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1. WO2020196063 - METHOD FOR CALIBRATING CNC PROCESSING DEVICE

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明 細 書

発明の名称 CNC加工装置のキャリブレーション方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059  

符号の説明

0060  

請求の範囲

1   2  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : CNC加工装置のキャリブレーション方法

技術分野

[0001]
 本発明は、三次元形状測定を行うことのできるCNC加工装置のキャリブレーション方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、コンピュータ数値制御によってワーク(対象物)を加工することのできるCNC加工装置が知られている。また、ワークを加工した後、ワークの三次元形状(表面形状)を測定することのできるCNC加工装置が知られている。このようなCNC加工装置として、例えば、特許文献1、2に開示された装置が知られている。
[0003]
 特許文献1に開示された装置は、CNC加工装置による切削加工の終了後に、加工に使用した工具を、タッチプローブなどの接触式センサに付け替える。次に、タッチプローブの測定子をワークの表面に接触させることによって、ワークの表面との距離を測定する。タッチプローブによって取得された数値データに基づいて、ワークの表面形状を測定することができる。
[0004]
 特許文献2に開示された装置は、CNC加工装置による切削加工の終了後に、加工に使用した工具を、レーザ光によって表面との距離を測定することのできる非接触式センサに付け替える。非接触式センサによって取得された数値データに基づいて、ワークの表面形状を測定することができる。
[0005]
 特許文献1、2に開示された装置によれば、CNC加工装置によってワークを加工した後、加工に使用した工具をセンサと交換することができる。このような装置によれば、ワークをCNC加工装置によって加工した後、そのワークの表面形状を引き続き測定することができる。
[0006]
 CNC加工装置によってワークの表面形状を正確に測定するためには、センサのキャリブレーション(校正)が必要となる。従来、三次元形状測定装置のキャリブレーション方法として、特許文献3に開示された方法が知られている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2013-088341号公報
特許文献2 : 特開2018-87749号公報
特許文献3 : 特開2006-162537号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 特許文献1、2に開示された従来の装置では、加工に使用した工具をセンサに交換する際に、センサを装着するためのホルダとスピンドルの装着孔との間に若干のクリアランスが存在するため、センサの位置がわずかに移動してしまうことがあった。そのため、ワークの表面形状を正確に測定するためには、工具とセンサを交換する度に、センサのキャリブレーションをやり直す必要があった。
[0009]
 特許文献3に開示された三次元形状測定装置のキャリブレーション方法では、1回のキャリブレーションを行う際には、センサエリア内にて最低3箇所の球の中心座標をそれぞれ測定する必要があった。そのため、1回のキャリブレーションに多くの時間を費やしてしまうという問題があった。
[0010]
 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、三次元形状測定を行うことのできるCNC加工装置において、センサのキャリブレーションの作業時間を大幅に短縮することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 上記課題を解決するための手段は、以下の発明である。
(1)工具によって対象物を加工した後、スピンドルに装着されている前記工具を非接触式センサに交換し、前記非接触式センサによって前記対象物の表面形状を測定することのできるCNC加工装置において、前記非接触式センサのキャリブレーションを行うための方法であって、
 基準器の中心座標を接触式プローブで測定することにより、前記基準器の中心の機械座標を測定する第1工程と、
 前記スピンドルに前記非接触式センサを装着した後、前記基準器の中心座標を前記非接触式センサで1回だけ測定することにより、前記基準器の中心の非接触式センサ座標を測定する第2工程と、
 前記第2工程で得られた非接触式センサ座標を、前記第1工程で得られた接触式プローブによる機械座標に一致させるために必要なズレ量を計算する第3工程と、を含む方法。
[0012]
(2)前記基準器が球状である、上記(1)に記載の方法。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、三次元形状測定を行うことのできるCNC加工装置において、センサのキャリブレーションの作業時間を大幅に短縮することができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] CNC加工装置の外観を示す斜視図である。
[図2] 図2(a)は、センサヘッドの正面図である。図2(b)は、センサヘッドの側面図である。図2(c)は、センサヘッドの外観を示す斜視図である。
[図3] センサヘッドの内部を示すブロック図である。
[図4] 図4(a)は、フライングレーザスポット方式の非接触式センサの例を示す。図4(b)は、フィックスラインレーザ方式の非接触式センサの例を示す。
[図5] ホルダのより詳細な斜視図である。
[図6] スピンドルに装着されるホルダの斜視図である。
[図7] スピンドルに装着されたホルダの正面図である。
[図8] ワークの形状を測定する前に行われる1回目のキャリブレーションを説明するための模式図である。
[図9] 2回目以降のキャリブレーションを説明するための模式図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るCNC加工装置について説明する。
 図1は、本実施形態のCNC加工装置の外観を示す斜視図である。CNC加工装置1は、工具マガジン20、中間アーム22、ATC(auto tool changer)アーム24、スピンドル26、パレット28、テーブル30、CNCコントローラ32および切削油タンク34を備えている。
[0016]
 工具マガジン20には、複数種類の工具が収容されている。工具マガジン20は、これらの工具を図中の矢印Aの方向に回転させることができる。工具マガジン20は、加工に使用する工具を、定位置FPまで移動させることができる。
[0017]
 中間アーム22は、定位置FPに移動した工具を、工具マガジン20から取り出して、ATCアーム24へ受け渡す。ATCアーム24は、軸24aを中心に回転して、中間アーム22から受け取った工具を、スピンドル26に装着する。スピンドル26に既に工具が装着されている場合、ATCアーム24は、工具をスピンドル26から取り外した後に、中間アーム22から受け取った工具を、スピンドル26に装着する。スピンドル26から取り外された工具は、中間アーム22によって、工具マガジン20の定位置FPに戻される。
[0018]
 加工される対象物(以下、「ワーク」という。)は、パレット28に載置及び固定される。パレット28は、図1中の矢印Bの方向に回動して起き上がることで、ワークをスピンドル26に装着された工具に対向させる。テーブル30は、CNCコントローラ32から出力される制御信号に従って、パレット28を、図1中のX軸、Y軸、及びZ軸の方向に移動させる。さらに、CNCコントローラ32は、ワークWに対してスピンドル26を傾けるための制御信号を、テーブル30へ出力する。これにより、例えば5軸制御のCNC装置の場合、ワークWに対してスピンドル26を2軸方向に傾けることができる。このように、CNC加工装置1は、スピンドル26によって工具を回転させるとともに、ワークに対するスピンドル26の相対的な位置および向きをCNCコントローラ32によって制御することができる。これにより、CNC加工装置1は、ワークWを加工することができる。
[0019]
 ワークの加工が終了した後、工具マガジン20に収容されているセンサヘッド10を、定位置FPへ移動させる。次に、中間アーム22およびATCアーム24によって、スピンドル26に取り付けられている工具と、定位置FPにあるセンサヘッド10を交換する。次に、CNCコントローラ32は、ワークに対するスピンドル26の相対的な位置および向きを、予め設定されたパターンに従って変化させる。なお、測定時におけるパレット28の移動は、x、y、及びz軸方向のみで行う。その間、センサヘッド10は、所定時間毎(例えば10ミリ秒毎)に、ワークとの距離に関する情報を含む測定データを出力する。パソコン40は、センサヘッド10から出力された測定データと、ワークに対するスピンドル26の位置および向きを示すデータとに基づいて、ワークの形状を示す三次元形状データを生成する。
[0020]
 図2を参照して、センサヘッド10についてより詳しく説明する。図2(a)は、センサヘッド10の正面図である。図2(b)は、センサヘッド10の側面図である。図2(c)は、センサヘッド10の外観を示す斜視図である。これらの図に示すように、センサヘッド10は、本体部12と、本体部12をスピンドル26に装着するためのホルダ18を備える。本体部12は、ワークとの距離を測定するための非接触式センサを内蔵する。ホルダ18は、スピンドル26に着脱可能となっている。
[0021]
 本体部12の先端(図2(b)における左端)には、発光窓14と、受光窓16が設けられている。本体部12に内蔵されている非接触式センサから出射したレーザ光Lは、発光窓14を通過してワークWに照射される。ワークWの表面で反射したレーザ光R(反射光)は、受光窓16を通過する。
[0022]
 本体部12の後端(図2(b)における右端)には、ホルダ18が取り付けられている。ホルダ18は、工具マガジン20に収容されている工具と同じ形状を有する。ホルダ18によって、センサヘッド10を、他の工具と同様に、スピンドル26に装着することができる。
[0023]
 センサヘッド10の耐油・防水機能は、IP表記で、IP64以上であることが望ましい。すなわち、人体および固形物に対する保護等級(第1記号)が「6」(耐塵形)以上であり、水の浸入に対する保護等級(第2記号)が「4」(飛沫に対する保護)以上であることが望ましい。
[0024]
 図3を参照して、センサヘッド10の本体部12内に設けられた各部の構成について説明する。本体部12の内部には、測定制御部100、無線LANユニット102、電源制御部104、二次電池106、モニタ108、非接触式センサ110および緩衝材120が設けられている。測定制御部100は、非接触式センサ110から出力されるデータを、例えば10ミリ秒毎に取得する。測定制御部100は、非接触式センサ110から出力されるデータを取得する毎に、ワークWとの距離に関する情報を含む測定データを生成する。測定制御部100は、生成した測定データを、無線LANユニット102を介してパソコン40へ送信する。
[0025]
 無線LANユニット102から送信された測定データは、パソコン40に接続された無線LANユニット42によって受信される。この受信された測定データは、パソコン40内のハードディスク等に蓄積される。電源44は、交流電力を直流電力に変換して、パソコン40および無線LANユニット42に電力を供給する。
[0026]
 非接触式センサ110は、緩衝材120を介して本体部12内に固定される。センサヘッド10をスピンドル26から取り外すとき、センサヘッド10が振動することがある。また、センサヘッド10をスピンドル26と工具マガジン20との間で移動させるときにも、センサヘッド10が振動することがある。緩衝材120によって、センサヘッド10に加えられるこのような振動から非接触式センサ110を保護することができる。
[0027]
 モニタ108は、複数のLEDからなる。各LEDは、測定制御部100内の各種信号のオン/オフに応じて、点灯/消灯する。各LEDの点灯状態によって、測定制御部100の作動状態を確認することができる。また、各LEDの点灯状態によって、測定制御部100と、無線LANユニット102、電源制御部104および非接触式センサ110との接続状態を確認することができる。
[0028]
 図4を参照して、上述した非接触式センサ110の例について説明する。図4(a)は、フライングレーザスポット方式の非接触式センサの例を示す。図4(b)は、フィックスラインレーザ方式の非接触式センサの例を示す。
[0029]
 フライングレーザスポット方式の非接触式センサは、図4(a)に示すように、レーザダイオード111、ガルバノミラー112,113、レンズ114、CCD115および走査用モータ116で構成されている。レーザダイオード111から出射されたレーザ光Lは、ガルバノミラー112でワークWに向けて反射され、発光窓14(図2参照)を通って、ワークWの表面上の測定点Pで反射する。測定点Pで反射した反射光Rは、図2に示した受光窓16を通って、ガルバノミラー113でレンズ114に向けて反射される。
[0030]
 反射光Rは、レンズ114によって、複数の受光素子からなるCCD115の受光部の所定の軸CA上に、スポット光(光の点)spとして結像する。スポット光spの撮像データは、測定制御部100へ出力される。スポット光spの軸CA上の位置は、センサヘッド10と測定点Pとの間の距離に応じて異なる。測定制御部100(図3参照)は、CCD115から出力された撮像データに基づき、センサヘッド10と測定点Pとの間の距離情報を含むデータを生成する。
[0031]
 上述したガルバノミラー112および113は、走査用モータ116の駆動軸に固定されている。走査用モータ116の駆動軸は、図4(a)中の矢印Cの方向に回転することができる。矢印Dで示すように、x軸上の所定範囲内(例えば、ワークWの表面上の測定点P とP の間)を往復するように、レーザ光Lが周期的に走査される。測定制御部100は、測定データを、パソコン40へ送信する。測定データは、センサヘッド10と測定点Pとの間の距離に関する情報(Z)を含む。測定データは、さらに、レーザ光Lのx軸上の位置に関する情報(X)を含む。したがって、センサヘッド10からパソコン40へ無線によって送信される測定データは、(X、Z)と表すことができる。
[0032]
 フライングレーザスポット方式の非接触式センサを用いた場合、ワークWの表面の状態(例えば、表面の色や反射率など)に応じて、レーザ光の強度を調整することができる。そのため、フライングレーザスポット方式の非接触式センサを用いた場合、ワークWとの距離を精度良く測定することができる。一方、フライングレーザスポット方式の非接触式センサは、その構造が複雑であるため、コストが高い。
[0033]
 フィックスラインレーザ方式の非接触式センサは、図4(b)に示すように、レーザダイオード111、シリンドリカルレンズ(またはパウエルレンズ)117、レンズ114およびCMOSイメージセンサ(以下、単に「CMOS」という。)115で構成されている。レーザダイオード111から出射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ(またはパウエルレンズ)117によって、図4(b)中のx軸方向に広がる。したがって、レーザダイオード111から出射されたレーザ光は、ライン光(一本の線状の光)LLとなる。ライン光LLは、発光窓14(図2参照)を通って、ワークWの表面上の測定点P から測定点P へ至るライン上に照射される。
[0034]
 ライン光LLの反射光RLは、受光窓16(図2参照)を通って、レンズ114によって集光され、CMOS115の受光部に結像する。結像した像はライン光となっており、CMOS115によって撮像される。その撮像データは、測定制御部100へ出力される。CMOS115によって撮像されたライン光は、ワークW上の測定点P から測定点P の形状に応じて曲線cを描く。測定制御部100は、曲線cに基づいて、センサヘッド10と、測定点P からP 至るライン上の任意の位置との間の距離を算出する。そして、測定制御部100は、算出した距離の情報を含む測定データを、無線LANユニット102によりパソコン40へ送信する。
[0035]
 フィックスラインレーザ方式の非接触式センサは、図4(a)に示したフライングレーザスポット方式のように、測定点P -P 間におけるレーザ光の強度を細かく調整することはできない。しかし、フィックスライン方式の非接触式センサは、その構造がシンプルであるため、コストを低く抑えることができる。
[0036]
 図1には示されていないが、CNC加工装置1は、非接触式センサを有するセンサヘッド10だけでなく、さらに接触式センサを備えている。接触式センサは、例えば、接触式タッチプローブからなる。接触式センサによって取得されたタッチ信号は、例えば無線通信によってCNCコントローラ32へ送信される。CNCコントローラ32が受信したタッチ信号は、その時点の接触方式のポイントデータ(x、y、z、xθ、yθ、zθ)として、例えばハードディスクに蓄積されてもよい。
[0037]
 図5は、上記で説明したホルダ18のより詳細な斜視図である。図6は、スピンドル26に装着されるホルダ18の斜視図である。図7は、スピンドル26に装着されたホルダ18の正面図である。なお、図5~図7では、簡略化のために本体部12を省略している。
[0038]
 図5に示すように、ホルダ18は、略円錐台形状のテーパー部18aと、略円板状の鍔部18bを有する。鍔部18bには、2つの凹部18cが形成されている。2つの凹部18cは、円周方向に互いに略180度離れた位置に形成されている。
[0039]
 一方、図6に示すように、ホルダ18が装着されるスピンドル26には、2つの凹部18cに対応する位置に2つの凸部26aが形成されている。ホルダ18のテーパー部18aをスピンドル26の装着孔26bに挿入することによって、ホルダ18をスピンドル26に装着することができる。図7に示すように、ホルダ18がスピンドル26に装着された状態において、2つの凸部26aが2つの凹部18cに嵌合している。
[0040]
 スピンドル26に対するホルダ18の着脱が円滑となるように、凸部26aと凹部18cとの間には一定以上のクリアランス(円周方向のクリアランス)が確保されている。このため、スピンドル26にホルダ18が装着された状態において、ホルダ18はZ軸を中心としてわずかに(クリアランスの分だけ)回転可能となっている。つまり、ホルダ18は、図6の矢印Eの方向にわずかに回転可能である。
[0041]
 一方、スピンドル26にホルダ18が装着された状態において、ホルダ18のX軸、Y軸、及びZ軸方向への移動は規制されている。ここで、Z軸は、スピンドル26の回転軸RAと平行な軸である。X軸及びY軸は、Z軸に対して垂直な2方向の軸である(図6参照)。
[0042]
 センサヘッド10はホルダ18と一体であるため、ホルダ18がZ軸を中心として回転した場合、センサヘッド10もZ軸を中心として回転する。センサヘッド10がZ軸を中心として回転した場合、センサヘッド10に内蔵されている非接触式センサの位置が変化するため、非接触式センサの測定値にズレが発生してしまう。したがって、非接触式センサによってワークの表面形状を正確に測定するためには、スピンドル26にホルダ18(センサヘッド10)を装着した後、非接触式センサのキャリブレーションをやり直す必要がある。
[0043]
 本発明者らは、一般的に用いられているCNC加工装置において、ホルダはZ軸を中心としてわずかに回転可能である一方、X軸、Y軸、及びZ軸方向への移動、及び、X軸及びY軸を中心とする回転が規制されている点に着目し、本発明を完成させた。
[0044]
 以下、本実施形態に係るCNC加工装置における非接触式センサのキャリブレーション方法について説明する。ここでいうキャリブレーションとは、接触式プローブにて基準器(例えば基準球)を測定して得られる中心座標に基づき、非接触式センサによって測定される中心座標のズレを調整することを意味する。また、そのような調整に必要な角度(Xθ0、Yθ0、Zθ0)とオフセット(X0、Y0、Z0)を計算することをいう。なお、キャリブレーションは、クオリフィケーションと呼ばれることもある。
[0045]
 図8は、CNC加工装置1によってワークWの形状を測定する前に行われる1回目のキャリブレーションを説明するための模式図である。
 1回目のキャリブレーションでは、まず、スピンドル26に装着された接触式センサ(接触式プローブ)を使用して、基準球の機械座標系における中心座標(TX、TY、TZ)を測定する。
[0046]
 次に、スピンドル26に装着されたセンサヘッド10(非接触式センサ110)を使用して、基準球の非接触式センサ座標系における中心座標(SX1、SY1、SZ1)を測定する。そして、測定毎に非接触式センサの位置を変化させてこのような測定を3回以上繰り返す。なお、図8では、このような測定を4回行った例を示している。2回目の測定で、中心座標(SX2、SY2、SZ2)が得られる。3回目の測定で、中心座標(SX3、SY3、SZ3)が得られる。4回目の測定で、中心座標(SX4、SY4、SZ4)が得られる。これらを整理すると、以下の表1の通りとなる。
[0047]
[表1]


[0048]
 次に、非接触式センサ座標系の中心座標を、接触式プローブによる機械座標系の中心座標に一致させるために必要な角度(Xθ0、Yθ0、Zθ0)とオフセット(X0、Y0、Z0)を計算する。
 例えば、Xθ0は、SY3及びSY4をTYに一致させるために必要なXθ方向のセンサヘッド10の回転量として計算することができる。Yθ0は、SZ1及びSZ2をTZに一致させるために必要なYθ方向のセンサヘッド10の回転量として計算することができる。Zθ0は、SY1及びSY2をTYに一致させるために必要なZθ方向のセンサヘッド10の回転量として計算することができる。X0は、SX1~SX4の平均値をTXに一致させるために必要なX軸方向のズレ量として計算することができる。Y0は、SY1~SY4の平均値をTYに一致させるために必要なY軸方向のズレ量として計算することができる。Z0は、SZ1~SZ4の平均値をTZに一致させるために必要なZ軸方向のズレ量として計算することができる。ここで、Xθとは、X軸周りの回転方向を意味する。Yθは、Y軸周りの回転方向を意味する。Zθは、Z軸周りの回転方向を意味する。
[0049]
 上記で説明した1回目のキャリブレーションを行った後、CNC加工装置1によってワークWの表面形状を測定する。上記で計算した角度(Xθ0、Yθ0、Zθ0)とオフセット(X0、Y0、Z0)を使用して、センサヘッド10に内蔵されている非接触式センサ110によって測定した非接触式センサ座標系における座標を、接触式プローブによる機械座標系に変換することができる。
[0050]
 次に、スピンドル26に装着されているセンサヘッド10を工具に交換することによって、ワークWを加工することができる。ワークWを加工した後、スピンドル26に装着されている工具をセンサヘッド10に交換することによって、ワークWの表面形状を測定することができる。上述した通り、スピンドル26に装着されているセンサヘッド10を交換した場合には、センサヘッド10に内蔵されている非接触式センサ110のキャリブレーションをやり直す必要がある。
[0051]
 図9は、2回目以降のキャリブレーションを説明するための模式図である。
 センサヘッド10をスピンドル26に装着するためのホルダ18は、Z軸を中心としてわずかに回転可能であるが、X軸、Y軸、及びZ軸方向への移動、及び、X軸及びY軸を中心とする回転は規制されている。したがって、2回目以降のキャリブレーションでは、センサヘッド10のZ軸周りの回転を考慮すれば十分であり、X軸、Y軸、及びZ軸方向への移動、及び、X軸及びY軸を中心とする回転を考慮する必要がない。すなわち、2回目以降のキャリブレーションでは、基準球の中心座標を非接触式センサによって1回測定すれば十分であり、3回以上測定する必要がない。
[0052]
 2回目以降のキャリブレーションでは、まず、スピンドル26に装着された接触式センサ(接触式プローブ)を使用して、基準球の接触式プローブによる機械座標系における中心座標(TX2、TY2、TZ2)を測定する(第1工程)。
[0053]
 次に、スピンドル26にセンサヘッド10を装着した後、センサヘッド10(非接触式センサ110)を使用して、基準球の非接触式センサ座標系における中心座標(SX2、SY2、SZ2)を1回だけ測定する(第2工程)。これらを整理すると、以下の表2の通りとなる。第1工程から基準球の位置を変更していないときは、前回測定した中心座標を(SX2、SY2、SZ2)に置き換えて使用する。
[0054]
[表2]


[0055]
 次に、非接触式センサ座標系の座標を、接触式プローブによる機械座標系の座標に一致させるために必要な角度(Zθ1)とオフセット(X1、Y1、Z1)を計算する。(第3工程)。
 2回目以降のキャリブレーションでは、センサヘッド10のZ軸周りの回転を考慮すれば十分であるため、Xθ1及びYθ1を計算する必要がない。
[0056]
 例えば、Zθ1は、SY2をTY2に一致させるために必要なZθ方向のセンサヘッド10の回転量として計算することができる。X1は、SX2をTX2に一致させるために必要なX軸方向のズレ量として計算することができる。Y1は、SY2をTY2に一致させるために必要なY軸方向のズレ量として計算することができる。Z1は、SZ2をTZ2に一致させるために必要なZ軸方向のズレ量として計算することができる。
[0057]
 上記で計算した角度(Zθ1)とオフセット(X1、Y1、Z1)を、1回目のキャリブレーションで計算した角度(Xθ0、Yθ0、Zθ0)とオフセット(X0、Y0、Z0)に加えることによって、次の角度(Xθ0、Yθ0、Zθ0+Zθ1)とオフセット(X0+X1、Y0+Y1、Z0+Z1)が得られる。次の角度(Xθ0、Yθ0、Zθ0+Zθ1)とオフセット(X0+X1、Y0+Y1、Z0+Z1)を使用して、センサヘッド10に内蔵されている非接触式センサ110によって測定した座標を変換して高精度な測定データとして扱うことができる。
[0058]
 本実施形態のCNC加工装置1におけるキャリブレーション方法によれば、非接触式センサによって基準球の中心座標を1回だけ測定すればよいため、1回のキャリブレーションに必要な時間を大幅に短縮することが可能となる。
[0059]
 上記の実施形態では、基準器が球状である例を示したが、その他の形状の基準器を使用してもよい。例えば、立方体の基準器を使用してもよいし、正三角錐の基準器を使用してもよい。

符号の説明

[0060]
1   CNC加工装置
10  センサヘッド
12  本体部
18  ホルダ
20  工具マガジン
26  スピンドル
110 非接触式センサ

請求の範囲

[請求項1]
 工具によって対象物を加工した後、スピンドルに装着されている前記工具を非接触式センサに交換し、前記非接触式センサによって前記対象物の表面形状を測定することのできるCNC加工装置において、前記非接触式センサのキャリブレーションを行うための方法であって、
 基準器の中心座標を接触式プローブで測定することにより、前記基準器の中心の機械座標を測定する第1工程と、
 前記スピンドルに前記非接触式センサを装着した後、前記基準器の中心座標を前記非接触式センサで1回だけ測定することにより、前記基準器の中心の非接触式センサ座標を測定する第2工程と、
 前記第2工程で得られた非接触式センサ座標を、前記第1工程で得られた接触式プローブによる機械座標に一致させるために必要なズレ量を計算する第3工程と、を含む方法。
[請求項2]
 前記基準器が球状である、請求項1に記載の方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]