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1. WO2020195341 - DILUTE CHEMICAL SOLUTION PRODUCTION DEVICE

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明 細 書

発明の名称 希薄薬液製造装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041  

実施例

0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

符号の説明

0050  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 希薄薬液製造装置

技術分野

[0001]
 本発明は、希薄薬液を製造する装置に関し、特に簡単な構造で、半導体ウェハなどの洗浄・リンス工程等で有効な、酸・アルカリの極めて低濃度の希薄薬液を製造することが可能な希薄薬液製造装置に関する。

背景技術

[0002]
 半導体ウェハや液晶の製造プロセスでは、不純物が高度に除去された超純水を用いて半導体ウェハやガラス基板の洗浄が行われている。
[0003]
 このような超純水を用いた半導体ウェハの洗浄において、超純水は比抵抗値が高いため静電気が発生しやすく、絶縁膜の静電破壊や微粒子の再付着を招くおそれがある。そのためpHや酸化還元電位の制御に有効な溶質をごく低濃度に溶解した水(以下、希薄薬液という)が使われることがある。ここで、H 、CO 、O 、NH などのガスを溶解することも行われているが、ガスを溶解させるには装置が複雑化してしまう。そこで、超純水が洗浄やリンスなどの使用目的に合致したpHや酸化還元電位となるように、必要最小限の酸やアルカリ、あるいは酸化剤や還元剤などの薬液を微量添加することが行われている。
[0004]
 超純水に微量の薬液を添加する装置としては、例えば、薬液を所望とする濃度の途中まで超純水で希釈して希釈薬液を調整し、この希釈薬液をさらに超純水に添加して希薄薬液とするものが用いられている。この希薄薬液製造装置は、図6に示すように、希釈薬液貯槽21及び薬液貯槽22と、この薬液貯槽22から薬液Sを供給する送液ポンプ24を備えた薬液供給管23と、希釈液である超純水Wの供給手段25及び希釈液供給管26と、希釈薬液貯槽21と超純水流路への注入点29とを連通するダイヤフラムポンプ28を備えた希釈薬液供給菅27とを有する。そして、図7に示すように、希釈薬液供給菅27は、超純水流路31に注入点29となる継手菅32において連通している。なお、33は開閉バルブである。
[0005]
 このような従来の希薄薬液製造装置においては、薬液貯槽21に薬液S及び超純水Wを供給して、薬液Sをある程度希釈した希釈薬液S0を製造し、この希釈薬液S0を超純水流路31に供給することで、さらに希釈して希薄薬液S1を調製している。しかしながら、この希薄薬液製造装置では、希釈薬液を製造する装置と、この希釈薬液を超純水に添加する装置との両方が必要になってしまい、設置場所の制約があるだけでなく、コストが増加してしまうという問題点がある。
[0006]
 そこで、微量の薬液(原液)を超純水に直接添加して希薄薬液を調製するようにして、装置の構成要素を少なくしてコンパクト化を図ることもあるが、極めて微量の原液Sを超純水にそのまま添加する際に、微量の薬液を安定的に供給することは困難である、という問題点がある。このような問題を解決するために、特許文献1には、薬液を貯留するタンク内の圧力をN ガスなどにより制御し、この圧力により薬液を微量ずつ押し出して、直接超純水に供給することで希薄薬液を調製する装置が提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 国際公開2016/042933号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかしながら、上記特許文献1に記載された希薄薬液製造装置は、薬液を貯留するタンク内の圧力を制御して、この圧力により微量の薬液を押し出すことで供給するものであるので、超純水の流量、薬液濃度、薬液を貯留するタンク内の圧力をそれぞれ測定して、希薄薬液の濃度が所定の値となるように微妙な圧力制御をしなければならず、装置構造が複雑化してしまう、という問題点がある。また、特許文献1に記載された希薄薬液製造装置は、超純水に対して精確に薬液を供給することが可能であるが、供給した薬液の超純水への均一な分散については課題がある。
[0009]
 本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で酸・アルカリ等の極めて低濃度の希薄薬液を安定的に製造することの可能な希薄薬液製造装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 上述した目的を達成するために、本発明は、第1の液体に対して第2の液体を添加することで該第2の液体の希薄薬液を製造する希薄薬液の製造装置であって、前記第1の液体を流す第1の配管と、前記第2の液体を貯留する原液タンクと、前記原液タンクと前記第1の配管とを接続する第2の配管と、前記第1の配管内に前記第2の配管を通じて前記第2の液体を添加するポンプと、前記第1の配管と前記第2の配管との接続箇所より前記第1の液体の流れ方向に対して下流側に設けられた導電率計測手段と、前記導電率計測手段の計測値に基づいて前記ポンプを制御する制御手段とを備える、希薄薬液製造装置を提供する(発明1)。
[0011]
 かかる発明(発明1)によれば、第1の液体に対する第2の液体の添加箇所である前記第1の配管と第2の配管との接続箇所より下流側で導電率を測定することにより、第2の液体の希薄薬液の濃度を推測することができるので、この導電率に基づいて第2の液体の注入量を制御することによって、第2の液体を所望の濃度に安定させた希薄薬液を供給することができる。
[0012]
 上記発明(発明1)においては、前記第2の配管の先端が前記第1の配管の内径に対して略中央の位置にまで挿入された状態で接続されていることが好ましい(発明2)。
[0013]
 第1の液体は配管内では層流状態で流れているので、薬液である第2の液体の添加量が微量であると第1の液体に偏在化しやすい。かかる発明(発明2)によれば、小径の第2の配管の配管を先端が前記第1の配管の内径に対して略中央の位置にまで挿入することにより、第1の配管内で均一に分散させることができる。
[0014]
 上記発明(発明1,2)においては、前記第1の配管には、前記第2の配管との接続箇所近傍に第1の屈曲部が設けられていることが好ましい(発明3)。
[0015]
 かかる発明(発明3)によれば、第1の液体に対する第2の液体の添加箇所である第1の配管と第2の配管との接続箇所近傍に屈曲部を設けることにより、第1の液体が乱流状態となるので、第2の液体が第1の液体に良好に拡散することができ、より均質な希薄薬液を製造することができる。
[0016]
 上記発明(発明3)においては、前記第1の配管は、前記第1の屈曲部と前記導電率計測手段との間に第2の屈曲部が形成されており、前記第1の屈曲部と前記第2の屈曲部との間隔が20~50cmであることが好ましい(発明4)。
[0017]
 かかる発明(発明4)によれば、導電率計測手段の手前で第1の屈曲部から20~50cmの箇所に第2の屈曲部を設けることにより、この第2の屈曲部で第1の液体と第2の液体との混合溶液が乱流状態となるので、第2の液体の第1の液体への拡散がさらに良好となり、導電率計測手段の測定値に基づく第2の液体の注入量をより正確に制御することができる。
[0018]
 上記発明(発明1~4)においては、前記第1の配管における前記第2の配管の接続箇所と、前記導電率計測手段との間隔が30~70cmであることが好ましい(発明5)。
[0019]
 かかる発明(発明5)によれば、導電率計測手段を第1の液体に対する第2の液体の添加箇所から30~70cmとすることで、ポンプの制御における応答時間を短くすることができるので、希薄薬液の濃度を好適に制御することができる。
[0020]
 上記発明(発明1~5)においては、前記第1の液体が超純水であり、前記第2の液体がアンモニアであることが好ましい(発明6)。
[0021]
 かかる発明(発明6)によれば、高純度の希薄アンモニア溶液とすることで、半導体ウェハの洗浄などの処理に好適に適用することができる。

発明の効果

[0022]
 本発明によれば、第1の液体に対する第2の液体の添加箇所である前記第1の配管と第2の配管との接続箇所より下流側で導電率を測定し、この導電率に基づいて第2の液体の注入量を制御することができるので、第2の液体を所望の濃度で安定させた希薄薬液を製造することができる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 本発明の第一の実施形態による希薄薬液製造装置を示すフロー図である。
[図2] 第一の実施形態の希薄薬液製造装置の第2の液体の注入構造を示す概略図である。
[図3] 本発明の第二の実施形態の希薄薬液製造装置の第2の液体の注入構造を示す概略図である。
[図4] 本発明の第三の実施形態の希薄薬液製造装置の第2の液体の注入構造を示す概略図である。
[図5] 実施例1の希薄薬液製造装置による導電率の制御を示すグラフである。
[図6] 従来の希薄薬液製造装置を示すフロー図である。
[図7] 従来の希薄薬液製造装置の第2の液体の注入構造を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 図1及び図2は、本発明の第一の実施形態による希薄薬液製造装置を示している。図1において、希薄薬液製造装置1は、原液タンクである薬液貯槽2と、この薬液貯槽2から第2の液体である薬液Sを供給するポンプとしてのプランジャポンプ4と、第2の配管である薬液供給管3とを有する。薬液貯槽2には、該薬液貯槽2に薬液Sであるアンモニア溶液(原液)を補充する薬液供給手段5と、薬液貯槽2に不活性ガスであるN ガスをパージガスとして供給するパージガス供給手段6とが連通しているとともに、圧力計測手段としての第1の圧力計7が設けられている。このプランジャポンプ4は、図示しない制御手段によって、後述する超純水流路12の流量及び導電率計14の計測値に応じて供給量を変動するよう制御可能となっている。
[0025]
 また、プランジャポンプ4のヘッド部には、ドレン配管8が接続されていて、このドレン配管8にはエア抜き機構である自動制御によるエア抜きバルブ9が設けられている。一方、薬液供給管3の途中には圧力計測手段としての第2の圧力計10が設けられていて、その末端は薬液(アンモニア溶液)Sの注入点11となっている。この第2の圧力計10はエア抜きバルブ9を制御する制御手段(図示せず)に接続しており、この制御手段は、第2の圧力計10の測定圧力が所定の値以下となったら、エア抜きバルブ9を作動するように制御する。そして、注入点11は図2に示すように薬液供給管3が第1の液体である超純水Wの第1の配管としての超純水流路12にボアスルー継手13を介して接続している。
[0026]
 上述したような希薄薬液製造装置1において、薬液供給管3はペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などのフッ素系の樹脂製であり、その内径が0.1~4mmであることが好ましい。薬液供給管3の内径が4mmより大きいと、供給する薬液Sが微量であるので薬液供給管3内を流れる流体の圧力勾配が小さくなりすぎるため、流量の制御が困難となる。一方、0.1mm以下の場合では、管内径が小さすぎて流体の圧力勾配が大きくなりすぎるため、かえって流量の制御が困難となるため好ましくない。なお、第1の配管としての超純水流路12は、10~50mm程度、特に20~40mm程度の内径のものを用いればよい。
[0027]
 この薬液供給管3は、図2に示すように、その先端が注入点(接続箇所)11となるボアスルー継手13を介して第1の配管である超純水流路12の径方向の略中央、例えば1/3~2/3の位置、特に2/5~3/5の位置にまで挿入されているのが好ましい。本実施形態では薬液(アンモニア溶液)Sの注入量が極めて微量であるため、薬液供給管3の先端が超純水流路12の径方向における当該超純水流路12の内径の1/3未満あるいは2/3を超える位置では、超純水流路12内で薬液(アンモニア溶液)Sを均一に分散させることが困難となるため、好ましくない。
[0028]
 そして、注入点11となるボアスルー継手13より下流側には、導電率計測手段としての導電率計14が設けられており、前述した制御手段(図示せず)に接続し、導電率計14の測定値に応じてプランジャポンプ4を制御可能となっている。この導電率計14の設置位置は、注入点(接続箇所)11からの距離(間隔)が大きすぎると、プランジャポンプ4の制御における応答時間が長くなってしまう一方、小さすぎると薬液(アンモニア溶液)Sの均質化が十分でなく、導電率計による測定値の誤差が大きくなる恐れがあることから、注入点(接続箇所)11から30~70cmの位置にあることが好ましい。なお、導電率計14の流入管の径は細径である方が望ましく、例えば3~6mm程度とすればよく、この流入管の長さは可能な限り短い方が好ましい。
[0029]
 次に上述したような構成を有する本実施形態の希薄薬液製造装置1を用いた希薄薬液の製造方法について説明する。
[0030]
 まず、薬液供給手段5から薬液貯槽2に所定量の薬液(アンモニア溶液)Sを貯留するとともに、パージガス供給手段6からN ガスを供給する。このとき、N ガスにより薬液貯槽2内を大気圧に対して0.01~1MPa程度加圧する状態として、薬液貯槽2内の薬液Sの気泡の発生を抑制する。この加圧条件は、使用する薬液Sの種類、周囲の温度、薬液Sの温度によって、上記範囲内で適宜選定し、第1の圧力計7により制御すればよい。なお、この加圧条件は薬液Sの供給のためのものではないので、供給量などに応じた精確な制御は不要である。
[0031]
 次に薬液貯槽2から薬液(アンモニア溶液)Sをプランジャポンプ4により薬液供給管3を介して注入点11に供給する。この薬液供給管3を流通する薬液Sの流通圧力は、注入点11における注入圧力よりわずかに高く設定しておくことが好ましい。例えば、注入点11における注入圧力が0.3MPaであれば、0,31MPaなどに設定しておく。また、このプランジャポンプ4による薬液Sの供給量は、0.001~3.0mL/分、特に0.05~1.5mL/分と非常に微量であり、上記範囲で超純水Wの流量に応じて薬液(アンモニア溶液)Sが所望の濃度となるようにプランジャポンプ4による供給量を制御可能となっている。
[0032]
 このようにプランジャポンプ4においては、薬液Sに気泡が存在してプランジャポンプ4内にエアが混入すると、プランジャポンプ4の小さなボールチャッキ弁に気泡が付着してしまってチャッキ効果を失うことにより、注入不良を生じるおそれがある。これにより所望とする濃度の薬液Sの希薄薬液を製造するのが困難となる。そこで、プランジャポンプ4にエアが混入すると、プランジャポンプ4から吐出される薬液Sの圧力が急激に低下することに着目し、第2の圧力計10で薬液供給管3を流通する薬液Sの流通圧力を計測し、流通圧力が20%程度低下、例えば薬液Sの流通圧力を0,31MPaに設定した場合には、0.25MPa以下となったら、エアが混入したと判断する。
[0033]
 そして、エアが混入したと判断したら、第2の圧力計10に接続した制御手段によりエア抜きバルブ9を作動させて、ドレン配管8に薬液Sを流通させてエア抜きバルブ9からエアを排出するとともに液体成分(薬液S)をドレンDとして排出する。このように本実施形態においては、エア抜きバルブ9を自動弁として、圧力の低下を感知したらすぐにエア抜きを行うことができるので、薬液Sの注入量を設定した値に迅速に復旧することができる。
[0034]
 このようにして、所定量の薬液Sが薬液供給管3から注入点11に供給される。そして、薬液Sはボアスルー継手13を介して、超純水Wが流通する超純水流路12に流入する。この際の超純水Wの流量は特に制限はないが、例えば7~52L/分程度とすればよい。このとき、薬液供給管3の先端は、超純水流路12の内径に対して略中央、好ましくは1/3~2/3の位置、特に2/5~3/5の位置にまで挿入されているので、薬液Sを超純水流路12内で超純水Wに均一に分散させることができ、アンモニア濃度の均質な希薄薬液S1を製造することができる。
[0035]
 そして、このアンモニアの希薄薬液S1の導電率を導電率計14により測定する。このとき超純水Wの導電率をあらかじめ測定しておくことで、薬液Sの濃度を算出することができるので、所望とする薬液Sの濃度に対して差異がある場合には、図示しない制御手段によりプランジャポンプ4を制御して、薬液(アンモニア溶液)Sの供給量を微量に増加あるいは減少させることで、希薄薬液S1におけるアンモニアの濃度を安定化させることができる。このようなアンモニアの希薄薬液S1は、半導体ウェハの洗浄などの処理に好適に用いることができる。
[0036]
 次に、本発明の第二の実施形態による希薄薬液製造装置について、図3に基づいて説明する。図3に示すように、本実施形態の希薄薬液製造装置1は、超純水流路12が屈曲しており、この超純水流路12の第1の屈曲部15に設けられたエルボ部材16にボアスルー継手13を介して薬液供給管3(注入点11)が接続している。この薬液供給管3の先端は、超純水流路12の内径に対して略中央、好ましくは1/3~2/3の位置、特に2/5~3/5の位置にまで挿入されている。そして、超純水流路12の第1の屈曲部15の流れ方向下流側に導電率計14が設けられている。
[0037]
 この導電率計14の設置位置は、注入点(接続箇所)11からの距離(間隔)が大きすぎると、プランジャポンプ4の制御における応答時間が長くなってしまう一方、小さすぎると薬液(アンモニア溶液)Sの均質化が十分でなく、導電率計による測定値の誤差が大きくなるおそれがあることから、注入点(接続箇所)11から30~70cmの位置にあることが好ましい。なお、導電率計14の流入管の径は細径である方が望ましく、例えば3~6mm程度とすればよく、この流入管の長さは可能な限り短い方が好ましい。
[0038]
 本実施形態のように注入点11を超純水流路12の第1の屈曲部15を構成するエルボ部材16に配置することにより、超純水流路12の第1の屈曲部15(エルボ部材16)では超純水Wが乱流状態となっているので、薬液Sの超純水Wへの良好な拡散を期待することができ、より均質な希薄薬液S1を製造することができる。
[0039]
 さらに、本発明の第三の実施形態による希薄薬液製造装置について、図4に基づいて説明する。本実施形態では、前述した第二の実施形態において、超純水流路12の第1の屈曲部15と導電率計14との間にさらに第2の屈曲部17を形成したものである。これにより、希薄薬液S1が、第2の屈曲部17において乱流状態となって、その濃度分布がより均質化する。これにより、このアンモニアの希薄薬液S1の導電率を導電率計14により測定し、この測定値に基づいてアンモニアの濃度を算出した際の誤差が少なくなり、図示しない制御手段によりプランジャポンプを制御して、薬液(アンモニア溶液)Sの供給量を微量に増加あるいは減少させることで、希薄薬液S1におけるアンモニアの濃度をさらに安定化させることができる。
[0040]
 この場合において、第1の屈曲部15と第2の屈曲部17との間隔(t)が20cm未満では、第2の屈曲部を形成する効果が十分に得られない一方、50cmを超えると、配管が長大化し、希薄薬液製造装置1が大型化してしまうため、第1の屈曲部15と第2の屈曲部17との間隔を20~50cmとすることが好ましい。
[0041]
 以上、本発明の希薄薬液製造装置について、実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、薬液Sはアンモニア溶液に限らず、例えば酸である塩酸、硫酸、フッ化水素酸、硝酸、炭酸水や、アルカリである水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などを用いることができる。また、場合によっては水素、酸素、オゾン等のガス成分を溶解したガス溶解水に適用することもできる。さらに、導電率計測手段としては、導電率が算出できれば導電率計14である必要はなく、比抵抗計を用いて、その逆数から導電率を算出してもよい。さらにまた、導電率計14は超純水流路12ではなく、別途測定用の流路を設けてもよい。そして、ポンプとしてはプランジャポンプ4に限らず、ダイヤフラムポンプなど他の給液機構に適用してもよい。なお、上述した各実施形態では、超純水Wを用いた場合について説明したが、超純水Wよりも純度の劣る純水に対して同様に適用することもできる。
実施例
[0042]
 以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの記載により何ら限定されるものではない。
[0043]
[実施例1]
 図1及び図4に示す希薄薬液製造装置1を用い、薬液Sとして29%の濃度のアンモニア溶液を原液として用いて希薄アンモニア溶液S1を製造した。なお、第1の屈曲部15と第2の屈曲部17との間隔(t)を30cmとし、注入点(接続箇所)11から導電率計14までの距離は50cmとした。
[0044]
 この希薄薬液製造装置1において、超純水Wの通水量約26L/分でアンモニア設定濃度30ppmとして、この超純水Wの流量に応じて、プランジャポンプ4から注入量.0.75mL/分でアンモニア原液Sを供給して、希薄薬液S1を製造した。
[0045]
 このとき、あらかじめ測定したアンモニア濃度30ppmの希薄薬液S1の導電率が約45.8μS/cmであったので、導電率計14により導電率を測定し、45.8μS/cmの導電率を基準として、図示しない制御手段によりプランジャポンプ4を制御した。このときの希薄薬液製造装置1のアンモニア希薄薬液S1の導電率の推移を図5に示す。
[0046]
 この実施例1の希薄薬液製造装置1でアンモニア希薄薬液S1を製造した場合には、導電率計14によりプランジャポンプ4を制御しているので、超純水Wの通水量に変動があってもアンモニア濃度が約30ppmと安定して希薄薬液S1を製造することができた。
[0047]
[比較例1]
 図6及び図7に示す従来の希薄薬液製造装置を用い、薬液Sとして29%の濃度のアンモニア溶液を原液として用いて、希薄アンモニア溶液S1を製造した。
[0048]
 この希薄薬液製造装置において、超純水Wの通水量26L/分でアンモニア設定濃度30ppmとして、この超純水Wの流量に応じて、プランジャポンプ4から注入量.0.75mL/分でアンモニア原液Sを供給して、希薄薬液S1を製造した。
[0049]
 比較例1の希薄薬液製造装置でアンモニア希薄薬液S1を製造した場合には、超純水Wの通水量の変動により、希薄薬液S1のアンモニア濃度も27~33ppmで変動した。

符号の説明

[0050]
1 希薄薬液製造装置
2 薬液貯槽(原液タンク)
3 薬液供給管(第2の配管)
4 プランジャポンプ(ポンプ)
5 薬液供給手段
6 パージガス供給手段
7 第1の圧力計(圧力計測手段)
8 ドレン配管
9 エア抜きバルブ(エア抜き機構)
10 第2の圧力計(圧力計測手段)
11 注入点
12 超純水流路
13 ボアスルー継手
14 導電率計(導電率計測手段)
15 第1の屈曲部
16 エルボ部材
17 第2の屈曲部
W 超純水(第1の液体)
S 薬液(第2の液体:アンモニア溶液)
S1 アンモニア希薄薬液(希薄薬液)

請求の範囲

[請求項1]
 第1の液体に対して第2の液体を添加することで該第2の液体の希薄薬液を製造する希薄薬液の製造装置であって、
 前記第1の液体を流す第1の配管と、
 前記第2の液体を貯留する原液タンクと、
 前記原液タンクと前記第1の配管とを接続する第2の配管と、
 前記第1の配管内に前記第2の配管を通じて前記第2の液体を添加するポンプと、
 前記第1の配管と前記第2の配管との接続箇所より前記第1の液体の流れ方向に対して下流側に設けられた導電率計測手段と、
 前記導電率計測手段の計測値に基づいて前記ポンプを制御する制御手段と
を備える、希薄薬液製造装置。
[請求項2]
 前記第2の配管の先端が前記第1の配管の内径に対して略中央の位置にまで挿入された状態で接続されている、請求項1に記載の希薄薬液製造装置。
[請求項3]
 前記第1の配管は、前記第2の配管との接続箇所近傍に第1の屈曲部が設けられている、請求項1又は2に記載の希薄薬液製造装置。
[請求項4]
 前記第1の配管は、前記第1の屈曲部と前記導電率計測手段との間に第2の屈曲部が形成されており、
 前記第1の屈曲部と前記第2の屈曲部との間隔が20~50cmである、請求項3に記載の希薄薬液製造装置。
[請求項5]
 前記第1の配管における前記第2の配管の接続箇所と、前記導電率計測手段との間隔が30~70cmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の希薄薬液製造装置。
[請求項6]
 前記第1の液体が超純水であり、前記第2の液体がアンモニアである、請求項1~5のいずれか1項に記載の希薄薬液製造装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]