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1. WO2020196257 - DISTANCE MEASUREMENT METHOD, DISTANCE MEASUREMENT DEVICE, AND PROGRAM

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明 細 書

発明の名称 測距方法、測距装置、及び、プログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214  

産業上の利用可能性

0215  

符号の説明

0216  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 測距方法、測距装置、及び、プログラム

技術分野

[0001]
 本開示は、測距方法、測距装置、及び、プログラムに関する。

背景技術

[0002]
 従来、近赤外光等の光を用いて、対象となる物体との距離を測定する測距装置がある(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
 特許文献1に記載の測距装置であるレーダ装置は、対象となる物体に対して照射光を照射するレーザダイオードと、当該物体で当該照射光が反射された光である反射光が入射され、入射された反射光を信号に変換する第1の受光回路及び第2の受光回路と、CPU(Central Processing Unit)を備える。また、CPUは、2つの受光回路それぞれから出力された2つ信号から、入射した反射光の光量値に比例した信号における出力可能な光量値の範囲である能動領域を元の2つの信号より広げた合成信号を生成する。
[0004]
 こうすることで、従来の測距装置では、広いダイナミックレンジの反射光であっても正確な距離を測定することができる。また、従来の測距装置では、2つの受光回路のうちの一方の受光回路には、APD(Avalanche Photo Diode)が用いられている。APDは、光電変換層に入射された光が光電変換されることで発生した電荷を、アバランシェ降伏を用いて増倍すること(つまり、アバランシェ増倍)で光検出感度を高めるフォトダイオードである。APDによれば、低輝度な反射光が入射した場合であっても、当該反射光の光量に比例した信号が受光回路から出力され得る。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2008-20203号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ところで、従来、反射光を精度よく検出するために、太陽光等の外光である背景光を用いて受光回路に入射した光の光量を補正する技術がある。ここで、例えば、背景光が太陽光である場合、時刻、又は、天気等によって背景光の光量が異なる。背景光の光量が異なると、反射光の光量と背景光の光量との差分が小さくなりすぎて、場合によっては反射光を検出できない。従来の測距装置では、背景光の光量によっては測定できない距離を算出しようとしてしまう問題がある。
[0007]
 本開示は、適切に距離を測定できる測距方法等を提供する。

課題を解決するための手段

[0008]
 本開示の一態様に係る測距方法は、物体に背景光が照射されている環境下において、前記背景光の照度を測光する工程と、前記背景光の照度に基づいて測距レンジを設定する工程と、設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD(Avalanche Photo Diode)を有する複数の画素を含む撮像部の撮像条件、及び、光源から光を出射させる出射条件を設定する工程と、設定した前記撮像条件及び前記出射条件に基づいて前記撮像部及び前記光源を制御することで、前記物体との距離の測定を行う工程と、を含む。
[0009]
 また、本開示の一態様に係る測距装置は、物体に背景光が照射されている環境下において、前記背景光の照度を測光する測光部と、前記背景光の照度に基づいて測距レンジを設定する演算部と、設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD(Avalanche Photo Diode)を有する複数の画素を含む撮像部の撮像条件、及び、光源から光を出射させる出射条件を設定し、設定した前記撮像条件及び前記出射条件に基づいて前記撮像部及び前記光源を制御することで、前記物体との距離の測定を行う制御部と、を備える。
[0010]
 なお、本開示は、上記測距方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。

発明の効果

[0011]
 本開示によれば、適切に距離を測定できる測距装置等を提供できる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 図1は、実施の形態1に係る測距装置の概要を説明するための図である。
[図2] 図2は、実施の形態1に係る測距装置が実行する測距方法を説明するための図である。
[図3] 図3は、実施の形態1に係る測距装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
[図4] 図4は、実施の形態1に係る測距装置が実行する測距方法を説明するためのフローチャートである。
[図5] 図5は、実施の形態1に係る測距装置が、アバランシェ増倍の発生回数から限界測距レンジを算出する方法を説明するための図である。
[図6] 図6は、実施の形態1に係る測距装置が、限界測距レンジを算出する際に用いるテーブル情報を選択する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
[図7] 図7は、実施の形態1に係る測距装置が、限界測距レンジを算出する際に用いるテーブル情報を選択する方法の一例を説明するための図である。
[図8] 図8は、実施の形態1に係る測距装置が物体の距離を測定する際に取得する複数のAPDそれぞれのアバランシェ増倍の発生回数の一例を示す図である。
[図9] 図9は、実施の形態1に係る測距装置が実行する照度の算出方法の一具体例を説明するための図である。
[図10] 図10は、実施の形態2に係る測距装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
[図11] 図11は、実施の形態2に係る測距装置が実行する測距方法を説明するためのフローチャートである。
[図12] 図12は、実施の形態2に係る測距装置が実行する測光方法の詳細を説明するためのフローチャートである。
[図13] 図13は、実施の形態2に係る測距装置が実行する測距レンジの設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
[図14] 図14は、実施の形態2に係る測距装置が実行する撮像条件及び出射条件の設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程(ステップ)及び工程の順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
[0014]
 また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
[0015]
 (実施の形態1)
 [構成]
 まず、図1~図3を参照しながら、実施の形態1に係る測距装置の構成について説明する。
[0016]
 図1は、実施の形態1に係る測距装置100の概要を説明するための図である。図2は、実施の形態1に係る測距装置100が実行する測距方法を説明するための図である。図3は、実施の形態1に係る測距装置100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
[0017]
 測距装置100は、物体との距離を測定する装置である。具体的には、測距装置100は、物体に向けて出射光300を出射し、出射光300が物体で反射した光である反射光310をAPD(Avalanche Photo Diode)111を複数有する撮像部110で検出することで、測距装置100と物体との距離を測定する。より具体的には、測距装置100は、TOF(Time Of Flight)方式により物体までの距離を算出する。
[0018]
 TOF方式とは、光源120に出射光300を出射させてから、光源120が出射した出射光300が物体に当たり、出射光300が物体で反射した光である反射光310を検出するまでにかかる時間から距離を算出する方式である。測距装置100は、例えば、人等の対象物400に向けて出射光300を出射する。出射光300は、対象物400で反射されて反射光310となる。反射光310は、測距装置100に入射される。測距装置100は、出射光300を出射してから反射光310を検出するまでの時間に基づいて、対象物400との距離を測定する。
[0019]
 図2に示すように、例えば、測距装置100は、所定の露光時間(第1露光時間)だけ撮像部110を露光させて、その間に複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数をカウントする。測距装置100は、例えば、カウントしたアバランシェ増倍の発生回数が、予め任意に定められた所定の発生回数以上の場合に第1区間に物体が存在すると判定し、所定の発生回数未満の場合に第1区間に物体が存在しないと判定する。
[0020]
 測距装置100は、第1区間に物体が存在しないと判定した場合、さらに、第1露光時間より長い所定の露光時間(第2露光時間)だけ撮像部110を露光させて、その間に複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数をカウントする。測距装置100は、例えば、カウントしたアバランシェ増倍の発生回数が所定の発生回数以上の場合に第2区間に物体が存在すると判定し、所定の発生回数未満の場合に第2区間に物体が存在しないと判定する。測距装置100は、このような処理を繰り返すことで、物体がどの区間に位置するか、つまり、物体が存在する場合に物体との距離を測定する。
[0021]
 ここで、例えば、測距装置100には、測距装置100(具体的には、撮像部110)における測定可能な距離の限界である限界測距レンジが設定されている。限界測距レンジより測距装置100から離れた位置に対象物410が存在している場合、測距装置100は、例えば、光源120が出射した光が物体まで到達しない等の理由から、物体との距離を測定できない。例えば、図2においては、測距装置100は、第1区間から第6区間までに物体が位置している場合、どの区間に物体が存在するかを測定できる。一方で、測距装置100は、第7区間に物体が存在している場合、物体が存在しているか否かを判定できず、もちろん、物体との距離も測定できない。
[0022]
 具体的に例えば、測距装置100は、図1に示すように、対象物400に向けて出射光300を出射したとする。この場合、限界測距レンジより測距装置100から近い位置に対象物400が存在しているため、測距装置100は、例えば、反射光310を検出することで、対象物400との距離を測定する。
[0023]
 一方、測距装置100は、対象物400よりも遠い位置に存在する車両等の対象物410に向けて出射光301を出射したとする。この場合、限界測距レンジより測距装置100から離れた位置に対象物410が存在しているとき、測距装置100は、例えば、出射光301が対象物410まで到達せずに反射光を検出できないため、対象物410との距離を測定できない。
[0024]
 このように、測距装置100で測定できる距離には限界がある。そこで、従来の測距装置は、限界測距レンジが予め定められている、つまり、限界測距レンジに基づいて算出される撮像部110を露光させる最大の時間(最大露光時間)が予め定められている。例えば、限界測距レンジが短い程、最大露光時間は短くなる。一方、限界測距レンジが長い程、最大露光時間は長くなる。
[0025]
 しかしながら、太陽光等の光源120から出射された出射光300ではない背景光320の照度によっては、限界測距レンジが変化する。例えば、背景光320の照度が非常に強い場合、反射光310の照度が背景光320の照度に比べて相対的に著しく低くなり、撮像部110で反射光310を検出できなくなる。つまり、この場合、実際に測定できる限界測距レンジは、予め定められている限界測距レンジよりも短くなる。そのため、従来の測距装置では、背景光320の照度によっては測定できない距離を、限界測距レンジが予め定められているために、距離の算出を行う処理をしてしまう。本開示に係る測距装置100は、限界測距レンジを算出することで、背景光320の照度が強すぎてノイズが多く検出されてしまい、物体との距離を測定できないような距離において距離の算出を行わないようにして、適切な距離を測定するための算出を行うようにする。
[0026]
 図3に示すように、測距装置100は、撮像部110と、光源120と、処理部200と、記憶部240と、を備える。
[0027]
 撮像部110は、複数のAPD111を有するカメラである。APD111は、光電変換層に入射された光が光電変換されることで発生した電荷を、アバランシェ増倍することで光検出感度を高めるフォトダイオードである。撮像部110は、例えば、マトリクス状に配置された複数のAPD111を有する。
[0028]
 なお、撮像部110が有するAPD111の数は、複数であればよく、特に限定されない。
[0029]
 光源120は、出射光300を出射する光源である。光源120は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)等である。なお、光源120が出射する波長は、特に限定されない。光源120は、例えば、中心波長が800nm~1200nm程度の近赤外光を出射する。
[0030]
 処理部200は、撮像部110及び光源120を制御し、物体(例えば、対象物400)との距離を測定する処理部である。
[0031]
 処理部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、記憶部240等に記憶された当該CPUが実行する制御プログラムと、から実現される。また、処理部200は、撮像部110及び光源120と制御線等により通信可能に接続されている。
[0032]
 処理部200は、機能的には、取得部210と、演算部220と、制御部230と、を備える。
[0033]
 取得部210は、撮像部110と接続され、撮像部110で検出された反射光310の情報を取得する。具体的には、取得部210は、物体に背景光320が照射されている環境下において、撮像部110から、撮像部110が備える複数のAPD111それぞれで発生したアバランシェ増倍の発生回数を取得する。なお、取得部210は、撮像部110から、複数のAPD111それぞれで発生したアバランシェ増倍の発生回数を取得してもよいし、アバランシェ増倍が発生したことを示す情報を取得してもよい。取得部210は、アバランシェ増倍が発生したことを示す情報を取得する場合、例えば、当該情報を取得した回数をカウントすることで、複数のAPD111それぞれで発生したアバランシェ増倍の回数を取得する。
[0034]
 演算部220は、取得部210が取得した複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、撮像部110を用いて測距可能な距離を示す限界測距レンジを算出する。具体的には、演算部220は、光源120が出射光300を出射しておらず、且つ、背景光320が照射されている環境下において、取得部210が取得した複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて限界測距レンジを算出する。
[0035]
 例えば、演算部220は、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて背景光320の照度を算出し、算出した背景光320の照度に基づいて限界測距レンジを算出する。例えば、演算部220は、照度情報253に基づいてアバランシェ増倍の発生回数から背景光320の照度を算出する。
[0036]
 照度情報253は、アバランシェ増倍の発生回数と照度との対応関係を示すテーブルである。照度情報253は、例えば、記憶部240に記憶されている。演算部220は、光源120が出射光300を出射しておらず、背景光320が照射されている環境下において、取得部210が取得した複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、照度情報253とから、背景光320の照度を算出する。続いて、演算部220は、算出した照度に基づいて、限界測距レンジを算出する。
[0037]
 例えば、演算部220は、複数のAPD111のうちの少なくとも2以上のAPD111のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を算出する。
[0038]
 或いは、演算部220は、複数のAPD111のうちの全てのAPD111のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を算出する。
[0039]
 また、例えば、演算部220は、算出した背景光320の照度と、テーブル情報250とに基づいて、限界測距レンジを算出する。
[0040]
 テーブル情報250は、照度と限界測距レンジとの対応関係(つまり、照度に対する限界測距レンジ)を示すテーブルである。テーブル情報250は、例えば、記憶部240に記憶されている。
[0041]
 テーブル情報250は、例えば、第1テーブル情報251と、照度と限界測距レンジとの対応関係が第1テーブル情報251とは異なる第2テーブル情報252とを含む。例えば、演算部220は、制御部230が光源120に光を出射させた場合における複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、制御部230が光源120に光を出射させていない場合における複数のAPD111のアバランシェ増倍の発生回数とから、背景光320の照度に対する光源120から出射した光が物体で反射した光の照度の比(具体的には、照度の大きさの比)であるS/N比を算出する。演算部220は、さらに、算出したS/N比に基づいて、第1テーブル情報251に基づいて限界測距レンジを算出するか第2テーブル情報252に基づいて限界測距レンジを算出するかを選択する。例えば、演算部220は、背景光320の照度と、反射光310の照度と背景光320の照度との差分とを算出する。次に、演算部220は、背景光320の照度に対する算出した差分の比率を算出することで、S/N比を算出する。
[0042]
 第1テーブル情報251は、例えば、照度を示す第1閾値と、当該第1閾値より高い照度を示す第2閾値との間の照度において、第2テーブル情報252よりも当該照度に対応する限界測距レンジが長くなっている。例えば、演算部220は、背景光320の照度が第1閾値を下回った場合に、第1テーブル情報251に基づいて限界測距レンジを決定し、背景光320の照度が第2閾値を上回った場合に、第2テーブル情報252に基づいて限界測距レンジを算出する。
[0043]
 制御部230は、撮像部110の露光及び光源120の出射光300の出射を制御する。制御部230は、例えば、TOF方式により、撮像部110を露光させて、且つ、光源120から出射光300を出射させて、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離を算出する。
[0044]
 また、制御部230は、例えば、演算部220が算出した限界測距レンジに基づいて撮像部110を露光させる最大露光時間を算出し、算出した最大露光時間以内の露光時間で撮像部110を露光させて、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、物体までの距離を算出する。より具体的には、制御部230は、限界測距レンジに基づいて、露光時間の最大値(最大露光時間)を算出する。制御部230は、所定の露光時間で撮像部110を露光させ、さらに、所定の時間だけ露光時間を長くして撮像部110を再度露光させる処理を、限界測距レンジに基づく最大露光時間まで繰り返す。
[0045]
 なお、制御部230は、物体との距離を測定する際に実行する撮像部110を露光させる処理である露光処理を、1つの距離の測定に対して、複数回実行してもよい。例えば、制御部230は、図2に示す第1区間に物体が存在するか否かを判定するために、撮像部110を同じ露光時間で複数回露光させてもよい。例えば、演算部220は、それぞれの露光処理でのアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、第1区間に物体があるか否か、つまり、物体との距離を測定(算出)してもよい。
[0046]
 また、制御部230が限界測距レンジに基づいて最大露光時間を算出するための変換方法は、限界測距レンジが短い程最大露光時間は短くなるように設定されていればよく、特に限定されない。当該変換方法は、例えば、限界測距レンジに対する最大露光時間を示すテーブルとして記憶部240に記憶されていてもよいし、限界測距レンジから最大露光時間を算出するための変換式が記憶部240に記憶されていてもよい。
[0047]
 また、例えば、制御部230は、互いに異なる複数の所定露光時間のうち、最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間を選択し、選択した最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間で撮像部110を露光させ、最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間ごとの複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離を算出する。
[0048]
 例えば、図2に示すように、第1区間を測距する場合、第1露光時間で制御部230が撮像部110を露光させ、第2区間を測距する場合、第2露光時間で制御部230が撮像部110を露光させるように、複数の所定露光時間(第1露光時間、第2露光時間等)が記憶部240に記憶されている。つまり、各測距される区間ごとに互いに異なる所定露光時間が予め割り振られている。
[0049]
 制御部230は、最大露光時間に基づいて、つまり、限界測距レンジに基づいて、複数の所定露光時間のうち、最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間を選択する。例えば、図2に示すように、最大露光時間が第6区間を測距するための露光時間(第6露光時間)以上であり、且つ、第7区間を測距するための露光時間未満であるとする。この場合、制御部230は、予め定められた複数の所定露光時間のうち、第1露光時間から第6露光時間までの6つの所定露光時間を選択する。さらに、制御部230は、選択した最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間で撮像部110を露光させる。例えば、制御部230は、第1露光時間で撮像部110を露光させる露光処理を実行させ、さらに、第2露光時間で撮像部110を露光させる露光処理を実行させるように、第6露光時間で撮像部110を露光させる露光処理まで、露光時間を変えながら繰り返し露光処理を実行させる。
[0050]
 制御部230は、このように複数回実行された露光処理ごとの複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離を算出する。例えば、制御部230は、撮像部110を露光させている間に、光源120から所定の出射回数だけ光(出射光300)を出射させる。
[0051]
 なお、露光時間、各露光時間の露光回数、及び、光源120からの光の出射回数が、任意に定められてよい。
[0052]
 また、制御部230は、最大露光時間に基づいて、所定露光時間、露光回数、及び、出射回数を算出してもよい。制御部230は、例えば、算出した複数の所定露光時間ごとに撮像部110を算出した露光回数だけ繰り返し露光させて、且つ、光源120に算出した出射回数だけ光を出射させる。
[0053]
 例えば、制御部230は、同じ露光時間で予め定められた露光回数だけ露光処理を実行させる。露光回数は、予め任意に定められてよく、1回でもよいし、複数回でもよい。露光回数は、例えば、記憶部240に記憶されている。
[0054]
 ここで、例えば、制御部230は、最大露光時間に基づいて露光処理を実行させる露光回数を算出してもよい。例えば、制御部230は、最大露光時間に基づいて記憶部240に記憶されている露光回数を変更してもよい。
[0055]
 例えば、制御部230は、一度の測距について全体でかかる露光時間(つまり、一度の測距にかかる時間)を凡そ変更しないように、撮像部110を制御する。この場合、制御部230は、例えば、最大露光時間が図2に示す第6区間までである場合、第1露光時間、から第6露光時間までの各露光時間で1回ずつ撮像部110を露光させ、最大露光時間が図2に示す第4区間までである場合、第1露光時間から第4露光時間までの各露光時間で2回ずつ撮像部110を露光させる。
[0056]
 このように、制御部230は、最大露光時間に基づいて、各露光時間における露光回数を変更してもよい。例えば、制御部230は、最大露光時間が長い程露光回数を減らし、最大露光時間が短い程露光回数を増やすことで、1回の測距でかかる時間を、最大露光時間によらずに略同じにする。
[0057]
 また、限界測距レンジ以内の各区間は、距離が均等に分割されている必要はない。例えば、測定距離が50mであり、3区間に分割される場合、第1区間は0~5m、第2区間は5~15m、及び、第3区間は15~50mとなるように、区間が分割されてもよい。つまり、制御部230が撮像部110を露光させる時間は、任意に定められてよい。
[0058]
 また、例えば、制御部230は、限界測距レンジに基づいて、限界測距レンジ内の区間数を増やす(つまり、異なる露光時間の露光回数を増やす)ことで、距離の刻み幅を変えてもよい。これにより、距離が細かく測距可能になるため、測距精度が向上される。
[0059]
 また、例えば、区間(つまり、露光時間)ごとに光源120が出射する光の出射回数(光がレーザの場合、例えば、レーザのパルス回数)は、異なっていてもよい。つまり、各区間での露光時間(光んの出射1回分の露光時間×出射回数)は、異なっていてもよい。
[0060]
 例えば、測距装置100と物体との距離が近い場合、反射光310が検出されやすいため、出射回数は、少なくても精度よく測距されやすい。一方、例えば、測距装置100と物体との距離が遠い場合、反射光310が検出されにくいため、出射回数は、精度よく測距されにくい。そのため、例えば、制御部230は、測距装置100との距離が区間程(つまり、露光時間が長い程)、出射回数が多くなるように算出する。特に、限界測距レンジ境界の区間では、測距の精度(言い換えると、S/N比)が低くなるために、例えば、制御部230は、このような区間で出射回数(試行回数)を増やすように、限界測距レンジ外の不要になった時間を割当てる。言い換えると、制御部230は、最大露光時間に近い露光時間程、光源120から光を出射させる回数を増やす。例えば、制御部230は、第1区間(0~5m)を出射回数を2回とし、第2区間(5~15m)を出射回数を5回とし、第3区間(15~50m)を出射回数を10回とするように、算出する。
[0061]
 これにより、各区間、特に、限界測距レンジに近い区間の測距精度は、向上される。
[0062]
 また、例えば、制御部230は、演算部220が限界測距レンジを算出するための露光処理を、撮像部110に複数回実行させもよい。具体的に例えば、制御部230は、撮像部110に露光させる露光処理を複数回実行させる。この場合、例えば、取得部210は、例えば、露光処理ごとに複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得する。また、演算部220は、例えば、取得部210が取得した露光処理ごとの複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を算出する。
[0063]
 記憶部240は、処理部200が実行する制御プログラム等が記憶されている記憶装置である。
[0064]
 記憶部240は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。
[0065]
 また、記憶部240は、例えば、予め定められた照度と限界測距レンジとの対応関係を示すテーブル情報250を記憶する。具体的に例えば、記憶部240は、第1テーブル情報251と、第1テーブル情報251とは照度と限界測距レンジとの対応関係が異なる第2テーブル情報252とをテーブル情報250として記憶する。
[0066]
 また、記憶部240は、照度情報253は、アバランシェ増倍の発生回数と照度との対応関係を示す照度情報253を記憶する。
[0067]
 また、例えば、記憶部240は、照度を示す第1閾値と、第1閾値より高い照度を示す第2閾値とを閾値情報254として記憶する。
[0068]
 [測距方法]
 続いて、図4~図9を参照しながら、測距装置100が実行する測距方法について説明する。
[0069]
 図4は、実施の形態1に係る測距装置100が実行する測距方法を説明するためのフローチャートである。
[0070]
 まず、制御部230は、撮像部110を制御することで、撮像部110を露光させる(ステップS101)。制御部230が撮像部110を露光させる時間は、任意に定められてよい。
[0071]
 次に、取得部210は、撮像部110が有する複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を撮像部110から取得する(ステップS102)。
[0072]
 次に、演算部220は、取得部210が取得したアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、背景光320の照度を算出する(ステップS103)。ステップS103では、例えば、演算部220は、照度情報253に基づいて、取得部210が取得したアバランシェ増倍の発生回数から背景光320の照度を算出する。
[0073]
 次に、演算部220は、テーブル情報250に基づいて、限界測距レンジを算出する(ステップS104)。ステップS104では、例えば、演算部220はテーブル情報250に基づいて、算出した背景光320の照度から限界測距レンジを算出する。
[0074]
 図5は、実施の形態1に係る測距装置100が、アバランシェ増倍の発生回数から限界測距レンジを算出する方法を説明するための図である。具体的には、図5の(a)は、撮像部110が有する複数のAPD111のそれぞれで発生したアバランシェ増倍の発生回数を示す図である。図5の(a)には、一例として、3行3列でマトリクス状に配列された9つのAPD111を撮像部110が有する場合における、9つのAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を例示している。図5の(b)は、照度情報253の一例を示す図である。図5の(c)は、テーブル情報250の一例を示す図である。
[0075]
 例えば、取得部210は、撮像部110から図5の(a)で示すような9つのAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得したとする。
[0076]
 この場合、演算部220は、例えば、9つのAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値を算出する。ここでは、演算部220は、例えば、算出結果から小数点以下を切り捨てて、当該平均値を5と算出する。もちろん、算出結果のそのままの値を用いてもよい。次に、演算部220は、図5の(b)に示す照度情報253から、背景光320の照度を2000luxと算出する。次に、演算部220は、図5の(c)に示すテーブル情報250から、限界測距レンジを100mと算出する。
[0077]
 このように、演算部220は、ステップS103からステップS104では、取得部210が取得した複数のAPD111のそれぞれで発生したアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、限界測距レンジを算出する。
[0078]
 なお、ここでは、演算部220は、撮像部110が有する全てのAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数をカウントし、撮像部110が有する全てのAPDのアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、背景光320の照度を算出している。演算部220は、複数のAPD111のうちの少なくとも2以上のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数をカウントし、少なくとも2以上のAPDのアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、背景光320の照度を算出してもよい。例えば、演算部220は、図5の(a)に示す複数のAPD111のうち、中央に位置するAPD111と、そのAPD111の紙面上下左右に位置する4つのAPD111との5つのAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数をカウントし、当該5つのAPD111のアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、背景光320の照度を算出してもよい。
[0079]
 また、取得部210は、それぞれのAPD111が制御部230によって繰り返し露光されることでアバランシェ増倍の発生回数を複数回取得し、取得した複数回のアバランシェ増倍の発生回数の平均値をステップS102で取得してもよい。例えば、図5の(a)に示す複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数は、APD111それぞれを10回露光させた際のアバランシェ増倍の発生回数の平均値である。
[0080]
 また、本実施の形態では、記憶部240は、照度に対する限界測距レンジの対応関係が互いに異なる第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252をテーブル情報250として記憶している。演算部220は、背景光320の照度と反射光310の照度とに基づいて、用いるテーブル情報を第1テーブル情報251と第2テーブル情報252とで変更する。
[0081]
 図6は、実施の形態1に係る測距装置100が、限界測距レンジを算出する際に用いるテーブルを第1テーブル情報251にするか第2テーブル情報252にするかを選択する方法の一例を説明するためのフローチャートである。図7は、実施の形態1に係る測距装置100が、限界測距レンジを算出する際に用いるテーブルを第1テーブル情報251にするか第2テーブル情報252にするかを選択する方法の一例を説明するための図である。
[0082]
 図6に示すように、まず、演算部220は、背景光320の照度を算出する(ステップS201)。ステップS201では、演算部220は、例えば、図4に示すステップS103を実行する。
[0083]
 次に、演算部220は、制御部230が光源120に光を出射させた場合にカウントされた複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、制御部230が光源120に光を出射させていない場合にカウントされた複数のAPD111のアバランシェ増倍の発生回数とから、背景光320の照度に対する光源120から出射した光が物体で反射した光の照度の比であるS/N比を算出する(ステップS202)。
[0084]
 次に、演算部220は、ステップS202で算出したS/N比が予め定められた所定値以上であるか否かを判定する(ステップS203)。
[0085]
 演算部220は、ステップS202で算出したS/N比が予め定められた所定値以上であると判定した場合(ステップS203でYes)、第1テーブル情報251を選択する(ステップS204)。これにより、演算部220は、第1テーブル情報251に基づいて限界測距レンジを算出する。
[0086]
 一方、演算部220は、ステップS202で算出したS/N比が予め定められた所定値以上でないと判定した場合(ステップS203でNo)、第2テーブル情報252を選択する(ステップS208)。これにより、演算部220は、第2テーブル情報252に基づいて限界測距レンジを算出する。
[0087]
 図7の(a)に示すように、第1テーブル情報251と第2テーブル情報252とは、背景光320の照度に対する限界測距レンジの換算方法が異なる。具体的には、第1テーブル情報251は、予め定められた第1閾値及び第1閾値より高い照度を示す第2閾値の間で、第2テーブル情報252と換算方法が異なる。より具体的には、第1テーブル情報251は、第1閾値と第2閾値との間で、第2テーブル情報252よりも限界測距レンジが長くなるように演算部220が換算するテーブルである。
[0088]
 例えば、演算部220は、ステップS202で背景光320の照度を2000luxと算出したとする。この場合、演算部220は、図7の(a)に示すように、S/N比が予め定められた所定値以上であると判定した場合、第1テーブル情報251に基づいて、限界測距レンジを100mと算出する。一方、演算部220は、S/N比が予め定められた所定値以上でないと判定した場合、第2テーブル情報252に基づいて、限界測距レンジを90mと算出する。このように、演算部220は、S/N比が高くない場合には、限界測距レンジを低く算出する。
[0089]
 再び図6を参照し、例えば、演算部220は、ステップS204を実行してから所定の時間後に、背景光320の照度を再度算出する(ステップS205)。このように、測距装置100は、所定の時間ごとに、背景光320の照度を繰り返し算出してもよい。これにより、演算部220は、時刻、又は、天候等に応じて背景光320が変化した場合においても適切な限界測距レンジを算出できる。
[0090]
 次に、演算部220は、算出した照度が第2閾値を上回ったかどうかを判定する(ステップS206)。例えば、演算部220は、図7の(b)に示すように、ステップS202で算出した背景光320の照度が2000luxであり、且つ、ステップS205で算出した背景光320の照度が3000luxであるとする。この場合、ステップS206では、演算部220は、算出した照度が第2閾値を上回ったと判定し(ステップS206でYes)、第2テーブル情報252を選択する(ステップS207)。一方、演算部220は、算出した照度が第2閾値を上回っていないと判定した場合(ステップS206でNo)、第1テーブル情報251を選択したままとする。
[0091]
 また、例えば、演算部220は、ステップS208を実行してから所定の時間後に、背景光320の照度を再度算出する(ステップS209)。
[0092]
 次に、演算部220は、算出した照度が第1閾値を下回ったかどうかを判定する(ステップS210)。例えば、演算部220は、図7の(c)に示すように、ステップS202で算出した背景光320の照度が3000luxであり、且つ、ステップS209で算出した背景光320の照度が1000luxであるとする。この場合、ステップS210では、演算部220は、算出した照度が第1閾値を下回ったと判定し(ステップS210でYes)、第1テーブル情報251を選択する(ステップS211)。一方、演算部220は、算出した照度が第1閾値を下回っていないと判定した場合(ステップS210でNo)、第2テーブル情報252を選択したままとする。
[0093]
 このように、演算部220は、算出した背景光320の照度及びS/N比から、限界測距レンジを算出するために用いるテーブルを変更する。
[0094]
 なお、記憶部240が記憶するテーブル情報250に含まれるテーブルの数は、2つに限定されず、3以上でもよい。
[0095]
 再び図4を参照し、ステップS104の次に、制御部230は、演算部220が算出した限界測距レンジに基づいて、撮像部110を露光させる露光時間(最大露光時間)を算出する(ステップS105)。ステップS105では、例えば、ステップS104で演算部220が算出した限界測距レンジが図2に示すように第6区間までの距離だった場合、第6区間に位置する物体の距離を測定するための露光時間を算出する。限界測距レンジからの露光時間の算出方法は、特に限定されない。例えば、記憶部240は、限界測距レンジに対する露光時間の対応関係を示す露光時間テーブルを記憶していてもよい。制御部230は、例えば、当該露光時間テーブルに基づいて、演算部220が算出した限界測距レンジから撮像部110に露光させる最大の露光時間を算出してもよい。
[0096]
 次に、制御部230は、TOF方式で物体との距離を測定する(ステップS106)。具体的には、ステップS106では、制御部230は、ステップS105で算出した露光時間まで、光源120から出射光300を出射させながら、且つ、限界測距レンジに基づいて算出した最大露光時間まで繰り返し露光時間を変えながら撮像部110を露光させる。これにより、制御部230は、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、物体との距離を測定する。
[0097]
 なお、制御部230は、ステップS106では、記憶部240に記憶された複数の所定露光時間のうち、最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間を選択し、選択した最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間で撮像部110を露光させてもよい。
[0098]
 また、制御部230は、ステップS106では、最大露光時間に基づいて、撮像部110の露光時間、撮像部110の露光回数、及び、光源120の光の出射回数を算出し、算出結果に基づいて撮像部110及び光源120を制御してもよい。
[0099]
 図8は、実施の形態1に係る測距装置100が物体の距離を測定する際に取得する複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の一例を示す図である。なお、図8の(a)~(c)には、一例として、3行3列でマトリクス状に配列された9つのAPD111を撮像部110が有する場合における、9つのAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を例示している。
[0100]
 具体的には、図8の(a)は、制御部230が光源120から出射光300を出射させている場合において、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の一例を示す図である。図8の(b)は、制御部230が光源120から出射光300を出射させていない場合において、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の一例を示す図である。図8の(c)は、図8の(a)に示す複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、図8の(b)に示す複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数との差分を示す図である。
[0101]
 取得部210は、例えば、制御部230が撮像部110及び光源120を制御することで、図8の(a)に示す複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、図8の(b)に示す複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数とを取得する。次に、制御部230は、取得部210が取得した複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数から、図8の(c)に示す差分を算出する。次に、制御部230は、当該差分が、予め定められた所定の発生回数以上か否かを判定する。制御部230は、当該差分が、予め定められた所定の発生回数以上であると判定した場合に、物体が露光時間に対応する所定の区間に存在すると判定して、当該所定の区間までの距離を物体との距離として測定する。例えば、予め定められた所定の発生回数が「2」である場合には、制御部230は、図8の(c)に示すAPD111a及びAPD111bが光を検出している方向に物体が存在し、且つ、露光時間に対応する所定の区間に当該物体が位置すると測定する。
[0102]
 なお、演算部220は、ステップS103において背景光320の照度を算出する際に、互いに異なる複数の時刻に算出した照度の平均値を算出してもよい。
[0103]
 図9は、実施の形態1に係る測距装置100が実行する照度の算出方法の一具体例を説明するための図である。
[0104]
 例えば、制御部230及び取得部210は、図4に示すステップS101及びステップS102を複数回繰り返す。これにより、演算部220は時刻に対する背景光320の照度を複数算出できる。
[0105]
 例えば、図9に示すように、演算部220は、制御部230及び取得部210が図4に示すステップS101及びステップS102を4回繰り返すことで得られたアバランシェ増倍の発生回数から、時刻t1、t2、t3、及びt4における背景光320の照度を算出する。次に、演算部220は、時刻t1、t2、t3、及びt4における背景光320の照度の平均値を算出することで、時刻T1における照度を算出する。演算部220は、例えば、図4に示すステップS104以降の処理を、時刻T1における照度を用いて行う。
[0106]
 このように、制御部230は、例えば、撮像部110に露光させる露光処理を複数回実行させる。この場合、演算部220は、例えば、露光処理ごとに複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数をカウントし、カウントした露光処理ごとの複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、背景光320の照度を算出する。
[0107]
 例えば、図9に示すように、時刻t6において、撮像部110が遮られる等して、時刻t5から急激に照度が低下したとする。この場合、例えば、図7の(c)に示す変化と同様の変化であるため、演算部220は、限界測距レンジの算出に用いるテーブル情報を第1テーブル情報251から第2テーブル情報252に変更する。さらに、例えば、時刻t7において、撮像部110が遮られていた状態から元の遮られていない状態に戻る等して、時刻t6から急激に照度が上昇したとする。この場合、演算部220は、限界測距レンジの算出に用いるテーブル情報を第2テーブル情報252から第1テーブル情報251に変更する。このように、演算部220が照度を算出するタイミングによっては、算出する照度が大きく揺らぐ可能性がある。そこで、演算部220は、複数の時刻における背景光320の照度の平均値を算出し、例えば、図4に示すステップS104以降の処理を、当該平均値の照度を用いて行う。
[0108]
 なお、制御部230及び取得部210は、図4に示すステップS101及びステップS102を繰り返す回数は、任意に定められてよい。
[0109]
 [効果等]
 以上説明したように、実施の形態1に係る測距装置100は、物体との距離を測定する測距装置であって、物体に背景光320が照射されている環境下において、複数のAPD111を有する撮像部110を露光させる制御部230と、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得する取得部210と、取得部210が取得した複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、撮像部110を用いて測距可能な距離を示す限界測距レンジを算出する演算部220と、を備える。
[0110]
 このような構成によれば、演算部220は、背景光320の照度に応じて、適切な限界測距レンジを算出できる。そのため、測距装置100は、背景光320の照度に応じて、適切な距離を測定できる。例えば、測距装置100が車両等の移動体に搭載される場合、太陽光等の背景光320の照度に合わせて適切に車間距離等の測定できる最大値を設定できる。
[0111]
 また、例えば、測距装置100は、光源120と、撮像部110とを備える。この場合、制御部230は、例えば、TOF方式により、撮像部110を露光させて、且つ、光源120から光を出射させて、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離を算出する。
[0112]
 このような構成によれば、制御部230は、適切な限界測距レンジに基づいて適切な距離を測定できる。例えば、制御部230、限界測距レンジに基づいて光源120から出射させる出射光300の光量を適切に変化させることで、適切な距離を測定できる。
[0113]
 また、例えば、制御部230は、演算部220が算出した限界測距レンジに基づいて撮像部110に露光させる露光時間を算出し、算出した露光時間だけ撮像部110を露光させて、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、物体までの距離を算出する。
[0114]
 このような構成によれば、制御部230は、限界測距レンジに基づいて露光時間を算出できる。そのため、制御部230は、背景光320の照度に応じて、さらに適切な距離を測定できる。
[0115]
 また、例えば、制御部230は、互いに異なる複数の所定露光時間のうち、最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間を選択し、選択した最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間で撮像部110を露光させる露光処理を実行させ、最大露光時間以内の露光時間となる所定露光時間ごとの露光処理による複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離を算出する。
[0116]
 このような構成によれば、制御部230は、例えば、予め露光時間が複数定められているような場合にも、露光処理の回数を最大露光時間に基づいて決定(より具体的には、低減)できる。そのため、限界測距レンジから外れた領域については制御部230が測距しないために、測距にかかる時間が短縮され得る、つまり、フレームレートが向上され得る。
[0117]
 また、例えば、制御部230は、最大露光時間に基づいて、複数の所定露光時間、露光回数、及び、光源120から光を出射させる出射回数を算出し、最大露光時間以内の露光時間となる算出した複数の所定露光時間ごとに撮像部110を算出した露光回数だけ繰り返し露光させて、且つ、光源120に算出した出射回数だけ光を出射させる。
[0118]
 このような構成によれば、例えば、一度の測距について全体でかかる露光時間を変えなければ、予め定められた複数の所定露光時間のうち一部の所定露光時間での露光処理をしないとしたとき、露光処理をしない所定露光時間分だけ一度の測距について全体でかかる露光時間に余裕ができる。そのため、例えば、所定露光時間ごとの露光回数を増やすことで、各測距区間でのS/N比が向上され得る、つまり、測距精度が向上され得る。また、制御部230は、例えば、光源120がパルス駆動される場合、最大露光時間に基づいて、パルス数を増やしてもよい。これによれば、例えば、露光時間が最大露光時間に近い程光源120の光の出射回数を多くされることで、限界測距レンジに近い区間の測距精度は、向上される。
[0119]
 また、例えば、演算部220は、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて背景光320の照度を算出し、算出した背景光320の照度に基づいて限界測距レンジを算出する。
[0120]
 このような構成によれば、演算部220は、アバランシェ増倍の発生回数に基づいて背景光320の照度を算出する。そのため、演算部220は、背景光320の照度に基づいた限界測距レンジを適切に算出できる。
[0121]
 また、例えば、演算部220は、複数のAPD111のうちの少なくとも2以上のAPD111のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を算出する。
[0122]
 例えば、撮像部110は、多量のAPD111を有することが想定される。その場合に、全てのAPD111の平均値を算出するためには、多くのデータ量を処理する必要がある。そのため、このような構成によれば、背景光320の算出に用いるデータ数を低減できる。
[0123]
 また、例えば、演算部220は、複数のAPD111のうちの全てのAPD111のアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、背景光320の照度を算出する。
[0124]
 このような構成によれば、演算部220は、精度よく背景光320の照度を算出できる。
[0125]
 また、例えば、演算部220は、照度と限界測距レンジと対応関係を示すテーブル情報250と、算出した背景光320の照度とに基づいて限界測距レンジを算出する。
[0126]
 このような構成によれば、APD111におけるアバランシェ増倍の発生回数から簡便に限界測距レンジを算出できる。また、このような構成によれば、複数の測距装置100を製造した際に、撮像部110において光の検出精度にばらつきがある場合に、テーブル情報250を適切に設定することで、複数の測距装置100ごとの測定ばらつきが、抑制できる。
[0127]
 また、例えば、テーブル情報250は、第1テーブル情報251と、照度と限界測距レンジとの対応関係が第1テーブル情報251とは異なる第2テーブル情報252とを含む。この場合、例えば、演算部220は、制御部230が光源120に光を出射させた場合おける複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、制御部230が光源120に光を出射させていない場合における複数のAPD111のアバランシェ増倍の発生回数とから、背景光320の照度に対する光源120から出射した光が物体で反射した光の照度の比であるS/N比を算出する。さらに、演算部220は、例えば、算出したS/N比に基づいて、第1テーブル情報251に基づいて限界測距レンジを算出するか第2テーブル情報252に基づいて限界測距レンジを算出するかを選択する。
[0128]
 このような構成によれば、演算部220によって、背景光320の照度の大きさに応じた適切なテーブルが選択される。そのため、このような構成によれば、演算部220は、さらに精度よく限界測距レンジを算出できる。
[0129]
 また、例えば、第1テーブル情報251は、照度を示す第1閾値と、第1閾値より高い照度を示す第2閾値との間の照度において、第2テーブル情報252よりも当該照度に対応する限界測距レンジが長い。演算部220は、例えば、背景光320の照度が第1閾値を下回った場合に、第1テーブル情報251に基づいて限界測距レンジを算出し、背景光320の照度が第2閾値を上回った場合に、第2テーブル情報252に基づいて限界測距レンジを算出する。
[0130]
 このような構成によれば、非常に短い時間の間で算出した照度が変化した場合においても、用いるテーブルを何度も演算部220によって変更されることが、抑制される。例えば、演算部220が、1つの閾値よりも照度が高いか低いかによって参照するテーブルを変更すると、背景光320の照度の少しの揺らぎで何度も参照するテーブルを変更してしまう。これでは、演算部220が算出する限界測距レンジが繰り返し変化してしまうため、多くの処理が必要となる。そこで、本実施の形態のように、演算部220は、参照するテーブルを好適に第1テーブル情報251と第2テーブル情報252とで変更することで、ヒステリシス的に照度に対する限界測距レンジを変更する。これにより、わずかな照度の変化に対して演算部220が算出する限界測距レンジが何度も変更されることが、抑制される。
[0131]
 また、例えば、制御部230は、撮像部110に露光させる露光処理を複数回実行させる。この場合、例えば、取得部210は、露光処理ごとに複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得する。また、演算部220は、例えば、取得部210が取得した露光処理ごとの複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値から、背景光320の照度を算出する。
[0132]
 このような構成によれば、演算部220は、非常に短い時間の間で算出した照度が大きく照度が変化した場合においても、適切な照度を用いてテーブルを選択できる。
[0133]
 また、実施の形態1に係る測距方法は、物体との距離を測定する測距方法であって、物体に背景光320が照射されている環境下において、複数のAPD111を有する撮像部110を露光させる制御ステップと、複数のAPD111を有する撮像部110から複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得する取得ステップと、取得ステップで取得した複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、撮像部110を用いて測距可能な距離を示す限界測距レンジを算出する演算ステップと、を含む。
[0134]
 このような方法によれば、背景光320の照度に応じて適切な限界測距レンジが算出され得る。そのため、このような方法によれば、背景光320の照度に応じて適切な距離が測定され得る。
[0135]
 なお、本開示は、上記測距方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
[0136]
 (実施の形態2)
 以下、実施の形態2に係る測距装置について説明する。なお、実施の形態2に係る測距装置の説明においては、実施の形態1に係る測距装置との差異点を中心に説明し、実施の形態1に係る測距装置と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部簡略化又は省略する場合がある。
[0137]
 [構成]
 図10は、実施の形態2に係る測距装置101の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
[0138]
 測距装置101は、測距装置100と同様に、それぞれがAPD111を有する複数の画素を含む撮像部110を備え、物体との距離を測定する装置である。測距装置101は、撮像部110と、光源120と、処理部201と、記憶部240と、を備える。
[0139]
 処理部201は、撮像部110及び光源120を制御し、物体(例えば、対象物400)との距離の測定を行う処理部である。
[0140]
 処理部201は、例えば、撮像部110及び光源120等と通信するための入出力ポート、CPU、記憶部240等に記憶された当該CPUが実行する制御プログラム等から実現される。また、処理部201は、撮像部110及び光源120と制御線等により通信可能に接続されている。
[0141]
 処理部201は、機能的には、測光部211と、演算部221と、制御部231と、を備える。
[0142]
 測光部211は、物体(例えば、図1に示す対象物400)に背景光320が照射されている環境下において、背景光320の照度を測光する。測光部211は、例えば、撮像部110が備える複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得したアバランシェ増倍の発生回数に基づいて、背景光320の照度を算出する。つまり、測光部211は、上記した取得部210が行う処理と、演算部220が行う処理の一部とを行う。このように、特定の処理部が実行する処理は、別の処理部により実行されてもよい。
[0143]
 測光部211は、例えば、物体に向けて光を出射する光源120を使用せずに背景光320のみで撮像部110を露光させ、背景光320のみで(つまり、光源120から光を出射させずに)撮像部110を露光させた状態において複数の画素(複数のAPD111)のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、予めデータ化された背景光320の照度とアバランシェ増倍の発生回数との対応関係を示す照度情報253と、複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とに基づいて背景光320の照度を算出する。
[0144]
 また、例えば、測光部211は、複数の画素のうちの少なくとも2以上の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得した2以上の画素のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて、背景光の照度を算出する。或いは、例えば、測光部211は、複数の画素のうちの全ての画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得した全ての画素のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を算出する。
[0145]
 これらの場合、例えば、照度情報253には、背景光320の照度とアバランシェ増倍の発生回数の平均値との対応関係が含まれる。測光部211は、撮像部110から複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得した複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値を算出し、算出した平均値と照度情報253とに基づいて、背景光320を算出する。
[0146]
 例えば、測光部211は、撮像部110に露光させる露光処理を複数回実行させ、当該露光処理ごとに複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得した露光処理ごとの複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を繰り返し算出する。
[0147]
 演算部221は、測光部211が測光(算出)した背景光320の照度に基づいて測距レンジ(限界測距レンジ)を設定(算出)する。測距レンジは、上記したように、測距装置101が物体との距離を測定する際の、測距装置101との距離の範囲(距離の限界値)である。測距装置101は、測距レンジ以内に位置する物体との距離の測定を行う。そのために、測距レンジに応じて、撮像部110の露光時間の最大時間(最大露光時間)等の条件が決定される。
[0148]
 演算部221は、例えば、予めデータ化された背景光320の照度と測距レンジとの対応関係を示すテーブル情報250に基づいて測距レンジを設定する。例えば、演算部221は、測光部211が測光した背景光320の照度に対応する測距レンジをテーブル情報250から選択し、選択した測距レンジを、物体との距離の測定に用いる測距レンジ(限界測距レンジ)として設定する。
[0149]
 例えば、テーブル情報250は、第1テーブル情報251と、第2テーブル情報252と、を含む。
[0150]
 第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252は、それぞれ、背景光320の照度と測距レンジとの対応関係を含むテーブルである。なお、第2テーブル情報252は、第1テーブル情報251とは背景光320の照度と測距レンジとの対応関係が異なる。例えば、上記したように(例えば、図7参照)、第1テーブル情報251における背景光320の照度に対する測距レンジは、照度を示す第1閾値と、当該第1閾値より高い照度を示す第2閾値との間の照度において、第2テーブル情報252における背景光320の照度に対する測距レンジよりも、背景光320の照度に対する測距レンジが長く設定されている。
[0151]
 例えば、演算部221は、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0152]
 例えば、演算部221は、光源120に光を出射させた場合における複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、光源120に光を出射させていない場合における複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とから、背景光320の照度に対する光源120から出射した光(出射光300)が物体で反射した光(反射光310)の照度の比であるS/N比を算出し、算出したS/N比に基づいて、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0153]
 また、例えば、演算部221は、上記したように(例えば、図7参照)、背景光320の照度が第1閾値を下回ったとき、第1テーブル情報251に基づいて測距レンジを設定し、背景光320の照度が第2閾値を上回ったとき、第2テーブル情報252に基づいて測距レンジを設定する。
[0154]
 第1閾値、第2閾値等の閾値を示す情報は、例えば、閾値情報254として記憶部240に予め記憶されている。
[0155]
 また、例えば、演算部221は、測光部211が繰り返し算出した背景光320の照度の変化に基づいて、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0156]
 なお、本実施の形態では、テーブル情報250は、第1テーブル情報251と、第2テーブル情報252との2つのテーブル情報を含む。テーブル情報250は、互いに照度に対する測距レンジの対応関係が異なる3以上のテーブル情報を含んでいてもよい。演算部221は、例えば、上記した方法で3以上のテーブル情報のうちから1つのテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定してもよい。
[0157]
 制御部231は、演算部221が設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD111を有する複数の画素を含む撮像部110の撮像条件、及び、光源120から光を出射させる出射条件を設定(決定)する。また、制御部231は、設定した撮像条件及び出射条件に基づいて撮像部110及び光源120を制御することで、物体との距離の測定を行う。
[0158]
 例えば、制御部231は、出射条件として、光源120から光を出射させる光量、出射時間、及び、出射回数を設定する。また、制御部231は、撮像条件として、演算部221が設定した測距レンジに基づいて、撮像部110の複数の露光時間、及び、露光回数(例えば、複数の露光時間それぞれについての露光回数)を設定する。例えば、制御部231は、それぞれが設定した測距レンジに応じて予め定められた最大露光時間以内の露光時間となるように算出した複数の露光時間で撮像部110を設定した露光回数だけ繰り返し露光させて、且つ、光源120に出射回数だけ光を出射させることで、物体との距離(例えば、物体と測距装置101との距離)の測定を行う。測距レンジに応じた最大露光時間を示す情報(露光時間情報)は、例えば、記憶部240に予め記憶されている。例えば、制御部231は、最大露光時間以内(以下)となる露光時間であって、且つ、互いに異なる露光時間を複数設定する。
[0159]
 例えば、制御部231は、上記したように、最大露光時間以下となるように第1露光時間及び第2露光時間を算出する。次に、制御部231は、例えば、第1露光時間露光されるように撮像部110を制御し、且つ、光源120に光を出射させる制御をする。制御部231は、この制御を設定した露光回数だけ行う。さらに、第2露光時間露光されるように撮像部110を制御し、且つ、光源120に光を出射させる制御をする。制御部231は、この制御を設定した露光回数だけ行う。このように、制御部231は、設定した撮像条件及び出射条件に基づいて、撮像部110及び光源120を制御することで、物体との距離の測定を行う。
[0160]
 例えば、制御部231は、TOF方式により、撮像部110を露光させて、且つ、光源120から光を出射させて、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得(算出)し、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離の測定を行う。
[0161]
 なお、測距装置101は、物体と測距装置101との距離を測定してもよい、予め定められた算出方法を用いて物体と測距装置101が配置される自動車等との距離を測定してもよい。
[0162]
 また、例えば、測距装置101は、測定した距離の情報をユーザ等に提示するためのディスプレイ、スピーカ等の提示部を備えてもよい。例えば、測距装置101は、物体との距離を測定し、測定した距離を示す情報を提示部に提示させる。
[0163]
 [測距方法]
 図11は、実施の形態2に係る測距装置101が実行する測距方法を説明するためのフローチャートである。
[0164]
 まず、測光部211は、背景光320の照度を測光する(ステップS300)。
[0165]
 次に、演算部221は、測光部211が測光した背景光320の照度に基づいて、測距レンジを設定する(ステップS310)。
[0166]
 次に、制御部231は、演算部221が設定した測距レンジに基づいて、撮像部110に撮像させる条件である撮像条件、及び、光源120に光を出射させる条件である出射条件を設定する(ステップS320)。
[0167]
 次に、制御部231は、設定した撮像条件及び出射条件に基づいて撮像部110及び光源120を制御することで、例えば、TOF方式を用いて、物体との距離の測定を行う(ステップS330)。
[0168]
 測距装置101は、ステップS300~ステップS330までの処理をN回(Nは任意に定められる自然数)繰り返し行う(ステップS340)。例えば、測距装置101は、ステップS300~ステップS330までの処理をN回繰り返し行った後に、処理を終了する。
[0169]
 図12は、実施の形態2に係る測距装置101が実行する測光方法(ステップS300)の詳細を説明するためのフローチャートである。
[0170]
 まず、測光部211は、光源120を使用せずに、背景光320のみで撮像部110を露光させる(ステップS301)。つまり、測光部211は、光源120から光を出射させずに、背景光320のみが撮像部110に露光される状態で、撮像部110を露光させる。
[0171]
 次に、測光部211は、撮像部110からアバランシェ増倍の発生回数を取得する(ステップS302)。
[0172]
 次に、測光部211は、背景光320の照度とアバランシェ増倍の発生回数との対応関係を示す照度情報253を参照する(ステップS303)。
[0173]
 次に、測光部211は、照度情報253に基づいて、アバランシェ増倍の発生回数から背景光320の照度を算出する(ステップS304)。
[0174]
 図13は、実施の形態2に係る測距装置101が実行する測距レンジの設定処理(ステップS310)の詳細を説明するためのフローチャートである。
[0175]
 まず、演算部221は、背景光320の照度と測距レンジとの対応関係を示すテーブル情報250を参照する(ステップS311)。テーブル情報が複数ある場合(例えば、テーブル情報250に第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252等の複数のテーブル情報が含まれている場合)、複数のテーブル情報を参照(つまり、記憶部240から当該複数のテーブル情報を取得)する。
[0176]
 次に、演算部221は、例えば、記憶部240に複数のテーブル情報が記憶されている場合、当該複数のテーブル情報から1つのテーブル情報を選択する(ステップS312)。
[0177]
 ここで、演算部221が複数のテーブル情報から1つのテーブル情報を選択する方法としては、上記したように、背景光320の照度と反射光310の照度とのS/Nに基づいて選択する方法、急激な背景光320の照度変化に基づく方法(図7を用いて説明したような、ヒステリシス閾値制御を用いた方法)、又は、急激な背景光320の照度変化に基づく方法(図9を用いて説明したような、背景光320の照度の時間平均の変化を用いた方法)等が例示される。
[0178]
 例えば、演算部221は、光源120に光を出射させた場合における複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、光源120に光を出射させていない場合における複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とから、背景光320の照度に対する光源120から出射した光が物体で反射した光の照度の比であるS/N比を算出し、算出したS/N比に基づいて、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。或いは、演算部221は、例えば、背景光320の照度が第1閾値を下回ったとき、第1テーブル情報251に基づいて測距レンジを設定し、背景光320の照度が第2閾値を上回ったとき、第2テーブル情報252に基づいて測距レンジを設定するヒステリシス閾値制御を行う。或いは、演算部221は、例えば、繰り返し算出した背景光320の照度の変化(例えば、背景光320の照度の時間平均の変化)に基づいて、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0179]
 次に、演算部221は、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する(ステップS313)。
[0180]
 図14は、実施の形態2に係る測距装置101が実行する撮像条件及び出射条件の設定処理(ステップS320)の詳細を説明するためのフローチャートである。
[0181]
 まず、制御部231は、演算部221が設定した測距レンジに基づいて、光源120の制御内容である出射条件(例えば、光源120から出射させる光の光量、光源120から光を出射させる時間である出射時間、及び、光源120から光を出射させる回数である出射回数)を設定(決定)する(ステップS321)。測距レンジに対する出射条件は、任意に設定されてよく、例えば、記憶部240に出射条件情報として予め記憶されている。
[0182]
 次に、制御部231は、演算部221が設定した測距レンジに基づいて、撮像部110の制御内容である撮像条件(例えば、複数の画素を露光させる時間を示す露光時間、及び、複数の画素を露光させる回数を示す露光回数)を設定(決定)する(ステップS322)。測距レンジに対する撮像条件は、任意に設定されてよく、例えば、記憶部240に撮像条件情報として予め記憶されている。
[0183]
 制御部231は、例えば、図11に示すステップS330では、ステップS321及びステップS322で設定した出射条件及び撮像条件に基づいて、撮像部110及び光源120を制御することで、TOF方式により物体との距離を算出する。
[0184]
 [効果等]
 以上説明したように、実施の形態2に係る測距方法は、物体に背景光320が照射されている環境下において、背景光320の照度を測光する工程(ステップS300)と、背景光320の照度に基づいて測距レンジを設定する工程(ステップS310)と、設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD111を有する複数の画素を含む撮像部110の撮像条件、及び、光源120から光を出射させる出射条件を設定する工程(ステップS320)と、設定した撮像条件及び出射条件に基づいて撮像部110及び光源120を制御することで、物体との距離の測定を行う工程(ステップS330)と、を含む。
[0185]
 これによれば、背景光320の照度に応じて、適切な測距レンジ(限界測距レンジ)を設定(算出)できる。そのため、実施の形態2に係る測距方法によれば、背景光320の照度に応じて、適切な距離の範囲内に対して、当該範囲内に存在する物体との距離の測定を行うことができる。例えば、測距装置101が車両等の移動体に搭載される場合、太陽光等の背景光320の照度に合わせて適切に車間距離等の測定できる最大値(測距レンジ)を設定できる。TOF方式等による光を用いて距離を測定する従来の測距装置(測距方法)では、背景光320の光量(照度)によっては測定できない距離を算出(測定)しようとしてしまう問題がある。例えば、従来の測距装置では、背景光320の光量(照度)によっては測定できない距離に位置する物体との距離を測定しようとして光を出射する。ここで、従来の測距装置では、出射した光の反射光が検出できないため、距離を測定しようとしている位置に物体が存在していたとしても、物体が存在せずに距離が測定できないと誤測定をしてしまう可能性がある。例えば、従来の測距装置では、上記した提示部に測定した距離をユーザ等に提示させる場合、測定した距離に物体が存在しない、といった誤った情報を提示してしまう場合がある。ここで、実施の形態2に係る測距方法では、背景光320の照度に基づいて、物体との距離を測定する距離の限界値(測距レンジ)を設定する。これにより、実施の形態2に係る測距方法では、適切に距離の範囲内について、物体との距離を測定できる。これによれば、実施の形態2に係る測距方法では、例えば、背景光320の照度が強すぎて測定できない距離を測定しようとする処理を省略できる。
[0186]
 また、例えば、背景光320の照度を測光する工程(ステップS300)は、物体に向けて光を出射する光源120を使用せずに背景光320のみで撮像部110を露光する工程(ステップS301)と、背景光320のみで撮像部110を露光させた状態において複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得する工程(ステップS302)と、予めデータ化された背景光320の照度とアバランシェ増倍の発生回数との対応関係を示す照度情報253と、複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とに基づいて背景光320の照度を算出する工程(ステップS303及びステップS304)と、を含む。
[0187]
 これによれば、アバランシェ増倍の発生回数に基づいて、精度よく背景光320の照度を算出できる。また、背景光320の照度を測定するための照度センサ等を用いずに、物体との距離を測定するための光センサ(撮像部110)を用いて、背景光320の照度と物体との距離の測定とを行うことができる。
[0188]
 また、例えば、複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得する工程(ステップS302)では、複数の画素のうちの少なくとも2以上の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、背景光320の照度を算出する工程(ステップS303及びステップS304)では、取得した2以上の画素のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて、背景光320の照度を算出する。
[0189]
 例えば、撮像部110は、多量の画素(APD111)を有することが想定される。その場合に、全てのAPD111におけるアバランシェ増倍の発生回数を取得し、その平均値を算出するためには、多くのデータ量を処理する必要がある。そのため、これによれば、背景光320の算出に用いるデータ量を低減できる。
[0190]
 また、例えば、複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得する工程(ステップS302)では、複数の画素のうちの全ての画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、背景光320の照度を算出する工程(ステップS303及びステップS304)では、取得した全ての画素のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を算出する。
[0191]
 これによれば、全てのAPD111におけるアバランシェ増倍の発生回数を取得し、その平均値を算出するため、背景光320を精度よく算出できる。
[0192]
 また、例えば、測距レンジを設定する工程(ステップS310)では、予めデータ化された背景光320の照度と測距レンジとの対応関係を示すテーブル情報250に基づいて測距レンジを設定する(ステップS311~ステップS313)。
[0193]
 例えば、実施の形態2に係る測距方法を実行する測距装置101を複数製造した際に、撮像部110において光の検出精度に測距装置101ごとにばらつきがでる場合がある。そこで、テーブル情報250という共通の情報に基づいて、複数の測距装置101は、いずれも測定した照度から測距レンジを算出する。これによれば、複数の測距装置101のそれぞれの撮像部110の光の検出精度に応じた測距レンジが設定される。
[0194]
 また、例えば、テーブル情報250は、第1テーブル情報251と、背景光320の照度と測距レンジとの対応関係が第1テーブル情報251とは異なる第2テーブル情報252とを含み、テーブル情報250に基づいて測距レンジを設定する工程(ステップS311~ステップS313)では、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0195]
 背景光320の照度の大きさ、又は、照度の時間変化の大小によっては、照度に対する適切な測距レンジが異なる場合がある。そこで、照度と測距レンジとの対応関係が異なる複数のテーブル情報から、例えば、背景光320の照度の大きさ、又は、照度の時間変化に応じて複数のテーブル情報の中から適切なテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定することで、より適切な距離の範囲内について、物体との距離を測定できる。
[0196]
 また、例えば、テーブル情報250に基づいて測距レンジを設定する工程(ステップS311~ステップS313)では、光源120に光を出射させた場合における複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、光源120に光を出射させていない場合における複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とから、背景光320の照度に対する光源120から出射した光が物体で反射した光の照度の比であるS/N比を算出し、算出したS/N比に基づいて、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0197]
 これによれば、背景光320の照度の大きさと反射光310の照度の大きさとに応じて複数のテーブル情報の中から適切なテーブル情報が選択される。そのため、さらに適切な測距レンジが設定され得る。
[0198]
 また、例えば、第1テーブル情報251における背景光320の照度に対する測距レンジは、照度を示す第1閾値と、当該第1閾値より高い照度を示す第2閾値との間の照度において、第2テーブル情報252における背景光320の照度に対する測距レンジよりも、背景光320の照度に対する測距レンジが長く、テーブル情報250に基づいて測距レンジを設定する工程(ステップS311~ステップS313)は、背景光320の照度が第1閾値を下回ったとき、第1テーブル情報251に基づいて測距レンジを設定する工程と、背景光320の照度が第2閾値を上回ったとき、第2テーブル情報252に基づいて測距レンジを設定する工程と、を含む。
[0199]
 これによれば、非常に短い時間の間で算出した背景光320の照度(具体的には、照度の大きさ)が変化した場合においても、用いるテーブル情報が何度も変更されることが抑制される。例えば、1つの閾値よりも背景光320の照度が大きいか小さいかによって参照するテーブル情報を変更すると、背景光320の照度の少しの揺らぎで何度も参照するテーブル情報を変更してしまう。これでは、設定する測距レンジが繰り返し変化してしまうため、多くの処理が必要となる。そこで、本実施の形態のように2つの閾値を設け、2つの閾値に対してどのように背景光320の照度が変化したかで第1テーブル情報251と第2テーブル情報252とで変更するように、ヒステリシス的に照度に対する測距レンジを変更する。これにより、背景光320の照度のわずかな変化に対して設定する測距レンジが何度も変更されることを抑制できる。
[0200]
 また、例えば、背景光320を測光する工程(ステップS300)では、撮像部110に露光させる露光処理を複数回実行させ、露光処理ごとに複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得した露光処理ごとの複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて背景光320の照度を繰り返し算出し、テーブル情報250に基づいて測距レンジを設定する工程(ステップS311~ステップS313)では、繰り返し算出した背景光320の照度の変化に基づいて、第1テーブル情報251及び第2テーブル情報252のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する。
[0201]
 これによれば、複数のテーブル情報の中から背景光320の照度の大きさの変化に応じて適切なテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定することで、より適切な距離の範囲内について、物体との距離を測定できる。
[0202]
 また、例えば、撮像条件及び出射条件を設定する工程(ステップS320)は、設定した測距レンジに基づいて光源120から光を出射させる光量、出射時間、及び、出射回数を設定する工程(ステップS321)と、設定した測距レンジでの最大露光時間に基づいて、撮像部110の複数の露光時間、及び、露光回数を設定する工程と、を含み、距離の測定を行う工程(ステップS330)では、それぞれが設定した測距レンジに応じて予め定められた最大露光時間以内の露光時間となるように算出した複数の露光時間で撮像部110を設定した露光回数だけ繰り返し露光させて、且つ、光源120に設定した出射回数だけ光を出射させることで、物体との距離の測定を行う。
[0203]
 これによれば、測距レンジに基づいて撮像部110と光源120との制御内容が決定されるため、適切な距離の範囲内に存在する物体との距離を精度よく測定できる。
[0204]
 また、実施の形態2に係る測距装置101は、物体に背景光320が照射されている環境下において、背景光320の照度を測光する測光部211と、測光部211が測光した背景光320の照度に基づいて測距レンジを設定する演算部221と、演算部221が設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD111を有する複数の画素を含む撮像部110の撮像条件、及び、光源120から光を出射させる出射条件を設定し、設定した撮像条件及び出射条件に基づいて撮像部110及び光源120を制御することで、物体との距離の測定を行う制御部231と、を備える。
[0205]
 これによれば、演算部221は、背景光320の照度に応じて、適切な測距レンジ(限界測距レンジ)を設定(算出)できる。そのため、測距装置101は、背景光320の照度に応じて、適切な距離の範囲内に対して、当該範囲内に存在する物体との距離の測定を行うことができる。例えば、測距装置101が車両等の移動体に搭載される場合、太陽光等の背景光320の照度に合わせて適切に車間距離等の測定できる最大値(測距レンジ)を設定できる。TOF方式等による光を用いて距離を測定する従来の測距装置では、背景光320の光量(照度)によっては測定できない距離を算出(測定)しようとしてしまう問題がある。例えば、従来の測距装置では、背景光320の光量(照度)によっては測定できない距離に位置する物体との距離を測定しようとして光を出射する。ここで、従来の測距装置では、出射した光の反射光が検出できないため、距離を測定しようとしている位置に物体が存在していたとしても、物体が存在せずに距離が測定できないと誤測定をしてしまう可能性がある。例えば、従来の測距装置では、上記した提示部に測定した距離をユーザ等に提示させる場合、測定した距離に物体が存在しない、といった誤った情報を提示してしまう場合がある。ここで、測距装置101は、背景光320の照度に基づいて、物体との距離を測定する距離の限界値(測距レンジ)を設定する。これにより、測距装置101は、適切に距離の範囲内について、物体との距離を測定できる。これによれば、測距装置101は、例えば、背景光320の照度が強すぎて測定できない距離を測定しようとする処理を省略できる。
[0206]
 また、例えば、測距装置101は、光源120と、撮像部110と、を備える。また、例えば、制御部231は、TOF方式により、撮像部110を露光させて、且つ、光源120から光を出射させて、複数のAPD111それぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて物体までの距離の測定を行う。
[0207]
 これによれば、制御部231は、適切な測距レンジに基づいて適切な距離に存在する物体との距離を測定できる。例えば、制御部231、測距レンジに基づいて光源120から出射させる光の光量を適切に変化させることで、適切な距離の範囲内で物体との距離を測定できる。
[0208]
 また、本開示は、上記測距方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
[0209]
 (その他の実施の形態)
 以上、実施の形態に係る測距装置等について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、又は、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
[0210]
 例えば、上記実施の形態において、演算部、制御部等の特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、或いは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、測距装置が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。例えば、処理部が備える構成要素の一部を撮像部が備えてもよい。また、測距装置は、単一の装置として実現されてもよい。
[0211]
 例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
[0212]
 また、上記実施の形態において、処理部の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
[0213]
 また、例えば、処理部等の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)、又は、LSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
[0214]
 また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD(Hard Disk Drive)若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。

産業上の利用可能性

[0215]
 本開示に係る測距装置は、APDを用いて物体との距離を測定する測距装置に適用できる。

符号の説明

[0216]
 100、101 測距装置
 110 撮像部
 111、111a、111b APD
 120 光源
 200、201 処理部
 210 取得部
 211 測光部
 220、221 演算部
 230、231 制御部
 240 記憶部
 250 テーブル情報
 251 第1テーブル情報
 252 第2テーブル情報
 253 照度情報
 254 閾値情報
 300、301 出射光
 310 反射光
 320 背景光
 400、410 対象物
 t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、T1 時刻

請求の範囲

[請求項1]
 物体に背景光が照射されている環境下において、前記背景光の照度を測光する工程と、
 前記背景光の照度に基づいて測距レンジを設定する工程と、
 設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD(Avalanche Photo Diode)を有する複数の画素を含む撮像部の撮像条件、及び、光源から光を出射させる出射条件を設定する工程と、
 設定した前記撮像条件及び前記出射条件に基づいて前記撮像部及び前記光源を制御することで、前記物体との距離の測定を行う工程と、を含む
 測距方法。
[請求項2]
 前記背景光の照度を測光する工程は、
 前記物体に向けて光を出射する前記光源を使用せずに前記背景光のみで前記撮像部を露光する工程と、
 前記背景光のみで前記撮像部を露光させた状態において前記複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得する工程と、
 予めデータ化された背景光の照度とアバランシェ増倍の発生回数との対応関係を示す照度情報と、前記複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とに基づいて前記背景光の照度を算出する工程と、を含む
 請求項1に記載の測距方法。
[請求項3]
 前記複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得する工程では、前記複数の画素のうちの少なくとも2以上の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、
 前記背景光の照度を算出する工程では、取得した前記2以上の画素のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて、前記背景光の照度を算出する
 請求項2に記載の測距方法。
[請求項4]
 前記複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得する工程では、前記複数の画素のうちの全ての画素のアバランシェ増倍の発生回数を取得し、
 前記背景光の照度を算出する工程では、取得した前記全ての画素のアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて前記背景光の照度を算出する
 請求項2に記載の測距方法。
[請求項5]
 前記測距レンジを設定する工程では、
 予めデータ化された背景光の照度と測距レンジとの対応関係を示すテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する
 請求項1~4のいずれか1項に記載の測距方法。
[請求項6]
 前記テーブル情報は、第1テーブル情報と、背景光の照度と測距レンジとの対応関係が前記第1テーブル情報とは異なる第2テーブル情報とを含み、
 前記テーブル情報に基づいて測距レンジを設定する工程では、前記第1テーブル情報及び前記第2テーブル情報のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する
 請求項5に記載の測距方法。
[請求項7]
 前記テーブル情報に基づいて測距レンジを設定する工程では、前記光源に光を出射させた場合における前記複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数と、前記光源に光を出射させていない場合における前記複数の画素のアバランシェ増倍の発生回数とから、前記背景光の照度に対する前記光源から出射した光が前記物体で反射した光の照度の比であるS/N比を算出し、算出した前記S/N比に基づいて、前記第1テーブル情報及び前記第2テーブル情報のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する
 請求項6に記載の測距方法。
[請求項8]
 前記第1テーブル情報における背景光の照度に対する測距レンジは、照度を示す第1閾値と、前記第1閾値より高い照度を示す第2閾値との間の照度において、前記第2テーブル情報における背景光の照度に対する測距レンジよりも、背景光の照度に対する測距レンジが長く、
 前記テーブル情報に基づいて測距レンジを設定する工程は、
 前記背景光の照度が前記第1閾値を下回ったとき、前記第1テーブル情報に基づいて測距レンジを設定する工程と、
 前記背景光の照度が前記第2閾値を上回ったとき、前記第2テーブル情報に基づいて測距レンジを設定する工程と、を含む
 請求項6又は7に記載の測距方法。
[請求項9]
 前記背景光を測光する工程では、前記撮像部に露光させる露光処理を複数回実行させ、前記露光処理ごとに前記複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数を取得し、取得した前記露光処理ごとの前記複数の画素それぞれのアバランシェ増倍の発生回数の平均値に基づいて前記背景光の照度を繰り返し算出し、
 前記テーブル情報に基づいて測距レンジを設定する工程では、繰り返し算出した前記背景光の照度の変化に基づいて、前記第1テーブル情報及び前記第2テーブル情報のうちの一方のテーブル情報を選択し、選択したテーブル情報に基づいて測距レンジを設定する
 請求項6~8のいずれか1項に記載の測距方法。
[請求項10]
 前記撮像条件及び前記出射条件を設定する工程は、
 前記設定した測距レンジに基づいて、前記出射条件として、前記光源から光を出射させる光量、出射時間、及び、出射回数を設定する工程と、
 前記設定した測距レンジに基づいて、前記撮像条件として、複数の露光時間、及び、露光回数を設定する工程と、を含み、
 前記距離の測定を行う工程では、
 それぞれが前記設定した測距レンジに応じて予め定められた最大露光時間以内の露光時間となるように算出した前記複数の露光時間で前記撮像部を前記露光回数だけ繰り返し露光させて、且つ、前記光源に前記出射回数だけ光を出射させることで、前記物体との距離の測定を行う
 請求項1~9のいずれか1項に記載の測距方法。
[請求項11]
 物体に背景光が照射されている環境下において、前記背景光の照度を測光する測光部と、
 前記背景光の照度に基づいて測距レンジを設定する演算部と、
 設定した測距レンジに基づいて、それぞれがAPD(Avalanche Photo Diode)を有する複数の画素を含む撮像部の撮像条件、及び、光源から光を出射させる出射条件を設定し、設定した前記撮像条件及び前記出射条件に基づいて前記撮像部及び前記光源を制御することで、前記物体との距離の測定を行う制御部と、を備える
 測距装置。
[請求項12]
 前記光源と、
 前記撮像部と、を備え、
 前記制御部は、TOF(Time Of Flight)方式により、前記撮像部を露光させて、且つ、前記光源から光を出射させて、前記複数のAPDそれぞれのアバランシェ増倍の発生回数に基づいて前記物体までの距離の測定を行う
 請求項11に記載の測距装置。
[請求項13]
 請求項1~10のいずれか1項に記載の測距方法をコンピュータに実行させるための
 プログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]