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1. WO2020222296 - BEVERAGE, FOOD COMPOSITION, HEALTH FOOD COMPOSITION, ORAL COMPOSITION AND TASTE IMPROVER

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明 細 書

発明の名称 飲料、食品組成物、健康食品組成物、口腔用組成物、及び呈味改善剤

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111  

実施例

0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 飲料、食品組成物、健康食品組成物、口腔用組成物、及び呈味改善剤

技術分野

[0001]
 本発明は、飲料、食品組成物、健康食品組成物、口腔用組成物、及び呈味改善剤に関する。

背景技術

[0002]
 食品、特に茶を原料とした食品や飲料が従来上市されている。これらの茶を用いた食品、飲料は茶が持つ独特の香りが製茶の段階において抜けてしまうため、摘みたての茶葉に比べて香りが劣るものとなっていた。
[0003]
 この点に関し、出願人先には茶葉を蒸した蒸気を冷却することによって得られる茶葉芳香蒸留物を開発した(例えば、特許文献1。)。
[0004]
 この茶葉芳香蒸留物を食品や飲料に添加すると茶の持つ独特の香りが得られ、食品や飲料の香りの改善が図られた。
[0005]
 しかしながら、需要者においてはさらに香りがよく、加えて茶の持つ独特の苦みなどの呈味も改善された食品や飲料の根強い需要がある。
[0006]
 特に、カテキン入りの健康飲料においては、従来苦みを抑えるためにシクロデキストリンなどの環状オリゴ糖が用いられてきた。このため、製造コストが高く、よって製品価格も高いものとなっていた(例えば、特許文献2。)。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特許第6128562号公報
特許文献2 : 特許第4782753号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 本発明が解決しようとする課題は、呈味が改善された飲料を提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明は、茶葉抽出物と、黄ニラ抽出物と、を含む呈味改善剤を提供する。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、呈味が改善された飲料を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 香気成分の測定結果の全体を示す図である。
[図2] 図1のAの領域の拡大図である。
[図3] 市販の緑茶飲料に本実施形態の呈味改善剤を添加した場合のカテキン類の量の変化を示す図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、本発明の一実施形態に係る飲料、食品組成物、健康食品組成物、口腔用組成物、及び呈味改善剤を詳細に説明する。なお、以下において特に断らない限り、温度は室温(18℃~25℃)である。
[0013]
(飲料)
 本実施形態の飲料は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物(以下、単に硫黄化合物ともいう。)のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0014]
 ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物は、ニラ、黄ニラ、ニンニク、タマネギ、アサツキ、ラッキョウ、エシャレット、長ネギ、及びリーキのネギ属の植物(以下、単にネギ属の植物ともいう。)に由来しても、合成物でもよい。
[0015]
 ここで、由来するとは、ネギ属の植物に含まれる物質であること、及びネギ属の植物に含まれる物質の分解物、変性物、及び化合物を含むものとする。
[0016]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物からの抽出物であっても良い。ネギ属の植物からの抽出物は、ネギ属の植物を水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。ネギ属の植物からの抽出物は、ネギ属の植物の搾り汁であっても良い。
[0017]
 ネギ属の植物としては、特に黄ニラが好ましい。
[0018]
 本実施形態の飲料は、青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールのうち少なくとも1種類以上をさらに含んでいても良い。
[0019]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉に由来しても、合成物であっても良い。
[0020]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉抽出物を用いることもできる。茶葉抽出物は、生の茶葉を水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。茶葉抽出物は、生の茶葉の搾り汁であっても良い。
[0021]
 本実施形態の飲料は、ジメチルスルフィドをさらに増量しても良い。ジメチルスルフィドは、青のりの抽出物を使用して増量することもできる。
[0022]
 本実施形態の飲料は、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、カテキン(C)、エピガロカテキンガレート(EGCG、没食子酸エピガロカテキン)、エピカテキンガレート(ECG、没食子酸エピカテキン)、ガロカテキンガレート(GCG、没食子酸ガロカテキン)、及びカテキンガレート(CG、没食子酸カテキン)から1種類以上選ばれるカテキン類を含んでいても良い。
[0023]
 カテキン類は茶葉由来のカテキン類であっても良い。
[0024]
 本実施形態の飲料は、ペットボトルに充填される前に加熱される。加熱温度は134℃~136℃の超高温(UHT:Ultra-High temperature)であり、加熱時間は30秒~40秒が、効率的な殺菌と風味の保持の点から好ましい。
[0025]
(食品組成物)
 本実施形態の食品組成物は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0026]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物に由来しても、合成物でもよい。
[0027]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物からの抽出物であっても良い。ネギ属の植物からの抽出物は、水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。ネギ属の植物からの抽出物は、ネギ属の植物の搾り汁であっても良い。
[0028]
 ネギ属の植物としては、特に黄ニラが好ましい。
[0029]
 ここで、食品組成物とは、少なくとも2種類の食品又は化合物を含む食品を言う。
[0030]
 本実施形態の飲料は、青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールのうち少なくとも1種類以上をさらに含んでいても良い。
[0031]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉に由来しても、合成物であっても良い。
[0032]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉抽出物を用いることもできる。茶葉抽出物は、生の茶葉を水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。茶葉抽出物は、生の茶葉の搾り汁であっても良い。
[0033]
 本実施形態の食品組成物は、ジメチルスルフィドをさらに増量しても良い。ジメチルスルフィドは、青のりの抽出物を使用して増量することもできる。
[0034]
 本実施形態の食品組成物は、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、カテキン(C)、エピガロカテキンガレート(EGCG、没食子酸エピガロカテキン)、エピカテキンガレート(ECG、没食子酸エピカテキン)、ガロカテキンガレート(GCG、没食子酸ガロカテキン)、及びカテキンガレート(CG、没食子酸カテキン)から1種類以上選ばれるカテキン類を含んでいても良い。
[0035]
 カテキン類は茶葉由来のカテキン類であっても良い。
[0036]
 食品組成物の例としては、ケーキ、アイスクリーム、パン、その他の菓子、及びいわゆるサプリメントなどの健康食品組成物などが挙げられる。
[0037]
(口腔用組成物)
 本実施形態の口腔用組成物は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0038]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物に由来しても、合成物でもよい。
[0039]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物からの抽出物であっても良い。ネギ属の植物からの抽出物は、水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。ネギ属の植物からの抽出物は、ネギ属の植物の搾り汁であっても良い。
[0040]
 ネギ属の植物としては、特に黄ニラが好ましい。
[0041]
 本実施形態の呈味改善剤は、青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールのうち少なくとも1種類以上をさらに含んでいても良い。
[0042]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉に由来しても、合成物であっても良い。
[0043]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉抽出物を用いることもできる。茶葉抽出物は、生の茶葉を水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。茶葉抽出物は、生の茶葉の搾り汁であっても良い。
[0044]
 本実施形態の口腔用組成物は、ジメチルスルフィドをさらに増量しても良い。ジメチルスルフィドは、青のりの抽出物を使用して増量することもできる。
[0045]
 青のりとしては、特にすじ青のり及びカワノリが好ましく、カワノリが特に好ましい。
[0046]
 本実施形態の口腔用組成物は、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、カテキン(C)、エピガロカテキンガレート(EGCG、没食子酸エピガロカテキン)、エピカテキンガレート(ECG、没食子酸エピカテキン)、ガロカテキンガレート(GCG、没食子酸ガロカテキン)、及びカテキンガレート(CG、没食子酸カテキン)から1種類以上選ばれるカテキン類を含んでいても良い。
[0047]
 カテキン類は茶葉由来のカテキン類であっても良い。
[0048]
 本実施形態の口腔用組成物は、黄ニラ抽出物と、茶葉抽出物と、青のり抽出物と、を含んでもよい。
[0049]
 より具体的には、本実施形態の口腔用組成物は、黄ニラを蒸した蒸気を冷却して得られる黄ニラ抽出物と、茶葉を蒸した蒸気を冷却して得られる茶葉抽出物と、青のりを蒸した蒸気を冷却して得られる青のり抽出物と、を含んでも良い。
[0050]
 口腔用組成物としては、例えば歯磨き粉、液体歯磨き、液体マウスウォッシュなどが挙げられる。
[0051]
(呈味改善剤)
 本実施形態の呈味改善剤は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0052]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物に由来しても、合成物でもよい。
[0053]
 硫黄化合物は、ネギ属の植物からの抽出物であっても良い。ネギ属の植物からの抽出物は、水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。ネギ属の植物からの抽出物は、ネギ属の植物の搾り汁であっても良い。
[0054]
 ネギ属の植物としては、特に黄ニラが好ましい。
[0055]
 本実施形態の呈味改善剤は、青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールのうち少なくとも1種類以上をさらに含んでいても良い。
[0056]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉に由来しても、合成物であっても良い。
[0057]
 青葉アルコール、リナロール、及びベンジルアルコールは茶葉抽出物を用いることもできる。茶葉抽出物は、生の茶葉を水蒸気によって蒸した蒸気を冷却して得られる蒸留水を用いることができる。茶葉抽出物は、生の茶葉の搾り汁であっても良い。
[0058]
 本実施形態の呈味改善剤は、ジメチルスルフィドをさらに増量しても良い。ジメチルスルフィドは、青のりの抽出物を使用して増量することもできる。
[0059]
 青のりとしては、特にすじ青のり及びカワノリが好ましく、カワノリが特に好ましい。
[0060]
 本実施形態の呈味改善剤は、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、カテキン(C)、エピガロカテキンガレート(EGCG、没食子酸エピガロカテキン)、エピカテキンガレート(ECG、没食子酸エピカテキン)、ガロカテキンガレート(GCG、没食子酸ガロカテキン)、及びカテキンガレート(CG、没食子酸カテキン)から1種類以上選ばれるカテキン類を含んでいても良い。
[0061]
 カテキン類は茶葉由来のカテキン類であっても良い。
[0062]
 本実施形態の呈味改善剤は、黄ニラ抽出物と、茶葉抽出物と、青のり抽出物と、を含んでもよい。
[0063]
 より具体的には、本実施形態の呈味改善剤は、黄ニラを蒸した蒸気を冷却して得られる黄ニラ抽出物と、茶葉を蒸した蒸気を冷却して得られる茶葉抽出物と、青のりを蒸した蒸気を冷却して得られる青のり抽出物と、を含んでも良い。
[0064]
 黄ニラを蒸した蒸気を冷却して得られる黄ニラ抽出物には二硫化アリル(Allyl disulfide)が含まれている。
[0065]
 二硫化アリルには独特の臭いがある。このため、この臭いを消す目的によりカテキンを含む茶飲料が用いられてきた。一方において、カテキンには苦みがある。
[0066]
 発明者は研究の結果、二硫化アリルにはカテキンの苦みを低減する効果があることを新たに発見し、本発明を完成するに至った。
[0067]
(黄ニラ抽出物)
 (黄ニラ)
 ニラは、学名Allium tuberosumのユリ科の多年草であり、食用として広く流通している。
[0068]
 黄ニラは、通常のニラの葉の根元を切り取り、新芽に日光を遮断させて軟化栽培したものであり、別名「にらもやし」、「黄金ニラ」とも呼ばれる。
[0069]
 (黄ニラ抽出物の製法)
 裁断した生の黄ニラを95℃~105℃、より好ましくは約100℃の水蒸気によって蒸し、この蒸気を回収する。
[0070]
 より具体的には、従来の製茶蒸機を使用して、水蒸気によって生の黄ニラを蒸した後の蒸気を回収することができる。
[0071]
 蒸気は、生の黄ニラ1kgに対して300g~400gを用いる。蒸し時間は30秒から15分、より好ましくは10分であることが望ましい。
[0072]
 回収した蒸気を凝集水の温度が40℃~60℃になるように冷却して凝集する。凝集水をさらに室温まで冷却して茶葉抽出物とする。
[0073]
 この範囲の温度であれば、自然空冷によって冷却できるため、冷却装置を設置する費用を節約できる。
[0074]
 なお、回収した蒸気を、冷却装置を用いて一気に室温まで冷却してもよい。
[0075]
 この製法によって、生の黄ニラ150gから黄ニラ抽出物が58g製造できる。
[0076]
 また、黄ニラ抽出物は、ヘキサンなどによる溶媒抽出でも製造でき、最終的に成分が水溶液の状態になっていればよい。
[0077]
 (黄ニラ抽出物の成分)
 黄ニラ抽出物には、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上が含まれている。
[0078]
 黄ニラ抽出物は、飲料、食品組成物、又は本実施形態の呈味改善剤に添加して高速液体クロマトグラフなどの測定機によって測定した場合、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上が検出されれば、呈味改善効果、香気改善効果が得られる。
[0079]
(茶葉抽出物)
 (茶葉抽出物の製法)
 緑茶の生の茶葉を95℃~105℃、より好ましくは約100℃の水蒸気によって蒸し、この蒸気を回収する。
[0080]
 より具体的には、従来の製茶蒸機を使用して製茶する場合に、生茶葉を水蒸気によって蒸した後の副産物として得られる蒸気を回収することができる。
[0081]
 蒸気は、生茶葉1kgに対して300g~400gを用いる。蒸し時間は30秒から120秒であることが望ましい。
[0082]
 回収した蒸気を凝集水の温度が40℃~60℃になるように冷却して凝集する。凝集水をさらに室温まで冷却して茶葉抽出物とする。
[0083]
 この範囲の温度であれば、自然空冷によって冷却できるため、冷却装置を設置する費用を節約できる。
[0084]
 なお、回収した蒸気を、冷却装置を用いて一気に室温まで冷却してもよい。
[0085]
 また、茶葉抽出物は、ヘキサンなどによる溶媒抽出でも製造でき、最終的に成分が水溶液の状態になっていればよい。
[0086]
 (茶葉抽出物の成分)
 上記のように製造した茶葉抽出物は、以下の成分をそれぞれ以下の質量の割合として含む。
青葉アルコール   :500~2000ppb
リナロール     :100~500ppb
ベンジルアルコール :10~500ppb
[0087]
 より好ましくは、以下の量を含むとより香気が増す。
青葉アルコール   :800ppb以上
リナロール     :150ppb以上
ベンジルアルコール :50ppb以上
[0088]
 青葉アルコールは、cis-3-ヘキセン-1-オールの別名であり、ヘキセノールと呼ばれ、茶葉に含まれる物質である。青葉アルコールは異性体を含んでいてもよい。
[0089]
 リナロールは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールを指し、茶葉に含まれる物質である。
[0090]
 茶葉抽出物は、その他の有効成分を含んでいてもよい。その他の有効成分として、サリチル酸メチル、ゲラニオール、2フェニルエタノール、β-イオノン、(E)-ネロリドール、インドールなどが挙げられる。
[0091]
 茶葉抽出物は、夾雑物や他の香料、界面活性剤、着色料などを含有していても香気が低下したり失われたりすることはない。
[0092]
 上述の成分及び含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて分析し、含有量の算出は、標準試薬(シグマアルドリッチ社製)により液中の成分濃度を定量したものである。
[0093]
(青のり抽出物)
 (すじ青のり)
 青のりは、緑藻綱アオサ科アオノリ属の総称である。青のりにはいくつか種類があり、特に徳島県産、岡山県産、及び高知県産の青のりは細い糸状の形状をしており、標準和名を「すじ青のり」という。以下、すじ青のりを含めて単に青のりという。
[0094]
 (カワノリ)
 カワノリ(Prasiola japonica)は、トレボウクシア藻綱カワノリ目カワノリ科に属する淡水性の藻類である。本実施形態では、青のりにカワノリも含まれるものとする。
[0095]
 香気がよいという点においてすじ青のり及びカワノリが好ましい。中でもカワノリが特に好ましい。カワノリ及びすじ青のりが入手できない場合には、ほかの種類の青のりを代用できる。
[0096]
 本実施形態においては、青のりとしてすじ青のり及びカワノリの乾燥物を使用する。すじ青のり及びカワノリの混合比率は0:100~100:0まで任意に設定できる。
[0097]
 (青のり抽出物の製法)
 乾燥した青のりを95℃~105℃、より好ましくは約100℃の水蒸気によって蒸し、この蒸気を回収する。
[0098]
 より具体的には、従来の製茶蒸機を使用して、水蒸気によって青のりを蒸した後の蒸気を回収することができる。
[0099]
 蒸気は、青のり1kgに対して300g~400gを用いる。蒸し時間は30秒から15分、より好ましくは10分であることが望ましい。
[0100]
 回収した蒸気を凝集水の温度が40℃~60℃になるように冷却して凝集する。凝集水をさらに室温まで冷却して茶葉抽出物とする。
[0101]
 この範囲の温度であれば、自然空冷によって冷却できるため、冷却装置を設置する費用を節約できる。
[0102]
 なお、回収した蒸気を、冷却装置を用いて一気に室温まで冷却してもよい。
[0103]
 この製法によって、青のりとしてすじ青のり及びカワノリを使用した場合、すじ青のり及びカワノリの混合物48gから青のり抽出物が68g製造できる。
[0104]
 また、青のり抽出物は、ヘキサンなどによる溶媒抽出でも製造でき、最終的に成分が水溶液の状態になっていればよい。
[0105]
 (青のり蒸留物の成分)
 すじ青のり及びカワノリを含む青のりにはジメチルスルフィドが含まれている。青のり蒸留物にはジメチルスルフィドが含まれている。
[0106]
 ジメチルスルフィドは、茶、特に玉露に含まれる成分である。ジメチルスルフィドは、茶葉中に存在するメチルメチオニンスルフォニウムクロライドが製茶の工程における加熱処理によって変化して生成される。
[0107]
(呈味改善剤の詳細)
 (用途)
 本実施形態の呈味改善剤は、食品又は飲料の呈味改善及び香気改善の効果がある。適用する食品及び飲料には特に限定はない。
[0108]
 本実施形態の呈味改善剤は、特に苦みのある食品や飲料に用いると、苦みを低減し、甘みが増す。
[0109]
 本実施形態の呈味改善剤は、中でもカテキン類を含む食品や飲料に用いることが好適である。
[0110]
 (効果)
 本実施形態の呈味改善剤は、カテキン類を含む食品及び飲料、特に茶葉の加工品に対して使用すると、苦みが軽減され、甘みが増加し、香りもよくなる。特に香りは、高級茶のような香りになる。
[0111]
 茶葉の加工品としては、例えば玉露、煎茶、粉茶、抹茶、紅茶、ほうじ茶、ウーロン茶、及びこれらを使用した食品又は飲料が挙げられる。
実施例
[0112]
(飲料)
 但し、いずれの緑茶飲料もカテキン類を合計で320mg/500mlの濃度において含む。以下の緑茶飲料においては、いれる前の緑茶に以下の硫黄化合物や以下の各抽出物を添加してからいれても良いし、いれた後の液体の緑茶飲料に以下の硫黄化合物や以下の各抽出物を添加しても良い。
[0113]
(実施例1)
 緑茶飲料に以下の成分を含む。
アリルメチルジスルフィド 400ppm(但し、終濃度。1ppm=1mg/L。以下、同じ。)
[0114]
(実施例2)
 緑茶飲料に以下の成分を含む。
ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfide 合計600ppm
[0115]
(実施例3)
緑茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.2ml
[0116]
(実施例4)
緑茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.1ml
[0117]
(実施例5)
緑茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.5ml
[0118]
(実施例6)
緑茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.1ml
茶葉抽出物 0.1ml
青のり抽出物 0.1ml
[0119]
(飲料(煎茶))
 但し、いずれの煎茶もカテキン類を合計で320mg/500mlの濃度において含む。以下の煎茶飲料においては、いれる前の煎茶に以下の硫黄化合物や以下の各抽出物を添加してからいれても良いし、いれた後の液体の煎茶に以下の硫黄化合物や以下の各抽出物を添加しても良い。
[0120]
 煎茶に以下の硫黄化合物や以下の各抽出物を添加すると、苦みが抑えられ、甘みが増し、香りが高級茶のような良い香りとなる。
[0121]
(実施例7)
 煎茶飲料に以下の成分を含む。
アリルメチルジスルフィド 400ppm(但し、終濃度。1ppm=1mg/L。以下、同じ。)
[0122]
(実施例8)
 煎茶飲料に以下の成分を含む。
ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfide 合計600ppm
[0123]
(実施例9)
煎茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.2ml
[0124]
(実施例10)
煎茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.1ml
[0125]
(実施例11)
煎茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.5ml
[0126]
(実施例12)
煎茶 30ml
黄ニラ抽出物 0.1ml
茶葉抽出物 0.1ml
青のり抽出物 0.1ml
[0127]
(食品組成物)
 但し、いずれの抹茶アイスクリームもカテキン類を合計で320mg/500mlの濃度において含む。
[0128]
(実施例13)
抹茶アイスクリーム 30ml
黄ニラ抽出物 0.2ml
[0129]
(実施例14)
抹茶アイスクリーム 30ml
黄ニラ抽出物 0.1ml
[0130]
(実施例15)
抹茶アイスクリーム 30ml
黄ニラ抽出物 0.5ml
[0131]
(実施例16)
抹茶アイスクリーム 30ml
黄ニラ抽出物 0.1ml
茶葉抽出物 0.1ml
青のり抽出物 0.1ml
[0132]
(実施例17)
抹茶 30g(但し、抹茶は予め乾燥させておくことが望ましい。以下同じ。)
黄ニラ抽出物 0.2ml
[0133]
(実施例18)
抹茶 30g
黄ニラ抽出物 0.1ml
[0134]
(実施例19)
抹茶 30g
黄ニラ抽出物 0.5ml
[0135]
(実施例20)
抹茶 30g
黄ニラ抽出物 0.1ml
茶葉抽出物 0.1ml
青のり抽出物 0.1ml
[0136]
(実施例21)
粉茶 30g
黄ニラ抽出物 0.2ml
[0137]
 但し、粉茶は、次の手順によって製造することがより呈味改善効果及び香気改善効果があるという点において望ましい。以下の実施例についても同じである。
1.茶葉を乾燥させる。乾燥の度合いは添加する各抽出物の量に相当する分だけ乾燥させる。
2.乾燥させた茶葉に黄ニラ抽出物(実施例18においてはさらに茶葉抽出物、青のり抽出物)を添加する。
3.茶葉をひいて粉茶にする。
[0138]
(実施例22)
粉茶 30g
黄ニラ抽出物 0.1ml
[0139]
(実施例23)
粉茶 30g
黄ニラ抽出物 0.5ml
[0140]
(実施例24)
粉茶 30g
黄ニラ抽出物 0.1ml
茶葉抽出物 0.1ml
青のり抽出物 0.1ml
[0141]
(呈味改善剤)
(処方例1)
茶葉抽出物            質量において全量の1/3
すじ青及びカワノリのり抽出物   質量において全量の1/3
(但し、混合比は質量比において、すじ青のり:カワノリ=1:1。以下の処方例に同じ。)
黄ニラ抽出物           質量において全量の1/3
[0142]
(処方例2)
茶葉抽出物            22.5質量%
すじ青のり及びカワノリ抽出物   45.0質量%
黄ニラ抽出物           32.5質量%
[0143]
(処方例3)
茶葉抽出物            30質量%
すじ青のり及びカワノリ抽出物   30質量%
黄ニラ抽出物           40質量%
[0144]
(処方例4)
茶葉抽出物            30質量%
すじ青のり及びカワノリ抽出物   40質量%
黄ニラ抽出物           30質量%
[0145]
(処方例5)
茶葉抽出物            20質量%
すじ青のり及びカワノリ抽出物   50質量%
黄ニラ抽出物           30質量%
[0146]
(処方例6)
茶葉抽出物            50質量%
すじ青のり及びカワノリ抽出物   50質量%
[0147]
(処方例7)
茶葉抽出物            40質量%
すじ青のり及びカワノリ抽出物   60質量%
[0148]
(口腔用組成物)
 (液体マウスウォッシュ)
(処方例8)
アリルメチルジスルフィド 400ppm
カテキン類 0.1質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 0.1質量%
エタノール 0.1質量%
水 残部
[0149]
(処方例9)
ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfide 合計600ppm
カテキン類 0.1質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 0.1質量%
エタノール 0.1質量%
水 残部
[0150]
 (歯磨き粉)
(処方例10)
アリルメチルジスルフィド 400ppm
カテキン類 0.1質量%
グリセリン   3質量%
無水ケイ酸  40質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 10質量%
カルボキシメチルセルロース 1質量%
エタノール   3質量%
パラベン(保存料)1質量%
水 残部
[0151]
(処方例11)
ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfide 合計600ppm
カテキン類 0.1質量%
グリセリン   3質量%
無水ケイ酸  40質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤) 10質量%
カルボキシメチルセルロース 1質量%
エタノール   3質量%
パラベン(保存料)1質量%
水 残部
[0152]
(健康食品組成物(錠剤))
(処方例12)
アリルメチルジスルフィド 400ppm
カテキン類 0.1質量%
ショ糖脂肪酸エステル 1.0質量%
結晶セルロース 残部
[0153]
(処方例13)
ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfide 合計600ppm
カテキン類 0.1質量%
ショ糖脂肪酸エステル 1.0質量%
結晶セルロース 残部
[0154]
 上述の健康食品組成物は、抗アレルギー作用、特に花粉症の症状の緩和に効果がある。本実施形態の健康食品は苦みが低減され、甘みが増すという効果がさらに発揮される。官能試験において、上記処方例13の場合、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideを含まない健康食品組成物よりも苦みが少なかったという者が10人中7人であった。
[0155]
(添加物)
 なお、いずれの処方例においても、ビタミンC又はビタミンEなどの酸化防止剤、界面活性剤などの食品添加物を適宜含むことができ、これらを添加しても本実施形態の呈味改善剤の効果は損なわれない。
[0156]
(官能試験)
 被験者10人に以下の要領により官能試験を実施した。呈味改善剤は処方例1を用いた。
[0157]
(1)玉露100gに呈味改善剤を1gの割合で添加し、通常のいれ方により玉露茶をいれ、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものと比較した。
[0158]
 10人のうち8人が、呈味改善剤を添加したものの方が、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものより苦み低減、甘み増加、香気増加を感じた。
[0159]
(2)抹茶100gに呈味改善剤を1gの割合で添加し、通常のいれ方により抹茶をいれ、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものと比較した。
[0160]
 10人のうち9人が、呈味改善剤を添加したものの方が、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものより苦み低減、甘み増加、香気増加を感じた。
[0161]
(3)抹茶100gに呈味改善剤を1gの割合で添加し、これを抹茶入りアイスクリームにふりかけ、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものと比較した。
[0162]
 10人のうち9人が、呈味改善剤を添加したものの方が、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものより苦み低減、甘み増加、香気増加を感じた。
[0163]
(4)茶葉100gに呈味改善剤を1gの割合で添加して粉茶にしたものを、通常のいれ方によりいれて、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものと比較した。
[0164]
 10人のうち7人が、呈味改善剤を添加したものの方が、呈味改善剤の代わりに水を同量添加したものより苦み低減、甘み増加、香気増加を感じた。
[0165]
 なお、ほかの処方例についてもほぼ同様の結果が得られた。中でも、処方例1の結果が最もよかった。
[0166]
 (食品添加物の香気成分)
 処方例1の呈味改善剤の香気成分を以下のように測定した。
[0167]
 処方例1の呈味改善剤を10ml取り出し、バイアル瓶内に移し、室温(22℃)において50分間瓶内に香りを放散させた。
[0168]
 そして、放散させた香りをSPME-GC/MS法(Solid Phase Micro Extraction-Gas Chromatography - Mass spectrometry;固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフィー/質量分析法)により評価した。
 捕集:SPME(Solid Phase Micro Extraction;固相マイクロ抽出)(SUPELCO社製)
    捕集剤:100μmPDMS(Polydimethyl siloxane)
 分析:GC/MS(Gas Chromatography - Mass spectrometryガスクロマトグラフィー/質量分析)(Perkin Elmer社製)
    カラム:HP-5ms、0.25μm、L60m、id0.25mmφ
    温度40℃(4min)-4℃/min-280℃(6min)
 解析:NISTライブラリ(米国国立標準技術研究所ライブラリ)
[0169]
 図1は、香気成分の測定結果の全体を示す図である。図2は、図1のAの領域の拡大図である。図1及び図2において、縦軸は質量%、横軸は時間を示す。
[0170]
 図2に示した番号は、それぞれ次の物質である。
1:Dimethyl disulfide (ジメチルジスルフィド(二硫化ジメチル)、CAS:624-92-0)
[0171]
[化1]


[0172]
2:Methyl allyl disulfide (アリルメチルジスルフィド、CAS:2179-58-0)
[0173]
[化2]


[0174]
3:Methyl cis-propenyl disulfide (メチルシス-プロペニルジスルフィド、CAS:23838-18-8)
[0175]
[化3]


[0176]
4:Dimethyl trisulfide (ジメチルトリスルフィド、CAS:3658-80-8)
[0177]
[化4]


[0178]
5:Allyl disulfide (ジアリルジスルフィド(二硫化アリル)、CAS:2179-57-9)
[0179]
[化5]


[0180]
6:Methyl allyl trisulfide (アリル(メチル)ペルトリスルフィド、CAS:34135-85-8)
[0181]
[化6]


[0182]
 (呈味改善剤とカテキン類の関係)
 カテキン類を含む食品や飲料に本実施形態の呈味改善剤を添加してもカテキンは減少せず、かつ、苦みが抑えられ、甘みが増し、香りが高級茶のようになる。
[0183]
 図3は、市販の緑茶飲料に本実施形態の呈味改善剤を添加した場合のカテキン類の量の変化を示す図である。単位はppm(1ppm=1mg/L)である。
[0184]
 市販の緑茶(サントリー食品インターナショナル製、商品名:伊右衛門特茶)を30mlずつ2つ取り分け、一方にイオン交換水を0.2ml加えてコントロールとし、他方に本実施形態の呈味改善剤(処方例1)を0.2ml加えて「添加」とした。
[0185]
 コントロールと「添加」400μlに対し、4mMアスコルビン酸水溶液400μl及びメタノール800μlを加えた。それぞれをボルテックスミキサーにより撹拌した後、ポアサイズ0.2μmの親水化PTFE(ポリテトラフルオロエチレン:Poly Tetra Fluoro Ethylene)製ディスクフィルター(メルク社製マイレクスLG)でろ過し、バイアル瓶に移したものをUHPLC(超高速液体クロマトグラフィー: Ultra High Performance Liquid Chromatography)分析に供した。
[0186]
 分析に使用した装置、分析条件等は以下である。
装置 :Acquity UPLC(Waters社製)
カラム:Acquity BEH Shield RP-18 φ2.1 x 100mm
移動相A:0.1% ギ酸
移動相B:0.1% ギ酸/アセトニトリル
カラム温度:50℃
サンプル温度:4℃
注入量:2μl
検出 :UV280nm
[0187]
 高速液体クロマトグラフによって8種類のカテキンとカフェインの量をそれぞれ測定した。
[0188]
 ここで、図3の表頭のアルファベットは、それぞれエピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、カテキン(C)、エピガロカテキンガレート(EGCG、没食子酸エピガロカテキン)、エピカテキンガレート(ECG、没食子酸エピカテキン)、ガロカテキンガレート(GCG、没食子酸ガロカテキン)、及びカテキンガレート(CG、没食子酸カテキン)を示す。
[0189]
 図3に示すように、本実施形態の呈味改善剤を添加しても、苦みが減って甘みが増え、香りが高級茶のようになったにもかかわらず、カテキン類がほとんど減少していない。
[0190]
 従って、従来苦かったカテキン入りの健康飲料に本実施形態の呈味改善剤を添加すれば、カテキン類の作用・効果を阻害することなく呈味及び香りを改善できる。
[0191]
 以上述べたように、本実施形態の飲料は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0192]
 また、本実施形態の食品組成物は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0193]
 また、本実施形態の健康食品は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0194]
 また、本実施形態の口腔用組成物は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0195]
 さらに、本実施形態の呈味改善剤は、ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上を含む。
[0196]
 従って、本発明によれば、食品、飲料、健康食品組成物、及び口腔用組成物、特に茶葉を加工した食品及び飲料、カテキン類を含む口腔用組成物の香りと呈味を改善することができるという効果がある。
[0197]
 また、本発明によれば、シクロデキストリンなどの環状オリゴ糖に比べて、安価に飲料、食品の呈味及び香りを改善できるという効果がある。特に、環状オリゴ糖では香りの改善は望めないが、本発明によれば高級茶の香りを出すことが可能となるという効果がある。
[0198]
 さらに、本発明によれば、カテキンの量を減らさずに呈味を改善し、加えて香りも高級茶のような香りにすることができるという効果がある。

請求の範囲

[請求項1]
 茶葉抽出物と、
 黄ニラ抽出物と、
を含む呈味改善剤。
[請求項2]
 青のり抽出物をさらに含む請求項1に記載の呈味改善剤。
[請求項3]
 茶葉抽出物と、
 黄ニラ抽出物と、
を含む飲料。
[請求項4]
 青のり抽出物をさらに含む請求項3に記載の飲料。
[請求項5]
 茶葉抽出物と、
 黄ニラ抽出物と、
を含む食品組成物。
[請求項6]
 青のり抽出物をさらに含む請求項5に記載の食品組成物。
[請求項7]
 茶葉抽出物と、
 黄ニラ抽出物と、
を含む健康食品組成物。
[請求項8]
 青のり抽出物をさらに含む請求項7に記載の健康食品組成物。
[請求項9]
 茶葉抽出物と、
 黄ニラ抽出物と、
を含む口腔用組成物。
[請求項10]
 青のり抽出物をさらに含む請求項9に記載の口腔用組成物。
[請求項11]
 ジメチルジスルフィド、アリルメチルジスルフィド、メチルシス-プロペニルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジアリルジスルフィド、及びMethyl allyl trisulfideの硫黄化合物のうち少なくとも1種類以上のカテキン含有物に対する呈味改善としての使用。
[請求項12]
 前記硫黄化合物は、
 ネギ属の植物に由来する請求項11に記載の使用。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]