Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2020194866 - WINDLASS

Document

明 細 書

発明の名称 揚錨機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

符号の説明

0057  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 揚錨機

技術分野

[0001]
 本発明は、油圧モータで錨鎖を巻き揚げる揚錨機に関する。

背景技術

[0002]
 従来、油圧モータを用いて錨を船舶から降ろし及び船舶上に巻き揚げる揚錨機が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の揚錨機の油圧回路は、油圧モータの一次側に接続された第1油圧路と、油圧モータの二次側に接続された第2油圧路と、油圧ポンプからの油圧を第1油圧路又は第2油圧路のいずれに供給するかを切り替えるための切替弁とを備える。
[0003]
 この揚錨機では、錨鎖の巻揚げ時に油圧モータが過大な力により逆転するレンダリング状態になると、切替弁により油圧を第2油圧路に供給するように切り替えて、油圧モータを逆転させる。これにより、レンダリング状態における油圧モータの損傷を防止している。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2002-60185号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、荒天時の錨泊に際しては、錨鎖に衝撃が加わると、油圧モータの内部にサージ圧が発生する場合がある。このような場合、上記従来の揚錨機によれば、油圧モータのボディが破損したり、これによりアンカーや錨鎖を喪失したりするおそれがある。
[0006]
 本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、油圧モータの内部に発生するサージ圧によって油圧モータが破損することのない揚錨機を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の揚錨機は、油圧ポンプから油圧供給路を経て供給される油圧で駆動する油圧モータにより錨鎖を巻き揚げる揚錨機であって、
 前記油圧供給路に接続され、前記油圧に生じる衝撃を緩衝するアキュムレータと、
 前記錨鎖の基準位置からの繰出し量を計測する繰出し量計測部と、
 前記油圧供給路に対する前記アキュムレータの接続状態を、前記繰出し量に応じて、前記油圧供給路に該アキュムレータが接続されたオン状態又は該接続が解除されたオフ状態に選択的に設定するための第1設定部とを備え、
 前記油圧供給路は、
 前記油圧モータの一次側に接続された第1油圧路と、
 前記油圧モータの二次側に接続された第2油圧路と、
 前記油圧ポンプからの油圧を前記第1油圧路又は前記第2油圧路のいずれに供給するかを切り替えるための正逆切替弁と、
 前記第1油圧路の油圧が所定値以上となった場合に該油圧を前記第2油圧路にリリーフする1つのリリーフ弁又は2以上の並列に配置したリリーフ弁とを備えることを特徴とする。
[0008]
 この構成において、荒天時における錨泊に際しては、錨鎖に衝撃が加わることによって油圧モータ内部に、瞬間的に許容圧力を大きく超えるサージ圧が発生し、これによって油圧モータが損傷するおそれがある。
[0009]
 この点、本発明によれば、予め第1設定部により油圧回路にアキュムレータが接続されたオン状態に設定しておくことにより、サージ圧がアキュムレータにより緩衝されるので、油圧モータの損傷を効果的に防止することができる。
[0010]
 一方、アキュムレータの接続状態をオン状態にしておくと、錨鎖が基準位置まで巻き揚げられて巻揚げが完了するときに、アキュムレータからの油圧の放出による錨鎖の巻揚げ及びアキュムレータへの油圧の吸収による錨鎖の繰出しにより、アンカー(錨)が上下動を繰り返してから停止するおそれがある。
[0011]
 これについては、巻揚げが完了する前に、錨鎖の基準位置からの繰出し量が所定値未満になった場合に、第1設定部により油圧回路へのアキュムレータの接続を解除してアキュムレータへの油圧の出入りを遮断しておくことにより、かかる巻揚げ完了時におけるアンカーの上下動を防止することができる。
[0012]
 したがって、本発明によれば、第1設定部を備えるので、アキュムレータにより油圧モータの損傷を防止しつつ、巻揚げ完了時におけるアンカーの上下動を防止することができる。
[0013]
 また、本発明によれば、油圧モータの一次側に第1油圧路から油圧を供給して油圧モータを正転させ、錨鎖を巻き揚げる際に、第1油圧路に高い圧力が比較的長期的に生じる場合でも、その圧力を、1つ以上のリリーフ弁を介して第2油圧路に効果的に逃がすことができる。したがって、上記のアキュムレータによる緩衝効果と相俟って、より確実に油圧ポンプの損傷を防止することができる。
[0014]
 本発明において、前記基準位置からの繰出し量が第1繰出し量を超えたときに前記第1設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替え、該第1繰出し量以下になったときに該第1設定部の設定状態をオン状態からオフ状態に切り替える第1制御部を備えるのが好ましい。これによれば、アキュムレータの緩衝効果による油圧モータの損傷防止と、巻揚げ完了時におけるアンカーの上下動の防止とを自動的に実現することができる。
[0015]
 本発明において、前記油圧供給路の油圧を増大させる増圧機として機能するフローデバイダと、
 前記油圧供給路が前記フローデバイダを経由するオン状態と経由しないオフ状態とに設定するための第2設定部と、
 前記繰出し量が第2繰出し量を超えたときに前記第2設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替え、該第2繰出し量以下になったとき前記第2設定部の設定状態をオン状態からオフ状態に切り替える第2制御部とを備えるのが好ましい。
[0016]
 これによれば、繰出し量が第2繰出し量を超えるような水深が深い場所で錨泊する場合には、第2制御部により、フローデバイダを油圧供給路の増圧機として機能させるオン状態に設定される。したがって、その後の揚錨開始時には、油圧ポンプを駆動する電動機等の負荷を軽減しつつ、油圧モータの揚錨力を増大させことができる。
[0017]
 これにより、揚錨力が増大した分だけ揚錨速度は遅くなるが、電動機等が過負荷状態で長時間駆動されるのを防止し、繰出し量が第2繰出し量を超えている場合の揚錨を支障なく行うことができる。その後、繰出し量が第2繰出し量以下になると、フローデバイダによる増圧機能がオフ状態とされるので、揚錨力は小さいが、その分、速い揚錨速度で揚錨が行われる。
[0018]
 したがって、水深が深い場所で錨泊する際には、揚錨時に電動機等が過負荷状態で長時間駆動されるのを自動的に防止し、かつ適切な揚錨速度で速やかに揚錨を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 本発明の一実施形態に係る揚錨機の油圧回路を示す油圧回路図である。
[図2] 図1の揚錨機を船舶に適用した様子を示す斜視図である。
[図3] 図1の揚錨機の要部を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る揚錨機の油圧回路を示す。図1に示すように、この油圧回路1は、油圧ポンプ2から油圧供給路3を経て供給される油圧で動作することにより錨鎖を巻き揚げる油圧モータ4を備える。油圧モータ4は、可変容量で正逆回転式のものである。
[0021]
 油圧供給路3は、油圧モータ4の一次側に接続された第1油圧路5と、油圧モータ4の二次側に接続された第2油圧路6と、油圧ポンプ2からの油圧を第1油圧路5又は第2油圧路6のいずれに供給するかを切り替えるための正逆切替弁7とを備える。第1油圧路5と第2油圧路6との間には、第1油圧路5の油圧が所定値以上となった場合に該油圧を第2油圧路6にリリーフする2つのリリーフ弁8を並列して備える。2つのリリーフ弁8に代えて、大容量のリリーフ弁を1つ又は3以上のリリーフ弁を並列して備えてもよい。
[0022]
 正逆切替弁7と油圧ポンプ2との間は、供給接続路9により接続される。正逆切替弁7とリザーバタンク10との間は、回収接続路11により接続される。正逆切替弁7は、供給接続路9の油圧を第1油圧路5に供給して第2油圧路6から油圧を回収する正転状態と、供給接続路9の油圧を第2油圧路6に供給して第1油圧路5から油圧を回収する逆転状態とに切り替える機能を有する。
[0023]
 供給接続路9において、正逆切替弁7の油圧ポンプ2側には、減圧弁12が設けられる。減圧弁12は、供給接続路9が第1油圧路5又は第2油圧路6に接続されている場合には機能しないように、該接続時には正逆切替弁7を経た供給接続路9の油圧がバランス回路13を経て導入される。
[0024]
 第1油圧路5及び第2油圧路6において、正逆切替弁7の油圧モータ4側にカウンタバランス弁14が設けられる。カウンタバランス弁14は、油圧モータ4の正転時に一次側の油圧を保持し、油圧モータ4の逆転を防止する。
[0025]
 また、油圧供給路3には、その油圧に生じる衝撃を緩衝するアキュムレータ15が接続される。すなわち、油圧供給路3の第1油圧路5と第2油圧路6との間には、これらが両側の入口にそれぞれ接続された高圧選択弁16が設けられる。アキュムレータ15には、高圧選択弁16により選択される第1油圧路5及び第2油圧路6のうちの高圧側の油圧が、高圧選択弁16の出口から高圧導入路17を経て導入される。
[0026]
 高圧導入路17には、開閉弁として機能する電動弁18が設けられる。電動弁18は、油圧供給路3に対するアキュムレータ15の接続状態を、油圧供給路3にアキュムレータ15が接続されたオン状態又は該接続が解除されたオフ状態に選択的に設定する第1設定部として機能する。
[0027]
 油圧モータ4には、油圧モータ4を低速回転又は高速回転で駆動するかを切り替える速度切替弁19が設けられる。速度切替弁19は、高圧選択弁16により選択される油圧を、油圧モータ4の小容量側ポートに供給するか又は大容量側ポートに供給するかを切り替える。大容量側ポートに供給する場合には、油圧モータ4は低回転駆動に切り替えられ、揚錨に適した大きい駆動力で駆動することができる。
[0028]
 さらに、油圧供給路3には、その油圧を増大させる増圧機として機能するフローデバイダ20が設けられる。フローデバイダ20には、油圧ポンプ2からの油圧を油圧供給路3の供給接続路9からフローデバイダ20に導入する導入回路21と、フローデバイダ20からの増圧された油圧を油圧供給路3に導出する導出回路22とが接続される。
[0029]
 導入回路21及び導出回路22には、それぞれ電動弁23、24が設けられる。また、油圧供給路3における導入回路21への分岐点と導出回路22からの合流点との間には、電動弁25が設けられる。電動弁23、24、25は、油圧供給路3がフローデバイダ20を経由するオン状態と経由しないオフ状態とに設定するための第2設定部を構成する。
[0030]
 図2は、この油圧回路1を適用した揚錨機26により揚錨を行うときの様子を示す。揚錨機26は、図1の油圧回路1により錨鎖27を巻き揚げるための錨鎖車28と、巻き揚げた錨鎖27を収納しておく錨鎖庫29を備える。油圧回路1の油圧モータ4により錨鎖車28が回転される。
[0031]
 錨鎖27は、1連の長さが27.5mである複数連の錨鎖で構成される。揚錨時には、錨鎖27は、揚錨機26により巻き揚げられ、図2のように、アンカー30のシャンク31が船舶32のホースパイプ33の端部に達することにより収錨状態となる。アンカー30を、水深が100mを超えるような深海に投錨する場合には、3連以上の錨鎖27を繰り出す必要がある。
[0032]
 図3は揚錨機26の要部を示す。図3に示すように、揚錨機26は、上記の収錨状態を基準位置とする錨鎖27の繰出し量を計測する繰出し量計測部として機能するチェーンカウンタ34を備える。チェーンカウンタ34は、錨鎖車28と一体回転する駆動スプロケット35と、駆動スプロケット35によりローラチェーン36を介して駆動される従動スプロケット37と、従動スプロケット37の回転軸に沿って送られる指針38とを備える。該回転軸は、指針38と螺合し、その回転量に応じて指針38を送るねじ軸39を構成する。
[0033]
 指針38の移動経路上には、指針38との接触によりオン状態又はオフ状態となって所定の信号を出力する第1リミットスイッチ40及び第2リミットスイッチ41が設けられる。
[0034]
 第1リミットスイッチ40は、錨鎖27の基準位置からの繰出し量Rが第1繰出し量r1を超えたときに前記第1設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替える(電動弁18を開く)信号を送る。また、第1繰出し量r1以下になったときに該第1設定部の設定状態をオン状態からオフ状態に切り替える(電動弁18を閉じる)信号を送る。
[0035]
 これらの信号に基づいて電動弁18が開放状態又は閉塞状態に切り替わると、アキュムレータ15は油圧供給路3に対して接続又は遮断され、その機能を発揮し又は停止する。したがって、第1リミットスイッチ40は、第1設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に、又はその逆に切り替える第1制御部を構成する。
[0036]
 図2において、第1設定部による設定状態がオン状態である範囲が、「ACC ON」で示され、オフ状態の範囲が「ACC OFF」で示される。
[0037]
 第2リミットスイッチ41は、繰出し量Rが第2繰出し量r2を超えたときに前記第2設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替える(電動弁23、24を開き、電動弁25を閉じる)信号を送出し、該第2繰出し量以下になったとき前記第2設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替える(電動弁23、24を閉じ、電動弁25を開く)信号を送出する。これらの信号に基づいて、電動弁23、24は開放状態、電動弁25は閉塞放状態に切り替わり、又はこれとは逆に切り替わる。
[0038]
 これにより、フローデバイダ20は増圧機として機能していない状態から、機能している状態に切り替わり、又はこれとは逆に切り替わる。したがって、第2リミットスイッチ41は、第2設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替え、又はこの逆に切り替える第2制御部を構成する。
[0039]
 図2において、第2設定部による設定状態がオン状態である範囲が、「FD ON」で示され、オフ状態の範囲が「FD OFF」で示される。
[0040]
 この構成において、投錨により錨鎖27の繰出し量が1連の長さ(27.5m)に達すると、チェーンカウンタ34の指針38が第1リミットスイッチ40に当接する。このとき、第1リミットスイッチ40が出力する信号に基づいて電動弁18が開き、アキュムレータ15が接続状態に設定される。これにより、アキュムレータ15による緩衝機能が有効となる。
[0041]
 基準位置(収錨状態)からの繰出し量が3連の長さ(82.5m)に達すると、チェーンカウンタ34の指針38が第2リミットスイッチ41に当接する。このときに第2リミットスイッチ41が出力する信号に基づいて電動弁23、24が開き、電動弁25が閉じる。
[0042]
 これにより、フローデバイダ20による増圧機能がオン状態に設定される。これにより、フローデバイダ20を増圧機として機能させない場合に比べて、油圧モータ4を、大きいトルクで駆動し得る状態となる。水深が100mを超えるような位置で錨泊する場合には、さらに錨鎖27が繰り出され、錨泊が行われる。
[0043]
 その後、揚錨を行うに際しては、供給接続路9が第1油圧路5に接続し、回収接続路11が第2油圧路6に接続するように正逆切替弁7が設定され、油圧ポンプ2による油圧の供給が開始される。これにより、油圧モータ4が正転を開始し、錨鎖27の巻揚げが開始される。
[0044]
 この巻揚げに際し、荒天により船舶が揺れて、錨鎖27に瞬間的な衝撃が加わった場合には、油圧モータ4の内部に大きいサージ圧が発生するおそれがあるが、そのような衝撃はアキュムレータ15によって瞬時に吸収されるので、そのサージ圧によって油圧モータ4が損傷することはない。
[0045]
 また、収錨状態から、3連(82.5m)以上の長さの錨鎖27が繰り出されているとしても、フローデバイダ20が増圧機として機能しているので、油圧モータ4は、回転速度は減少しているものの、フローデバイダ20を増圧機として機能させない場合に比べて、大きいトルクで駆動する。したがって、油圧モータ4は、3連(82.5m)よりも長く繰り出されている錨鎖27を、過負荷状態となることなく巻き揚げてゆくことができる。
[0046]
 錨鎖27の繰出し量Rが第2繰出し量r2である3連(82.5m)以下になると、指針38が第2リミットスイッチ41に到達し、フローデバイダ20が増圧機として機能しないオフ状態となる。これにより、油圧モータ4は、駆動トルクは減少するが、回転数は上昇するので、繰出し量Rが第2繰出し量r2以下となった錨鎖27を、過負荷を生じることなく、効率的に巻き揚げてゆくことができる。
[0047]
 この間、アキュムレータ15は接続状態となっているので、荒天により錨鎖27に瞬間的な衝撃が加わって油圧モータ4内部に大きいサージ圧が発生した場合でも、そのサージ圧はアキュムレータ15によって瞬時に吸収されるので、油圧モータ4が損傷することはない。
[0048]
 ところで、繰出し量Rがゼロである収錨状態となるまでアキュムレータ15を接続状態にしておくと、巻揚げが完了するときに、アキュムレータ15からの油圧の放出による錨鎖27の巻揚げ及びアキュムレータ15への油圧の吸収による錨鎖27の繰出しにより、アンカー(錨)30が上下動を繰り返してから停止するおそれがある。
[0049]
 そこで、錨鎖27の繰出し量Rが第1繰出し量r1以下になると、指針38が第1リミットスイッチ40に到達したことにより第1リミットスイッチ40から発せられる信号に基づいて電動弁18が閉塞され、アキュムレータ15の接続状態がオフ状態に設定される。これにより、収錨状態となるときに、アンカー30が上下動を繰り返すことが防止される。
[0050]
 なお、これにより、アキュムレータ15による緩衝機能は停止するが、繰出し量Rが第1繰出し量r1以下となっているので、船体の揺れにより錨鎖27に生じる衝撃はさほど大きくはない。このため、かかる衝撃により油圧モータ4が損傷するおそれはない。
[0051]
 以上のように、本実施形態によれば、油圧供給路3に対するアキュムレータ15の接続状態を、繰出し量Rに応じてオン状態又はオフ状態に設定する第1設定手段(電動弁18)を設けたので、油圧モータ4がサージ圧によって損傷するのを防止することができる。また、第1油圧路5と第2油圧路6との間にリリーフ弁8を2つ設けたので、あるいは2つのリリーフ弁8に代えて、大容量のリリーフ弁を1つ又は3以上のリリーフ弁を並列に設けたのでより確実に油圧ポンプ2の損傷を防止することができる。
[0052]
 また、電動弁18を、第1油圧路5及び第2油圧路6に接続された高圧選択弁16の出口に接続したので、第1油圧路5及び第2油圧路6のうちの油圧ポンプ2に油圧を供給している側にサージ圧が生じた場合に、これを確実にアキュムレータ15で吸収することができる。
[0053]
 また、繰出し量Rが第1繰出し量r1未満になったときに第1リミットスイッチ40からの信号に基づいて電動弁18が切り替わるようにしたので、巻揚げ完了時におけるアンカー30の上下動を自動的に防止することができる。
[0054]
 また、油圧供給路3がフローデバイダ20を経由するオン状態と経由しないオフ状態とに設定する第2設定手段を備えるので、水深が深い場所で錨泊した場合でも、油圧ポンプ2を駆動する電動機等の負荷を軽減しつつ、油圧モータ4の揚錨力を増大させことができる。
[0055]
 また、繰出し量Rに応じて第2設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に又はその逆に切り替える第2制御部を備えるので、水深が深い場所で錨泊した場合でも、電動機等が過負荷状態で長時間駆動されるのを自動的に防止し、揚錨を支障なく行うことができる。
[0056]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、チェーンカウンタ34は、電子的に錨鎖27の繰出し量を計測するものであってもよい。

符号の説明

[0057]
 1…油圧回路、2…油圧ポンプ、3…油圧供給路、4…油圧モータ、5…第1油圧路、6…第2油圧路、7…正逆切替弁、8…リリーフ弁、9…供給接続路、10…リザーバタンク、11…回収接続路、12…減圧弁、13…バランス回路、14…カウンタバランス弁、15…アキュムレータ、16…高圧選択弁、17…高圧導入路、18…電動弁、19…速度切替弁、20…フローデバイダ、21…導入回路、22…導出回路、23、24、25…電動弁、26…揚錨機、27…錨鎖、28…錨鎖車、29…錨鎖庫、30…アンカー、31…シャンク、32…船舶、33…ホースパイプ、34…チェーンカウンタ、35…駆動スプロケット、36…ローラチェーン、37…従動スプロケット、38…指針、39…ねじ軸、40…第1リミットスイッチ、41…第2リミットスイッチ。

請求の範囲

[請求項1]
 油圧ポンプから油圧供給路を経て供給される油圧で駆動する油圧モータにより錨鎖を巻き揚げる揚錨機であって、
 前記油圧供給路に接続され、前記油圧に生じる衝撃を緩衝するアキュムレータと、
 前記錨鎖の基準位置からの繰出し量を計測する繰出し量計測部と、
 前記油圧供給路に対する前記アキュムレータの接続状態を、前記繰出し量に応じて、前記油圧供給路に該アキュムレータが接続されたオン状態又は該接続が解除されたオフ状態に選択的に設定するための第1設定部とを備え、
 前記油圧供給路は、
 前記油圧モータの一次側に接続された第1油圧路と、
 前記油圧モータの二次側に接続された第2油圧路と、
 前記油圧ポンプからの油圧を前記第1油圧路又は前記第2油圧路のいずれに供給するかを切り替えるための正逆切替弁と、
 前記第1油圧路の油圧が所定値以上となった場合に該油圧を前記第2油圧路にリリーフする1つのリリーフ弁又は2以上の並列に配置したリリーフ弁とを備えることを特徴とする揚錨機。
[請求項2]
 前記基準位置からの繰出し量が第1繰出し量を超えたときに前記第1設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替え、該第1繰出し量以下になったときに該第1設定部の設定状態をオン状態からオフ状態に切り替える第1制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の揚錨機。
[請求項3]
 前記油圧供給路の油圧を増大させる増圧機として機能するフローデバイダと、
 前記油圧供給路が前記フローデバイダを経由するオン状態と経由しないオフ状態とに設定するための第2設定部と、
 前記繰出し量が第2繰出し量を超えたときに前記第2設定部の設定状態をオフ状態からオン状態に切り替え、該第2繰出し量以下になったとき前記第2設定部の設定状態をオン状態からオフ状態に切り替える第2制御部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の揚錨機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]