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1. WO2020195851 - VEHICLE-MOUNTED CAMERA DEVICE, AND IMAGE DISTORTION CORRECTION METHOD FOR SAME

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明 細 書

発明の名称 車載カメラ装置およびその画像歪み補正方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

符号の説明

0077  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28  

明 細 書

発明の名称 : 車載カメラ装置およびその画像歪み補正方法

技術分野

[0001]
 本技術は、車両に取り付け可能な車載カメラ装置およびその画像歪み補正方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、車両の周囲を広角レンズを使ったカメラにより撮像してモニターにその周囲画像を表示したり接近物を報知するシステムや、車両後方の映像をルームミラーモニターに表示するシステム(スマートルームミラー)など、車載カメラ装置の利用範囲が広がっている。
[0003]
 車載カメラ装置は、カメラレンズに入射する太陽光などによって画像に発生するフレアー、ゴースト、ハレーションなどの抑制が一般的な検討課題とされる。そのために、レンズの入力面側に遮光部(フード)を配置して太陽光などの光線を遮る対策が講じられる。例えば、特許文献1、特許文献2に、フードによりカメラレンズへの光線の入射角度を制限する構造が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-230815号公報
特許文献2 : 特開2013-009211号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 一般的に、車両の周囲を撮像するためには広角レンズが用いられることが多いが、その画角はスマートルームミラー用に車両後方を撮像するために必要な画角よりも広い。そのため、例えば、車両の周囲をモニタリングするため、広角レンズを使ったカメラにより撮像しつつ、その撮像画像からスマートルームミラー用の画像を切り出して使用することで、一つのカメラで、車両の周辺監視用とスマートルームミラー用の二つの用途を兼ねることができる。この場合、スマートルームミラー用の画像には一般的に高い解像感が必要とされるため、収差の影響等を考慮すると、スマートルームミラー用で表示したい場所にカメラレンズの光軸を近づける方が望ましく、カメラの俯角は小さくする必要がある。一方で、カメラの俯角が小さい場合、水平線より上側が広く撮像されることとなり、太陽光や街灯の光がカメラレンズへ入射しやすくなるが、スマートルームミラー用に使用する画角より上側は本来撮像する必要はない。
[0006]
 以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、カメラレンズへの光線の入射角度をフードにより制限することで、より高い品質の撮影画像を生成することが可能な車載カメラ装置およびその画像歪み補正方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る車載カメラ装置は、車両の前方、後方、または側方の少なくとも一方を撮像可能な車載カメラ装置であって、レンズと、前記レンズによって結像された光を電気信号に変換して撮像画像を生成する撮像素子部と、前記レンズの入射面側で、前記撮像素子部の撮像領域の一部に対応する光線を遮る遮光部とを具備する。
 本技術に係る車載カメラ装置では、遮光部によって、レンズの入射面側で、撮像素子部の撮像領域の一部に対応する光線を遮ることによって、太陽や街灯などの光源の光がレンズに入射することによるフレアー、ゴースト、ハレーションなどの発生を防止することができる。
[0008]
 本技術では、遮光部がレンズの面に沿って配置されることによって、外部突出量を最小限に抑えることができる。
[0009]
 本技術では、撮像素子にて生成された撮像画像から、第1の解像度の第1の出力画像および第1の出力画像より小さい第2の解像度の第2の出力画像を生成する画像処理部をさらに有し、前記遮光部によって光線が遮られる領域が第2の出力画像の領域外にあるものとされる。
 これにより、第2の出力画像が遮光部によって隠れることがない。
[0010]
 前記レンズは広角レンズ、あるいは、光軸中心付近の像が大きくなる増高特性を有する広角レンズとすることができる。
[0011]
 画像処理部は、前記遮光部の像に含まれるエッジ情報に基づいて前記広角レンズの像高特性を算出するものであってよい。
[0012]
 画像処理部は、前記算出された前記広角レンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正するものであってよい。
 これにより、像高特性の変化に伴う撮影画像の歪みを補正した良好な撮影画像が得られる。
[0013]
 画像処理部は、温度テータを取得し、前回の歪み補正時の温度との差が所定値以上であるとき、広角レンズの像高特性を算出し、前回の歪み補正時の像高特性との差分が閾値以上である時、算出された前記広角レンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて撮像画像の歪みを補正するものであってもよい。
 これにより、温度の変化をトリガとして広角レンズの像高特性を評価し、必要に応じて、撮像画像の歪みを補正することができる。
[0014]
 本技術に係る車載カメラ装置は、画像処理部により生成された第1の出力画像および第2の出力画像を1以上のモニターに出力する画像出力部をさらに具備するものであってよい。
[0015]
 遮光部は、水滴受けを有するものであってよい。これにより、雨天走行中にレンズの入射面に水滴が付きにくくなり、ルームミラーモニターに出力される画像の視認性を担保できる他、像高特性の算出精度を維持することができる。
[0016]
 本技術に係る車載カメラ装置は、前記レンズおよび前記撮像素子部を搭載するカメラ筐体をさらに具備し、前記遮光部は前記カメラ筐体に設けられてもよい。
[0017]
 あるいは、本技術に係る車載カメラ装置は、前記レンズおよび前記撮像素子部を搭載するカメラ筐体と、前記カメラ筐体を前記車両に固定するブラケットとをさらに具備し、前記遮光部は前記ブラケットに設けられてもよい。
[0018]
 また、上記目的を達成するため、本技術の他の形態に係る車載カメラ装置の画像歪み補正方法は、レンズの入射面側で、撮像素子部の撮像領域の一部に対応する光線を遮る遮光部を介して撮像し、撮像した画像から前記レンズの像高特性を算出し、この算出したレンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正する。

発明の効果

[0019]
 以上のように、本技術によれば、より高い品質の撮影画像を生成することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 本技術に係る第1の実施形態の車載カメラ装置1の斜視図である。
[図2] 図1の車載カメラ装置1の断面図である。
[図3] 広角レンズ2の像高特性の例を示すグラフである。
[図4] 図3の広角レンズ2を用いて撮像された画像の例を示す図である。
[図5] 線形の像高特性を示すグラフである。
[図6] 線形の像高特性を有するレンズを用いて撮像された画像の例を示す図である。
[図7] 遮光部6によってレンズ2への光線の入射が遮られる角度を示す図である。
[図8] 遮光部6によって光線の入射が遮られた結果撮像される画像の例を示す図である。
[図9] 遮光部6の具体例を示す斜視図である。
[図10] 図9の遮光部6の具体例の側面図である。
[図11] 遮光部6がブラケット7に設けられた車載カメラ装置1の斜視図である。
[図12] 図11の車載カメラ装置1の側面図である。
[図13] レンズ2の入射面に沿って設けられた遮光部6を有する車載カメラ装置1を示す斜視図である。
[図14] 図13の車載カメラ装置1の側面図である。
[図15] ブラケット7に遮光部6を設けた車載カメラ装置1の斜視図である。
[図16] 図15の車載カメラ装置1の側面図である。
[図17] 車載カメラ装置1の画像処理系の構成を示すブロック図である。
[図18] 縁の部分が鋸状に切欠けられた遮光部6を用いた場合の撮影画像を示す図である。
[図19] 図18の画像から算出される像高特性を示すグラフである。
[図20] 温度変化に伴う像高特性変化前後の各特徴点の位置を比較して示す図である。
[図21] 温度変化に伴う変化前後の像高特性を示すグラフである。
[図22] 撮影画像からレンズ2の像高特性の変化分を考慮してスマートルームミラー画像を生成する方法を説明する図である。
[図23] 像高特性の設計値と撮影画像から検出された像高特性との相関を示すグラフである。
[図24] 変形例1の車載カメラ装置1aのブロック図である。
[図25] 変形例1の車載カメラ装置1aにおいて、測定温度が一定値以上変化したときに、上記の特徴点位置解析による像高特性の評価の制御に関するフローチャートである。
[図26] 撮影画像に特徴点を出現させるための開口を有する遮光部6を用いた場合の撮影画像を示す図である。
[図27] 遮光部6に水滴受け18を有する車載カメラ装置1の斜視図である。
[図28] 像高特性の設計値rと撮影画像から検出された像高特性によって得られる像高r'の相関を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
 [車載カメラ装置の構成について]
 図1は本技術に係る第1の実施形態の車載カメラ装置1の斜視図、図2は図1の車載カメラ装置1の断面図である。
 この車載カメラ装置1は、レンズ2と、撮像素子3と、基板4と、カメラ筐体5と、遮光部6と、ブラケット7とを備える。
 なお、図1の斜視図においては、ブラケット7の図示は省略してある。
[0022]
 レンズ2は、撮像素子3の撮像面に光を結像するための光学部品またはレンズ群である。
[0023]
 撮像素子3は、レンズ2によって結像された光を電気信号に変換する。撮像素子3は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCDイメージセンサーなどで構成される。
[0024]
 基板4は、一表面に撮像素子3が実装された基板4である。基板4または図示しない他の基板には、撮像素子3で生成された電気信号から画像を生成する映像信号処理回路などが実装される。
 撮像素子3と基板4は、特許請求の範囲の「撮像素子部」に相当する。
[0025]
 カメラ筐体5は、レンズ2および撮像素子3を実装した基板4などを収容する筐体である。このカメラ筐体5は、図示しない車体に固定されるブラケット7を介して車体に取り付けられる。
[0026]
 遮光部6は、レンズ2の入射面側で、撮像素子3の撮像領域3aの一部に対応する光線を遮るためのものである。なお、撮像素子3の撮像領域3aの中心はレンズ2の光軸位置と必ずしも一致していなくてよい。
[0027]
 [レンズ2の特性]
 レンズ2には広角レンズなどを用い得る。
 広角レンズ2には、スマートルームミラー用に切り出した画像の解像感をできるだけ良くするために、中心付近の像が大きくなる像高特性を有するものが採用され得る。図3に広角レンズ2の像高特性の例を示す。図4は上記のように中心付近の像が大きくなる像高特性を有する広角レンズ2を用いて撮影された画像の例を示す図である。比較のため、図5に示すように、線形の像高特性を有する広角レンズを用いて撮影された画像の例を図6に示す。図4の画像と図6の画像を比較すると分かるように、図6の像高特性を有する広角レンズ2を用いて撮影された図4の画像に比べ、線形の線形特性を有する広角レンズを用いて撮影された図6の画像では、中心付近の被写体(後続車両など)の像が小さく映ってしまうため、ここからスマートルームミラー用の画像を切り出した場合に、解像感が悪くなる。
[0028]
 [カメラの向きについて]
 図2に示したように、車載カメラ装置1は、レンズ2の光軸Sが水平(X軸方向)または略水平を向きように設置される。
 このため、撮影画像の中間の高さから上の領域において、太陽や街灯などの光源の光がレンズ2に入射することによるフレアー、ゴースト、ハレーションなどが発生することがある。
[0029]
 本技術に係る車載カメラ装置1は、このような課題を解決するために、撮像素子3の撮像領域3aの一部に対応する光線をレンズ2の入射面側で遮るための遮光部6を設けることによって、太陽や街灯などの光源の光がレンズ2に入射することを最小限に抑制するように構成されたものである。
[0030]
 図7は遮光部6によってレンズ2への光線の入射が遮られる角度を示す図、図8は遮光部6によって光線の入射が遮られた結果撮像される画像の例を示す図である。
 このように、遮光部6によって、撮像素子3の撮像領域3aに属する一部領域に対応する、斜め上からのθ1からθ2の角度範囲の入射光が遮られることによって、レンズ2の光軸Sが水平方向または略水平方向を向いている場合には、撮影画像の上の偏倚領域に遮光部6による低輝度部分11ができる。すなわち、太陽や街灯などの光源の光がレンズ2に入射することを防止でき、フレアー、ゴースト、ハレーションなどの発生を最小限に抑止することができる。
[0031]
 また、遮光部6は、レンズ2の光軸Sが水平方向または略水平方向を向いている条件において、路面や路面上の物体の像を隠すことがない。このため、撮影画像の主に中間の高さ領域から切り出されるスマートルームミラー画像の品質に影響をきたしたり、隣接車両や障害物との距離測定のための画像解析に影響をきたすことがない。
[0032]
 [遮光部6の具体例]
 次に、遮光部6の具体例を示す。
 図9は遮光部6の具体例を示す斜視図、図10はその側面図である。
 このように、遮光部6は、レンズ2の光軸Sの方向に突出して設けられたものであってもよい。
[0033]
 また、遮光部6はブラケット7に設けられてもよい。図11は遮光部6がブラケット7に設けられた車載カメラ装置1の斜視図、図12はその側面図である。
[0034]
 但し、これらのように遮光部6がレンズ2の光軸Sの方向に突出していると、乗用車の外部突起に係る基準に適合しなくなる可能性がある。
[0035]
 遮光部6の突出量を最小限に抑えるために、図13および図14に示すように、遮光部6はレンズ2の入射面に沿って設けられることがより望ましい。これにより、遮光部6の突出量は遮光部6の厚さ程度に抑えることができ、乗用車の外部突起に係る基準に適合させることが容易になる。また、図15、図16に示すように、ブラケット7に遮光部6を設ける場合にも、遮光部6をレンズ2の入射面を覆うように設けることは可能である。
[0036]
 また、車載カメラ装置1の取り付け角度は必ずしも一定とは限らず、例えば車種等によって変わる場合もある。車載カメラ装置1の取り付け角度が変わると、遮光部6が遮る入射光線の角度の範囲も変わってしまうため、最悪の場合、スマートルームミラー画像に遮光部6による低輝度部分が現れたり、隣接車両や障害物との距離測定のための画像解析に影響をきたすような領域に低輝度部分が現れる可能性がある。そこで、遮光部6の遮光条件(遮光部6が遮る入射光線の角度の範囲)を変えた複数種類のブラケット7を用意しておき、車載カメラ装置1の取り付け角度に対して適当な遮光部6の遮光条件を有するブラケット7を使用することによって、上記の問題に対処することができる。
[0037]
 さらに、図27に示すように、雨天走行中にレンズ2の入射面に水滴が付きにくくするために、遮光部6の下端とその両脇に、上からの水滴を受けてレンズ2の両脇に逃がすための水滴受け18を設けてもよい。
[0038]
 (車載カメラ装置1の処理ブロック)
 次に、車載カメラ装置1の画像処理系の構成を説明する。
 図17は、車載カメラ装置1の画像処理系の構成を示すブロック図である。
 同図に示すように、車載カメラ装置1は、画像処理部8、メモリ部9、および画像出力部10をさらに備える。
[0039]
 撮像素子3にて光から変換された電気信号は、映像信号処理部3Aにてフレーム単位あるいはフィールド単位の映像信号とされ、画像処理部8に供給される。
 画像処理部8は、画像変換部81と演算部82を有する。
[0040]
 演算部82は、撮影画像の解析を行う。演算部82は、例えば撮影画像における遮光部6による低輝度映像部分またはその周囲に現れる特徴点の位置を検出し、メモリ部9に保存された各特徴点の設計上の位置との差分をレンズ像高特性の変化量として算出する。演算部82は、算出したレンズ像高特性の変化量をもとに、例えば、レンズ像高特性の変化に伴う撮影画像の歪みの補正のためのパラメータの生成や、路面上の物体との距離を測定する上でのパラメータの補正など、レンズ像高特性の変化による悪影響をキャンセルするために必要なパラメータなどの生成を行う。
[0041]
 画像変換部81は、演算部82により得られた歪みの補正のためのパラメータに基づく撮影画像の歪み補正や、歪補正された撮影画像から、トップダウンビュー画像などの視点変換画像を生成したり、例えばスマートルームミラー画像の生成などを行う。
[0042]
 画像出力部10は、画像変換部81によって得られたトップダウンビュー画像をトップダウンビュー用のモニターに出力する。さらに、画像出力部10は、画像変換部81によって得られたスマートルームミラー画像をスマートルームミラーのモニターに出力する。
[0043]
 メモリ部9には、算出された像高特性データ、設定上の像高特性データなどが保存される。
[0044]
 (レンズ像高特性の変化に伴う画像の歪み補正)
 一般的にレンズの像高特性は、温度等の影響により変化することが知られる。そこで本実施形態の車載カメラ装置1は、撮影画像に含まれる各特徴点毎の像高を算出することによってレンズ像高特性を検出し、各特徴点毎の設計上の像高との差や比などからレンズ像高特性の変化に伴う画像の歪みを補正するためのパラメータを生成し、レンズ像高特性の変化に伴う画像の歪み補正を行うように構成されている。
[0045]
 レンズ2の像高特性の変化を定量的に検出することができるように、上記の遮光部6には、この遮光部6による低輝度部分11あるいはその周囲の画像に、レンズ2の像高特性の変化に伴って撮影画像空間における位置が移動する複数の特徴点が現れるように切欠きなどが形成される。
[0046]
 図18は、縁の部分が鋸状に切欠けられた遮光部6を用いた場合の撮影画像を示す図である。この場合、遮光部6によって光線が遮られたことによって出来る低輝度部11と光線が遮られていない映像部分とが鋸状に区切られて見える撮影画像となる。この場合、例えば、個々の歯の外角頂点および/または内角頂点を特徴点(○で示す。)として、撮影画像における各特徴点の位置をエッジ情報の検出などにより検出することができる。図18は個々の歯の外角頂点を特徴点として検出した結果を示している。
[0047]
 図19は図18の画像から得られる像高特性、つまり各特徴点毎の像高(特徴点と光軸中心との距離)と入射角との関係を示すグラフである。点が2つずつ近い位置に分布しているのは、図18の画像の各特徴点が左右対称に配置されているためである。実際には完全に左右対称ではないため、入射角及び像高は左右の特徴点で微妙にずれることをこのグラフではイメージしている。
[0048]
 図20は、温度変化に伴う像高特性変化前後の各特徴点の位置を比較して示す図であり、白く塗り潰された○印は像高特性変化後の各特徴点の位置であり、塗り潰されていない○印は像高特性変化前の各特徴点の位置である。
 このように温度変化に伴うレンズの像高特性の変化は各特徴点の位置の全体的な変化として現れる。図21は、温度変化に伴う変化前後の像高特性、つまり像高特性変化前後の各特徴点毎の像高(特徴点と光軸中心との距離)と入射角との関係を示すグラフである。
[0049]
 以下、変化前の像高特性を設計上の像高特性として説明を続ける。
 画像処理部8の演算部82は、特徴点毎の変化前後の像高の差分を算出し、算出した差分から像高特性の変化による画像の歪みを補正するためのパラメータを生成する。
[0050]
 なお、撮影画像に特徴点を出現させるために、上記の例では、縁の部分が鋸状に切欠けられた遮光部6を採用したが、例えば、図26に示すように、遮光部6に例えば矩形の開口を設けることによって、撮影画像に特徴点を出現させるようにしてもよい。この場合、矩形の開口における4つの内角点のうち、一か所(例えば右上隅)の内角点や、開口中心を特徴点として検出すればよい。
[0051]
 次に、撮影画像からレンズ2の像高特性の変化分を考慮してスマートルームミラー画像を生成する方法を図22を用いて説明する。
 同図において、左の画像は撮影画像(第1の解像度の第1の出力画像)、右の画像は左の撮影画像から生成されたスマートルームミラー画像(第2の解像度の第2の出力画像)である。このようにスマートルームミラー画像は、スマートルームミラーのモニター画面の形状に対応する縦横解像度を有し、レンズ2の光軸が略水平に向けられている場合、後続車両の全体が入るように、撮影画像から、光軸中心を含む中間の高さ領域の像を用いて生成される。なお、撮影画像からスマートルームミラー画像をとる領域の下端の高さ位置は、例えば、車載カメラ装置1の撮像素子3から見て、レンズ2の光軸から斜め上に8度の位置である。
[0052]
 図22のスマートルームミラー画像において、点A(x A,y A)に表示される情報は、レンズ2の像高特性が変化していない場合、撮影画像における点a(x ,y )を参照するものとする。この撮影画像における点a(x ,y )が光軸中心からr の距離(像高)、φ の角度位置にあるものとすると、点aの位置は(r cosφ , r sinφ )で算出される。レンズ2の像高特性が変化した場合、演算部82は、例えば図23に示すように、特徴点毎の、像高特性の設計値に対して、撮影画像から検出された像高特性との差や比がわかるデータを生成する。演算部82は、撮影画像の各点aについて、上記のデータを用いて適正な距離r´ を算出し、この距離r ´と角度φ から、実際に参照すべき位置を算出する。これにより、像高特性の変化による歪みを低減させたスマートルームミラー画像が得られる。
[0053]
 また、特徴点毎の、像高特性の設計値と撮影画像から検出された像高特性との差や比などの相関ではなく、例えば、図28に示すように、像高特性の設計値rと撮影画像から検出された像高特性によって得られる像高r'の相関を用いることも可能である。
[0054]
 <変形例1>
 次に、本技術にかかる変形例1を説明する。
 図24は、本変形例1の車載カメラ装置1aのブロック図である。
 同図に示すように、この車載カメラ装置1aは、温度を測定する温度測定部21を有する。温度測定部21は、例えば、車両の外部の環境温度、車載カメラ装置1aの近傍の温度を実測する温度計であってよい。本変形例1の車載カメラ装置1aでは、測定温度が一定値以上変化したときに、上記の特徴点位置解析による像高特性の評価を実行するように構成されたものである。
[0055]
 図25は、測定温度が一定値以上変化したときに、上記の特徴点位置解析による像高特性の評価の制御に関するフローチャートである。
 前提として、メモリ部9には、各特徴点の設計上の像高データ、前回の画像補正時の各特徴点の像高データと温度データが保存されているものとする。
[0056]
 車載カメラ装置1aが起動されると、演算部82は、メモリ部9から前回測定時の各特徴点の像高データを読み込む(ステップS101)。続いて演算部82は、温度測定部21より温度データを取得する(ステップS102)。次いで演算部82は、撮影画像を取得し、撮影画像における各特徴点の位置を検出して像高データを算出する(ステップS103)。
[0057]
 演算部82は、前回測定時の各特徴点の像高データと今回検出した各特徴点の像高データとを比較し、対応する特徴点同士の像高データの差分を算出し、差分が所定の値以上である特徴点の有無を判定する(ステップS104)。差分が所定の値以上である特徴点が無ければ、演算部82は次の撮影画像について同様にステップS104の処理を繰り返す。ここで、次の撮影画像は、次のフレームの映像であってもよいし、所定のフレーム数後の映像であってもよい。
[0058]
 差分が所定の値以上である特徴点が判定された場合、演算部82は、メモリ部9から像高特性の設計値を読み込み、この像高特性の設計値と撮影画像から検出された像高特性との差や比などの相関データを生成し、この相関データに基づいて、撮影画像の像高特性の変化による歪みを補正する。そして演算部82は、今回測定した像高データと温度データを上記の「前回の画像補正時の各特徴点の像高データと温度データ」としてメモリ部9に保存する(ステップS105)。
[0059]
 この後も、演算部82は、温度測定部21より現在の温度データを取得し(ステップS106)、現在の温度データとメモリ部9に保存された前回の画像補正時の温度データとを比較し、その差分が所定値以上であるかどうかを判定する(ステップS107)。差分が所定値以上でない場合には、温度測定部21からの温度データを再度取得し、この取得した温度データと前回の画像補正時の温度データとの比較を繰り返す。
[0060]
 このように、温度の変化が大きい場合に、レンズの像高特性の変化を評価して、像高特性に有意な変化がある場合に、撮影画像の像高特性の変化に起因した歪みを補正することによって、温度の変化に対して歪みの補正漏れが発生することを可及的に抑えることができる。
[0061]
 <変形例2>
 カメラ筐体5は、遮光部6を付けたブラケット7に対して、レンズ2の光軸の俯角をモータ駆動によって変更できるようにしてもよい。例えば、光軸の俯角を水平に近い角度にすることで、より遠方を撮影することができ、できるだけ下に向けることによって車両付近を撮像したり、トップダウンビュー映像に近い映像を撮影することができる。このように遮光部6を付けたブラケット7に対して、レンズ2の光軸の俯角が変更されると、撮影画像における遮光部6による遮光領域も変化するので、変化後の遮光領域の範囲を検出し、この結果をもとに、AE(自動露出補正)やAWB(自動ホワイトバランス)の調整に用いる最適な測光を自動的に設定したり、画像の歪補正用の最適なマップを設定するようにしてよい。
[0062]
 <変形例3>
 上記の画像処理部8による画像処理や演算の一部あるいはすべては、必ずしも車載カメラ装置1の内部で行われる必要はない。例えば、インターネットを通じて接続されたサーバや、車両内の他の情報処理装置において行われてもよい。これにより、車載カメラ装置1の小型化、低コストを図ることができる。
[0063]
 [補足事項]
 その他、本技術は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[0064]
 さらに、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)レンズと、
 前記レンズによって結像された光を電気信号に変換して撮像画像を生成する撮像素子部と、
 前記レンズの入射面側で、前記撮像素子部の撮像領域の一部に対応する光線を遮る遮光部と
 を具備する車載カメラ装置。
[0065]
(2)上記(1)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記遮光部が前記レンズの面に沿って配置される
 車載カメラ装置。
[0066]
(3)上記(1)または(2)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記撮像素子にて生成された撮像画像から、第1の解像度の第1の出力画像および前記第1の出力画像より小さい第2の解像度の第2の出力画像を生成する画像処理部をさらに有し、
 前記遮光部によって光線が遮られる領域が前記第2の出力画像の領域外にある
 車載カメラ装置。
[0067]
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の車載カメラ装置であって、
 前記レンズは広角レンズである
 車載カメラ装置。
[0068]
(5)上記(4)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記広角レンズが光軸中心付近の像が大きくなる増高特性を有する
 車載カメラ装置。
[0069]
(6)上記(5)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部は、前記遮光部の像に含まれるエッジ情報に基づいて前記広角レンズの像高特性を算出する
 車載カメラ装置。
[0070]
(7)上記(6)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部は、前記算出された前記広角レンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正する
 車載カメラ装置。
[0071]
(8)上記(7)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部は、温度テータを取得し、前回の歪み補正時の温度との差が所定値以上であるとき、前記広角レンズの像高特性を算出し、前回の歪み補正時の像高特性との差分が閾値以上である時、前記算出された前記広角レンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正する
 車載カメラ装置。
[0072]
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部により生成された前記第1の出力画像および前記第2の出力画像を1以上のモニターに出力する画像出力部
 をさらに具備する
 車載カメラ装置。
[0073]
(10)上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の車載カメラ装置であって、
 前記遮光部は、水滴受けを有する
 車載カメラ装置。
[0074]
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の車載カメラ装置であって、
 前記レンズおよび前記撮像素子部を搭載するカメラ筐体をさらに具備し、
 前記遮光部は前記カメラ筐体に設けられる
 車載カメラ装置。
[0075]
(12)上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の車載カメラ装置であって、
 前記レンズおよび前記撮像素子部を搭載するカメラ筐体と、
 前記カメラ筐体を前記車両に固定するブラケットとをさらに具備し、
 前記遮光部は前記ブラケットに設けられる
 車載カメラ装置。
[0076]
(13)上記(12)に記載の車載カメラ装置であって、
 前記ブラケットに対して前記カメラ筐体が前記レンズの光軸の俯角を変更可能なように取り付けられる
 車載カメラ装置。

符号の説明

[0077]
 1…車載カメラ装置
 2…レンズ
 3…撮像素子
 3a…撮像領域
 4…基板
 5…カメラ筐体
 6…遮光部
 7…ブラケット
 8…画像処理部
 9…メモリ部
 10…画像出力部
 11…低輝度部
 21…温度測定部
 81…画像変換部
 82…演算部

請求の範囲

[請求項1]
 レンズと、
 前記レンズによって結像された光を電気信号に変換して撮像画像を生成する撮像素子部と、
 前記レンズの入射面側で、前記撮像素子部の撮像領域の一部に対応する光線を遮る遮光部と
 を具備する車載カメラ装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の車載カメラ装置であって、
 前記遮光部が前記レンズの面に沿って配置される
 車載カメラ装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の車載カメラ装置であって、
 前記撮像素子にて生成された撮像画像から、第1の解像度の第1の出力画像および前記第1の出力画像より小さい第2の解像度の第2の出力画像を生成する画像処理部をさらに有し、
 前記遮光部によって光線が遮られる領域が前記第2の出力画像の領域外にある
 車載カメラ装置。
[請求項4]
 請求項3に記載の車載カメラ装置であって、
 前記レンズは広角レンズである
 車載カメラ装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の車載カメラ装置であって、
 前記広角レンズが光軸中心付近の像が大きくなる増高特性を有する
 車載カメラ装置。
[請求項6]
 請求項5に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部は、前記遮光部の像に含まれるエッジ情報に基づいて前記広角レンズの像高特性を算出する
 車載カメラ装置。
[請求項7]
 請求項6に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部は、前記算出された前記広角レンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正する
 車載カメラ装置。
[請求項8]
 請求項7に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部は、温度テータを取得し、前回の歪み補正時の温度との差が所定値以上であるとき、前記広角レンズの像高特性を算出し、前回の歪み補正時の像高特性との差分が閾値以上である時、前記算出された前記広角レンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正する
 車載カメラ装置。
[請求項9]
 請求項3に記載の車載カメラ装置であって、
 前記画像処理部により生成された前記第1の出力画像および前記第2の出力画像を1以上のモニターに出力する画像出力部
 をさらに具備する
 車載カメラ装置。
[請求項10]
 請求項1に記載の車載カメラ装置であって、
 前記遮光部は、水滴受けを有する
 車載カメラ装置。
[請求項11]
 請求項1に記載の車載カメラ装置であって、
 前記レンズおよび前記撮像素子部を搭載するカメラ筐体をさらに具備し、
 前記遮光部は前記カメラ筐体に設けられる
 車載カメラ装置。
[請求項12]
 請求項1に記載の車載カメラ装置であって、
 前記レンズおよび前記撮像素子部を搭載するカメラ筐体と、
 前記カメラ筐体を前記車両に固定するブラケットとをさらに具備し、
 前記遮光部は前記ブラケットに設けられる
 車載カメラ装置。
[請求項13]
 請求項12に記載の車載カメラ装置であって、
 前記ブラケットに対して前記カメラ筐体が前記レンズの光軸の俯角を変更可能なように取り付けられる
 車載カメラ装置。
[請求項14]
 レンズの入射面側で、撮像素子部の撮像領域の一部に対応する光線を遮る遮光部を介して撮像し、撮像した画像から前記レンズの像高特性を算出し、この算出したレンズの像高特性と像高特性の設計値に基づいて前記撮像画像の歪みを補正する
 車載カメラ装置の画像歪み補正方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]