、回転センサ3はパルスを検出することで、回転速度Nrを検出することができる。回転センサ3は、第3回転センサに相当する。
[0019]
 回転センサ3がリングギヤRに対して設けられる理由は、次の通りである。すなわち、前後進切替機構SWMの内径側に位置するサンギヤSに対して回転センサを設けることは、無段変速機TMの小型化、軽量化に影響し得る。換言すれば、無段変速機TMの小型化、軽量化のためには、サンギヤSに対し回転センサを設けることができない場合がある。
[0020]
 このため、本実施形態では、前後進切替機構SWMの外径側に位置し、回転センサの設置自由度が高いリングギヤRに対して回転センサ3が設けられる。
[0021]
 バリエータVAは、プライマリプーリPRIと、セカンダリプーリSECと、プライマリプーリPRI及びセカンダリプーリSECに巻き掛けられたベルトBLTと、を有するベルト式無段変速機構を構成する。プライマリプーリPRIにはプライマリ圧Ppriが、セカンダリプーリSECにはセカンダリ圧Psecが、後述する油圧制御回路12からそれぞれ供給される。
[0022]
 プライマリプーリPRIは、キャリアCと連結する。プライマリプーリPRIに対しては、PRI回転センサ2が設けられる。PRI回転センサ2は、プライマリプーリPRIの入力側回転速度である回転速度Npriを検出する。回転速度Npriは具体的には、プライマリプーリPRIの回転速度である。PRI回転センサ2には回転センサ3と同様、磁気式の回転センサが用いられる。PRI回転センサ2は第2回転センサに相当する。
[0023]
 無段変速機TMは、コントローラ11と油圧制御回路12とをさらに有する。
[0024]
 コントローラ11は、無段変速機TMを制御する。コントローラ11には例えば、回転速度Neを検出するエンジン回転センサ1、PRI回転センサ2、回転センサ3、セレクトレバー20の操作位置、換言すれば選択されたシフトポジションを検出するインヒビタスイッチ4、エンジンENGを始動するためのイグニッションスイッチ5等からの信号が入力される。選択されたシフトポジションは具体的には、選択レンジである。
[0025]
 コントローラ11にはこのほか、車速VSPを検出する車速センサ、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ、プライマリ圧Ppriを検出するプライマリ圧センサ、セカンダリ圧Psecを検出するセカンダリ圧センサ、セカンダリプーリSECの出力側回転速度である回転速度Nsecを検出するSEC回転センサ、無段変速機TMの油温T OILを検出する油温センサ等からの信号も入力される。回転速度Nsecは具体的には、セカンダリプーリSECの回転速度である。
[0026]
 コントローラ11は、これらの信号に基づき無段変速機TMを制御する。具体的にはコントローラ11は、これらの信号に基づき油圧制御回路12を制御する。油圧制御回路12は、コントローラ11からの指示に基づき、ロックアップクラッチLU、前進クラッチFWD/C、後退ブレーキREV/B、プライマリプーリPRI、セカンダリプーリSEC等の油圧制御を行う。油圧制御回路12には例えば、エンジンENGの動力により駆動されるオイルポンプから油が供給される。コントローラ11には、エンジンENG制御用のコントローラなど、他のコントローラを介してセンサ、スイッチからの信号が入力されてもよい。
[0027]
 ところで、PRI回転センサ2等の回転センサは、回転速度の大きさつまり絶対値を検出するが、回転速度の正負つまり回転方向を検出しない。このため、回転速度Npriの正負を判断できずに、正負を誤った制御が行われることが懸念される。
[0028]
 このような事情に鑑み、本実施形態ではコントローラ11が次に説明する制御を行う。
[0029]
 図2は、コントローラ11が行う制御の一例をフローチャートで示す図である。コントローラ11は、本フローチャートの処理を行うように構成されることで、制御部を有した構成とされる。
[0030]
 ステップS1で、コントローラ11は、無段変速機TMがニュートラル状態か否かを判定する。ステップS1で否定判定であれば、本フローチャートの処理は一旦終了する。
[0031]
 すなわち、この例では無段変速機TMがニュートラル状態でなければ、回転速度Npriの正負を判断せず、無段変速機TMがニュートラル状態のときに、回転速度Npriの正負を判断する。回転速度Npriの正負は、エンジンENGの回転駆動方向を正転方向とした正負とすることができる。但し、例えばDレンジ選択状態、Rレンジ選択状態で回転速度Npriの正負を判断することも可能である。ステップS1で肯定判定であれば、処理はステップS2に進む。
[0032]
 ステップS2で、コントローラ11は、ロックアップクラッチLUがロックアップ状態か、つまり完全締結状態か否かを判定する。ステップS2で否定判定であれば、処理はステップS3に進む。ステップS3からステップS6では、トルクコンバータTCのタービンの回転速度Ntを推定するための処理が行われる。
[0033]
 ステップS3で、コントローラ11は、トルクコンバータTCへの入力トルクTinを推定する。入力トルクTinは例えば、エンジンENGの出力トルクから補機負荷、イナーシャトルクを差し引いて推定することができる。入力トルクTinは、トルクコンバータTCの出力トルクに基づき推定されてもよい。出力トルクには、ロックアップクラッチLUの伝達トルク容量、引きずり量等に基づき算出したものを用いることができる。
[0034]
 ステップS4で、コントローラ11は、トルクコンバータTCの容量係数τを推定する。容量係数τは、次の数1により求めることができる。
[数1]
 容量係数τ=入力トルクTin/回転速度Ne 2
[0035]
 ステップS5で、コントローラ11は、容量係数τに基づきトルクコンバータTCの速度比Veを推定する。容量係数τと速度比Veとの関係は実験的に求められ、図3に模式的に示すマップデータで予め設定されている。
[0036]
 ステップS6で、コントローラ11は回転速度Ntを推定する。回転速度Ntは、次の数2により求めることができる。
[数2]
 回転速度Nt=速度比Ve×回転速度Ne
[0037]
 ステップS2で肯定判定であれば、処理はステップS7に進む。この場合、コントローラ11は、回転速度Ntが回転速度Neであると推定する。ステップS7の後には、処理はステップS8に進む。ステップS6の後にも、処理はステップS8に進む。
[0038]
 ステップS8で、コントローラ11は、回転速度Nrの期待値Nr_Eを演算する。ステップS8では具体的には、期待値Nr_Eとして、以下で説明する期待値Nr_E1が演算される。期待値Nr_Eは、遊星歯車機構PGMの共線図に基づき算出される。
[0039]
 図4は、共線図の関係を利用した期待値Nr_Eの演算方法の説明図である。遊星歯車機構PGMの共線図は、縦軸に回転速度、横軸に遊星歯車機構PGMのサンギヤS、リングギヤR、キャリアCを配置した図である。横軸上に示されるサンギヤSとキャリアCとの距離を1とした場合、キャリアCとリングギヤRとの距離αはサンギヤSの歯数ZSをリングギヤRの歯数ZRで割った大きさとされる。
[0040]
 期待値Nr_Eは、プライマリプーリPRI正転判定用の期待値Nr_Eである期待値Nr_E1を含む。期待値Nr_E1は換言すれば、回転速度Npriが正であった場合に期待される回転速度Nrである。このため、期待値Nr_E1は共線図において、回転速度Npriを正と仮定した場合の共線L1に含まれる。また、共線図からは、共線L1上に斜辺を有し、底辺が1及びαとなる大小2つの直角三角形の相似関係に基づき、次の数3が得られる。
[数3]
 期待値Nr_E1=|回転速度Ntの推定値|×α+|回転速度Npriのセンサ値|×(1-α)
[0041]
 したがって、期待値Nr_E1については、数3によって演算が可能である。
[0042]
 期待値Nr_Eは、プライマリプーリPRI逆転判定用の期待値Nr_Eである期待値Nr_E2をさらに含む。期待値Nr_E2は換言すれば、回転速度Npriが負であった場合に期待される回転速度Nrである。したがって、期待値Nr_E2は共線図において、回転速度Npriを負と仮定した場合の共線L2に含まれる。また、共線図からは、期待値Nr_E1の場合と同様、大小2つの直角三角形の相似関係に基づき次の数4が得られる。
[数4]
 期待値Nr_E2=|回転速度Ntの推定値|×α-|回転速度Npriのセンサ値|×(1-α)
[0043]
 したがって、期待値Nr_E2については、数4によって演算が可能である。
[0044]
 期待値Nr_Eを利用した判定は、後述する正転判定、逆転判定で行われる。期待値Nr_Eを利用することで、共線図の関係を利用した回転速度Npriの回転方向の判定が可能になる。
[0045]
 図2に戻り、ステップS9で、コントローラ11は、プライマリプーリPRIの正転判定を行う。正転判定は、期待値Nr_Eと回転速度Nrのセンサ値との偏差量σが所定範囲βに含まれるか否かを判定することで行われる。本実施形態では、偏差量σは具体的には、期待値Nr_Eから回転速度Nrのセンサ値を減算した値とされる。
[0046]
 正転判定は具体的には、期待値Nr_E1と回転速度Nrのセンサ値との偏差量σである偏差量σ1が所定範囲βに含まれるか否かを判定することで行われる。このような正転判定では、期待値Nr_E1が回転速度Nrのセンサ値と大きく異なれば、つまり偏差量σ1が所定範囲β外であれば、回転速度Npriを正と仮定したことが誤りの可能性があると判断できる。
[0047]
 所定範囲βは、このような判断を行うための範囲であり、予め設定することができる。所定範囲βは、ゼロを中心とした範囲に設定することができる。ステップS9で肯定判定であれば、処理はステップS10に進む。
[0048]
 ステップS10で、コントローラ11は、期待値Nr_E、具体的には期待値Nr_E2を演算する。
[0049]
 ステップS11で、コントローラ11は、プライマリプーリPRIの逆転判定を行う。逆転判定は、偏差量σが所定範囲βに含まれるか否か、具体的には期待値Nr_E2と回転速度Nrのセンサ値との偏差量σである偏差量σ2が、所定範囲βに含まれるか否かを判定することで行われる。
[0050]
 このような逆転判定では、期待値Nr_E2が回転速度Nrのセンサ値と大きく異なれば、つまり偏差量σ2が所定範囲β外であれば、回転速度Npriを負と仮定したことが誤りの可能性があると判断できる。所定範囲βは、正転判定と逆転判定とで具体的範囲が異なるように設定されてもよい。ステップS11で否定判定であれば、処理はステップS12に進む。
[0051]
 ステップS12で、コントローラ11は、プライマリプーリPRIは正転している、との判定を下す。すなわち、コントローラ11は、ステップS9の正転判定で肯定判定され、且つステップS11の逆転判定で否定判定された場合に、プライマリプーリPRIは正転している、との判定を確定する。ステップS12の後には、処理は一旦終了する。
[0052]
 ステップS11で肯定判定であれば、処理はステップS16に進み、コントローラ11は、プライマリプーリPRIの回転方向は判別不能、との判定を下す。
[0053]
 すなわち、コントローラ11は、ステップS9の正転判定で肯定判定された場合であっても、ステップS11の逆転判定で肯定判定された場合には、判別不能との判定を下す。回転速度Npriを正と仮定した場合と負と仮定した場合とで、期待値Nr_Eが互いに大きく異ならない場合もあるためである。判別不能とは、いかなる追加的手法を用いても、判別不能であることを意味するわけではない。ステップS16の後には処理は一旦終了する。
[0054]
 ステップS9で否定判定であった場合、処理はステップS13、さらにはステップS14に進む。ステップS13では、ステップS10同様、期待値Nr_E2が演算される。ステップS14では、ステップS11同様、逆転判定が行われる。そして、ステップS14で肯定判定であれば、処理はステップS15に進む。
[0055]
 ステップS15で、コントローラ11は、プライマリプーリPRIが逆転している、との判定を下す。すなわち、コントローラ11は、ステップS9の正転判定で否定判定され、且つステップS14の逆転判定で肯定判定された場合に、プライマリプーリPRIは逆転している、との判定を確定する。ステップS15の後には、処理は一旦終了する。
[0056]
 ステップS14で否定判定であれば、処理はステップS16に進む。つまり、ステップS9の正転判定で否定判定された場合であっても、ステップS14の逆転判定で否定判定された場合には、コントローラ11は、プライマリプーリPRIの回転方向は判別不能、との判定を下す。回転速度Npriを正と仮定した場合と負と仮定した場合とでともに、期待値Nr_Eが回転速度Nrのセンサ値と大きく異なる場合もあるためである。
[0057]
 図5A、図5Bは、図2に示すフローチャートに対応するタイミングチャートの第1の例を示す図である。図5A、図5Bはともに、降坂路にいる車両がNレンジ選択状態で前進しており、プライマリプーリPRIが正転している場合、つまり、正転との判定が確定されるべき場合を示す。図5Aは、ステップS9の正転判定に対応し、図5Bは、ステップS11又はステップS14の逆転判定に対応する。
[0058]
 図5Aに示すように、エンジン回転センサ1に基づく回転速度Neのセンサ値は正であり、回転速度Ntは図示のように推定される。正転判定を行う場合、PRI回転センサ2に基づく回転速度Npriのセンサ値は正と仮定される。図4を用いて前述した共線図からわかるように、期待値Nr_E1は、回転速度Ntと回転速度Npriとの中間に位置し、回転速度Nrのセンサ値との偏差量σ1は、図示の通りとなる。
[0059]
 具体的には、タイミングT11を経過する前には、エンジントルクTeが一定で、偏差量σ1は所定範囲β内となっている。一方、タイミングT11でエンジントルクTeが一時的に増加し始めると、これに応じて偏差量σ1が大きくなり、タイミングT12で所定範囲β外になる。さらに、エンジントルクTeが元に戻ると、これに応じて偏差量σ1が小さくなり、タイミングT13を経過すると、偏差量σ1が所定範囲β内になる。
[0060]
 結果、この例では、正転判定は、タイミングT12を経過する前には肯定判定され、タイミングT12、タイミングT13間で肯定判定されなくなり、タイミングT13を経過すると、再び肯定判定される。
[0061]
 図5Bに示すように、逆転判定を行う場合には、回転速度Npriのセンサ値は負と仮定される。結果、期待値Nr_E2は図示のように演算される。このとき、期待値Nr_E2と回転速度Nrのセンサ値との偏差量σ2は、タイミングT11でエンジントルクTeが一時的に増加し始めても、負の側で所定範囲β外のままとなる。結果、逆転判定は肯定判定されない。
[0062]
 図5Aの正転判定の判定結果と図5Bの逆転判定の判定結果とを組み合わせることで、タイミングT12経過前とタイミングT13経過後とで正転との判定を確定でき、タイミングT12、タイミングT13間で判別不能との判定を下すことができる。
[0063]
 図6A、図6Bは、図2に示すフローチャートに対応するタイミングチャートの第2の例を示す図である。図6A、図6Bはともに、登坂路にいる車両がNレンジ選択状態で後進しており、プライマリプーリPRIが逆転している場合、つまり、逆転との判定が確定されるべき場合を示す。図6Aは、ステップS9の正転判定に対応し、図6Bは、ステップS14の逆転判定に対応する。
[0064]
 図6Aに示すように、エンジン回転センサ1に基づく回転速度Neのセンサ値は正であり、回転速度Ntは図示のように推定される。正転判定を行う場合、PRI回転センサ2に基づく回転速度Npriのセンサ値は正と仮定される。結果、期待値Nr_E1は図示のように演算される。このとき、期待値Nr_E1と回転速度Nrのセンサ値との偏差量σ1は、タイミングT21でエンジントルクTeが一時的に増加し始めても、正の側で所定範囲β外のままとなる。結果、正転判定は肯定判定されない。
[0065]
 図6Bに示すように、逆転判定を行う場合には、回転速度Npriのセンサ値は負と仮定される。結果、期待値Nr_E2と偏差量σ2とは、図示の通りとなる。
[0066]
 具体的には、タイミングT21を経過する前には、エンジントルクTeが一定で、偏差量σ2は所定範囲β内となっている。一方、タイミングT21でエンジントルクTeが一時的に増加し始めると、これに応じて偏差量σ2が大きくなり、タイミングT22で所定範囲β外になる。さらに、エンジントルクTeが元に戻ると、これに応じて偏差量σ2が小さくなり、タイミングT23を経過すると、偏差量σ2が所定範囲β内になる。
[0067]
 結果、この例では、逆転判定は、タイミングT22を経過する前には肯定判定され、タイミングT22、タイミングT23間で肯定判定されなくなり、タイミングT23を経過すると、再び肯定判定される。
[0068]
 図6Aの正転判定の判定結果と図6Bの逆転判定の判定結果とを組み合わせることで、タイミングT22経過前とタイミングT23経過後とで逆転との判定を確定でき、タイミングT22、タイミングT23間で判別不能との判定を下すことができる。
[0069]
 次に本実施形態の主な作用効果について説明する。
[0070]
 コントローラ11は、サンギヤSとキャリアCとリングギヤRとを有する遊星歯車機構PGMと、サンギヤS、キャリアC及びリングギヤRのうちの2つの回転要素として、キャリアC及びリングギヤRを係合させる前進クラッチFWD/Cと、第1回転センサとしてのエンジン回転センサ1と、第2回転センサとしてのPRI回転センサ2と、第3回転センサとしての回転センサ3と、を有する車両で制御を行う。コントローラ11は、サンギヤSの回転速度に相当する回転速度Nt、キャリアCの回転速度に相当する回転速度Npri、リングギヤRの回転速度Nrそれぞれに基づき、キャリアCの回転方向に相当するプライマリプーリPRIの回転方向を判定する制御を行う制御部を有した構成とされる。
[0071]
 このような構成によれば、遊星歯車機構PGMの各回転要素の回転速度を用いた判定を行う。このため、キャリアC、換言すればプライマリプーリPRIにつき、遊星歯車機構PGMの3つの回転要素の回転速度が一直線上に示されるという共線図の関係に照らし、回転センサを利用した回転方向の判定が可能になる。
[0072]
 コントローラ11は、プライマリプーリPRIの回転方向を仮定した上で、回転速度Ntと回転速度Npriとに基づき、回転速度Nrの期待値Nr_Eを算出する。また、コントローラ11は、回転速度Nrのセンサ値と期待値Nr_Eとの偏差量σが所定範囲β内の場合に、プライマリプーリPRIの回転方向が仮定した回転方向と判定する。
[0073]
 このような構成によれば、共線図の関係に基づき、回転速度Npriがとり得る正負を判断することで、容易な構成でプライマリプーリPRIの回転方向を判定できる。
[0074]
 コントローラ11は、プライマリプーリPRIの回転方向を正転と仮定した場合と逆転と仮定した場合とでともに、偏差量σが所定範囲β内か、或いは所定範囲β外の場合に、プライマリプーリPRIの回転方向は判別不能と判定する。
[0075]
 このような構成によれば、回転速度Npriの正負を正確に判断するのが困難な場合に、正負を誤った制御を行うことを防止できる。
[0076]
 コントローラ11は、プライマリプーリPRIの回転方向を正転と仮定した場合に、偏差量σが所定範囲β内で、且つプライマリプーリPRIの回転方向を逆転と仮定した場合に、偏差量σが所定範囲β外の場合に、プライマリプーリPRIは正転しているとの判定を確定する。また、コントローラ11は、プライマリプーリPRIの回転方向を正転と仮定した場合に、偏差量σが所定範囲β外で、且つプライマリプーリPRIの回転方向を逆転と仮定した場合に、偏差量σが所定範囲β内の場合に、プライマリプーリPRIは逆転しているとの判定を確定する。
[0077]
 このような構成によれば、回転方向を正転と仮定した場合の判定結果と逆転と仮定した場合の判定結果とを組み合わせて回転方向の判定を確定することで、プライマリプーリPRIの回転方向を精度良く判定することができる。
[0078]
 本実施形態における車両は、エンジンENGとサンギヤSとを結ぶ動力伝達経路上に設けられたトルクコンバータTCをさらに備えた構成とされる。また、本実施形態における車両では、エンジン回転センサ1がサンギヤSの回転速度を検出する第1回転センサを構成する。コントローラ11は、回転速度NeとトルクコンバータTCの速度比Veとに基づき、サンギヤSの回転速度に相当する回転速度Ntを演算する。
[0079]
 このような構成によれば、サンギヤSの回転速度を検出する第1回転センサとして、エンジン回転センサ1を利用する(つまり、第1回転要素であるサンギヤSの回転速度を検出するのに代えて、駆動源であるエンジンENGの回転速度を検出する)ので、サンギヤSやトルクコンバータTCのタービンに対して回転センサを設ける必要がない分、コスト面で有利である。
[0080]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
[0081]
 上述した実施形態では、遊星歯車機構PGMがダブルピニオン式の遊星歯車機構である場合について説明した。しかしながら、遊星歯車機構PGMは例えば、シングルピニオン式の遊星歯車機構であってもよい。この場合、例えばサンギヤで第1回転要素、リングギヤで第2回転要素、キャリアで第3回転要素をそれぞれ構成することができる。
[0082]
 上述した実施形態では、前進クラッチFWD/CがキャリアCとリングギヤRを接続する場合について説明した。しかしながら、前進クラッチFWD/Cは、サンギヤSとキャリアC、或いはサンギヤSとリングギヤRを接続するように構成されてもよい。遊星歯車機構PGMをシングルピニオン式の遊星歯車機構で構成した場合も同様である。
[0083]
 上述した実施形態では、走行用駆動源がエンジンENGである場合について説明した。しかしながら、走行用駆動源は例えば、エンジンENG及びモータのうち少なくともいずれかで構成することができる。
[0084]
 コントローラ11は例えば、処理を分散させて行うように構成された複数のコントローラであってもよく、このような複数のコントローラによって制御部を有した構成とされてもよい。
[0085]
 本願は2017年8月28日に日本国特許庁に出願された特願2017-163527に基づく優先権を主張し、この出願のすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 走行用駆動源からの動力が入力される第1回転要素と、駆動輪に動力を伝達する第2回転要素と、ブレーキに接続する第3回転要素と、を有する遊星歯車機構と、
 前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素のうち2つの回転要素を係合させるクラッチと、
 前記第1回転要素の回転速度を検出する第1回転センサと、
 前記第2回転要素の回転速度を検出する第2回転センサと、
 前記第3回転要素の回転速度を検出する第3回転センサと、
を有する車両で制御を行う車両の制御装置であって、
 前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素の回転速度それぞれに基づき、前記第2回転要素の回転方向を判定する制御を行う制御部、
を有する車両の制御装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の車両の制御装置であって、
 前記制御部は、
  前記第2回転要素の回転方向を仮定した上で、前記第1回転要素の回転速度と前記第2回転要素の回転速度とに基づき、前記第3回転要素の回転速度の期待値を算出し、
  前記第3回転センサに基づき得られる前記第3回転要素の回転速度のセンサ値と、前記期待値との偏差量が所定範囲に含まれる場合に、前記第2回転要素の回転方向が仮定した回転方向と判定する、
車両の制御装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の車両の制御装置であって、
 前記制御部は、前記第2回転要素の回転方向を正転と仮定した場合と逆転と仮定した場合とでともに、前記偏差量が前記所定範囲に含まれるか、或いは前記所定範囲に含まれない場合に、前記第2回転要素の回転方向は判別不能と判定する、
車両の制御装置。
[請求項4]
 請求項2又は3に記載の車両の制御装置であって、
 前記制御部は、前記第2回転要素の回転方向を正転と仮定した場合に、前記偏差量が前記所定範囲に含まれ、且つ前記第2回転要素の回転方向を逆転と仮定した場合に、前記偏差量が前記所定範囲に含まれない場合に、前記第2回転要素は正転している、との判定を確定する、
車両の制御装置。
[請求項5]
 請求項2又は3に記載の車両の制御装置であって、
 前記制御部は、前記第2回転要素の回転方向を正転と仮定した場合に、前記偏差量が前記所定範囲に含まれず、且つ前記第2回転要素の回転方向を逆転と仮定した場合に、前記偏差量が前記所定範囲に含まれる場合に、前記第2回転要素は逆転している、との判定を確定する、
車両の制御装置。
[請求項6]
 請求項1から5いずれか1項に記載の車両の制御装置であって、
 前記車両は、前記走行用駆動源と前記第1回転要素とを結ぶ動力伝達経路上に設けられた流体伝動装置をさらに備え、
 前記第1回転センサは、前記第1回転要素の回転速度に代えて前記走行用駆動源の回転速度を検出する走行用駆動源回転センサであり、
 前記制御部は、前記走行用駆動源の回転速度と前記流体伝動装置の速度比とに基づき、前記第1回転要素の回転速度を演算する、
車両の制御装置。
[請求項7]
 走行用駆動源からの動力が入力される第1回転要素と駆動輪に動力を伝達する第2回転要素とブレーキに接続する第3回転要素とを有する遊星歯車機構と、前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素のうち2つの回転要素を係合させるクラッチと、前記第1回転要素の回転速度を検出する第1回転センサと、前記第2回転要素の回転速度を検出する第2回転センサと、前記第3回転要素の回転速度を検出する第3回転センサと、を有する車両で行われる車両の制御方法であって、
 前記第1回転要素、前記第2回転要素及び前記第3回転要素の回転速度それぞれに基づき、前記第2回転要素の回転方向を判定すること、
を含む車両の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]