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1. WO2020196846 - POLYMERIZABLE COMPOSITION FOR OPTICAL MEMBERS, OPTICAL MEMBER AND EYEGLASS LENS

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明 細 書

発明の名称 光学部材用重合性組成物、光学部材、及び眼鏡レンズ

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

実施例

0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1 (R26)  

明 細 書

発明の名称 : 光学部材用重合性組成物、光学部材、及び眼鏡レンズ

技術分野

[0001]
 本開示は、光学部材用重合性組成物、光学部材、及び眼鏡レンズに関する。

背景技術

[0002]
 プラスチック製の眼鏡レンズは、ガラス製の眼鏡レンズと比較して、軽量で衝撃耐久性に優れる。そのため、現在の眼鏡レンズ市場においては、プラスチック製の眼鏡レンズが主流となっている。
 ポリイソシアナート化合物とポリチオール化合物とを反応させることにより高屈折率を有するプラスチックレンズが得られることが知られている。例えば、特許文献1には、テトラチオールとポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合物、及びイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物から選ばれた少なくとも1種のエステル化合物とを含む組成物を加熱硬化させて得られる含硫ウレタン系樹脂レンズが開示されている。このレンズは、無色透明で、高屈折率低分散で耐熱性に優れた物性を有し、なおかつ生産性にも優れると記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平7-252207号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、ポリイソシアナート化合物とポリチオール化合物とを反応させることにより得られる眼鏡レンズにおいては、脈理の発生が問題になることがある。例えば、特許文献1に開示されているレンズは、テトラチオールを使用するために低温で架橋構造を形成するので、重合時の粘度上昇が速く、他のウレタン樹脂系プラスチックレンズに比べて脈理が発生しやすい。ポリイソシアナート化合物やポリチオール化合物の種類や成分比を調整することよって、脈理の発生を抑制しようとすると、眼鏡レンズに求められる他の特性、例えば、引張強度が低下するといった別の問題が生じやすくなる。このため、ポリイソシアナート化合物とポリチオール化合物とを含む光学部材用重合性組成物には、眼鏡レンズを作製したときにおける、脈理の発生の抑制とそれ以外の特性の確保という観点から、さらなる改善が求められている。
[0005]
 そこで、本開示の一実施の形態は、セミフィニッシュレンズなどの肉厚の眼鏡レンズを作製した場合においても、光学部材としての強度を有しつつ、脈理の発生を防止することができる光学材料用重合性組成物に関する。

課題を解決するための手段

[0006]
 本開示の一実施の形態である光学部材用重合性組成物は、
 ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物と、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物との混合物であり、
 第2の組成物を下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析したときに得られるクロマトグラムにおいて、ポリチオール化合物(B1)のピークの位置から3分以上後の保持時間の位置にピークを出現させるチオール基含有物質(B2)を更に含み、
 ポリイソシアネート化合物(A)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリイソシアネート化合物(A)の当量Aと、
 ポリチオール化合物(B1)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリチオール化合物(B1)の当量B1との比で表される当量比(A/B1)が、80/100~95/100である、光学部材用重合性組成物。
・HPLCシステム:株式会社島津製作所製LC-30A
・カラム:YMC Triart C18(3-150mm、3μm)
・カラム温度:50℃
・移動相:0.1%ギ酸水溶液(A液)、アセトニトリル(B液)
・グラジエント溶出条件
(1)流速:0.3mL/min
(2)注入量:5μL
(3)検出波長:230nm

発明の効果

[0007]
 本開示の一実施の形態である光学材料用重合性組成物によれば、肉厚の光学部材を作製した場合においても、光学部材に必要な強度を保ちながら、脈理の発生を防止することができる光学材料用重合性組成物とすることができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物のクロマトグラムである。

発明を実施するための形態

[0009]
 本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~90、より好ましくは30~60」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、「10~60」とすることもできる。
[0010]
[光学部材用重合性組成物]
 本開示の一実施形態に係る光学部材用重合性組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物と、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物との混合物であり、ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)を含む。また、第2の組成物を下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析したときに得られるクロマトグラムにおいて、ポリチオール化合物(B1)のピークの位置から3分以上後の保持時間の位置にピークを出現させるチオール基含有物質(B2)を更に含む。
・HPLCシステム:株式会社島津製作所製LC-30A
・カラム:YMC Triart C18(3-150mm、3μm)
・カラム温度:50℃
・移動相:0.1%ギ酸水溶液(A液)、アセトニトリル(B液)
・グラジエント溶出条件
(1)流速:0.3mL/min
(2)注入量:5μL
(3)検出波長:230nm
 更に、ポリチオール化合物(B1)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリチオール化合物(B1)の当量B1との比で表される当量比(A/B1)が、80/100~95/100である。
 上記実施形態の光学材料用重合性組成物によれば、セミフィニッシュ型眼鏡レンズなどの肉厚の光学部材を作製した場合においても、光学部材に必要な強度を保ちながら、脈理の発生を防止することができる光学材料用重合性組成物とすることができる。
[0011]
<ポリイソシアネート化合物(A)>
 ポリイソシアネート化合物(A)としては、例えば、芳香環を有するポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、直鎖又は分岐鎖の脂肪族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
[0012]
 芳香環を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアナトベンゼン、2,4-ジイソシアナトトルエン、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’-メチレンビス(2-メチルフェニルイソシアネート)、ビベンジル-4,4’-ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチルフェニル)エーテル、2-イソシアナトフェニル-4-イソシアナトフェニルスルフィド、ビス(4-イソシアナトフェニル)スルフィド、ビス(4-イソシアナトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(2-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチル-6-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メトキシ-4-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4-メトキシ-3-イソシアナトフェニル)ジスルフィド等が挙げられる。
[0013]
 脂環式ポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアナトシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタン、2,5-ジイソシアナト-1,4-ジチアン、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,4-ジチアン、4,5-ジイソシアナト-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-2-メチル-1,3-ジチオラン等が挙げられる。
[0014]
 直鎖又は分岐の脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、1,5-ジイソシアネート-2-イソシアナトメチル-3-ペンタン、1,2,3-トリス(イソシアナトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(イソシアナトエチルチオ)プロパン、3,5-ジチア-1,2,6,7-ヘプタンテトライソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチル-3,5-ジチア-1,7-ヘプタンジイソシネート、2,5-ジイソシアネートメチルチオフェン、4-イソシアナトエチルチオ-2,6-ジチア-1,8-オクタンジイソシアネート、1,2-ジイソチオシアナトエタン、1,6-ジイソチオシアナトヘキサンが挙げられる。
 ポリイソシアネート化合物(A)は、1種又は2種以上を使用してもよい。
[0015]
 ポリイソシアネート化合物(A)は、好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタンからなる群より選ばれる1種以上であり、より好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロヘプタンからなる群より選ばれる1種以上である。
[0016]
<ポリチオール化合物(B1)>
 ポリチオール化合物(B1)としては、例えば、ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物、直鎖又は分岐の脂肪族ポリチオール化合物、脂環構造を有するポリチオール化合物、芳香族ポリチオール化合物等が挙げられる。
 ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物において、ポリオール化合物としては、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物が挙げられ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、プロパントリオール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
 メルカプト基含有カルボン酸化合物としては、例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸化合物、チオサリチル酸等が挙げられる。
 ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物としては、例えば、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、プロパントリオールトリス(2-メルカプトアセテート)、プロパンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレンビス(ヒドロキシエチルスルフィド)ビス(2-メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
 直鎖又は分岐の脂肪族ポリチオール化合物としては、例えば、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジチオール、3,4-ジメトキシブタン-1,2-ジチオール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、1,2-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2-ビス(メルカプトメチル)-1,3-プロパンジチオール、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2-メルカプトエチル)ジスルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオールが挙げられる。
[0017]
 脂環構造を有するポリチオール化合物としては、例えば、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、メチルシクロヘキサンジチオール、ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(メルカプトメチル)ジチアン等が挙げられる。
 芳香族ポリチオール化合物としては、例えば、ジメルカプトベンゼン、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、トリメルカプトベンゼン、トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、ジメルカプトビフェニル、4,4’-ジメルカプトビベンジル、2,5-トルエンジチオール、ナフタレンジチオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、9,10-アントラセンジメタンチオール、1,3-ジ(p-メトキシフェニル)プロパン-2,2-ジチオール、1,3-ジフェニルプロパン-2,2-ジチオール、フェニルメタン-1,1-ジチオール、2,4-ビス(p-メルカプトフェニル)ペンタン等が挙げられる。
 これらのポリチオール化合物の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 ポリチオール化合物(B1)は、好ましくは、ビス(メルカプトメチル)ジチアン、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオール、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)からなる群より選ばれる1種以上であり、より好ましくは、ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオール、ビス(メルカプトメチル)ジチアン、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、からなる群より選ばれる1種以上である。
 なお、ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオールは、好ましくは、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物である。
[0018]
 ポリチオール化合物(B1)の一態様は、2以上のスルフィド結合と、2以上のメルカプト基とを有するポリチオール化合物を含む。
 また、ポリチオール化合物(B1)の一態様は、2以上のスルフィド結合と、3以上のメルカプト基とを有するポリチオール化合物を含む。
 また、ポリチオール化合物(B1)の一態様は、複数種類のポリチオール化合物の混合物である。
[0019]
 ポリチオール化合物(B1)は、好ましくは、以下の各混合物からなる群から選択される。
[1]2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアンと、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)との混合物
[2]4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタンと、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)との混合物
[3]4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物
[0020]
 ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)との組合せの好適例としては、以下の[1]~[3]が挙げられる。
[1]1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、及び、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物
[2]1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、及び、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン及びペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)の混合物
[3]2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物、及び、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン及びペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)の混合物
[0021]
<チオール基含有物質(B2)>
 チオール基含有物質(B2)は、少なくともチオール基を有する化合物を含み、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物を下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析したときに得られるクロマトグラムにおいて、ポリチオール化合物(B1)のピークの位置から3分以上後の保持時間の位置にピークを出現させる物質である。
・HPLCシステム:株式会社島津製作所製LC-30A
・カラム:YMC Triart C18(3-150mm、3μm)
・カラム温度:50℃
・移動相:0.1%ギ酸水溶液(A液)、アセトニトリル(B液)
・グラジエント溶出条件
(1)流速:0.3mL/min
(2)注入量:5μL
(3)検出波長:230nm
 なお、光学部材用重合性組成物がチオール基含有物質(B2)を含んでいても、当量比A/B1を上述の範囲に設定することで、光学部材用重合性組成物を重合して作製された光学部材において、脈理の発生等の悪影響が生じることを防ぐことができる。したがって、上記第2の組成物を調製することについての制約を少なくすることができる。
[0022]
 図1に、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物を上記の条件でHPLC分析することによって得られるクロマトグラムの一例を示す。図1の符号P1がポリチオール化合物(B1)に由来するピークであり、図1の符号P2がチオール基含有物質(B2)に由来するピークである。理解を容易にするため、ピークP1とピークP2を薄く着色してある。
 図1に示されるように、チオール基含有物質(B2)は、ポリチオール化合物(B1)のピークの位置より後の保持時間、具体的にはポリチオール化合物(B1)のピークの位置から3分以上後の保持時間にピークを出現させる。
 ポリチオール化合物(B1)が、チオール基を含有する化合物として、単独のポリチオール化合物と、チオール基含有物質(B2)を含む場合、最大強度のピークがポリチオール化合物(B1)のものとなる。したがって、チオール基含有物質(B2)は、この最大強度のピークの位置より3分以上後の保持時間にピークを出現させる。
 ポリチオール化合物(B1)が、チオール基を含有する化合物として、複数種類のポリチオール化合物と、チオール基含有物質(B2)を含む場合、複数種類のポリチオール化合物の構造が類似している場合は、単独のポリチオール化合物を含む場合と同様に、最大強度のピークがポリチオール化合物(B1)のものとなる。複数種類のポリチオール化合物の化学構造の類似性が低い場合、ポリチオール化合物(B1)に由来する比較的強度の高いピークが複数現れる。この場合、チオール基含有物質(B2)は、もっとも保持時間の長い位置に現れる比較的強度の高いピークの位置より3分以上後の保持時間にピークを出現させる。
 チオール基含有物質(B2)は、図1のクロマトグラムに示されるように、保持時間が31~32分の位置にピークを出現させるものであってもよい。
 チオール基含有物質(B2)は、ポリチオール化合物(B1)が複数結合した構造を有するポリチオール化合物を含んでいてもよい。
[0023]
 光学部材用重合性組成物中にチオール基含有物質(B2)を存在させる方法に特に制限はなく、例えば、上述した条件で得られるクロマトグラムにおいて、保持時間が31~32分の位置にピークを出現させるようなチオール基含有物質や、ポリチオール化合物(B1)が複数結合した構造を有するポリチオール化合物を添加することにより、光学部材用重合性組成物中にチオール基含有物質(B2)を存在させることができる。
 また、ポリチオール化合物(B1)の合成における反応条件や、反応後の精製の回数や時間を調整することによって、ポリチオール化合物(B1)と、副生成物として発生する物質をチオール基含有物質(B2)として含む、上記第2の組成物を調製し、これを、ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物と混合することで、光学部材用重合性組成物中にチオール基含有物質(B2)を存在させることができる。
[0024]
<ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)との当量比、及び、チオール基含有物質(B2)の含有量>
 ポリイソシアネート化合物(A)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリイソシアネート化合物(A)の当量Aと、ポリチオール化合物(B1)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリチオール化合物(B1)の当量B1との比で表される当量比(A/B1)は、80/100~95/100であり、好ましくは90/100~94/100であり、より好ましくは92/100~94/100である。ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)の当量比が上記範囲にあると、光学部材用重合性組成物を用いて作製した光学部材の、耐熱性及び脈理抑制性が良好である。
 ポリイソシアネート化合物(A)及びポリチオール化合物(B1)の合計含有量は、光学部材用重合性組成物全体の質量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
 光学部材用重合性組成物において、チオール基含有物質(B2)の含有量は、上記の第2の組成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析したときに得られるクロマトグラムにおいて、ポリチオール化合物(B1)に由来するピークの面積を100とした場合、チオール基含有物質(B2)に由来するピークの面積が、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.10以下となる質量である。チオール基含有物質(B2)の含有量が上記範囲にあると、光学部材用重合性組成物を用いて作製した光学部材における脈理抑制性が良好である。
[0025]
<その他の成分>
 光学部材用重合性組成物には、その他の成分として、紫外線吸収剤、重合触媒、離型剤、抗酸化剤、着色防止剤、蛍光増白剤等の各種添加剤を配合してもよい。
(紫外線吸収剤)
 紫外線吸収剤は、好ましくは、クロロホルム溶液中において、345nm以上の極大吸収波長を有する。
 紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4’-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
 ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホニックアシッド、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン及び2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
 ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-アミルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール及び2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
 紫外線吸収剤の添加量は、ポリチオール化合物及びポリイソシアネート化合物の合計量100質量部に対し、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。
[0026]
(重合触媒)
 重合触媒は、好ましくは有機スズ化合物であり、より好ましくはアルキルスズハライド化合物又アルキルスズ化合物である。
 アルキルスズハライド化合物としては、例えば、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド、モノメチルスズトリクロライド、トリメチルスズクロライド、トリブチルスズクロライド、トリブチルスズフロライド、ジメチルスズジブロマイド等が挙げられる。
 アルキルスズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート等が挙げられる。
 これらの中でも、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが好ましい。
 重合触媒の添加量は、ポリチオール化合物及びポリイソシアネート化合物の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下である。
[0027]
 (離型剤)
 離型剤としては、例えば、イソプロピルアシッドフォスフェート、ブチルアシッドフォスフェート、オクチルアシッドフォスフェート、ノニルアシッドフォスフェート、デシルアシッドフォスフェート、イソデシルアシッドフォスフェート、イソデシルアシッドフォスフェート、トリデシルアシッドフォスフェート、ステアリルアシッドフォスフェート、プロピルフェニルアシッドフォスフェート、ブチルフェニルアシッドフォスフェート、ブトキシエチルアシッドフォスフェートなどのリン酸エステル化合物等が挙げられる。リン酸エステル化合物は、リン酸モノエステル化合物、リン酸ジエステル化合物のいずれであってもよいが、リン酸モノエステル化合物、及びリン酸ジエステル化合物の混合物が好ましい。
 離型剤の添加量は、ポリチオール化合物及びポリイソシアネート化合物の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上であり、好ましくは1.00質量部以下、好ましくは0.50質量部以下である。
[0028]
[光学部材用重合性組成物の調製方法]
 光学部材用重合性組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物、及び、必要に応じて用いられる、上述したその他の成分を通常の方法により混合することによって調製することができる。
 各成分は、同時に、又は、任意の順序で順次、混合することができる。具体的な混合方法には、特に制限はなく、重合性組成物の調製方法として公知の方法を、何ら制限なく採用することができる。
 本実施形態に係る光学部材用重合性組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリイソシアネート化合物(A)の当量Aと、ポリチオール化合物(B1)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリチオール化合物(B1)の当量B1との比で表される当量比A/B1が、80/100~95/100である。当量比A/B1は、好ましくは85/100~95/100、より好ましくは85/100~90/100である。
 光学部材用重合性組成物の当量比A/B1が、95/100を超えると、当該光学部材用重合性組成物を用いて作製される光学部材において、脈理の発生を十分抑制することができなくなる。また、当量比A/B1が、80/100未満であると、光学部材に必要とされる引張強度が得られなくなる。
 当量比A/B1が上記の数値範囲にある光学部材用重合性組成物は、当量A/B1が上記数値範囲を満たすような当量Aと当量B1との組合せにおいて、ポリイソシアネート化合物(A)の当量Aに相当する質量の第1の組成物と、ポリチオール化合物(B1)の当量(B1)に相当する質量の第2の組成物とを準備し、これらを混合することによって、調製することができる。
 ポリイソシアネート化合物(A)や、ポリチオール化合物(B1)が、それぞれ複数種類の化合物の混合物である場合、混合物の当量は、各化合物の当量に、それぞれの質量割合を乗じたものを加算して算出する。例えば、2種類の化合物の当量がそれぞれX、Yであり、質量割合が40:60である場合、混合物の当量は、X×40/100+Y×60/100で算出することができる。
[0029]
 なお、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含む光学部材用重合性組成物を調製するにあたっては、一般的には、ポリイソシアネート化合物の分子量及び官能基数から求めた当量と、ポリチオール化合物の分子量及び官能基数から求めた当量とが1:1となる質量比で、ポリイソシアネート化合物を含む組成物と、ポリチオール化合物を含む組成物とを混合していた。
 しかしながら、ポリチオール化合物の合成過程において微量の副生成物が生じたり、ポリチオールの原料の純度が低いものが使用されたりすることなどによって、ポリチオール化合物の含有純度がやや低い組成物を用いて光学部材用重合性組成物が調製される場合がある。本発明者の検討によれば、このような光学部材用重合性組成物を用いて光学部材を作製すると、特に、セミフィニッシュレンズ等の肉厚の大きい光学部材において、脈理が発生しやすくなることが判明している。この脈理は、光学部材中の様々な位置で発生するため、光学部材の研磨や研削では脈理発生部分を取り除けないことが多く、光学部材の品質や光学部材の製造効率を低下させる原因となり得る。
 これに対して、本実施形態の光学部材用重合性組成物においては、当量比A/B1を上述の数値範囲とすることにより、光学部材に求められる引張強度を確保しつつ、脈理の発生を十分抑制することができる。
[0030]
 本実施形態の光学部材用重合性組成物が上記の効果を発現する理由は、これに限られるものではないが、一つには、以下の理由により上記の効果が発現するものと推測される。すなわち、上述したチオール基含有物質(B2)とポリイソシアネート化合物との反応物が脈理の原因となるが、上記反応が遅いためにポリイソシアネート化合物(A)の当量Aが小さい場合は、チオール基含有物質(B2)とポリイソシアネート化合物(A)との反応は起こりにくく、脈理も発生しづらい。ところがポリイソシアネート化合物(A)の当量Aが大きくなるとポリイソシアネート化合物が重合反応の最終段階まで残存するため、チオール基含有物質(B2)とポリイソシアネート化合物との反応が生じやすくなり、結果として脈理が発生しやすくなるものと考えられる。したがって、上記第2の組成物におけるポリイソシアネート化合物(A)の当量Aを抑えることにより、脈理抑制性と機械強度とを両立させ得るものと推測される。
[0031]
 ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物は、チオール価から求めた純度が96.0%以下のものを用いることができる。なお、チオール価は後述する実施例に記載された方法による求められる。
 上記純度が96.0%以下の組成物を用いることにより、ポリチオール化合物(B1)の合成方法や原料に求められる制約が小さくなり、また、高度な精製等が必要なくなるため、著しく高い収率を得やすくなり、容易で安価に第2の組成物、延いては、光学部材用重合性組成物を製造することができる。
 第2の組成物の上記純度の下限値に特に制限はないが、光学部材の着色を防止しやすくする観点から、好ましくは80%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは92%以上である。
[0032]
 ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物の純度は、特に制限はないが、例えば、例えば、第1の組成物の全質量に対して、98質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、又は、100質量%とすることができる。
[0033]
[光学部材]
 上述した光学部材用重合性組成物を重合させて重合物を生成することにより、光学部材を得ることができる。
 光学部材としては、眼鏡レンズ、カメラレンズ、プリズム、光ファイバ、光ディスク若しくは磁気ディスク等に用いられる記録媒体用基板、コンピュータのディスプレイに付設する光学フィルター等が挙げられる。これらの中でも、眼鏡レンズが好ましく、眼鏡レンズの基材がより好ましい。
 光学部材用重合性組成物の重合条件は、重合性組成物に応じて、適宜設定することができる。
 重合開始温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。重合開始温度から昇温し、その後、加熱して硬化形成することが好ましい。例えば、昇温最高温度は、通常110℃以上130℃以下である。
 重合終了後、眼鏡レンズを離型して、アニール処理を行ってもよい。アニール処理の温度は、好ましくは100~150℃である。
 光学部材が眼鏡レンズである場合、重合は、注型重合法であることが好ましい。眼鏡レンズは、例えば、重合性組成物を、ガラス又は金属製のモールドと、テープ又はガスケットとを組み合わせたモールド型に注入して重合を行うことで得られる。
 光学部材は、最厚部の厚さを8.0mm以上のものとすることができる。このように、光学部材を厚いものとしても、本実施形態に係る光学部材用重合性組成物を用いることにより、効果的に脈理の発生を抑制することができる。
[0034]
[眼鏡レンズ]
 上記光学部材を眼鏡レンズとする場合、光学部材をそのまま眼鏡レンズとして用いてもよいし、光学部材の切削物を眼鏡レンズとして用いてもよい。
 眼鏡レンズは、他の層を含んでいてもよい。
 眼鏡レンズの表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。
 眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等のいずれであってもよい。例えば、一例として、累進屈折力レンズについては、通常、近用部領域(近用部)及び累進部領域(中間領域)が、下方領域に含まれ、遠用部領域(遠用部)が上方領域に含まれる。
 眼鏡レンズは、フィニッシュ型眼鏡レンズであってもセミフィニッシュ型眼鏡レンズであってもよい。なお、セミフィニッシュ型眼鏡レンズは、研磨や研削によって実使用される眼鏡レンズへと加工されるものであるため、概して厚くなる。しかし、本発明の実施形態に係る光学部材用重合性組成物を用いると、肉厚のセミフィニッシュ型眼鏡レンズであっても脈理の発生を十分抑制することができる。
 眼鏡レンズの厚さ及び直径は、特に限定されるものではないが、厚さは通常1~30mm程度、直径は通常50~100mm程度である。
 眼鏡レンズの屈折率neは、好ましくは1.53以上、より好ましくは1.55以上、より好ましくは1.58以上、更に好ましくは1.60以上、更に好ましくは1.67以上、更に好ましくは1.70以上であり、好ましくは1.80以下である。
 本実施形態に係る眼鏡レンズは、上述の樹脂組成物からなる基材を備える。
 眼鏡レンズは、更に、ハードコート層、プライマー層、反射防止膜及び撥水膜からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
 ハードコート層は、耐擦傷性向上のために設けられ、好ましくは有機ケイ素化合物、酸化スズ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の微粒子状無機物等を有するコーティング液を塗工して形成することができる。
 プライマー層は、耐衝撃性を向上させるために設けられ、例えば、ポリウレタンを主成分とする。ここでポリウレタンの含有量は、プライマー層中、好ましくは50質量%以上である。
 反射防止膜としては、酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル等を積層した膜が挙げられる。
 撥水膜としては、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を用いて形成することができる。
[0035]
 本開示は、上述の各成分の例、含有量、各種物性については、発明の詳細な説明に例示又は好ましい範囲として記載された事項を任意に組み合わせてもよい。
 また、実施例に記載した組成に対し、発明の詳細な説明に記載した組成に調整を行えば、クレームした組成範囲全域にわたって実施例と同様に発明を実施することができる。
実施例
[0036]
 以下、本開示を実施例により具体的に説明する。光学部材用重合性組成物の重合物である光学部材における脈理抑制性の評価、引張強度の測定、ポリチオール化合物を含む組成物の純度の測定、及び、ポリチオール化合物を含む組成物の高速液体クロマトグラフィー分析は、以下の手順で行った。
<脈理抑制性の評価>
 ウシオ電機株式会社製 オプティカルモデュレックスSX-UI251HQを用いて投影検査を行った。光源として高圧UVランプ USH-102Dを用いて1mの距離に白色のスクリーンを設置し、被検樹脂を光源とスクリーンの間に挿入し、スクリーン上の投影像を観察し、下記の基準に基づいて判定を行った。A~Cを合格、D及びEを不合格とした。
A:投影像に線状の不整が全くない。
B:投影像に線状のごく薄い不整がある。
C:投影像に線状の薄い不整がある。
D:投影像に線状の濃い不整がある。
E:投影像に線状の著しい不整がある。
[0037]
<引張強度の測定>
 実施例、比較例で得られたプラスチックレンズ(0.00D)を直径50mmに丸め加工して、引張強度測定用のサンプルレンズとした。
 各サンプルレンズの中心から21.0mmの中心を挟んで対向する2箇所に、直径1.6mmの穴をそれぞれ開け、各サンプルレンズに穴を2つ形成した。
 引張試験機への固定用ピンをサンプルレンズの穴に取り付け、引張試験機にサンプルレンズをセットして引張強度の測定(引張速度:5.0mm/分)を行った。引張試験機として株式会社オリエンテック製万能試験機テンシロンRTC-1225Aを用いた。73.0N/mm 未満を不合格とした。
[0038]
<ポリチオール化合物を含む組成物の純度の測定>
 ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む組成物の純度(%)は、下記の方法で、当該組成物に含まれるポリチオール化合物(B1)及びチオール基含有物質(B2)の合計のチオール価を求め、ポリチオール化合物(B1)の既知の分子量及び官能基数より求められる当量を除することにより求めた。
[1]測定用サンプル0.2gを精秤する。
[2]クロロホルム25mlを加え、溶解し次いでメタノール25mlを加え混合し、均一溶液とする。
[3]0.05mol/lの滴定用よう素溶液(N/10)を用いて滴定を行い、黄色に変色した時点を終点とする。
[4]同様の手順でブランク測定を行う。
チオール価=(S×1000)/((C-D)×f×0.1)
S:サンプル量(g)
C:終点における滴定量(ml)
D:ブランク量(ml)
f:ヨウ素溶液のファクター
純度(%)=(分子量及び官能基数より求めた当量/測定したチオール価)×100
<ポリチオール化合物を含む組成物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析>
 株式会社島津製作所製のHPLCシステムLC-30Aにて、カラムとしてYMC Triart C18(3-150mm、3μm)を使用し、カラム温度を50℃とし、移動相として0.1%ギ酸水溶液(A液)とアセトニトリル(B液)とを用いた。そして、グラジエント溶出条件を以下のように設定して、クロマトグラムを作成した。
(1)流速:0.3mL/min
(2)注入量:5μL
(3)検出波長:230nm
[0039]
<実施例1>
 第1の組成物として、ポリイソシアネート化合物(A)である1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン48.0質量部、離型剤としてブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業株式会社製JP-506H)0.15質量部、紫外線吸収剤として1.20質量部のシプロ化成株式会社製シーソーブ701、触媒として、ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)との合計量に対し100質量ppmとなる量のジメチルスズジクロライドを用い、これらを、混合して溶解し、均一溶液を調製した。
 上記溶液に、ポリチオール化合物(B1)として、純度が95.8%の、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物を含む第2の組成物52.0質量部を添加し、混合して均一溶液を得た。更に、この溶液を200Paで1時間脱気処理し、5.0μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過を行うことにより、光学部材用重合性組成物1を得た。
 なお、第2の組成物について上記条件にて得られたクロマトグラムは、図1に示すものであり、保持時間26分付近にポリチオール化合物(B1)に由来する高強度のピークP1が現れている。また、保持時間31分15秒付近にチオール基含有物質(B2)に由来するピークP2が現れている。ピークP2を出現させるチオール基含有物質(B2)は、上記ポリチオール化合物(B1)の何れかの化合物が複数結合した構造を有するものと推測される。
 得られた光学部材用重合性組成物1を、直径75mm、曲率半径68mmの上型モールドと、曲率半径55mmの下型モールドと、両者の側面に貼付されるテープとを含むセミフィニッシュレンズ用モールド型(中心肉厚14mm、コバ厚19mm)に注入した。
 また、上記光学部材用重合性組成物1を、直径75mm、曲率半径112mmの上型モールドと、曲率半径112mmの下型モールドと、両者の側面に貼付されるテープとを含む0.00D用フィニッシュレンズ用モールド型(中心肉厚2mm、コバ厚2mm)に注入した。
 光学部材用重合性組成物が注入された上記のモールド型をそれぞれ電気炉へ投入し、0.00Dフィニッシュレンズ用モールド型については、20℃から徐々に20時間かけて120℃まで昇温し、更に120℃で3時間、光学部材用重合性組成物1を重合させた。セミフィニッシュレンズ用モールド型については、15℃から40時間かけて120℃まで徐々に昇温し、更に120℃で3時間、光学部材用重合性組成物を重合させた。重合終了後、電気炉からモールド型を取り出し、それぞれモールド型から離型して、アニール処理前の、セミフィニッシュレンズと、0.00Dフィニッシュレンズとを得た。
 得られたレンズを120℃で2時間アニールして、最大厚さが19mmのセミフィニッシュレンズと、最大厚さが2mmの0.00Dフィニッシュレンズの完成品を得た。
[0040]
<実施例2>
 第1の組成物の使用量を45.0質量部に変更し、第2の組成物の使用量を55.0質量部に変更した以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0041]
<実施例3>
 第1の組成物の使用量を49.4質量部に変更し、第2の組成物の使用量を50.6質量部に変更した以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0042]
<実施例4>
 第1の組成物として、ポリイソシアネート化合物(A)である1,3-(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン45.0質量部を用い、ポリチオール化合物(B1)として、純度93.2%のペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)25.0質量部及び純度95.5%の2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン30.0質量部の混合物を含む第2の組成物を用い、触媒として、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の合計量に対し0.5質量部となる量のジメチルスズジクロライドを用いた以外は、実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0043]
<実施例5>
 第1の組成物として、ポリイソシアネート化合物(A)である、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物48.1質量部を用い、ポリチオール化合物(B1)として、純度94.2%のペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)24.0質量部及び純度95.0%の4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン27.9質量部の混合物を含む第2の組成物を用い、触媒として、ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)の合計量に対し0.05質量部のジメチルスズジクロライドを用いた以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0044]
<比較例1>
 第1の組成物の使用量を50.6質量部に変更し、第2の組成物の使用量を49.4質量部に変更した以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズレンズとを作製した。
[0045]
<比較例2>
 第1の組成物の使用量を50.2質量部に変更し、第2の組成物の使用量を49.8質量部に変更した以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0046]
<比較例3>
 第1の組成物の使用量を44.5質量部に変更し、第2の組成物の使用量を55.5質量部に変更した以外は実施例1と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0047]
<比較例4>
 第1の組成物の使用量を47.6質量部へ変更し、ポリチオール化合物(B1)として、純度93.2%のペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)23.8質量部及び純度95.5%の2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン28.6質量部の混合物を含む第2の組成物を用いた以外は実施例4と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0048]
<比較例5>
 第1の組成物の使用量を50.7質量部に変更し、ポリチオール化合物(B1)として、純度94.2%のペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)22.8質量部及び純度95.0%の4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン26.5質量部の混合物を含む第2の組成物を用いた以外は、実施例5と同様の手順で、実施例1と同様の最大厚さを有する、セミフィニッシュレンズと0.00Dフィニッシュレンズとを作製した。
[0049]
 結果を表1に示す。
[表1]


[0050]
*表1における略語は以下のとおりである。
R-NCO:ポリイソシアネート化合物を表す。
R-SH:ポリチオール化合物を表す。
I-1:1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン
I-2:2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び、2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物
I-3:1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン
T-1:2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン
T-2:ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)
T-3:4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン
T-4:4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物
T-5:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
[0051]
 表1から明らかなように、当量比A/B1が、80/100~95/100である実施例1~5の光学部材用重合性組成物を用いて光学部材を作製すると、セミフィニッシュレンズであっても脈理の発生が抑制され、かつ、引張強度を良好に保った光学部材が得られることが分かる。特に、当量比A/B1が、80/100~90/100である実施例1、2、4、5の光学部材用重合性組成物を用いると、脈理の発生がより効果的に抑制されることが分かる。
 一方、当量比A/B1が、80/100~90/100から外れている比較例1~5の光学部材用重合性組成物を用いると、得られる光学部材において脈理の発生が顕著となったり、引張強度が低くなり過ぎたりして、両方の特性を両立することができないことが分かる。
[0052]
 最後に、本開示の実施の形態を総括する。
 本開示の実施の形態である光学部材用重合性組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物と、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物との混合物であり、第2の組成物を下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析したときに得られるクロマトグラムにおいて、ポリチオール化合物(B1)のピークの位置から3分以上後の保持時間の位置にピークを出現させるチオール基含有物質(B2)を更に含み、ポリイソシアネート化合物(A)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリイソシアネート化合物(A)の当量Aと、ポリチオール化合物(B1)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリチオール化合物(B1)の当量B1との比で表される当量比(A/B1)が、80/100~95/100である。
・HPLCシステム:株式会社島津製作所製LC-30A
・カラム:YMC Triart C18(3-150mm、3μm)
・カラム温度:50℃
・移動相:0.1%ギ酸水溶液(A液)、アセトニトリル(B液)
・グラジエント溶出条件
(1)流速:0.3mL/min
(2)注入量:5μL
(3)検出波長:230nm
 上述した実施の態様によれば、セミフィニッシュ型眼鏡レンズなどの肉厚の光学部材を作製した場合においても、光学部材に必要な強度を保ちながら、脈理の発生を防止することができる光学材料用重合性組成物とすることができる。
[0053]
 今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
 本開示は、上記各成分の例、含有量、各種物性については、発明の詳細な説明に例示又は好ましい範囲として記載された事項を任意に組み合わせてもよい。
 また、実施例に記載した組成に対し、発明の詳細な説明に記載した組成となるように調整を行えば、クレームした組成範囲全域にわたって実施例と同様に開示の実施の形態を実施することができる。

符号の説明

[0054]
  P1:ポリチオール化合物(B1)に由来するピーク
  P2:チオール基含有物質(B2)に由来するピーク

請求の範囲

[請求項1]
 ポリイソシアネート化合物(A)とポリチオール化合物(B1)とを含有する光学部材用重合性組成物において、
 前記光学部材用重合性組成物は、ポリイソシアネート化合物(A)を含む第1の組成物と、ポリチオール化合物(B1)とチオール基含有物質(B2)とを含む第2の組成物との混合物であり、
 下記条件で前記第2の組成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析したときに得られるクロマトグラムにおいて、ポリチオール化合物(B1)のピークの位置から3分以上後の保持時間の位置にピークを出現させるチオール基含有物質(B2)を更に含み、
 ポリイソシアネート化合物(A)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリイソシアネート化合物(A)の当量Aと、ポリチオール化合物(B1)の分子量及び官能基数を用いて算出される、ポリチオール化合物(B1)の当量B1との比で表される当量比(A/B1)が、80/100~95/100である、光学部材用重合性組成物。
・HPLCシステム:株式会社島津製作所製LC-30A
・カラム:YMC Triart C18(3-150mm、3μm)
・カラム温度:50℃
・移動相:0.1%ギ酸水溶液(A液)、アセトニトリル(B液)
・グラジエント溶出条件
(1)流速:0.3mL/min
(2)注入量:5μL
(3)検出波長:230nm
[請求項2]
 ポリチオール化合物(B1)が、2以上のスルフィド結合と、2以上のメルカプト基とを有するポリチオール化合物を含む、請求項1に記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項3]
 ポリチオール化合物(B1)が、2以上のスルフィド結合と、3以上のメルカプト基とを有するポリチオール化合物を含む、請求項1又は2に記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項4]
 ポリチオール化合物(B1)が、複数種類のポリチオール化合物の混合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項5]
 前記ポリチオール化合物(B1)が、
[1]2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアンと、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)との混合物、
[2]4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタンと、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)との混合物、及び、
[3]4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項6]
 前記チオール基含有物質(B2)は、前記クロマトグラムにおいて、保持時間が31~32分の位置にピークを出現させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項7]
 チオール基含有物質(B2)が、ポリチオール化合物(B1)が複数結合した構造を有するポリチオール化合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項8]
 前記第2の組成物の、チオール価から求めた純度が96.0%以下である、請求項1~7のいずれか一つに記載の光学部材用重合性組成物。
[請求項9]
 請求項1~8のいずれか1項に記載の光学部材用重合性組成物の重合物からなる光学部材。
[請求項10]
 最厚部の厚さが8.0mm以上である、請求項9に記載の光学部材。
[請求項11]
 請求項9又は10に記載の光学部材を含む眼鏡レンズ。
[請求項12]
 請求項9又は10に記載の光学部材の切削物を含む眼鏡レンズ。

図面

[ 図 1]   [規則26に基づく補充 04.06.2020]