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1. (JPWO2011027704) 圧電ファン及びこの圧電ファンを用いた空冷装置
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Description

Title of Invention 圧電ファン及びこの圧電ファンを用いた空冷装置 JP 2009201239 20090901 20131002 F04D 33/00 米国特許出願公開第2007/0037506(US,A1) 実開昭62−82399(JP,U) 特開2008−297915(JP,A) 特開昭64−57000(JP,A) 特開2010−67909(JP,A) JP2010064438 20100826 WO2011027704 20110310 20111205 田谷 宗隆

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005  

Citation List

Patent Literature

0006  

Non Patent Literature

0007  

Summary of Invention

Technical Problem

0008  

Technical Solution

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

Advantageous Effects

0021  

Brief Description of Drawings

0022  

Description of Embodiments

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

Reference Signs List

0036  

Claims

1   2   3   4   5   6  

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12    

Description

圧電ファン及びこの圧電ファンを用いた空冷装置

JP 2009201239 20090901 20131002 F04D 33/00 patcit 1 : 米国特許出願公開第2007/0037506(US,A1)
patcit 2 : 実開昭62−82399(JP,U)
patcit 3 : 特開2008−297915(JP,A)
patcit 4 : 特開昭64−57000(JP,A)
patcit 5 : 特開2010−67909(JP,A)
JP2010064438 20100826 WO2011027704 20110310 20111205 田谷 宗隆

Technical Field

[0001]
本発明は圧電素子の駆動によってブレードを励振させ、ヒートシンク等の発熱源から暖気を排出する圧電ファン及び空冷装置に関するものである。

Background Art

[0002]
近年、携帯型の電子機器では小型化と部品の高密度実装化に伴って、電子機器内部で発生する熱の放熱対策が課題になっている。このような電子機器を効率よく空冷する手段として、圧電ファンと呼ばれる空冷装置が提案されている。
[0003]
非特許文献1には、ピエゾ素子(圧電素子)を用いた圧電ファンが提案されている。この圧電ファンは、図5に示すように、平板状の金属板21の一端側の両面に圧電素子22を貼り付け、圧電素子22を貼り付けた部分でバイモルフアクチュエータ部23を形成し、アクチュエータ部23の一端を支持部材24で支持すると共に、金属板21の他端側に櫛歯状の複数のブレード21aを形成したものである。ブレード21aをヒートシンク30のフィン31間に挿入し、圧電素子22を駆動することにより、ブレード21aを励振させ、フィン31間の暖気を効率よく排出することができる。
[0004]
この構造の圧電ファンでは、ブレード21aがアクチュエータ部分から真っ直ぐに延びているため、アクチュエータ部分23がヒートシンク30の外部へ大きく突出し、専有体積が大きくなるという欠点がある。また、圧電素子22の振動がブレード21aに伝わることで、ブレード21aが大きく変位するが、その反面、ブレード21aの振幅が大きいので、その反動によって圧電素子22も大きく振動する。その結果、圧電素子にかかる負荷が増大し、圧電素子のクラック発生など信頼性の低下を招く可能性がある。
[0005]
特許文献1には、圧電振動子の一端部を支持部材に固定し、当該圧電振動子の他端部にブレードを圧電振動子の延長方向と直交する方向に取り付けた小型ファンが開示されている。この場合には、縦方向及び横方向の長さを短くできることから、設置スペースを小さくできるという利点がある。しかしながら、この構造のファンは、圧電振動子に接続部材を介して別体のブレードを取り付けた構造であるため、接続部材の部分に応力が集中し、長期間安定した励振効果が得られない。しかも、1つの圧電振動子に対し1つのブレードを取り付けた構造であるから、ヒートシンクの複数のフィン間にブレードを挿入することができず、フィン間の暖気を効率よく排出できない。

Citation List

Patent Literature

[0006]
patcit 1 : 実開平02−127796号公報
patcit 2 : 特開2010−67909号公報

Non Patent Literature

[0007]
nplcit 1 : インターネット(PC Watch)の下記ページHTTP://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0423/intel.htm

Summary of Invention

Technical Problem

[0008]
本発明は、共通する圧電素子で複数のブレードを励振させたとき、各ブレードの振幅ばらつきを抑制し、冷却効果および耐久性に優れた圧電ファン及び空冷装置を提供することを目的とする。

Technical Solution

[0009]
ここで、本発明について説明する前に、本発明を完成するに至った経緯を説明する。図6は、非特許文献1に記載の構造を特許文献1に適用した圧電ファンの仮想例である。この圧電ファン20は、振動板21の一端側の両面に圧電素子22を貼り付けると共に、振動板21の他端側に複数のブレード21aを一体形成したもので、ブレード21aの根元部付近で直角に折り曲げたものである。振動板21の一端部が支持部材24によって固定保持されている。この構造の場合、図7に示すように、各ブレード21aをヒートシンク30のフィン31間に直角方向に挿入できるので、ヒートシンク30の底面中央を集中的に冷却できると共に、アクチュエータ部分をヒートシンク30の外部に沿わせて配置できるので、省スペースとなる。しかも、後述するように、非特許文献1に示す一直線状のファンに比べて、ブレード21aの振動が圧電素子22へ及ぼす影響が小さくなり、圧電素子22の信頼性が高くなると考えられる。
[0010]
図8は、圧電素子への印加電圧を30Vpp、60Vppとしたときのブレードの折り曲げ角度と、圧電素子の変位量との関係を示す図である。なお、振動板は厚み0.1mmのステンレス板、ブレードの幅は4mm、ブレードの折り曲げ部から先端までの長さL1は22mm、折り曲げ部から支持部材までの長さL2は20mmとした。図8からわかるように、ブレードが直線状(角度0°)の場合に比べて、ブレードの折り曲げ角度が増大するにつれて圧電素子の変位量が小さくなる。例えばブレードの折り曲げ角度が90°のとき、圧電素子の変位量はブレードが直線状の場合に比べて約60%になる。したがって、ブレードを折り曲げることで圧電素子にかかる負荷を小さくできることがわかる。
[0011]
図9は、圧電素子への印加電圧を30Vpp、60Vppとしたときのブレードの折り曲げ角度と、変位比との関係を示す図である。変位比とは、ブレード先端部の変位量と圧電素子の変位量との比であり、変位比が大きい方が励振効率がよいことを示す。ブレードが直線状(角度0°)の場合には変位比が約24であるのに対し、ブレードの折り曲げ角度が90°になると変位比は約35に増大する。つまり、ブレードを折り曲げた場合、ブレードの先端部をより効率よく励振させることができる。
[0012]
このように、ブレードを折り曲げた圧電ファンには有利な点があるが、その反面、次のような問題が発生する。すなわち、ブレード21aがその途中で折り曲げられているため、個々のブレード21aの共振周波数のばらつきが大きくなり、ブレード先端部における振幅のばらつきが大きくなることである。圧電素子22を駆動すると、図6に示すようにブレード21aの根元部(折り曲げ前)ではA方向に振動し、ブレード21aの先端部ではA方向と直交方向のB方向に振動する。個々のブレード21aは同じ共振周波数で振動するように予め設計されているが、実際には折り曲げ部の角度やRのわずかな違いで各ブレード21aの共振周波数が異なる。ところが、圧電素子22は一定周波数で駆動されるので、各ブレード21aの振幅にばらつきが発生する。そのため、ヒートシンクの各フィン間の冷却効果にばらつきが発生するという問題があった。
[0013]
そこで、本発明では、長さ方向一方端が固定支持され、長さ方向他方端側が自由端とされた振動板と、前記振動板の表裏面の少なくとも一面に貼り付けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子の駆動により前記振動板を板厚方向に励振させて空気流を発生させる圧電ファンにおいて、前記振動板の長さ方向中間部に、直交方向の折り曲げ部が形成されており、前記振動板の自由端から前記折り曲げ部より所定長さだけ自由端側の位置までスリットを形成することにより、複数に分割されたブレードが形成されており、前記圧電素子は、前記折り曲げ部より固定端側に貼り付けられていることを特徴とする圧電ファンを提供する。
[0014]
本発明は、個々のブレードを大きく励振させるよりも、各ブレードは連結してでも共振周波数を揃えて振動させる方が、各ブレードの振幅ばらつきを抑制でき、冷却効果及び耐久性に優れた圧電ファンが得られるという知見に基づいている。図6のようにブレード部分に折り曲げ部を形成すると、ブレード先端部に大きな振幅が得られるが、振幅の最も大きなブレードの共振周波数に合わせて圧電素子を駆動すると、共振周波数ばらつきのためにいずれかのブレードの振幅が小さくなる。しかも、ブレードの折り曲げ部に応力が集中し、折り曲げ部分での破断が起こりやすい。これに対し、本発明では複数のブレードに分割される前の段階で直交方向の折り曲げ部を形成してあるので、ブレードの最大振幅は多少減少するが、折り曲げ部の角度やRのばらつきが小さくなるので、ブレード間での共振周波数バラツキを小さくできる。つまり、ブレード部分に折り曲げ部を形成した場合より最大振幅は減少するが、最小振幅は増大する。そのため、ブレード全体の振幅はほぼ均一になり、均等な冷却効果が得られる。また、折り曲げ部の断面積を大きくできるので、折り曲げ部での応力集中を軽減でき、折り曲げ部分での疲労破断に対する信頼性が向上する。
[0015]
本発明における直交方向とは、厳密に90°である必要はなく、90°±10°程度の範囲であれば、同様な効果が得られる。振動板としては、ステンレス板のような金属板に限らず、樹脂板でもよい。圧電素子は振動板の片面又は両面に貼り付けられており、片面の場合にはユニモルフアクチュエータを構成し、両面の場合にはバイモルフアクチュエータを構成する。圧電素子の駆動によってブレードが一次共振できるように、振動板(ブレード)の厚み、ヤング率、ブレードの長さ等を適切に設定すればよい。
[0016]
振動板の折り曲げ部にR面を形成してもよい。折り曲げ部を角型に折り曲げてもよいが、加工歪みによる疲労破壊が発生しやすい。これに対し、折り曲げ部にR面を形成すれば、加工歪みを低減でき、疲労破壊の発生を抑制できる。
[0017]
振動板の長さ方向一方端には圧電素子が貼り付けられていない延長部が形成されており、この延長部は支持部材によって固定支持されている構造とするのがよい。圧電素子の端部を支持部材に固定支持してもよいが、支持部材が圧電素子の変位を拘束することになり、電気エネルギーから振動エネルギーへの変換効率が低下する。これに対し、振動板の延長部を固定支持すれば、圧電素子が自由に変位しやすくなり、変換効率が向上する。
[0018]
圧電素子に供給される信号の周波数を一定の範囲にわたり掃引して、そのインピーダンスの変化からブレードの共振周波数を自動的に検出し、圧電素子をその共振周波数において駆動することにより、ブレードを共振状態に維持するドライバ回路を備えるのが望ましい。圧電素子を駆動するドライバ回路として、圧電素子に予め決められた周波数信号を印加してブレードを励振させるものもあるが、信号の周波数とブレードの共振周波数との間にずれがあると、ブレードを効率よく励振できない。そこで、圧電素子に供給される信号の周波数を一定の範囲にわたり掃引して、ブレードの共振周波数を自動的に検出し、圧電素子をその共振周波数において駆動することにより、ブレードを共振状態に維持するドライバ回路を用いることができる。その場合、前記仮想例のように個々のブレードの共振周波数のばらつきが大きいと、ドライバ回路が複数の周波数を拾ってしまうため、正常に動作しない可能性がある。また、ドライバ回路の指令信号にうねりが発生する可能性がある。本発明の圧電ファンは、複数のブレードに分割される前に折り曲げられているので、各ブレードの共振周波数のばらつきが小さく、自動検出型のドライバ回路が適正な周波数を検出できる。そのため、最適な周波数で効率よくブレードを励振させることができる。
[0019]
上述の圧電ファンを、間隔をあけて並設された複数の放熱フィンを有するヒートシンクに適用すれば、空冷装置を実現できる。すなわち、圧電ファンの複数のブレードを、ヒートシンクの放熱フィンの間に、ブレードの励振方向が放熱フィンの側面と平行になるように挿入する。これによって、放熱フィンの間の空気を効率よく排出できると共に、圧電ファンのヒートシンクからの突出量を抑制でき、小型の空冷装置を実現できる。
[0020]
上述の空冷装置において、圧電ファンの複数のブレードをヒートシンクの底面に対して直交方向に挿入し、圧電素子をヒートシンクのフィンの頂面と平行に配置するのが望ましい。この場合には、ヒートシンクの底面中央を集中的に冷却できると共に、圧電素子をヒートシンクの上部に沿わせて配置できるので、省スペースとなる。

Advantageous Effects

[0021]
以上のように、本発明によれば、複数のブレードに分割される前の位置に折り曲げ部を形成してあるので、ブレード間での共振周波数バラツキを小さくできる。そのため、ブレード全体の振幅はほぼ均一になり、均等な冷却効果が得られる。また、折り曲げ部の断面積を大きくできるので、折り曲げ部での応力集中を軽減でき、折り曲げ部分での疲労破断に対する信頼性が向上する。

Brief Description of Drawings

[0022]
[fig. 1] 本発明に係る圧電ファンの第1実施形態の斜視図である。
[fig. 2] 図1に示す圧電ファンの分解斜視図である。
[fig. 3] 比較例1の圧電ファンと本発明の圧電ファンとの各ブレード先端部の振幅を対比して示した図である。
[fig. 4] 図1に示す圧電ファンをヒートシンクの空冷装置に用いた斜視図である。
[fig. 5] 非特許文献1に示された圧電ファンの斜視図である。
[fig. 6] 非特許文献1に記載の構造を特許文献1に適用した比較例1の斜視図である。
[fig. 7] 図6に示す圧電ファンをヒートシンクの空冷装置に用いた斜視図である。
[fig. 8] 圧電素子への印加電圧を30Vpp、60Vppとしたときのブレードの折り曲げ角度と、圧電素子の変位量との関係を示す図である。
[fig. 9] 圧電素子への印加電圧を30Vpp、60Vppとしたときのブレードの折り曲げ角度と、変位比との関係を示す図である。
[fig. 10] 特許文献2を適用した比較例2の斜視図である。
[fig. 11] 本発明と比較例2との冷却能力を表す周波数×振幅の値を示す図である。
[fig. 12] 本発明と比較例2との圧電体の振動の大きさを比較した図である。

Description of Embodiments

[0023]
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
[0024]
図1,図2は本発明に係る圧電ファンの第1実施形態を示す。この圧電ファン1はステンレス板などの薄肉金属板よりなる振動板2を備えており、振動板2の長さ方向一端(固定端)側に平板状の基板部2aが設けられ、この基板部2aの表裏面に圧電素子3,3を貼り付けることで、バイモルフアクチュエータを構成している。なお、基板部2aの片面に圧電素子3を貼り付けてユニモルフアクチュエータを構成してもよい。振動板2の長さ方向他端(自由端)側には、平行な複数のスリット2eを形成することによって、複数(ここでは7つ)のブレード2dが一体形成されている。振動板2の長さ方向中間部に90°の折り曲げ部2bが形成されており、スリット2eは、振動板2の自由端から折り曲げ部2bより所定長さSだけ自由端側の位置まで形成されている。そのため、ブレード2dは折り曲げ部2bより長さ方向他方端側で複数に分割されている。換言すると、振動板2は複数のブレード2dに分割される前の位置で折り曲げられている。この実施例の折り曲げ部2bはR面で構成されている。ブレード2dは圧電素子3の主面方向に対して直交方向に延びている。振動板2の基板部2aの終端側、つまり折り曲げ部2bとは逆側の端部には、圧電素子3が貼り付けられていない延長部2cが形成され、延長部2cは図示しない固定部に固定された支持部材5によって保持されている。2個の圧電素子3,3及び振動板2はドライバ回路6と電気的に接続されている。
[0025]
ドライバ回路6から2個の圧電素子3,3に互いに逆位相の周波数信号を印加すると、アクチュエータ部が上下に屈曲振動し、折り曲げ部2bにはA方向の振動が発生する。そのため、ブレード2dの先端部にはA方向に対して直交しかつ大きな振幅のB方向の振動が励振される。この実施例のドライバ回路6は、圧電素子3,3に供給される信号の周波数を一定の範囲にわたり掃引して、そのインピーダンスの変化からブレード2dの共振周波数を自動的に検出し、圧電素子3,3をその共振周波数において駆動することにより、ブレード2dを共振状態に維持する機能を有する。当該ドライバ回路6は例えば特開昭64−57000号公報などにより公知であるため、その詳細は省略する。7本のブレード2dは折り曲げ部2bより先端側で分割されているので、後述するように各ブレード2dの共振周波数のばらつきが小さく、ドライバ回路6がブレード2dの共振周波数を正確に検出できる。そのため、すべてのブレード2dを効率よく励振させることができる。
[0026]
図3は、7本のブレードに分割された後の位置で直角に折り曲げた比較例1の圧電ファン(図6参照)と、7本のブレードに分割される前の位置で直角に折り曲げた本発明の圧電ファン(図1参照)とについて、各ブレード先端部の振幅を比較したものである。振動板及びブレードの条件は、次の通りである。
振動板:厚み0.1mmのステンレス板
ブレードの幅:4mm
ブレードの折り曲げ部から先端までの長さL1:22mm
折り曲げ部から支持部材までの長さL2:20mm
折り曲げ部からスリットまでの長さS:2mm
スリットの幅:2mm
振動板の長さ:42mm
全ブレードの全体の幅W:45mm
圧電素子の印加電圧:30Vpp,周波数:145kHz
[0027]
図3から明らかなように、比較例1の圧電ファン(図6参照)では、一方端の1番目のブレードが最大振幅(11mm)で共振するように圧電素子への信号を設定した場合であり、他方端側の5〜7番目のブレードの振幅は約8mmにまで低下する。つまり、最大振幅と最小振幅との差が3mmあり、振幅に約30%のバラツキが発生している。図3は圧電素子への信号を1番目のブレードの共振周波数に合わせた例であるが、どのブレードの共振周波数に合わせても、同様な結果になる。
[0028]
一方、本発明にかかる圧電ファン(図1参照)では、7番目のブレードが最大振幅(10.2mm)で共振するように圧電素子への信号を設定した場合であり、両端のブレード(1番目と7番目)の振幅が大きくなるが、中間部のブレード(2番目〜6番目)の振幅はほぼ一定であり、最大振幅と最小振幅との差は約1mmである。つまり、振幅ばらつきは約10%に過ぎず、すべてのブレード2dの共振周波数のバラツキが小さい。そのため、この圧電ファンをヒートシンクの冷却に用いた場合、冷却効果に偏りが殆ど発生しない。本発明にかかる圧電ファン1に、ブレード2dの共振周波数を自動的に検出する方式のドライバ回路6を用いた場合、共振周波数を適正に検出でき、すべてのブレード2dを効率よく励振させることができる。さらに、ブレードに分割される前の位置で直角に折り曲げられているので、折り曲げ部における断面積が比較例1に比べて大きくなり、折り曲げ部分での疲労破断に対する信頼性が向上する。
[0029]
図4は、本圧電ファン1をヒートシンク10の空冷装置として用いた例を示す。ヒートシンク10は、間隔をあけて並設された複数枚(ここでは8枚)の放熱フィン11を有している。ヒートシンク10は、例えば回路基板上に実装された発熱素子(CPU等)の上面に熱的に結合された状態で取り付けられている。したがって、発熱素子から生じる熱はヒートシンク10に伝導され、各放熱フィン11間の空気は熱せられる。圧電ファン1の各ブレード2dは各フィン11の間にヒートシンク10の底面と直角方向に非接触で挿入されている。スリット2eの幅はフィン11の厚みより大きいで、ブレード2dがフィン11に接触することはない。振動板2の基板部2a及び圧電素子3で構成されるアクチュエータ部は、ヒートシンク10の上端にそって平行に配置されている。そのため、アクチュエータ部分をヒートシンク10の外部に大きく突出せず、省スペースとなる。前述のように圧電素子3,3を駆動することによって、ブレード2dを放熱フィン11の側面と平行に振動させ、放熱フィン11近傍の暖気をブレード2dでかき取ることで、ヒートシンク10を効率よく冷却できる。
[0030]
図10は、本発明に対する比較例2を示す。この比較例2は、特許文献2の図10に示された圧電ファンを適用して合計7枚のブレードを形成したものである。40は圧電ファン、41は振動板、42は圧電素子、43は支持部材である。振動板41の直角な折り曲げ部41bから自由端に亘ってスリット41cを形成することで、複数のブレード41aに分割している。折り曲げ部41bの内側及び外側に支持ブロック44が固定され、折り曲げ部41bが補強されている。
[0031]
ここで、本発明(図1参照)と比較例2との特性を比較するため、振動特性を測定した。振動板及びブレードの条件は、次の通りである。
振動板:厚み0.05mmのステンレス板
ブレードの幅:4mm
ブレードの折り曲げ部から先端までの長さL1:26mm
折り曲げ部から支持部材までの長さL2:25mm
スリットの幅:2mm
支持ブロック:4mm×4mm×55mmのステンレス材
圧電素子の印加電圧:20Vpp,周波数:45kHz
[0032]
図11に、冷却能力を表す指標である周波数×ブレードの振幅の値を示す。比較例2では、折り曲げ部に支持ブロック44を追加することによって、振動の状態が本発明と異なり、駆動周波数が高くなるが、ブレードの振幅は小さくなる。その理由は、支持ブロックが重りとして働くために質量(慣性)が増加し、振動に必要なエネルギー量が大きくなるからである。本発明では、比較例2に比べて駆動周波数は少し低くなるが、ブレードの平均振幅が大きくなるため、周波数×振幅の値も比較例2に比べて高くなる。したがって、本発明の圧電ファンは、冷却能力が比較例2に比べて高くなることがわかる。
[0033]
図12に、圧電体先端の振動の大きさを示す。振動の大きさは、折り曲げ部に近接した圧電体の端部の振幅を測定した。比較例2では支持ブロックが大きく振動するので、本発明に比べて圧電体の振動が大きくなる。実験では、比較例2の振動の大きさは本発明の4倍以上になった。圧電体の振動が大きくなると、圧電体及びそれを支持する支持部材にかかる負荷も大きくなる。比較例2では、支持ブロックによって折り曲げ部の信頼性は向上するが、圧電体及び支持部材にかかる負荷が大きくなることで、圧電ファンとしては破壊しやすくなる。これに対し、本発明では比較例2に比べて圧電体の振動が1/4以下であるため、圧電体及び支持部材にかかる負荷が小さく、耐久性が向上する。
[0034]
以上のように、冷却能力と耐久性とを比較すると、比較例2に比べて本発明の方が優れていることがわかる。
[0035]
上記実施例では、振動板の両面に圧電素子を貼り付けたバイモルフ型の圧電ファンについて説明したが、振動板の片面に圧電素子を貼り付けたユニモルフ型の圧電ファンであってもよい。また、振動板の1つの面に貼り付けられる圧電素子は1個に限らず、振動板の幅方向に複数個に分割されていてもよい。ただし、個々のブレードの振幅がほぼ均等になるように、圧電素子を配置する必要がある。

Reference Signs List

[0036]
1 圧電ファン
2 振動板
2a 基板部
2b 折り曲げ部
2c 延長部
2d ブレード
2e スリット
3 圧電素子
5 支持部材
6 ドライバ回路
10 ヒートシンク
11 放熱フィン

Claims

[1]
長さ方向一方端が固定支持され、長さ方向他方端側が自由端とされた振動板と、前記振動板の表裏面の少なくとも一面に貼り付けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子の駆動により前記振動板を板厚方向に励振させて空気流を発生させる圧電ファンにおいて、
前記振動板の長さ方向中間部に、直交方向の折り曲げ部が形成されており、
前記振動板の自由端から前記折り曲げ部より所定長さだけ自由端側の位置までスリットを形成することにより、複数に分割されたブレードが形成されており、
前記圧電素子は、前記折り曲げ部より固定端側に貼り付けられていることを特徴とする圧電ファン。
[2]
前記折り曲げ部にR面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電ファン。
[3]
前記振動板の長さ方向一方端には圧電素子が貼り付けられていない延長部が形成されており、前記延長部は支持部材によって固定支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電ファン。
[4]
前記圧電素子に供給される信号の周波数を一定の範囲にわたり掃引して、そのインピーダンスの変化から前記ブレードの共振周波数を自動的に検出し、前記圧電素子をその共振周波数において駆動することにより、前記ブレードを共振状態に維持するドライバ回路を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電ファン。
[5]
請求項1に記載の圧電ファンと、間隔をあけて並設された複数の放熱フィンを有するヒートシンクとを備えた空冷装置であって、
前記圧電ファンの前記複数のブレードは、前記ヒートシンクの放熱フィンの間に、前記ブレードの励振方向が前記放熱フィンの側面と平行になるように挿入されていることを特徴とする空冷装置。
[6]
前記圧電ファンの前記複数のブレードは、前記ヒートシンクの底面に対して直交方向に挿入され、
前記圧電素子は前記ヒートシンクのフィンの頂面と平行に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の空冷装置。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]

[ Fig. 11]

[ Fig. 12]