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1. WO2020196053 - DRIVING HANDOVER DEVICE

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明 細 書

発明の名称 運転引継装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

0007   0008   0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 運転引継装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本国際出願は、2019年3月22日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2019-055029号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2019-055029号の全内容を本国際出願に参照により援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、自動運転から手動運転への引継ぎを制御する技術に関する。

背景技術

[0003]
 自動運転レベル3では、自動運転区間が終了する場合や自動運転車が故障などで自動運転の継続が困難である場合、ドライバに運転を引き継がせる必要がある。このとき、引継ぎの前後で車両の挙動が急激に変化することがないように、ドライバによって適切な運転操作が行われている状態で運転を引き継ぐことが必要である。
[0004]
 例えば、減速している先行車に追従してブレーキをかけて自動運転をしている最中に、ドライバに運転を引き継がせる場合、ドライバによって適切なブレーキ操作が行われている状態で引継ぎを実施する必要がある。また、自動運転で上り坂を走行中に、ドライバに運転を引き継がせる場合、ドライバによって適切なアクセル操作が行われている状態で引継ぎを実施する必要がある。
[0005]
 これに対して、下記特許文献1には、自動運転時のブレーキ情報を取得し、取得した情報に基づいて引継ぎ時にドライバに対して必要なブレーキ量を踏むように指示する技術が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2017-207885号公報

発明の概要

[0007]
 しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、特許文献1に記載の従来技術には以下の課題が見出された。すなわち、従来技術では、ドライバに対してブレーキ操作の必要量を提示するだけで、ドライバが必要量分のブレーキ操作を実施している否かに関わらず引継ぎが行われてしまう。このため、引継ぎ直後に、予期しない加速や減速が生じて先行車又は後続車との車間距離が縮まり、引き継ぎ後の運転の難易度が増す可能性があった。
[0008]
 本開示の1つの局面では、自動運転から手動運転への引継ぎ時の安全性を向上させる技術を提供してもよい。
[0009]
 本開示の一態様は、運転引継装置であって、自動運転部と、引継操作部と、取得部と、算出部と、引継部と、を備える。
[0010]
 自動運転部は、車両の自動運転時の制御を実行する。引継操作部は、自動運転部での制御による自動運転から、車両のドライバによる手動運転への引継を実行するタイミングでドライバによって操作される。取得部は、車両の運転制御に必要な制御量のうち予め指定された制御量を指定制御量とし、手動運転時に指定制御量を発生させるためにドライバによって操作される操作対象を指定操作対象として、指定操作対象に対する操作量である現操作量を取得する。算出部は、自動運転部にて生成される指定制御量を引継制御量として、引継制御量を発生させるために必要な指定操作対象の操作量である必要操作量を算出する。引継部は、自動運転部による制御の実行中に、取得部によって取得される現操作量が、算出部にて算出された必要操作量に従って設定される引継許可範囲内にあり、かつ、引継操作部が操作された場合に、自動運転部による制御を停止する。これにより、自動運転から手動運転への引継ぎを実行する。
[0011]
 このような構成によれば、現操作量と必要操作量とを十分に接近させた状態で運転の引継ぎが実行されるため、引継ぎ時に予期せぬ加速又は減速が生じることを抑制できる。その結果、運転引継ぎ直後に前方車両又は後方車両と急接近するなどして、手動運転の難易度が高くなることを抑制できる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 第1実施形態の運転引継装置の構成を示すブロック図である。
[図2] 第1実施形態における運転引継処理のフローチャートである。
[図3] 操作状況表示の例を示す説明図である。
[図4] 第2実施形態の運転引継装置の構成を示すブロック図である。
[図5] 第2実施形態における運転引継処理のフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[0014]
 [1.第1実施形態]
 [1-1.構成]
 図1に示す運転引継装置1は、引継操作部14と、自動運転ECU20とを備える。ECUは、Electronic Control Unit、すなわち、電子制御装置の略である。
[0015]
 運転引継装置1は、自車情報部11と、周辺情報部12と、道路情報部13と、表示装置15と、音響装置16と、アクセルペダル17の踏量センサ(以下、アクセル踏量センサ)171と、ブレーキペダル18の踏量センサ(以下、ブレーキ踏量センサ)181とを備えてもよい。また、運転引継装置1は、HMI系ECU30と、駆動系ECU40と、操舵系ECU50と、制動系ECU60とを備えてもよい。以下、運転引継装置1を搭載する車両を自車両という。HMIは、Human Machine Interfaceの略である。
[0016]
 自車情報部11は、自車両の挙動を検出する複数の車載センサを含む。具体的には、車輪速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサなどが含まれてもよい。
[0017]
 周辺情報部12は、自車両の周囲の状況を検出する複数の車載機器を含む。具体的には、カメラ、ミリ波レーダ、及びライダーなどが含まれてもよい。
[0018]
 道路情報部13は、走行中の道路に関する情報(以下、道路情報)を得るための複数の車載機器を含む。具体的には、GNSSなどを利用する位置検出装置、及び道路情報の提供元となるナビゲーション装置などが含まれてもよい。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略である。道路情報には、道路形状及び道路勾配など、自車両の挙動の推定に必要な情報が含まれる。
[0019]
 引継操作部14は、自車両のドライバによって操作される位置に配置されたスイッチであり、自動運転から手動運転に引き継ぐタイミングで操作される。以下では、引継操作部14に対して行われる操作を引継操作という。
[0020]
 表示装置15は、自車両のドライバが視認可能な位置に表示を行うことで視覚を利用した報知を行う装置である。表示装置15は、専用の画面を有していてもよいし、ナビゲーション装置の画面、メータ類が表示される画面、又はヘッドアップディスプレイなどを利用してもよい。
[0021]
 音響装置16は、自車両のドライバを含む乗員に対して音声を発することで聴覚を利用した報知を行う装置である。音響装置16は、専用のスピーカを有していてもよいし、ナビゲーション装置が有するスピーカなどを利用してもよい。
[0022]
 アクセル踏量センサ171は、アクセルペダル17の踏量を検出する。
[0023]
 ブレーキ踏量センサ181は、ブレーキペダル18の踏量を検出する。
[0024]
 自動運転ECU20は、CPU201と、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ(以下、メモリ202)を有するマイクロコンピュータを備える。自動運転ECU20は、CPU201がプログラムを実行することで実現される機能の構成として、自動運転部21と、引継判定部22とを備える。自動運転部21及び引継判定部22での処理の内容は後述する。
[0025]
 HMI系ECU30、駆動系ECU40、操舵系ECU50、及び制動系ECU60は、いずれも自動運転ECU20と同様に、マイクロコンピュータを備える。
[0026]
 HMI系ECU30は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能の構成として、報知制御部31を少なくとも備える。報知制御部31は、自動運転ECU20からの指示に従って、表示装置15を介した画面表示、及び音響装置16を介した音声出力により、ドライバなどの自車両の乗員に対する報知を行う。HMI系ECU30は、乗員に対する報知の他、自動運転ECU20などに対する乗員からの指示入力の受付なども行う。
[0027]
 駆動系ECU40は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能の構成として、踏量検出部41を少なくとも備える。踏量検出部41は、アクセル踏量センサ171での検出結果であるアクセルペダル17の踏量を0~100%の値に変換し、アクセル操作量として、自動運転ECU20に通知する。また、駆動系ECU40は、自動運転時には自動運転ECU20からの指示に従い、手動運転時には踏量検出部41で検出されるアクセル操作量に従って、エンジンなどの駆動系を制御する。
[0028]
 操舵系ECU50は、自動運転時には自動運転ECU20からの指示に従い、手動運転時にはステアリングの操作量を検出する舵角センサでの検出結果に従って、操舵系の動作を制御する。
[0029]
 制動系ECU60は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能の構成として、踏量検出部61を少なくとも備える。踏量検出部61は、ブレーキ踏量センサ181での検出結果であるブレーキペダル18の踏量を0~100%の値に変換し、ブレーキ操作量として、自動運転ECU20に通知する。制動系ECU60は、自動運運転時には自動運転ECU20からの指示に従い、手動運転時には踏量検出部41で検出されるブレーキ操作量に従って、ブレーキなどの制動系を制御する。
[0030]
 [1-2.処理]
 [1-2-1.自動運転部]
 自動運転部21は、HMI系ECU30を介した指示入力に従って自動運転制御を開始する。自動運転制御が開始されると、自動運転部21は、ナビゲーション装置等から自車両の目的地までの経路を取得し、自車情報部11、周辺情報部12、及び道路情報部13から取得される情報から自車両の状況、及び自車両の周囲の状況を判定する。更に、自動運転部21は、取得した経路と判定した状況に応じて、駆動系ECU40、操舵系ECU50、及び制動系ECU60に対する指示を生成することで自動運転を実行する。また、必要に応じてHMI系ECU30を介して、自車両のドライバに情報を提供する。
[0031]
 自動運転部21は、自動運転制御と並行して自車両の状態を監視し、自動運転を終了させる終了条件を満たす場合は、引継判定部22を起動して運転引継処理を実行する。終了条件は、たとえば、自動運転区間の終了した場合、天候不良により車載センサによる検知精度が自動運転で要求されるレベルに満たない場合、及びシステム故障が発生し自動運転の継続が困難な場合などが挙げられる。なお、自動運転区間であるか否かは、道路情報部13から取得される情報に基づいて判定される。
[0032]
 [1-2-2.引継判定部]
 ここで、引継判定部22が実行する運転引継処理を、図2のフローチャートを用いて説明する。運転引継処理は、上述したように、自動運転部21にて終了条件が成立したと判定された場合に開始される。
[0033]
 S110では、引継判定部22は、HMI系ECU30を介してドライバに対して、自動運転から手動運転への引継を要求すること(以下、引継要求)を報知する。具体的には、音響装置16を介して、例えば「自動運転を解除します。『操作対象』を踏んでください」といった音声出力を行うことが考えられる。また、同様の内容を表示装置15の表示画面に表示させてもよい。但し、『操作対象』は、自動運転部21が駆動系ECU40又は制動系ECU60に対して出力している制御量が加速度である場合は『アクセルペダル』であり、制御量が減速度である場合は『ブレーキペダル』である。ここでの操作対象が指定操作対象に相当し、制御量が指定制御量に相当する。
[0034]
 続くS120では、引継判定部22は、引継要求を報知してからの経過時間を測定するタイマをスタートさせる。
[0035]
 続くS130では、引継判定部22は、必要操作量RMを算出する。必要操作量RMは、自動運転部21が実施している自動運転制御における現在の制御量(すなわち、駆動量又は制動量)を引継制御量として取得し、その引継制御量を実現するのに必要なアクセル操作量又はブレーキ操作量である。
[0036]
 続くS140では、引継判定部22は、現操作量DMを取得する。具体的には、S130で算出された必要操作量RMが駆動量に基づく場合は、踏量検出部41にて検出されるアクセル操作量を現操作量DMとして取得する。また、S130で算出された必要操作量RMが制動量に基づく場合は、踏量検出部61にて検出されるブレーキ操作量を現操作量DNとして取得する。
[0037]
 続くS150では、引継判定部22は、S130で算出された必要操作量RMと、S140で取得された現操作量DMとの関係を示す操作状況を、HMI系ECU30を介して表示装置15に表示させる。操作状況の表示は、例えば、図3に示すように、アクセルペダル17及びブレーキペダル18の可動域を0%~100%で表現した帯状の領域に、引継許可範囲と、現操作量DMとを示した表示である。引継許可範囲は、必要操作量RMに対する許容誤差をδ ,δ として、(RM-δ )~(RM+δ )の範囲であり、図3中では斜線で示した範囲のことをいう。また、現操作量DMは、図3中では太線で示されている。つまり、操作状況の表示は、現操作量DMが引継許可範囲内にあるか否かを、視覚的にドライバに理解させるための表示である。また、操作状況の表示は、引継許可範囲内にない場合に、どのようなペダル操作(すなわち、踏込又は開放)が必要であるかを、視覚的にドライバに理解させるための表示でもある。
[0038]
 引継許可範囲は、操作量がアクセル操作量であるかブレーキ操作量であるかによって、異ならせてもよい。引継許可範囲は、ドライバが運転を引き継いだ後に運転が困難な状況となることがないように、その上限値と下限値とが設定されていればよい。
[0039]
 例えば、操作量がブレーキ操作量である場合、引継ぎ時の自車の加速度を基に計算したブレーキ操作量を下限値とし、急減速に相当する加速度(例えば、0.5G)を考慮して計算したブレーキ操作量を上限値としてもよい。この場合、δ =0、δ >0となる。つまり、自動運転制御での減速度を最低限確保し、乗員に急減速を感じさせない範囲でより大きな減速度が得られる範囲が引継許可範囲として設定される。
[0040]
 また、操作量がアクセル操作量である場合、引継ぎ時の自車の加速度を基にあらかじめ決められた加速度範囲(例えば、±0.2G)を考慮して計算したアクセル操作量を下限値及び上限値としてもよい。この場合、δ >0、δ >0となる。つまり、自動運転から手動運転への引継ぎ時に生じる加速度の変化が、乗員に不快を感じさせることがない範囲が引継許可範囲として設定される。
[0041]
 続くS160では、引継判定部22は、現操作量DMが引継許可範囲内にあるか否かを判定する。S160にて肯定判定された場合、すなわち、現操作量DMが引継許可範囲内にあると判定された場合、処理はS170に移行される。また、S160にて否定判定された場合、すなわち、現操作量DMが引継許可範囲外であると判定された場合、処理はS190に移行される。
[0042]
 S170では、引継判定部22は、引継操作部14にて引継操作が行われたか否かを判定する。S170にて肯定判定された場合、すなわち、引継操作が行われた場合、処理はS180に移行され、S170にて否定判定された場合、すなわち、引継操作が行われていない場合、処理はS200に移行される。
[0043]
 S180では、引継判定部22は、自動運転部21による自動運転制御を停止することで、自動運転から手動運転への引継ぎを実行して、処理を終了する。
[0044]
 S190では、引継判定部22は、HMI系ECU30を介して操作誘導報知を行ってS200に処理を進める。操作誘導報知は、現操作量DMと必要操作量RMとの差を減少させる方向へのペダル操作をドライバに促し、現操作量DMが引継許可範囲内の値となるようするための報知である。具体的には、現操作量DMが引継許可範囲に満たない場合は、例えば「『操作対象』を踏み込んで下さい」という報知を、画面表示又は音声によって行う。また、現操作量DMが引継許可範囲を超えている場合は、例えば「『操作対象』の踏み込みを緩めてください」という報知を、画面表示又は音声によって行う。
[0045]
 S200では、引継判定部22は、引継要求の報知を行ってからの経過時間、すなわち、先のS120でスタートしたタイマの計測値が、予め設定された許容時間(例えば、10秒間)を超えたか否かを判定する。S200にて肯定判定された場合、すなわち、経過時間が許容時間を超えていれば、運転の引継ぎに失敗したものとして、処理はS210に移行され、S200にて否定判定された場合、すなわち、経過時間が許容時間内であれば、処理はS130に戻される。
[0046]
 S210では、引継判定部22は、安全な場所を見つけて自車両を停止させる退避走行を、自動運転部21に開始させて、処理をS130に戻す。
[0047]
 なお、S130が算出部、S140が取得部、S170~S180が引継部、S150、S190が誘導部に相当する。
[0048]
 [1-3.動作]
 運転引継装置1は、自動運転から手動運転への引継ぎが必要となった場合、まず、引継要求の報知を行う。この報知では、操作対象がアクセルペダル17であるかブレーキペダル18であるかが示される。従って、ドライバは、引継要求の報知に従って操作対象となるペダルを認識できる。
[0049]
 運転引継装置1は、自動運転による運転状況に応じて設定される引継許可範囲と、操作対象に対するドライバの操作状況に応じて変化する現操作量DMとの関係を表す操作状況表示を行う。また、運転引継装置1は、現操作量DMが引継許可範囲内でない場合には、操作誘導報知も行う。従って、ドライバは、操作状況表示を確認することで、操作対象に対する操作(すなわち、踏み込み)が十分であるか否かを認識できる。また、ドライバは、操作誘導報知によって、操作対象に対して行うべき操作も認識できる。更に、ドライバは、操作状況表示を確認し、現操作量DMが引継許可範囲内にあるタイミングで引継操作を実行できる。
[0050]
 運転引継装置1は、現操作量DMが引継許容範囲内にあり、かつ、ドライバによる引継操作が確認されると自動運転を停止する。これにより、自動運転から手動運転への引継ぎが実行される。なお、運転引継装置1は、引継要求の報知があってから、許容時間以内に引継操作が行われなかった場合は、退避走行を開始する。但し、退避走行の開始後であっても、現操作量DMが引継許容範囲内にあり、かつ、ドライバによる引継操作が確認された場合には自動運転を停止する。つまり自動運転から手動運転への引継ぎが実行される。
[0051]
 [1-4.効果]
 以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
[0052]
 (1a)運転引継装置1では、現操作量DMが引継許可範囲内にあり、且つ、ドライバからの意思表示である引継操作が行われた場合に、自動運転から手動運転への引継ぎを実行する。つまり、現操作量DMと必要操作量RMとが十分に接近した状態で運転の引継ぎが実行されるため、引継ぎ時に予期せぬ加速又は減速が生じることを抑制できる。その結果、運転引継ぎ直後に前方車両又は後方車両と急接近するなどして、手動運転の難易度が高くなることを抑制できる。
[0053]
 (1b)運転引継装置1では、現操作量DMと必要操作量RMとの関係を、操作状況表示によってドライバに提示するため、現操作量DMが引継許可範囲内にあるか否かを、ドライバに認識させることができる。
[0054]
 (1c)運転引継装置1では、現操作量DMが引継許可範囲外にある場合、引継許可範囲内となるようにドライバを誘導する操作誘導報知を行うため、運転の引継ぎが可能な状態にするために行うべき操作を、ドライバに認識させることができる。
[0055]
 (1d)運転引継装置1では、引継要求の報知を行った後、許容時間内にドライバによる引継操作が行われなかった場合、自動運転部21に退避走行を開始させる。このため、例えば、ドライバが何らかの理由で引継操作を行うことができない状況にある場合でも、車両の乗員の安全を確保できる。
[0056]
 [2.第2実施形態]
 [2-1.第1実施形態との相違点]
 第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
[0057]
 上述した第1実施形態では、操作状況表示及び操作誘導報知を行うことで、現操作量DMが引継許可範囲内の値となるように誘導している。これに対し、第2実施形態では、更に、操作対象のペダルを操作したときのあそびの範囲を変化させることで誘導する点で、第1実施形態と相違する。
[0058]
 図4に示すように、第2実施形態の運転引継装置1aは、アクセルペダル17に対して、アクセルペダル17を踏み込んだ時の抵抗力を付与する抵抗付与機構172を備える。また、運転引継装置1aは、ブレーキペダル18に対して、ブレーキペダル18を踏み込んだ時の抵抗力を付与する抵抗付与機構182と、を更に備える。これら抵抗付与機構172,182が抵抗付与部に相当する。
[0059]
 抵抗付与機構172,182はいずれも同様の構成を有しており、モータなどを用いて、ペダルの踏量に応じて抵抗力を変化させる。ここでは、踏量の全領域が、あそび領域と、実効領域との2段階に分けられる。あそび領域は実効領域より抵抗力が低くなるように設定される。また、抵抗付与機構172,182は、あそび領域と実効領域の境界となる踏量(以下、領域境界踏量)を任意に変化させることができるように構成される。
[0060]
 つまり、アクセルペダル17及びブレーキペダル18は、抵抗付与機構172,182によって、領域境界踏量までは、負荷をかけなくてもペダルを踏み込むことができ、より大きな負荷をかけないと、それ以上踏み込むことができないように設定される。
[0061]
 駆動系ECU40aは、駆動系ECU40の構成に加えて、抵抗付与機構172を制御して、アクセルペダル17の領域境界踏量を変化させる抵抗制御部42を更に備える。
[0062]
 制動系ECU60aは、制動系ECU60の構成に加えて、抵抗付与機構182を制御して、ブレーキペダル18の領域境界踏量を変化させる抵抗制御部62を更に備える。
[0063]
 自動運転ECU20aは、引継判定部22aでの処理の内容が第1実施形態とは異なる。
[0064]
 [2-2.処理]
 引継判定部22aが、図2を用いて説明した第1実施形態の運転引継処理に代えて実行する運転引継処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。但し、S135とS175とが追加されただけであるため、この追加されたステップについて説明する。
[0065]
 本実施形態では、引継判定部22aは、S130からS135に処理を進める。
[0066]
 S135では、引継判定部22は、操作対象の遊びを設定して、処理をS140に進める。なお、S135は誘導部に相当する。
[0067]
 具体的には、引継判定部22aは、駆動系ECU40aの抵抗制御部42、又は制動系ECU60aの抵抗制御部62に対して、必要操作量RMに対応する操作対象の踏量を領域境界踏量とする指示を出力する。つまり、必要操作量RMに応じて領域境界踏量、ひいてはあそび領域の範囲が可変設定される。
[0068]
 また、本実施形態では、引継判定部22aは、S170にて肯定判定した場合、処理をS175に移行する。
[0069]
 S175では、引継判定部22aでは、抵抗制御部42,62に対して、あそび領域の設定(すなわち、領域境界踏量)を、あらかじめ用意された手動運転時の設定に初期化する指示を出力して、処理をS180に進める。
[0070]
 [2-3.効果]
 以上詳述した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果(1a)~(1d)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
[0071]
 (2a)運転引継装置1aでは、あそび領域と実効領域との境界となる領域境界踏量が、必要操作量RMに従って設定されるため、操作対象を踏み込んだときの感覚で、直感的かつ正確に必要操作量RMの大きさをドライバに認識させることができる。
[0072]
 なお、本実施形態では、領域境界踏量の可変設定と、操作状況表示及び操作誘導報知とをいずれも行っているが、領域境界踏量の可変設定を行う場合は、操作状況表示及び操作誘導報知のうち少なくとも一方を省略してもよい。
[0073]
 [3.他の実施形態]
 以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
[0074]
 (3a)上記実施形態では、冗長系については特に言及していないが、故障時であっても自動運転を継続できるようにするために、自動運転ECU20,20aの冗長系を設けてもよい。この場合、自動運転ECU20,20aの冗長系にも引継判定部22,22aを設けてもよい。
[0075]
 (3b)本開示に記載の自動運転ECU20,20a及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の自動運転ECU20,20a及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の自動運転ECU20,20a及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。自動運転ECU20,20aに含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
[0076]
 (3c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
[0077]
 (3d)上述した運転引継装置1,1aの他、当該運転引継装置1,1aを構成要素とするシステム、当該運転引継装置1,1aとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリなどの非遷移的実態的記録媒体、運転引継方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。

請求の範囲

[請求項1]
 車両の自動運転時の制御を実行するように構成された自動運転部(21)と、
 前記自動運転部での制御による自動運転から、前記車両のドライバによる手動運転への引継を実行するタイミングで前記ドライバによって操作される引継操作部(14)と、
 前記車両の運転制御に必要な制御量のうち予め指定された制御量を指定制御量とし、手動運転時に前記指定制御量を発生させるために前記ドライバによって操作される操作対象を指定操作対象として、前記指定操作対象に対する操作量である現操作量を取得するように構成された取得部(22:S140)と、
 前記自動運転部にて生成される前記指定制御量を引継制御量として、前記引継制御量を発生させるために必要な前記指定操作対象の操作量である必要操作量を算出するように構成された算出部(22:S130)と、
 前記自動運転部による制御の実行中に、前記取得部によって取得される前記現操作量が、前記算出部にて算出された前記必要操作量に従って設定される引継許可範囲内にあり、かつ、前記引継操作部が操作された場合に、前記自動運転部による制御を停止することで、自動運転から手動運転への引継ぎを実行するように構成された引継部(22:S170~S180)と、
 を備える運転引継装置
[請求項2]
 請求項1に記載の運転引継装置であって、
 前記現操作量が前記引継許可範囲内の値となるような前記指定操作対象に対する操作が行われるように前記ドライバを誘導するように構成された誘導部(22:S150,S190,S135)を更に備える
 運転引継装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の運転引継装置であって、
 前記誘導部は、前記現操作量と前記必要操作量との差を減少させる方向への前記指定操作対象に対する操作を促すための報知を実施する
 運転引継装置。
[請求項4]
 請求項2に記載の運転引継装置であって、
 前記指定操作対象の操作時に該操作に対する抵抗力を発生させるように構成された抵抗付与部(172,182)を更に備え、
 前記誘導部は、前記抵抗付与部が発生させる前記抵抗力を、前記必要操作量の前後で変化させる、
 運転引継装置。
[請求項5]
 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の運転引継装置であって、
 前記指定操作対象には、ブレーキペダル(18)及びアクセルペダル(17)のうち少なくとも一方が含まれる
 運転引継装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]