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1. WO2020202597 - ANTI-VIBRATION RUBBER COMPOSITION AND ANTI-VIBRATION RUBBER MEMBER

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明 細 書

発明の名称 防振ゴム組成物および防振ゴム部材

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

実施例

0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

産業上の利用可能性

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 防振ゴム組成物および防振ゴム部材

技術分野

[0001]
 本発明は、自動車,電車等の車両等における防振用途に用いられる防振ゴム組成物および防振ゴム部材に関するものである。

背景技術

[0002]
 防振ゴムの技術分野においては、高耐久性、損失係数tanδ(ロスファクター)上昇の抑制、低動倍率化(動倍率〔動的ばね定数(Kd)/静的ばね定数(Ks)〕の値を小さくすること)等が要求される。
 そのようななか、ゴム組成物中にヒドラジド化合物を加えることにより、低動倍率化、ロスファクター上昇の抑制等を図る手法が模索されている(例えば、特許文献1および2参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2010-121082号公報
特許文献2 : 特開2001-172435号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、ヒドラジド化合物は反応性が高く、特にジヒドラジド化合物は反応性がより高いことから、上記手法のみにより、低動倍率化、ロスファクター上昇の抑制等を図ろうとすると、ジヒドラジド化合物の反応性の高さに起因し、ゴム組成物のロール混練時に大きな問題が生じる。
 詳しく説明すると、通常、防振ゴム組成物は、まず、加硫剤および加硫促進剤を除くゴム材料をバンバリーミキサー等により混練した後、オープンロール等のロール混練機に移して、加硫剤および加硫促進剤を添加し、調製される。そして、上記のように、ジヒドラジド化合物のみにより、低動倍率化、ロスファクター上昇の抑制等を図ろうとした場合、ロール混練機による混練の際にゴム組成物の反応が進みすぎて伸びがなくなる。その結果、図2に示すようにゴム組成物に多数の穴あきやちぎれが発生し、ロールに巻き付かない等といった作業性への影響が出て、そのままロール混練機による混練作業を継続できないといった不具合を生じる。
[0005]
 本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低動倍率化等の防振ゴムに要求される特性を満足しつつ、ゴム組成物のロール混練等の加工性が改善された防振ゴム組成物および防振ゴム部材を提供する。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、防振ゴム組成物のポリマーとして一般的に使用される天然ゴムには、タンパク等の夾雑物が含まれており、この夾雑物に対してヒドラジド化合物の反応性が非常に高いことから、先に述べたようなロール混練時の加工性の悪化が引き起こされることを、本発明者らは突き止めた。そこで、天然ゴムと分子構造が非常に近く、さらに上記のようなタンパク等の夾雑物が含まれない合成ゴムである、ポリイソプレンゴムを、天然ゴムに代えて用いることを検討した。しかしながら、ポリイソプレンゴムのみをポリマーとして使用した場合、ゴム組成物の未加硫粘度が高くなることから、上記ロール混練後のゴム組成物を射出成形等して金型成形するのが困難となる。そこで、天然ゴムとポリイソプレンゴムとを特定の比率で併用したところ、たとえ反応性のより高いジヒドラジド化合物を使用した場合であっても、ロール混練に際し、図2に示すような穴あきやちぎれは殆ど発生せず(図1参照)、さらに、下記の一般式(1)に示す特定のジヒドラジド化合物の使用により低動倍率化等も満足できる結果となることから、所期の目的が達成できることを見いだした。
[0007]
 すなわち、本発明は、上記の目的を達成するために、以下の[1]~[10]を、その要旨とする。
[1]下記の(A)および(B)成分からなるポリマーとともに、下記の(C)および(D)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)および(B)成分の割合が、重量比で、(A)/(B)=9/1~2/8の範囲であることを特徴とする防振ゴム組成物。
(A)天然ゴム。
(B)ポリイソプレンゴム。
(C)充填剤。
(D)下記の一般式(1)に示すジヒドラジド化合物。
[化1]


[2]上記ジヒドラジド化合物(D)の含有割合が、上記防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対して0.01~5.0重量部の範囲である、[1]に記載の防振ゴム組成物。
[3]上記ジヒドラジド化合物(D)が、アジピン酸ジヒドラジドおよびイソフタル酸ジヒドラジドから選ばれた少なくとも一方である、[1]または[2]に記載の防振ゴム組成物。
[4]上記ポリイソプレンゴム(B)の100℃におけるムーニー粘度が、65以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
[5]上記充填剤(C)の含有割合が、上記防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対して5~100重量部の範囲である、[1]~[4]のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
[6]上記充填剤(C)がカーボンブラックである、[1]~[5]のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
[7]上記充填剤(C)の90重量%以上がカーボンブラックである、[1]~[5]のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
[8]上記充填剤(C)が、カーボンブラックおよびシリカからなり、カーボンブラックとシリカとを、重量比で、カーボンブラック/シリカ=80/20~20/80の割合で含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
[9]上記充填剤(C)に含まれるカーボンブラックが、FEF級カーボンブラックである、[6]~[8]のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
[10][1]~[9]のいずれかに記載の防振ゴム組成物の加硫体からなることを特徴とする防振ゴム部材。

発明の効果

[0008]
 以上のことから、本発明の防振ゴム組成物は、低動倍率化等の、防振ゴムに要求される特性を満足しつつ、ロール混練等の加工性に優れた特性を示すことができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の防振ゴム組成物のロール混練後の状態を示す説明図である。
[図2] 従来の防振ゴム組成物のロール混練後の状態を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
[0011]
 本発明の防振ゴム組成物は、先に述べたように、下記の(A)および(B)成分からなるポリマーとともに、下記の(C)および(D)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)および(B)成分の割合が、重量比で、(A)/(B)=9/1~2/8の範囲である。
(A)天然ゴム。
(B)ポリイソプレンゴム。
(C)充填剤。
(D)下記の一般式(1)に示すジヒドラジド化合物。
[0012]
[化2]


[0013]
 本発明の防振ゴム組成物において、ロール混練等の加工性を改善する観点から、上記天然ゴム(A)とポリイソプレンゴム(B)の混合割合(重量比)を、上記のように(A)/(B)=9/1~2/8の範囲とすることは特に重要である。そして、同様の観点から、上記重量比〔(A)/(B)〕は、好ましくは、8/2~3/7の範囲であり、より好ましくは8/2~4/6の範囲である。さらに好ましくは8/2~6/4の範囲である。すなわち、天然ゴム(A)の割合が多すぎる(ポリイソプレンゴム(B)の割合が少なすぎる)と、上記ジヒドラジド化合物(D)との反応性が高くなりすぎ、ロール混練に際し、図2に示すような穴あきやちぎれが発生するようになり、逆に、天然ゴム(A)の割合が少なすぎる(ポリイソプレンゴム(B)の割合が多すぎる)と、ゴム組成物の未加硫粘度が高くなることから、上記ロール混練後のゴム組成物を射出成形等して金型成形するのが困難となったり、保存性が悪くなるからである。
 ここで、上記(A)および(B)成分からなるポリマーは、上記防振ゴム組成物中のポリマーの80重量%以上の割合を占めることが好ましく、より好ましくは、上記防振ゴム組成物中のポリマーの90重量%以上、さらに好ましくは、上記防振ゴム組成物中のポリマーの全てを占めることである。このような範囲であると、低動倍率とロール加工性が良好となる。
 なお、上記範囲において(A)および(B)成分以外のポリマーを含ませる場合、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)等が併用される。
[0014]
 上記ポリイソプレンゴム(B)としては、混ざり性とロール加工性の観点から、100℃におけるムーニー粘度が65以上であるものが好ましく用いられる。より好ましくは、上記ムーニー粘度が70~110のポリイソプレンゴムが用いられる。なお、上記ムーニー粘度は、JIS K 6300-1に準拠し、測定することができる。
[0015]
 上記充填剤(C)としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等が、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、振動特性の観点から、カーボンブラックが好ましく、上記充填剤(C)の90重量%以上がカーボンブラックであることが望ましい。
[0016]
 上記カーボンブラックとしては、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックが用いられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、振動特性・耐疲労性の観点から、FEF級カーボンブラックが好ましく用いられる。
[0017]
 上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ等が用いられる。そして、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0018]
 そして、より一層、高耐久性、ロスファクター上昇の抑制、低動倍率化を達成する観点から、上記シリカのBET比表面積は、50~320m 2/gであることが好ましく、より好ましくはBET比表面積が70~230m 2/g、さらに好ましくはBET比表面積が70~120m 2/gのシリカである。
 なお、上記シリカのBET比表面積は、例えば、試料を200℃で15分間脱気した後、吸着気体として混合ガス(N 2:70%、He:30%)を用いて、BET比表面積測定装置(マイクロデータ社製、4232-II)により測定することができる。
[0019]
 なお、上記充填剤(C)として、カーボンブラックとシリカのみを併用する場合において、その割合を、重量比で、カーボンブラック/シリカ=80/20~20/80の割合で含有することが、耐疲労性の観点から好ましい。同様の観点から、上記の場合において、より好ましくは、カーボンブラック/シリカ=40/60~20/80の割合で含有することであり、さらに好ましくは、カーボンブラック/シリカ=30/70~20/80の割合で含有することである。
[0020]
 そして、上記充填剤(C)全体の含有量は、耐疲労性の観点から、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、5~100重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは20~80重量部の範囲、さらに好ましくは40~70重量部の範囲である。
[0021]
 上記ジヒドラジド化合物(D)としては、動倍率の上昇を効果的に抑えることができることから、先に述べたように、下記の一般式(1)に示すジヒドラジド化合物が用いられる。
[0022]
[化3]


[0023]
 上記一般式(1)において、Rは、好ましくは、炭素数4~12のアルキレン基、炭素数3~10のシクロアルキレン基である。
[0024]
 そして、上記ジヒドラジド化合物(D)の具体例としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、低動倍率化の観点から、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドが好ましい。
[0025]
 上記ジヒドラジド化合物(D)の含有量は、低動倍率化等の観点から、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、0.01~5.0重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~3重量部、さらに好ましくは1~3重量部の範囲である。
[0026]
 なお、本発明の防振ゴム組成物においては、その必須成分である前記(A)~(D)成分とともに、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル等を、必要に応じて適宜に含有させることも可能である。
[0027]
 上記シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト系シランカップリング剤、スルフィド系シランカップリング剤、アミン系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤等が、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、上記シランカップリング剤が、メルカプト系シランカップリング剤やスルフィド系シランカップリング剤であると、加硫密度が上がり、低動倍率、耐久性に特に効果があるため、好ましい。
[0028]
 上記メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0029]
 上記スルフィド系シランカップリング剤としては、例えば、ビス-(3-(トリエトキシシリル)-プロピル)-ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス-(3-(トリエトキシシリル)-プロピル)-テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリメトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0030]
 上記アミン系シランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0031]
 上記エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0032]
 上記ビニル系シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニル・トリス(2-メトキシエトキシ)シラン等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0033]
 これらのシランカップリング剤の含有量は、低動倍率、耐久性等に優れることから、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、0.5~20重量部であることが好ましく、より好ましくは1.0~10重量部である。
[0034]
 上記加硫剤としては、例えば、硫黄(粉末硫黄,沈降硫黄,不溶性硫黄)、アルキルフェノールジスルフィド等の硫黄含有化合物等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0035]
 また、上記加硫剤の含有量は、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、0.1~10重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.3~5重量部の範囲である。すなわち、上記加硫剤の含有量が少なすぎると、加硫反応性が悪くなる傾向がみられ、逆に上記加硫剤の含有量が多すぎると、ゴム物性(破断強度,破断伸び)が低下する傾向がみられるからである。
[0036]
 上記加硫促進剤としては、例えば、チウラム系,スルフェンアミド系,グアニジン系,チアゾール系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、圧縮永久歪みに優れるようになることから、チウラム系加硫促進剤と、スルフェンアミド系,グアニジン系,チアゾール系から選択される少なくとも一つの加硫促進剤とを組み合わせたものが好ましい。
[0037]
 また、上記加硫促進剤の含有量は、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、0.1~10重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.3~5重量部の範囲である。
[0038]
 上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。
[0039]
 上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BBS)、N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0040]
 上記グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、N,N'-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N'-ジエチルチオ尿素、N,N'-ジブチルチオ尿素等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0041]
 上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特に加硫反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)が好適に用いられる。
[0042]
 上記加硫助剤としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0043]
 また、上記加硫助剤の含有量は、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、0.1~10重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.3~7重量部の範囲である。
[0044]
 上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0045]
 また、上記老化防止剤の含有量は、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、0.5~15重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは1~10重量部の範囲である。
[0046]
 上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
[0047]
 また、上記プロセスオイルの含有量は、本発明の防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対し、1~35重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは3~30重量部の範囲である。
[0048]
〔防振ゴム組成物の調製方法〕
 ここで、本発明の防振ゴム組成物は、その必須成分である(A)~(D)成分、および必要に応じて上記列記したその他の材料を用いて、これらをニーダー,バンバリーミキサー,オープンロール,二軸スクリュー式撹拌機等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。また、上記各材料は、全ての材料を同時に混練することが好ましいが、加硫剤および加硫促進剤を配合する場合は、加硫剤および加硫促進剤を除く全ての材料を同時に混練した後、加硫剤および加硫促進剤を加えることが好ましい。
[0049]
 このようにして得られた本発明の防振ゴム組成物を、射出成形等により、高温(150~170℃)で5~30分間金型成形して、目的とする防振ゴム部材(加硫体)を製造することができる。
[0050]
 そして、本発明の防振ゴム組成物の加硫体からなる防振ゴム部材は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ、モーターマウント、サブフレームマウント等の構成部材として好ましく用いられる。なかでも、低動倍率であるとともに耐久性にも優れることから、電動モーターを動力源とする電気自動車(電気自動車(EV)の他、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)等も含む)用の、モーターマウント、サスペンションブッシュ、サブフレームマウント等の構成部材(電気自動車用防振ゴム部材)の用途に、有利に用いることができる。
 また、上記用途以外にも、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。
実施例
[0051]
 つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[0052]
 まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
 なお、下記に示すポリイソプレンゴムのムーニー粘度は、JIS K 6300-1に準拠して測定された値であり、下記に示すシリカのBET比表面積は、前記手法に準拠して測定された値である。
[0053]
〔天然ゴム(NR)〕
[0054]
〔ポリイソプレンゴム(IR)〕
 日本ゼオン社製、ニポールIR2200(100℃でのムーニー粘度:82)
[0055]
〔酸化亜鉛〕
 堺化学工業社製、酸化亜鉛二種
[0056]
〔ステアリン酸〕
 日油社製、ビーズステアリン酸さくら
[0057]
〔老化防止剤〕
 住友化学社製、アンチゲン6C
[0058]
〔カーボンブラック(i)〕
 東海カーボン社製、シーストSO(FEF級カーボンブラック)
[0059]
〔カーボンブラック(ii)〕
 東海カーボン社製、シーストTA(FT級カーボンブラック)
[0060]
〔シリカ(i)〕
 東ソーシリカ社製、ニップシールVN3(BET比表面積180~230m 2/g)
[0061]
〔シリカ(ii)〕
 東ソーシリカ社製、ニップシールER(BET比表面積70~120m 2/g)
[0062]
〔プロセスオイル〕
 日本サン石油社製、サンセン410
[0063]
〔ジヒドラジド(i)〕
 大塚化学社製、イソフタル酸ジヒドラジド(IDH)
[0064]
〔ジヒドラジド(ii)〕
 大塚化学社製、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)
[0065]
〔モノヒドラジド〕
 大塚化学社製、ナフエト酸ヒドラジド(HNH)
[0066]
〔シランカップリング剤〕
 MOMENTIVE社製、NXT Z45
[0067]
〔加硫促進剤〕
 三新化学工業社製、サンセラーCZ-G
[0068]
〔硫黄(加硫剤)〕
 軽井沢製錬所社製
[0069]
[実施例1~13、比較例1~8]
 上記各材料を、後記の表1および表2に示す割合で配合して混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。なお、上記混練は、まず、加硫剤と加硫促進剤以外の材料を、バンバリーミキサーを用いて140℃で5分間混練し、ついで、加硫剤と加硫促進剤を配合し、オープンロールを用いて60℃で5分間混練することにより行った。
[0070]
 このようにして得られた実施例および比較例の防振ゴム組成物を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
[0071]
≪ロール加工性≫
 上記オープンロールによる混練後の防振ゴム組成物を、目視により観察し、ロールに巻き付かない程度の多数の穴あきやちぎれが発生したもの(図2参照)を「×」、ロールに巻き付かない程ではないが、穴あきやちぎれが多数発生したものを「△」、穴あきもちぎれも殆ど発生しなかったもの(図1参照)を「〇」と評価した。
[0072]
≪未加硫粘度≫
 上記オープンロールによる混練後の防振ゴム組成物に対し、JIS K 6300-1に準拠し、125℃でのムーニー粘度(未加硫粘度)を測定した。
 なお、後記の表1および表2には、比較例1における未加硫粘度の測定値を100としたときの、各実施例および比較例における未加硫粘度の測定値を指数換算したものを表記した。
 そして、その値が、160未満であるものを「○」と評価し、160以上であるものを「×」と評価した。
 なお、未加硫粘度の値が小さい程、未加硫ゴムの射出成形性に優れることを示す。
[0073]
≪動倍率≫
 上記オープンロールによる混練後の防振ゴム組成物を、プレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。そして、上記テストピースの静的ばね定数(Ks)をJIS K 6394に準じて測定し、上記テストピースの周波数100Hzでの動的ばね定数(Kd100)を、JIS K 6385に準じて求めた。それらの値をもとに、動倍率(Kd100/Ks)を算出した。
 下記の表1および表2には、比較例1における動倍率(Kd100/Ks)の測定値を100としたときの、各実施例における動倍率の測定値を指数換算したものを表記した。 そして、その値が、95未満であるものを「○」と評価し、95以上であるものを「×」と評価した。
 なお、動倍率の値が小さい程、優れた防振特性を示す。
[0074]
[表1]


[0075]
[表2]


[0076]
 上記表1および表2の結果から、実施例の防振ゴム組成物は、ロール加工性に優れるとともに、低動倍率化を達成しつつ、さらに、未加硫粘度が低いことから射出成形性にも優れていることがわかる。
 これに対し、ジヒドラジド化合物を含まない比較例1の防振ゴム組成物、およびジヒドラジド化合物の代わりにモノヒドラジドを含む比較例4の防振ゴム組成物は、ロール加工性の悪化はみられないものの、所望の低動倍率化を達成することができない結果となった。比較例2,3の防振ゴム組成物は、ポリマーに天然ゴムのみを使用しており、ジヒドラジド化合物によるロール加工性の悪化が顕著にみられる結果となった。比較例5の防振ゴム組成物は、天然ゴムとポリイソプレンゴムとの併用を行っているが、ポリイソプレンゴムの割合が少なすぎるため、充分なロール加工性の改善が認められなかった。比較例6の防振ゴム組成物は、ポリマーにポリイソプレンゴムのみを使用しており、未加硫粘度が高いことから、射出成形性への影響が懸念される結果となった。比較例7,8の防振ゴム組成物は、比較例3の防振ゴム組成物に対して充填剤の変更やシランカップリング剤の使用を行うことにより、物性の改善を図っているが、ロール加工性の改善はなされなかった。
[0077]
 なお、上記実施例においては、本発明における具体的な形態について示したが、上記実施例は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。当業者に明らかな様々な変形は、本発明の範囲内であることが企図されている。

産業上の利用可能性

[0078]
 本発明の防振ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ、モーターマウント、サブフレームマウント等の構成部材(防振ゴム部材)の材料として好ましく用いられるが、それ以外にも、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の構成部材(防振ゴム部材)の材料にも用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 下記の(A)および(B)成分からなるポリマーとともに、下記の(C)および(D)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)および(B)成分の割合が、重量比で、(A)/(B)=9/1~2/8の範囲であることを特徴とする防振ゴム組成物。
(A)天然ゴム。
(B)ポリイソプレンゴム。
(C)充填剤。
(D)下記の一般式(1)に示すジヒドラジド化合物。
[化1]


[請求項2]
 上記ジヒドラジド化合物(D)の含有割合が、上記防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対して0.01~5.0重量部の範囲である、請求項1記載の防振ゴム組成物。
[請求項3]
 上記ジヒドラジド化合物(D)が、アジピン酸ジヒドラジドおよびイソフタル酸ジヒドラジドから選ばれた少なくとも一方である、請求項1または2記載の防振ゴム組成物。
[請求項4]
 上記ポリイソプレンゴム(B)の100℃におけるムーニー粘度が、65以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
[請求項5]
 上記充填剤(C)の含有割合が、上記防振ゴム組成物中のポリマーの全量100重量部に対して5~100重量部の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
[請求項6]
 上記充填剤(C)がカーボンブラックである、請求項1~5のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
[請求項7]
 上記充填剤(C)の90重量%以上がカーボンブラックである、請求項1~5のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
[請求項8]
 上記充填剤(C)が、カーボンブラックおよびシリカからなり、カーボンブラックとシリカとを、重量比で、カーボンブラック/シリカ=80/20~20/80の割合で含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
[請求項9]
 上記充填剤(C)に含まれるカーボンブラックが、FEF級カーボンブラックである、請求項6~8のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
[請求項10]
 請求項1~9のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物の加硫体からなることを特徴とする防振ゴム部材。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]