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1. WO2021001922 - CORROSION DAMAGE EVALUATION METHOD, CORROSION DAMAGE EVALUATION PROGRAM, AND CORROSION DAMAGE EVALUATION DEVICE

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明 細 書

発明の名称 腐食損傷評価方法、腐食損傷評価プログラムおよび腐食損傷評価装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055  

符号の説明

0056  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 腐食損傷評価方法、腐食損傷評価プログラムおよび腐食損傷評価装置

技術分野

[0001]
 本発明は、配管の腐食損傷を評価する方法、プログラムおよび装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 配管の腐食による損傷を評価する技術としては、対象の配管に放射線を透過して放射線透過写真を撮影し、得られた画像の濃淡と予め用意した初期状態の画像の濃淡とを比較し、腐食部を検出する方法が知られている(例えば、特許文献1)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平4-009696号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に記載の方法で腐食損傷評価を行う際には、腐食部を検知し定量化するために、同一形状の配管または過去の実績に基づいた測定データなど、配管が腐食する前の初期形状のデータが必要となる。そのため、市場から回収された配管など、初期状態のデータの取得が困難な場合には、腐食損傷評価を行うことができない、または十分な精度の評価結果が得られないという問題があった。
[0005]
 本発明は上記のような課題を解決するものであり、配管の初期形状の情報を事前に得られない場合でも、配管の腐食損傷評価を行うことができる腐食損傷評価方法、腐食損傷評価プログラムおよび腐食損傷評価装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の腐食損傷評価方法は、初期形状から腐食した配管の腐食損傷評価を行う腐食損傷評価方法において、腐食した配管を含む画像を取得する取得ステップと、取得ステップで取得した画像から、腐食した配管の腐食断面形状を抽出する抽出ステップと、抽出ステップで抽出した腐食断面形状から、初期形状における配管の初期断面形状を作成する作成ステップと、抽出ステップで抽出した腐食断面形状と作成ステップで作成した初期断面形状とを比較して腐食損傷評価を行う評価ステップと、を備える。
[0007]
 本発明の腐食損傷評価プログラムは、上記の腐食損傷評価方法をコンピュータに実行させるものである。
[0008]
 本発明の腐食損傷評価装置は、初期形状から腐食した配管の腐食損傷評価を行う腐食損傷評価装置において、腐食した配管を含む画像を取得する取得部と、取得部が取得した画像から、腐食した配管の腐食断面形状を抽出する抽出部と、抽出部が抽出した腐食断面形状から、初期形状における配管の初期断面形状を作成する作成部と、抽出部が抽出した腐食断面形状と作成部が作成した初期断面形状とを比較して腐食損傷評価を行う腐食損傷評価部と、を備える。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、配管が腐食する前の初期状態の配管データを必要とすることなしに腐食した配管の腐食損傷を定量的に評価可能とすることができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施の形態1における腐食損傷評価装置の概略構成を示すブロック図である。
[図2] 実施の形態1における情報処理装置の機能ブロック図である。
[図3] 実施の形態1における配管の腐食損傷評価方法のフローチャートである。
[図4] 記憶部から取得された配管の断面画像の一例である。
[図5] 二値化処理を行った断面画像の一例である。
[図6] 抽出された配管部の画像の一例である。
[図7] 抽出された空洞部の画像の一例である。
[図8] 実施の形態1における初期外面形状の作成方法のフローチャートである。
[図9] 抽出された腐食部の画像の一例である。
[図10] 内面に溝が設けられた配管の断面画像から抽出された配管部の画像の一例である。
[図11] 実施の形態2における配管の腐食損傷評価方法のフローチャートである。
[図12] 実施の形態2における推定用形状の作成方法を説明する図である。
[図13] 実施の形態2の変形例における推定用形状の作成方法を説明する図である。
[図14] 実施の形態2の変形例における推定用形状の作成方法を説明する図である。
[図15] 実施の形態3における配管の腐食損傷評価方法のフローチャートである。
[図16] 抽出された配管部の画像の一例である。
[図17] 実施の形態3における初期内面形状の作成方法のフローチャートである。
[図18] 抽出された腐食部の画像の一例である。

発明を実施するための形態

[0011]
 実施の形態1.
 図1は、実施の形態1における腐食損傷評価装置100の概略構成を示すブロック図である。腐食損傷評価装置100は、初期形状から腐食した配管の腐食損傷評価を行うものである。本実施の形態の腐食損傷評価装置100は、例えば、PC、スマートフォンまたはタブレットPCなどの任意のコンピュータである。図1に示すように、腐食損傷評価装置100は、操作部1と、入力部2と、通信部3と、情報処理部4と、記憶部5と、出力部6とを含む。操作部1と、入力部2と、通信部3と、情報処理部4と、記憶部5と、出力部6とは、データバスによって相互に接続されている。
[0012]
 操作部1は、腐食損傷評価装置100の使用者からの指示の入力を受けるキーボードまたはマウスである。入力部2は、腐食損傷評価装置100の評価対象となる断面画像のデータを記録媒体などから読み込み、記憶部5へ記憶する入力ポートである。通信部3は、インターネットまたはローカルエリアネットワークと各種情報をやり取りするための通信インターフェースである。
[0013]
 情報処理部4は、記憶部5に記憶される腐食損傷評価プログラムを実行し、腐食損傷評価方法を実施する。情報処理部4は、例えばMPU(Micro-processing unit)である。なお、情報処理部4は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはその他の演算機能を有する回路などであってもよい。
[0014]
 記憶部5は、評価対象となる配管の断面画像、情報処理部4によって実行される腐食損傷評価プログラム、および腐食損傷評価プログラムの実行に用いられる各種データなどを記憶する。記憶部5は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはSSD(Solid State Drive)などである。なお、腐食損傷評価プログラムは、入力部2によって記録媒体から読み込まれ、記憶部5へ記憶されてもよい。または、腐食損傷評価プログラムは、通信部3によりインターネットまたはローカルエリアネットワークからダウンロードされ、記憶部5へ記憶されてもよい。
[0015]
 出力部6は、情報処理部4による腐食損傷評価結果などの各種情報を表示するディスプレイである。なお、腐食損傷評価装置100を構成する各ハードウェアは、一般的なものであり、実施の形態の例に限定されるものではない。
[0016]
 本実施の形態の腐食損傷評価方法について説明する。本実施の形態の腐食損傷評価方法は、例えば、空調機用室外機の冷媒配管の外面の腐食損傷を評価するものである。空調機の室外機は、熱交換器を備えている。熱交換器は、アルミニウムまたは銅などの金属を材料とする冷媒配管またはフィンなどによって構成される。また、室外機は、風雨および外気にさらされる環境下に設置されるため、熱交換器における金属材料の腐食が進行しやすい。熱交換器の冷媒配管の外面における腐食が進行すると、配管の穴あきが発生し、冷媒漏れなどの不具合に繋がる可能性がある。そのため、室外機の耐食性評価においては、配管の外面の腐食損傷を評価することが重要である。
[0017]
 腐食損傷評価方法を実施する前に、まず腐食が進行した冷媒配管が回収される。冷媒配管の回収方法としては、市場で販売された製品で不具合が発生した場合に販売元で室外機の交換対応を実施し、不具合品を回収する方法、または製品開発時に実証試験(フィールドテスト、以降「FT」と示す。)用に設置したFT機を数年後に回収する方法などがある。
[0018]
 腐食が進行した冷媒配管が回収された後、回収した冷媒配管の断面画像が撮影される。冷媒配管の腐食損傷評価は、例えば、配管の穴あきを防ぐことが目的である。そのため、冷媒配管の断面画像を撮影することで、配管の穴あきに繋がる配管の内部方向への腐食損傷状態を確認することができる。冷媒配管の断面画像の撮影方法としては、冷媒配管を切断し、エポキシ樹脂に代表されるような埋込用樹脂中に埋め込み、その断面部分を研磨機で研磨した後、光学顕微鏡を用いて断面画像を撮影する方法が挙げられる。もしくは、X線CTスキャンに代表されるような、放射線を用いて放射線透過写真を撮影し、非破壊により断面画像を得る方法がある。冷媒配管の断面画像の撮影方法は、上記に限定されるものではなく、その他の既知の方法を用いることができる。撮影された断面画像は、記録媒体に記憶され、入力部2を介して記憶部5に記憶される。または、撮影された断面画像は、インターネットまたはローカルエリアネットワークを介して送信され、通信部3を介して記憶部5に記憶されてもよい。
[0019]
 図2は、実施の形態1における情報処理部4の機能ブロック図である。図2に示すように、情報処理部4は、腐食損傷評価プログラムを実行することにより実現される機能部として、取得部41と、抽出部42と、作成部43と、腐食損傷評価部44と、を有する。なお、別の実施の形態においては、取得部41と、抽出部42と、作成部43と、腐食損傷評価部44とをそれぞれ個別のハードウェアで実現する構成としてもよい。
[0020]
 取得部41は、腐食した配管を含む画像を取得する。具体的には、取得部41は、操作部1の操作に応じて、評価対象の配管の断面画像200を記憶部5から取得し、抽出部42に出力する。抽出部42は、取得部41が取得した画像から、腐食した配管の腐食断面形状を抽出する。具体的には、抽出部42は、配管の断面画像200から、配管部21と、配管部21の内面形状210と、外面形状211とを識別して抽出する(図6)。作成部43は、抽出部42が抽出した腐食断面形状から、初期形状における配管の初期断面形状を作成する。具体的には、作成部43は、抽出部42によって抽出された配管部21の内面形状210を拡大し、配管部21の初期外面形状211Aを作成する(図9)。腐食損傷評価部44は、抽出部42が抽出した腐食断面形状と作成部43が作成した初期断面形状とを比較して腐食損傷評価を行う。具体的には、腐食損傷評価部44は、抽出部42により抽出された外面形状211と、作成部43によって作成された初期外面形状211Aとを比較して、配管の腐食損傷を定量的に評価し、評価結果を出力部6から出力する。
[0021]
 図3は、実施の形態1における配管の腐食損傷評価方法のフローチャートである。図3に示す腐食損傷評価方法は、情報処理部4が腐食損傷評価処理プログラムを実行することによって実施される。図3に示す腐食損傷評価方法の各ステップが腐食損傷評価処理プログラムの各ステップに相当する。情報処理部4は、図3に示すように、まず、取得部41により、記憶部5から評価対象となる配管の断面画像200を取得する(S1)。図4は、記憶部5から取得された配管の断面画像200の一例である。
[0022]
 評価対象となる配管の断面画像200を取得した後、情報処理部4は、情報処理部4の抽出部42により、取得した断面画像200から、配管部21を抽出する(S2)。詳しくは、情報処理部4は、まず断面画像200の輝度値を求め、予め定めた閾値を用いて二値化処理を行う。そして、情報処理部4は、輝度値が「0」の領域を背景部22と識別する。図5は、二値化処理を行った断面画像200の一例である。図5の断面画像200では、背景部22が斜線で示されている。続いて、情報処理部4は、背景部22以外の領域、すなわち輝度値が「1」の各領域の面積を算出する。図5では、斜線のない領域が背景部22以外の領域となる。図5の例では、背景部22以外の領域が3箇所あり、それぞれの面積が算出される。そして、情報処理部4は、背景部22以外の領域の中で、面積が最も大きい領域を配管部21と識別する。情報処理部4は、識別した配管部21を抽出して画像201を作成し、記憶部5に記憶する。図6は、抽出された配管部21の画像201の一例である。
[0023]
 取得した断面画像200から配管部21を抽出した後、情報処理部4は、抽出部42により、配管部21の内面形状210を抽出する(S3)。詳しくは、情報処理部4は、ステップS2において、背景部22と識別された領域の中から、断面画像200の外縁と接触していない各領域の面積を算出する。そして、情報処理部4は、各領域のなかで面積が最も大きい領域を空洞部22aと識別する。そして、情報処理部4は、識別した空洞部22aを抽出して画像202を作成する。図7は、抽出された空洞部22aの画像202の一例である。図7では、空洞部22aが斜線で示されている。情報処理部4は、さらに、作成した画像202に境界検出の画像処理を施して境界部分を取得し、取得した境界部分を配管部21の内面形状210として抽出し、記憶部5に記憶する。
[0024]
 また、情報処理部4は、抽出部42により、配管部21の外面形状211を抽出する(S4)。詳しくは、情報処理部4は、ステップS2において、抽出された配管部21の画像201に対し、境界検出の画像処理を行うことにより、境界部分を取得する。そして、情報処理部4は、取得した境界部分のうち、画像201の中心から最も距離の遠い境界部分を配管部21の外面形状211として抽出し、記憶部5に記憶する。なお、情報処理部4における境界検出の画像処理としては、画像201または202の輝度に基づき境界を検出する既知の方法を用いることができる。配管部21の内面形状210の抽出と外面形状211の抽出とを行う順序は任意であり、これらを並行して実施してもよい。
[0025]
 配管部21の内面形状210を抽出した後、情報処理部4は、作成部43により、ステップS3で抽出された配管部21の内面形状210から、配管部21の初期外面形状211Aを作成する(S5)。初期外面形状211Aは、配管が腐食する前の初期状態の外面形状である。空調機用室外機の熱交換器が備える冷媒配管の場合、配管の内部には、フロンに代表されるような非腐食性の冷媒ガスが充填されているため、配管の内面は腐食が進行しない。そのため、配管の内面の変化は、外面の腐食による変化に比べて小さい。また、配管の内面の形状と外面の形状は略同じである。そこで、腐食の少ない配管の内面の形状から、配管の腐食前の外面の形状を推定することができる。
[0026]
 図8は、実施の形態1における初期外面形状211Aの作成方法のフローチャートである。図8に示すように、情報処理部4は、まず、作成部43により、ステップS2において抽出された配管部21の画像201を用いて、内面形状210の中心Aを設定する(S51)。詳しくは、情報処理部4は、配管部21の内面形状210が円または楕円で近似できる場合には、近似した円または楕円の中心を中心Aとし、近似できない場合には画像201の幾何中心を中心Aとする。
[0027]
 内面形状210の中心Aを設定した後、情報処理部4は、作成部43により、中心Aを中心とし、外面形状211を内包する暫定形状を作成する(S52)。詳しくは、情報処理部4は、中心Aを維持したまま、内面形状210を拡大する。そして、拡大した内面形状210上の輝度値が全て0になった時点で、配管部21の外面形状211を内包したと判断し、情報処理部4は、拡大を終了する。そして、このときの拡大された内面形状210を暫定形状とする。そして情報処理部4は、作成された暫定形状と、暫定形状を作成した時の中心Aとを、記憶部5に記憶する(S53)。
[0028]
 暫定形状を作成した後、情報処理部4は、作成部43により、中心を中心Bに移動したときの比較形状を作成する。詳しくは、情報処理部4は、作成部43により、配管部21の内面形状210の中心Bを設定する(S54)。中心Bは、中心Aとは異なる新たな点であり、情報処理部4は、中心Aの近傍の点を中心Bとして選択する。そして情報処理部4は、中心Bを中心とし、外面形状211を内包する比較形状を作成する(S55)。詳しくは、情報処理部4は、中心Bを維持したまま、内面形状210を拡大する。そして、拡大した内面形状210上の輝度値が全て0になった時点で、配管部21の外面形状211を内包したと判断し、拡大を終了する。そして、このときの拡大された内面形状210を比較形状とする。そして情報処理部4は、作成された比較形状と、比較形状を作成した時の中心Bとを、記憶部5に記憶する(S56)。
[0029]
 比較形状を記憶した後、情報処理部4は、作成部43により、記憶部5に記憶される暫定形状の面積と比較形状の面積とを算出して比較する(S57)。比較形状の面積が暫定形状の面積より小さい場合は(S57:YES)、情報処理部4は、中心Bおよび比較形状を、新たな中心Aおよび暫定形状として記憶部5に記憶する(S58)。これにより、記憶部5に記憶される中心Aと暫定形状とが更新される。そして情報処理部4は、ステップS54に戻り、以降の処理が繰り返す。このように、情報処理部4は、中心Aの位置を変更して作成した比較形状と暫定形状との比較を繰り返し実施することで、内面形状210の最適な中心を探索する。比較形状の面積が暫定形状の面積以上となった場合(S57:NO)、情報処理部4は、暫定形状を初期外面形状211Aとして記憶部5に記憶する(S59)。これにより、配管部21の腐食前の初期外面形状211Aが作成される。
[0030]
 図3に戻って、続くステップS6で、情報処理部4は、腐食損傷評価部44により、ステップS4で抽出された配管部21の外面形状211と、ステップS5で作成された配管部21の初期外面形状211Aとの間の領域を腐食部位23として抽出する(S6)。情報処理部4は、抽出した腐食部位23の画像203を作成し、記憶部5に記憶する。図9は、抽出された腐食部位23の画像203の一例である。図9では、腐食部位23が斜線で示される。ここで、情報処理部4は、図9に示す腐食部位23の画像203を出力部6に表示してもよい。これにより、配管の腐食部分を明瞭化することができる。
[0031]
 腐食部位23を抽出した後、情報処理部4は腐食損傷評価部44により、配管部21の腐食損傷を定量的に評価する(S7)。詳しくは、腐食損傷評価部44は、まずステップS6で抽出した腐食部位23の面積を算出する。そして、情報処理部4は、算出した腐食部位23の面積の大小により、腐食損傷の度合を評価する。詳しくは、腐食部位23の面積が大きいほど、腐食損傷の度合が大きいと判断する。そして情報処理部4は、出力部6から評価結果を出力し(S8)、腐食損傷評価方法を終了する。情報処理部4は、例えば、評価結果として、腐食損傷の度合を数値または文章で出力部6に表示してもよい。または、情報処理部4は、算出した腐食部位23の面積と予め定めた閾値とを比較し、腐食部位23の面積が閾値未満の場合を「問題なし」、閾値以上の場合を「問題あり」として出力部6から出力してもよい。
[0032]
 以上のように、本実施の形態では、評価対象の配管の断面画像から、初期状態の配管の形状を作成し、腐食部の定量評価を行う。これにより、市場から回収された製品の腐食損傷評価を行う場合など、配管の初期状態の情報が得られない場合でも、容易に腐食損傷評価を行うことができる。また、腐食の少ない配管の内面形状から初期状態を推定し、初期外面形状211Aを作成することで、精度を低下させることなく、腐食損傷評価を行うことができる。また、評価対象となる配管の断面画像200から配管の内面形状210および外面形状211を抽出して用いることで、初期外面形状211Aの推定および腐食部位23の特定の精度を向上させることができる。
[0033]
 実施の形態2.
 実施の形態2について説明する。実施の形態2では、初期外面形状を作成する際に、内面形状210に替えて推定用形状220を用いる点において、実施の形態1と相違する。腐食損傷評価装置100の構成は、実施の形態1と同様である。
[0034]
 熱交換器の性能向上を目的として、空調機用室外機の熱交換器が備える冷媒配管の内面に溝が設けられる場合がある。図10は、内面に溝が設けられた配管の断面画像から抽出された配管部21の画像201の一例である。図10では、斜線で示される配管部21の内面に溝24が設けられている。配管部21の内面に溝24が設けられている場合、配管部21の内面形状210を、そのまま初期外面形状211Aの作成に用いることはできない。そこで、本実施の形態の腐食損傷評価方法は、配管部21の内面形状210から初期外面形状211Aを作成するための推定用形状220を作成し、推定用形状220を用いて初期外面形状211Aを作成する。
[0035]
 図11は、実施の形態2における配管の腐食損傷評価方法を示すフローチャートである。図11に示すように、本実施の腐食損傷評価方法のステップS1~S4は、実施の形態1と同じである。そして、ステップS5における配管部21の初期外面形状211Aの作成前に、情報処理部4は、作成部43によって、推定用形状220を作成する(S10)。
[0036]
 図12は、実施の形態2における推定用形状220の作成方法を説明する図である。図12に示すように、情報処理部4は、画像処理により、ステップS3で抽出された配管部21の内面形状210から最小二乗法を用いて近似楕円を求める。そして、情報処理部4は、求めた近似楕円を推定用形状220として、記憶部5に記憶する。そして、ステップS5における初期外面形状211Aの作成では、情報処理部4は、抽出された配管部21の内面形状210に替えて、推定用形状220から、暫定形状および比較形状を作成する。
[0037]
 以上のように、本実施の形態によると、配管部21の内面に溝24などの凹凸がある場合であっても、適切に初期状態を推定し、初期外面形状211Aを作成することができる。これにより、初期状態の情報が得られない場合でも、容易に腐食損傷評価を行うことができるとともに、腐食損傷評価の精度低下を抑制できる。
[0038]
 なお、本実施の形態における推定用形状220の作成方法は、図12の例に限定されるものではない。図13および図14は、実施の形態2の変形例における推定用形状220の作成方法を説明する図である。図13および図14に示すように、情報処理部4は、内面形状210の溝24以外の部分における代表点Pを複数取得し、複数の代表点Pをスプライン補完によって接続することで推定用形状220を作成してもよい。代表点Pは、図13に示すように内面形状210における溝24以外の各曲線部分の中間点を代表点Pとする方法、または図14に示すように内面形状210の中心から一定の角度ごとの内面形状210上の点を代表点Pとする方法で取得できる。
[0039]
 実施の形態3.
 実施の形態3について説明する。実施の形態3では、配管の内面の腐食損傷を評価する点において、実施の形態1と相違する。腐食損傷評価装置100の構成は、実施の形態1と同様である。
[0040]
 給湯または暖房用の給湯器は、熱交換器を備えている。熱交換器はアルミニウムまたは銅などの金属を材料とする水配管またはフィンなどによって構成される。給湯器の水配管には、使用場所の水道水または地下水が流れるため、水に溶解したイオン成分によって水配管の内面が損傷する場合がある。熱交換器の水配管の内面において腐食が進行すると、配管の穴あきが発生し、水漏れなどの不具合に繋がる可能性がある。そのため、給湯器の耐食性評価においては、配管の内面の腐食損傷を評価することが重要である。
[0041]
 腐食損傷評価方法を実施する前に、まず腐食が進行した水配管が回収される。水配管の回収方法としては、市場で販売された製品で不具合が発生した場合に販売元で給湯器の交換対応を実施し、不具合品を回収する方法、または製品開発時にFT用に設置したFT機を数年後に回収する方法などがある。
[0042]
 次に、回収した水配管の断面画像が撮影される。水配管の腐食損傷評価は、配管の穴あきを防ぐことが目的でなる。そのため、水配管の断面画像を撮影することで、配管の穴あきに繋がる配管の外側方向への腐食損傷状態を確認することができる。水配管の断面画像の撮影方法としては、水配管を切断し、エポキシ樹脂に代表されるような埋込用樹脂中に埋め込み、その断面部分を研磨機で研磨した後、光学顕微鏡を用いて断面画像を撮影する方法が挙げられる。もしくは、X線CTスキャンに代表されるような、放射線を用いて放射線透過写真を撮影し、非破壊により断面画像を得る方法がある。水配管の断面画像の撮影方法は、上記に限定されるものではなく、その他の既知の方法を用いることができる。撮影された断面画像は、記録媒体に記憶され、入力部2を介して記憶部5に記憶される。または、撮影された断面画像は、インターネットまたはローカルエリアネットワークを介して送信され、通信部3を介して記憶部5に記憶されてもよい。
[0043]
 図15は、実施の形態3における配管の腐食損傷評価方法のフローチャートである。図15に示す腐食損傷評価方法は、情報処理部4が腐食損傷評価処理プログラムを実行することによって実施される。図15に示す腐食損傷評価方法の各ステップが腐食損傷評価処理プログラムの各ステップに相当する。腐食損傷評価方法では、まず、実施の形態1と同様のステップS1~S4が実施される。詳しくは、情報処理部4は、評価対象となる配管の断面画像200が記憶部5から取得し(S1)、配管部21を抽出し(S2)、記憶部5に記憶する。図16は、抽出された配管部21の画像201の一例である。続いて、情報処理部4は、配管部21の内面形状210と外面形状211とを抽出する(S3およびS4)。
[0044]
 そして、情報処理部4は、作成部43により、ステップS4で抽出された配管部21の外面形状211から、配管部21の初期内面形状210Aを作成する(S20)。初期内面形状210Aは、配管が腐食する前の初期状態の内面形状である。給湯器の熱交換器が備える水配管の場合、配管の外面は水が接触しないために腐食が殆ど進行しない。そのため、配管の外面の変化は、内面の腐食による変化に比べて小さい。また、配管の内面の形状と外面の形状は略同一である。そこで、腐食の少ない配管の外面の形状から、配管の腐食前の内面形状を推定することができる。
[0045]
 図17は、実施の形態3における初期内面形状210Aの作成方法のフローチャートである。図17に示すように、まず、情報処理部4は、作成部43により、ステップS2において抽出された配管部21の画像201(図16)を用いて、外面形状211の中心Aを設定する(S201)。詳しくは、情報処理部4は、配管部21の外面形状211が円または楕円で近似できる場合には、近似した円または楕円の中心を中心Aとし、近似できない場合には画像201の幾何中心を中心Aとする。
[0046]
 そして、情報処理部4は、中心Aを中心とし、内面形状210に内包される暫定形状を作成する(S202)。詳しくは、情報処理部4は、中心Aを維持したまま、外面形状211を縮小する。そして、縮小した外面形状211上の輝度値が全て0になった時点で、情報処理部4は、配管部21の内面形状210に内包されたと判断し、縮小を終了する。そして、このときの縮小された外面形状211を暫定形状とする。そして、情報処理部4は、作成された暫定形状と、暫定形状を作成した時の中心Aとを、記憶部5に記録する(S203)。
[0047]
 続いて、情報処理部4は、作成部43により、中心を中心Bに移動したときの比較形状を作成する。詳しくは、情報処理部4は、作成部43により、配管部21の外面形状211の中心Bを設定する(S204)。中心Bは、中心Aとは異なる新たな点であり、中心Aの近傍の点が中心Bとして選択される。そして、情報処理部4は、中心Bを中心とし、内面形状210に内包される比較形状を作成する(S205)。詳しくは、情報処理部4は、中心Bを維持したまま、外面形状211を縮小する。そして、縮小した外面形状211上の輝度値が全て0になった時点で、情報処理部4は、配管部21の内面形状210に内包されたと判断し、縮小を終了する。そして、情報処理部4は、このときの縮小された外面形状211を比較形状とする。そして、情報処理部4は、作成された比較形状と、比較形状を作成した時の中心Bとを、記憶部5に記録する(S206)。
[0048]
 続いて、情報処理部4は、作成部43により、記憶部5に記憶される暫定形状の面積と比較形状の面積とを算出し、比較する(S207)。そして、比較形状の面積が暫定形状の面積より大きい場合は(S207:YES)、情報処理部4は、中心Bおよび比較形状を、新たな中心Aおよび暫定形状として記憶部5に記憶される(S208)。これにより、記憶部5に記憶される中心Aと暫定形状とが更新される。そして、ステップS204に戻り、以降の処理が繰り返される。このように、情報処理部4は、中心Aの位置を変更して作成した比較形状と暫定形状との比較を繰り返し実施することで、外面形状211の最適な中心を探索する。そして、比較形状の面積が暫定形状の面積以下となった場合は(S207:NO)、情報処理部4は、暫定形状を初期内面形状210Aとして記憶部5に記憶する(S209)。これにより、配管部21の腐食前の初期内面形状210Aが作成される。
[0049]
 図15に戻って、続くステップS21では、情報処理部4は、腐食損傷評価部44により、ステップS3で抽出された配管部21の内面形状210と、ステップS20で作成された配管部21の初期内面形状210Aとの間の領域を腐食部位23として抽出する(S21)。情報処理部4は、抽出した腐食部位23の画像203を作成し、記憶部5に記憶する。図18は、抽出された腐食部位23の画像203の一例である。図18では、腐食部位23が斜線で示される。ここで、情報処理部4は、図18に示す腐食部位23の画像203を出力部6に表示してもよい。これにより、配管の腐食部分を明瞭化することができる。
[0050]
 続いて、情報処理部4は、腐食損傷評価部44により、配管部21の腐食損傷を定量的に評価する(S22)。詳しくは、情報処理部4は、まずステップS21で抽出した腐食部位23の面積を算出する。そして、情報処理部4は、算出した腐食部位23の面積の大小により、腐食損傷の度合を評価する。詳しくは、腐食部位23の面積が大きいほど、腐食損傷の度合が大きいと判断する。そして、情報処理部4は、出力部6から評価結果を出力し(S22)、腐食損傷評価方法を終了する。例えば、評価結果として、腐食損傷の度合を数値または文章で出力部6に表示する。または、情報処理部4は、算出した腐食部位23の面積と予め定めた閾値とを比較し、腐食部位23の面積が閾値未満の場合を「問題なし」、閾値以上の場合を「問題あり」として出力部6から出力してもよい。
[0051]
 以上のように、本実施の形態においても、市場から回収された製品の腐食評価を行う場合など、配管の初期状態の情報が得られない場合でも、容易に腐食損傷評価を行うことができる。また、腐食の少ない水配管の外面から初期状態を推定し、初期内面形状210Aを作成することで、精度を低下させることなく、腐食損傷評価を行うことができる。
[0052]
 以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。例えば、上記実施の形態においては、腐食損傷評価方法は、単独の腐食損傷評価装置100によって実施されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、腐食損傷評価方法は、複数の腐食損傷評価装置100、もしくは腐食損傷評価装置以外の単独または複数の装置によって実施されてもよい。また、上記実施の形態においては、腐食損傷評価プログラムは、腐食損傷評価装置100の記憶部5に予め記憶され、情報処理部4によって実行されるプログラムとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、腐食損傷評価プログラムは、記録媒体に記憶されて流通するもの、またはインターネットを介してダウンロードされるものでもよい。
[0053]
 また、上記実施の形態では、配管の内面または外面の形状から初期の内面または外面の形状を求めるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、配管の内面または外面の一部、一点または複数点、もしくは内面または外面以外の部分の形状から配管の内面、外面、またはそれ以外の部分の腐食前の初期形状における初期断面形状を求めてもよい。
[0054]
 また、実施の形態1および2の配管の腐食損傷評価方法において、図3および図11のステップS4における外面形状の抽出を省略してもよい。この場合は、ステップS2で抽出した配管部と初期外面形状とを比較して、腐食部位を特定することができる。同様に、実施の形態3の配管の腐食損傷評価方法において、図15のステップS3における内面形状の抽出を省略してもよい。
[0055]
 さらに、実施の形態1の初期外面形状211Aの作成方法において、図8のステップS54~S58を省略し、処理を簡素化してもよい。同様に、実施の形態3の初期内面形状210Aの作成方法において、図17のステップS204~S208を省略し、処理を簡素化してもよい。さらに、実施の形態3において、外面形状211に溝が設けられている場合は、実施の形態2に記載される方法を用いて、初期内面形状210Aを作成するための推定用形状を作成してもよい。

符号の説明

[0056]
 1 操作部、2 入力部、3 通信部、4 情報処理部、5 記憶部、6 出力部、21 配管部、22 背景部、22a 空洞部、23 腐食部位、24 溝、41 取得部、42 抽出部、43 作成部、44 腐食損傷評価部、100 腐食損傷評価装置、200 断面画像、201、202、203 画像、210 内面形状、210A 初期内面形状、211 外面形状、211A 初期外面形状、220 推定用形状。

請求の範囲

[請求項1]
 初期形状から腐食した配管の腐食損傷評価を行う腐食損傷評価方法において、
 腐食した前記配管を含む画像を取得する取得ステップと、
 前記取得ステップで取得した前記画像から、腐食した前記配管の腐食断面形状を抽出する抽出ステップと、
 前記抽出ステップで抽出した前記腐食断面形状から、前記初期形状における前記配管の初期断面形状を作成する作成ステップと、
 前記抽出ステップで抽出した前記腐食断面形状と前記作成ステップで作成した前記初期断面形状とを比較して前記腐食損傷評価を行う評価ステップと、
 を備える腐食損傷評価方法。
[請求項2]
 前記腐食断面形状は、腐食した前記配管の内面形状および外面形状を含み、
 前記初期断面形状は、初期内面形状または初期外面形状であり、
 前記評価ステップは、前記初期内面形状と前記内面形状、または前記初期外面形状と前記外面形状とを比較する
 請求項1に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項3]
 前記作成ステップは、
 前記内面形状の中心を維持したまま、前記内面形状を拡大して、前記外面形状を内包する暫定形状を作成し、前記暫定形状を前記初期外面形状とするステップを備える
 請求項2に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項4]
 前記作成ステップは、
 前記中心の位置を変更して比較形状を作成し、前記比較形状の面積が前記暫定形状の面積より小さい場合は、前記比較形状を前記初期外面形状とするステップをさらに備える
 請求項3に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項5]
 前記作成ステップは、
 前記外面形状の中心を維持したまま、前記外面形状を縮小して、前記内面形状に内包される暫定形状を作成し、前記暫定形状を前記初期内面形状とするステップを備える
 請求項2に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項6]
 前記作成ステップは、
 前記中心の位置を変更して比較形状を作成し、前記比較形状の面積が前記暫定形状の面積より大きい場合は、前記比較形状を前記初期外面形状とするステップをさらに備える
 請求項5に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項7]
 前記作成ステップは、前記腐食断面形状から、前記初期断面形状を作成するための推定用形状を作成するステップをさらに備え、
 前記作成ステップは、前記推定用形状から前記初期断面形状を作成する
 請求項1~6の何れか一項に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項8]
 前記作成ステップは、
 前記腐食断面形状から最小二乗法を用いて近似楕円を求め、求めた前記近似楕円を前記推定用形状とする
 請求項7に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項9]
 前記作成ステップは、
 前記腐食断面形状上の複数の代表点を取得し、取得した複数の前記代表点をスプライン補間によって接続して前記推定用形状とする
 請求項7に記載の腐食損傷評価方法。
[請求項10]
 請求項1~9の何れか一項に記載の腐食損傷評価方法をコンピュータに実行させる腐食損傷評価プログラム。
[請求項11]
 初期形状から腐食した配管の腐食損傷評価を行う腐食損傷評価装置において、
 腐食した前記配管を含む画像を取得する取得部と、
 前記取得部が取得した前記画像から、腐食した前記配管の腐食断面形状を抽出する抽出部と、
 前記抽出部が抽出した前記腐食断面形状から、前記初期形状における前記配管の初期断面形状を作成する作成部と、
 前記抽出部が抽出した前記腐食断面形状と前記作成部が作成した前記初期断面形状とを比較して前記腐食損傷評価を行う腐食損傷評価部と、
 を備える腐食損傷評価装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]