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1. WO2020196826 - RESIN COMPOSITION AND RESIN SHEET

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明 細 書

発明の名称 樹脂組成物および樹脂シート

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

実施例

0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107  

産業上の利用可能性

0108   0109  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 樹脂組成物および樹脂シート

技術分野

[0001]
 本発明は樹脂組成物および樹脂シートに関し、電子素子、特に有機EL(Electroluminescence)素子等の発光素子、高輝度LED等の光半導体、太陽電池等の受光素子等の封止に好適な樹脂組成物および樹脂シートに関する。

背景技術

[0002]
 有機EL素子は発光材料に有機物質を使用した発光素子であり、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため近年脚光を浴びている。しかしながら、有機EL素子は水分に極めて弱く、発光材料(発光層)が水分によって変質して、輝度が低下したり、発光しなくなったり、電極と発光層との界面が水分の影響で剥離したり、金属が酸化して高抵抗化してしまったりする問題がある。このため、素子内部を外気中の水分から遮断するために、例えば、基板上に形成された発光層の全面を覆うように樹脂組成物によって封止層を形成して有機EL素子を封止することが行われる。
[0003]
 このような有機EL素子の封止用に適した樹脂組成物としては、樹脂組成物中に吸湿フィラーを含有させたものが知られている。例えば、特許文献1には、吸湿性の金属水酸化物を含む封止用樹脂組成物および支持体と当該封止用樹脂組成物により形成される樹脂組成物層とから構成される封止用シートが開示されている。また特許文献2には、樹脂組成物層として、吸湿フィラーを含む吸湿樹脂組成物層と吸湿フィラーを含まないかもしくは吸湿フィラー添加量の少ない保護樹脂組成物層とを含む有機EL素子の封止用に適したフィルムが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第2017/057708号
特許文献2 : 国際公開第2011/016408号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 これらの樹脂シートは吸湿性フィラーを含む吸湿性層により、外気中の水分を吸収し有機EL素子を水分から保護するものであるが、吸湿フィラーが捕捉した水分が、時間経過とともに有機EL素子に到達し、劣化を引き起こすという課題が新たに見いだされたため、有機EL素子等の高い水分遮蔽性を必要とする部位の封止用としては、必ずしも十分なものとは言えなかった。
[0006]
 本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、より高い水分遮蔽性を発揮し得る封止用に適した樹脂組成物および樹脂シートを提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究をした結果、熱可塑性樹脂に吸湿性フィラーおよび板状フィラーを配合しかつ含水率を所定の範囲とすることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の特徴を有するものを含む。
[1]下記の(A)~(C)成分:
 (A)熱可塑性樹脂;
 (B)吸湿性フィラー;および
 (C)板状フィラー
を含有し、含水率が1500ppm以下である、樹脂組成物。
[2](A)熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3](B)吸湿性フィラーの含有量が、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、10質量%以上80質量%以下である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4](C)板状フィラーの含有量が、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、10質量%以上80質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5](B)吸湿性フィラーと(C)板状フィラーとの質量比(吸湿性フィラー:板状フィラー)が、10:1~1:5である、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6](B)吸湿性フィラーが、半焼成ハイドロタルサイトである、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7](C)板状フィラーが、板状ガラス、未焼成ハイドロタルサイト、スメクタイトおよび合成フッ素金雲母から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8](C)板状フィラーの平均アスペクト比が2以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]支持体と、該支持体上に設けられた[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する樹脂シート。
[10]電子デバイスの封止用である、[9]に記載の樹脂シート。
[11]有機ELデバイスの封止用である、[9]に記載の樹脂シート。
[12][9]に記載の樹脂シートで封止されている、電子デバイス。
[13][9]に記載の樹脂シートで封止されている、有機ELデバイス。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、より高い水分遮蔽性を発揮し得、有機EL素子等の発光素子、高輝度LED等の光半導体、太陽電池等の受光素子等の封止用に適した樹脂組成物および樹脂シートを提供することができる。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
[樹脂組成物]
 本発明の樹脂組成物は、必須成分として、(A)熱可塑性樹脂、(B)吸湿性フィラーおよび(C)板状フィラーを含有し、含水率が1500ppm以下である。
[0010]
<(A)熱可塑性樹脂>
 本発明において使用する熱可塑性樹脂(以下、(A)成分ともいう)は、特に制限なく使用することができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、接着性、接着湿熱耐性の点で、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[0011]
(ポリオレフィン系樹脂)
 本発明で使用し得るポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンモノマー由来の骨格を有するものであれば特に限定されない。例えば、特許文献1および2に記載されているポリオレフィン系樹脂が、公知のものとして挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリイソブチレン樹脂が好ましい。これらポリオレフィン系樹脂は、単独重合体でもよく、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の共重合体でもよい。共重合体としては、2種以上のオレフィンの共重合体、およびオレフィンと非共役ジエン、スチレン等のオレフィン以外のモノマーとの共重合体が挙げられる。好ましい共重合体の例として、エチレン-非共役ジエン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン-非共役ジエン共重合体、スチレン-イソブチレン共重合体、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、国際公開2011/62167号に記載のイソブチレン変性樹脂、国際公開2013/108731号に記載のスチレン-イソブチレン変性樹脂等が好ましく用いられる。
[0012]
 ポリオレフィン系樹脂は、接着性、接着湿熱耐性等の優れた物性を付与する観点から、酸無水物基(即ち、カルボニルオキシカルボニル基(-CO-O-CO-))を有するポリオレフィン系樹脂および/またはエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。酸無水物基としては、例えば、無水コハク酸に由来する基、無水マレイン酸に由来する基、無水グルタル酸に由来する基等が挙げられる。酸無水物基は1種または2種以上を有することができる。酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂は、例えば、酸無水物基を有する不飽和化合物で、ポリオレフィン系樹脂をラジカル反応条件下にてグラフト変性することで得られる。また、酸無水物基を有する不飽和化合物を、オレフィン等とともにラジカル共重合するようにしてもよい。同様に、エポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する不飽和化合物で、ポリオレフィン系樹脂をラジカル反応条件下にてグラフト変性することで得られる。また、エポキシ基を有する不飽和化合物を、オレフィン等とともにラジカル共重合するようにしてもよい。ポリオレフィン系樹脂は1種または2種以上を使用でき、酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂およびエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂を併用してもよい。
[0013]
 酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂中の酸無水物基の濃度は、0.05~10mmol/gが好ましく、0.1~5mmol/gがより好ましい。酸無水物基の濃度はJIS K 2501の記載に従い、樹脂1g中に存在する酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数として定義される酸価の値より得られる。また、ポリオレフィン系樹脂中の酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂の量は、好ましくは0~70質量%、より好ましくは10~50質量%である。
[0014]
 また、エポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂中のエポキシ基の濃度は、0.05~10mmol/gが好ましく、0.1~5mmol/gがより好ましい。エポキシ基濃度はJIS K 7236-1995に基づいて得られるエポキシ当量から求められる。また、ポリオレフィン系樹脂中のエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂の量は、好ましくは0~70質量%、より好ましくは10~50質量%である。
[0015]
 ポリオレフィン系樹脂は、耐透湿性等の優れた物性を付与する観点から、特に酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂およびエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂の両方を含むことが好ましい。このようなポリオレフィン系樹脂は、酸無水物基とエポキシ基を加熱により反応させ架橋構造を形成し、耐透湿性等に優れた封止層を形成することができる。架橋構造形成は封止後に行うこともできるが、例えば有機EL素子等、封止対象が熱に弱いものである場合、封止フィルムを用いて封止し、該封止フィルムを製造する際に架橋構造を形成しておくのが望ましい。酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂とエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂の割合は適切な架橋構造が形成できれば特に限定されないが、エポキシ基と酸無水物基とのモル比(エポキシ基:酸無水物基)は、好ましくは100:10~100:200、より好ましくは100:50~100:150、特に好ましくは100:90~100:110である。
[0016]
 ポリオレフィン系樹脂の数平均分子量は、特に限定はされないが、樹脂組成物のワニスの良好な塗工性と樹脂組成物における他の成分との良好な相溶性をもたらすという観点から、1,000,000以下が好ましく、750,000以下がより好ましく、500,000以下がより一層好ましく、400,000以下がさらに好ましく、300,000以下がさらに一層好ましく、200,000以下が特に好ましく、150,000以下が最も好ましい。一方、樹脂組成物のワニスの塗工時のハジキを防止し、形成される樹脂組成物層の耐透湿性を発現させ、機械強度を向上させるという観点から、この数平均分子量は、1,000以上が好ましく、3,000以上がより好ましく、5,000以上がより一層好ましく、10,000以上がさらに好ましく、30,000以上がさらに一層好ましく、50,000以上が特に好ましい。なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として島津製作所社製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてトルエン等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
[0017]
 本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、ワニスの増粘による流動性の低下を抑制する観点から非晶性であるのが好ましい。ここで、非晶性とは、ポリオレフィン系樹脂が明確な融点を有しないことを意味し、例えば、ポリオレフィン系樹脂のDSC(示差走査熱量測定)で融点を測定した場合に明確なピークが観察されないものを使用することができる。
[0018]
 次に、ポリオレフィン系樹脂の具体例を説明する。ポリイソブチレン樹脂の具体例としては、BASF社製「オパノールB100」(粘度平均分子量:1,110,000)、BASF社製「B50SF」(粘度平均分子量:400,000)が挙げられる。
[0019]
 ポリブテン系樹脂の具体例としては、JXエネルギー社製「HV-1900」(ポリブテン、数平均分子量:2,900)、東邦化学工業社製「HV-300M」(無水マレイン酸変性液状ポリブテン(「HV-300」(数平均分子量:1,400)の変性品)、数平均分子量:2,100、酸無水物基を構成するカルボキシ基の数:3.2個/1分子、酸価:43.4mgKOH/g、酸無水物基濃度:0.77mmol/g)が挙げられる。
[0020]
 スチレン-イソブチレン共重合体の具体例としては、カネカ社製「SIBSTAR T102」(スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、数平均分子量:100,000、スチレン含量:30質量%)、星光PMC社製「T-YP757B」(無水マレイン酸変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、酸無水物基濃度:0.464mmol/g、数平均分子量:100,000)、星光PMC社製「T-YP766」(グリシジルメタクリレート変性スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、エポキシ基濃度:0.638mmol/g、数平均分子量:100,000)、星光PMC社製「T-YP8920」(無水マレイン酸変性スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体、酸無水物基濃度:0.464mmol/g、数平均分子量:35,800)、星光PMC社製「T-YP8930」(グリシジルメタクリレート変性スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体、エポキシ基濃度:0.638mmol/g、数平均分子量:48,700)が挙げられる。
[0021]
 ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂の具体例としては、三井化学社製「EPT X-3012P」(エチレン-プロピレン-5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、三井化学社製「EPT1070」(エチレン-プロピレン-ジシクロペンタジエン共重合体)、三井化学社製「タフマーA4085」(エチレン-ブテン共重合体)が挙げられる。
[0022]
 プロピレン-ブテン系共重合体の具体例としては、星光PMC社製「T-YP341」(グリシジルメタクリレート変性プロピレン-ブテンランダム共重合体、プロピレン単位とブテン単位の合計100質量%あたりのブテン単位の量:29質量%、エポキシ基濃度:0.638mmol/g、数平均分子量:155,000)、星光PMC社製「T-YP279」(無水マレイン酸変性プロピレン-ブテンランダム共重合体、プロピレン単位とブテン単位の合計100質量%あたりのブテン単位の量:36質量%、酸無水物基濃度:0.464mmol/g、数平均分子量:35,000)、星光PMC社製「T-YP276」(グリシジルメタクリレート変性プロピレン-ブテンランダム共重合体、プロピレン単位とブテン単位の合計100質量%あたりのブテン単位の量:36質量%、エポキシ基濃度:0.638mmol/g、数平均分子量:57,000)、星光PMC社製「T-YP312」(無水マレイン酸変性プロピレン-ブテンランダム共重合体、プロピレン単位とブテン単位の合計100質量%あたりのブテン単位の量:29質量%、酸無水物基濃度:0.464mmol/g、数平均分子量:60,900)、星光PMC社製「T-YP313」(グリシジルメタクリレート変性プロピレン-ブテンランダム共重合体、プロピレン単位とブテン単位の合計100質量%あたりのブテン単位の量:29質量%、エポキシ基濃度:0.638mmol/g、数平均分子量:155,000)、星光PMC社製「T-YP429」(無水マレイン酸変性エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン単位とメチルメタクリレート単位の合計100質量%あたりのメチルメタクリレート単位の量:32質量%、酸無水物基濃度:0.46mmol/g、数平均分子量:2,300)、星光PMC社製「T-YP430」(無水マレイン酸変性エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン単位とメチルメタクリレート単位の合計100質量%あたりのメチルメタクリレート単位の量:32質量%、酸無水物基濃度:1.18mmol/g、数平均分子量:4,500)、星光PMC社製「T-YP431」(グリシジルメタクリレート変性エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エポキシ基濃度:0.64mmol/g、数平均分子量:2,400)、星光PMC社製「T-YP432」(グリシジルメタクリレート変性エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エポキシ基濃度:1.63mmol/g、数平均分子量:3,100)が挙げられる。
[0023]
 本発明の樹脂組成物中の(A)成分の含有量は特に制限はない。しかし、良好な塗工性と相溶性をもたらし、良好な湿熱耐性と取り扱い性(タック抑制)を確保できるという観点から、該含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がより一層好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、55質量%以下がさらに一層好ましく、50質量%以下が特に好ましい。一方、耐透湿性を向上させ、透明性も向上させるという観点から、該含有量は、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がより一層好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに一層好ましく、35質量%以上が特に好ましく、40質量%以上が最も好ましい。
[0024]
<(B)吸湿性フィラー>
 本発明において使用する吸湿性フィラー(以下、(B)成分ともいう)は、吸湿性を有するフィラーであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、焼成ハイドロタルサイト等の金属酸化物、半焼成ハイドロタルサイト等の層状金属水酸化物などが挙げられる。吸湿性フィラーとしては、焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイト、酸化カルシウムが好ましく、特に半焼成ハイドロタルサイトが好ましい。半焼成ハイドロタルサイトは吸湿性能に優れるものの、捕捉水分による有機EL素子の劣化の問題も顕著であるが、本発明においては、板状フィラーにより捕捉水分の有機EL素子への到達が抑制されるため、半焼成ハイドロタルサイトの吸湿性能が十分生かされることにより、水分遮蔽性の観点から特に好ましい樹脂組成物を得ることができる。これらの吸湿性フィラーは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明における吸湿性フィラーは、後掲で定義される飽和吸水率が、1質量%以上のフィラーである。
[0025]
 未焼成ハイドロタルサイトは、例えば、天然ハイドロタルサイト(Mg Al (OH) 16CO ・4H O)に代表されるような層状の結晶構造を有する金属水酸化物であり、例えば、基本骨格となる層[Mg 1-XAl (OH) X+と中間層[(CO X/2・mH O] X-からなる。本発明における未焼成ハイドロタルサイトは、合成ハイドロタルサイト等のハイドロタルサイト様化合物を含む概念である。ハイドロタルサイト様化合物としては、例えば、下記式(I)および下記式(II)で表されるものが挙げられる。
[0026]
 [M 2+ 1-x3+x(OH) x+・[(A n-x/n・mH O] x-   (I)
(式中、M 2+はMg 2+、Zn 2+などの2価の金属イオンを表し、M 3+はAl 3+、Fe 3+などの3価の金属イオンを表し、A n-はCO 2-、Cl 、NO などのn価のアニオンを表し、0<x<1であり、0≦m<1であり、nは正の数である。)
 式(I)中、M 2+は、好ましくはMg 2+であり、M 3+は、好ましくはAl 3+であり、A n-は、好ましくはCO 2-である。
[0027]
 M 2+ Al (OH) 2x+6-nz(A n-・mH O   (II)
(式中、M 2+はMg 2+、Zn 2+などの2価の金属イオンを表し、A n-はCO 2-、Cl 、NO 3-などのn価のアニオンを表し、xは2以上の正の数であり、zは2以下の正の数であり、mは正の数であり、nは正の数である。)
 式(II)中、M 2+は、好ましくはMg 2+であり、A n-は、好ましくはCO 2-である。
[0028]
 半焼成ハイドロタルサイトは、未焼成ハイドロタルサイトを焼成して得られる、層間水の量が減少または消失した層状の結晶構造を有する金属水酸化物をいう。「層間水」とは、組成式を用いて説明すれば、上述した未焼成の天然ハイドロタルサイトおよびハイドロタルサイト様化合物の組成式に記載の「H O」を指す。
[0029]
 一方、焼成ハイドロタルサイトは、未焼成ハイドロタルサイトまたは半焼成ハイドロタルサイトを焼成して得られ、層間水だけでなく、水酸基も縮合脱水によって消失した、アモルファス構造を有する金属酸化物をいう。
[0030]
 未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトおよび焼成ハイドロタルサイトは、飽和吸水率により区別することができる。半焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、1質量%以上20質量%未満である。一方、未焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、1質量%未満であり、焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、20質量%以上である。
[0031]
 本発明における「飽和吸水率」とは、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトまたは焼成ハイドロタルサイトを天秤にて1.5g量り取り、初期質量を測定した後、大気圧下、温度60℃、相対湿度90%に設定した小型環境試験器(エスペック社製SH-222)に200時間静置した場合の、初期質量に対する質量増加率を言い、下記式(i):
 飽和吸水率(質量%)
=100×(吸湿後の質量-初期質量)/初期質量   (i)
で求めることができる。
[0032]
 半焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、好ましくは3質量%以上20質量%未満、より好ましくは5質量%以上20質量%未満である。
[0033]
 また、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトおよび焼成ハイドロタルサイトは、熱重量分析で測定される熱重量減少率により区別することができる。半焼成ハイドロタルサイトの280℃における熱重量減少率は15質量%未満であり、かつその380℃における熱重量減少率は12質量%以上である。一方、未焼成ハイドロタルサイトの280℃における熱重量減少率は、15質量%以上であり、焼成ハイドロタルサイトの380℃における熱重量減少率は、12質量%未満である。
[0034]
 熱重量分析は、日立ハイテクサイエンス社製TG/DTA EXSTAR6300を用いて、アルミニウム製のサンプルパンにハイドロタルサイトを5mg秤量し、蓋をせずオープンの状態で、窒素流量200mL/分の雰囲気下、30℃から550℃まで昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。熱重量減少率は、下記式(ii):
 熱重量減少率(質量%)
=100×(加熱前の質量-所定温度に達した時の質量)/加熱前の質量   (ii)
で求めることができる。
[0035]
 また、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトおよび焼成ハイドロタルサイトは、粉末X線回折で測定されるピークおよび相対強度比により区別することができる。半焼成ハイドロタルサイトは、粉末X線回折により2θが8~18°付近に二つにスプリットしたピーク、または二つのピークの合成によりショルダーを有するピークを示し、低角側に現れるピークまたはショルダーの回折強度(=低角側回折強度)と、高角側に現れるピークまたはショルダーの回折強度(=高角側回折強度)の相対強度比(低角側回折強度/高角側回折強度)は、0.001~1,000である。一方、未焼成ハイドロタルサイトは8~18°付近で一つのピークしか有しないか、または低角側に現れるピークまたはショルダーと高角側に現れるピークまたはショルダーの回折強度の相対強度比が前述の範囲外となる。焼成ハイドロタルサイトは8°~18°の領域に特徴的ピークを有さず、43°に特徴的なピークを有する。粉末X線回折測定は、粉末X線回折装置(PANalytical社製、Empyrean)により、対陰極CuKα(1.5405Å)、電圧:45V、電流:40mA、サンプリング幅:0.0260°、走査速度:0.0657°/s、測定回折角範囲(2θ):5.0131~79.9711°の条件で行った。ピークサーチは、回折装置付属のソフトウエアのピークサーチ機能を利用し、「最小有意度:0.50、最小ピークチップ:0.01°、最大ピークチップ:1.00°、ピークベース幅:2.00°、方法:2次微分の最小値」の条件で行うことができる。
[0036]
 ハイドロタルサイトのBET比表面積は、1~250m /gが好ましく、5~200m /gがより好ましい。ハイドロタルサイトのBET比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(Macsorb HM Model 1210 マウンテック社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
[0037]
 ハイドロタルサイトの平均粒子径は、1~1,000nmが好ましく、10~800nmがより好ましい。ハイドロタルサイトの平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定(JIS Z 8825)により粒度分布を体積基準で作成したときの該粒度分布のメディアン径である。
[0038]
 ハイドロタルサイトは、表面処理剤で表面処理したものを用いることができる。表面処理に使用する表面処理剤としては、例えば、高級脂肪酸、アルキルシラン類、シランカップリング剤等を使用することができ、なかでも、高級脂肪酸、アルキルシラン類が好適である。表面処理剤は、1種または2種以上を使用できる。
[0039]
 高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、モンタン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの炭素数18以上の高級脂肪酸が挙げられ、中でも、ステアリン酸が好ましい。これらは、1種または2種以上を使用できる。
[0040]
 アルキルシラン類としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n-オクタデシルジメチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用できる。
[0041]
 シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランおよび11-メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランおよびN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3-ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3-イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を使用できる。
[0042]
 ハイドロタルサイトの表面処理は、例えば、未処理のハイドロタルサイトを混合機で常温にて攪拌分散させながら、表面処理剤を添加噴霧して5~60分間攪拌することによって行なうことができる。混合機としては、公知の混合機を使用することができ、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサーおよびコンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル、カッターミル等が挙げられる。又、ボールミルなどでハイドロタルサイトを粉砕する際に、前記の高級脂肪酸、アルキルシラン類またはシランカップリング剤を添加し、表面処理を行うこともできる。表面処理剤の使用量は、ハイドロタルサイトの種類または表面処理剤の種類等によっても異なるが、表面処理されていないハイドロタルサイト100質量部に対して1~10質量部が好ましい。本発明においては、表面処理されたハイドロタルサイトも、本発明における「ハイドロタルサイト」に包含される。
[0043]
 本発明の樹脂組成物における(B)成分の含有量は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されるものではないが、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは10質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上質量75%以下であり、さらにより好ましくは20質量%以上70質量%以下である。(B)成分の含有量が10質量%以上であると、吸湿性能をより効果的に発揮させることができる。また、(B)成分の含有量を80質量%以下とすることで、フィルム化時の製膜性や、樹脂組成物の接着性能、表面平滑性などをより向上させることができる。
[0044]
<(C)板状フィラー>
 本発明において使用する板状フィラー(以下、(C)成分ともいう)は、板状であり、本発明の効果が発揮されれば特に限定されるものではないが、本発明における(C)板状フィラーには、(B)吸湿性フィラーは含まれない。すなわち、本発明における(C)板状フィラーは、飽和吸水率が1質量%未満の板状のフィラーである。(C)板状フィラーとしては、例えば、板状ガラス(Aガラス、Cガラス、Eガラス等)、未焼成ハイドロタルサイト、層状ケイ酸塩鉱物などが挙げられる。層状ケイ酸塩鉱物としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト、マイカなどが挙げられる。マイカの中では、透明性を優れるものにするという観点から、合成フッ素金雲母が好ましい。板状フィラーは、アスペクト比が高く水分遮断性を発揮し、かつ透明性に優れる点で、板状ガラス、未焼成ハイドロタルサイト、スメクタイトおよび合成フッ素金雲母が好ましい。これらの板状フィラーは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0045]
 本発明の樹脂組成物における(C)成分の含有量は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されるものではないが、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは10質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは質量30%以上70質量%以下である。(C)成分の含有量を10質量%以上とすることで、水分遮断性の効果をより効果的に発揮させることができる。また、(C)成分の含有量を80質量%以下とすることで、フィルム化時の製膜性や、樹脂組成物の接着性能、表面平滑性などをより向上させることができる。
[0046]
 板状フィラーは、その平均アスペクト比(平均粒子径/平均厚さ)が、好ましくは2以上であり、より好ましくは5以上である。平均アスペクト比を2以上とすることで、低透湿性能をより効果的に発揮させることができる。
[0047]
 板状フィラーの平均厚さは、好ましくは0.01~20μm、より好ましくは0.05~10μmである。
[0048]
 板状フィラーの平均厚さは、以下の方法で測定される。
 走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、100個の粒子につき、それぞれの厚さを測定し、それら測定値を平均することにより求める。この場合、個々の粒子を走査型電子顕微鏡で観察して測定しても良いし、フィラー(粒子群)を樹脂に充填して成形し、その成形体を破断し、その破断面を観察して測定しても良い。いずれの測定方法においても、粒子の断面(厚さ面)が走査型電子顕微鏡の照射電子線軸に垂直になるように、走査型電子顕微鏡の試料台を試料台微動装置により調整する。
[0049]
 板状フィラーの平均粒子径は、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上がさらに好ましい。また、透明性の観点から200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
[0050]
 板状フィラーの平均粒子径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置により、フィラーの粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。測定サンプルは、フィラーを超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製LA-500等を使用することができる。
[0051]
 本発明の樹脂組成物における吸湿性フィラーと板状フィラーとの質量比(吸湿性フィラー:板状フィラー)は、本発明の効果が発揮されれば特に限定されるものではないが、高い水分遮蔽性の観点から、好ましくは10:1~1:5であり、より好ましくは8:1~1:4であり、さらに好ましくは5:1~1:2.5である。
[0052]
 本発明の樹脂組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、上記吸湿性フィラーおよび板状フィラー以外のフィラーを含んでいてもよい。吸湿性フィラーおよび板状フィラー以外のフィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ケイ酸塩等の無機フィラー、ゴム粒子、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素樹脂パウダー等の有機フィラーが挙げられる。吸湿性フィラーおよび板状フィラー以外のフィラーの含有量は、吸湿性フィラーおよび板状フィラーの合計量を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以下であり、より好ましく30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに一層好ましくは10質量%以下である。
[0053]
<(D)粘着付与剤>
 本発明の樹脂組成物は、さらに粘着付与剤(以下、(D)成分ともいう)を含有していてもよい。粘着付与剤は、タッキファイヤーとも呼ばれ、可塑性高分子に配合して粘着性を付与させる樹脂である。粘着付与剤としては、特に限定されるものではなく、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂(水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノール共重合樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等)、クマロン樹脂、インデン樹脂、石油樹脂(脂肪族系石油樹脂、水添脂環式石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物等)が好ましく使用される。
[0054]
 粘着付与剤として使用できる市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。テルペン樹脂として、YSレジンPX、YSレジンPXN(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、芳香族変性テルペン樹脂として、YSレジンTO、TRシリーズ(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、水素添加テルペン樹脂として、クリアロンP、クリアロンM、クリアロンKシリーズ(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、テルペンフェノール共重合樹脂として、YSポリスター2000、ポリスターU、ポリスターT、ポリスターS、マイティエースG(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、水添脂環式石油樹脂として、Escorez5300シリーズ、5600シリーズ(いずれもエクソンモービル社製)等が挙げられ、芳香族系石油樹脂としてENDEX155(イーストマン社製)等が挙げられ、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂としてQuintoneD100(日本ゼオン社製)等が挙げられ、脂環族系石油樹脂としてQuintone1325、Quintone1345(いずれも日本ゼオン社製)等が挙げられ、飽和炭化水素樹脂としてアルコンP100、アルコンP125、アルコンP140、TFS13-030(いずれも荒川化学社製)等が挙げられる。
[0055]
 粘着付与剤の軟化点は、樹脂組成物シートの積層工程でシートが軟化し、かつ所望の耐熱性を持つという観点から、50~200℃が好ましく、90~180℃がより好ましく、100~150℃がさらに好ましい。なお、軟化点の測定は、JIS K2207に従い環球法により測定される。
[0056]
 粘着付与剤は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。樹脂組成物中の粘着付与剤の含有量は特に制限はない。しかし、樹脂組成物の良好な耐透湿性を維持するという観点から、粘着付与剤を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下が特に好ましい。一方、十分な接着性を有するという観点から、粘着付与剤を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。
[0057]
 なかでも、樹脂組成物の接着性、耐透湿性、透明性等の観点から、石油樹脂が好ましい。石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂等が挙げられる。なかでも、樹脂組成物の接着性、耐透湿性、相溶性等の観点から、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂がより好ましい。また透明性を良好にする観点から、脂環族系石油樹脂が特に好ましい。脂環族系石油樹脂は芳香族系石油樹脂を水素添加処理したものを用いることもできる。この場合、脂環族系石油樹脂の水素化率は30~99%が好ましく、40~97%がより好ましく、50~90%がさらに好ましい。水素化率が低すぎると、着色により透明性が低下する問題が生じる傾向にあり、水素化率が高すぎると生産コストが上昇する傾向となる。水素化率は水素添加前と水素添加後の芳香環の水素の H-NMRのピーク強度の比から求めることができる。脂環族系石油樹脂としては、特にシクロヘキサン環含有水素化石油樹脂、ジシクロペンタジエン系水素化石油樹脂が好ましい。石油樹脂は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。石油樹脂の数平均分子量Mnは100~2,000が好ましく、700~1,500がより好ましく、500~1,000がさらに好ましい。
[0058]
<(E)硬化剤>
 本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化性能を向上させる観点から、さらに硬化剤(以下、(E)成分ともいう)を含有していてもよい。硬化剤としては、特に限定はされないが、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスホニウム系硬化剤、フェノール系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0059]
 アミン系硬化剤としては、特に制限はないが、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩;DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7)、DBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5)、DBU-フェノール塩、DBU-オクチル酸塩、DBU-p-トルエンスルホン酸塩、DBU-ギ酸塩、DBU-フェノールノボラック樹脂塩等のジアザビシクロ化合物;ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアミノメチル)フェノール(TAP)等の3級アミンおよびそれらの塩、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、芳香族ジメチルウレア等のジメチルウレア化合物;等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0060]
 グアニジン系硬化剤としては、特に制限はないが、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0061]
 イミダゾール系硬化剤としては、特に制限はないが、1H-イミダゾール、2-メチル-イミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチルー2-エチル-4-メチル-イミダゾール、2-フェニル-4,5-ビス(ヒドロキシメチル)-イミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-イミダゾール、2-ドデシル-イミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチル-イミダゾール等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0062]
 ホスホニウム系硬化剤としては、特に制限はないが、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0063]
 フェノール系硬化剤の種類は、特に制限はないが、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤、トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤、MEH-7700、MEH-7810、MEH-7851(明和化成社製)、NHN、CBN、GPH(日本化薬社製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(新日鉄住金化学社製)、TD2090(DIC社製)等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤の具体例としては、LA3018(DIC社製)等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤の具体例としては、LA7052、LA7054、LA1356(DIC社製)等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0064]
 本発明の樹脂組成物中の硬化剤の含有量は特に制限はない。しかし、耐透湿性の低下を防止するという観点から、硬化剤を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。一方、タックを抑制させるという観点から、硬化剤を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
[0065]
<(F)エポキシ基と反応し得る官能基を有する樹脂>
 本発明の樹脂組成物において、(A)成分としてエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂を用いる場合、(A)成分と架橋構造を形成するための成分として、(F)エポキシ基と反応し得る官能基を有する樹脂(以下「(F)成分」と略称することがある)を使用するのが望ましい。エポキシ基と反応し得る官能基としては、水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基および酸無水物基等が挙げられ、酸無水物基が好ましい。酸無水物基としては、例えば、無水コハク酸に由来する基、無水マレイン酸に由来する基、無水グルタル酸に由来する基等が挙げられる。樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(但し、(A)成分である酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂を除く)、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。(F)成分であるポリオレフィン系樹脂としては、官能基として、酸無水物基ではなく、水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基等を有すること以外は、上述した(A)成分と同様のポリオレフィン系樹脂が挙げられ、ポリブテンが好ましい。
[0066]
 本発明の樹脂組成物中の(F)成分の含有量は特に制限はない。しかし、耐透湿性の低下を防止するという観点から、(F)成分を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。一方、タックを抑制させるという観点から、(F)成分を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
[0067]
<(G)酸無水物基と反応し得る官能基を有する樹脂>
 本発明の樹脂組成物において、(A)成分として酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂を用いる場合、(A)成分と架橋構造を形成するための成分として、(G)酸無水物基と反応し得る官能基を有する樹脂(以下「(G)成分」と略称することがある)を使用するのが望ましい。酸無水物基と反応し得る官能基としては、水酸基、1級または2級のアミノ基、チオール基、エポキシ基、オキセタン基等が挙げられ、エポキシ基が好ましい。樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(但し、(A)成分であるエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂を除く)、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。(G)成分であるポリオレフィン系樹脂としては、官能基として、エポキシ基ではなく、水酸基、1級または2級のアミノ基、チオール基、エポキシ基、オキセタン基等を有すること以外は、上述した(A)成分と同様のポリオレフィン系樹脂が挙げられ、ポリブテンが好ましい。
[0068]
 本発明の樹脂組成物中の(G)成分の含有量は特に制限はない。しかし、耐透湿性の低下を防止するという観点から、(G)成分を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。一方、タックを抑制させるという観点から、(G)成分を使用する場合、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
[0069]
<(H)可塑剤>
 本発明の樹脂組成物は、さらに(H)可塑剤(以下「(H)成分」と略称することがある)を含んでいてもよい。(H)成分を使用することにより、樹脂組成物の柔軟性や成形性を向上させることができる。(H)成分としては、特に限定はされないが、室温で液状の材料が好適に用いられる。可塑剤の具体例としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ワセリン等の鉱物油、ヒマシ油、綿実油、菜種油、大豆油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油等の植物油、液状ポリブテン、水添液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン等の液状ポリαオレフィン類等が挙げられる。本発明に使用する可塑剤としては、液状ポリαオレフィン類が好ましく、特に液状ポリブタジエンが好ましい。また液状ポリαオレフィンとしては接着性の観点から分子量が低いものが好ましく、重量平均分子量で500~5,000、さらには1,000~3,000の範囲のものが好ましい。これら可塑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、ここで「液状」とは、室温(25℃)での可塑剤の状態である。(H)成分を使用する場合、有機EL素子に悪影響を及ぼさないという観点から、その含有量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、50質量%以下が好ましい。
[0070]
<その他の添加剤>
 本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない程度に、上述した成分以外の各種添加剤を任意で含有させてもよい。このような添加剤としては、例えば、上述した(A)成分、(F)成分および(G)成分以外の樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等);オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコン系、フッ素系、高分子系の消泡剤またはレベリング剤;トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤;等を挙げることができる。
[0071]
<含水率>
 本発明の樹脂組成物は、含水率が1500ppm以下である。含水率は、好ましくは1450ppm以下であり、より好ましくは1400ppm以下である。含水率が1500ppmを超えると、高い水分遮蔽性を発揮し難くなる。なお、含水率は、以下の実施例に記載の方法に従って算出することができる。
[0072]
<感圧性接着剤>
 本発明の樹脂組成物は、感圧性接着剤であることが好ましい。感圧性接着剤とは、常温で比較的短時間圧力を加えるだけで接着する接着剤を意味し、当業者によく知られている。また、本発明の樹脂組成物は、(D)粘着付与剤を含み、粘着性を有する感圧性接着剤であることがより好ましい。
[0073]
<樹脂組成物の製造方法>
 本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合する方法などが挙げられる。
[0074]
<用途>
 本発明の樹脂組成物は、例えば、EL素子(有機、無機)、高輝度LED素子、太陽電池セル等の発光素子や受光素子を有する光半導体デバイスの光透過部位や光取出し部位の透明部材として使用される。例えば、本発明の樹脂組成物から得られるフィルム状の硬化体をそのまま光透過部位や光取出し部位を形成する透明パネル等として使用することができる。一般に「パネル」との用語は比較的硬度(剛性)が高い製品に対して使用され、「フィルム」や「シート」との用語は比較的硬度(剛性)の低い製品に使用される傾向があり、ここでいう「パネル」も比較的硬度(剛性)が高い製品という意味である。
[0075]
 本発明の樹脂組成物をフィルム状に成形する場合、例えば、樹脂組成物の成分と有機溶剤を、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合することで調製したワニス(樹脂組成物ワニス)を、離型処理した支持体上に塗布し、公知の機器を用いた加熱(熱風吹きつけ等)及び/または減圧処理によって、支持体上に塗布したワニスから有機溶剤を除去することで、フィルム状に成形された樹脂組成物が得られる(以下、「フィルム状樹脂組成物」ともいう)。
[0076]
 離型処理した支持体の支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;シクロオレフィンポリマー;ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミドなどのプラスチックフィルム(好ましくは、PETフィルム)や、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔が使用される。離型処理した支持体の離型処理としては、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。
[0077]
 樹脂組成物ワニスの固形分は、好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%である。
[0078]
 樹脂組成物ワニスから有機溶剤を除去するための加熱の条件に特に制限はないが、通常50~130℃程度で2~10分程度が好適である。
[0079]
 有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等を挙げることができる。かかる有機溶剤はいずれか1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[0080]
 フィルム状の樹脂組成物の厚さは、フィルム状の樹脂組成物を適用する装置や適用箇所によっても異なるが、好ましく1~1000μm、より好ましくは2~800μmの範囲である。
[0081]
 支持体上に形成されたフィルム状の樹脂組成物は、樹脂組成物を硬化する迄、保護のために、保護フィルムで保護しておくのが好ましく、例えば、支持体上に形成されたフィルム状の樹脂組成物に、公知の機器を使用して、離型処理した保護フィルムを積層しておくことができる。保護フィルムの積層に使用する機器としては、例えば、ロールラミネーター、プレス機、真空加圧式ラミネーター等が挙げられる。
[0082]
 離型処理した保護フィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;シクロオレフィンポリマー;ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミドなどのプラスチックフィルム(好ましくは、PETフィルム)、或いは、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔からなる支持体に、離型処理を施したものが使用される。離型処理には、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。
[0083]
<樹脂シート>
 本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた本発明の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する。
[0084]
<電子デバイス>
 本発明の樹脂シートで電子素子が封止された電子デバイスは、例えば、基板上の電子素子上に本発明の樹脂シートを積層することによって製造することができる。
実施例
[0085]
 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、成分および共重合単位の量における「部」および「%」は、特に断りがない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
 実施例及び比較例で用いた材料を以下に示す。
[0086]
(A)成分
「HV-1900」(JXエネルギー社製):ポリブテン、数平均分子量2,900
「HV-300M」(東邦化学工業社製):無水マレイン酸変性液状ポリブテン、酸無水物基濃度0.77mmol/g、数平均分子量2,100
「T-YP341」(星光PMC社製):グリシジルメタクリレート変性プロピレン-ブテンランダム共重合体(スワゾール溶液、固形分20%)、プロピレン単位/ブテン単位71%/29%、エポキシ基濃度0.638mmol/g、数平均分子量155,000
(B)成分
「DHT-4C」(協和化学社製):半焼成ハイドロタルサイト、平均粒子径400nm、BET比表面積15m /g
(C)成分
「PDM-5B」(トピー工業社製):合成フッ素金雲母、平均粒子径5μm、平均アスペクト比40
「FTD010-F01」(日本板硝子社製):板状ガラスフィラー、平均粒子径10μm、平均アスペクト比25
(D)成分
「アルコンP125」(荒川化学社製):シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂、軟化点125℃
(E)成分
2,4,6-トリス(ジアミノメチル)フェノール(以下「TAP」と略記する。)(化薬アクゾ社製):アミン系硬化剤
[0087]
<実施例1>
 下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125、荒川化学社製)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、東邦化学工業社製)、ポリブテン(HV-1900、JXエネルギー社製)、半焼成ハイドロタルサイト(吸湿性フィラー;DHT-4C、協和化学社製)および合成フッ素金雲母(板状フィラー;PDM-5B、トピー工業社製)を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、グリシジルメタクリレート変性プロピレン-ブテンランダム共重合体(T-YP341、星光PMC社製、スワゾール溶液、固形分20%)、アミン系硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを、シリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム「SP4020」(PET:50μm:東洋クロス社製商品名)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で30分間加熱することにより、厚さ25μmの樹脂組成物層を有する樹脂シートを得たのち、150℃で24時間乾燥した。
[0088]
<実施例2>
 合成フッ素金雲母(板状フィラー;PDM-5B、トピー工業社製)の代わりに板状ガラスフィラー(FTD010-F01、日本板硝子社製)を使用したこと以外は実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0089]
<実施例3>
 合成フッ素金雲母(板状フィラー;PDM-5B、トピー工業社製)の使用量を100部から50部に変えたこと以外は実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0090]
<実施例4>
 合成フッ素金雲母(板状フィラー;PDM-5B、トピー工業社製)の使用量を100部から150部に変えたこと以外は実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0091]
<比較例1>
 下記表1に示す配合比のワニスを以下の手順で調製した。シクロヘキサン環含有飽和炭化水素樹脂(粘着付与剤;アルコンP125)を固形分60%となるようにスワゾールに溶解させたものに、無水マレイン酸変性液状ポリブテン(HV-300M、東邦化学工業社製)、ポリブテン(HV-1900、JXエネルギー社製)および半焼成ハイドロタルサイト(吸湿性フィラー;DHT-4C、協和化学社製)を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、グリシジルメタクリレート変性プロピレン-ブテンランダム共重合体(T-YP341、星光PMC社製、スワゾール溶液、固形分20%)、アニオン重合型硬化剤(TAP、化薬アクゾ社製)およびトルエンを配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを、シリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム「SP4020」(PET:50μm:東洋クロス社製商品名)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で30分間加熱することにより、厚さ25μmの樹脂組成物層を有する樹脂シートを得たのち、150℃で24時間乾燥した。
[0092]
<比較例2>
 半焼成ハイドロタルサイト(吸湿性フィラー;DHT-4C、協和化学社製)の代わりに合成フッ素金雲母(板状フィラー;PDM-5B、トピー工業社製)を使用したこと以外は比較例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0093]
<比較例3>
 半焼成ハイドロタルサイト(吸湿性フィラー;DHT-4C、協和化学社製)の代わりに板状ガラスフィラー(FTD010-F01、日本板硝子社製)を使用したこと以外は比較例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0094]
<比較例4>
 150℃で24時間乾燥を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0095]
<比較例5>
 150℃で24時間乾燥を行わなかったこと以外は実施例2と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0096]
<比較例6>
 150℃で24時間乾燥の代わりに150℃で1時間乾燥したこと以外は実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物のワニスおよび樹脂シートを作製した。
[0097]
<全光線透過率の評価>
 実施例および比較例で作製した樹脂シートを長さ50mmおよび幅20mmにカットし、カットした樹脂シートをガラス板(長さ76mm、幅26mmおよび厚さ1.2mmのマイクロスライドガラス(松浪ガラス工業社製白スライドグラスS1112 縁磨No.2)にバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V-160)を用いてラミネートした。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。その後、樹脂シートのPETフィルムを剥離し、露出した硬化した樹脂組成物層の光透過率スペクトルを、φ80mm積分球(型名SRS-99-010、反射率99%)を装着したファイバー式分光光度計(MCPD-7700、形式311C、大塚電子社製、外部光源ユニット:ハロゲンランプMC-2564(24V、150W仕様))を用いて測定し、波長450nmでの全光線透過率(%)を算出し、以下の基準で評価した。なお、積分球とサンプル(積層体)の距離を0mmとし、リファレンスとしてはガラスを用いた。
 良好(○):90%以上
 不良(×):90%未満
[0098]
<Ca封止性能測定>
[0099]
 無アルカリガラス50mm×50mm角を煮沸したイソプロピールアルコールで5分間洗浄し、150℃において30分以上乾燥した。洗浄後に、UVオゾン洗浄を実施した。当該ガラスを用い、端部からの距離を2mmとしたマスクを使用し、カルシウム(純度99.8%)を蒸着した(厚さ200nm)。実施例および比較例で作製したフィルムをアルミ箔/PET複合フィルム「PET付AL1N30」(アルミ箔:30μm、PET:25μm:東海東洋アルミ販売社製商品名)に貼合し、グローブボックス内で熱ラミネーター(フジプラ社製、ラミパッカーDAiSY A4(LPD2325))を用いてカルシウムを蒸着した無アルカリガラスと貼り合わせ、評価用サンプルを得た。
[0100]
 カルシウムが水と接触して酸化カルシウムになると、透明になる。そのため、評価用サンプルへの水分侵入は、評価用サンプルの端部からカルシウム膜までの封止距離X(mm)を測定することによって評価できる。
[0101]
 まず、評価用サンプルの端部からカルシウム膜までの封止距離をミツトヨ社製 Measuring Microscope MF-Uにより測定し、この値をX2とした。
[0102]
 次いで、温度85℃および相対湿度85%RHに設定した恒温恒湿槽に評価用サンプルを投入した。恒温恒湿槽への投入後の評価用サンプルの端部からカルシウム膜までの封止距離X1(mm)が、恒温恒湿槽への投入前の評価用サンプルの端部からカルシウム膜までの封止距離X2(mm)よりも0.1mm増加した時間で評価用サンプルを恒温恒湿槽から取り出し、その時間を減少開始時間t(時間)とした。
[0103]
 以下のフィックの拡散式:
 X1=K√t
(式中、X1は、恒温恒湿槽への投入後の評価用サンプルの端部からカルシウム膜までの封止距離(mm)であり、tは、X1=X2+0.1となる減少開始時間(時間)であり、X2は恒温恒湿槽への投入前の評価用サンプルの端部からカルシウム膜までの封止距離(mm)である。)
に基づき、定数Kを算出した。
[0104]
 得られたKを用いて、Xが2mmとなる時間をカルシウム膜への水分侵入開始時間として算出した。なお、水分遮断性が高いほど水分の侵入速度を遅らせることができ、この水分侵入開始時間は長くなる。
 良好(○):120時間以上
 不良(×):120時間以下
[0105]
<含水率測定>
 実施例および比較例で作製した樹脂シートを長さ70mmおよび幅40mmにカットし、よく乾燥した石英製容器に折りたたんで入れ、カールフィッシャー測定器(CA100型、三菱化学製)に直結した電気炉(VA-21型、三菱化学製)に入れた。N 気流中、電気炉の温度を250℃まで昇温し、測定試料から脱離した水をカールフィッシャー測定液に捕集し、定法にて水の絶対量を測定した。測定試料の質量に対する水の絶対量の割合を、含水率(ppm)として算出した。
[0106]
 下記表1に実施例及び比較例の樹脂組成物の構成と試験結果を示す。
 表1から、本発明の樹脂組成物は、より高い水分遮蔽性を発揮し得るものであることが分かる。
[0107]
[表1]


産業上の利用可能性

[0108]
 本発明の樹脂組成物は、より高い水分遮蔽性を発揮し得、有機EL素子等の発光素子、高輝度LED等の光半導体、太陽電池等の受光素子等の封止部に適している。
[0109]
 本出願は、日本で出願された特願2019-063027を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

請求の範囲

[請求項1]
 下記の(A)~(C)成分:
 (A)熱可塑性樹脂;
 (B)吸湿性フィラー;および
 (C)板状フィラー
を含有し、含水率が1500ppm以下である、樹脂組成物。
[請求項2]
 (A)熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。
[請求項3]
 (B)吸湿性フィラーの含有量が、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、10質量%以上80質量%以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
[請求項4]
 (C)板状フィラーの含有量が、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、10質量%以上80質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項5]
 (B)吸湿性フィラーと(C)板状フィラーとの質量比(吸湿性フィラー:板状フィラー)が、10:1~1:5である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項6]
 (B)吸湿性フィラーが、半焼成ハイドロタルサイトである、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項7]
 (C)板状フィラーが、板状ガラス、未焼成ハイドロタルサイト、スメクタイトおよび合成フッ素金雲母から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項8]
 (C)板状フィラーの平均アスペクト比が2以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[請求項9]
 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する樹脂シート。
[請求項10]
 電子デバイスの封止用である、請求項9に記載の樹脂シート。
[請求項11]
 有機ELデバイスの封止用である、請求項9に記載の樹脂シート。
[請求項12]
 請求項9に記載の樹脂シートで封止されている、電子デバイス。
[請求項13]
 請求項9に記載の樹脂シートで封止されている、有機ELデバイス。