Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2020225860 - HEAT PUMP DEVICE, HEAT PUMP SYSTEM, AIR CONDITIONER, AND REFRIGERATOR

Document

明 細 書

発明の名称 ヒートポンプ装置、ヒートポンプシステム、空気調和機および冷凍機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117  

符号の説明

0118  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22  

明 細 書

発明の名称 : ヒートポンプ装置、ヒートポンプシステム、空気調和機および冷凍機

技術分野

[0001]
 本発明は、圧縮機を有するヒートポンプ装置、ヒートポンプシステム、空気調和機および冷凍機に関する。

背景技術

[0002]
 冷媒を圧縮する圧縮機を有する機器は、圧縮機内に滞留した冷媒が寝込み状態のときに運転を開始して圧縮機が破損するのを防止するために、冷媒が寝込み状態になると圧縮機のモータの巻線に電流を流して冷媒を加熱する機能を有している。圧縮機を有する機器の一例はヒートポンプ装置である。ヒートポンプ装置は、空気調和機、ヒートポンプ給湯器、冷蔵庫、冷凍庫などの装置に適用される。
[0003]
 特許文献1に記載の空気調和機では、冷媒の寝込み状態を検出した場合、冷媒を圧縮する動作を行うときよりも高い周波数の高周波電圧をモータに印加することで、回転トルクおよび振動の発生を防止するとともに、鉄損および銅損を利用した効率の良い加熱を実現している。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2011-38689号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、特許文献1に記載された技術では、モータのインピーダンスが高い場合には出力電圧に対して流れる電流が小さくなるため、十分に電力を投入することができない。また、インピーダンスが低い場合には出力電圧に対して流れる電流が大きくなるため、少ない電圧で電力が得られる反面、電圧の出力精度が悪化し、正負の出力電圧アンバランスにより直流電圧が重畳してインバータ損失が増加する、出力電圧低下によるインバータのPWM(Pulse Width Modulation)幅が狭くなることにより狭小パルス電流が流れてインバータ損失が増加する、などの問題がある。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圧縮機内に滞留した冷媒を効率よく加熱することができるヒートポンプ装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るヒートポンプ装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機を駆動するモータと、モータに所望の電圧を印加するインバータとを備える。また、ヒートポンプ装置は、インバータを駆動するパルス幅変調信号を生成し、運転モードとして、圧縮機を加熱運転する加熱運転モードと圧縮機を通常運転して冷媒を圧縮する通常運転モードとを有し、加熱運転モードにおいてキャリア信号の周波数であるキャリア周波数を周期的に変化させるインバータ制御部を備える。

発明の効果

[0008]
 本発明に係るヒートポンプ装置は、圧縮機内に滞留した冷媒を効率よく加熱することができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明にかかるヒートポンプ装置の実施の形態1の構成例を示す図
[図2] 実施の形態1におけるインバータの構成を示す図
[図3] 実施の形態1におけるインバータ制御部の加熱運転モード制御部および駆動信号生成部の構成例を示す図
[図4] 実施の形態1の加熱判断部の構成例を示す図
[図5] 外気温度および圧縮機温度と冷媒寝込み量との時間変化の一例を示す図
[図6] 直流通電部の構成例を示す図
[図7] 高周波通電部の構成例を示す図
[図8] 実施の形態1における8通りのスイッチングパターンの一例を示す図
[図9] 通電切替部により直流通電を選択した際の動作波形の一例を示す図
[図10] 通電切替部により高周波通電を選択した際の動作波形の一例を示す図
[図11] 高周波位相切替部を有する高周波通電部の構成例を示す図
[図12] 実施の形態1におけるインバータ制御部の動作を示す図
[図13] 図12に示す電圧ベクトルの変化の説明図
[図14] IPMモータのロータ位置の説明図
[図15] IPMモータのロータ位置による電流変化を示す図
[図16] θfを時間の経過とともに変化させた場合の印加電圧を示す図
[図17] θfが0°、30°、60°の時のモータのUVWの各相に流れる電流の一例を示す図
[図18] 実施の形態1におけるインバータ制御部の動作の一例を示すフローチャート
[図19] 実施の形態1におけるインバータ制御部によるキャリア周波数の制御の一例を示す図
[図20] 実施の形態1におけるインバータ制御部によるキャリア周波数の制御の他の例を示す図
[図21] 本発明にかかるヒートポンプ装置の実施の形態2の構成例を示す図
[図22] 図21に示すヒートポンプ装置の冷媒の状態についてのモリエル線図

発明を実施するための形態

[0010]
 以下に、本発明にかかるヒートポンプ装置、ヒートポンプシステム、空気調和機および冷凍機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[0011]
実施の形態1.
 図1は、本発明にかかるヒートポンプ装置の実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態のヒートポンプ装置100は、圧縮機1、四方弁2、熱交換器3、膨張機構4および熱交換器5が、冷媒配管6を介して順次接続された冷凍サイクル、を備える。圧縮機1の内部には冷媒を圧縮する圧縮機構7と、この圧縮機構7を動作させるモータ8とが設けられている。モータ8は、U相、V相、W相の三相の巻線を有する三相モータである。
[0012]
 モータ8に電圧を与え駆動させるインバータ9は、モータ8と電気的に接続されている。インバータ9は、直流電圧である母線電圧Vdcを電源としてモータ8のU相、V相、W相の巻き線に電圧Vu、Vv、Vwをそれぞれ印加する。
[0013]
 また、インバータ9には、インバータ制御部10が電気的に接続されており、インバータ制御部10は、通常運転モード、加熱運転モードの2つの運転モードにそれぞれ対応する通常運転モード制御部11、加熱運転モード制御部12を備える。インバータ制御部10は、通常運転モードで動作する場合、モータ8が回転駆動するようにインバータ9を制御する。また、インバータ制御部10は、加熱運転モードで動作する場合、モータ8が回転駆動することなく圧縮機を加熱するようにインバータ9を制御する。インバータ制御部10は、インバータ9を駆動するための信号、例えば、パルス幅変調信号であるPWM信号をインバータ9へ出力する。なお、インバータ制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコンピュータ(マイコン)などの離散システムで構成することが可能である。インバータ制御部10は、他にアナログ回路、デジタル回路等の電気回路素子などで構成してもよい。
[0014]
 通常運転モード制御部11は、インバータ9がモータ8を回転駆動するようにPWM信号を出力する。加熱運転モード制御部12は、加熱判断部14と、直流通電部15、高周波通電部16を備えることにより、通常運転モードとは異なり、モータ8に直流電流、もしくはモータ8が追従できない高周波電流を流すことによりモータ8を回転駆動せずに加熱を行うことで、圧縮機1に滞留した液冷媒を温め気化させることで排出を行う。
[0015]
 図2は、実施の形態1におけるインバータ9の構成を示す図である。インバータ9は、母線電圧Vdcを電源として、2つのスイッチング素子(91aと91d、91bと91e、91cと91f)の直列接続部が3個並列に接続され、各スイッチング素子91a~91fそれぞれと並列に接続された環流ダイオード92a~92fを備える回路である。インバータ9は、インバータ制御部10より送られるPWM信号UP、VP、WP、UN、VN、WNにより、それぞれに対応したスイッチング素子(UPは91a、VPは91b、WPは91c、UNは91d、VNは91e、WNは91f)を駆動することで、三相の電圧Vu、Vv、Vwを発生させ、モータ8のU相、V相、W相の巻き線それぞれに印加する。
[0016]
 図3は、実施の形態1におけるインバータ制御部10の加熱運転モード制御部12および駆動信号生成部13の構成例を示す図である。インバータ制御部10は、加熱運転モード制御部12、駆動信号生成部13を含む。
[0017]
 加熱運転モード制御部12は、加熱判断部14、直流通電部15および高周波通電部16を備える。加熱判断部14は、加熱指令部17と通電切替部18を備える。加熱指令部17は、寝込冷媒の追い出しに必要な必要加熱量H*を求める。直流通電部15は、必要加熱量H*に基づいて直流電圧指令Vdc*と直流位相指令θdcを生成する。高周波通電部16は、必要加熱量H*に基づいて、高周波交流電圧を生成するための高周波電圧指令Vac*と高周波位相指令θacを生成する。また、加熱指令部17は通電切替部18へ切替信号を送ることで、Vdc*およびθdc、もしくは、Vac*およびθac、のどちらかを選択して電圧指令V*、位相指令θとして駆動信号生成部13へ信号を伝達するかを制御する。
[0018]
 駆動信号生成部13は、電圧指令生成部19、PWM信号生成部20から構成される。電圧指令生成部19は、電圧指令V*、位相指令θに基づいて三相(U相、V相、W相)電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を生成する。PWM信号生成部20は三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*及び母線電圧Vdcに基づいて、インバータ9を駆動するためのPWM信号(UP、VP、WP、UN、VN、WN)を生成することで、モータ8に電圧を印加して圧縮機1を加熱する。
[0019]
 次に加熱判断部14について図4を用いて詳細を説明する。図4は、実施の形態1の加熱判断部14の構成例を示す図である。加熱判断部14は加熱指令部17と通電切替部18で構成され、加熱指令部17は温度検出部21、寝込量推定部22、寝込量検出部23、寝込判定切替部24、加熱可否判断部25、加熱指令演算部26および通電切替判断部27を備える。
[0020]
 温度検出部21は外気温度(Tc)及び圧縮機1の温度(To)を検出する。寝込量推定部22は、外気温度及び圧縮機1の温度(圧縮機温度)に基づいて、圧縮機1内に滞留した液冷媒量の推定を行う。ここで、圧縮機1は冷凍サイクル中で最も熱容量が大きく、外気温度の上昇に対して、圧縮機温度は遅れて上昇するため、冷凍サイクル中で最も温度が低くなる。そのため図5に示すような温度関係になる。図5は、外気温度および圧縮機温度と冷媒寝込み量との時間変化の一例を示す図である。
[0021]
 図5に示すように、圧縮機温度は、冷媒は冷凍サイクル中で最も温度が低い場所で滞留し液冷媒として溜まるため、温度の上昇時には圧縮機1内に冷媒が溜まる(図5の寝込発生区間)。そのため、寝込量推定部22は例えば実験的に求めた外気温度と圧縮機温度の関係から時間当たりの冷媒寝込量を推定することが可能である。例えば、外気温度と圧縮機温度の差や圧縮機温度の加熱開始からの変化量とに基づいて寝込量を推定する。なお、外気温度のみを検出しても、圧縮機1の熱容量が分かれば外気温度の変化に対して圧縮機温度がどの程度遅れて変化するか推定が可能である。このことから圧縮機1の温度を検出せず、外気温度を検出するように構成して、センサ数削減によるコスト削減も可能である。また、熱交換器3に代表される冷凍サイクルを構成する部品の温度を検出することでも同様の推定が可能であることは言うまでもない。
[0022]
 また、寝込量検出部23として、寝込量を検出するセンサを設けることにより直接冷媒の寝込量を検出することでより正確な寝込量を把握することが可能である。なお、寝込量を検出するセンサとしては液量を測る静電容量センサや、レーザーや音、電磁波等による圧縮機1の上部と冷媒の液面の距離を測るセンサ等がある。なお、寝込量推定部22及び寝込量検出部23の出力については、寝込判定切替部24によりどちらかを選択するよう構成してもよく、もちろん両方の寝込量を使用して制御を行っても何ら問題ない。
[0023]
 加熱可否判断部25は、寝込判定切替部24の出力である寝込量に基づいて、加熱の必要有と判断した場合にはON信号(加熱運転を行うことを示す)を出力し、加熱不要と判断した場合にはOFF信号(加熱運転を行わないことを示す)を出力する。また、加熱指令演算部26は、寝込量に応じて、寝込んだ冷媒を追い出すのに必要な加熱量を示す必要加熱量H*を演算する。必要加熱量H*は圧縮機1の種類や大きさにより変化し、大きい場合や熱が伝わりにくい素材や形状の場合には、必要加熱量H*を高く設定することで確実に液冷媒を排出することが可能となる。また、通電切替判断部27は、必要加熱量H*が所定の切替閾値以上の場合には通電切替部18に直流通電に切替える信号を出力し、必要加熱量H*が切替閾値よりも小さい場合には、通電切替部18に高周波通電に切替える信号を出力することで、通電方法を切替える。
[0024]
 次に直流通電部15について図6を用いて説明する。図6は、直流通電部15の構成例を示す図である。直流通電部15は直流電圧指令演算部28と直流位相指令演算部29で構成される。直流電圧指令演算部28は必要加熱量H*に基づいて、発熱に必要な直流電圧指令Vdc*の出力を行う。直流電圧指令演算部28は例えば必要加熱量H*と直流電圧指令Vdc*の関係をテーブルデータとしてあらかじめ記憶しておき、直流電圧指令Vdc*を得ることが可能である。なお、必要加熱量H*を入力として説明しているが、外気温度や圧縮機温度、圧縮機構造情報など種々のデータをさらに入力として直流電圧指令Vdc*を求めることにより、より正確な値を得ることが可能となり信頼性を向上させることが可能であることは言うまでもない。
[0025]
 また、直流位相指令演算部29は、モータ8に通電するための直流位相指令θdcを求める。直流電圧を印加するためにθdcは固定値とし、例えばモータ8の0°の位置に通電する場合には、θdc=0を出力する。ただし、固定値で連続通電を行った場合、モータ8の特定部分のみが発熱する恐れがあるため、時間の経過とともにθdcを変化させていくことで、モータ8を均一に加熱することが可能となる。
[0026]
 ここで、直流通電の場合、モータ8に直流電流Idcを流すことでモータ8を構成する巻線の抵抗RによりRとIdcに比例した銅損による発熱にて圧縮機1を加熱可能であるため、直流電流Idcを増加するようインバータ9を駆動することで大きな発熱量を得ることが可能となり、液化した冷媒を短時間で排出することが可能である。しかし、近年のモータ8は高効率設計により巻線の抵抗Rは小さくなる傾向であり、同一発熱量を得るためにはRが小さくなった分だけIdcを増加させる必要があり、その結果、インバータ9に流れる電流が大きくなるため損失悪化によるインバータ9の発熱が懸念されるだけでなく、消費電力も増加するため長時間の直流通電が困難である。
[0027]
 次に高周波通電部16について図7を用いて説明する。図7は、高周波通電部16の構成例を示す図である。高周波通電部16は高周波電圧指令演算部30と高周波位相指令演算部31で構成される。高周波電圧指令演算部30は必要加熱量H*に基づいて、発熱に必要な高周波電圧指令Vac*の出力を行う。高周波電圧指令演算部30は例えば必要加熱量H*と高周波電圧指令Vac*の関係をテーブルデータとしてあらかじめ記憶しておき、高周波電圧指令Vac*を得ることが可能である。なお、必要加熱量H*を入力としているが、外気温度や圧縮機温度、圧縮機構造情報など種々のデータから高周波電圧指令Vac*を求めることにより、より正確な値を得ることが可能となり信頼性を向上させることが可能であることは言うまでもない。
[0028]
 また、高周波位相指令演算部31は、モータ8に通電するための高周波位相指令θacを求める。高周波電圧を印加するために時間に対してθac=0°~360°の間を連続的に変化させることで、高周波電圧の発生を行う。ここで、0°~360°の変化の周期を短くすることで高周波電圧の周波数を増加させることが可能となる。
[0029]
 直流通電に対して、高周波通電の場合、インバータ9によりモータ8に高周波電流Iacを流すことで、モータ8を構成する固定子や回転子の材料である磁性体に渦電流損やヒステリシス損といった鉄損を発生させることによりモータ8を加熱することが可能となる。また、高周波電流の角周波数ωを高くした場合、鉄損増加により発熱量を大きくすることが可能なだけでなく、モータ8のインダクタンスLによるインピーダンスを高くすることが可能となり、流れる高周波電流Iacも抑制できる。このため、インバータ9の損失を低減しつつモータ8の加熱が可能となり、省エネルギー化が可能であり地球温暖化防止に寄与できる。一方で、高周波通電を行うとモータ8の電磁音による騒音が発生するため、可聴周波数である20kHzに近づける必要がある。このため、鉄損が小さい小型のモータやインダクタンスが大きいモータを用いた場合には、必要な加熱量を得ることができない課題がある。
[0030]
 そこで、本実施の形態では、必要加熱量H*が大きい場合には直流通電を行うことで加熱量を大きくすることにより短時間で液冷媒の排出を行うことができる。必要加熱量H*が小さい場合には高周波通電を行うことで消費電力を削減した加熱を行うことで、確実に液冷媒を排出可能となり信頼性が向上するだけでなく、消費電力を削減した地球温暖化防止に寄与した運転が可能となる。このため、通電切替判断部27は必要加熱量H*が切替閾値以上の場合には通電切替部18により直流通電に切替え、必要加熱量H*が切替閾値よりも小さい場合には、通電切替部18により高周波通電に切替えることで電圧指令V*と位相指令θを得る構成とすることで、前述の効果を得ることが可能となる。
[0031]
 電圧指令V*と位相指令θの取得方法について述べたため、次に、電圧指令生成部19の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*の生成方法と、PWM信号生成部20のPWM信号の生成方法とについて説明する。
[0032]
 モータ8が三相モータの場合には、一般的にUVW相の位相は互いに120°(=2π/3)異なる。そのため、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を下記式(1)~式(3)のように位相が2π/3ずつ異なる余弦波(正弦波)と定義する。
 Vu*=V*×cosθ              …(1)
 Vv*=V*×cos(θ-(2/3)π)     …(2)
 Vw*=V*×cos(θ+(2/3)π)     …(3)
[0033]
 電圧指令生成部19は、電圧指令V*と、位相指令θとに基づき、式(1)~式(3)により電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を計算し、計算した電圧指令Vu*、Vv*、Vw*をPWM信号生成部20へ出力する。PWM信号生成部20は、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*と、所定の周波数で振幅Vdc/2のキャリア信号(基準信号)とを比較し、相互の大小関係に基づきPWM信号UP、VP、WP、UN、VN、WNを生成する。
[0034]
 なお、式(1)~式(3)では、単純な三角関数で電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を求めているが、その他に二相変調や、三次高調波重畳変調、空間ベクトル変調といった電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を求める手法を用いても何ら問題ない。
[0035]
 ここで、電圧指令Vu*がキャリア信号よりも大きい場合には、UPはスイッチング素子91aをオンにする電圧とし、UNはスイッチング素子91dをオフにする電圧とする。また、電圧指令Vu*がキャリア信号よりも小さい場合には、逆に、UPはスイッチング素子91aをオフにする電圧とし、UNはスイッチング素子91dをオンにする電圧とする。他の信号についても同様であり、電圧指令Vv*とキャリア信号との比較によりVP、VNが決定され、電圧指令Vw*とキャリア信号との比較によりWP、WNが決定される。
[0036]
 一般的なインバータの場合、相補PWM方式を採用しているため、UPとUN、VPとVN、WPとWNは互いに逆の関係となる。そのため、スイッチングパターンは全部で8通りとなる。
[0037]
 図8は、実施の形態1における8通りのスイッチングパターンの一例を示す図である。なお、図8では、各スイッチングパターンで発生する電圧ベクトルにV0~V7の符号を付している。また、各電圧ベクトルの電圧の方向を±U,±V,±W(電圧が発生しない場合には0)で表している。ここで、+Uとは、U相を介してモータ8へ流入し、V相及びW相を介してモータ8から流出するU相方向の電流を発生させる電圧であり、-Uとは、V相及びW相を介してモータ8へ流入し、U相を介してモータ8から流出する-U相方向の電流を発生させる電圧である。±V,±Wについても同様に各相における方向を示している。
[0038]
 図8に示すスイッチングパターンを組み合わせて電圧ベクトルを出力することでインバータ9に所望の電圧を出力させることができる。圧縮機1の冷媒をモータ8にて圧縮動作させる場合(通常運転モード)には数10~数kHz以下で動作することが一般的である。通常運転モードの印加電圧が数10~数kHzであるときに、加熱運転モードでは、位相θを固定値にすることで直流電圧を発生させて圧縮機1を加熱可能であり、また、位相θを高速で変化させることにより数kHzを超える高周波電圧(高周波交流電圧)を出力し、圧縮機1に通電し加熱することが可能となる。なお、高周波電圧は3相に印加してもよいし、2相に印加してもよい。
[0039]
 図9は、通電切替部18により直流通電を選択した際の動作波形の一例を示す図である。θ=90°に設定した場合は、Vu*=0、Vv*=-0.5V*、Vw*=0.5V*となり、キャリア信号(基準信号)と比較した結果、図9に示すPWM信号が得られ、図8の電圧ベクトルV0(0電圧)、V2(+V電圧)、V6(―W電圧)、V7(0電圧)が出力され、モータ8に直流電流を流すことが可能となる。
[0040]
 また、図10は、通電切替部18により高周波通電を選択した際の動作波形の一例を示す図である。θ=0°~360°に設定しているため、Vu*、Vv*、Vw*はそれぞれ120°位相差の正弦波(余弦波)となり、キャリア信号(基準信号)と比較した結果、図10に示すPWM信号が得られ、時間の変化とともに電圧ベクトルが変化し、モータ8に高周波電流を流すことが可能となる。
[0041]
 ただし、一般的なインバータの場合、キャリア信号の周波数であるキャリア周波数はインバータのスイッチング素子のスイッチングスピードにより上限が決まっている。そのため、キャリア周波数以上の高周波電圧を出力することは困難である。なお、一般的なIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の場合、スイッチングスピードの上限は20kHz程度である。
[0042]
 また、高周波電圧の周波数がキャリア周波数の1/10程度になると、高周波電圧の波形出力精度が悪化し直流成分が重畳するなど悪影響を及ぼす虞がある。この点を考慮し、キャリア周波数を20kHzとした場合に、高周波電圧の周波数をキャリア周波数の1/10の2kHz以下とすると、高周波電圧の周波数は可聴周波数領域となり、騒音悪化が懸念される。
[0043]
 そこで、高周波通電部16を、図11に示すように高周波位相指令演算部31の出力に、0°と180°を切替えて出力する高周波位相切替部32の出力を加算して高周波位相指令θacとして出力するよう構成してもよい。図11は、このような高周波通電部16の構成例を示す図である。図11の構成例では、高周波位相指令演算部31は固定値を出力し、モータ8のどの位相に通電するかのみを出力する。高周波位相切替部32は、キャリア信号の頂または底のタイミングで0°と180°を切替え、キャリア信号に同期して正負の電圧出力を行うことで、キャリア周波数と同等の周波数の電圧出力を可能とする。
[0044]
 図12は、インバータ制御部10の動作を示す図である。図12は、電圧指令V*を任意の値とし、高周波位相指令演算部31の出力を0°とした場合のインバータ制御部10の動作を表す。高周波位相指令θacがキャリア信号の頂もしくは底、頂及び底のタイミングで0°と180°が切り替わることで、キャリア信号に同期したPWM信号を出力することが可能となる。このとき、電圧ベクトルはV0(UP=VP=WP=0)、V4(UP=1、VP=WP=0)、V7(UP=VP=WP=1)、V3(UP=0、VP=WP=1)、V0(UP=VP=WP=0)、・・・の順で変化する。
[0045]
 図13は、図12に示す電圧ベクトルの変化の説明図である。なお、図13では、破線で囲まれたスイッチング素子91がオン、破線で囲まれていないスイッチング素子91がオフの状態であることを表している。図13に示すように、V0ベクトル、V7ベクトル印加時はモータ8の線間が短絡状態となり、電圧が出力されない。この場合、モータ8のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが電流となって短絡回路中を流れる。また、V4ベクトル印加時には、U相を介してモータ8へ流入し、V相及びW相を介してモータ8から流出するU相方向の電流(+Iuの電流)が流れ、V3ベクトル印加時には、V相及びW相を介してモータ8へ流入し、U相を介してモータ8から流出する-U相方向の電流(-Iuの電流)がモータ8の巻線に流れる。つまり、V4ベクトル印加時と、V3ベクトル印加時とでは逆方向の電流がモータ8の巻線に流れる。そして、電圧ベクトルがV0、V4、V7、V3、V0、・・・の順で変化するため、+Iuの電流と-Iuの電流とが交互にモータ8の巻線に流れることになる。特に、図12に示すように、V4ベクトルとV3ベクトルとが1キャリア周期(1/fc)の間に現れるため、キャリア周波数fcに同期した交流電圧をモータ8の巻線に印加することが可能となる。
[0046]
 また、V4ベクトル(+Iuの電流)とV3ベクトル(-Iuの電流)とが交互に出力されるため、正逆のトルクが瞬時切り替わる。そのため、トルクが相殺されることによりロータの振動を抑えた電圧の印加が可能となる。
[0047]
 図14は、IPM(Interior Permanent Magnet)モータのロータ位置(ロータの停止位置)の説明図である。ここでは、IPMモータのロータ位置φは、ロータのN極の向きがU相方向からずれた角度の大きさによって表されるとしている。
[0048]
 図15は、IPMモータのロータ位置による電流変化を示す図である。モータ8がIPMモータの場合、巻線インダクタンスはロータ位置に依存する。そのため、電気角周波数ωとインダクタンス値との積で表される巻線インピーダンスは、ロータ位置に応じて変動する。したがって、同一電圧を印加した場合においても、ロータ位置によって、モータ8の巻線に流れる電流が変動してしまい、加熱量が変化してしまう。その結果、ロータ位置によっては、必要な加熱量を得るために、多くの電力が消費される虞がある。
[0049]
 そこで、本実施の形態では、時間の経過と共に高周波位相指令演算部31の出力(θfとする)を変化させ、ロータに満遍なく電圧を印加する。図16は、θfを時間の経過とともに変化させた場合の印加電圧を示す図である。ここでは、θfを時間の経過とともに、0°、45°、90°、135°、・・・と45°ずつ変化させている。θfが0°であれば、電圧指令の位相θは0°、180°となり、θfが45°であれば、電圧指令の位相θは45°、225°となり、θfが90°であれば、電圧指令の位相θは90°、270°となり、θfが135°であれば、電圧指令の位相θは135°、315°となる。
[0050]
 つまり、初めに、θfが0°に設定され、所定の時間、電圧指令の位相θがキャリア信号に同期して0°と180°とで切替えられる。その後、θfが45°に切替えられ、所定の時間、電圧指令の位相θがキャリア信号に同期して45°と225°とで切替えられる。その後、θfが90°に切替えられ、・・・というように、所定の時間毎に、0°と180°、45°と225°、90°と270°、135°と315°、・・・と電圧指令の位相θが切替えられる。これにより、時間の経過とともに、高周波交流電圧の通電位相が変化するため、ロータ停止位置によるインダクタンス特性の影響を排除することができ、ロータ位置に依存せず均一な圧縮機1の加熱が可能となる。
[0051]
 図17は、θfが0°(U相(V4)方向が0°)、30°、60°の時のモータ8のUVWの各相に流れる電流の一例を示す図である。θfが0°の場合には、図17に示すようにV0とV7との間に他の電圧ベクトル(スイッチング素子91a~91fの正電圧側1つと負電圧側2つ、又は、正電圧側2つと負電圧側1つがオン状態となる電圧ベクトル)が1つのみ発生する。この場合、電流波形は台形状となり高調波成分の少ない電流となる。
[0052]
 しかし、θfが30°の場合には、V0とV7との間に異なる2つの電圧ベクトルが発生する。この場合、電流波形が歪み、高調波成分の多い電流となる。この電流波形の歪みはモータ騒音やモータ軸振動などの悪影響を与える虞がある。
[0053]
 また、θfが60°の場合も、θfが0°の場合と同様に、V0とV7との間に他の電圧ベクトルが1つのみ発生する。この場合、電流波形は台形状となり、高調波成分が少ない電流となる。
[0054]
 このように、基準位相θfが60°のn倍(nは0以上の整数)の場合には、電圧指令の位相θが60°の倍数となるため(ここでは、θp=0°、θn=180°である)、V0とV7との間に他の電圧ベクトルが1つのみ発生する。一方、基準位相θfが60°のn倍以外の場合には、電圧指令の位相θが60°の倍数とならないため、V0とV7との間に他の電圧ベクトルが2つ発生してしまう。V0とV7との間に他の電圧ベクトルが2つ発生してしまうと、電流波形が歪み、高調波成分の多い電流となり、モータ騒音やモータ軸振動などの悪影響を与える虞がある。したがって、基準位相θfは、0°、60°、・・・のように60°のn倍の刻みで変化させることが望ましい。
[0055]
 次に、インバータ制御部10の動作について説明する。図18は、実施の形態1におけるインバータ制御部10の動作の一例を示すフローチャートである。加熱判断部14は、圧縮機1の運転停止中に、上述した動作により加熱運転モードを動作させるかを判断する(ステップS1:加熱判断ステップ)。
[0056]
 加熱運転モードを動作させると加熱可否判断部25が判断した場合(ステップS1 Yes)、加熱モードであることを運転モード情報として通知する。
[0057]
 次に、加熱指令演算部26の出力である必要加熱量H*が閾値以上であるか否かを判断し(ステップS2:通電切替ステップ)、必要加熱量H*が閾値以上であった場合(ステップS2 Yes)には、通電切替部18により直流通電に切替え、Vdc*とθdcをV*、θとし、電圧指令生成部19により電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を計算する(ステップS3)。そして、PWM信号生成部20は、電圧指令生成部19が出力した電圧指令Vu*、Vv*、Vw*をキャリア信号と比較して、PWM信号UP、VP、WP、UN、VN、WNを得て、インバータ9へ出力し(ステップS4)、ステップS1へ戻る。
[0058]
 ステップS1で、加熱運転モードを動作させないと加熱可否判断部25が判断した場合(ステップS1 No)、ステップS1へ戻り、所定時間経過後に、再び加熱運転モードを動作させるかを判断する。
[0059]
 ステップS2で、必要加熱量H*が閾値未満であると判断した場合(ステップS2 No)、通電切替部18により高周波通電に切替え、Vac*とθacをV*、θとし、電圧指令生成部19により電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を計算し(ステップS5)、ステップS4へ進む。
[0060]
 以上の動作により、加熱運転モードにおいて、インバータ9のスイッチング素子91a~91fを駆動してモータ8に直流電流もしくは高周波電流を流す。直流通電を選択した場合、モータ8は直流電流による銅損で発熱し、また大電力を投入することが可能である。このため、短時間でモータ8を加熱させることができ、圧縮機1内に滞留する液冷媒が加熱されて気化し、圧縮機1の外部へ短時間で漏出させることができる。また、高周波通電を選択した場合、モータ8は高周波電流による鉄損だけでなく、巻線に流れる電流による銅損にて効率よくモータ8の加熱が可能となる。このため、必要最小限の消費電力でモータ8の加熱が可能であり、圧縮機1内に滞留する液冷媒を加熱・気化させ、圧縮機1の外部へと漏出することができる。
[0061]
 以上のように、本実施の形態に係るヒートポンプ装置100では、圧縮機1内に液冷媒が滞留した状態である場合に、直流通電もしくは高周波通電により可聴周波数外の周波数の電流をモータ8へ流すことにより騒音を抑えつつ、必要加熱量が大の場合は直流通電、必要加熱量が小の場合には高効率な高周波通電と、必要に応じて通電を切替えることで効率的にモータ8を加熱できる。これにより、圧縮機1内に滞留した冷媒を効率的に加熱することができ、滞留した冷媒を圧縮機1の外部へ漏出させることができる。
[0062]
 直流通電の場合には、モータ8に直流電流が流れることにより、モータ8のロータを直流励磁により所定位置に固定することが可能となるため、ロータの回転や振動が発生しない。
[0063]
 なお、高周波通電時には圧縮動作時の運転周波数以上の高周波電圧をモータ8に印加すれば、モータ8内のロータが周波数に追従できなくなり、回転や振動が発生することが無くなる。そのためインバータ9が出力する電圧の周波数は、圧縮動作時の運転周波数以上とすることが望ましい。
[0064]
 一般に、圧縮動作時の運転周波数は、高々1kHzである。そのため、1kHz以上の高周波電圧をモータ8に印加すればよい。また、14kHz以上の高周波電圧をモータ8に印加すれば、モータ8の鉄心の振動音がほぼ可聴周波数上限に近づくため、騒音の低減にも効果がある。そこで、例えば、可聴周波数外の20kHz程度の高周波電圧となるよう出力する。
[0065]
 但し、高周波電圧の周波数はスイッチング素子91a~91fの最大定格周波数を超えるとスイッチング素子91a~91fの破壊による負荷もしくは電源短絡を起こし、発煙や発火に至る可能性がある。そのため、信頼性を確保するため高周波電圧の周波数は最大定格周波数以下にすることが望ましい。
[0066]
 また、近年のヒートポンプ装置用の圧縮機1のモータ8には高効率化のためIPM構造のモータや、コイルエンドが小さく巻線抵抗の低い集中巻きモータが広く用いられる。集中巻きモータは、巻線抵抗が小さく銅損による発熱量が少ないため、巻線に多量の電流を流す必要がある。巻線に多量の電流を流すと、インバータ9に流れる電流も多くなり、インバータ損失が大きくなる。
[0067]
 そこで、通常は加熱運転モードにおいて高周波通電による加熱を行うと、高周波数によるインダクタンス成分が大きくなり、巻線インピーダンスが高くなる。そのため、巻線に流れる電流が小さくなり銅損は減るものの、その分高周波電圧印加による鉄損が発生し効果的に加熱することができる。さらに、巻線に流れる電流が小さくなるため、インバータ9に流れる電流も小さくなり、インバータ9の損失も低減でき、より効率の高い加熱が可能となる。
[0068]
 また、上述した高周波通電による加熱を行うと、圧縮機1がIPM構造のモータである場合、高周波磁束が鎖交するロータ表面も発熱部となる。そのため、冷媒接触面増加および圧縮機構への速やかな加熱が実現されるため効率の良い冷媒の加熱が可能となる。ただし、高周波通電の場合には、インピーダンスが高くなりすぎると必要な加熱量が得られにくくなるため、大きな加熱量を必要とする場合には、直流通電に切替えることで確実に圧縮機1内に滞留した液冷媒を気化させ、圧縮機1の外へ漏出することが可能となる。
[0069]
 直流通電と高周波通電を切替える以外に、直流と高周波電流が同時に流れるようにインバータ制御部10を動作させてもよく、その場合には前述の直流通電のメリットである加熱量大と、高周波通電のメリットである損失小を兼ね備えた通電が可能となる。また、加熱運転モードにおいて直流通電を用いずに高周波通電を行う場合に、モータ巻線の結線を切替える機構を持たせて、インピーダンスを可変としてもよい。この場合、インピーダンスを下げる事で、加熱量を高くする事が可能で有り、インピーダンスを上げる事で、加熱を得るための必要電圧が相対的に高くなるため、実ベクトル幅が広くなり高精度に制御する事が可能となる。
[0070]
 なお、インピーダンスの高いモータの場合、高周波通電にて投入できる電力には制限があり、これは周波数が高い程顕著となる。そのため、本実施の形態にかかるヒートポンプ装置100では、加熱運転モードにおいてキャリア周波数を周期的に変化させる制御を行う。
[0071]
 図19は、実施の形態1におけるヒートポンプ装置100のインバータ制御部10によるキャリア周波数の制御の一例を示す図である。より詳細には、図19は、インバータ9のキャリア周波数の中心を16kHzとして、振幅が2kHz、周期が1/500sで正弦波状に変化させる場合の例を示している。図19に示す例では振幅が2kHzのため、キャリア周波数は14kHz~18kHzの間にて1/500s周期にて周期的に変化することとなる。
[0072]
 図19に示すように、キャリア周波数を中心値基準に対照に周期的に変化させるように制御することで、出力電力の平均値がキャリア周波数の中心値(16kHz)一定で動作させた場合と近しくなるため、加熱量の制御が可能となる。
[0073]
 また、キャリア周波数を可変とすることにより、キャリア周波数に起因する騒音のピークを散らし、騒音を抑制することが可能となる。そのため、キャリア周波数の中心値を可聴域内(16kHz以下)としてキャリア周波数を変化させる事で、騒音の抑制と、加熱量の増加とを両立させることが可能となる。
[0074]
 なお、図19では振幅が2kHz、周期が1/500sにてキャリア周波数を変化させる例を示したが、これに限らない。振幅および周期の何れも、小さすぎるとキャリア成分の分散効果が十分に得られないため、キャリア周波数の中心値に応じてある程度大きい方が効果的である。振幅および周波数は、インバータ制御部10を実現するCPUなどの制御器の性能を考慮して設定する事が好ましい。
[0075]
 図20は、実施の形態1におけるヒートポンプ装置100のインバータ制御部10によるキャリア周波数の制御の他の例を示す図である。図20は、インバータ9のキャリア周波数を複数の周波数の合成周期にて変化させる場合の例を示している。より詳細には、図20は、中心周波数を16kHzとする2つの正弦波の合成周期、具体的には、周期が1/250sの第1の正弦波(1f)と、周期が1/500sの第2の正弦波(2f)との合成波形状にキャリア周波数を変化させる場合の例を示している。合成波形の振幅が2kHzのため、キャリア周波数は14kHz~18kHzの間にて1/250sの周期にて周期的に変化することとなる。
[0076]
 なお、図20に示す例は、第1の正弦波および第2の正弦波のそれぞれのピーク値が同等であり、0°で位相が重なるようにした場合の例である。また、合成波形のピーク値すなわち振幅が2kHzとなるように、それぞれの振幅を調整している。
[0077]
 図20に示すように、複数周波数の正弦波の合成周波数にてキャリア周波数を変化させるように制御することで、キャリア周波数の変調周波数に起因する音(電流ピークの脈動によるうなり)のピークを散らすことができ、騒音を抑制する事が可能である。
[0078]
 図20に示す例では、ピーク値が同等且つ0°で位相が重なる関係を持つ二つの周波数の合成周波数となるようにキャリア周波数を制御する場合について示したが、これに限らない。二つの周波数のピーク値および位相は異なっていてもよく、また、合成する周波数の数を多くしてもよい。合成する周波数の数が多いほど騒音ピークは分散され易い。
[0079]
 また、本実施の形態ではキャリア周波数を正弦波状に変化させる場合について説明したが、これに限らず、三角波、鋸波、台形波、矩形波等の形状で変化させても問題ない。すなわち、半周期のキャリア中心値で点対称となる周期性を有していれば効果を得ることが可能であり、その中でも1周期内で連続して変化している波形が好ましい。これは近しいキャリア周波数でのスイッチングが短期間に集中する事によるピークが立ちにくいからである。なお、これは図20に示すような制御、すなわち、キャリア周波数の変化を表す形状が周波数の異なる複数の周期的な波形を合成した形状となるようキャリア周波数を制御する場合も同様である。
[0080]
 また、本実施の形態で説明したようにキャリア周波数を制御することで、ノイズについても分散することが可能であり、ピークの抑制効果を得ることが可能である。このピークの抑制効果は、キャリア周波数の変調周波数が高い(周期が短い)場合に大きくなりやすい。これは近しいキャリア周波数のスイッチングが短期間に集中する事によるピークが立ちにくいからである。
[0081]
 なお、周期性を利用したキャリア周波数の変更を行うことで、複数の任意のキャリア周波数の組合せにてキャリア周波数を可変させる方法に比べ、好適なパラメータの選定が非常に容易となる。
[0082]
 また、ランダムに周波数を変化させる事でも騒音、ノイズの抑制効果を得る事が可能であるが、この場合は電力の制御が難しくなる。また、キャリア周波数の急変動による電流変化にて予期せぬ音、ノイズの発生が懸念されるため、注意が必要である。
[0083]
 また、キャリア信号の山および谷ではなく、一周期毎にキャリア周波数を変更するようにすることで、一周期中の実ベクトルの差異を抑制する事が出来、想定外の直流電流の重畳による素子の破壊、過熱し過ぎを抑制する事が出来る。
[0084]
 また、キャリア周波数は変更時に毎回演算するようにしてもよいが、キャリア周波数をテーブル化して、周期の位相情報に応じてテーブルから読み出すようにする事で演算処理量を抑制する事が可能である。また、キャリア周波数の中心値とキャリア周波数の変化の形状を表す波形の関係から、事前にパターン化して制御してもよい。その場合、準備しておいた複数のパターンの中の1つを読み出し、読み出したパターンに従った制御が可能なため、更に演算処理量を抑制することが可能である。
[0085]
 また、インバータ9を構成するスイッチング素子91a~91fと、これに並列に接続された環流ダイオード92a~92fには、現在一般的には珪素(Si)を材料とする半導体を用いるのが主流である。しかし、これに代えて、炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドを材料とするワイドバンドギャップ半導体を用いてもよい。
[0086]
 このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高い。そのため、スイッチング素子やダイオード素子の小型化が可能であり、これら小型化されたスイッチング素子やダイオード素子を用いることにより、これらの素子を組み込んだ半導体モジュールの小型化が可能となる。
[0087]
 また、このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、耐熱性も高い。そのため、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化が可能であるので、半導体モジュールの一層の小型化が可能になる。
[0088]
 さらに、このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子やダイオード素子は、電力損失が低い。そのため、スイッチング素子やダイオード素子の高効率化が可能であり、延いては半導体モジュールの高効率化が可能になる。
[0089]
 また、高周波数でのスイッチングが可能となるため、モータ8に更に高周波数の電流を流すことが可能となり、モータ8の巻線インピーダンス増加による巻線電流低減によりインバータ9へ流れる電流を低減できるため、より効率の高いヒートポンプ装置100を得ることが可能となる。さらに高周波数化がしやすくなるため、可聴周波数を超える周波数を設定しやすく、騒音対策がしやすくなるといった利点がある。
[0090]
 また、ワイドバンドギャップ半導体はスイッチング速度が速く、オン/オフ幅(デューティ)を高精度に制御可能のため、インピーダンスが低いモータにおいても出力電圧を高精度に制御可能である。
[0091]
 また、直流通電においても電力損失が小さくなるため発熱が小さくなるだけでなく、仮に大電流が流れた場合においても高耐熱性能が高く、発熱による破壊が起こりにくいなどのメリットがある。
[0092]
 なお、スイッチング素子及びダイオード素子の両方がワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることが望ましいが、いずれか一方の素子がワイドバンドギャップ半導体によって形成されていてもよく、この実施例に記載の効果を得ることができる。
[0093]
 その他、高効率なスイッチング素子として知られているスーパージャンクション構造のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor,金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタ)を用いることでも同様の効果を得ることが可能である。
[0094]
 また、スクロール機構の圧縮機は、圧縮室の高圧リリーフが困難である。そのため、他の方式の圧縮機に比べ、液圧縮した場合に圧縮機構に過大なストレスが掛かり破損する可能性が高い。しかし、本実施の形態のヒートポンプ装置100では、圧縮機1の効率の良い加熱が可能であり、圧縮機1内の液冷媒の滞留を抑制することができる。そのため、液圧縮を防止することができるので、圧縮機1としてスクロール圧縮機を用いた場合にも効果的である。
[0095]
 さらに、高周波通電の場合には、周波数10kHz、出力50Wを超える加熱機器の場合、法令による制約を受ける場合もある。そのため、事前に50Wを超えないよう電圧指令V*の調整や、流れる電流や電圧を検出して50W以下となるようフィードバック制御を行うようにしてもよい。
[0096]
 なお、本実施の形態では高周波通電と直流通電を切替えているが、いずれか一方の手法のみを実施するようにしてもよい。
[0097]
実施の形態2.
 図21は、本発明にかかるヒートポンプ装置の実施の形態2の構成例を示す図である。本実施の形態では、実施の形態1で説明したヒートポンプ装置100を空気調和機、ヒートポンプ給湯機、冷蔵庫、冷凍機等に搭載する際の具体的な構成および動作の一例について説明する。
[0098]
 図22は、図21に示すヒートポンプ装置100の冷媒の状態についてのモリエル線図である。図22において、横軸は比エンタルピ、縦軸は冷媒圧力を示す。
[0099]
 本実施の形態のヒートポンプ装置100は、圧縮機51と、熱交換器52と、膨張機構53と、レシーバ54と、内部熱交換器55と、膨張機構56と、熱交換器57とが配管により順次接続され、冷媒が循環する主冷媒回路58を備える。なお、主冷媒回路58において、圧縮機51の吐出側には、四方弁59が設けられ、冷媒の循環方向が切替え可能となっている。また、熱交換器57の近傍には、ファン60が設けられる。また、圧縮機51は、上記実施の形態で説明した圧縮機1であり、インバータ9によって駆動されるモータ8と圧縮機構7とを有する圧縮機である。
[0100]
 さらに、ヒートポンプ装置100は、レシーバ54と内部熱交換器55との間から、圧縮機51のインジェクションパイプまでを配管により繋ぐインジェクション回路62を備える。インジェクション回路62には、膨張機構61、内部熱交換器55が順次接続される。熱交換器52には、水が循環する水回路63が接続される。なお、水回路63には、給湯器、ラジエータや床暖房等の放熱器等の水を利用する装置が接続される。
[0101]
 まず、本実施の形態のヒートポンプ装置100の暖房運転時の動作について説明する。暖房運転時には、四方弁59は実線方向に設定される。なお、この暖房運転とは、空調で使われる暖房だけでなく、水に熱を与えて温水を作る給湯も含む。
[0102]
 圧縮機51で高温高圧となった気相冷媒(図22の点1)は、圧縮機51から吐出され、凝縮器であり放熱器となる熱交換器52で熱交換されて液化する(図22の点2)。このとき、冷媒から放熱された熱により、水回路63を循環する水が温められ、暖房や給湯に利用される。
[0103]
 熱交換器52で液化された液相冷媒は、膨張機構53で減圧され、気液二相状態になる(図22の点3)。膨張機構53で気液二相状態になった冷媒は、レシーバ54で圧縮機51へ吸入される冷媒と熱交換され、冷却されて液化される(図22の点4)。レシーバ54で液化された液相冷媒は、主冷媒回路58と、インジェクション回路62とに分岐して流れる。
[0104]
 主冷媒回路58を流れる液相冷媒は、膨張機構61で減圧され気液二相状態となったインジェクション回路62を流れる冷媒と内部熱交換器55で熱交換されて、さらに冷却される(図22の点5)。内部熱交換器55で冷却された液相冷媒は、膨張機構56で減圧されて気液二相状態になる(図22の点6)。膨張機構56で気液二相状態になった冷媒は、蒸発器となる熱交換器57で外気と熱交換され、加熱される(図22の点7)。そして、熱交換器57で加熱された冷媒は、レシーバ54でさらに加熱され(図22の点8)、圧縮機51に吸入される。
[0105]
 一方、インジェクション回路62を流れる冷媒は、上述したように、膨張機構61で減圧されて(図22の点9)、内部熱交換器55で熱交換される(図22の点10)。内部熱交換器55で熱交換された気液二相状態の冷媒(インジェクション冷媒)は、気液二相状態のまま圧縮機51のインジェクションパイプから圧縮機51内へ流入する。
[0106]
 圧縮機51では、主冷媒回路58から吸入された冷媒(図22の点8)が、中間圧まで圧縮、加熱される(図22の点11)。中間圧まで圧縮、加熱された冷媒(図22の点11)に、インジェクション冷媒(図22の点10)が合流して、温度が低下する(図22の点12)。そして、温度が低下した冷媒(図22の点12)が、さらに圧縮、加熱され高温高圧となり、吐出される(図22の点1)。
[0107]
 なお、インジェクション運転を行わない場合には、膨張機構61の開度を全閉にする。つまり、インジェクション運転を行う場合には、膨張機構61の開度が所定の開度よりも大きくなっているが、インジェクション運転を行わない際には、膨張機構61の開度を所定の開度より小さくする。これにより、圧縮機51のインジェクションパイプへ冷媒が流入しない。
[0108]
 ここで、膨張機構61の開度は、マイクロコンピュータ等の制御部により、電子制御によって制御される。
[0109]
 次に、ヒートポンプ装置100の冷房運転時の動作について説明する。冷房運転時には、四方弁59は破線方向に設定される。なお、この冷房運転とは、空調で使われる冷房だけでなく、水から熱を奪って冷水を作ることや、冷凍等も含む。
[0110]
 圧縮機51で高温高圧となった気相冷媒(図22の点1)は、圧縮機51から吐出され、凝縮器であり放熱器となる熱交換器57で熱交換されて液化する(図22の点2)。熱交換器57で液化された液相冷媒は、膨張機構56で減圧され、気液二相状態になる(図22の点3)。膨張機構56で気液二相状態になった冷媒は、内部熱交換器55で熱交換され、冷却され液化される(図22の点4)。内部熱交換器55では、膨張機構56で気液二相状態になった冷媒と、内部熱交換器55で液化された液相冷媒を膨張機構61で減圧させて気液二相状態になった冷媒(図22の点9)とを熱交換させている。内部熱交換器55で熱交換された液相冷媒(図22の点4)は、主冷媒回路58と、インジェクション回路62とに分岐して流れる。
[0111]
 主冷媒回路58を流れる液相冷媒は、レシーバ54で圧縮機51に吸入される冷媒と熱交換されて、さらに冷却される(図22の点5)。レシーバ54で冷却された液相冷媒は、膨張機構53で減圧されて気液二相状態になる(図22の点6)。膨張機構53で気液二相状態になった冷媒は、蒸発器となる熱交換器52で熱交換され、加熱される(図22の点7)。このとき、冷媒が吸熱することにより、水回路63を循環する水が冷やされ、冷房や冷凍に利用される。このように、本実施の形態のヒートポンプ装置100は、水回路63を循環する水(流体)を利用する流体利用装置とともに、ヒートホンプシステムを構成し、このヒートホンプシステムは空気調和機、ヒートポンプ給湯機、冷蔵庫、冷凍機等に利用可能である。
[0112]
 そして、熱交換器52で加熱された冷媒は、レシーバ54でさらに加熱され(図22の点8)、圧縮機51に吸入される。
[0113]
 一方、インジェクション回路62を流れる冷媒は、上述したように、膨張機構61で減圧されて(図22の点9)、内部熱交換器55で熱交換される(図22の点10)。内部熱交換器55で熱交換された気液二相状態の冷媒(インジェクション冷媒)は、気液二相状態のまま圧縮機51のインジェクションパイプから流入する。圧縮機51内での圧縮動作については、暖房運転時と同様である。
[0114]
 なお、インジェクション運転を行わない際には、暖房運転時と同様に、膨張機構61の開度を全閉にして、圧縮機51のインジェクションパイプへ冷媒が流入しないようにする。
[0115]
 また、上記説明では、熱交換器52は、冷媒と、水回路63を循環する水とを熱交換させるプレート式熱交換器のような熱交換器であるとして説明した。熱交換器52は、これに限らず、冷媒と空気を熱交換させるものであってもよい。また、水回路63は、水が循環する回路ではなく、他の流体が循環する回路であってもよい。
[0116]
 以上のように、ヒートポンプ装置100は、空気調和機、ヒートポンプ給湯機、冷蔵庫、冷凍機等のインバータ圧縮機を用いたヒートポンプ装置に利用することができる。
[0117]
 以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

符号の説明

[0118]
 1,51 圧縮機、2,59 四方弁、3,5,52,57 熱交換器、4,53,56,61 膨張機構、6 冷媒配管、7 圧縮機構、8 モータ、9 インバータ、10 インバータ制御部、11 通常運転モード制御部、12 加熱運転モード制御部、13 駆動信号生成部、14 加熱判断部、15 直流通電部、16 高周波通電部、17 加熱指令部、18 通電切替部、19 電圧指令生成部、20 PWM信号生成部、21 温度検出部、22 寝込量推定部、23 寝込量検出部、24 寝込判定切替部、25 加熱可否判断部、26 加熱指令演算部、27 通電切替判断部、28 直流電圧指令演算部、29 直流位相指令演算部、30 高周波電圧指令演算部、31 高周波位相指令演算部、32 高周波位相切替部、54 レシーバ、55 内部熱交換器、58 主冷媒回路、60 ファン、62 インジェクション回路、63 水回路、91a~91f スイッチング素子、92a~92f 環流ダイオード、100 ヒートポンプ装置。

請求の範囲

[請求項1]
 冷媒を圧縮する圧縮機と、
 前記圧縮機を駆動するモータと、
 前記モータに所望の電圧を印加するインバータと、
 前記インバータを駆動するパルス幅変調信号を生成し、運転モードとして、前記圧縮機を加熱運転する加熱運転モードと前記圧縮機を通常運転して冷媒を圧縮する通常運転モードとを有し、前記加熱運転モードにおいてキャリア信号の周波数であるキャリア周波数を周期的に変化させるインバータ制御部と、
 を備えるヒートポンプ装置。
[請求項2]
 前記インバータ制御部は、前記キャリア信号の山もしくは谷のいずれか一方のタイミングで前記キャリア周波数を変化させる請求項1に記載のヒートポンプ装置。
[請求項3]
 前記インバータ制御部は、前記キャリア周波数を、周期的な複数の波形を合成して得られる合成波形に従って変化させる請求項1または2に記載のヒートポンプ装置。
[請求項4]
 前記インバータ制御部は、前記キャリア周波数を、周期の異なる複数の波形を合成して得られる合成波形に従って変化させる請求項1または2に記載のヒートポンプ装置。
[請求項5]
 前記インバータ制御部は、前記キャリア周波数の変化の形状を表す複数パターンの波形が登録されたテーブルを保持し、テーブルに登録された波形に従ってキャリア周波数を変化させる請求項1から4のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置。
[請求項6]
 前記インバータ制御部は、前記加熱運転モードにおいて、前記モータの巻線のうち二相または三相に前記通常運転モードにおける運転周波数より高い周波数の高周波交流電圧を印加するよう電圧指令と三角波キャリア信号との比較によりパルス幅変調信号を生成し、前記電圧指令はキャリア信号の山および谷のタイミングで、前記モータに印加する電圧の基準位相に対して略0°と略180°の位相差を持った電圧位相を交互に切替える請求項1から5のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置。
[請求項7]
 前記インバータ制御部は、前記加熱運転モードにおいて、高周波交流電圧を前記モータの巻線に印加する高周波通電と、前記モータの巻線に直流電流を印加する直流通電とを必要加熱量に応じて切替える請求項6に記載のヒートポンプ装置。
[請求項8]
 前記インバータを構成するスイッチング素子は、ワイドギャップ半導体である請求項1から7のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置。
[請求項9]
 前記インバータを構成するダイオードは、ワイドギャップ半導体である請求項1から8のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置。
[請求項10]
 前記ワイドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドのいずれかである請求項8または9に記載のヒートポンプ装置。
[請求項11]
 前記インバータを構成するスイッチング素子は、スーパージャンクション構造の金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタである請求項1から7のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置。
[請求項12]
 冷媒を圧縮する圧縮機構を有する圧縮機と、第1熱交換器と、膨張機構と、第2熱交換器とが配管により順次接続された冷媒回路を備えるヒートポンプ装置と、前記冷媒回路に接続された前記第1熱交換器で冷媒と熱交換された流体を利用する流体利用装置とを備えるヒートポンプシステムであって、
 前記ヒートポンプ装置は、
 冷媒を圧縮する圧縮機と、
 前記圧縮機を駆動するモータと、
 前記モータに所望の電圧を印加するインバータと、
 前記インバータを駆動するパルス幅変調信号を生成し、運転モードとして、前記圧縮機を加熱運転する加熱運転モードと前記圧縮機を通常運転して冷媒を圧縮する通常運転モードとを有し、前記加熱運転モードにおいてキャリア信号の周波数であるキャリア周波数を周期的に変化させるインバータ制御部と、
 を備えるヒートポンプシステム。
[請求項13]
 請求項1から11のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置を備える空気調和機。
[請求項14]
 請求項1から11のいずれか1つに記載のヒートポンプ装置を備える冷凍機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]