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1. WO2020196282 - ADHESIVE COMPOSITION

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明 細 書

発明の名称 粘着剤組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175  

実施例

0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216  

産業上の利用可能性

0217  

符号の説明

0218  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 粘着剤組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、粘着剤組成物、該粘着剤組成物から形成される粘着剤層、及び該粘着剤層を積層した光学フィルムに関する。

背景技術

[0002]
 有機EL表示装置や液晶表示装置等の表示装置(FPD:フラットパネルディスプレイ)には、有機EL素子、液晶セル等の表示素子や偏光板等の光学フィルムなど様々な部材が用いられている。これらの部材に用いられる有機EL化合物及び液晶化合物等は有機物の中でも耐候性の弱い化合物が用いられることが多いため、紫外線(UV)だけでなく、420nm以下の短波長の可視光による劣化が問題となりやすい。このような問題を解決するため、例えば、特許文献1では、(メタ)アクリル系樹脂と、インドール構造を有する400nm付近の波長を選択的に吸収する光選択吸収化合物(オリエント化学工業社製 BONASORB UA-3911)とを含む粘着剤組成物及び該粘着剤層を積層した光学フィルムが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2017-165941号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、上記のような特定の波長を選択的に吸収する化合物(光選択吸収化合物)は、光選択吸収化合物を含む粘着剤組成物及び粘着剤組成物から形成される粘着剤層に対する相溶性が十分でなく、長期保管時に光選択吸収化合物が析出する問題があり、耐ブリード性が十分ではなかった。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明は、以下の発明を含む。
[1]樹脂(A)、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)及び光開始剤(D)を含む粘着剤組成物。
[2]光開始剤(D)が、光ラジカル発生剤である[1]に記載の粘着剤組成物。
[3]光開始剤(D)がオキシムエステル系光ラジカル発生剤である[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4]さらに、光硬化性成分(C)を含む[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5]光硬化性成分(C)が、光ラジカル硬化性成分である[4]に記載の粘着剤組成物。
[6]光硬化性成分(C)が、(メタ)アクリレート化合物を含む[4]又は[5]に記載の粘着剤組成物。
[7]光硬化性成分(C)が、多官能(メタ)アクリレート化合物を含む[4]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[8]さらに、架橋剤(E)を含む[1]~[7]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[9]架橋剤(E)が、イソシアネート架橋剤である[8]に記載の粘着剤組成物。
[10]樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以下である[1]~[9]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[11]ガラス転移温度が40℃以下である樹脂(A)が、(メタ)アクリル系樹脂である[10]に記載の粘着剤組成物。
[12]分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)が、下記式(1)を満たす[1]~[11]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
ε(405)≧ 5  (1)
[式(1)中、ε(405)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長405nmにおけるグラム吸光係数を表す。グラム吸光係数の単位はL/(g・cm)である。]
[13]分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)が、下記式(2)を満たす[1]~[12]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
ε(405)/ε(440)≧ 5 (2)
[式(2)中、ε(405)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長405nmにおけるグラム吸光係数を表し、ε(440)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長440nmにおけるグラム吸光係数を表す。]
[14]分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)が、式(I)で表される化合物である[1]~[13]のいずれかに記載の粘着剤組成物。



[式中、R 、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基、複素環基又はエチレン性不飽和基を表し、該脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれる-CH -は、-NR 1A-、-SO -、-CO-、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
 R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~25のアルキル基、電子吸引性基又はエチレン性不飽和基を表す。
 R 1A及びR 1Bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
 R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよい。
 ただし、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR のいずれかのうち1つは、エチレン性不飽和基である。]
[15] 式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物である[14]に記載の粘着剤組成物。


[式(II)中、R 11、R 12、R 13、R 14及びR 15は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれる-CH -は、-NR 11A-、-SO -、-CO-、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
 R 16及びR 17は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~25のアルキル基、電子吸引性基又はエチレン性不飽和基を表す。
 R 11A及びR 11Bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
 R 11及びR 12は互い連結して環構造を形成してもよく、R 12及びR 13は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 12及びR 14は互いに連結して環構造を形成してもよい。
 R 16又はR 17のいずれかのうち1つはエチレン性不飽和基である。]
[16][1]~[15]のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層。
[17]下記式(3)を満たす[16]に記載の粘着剤層。
A(405) ≧ 0.5 (3)
[式(3)中、A(405)は波長405nmにおける吸光度を表す。]
[18]さらに、下記式(4)を満たす[17]に記載の粘着剤層。
A(405) / A(440) ≧ 5 (4)
[式(4)中、A(405)は波長405nmにおける吸光度を表し、A(440)は波長440nmにおける吸光度を表す。]
[19][16]~[18]のいずれかに記載の粘着剤層の少なくとも一方の面に光学フィルムが積層された粘着剤層付き光学フィルム。
[20]光学フィルムが、偏光板である[19]に記載の粘着剤層付き光学フィルム。
[21][19]又は[20]に記載の粘着剤層付き光学フィルムを含む画像表示装置。

発明の効果

[0006]
 本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、製造後長期間経っても光選択吸化合物が析出することなく、良好な耐ブリード性を有する。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 本発明の粘着剤層の層構成の一例を示す。
[図2] 本発明の粘着剤層付き光学フィルムの層構成の一例を示す。
[図3] 本発明の粘着剤層付き光学フィルムの層構成の一例を示す。
[図4] 本発明の粘着剤層付き光学フィルムの層構成の一例を示す。
[図5] 本発明の粘着剤層付き光学フィルムの層構成の一例を示す。

発明を実施するための形態

[0008]
<粘着剤組成物>
 本発明の粘着剤組成物は、樹脂(A)、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)(以下、光選択吸収化合物(B)という場合がある。)及び光開始剤(D)を含む。
 本発明の粘着剤組成物は、さらに、光硬化性成分(C)、架橋剤(E)、シラン化合物等を含んでいてもよい。
[0009]
<樹脂(A)>
 樹脂(A)は、粘着剤組成物に使用される樹脂であれば特に限定されない。樹脂(A)は、ガラス転移温度が40℃以下である樹脂であることが好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、20℃以下であることがさらに好ましく、10℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)のガラス転移温度は通常-80℃以上であり、-60℃以上であることが好ましく、-50℃以上であることがより好ましく、-45℃以上であることがさらに好ましく、-30℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以下であると、樹脂(A)を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層と光学フィルムとの密着性の向上に有利である。また、樹脂(A)のガラス転移温度が-80℃以上であると、樹脂(A)を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層の耐久性(高温試験時の外観不具合:凝集破壊等)の向上に有利である。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)により測定できる。
[0010]
 ガラス転移温度が40℃以下の樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましい。
[0011]
 (メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を主成分(好ましくは50質量%以上含む)とする重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位は、一種以上の(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位(例えば、極性官能基を有する単量体に由来する構造単位)を含んでもよい。なお本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれでもよいことを意味し、他に、(メタ)アクリレートなどというときの「(メタ)」も同様の趣旨である。
[0012]
 (メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(a)で示される(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる


[式(a)中、R 1A は水素原子又はメチル基で表し、R 2A は炭素数1~14のアルキル基または炭素数7~20のアラルキル基を表し、該アルキル基または該アラルキル基の水素原子は、炭素数1~10のアルコキシ基で置き換わっていてもよい。]
[0013]
 式(a)において、R 2Aは、好ましくは、炭素数1~14のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1~8のアルキル基である。
[0014]
 式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、等の(メタ)アクリル酸の直鎖状アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ペンチル、(メタ)アクリル酸i-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸i-オクチル、(メタ)アクリル酸i-ノニル、(メタ)アクリル酸i-ステアリル、(メタ)アクリル酸i-アミル、等の(メタ)アクリル酸の分枝状アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルシクロヘキシル、α-エトキシアクリル酸シクロヘキシル、等の(メタ)アクリル酸の脂環骨格含有アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸の芳香環骨格含有エステル;
等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基に置換基が導入された置換基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることもできる。置換基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルの置換基は、アルキル基の水素原子を置換する基であり、その具体例はフェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基を含む。置換基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、具体的には、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(2-フェノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシポリ(エチレングリコール)等が挙げられる。
[0015]
 これらの(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で用いることができるほか、異なる複数のものを用いてもよい。
[0016]
 (メタ)アクリル系樹脂(A)は、ホモポリマーのガラス転移温度Tgが0℃未満であるアクリル酸アルキルエステル(a1)由来の構成単位、及びホモポリマーのTgが0℃以上であるアクリル酸アルキルエステル(a2)由来の構成単位を含有することが好ましい。アクリル酸アルキルエステル(a1)由来の構成単位及びアクリル酸アルキルエステル(a2)由来の構成単位を含有することは、粘着剤層の高温耐久性を高めるうえで有利である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマーのTgは、例えばPOLYMER HANDBOOK(Wiley-Interscience)などの文献値を採用することができる。
[0017]
 アクリル酸アルキルエステル(a1)の具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸n-及びi-プロピル、アクリル酸n-及びi-ブチル、アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸n-及びi-へキシル、アクリル酸n-ヘプチル、アクリル酸n-及びi-オクチル、アクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸n-及びi-ノニル、アクリル酸n-及びi-デシル、アクリル酸n-ドデシル等のアルキル基の炭素数が2~12程度のアクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
[0018]
 アクリル酸アルキルエステル(a1)は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の粘着剤層を光学フィルムに積層した際の追従性やリワーク性の観点から、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-エチルへキシルなどが好ましい。
[0019]
 アクリル酸アルキルエステル(a2)は、アクリル酸アルキルエステル(a1)以外の(アクリル酸アルキルエステルである。アクリル酸アルキルエステル(a2)の具体例は、アクリル酸メチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボロニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸t-ブチル等を含む。
[0020]
 アクリル酸アルキルエステル(a2)は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。中でも、高温耐久性の観点から、アクリル酸アルキルエステル(a2)は、アクリル酸メチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボロニル等を含むことが好ましく、アクリル酸メチルを含むことがより好ましい。
[0021]
 式(a)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位は、(メタ)アクリル系樹脂に含まれる全構造単位中、50質量%以上であることが好ましく、60~95質量%であることが好ましく、65~95質量%以上であることがより好ましい。
[0022]
 (メタ)アクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位としては、極性官能基を有する単量体に由来する構造単位が好ましく、極性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位がより好ましい。極性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換もしくは無置換アミノ基、エポキシ基等の複素環基などが挙げられる。
 極性官能基を有する単量体としては、
(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸2-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ―3-フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸5-ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸5-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸5-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸5-ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸7-ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸7-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸7-ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸7-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸7-ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシドデシル、(メタ)アクリル酸9-ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸9-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸9-ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸9-ヒドロキシドデシル、(メタ)アクリル酸9-ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシドデシル、アクリル酸10-ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸11-ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸11-ヒドロキシドデシル、(メタ)アクリル酸11-ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸11-ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸11-ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシドデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸13-ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸13-ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸13-ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸14-ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸14-ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸15-ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸15-ヒドロキシヘプタデシル等のヒドロキシ基を有する単量体;
(メタ)アクリル酸、カルボキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート)、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有する単量体;
アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピロリドン、ビニルピリジン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,5-ジヒドロフラン等の複素環基を有する単量体;
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の置換もしくは無置換アミノ基を有する単量体が挙げられる。
なかでも、(メタ)アクリル酸エステル重合体と架橋剤との反応性の点で、ヒドロキシ基を有する単量体またはおよびカルボキシル基を有する単量体が好ましく、ヒドロキシ基を有する単量体およびカルボキシル基を有する単量体のいずれもを含むことがより好ましい。
[0023]
 ヒドロキシ基を有する単量体としては、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸5-ヒドロキシペンチル、アクリル酸6-ヒドロキシヘキシルが好ましい。特に、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチルおよびアクリル酸5-ヒドロキシペンチルを用いることで良好な耐久性を得ることができる。
カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸を用いることが好ましい。
[0024]
 粘着剤層の外面に積層することができるセパレートフィルムの剥離力亢進を防ぐ観点から、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、アミノ基を有する単量体に由来の構造単位を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは、(メタ)アクリル系樹脂(a)を構成する全構成単位100質量部中、0.1質量部以下であることをいう。
[0025]
 極性官能基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)の全構造単位100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以上10質量部以下、特に好ましくは1質量部以上7質量部以下である。
[0026]
 芳香族基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)の全構造単位100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは4質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは4質量部以上16質量部以下である。
[0027]
 (メタ)アクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位としては、スチレン系単量体に由来する構造単位、ビニル系単量体に由来する構造単位、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構造単位、(メタ)アクリルアミド系単量体に由来する構造単位なども挙げられる。
[0028]
 スチレン系単量体としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン;フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロスチレン;アセチルスチレン;メトキシスチレン;および、ジビニルベンゼンが挙げられる。
[0029]
 ビニル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等の含窒素複素芳香族ビニル;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン;および、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリルが挙げられる。
[0030]
 分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子内に3個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体が挙げられる。
[0031]
 (メタ)アクリルアミド系単量体としては、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(5-ヒドロキシペンチル)(メタ)アクリルアミド、N-(6-ヒドロキシヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N-〔2-(2-オキソ-1-イミダゾリジニル)エチル〕(メタ)アクリルアミド、2-アクリロイルアミノ-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、N-(メトキシメチル)アクリルアミド、N-(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-メチルエトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-メチルプロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-メチルプロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチルエトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-エトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-プロポキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-〔2-(1-メチルエトキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド、N-〔2-(1-メチルプロポキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド、N-〔2-(2-メチルプロポキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミド、N-(2-ブトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-〔2-(1,1-ジメチルエトキシ)エチル〕(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。なかでも、N-(メトキシメチル)アクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミドおよびN-(2-メチルプロポキシメチル)アクリルアミドが好ましい。
[0032]
 (メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、50万~250万である。重量平均分子量が50万以上であると、高温環境における粘着剤層の耐久性が向上し、被着体と粘着剤シートとの間の浮き剥れや、粘着剤シートの凝集破壊などの不具合を抑制しやすい。重量平均分子量が250万以下であると、塗工性の観点で有利である。粘着剤シートの耐久性及び粘着剤組成物の塗工性の両立の観点から、重量平均分子量は好ましくは60万~180万であり、よく好ましくは70万~170万であり、特に好ましくは100万~160万である。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、通常2~10、好ましくは3~8、さらに好ましくは3~6である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより分析でき、標準ポリスチレン換算の値である。
[0033]
 (メタ)アクリル酸樹脂(A)は、酢酸エチルに溶解させ、濃度20質量%の溶液としたとき、25℃における粘度が、20Pa・s以下であることが好ましく、0.1~15Pa・sであることがより好ましい。該範囲の粘度であると、粘着剤組成物を基材に塗工する際の塗工性の観点から有利である。なお、粘度は、ブルックフィールド粘度計により測定できる。
[0034]
 (メタ)アクリル系樹脂(A)は、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法によって製造することができ、特に溶液重合法が好ましい。溶液重合法としては、例えば、単量体及び有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下、熱重合開始剤を添加し、40~90℃、好ましくは50~80℃程度の温度条件下、3~15時間程度攪拌する方法が挙げられる。反応制御のため、重合中、連続的又は間歇的に単量体や熱重合開始剤を添加してもよい。該単量体や熱重合開始剤は有機溶媒に添加した状態であってもよい。前記有機溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。熱重合開始剤は、公知の熱重合開始剤を使用できる。また、熱重合開始剤の代わりに光重合開始剤を使用して、紫外線等による重合法を使用してもよい。
[0035]
 樹脂(A)の含有量は、粘着剤組成物の固形分100質量%中、通常50質量%~99.9質量%であり、好ましくは60質量%~95質量%であり、より好ましくは70質量%~90質量%である。
[0036]
<光選択吸収化合物(B)>
 光選択吸収化合物(B)は、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを含有する化合物である。
 本発明においてメロシアニン構造とは、>N-C=C-C=C<で表される部分構造を意味する。本発明のメロシアニン構造としては、インドール環を含まない。また、インドール環以外の、>N-C=C-C=C<で表される部分構造を環の構成要素とする芳香族縮合環(例えば、ベンゾトリアゾール環、ベンゾイミダゾール環、イソインドール環、キノリン環等)を含まないことが好ましい。
[0037]
 重合性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリノ基、アジリジノ基、エチレン性不飽和基等が挙げられる。光選択吸収化合物(B)が有する重合性基は、エチレン性不飽和基であることが好ましい。エチレン性不飽和基の具体例としては、ビニル基、α―メチルビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アリル基、スチリル基及び後述する式(I-2)で表される基が挙げられる。
[0038]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)は、下記式(1)を満たすことが好ましく、さらに式(2)を満たすことがより好ましい。
ε(405)≧ 5  (1)
[式(1)中、ε(405)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長405nmにおけるグラム吸光係数を表す。グラム吸光係数の単位はL/(g・cm)である。]
ε(405)/ε(440)≧ 20   (2)
[式(2)中、ε(405)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長405nmにおけるグラム吸光係数を表す。
ε(440)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長440nmにおけるグラム吸光係数を表す。]
[0039]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)は、ε(405)の値が5L/(g・cm)以上であることが好ましく、10L/(g・cm)以上であることがより好ましく、20L/(g・cm)以上であることがさらに好ましく、30L/(g・cm)以上であることがさらにより好ましく、通常500L/(g・cm)以下である。ε(405)の値が大きい化合物ほど波長405nmの光を吸収しやすく、紫外線や短波長の可視光による劣化抑制機能を発現しやすい。
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)は、ε(405)/ε(440)の値が20以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、70以上がさらにより好ましく、80以上が特により好ましい。ε(405)/ε(440)の値が大きい化合物を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、表示装置の色彩表現を阻害することなく、波長405nm付近の光を吸収する。また、積層された光学フィルム(位相差フィルム)や有機EL素子等の表示装置の光劣化を抑制することができる。
[0040]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)は、例えば式(I)で表される化合物等が挙げられる。




[式(I)中、R 、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基、複素環基又はエチレン性不飽和基を表し、該脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれる-CH -は、-NR 1A-、-SO -、-CO-、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
 R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~25のアルキル基、電子求引性基又はエチレン性不飽和基を表す。
 R 1Aは、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
 R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよい。
 ただし、R ~R のいずれかのうち少なくとも1つはエチレン性不飽和基である]
[0041]
 R ~R で表される炭素数1~25の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等の炭素数1~25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基:シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~25のシクロアルキル基;シクロヘキシルメチル基等の炭素数4~25のシクロアルキルアルキル基等が挙げられ、炭素数4~25のアルキル基であることが好ましい。
 R ~R で表される炭素数1~25の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。
 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
[0042]
 R ~R で表される炭素数6~15の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等の炭素数6~15のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基、フェニル等の炭素数7~15のアラルキル基等が挙げられる。
 R ~R で表される炭素数6~15の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、-C(NR 2A)R 2B、-CONR 3A3B、-SO 4A(R 2A、R 2B、R 3A及びR 3Bはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、R 4Aは炭素数1~6のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
[0043]
 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
 アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基が挙げられる。
 アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等の炭素数1~12のアルキルチオ基が挙げられる。
 アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等の炭素数2~13のアシル基が挙げられる。
 アシルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2-エチルヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2~13のアシルオキシ基が挙げられる。
 アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2-エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ウンデシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等の炭素数2~13のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
 -CONR 3A3Bとしては、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、メチルメチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
 -C(NR 2A)R 2Bとしては、メチルイミノ基、ジメチルイミノ基、メチルエチルイミノ基等が挙げられる。
 -SO 4Aとしては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等が挙げられる。
[0044]
 R 1A及びR 1Bで表される炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基等が挙げられる。
[0045]
 R ~R で表される複素環基としては、ピロリジン環基、ピロリン環基、イミダゾリジン環基、イミダゾリン環基、オキサゾリン環基、チアゾリン環基、ピペリジン環基、モルホリン環基、ピペラジン環基、インドール環基、イソインドール環基、キノリン環基、チオフェン環基、ピロール環基、チアゾリン環基及びフラン環基等の炭素数4~20の脂肪族複素環基又は炭素数3~20の芳香族複素環基等が挙げられる。
[0046]
 R 及びR で表される炭素数1~25のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等の炭素数1~25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基等が挙げられる。
[0047]
 R 及びR で表される電子求引性基としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、式(I-1)で表される基が挙げられる。


[式中、R 111は、水素原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基の少なくとも1つは酸素原子に置換されていてもよい。
 X は、-CO-* 、-COO-* 、-CS-* 、-CSS-* 、-CSNR 112-* 、-CONR 113-* 、-CNR 114-* 又は-SO -* を表す。
 R 112、R 113及びR 114は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基を表す。
 * はR 111との結合手を表す。
 *は炭素原子との結合手を表す。]
[0048]
 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
 ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等のパーフルオロアルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアルキル基の炭素数としては、通常1~25であり、好ましくは炭素数1~12である。
[0049]
 R 111で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-オクチル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等の炭素数1~25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基:シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~25のシクロアルキル基;シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基等の炭素数4~25のシクロアルキルアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等の炭素数6~25のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基、フェニル等の炭素数7~25のアラルキル基;モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等の炭素数1~25のフッ化アルキル基;モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、ペルクロロエチル基、ペルクロロプロピル基、ペルクロロブチル基、ペルクロロペンチル基、ペルクロロヘキシル基等の炭素数1~25の塩化アルキル基;モノブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2-トリブロモエチル基、ペルブロモエチル基、ペルフブロモプロピル基、ペルブロモロブチル基、ペルブロモペンチル基、ペルブロモヘキシル基等の炭素数1~25の臭化アルキル基;モノヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2-トリヨードエチル基、ペルヨードエチル基、ペルヨードプロピル基、ペルヨードブチル基、ペルヨードペンチル基、ペルヨードヘキシル基等の炭素数1~25のヨウ化アルキル基;が挙げられる。
 R 112、R 113及びR 114で表される炭素数1~6のアルキル基としては、R 1Aで表される炭素数1~6のアルキル基と同じものが挙げられる。
[0050]
 R 111は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数4~25のアルキル基であることが好ましく、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数4~12のアルキル基であることがより好ましい。
 X は、-CO-* 及び-COO-* であることが好ましい。
[0051]
 R 及びR で表される電子求引性基は、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基、及び式(I-1)で表される基であることが好ましい。特に好ましくはシアノ基である。
[0052]
 R 及びR が互いに結合して形成される環構造としては、R 及びR が結合している窒素原子を含む含窒素環構造であって、例えば、4員環~10員環の含窒素複素環が挙げられる。R 及びR が互いに連結して形成される環構造は、単環であってもよいし、多環であってもよいし、縮合環であってもよい。具体的には、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、インドール環、イソインドール環等が挙げられる。R 及びR が互いに結合して形成される環は置換基を有していてもよく、該置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等の炭素数1~12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基等が挙げられる。
[0053]
 R 及びR が互いに結合して形成される環構造としては、R が結合している窒素原子を含む含窒素環構造であって、例えば、4員環~10員環の含窒素複素環が挙げられる。R 及びR が互いに連結して形成される環構造は、単環であってもよいし、多環であってもよいし、縮合環であってもよい。具体的には、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、インドール環、イソインドール環及び下記式(I-3)で表される環構造が挙げられる。


[式(I-3)中、Xは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。
環W は、窒素原子とXとを構成要素とする環を表す。]
[0054]
 環W は、窒素原子とXとを構成要素とする5員環又は6員環であることが好ましい。
 式(I-3)で表される環構造としては、具体的には以下の環が挙げられる。


[0055]
 R 及びR が互いに結合して形成される環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等の炭素数1~12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基等が挙げられる。
[0056]
 R 及びR が互いに結合して形成される環構造は、下記式(I-4)で表される環構造であることが好ましい。


[式(I-4)中、R は上記と同じ意味を表す。m2は、1~7の整数を表す。
 R 11a、R 11b、R 11c及びR 11dは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す。
*は、炭素原子との結合手を表す。]
 m2は、2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
[0057]
 R 及びR が互いに結合して形成される環構造としては、4員環~10員環の含窒素環構造が挙げられ、5員環~9員環の含窒素環構造が好ましい。R 及びR が互いに結合して形成される環構造は、単環であってもよいし、多環であってもよい。これらの環は置換基を有していてもよい。このような環構造としては、ピロール環、インドール環、ピリミジン環、下記に記載の環が挙げられる。


[0058]
 R 及びR が互いに結合して形成される環構造は置換基を有していてもよく、該置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等の炭素数1~12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基;アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の-NR 22A22Bで表される基(R 22A及びR 22Bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す);メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基等の炭素数1~12のアルキルチオ基;ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基等の炭素数4~9の複素環基等が挙げられる。
[0059]
 R 及びR が互いに連結して形成される環構造としては、R -C=C-C=C-R が環の骨格を形成する環構造である。例えば、フェニル基等が挙げられる。
[0060]
 R 及びR が互いに連結して形成される環構造としては、以下に記載の環構造が挙げられる。R 及びR が互いに結合して形成される環構造は置換基を有していてもよく、該置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等の炭素数1~12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基等が挙げられる。


[0061]
 R 及びR は互いに連結して形成される環構造としては、下記に記載の環構造等が挙げられる。R 及びR が互いに結合して形成される環構造は置換基(下記式中のR ~R 16)を有していてもよく、該置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等の炭素数1~12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基;後述のエチレン性不飽和基等が挙げられる。


[式中、*は、炭素原子との結合手を表す。]
[0062]
 R ~R で表されるエチレン性不飽和基としては、ビニル基、α―メチルビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アリル基、スチリル基及び式(I-2)で表される基が挙げられる。


[式(I-2)中、X は、ビニル基、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を表す。
 R 115は、炭素数1~18の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH -は、-O-、-CO-、-CS-又は-NR 116-に置き換わっていてもよい。
 R 116は、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
*は炭素原子又は窒素原子との結合手を表す。]
[0063]
 R 115で表される炭素数1~18の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の炭素数1~18のアルカンジイル基:シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の炭素数3~18のシクロアルカンジイル基が挙げられ、炭素数1~12の2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
 R 116で表される炭素数1~6のアルキル基としては、R 1Aで表される炭素数1~6のアルキル基と同じものが挙げられる。
[0064]
 R ~R で表されるエチレン性不飽和基は、それぞれ独立して、ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、及び式(I-2)で表される基であることが好ましい。
[0065]
 R 及びR のうちいずれか一方が電子求引性基であることが好ましい。
 R 及びR のうちいずれか一方がエチレン性不飽和基であることが好ましい。
[0066]
 式(I)で表される化合物は、式(II)で表される化合物であることが好ましい。



[式(II)中、R 11、R 12、R 13、R 14及びR 15は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれる-CH -は、-NR 11A-、-SO -、-CO-、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
 R 16及びR 17は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~25のアルキル基、電子求引性基又はエチレン性不飽和基を表す。
 R 11Aは、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
 R 12及びR 13は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 12及びR 14は互いに連結して環構造を形成してもよい。
 ただし、R 16又はR 17のいずれかのうち1つはエチレン性不飽和基である。]
[0067]
 R 11~R 15で表される置換基を有していてもよい炭素数1~25脂肪族炭化水素基としては、R で表される置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基と同じものが挙げられる。
 R 11~R 15で表される置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基としては、R で表される置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基と同じものが挙げられる。
 R 11~R 15で表される複素環としては、R で表される複素環と同じものが挙げられる。
[0068]
 R 16及びR 17で表される炭素数1~25のアルキル基としては、R で表される炭素数1~25のアルキル基と同じものが挙げられる。
 R 16及びR 17で表される電子求引性基としては、R で表される電子求引性基と同じものが挙げられる。
 R 11A及びR 11Bで表される炭素数1~6のアルキル基としては、R 1Aで表される炭素数1~6のアルキル基と同じものが挙げられる。
[0069]
 R 12及びR 13が互いに連結して形成できる環構造としては、R 及びR が互いに連結して形成できる環構造と同じものが挙げられる。R 12及びR 13が互いに連結して形成できる環構造は、単環構造であることが好ましい。
[0070]
 R 12及びR 14が互いに連結して形成できる環構造としては、R 及びR が互いに連結して形成できる環構造と同じものが挙げられる。R 12及びR 14が互いに連結して形成できる環構造は、単環構造であることが好ましい。R 12及びR 14が互いに連結して形成できる環構造は、芳香族環であることが好ましく、ピリミジン環構造であることがさらに好ましい。
[0071]
 R 11、R 13及びR 15は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~25のアルキル基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基であることがさらに好ましい。
 とりわけR 11としては、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
 R 12及びR 14は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基であるか、R 12及びR 14が互いに連結して環構造を形成することが好ましい。
 R 12及びR 13は互いに連結して環構造を形成することが好ましく、さらに好ましくは上述した式(I-4)で表される環構造である。式(I-4)で表される環構造の中でも好ましくは、式(I-4-1)で表される環構造又は式(I-4-2)で表される環構造であり、特に好ましくは式(I-4-1)で表される環構造である。なお、式(I-4)、式(I-4-1)又は式(I-4-2)で表される環構造はさらに置換基を有していてもよい。


 R 16及びR 17のうちいずれか一方はエチレン性不飽和基であり、もう一方は電子求引性基であることが好ましい。
 R 16及びR 17で表される電子求引性基は、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基、及び式(I-1)で表される基であることが好ましい。特に好ましくはシアノ基である。
 R 16及びR 17で表されるエチレン性不飽和基は、それぞれ独立して、ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、及び式(I-2)で表される基であることが好ましい。さらに好ましくは*-CO-O-(CH )n-X 、(X はビニル基、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を表し、n=1~10の整数(好ましくはn=2~6の整数)を表す。)又は*-CO-O-(CH )m-O-X (X はビニル基、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を表し、m=1~10の整数(好ましくはn=2~6の整数)を表す。)である。
[0072]
 R 12およびR 13は互いに連結して環構造を形成している式(II)で表される化合物としては、式(II-A-1)で表される化合物又は式(II-A-2)で表される化合物であることが好ましい。R 12およびR 14は互いに連結して環構造を形成している式(II)で表される化合物としては、式(II-B-1)で表される化合であることが好ましい。


 [式(II-A-1)、式(II-A-2)及び式(II-B-1)中、R 11、R 14、R 15、R 16及びR 17は、それぞれ上記と同じ意味を表す。
 R 11e、R 11f、R 11g、R 11h、R 11k、R 11m、R 11nは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す。
 R 11q及びR 11pは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、-NR 22A22Bで表される基(R 22A及びR 22Bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す)又は複素環を表す。]
[0073]
 例えば、電子求引性基がシアノ基である式(II)で表される化合物は、下記式(I’)で表される化合物と式(L)で表される化合物とを反応させることで得ることができる。


[式中、R 222は2価の連結基を表し、X は重合性基を表す。]
 式(I’)で表される化合物と式(L)で表される化合物との反応は、一般的なクネフェナーゲル縮合に用いられる任意の条件により進めることができる。例えば、塩基やカルボン酸無水物の存在下で行うことが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン、プロリン、N,N-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カリウムターシャーリーブトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、水素ナトリウム等が挙げられる。カルボン酸無水物としては、無水酢酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水安息香酸等が挙げられる。塩基の使用量は、式(I’)で表される化合物1モルに対して、0.1~10モルであることが好ましい。カルボン酸無水物の使用量は、式(I’)で表される化合物1モルに対して、0.2~5モルであることが好ましい。
 式(I’)で表される化合物と式(L)で表される化合物との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、トリクロロメタン等が挙げられる。
[0074]
 式(I’)で表される化合物と式(L)で表される化合物との反応は、式(I’)で表される化合物と式(L)で表される化合物とを混合することで実施される。
 式(I’)で表される化合物と式(L)で表される化合物との反応温度は-40~130℃であることが好ましく、反応時間は通常1~24時間であることが好ましい。
[0075]
 式(I’)で表される化合物は、例えば、特開2014-194508号に記載の方法に準じて合成できる。
[0076]
 式(L)で表される化合物は、例えば、シアノ酢酸とヒドロキシアルキルアクリレートとを反応させることで得ることができる。
 シアノ酢酸の使用量は、ヒドロキシアルキルアクリレート1モルに対して0.5~3モルであることが好ましい。
 シアノ酢酸とヒドロキシアルキルアクリレートとの反応は、一般的なエステル化反応に用いられる任意のエステル化触媒を用いることができるが、塩基及びカルボジイミド縮合剤の存在下で行うことが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン、プロリン、N,N-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カリウムターシャーリーブトキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、水素ナトリウム等が挙げられる。カルボジイミド縮合剤としては、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル―3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等が挙げられる。塩基の使用量は、シアノ酢酸1モルに対して、0.5~5モルであることが好ましい。
 シアノ酢酸とヒドロキシアルキルアクリレートとの反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、アセトニトリル、イソプロパノール、トルエン、トリクロロメタン、ジクロロメタン等が挙げられる。
[0077]
 シアノ酢酸とヒドロキシアルキルアクリレートとの反応は、シアノ酢酸とヒドロキシアルキルアクリレートとを混合することで実施される。
 シアノ酢酸とヒドロキシアルキルアクリレートとの反応温度は-40~130℃であることが好ましく、反応時間は通常1~24時間であることが好ましい。
[0078]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)としては、以下に記載の化合物が挙げられる。


[0079]


[0080]


[0081]


[0082]


[0083]


[0084]


[0085]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常、0.1~50質量部であり、0.5~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましく、2~7質量部であることがさらに好ましい。
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)は2種以上含んでいてもよい。
[0086]
<光開始剤(D)>
 光開始剤(D)は、光のエネルギーを吸収することにより重合反応を引き起こす化合物(重合開始剤)である。なお、ここで光とは、可視光線、紫外線、X線、又は電子線のような活性エネルギー線であることが好ましい。
 光開始剤(D)は、具体的には、光のエネルギーを吸収することによりラジカルを発生する化合物(光ラジカル発生剤)、光のエネルギーを吸収することによりカチオン(酸)を発生する化合物(光カチオン発生剤)、光のエネルギーを吸収することによりアニオン(塩基)を発生する化合物(光塩基発生剤)が挙げられる。
[0087]
 光開始剤(D)は、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の重合性基と反応するものを適切に選択すればよい。例えば、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の重合性基がラジカル重合性基であるならば、光開始剤(D)は光ラジカル発生剤であることが好ましい。また、例えば、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の重合性基がカチオン重合性基である場合は、光開始剤(D)が光カチオン発生剤であることが好ましい。また、光選択吸収化合物(B)の反応性の観点からも、光開始剤(D)は光ラジカル発生剤であることが好ましい。
[0088]
 光開始剤(D)は2種以上含んでいてもよい。例えば、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の重合性基がラジカル重合性であって、後述する光硬化性成分(C)が光カチオン硬化性成分であれば、光ラジカル発生剤と光カチオン発生剤とを併用してもよい。
[0089]
 光ラジカル発生剤は、例えば、アルキルフェノン化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、オキシムエステル化合物、ホスフィン化合物等が挙げられる。
[0090]
 アルキルフェノン化合物としては、α-アミノアルキルフェノン化合物、α-ヒドロキシアルキルフェノン化合物、α-アルコキシアルキルフェノン化合物が挙げられる。
 α-アミノアルキルフェノン化合物としては、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-(4-メチルフェニルメチル)ブタン-1-オン等が挙げられ、好ましくは2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン等が挙げられる。α-アミノアルキルフェノン化合物は、イルガキュア(登録商標)127、184、369、369E、379EG、651、907、1173、2959、(以上、BASFジャパン(株)製)、セイクオール(登録商標)BEE(精工化学社製)等の市販品を用いてもよい。
[0091]
 ベンゾイン化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
[0092]
 ベンゾフェノン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。ベンゾフェノン化合物は市販品を用いてもよい。
[0093]
 オキシムエステル化合物としては、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン等が挙げられる。オキシム化合物は、イルガキュアOXE-01、OXE-02、OXE-03(以上、BASFジャパン社製)、N-1919、NCI―730、NCI-831、NCI-930(ADEKA社製)、PBG3057(TRONLY社製)等の市販品を用いてもよい。
[0094]
 ホスフィン化合物としては、フェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキサイドが挙げられる。ホスフィン化合物は、イルガキュア(登録商品)TPO、イルガキュア819(BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
[0095]
 光ラジカル発生剤は、光選択吸収化合物(B)の反応性の観点からオキシムエステル化合物であることが好ましい。
[0096]
 光カチオン発生剤は、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;芳香族ジアゾニウム塩;鉄-アレーン錯体等を挙げることができる。
[0097]
 芳香族ヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウムカチオンを有する化合物であり、当該カチオンとして、典型的にはジフェニルヨードニウムカチオンを挙げることができる。芳香族スルホニウム塩は、トリアリールスルホニウムカチオンを有する化合物であり、当該カチオンとして、典型的にはトリフェニルスルホニウムカチオンや4,4’-ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィドカチオン等を挙げることができる。芳香族ジアゾニウム塩は、ジアゾニウムカチオンを有する化合物であり、当該カチオンとして、典型的にはベンゼンジアゾニウムカチオンを挙げることができる。また、鉄-アレーン錯体は、典型的にはシクロペンタジエニル鉄(II)アレーンカチオン錯塩である。
[0098]
 上に示したカチオンは、アニオン(陰イオン)と対になって光カチオン発生剤を構成する。光カチオン発生剤を構成するアニオンの例を挙げると、特殊リン系アニオン[(Rf) nPF 6-n-、ヘキサフルオロホスフェートアニオンPF 6 -、ヘキサフルオロアンチモネートアニオンSbF 6 -、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネートアニオンSbF 5(OH) -、ヘキサフルオロアーセネートアニオンAsF 6 -、テトラフルオロボレートアニオンBF 4 -、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンB(C 65) 4 -等がある。中でも、カチオン重合性化合物の硬化性及び得られる光選択吸収層の安全性の観点から、特殊リン系アニオン[(Rf) nPF 6-n-、ヘキサフルオロホスフェートアニオンPF 6 -、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンB(C 65) 4 -であることが好ましい。
[0099]
 光開始剤(D)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常0.01~20質量部であり、0.05~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましく、0.2~3質量部であることがさらに好ましい。
[0100]
<光硬化性成分(C)>
 本発明の粘着剤組成物は、光硬化性成分(C)を含むことができる。
 光硬化性成分(C)としては、光の照射によりラジカル重合反応により硬化する化合物又はオリゴマー等の光ラジカル硬化性成分であってもよい。また、光の照射によりカチオン重合反応により硬化する化合物又はオリゴマー等の光硬化性成分であってもよい。なお、ここで光とは可視光線、紫外線、X線、又は電子線のような活性エネルギー線であることが好ましい。
 光硬化性成分(C)は、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の重合性基と反応するものであることが好ましい。例えば、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の重合性基が光ラジカル重合性基である場合、光硬化性成分(C)は、光ラジカル硬化性成分であることが好ましい。
 光硬化性成分(C)は2種以上含有していてもよい。
[0101]
<光ラジカル重合性成分>
 光ラジカル重合性成分としては、ラジカル重合性(メタ)アクリル系化合物等が挙げられる。
 (メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルオリゴマー等の(メタ)アクリロイル基含有化合物を挙げることができる。(メタ)アクリルオリゴマーは好ましくは、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーである。(メタ)アクリル系化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
[0102]
 (メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
[0103]
 単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートにおいて、そのアルキル基の炭素数が3以上である場合は直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 また、単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のテルペンアルコールの(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のテトラヒドロフルフリル構造を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等のアルキル基部位にシクロアルキル基を有する(メタ)アクリレート;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキル部位にエーテル結合を有する(メタ)アクリレートも等も挙げられる。
[0104]
 さらに、単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アルキル部位に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート;アルキル部位にカルボキシル基を有する単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル部位に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル部位にカルボキシル基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、2-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n=2)モノ(メタ)アクリレート、1-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]フタル酸、1-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘキサヒドロフタル酸、1-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]コハク酸、4-[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリメリット酸、N-(メタ)アクリロイルオキシ-N’,N’-ジカルボキシメチル-p-フェニレンジアミン等が挙げられる。
[0105]
 (メタ)アクリルアミドモノマーは、好ましくはN-位に置換基を有する(メタ)アクリルアミドである。そのN-位の置換基の典型的な例はアルキル基であるが、(メタ)アクリルアミドの窒素原子とともに環を形成していてもよく、この環は、炭素原子及び(メタ)アクリルアミドの窒素原子に加え、酸素原子を環構成員として有してもよい。さらに、その環を構成する炭素原子には、アルキルやオキソ(=O)のような置換基が結合していてもよい。
[0106]
 N-置換(メタ)アクリルアミドとしては、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミドのようなN-アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドのようなN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。また、N-置換基は水酸基を有するアルキル基であってもよく、その例として、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。さらに、上記した5員環又は6員環を形成するN-置換(メタ)アクリルアミドの具体的な例としては、N-アクリロイルピロリジン、3-アクリロイル-2-オキサゾリジノン、4-アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン等が挙げられる。
[0107]
 2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート及びネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
テトラフルオロエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のハロゲン置換アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート;
水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の水添ジシクロペンタジエン又はトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート;
1,3-ジオキサン-2,5-ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕等のジオキサングリコール又はジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレート物、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物ジアクリレート物等のビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物等のビスフェノールA又はビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート;シリコーンジ(メタ)アクリレート;
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート;
2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン;2,2-ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン;
2-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート;
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
[0108]
 3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、アルコキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレート;3官能以上のハロゲン置換ポリオールのポリ(メタ)アクリレート;グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート;1,1,1-トリス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 また、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、A-DPH-12E、A-TMPT、A-9300(新中村化学(株)社製)等が挙げられる。
[0109]
 (メタ)アクリルオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリルオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリルオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリルオリゴマー等が挙げられる。
[0110]
 ウレタン(メタ)アクリルオリゴマーとは、分子内にウレタン結合(-NHCOO-)及び少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。具体的には、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基及び少なくとも1個の水酸基をそれぞれ有する水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとポリイソシアネートとのウレタン化反応生成物や、ポリオールをポリイソシアネートと反応させて得られる末端イソシアナト基含有ウレタン化合物と、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基及び少なくとも1個の水酸基をそれぞれ有する(メタ)アクリルモノマーとのウレタン化反応生成物等であり得る。
[0111]
 上記ウレタン化反応に用いられる水酸基含有(メタ)アクリルモノマーは、例えば水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーであることができ、その具体例は、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを含む。水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー以外の具体例は、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーを含む。
[0112]
 水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとのウレタン化反応に供されるポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類を水素添加して得られるジイソシアネート(例えば、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジベンジルベンゼントリイソシアネート等のジ-又はトリ-イソシアネート、及び、上記のジイソシアネートを多量化させて得られるポリイソシアネート等が挙げられる。
[0113]
 また、ポリイソシアネートとの反応により末端イソシアナト基含有ウレタン化合物とするために用いられるポリオールとしては、芳香族、脂肪族又は脂環式のポリオールの他、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を使用することができる。脂肪族及び脂環式のポリオールとしては、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
[0114]
 ポリエステルポリオールは、上記したポリオールと多塩基性カルボン酸又はその無水物との脱水縮合反応により得られるものである。多塩基性カルボン酸又はその無水物の例を、無水物であり得るものに「(無水)」を付して表すと、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸等がある。
[0115]
 ポリエーテルポリオールは、ポリアルキレングリコールの他、上記したポリオール又はジヒドロキシベンゼン類とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリオキシアルキレン変性ポリオール等であり得る。
[0116]
 ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとは、分子内にエステル結合と少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するオリゴマーを意味する。
 ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、(メタ)アクリル酸、多塩基性カルボン酸又はその無水物、及びポリオールを脱水縮合反応させることにより得ることができる。
 多塩基性カルボン酸又はその無水物としては、無水コハク酸、アジピン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、フタル酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
 ポリオールとしては、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
[0117]
 エポキシ(メタ)アクリルオリゴマーは、ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応により得ることができる。エポキシ(メタ)アクリルオリゴマーは、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する。
 ポリグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。
[0118]
 光ラジカル硬化性成分は、(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましい。
[0119]
<光カチオン硬化性成分>
 光カチオン硬化性成分としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニル化合物等を挙げられる。
[0120]
 エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、水素化エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等を挙げることができる。
 脂環式エポキシ化合物は、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有する化合物である。脂環式環に結合したエポキシ基としては、例えば、オキサビシクロヘキシル基、オキサビシクロヘプチル基等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ基を1つ含んでいる化合物であってもよいし、脂環式エポキシ基を2以上含んでいてもよい。
[0121]
 脂環式エポキシ化合物としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル) アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、ジエチレングリコールビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、2,3,14,15-ジエポキシ-7,11,18,21-テトラオキサトリスピ
ロ[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン、3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-8,9-エポキシ-1,5-ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4-ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
[0122]
 芳香族エポキシ化合物は、分子内に芳香族環とエポキシ基とを有する化合物である。芳香族エポキシ化合物としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ化合物又はそのオリゴマー;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型のエポキシ樹脂;2,2’,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタンのグリシジルエーテル、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル等の多官能型のエポキシ化合物;エポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能型のエポキシ樹脂等が挙げられる。
[0123]
 水素化エポキシ化合物は、脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテルであり、芳香族ポリオールを触媒の存在下、加圧下で芳香環に選択的に水素化反応を行うことにより得られる核水添ポリヒドロキシ化合物をグリシジルエーテル化したものであることができる。芳香族ポリオールの具体例は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェールF、ビスフェノールS等のビスフェノール型化合物;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;テトラヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ポリビニルフェノール等の多官能型の化合物を含む。芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールにエピクロロヒドリンを反応させることにより、グリシジルエーテルとすることができる。水素化エポキシ化合物の中でも好ましいものとして、水素化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルが挙げられる。
[0124]
 脂肪族エポキシ化合物は、脂肪族炭素原子に結合するオキシラン環(3員の環状エーテル)を分子内に少なくとも1個有する化合物である。例えば、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等の単官能のエポキシ化合物;1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の2官能のエポキシ化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等の3官能以上のエポキシ化合物;4-ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド等の、脂環式環に直接結合するエポキシ基1個と、脂肪族炭素原子に結合するオキシラン環とを有するエポキシ化合物等がある。
[0125]
 オキセタン化合物は、分子内に1個以上のオキセタン環(オキセタニル基)を含有する化合物である。オキセタン化合物としては、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、2-エチルヘキシルオキセタン、1,4-ビス〔{(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ}メチル〕ベンゼン、3-エチル-3〔{(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ}メチル〕オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-(シクロヘキシルオキシ)メチル-3-エチルオキセタン等が挙げられる。
[0126]
 ビニル化合物としては、脂肪族又は脂環式のビニルエーテル化合物が挙げられる。ビニル化合物としては、n-アミルビニルエーテル、i-アミルビニルエーテル、n-ヘキシルビニルエーテル、n-オクチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、オレイルビニルエーテル等の炭素数5~20のアルキル又はアルケニルアルコールのビニルエーテル;2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル;シクロヘキシルビニルエーテル、2-メチルシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等の脂肪族環又は芳香族環を有するモノアルコールのビニルエーテル;グリセロールモノビニルエーテル、1,4-ブタンジオールモノビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリトリトールジビニルエーテル、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、1,4-ジヒドロキシシクロヘキサンモノビニルエーテル、1,4-ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキサンモノビニルエーテル、1,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル等の多価アルコールのモノ~ポリビニルエーテル;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルモノビニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノ~ジビニルエーテル;グリシジルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテルメタクリレート等が挙げられる。
[0127]
 光硬化性成分(C)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常0.1~300質量部であり、0.5~100質量部であることが好ましく、1~50質量部であることがより好ましく、5~30質量部であることがさらに好ましい。
[0128]
<架橋剤(E)>
 本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(E)を含むことができる。
 架橋剤(E)としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられ、特に粘着剤組成物のポットライフ及び粘着剤層の耐久性、架橋速度などの観点から、イソシアネート系架橋剤であることが好ましい。
[0129]
 イソシアネート系架橋剤としては、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(-NCO)を有する化合物が好ましく、例えば、脂肪族イソシアネート系化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族イソシアネート系化合物(例えばイソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート)、芳香族イソシアネート系化合物(例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等)などが挙げられる。また架橋剤(E)は、前記イソシアネート化合物の多価アルコール化合物による付加体(アダクト体)[例えば、グリセロール、トリメチロールプロパンなどによる付加体]、イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート化合物などの誘導体であってもよい。架橋剤(B)は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、代表的には芳香族イソシアネート系化合物(例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート)、脂肪族イソシアネート系化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネート)又はこれらの多価アルコール化合物(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン)による付加体、又はイソシアヌレート体が挙げられる。架橋剤(B)が、芳香族イソシアネート系化合物及び/又はこれらの多価アルコール化合物、又はイソシアヌレート体による付加体であると、最適な架橋密度(又は架橋構造)の形成に有利なためか、粘着剤層の耐久性を向上できる。特に、トリレンジイソシアネート系化合物及び/又はこれらの多価アルコール化合物による付加体であると、例えば粘着剤層を偏光板に適用した場合等であっても耐久性を向上することができる。
[0130]
 架橋剤(E)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常0.01~15質量部であり、好ましくは0.05~10質量部であり、より好ましくは0.1~5質量部である。
[0131]
 本発明の粘着剤組成物は、さらにシラン化合物(F)を含有していてもよい。
 シラン化合物(F)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
 シラン化合物(D)は、シリコーンオリゴマーであってもよい。シリコーンオリゴマーの具体例を、モノマー同士の組み合わせの形で表記すると次のとおりである。
[0132]
 3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー等のメルカプトプロピル基含有オリゴマー;メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー等のメルカプトメチル基含有オリゴマー;3-グリジドキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー等の3-グリジドキシプロピル基含有のコポリマー;3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー等のメタクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー等のアクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;ビニルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、ビニルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、ビニルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、ビニルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、ビニルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、ビニルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、ビニルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、ビニルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー等のビニル基含有オリゴマー;3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー等のアミノ基含有のコポリマーなど。
[0133]
 シラン化合物(F)は、下記式(f1)で表されるシラン化合物であってもよい。


(式中、Aは、炭素数1~20のアルカンジイル基または炭素数3~20の二価の脂環式炭化水素基を表し、該アルカンジイル基および該脂環式炭化水素基を構成する-CH -は、-O-または-CO-に置き換わっていてもよく、R 41は、炭素数1~5のアルキル基を表し、R 42、R 43、R 44、R 45およびR 46は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキル基または炭素数1~5のアルコキシ基を表す。)
[0134]
 Aで表される炭素数1~20のアルカンジイル基としては、メチレン基、1,2-エタンジイル基、1,3-プロパンジイル基、1,4-ブタンジイル基、1,5-ペンタンジイル基、1,6-ヘキサンジイル基、1,7-ヘプタンジイル基、1,8-オクタンジイル基、1,9-ノナンジイル基、1,10-デカンジイル基、1,12-ドデカンジイル基、1,14-テトラデカンジイル基、1,16-ヘキサデカンジイル基、1,18-オクタデカンジイル基および1,20-イコサンジイル基が挙げられる。炭素数3~20の二価の脂環式炭化水素基としては、1,3-シクロペンタンジイル基および1,4-シクロヘキサンジイル基が挙げられる。該アルカンジイル基および該脂環式炭化水素基を構成する-CH -が-O-または-CO-に置き換わった基としては、-CH CH -O-CH CH -、-CH CH -O-CH CH -O-CH CH -、-CH CH -O-CH CH -O-CH CH -O-CH CH -、-CH CH -CO-O-CH CH -、-CH CH -O-CH CH -CO-O-CH CH -、-CH CH CH CH -O-CH CH -および-CH CH CH CH -O-CH CH CH CH -が挙げられる。
[0135]
 R 41~R 45で表される炭素数1~5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基およびペンチル基が挙げられ、R 42~R 45で表される炭素数1~5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基およびペンチルオキシ基が挙げられる。
[0136]
 式(f1)で表されるシラン化合物としては、例えば、(トリメトキシシリル)メタン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,3-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,4-ビス(トリエトキシシリル)ブタン、1,5-ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1,5-ビス(トリエトキシシリル)ペンタン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6-ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,6-ビス(トリプロポキシシリル)ヘキサン、1,8-ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,8-ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,8-ビス(トリプロポキシシリル)オクタンなどのビス(トリC1-5アルコキシシリル)C1-10アルカン;ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、1,2-ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2-ビス(ジメトキシエチルシリル)エタン、1,4-ビス(ジメトキシメチルシリル)ブタン、1,4-ビス(ジメトキシエチルシリル)ブタン、1,6-ビス(ジメトキシメチルシリル)ヘキサン、1,6-ビス(ジメトキシエチルシリル)ヘキサン、1,8-ビス(ジメトキシメチルシリル)オクタン、1,8-ビス(ジメトキシエチルシリル)オクタンなどのビス(ジC1-5アルコキシC1-5アルキルシリル)C1-10アルカン;1,6-ビス(メトキシジメチルシリル)ヘキサン、1,8-ビス(メトキシジメチルシリル)オクタンなどのビス(モノC1-5アルコキシ-ジC1-5アルキルシリル)C1-10アルカンなどが挙げられる。これらのうち、1,2-ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,3-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,5-ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8-ビス(トリメトキシシリル)オクタンなどのビス(トリC1-3アルコキシシリル)C1-10アルカンが好ましく、特に、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8-ビス(トリメトキシシリル)オクタンが好ましい。
[0137]
 シラン化合物(F)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常0.01~10質量部であり、好ましくは0.03~5質量部であり、より好ましくは0.05~2質量部であり、さらに好ましくは0.1~1質量部である。
[0138]
 粘着剤組成物は、さらに帯電防止剤を含有していてもよい。
 帯電防止剤としては、界面活性剤、シロキサン化合物、導電性高分子、イオン性化合物等が挙げられ、イオン性化合物であることが好ましい。イオン性化合物としては、慣用のものが挙げられる。イオン性化合物を構成するカチオン成分としては、有機カチオン、無機カチオンなどが挙げられる。有機カチオンとしては、例えばピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。無機カチオンとしては、例えばリチウムカチオン、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン、セシウムカチオンなどのアルカリ金属カチオン、マグネシウムカチオン、カルシウムカチオンなどのアルカリ土類金属カチオンなどが挙げられる。特に(メタ)アクリル系樹脂との相溶性の観点からピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、リチウムカチオン、カリウムカチオンが好ましい。イオン性化合物を構成するアニオン成分としては、無機アニオン及び有機アニオンのいずれでもよいが、帯電防止性能の点で、フッ素原子を含むアニオン成分が好ましい。フッ素原子を含むアニオン成分としては、例えばヘキサフルオロホスフェートアニオン(PF -)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン[(CF SO N-]、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン[(FSO N-]、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン[(C B-]などが挙げられる。これらのイオン性化合物は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。特に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン[(CF SO N-]、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン[(FSO N-]、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン[(C B-]が好ましい。
 粘着剤組成物から形成される粘着剤層の帯電防止性能の経時安定性の点で、室温で固体であるイオン性化合物が好ましい。
[0139]
 帯電防止剤の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、例えば、0.01~20質量部、好ましくは0.1~10質量部、さらに好ましくは1~7質量である。
[0140]
 粘着剤組成物は、さらに、溶剤、架橋触媒、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、顔料、防錆剤、無機フィラー、光散乱性微粒子等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
[0141]
 <粘着剤層>
 本発明の粘着剤層は、例えば、本発明の粘着剤組成物を、溶剤に溶解又は分散して溶剤含有の粘着剤組成物とし、次いで、これを、基材の表面に塗布し、乾燥させた後で活性エネルギー線照射を行うことで形成できる。本発明の粘着剤層は、粘着剤組成物の光硬化物であるともいえる。
[0142]
 基材としては、プラスチックフィルムが好適であり、具体的には、離型処理が施された剥離フィルムが挙げられる。剥離フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の樹脂からなるフィルムの一方の面に、シリコーン処理等の離型処理が施されたものが挙げられる。
[0143]
 溶剤含有の粘着剤組成物から形成される塗布膜を乾燥させる条件(乾燥温度、乾燥時間)は、その組成や濃度で適宜設定できるが、好ましくは60~150℃で、1~60分間である。
 塗布膜の乾燥後の活性エネルギー線照射は、紫外線照射であることが好ましい。照射する紫外線の照度は、10mW/cm ~3000mW/cm であることが好ましい。また、紫外線の積算光量は10mJ/cm ~5000mJ/cm であることが好ましい。
 紫外線照射を行う紫外線ランプは、水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプであってもよい。
[0144]
 本発明の粘着剤層は、下記式(3)を満たす粘着剤層であることが好ましく、さらに式(4)を満たす粘着剤層であることがより好ましい。
A(405) ≧ 0.5 (3)
[式(3)中、A(405)は波長405nmにおける吸光度を表す。]
A(405) / A(440) ≧ 5 (4)
[式(4)中、A(405)は波長405nmにおける吸光度を表し、A(440)は波長440nmにおける吸光度を表す。]
[0145]
 A(405)の値が大きいほど波長405nmにおける吸収が高いことを表す。A(405)の値が0.5未満であると波長405nmにおける吸収が低く、400nm付近の光により劣化しやすい部材(例えば有機EL素子等の表示装置や液晶系位相差フィルム等)の劣化が起こりやすい。A(405)の値は、好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.8以上であり、特に好ましくは1.0以上である。上限は特にないが、通常は10以下である。
 A(405)/A(440)の値は、波長440nmにおける吸収の大きさに対する波長405nmの吸収の大きさを表し、この値が大きいほど405nm付近の波長域に特異的な吸収があることを表す。A(405)/A(440)の値は10以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましく、75以上であることがさらに好ましく、100以上であることが特に好ましい。A(405)/A(440)が大きいほど、液晶パネルや有機ELパネルの発光を阻害することなく405nm付近を遮蔽することができるため、画像表示装置に好適である。
[0146]
 本発明の粘着剤層の厚みは、通常0.1~30μmであり、好ましくは0.5~25μmであり、さらに好ましくは1~15μmであり、特に好ましくは2.5~10μmである。粘着剤層の厚みが薄いほど、光学フィルムや光学積層体の総厚みを薄くすることができるため、特に薄膜化が求められるスマートフォンやタブレット等に好適である。また厚みを薄くしても405nm付近の光を十分に遮蔽するためには、通常光選択吸収化合物(B)の添加量を増やす必要があるが、添加量を増やすとより析出や多の層への移行が問題になりやすい。本発明では、光選択吸収化合物(B)の添加量を増大した系でも良好な耐ブリード性を有するため、スマートフォンやタブレットに好適である。
[0147]
 本発明の粘着剤層のゲル分率は、通常50~99.9質量%であり、60~99質量%であることが好ましく、より好ましくは70~95質量%、さらに好ましくは75~90質量%である
[0148]
<粘着剤層付き光学フィルム>
 本発明の粘着剤組成物及び該粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、例えば光学フィルムの貼合等に使用することができる。
 本発明の粘着剤層の少なくとも一方の面に光学フィルムが積層された粘着剤層付き光学フィルムも本発明に含まれる。
 本発明の粘着剤層付き光学フィルムは、前記粘着剤組成物を、溶剤に溶解又は分散して溶剤含有の粘着剤組成物とし、次いで、これを、光学フィルムの表面に塗布し、乾燥させた後で活性エネルギー線照射を行うことで形成できる。また、剥離フィルム上に同様にして粘着剤層を形成し、この粘着剤層を光学フィルムの表面に積層(転写)することによっても得ることができる。
[0149]
 光学フィルムは、光線を透過、反射、吸収する等の光学機能を有するフィルムである。光学フィルムは単層のフィルムであってもよいし、多層のフィルムであってもよい。光学フィルムは、例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム、集光フィルム等が挙げられ、偏光フィルム、位相差フィルムまたはこれらの積層フィルムであることが好ましい。
[0150]
 集光フィルムは、光路制御等を目的に用いられるもので、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、ドット付設シート等であることができる。
[0151]
 輝度向上フィルムは、偏光板を適用した液晶表示装置における輝度を向上させる目的で使用される。具体的には、屈折率の異方性が互いに異なる薄膜フィルムを複数枚積層して反射率に異方性が生じるように設計された反射型偏光分離シート、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層を基材フィルム上に支持した円偏光分離シート等が挙げられる。
[0152]
 偏光フィルムは、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有するフィルムであり、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたフィルムを用いることができる。
 二色性色素としては、例えば、ヨウ素や二色性有機染料などが挙げられる。
 ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%~100モル%、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、例えば、アルデヒドで変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなどであってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000~10,000、好ましくは1,500~5,000である。
[0153]
 通常、ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものを偏光フィルムの原反フィルムとして用いる。ポリビニルアルコール系樹脂は、公知の方法で製膜することができる。原反フィルムの厚みは、通常1~150μmであり、延伸のしやすさなどを考慮すれば、好ましくは10μm以上である。
[0154]
 偏光フィルムは、例えば、原反フィルムに対して、一軸延伸する工程、二色性色素でフィルムを染色してその二色性色素を吸着させる工程、ホウ酸水溶液でフィルムを処理する工程、及び、フィルムを水洗する工程が施され、最後に乾燥して製造される。偏光フィルムの厚みは、通常1~30μmであり、粘着剤層付光学積層体の薄膜化の観点から、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
[0155]
 偏光フィルムの少なくとも一方の面は、接着剤を介して保護フィルムが設けられている偏光板であることが好ましい。
 接着剤としては、公知の接着剤が用いられ、水系接着剤であってもよいし、活性エネルギー線硬化型接着剤であってもよい。
[0156]
 水系接着剤としては、慣用の水系接着剤(例えば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤など)が挙げられる。これらのうち、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤を好適に用いることができる。なお、水系接着剤を使用する場合は、偏光フィルムと保護フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20~45℃程度の温度で養生する養生工程を設けてもよい。水系接着剤から形成される接着剤層は、通常0.001~5μmである。
[0157]
 活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物、光反応性樹脂を含む硬化性組成物、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む硬化性組成物等が挙げられ、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
[0158]
 偏光フィルムと保護フィルムとを貼合する方法としては、これらの少なくともいずれか一方の貼合面にケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面活性化処理を施す方法などが挙げられる。偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼合される場合、これらの樹脂フィルムを貼合するための接着剤は、同種の接着剤あってもよいし異種の接着剤であってもよい。
[0159]
 保護フィルムとしては、透光性を有する熱可塑性樹脂から形成されるフィルムであることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン系樹脂;セルロース系樹脂;ポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムが揚げられる。偏光フィルムの両面に保護フィルムが設けられる場合、用いられる保護フィルムは、異なる熱可塑性樹脂からなるフィルムであってもよいし、同じ熱可塑性樹脂からなるフィルムであってもよい。
 保護フィルムが偏光フィルムの少なくとも一方の面に積層される場合、保護フィルムはポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂からなる保護フィルムであることが好ましい。これらのフィルムを用いることで、偏光フィルムの光学特性を損なうことなく高温環境における偏光フィルムの収縮を有効に抑制することができる。なお、保護フィルムも酸素遮蔽層であってもよい。
[0160]
 偏光板の好ましい構成としては、偏光フィルムの少なくとも一方の面に接着剤層を介して保護フィルムが積層された偏光板である。保護フィルムが偏光フィルムの一方の面にしか積層されない場合、視認側に積層されることがより好ましい。視認側に積層された保護フィルムは、トリアセチルセルロース系樹脂又はシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムであることが好ましい。保護フィルムは未延伸フィルムであってもよいし、任意の方向に延伸され位相差を有していてもよい。視認側に積層された保護フィルムの表面にはハードコート層やアンチグレア層などの表面処理層が設けられていてもよい。
 保護フィルムが偏光フィルムの両面に積層される場合、パネル側(視認側と反対側)の保護フィルムは、トリアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はアクリル系樹脂からなる保護フィルム又は位相差フィルムであることが好ましい。位相差フィルムは後述するゼロレタデーションフィルムであってもよい。
[0161]
 位相差フィルムとは、光学異方性を示す光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタクリレート、アセチルセルロース、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01~6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。延伸フィルムの中でも、アセチルセルロース、ポリエステル、ポリカーボネートフィルムやシクロオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸した高分子フィルムであることが好ましい。また、位相差フィルムは、液晶性化合物を基材に塗布・配向によって光学異方性を発現させた位相差フィルムであってもよい。
 なお、本明細書において、位相差フィルムは、ゼロレタデーションフィルムを含み、一軸性位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、広視野角位相差フィルムなどと称されるフィルムも含む。
[0162]
 ゼロレタデーションフィルムとは、正面レタデーションR eと厚み方向のレタデーションR thとが、ともに-15~15nmであり、光学的に等方なフィルムをいう。ゼロレタデーションフィルムとしては、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(鎖状ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂など)またはポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられ、レタデーション値の制御が容易で、入手も容易であるという点で、セルロース系樹脂またはポリオレフィン系樹脂が好ましい。ゼロレタデーションフィルムは、保護フィルムとしても用いることができる。ゼロレタデーションフィルムとしては、富士フイルム(株)から販売されている“Z-TAC”(商品名)、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“ゼロタック(登録商標)”、日本ゼオン(株)から販売されている“ZF-14”(商品名)などが挙げられる。
[0163]
 本発明の光学フィルムにおいて、位相差フィルムは、液晶性化合物を塗布・配向によって光学異方性を発現させた位相差フィルムが好ましい。
[0164]
 液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムとしては、以下の第一の形態~第五の形態が挙げられる。
第一の形態:棒状液晶化合物が支持基材に対して水平方向に配向した位相差フィルム
第二の形態:棒状液晶化合物が支持基材に対して垂直方向に配向した位相差フィルム
第三の形態:棒状液晶化合物が面内で螺旋状に配向の方向が変化している位相差フィルム
第四の形態:円盤状液晶化合物が傾斜配向している位相差フィルム
第五の形態:円盤状液晶化合物が支持基材に対して垂直方向に配向した二軸性の位相差フィルム
[0165]
 たとえば、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに用いられる光学フィルムとしては、第一の形態、第二の形態、第五の形態が好適に用いられる。またはこれらの形態の位相差フィルムを積層させて用いてもよい。
[0166]
 位相差フィルムが、重合性液晶化合物の配向状態における重合体からなる層(以下、「光学異方性層」と称する場合がある)である場合、位相差フィルムは逆波長分散性を有することが好ましい。逆波長分散性とは、短波長での液晶配向面内位相差値の方が長波長での液晶配向面内位相差値よりも小さくなる光学特性であり、好ましくは、位相差フィルムが下記式(7)および式(8)を満たすことである。なお、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。
 Re(450)/Re(550)≦1   (7)
 1≦Re(630)/Re(550)   (8)
 本発明の光学フィルムにおいて、位相差フィルムが第一の形態でかつ逆波長分散性を有する場合、表示装置での黒表示時の着色が低減するため好ましく、前記式(7)において0.82≦Re(450)/Re(550)≦0.93であればより好ましい。さらに120≦Re(550)≦150が好ましい。
[0167]
 位相差フィルムが、光学異方性層を有するフィルムである場合の重合性液晶化合物としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、並びに、特開2010-31223号公報、特開2010-270108号公報、特開2011-6360号公報、特開2011-207765号公報、特開2011-162678号公報、特開2016-81035号公報、国際公開第2017/043438号及び特表2011-207765号公報に記載の重合性液晶化合物等が挙げられる。
[0168]
 重合性液晶化合物の配向状態における重合体から位相差フィルムを製造する方法は、例えば、特開2010-31223号公報に記載の方法等が挙げられる。
[0169]
第2の形態の場合、正面位相差値Re(550)は0~10nmの範囲に、好ましくは0~5nmの範囲に調整すればよく、厚み方向の位相差値R thは、-10~-300nmの範囲に、好ましくは-20~-200nmの範囲に調整すればよい。厚み方向の屈折率異方性を意味する厚み方向の位相差値R thは、面内の進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定される位相差値R 50と面内の位相差値R 0 とから算出できる。すなわち、厚み方向の位相差値R thは、面内の位相差値R 0、進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定した位相差値R 50、位相差フィルムの厚みd、及び位相差フィルムの平均屈折率n 0から、以下の式 (10)~(12)によりn x、n y及びn z を求め、これらを式(9)に代入して、算出することができる。
[0170]
  R th=[(n +n )/2-n ]×d  (9)
  R  =(n -n )×d          (10)
  R 50=(n -n ')×d/cos(φ)   (11)
  (n +n +n )/3=n         (12)
ここで、
  φ=sin -1〔sin(40°)/n
  n '=n ×n /〔n ×sin (φ)+n ×cos (φ)〕 1/2
[0171]
 液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムや、無機層状化合物の塗布によって光学異方性を発現させたフィルムとしては、温度補償型位相差フィルムと称されるフィルム、JX日鉱日石エネルギー(株)から販売されている“NHフィルム”(商品名;棒状液晶が傾斜配向したフィルム)、富士フイルム(株)から販売されている“WVフィルム”(商品名;円盤状液晶が傾斜配向したフィルム)、住友化学(株)から販売されている“VACフィルム”(商品名;完全二軸配向型のフィルム)、住友化学(株)から販売されている“new VACフィルム”(商品名;二軸配向型のフィルム)などが挙げられる。
[0172]
 位相差フィルムは、二以上の層を有する多層フィルムであってもよい。例えば、位相差フィルムの片面又は両面に保護フィルムが積層されたものや、二以上の位相差フィルムが粘着剤又は接着剤を介して積層されたものが挙げられる。
[0173]
 本発明の粘着剤層及び本発明の光学積層体の層構成の一例を、図1~図5示す。
 図1に記載の粘着剤層付光学フィルム10は、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層1面の一時的な保護のため、粘着剤層面1に剥離フィルム(セパレートフィルム)2を貼着している状態である。
 図2に記載の粘着剤層付光学フィルム10Aは、保護フィルム3、接着剤層4、偏光フィルム5、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層1、剥離フィルム2を含む粘着剤層付光学フィルムである。保護フィルム3は位相差を有していてもよい。また、保護フィルム3の上にさらにハードコート層等が積層されていてもよい。
 図3に記載の粘着剤層付光学フィルム10Bは、保護フォルム3、接着剤層4、偏光フィルム5、接着剤層7、保護フィルム6、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層1、位相差フィルム8を含む粘着剤層付光学フィルムである。
 図4に記載の光学積層体10C及び図5に記載の光学積層体10Dは、保護フォルム3、接着剤層4、偏光フィルム5、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層1、接着剤層7、位相差フィルム110、粘着剤層1a、発光素子30(液晶セル、有機ELセル)を含む光学積層体である。粘着剤層1aは、公知の粘着剤組成物から形成された粘着剤層であってもよいし、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層であってもよい。
 図4及び図5に示すように位相差フィルムが多層フィルムである場合、図4に示したように、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相差層50と透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長位相差層70とを、接着剤層又は粘着剤層60を介して積層した位相差フィルム110を含む構成が挙げられる。また、図5に示したように、1/4波長位相差層50aとポジティブC層80とを、接着剤層又は粘着剤層60を介して積層した光学フィルム40を含む構成も挙げられる。
[0174]
 図4の1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相差層50、および透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長位相差層70は上記第一の形態の光学フィルムであっても第五の形態の光学フィルムであってもよい。図4の構成の場合、少なくとも片方が第五の形態であることがより好ましい。
 図5の構成の場合、1/4波長位相差層50aは上記第一の形態の光学フィルムであることが好ましく、さらに式(7)、式(8)を満たすことがより好ましい。
[0175]
<液晶表示装置>
 本発明の樹脂、該樹脂を含む粘着剤組成物、及び前記粘着剤組成物から形成される粘着剤層を含む光学積層体は、有機EL素子、液晶セル等の表示素子に積層させて、有機EL表示装置や液晶表示装置等の表示装置(FPD:フラットパネルディスプレイ)に用いる事ができる。
実施例
[0176]
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例および比較例中の「%」および「部」は、特記しない限り、「質量%」および「質量部」である。
[0177]
 合成例1:分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収性化合物(1)の合成


 温度計を設置した2000mL四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気に置換した後、4-ヒドロキシブチルアクリレート100部、シアノ酢酸65部、4-ジメチルアミノピリジン8.5部、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール7.7部、及び、アセトニトリル500部を仕込み、攪拌しながら0℃~10℃に冷却した。同温度を保ちながら、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド96部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を濾過して、式(UVA-M-03)で表される化合物を含むアセトニトリル溶液725部を得た。
[0178]


 温度計を設置した3000mL四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気に置換した後、特開2014-194508を参考に合成した式(UVA-M-01)で表される化合物 266部、無水酢酸71部、及びアセトニトリル837部を仕込み、次に、式(UVA-M-03)で表される化合物を含むアセトニトリル溶液725部を仕込んだ。得られた混合物を攪拌しながら、得られた混合物にジイソプロピルエチルアミン90部を2時間かけて滴下した。得られた混合物にシリカゲル200gを仕込んだ後濾過し、得られた濾液にトルエン1000部と水1000部とを混合して分液し、有機層を得た。得られた有機層をさらに水1000部で分液洗浄した。前記分液洗浄を3回繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮残留物とジメチルホルムアミド730部とを混合して得られた溶液を冷却し、水2000部を仕込み、析出した結晶を濾過して取り出した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶して乾燥し、式(UVA-1)で表される化合物 86部を得た。得られた式(UVA-1)で表される化合物を、LC-MSと H-NMRより同定した。
[0179]
[M+H] =319.4
1H-NMR(CDCl )δ:1.75-1.82(m、4H)、2.04-2.11(m、2H)、2.95-3.02(t、2H)、3.02(s、3H)、3.60-3.65(t、2H)、4.16-4.22(m、4H)、5.48-5.52(d、1H)、5.78-5.81(d、1H)、6.06-6.13(dd、1H)、6.36-6.41(d、1H)、7.88-7.92(d、1H)
[0180]
<グラム吸光係数ε測定>
 式(UVA-1)で表される化合物の2-ブタノン溶液(0.006g/L)を1cmの石英セルに入れ、石英セルを分光光度計UV-2450(株式会社島津製作所製)にセットし、ダブルビーム法により1nmステップ300~800nmの波長範囲で吸光度を測定した。得られた吸光度の値と、溶液中の式(UVA-1)で表される化合物の濃度、石英セルの光路長から、波長ごとのグラム吸光係数を算出した。
ε(λ)=A(λ)/CL   
〔式中、ε(λ)は波長λnmにおける樹脂(A)のグラム吸光係数(L/(g・cm))を表し、A(λ)は波長λnmにおける吸光度を表し、Cは濃度(g/L)を表し、Lは石英セルの光路長(cm)を表す。〕
 得られた式(UVA-1)で表される化合物のε(405)は45L/(g・cm)、ε(440)は0L/(g・cm)であった。
[0181]
[重合例1]:アクリル樹脂(A-1)の調製
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル150部、アクリル酸ブチル96部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3部、アクリル酸1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら内温を60℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.4部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。得られた混合物を60℃で1時間保持し、次いで内温を50~70℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが148万、Mw/Mnが3.45であった。これを樹脂(A-1)とする。DSCによるガラス転移温度は-45℃であった。なお、得られたアクリル樹脂における単量体組成は、アクリル酸ブチル96質量%、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3質量%、アクリル酸1質量%であった。
[0182]
<粘着剤組成物の調製>
[実施例1]:粘着剤組成物(1)の調製
 上記で得られた樹脂(A-1)の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)に、該溶液の固形分100部に対して、式(UVA-01)で表される化合物5部、光開始剤(ADEKA社製;商品名「NCI-730」、光ラジカル発生剤)0.1部、架橋剤(東ソー製;商品名「コロネートL」、イソシアネート系化合物、固形分75%)0.3部及びシラン化合物(信越化学工業製:商品名「KBM-3066」)0.28部を混合し、さらに固形分濃度が14%となるように2-ブタノンを添加して粘着剤組成物(1)を得た。なお、上記架橋剤(コロネートL)の配合量は、有効成分としての質量部数である。
[0183]
 [実施例2]:粘着剤組成物(2)の調製
 光ラジカル発生剤の含有量を表1に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(2)を調製した。
[0184]
 [実施例3]:粘着剤組成物(3)の調製
 樹脂(A-1)の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)の固形分100部に対して、光硬化性成分(新中村化学社製;商品名「A-DPH-12E」)10部を加えた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(3)を調製した。
[0185]
 [実施例4~実施例31及び比較例1、2]:粘着剤組成物(4)~粘着剤組成物(33)の調製
 樹脂(A)、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)、光開始剤(D)、光硬化性成分(C)、架橋剤(E)、シラン化合物(F)のそれぞれの種類及び含有量を表1及び表2に記載のとおりにした以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(4)~粘着剤組成物(33)の調製を行った。
[0186]
 [比較例3]:粘着剤組成物(34)の調製
 樹脂(A-1)の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)に、該溶液の固形分100部に対して、紫外線吸収剤(オリエント化学工業社製 BONASORB UA-3911)3部、架橋剤(東ソー製;商品名「コロネートL」、イソシアネート系化合物、固形分75%)0.3部及びシラン化合物(信越化学工業製:商品名「KBM-3066」)0.28部を混合し、さらに固形分濃度が14%となるように2-ブタノンを添加して粘着剤組成物(1)を得た。なお、上記架橋剤(コロネートL)の配合量は、有効成分としての質量部数である。
[0187]
[表1]


[0188]
[表2]


[0189]
 表1及び表2中に記載の符号は、それぞれ以下のものを意味する。
 樹脂(A-1):重合例1で得たアクリル樹脂(A-1)
 式(UVA-1):合成例1で得た式(UVA-1)で表される化合物
 NCI730:株式会社ADEKA社製、商品名「NCI-730」、オキシムエステル化合物である光ラジカル発生剤
 IrgTPO:株式会社BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア(登録商標)TPO」、ホスフィン化合物である光ラジカル発生剤
 Irg184:株式会社BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア(登録商標)TPO」、ベンゾフェノン化合物である光ラジカル発生剤
 OXE-01:株式会社BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア(登録商標)OXE-01」、オキシムエステル化合物である光ラジカル発生剤
 OXE-02:株式会社BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア(登録商標)OXE-02」、オキシムエステル化合物である光ラジカル発生剤
 OXE-03:株式会社BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア(登録商標)OXE-03」、オキシムエステル化合物である光ラジカル発生剤
 NCI-831E:株式会社ADEKA社製、商品名「NCI-831E」、オキシムエステル化合物である光ラジカル発生剤
 PBG3057:株式会社TRONLY社製、商品名「PBG3057」、オキシムエステル化合物である光ラジカル発生剤
 A-DPH-12E:新中村化学工業株式会社、商品名「A-DPH-12E」、エトキシかジペンタエリスリトールポリアクリレート、6官能(メタ)アクリレート化合物
 A-TMPT:新中村化学工業株式会社、商品名「A-TMPT」、トリメチロールプロパントリアクリレート、3官能(メタ)アクリレート化合物
 A-9300:新中村化学工業株式会社、商品名「A-9300」、エトキシ化イソシアヌルトリアクリレート、3官能(メタ)アクリレート化合物
 コロネートL:東ソー化学株式会社、商品名「コロネートL」、イソシアネート系架橋剤
 KBM-3066:信越化学工業株式会社製、商品名「KBM-3066」、シラン化合物
 式(UVA-2):オリエント化学工業社製 BONASORB UA-3911
[0190]
<粘着剤層の作製>
 上記(1)で調製した各粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔リンテック(株)から入手した商品名「PLR-382190」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥した。その後、セパレートフィルム側から紫外線照射装置(フュージョン UV システムズ社製「無電極UVランプシステム Hバルブ」)を用いてUV-A(波長320~390nm)が照度500mW、積算光量が500mJになるよう調整し、紫外線照射することで粘着剤層(粘着剤シート)を作製した。
[0191]
<粘着剤層のゲル分率の測定>
 本発明の粘着剤層におけるゲル分率は、以下の(a)~(d)に従って測定される値である。なお、ゲル分率が大きいほど粘着剤中で多くの架橋反応が進行していることになり、架橋密度の目安とすることができる。以下の(a)~(d)に従って測定し、結果を表3及び表4に示した。
  (a)約8cm×約8cmの面積の粘着剤シートと、約10cm×約10cmの SUS304 からなる金属メッシュ(その重量をWmとする)とを貼合する。
  (b)上記(a)で得られた貼合物を秤量して、その質量をWsとし、次に粘着剤シートを包み込むように4回折りたたんでホッチキス(ステープラー)で留めた後秤量し、その質量をWbとする。
  (c)上記(b)でホッチキス留めしたメッシュをガラス容器に入れ、酢酸エチル60mLを加えて浸漬した後、このガラス容器を室温で3日間保管する。
  (d)ガラス容器からメッシュを取り出し、120℃で24時間乾燥した後秤量し、その質量をWaとし、次式に基づいてゲル分率を計算する。
  ゲル分率(質量%)=〔{Wa-(Wb-Ws)-Wm}/(Ws-Wm)〕×100
[0192]
<光開始剤又は光選択吸収化合物の転化率の測定>
 得られた粘着剤層20cm×20cmを丸めて糊玉とし、バイアルに入れた。バイアルにさらにテトラヒドロフラン30mLを入れ、4時間以上静置して未反応の残存光開始剤を抽出した。バイアル中に存在する上澄み液をシリンジで採取し、液体クロマトグラフィーで残存光開始剤、残存光選択吸収化合物の定量分析を実施した。測定した定量値から、下記式に基づき転化率を計算した。結果を表3及び表4に示した。
 なお、光開始剤の転化率の値が高いほど、粘着剤層中に残存する未反応の光開始剤が少なくなり、耐熱性や耐候性などの耐久性に有利になると予期される。また、光選択吸収化合物の転化率の値が高いほど、未反応の光選択吸収化合物が少なくなり、耐ブリード性がより向上する。耐ブリード性が向上すると、光選択吸収化合物の他の層への移行性がなく、位相差変化の抑制に有利である。
転化率(%)=(1-(残存光開始剤定量値/光開始剤の仕込み量))×100
転化率(%)=(1-(残存光選択吸収化合物定量値/光選択吸収化合物の仕込み量))×100
[0193]
<粘着剤層の吸光度測定>
 得られた粘着剤層をそれぞれガラスに貼合し、セパレーターを剥離した後、粘着剤層にシクロオレフィンポリマー(COP)フィルム(日本ゼオン株式会社製ZF-14)を貼合し、COPフィルム/粘着剤層/ガラスの構成を有する積層体を作製した。作製した積層体を分光光度計UV-2450(株式会社島津製作所製)にセットし、ダブルビーム法により1nmステップ300~800nmの波長範囲で吸光度を測定した。作製した粘着剤層の吸光度を表3及び表4に示した。なお、波長405nmと波長440nmとにおける、ガラスの吸光度及びCOPフィルムの吸光度はいずれも0である。
[0194]
<粘着剤層の耐ブリード性評価>
 得られた粘着剤層の面にさらにセパレートフィルムを積層させて両面セパレートフィルム付き粘着剤層を得た。得られた両面セパレートフィルム付き粘着剤層を23~25℃の空気下で1ヶ月保管した。保管後の両面セパレートフィルム付き粘着剤層を顕微鏡を用いて面内の化合物の結晶析出有無を確認した。結晶析出がないと〇とし、結晶析出があると×とした。評価結果を表3及び表4に示した。
[0195]
[表3]


[0196]
[表4]


[0197]
<光学フィルムの作製>
 [実施例63]:光学フィルム(3)の作製
(i)偏光フィルム(偏光子)の作製
 平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%、厚さ30μmのポリビニルアルコールフィルム(「クラレポバールフィルム VF-PE#3000」、(株)クラレ製)を、37℃の純水に浸漬した後、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む水溶液(ヨウ素/ヨウ化カリウム/水(重量比)=0.04/1.5/100)に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウムとホウ酸とを含む水溶液(ヨウ化カリウム/ホウ酸/水(重量比)=12/3.6/100)に56.5℃で浸漬した。次いで、フィルムを10℃の純水で洗浄した後、85℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された厚さ約12μmの偏光フィルムAを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行い、トータルの延伸倍率は5.3倍であった。
[0198]
 (ii)偏光板の作製
 (i)で得られた偏光フィルムの片面に、厚さ25μmのトリアセチルセルロースフィルムに7μmのハードコート層を付与して得られた透明保護フィルム(「25KCHCN-TC」、凸版印刷(株)製)を、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼り合わせた。前記透明保護フィルムとは反対の面に厚さ23μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(「ZF14-023」、日本ゼオン(株)製)をポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼り合わせて、光学フィルムA(偏光板、厚み67μm)を作製した。
[0199]
 (iii)光配向膜形成用組成物の調製
 下記構造の光配向性材料5部とシクロペンタノン95部とを成分として混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、光配向膜形成用組成物を得た。下記光配向性材料は、特開2013-33248号公報記載の方法で合成した。
[0200]


[0201]
 (iv)重合性液晶化合物を含む組成物Aの調製
 下記構造の重合性液晶化合物A 12部、ポリアクリレート化合物(レベリング剤;BYK-Chemie社製 BYK-361N) 0.12部、重合開始剤(チバ スペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア369)0.72部及びシクロペンタノン 100部を混合し、重合性液晶化合物を含む組成物を得た。


[0202]
 重合性液晶化合物Aは、特開2010-31223号公報に記載の方法で合成した。重合性液晶化合物Aの極大吸収波長λmax(LC)は、350nmであった。
[0203]
 (v)光学異方性層の製造
 シクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン株式会社製 ZF-14)を、コロナ処理装置(AGF-B10、春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、(iii)で得た光配向膜形成用組成物をバーコーター塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(SPOT CURE SP-7;ウシオ電機株式会社製)を用いて、100mJ/cm の積算光量で偏光UV露光を実施した。得られた配向膜の膜厚をエリプソメータで測定したところ、100nmであった。
[0204]
 続いて、配向膜上に、(iv)で得た重合性液晶化合物を含む組成物Aからなる塗工液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプ(ユニキュアVB-15201BY-A、ウシオ電機株式会社製)を用いて、重合性液晶化合物を含む組成物を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長313nmにおける積算光量:500mJ/cm )することにより、光学異方性層1を含む光学フィルムを形成した。得られた光学異方性層1の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、2μmであった。
[0205]
(vi)光学異方性層と偏光板との積層
 [調製例1]:粘着剤組成物(A)の調製
 重合例1で得られた樹脂(A-1)の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)に、該溶液の固形分100部に対して、架橋剤(東ソー製;商品名「コロネートL」、イソシアネート系化合物、固形分75%)0.3部及びシラン化合物(信越化学工業製:商品名「KBM-3066」)0.28部を混合し、さらに固形分濃度が14%となるように2-ブタノンを添加して粘着剤組成物(A)を得た。
[0206]
 <粘着剤層(A)の作製>
 粘着剤組成物(A)を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔リンテック(株)から入手した商品名「PLR-382190」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥して、セパレーター付き粘着剤層(A)を作製した。
[0207]
 上記(ii)で作成した偏光板のシクロオレフィン樹脂フィルム面に、実施例3で得られた粘着剤組成物(3)から形成した粘着剤層(3)を貼合し、セパレーターを剥離した。さらに粘着剤層(3)のセパレーターを剥離した面と(V)で作成した光学異方性層のCOP面の反対面とを貼合して、COPを剥離した。光学異方性層のCOPを剥離した面に、セパレーター付き粘着剤層(A)を貼合して光学フィルム(3)を得た。
[0208]
 [比較例7]:光学フィルム(33)の作製
 粘着剤組成物(3)を、比較例2で作製した粘着剤組成物(33)に変更した以外は、実施例63と同様にして、光学フィルム(33)を作製した。
[0209]
 [比較例8]:光学フィルム(34)の作製
 粘着剤組成物(3)を、比較例3で作製した粘着剤組成物(34)に変更した以外は、実施例63と同様にして、光学フィルム(34)を作製した。
[0210]
<粘着剤層による光異方性層への位相差変化影響の確認>
 [作製例1]:評価用光学フィルムの作製
 粘着剤層(1)を粘着剤層(A)に変更した以外は、実施例63と同様にして評価用光学フィルムを作製した。
[0211]
 得られた評価用光学フィルムを30mm×30mmの大きさに裁断し、粘着剤層(A)に積層されたセパレーターを剥離して、これを無アルカリガラス〔コーニング社製の商品名“EAGLE XG”〕と貼合した。得られたガラス付き光学フィルムの波長450nmの位相差値を複屈折測定装置(KOBRA-WR;王子計測機器株式会社製)により測定した。その後、ガラス付き光学積層体を温度85℃のオーブンに120時間投入し、取り出して23℃50%の環境で24時間放置したのちに再度波長450nmの位相差値を測定した。耐久試験前後の位相差値の変化値を求めた。
[0212]
 評価用光学フィルムを実施例63で作製した光学フィルム(3)に変更した以外、同様に耐久試験前後の位相差値の変化値を求めた。さらに、以下の式に基づき、位相差変化量を求めた。結果を表3に示す。
位相差変化量=光学フィルム(3)の耐久試験前後の位相差変化値-評価用光学フィルムの耐久試験前後の位相差変化値
[0213]
 光学フィルム(3)を光学フィルム(33)に変更した以外は、上記と同様にして、位相差変化量を求めた。結果を表3に示す。
[0214]
 光学フィルム(3)を光学フィルム(34)に変更した以外は、上記と同様にして、位相差変化量を求めた。結果を表5に示す。
[0215]
[表5]


[0216]
 本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、長期保管を行っても経時で光選択吸収化合物が析出せず、良好な耐ブリード性を有する。
 また、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層と位相差フィルムとを含む光学フィルムは、耐熱試験後(85℃120時間)であっても位相差変化が少なく、良好な耐久性を示す。本発明の粘着剤層が良好な耐ブリード性を有することから光選択吸収化合物の位相差フィルムへの影響が少ないため、本発明の光学フィルムが良好な耐久性を有すると予期される。なかでも、位相差フィルムが光学異方性層を含む位相差フィルム(重合性液晶化合物の配向状態における硬化膜を含むフィルム)であると、光選択吸収化合物が析出することにより、重合性液晶化合物の配向性に乱れを生じてしまい位相差変化量が大きくなりやすくなることから、粘着剤層における耐ブリード性が求められる傾向にある。そのため、耐ブリード性性能が高い本発明の粘着剤組成物は、光学異方性層を有する位相差フィルムを使用することが多い有機EL用表示装置に対して特に有用である。

産業上の利用可能性

[0217]
 本発明の樹脂、該樹脂を含む粘着剤組成物、及び前期粘着剤組成物から形成される粘着剤層を含む光学積層体は、液晶パネル及び液晶表示装置に好適に用いられる。

符号の説明

[0218]
 1       本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層
 1a      粘着剤層
 2       剥離フィルム
 10、10A、10B、10C、10D  粘着剤層付き光学フィルム
 3、6     保護フィルム
 4、7     接着剤層
 5       偏光フィルム
 8       位相差フィルム
 30      発光素子
 40      光学フィルム
 50、50a   1/4波長位相差層
 60      接着剤層又は粘着剤層
 70      1/2波長位相差層
 80      ポジティブC層
 100 偏光板
 110 位相差フィルム

請求の範囲

[請求項1]
 樹脂(A)、分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)及び光開始剤(D)を含む粘着剤組成物。
[請求項2]
 光開始剤(D)が、光ラジカル発生剤である請求項1に記載の粘着剤組成物。
[請求項3]
 光開始剤(D)がオキシムエステル系光ラジカル発生剤である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
[請求項4]
 さらに、光硬化性成分(C)を含む請求項1~3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[請求項5]
 光硬化性成分(C)が、光ラジカル硬化性成分である請求項4に記載の粘着剤組成物。
[請求項6]
 光硬化性成分(C)が、(メタ)アクリレート化合物を含む請求項4又は5に記載の粘着剤組成物。
[請求項7]
 光硬化性成分(C)が、多官能(メタ)アクリレート化合物を含む請求項4~6のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[請求項8]
 さらに、架橋剤(E)を含む請求項1~7のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[請求項9]
 架橋剤(E)が、イソシアネート架橋剤である請求項8に記載の粘着剤組成物。
[請求項10]
 樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以下である請求項1~9のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[請求項11]
 ガラス転移温度が40℃以下である樹脂(A)が、(メタ)アクリル系樹脂である請求項10に記載の粘着剤組成物。
[請求項12]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)が、下記式(1)を満たす請求項1~11のいずれかに記載の粘着剤組成物。
ε(405)≧ 5  (1)
[式(1)中、ε(405)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長405nmにおけるグラム吸光係数を表す。グラム吸光係数の単位はL/(g・cm)である。]
[請求項13]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)が、下記式(2)を満たす請求項1~12のいずれかに記載の粘着剤組成物。
ε(405)/ε(440)≧ 5 (2)
[式(2)中、ε(405)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長405nmにおけるグラム吸光係数を表し、ε(440)は分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)の波長440nmにおけるグラム吸光係数を表す。]
[請求項14]
 分子内にメロシアニン構造と重合性基とを有する光選択吸収化合物(B)が、式(I)で表される化合物である請求項1~13のいずれかに記載の粘着剤組成物。



[式中、R 、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基、複素環基又はエチレン性不飽和基を表し、該脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれる-CH -は、-NR 1A-、-SO -、-CO-、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
 R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~25のアルキル基、電子吸引性基又はエチレン性不飽和基を表す。
 R 1A及びR 1Bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
 R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 及びR は互いに連結して環構造を形成してもよい。
 ただし、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR のいずれかのうち少なくとも1つは、エチレン性不飽和基である。]
[請求項15]
 式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物である請求項14に記載の粘着剤組成物。


[式(II)中、R 11、R 12、R 13、R 14及びR 15は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~25の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~15の芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基に含まれる-CH -は、-NR 11A-、-SO -、-CO-、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
 R 16及びR 17は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~25のアルキル基、電子吸引性基又はエチレン性不飽和基を表す。
 R 11A及びR 11Bは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
 R 11及びR 12は互い連結して環構造を形成してもよく、R 12及びR 13は互いに連結して環構造を形成してもよく、R 12及びR 14は互いに連結して環構造を形成してもよい。
 R 16又はR 17のいずれかのうち1つはエチレン性不飽和基である。]
[請求項16]
 請求項1~15のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層。
[請求項17]
 下記式(3)を満たす請求項16に記載の粘着剤層。
A(405) ≧ 0.5 (3)
[式(3)中、A(405)は波長405nmにおける吸光度を表す。]
[請求項18]
 さらに、下記式(4)を満たす請求項17に記載の粘着剤層。
A(405) / A(440) ≧ 5 (4)
[式(4)中、A(405)は波長405nmにおける吸光度を表し、A(440)は波長440nmにおける吸光度を表す。]
[請求項19]
 請求項16~18のいずれかに記載の粘着剤層の少なくとも一方の面に光学フィルムが積層された粘着剤層付き光学フィルム。
[請求項20]
 光学フィルムが、偏光板である請求項19に記載の粘着剤層付き光学フィルム。
[請求項21]
 請求項19又は20に記載の粘着剤層付き光学フィルムを含む画像表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]