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1. WO2020202867 - HIGH-TEMPERATURE COMPONENT AND METHOD FOR MANUFACTURING HIGH-TEMPERATURE COMPONENT

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明 細 書

発明の名称 高温部品及び高温部品の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038  

発明の効果

0039  

図面の簡単な説明

0040  

発明を実施するための形態

0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101  

符号の説明

0102  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 高温部品及び高温部品の製造方法

技術分野

[0001]
 本開示は、高温部品及び高温部品の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 例えば、ガスタービンやロケットエンジン等、高温の作動ガスが内部を流れる機械では、その機械を構成する部品には、冷却媒体による冷却を必要とする高温部品が含まれる。このような高温部品の冷却構造として、部品の内部に冷却空気が流通可能な複数の配送チャネル(冷却通路)に冷却空気を流通させることで高温部品の冷却を行うことが知られている(例えば特許文献1参照)。
[0003]
 また、近年、金属を積層造形して三次元形状物を得る積層造形法が種々の金属製品の製造方法として利用されている。例えば、パウダーベッド法による積層造形法では、層状に敷設された金属粉末に光ビームや電子ビーム等のエネルギービームを照射することによって、溶融固化を繰り返し積層することにより三次元形状物を形成する。
 エネルギービームが照射される領域内では、金属粉末が急速に溶融され、その後、急速に冷却・凝固されることで、金属凝固層が形成される。このような過程が繰り返されることによって、立体的に造形された積層造形物が形成される。
[0004]
 そして最近では、例えばタービン翼のような複雑形状の高温部品の製造方法として、複雑な製造工程を経ずに直接造形が可能な積層造形法を適用する試みがなされている(例えば特許文献2等)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2015-48848号公報
特許文献2 : 特開2017-20422号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 特許文献2に記載された金属積層造形法のように、原料の金属粉末を溶融及び固化させて積層していくことで、積層造形物を形成するため、一般的には、表面の粗さが比較的粗くなる。具体的には、表面粗さが例えば中心線平均粗さRaで10μm以上となる。また、積層時に鉛直下方の領域が空間部分となるようなオーバーハング部分では、表面の粗さがより粗くなる傾向にあり、表面粗さが例えば中心線平均粗さRaで30μm以上となる。
[0007]
 特許文献1に記載されたタービン部品のように、冷却媒体による冷却を必要とする高温部品では、内部に形成された冷却通路の内壁面の表面粗さは、冷却性能向上の観点からは粗い方が望ましい。しかし、冷却通路の内壁面の表面粗さが粗いと冷却媒体の圧力損失が大きくなってしまう。特に、タービン部品における冷却通路のように、微細で複雑な形状を有することがある場合には、内壁面の表面粗さが圧力損失に及ぼす影響が大きく、極端な場合には、冷却媒体の流量低下が著しくなってしまうおそれもある。
[0008]
 上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、冷却能力が不足しないようにすることができる高温部品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る高温部品は、
 冷却媒体による冷却を必要とする高温部品であって、
 前記冷却媒体が流通可能な複数の第1冷却通路と、
 前記複数の第1冷却通路の下流端が接続されたヘッダ部と、
 前記ヘッダ部に流入した前記冷却媒体を前記ヘッダ部の外部に排出するための1以上の出口通路と、
を備え、
 前記1以上の出口通路の内壁面の粗度は、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域において、前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下である。
[0010]
 上記(1)の構成によれば、複数の第1冷却通路の内壁面の粗度が出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面の粗度以上であるので、第1冷却通路における冷却性能を向上できる。また、上記(1)の構成によれば、出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面の粗度が複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下であるので、出口通路における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路において異物が通過し易くなり、出口通路が閉塞するリスクを低減できる。
[0011]
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
 前記1以上の出口通路の内壁面は、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域において、中心線平均粗さRaが10μm以下の粗度を有し、
 前記複数の第1冷却通路の内壁面は、中心線平均粗さRaが10μm以上20μm以下の粗度を有する。
[0012]
 上記(2)の構成によれば、複数の第1冷却通路の内壁面が上記の粗度を有するので、第1冷却通路における冷却性能を向上できる。また、上記(2)の構成によれば、出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面が上記の粗度を有するので、出口通路における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路において異物が通過し易くなり、出口通路が閉塞するリスクを低減できる。
[0013]
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
 前記複数の第1冷却通路の延在方向と交差する方向に延在する複数の第2冷却通路をさらに備え、
 前記複数の第2冷却通路の内壁面は、中心線平均粗さRaが10μm以上50μm以下の粗度を有する。
[0014]
 上記(3)の構成によれば、複数の第2冷却通路の内壁面が上記の粗度を有するので、第2冷却通路における冷却性能を向上できる。
[0015]
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、前記1以上の出口通路は、前記出口通路の流路断面積が下流側に向かって漸減する流路断面積縮小部を含む。
[0016]
 上記(4)の構成によれば、流路断面積縮小部の下流側から出口通路の延在方向と直交する方向の大きさを調節することで、出口通路における最小流路断面積の調節が容易となる。したがって、高温部品における冷却媒体の流量を出口通路における最小流路断面積の大きさで調整するように高温部品が構成されている場合には、出口通路の下流側における出口通路の延在方向と直交する方向の寸法を管理すれば、冷却媒体の流量を管理できるので、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき領域を狭くすることができ、高温部品の製造コストを抑制できる。
[0017]
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、前記ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域における粗度は、前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下である。
[0018]
 ヘッダ部では、複数の冷却通路の下流端が接続されていることから、ヘッダ部における空間容積が大きくなり、ヘッダ部における冷却媒体の流速が低下するので、冷却媒体への熱伝達率が低下する。したがって、高温部品の設計時には、ヘッダ部では冷却通路に比べて冷却能力が低下すること、すなわち高温部品の冷却への寄与が比較的少ないことが考慮されている。
 上記(5)の構成によれば、ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域における粗度が複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下であるので、ヘッダ部における圧力損失を抑制できる。上述したように、ヘッダ部では高温部品の冷却への寄与が比較的少ないことから、ヘッダ部の粗度が小さくなることによる高温部品の冷却への影響は小さい。したがって、高温部品の冷却への影響を抑制しつつ、冷却媒体の圧力損失を抑制できる。
[0019]
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、前記高温部品は、複数の分割体が周方向に沿って環状に配設されて構成されるガスタービンの分割環である。
[0020]
 上記(6)の構成によれば、ガスタービンの分割環が上記(1)乃至(5)の何れかの構成を備えることで、複数の第1冷却通路の内壁面の粗度が出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面の粗度以上となるので、分割環において第1冷却通路における冷却性能を向上できる。また、上記(6)の構成によれば、出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面の粗度が複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下であるので、分割環において出口通路における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路において異物が通過し易くなり、出口通路が閉塞するリスクを低減できる。
[0021]
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る高温部品の製造方法は、
 冷却媒体による冷却を必要とする高温部品の製造方法であって、
 前記冷却媒体が流通可能な複数の第1冷却通路を形成するステップと、
 前記複数の第1冷却通路の下流端が接続されたヘッダ部を形成するステップと、
 前記ヘッダ部に流入した前記冷却媒体を前記ヘッダ部の外部に排出するための1以上の出口通路を形成するステップと、
を備え、
 前記1以上の出口通路を形成するステップは、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域において、前記1以上の出口通路の内壁面の粗度が前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるように前記1以上の出口通路を形成する。
[0022]
 上記(7)の方法によれば、複数の第1冷却通路の内壁面の粗度が出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面の粗度以上となるので、第1冷却通路における冷却性能を向上できる。また、上記(7)の方法によれば、出口通路の流路断面積が最小となる領域における出口通路の内壁面の粗度が複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるので、出口通路における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路において異物が通過し易くなり、出口通路が閉塞するリスクを低減できる。
[0023]
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の方法において、前記1以上の出口通路を形成するステップは、前記出口通路の流路断面積が下流側に向かって漸減する流路断面積縮小部を含むように前記1以上の出口通路を形成する。
[0024]
 上記(8)の方法によれば、流路断面積縮小部の下流側から出口通路の延在方向と直交する方向の大きさを調節することで、出口通路における最小流路断面積の調節が容易となる。したがって、高温部品における冷却媒体の流量を出口通路における最小流路断面積の大きさで調整するように高温部品が構成されている場合には、出口通路の下流側における出口通路の延在方向と直交する方向の寸法を管理すれば、冷却媒体の流量を管理できるので、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき領域を狭くすることができ、高温部品の製造コストを抑制できる。
[0025]
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)又は(8)の方法において、前記1以上の出口通路を形成するステップは、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域を含む前記出口通路の少なくとも一部の区間をエッチングすることで、該領域において、前記1以上の出口通路の内壁面の粗度が前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるように前記1以上の出口通路を形成する。
[0026]
 上記(9)の方法によれば、出口通路の流路断面積が最小となる領域を含む出口通路の少なくとも一部の区間における粗度を容易に低下できる。また、上記(9)の方法によれば、出口通路の下流端からでは機械加工が難しい領域であっても、粗度を容易に低下できる。
[0027]
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の方法において、
 前記ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域をエッチングすることで、該領域において、前記ヘッダ部の内壁面の粗度を前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下とするステップ
をさらに備える。
[0028]
 上記(10)の方法によれば、ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域における粗度が複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるので、ヘッダ部における圧力損失を抑制できる。上述したように、ヘッダ部では高温部品の冷却への寄与が比較的少ないことから、ヘッダ部の粗度が小さくなることによる高温部品の冷却への影響は小さい。したがって、高温部品の冷却への影響を抑制しつつ、冷却媒体の圧力損失を抑制できる。
[0029]
(11)幾つかの実施形態では、上記(7)乃至(10)の何れかの方法において、
 前記1以上の出口通路を形成するステップは、金属積層造形法又は精密鋳造法によって、前記1以上の出口通路を形成し、
 前記1以上の出口通路の内壁面の少なくとも一部に機械加工を施すステップ
をさらに備える。
[0030]
 上記(11)の方法によれば、出口通路を機械加工だけによって形成する場合と比べて、高温部品の製造コストを抑制できる。また、上記(11)の方法によれば、出口通路を金属積層造形法又は精密鋳造法だけによって形成する場合と比べて、出口通路の内壁面の寸法精度を向上でき、冷却媒体の流量の調節精度を向上できる。さらに、上記(11)の方法によれば、出口通路の内壁面の寸法を冷却媒体の流量を確認しながら調節できるので、冷却媒体の流量の過不足を抑制できる。
[0031]
(12)幾つかの実施形態では、上記(7)乃至(11)の何れかの方法において、
 前記複数の第1冷却通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、原料粉末を第1積層厚さで積層して前記複数の第1冷却通路を形成し、
 前記ヘッダ部を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記原料粉末を前記第1積層厚さ以下の第2積層厚さで積層して前記ヘッダ部を形成し、
 前記出口通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記原料粉末を前記第1積層厚さより小さい第3積層厚さで積層して前記出口通路を形成する。
[0032]
 一般的には、金属積層造形法における積層厚さを厚くすると、造形物における表面粗さが大きくなる傾向にある。すなわち、金属積層造形法における積層厚さを薄くすると、造形物における表面粗さが小さくなる傾向にある。
 そこで、上記(12)の方法のように、ヘッダ部を形成する第2積層厚さを、第1冷却通路を形成する第1積層厚さ以下とすることで、ヘッダ部については、粗度を抑制して冷却媒体の圧力損失を抑制でき、第1冷却通路については、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
 上記(12)の方法のように、出口通路を形成する第3積層厚さを、第1冷却通路を形成する第1積層厚さより小さくすることで、出口通路については、粗度を抑制して、出口通路における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路において異物が通過し易くなり、出口通路が閉塞するリスクを低減できる。また、第1冷却通路については、上述したように、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
[0033]
(13)幾つかの実施形態では、上記(7)乃至(12)の何れかの方法において、
 前記複数の第1冷却通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、第1粒度を有する原料粉末を用いて前記複数の第1冷却通路を形成し、
 前記ヘッダ部を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記第1粒度以下の第2粒度を有する原料粉末を用いて前記ヘッダ部を形成し、
 前記出口通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記第1粒度より小さい第3粒度を有する原料粉末を用いて前記出口通路を形成する。
[0034]
 一般的には、金属積層造形法における原料粉末の粒度を大きくすると、造形物における表面粗さが大きくなる傾向にある。すなわち、金属積層造形法における原料粉末の粒度を小さくすると、造形物における表面粗さが小さくなる傾向にある。
 そこで、上記(13)の方法のように、ヘッダ部を形成するための原料粉末の粒度(第2粒度)を、第1冷却通路を形成するための原料粉末の粒度(第1粒度)以下とすることで、ヘッダ部については、粗度を抑制して冷却媒体の圧力損失を抑制でき、第1冷却通路については、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
 上記(13)の方法のように、出口通路を形成するための原料粉末の粒度(第3粒度)を、第1冷却通路を形成するための原料粉末の粒度(第1粒度)より小さくすることで、出口通路については、粗度を抑制して、出口通路における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路において異物が通過し易くなり、出口通路が閉塞するリスクを低減できる。また、第1冷却通路については、上述したように、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
[0035]
(14)幾つかの実施形態では、上記(7)乃至(13)の何れかの方法において、
 金属積層造形法によって、前記複数の第1冷却通路の延在方向に前記原料粉末を積層して、該延在方向と交差する方向に延在する複数の第2冷却通路を形成するステップ
をさらに備え、
 前記複数の第2冷却通路の内壁面のうち前記原料粉末の積層の際にオーバーハング角度が既定角度以上となるオーバーハング領域は、中心線平均粗さRaが30μm以上50μm以下の粗度を有し、
 前記複数の第2冷却通路の内壁面のうち前記オーバーハング領域以外の領域は、中心線平均粗さRaが10μm以上30μm以下の粗度を有する。
[0036]
 一般的に、金属積層造形法では、原料粉末の積層の際にオーバーハング角度が規定角度以上となるオーバーハング領域における粗度は、オーバーハング領域以外の領域と比べて大きくなる傾向にある。上記(14)の方法によれば、金属積層造形法における上述したような傾向を利用して、第2冷却通路の内壁面の粗度を一部の領域において粗くすることができ、第2冷却通路における冷却性能を向上できる。
[0037]
(15)幾つかの実施形態では、上記(7)乃至(14)の何れかの方法において、
 前記1以上の出口通路の数は、前記複数の第1冷却通路の数未満であり、
 前記1以上の出口通路の各々の最小流路断面積は、前記ヘッダ部と前記第1冷却通路との接続部における前記複数の第1冷却通路の各々の流路断面積以上であり、
 前記1以上の出口通路の各々の最小流路断面積の和は、前記ヘッダ部と前記第1冷却通路との接続部における前記複数の第1冷却通路の各々の流路断面積の和より小さい。
[0038]
 複数第1の冷却通路の各々において、それぞれを流れる冷却媒体の流量を複数の冷却通路の各々の流路断面積で決定しようとすると、流路断面積が小さいと、高温部品の製造上の制約から第1冷却通路の寸法精度が低下する傾向があるため、第1冷却通路における冷却媒体の流量の精度が低下するおそれがある。
 これに対して、上記(15)の方法によれば、1以上の出口通路の各々の最小流路断面積の和がヘッダ部と第1冷却通路との接続部における複数の第1冷却通路の各々の流路断面積の和より小さいので、複数の第1冷却通路における冷却媒体の流量を出口通路の最小流路断面積によって規定できる。これにより、複数の第1冷却通路のそれぞれでは、冷却媒体の流量調整のために流路断面積を必要以上に小さくしなくてもよくなるので、第1冷却通路の寸法精度が向上し、複数の第1冷却通路同士での冷却媒体の流量のばらつきを抑制できる。したがって、過剰な冷却を抑制しつつ、冷却能力が不足しないようにすることができる。
 また、上記(15)の方法によれば、1以上の出口通路の各々の最小流路断面積がヘッダ部と第1冷却通路との接続部における複数の第1冷却通路の各々の流路断面積以上であるので、出口通路の寸法精度が確保し易くなるとともに、出口通路において異物の詰まりも起こし難くなる。
 さらに、上記(15)の方法によれば、1以上の出口通路の数が複数の第1冷却通路の数未満であるので、冷却媒体の流量の管理上、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき箇所を少なくすることができ、高温部品の製造コストを抑制できる。

発明の効果

[0039]
 本発明の少なくとも一実施形態によれば、冷却能力が不足しないようにすることができる高温部品を提供できる。

図面の簡単な説明

[0040]
[図1] ガスタービンの全体構成を表す概略図である。
[図2] タービンのガス流路を表す断面図である。
[図3] 幾つかの実施形態に係る分割体を径方向外側から見た模式的な平面図、及び、周方向に沿ってロータの回転方向下流側から回転方向上流側に向かって見た模式的な側面図である。
[図4] 図3におけるA4-A4矢視断面図である。
[図5] 図4におけるヘッダ部近傍の拡大図である。
[図6] 幾つかの実施形態に係る分割体を金属積層造形法で作成する場合の作成手順の一例を示すフローチャートである。
[図7] 出口通路切削工程について説明するための図である。
[図8] 他の実施形態に係る分割体の製造方法における処理の手順の一例を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0041]
 以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
 例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
 例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
 例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
 一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
[0042]
 以下の説明では、ガスタービンに用いられる高温部品を例に挙げて、幾つかの実施形態に係る高温部品について説明する。
 図1は、ガスタービンの全体構成を表す概略図であり、図2は、タービンのガス流路を表す断面図である。
[0043]
 本実施形態において、図1に示すように、ガスタービン10は、圧縮機11と燃焼器12とタービン13がロータ14により同軸上に配置されて構成され、ロータ14の一端部に発電機15が連結されている。なお、以下の説明では、ロータ14の軸線が延びる方向を軸方向Da、このロータ14の軸線を中心とした周方向を周方向Dcとし、ロータ14の軸線Axに対して垂直な方向を径方向Drとする。また、周方向Dcのうち、ロータ14の回転方向を回転方向Rとして表す。
[0044]
 圧縮機11は、空気取入口から取り込まれた空気AIが複数の静翼及び動翼を通過して圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気ACを生成する。燃焼器12は、この圧縮空気ACに対して所定の燃料FLを供給し、燃焼することで高温・高圧の燃焼ガスFGが生成される。タービン13は、燃焼器12で生成された高温・高圧の燃焼ガスFGが複数の静翼及び動翼を通過することでロータ14を駆動回転し、このロータ14に連結された発電機15を駆動する。
[0045]
 また、図2に示すように、タービン13にて、タービン静翼(静翼)21は、翼型部23のハブ側が内側シュラウド25に固定され、先端側が外側シュラウド27に固定されて構成されている。タービン動翼(動翼)41は、翼型部43の基端部がプラットフォーム45に固定されて構成されている。そして、外側シュラウド27と動翼41の先端部側に配置される分割環50とが遮熱環35を介して車室(タービン車室)30に支持され、内側シュラウド25がサポートリング31に支持されている。そのため、燃焼ガスFGが通過する燃焼ガス流路32は、内側シュラウド25と、外側シュラウド27と、プラットフォーム45と、分割環50とにより囲まれた空間として軸方向Daに沿って形成される。
[0046]
 なお、内側シュラウド25、外側シュラウド27及び分割環50は、ガスパス面形成部材として機能する。ガスパス面形成部材とは、燃焼ガス流路32を区画すると共に燃焼ガスFGが接触するガスパス面を有するものである。
[0047]
 燃焼器12、動翼41(例えばプラットフォーム45)、静翼21(例えば内側シュラウド25や外側シュラウド27)及び分割環50等は、燃焼ガスFGが接触する高温環境下で使用される高温部品であり、冷却媒体による冷却を必要とする。以下の説明では、高温部品の冷却構造の例として、分割環50の冷却構造について説明する。
[0048]
 図3は、幾つかの実施形態に係る分割環50を構成する分割体51の一つを径方向Dr外側から見た模式的な平面図、及び、周方向Dcに沿ってロータ14の回転方向R下流側から回転方向R上流側に向かって見た模式的な側面図である。図4は、図3におけるA4-A4矢視断面図である。なお、図3では、分割体51の構造を簡略化して描いている。したがって、例えば図3では、分割体51を遮熱環35に取り付けるためのフック等の記載を省略している。図5は、図4におけるヘッダ部80近傍の拡大図である。
[0049]
 幾つかの実施形態に係る分割環50は、周方向Dcに環状に形成された複数の分割体51から構成される。各分割体51は、内部に冷却通路が形成された本体52を主要な構成品とする。図2に示すように、分割体51は、径方向Drの内表面52aが燃焼ガスFGが流れる燃焼ガス流路32に面するように配置される。分割体51の径方向Dr内側には、一定の隙間を設けて、ロータ14を中心に回転する動翼41が配置されている。高温の燃焼ガスFGによる熱損傷を防止するため、分割体51には、軸方向Daに延在する複数の軸方向通路(第1冷却通路)60と、分割体51の回転方向R下流側の側部の近傍において周方向Dcに延在する複数の側部通路(第2冷却通路)90とが形成されている。
 第1冷却通路60は、周方向Dcに並列させて複数配設されている。第2冷却通路90は、軸方向Daに並列させて複数配設されている。
 幾つかの実施形態では、第1冷却通路60における周方向Dcを第1冷却通路60の幅方向と呼ぶ。また、幾つかの実施形態では、第1冷却通路60において該幅方向に直交する径方向Drを第1冷却通路60の高さ方向と呼ぶ。
[0050]
 図示はしないが、一実施形態に係るガスタービン10では、幾つかの実施形態に係る各分割体51には、外表面52b側から冷却空気CAが供給されるように構成されている。分割体51に供給された冷却空気CAは、第1冷却通路60及び第2冷却通路90を流通し、燃焼ガスFG中に排出する過程で、分割体51の本体52を対流冷却している。
[0051]
 以下、幾つかの実施形態に係る分割体51の冷却構造について説明する。
 幾つかの実施形態に係る第1冷却通路60のそれぞれは、上流端が冷却空気マニホールド55に接続されている。幾つかの実施形態に係る第1冷却通路60のそれぞれの内部には、第1冷却通路60を途中から複数の分岐流路63に分割する仕切壁70が形成されている。幾つかの実施形態では、仕切壁70は、第1冷却通路60を途中から第1冷却通路60の幅方向に一対の分岐流路63に分割する。
[0052]
 幾つかの実施形態に係る第1冷却通路60、すなわち、仕切壁70よりも上流側の区間、及び、分岐流路63において、第1冷却通路60の延在方向から見たときの第1冷却通路60の流路の断面形状は、矩形であってもよく、円形であってもよく、矩形以外の多角形であってもよく、楕円形であってもよい。また、第1冷却通路60における仕切壁70よりも上流側の区間と分岐流路63とで、流路の断面形状の種類が異なっていてもよい。すなわち、仕切壁70よりも上流側の区間における流路の断面形状が矩形であり、分岐流路63における流路の断面形状が円形であってもよい。また、分岐流路63における流路の断面形状は、円や楕円を仕切壁70で2分割したような形状であってもよい。
 第1冷却通路60は、第1冷却通路60の内壁面を冷却することで分割体51を冷却する。そのため、第1冷却通路60は、第1冷却通路60の等価直径の5倍以上の長さを有する。なお、第1冷却通路60の等価直径とは、第1冷却通路60の断面形状が円形以外の形状である場合に、冷却空気CAの流動の点から等価となる円形の流路に置き換えたときの流路の直径である。
[0053]
 複数の分岐流路63のそれぞれは、下流端65がヘッダ部80に接続されている。幾つかの実施形態では、例えば、それぞれ隣り合う3つの第1冷却通路60における6つの分岐流路63の下流端65が1つのヘッダ部80の上流側内壁部81に接続されている。幾つかの実施形態では、分割体51には、複数のヘッダ部80が形成されている。
[0054]
 各ヘッダ部80は、軸方向Daで対向する一対の壁部である上流側内壁部81及び下流側内壁部82と、周方向Dcで対向する一対の壁部である側方内壁部83、84と、径方向Dr対向する一対の壁部である不図示の内壁部とによって囲まれた、直方体状の空間部である。
[0055]
 各ヘッダ部80の下流側内壁部82には、ヘッダ部80に流入した冷却空気CAをヘッダ部80の外部、すなわち分割体51の外部に排出するための少なくとも1以上の出口通路110が形成されている。出口通路110の上流端110aは、ヘッダ部80の下流側内壁部82に接続され、下流端100bは、分割体51における軸方向Daの下流側端部53に接続されている。
 なお、図3~図5に示す実施形態では、ヘッダ部80には、下流側内壁部82における周方向Dcの中央近傍に1つの出口通路110が形成されている。出口通路110は、分割体51の下流側端部53で燃焼ガスFG中に開口する。
[0056]
 幾つかの実施形態では、分割体51は、1つのヘッダ部80と、該ヘッダ部80に下流端が接続された3つの第1冷却通路60と、該ヘッダ部80に接続された1つの出口通路110とを含む冷却通路グループ6を複数含む。なお、一つの冷却通路グループ6におけるヘッダ部80は2つ以上の出口通路110が接続されていてもよい。
[0057]
 分割体51の外部から分割体51に供給される冷却空気CAは、冷却空気マニホールド55に供給された後、冷却空気マニホールド55から各第1冷却通路60に分配される。各第1冷却通路60に分配された冷却空気CAは、仕切壁70で分割されて、各分岐流路63に流れ込む。各分岐流路63に流れ込んだ冷却空気CAは、各ヘッダ部80で集められて、出口通路110から分割体51の外部に排出される。
[0058]
 幾つかの実施形態に係る第2冷却通路90のそれぞれは、上流端90aが冷却空気マニホールド57に接続されている。第2冷却通路90のそれぞれは、分割体51における周方向Dcの端部54で燃焼ガスFG中に開口する。なお、分割体51の端部54は、ロータ14の回転方向Rの下流側を向いている。
 分割体51の外部から分割体51に供給される冷却空気CAは、冷却空気マニホールド57に供給された後、冷却空気マニホールド57から各第2冷却通路90に分配される。各第2冷却通路90に分配された冷却空気CAは下流端90bから分割体51の外部に排出される。
[0059]
 幾つかの実施形態では、図3~図5に示すように、分割体51において、1つのヘッダ部80に接続されている出口通路110の数は、1つのヘッダ部80に接続されている複数の第1冷却通路60の数未満である。例えば、幾つかの実施形態では、図3~図5に示すように、1つのヘッダ部80に対して、仕切壁70で分割された6つの第1冷却通路60(6つの分岐流路63)と、1つの出口通路110とが接続されている。
[0060]
 幾つかの実施形態では、図5によく示すように、出口通路110は、上流側領域111と下流側領域115とを有する。上流側領域111には、下流側に向かって流路断面積が漸減する流路断面積縮小部113が形成されている。下流側領域115には、流路断面積が最も小さくなる最小流路断面積部117が形成されている。
 幾つかの実施形態では、出口通路110の延在方向から見たときの出口通路110の流路の断面形状は、上流側領域111及び下流側領域115において円形である。しかし、出口通路110の流路の断面形状は、上流側領域111及び下流側領域115において矩形であってもよく、矩形以外の多角形であってもよく、楕円形であってもよい。また、上流側領域111と下流側領域115とで、流路の断面形状の種類が異なっていてもよい。すなわち、上流側領域111における流路の断面形状が矩形であり、下流側領域115における流路の断面形状が円形であってもよい。
[0061]
 なお、下流側領域115における流路の断面形状が円形以外である場合も考慮して、以下の説明では、下流側領域115(最小流路断面積部117)において流路の大きさについて言及する場合、最小流路断面積部117の等価直径によって説明する。
 最小流路断面積部117の等価直径とは、最小流路断面積部117の断面形状が円形以外の形状である場合に、冷却空気CAの流動の点から等価となる円形の流路に置き換えたときの最小流路断面積部117の直径である。なお、最小流路断面積部117の断面形状が円形である場合、最小流路断面積部117の等価直径とは、最小流路断面積部117の直径である。
[0062]
 幾つかの実施形態に係る分割体51のように、冷却空気CAによる冷却を必要とする高温部品では、内部に形成された第1冷却通路60の内壁面60aの表面粗さは、冷却性能向上の観点からは粗い方が望ましい。しかし、第1冷却通路60の内壁面60aの表面粗さが粗いと冷却空気CAの圧力損失が大きくなってしまう。特に、分割体51の第1冷却通路60のように、微細で複雑な形状を有することがある場合には、内壁面60aの表面粗さが圧力損失に及ぼす影響が大きく、極端な場合には、冷却空気CAの流量低下が著しくなってしまうおそれもある。
[0063]
 そこで、幾つかの実施形態では、分割体51における冷却構造を以下で述べるような構成とすることで、冷却能力が不足しないようにしている。
[0064]
 幾つかの実施形態では、分割体51において、出口通路110の内壁面110cの粗度は、出口通路110の流路断面積が最小となる領域である下流側領域115、すなわち最小流路断面積部117において、複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下である。
 幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度が出口通路110の下流側領域115における内壁面115cの粗度以上であるので、第1冷却通路60における冷却性能を向上できる。また、幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、出口通路の下流側領域115におけるの内壁面115cの粗度が複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下であるので、出口通路110における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路110において異物が通過し易くなり、出口通路110が閉塞するリスクを低減できる。
[0065]
 なお、幾つかの実施形態に係る分割体51が以下の(A)及び(B)の構成を有していれば、以下で説明するように、冷却空気CAの流量の調節精度を向上できる。
(A)分割体51において、出口通路110の最小流路断面積SBminは、ヘッダ部80と第1冷却通路60との接続部67における複数の第1冷却通路60(分岐流路63)の各々の流路断面積SA以上である。
 1つのヘッダ部80に対して2以上の出口通路110が接続されていた場合、1つのヘッダ部80に接続されている出口通路110の各々の最小流路断面積SBminは、接続部67における複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SA以上である。
(B)図3~図5に示すように、分割体51において、出口通路110の最小流路断面積SBminは、1つのヘッダ部80に接続されている複数の第1冷却通路60(分岐流路63)の接続部67における各々の流路断面積SAの和ΣSAより小さい。
 1つのヘッダ部80に対して2以上の出口通路110が接続されていた場合、1つのヘッダ部80に接続されている出口通路110の各々の最小流路断面積SBminの和ΣSBminは、1つのヘッダ部80に接続されている複数の第1冷却通路60の接続部67における各々の流路断面積SAの和ΣSAより小さい。
[0066]
 後述するように、分割体51は、例えば金属積層造形法や精密鋳造法によって形成できる。そのため、第1冷却通路60の流路断面積SAが小さいと、分割体51の製造上の制約から第1冷却通路60の寸法精度が低下する傾向がある。
 複数の第1冷却通路60の各々において、それぞれを流れる冷却空気CAの流量を複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SAで決定しようとすると、流路断面積SAが小さいと、上述したように第1冷却通路60の寸法精度が低下して第1冷却通路60における冷却空気CAの流量の精度が低下するおそれがある。
[0067]
 これに対して、幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、1以上の出口通路110の各々の最小流路断面積SBminの和ΣSBminが接続部67における複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SAの和ΣSAより小さいので、複数の第1冷却通路60における冷却空気CAの流量を出口通路110の最小流路断面積SBminによって規定できる。これにより、複数の第1冷却通路60のそれぞれでは、冷却空気CAの流量調整のために流路断面積SAを必要以上に小さくしなくてもよくなるので、第1冷却通路60の寸法精度が向上し、複数の第1冷却通路60同士での冷却空気CAの流量のばらつきを抑制できる。したがって、過剰な冷却を抑制しつつ、冷却能力が不足しないようにすることができる。
[0068]
 また、幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、1以上の出口通路110の各々の最小流路断面積SBminが接続部67における複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SA以上であるので、出口通路110の径方向の寸法精度が確保し易くなるとともに、出口通路110において異物の詰まりも起こし難くなる。
 さらに、幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、1以上の出口通路110の数が複数の第1冷却通路60の数未満であるので、冷却空気CAの流量の管理上、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき箇所を少なくすることができ、分割体51の製造コストを抑制できる。
[0069]
 そして、上述したように、出口通路110の内壁面110cの粗度を上述のようにすることで、出口通路110における圧力損失のばらつきが小さくなるので、冷却空気CAの流量の調節精度を向上できる。
[0070]
 幾つかの実施形態では、出口通路110の内壁面110cは、下流側領域115において、中心線平均粗さRaが10μm以下の粗度を有する。また、幾つかの実施形態では、複数の第1冷却通路60の内壁面60aは、中心線平均粗さRaが10μm以上20μm以下の粗度を有する。
[0071]
 幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、複数の第1冷却通路60の内壁面60cが上記の粗度を有するので、第1冷却通路60における冷却性能を向上できる。また、幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、出口通路110の下流側領域115における内壁面115cが上記の粗度を有するので、出口通路110における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路110において異物が通過し易くなり、出口通路110路が閉塞するリスクを低減できる。
[0072]
 幾つかの実施形態では、複数の第1冷却通路60の延在方向と交差する方向に延在する複数の第2冷却通路90をさらに備える。幾つかの実施形態では、複数の第2冷却通路90の内壁面90cは、中心線平均粗さRaが10μm以上50μm以下の粗度を有する。
[0073]
 幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、複数の第2冷却通路90の内壁面90cが上記の粗度を有するので、第2冷却通路90における冷却性能を向上できる。
 なお、後述するように、金属積層造形法によって第1冷却通路60の上流側から下流側に向かって積層させて分割体51を形成する場合、第2冷却通路90のうち、第2冷却通路90の軸線Axaよりも軸方向Da下流側の内壁面90cは、積層造形の際に鉛直下方の領域が空間部分となるようなオーバーハング部分となる。そのため、図3に示すように、第2冷却通路90の内壁面90cのうち、積層造形の際に、すなわち原料粉末の積層の際にオーバーハング角度が規定角度、例えば45度以上となるオーバーハング領域91における粗度は、オーバーハング領域91以外の領域93と比べて大きくなる傾向にある。
[0074]
 そこで、幾つかの実施形態に係る分割体51では、上述したようにオーバーハング領域91において他の領域93よりも粗度が大きくなることを利用して、例えば、オーバーハング領域91において、中心線平均粗さRaが30μm以上50μm以下の粗度を有するように、分割体51を形成してもよい。また、他の領域93において、中心線平均粗さRaが10μm以上30μm以下の粗度を有するように、分割体51を形成してもよい。すなわち、金属積層造形法における上述したような傾向を利用して、第2冷却通路90の内壁面90cの粗度を一部の領域において粗くすることができる。これにより、第2冷却通路90における冷却性能を向上できる。
 なお、第2冷却通路90の内壁面90cの粗度を大きくすることで冷却空気CAの圧力損失が大きくなり過ぎる場合には、第2冷却通路90の内径を設計値よりも大きくなるように、分割体51を形成してもよい。
[0075]
 幾つかの実施形態では、出口通路110は、出口通路110の流路断面積が下流側に向かって漸減する流路断面積縮小部113を含む。
 これにより、流路断面積縮小部113の下流側から出口通路110の延在方向と直交する方向の大きさを調節することで、出口通路110における最小流路断面積SBminの調節が容易となる。したがって、分割体51における冷却空気CAの流量を、上述したように出口通路110における最小流路断面積SBminの大きさで調整するように分割体51が構成されている場合には、出口通路110の下流側における出口通路110の延在方向と直交する方向の寸法を管理すれば、冷却空気CAの流量を管理できるので、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき領域を狭くすることができ、分割体51の製造コストを抑制できる。
[0076]
 幾つかの実施形態では、ヘッダ部80の内壁面80aの少なくとも一部の領域における粗度は、複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下としてもよい。
[0077]
 ヘッダ部80では、複数の第1冷却通路60の下流端65が接続されていることから、ヘッダ部80における空間容積が大きくなり、ヘッダ部80における冷却空気CAの流速が低下するので、冷却空気への熱伝達率が低下する。したがって、分割体51の設計時には、ヘッダ部80では第1冷却通路60に比べて冷却能力が低下すること、すなわち分割体51の冷却への寄与が比較的少ないことが考慮されている。
 幾つかの実施形態に係る分割体51によれば、ヘッダ部80の内壁面80aの少なくとも一部の領域における粗度が複数の第1第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下であるので、ヘッダ部80における圧力損失を抑制できる。上述したように、ヘッダ部80では分割体51の冷却への寄与が比較的少ないことから、ヘッダ部80の粗度が小さくなることによる分割体51の冷却への影響は小さい。したがって、分割体51の冷却への影響を抑制しつつ、冷却空気CAの圧力損失を抑制できる。
 なお、冷却空気CAの圧力損失抑制の観点から、ヘッダ部80の内壁面80aにおける第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下となる領域は、出口通路110の上流端110a、より好ましくは、下流側領域115までつながっているとよい。
[0078]
(分割体51の製造方法について)
 以下、上述した幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法について説明する。幾つかの実施形態に係る分割体51は、例えば金属積層造形法や精密鋳造法によって製作できる。図6は、幾つかの実施形態に係る分割体51を金属積層造形法で作成する場合の作成手順の一例を示すフローチャートである。幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法は、冷却通路形成工程S10と、ヘッダ部形成工程S20と、出口通路形成工程S30と、出口通路切削工程S40とを備える。
 幾つかの実施形態に係る分割体51の形成方法は、例えば、パウダーベッド方式であってもよく、メタルデポジッション方式であってもよく、バインダージェット方式であってもよく、上述した方式以外の他の方式であってもよい。以下の説明では、幾つかの実施形態に係る分割体51の形成方法が、例えば、パウダーベッド方式や、メタルデポジッション方式である場合について説明する。
[0079]
 冷却通路形成工程S10は、冷却空気CAが流通可能な複数の第1冷却通路60及び第2冷却通路90を形成するステップである。冷却通路形成工程S10では、例えば、軸方向Da上流側から軸方向Da下流側に向かって原料粉末を積層させて分割体51を第1冷却通路60の下流端65まで形成する。
[0080]
 ヘッダ部形成工程S20は、複数の第1冷却通路60の下流端65が接続されたヘッダ部80を形成するステップである。ヘッダ部形成工程S20では、冷却通路形成工程S10に続いて軸方向Da上流側から軸方向Da下流側に向かって原料粉末を積層させて分割体51をヘッダ部80の下流側内壁部82まで形成する。
[0081]
 出口通路形成工程S30は、ヘッダ部80に流入した冷却空気CAをヘッダ部80の外部に排出するための1以上の出口通路110を形成するステップである。出口通路形成工程S30では、ヘッダ部形成工程S20に続いて軸方向Da上流側から軸方向Da下流側に向かって原料粉末を積層させて分割体51を出口通路110の下流端110bまで形成する。
 なお、出口通路形成工程S30では、出口通路110の流路断面積が下流側に向かって漸減する流路断面積縮小部113を含むように出口通路110を形成する。
[0082]
 図7は、後述する出口通路切削工程S40について説明するための図である。図7では、出口通路切削工程S40において出口通路110を三角ドリル19によって切削する前の出口通路110の下流側の形状及び三角ドリル19を二点鎖線で描いている。
 幾つかの実施形態に係る出口通路形成工程S30では、出口通路110の下流側における、出口通路110の延在方向と直交する方向の寸法が、三角ドリル19の直径Ddよりも小さくなるように、出口通路110の下流側を形成する。すなわち、幾つかの実施形態に係る出口通路形成工程S30では、出口通路切削工程S40の実施前の出口通路110において、流路断面積縮小部113の最も下流側における出口通路110の延在方向と直交する方向の寸法Mが、三角ドリル19の直径Ddよりも小さくなるように、流路断面積縮小部113を形成する。
[0083]
 出口通路切削工程S40は、出口通路110の内壁面110cの少なくとも一部に機械加工を施すステップである。具体的には、出口通路切削工程S40は、出口通路110を三角ドリル19によって切削するステップである。出口通路切削工程S40では、出口通路110の下流端110bから上流端110aに向かって三角ドリル19によって出口通路110に機械加工を施す。これにより、下流端110bから上流側に遡った一部の区間の内径が一定となり、該区間が下流側領域115となる。
[0084]
 なお、冷却通路形成工程S10及びヘッダ部形成工程S20は、必ずしも金属積層造形法によって実施する必要はなく、精密鋳造法によって実施してもよい。そして、出口通路形成工程S30を金属積層造形法によって実施してもよい。また、冷却通路形成工程S10から出口通路形成工程S30までを精密鋳造法によって実施してもよい。
[0085]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、1つのヘッダ部80に接続されている出口通路110の数が、1つのヘッダ部80に接続されている複数の第1冷却通路60の数未満となるように分割体51を形成する。
 また、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、出口通路110の最小流路断面積SBminが、ヘッダ部80と第1冷却通路60との接続部67における複数の第1冷却通路60(分岐流路63)の各々の流路断面積SA以上となるように分割体51を形成する。
 さらに、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、出口通路110の最小流路断面積SBminが、1つのヘッダ部80に接続されている複数の第1冷却通路60(分岐流路63)の接続部67における各々の流路断面積SAの和ΣSAより小さくなるように分割体51を形成する。
[0086]
 なお、1つのヘッダ部80に対して2以上の出口通路110が接続されるように分割体51を形成する場合、1つのヘッダ部80に接続されている出口通路110の各々の最小流路断面積SBminが、接続部67における複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SA以上となるように分割体51を形成する。
 また、1つのヘッダ部80に対して2以上の出口通路110が接続されるように分割体51を形成する場合、1つのヘッダ部80に接続されている出口通路110の各々の最小流路断面積SBminの和ΣSBminが、1つのヘッダ部80に接続されている複数の第1冷却通路60の接続部67における各々の流路断面積SAの和ΣSAより小さくなるように分割体51を形成する。
[0087]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、1以上の出口通路110の各々の最小流路断面積SBminの和ΣSBminが接続部67における複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SAの和ΣSAより小さくなるので、複数の第1冷却通路60における冷却空気CAの流量を出口通路110の最小流路断面積SBminによって規定できる。これにより、複数の第1冷却通路60のそれぞれでは、冷却空気CAの流量調整のために流路断面積を必要以上に小さくしなくてもよくなるので、第1冷却通路60の寸法精度が向上し、複数の第1冷却通路60同士での冷却空気CAの流量のばらつきを抑制できる。したがって、過剰な冷却を抑制しつつ、冷却能力が不足しないようにすることができる。
 また、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、1以上の出口通路110の各々の最小流路断面積SBminを接続部67における複数の第1冷却通路60の各々の流路断面積SA以上とすることができるので、出口通路110の寸法精度が確保し易くなるとともに、出口通路110において異物の詰まりも起こし難くなる。
 さらに、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、1以上の出口通路110の数が複数の第1冷却通路60の数未満となるので、冷却空気CAの流量の管理上、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき箇所を少なくすることができ、分割体51の製造コストを抑制できる。
[0088]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、出口通路110の流路断面積が最小となる領域である下流側領域115において、出口通路110の内壁面110cの粗度が複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下となるように出口通路を形成する。
[0089]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度が出口通路110の下流側領域115における内壁面115cの粗度以上となるので、第1冷却通路60における冷却性能を向上できる。また、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、出口通路110の下流側領域115における内壁面115cの粗度が複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下となるので、出口通路110における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路110において異物が通過し易くなり、出口通路110が閉塞するリスクを低減できる。
[0090]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、流路断面積縮小部113の下流側から出口通路110の延在方向と直交する方向の大きさを調節することで、出口通路110における最小流路断面積SBminの調節が容易となる。したがって、分割体51における冷却空気CAの流量を出口通路110における最小流路断面積SBminの大きさで調整するように分割体51が構成されている場合には、出口通路110の下流側における出口通路110の延在方向と直交する方向の寸法を管理すれば、冷却空気CAの流量を管理できるので、流路断面積の精度、すなわち通路の寸法精度を確保すべき領域を狭くすることができ、分割体51の製造コストを抑制できる。
[0091]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、出口通路110を機械加工だけによって形成する場合と比べて、分割体51の製造コストを抑制できる。また、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、出口通路110を金属積層造形法又は精密鋳造法だけによって形成する場合と比べて、出口通路110の内壁面110cの寸法精度を向上でき、冷却空気CAの流量の調節精度を向上できる。さらに、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、出口通路110の内壁面110cの寸法を冷却空気CAの流量を確認しながら調節できるので、冷却空気CAの流量の過不足を抑制できる。
[0092]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法によれば、三角ドリル19の直径Ddによって出口通路110の内壁面110cの寸法、より具体的には最小流路断面積部117の内径Diを規定できるので、分割体51の製造が容易となる。
[0093]
 幾つかの実施形態に係る出口通路形成工程S30において、下流側領域115を含む出口通路110の少なくとも一部の区間をエッチングすることで、該領域において、出口通路110の内壁面110cの粗度が複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下となるように出口通路110を形成してもよい。
 これにより、下流側領域115を含む出口通路110の少なくとも一部の区間における粗度を容易に低下できる。また、出口通路110の下流端110bからでは機械加工が難しい領域であっても、粗度を容易に低下できる。
[0094]
 図8は、他の実施形態に係る分割体51の製造方法における処理の手順の一例を示すフローチャートである。幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法は、冷却通路形成工程S10と、ヘッダ部形成工程S20と、出口通路形成工程S30と、ヘッダ部エッチング工程S50を備える。冷却通路形成工程S10、ヘッダ部形成工程S20、及び、出口通路形成工程S30は、図6に示した冷却通路形成工程S10、ヘッダ部形成工程S20、及び、出口通路形成工程S30と同じである。なお、他の実施形態に係るヘッダ部エッチング工程S50の後で、図6に示した出口通路切削工程S40を実施してもよい。
[0095]
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法において、ヘッダ部エッチング工程S50は、ヘッダ部80の内壁面80aの少なくとも一部の領域をエッチングすることで、該領域において、ヘッダ部80の内壁面80aの粗度を複数の第1冷却通路60の内壁面60aの粗度以下とするステップである。
 これにより、ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域における粗度が複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるので、ヘッダ部における圧力損失を抑制できる。上述したように、ヘッダ部では高温部品の冷却への寄与が比較的少ないことから、ヘッダ部の粗度が小さくなることによる高温部品の冷却への影響は小さい。したがって、高温部品の冷却への影響を抑制しつつ、冷却媒体の圧力損失を抑制できる。
[0096]
(金属積層造形法における形成領域によって積層厚さを変更する場合について)
 一般的には、金属積層造形法における積層厚さを厚くすると、造形物における表面粗さが大きくなる傾向にある。すなわち、金属積層造形法における積層厚さを薄くすると、造形物における表面粗さが小さくなる傾向にある。
 そこで、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、冷却通路形成工程S10において、金属積層造形法によって、原料粉末を第1積層厚さt1で積層して複数の第1冷却通路60を形成してもよい。
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、ヘッダ部形成工程S20において、金属積層造形法によって、原料粉末を第1積層厚さt1以下の第2積層厚さt2で積層してヘッダ部80を形成してもよい。
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、出口通路形成工程S30において、金属積層造形法によって、原料粉末を第1積層厚さt1より小さい第3積層厚さt3で積層して出口通路110を形成してもよい。
[0097]
 例えば上記第1積層厚さt1は、75μm以上100μm以下であってもよい。また、例えば上記第3積層厚さt3は、20μm以上30μm以下であってもよい。例えば上記第2積層厚さt2は、20μm以上100μm以下であってもよい。
 なお、ヘッダ部形成工程S20において、例えば上記第1積層厚さt1で積層してヘッダ部80の一部を形成し、例えば上記第3積層厚さt3で積層してヘッダ部80残部のうちの少なくとも一部を形成してもよい。
[0098]
 ヘッダ部80を形成する第2積層厚さt2を、第1冷却通路60を形成する第1積層厚さt1以下とすることで、ヘッダ部80については、粗度を抑制して冷却空気CAの圧力損失を抑制でき、第1冷却通路60については、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
 また、出口通路110を形成する第3積層厚さt3を、第1冷却通路60を形成する第1積層厚さt1より小さくすることで、出口通路110については、粗度を抑制して、出口通路110における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路110において異物が通過し易くなり、出口通路110が閉塞するリスクを低減できる。また、第1冷却通路60については、上述したように、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
[0099]
(金属積層造形法における形成領域によって原料粉末の粒度を変更する場合について)
 一般的には、金属積層造形法における原料粉末の粒度を大きくすると、造形物における表面粗さが大きくなる傾向にある。すなわち、金属積層造形法における原料粉末の粒度を小さくすると、造形物における表面粗さが小さくなる傾向にある。
 そこで、幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、冷却通路形成工程S10において、金属積層造形法によって、第1粒度S1を有する原料粉末を用いて複数の第1冷却通路60を形成してもよい。
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、ヘッダ部形成工程S20において、金属積層造形法によって、第1粒度S1以下の第2粒度S2を有する原料粉末を用いてヘッダ部80を形成してもよい。
 幾つかの実施形態に係る分割体51の製造方法では、出口通路形成工程S30において、金属積層造形法によって、第1粒度S1より小さい第3粒度S3を有する原料粉末を用いて出口通路110を形成してもよい。
[0100]
 ヘッダ部80を形成するための原料粉末の粒度(第2粒度S2)を、第1冷却通路60を形成するための原料粉末の粒度(第1粒度S1)以下とすることで、ヘッダ部80については、粗度を抑制して冷却空気CAの圧力損失を抑制でき、第1冷却通路60については、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
 また、出口通路110を形成するための原料粉末の粒度(第3粒度S3)を、第1冷却通路60を形成するための原料粉末の粒度(第1粒度S1)より小さくすることで、出口通路110については、粗度を抑制して、出口通路110における圧力損失のばらつきを抑制できるとともに、出口通路110において異物が通過し易くなり、出口通路110が閉塞するリスクを低減できる。また、第1冷却通路60については、上述したように、粗度を比較的大きくして冷却性能を向上できる。
[0101]
 本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
 例えば、上述した幾つかの実施形態では、冷却媒体による冷却を必要とする高温部品の例として分割環50を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、燃焼器12、動翼41(例えばプラットフォーム45)、静翼21(例えば内側シュラウド25や外側シュラウド27)等、他の高温部品についても適用できる。また、本発明が適用できる高温部品は、ガスタービン10における構成部品に限定されず、ボイラやロケットエンジン等、高温の媒体を扱う様々な機械における構成部品であってもよい。

符号の説明

[0102]
6 冷却通路グループ
10 ガスタービン
12 燃焼器
13 タービン
21 タービン静翼(静翼)
41 タービン動翼(動翼)
50 分割環
51 分割体
52 本体
52b 外表面(被加熱面)
60 軸方向通路(第1冷却通路、冷却通路)
63 分岐流路
65 下流端
67 接続部
70 仕切壁
80 ヘッダ部
90 側部通路(第2冷却通路)
110 出口通路

請求の範囲

[請求項1]
 冷却媒体による冷却を必要とする高温部品であって、
 前記冷却媒体が流通可能な複数の第1冷却通路と、
 前記複数の第1冷却通路の下流端が接続されたヘッダ部と、
 前記ヘッダ部に流入した前記冷却媒体を前記ヘッダ部の外部に排出するための1以上の出口通路と、
を備え、
 前記1以上の出口通路の内壁面の粗度は、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域において、前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下である
高温部品。
[請求項2]
 前記1以上の出口通路の内壁面は、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域において、中心線平均粗さRaが10μm以下の粗度を有し、
 前記複数の第1冷却通路の内壁面は、中心線平均粗さRaが10μm以上20μm以下の粗度を有する
請求項1に記載の高温部品。
[請求項3]
 前記複数の第1冷却通路の延在方向と交差する方向に延在する複数の第2冷却通路をさらに備え、
 前記複数の第2冷却通路の内壁面は、中心線平均粗さRaが10μm以上50μm以下の粗度を有する
請求項2に記載の高温部品。
[請求項4]
 前記1以上の出口通路は、前記出口通路の流路断面積が下流側に向かって漸減する流路断面積縮小部を含む
請求項1乃至3の何れか一項に記載の高温部品。
[請求項5]
 前記ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域における粗度は、前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下である
請求項1乃至4の何れか一項に記載の高温部品。
[請求項6]
 前記高温部品は、複数の分割体が周方向に沿って環状に配設されて構成されるガスタービンの分割環である、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の高温部品。
[請求項7]
 冷却媒体による冷却を必要とする高温部品の製造方法であって、
 前記冷却媒体が流通可能な複数の第1冷却通路を形成するステップと、
 前記複数の第1冷却通路の下流端が接続されたヘッダ部を形成するステップと、
 前記ヘッダ部に流入した前記冷却媒体を前記ヘッダ部の外部に排出するための1以上の出口通路を形成するステップと、
を備え、
 前記1以上の出口通路を形成するステップは、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域において、前記1以上の出口通路の内壁面の粗度が前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるように前記1以上の出口通路を形成する
高温部品の製造方法。
[請求項8]
 前記1以上の出口通路を形成するステップは、前記出口通路の流路断面積が下流側に向かって漸減する流路断面積縮小部を含むように前記1以上の出口通路を形成する
請求項7に記載の高温部品の製造方法。
[請求項9]
 前記1以上の出口通路を形成するステップは、前記出口通路の流路断面積が最小となる領域を含む前記出口通路の少なくとも一部の区間をエッチングすることで、該領域において、前記1以上の出口通路の内壁面の粗度が前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下となるように前記1以上の出口通路を形成する
請求項7又は8に記載の高温部品の製造方法。
[請求項10]
 前記ヘッダ部の内壁面の少なくとも一部の領域をエッチングすることで、該領域において、前記ヘッダ部の内壁面の粗度を前記複数の第1冷却通路の内壁面の粗度以下とするステップ
をさらに備える
請求項9に記載の高温部品の製造方法。
[請求項11]
 前記1以上の出口通路を形成するステップは、金属積層造形法又は精密鋳造法によって、前記1以上の出口通路を形成し、
 前記1以上の出口通路の内壁面の少なくとも一部に機械加工を施すステップ
をさらに備える
請求項7乃至10の何れか一項に記載の高温部品の製造方法。
[請求項12]
 前記複数の第1冷却通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、原料粉末を第1積層厚さで積層して前記複数の第1冷却通路を形成し、
 前記ヘッダ部を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記原料粉末を前記第1積層厚さ以下の第2積層厚さで積層して前記ヘッダ部を形成し、
 前記出口通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記原料粉末を前記第1積層厚さより小さい第3積層厚さで積層して前記出口通路を形成する
請求項7乃至11の何れか一項に記載の高温部品の製造方法。
[請求項13]
 前記複数の第1冷却通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、第1粒度を有する原料粉末を用いて前記複数の第1冷却通路を形成し、
 前記ヘッダ部を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記第1粒度以下の第2粒度を有する原料粉末を用いて前記ヘッダ部を形成し、
 前記出口通路を形成するステップは、金属積層造形法によって、前記第1粒度より小さい第3粒度を有する原料粉末を用いて前記出口通路を形成する
請求項7乃至12の何れか一項に記載の高温部品の製造方法。
[請求項14]
 金属積層造形法によって、前記複数の第1冷却通路の延在方向に前記原料粉末を積層して、該延在方向と交差する方向に延在する複数の第2冷却通路を形成するステップをさらに備え、
 前記複数の第2冷却通路の内壁面のうち前記原料粉末の積層の際にオーバーハング角度が既定角度以上となるオーバーハング領域は、中心線平均粗さRaが30μm以上50μm以下の粗度を有し、
 前記複数の第2冷却通路の内壁面のうち前記オーバーハング領域以外の領域は、中心線平均粗さRaが10μm以上30μm以下の粗度を有する
請求項7乃至13の何れか一項に記載の高温部品の製造方法。
[請求項15]
 前記1以上の出口通路の数は、前記複数の第1冷却通路の数未満であり、
 前記1以上の出口通路の各々の最小流路断面積は、前記ヘッダ部と前記第1冷却通路との接続部における前記複数の第1冷却通路の各々の流路断面積以上であり、
 前記1以上の出口通路の各々の最小流路断面積の和は、前記ヘッダ部と前記第1冷却通路との接続部における前記複数の第1冷却通路の各々の流路断面積の和より小さい
請求項7乃至14の何れか一項に記載の高温部品の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]