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1. WO2020203160 - LAMINATED BODY MANUFACTURING METHOD, PAINTING OBJECT MANUFACTURING METHOD, JOINING STRUCTURE MANUFACTURING METHOD, THERMAL TRANSFER SHEET, AND LAMINATED BODY

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明 細 書

発明の名称 積層体の製造方法、塗装物の製造方法、接合構造体の製造方法、熱転写シート、及び積層体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

実施例

0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

符号の説明

0104  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 積層体の製造方法、塗装物の製造方法、接合構造体の製造方法、熱転写シート、及び積層体

技術分野

[0001]
 本発明は、積層体の製造方法、塗装物の製造方法、接合構造体の製造方法、熱転写シート、及び積層体に関する。

背景技術

[0002]
 近年、鉄道車両、航空機、船舶、自動車等の輸送機器、電子機器、住宅設備等の部材には、軽量かつ対衝撃性に優れた樹脂が用いられ、その表面には種々の材質の被着体が接合されている。また、樹脂部材には種々の機能を有する塗膜が形成される場合がある。
 そして、樹脂部材を金属や他の樹脂等の被着体と接合する際には、十分な接着強度が求められる。また、樹脂部材に塗膜を塗装する場合、塗膜にはベースポリマーとして様々な樹脂が用いられており、塗膜剥がれ防止のため、樹脂部材と塗膜との接着強化が求められる。
[0003]
 しかしながら、樹脂部材と被着体の種類によっては、接着剤となじみにくく従来の接着剤や接着シートを用いても十分な接着強度が得られない場合がある。また、樹脂部材に直接塗装を施すと、樹脂部材と塗膜の種類によってはなじみが悪く、樹脂部材と塗膜との十分な接着強度が得られず、むらや塗膜剥がれ等の問題が生じる場合がある。
[0004]
 十分な接着強度を得るための手段として、樹脂部材の表面にプライマー溶液を塗布するプライマー処理(例えば、特許文献1)や、下処理としてサンドブラスト処理、コロナ処理、プラズマ処理などの各種表面処理方法が知られている。
[0005]
 また、樹脂部材に十分な接着強度を付与するための手段の一つとして、表面改質シートを用いる技術がある。
 例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂に十分な接着強度を付与し得る、表面改質シートが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 日本国特開2000-226536号公報
特許文献2 : 日本国特開2017-128722号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献1に記載のような従来の表面処理方法においては、表面処理工程および乾燥工程を設けなければならず、生産性が低下するという問題がある。
 さらに、樹脂部材を金型で成形加工する際には離型剤を用いることが必要であるが、この離型剤により樹脂部材の表面が汚染されるため、プライマー処理により樹脂部材の表面に十分な強度の塗膜を形成することができない。このため、離型剤を除去するための洗浄処理工程や研磨処理工程が必要となる。その結果、これらの工程を行うための設備投資やランニング費用など、コスト上昇という問題がある。
[0008]
 一方、特許文献2に記載のようなフィルムインモールド成形によれば、成形加工時に離型剤を使うことなく樹脂部材の表面処理を行うことができる。しかし、成形温度によっては成形加工時に離型シートにシワが発生し、そのシワが熱転写層の表面に転写され、得られる積層体の外観を損ねるという課題がある。また、表面処理された樹脂部材には塗装や被着体との接合が行われることがあり、したがって被着体に対する高い接着強度や高い塗装密着性が求められる。
[0009]
 以上のような問題を鑑みて、本発明は、シワの発生を防ぎ、外観に優れた積層体を形成することができ、また高い接着性の付与と塗装密着性の付与が可能であり、さらには積層体の形成の際に熱転写層と樹脂部材との一体成形が可能な積層体の製造方法、及び、該積層体の製造方法により得られる積層体を用いた塗装物の製造方法及び接合構造体の製造方法を提供することを目的とする。また、該積層体の製造方法等に適した熱転写シート、ならびに該熱転写シートを備える積層体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、離型シートの熱膨張率を特定の範囲とした熱転写シートを樹脂部材に加熱貼着することにより、高い接着強度及び高い塗装密着性を発揮し、シワの発生を防ぎ、外観に優れた積層体を形成することができ、積層体の形成の際に熱転写層と樹脂部材との一体成形が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0011]
 すなわち、本発明は、下記の〔1〕~〔14〕に関する。
〔1〕
 離型シートと熱転写層とを備える熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材の表面の少なくとも一部に加熱貼着により積層する積層工程を含む、積層体の製造方法であって、
 前記離型シートは、前記積層工程の成形温度Tβ℃における熱膨張率βが-15%≦β≦+7.5%である、積層体の製造方法。
〔2〕
 前記離型シートは、前記成形温度Tβ℃における引張弾性率Eβが1×10 MPa以下である〔1〕に記載の積層体の製造方法。
〔3〕
 前記熱転写層は、平均厚みが0.1μm~50μmである〔1〕又は〔2〕に記載の積層体の製造方法。
〔4〕
 前記積層工程において、前記加熱貼着を加熱プレスにより行う、〔1〕~〔3〕のいずれか1に記載の積層体の製造方法。
〔5〕
 〔1〕~〔4〕のいずれか1に記載の積層体の製造方法により得られた積層体から前記離型シートを剥離し、露出した前記熱転写層の上に塗膜を形成する塗膜形成工程を含む、
塗装物の製造方法。
〔6〕
 〔1〕~〔4〕のいずれか1に記載の積層体の製造方法により得られた積層体から前記離型シートを剥離し、露出した前記熱転写層の上に接着剤層を介して被着体を接合する接合工程を含む、接合構造体の製造方法。
〔7〕
 離型シートと熱転写層とを備え、
 前記離型シートは、下記式(1)で表されるTα℃における熱膨張率αが-15%≦α≦+7.5%である熱転写シート。
 Tα℃ = 離型シートの融解温度または分解温度(Tm)℃-10℃   (1)
〔8〕
 前記離型シートは、前記Tα℃における引張弾性率Eαが1×10 MPa以下である〔7〕に記載の熱転写シート。
〔9〕
 前記熱転写層は、平均厚みが0.1μm~50μmである〔7〕又は〔8〕に記載の熱転写シート。
〔10〕
 前記熱転写層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が、非極性ユニットと極性基を備えた極性ユニットを有するポリマー、および、非極性ユニットで構成されるポリマーの一部を極性基を備える極性ユニットで変性したポリマーのうち、少なくとも1種を含む〔7〕~〔9〕のいずれか1に記載の熱転写シート。
〔11〕
 前記ポリマー成分が、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、及びアミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含有する〔10〕に記載の熱転写シート。
〔12〕
 加熱貼着用である〔7〕~〔11〕のいずれか1に記載の熱転写シート。
〔13〕
 〔7〕~〔12〕のいずれか1に記載の熱転写シートと、
 前記熱転写シートの熱転写層側に積層した樹脂部材と、を備えた積層体。
〔14〕
 前記樹脂部材がプリプレグである、〔13〕に記載の積層体。

発明の効果

[0012]
 本発明の一態様に係る積層体の製造方法によれば、シワの発生を防ぎ、外観に優れた積層体を形成することができ、また高い接着性の付与と塗装密着性の付与が可能であり、さらには積層体の形成の際に熱転写層と樹脂部材との一体成形が可能である。
 また、本発明の一態様に係る積層体は、塗膜や被着体との接着強度に優れ、シワの発生を防ぎ、外観に優れた樹脂成形品を形成することができる。
 本発明の一態様に係る塗装物の製造方法及び接合構造体の製造方法によれば、優れた強度を有し、外観に優れた塗装物及び接合構造体が得られる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、樹脂部材の表面に熱転写層が設けられた積層体の一例を示す概略断面図である。
[図2] 図2は、熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
[図3] 図3は、離型シートと熱転写層の積層体である熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材の表面の少なくとも一部に載置する形態を示す概略断面図である。
[図4] 図4は、塗装物の一例を示す概略断面図である。
[図5] 図5は、接合構造体の一例を示す概略断面図である。
[図6] 図6は、せん断接着力評価に用いた接合構造体の概略斜視図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[0015]
<積層体の製造方法>
 本発明の実施形態に係る積層体の製造方法は、離型シートと熱転写層とを備える熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材の表面の少なくとも一部に加熱貼着により積層する積層工程を含む。ここで、該積層体の製造方法において、離型シートは、前記積層工程の成形温度Tβ℃における熱膨張率βが-15%≦β≦+7.5%である。
[0016]
 〔熱転写シート〕
 本発明の実施形態に係る積層体の製造方法において用いられる熱転写シートは、離型シートと熱転写層とを備える。ここで、熱転写シートにおける熱転写層はシート状であるため、部材の表面に塗設するのではなく、載積して加熱処理することで一体成形ができる。
 そのため、ハジキ発生等によるむらの発生を防ぎ部材の表面に均一な厚みで熱転写層を形成することができる。また、部材の表面の一部に熱転写層を施す際には、はみだし等により歩留りが低下するのを抑制できる。
[0017]
 〔離型シート〕
 本発明の実施形態の積層体の製造方法において、熱転写シートにおける離型シートは、積層工程の成形温度Tβ℃における熱膨張率βが-15%≦β≦+7.5%である。
 成形後の外観の観点から、離型シートの成形温度Tβ℃における熱膨張率βは-15%以上であり、好ましくは-13%以上であり、より好ましくは-10%以上である。また、成形加工温度に相当する耐熱性があれば十分であるため、離型シートの成形温度Tβ℃における熱膨張率βは7.5%以下であり、好ましくは6%以下であり、より好ましくは5%以下である。
[0018]
 離型シートの成形温度Tβ℃における引張弾性率Eβは、成形時の曲面追従性のため、好ましくは1×10 MPa以下であり、より好ましくは4×10 MPa以下である。
 離型シートは、成形温度Tβ℃における引張弾性率Eβを1×10 MPa以下とすることにより耐熱性に優れ、曲面追従性を発現しやすくなり、例えば、曲面形状を有する金型等を使用して成形する場合であっても、金型形状に追従しやすくなる。それにより、シワの発生や転写不良を防ぎ、外観に優れ、樹脂部材との一体成形による積層体の成形が可能な熱転写シートとすることができる。
 成形温度Tβ℃における引張弾性率Eβの下限に特に制限はないが、曲面追従性を発現し易くなり、複雑な三次元曲面の形状の部材に対しても適用し得る熱転写シートとするため、1MPa以上であることが好ましく、10MPa以上であることがより好ましい。
[0019]
 引張弾性率は、測定対象部分を構成する樹脂材料により構成された樹脂フィルムを測定サンプルとして、以下の方法で測定される引張弾性率をいう。具体的には、上記離型シートをフィルム成膜時の流れ方向(MD方向)を長手方向として幅5mmの短冊状にカットして試験片を作製した。チャック間距離を10mmとし、TAインスツルメンツ社製引張粘弾性測定装置RSAIIIにて25℃~600℃の温度分散を実施した。その際、昇温速度は5℃/min、周波数は1Hzとした。このときTβ℃における貯蔵弾性率を引張弾性率Eβとした。
 引張弾性率は、離型シートの構成や使用材料、それらの組み合わせ等により調節することができる。
[0020]
 上記の熱転写シートに使用できる離型シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系シート、ポリアミド6、ポリアミド66、芳香族ポリアミドなどのポリアミド系シート、芳香族ポリイミドなどのポリイミド系シート、などが挙げられる。離型シートの成形方法は特に規定はないが、溶融押出法、溶融圧延法、溶液流延法、などで成形され、さらに一軸延伸や二軸延伸を行っても良い。
 離型シートの厚みは、取扱い性や加工性の観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは20μm以上であり、よりさらに好ましくは30μm以上である。また、曲面追従性を発現し易くなり、複雑な三次元曲面の形状の部材に対しても適用し得る熱転写シートとするため好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。
 また、必要に応じて、離型シートの熱転写層側の面あるいは両面にシリコーンなどの適宜な離型処理剤による離型処理を施してもよい。
[0021]
 〔熱転写層〕
 熱転写層(熱転写層の材料であってもよい)は、好ましくは、ポリマー成分を含み、該ポリマー成分が非極性ユニットと極性基を備える極性ユニットを有するポリマー、および、非極性ユニットで構成されるポリマーの一部を極性基を備える極性ユニットで変性したポリマーのうち、少なくとも1種を含むことがより好ましい。熱転写層中の上記ポリマー成分の含有割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは70質量%~100質量%であり、さらに好ましくは90質量%~100質量%であり、特に好ましくは92質量%~100質量%であり、最も好ましくは95質量%~100質量%である。
[0022]
 ポリマー成分における非極性ユニットとしては、例えば、脂肪族系炭化水素ユニット、芳香族系炭化水素ユニット、脂環族系炭化水素ユニットなどが挙げられる。非極性ユニットの炭素数は好ましくは2~40、より好ましくは3~30、さらに好ましくは4~20である。非極性ユニットは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[0023]
 ポリマー成分における極性基を備える極性ユニットとしては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、ニトリル基、アミド基、エステル基、水酸基、酸無水物、シラノール基などが挙げられる。このような極性基を有する極性ユニットとしては、例えば、グリシジルメタクリレートユニット、酢酸ビニルユニット、アクリロニトリルユニット、アミドユニット、(メタ)アクリル酸エステルユニット、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートユニット、無水マレイン酸ユニットなどが挙げられる。極性ユニットは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[0024]
 熱転写層(熱転写層の材料であってもよい)が含み得るポリマー成分は、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、アミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種であってもよい。
[0025]
 熱転写層(熱転写層の材料であってもよい)が含み得るこのようなポリマー成分は、好ましくは、付加型硬化剤であり、より好ましくは、エポキシ基と反応する付加型硬化剤である。
[0026]
 メトキシメチル基含有ポリマーとしては、例えば、メトキシメチル化ポリアミド樹脂などが挙げられる。
 メトキシメチル基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、「Fine Resin」(登録商標)FR-101、FR-104、FR-105、EM-120、EM-220シリーズ(株式会社鉛市製)などが挙げられる。
 メトキシメチル基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
[0027]
 メトキシメチル基含有ポリマーは、本発明の効果をより発現させ得る点で、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1000~1000000であり、より好ましくは3000~500000であり、さらに好ましくは5000~100000であり、特に好ましくは7000~70000であり、最も好ましくは10000~50000である。重量平均分子量(Mw)の測定方法については後述する。
[0028]
 水酸基含有ポリマーとしては、例えば、水酸基含有アクリル系ポリマーなどが挙げられる。
 水酸基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、「ARUFON(登録商標) UH-2000シリーズ」(東亜合成株式会社製)などが挙げられる。
 水酸基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
[0029]
 水酸基含有ポリマーは、本発明の効果をより発現させ得る点で、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは500~1000000であり、より好ましくは700~500000であり、さらに好ましくは1000~100000であり、特に好ましくは1500~70000であり、最も好ましくは2000~50000である。重量平均分子量(Mw)の測定方法については後述する。
[0030]
 カルボキシル基含有ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基含有アクリル系ポリマー、カルボンキシル基含有アクリル系オリゴマーなどが挙げられる。
 カルボキシル基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、「ARUFON(登録商標) UC-3000、UC3510、UC3080シリーズ」(東亜合成株式会社製)などが挙げられる。
 カルボキシル基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
[0031]
 カルボキシル基含有ポリマーは、本発明の効果をより発現させ得る点で、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは500~1000000であり、より好ましくは700~500000であり、さらに好ましくは1000~100000であり、特に好ましくは1500~70000であり、最も好ましくは2000~50000である。重量平均分子量(Mw)はGPC測定におけるポリスチレン換算分子量を用いた。
[0032]
 アミノ基含有ポリマーとしては、アミノ基(-NH )を含有するポリマーであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリマーを採用し得る。
 アミノ基含有ポリマーとしては、市販品を採用してもよい。
 アミノ基含有ポリマーは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
 熱転写層(熱転写層の材料であってもよい)は、3級アミン含有化合物、強酸から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
[0033]
 熱転写層(熱転写層の材料であってもよい)が含み得るこのような3級アミン含有化合物や強酸は、好ましくは、触媒型硬化剤であり、より好ましくは、エポキシ基と反応する触媒型硬化剤である。
[0034]
 3級アミン含有化合物としては、例えば、イミダゾール誘導体、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
 3級アミン含有化合物としては、市販品を採用してもよい。このような市販品としては、例えば、イミダゾール誘導体として、「キュアゾール」シリーズ(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤、四国化成工業株式会社製)などが挙げられ、ポリエチレンイミンとして、「エポミン」(登録商標)シリーズ(株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
 3級アミン含有化合物は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
[0035]
 強酸としては、例えば、トリフルオロボラン、イオン液体、ナフィオンなどが挙げられる。
 イオン液体としては、例えば、BF -C NH 、HMI-PF などが挙げられる。
 強酸としては、市販品を採用してもよい。
 強酸は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
[0036]
 本発明の実施形態において、熱転写層は平均厚みが0.1μm~50μmであることが好ましい。
 部材の表面にピンホールがあると、その後の塗装等により得られる樹脂部材の外観を損なう。本発明の実施形態において、熱転写層の平均厚みが0.1μm~50μmであることにより、部材の表面のピンホール等の凹凸を埋め、より優れた外観を得ることができることから好ましい。
 また、熱転写層の厚みが0.1μm~50μmであると、熱成形時に熱転写層が適度に流動するため、剥離シートに摺動性を付与でき、金型形状への追従性が向上することから好ましい。
 熱転写層の平均厚みは、部材の表面のピンホール等の凹凸を埋め、より優れた外観を得る観点から、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは0.7μm以上である。
 また、熱転写層の平均厚みは、接着強度の観点から、より好ましくは40μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。
 熱転写層の厚みはダイヤルシックネスゲージ(例えば、ピーコックGC-9)により熱転写シートの厚みを測定し、その箇所の熱転写層を除去した離型シートの厚みを測定し、その差を熱転写層の厚みとして測定できる。
 熱転写層の平均厚みとは10点を測定した平均値である。
[0037]
(積層工程)
 本発明の実施形態に係る積層体の製造方法においては、熱転写シートの該熱転写層側を樹脂部材の表面の少なくとも一部に積層し、加熱貼着を行うことにより積層体を製造することができる。
 加熱貼着は、熱転写シートの積層と同時に行ってもよいし、熱転写シートを積層した後に行ってもよい。
 このような方法で樹脂部材の表面処理を行うことにより、樹脂部材に十分な接着強度を付与することができ、積層体を高い生産性と低コストで製造することができる。積層体の製造方法は、樹脂部材の表面を処理する方法(樹脂の表面処理方法)でもあり得る。
[0038]
 樹脂部材に含有される樹脂は、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよい。
 熱可塑性樹脂としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルサルファイド)、EP(エポキシ)などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、本発明の効果を有利に発現し得る熱可塑性樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)、PES(ポリエーテルサルファイド)、EP(エポキシ)が挙げられる。
[0039]
 熱可塑性樹脂としては、繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)を採用し得る。
 繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)としては、例えば、炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)などが挙げられる。
 炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)としては、例えば、PPS系炭素繊維強化熱可塑性樹脂、PA系炭素繊維強化熱可塑性樹脂、PES系炭素繊維強化熱可塑性樹脂、EP系炭素繊維強化熱可塑性樹脂、PP系炭素繊維強化熱可塑性樹脂などが挙げられる。
 ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GFRTP)としては、例えば、PPS系ガラス繊維強化熱可塑性樹脂、PA系ガラス繊維強化熱可塑性樹脂、PP系ガラス繊維強化熱可塑性樹脂などが挙げられる。
[0040]
 熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができる。
[0041]
 樹脂部材の形状としては、例えば、平面を有する板状、曲面を有する板状、シート状、フィルム状などが挙げられる。
 樹脂部材の厚みは、例えば、0.001mm~10mmである。
 樹脂部材がプリプレグであってもよい。プリプレグとは、炭素繊維やガラス繊維等の強化材に、硬化剤等の添加物を混合した熱硬化性樹脂を含浸させ、加熱または乾燥して半硬化状態にしたものである。
[0042]
 「樹脂部材の表面の少なくとも一部」とは、樹脂部材が有する全ての表面の中の少なくとも一部を意味する。例えば、樹脂部材が板状やシート状やフィルム状の場合は、その少なくとも一方の表面の一部や、その少なくとも一方の表面の全部などを意味する。
[0043]
 樹脂部材における樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、積層体の製造においては、熱可塑性樹脂の融点をT ℃としたとき、該熱可塑性樹脂部材の表面の少なくとも一部に熱転写層を設け、(T -50)℃以上の温度で加熱貼着を行うことが好ましい。この加熱貼着の温度は、好ましくは(T -50)℃~(T +150)℃であり、より好ましくは(T -25)℃~(T +100)℃であり、さらに好ましくは(T -10)℃~(T +75)℃であり、特に好ましくは(T )℃~(T +50)℃である。加熱貼着温度すなわち成形温度Tβ℃を上記範囲内として、上記のような方法で樹脂部材の表面処理を行うことにより、熱転写層と熱可塑性樹脂部材の界面が溶融接触して溶着混合し、熱可塑性樹脂部材に十分な接着強度を付与することができる。このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
[0044]
 樹脂部材における樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、熱可塑性樹脂部材の表面の少なくとも一部を溶融状態とした後、溶融状態の該熱可塑性樹脂部材の表面に熱転写層を設けることもできる。熱可塑性樹脂部材の溶融状態の表面に熱転写層を設けることにより、熱可塑性樹脂部材の表面の熱によって熱転写層が溶着混合し、熱可塑性樹脂部材に十分な接着強度を付与することができる。
[0045]
 樹脂部材における樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、積層体の製造においては、熱硬化性樹脂の硬化温度をT ℃としたとき、熱硬化性樹脂部材の表面の少なくとも一部に熱転写層を設け、(T -50)℃以上の温度で加熱貼着を行うことが好ましい。なお、硬化温度はDSCにて測定した発熱曲線のピーク温度とする。この加熱貼着の温度は、好ましくは(T -50)℃~(T +50)℃であり、より好ましくは(T -40)℃~(T +40)℃であり、さらに好ましくは(T -30)℃~(T +30)℃であり、特に好ましくは(T -20)℃~(T +20)℃である。加熱貼着温度すなわち成形温度Tβ℃を上記範囲内として、上記のような方法で樹脂部材の表面処理を行うことにより、熱転写層と熱硬化性樹脂部材の界面が化学結合し、熱硬化性樹脂部材に十分な接着強度を付与することができる。このような付与を高い生産性と低コストで行うことができる。
[0046]
 樹脂部材がプリプレグである場合、プリプレグと熱転写層との間に、プリプレグと前記熱転写層とが混合した混合層を備えることが好ましい。
 樹脂部材に含有される樹脂が熱硬化性樹脂である場合、熱硬化性樹脂部材の表面の少なくとも一部を加温により軟化させた後、該熱硬化性樹脂部材の表面に熱転写層を設けることもできる。加温により軟化した熱硬化性樹脂部材の表面に熱転写層を設けることにより、熱硬化性樹脂部材の表面の熱によって熱転写層が化学結合し、熱硬化性樹脂部材に十分な接着強度を付与することができる。
[0047]
 「化学結合」とは、樹脂部材と熱転写層の材料が化学的に共有結合を為すことによって成し得る。
[0048]
 加熱貼着の方法としては、例えば、オーブン加熱、赤外線加熱、高周波加熱、加熱プレスなどが挙げられ、好ましくは加熱プレス(プレス成形)である。
 加熱貼着の時間は、好ましくは1秒~10分である。
[0049]
 積層工程では、前記樹脂部材を熱転写シートの熱転写層側に積層後、加熱プレスにより成形してもよい。
 加熱プレスとしては、例えば、成形加工機(例えば、プレス機など)内で、樹脂部材の表面の少なくとも一部に熱転写シートの熱転写層側を積層し、加熱を伴う成形加工(例えば、加熱プレスによる一体成形)を行う態様である。このような態様によれば、樹脂部材の表面処理とともに、樹脂部材の成形加工も同時に行うことができるため、高い生産性と低コストを提供できる。
[0050]
 また、積層体から離型シートを剥離することにより、熱転写層を表面に備えた積層体が得られる。離型シートの剥離は、手で剥離したり、専用の剥離設備を用いて剥離する等、特に限定されない。
[0051]
 離型シートと熱転写層の積層体である熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材の表面の少なくとも一部に載置し、加熱貼着した後、好ましくは、離型シートが除去される。このように離型シートが除去されることにより、樹脂部材の表面に熱転写層が転写され、積層体(樹脂部材と熱転写層の積層部材と称することもある)が得られる。
 なお、前述したように、好ましくは、樹脂部材と熱転写層との間に、該樹脂部材と該熱転写層とが混合した混合層を備える。
[0052]
 上記の製造方法により、図1に示すように、樹脂部材100の表面に熱転写層10が設けられ、積層体が得られる。なお、図1においては、樹脂部材100の表面に熱転写層10が積層されているが、好ましくは、樹脂部材100と熱転写層10との間に、該樹脂部材と該熱転写層とが混合した混合層(図示せず)を備える。
[0053]
 離型シートと熱転写層の積層体である熱転写シートは、図2に示すように、離型シート20と熱転写層10の積層体である熱転写シート200である。
[0054]
 本発明の実施形態に係る積層体の製造方法において、離型シートと熱転写層の積層体である熱転写シートの該熱転写層側を該樹脂部材の表面の少なくとも一部に載置する形態は、図3に示すように、熱転写シート200を、該熱転写シート200の熱転写層10側が樹脂部材100の表面側になるように該熱転写シート200を該樹脂部材100の表面に載置させた形態である。
[0055]
<塗装物の製造方法>
 また、本発明の実施形態に係る塗装物の製造方法は、上述した積層体の製造方法により得られた積層体の離型シートを剥離し、露出した熱転写層の上に塗膜を形成する塗膜形成工程を含む。
 該塗膜形成工程により、積層体の熱転写層側の表面の少なくとも一部に塗膜を備えた塗装物を得ることができる。
 塗装物の一例として、図4に樹脂部材100の表面に熱転写層10が設けられた積層体の、熱転写層側の表面に塗膜30を備えた塗装物300を示す。
 熱転写層は樹脂部材の表面に塗設するのではなくシート状の熱転写シートを用いて形成されるため、ハジキ発生等によるむらの発生を防ぐことができる。そのため、熱転写層が樹脂部材の表面に均一な厚みで形成することができ、塗膜を均一な膜厚で塗設することができる。また、溶融状態の樹脂部材の表面に熱転写層を設けることにより、樹脂部材の表面の熱によって熱転写層が溶着混合し、熱転写層と樹脂部材との接着強度が高いため、密着性に優れた塗膜が形成できる。さらに、塗装物の形成に際して、熱転写層と樹脂部材との一体成形が可能であるため、塗膜を形成する前に離型剤を除去するための有機溶剤を用いた洗浄処理工程や研磨処理工程が必要なく、安全性に優れ環境負荷や作業負荷が軽減できる。
[0056]
 塗膜としては、特に制限されず、例えば、塗装、印刷層、蒸着層、めっき層等が挙げられる。塗膜を形成する材料としては、特に制限されず、例えば、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、フッ素系、ポリエステル・メラミン系、アルキド・メラミン系、アクリル・メラミン系、アクリル・ウレタン系、アクリル・多酸硬化剤系などの各種ポリマーを含む組成物が挙げられる。
 塗膜の厚みは、特に制限は無く、0.01~2000μmであり、より好ましくは0.1~1000μmであり、さらに好ましくは0.5~500μmであり、特に好ましくは1~200μmである。
 塗膜の塗装方法に特に制限は無く、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、各種コーター塗装などの一般的な方法を用いることができ、その塗布量は特に限定されるものではない。また、塗膜を加熱する時間や温度等も、用いる塗料、塗布量等によって適宜決定することができる。
[0057]
<接合構造体の製造方法>
 また、本発明の実施形態に係る接合構造体の製造方法は、積層体の製造方法により得られた積層体から離型シートを剥離し、露出した熱転写層の上に接着剤層を介して被着体を接合する接合工程を含む。
 該接合工程により、積層体の熱転写層側の表面の少なくとも一部に接着剤層を介して被着体が接合された接合構造体を得ることができる。
 接合構造体の一例として、図5に樹脂部材100の表面に熱転写層10が設けられた積層体の、熱転写層10側の表面に接着剤層40を介して被着体50が接合された接合構造体500を示す。
 熱転写層は樹脂部材の表面に塗設するのではなくシート状の熱転写シートを用いて形成されるため、ハジキ発生等によるむらの発生を防ぐことができる。そのため、熱転写層が樹脂部材の表面に均一な厚みで形成することができ、接着剤層を均一な膜厚で塗設することができる。また、溶融状態の樹脂部材の表面に熱転写層を設けることにより、樹脂部材の表面の熱によって熱転写層が溶着混合し、熱転写層と樹脂部材との接着強度が高いため、接着剤層を密着性よく形成できる。さらに、接合構造体の形成に際して、熱転写層と樹脂部材との一体成形が可能であるため、接着剤層を形成する前に離型剤を除去するための有機溶剤を用いた洗浄処理工程や研磨処理工程が必要なく、安全性に優れ環境負荷や作業負荷が軽減できる。
[0058]
 接着剤層に含まれる接着剤としては、特に限定されず、アクリル系、シリコーン系、エポキシ系、フェノール系、ポリウレタン系、シアノアクリレート系、ポリアミド系等の適宜な接着剤を使用できる。
[0059]
 また、接合構造体を構成する被着体としては、例えば、上述した樹脂部材に用いた熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂や、炭素繊維やガラス繊維にこれらの樹脂を含浸させたFRPからなる樹脂系部材、鉄、アルミニウム、チタン、銅、あるいはこれらを主とした合金などの金属系部材、ガラス、タイル、コンクリート等の無機系部材、木材等の木質系部材、などを例示することができるが、これに限定されるものではない。
[0060]
<熱転写シート>
 また、本発明の一態様に係る熱転写シートは、離型シートと熱転写層とを備え、前記離型シートは、下記式(1)で表されるTα℃における熱膨張率αが-15%≦α≦+7.5%である。
 Tα℃ = 離型シートの融解温度または分解温度(Tm)℃-10℃   (1)
 本態様に係る熱転写シートは、熱転写層がシート状であるため、部材の表面に塗設するのではなく、載積して加熱処理することで一体成形ができる。そのため、ハジキ発生等によるむらの発生を防ぎ部材の表面に均一な厚みで熱転写層を形成することができる。また、部材の表面の一部に熱転写層を施す際には、はみだし等により歩留りが低下するのを抑制できる。
[0061]
 〔熱転写層〕
 本態様の熱転写シートにおける熱転写層としては、上述した積層体の製造方法に用いられる熱転写シートにおける熱転写層の説明をそのまま援用し得る。
[0062]
 〔離型シート〕
 本態様の熱転写シートにおける離型シートは、下記式(1)で表されるTα℃における熱膨張率αが-15%≦α≦+7.5%である。
 Tα℃ = 離型シートの融解温度または分解温度(Tm)℃-10℃   (1)
 成形後の外観の観点から、離型シートのTα℃における熱膨張率αは-15%以上であり、好ましくは-13%以上であり、より好ましくは-10%以上である。また、成形加工温度に相当する耐熱性があれば十分であるため、離型シートのTα℃における熱膨張率αは7.5%以下であり、好ましくは6%以下であり、より好ましくは5%以下である。
[0063]
 なお、離型シートの融解温度または分解温度(Tm)は、以下のように測定できる。
 すなわち、熱硬化性樹脂については、貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、tanδ(E”(損失弾性率)/E’(貯蔵弾性率))の値を算出し、高温側でのtanδのピーク温度を融点(Tm)とする。
 熱可塑性樹脂の融点(T )についても同様の手法で測定できる。
 なお、非晶性樹脂の場合は融点を持たないため、分解温度を融点とみなすこととする。
[0064]
 離型シートのTα℃における引張弾性率Eαは、成形時の曲面追従性のため、好ましくは1×10 MPa以下であり、より好ましくは4×10 MPa以下である。
 離型シートは、Tα℃における引張弾性率Eαを1×10 MPa以下とすることにより耐熱性に優れ、曲面追従性を発現しやすくなり、例えば、曲面形状を有する金型等を使用して成形する場合であっても、金型形状に追従しやすくなる。それにより、シワの発生や転写不良を防ぎ、外観に優れ、樹脂部材との一体成形による積層体の成形が可能な熱転写シートとすることができる。
 Tα℃における引張弾性率Eαの下限に特に制限はないが、曲面追従性を発現し易くなり、複雑な三次元曲面の形状の部材に対しても適用し得る熱転写シートとするため、1MPa以上であることが好ましく、10MPa以上であることがより好ましい。
[0065]
 引張弾性率は、測定対象部分を構成する樹脂材料により構成された単層の樹脂フィルムを測定サンプルとして、以下の方法で測定される引張弾性率をいう。具体的には、上記離型シートをフィルム成膜時の流れ方向(MD方向)を長手方向として幅5mmの短冊状にカットして試験片を作製した。チャック間距離を10mmとし、TAインスツルメンツ社製引張粘弾性測定装置RSAIIIにて25℃~600℃の温度分散を実施した。その際、昇温速度は5℃/min、周波数は1Hzとした。このときTα℃における貯蔵弾性率を引張弾性率Eαとした。
 引張弾性率は、離型シートの構成や使用材料、それらの組み合わせ等により調節することができる。
[0066]
 上記の熱転写シートに使用できる離型シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系シート、ポリアミド6、ポリアミド66、芳香族ポリアミドなどのポリアミド系シート、芳香族ポリイミドなどのポリイミド系シート、などが挙げられる。離型シートの成形方法は特に規定はないが、溶融押出法、溶融圧延法、溶液流延法、などで成形され、さらに一軸延伸や二軸延伸を行っても良い。
 離型シートの厚みは、取扱い性や加工性の観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは20μm以上であり、よりさらに好ましくは30μm以上である。また、曲面追従性を発現し易くなり、複雑な三次元曲面の形状の部材に対しても適用し得る熱転写シートとするため好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。
 また、必要に応じて、離型シートの熱転写層側の面あるいは両面にシリコーンなどの適宜な離型処理剤による離型処理を施してもよい。
[0067]
 また、別の一態様に係る熱転写シートは、離型シートと熱転写層とを備え、前記離型シートは、熱転写シートと樹脂部材との加熱貼着により積層する際の成形温度Tβ℃における熱膨張率βが-15%≦β≦+7.5%である。
[0068]
〔熱転写シートの製造〕
 熱転写シートは、任意の適切な方法によって製造し得る。例えば、熱転写層の材料と溶剤を含む溶液(熱転写層形成用組成物)への離型シートのディッピングの後に必要に応じて乾燥する方法、離型シートの表面への熱転写層の材料と溶剤を含む溶液の刷毛塗りの後に必要に応じて乾燥する方法、離型シートの表面への熱転写層の材料と溶剤を含む溶液の各種コーターによる塗布の後に必要に応じて乾燥する方法、離型シートの表面への熱転写層の材料と溶剤を含む溶液のスプレー塗布の後に必要に応じて乾燥する方法などが挙げられる。
[0069]
 熱転写層形成用組成物としては、熱転写層の材料を、溶剤に溶解した溶液が挙げられる。
 溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;メチルエチルケトンなどのケトン類;エステル;脂肪族、脂環族、並びに芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;などが挙げられ、ゲル化物の生成を抑制するため、エタノール又はエタノールと水との混合溶媒が好ましい。溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
[0070]
 熱転写層形成用組成物における固形分濃度は、目的に応じて適宜設定し得る。熱転写層の厚み精度の観点から、質量割合として、好ましくは0.01質量%~20質量%であり、より好ましくは0.05質量%~10質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%~5質量%である。
[0071]
 熱転写層形成用組成物には、必要に応じて、pH調整剤、架橋剤、粘度調整剤(増粘剤等)、レベリング剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、界面活性剤、帯電防止剤、防腐剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の各種の添加剤を含有してもよい。
 例えば、着色剤を添加することにより熱転写層が可視化し、樹脂部材の表面を既に改質したかどうかが判別し易くなり工程管理の面でメリットがある。
 着色剤としては、例えば、染料、又は顔料が挙げられる。ブラックライトで視認できる蛍光材料でもよい。
[0072]
〔積層体〕
 本発明の実施形態に係る積層体は、上記熱転写シートと、熱転写シートの熱転写層側に積層した樹脂部材とを備える。積層体は、樹脂部材と熱転写層との間に、樹脂と熱転写層とが混合した混合層を備えることが好ましい。
[0073]
 熱転写シート、熱転写層、樹脂部材としては、上述の説明をそのまま援用し得る。
[0074]
 混合層は、樹脂と熱転写層とが混合した層であり、例えば、樹脂部材の表面の少なくとも一部に熱転写層を設けて加熱溶着又は加熱貼着を行うことによって、熱転写層と樹脂部材の界面が溶融接触して溶着混合し、それによって得られる溶着混合部分の層である。混合層の形成により樹脂部材と熱転写層との接着強度が向上する。混合層において樹脂と、熱転写層とが共有結合等の化学反応により結合することが好ましい。共有結合等の化学反応により樹脂部材と熱転写層との界面が消失して樹脂部材と熱転写層とが一体化し、より優れた接着強度が得られる。
[0075]
 混合層の厚みは、加熱溶着の条件や、樹脂部材に含有される樹脂や熱転写層の種類に応じて、適宜決定し得る。混合層の厚みは、好ましくは1.5nm以上であり、より好ましくは2.0nm以上である。
[0076]
 本発明の実施形態に係る積層体において、熱転写層の厚みとしては、好ましくは0.001μm~20μmであり、より好ましくは0.01μm~15μmであり、さらに好ましくは0.5μm~10μmであり、特に好ましくは0.7μm~10μmである。
実施例
[0077]
 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
[0078]
〔実施例1〕
 (熱転写シート)
 (株式会社鉛市製、Fine Resin FR-105(メトキシメチル化ポリアミド樹脂)/東亜合成株式会社製、ARUFON(登録商標) UC-3000(カルボキシル基含有アクリル系オリゴマー)(質量比100/2混合物))を60℃のエタノール(EtOH)/水/イソプロパノール(IPA)=60質量%/10質量%/30質量%の混合溶媒に溶解し、20質量%溶液(熱転写層形成用組成物)を作製した。
 作製した熱転写層形成用組成物を目開き188μmのナイロンメッシュでろ過した後、離型シート(三菱ケミカル(株)製、MRF(厚み25μm、寸法:幅250mm×長さ450mm))にバーコーターにて塗工し、風乾した後、恒温乾燥器にて100℃×1分間さらに乾燥させ、離型シート上に熱転写層を備えた熱転写シートを作製した。
[0079]
<ガラス転移温度(Tg)>
 離型シートの貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、tanδ(E”(損失弾性率)/E’(貯蔵弾性率))の値を算出し、低温側でのtanδのピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[0080]
<融点(Tm)>
 離型シートの貯蔵弾性率と損失弾性率を測定し、tanδ(E”(損失弾性率)/E’(貯蔵弾性率))の値を算出し、高温側でのtanδのピーク温度を融点(Tm)とした。
 熱可塑性樹脂の融点(T1)についても同様の手法で測定した。
 なお、非晶性樹脂の場合は融点を持たないため、分解温度を融点とみなした。
[0081]
 (貯蔵弾性率及び損失弾性率の測定)
 離型シートを長さ10mm(測定長さ)×幅5mmの短冊状にカッターナイフで切り出し、固体粘弾性測定装置(RSAIII、TAインスツルメンツ(株)製)を用いて、25~600℃における貯蔵弾性率/損失弾性率を測定した。測定条件は、周波数1Hz、昇温速度5℃/minとした。
[0082]
<熱膨張率>
 離型シートを幅約4mmの短冊状に切り出し、TMA(熱機械分析)測定により、離型シートの成形温度Tβ℃における熱膨張率βと、Tα℃における熱膨張率αとを測定した。
 Tα℃ = 離型シートの融解温度または分解温度(Tm)℃-10℃   (1)
 ・装置:TA Instruments製 TMA Q-400
 ・測定モード:引張
 ・スパン:16mm
 ・測定荷重:19.6mN
 ・雰囲気ガス:N (50ml/min)
 ・温度条件:20℃→600℃(±10℃/min)
[0083]
<引張弾性率>
 離型シートの成形温度Tβ℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し、測定された貯蔵弾性率を成形温度Tβ℃における引張弾性率Eβとした。
 また、離型シートのTα℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し、測定された貯蔵弾性率をTα℃における引張弾性率Eαとした。
 Tα℃ = 離型シートの融解温度または分解温度(Tm)℃-10℃   (1)
 なお、表中における「弾性率」は「引張弾性率」を表す。
[0084]
<熱転写層の膜厚>
 熱転写層の膜厚はダイヤルゲージ(ピーコック製GC-9)により測定した。熱転写シートの厚みを測定し、その箇所の熱転写層を除去した離型シートの厚みを測定し、その差を熱転写層の厚みとした。平均厚みは10点を測定した平均値である。なお、表中の厚みの単位はμmである。
[0085]
 (積層体(1))
 上記で作製した熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材としての一方向長繊維カーボンファイバー強化熱可塑性エポキシ樹脂(C-EpTP)(幅200mm×長さ200mm×厚さ2mm)の上に重ね、表1に示す成形温度Tβ℃でプレス加工することにより平板形状の積層体(1)を作製した。
[0086]
(接合構造体)
 上記で作製した積層体(1)(積層体500)の2つを、それぞれの離型シートを剥離してから、それぞれの熱転写層側同士が接合するように、接着シート600を用いて図6の形態で接合し、接合構造体とした。接着シートとしては、日本国特開2012-197427号公報記載のゴム変性エポキシ接着シートを用いて接着した。接着面積は25mm×10mmとした。接着剤の硬化条件は150℃×20分とした。
[0087]
<せん断接着力評価>
 接合構造体における2つの積層体同士の引張せん断接着力を、引張試験機(ミネベア製、型番;TG-100kN)にて測定した。測定は、25℃にて引張速度5mm/minで実施した。得られた測定値を単位面積あたりに換算し、せん断接着力とした。
[0088]
 (塗装物)
 上記で作製した積層体(1)の離型シートを剥離後、熱転写層にソフト99コーポレーション(株)製「ボディーペン」アクリル系塗料(自動車用)をスプレーで塗装し、室温で一昼夜乾燥させて、膜厚50μmの塗膜を備えた塗装物を作製した。
[0089]
<塗装密着性評価>
 塗装物を幅約4mmの短冊状に切り出し、JIS K5600-5-6記載のクロスカット法にてクロスカット評価を実施し、塗装密着性として評価した。
  ・カットの間隔: 2mm
  ・クロスカット個数: 100マス
  ・剥離テープ: (ニチバン)セロハンテープ24mm幅
[0090]
(積層体(2))
 離型シート起因のシワによる外観不良を評価するために、タブレット筐体型の金型で積層体(2)を形成した。
 具体的には、上記で作製した熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材としての一方向長繊維カーボンファイバー強化熱可塑性エポキシ樹脂(C-EpTP)(幅200mm×長さ270mm×厚さ1mm)の上に重ね、表1に示す成形温度Tβ℃でプレス金型成形することにより積層体(2)を作製した。
 なお、タブレット筐体型の金型は、幅170mm、長さ240mmで、筐体の角部は高さ方向の曲率半径がR=7mmで、平面方向の曲率半径がR=12mm、絞り深さ9mmであった。
[0091]
<外観評価>
 積層体(2)について、平面形状、及び曲面形状における外観を目視観察し、下記の基準で評価した。
 平面形状における外観については、積層体(2)の平坦部に離型シート起因のシワが形成されたものについては×、シワなく成形できたものについては○とした。
 また、曲面形状における外観については、積層体(2)の角部に離型シート起因のシワが形成された場合は×、シワなく成形できたものについては○、シワはないが離型シートの裂けが起こったものは△とした。
 また、ピンホールについては、ボイド状の外観欠点が1つでも確認されたものについては×、1つも形成されていないものは○と判断した。
[0092]
〔実施例2~18、比較例3~6〕
 熱転写層、離型シート、樹脂部材及び成形温度Tβ℃を表1~3のように変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写シート、積層体(1)、接合構造体、塗装物及び積層体(2)を作製し、実施例1と同様にして各測定及び各評価を行った。
[0093]
<熱硬化性樹脂の硬化温度(T )>
 熱硬化樹脂の硬化前の樹脂を5mg切り出し、DSC(示差操作型熱分析)測定を行った。
 ・装置:TA Instruments製 高感度DSC Q2000
 ・雰囲気ガス:N (50ml/min)
 ・昇温速度:2℃/min
 ・温度条件:-30℃→300℃
 上記条件で測定を行った際の硬化に伴う発熱曲線のピーク温度を硬化温度(T )とした。
[0094]
〔比較例1~2〕
 比較例1~2においては、熱転写シートの熱転写層を設けずに離型シートのままで樹脂部材に重ねてプレス加工を行った。その後、離型シートを除去し、熱転写層を有さないプレス加工後の樹脂部材を用いて、実施例1と同様にして接合構造体を作製し、せん断接着力評価を行った。
 また、熱転写層を有さないプレス加工後の樹脂部材に対して、直接スプレーでソフト99コーポレーション(株)製「ボディーペン」アクリル系塗料(自動車用)を塗装し、膜厚50μmの塗膜を備えた塗装物を作製し、塗装密着性評価を行った。
 また、熱転写シートの熱転写層を設けずに離型シートのままで樹脂部材に重ね、タブレット筐体型の金型で成形し、外観評価を行った。
[0095]
 実施例1~18、比較例1~6の各評価結果について下記表1~3に記載した。
[0096]
[表1]


[0097]
[表2]


[0098]
[表3]


[0099]
 表中に記載の離型シートは下記のとおりである。
 MRF:三菱ケミカル株式会社製ポリエステル樹脂シート(二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)/シリコーン処理)
 ルミラー50-UH-1(登録商標):東レ株式会社製(未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)
 テオネックスQ83(登録商標):帝人フィルムソリューション株式会社製(二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム)
 テオネックスQ51(登録商標):帝人フィルムソリューション株式会社製(二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム)
 QV22:東レ株式会社製(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)
 G931E75:三菱ケミカル株式会社製(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)
 ユーピレックス-S(登録商標):宇部興産株式会社製(ポリイミドフィルム)
 ニフトロンNo.900UL:日東電工株式会社製フッ素樹脂シートフィルム(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))
 UNILON G-100:出光株式会社製(二軸延伸ポリアミド(PA))
 トレファン1401:東レ株式会社製(未延伸ポリアミド(PA))
 TPX 88BMT4:三井化学株式会社製(ポリメチルペンテン(PMP))
 熱収縮フィルムHS-2520:太陽電機産業株式会社製(ポリオレフィン系シュリンクフィルム)
 MFRについてはシリコーン処理面に熱転写層を塗布した。
 ニフトロンNo.900UL、TPX 88BMT4、HS-2520については未処理の状態で熱転写層を塗布した。
 その他の離型シートは片面にシリコーン処理を施し、シリコーン処理面に熱転写層を塗布した。
[0100]
 また、表中に記載の樹脂部材は下記のとおりである。
 C-EpTP:一方向長繊維カーボンファイバー強化熱可塑性エポキシ樹脂
 C-PES:綾織カーボンファイバー強化ポリエーテルサルフィド
 C-EpTS:綾織カーボンファイバー強化熱硬化性エポキシ樹脂
[0101]
 実施例1~18では、離型シートの熱膨張率が本発明規定の範囲内であることで、積層体の外観が良好であり、それにより、熱転写層が樹脂部材に強固に密着するとともに、均一で平滑な熱転写層が形成できた。そのため、塗装密着性が良好な塗装物と、接着性が良好な接合構造体を得ることができた。
 それに対し、比較例1および2では、離型シートの熱膨張率は本発明規定の範囲内であるものの、熱転写層がないため、良好な塗装密着性と接着性が得られなかった。
 また、比較例3~5では、離型シートの熱膨張率が本発明規定の範囲より大きいため、加熱した金型にセットしてすぐに離型シートが膨潤してしまい、成形後にシワなどの外観不良が発生してしまった。
 また、比較例6では、離型シートの熱膨張率が本発明規定の範囲より小さいため、加熱した金型にセットしてすぐに離型シートが収縮してしまい、まともに成形することができなかった。
[0102]
 以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
[0103]
 なお、本出願は、2019年3月29日付で出願された日本特許出願(特願2019-068826)及び2019年10月24日付で出願された日本特許出願(特願2019-193739)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。

符号の説明

[0104]
10   熱転写層
20   離型シート
30   塗膜
40   接着剤層
50   被着体
100  樹脂部材
200  熱転写シート
300  塗装物
400  接合構造体
500  積層体
600  接着シート

請求の範囲

[請求項1]
 離型シートと熱転写層とを備える熱転写シートの熱転写層側を樹脂部材の表面の少なくとも一部に加熱貼着により積層する積層工程を含む、積層体の製造方法であって、
 前記離型シートは、前記積層工程の成形温度Tβ℃における熱膨張率βが-15%≦β≦+7.5%である、積層体の製造方法。
[請求項2]
 前記離型シートは、前記成形温度Tβ℃における引張弾性率Eβが1×10 MPa以下である請求項1に記載の積層体の製造方法。
[請求項3]
 前記熱転写層は、平均厚みが0.1μm~50μmである請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
[請求項4]
 前記積層工程において、前記加熱貼着を加熱プレスにより行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法により得られた積層体から前記離型シートを剥離し、露出した前記熱転写層の上に塗膜を形成する塗膜形成工程を含む、
塗装物の製造方法。
[請求項6]
 請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法により得られた積層体から前記離型シートを剥離し、露出した前記熱転写層の上に接着剤層を介して被着体を接合する接合工程を含む、接合構造体の製造方法。
[請求項7]
 離型シートと熱転写層とを備え、
 前記離型シートは、下記式(1)で表されるTα℃における熱膨張率αが-15%≦α≦+7.5%である熱転写シート。
 Tα℃ = 離型シートの融解温度または分解温度(Tm)℃-10℃   (1)
[請求項8]
 前記離型シートは、前記Tα℃における引張弾性率Eαが1×10 MPa以下である請求項7に記載の熱転写シート。
[請求項9]
 前記熱転写層は、平均厚みが0.1μm~50μmである請求項7又は8に記載の熱転写シート。
[請求項10]
 前記熱転写層がポリマー成分を含み、該ポリマー成分が、非極性ユニットと極性基を備えた極性ユニットを有するポリマー、および、非極性ユニットで構成されるポリマーの一部を極性基を備える極性ユニットで変性したポリマーのうち、少なくとも1種を含む請求項7~9のいずれか1項に記載の熱転写シート。
[請求項11]
 前記ポリマー成分が、メトキシメチル基含有ポリマー、水酸基含有ポリマー、カルボキシル基含有ポリマー、及びアミノ基含有ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項10に記載の熱転写シート。
[請求項12]
 加熱貼着用である請求項7~11のいずれか1項に記載の熱転写シート。
[請求項13]
 請求項7~12のいずれか1項に記載の熱転写シートと、
 前記熱転写シートの熱転写層側に積層した樹脂部材と、を備えた積層体。
[請求項14]
 前記樹脂部材がプリプレグである、請求項13に記載の積層体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]