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1. (WO2018225711) CYLINDER DEVICE
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明 細 書

発明の名称 シリンダ装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

符号の説明

0088  

請求の範囲

1   2  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : シリンダ装置

技術分野

[0001]
 本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載され、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられるシリンダ装置に関する。

背景技術

[0002]
 一般に、4輪自動車等の車両には、車両の振動を緩衝するため各車輪(車軸)側と車体との間にシリンダ装置としての油圧緩衝器が設けられている(例えば、特許文献1参照)。この種のシリンダ装置には、ピストンロッドの最大伸長時に油圧的なクッション作用を発生させてロッドの伸び切り防止を行う油圧式のストッパ機構が設けられている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2017/002595号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、前記シリンダ装置は、ストッパ機構を構成するピストンリングを、第1部材と第2部材との間に形成されるリング溝に抜止め状態で組付ける構成としている。この場合、前記第1部材と第2部材とは、ピストンリングをリング構に組付けた状態で、メタルフロー(塑性流動)等の手段を用いて互いに一体化する必要があり、生産性を高める上で、さらなる改良が望まれている。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明の目的は、ストッパ機構の構成部品をピストンロッドに組付けるときの作業性を向上することができるようにしたシリンダ装置を提供することにある。
[0006]
 本発明の一実施形態に係るシリンダ装置は、作動流体が封入された第1シリンダと、前記第1シリンダ内に摺動可能に設けられ、前記第1シリンダ内を仕切る第1ピストンと、前記第1ピストンに連結されたピストンロッドと、前記第1シリンダの一端側に設けられ前記ピストンロッドを挿通させて摺動可能に案内するロッドガイドと、前記ピストンロッドが伸びまたは縮んで前記第1シリンダ内の端部に達するときに作動するストッパ機構と、を備え、
 前記ストッパ機構は、
 前記第1シリンダ内の端部に設けられた第2シリンダと、
 前記ピストンロッドの移動に伴って移動し前記第2シリンダの内側に挿入可能となった第2ピストンと、を有し、
 前記第2ピストンは、
 前記ピストンロッドに結合される第1部材と、
 前記第1部材と圧入結合により一体化され、前記第1部材との間で前記第2ピストンの外周囲にリング溝を形成する第2部材と、
 前記第1部材と前記第2部材とで形成される前記リング溝に軸方向に変位可能でかつ抜止め状態に取付けられ、環状で一部が切り離された周方向の両端を有するピストンリングと、を備えており、
 前記ピストンロッドには、サブ組立体が固定されており、前記サブ組立体は、
 圧入結合された前記第1部材および前記第2部材と、
 前記第1部材および前記第2部材の結合部外周に設けられる前記ピストンリングとを備えている。
[0007]
 本発明の一実施形態に係るシリンダ装置の構成によれば、ストッパ機構の構成部品をピストンロッドに組付けるときの作業性を向上することができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の実施の形態によるシリンダ装置としての油圧緩衝器を示す縦断面図である。
[図2] 図1中の第2ピストンを拡大して示す分解斜視図である。
[図3] ストッパとキャッスルとを圧入結合させるサブ組付け工程を示す断面図である。
[図4] 圧入結合によりストッパとキャッスルとを一体に結合させた状態の第2ピストンを拡大して示す断面図である。
[図5] 図4に示す第2ピストンの外観図である。
[図6] 図4に示す第2ピストンの外観斜視図である。
[図7] ピストンロッドの伸び切り時におけるストッパ機構を拡大して示す断面図である。
[図8] ストッパ機構をピストンロッドの伸長行程で拡大して示す断面図である。
[図9] ストッパ機構をピストンロッドの縮小行程で拡大して示す断面図である。
[図10] 第1の比較例によるシリンダ装置としての油圧緩衝器を示す縦断面図である。
[図11] 第2の比較例によるシリンダ装置としての油圧緩衝器を示す縦断面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、本発明の実施の形態に係るシリンダ装置を、油圧緩衝器に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
[0010]
 図1において、油圧緩衝器1は、シリンダ装置の代表例である複筒式の緩衝器である。この油圧緩衝器1は、その外殻をなす筒状の外筒2と、後述の内筒5、ピストン6、ピストンロッド7、ロッドガイド9およびストッパ機構11とを含んで構成されている。なお、以下の説明では、緩衝器の長さ方向(軸方向)の一側または一端側を上側または上端側とし、軸方向の他側または他端側を下側または下端側として説明する。しかし、これはあくまでも、図示の説明を簡素にして明確にするためであり、本発明を限定するものではない。
[0011]
 油圧緩衝器1の外筒2は、その上端側が開口端となり、下端側はボトムキャップ(図示せず)によって閉塞された閉塞端となっている。外筒2の開口端(上端)側には、径方向内側に折曲げて形成されたかしめ部2Aが設けられている。該かしめ部2Aは、外筒2の開口端側で蓋体3を抜止め状態に保持している。これにより、蓋体3は外筒2の開口端側を閉塞している。
[0012]
 蓋体3は、例えば金属製の環状円板として形成されている。蓋体3は、後述のロッドガイド9に上側から当接し外筒2の開口端(上端)を閉塞した状態で、その外周側が外筒2のかしめ部2Aにより固定されている。蓋体3の内周側には、弾性材料からなるロッドシール4が取付けられている。このロッドシール4は、後述のピストンロッド7と蓋体3との間をシールしている。また、このロッドシール4には、蓋体3とロッドガイド9との間で径方向中間となる位置に後述の逆止弁4Aが設けられている。なお、この逆止弁4Aは、ロッドシール4とは別部材として形成してもよい。
[0013]
 第1シリンダとしての内筒5は、外筒2内に同軸をなして設けられている。内筒5の下端側は、前記ボトムキャップ側にボトムバルブ(図示せず)を介して嵌合、固定されている。内筒5の上端側は、径方向外向きに拡径して形成された筒状の拡径部5Aとなっている。この拡径部5Aの上端側内周には、後述のロッドガイド9が嵌合して取付けられている。内筒5内には、作動流体としての作動油(油液)が封入されている。作動流体としては、作動油、オイルに限らず、例えば添加剤を混在させた水等を用いることができる。
[0014]
 内筒5と外筒2との間には環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前記作動油と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバ室A内のガスは、ピストンロッド7の縮小時(縮み行程)に当該ピストンロッド7の進入体積分を補償すべく圧縮される。
[0015]
 第1ピストン(以下、ピストン6という)は、内筒5内に摺動可能に挿嵌されている。このピストン6は、内筒5(第1シリンダ)内を2室に仕切り、ボトム側油室Bとロッド側油室Cとを画成している。ここで、ピストン6には、ボトム側油室Bとロッド側油室Cとを連通可能な油路6A,6Bが形成されている。ピストン6の上面側には、ピストンロッド7の縮小行程で、油路6Aを流通する作動油に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する縮小側のディスクバルブ6Cが配設されている。一方、ピストン6の下面側には、ピストンロッド7の伸長行程で、油路6Bを流通する作動油に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生する伸長側のディスクバルブ6Dが配設されている。
[0016]
 ピストンロッド7は、その下側が内筒5内に挿入され、ナット8等によってピストン6の内周側に固着されている。即ち、ピストンロッド7は、その下端側が内筒5内でピストン6に連結されている。また、ピストンロッド7の上端側は、ロッドガイド9、蓋体3等を介して外筒2および内筒5の外部へと伸縮可能に突出している。ピストンロッド7には、ピストン6の取付位置から予め決められた寸法だけ上側に離間した位置に、環状溝としての係止溝7Aが設けられている。この係止溝7Aは、例えば転造等の手段を用いて形成され、後述の止め輪19が係止することによりストッパ14の位置決めを行うものである。
[0017]
 ロッドガイド9は、段付円筒状に形成され、外筒2の上端側に嵌合されると共に、内筒5の拡径部5Aの上端側にも固定して設けられている。これにより、ロッドガイド9は、内筒5の上側部分を外筒2の中央に位置決めすると共に、内周側に挿通されたピストンロッド7を軸方向に摺動可能にガイドするものである。また、ロッドガイド9は、蓋体3を外筒2のかしめ部2Aにより外側からかしめ固定するときに、該蓋体3を内側から支持する支持構造物を構成する。
[0018]
 ロッドガイド9は、例えば金属材料、セラミック材料、硬質な樹脂材料等に成型加工、切削加工等を施すことにより所定の形状(段付円筒状)に形成されている。即ち、ロッドガイド9は、図1に示すように、上側に位置して外筒2の内周側に挿嵌される大径部9Aと、該大径部9Aの下側に位置して内筒5の内周側に挿嵌される小径部9Bとを有している。この小径部9Bの内周側には、内筒5内に挿通されたピストンロッド7を軸方向に摺動可能にガイドするガイド部10が設けられている。このガイド部10は、例えば金属製筒体の内周面をフッ素系樹脂(4フッ化エチレン)等で被覆した摺動筒体として構成されている。
[0019]
 また、ロッドガイド9の大径部9Aには、蓋体3と対向する大径部9Aの上面側に環状の油溜め室9Cが設けられている。この油溜め室9Cは、ロッドシール4およびピストンロッド7を径方向外側から取囲む環状の空間部として形成されている。そして、油溜め室9Cは、ロッド側油室C内の作動油(または、この作動油中に混入したガス)がピストンロッド7とガイド部10との僅かな隙間等を介して漏出したときに、この漏出した作動油等を一時的に溜めるための空間を提供するものである。
[0020]
 さらに、ロッドガイド9の大径部9Aには、外筒2側のリザーバ室Aに常時連通した連通路9Dが設けられている。この連通路9Dは、前記油溜め室9Cに溜められた作動油(ガスを含む)を外筒2側のリザーバ室Aへと導くものである。蓋体3とロッドガイド9との間には、ロッドシール4の径方向外側に位置して逆止弁4Aが設けられている。この逆止弁4Aは、油溜め室9C内に漏出油が増えて溢れた場合に、この溢れた作動油がロッドガイド9の連通路9D(リザーバ室A)側に向けて流れるのを許し、逆向きの流れを阻止するものである。
[0021]
 次に、本実施の形態で採用した油圧式のストッパ機構11について詳細に説明する。このストッパ機構11は、ピストンロッド7が外筒2および内筒5から外側へと伸長して(伸びまたは縮んで)、内筒5の端部(伸び切り位置)に達したときに後述の如く作動し、油圧的なクッション作用によってピストンロッド7の伸長動作を停止させ、所謂伸び切り防止を行うものである。
[0022]
 ここで、ストッパ機構11は、第2シリンダ12と第2ピストン13とを有している。第2シリンダ12は、内筒5のうちピストンロッド7の突出端側寄りに位置した拡径部5Aの内側に固定して設けられている。また、第2ピストン13は、ピストン6よりもロッドガイド9側に位置してピストンロッド7の外周側に設けられている。ピストンロッド7の最大伸長時(伸び切り時)には、第2ピストン13が第2シリンダ12の内周側に摺動可能に挿嵌(進入)され、油圧的なクッション作用を発揮するものである。
[0023]
 第2シリンダ12は、内筒5の拡径部5A内に筒状のカラー12Aを介して抜止め状態で設けられたスリーブ12Bを有している。このスリーブ12Bの上端側は、ロッドガイド9の小径部9Bの下端側に嵌合して固定されている。スリーブ12Bの下端側は、テーパ状に拡開した開口端12Cを形成している。この開口端12Cは、ピストンロッド7と一体に動く第2ピストン13がスリーブ12B内へと摺動可能に挿嵌されるのを円滑化し、補償するものである。
[0024]
 第2ピストン13は、ピストン6と第2シリンダ12との間に設けられ、ストッパ機構11の可動部を構成している。即ち、第2ピストン13は、ピストンロッド7の移動に伴って内筒5内をピストンロッド7と一体に移動(変位)し、第2シリンダ12内に嵌装可能に構成されている。第2ピストン13は、ピストンロッド7に固定して設けられたストッパ14(第1部材)と、該ストッパ14の上端側内周に圧入結合されたキャッスル15(第2部材)と、前記ストッパ14とキャッスル15との間のリング溝16内に設けられたピストンリング17と、キャッスル15の上側に配置されたクッション部材18とを有している。
[0025]
 第1部材としてのストッパ14は、第2ピストン13の下部側に位置してピストンロッド7の外周側に挿通されると共に、後述の止め輪19を介してピストンロッド7の係止溝7Aに抜止め状態で固定されている。このストッパ14は、筒状部14Aと、鍔部14Bと、切欠き14Cと、筒状固定部14Dと、周溝14Eとを有している。即ち、ストッパ14は、金属材料を用いて、図2、図4および図7に示すように、上側に位置する筒状部14Aと、該筒状部14Aの下側に位置する大径部としての鍔部14Bとを備え、段付円筒状に形成されている。
[0026]
 ストッパ14は、キャッスル15とピストンリング17とをピストンロッド7に抜止め状態で取付けると共に、油圧ストッパとして作動油の流れを抑制し減衰力を発生させる。ここで、ストッパ14の筒状部14Aには、その上端側(キャッスル15側)に開口する内側嵌合穴14A1が形成されている。この内側嵌合穴14A1内には、後述するキャッスル15の筒状突部15Bが圧入して嵌合されている。これにより、キャッスル15は、ストッパ14に抜止め状態で嵌合され、両者は一体化される。ストッパ14の筒状部14Aは、内側嵌合穴14A1の径方向外側での肉厚が、キャッスル15の筒状突部15Bよりも厚肉に形成されている。
[0027]
 ストッパ14の鍔部14Bは、筒状部14Aの下端側(ピストン6側)から径方向外向きに突出し、筒状部14Aよりも大きな外径寸法をもって形成されている。鍔部14Bの上端面は、ピストンリング17の下端面と当接し、ピストンリング17がピストン6側に脱落するのを規制する。この鍔部14Bの上面(ピストンリング17と上,下で対向する面)には、鍔部14Bの上面を部分的に僅かに切欠いて形成された切欠き14Cが、1個または複数個設けられている(図2参照)。この切欠き14Cは、作動油の流れを制限する絞り通路を構成し、ピストンロッド7の伸長時に作動油の流れを抑制して後述の如く減衰力を発生させるものである。
[0028]
 筒状固定部14Dは、ストッパ14の鍔部14Bの下端内周側に位置し、後述の如く、ピストンロッド7の外周側にかしめ固定される。また、ストッパ14には、鍔部14Bの下端側で筒状固定部14Dの内周側に断面円弧状の周溝14Eが形成されている。この周溝14Eは、筒状固定部14Dの下端側で開口し、ストッパ14をピストンロッド7の外周側に位置決め(仮止め)するときに、後述の止め輪19を外側から取囲んだ状態で止め輪19に係合する係合溝である。
[0029]
 このように、ストッパ14の周溝14Eがピストンロッド7の外周側で止め輪19に係合した状態で、筒状固定部14Dは、後述の如くピストンロッド7の外周側にかしめ固定される(図7~図9参照)。これにより、筒状固定部14Dは、ストッパ14全体をピストンロッド7に止め輪19を介して抜止め、廻止め状態で固定される。また、ストッパ14の筒状固定部14Dは、ピストンロッド7の外周側にかしめ固定されたときに、筒状固定部14Dの外周面は、下向きに漸次縮径した斜め下向きの傾斜面からなるテーパ面14D1として形成される。このテーパ面14D1は、ストッパ14の外周側を流れる作動油のガイド面となり、作動油の流れを円滑化するものである。
[0030]
 第2部材としてのキャッスル15は、ストッパ14の上側に位置して、ピストンロッド7の外周側に挿通して設けられている。このキャッスル15は、金属材料を用いて、筒状体として形成されている。キャッスル15は、ストッパ14の鍔部14Bと同等な外径寸法をもって形成された環状の鍔部15Aと、該鍔部15Aの内周側から軸方向下向きに延びる筒状突部15Bと、鍔部15Aの下面側(即ち、筒状突部15Bの径方向外側)に周方向に交互に形成される凹凸部15Cとを有している。
[0031]
 また、鍔部15Aの上面(即ち、クッション部材18と上,下で対向する面)側には、周方向に互いに離間して複数の凹部15Dが形成されている。キャッスル15の鍔部15A、筒状突部15B、凹凸部15Cおよび凹部15D等は、例えば鍛造により一体形成されている。これにより、キャッスル15は、切削加工等を行うことなく、鍔部15A、筒状突部15B、凹凸部15Cおよび凹部15Dを形成することができる。ここで、キャッスル15は、ストッパ14、ピストンリング17、クッション部材18と共に、ストッパ機構11の可動部(第2ピストン13)を構成している。
[0032]
 キャッスル15の筒状突部15Bは、鍔部15Aの下面内周側から軸方向下向きに突出する筒状部として形成され、その外径寸法はストッパ14の内側嵌合穴14A1内に圧入嵌合される寸法に設定されている。キャッスル15の筒状突部15Bは、その肉厚がストッパ14の筒状部14A(内側嵌合穴14A1の径方向外側部位)よりも薄肉に形成されている。しかも、筒状突部15Bの内径寸法は、ピストンロッド7の外径寸法よりも僅かに大径に形成され、ピストンロッド7の外周面と筒状突部15Bとの間には径方向の隙間(図3、図7~図9参照)が形成されている。鍔部15Aの内径寸法は、ピストンロッド7の外径寸法に対応して形成され、鍔部15Aの内周は、ピストンロッド7の外周面に当接(接触)している。
[0033]
 キャッスル15の筒状突部15Bは、ストッパ14の筒状部14Aに対し内側嵌合穴14A1の内側へと圧入嵌合されている。即ち、キャッスル15の筒状突部15Bは、ストッパ14の内側嵌合穴14A1に後述の如く圧入結合されている。これにより、キャッスル15は、ストッパ14に抜止め状態で嵌合され、ストッパ14とキャッスル15とは一体的に結合される。
[0034]
 凹凸部15Cは、筒状体からなるキャッスル15の下面(ピストンリング17と上,下で対向する面)側に位置して、キャッスル15の周方向に等間隔で複数個(例えば、5個)配置されている。これらの凹凸部15Cは、キャッスル15の下端面を部分的に切欠くことにより、作動油がキャッスル15の下端面とピストンリング17の上端面との間を流通するための流路を形成している。このように凹凸部15Cを形成することにより、キャッスル15とピストンリング17との間を作動油が常時流通することができる。
[0035]
 リング溝16は、ストッパ14とキャッスル15との間に位置して、ストッパ14の筒状部14Aの外周面(第2ピストン13の外周囲)に形成されている。このリング溝16は、例えば圧入結合等の手段でストッパ14とキャッスル15とを一体化することにより、ストッパ14とキャッスル15とにより断面コ字状またはU字状の全周溝として形成されている。即ち、キャッスル15の鍔部15A下面は、リング溝16の上側面を構成し、ストッパ14の鍔部14B上面は、リング溝16の下側面を構成している。この場合、キャッスル15の凹凸部15Cは、リング溝16に形成された連通溝(切欠き)として機能し、作動油をキャッスル15とピストンリング17との間で常時流通させる。
[0036]
 リング溝16内にはピストンリング17が遊嵌され、ピストンリング17は、リング溝16内に抜止め状態で軸方向に所定の範囲で変位可能に取付けられる。即ち、ピストンリング17は、ストッパ14とキャッスル15とにより軸方向の移動が規制され、鍔部14Bの上面とキャッスル15の鍔部15Aの下面との間で僅かに軸方向に変位することができる。ピストンリング17の内径は、リング溝16(即ち、ストッパ14の筒状部14A)の外径よりも大径に形成され、両者の間は作動油の流通路となっている。
[0037]
 ここで、ピストンリング17は、耐油性、耐熱性を有する弾性材料(例えば、真鍮等の銅系金属材料またはフッ素系の樹脂材料)を用いて環状リングとして形成されている。ピストンリング17は、例えば周方向の途中部位(一箇所)が、カット部17Aの位置で切断されたC字状のリングにより縮拡径可能に構成されている。即ち、ピストンリング17は、一部が切り離された周方向の両端としてのカット部17Aを有している。ピストンリング17がスリーブ12B内へと進入したときに、ピストンリング17の外周面はスリーブ12Bの内周面に摺接する。この結果、ピストンリング17の外周面は、スリーブ12Bと第2ピストン13との間をシールし、作動油の流通を制限することができる。
[0038]
 ピストンリング17は、ストッパ14の鍔部14Bとキャッスル15の鍔部15Aとの間のリング溝16内に着脱可能に取付けられる。このピストンリング17は、自由長状態(外力を加えていないフリーな状態)で、その外径寸法が内筒5の内径よりも小さく、スリーブ12Bの内径よりも僅かに大きい寸法に形成されている。また、ピストンリング17の軸方向一側に位置する上端面角隅17Bには、ピストンリング17がスリーブ12B内に進入する際の損傷やかじり等を防止するため、角部が円弧状をなすように面取り加工が施されている。
[0039]
 クッション部材18は、ピストンロッド7の外周側に挿通して設けられた衝突防止用の緩衝部材であり、第2ピストン13のロッドガイド9への衝突、衝撃を緩和するものである。クッション部材18は、弾性変形可能な合成樹脂、ゴム材料または硬質ゴム材料(例えば、ピストンリング17よりも軟質な弾性材料)を用いて筒状体として形成されている。これにより、ピストンロッド7の最大伸長時に、万一第2ピストン13がロッドガイド9に衝突(当接)した場合でも、このときの衝撃を緩和し、かつピストンロッド7がこれ以上に伸長するのを規制する。クッション部材18は、凹凸面18Aと、凹溝18Bとを有している。ここで、クッション部材18は、ストッパ14、キャッスル15、ピストンリング17と共に、ストッパ機構11の可動部(第2ピストン13)を構成している。
[0040]
 凹凸面18Aは、図2、図4~図6に示すように、クッション部材18の上面に位置して、波形状に形成されている。このため、ピストンロッド7の最大伸長時に第2ピストン13が第2シリンダ12内へと進入し、クッション部材18の凹凸面18Aが仮にロッドガイド9(小径部9B)の下面に当接しても、両者の間で密着現象等が生じるのを波形状の凹凸面18Aにより防ぐことができる。凹溝18Bは、筒状体からなるクッション部材18の外周側に位置して、クッション部材18の周方向に等間隔で複数個(例えば、6個)配置されている。この凹溝18Bは、クッション部材18の外周面を軸方向に延びるように切欠くことにより形成され、作動油が第2シリンダ12のスリーブ12Bとクッション部材18との間を流通するための流路を構成している。
[0041]
 止め輪19は、例えば縮拡径可能なC形リングにより構成されている。止め輪19は、ピストンロッド7の係止溝7Aに径方向外側から着脱可能に取付けられる。止め輪19の取付け状態で、ストッパ14の周溝14Eは、止め輪19に外側から係合するようにピストンロッド7の外周側に挿通され、これにより、ストッパ14はピストンロッド7の外周側に位置決め(仮止め)される。その後、ストッパ14の筒状固定部14Dは、ピストンロッド7の外周側にかしめ固定され、これにより、ストッパ14は、ピストンロッド7の外周側に係止溝7A、止め輪19を介して強固に固定され、ピストンロッド7の軸方向および径方向に位置決めされる。
[0042]
 サブ組立体20は、図3~図6に示すように、ストッパ14、キャッスル15およびピストンリング17を予めサブ組付けすることにより構成される。即ち、サブ組立体20は、互いに圧入結合された第1部材(ストッパ14)および第2部材(キャッスル15)と、それらの結合部外周に設けられるピストンリング17とから構成される。サブ組立体20のキャッスル15上には、筒状体からなるクッション部材18が配置される。
[0043]
 本実施の形態によるシリンダ装置としての油圧緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その組付け方法について説明する。
[0044]
 まず、油圧式のストッパ機構11の可動部を構成する第2ピストン13を、ピストンロッド7に組付けるときには、ピストン6をピストンロッド7に取付ける前に、第2ピストン13のサブ組付け工程と、第2ピストン13の固定工程を行う。
[0045]
 第2ピストン13のサブ組付け工程として、図3に示すように、ピストンロッド7の外周側にキャッスル15、ピストンリング17およびストッパ14を挿通し、ピストンロッド7の係止溝7Aには止め輪19を係止させた状態で、支持台となる支持プレート21上に、キャッスル15の鍔部15Aを載置し、この上からピストンリング17とストッパ14とを配置する。支持プレート21の内周側には、ピストンロッド7が内側に挿通される挿通穴21Aが形成されている。支持プレート21は、図3に示す所定位置に治具(図示せず)等を用いて固定されている。
[0046]
 次に、この状態で、ピストンロッド7には、矢示F方向に軸方向の外力を付加する。このとき、キャッスル15は、支持プレート21により図3に示す所定位置に固定されている。しかし、ストッパ14には、止め輪19を介してピストンロッド7の外力(矢示F方向)が付与される。このため、ストッパ14とキャッスル15との間には、互いに接近させる方向の外力が付加され、キャッスル15の筒状突部15Bは、ストッパ14の筒状部14A(内側嵌合穴14A1)の内側へと圧入嵌合される。
[0047]
 これにより、キャッスル15の筒状突部15Bを、ストッパ14の内側嵌合穴14A1に圧入結合することができ、両者の間のリング溝16内には、ピストンリング17が遊嵌状態で、かつ抜止め状態で装入される。このように、キャッスル15(筒状突部15B)をストッパ14(内側嵌合穴14A1)内に圧入することにより、互いに圧入結合されたストッパ14およびキャッスル15と、両者の結合部外周に設けられるピストンリング17とからサブ組立体20が構成される(図4~図6参照)。
[0048]
 この場合、ピストンリング17は、自由長状態の内径寸法がストッパ14の筒状部14Aの外周面(外径寸法)よりも僅かに大きい。このため、ストッパ14とキャッスル15とを圧入結合したサブ組立体20の状態では、ピストンリング17は、ストッパ14の鍔部14Bとキャッスル15の鍔部15A端面(凹凸部15Cが形成された面)との間で僅かに軸方向に変位することができる。換言すると、ストッパ14とキャッスル15とは、キャッスル15の筒状突部15Bをストッパ14の内側嵌合穴14A1に対して、内周側で圧入結合することにより抜止め状態で一体化される。
[0049]
 次に、第2ピストン13の固定工程として、図3に示す如く予めサブ組付けされたストッパ14、キャッスル15、ピストンリング17からなるサブ組立体20を、ピストンロッド7の外周側にストッパ14の筒状固定部14Dを介して固定する。即ち、ストッパ14の筒状固定部14Dを、例えば図7に示す如く径方向内向きに縮径させ、ピストンロッド7の外周側にかしめ固定する。即ち、サブ組立体20の一部をなすストッパ14は、下側の周溝14Eがピストンロッド7の外周側で止め輪19に係合した状態で、筒状固定部14Dがピストンロッド7の外周側にかしめ固定される。
[0050]
 これにより、筒状固定部14Dは、ストッパ14全体をピストンロッド7に止め輪19を介して抜止め、廻止め状態で固定することができる。その後、ピストンロッド7の外周側には、クッション部材18がキャッスル15の上側から遊嵌するように挿通され、クッション部材18の下端面は、キャッスル15の上端面(凹部15D上)に当接した状態となる。
[0051]
 一方、ストッパ機構11の第2シリンダ12は、内筒5の拡径部5Aの内側に、筒状のカラー12Aを介してスリーブ12Bを嵌合することにより組立てられる。この状態で、内筒5の内側にピストンロッド7を挿通して設け、このときに、ピストン6を内筒5内に摺動可能に挿嵌する。
[0052]
 その後は、ロッドガイド9の大径部9Aを外筒2に、小径部9Bを内筒5に圧入した後、ロッドシール4等が取付けられた蓋体3をロッドガイド9の上側に配設する。次に、ロッドガイド9が軸方向にがたつかないように、円筒状の押圧具(図示せず)等により蓋体3を介してロッドガイド9を内筒5に押付ける。この状態で、外筒2の上端部を径方向内側に折曲げることにより、蓋体3の外径側とロッドガイド9の大径部9Aとをかしめ部2Aによって固定する。
[0053]
 次に、このように組立てられた油圧緩衝器1は、ピストンロッド7の上端側を自動車の車体側に取付け、外筒2の下端側を車軸(いずれも図示せず)側に取付ける。これにより、自動車の走行時に振動が発生した場合には、ピストンロッド7が内筒5、外筒2から軸方向に縮小,伸長するときに、ピストン6のディスクバルブ6C,6D等によって縮小側,伸長側の減衰力が発生され、車両の上,下振動を減衰するように緩衝することができる。
[0054]
 即ち、ピストンロッド7が伸長行程にある場合には、ロッド側油室C内が高圧状態となるから、ロッド側油室C内の圧油がディスクバルブ6Dを介してボトム側油室B内へと流通し、伸長側の減衰力が発生する。そして、内筒5から進出したピストンロッド7の進出体積分に相当する分量の作動油が、リザーバ室A内からボトムバルブ(図示せず)を介してボトム側油室B内に流入する。
[0055]
 このとき、ロッド側油室C内が高圧状態となるから、ロッド側油室C内の作動油は、例えばピストンロッド7とガイド部10との僅かな隙間等を介して油溜め室9C内に漏出することがある。また、油溜め室9C内に漏出油が増えると、溢れた作動油は、蓋体3とロッドガイド9との間に設けた逆止弁4Aを介してロッドガイド9の連通路9D側に導かれ、徐々にリザーバ室A内に還流される。この場合、ピストンリング17の外周面と内筒5の内周面との間は隙間(図1参照)が形成されているので、作動油はこの隙間を介してストッパ機構11の軸方向一側と他側とに流れる。
[0056]
 一方、ピストンロッド7の縮小行程では、ピストン6の下側に位置するボトム側油室B内が高圧になるから、ボトム側油室B内の圧油がピストン6のディスクバルブ6Cを介してロッド側油室C内へと流通し、縮小側の減衰力を発生する。そして、内筒5内へのピストンロッド7の進入体積分に相当する分量の作動油が、ボトム側油室Bから前記ボトムバルブを介してリザーバ室A内に流入し、リザーバ室Aは内部のガスが圧縮されることにより、ピストンロッド7の進入体積分を吸収する。この場合も上記伸長時と同様に、ピストンリング17の外周面と内筒5の内周面との間は十分な隙間が空いているので、作動油はこの隙間を介してストッパ機構11の一側と他側とを流れる。
[0057]
 ところで、ピストンロッド7が外筒2の外側へと大きく伸長するときには、ストッパ機構11の可動部である第2ピストン13が第2シリンダ12の内周側へと摺動可能に挿嵌(進入)される。このとき、ピストンリング17の外周面がスリーブ12Bの内周面に摺接し、ピストンリング17はストッパ14の鍔部14Bとキャッスル15との間で軸方向に相対変位する。即ち、図8に示す如く、ピストンリング17の下端面は、ストッパ14の鍔部14Bの上面に当接される。
[0058]
 この場合、ピストンリング17の自由長状態の内径寸法は、ストッパ14の筒状部14Aの外周面よりも僅かに大きいので、ピストンリング17とストッパ14の筒状部14Aの外周面との間には隙間が形成される。そして、この隙間と鍔部14Bに設けられた切欠き14Cとにより、作動油の流通を許す小さな通路(油路)が形成される。この通路により、第2シリンダ12内の作動油は、第2ピストン13の軸方向一側(クッション部材18側)から他側(ストッパ14の下側)に向けて排出される。これにより、第2シリンダ12内で第2ピストン13の軸方向一側(上側)から他側(下側)へと排出(流通)される作動油には、例えばストッパ14の切欠き14Cを流通するときに大きな絞り抵抗が与えられる。
[0059]
 このため、ピストンロッド7が大きく伸長し、第2ピストン13がピストンリング17と一緒に第2シリンダ12内に挿嵌されるように進入した状態(ピストンロッド7の伸び切り状態)では、前述した作動油の絞り抵抗によってピストンロッド7の伸長動作を抑制する方向の力を発生することができる。この力は、ピストンロッド7の最大伸長時の衝撃緩和力を構成するものである。この結果、ピストンロッド7の伸長方向の変位に対して油圧的なクッション作用を与えることができ、ピストンロッド7の伸び切りを抑制することができる。
[0060]
 また、仮に、クッション部材18が第2シリンダ12の内側でロッドガイド9の下面に衝突する位置まで、ピストンロッド7が最大伸長した場合でも、このときには、衝突防止用のクッション部材18が弾性変形することにより衝撃を緩和することができる。さらに、ピストンロッド7のこれ以上の伸長動作を抑制することができる。
[0061]
 一方、このように最大伸長したピストンロッド7が縮小行程に切換ったとき(第2ピストン13が第2シリンダ12から下方へと抜出す方向に変位するとき)には、ピストンリング17が第2シリンダ12のスリーブ12Bに摺接することにより、ピストンリング17が上向きに相対変位するように動作する。即ち、図9に示すように、ピストンリング17の上端面は、キャッスル15の鍔部15A下面に当接する。
[0062]
 しかし、この場合には、キャッスル15の鍔部15Aには複数の凹凸部15Cが設けられているので、ピストンリング17の上端面と凹凸部15Cとの間には作動油が流通する切欠き(隙間)が形成される。このため、ピストンロッド7の縮小行程では、第2ピストン13の軸方向下側から上側へと第2シリンダ12内に向けて作動油が円滑に流通するのを、キャッスル15の各凹凸部15Cによって許すことができ、ピストンロッド7の縮小動作を円滑化することができる。
[0063]
 特に、複数の凹凸部15Cが形成する隙間は、鍔部14Bの切欠き14Cの流路面積よりも大きな流路面積をもって形成されているので、ピストンロッド7の伸長時に比べて、ピストンロッド7の縮小時の方が作動油の流路面積が大きくなる。この結果、第2ピストン13は、第2シリンダ12内から下方へと滑らかに進出するように動作し、ピストンロッド7の円滑な縮小動作を補償することができる。
[0064]
 かくして、本実施の形態によれば、油圧式のストッパ機構11を、内筒5の拡径部5Aの内側に固定して設けられた第2シリンダ12と、ピストンロッド7の外周側に設けられた第2ピストン13とにより構成している。この第2ピストン13は、ピストンロッド7に結合されたストッパ14と、ストッパ14の上側に位置し内側嵌合穴14A1内に圧入結合することにより一体化されたキャッスル15と、キャッスル15とキャッスル15とにより形成されるリング溝16に取付けられるピストンリング17と、クッション部材18とを有している。
[0065]
 ここで、ストッパ14とキャッスル15とは、その内周側で圧入結合することにより一体化され、ストッパ14とキャッスル15との間にリング溝16を形成する構成としている。この場合、ピストンリング17をストッパ14の筒状部14A外周に挿嵌した状態で、ストッパ14とキャッスル15とを圧入結合することにより、ピストンリング17をリング溝16内に取付けている。これにより、ピストンリング17をリング溝16内で軸方向に変位可能でかつ抜止め状態で取付けることができる。また、ストッパ14とキャッスル15とピストンリング17とによりサブ組立体20を構成している。この結果、少ない部品点数でストッパ機構11を構成できるので、ストッパ機構11の組付作業性および生産性を向上することができる。
[0066]
 ところで、図10に示す第1の比較例(特許文献1参照)では、第2ピストン31を、ストッパ32、キャッスル33、リング溝34およびピストンリング35により構成している。ストッパ32の鍔部32Bには、その下側にメタルフローにより径方向内側へと縮径される嵌合部32Cを設け、この嵌合部32Cをピストンロッド7の環状溝7A′に嵌合させて、ストッパ32全体をピストンロッド7に抜止め、廻止め状態で固定する構成としている。ストッパ32の筒状部32Aは、その上端側をキャッスル33の下面側にメタルフローにより径方向で嵌合して結合する構成としている。
[0067]
 このような第1の比較例では、メタルフロー(摩擦熱による塑性変形)を用いるため、設備が大きくなり、生産性を必ずしも向上できない。ストッパ32の筒状部32Aをキャッスル33の下面内周側にメタルフローで嵌合させており、筒状部32Aの上端に対してキャッスル33が外周側から嵌合するため、リング溝34の周面(ピストンリング35の摺動面)が変形し易く、油圧式ストッパ機構としての性能が低下する虞れがある。
[0068]
 また、図11に示す第2の比較例では、油圧式のストッパ機構41を、第2シリンダ42と第2ピストン43とにより構成している。カラー42Aとスリーブ42Bとからなる第2シリンダ42には、スリーブ42Bの下端側に縦溝42Cを周方向に複数形成している。第2ピストン43は、ストッパ44、キャッスル45、リング溝46およびピストンリング47により構成している。ストッパ44は、止め輪48を用いてピストンロッド7の外周側に固定され、キャッスル45は、他の止め輪49でピストンロッド7の外周側に固定されている。
[0069]
 カラー42Aは樹脂材で形成されており、内筒5の拡径部5Aと、スリーブ42Bとの間に設けられている。スリーブ42Bの下側の縦溝42Cは、第2ピストン43側からロッドガイド9側に向けて径方向幅が小さくなる形状をしている。また、縦溝42Cは、スリーブ42Bの内周側から外周側に向けてプレスで押圧することにより、形成している。これにより、スリーブ42Bの内周側は凹状、スリーブ42Bの外周側は凸状としている。カラー42Aには、切欠き部42Dが設けられる。この切欠き部42Dは、カラー42A側に凸となった縦溝42Cを嵌めるように設けられる。つまり、縦溝42Cよりも軸方向、径方向ともに大きい形状としている。さらに、カラー42のロッドガイド9側の端には、切欠き溝42Eが形成される。この切欠き溝42Eは、スリーブ42Bに対してカラー42を圧入する際の位置合わせとして使用する。この切欠き溝42Eにより、スリーブ42Bに対するカラー42Aの圧入を自動機で組み付けることが可能になる。
[0070]
 また、ストッパ44とキャッスル45との間には、ディスク50が設けられており、ディスク50には切欠き51が設けられている。これにより、スリーブ42B内に第2ピストン43が進入を始めたときは、スリーブ42Bの縦溝42Cとピストンリング47との隙間と、ピストンリング47とキャッスル45との間、ディスク50の切欠き51を介して油が流れる。次に、第2ピストン43がロッドガイド9側に向うにつれて、徐々に油の流れが減少し、縦溝42Cがない位置まで第2ピストン42が進入すると、ピストンリング47とキャッスル45との間、ディスク50の切欠き51を介してのみ、油の流れが生じる構成としている。これにより、徐々にスリーブ42B内の圧力が上昇するため、滑らかに減衰力を増加させることができる。
[0071]
 しかし、このような第2の比較例において、キャッスル45は、断面L字状の筒体として形成され、ストッパ44との間にリング溝46を形成するためには、他の止め輪49を用いてピストンロッド7の外周側に固定する必要がある。ストッパ44とキャッスル45とをピストンロッド7の外周側に止め輪48,49を用いて別々に固定するため、組立時の工数が増え、生産性を必ずしも向上することができない。
[0072]
 これに対し、本実施の形態では、キャッスル15の筒状突部15Bをストッパ14の内側嵌合穴14A1内へと軸方向に圧入し、キャッスル15をストッパ14に抜止め状態で嵌合することにより、ストッパ14とキャッスル15とを一体的に結合する構成としている。しかも、キャッスル15の筒状突部15Bは、その肉厚がストッパ14の筒状部14A(内側嵌合穴14A1の径方向外側部位)よりも薄肉に形成されている。さらに、筒状突部15Bの内径寸法は、ピストンロッド7の外径寸法よりも僅かに大径に形成され、ピストンロッド7の外周面と筒状突部15Bとの間には径方向の隙間(図3、図7~図9参照)が形成されている。
[0073]
 このため、キャッスル15の筒状突部15Bを、ストッパ14の筒状部14Aに対し内側嵌合穴14A1の内側へと圧入嵌合したときに、ストッパ14の筒状部14Aが径方向外側へと膨らむように変形するのを抑えることができ、リング溝16の周面(ピストンリング17の摺動面)が筒状突部15Bの圧入により変形することはなくなる。これにより、リング溝16内でのピストンリング17の摺動変位(上,下方向の変位)を円滑に保ち、油圧式のストッパ機構11としての性能を向上することができる。
[0074]
 また、本実施の形態によると、ストッパ14には、作動油の流れを抑制して減衰力を発生させる絞り部としての切欠き14Cを設ける構成としている。これにより、ピストンロッド7が最大伸長位置に近づいたときには、ピストンリング17がストッパ14の鍔部14Bと当接した状態で、絞り流路としての切欠き14Cを介して作動油を流通させることができる。この結果、切欠き14Cにより作動油の流通を抑制し減衰力を発生させることができ、ピストンロッド7の最大伸長時の衝撃緩和力を良好に発生することができる。
[0075]
 また、キャッスル15の凹凸部15Cは、リング溝16に形成された切欠きとして、作動油をキャッスル15とピストンリング17との間を常時流通させる構成としている。これにより、ピストンロッド7の縮小行程では、第2ピストン13の軸方向他側(下側)から一側(上側)へと第2シリンダ12内に向けて作動油が円滑に流通するのを許すことができ、ピストンロッド7の縮小動作を円滑化することができる。
[0076]
 なお、前記実施の形態では、ピストンロッド7の係止溝7Aに止め輪19を嵌合させ、この状態でストッパ14の筒状固定部14Dをピストンロッド7の外周側にかしめ固定する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばメタルフロー(塑性流動)等の手段を用いてストッパ14の筒状固定部14Dを、ピストンロッド7の外周側に固定する構成としてもよい。
[0077]
 また、前記実施の形態では、キャッスル15に5個の凹凸部15Cを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、キャッスルに1個ないし4個または6個以上の凹窪部を設ける構成としてもよい。
[0078]
 また、前記実施の形態では、クッション部材18の上面に波形状の凹凸面18Aを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、クッション部材の上端面から下端面に向けて軸方向に貫通する貫通孔を設ける構成としてもよい。
[0079]
 また、前記実施の形態では、ピストンリング17を、例えば耐熱性を有する金属材料またはフッ素系樹脂材料を用いて縮拡径可能なリングとして形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば高強度の繊維強化樹脂材料等を用いてピストンリングを形成してもよい。
[0080]
 一方、前記実施の形態では、第2シリンダ12は、内筒5(第1シリンダ)の中に第2シリンダ12となる筒を挿嵌し、内筒5と第2シリンダ12とを別体で設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば内筒を縮径させて、内筒と第2シリンダとを一体に形成する構成としてもよい。
[0081]
 また、前記実施の形態では、外筒2と内筒5とを含んだ複筒式の緩衝器を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、単一のシリンダ内にピストンを摺動可能に挿嵌して設ける単筒式の緩衝器にも適用することができる。
[0082]
 さらに、前記実施の形態では、4輪自動車の各車輪側に取付ける油圧緩衝器1をシリンダ装置の代表例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2輪車に用いる油圧緩衝器であってもよく、車以外の種々の機械、建築物等に用いるシリンダ装置に用いてもよいものである。
[0083]
 以上説明した実施形態に基づく緩衝器として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
[0084]
 シリンダ装置の第1の態様としては、作動流体が封入された第1シリンダと、前記第1シリンダ内に摺動可能に設けられ、前記第1シリンダ内を仕切る第1ピストンと、前記第1ピストンに連結されたピストンロッドと、前記第1シリンダの一端側に設けられ前記ピストンロッドを挿通させて摺動可能に案内するロッドガイドと、前記ピストンロッドが伸びまたは縮んで前記第1シリンダ内の端部に達するときに作動するストッパ機構と、を備えたシリンダ装置であって、前記ストッパ機構は、前記第1シリンダ内の端部に設けられた第2シリンダと、前記ピストンロッドの移動に伴って移動し前記第2シリンダ内側に挿入可能となった第2ピストンと、を有し、前記第2ピストンは、前記ピストンロッドに結合される第1部材と、前記第1部材と圧入結合により一体化され、前記第1部材との間で前記第2ピストンの外周囲にリング溝を形成する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とで形成される前記リング溝に軸方向に変位可能でかつ抜止め状態に取り付けられ、環状で一部が切り離された周方向の両端を有するピストンリングと、からなり、前記ピストンロッドには、圧入結合された前記第1部材および前記第2部材と、それらの結合部外周に設けられる前記ピストンリングとから構成されるサブ組立体が固定されることを特徴としている。これにより、ストッパ機構の構成部品をピストンロッドに組付けるときの作業性を向上することができる。
[0085]
 第2の態様としては、第1の態様において、前記第2部材は、環状の鍔部と、該鍔部の内周側から軸方向に延びる筒状突部と、前記鍔部の前記筒状突部側に周方向に交互に形成される凹凸部と、を有し、鍛造により一体形成されていることを特徴としている。これにより、第1部材と第2部材とを、その内周側で圧入結合して両者を一体化し、強固に結合することができる。また、第2部材の凹凸部を、リング溝に形成された切欠きとして機能させ、作動流体を第2部材とピストンリングとの間で常時流通させることができる。さらに、第2部材は鍛造により一体形成されているので、切削加工等を行うことなく、第2部材には、鍔部、筒状突部および凹凸部を形成することができる。
[0086]
 尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
[0087]
 本願は、2017年6月5日付出願の日本国特許出願第2017-110781号に基づく優先権を主張する。2017年6月5日付出願の日本国特許出願第2017-110781号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。

符号の説明

[0088]
 1 油圧緩衝器(シリンダ装置) 5 内筒(第1シリンダ) 6 第1ピストン 7 ピストンロッド 9 ロッドガイド 11 ストッパ機構 12 第2シリンダ 13 第2ピストン 14 ストッパ(第1部材) 14A 筒状部 14A1 内側嵌合穴 14B 鍔部 14D 筒状固定部 15 キャッスル(第2部材) 15A 鍔部 15B 筒状突部 15C 凹凸部 16 リング溝 17 ピストンリング 19 止め輪 20 サブ組立体

請求の範囲

[請求項1]
 シリンダ装置であって、該シリンダ装置は、
 作動流体が封入された第1シリンダと、
 前記第1シリンダ内に摺動可能に設けられ、前記第1シリンダ内を仕切る第1ピストンと、
 前記第1ピストンに連結されたピストンロッドと、
 前記第1シリンダの一端側に設けられ前記ピストンロッドを挿通させて摺動可能に案内するロッドガイドと、
 前記ピストンロッドが伸びまたは縮んで前記第1シリンダ内の端部に達するときに作動するストッパ機構と、を備えており、
 前記ストッパ機構は、
 前記第1シリンダ内の端部に設けられた第2シリンダと、
 前記ピストンロッドの移動に伴って移動し前記第2シリンダ内側に挿入可能となった第2ピストンと、を有し、
 前記第2ピストンは、
 前記ピストンロッドに結合される第1部材と、
 前記第1部材と圧入結合により一体化され、前記第1部材との間で前記第2ピストンの外周囲にリング溝を形成する第2部材と、
 前記第1部材と前記第2部材とで形成される前記リング溝に軸方向に変位可能でかつ抜止め状態に取り付けられ、環状で一部が切り離された周方向の両端を有するピストンリングと、を備えており、
 前記ピストンロッドには、サブ組立体が固定されており、前記サブ組立体は、
 圧入結合された前記第1部材および前記第2部材と、
 前記第1部材および前記第2部材の結合部外周に設けられる前記ピストンリングとを備えていることを特徴とするシリンダ装置。
[請求項2]
 請求項1に記載のシリンダ装置において、
 前記第2部材は、
 環状の鍔部と、
 該鍔部の内周側から軸方向に延びる筒状突部と、
 前記鍔部の前記筒状突部側に周方向に交互に形成される凹凸部と、を有しており、
 前記第2部材は、鍛造により一体形成されていることを特徴とするシリンダ装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]