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1. WO2020194549 - LUBRICATING OIL COMPOSITION AND METHOD FOR PRODUCING SAME

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明 細 書

発明の名称 潤滑油組成物およびその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

実施例

0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101  

産業上の利用可能性

0102  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 潤滑油組成物およびその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、エチレン・αオレフィン共重合体を含む潤滑油組成物およびその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 石油製品は一般に温度が変わると粘度が大きく変化する、いわゆる粘度の温度依存性を有している。例えば、粘度の温度依存性が小さいことが好ましい。そこで潤滑油には、粘度の温度依存性を小さくする目的で、潤滑油基剤に可溶な、ある種のポリマーが粘度改良剤として用いられている。近年では、このような粘度改良剤としてαオレフィン重合体が広く用いられているが、潤滑油の性能バランスを更に改善するため種々の改良がなされている。(特許文献1)
 上記のような粘度指数向上剤は一般に高温時に適正な粘度を保持するために用いられるが、最近では、環境負荷低減の一環として省エネ・省資源が強く思考される中で、特に低温時の粘度上昇を低く抑え(低温特性に優れる)、耐久性や耐熱酸化安定性に優れる粘度改良剤が求められている。一般の潤滑油用途においては、優れた低温特性を得るためには、ポリマー濃度をできるだけ低く抑えることが有効であること、また、経済性の面でも有利であることなどから、できるだけ高分子量のポリマーを用いる方法が知られているが、分子量を高くすると剪断安定性が悪化するという問題がある。工業用潤滑油用途、特に風力発電用ギヤ油では、より高度な低温特性と剪断安定性が要求され、両性能のバランスを考慮した品質が求められる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開 WO00/34420

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 一方、潤滑油基剤としては、API品質分類により、鉱物油はグループ(I)~(III)の3段階に分類され、更に、ポリ・αオレフィン(PAO)がグループ(IV)、その他がグループ(V)に分類されている。自動車用の各種潤滑油用途では、要求性能の高度化及び環境負荷低減に対応するため、従来から広く使用されているグループ(I)鉱油から、グループ (II)及び(III)鉱油、或いはポリ・αオレフィンの如く合成油の使用率が高まっている。一方、工業用潤滑油用途においても、長寿命や高耐久性が求められ、前記のグループ(III)鉱油或いはポリ・αオレフィンが使用されている。特に近年の風力発電用ギヤ油においては、耐久性の主要パラメータとして剪断安定性が強く求められている。ここに求められる剪断安定性は従来の高分子量タイプの粘度調整剤での対応は困難であり、ポリブテン等の比較的低分子量のαオレフィン重合体が使用されている。しかしながら、用途によってはポリブテンの粘度特性、とりわけ低温での十分な流動性に改善の余地があった。また風力発電用ギヤ油においては、従来の要求特性に加えて、高いマイクロピッチン防止性能が求められている。マイクロピッチングは高荷重下における転がり弾性流体潤滑(EHL)領域で過度のストレスのサイクルによってギヤ損傷の寸前で引き起こされる疲労プロセスである。本発明者らは、このような状況において鋭意研究の結果、エチレン含量、粘度、分子量分布が特定の範囲にあるエチレン・α-オレフィン共重合体と特定の粘度、粘度指数、流動点を有する1種以上の合成油及び/又は鉱物油を基剤とを組み合わせることにより、上記のような問題を解決することを見出して、本発明を完成するに至った。
[0005]
 本発明が解決しようとする課題は、低温粘度特性および剪断安定性のバランスに優れ、高い耐熱酸化安定性、高いマイクロピッチング防止性能を有する工業用潤滑油を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明としては、具体的には、以下の態様が挙げられる。
[1] 下記の方法(α)により製造されるエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体(A)を30~90重量%、(B1)~(B3)の特性を有する合成油(B)または(C1)~(C3)の特性を有する鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤を10~70重量%(ただし、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量%とする)含有することを特徴とする潤滑油組成物;
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下であること
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下であること
(方法(α))
(a)下記式1で表される架橋メタロセン化合物、ならびに
(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および
   (ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物
を含む触媒系の下で、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの溶液重合を行う工程を含む、
 エチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を製造するための方法(α)
[0007]
[化1]


〔式1において、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 8、R 9およびR 12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、任意に、互いに連結して環構造を形成しており、
 R 6およびR 11は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 7およびR 10は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 6およびR 7は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 11およびR 10は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 6、R 7、R 10およびR 11は、同時には水素原子ではなく;
 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり;
 R 13およびR 14は、独立してアリール基であり;
 Mは、Ti、ZrまたはHfであり;
 Qは、独立してハロゲン、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり;
 jは、1~4の整数である。〕
[2] 上記式1で表されるメタロセン化合物のシクロペンタジエニル基に結合した置換基(R 1、R 2、R 3およびR 4)のうちの少なくとも1つが炭素数4以上の炭化水素基である[1]に記載の潤滑油組成物。
[3] R 6およびR 11が同一であり、炭素数1~20の炭化水素基である[1]または[2]に記載の潤滑油組成物。
[4] 上記式1で表されるメタロセン化合物のシクロペンタジエニル基の3位に結合した置換基(R 2またはR 3)が炭化水素基である[1]~[3]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[5] 上記式1で表されるメタロセン化合物のシクロペンタジエニル基の3位に結合した炭化水素基(R 2またはR 3)がn-ブチル基である[4]に記載の潤滑油組成物。
[6] 上記式1で表されるメタロセン化合物のフルオレニル基の2位および7位に結合した置換基(R 6およびR 11)がすべてtert-ブチル基である[1]~[5]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[7] 前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する前記化合物が、下記式6で表される化合物である[1]~[6]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[0008]
[化2]


〔式6において、R e+は、H +、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、または遷移金属を有するフェロセニウムカチオンであり、R f~R iは、それぞれ独立に炭素数1~20の炭化水素基である。〕
[8] 前記アンモニウムカチオンがジメチルアニリニウムカチオンである[7]に記載の潤滑油組成物。
[9] 前記触媒系がトリメチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムからなる群から選択される有機アルミニウム化合物をさらに含む[7]または[8]に記載の潤滑油組成物。
[10] 前記共重合体(A)が、エチレンと炭素数3~10のα-オレフィンとからなる共重合体であることを特徴とする[1]~[9]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[11]  前記合成油(B)がポリ・αオレフィン(PAO)またはエステル油から選ばれる潤滑油基剤であることを特徴とする[1]~[10]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[12] 前記潤滑油組成物に、更に流動点降下剤を含有することを特徴とする[1]~[11]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[13] 前記潤滑油組成物の40℃における粘度が190~750mm 2/sの範囲内にあることを特徴とする[1]~[12]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[14] 下記(A1)~(A5)の特性を有するエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を30~90重量%、(B1)~(B3)の特性を有する合成油(B)または(C1)~(C3)の特性を有する鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤を10~70重量%を(ただし、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量%とする)含有することを特徴とする潤滑油組成物;
 (A1)エチレン単位を40~60モル%、および炭素数3~20のα-オレフィン単位を60~40モル%含有すること
 (A2)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される、500~10,000の数平均分子量(Mn)、および3以下の分子量分布(Mw/Mn、Mwは重量平均分子量である。)を有すること
 (A3)30~5,000mm 2/sの100℃動粘度を有すること
 (A4)30~-45℃の流動点を有すること
 (A5)0.1g/100g以下の臭素価を有すること
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下であること
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下であること
[15] 前記潤滑油組成物が、風力発電用ギヤ油組成物である[1]~[14]のいずれかに記載の工業用潤滑油組成物
[16] 以下の方法(α)によりエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体(A)を製造する工程、および
 前記液状ランダム共重合体(A)30~90重量%と、(B1)~(B3)の特性を有する合成油(B)または(C1)~(C3)の特性を有する鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤10~70重量%とを混合して、潤滑油組成物を製造する工程(但し、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量部とする。)
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下であること
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下であること
 を含む、潤滑油組成物の製造方法。
(方法(α))
(a)下記式1で表される架橋メタロセン化合物、ならびに
(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および
   (ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物
を含む触媒系の下で、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの溶液重合を行う工程を含む、
 エチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を製造するための方法(α)
[0009]
[化3]


〔式1において、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 8、R 9およびR 12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、任意に、互いに連結して環構造を形成しており、
 R 6およびR 11は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 7およびR 10は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 6およびR 7は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 11およびR 10は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 6、R 7、R 10およびR 11は、同時には水素原子ではなく;
 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり;
 R 13およびR 14は、独立してアリール基であり;
 Mは、Ti、ZrまたはHfであり;
 Qは、独立してハロゲン、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり;
 jは、1~4の整数である。〕

発明の効果

[0010]
 本発明の潤滑油組成物は低温粘度特性と剪断安定性、さらに耐熱酸化安定性に優れることから、省エネ・省資源等に優れる潤滑油組成物であり、好適には工業用潤滑油、特に風力発電用潤滑油として有効である。

発明を実施するための形態

[0011]
液状ランダム共重合体(A)
 本発明におけるエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体(A)(本明細書において「エチレン・α-オレフィン共重合体(A)」とも記載する。)は、下記の方法(α)により製造される。
(方法(α))
(a)下記式1で表される架橋メタロセン化合物、ならびに
(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および
   (ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物
を含む触媒系の下で、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの溶液重合を行う工程を含む、
 エチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を製造するための方法(α)
[0012]
[化4]


〔式1において、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 8、R 9およびR 12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、任意に、互いに連結して環構造を形成しており、
 R 6およびR 11は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 7およびR 10は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 6およびR 7は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 11およびR 10は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 6、R 7、R 10およびR 11は、同時には水素原子ではなく;
 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり;
 R 13およびR 14は、独立してアリール基であり;
 Mは、Ti、ZrまたはHfであり;
 Qは、独立してハロゲン、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり;
 jは、1~4の整数である。〕
 ここで、前記炭化水素基は、炭素数が1~20、好ましくは1~15、より好ましくは4~10であり、例えばアルキル基、アリール基等を意味し、アリール基は、炭素数が6~20、好ましくは6~15である。
[0013]
 前記ケイ素含有炭化水素基の例としては、1~4個のケイ素原子を含む炭素原子数3~20のアルキル基またはアリール基が挙げられ、より詳細には、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
[0014]
 式1で表される架橋メタロセン化合物において、シクロペンタジエニル基は置換されていても無置換でもよい。
[0015]
 式1で表される架橋メタロセン化合物において、
(i)シクロペンタジエニル基に結合した置換基(R 1、R 2、R 3およびR 4)のうち少なくとも1つが炭化水素基であることが好ましく、
(ii)置換基(R 1、R 2、R 3およびR 4)のうち少なくとも1つが炭素数4以上の炭化水素基であることがより好ましく、
(iii)シクロペンタジエニル基の3位に結合した置換基(R 2またはR 3)が炭素数4以上の炭化水素基(例えば、n-ブチル基)であることが最も好ましい。
[0016]
 R 1、R 2、R 3およびR 4のうち少なくとも2つが置換基である(すなわち、水素原子ではない)場合、上記の置換基は同一でも異なっていてもよく、少なくとも1つの置換基が炭素数4以上の炭化水素基であることが好ましい。
[0017]
 式1で表されるメタロセン化合物において、フルオレニル基に結合したR 6およびR 11は同一であり、R 7およびR 10は同一であるが、R 6、R 7、R 10およびR 11は、同時には水素原子ではない。ポリ-α-オレフィンの高温溶液重合においては、重合活性を向上させるため、好ましくはR 6もR 11も水素原子ではなく、より好ましくはR 6、R 7、R 10およびR 11のいずれも水素原子ではない。例えば、フルオレニル基の2位および7位に結合したR 6およびR 11は、炭素数1~20の同一の炭化水素基であり、好ましくはすべてtert-ブチル基であり、R 7およびR 10は、炭素数1~20の同一の炭化水素基、好ましくはすべてtert-ブチル基である。
[0018]
 シクロペンタジエニル基とフルオレニル基とを連結する主鎖部(結合部、Y)は、式1で表される前記架橋メタロセン化合物に立体的剛性を付与する構造架橋部としての、1個の炭素原子またはケイ素原子を含む2つの共有結合の架橋部である。架橋部中の架橋原子(Y)は、同一であっても異なっていてもよい2個のアリール基(R 13およびR 14)を有する。したがって、前記シクロペンタジエニル基と前記フルオレニル基とは、アリール基を含む共有結合架橋部によって結合されている。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、および置換アリール基(これは、フェニル基、ナフチル基またはアントラセニル基の1個以上の芳香族水素(sp 2型水素)を置換基で置換して形成されたものである。)が挙げられる。前記置換アリール基が有する置換基の例としては、炭素数1~20の炭化水素基、炭素数1~20のケイ素含有炭化水素基、ハロゲン原子などが挙げられ、好ましくはフェニル基が挙げられる。式1で表される前記架橋メタロセン化合物において、好ましくは、製造容易性の観点からR 13とR 14とは同一である。
[0019]
 式1で表される架橋メタロセン化合物において、Qは、好ましくは、ハロゲン原子または炭素数1~10の炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられ、炭素数1~10の炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル-1-シクロヘキシルなどが挙げられる。また、jが2以上の整数の場合、Qは同一であっても異なっていてもよい。
[0020]
 このような架橋メタロセン化合物(a)としては、
 エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、
 ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](η 5-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタメチルオクタヒドロジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](ベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](オクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)](2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン[η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)][η 5-(2,7-ジメチル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
[0021]
 これらの化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子に置き換えた化合物またはクロロ配位子をメチル基に置き換えた化合物などが例示されるが、架橋メタロセン化合物(a)はこれらの例示に限定されない。
[0022]
 本発明における前記触媒系に使用される前記有機アルミニウムオキシ化合物としては、従来のアルミノキサンを使用できる。例えば、下記式2~5で表される直鎖状または環状のアルミノキサンを使用できる。前記有機アルミニウムオキシ化合物には、少量の有機アルミニウム化合物が含まれていてもよい。
[0023]
[化5]


 式2~4において、Rは独立して炭素数1~10の炭化水素基であり、Rxは独立して炭素数2~20の炭化水素基であり、mおよびnは独立して2以上、好ましくは3以上、より好ましくは10~70、最も好ましくは10~50の整数である。
[0024]
[化6]


 式5において、R cは炭素数1~10の炭化水素基であり、R dは独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~10の炭化水素基である。
[0025]
 式2または式3において、Rは、従来「メチルアルミノキサン」と呼ばれている有機アルミニウムオキシ化合物のメチル基(Me)である。
[0026]
 前記メチルアルミノキサンは、容易に入手可能であり、かつ高い重合活性を有するので、ポリオレフィン重合における活性剤として一般的に使用されている。しかしながら、メチルアルミノキサンは、飽和炭化水素に溶解させ難いため、環境的に望ましくないトルエンまたはベンゼンのような芳香族炭化水素の溶液として使用されてきた。そのため、近年、飽和炭化水素に溶解させたアルミノキサンとして、式4で表されるメチルアルミノキサンの可撓性体(flexible body)が開発され、使用されている。式4で表されるこの修飾メチルアルミノキサンは、米国特許第4960878号明細書、米国特許第5041584号明細書に示されるように、トリメチルアルミニウムおよびトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムを用いて調製され、例えば、トリメチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムを用いて調製される。Rxがイソブチル基であるアルミノキサンは、飽和炭化水素溶液の形でMMAO、TMAOの商品名で市販されている。(Tosoh Finechem Corporation、Tosoh Research&Technology Review、Vol 47、55(2003)を参照のこと)。
[0027]
 前記触媒系に含まれる(ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物(以下、必要に応じて「イオン性化合物」という。)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン、ボラン化合物、カルボラン化合物を使用でき、これらは韓国特許第10-0551147号公報、特開平1-501950号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、米国特許第5321106号明細書等に記載されている。必要に応じて、ヘテロポリ化合物、イソポリ化合物等を使用でき、特開2004-51676号公報に記載のイオン性化合物を使用できる。前記イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用できる。より詳細には、ルイス酸の例としては、BR 3で表される化合物(Rはフッ化物、置換されたもしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基(メチル基など)、置換されたもしくは無置換の炭素数6~20のアリール基(フェニル基など)などである。)が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、およびトリス(p-トリル)ボロンが挙げられる。前記イオン性化合物を用いると、有機アルミニウムオキシ化合物と比較して、その使用量およびスラッジ発生量が比較的少なく、経済的に有利である。本発明においては、前記イオン性化合物として、下記式6で表される化合物が使用されることが好ましい。
[0028]
[化7]


 式6において、R e+は、H +、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、または遷移金属を有するフェロセニウムカチオンであり、R f~R iは、それぞれ独立に有機基、好ましくは炭素数1~20の炭化水素基、より好ましくはアリール基、例えばペンタフルオロフェニル基である。前記カルベニウムカチオンの例としては、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどが挙げられ、前記アンモニウムカチオンの例としては、ジメチルアニリニウムカチオンなどが挙げられる。
[0029]
 上記式6で表される化合物としては、好ましくはN,N-ジアルキルアニリニウム塩、具体的にはN,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、 N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
[0030]
 本発明に用いられる前記触媒系は、必要に応じて、さらに(c)有機アルミニウム化合物を含む。前記有機アルミニウム化合物は、前記架橋メタロセン化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、前記イオン性化合物などを活性化する役割を果たす。前記有機アルミニウム化合物としては、好ましくは下記式7で表される有機アルミニウム、および下記式8で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物を使用できる。
[0031]
   R a mAl(OR b) npq …(式7)
 式7において、R a及びR bは、それぞれ独立に、炭素数1~15、好ましくは炭素数1~4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3の整数であり、nは0≦n≦3の整数であり、pは0<p≦3の整数であり、qは0≦q<3の整数であり、m+n+p+q=3である。
[0032]
   M 2AlR a 4 …(式8)
 式8において、M 2はLi、NaまたはKを表し、R aは炭素数1~15、好ましくは炭素数1~4の炭化水素基である。
[0033]
 式7で表される有機アルミニウム化合物の例としては、入手容易なトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが挙げられる。式8で表される第1族金属とアルミニウムとのアルキル錯体化合物の例としては、LiAl(C 25) 4、LiAl(C 715) 4などが挙げられる。式7で表される化合物に類似する化合物を使用できる。例えば、(C 25) 2AlN(C 25)Al(C 25) 2のように、少なくとも2つのアルミニウム化合物が窒素原子を介して結合した有機アルミニウム化合物を用いることができる。
[0034]
 前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)を製造するための方法において、式1で表される(a)架橋メタロセン化合物の量は、好ましくは全触媒組成物に対して5~50重量%である。そして、好ましくは、(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物の量は、使用される架橋メタロセン化合物のモル数に対して50~500当量であり、(b)(ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物の量は、使用される架橋メタロセン化合物のモル数に対して1~5当量であり、(c)有機アルミニウム化合物の量は、使用される架橋メタロセン化合物のモル数に対して5~100当量である。
[0035]
 本発明で用いられる前記触媒系は、例えば以下の[1]~[4]を有していてもよい。
[1](a)式1で表される架橋メタロセン化合物、および(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物
[2](a)式1で表される架橋メタロセン化合物、(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および(c)有機アルミニウム化合物。
[3](a)式1で表される架橋メタロセン化合物、(b)(ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物、および(c)有機アルミニウム化合物。
[4](a)式1で表される架橋メタロセン化合物、ならびに(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および(ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物。
[0036]
 (a)式1で表される架橋メタロセン化合物(成分(a))、(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物(成分(b))、(ii)架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物、および/または(c)有機アルミニウム化合物(成分(c))は、出発原料モノマー(エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの混合物)に対して、任意の順序で導入されてもよい。例えば、成分(a)、(b)および/または(c)は、原料モノマーが充填されている重合反応器に、単独でまたは任意の順序で導入される。あるいは、必要に応じて、成分(a)、(b)および/または(c)のうち少なくとも2つの成分を混合した後、混合触媒組成物が、原料モノマーが充填された重合反応器に導入される。
[0037]
 前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)は、前記触媒系の下でのエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの溶液重合によって調製される。炭素数3~20のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどの直鎖状α-オレフィン、イソブチレン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの分岐状α-オレフィン、およびそれらの混合物のうちの1種以上を使用できる。好ましくは1種以上の炭素数3~6のα-オレフィンを使用でき、より好ましくはプロピレンを使用できる。前記溶液重合は、プロパン、ブタン、ヘキサンなどの不活性溶媒、またはオレフィン単量体そのものを媒体として使用することにより実施できる。本発明のエチレンとα-オレフィンとの共重合において、共重合の温度は、通常80~150℃、好ましくは90~120℃であり、共重合の圧力は、通常大気圧~500kgf/cm 2、好ましくは大気圧~50kgf/cm 2であり、これらは反応材料、反応条件などに応じて変動し得る。
[0038]
 重合は回分式、半連続式または連続式で実施でき、好ましくは連続式で実施される。
[0039]
 前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)は、室温で液相であり、α-オレフィン単位がコポリマー鎖中に均一に分布した構造を有する。前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)は、たとえば60~40モル%、好ましくは45~55モル%の、エチレンから誘導されるエチレン単位、およびたとえば40~60モル%、好ましくは45~55モル%の、炭素数3~20のα-オレフィンから誘導される炭素数3~20のα-オレフィン単位を含む。
[0040]
 前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、たとえば500~10,000、好ましくは800~6,000であり、分子量分布(Mw/Mn、Mwは重量平均分子量)は、たとえば3以下、好ましくは2以下である。数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
[0041]
 前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)は、たとえば30~5,000、好ましくは50~3,000mm 2/sの100℃動粘度、たとえば30~-45℃、好ましくは20~-35℃の流動点、たとえば0.1g/100g以下の臭素価を有する。
[0042]
 式1で示される架橋メタロセン化合物は、特にエチレンとα-オレフィンとの共重合に対する重合活性が高く、この架橋メタロセン化合物を用いることで分子末端への水素導入により重合が選択的に停止するため、得られるエチレン-α-オレフィン共重合体(A)の不飽和結合が少なくなる。また、エチレン-α-オレフィン共重合体(A)は、ランダム共重合性が高いため、制御された分子量分布を有し、剪断安定性、粘度特性に優れる。
[0043]
 このため、本発明に用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体を含有する潤滑油組成物は、粘度特性および剪断安定性のバランスに優れ、さらに耐久性、耐熱酸化安定性に優れる。
[0044]
潤滑油基剤
 本発明で使用される潤滑油基剤は、一般に脱ワックス等の精製工程を経て用いられ、精製の仕方により幾つかの等級があり、本等級はAPI(米国石油協会)分類で規定される。表1に各グループに分類される潤滑油基剤の特性を表1に示す。
[0045]
[表1]


 表1におけるグループ(IV)に属するポリα-オレフィンは、炭素数8以上のα-オレフィンを少なくとも原料モノマーとして重合して得られる炭化水素ポリマーであって、例えばデセン-1を重合して得られるポリデセンなどが例示される。この様なα-オレフィンオリゴマーは、チーグラー触媒、ルイス酸を触媒としたカチオン重合、熱重合、ラジカル重合によって製造することができる。
[0046]
 第1表におけるグループ(V)に属する潤滑油基剤としては、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、エステル油等を例示できる。
[0047]
 アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類は通常大部分がアルキル鎖長が炭素原子数6~14のジアルキルベンゼンまたはジアルキルナフタレンであり、このようなアルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類は、ベンゼンまたはナフタレンとオレフィンとのフリーデルクラフトアルキル化反応によって製造される。アルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類の製造において使用されるアルキル化オレフィンは、線状もしくは枝分かれ状のオレフィンまたはこれらの組み合わせでもよい。これらの製造方法は、たとえば、米国特許第3909432号に記載されている。
[0048]
 エステル油としては、一塩基酸とアルコールから製造されるモノエステル;二塩基酸とアルコールとから、またはジオールと一塩基酸または酸混合物とから製造されるジエステル;ジオール、トリオール(たとえばトリメチロールプロパン)、テトラオール(たとえばペンタエリスリトール)、ヘキサオール(たとえばジペンタエリスリトール)などと一塩基酸または酸混合物とを反応させて製造したポリオールエステルなどが挙げられる。これらのエステルの例としては、トリデシルペラルゴネート、ジ-2-エチルヘキシルアジペート、ジ-2-エチルヘキシルアゼレート、トリメチロールプロパントリヘプタノエート、ペンタエリスリトールテトラヘプタノエートなどが挙げられる。
[0049]
 本発明に係る合成油(B)は、下記の(B1)~(B3)の特性を有するAPI品質分類のグループ(IV)または(V)に属する潤滑油基剤であり、中でもグループ(IV)に属するポリα-オレフィンが好ましいが、20重量%以下の割合で同様の動粘度を有し、グループ(V)に属するポリオールエステル、ジエステル等の合成油を含有してもよい。
[0050]
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/s、好ましくは4~10mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が120以上、好ましくは130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下、好ましくは-40℃以下であること
 又、鉱物油(C)は下記の(C1)~(C3)の特性を有する潤滑油基剤であり、API品質分類のグループ(III)に分類される潤滑油基剤である。
[0051]
 当該グループ(III)に分類される潤滑油基剤は、水素化分解法等により精製度が高く、かつ粘度指数が高い潤滑油基剤である。
[0052]
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/s、好ましくは4~8mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上、好ましくは125以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下、好ましくは-15℃以下であること
 なお、本発明における潤滑油基剤は、合成油(B)または鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなり、合成油(B)のみ1種類ないし2種類以上であってもよいし、鉱物油(C)のみ1種類ないし2種類以上であってもよく、合成油(B)1種類ないし2種類以上と鉱物油(C)1種類ないし2種類以上を混合したものであってもよい。
[0053]
 また、上述における各特性は下記の方法で測定したものである。
[0054]
 (B1、C1):ASTM D445(JIS K2283)に準じて測定
 (B2、C2):ASTM D2270(JIS K2283)に準じて測定
 (B3、C3):ASTM D97(JIS K2269)に準じて測定
[0055]
潤滑油組成物
 本発明の潤滑油組成物は、前記合成油(B)または前記鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤10~70重量%と、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)30~90重量%(ただし、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量%とする)を含む組成物である。また、好ましくは、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)が、40~80重量%、より好ましくは40~70重量%含まれる組成物である。
[0056]
 このような潤滑油組成物は、優れた剪断安定性を有すると共に、潤滑油基剤としてポリαオレフィン等の合成油及び/又は高度に精製された高粘度指数鉱油を含有することにより、良好な低温特性と剪断安定性を発現すること、さらに耐熱酸化安定性を有することを特徴としている。
[0057]
 なお、本発明の潤滑油組成物は、必要に応じ、流動点降下剤、極圧剤、摩擦調整剤、油性剤、酸化防止剤、消泡剤、錆止め剤、腐食防止剤等の添加剤を、(A)、(B)および(C)成分の合計100重量部に対して、一般的には20重量部以下の割合で配合することができる。これらの添加剤の中でも、極圧剤、流動点降下剤を添加することが好ましく、(特に鉱物油(C)が20重量%以上含まれている場合において)、極圧剤と流動点降下剤の2成分で(A)+(B)+(C)=100重量部に対して、10重量部以下添加することがより好ましい。
[0058]
 ここで、必要に応じて併用される添加剤について説明する。
流動点降下剤
  流動点降下剤としては、メタクリル酸アルキルの重合体または共重合体、アクリル酸アルキルの重合体または共重合体、フマル酸アルキルの重合体または共重合体、マレイン酸アルキルの重合体または共重合体、アルキル芳香族系の化合物などを挙げることができる。このうちでも特にメタクリル酸アルキルの重合体または共重合体を含む流動点降下剤であるポリメタクリレート系流動点降下剤が好ましく、メタクリル酸アルキルのアルキル基の炭素数は12~20が好ましく、その添加量は、(A)、(B)および(C)成分の合計100重量部に対して好ましくは0.05~2重量部である。これらは、流動点降下剤として市販されているものを入手することができる。例えば市販の銘柄名としては三洋化成社製 アクルーブ146、アクルーブ136、東邦化学社製 ルブラン141 ルブラン171などが挙げられる。
[0059]
極圧剤
 極圧剤としては、硫化油脂、硫化オレフィン、スルフィド類、リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などが挙げられる。
[0060]
摩擦調整剤
 摩擦調整剤としては、モリブデンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメート等の有機モリブデン化合物に代表される有機金属系摩擦調整剤が挙げられる。
[0061]
 また、油性剤としては、炭素数8~22のアルキル基を有する脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール等が挙げられる。
[0062]
酸化防止剤
 酸化防止剤として具体的には、2,6-ジ-t-ブチル-4メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤;ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤などが挙げられる。また、消泡剤としては、ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体等のシリコン系消泡剤;アルコール、エステル系消泡剤など挙げることができる。
[0063]
錆止め剤
 錆止め剤としては、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル、リン酸などが挙げられる。また、腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾールとその誘導体、チアゾール系化合物などを挙げることができる。
[0064]
  また、腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系の化合物等が挙げられる。
[0065]
  本発明の潤滑油組成物は特に剪断安定性と低温粘度特性に優れるので、工業用潤滑油として有効である。工業用潤滑油としてはISO220~ISO680の粘度範囲のものが挙げられるが、風力発電用ギヤ油として特に有効である。
実施例
[0066]
  以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、実施例における各種物性は以下のようにして測定した。
[0067]
・ エチレン含量
 日本電子LA500型核磁気共鳴装置を用い、オルトジクロルベンゼンとベンゼン-d6との混合溶媒(オルトジクロルベンゼン/ベンゼン-d6=3/1~4/1(体積比))中、120℃、パルス幅45°パルス、パルス繰り返し時間5.5秒で測定した。
[0068]
・ B値
 o-ジクロロベンゼン/ベンゼン-d 6(4/1[vol/vol%])を測定溶媒とし、測定温度120℃、スペクトル幅250ppm、パルス繰り返し時間5.5秒、かつパルス幅4.7μ秒(45 oパルス)の測定条件下(100MHz、日本電子ECX400P)、または測定温度120℃、スペクトル幅250ppm、パルス繰り返し時間5.5秒、かつパルス幅5.0μ秒(45 oパルス)の測定条件下(125 MHz、ブルカー・バイオスピンAVANCEIIIcryo-500)にて 13C-NMRスペクトルを測定し、下記式[1]に基づきB値を算出した。
[0069]
[数1]


 式[1]中、P Eはエチレン成分の含有モル分率を示し、P Oはα-オレフィン成分の含有モル分率を示し、P OEは全dyad連鎖のエチレン-α-オレフィン連鎖のモル分率を示す。
・ 動粘度(40℃、100℃)
  ASTM D 445に基づいて測定を行った。尚、本実施例では配合油の粘度は各ISO分類に基づいて以下のように調整した。
[0070]
 ・ISO220:動粘度(40℃)が220±22mm 2/sになるように配合調製した。
[0071]
 ・ISO320:動粘度(40℃)が320±32mm 2/sになるように配合調製した。
[0072]
 ・ISO460:動粘度(40℃)が460±46mm 2/sになるように配合調製した。
[0073]
 ・
・ 重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)
 重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
[0074]
・ 低温粘度(-30℃)
  BF(ブルックフィールド)粘度計を用いてASTM D341に基づいて測定を行った。
[0075]
・ 粘度指数
 粘度指数は、JIS K2283に記載の方法により、測定、算出した。
[0076]
・ 剪断安定性(粘度低下率%)
 KRL剪断試験機を用いてCEC-L-45(CEC:欧州の自動車用燃料・潤滑油試験法の管理機構)に基づいて試験を行い、40℃の粘度の低下率を評価した。
[0077]
 剪断安定性は潤滑油中の共重合体成分が金属摺動部で剪断を受け、分子鎖が切断することによる動粘度損失の尺度である。
[0078]
・ マイクロピッチング不合格負荷段階
  Flender社の規格に基くFVA-54マイクロピッチング試験機により、ステージ5から10へ段階的に荷重を上げ、各荷重ステージ毎にギヤ歯面のマイクロピッチングの発生面積をパーセントで表し、歯車全体の重量減も測定する。(回転速度:1500rpm、温度:90℃)
[0079]
・ 耐熱酸化安定性
 耐熱酸化安定性はJIS K2514に記載の内燃機関用潤滑油酸価安定度試験の方法に準拠し、試験時間72時間後のラッカー度を評価した。
[0080]
[重合例1]
  充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘプタン760ml、プロピレン120gを装入し、系内の温度を150℃に昇温した後、水素0.85MPa、エチレン0.19MPaを供給することにより全圧を3MPaGとした。次に、トリイソブチルアルミニウム0.4mmol、[ジフェニルメチレン(η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)(η 5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.0002mmol、及びN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.002mmolを窒素で圧入し、撹拌回転数を400rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンを連続的に供給することにより全圧を3MPaGに保ち、150℃で5分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液は、0.2mol/Lの塩酸1000mlで3回、次いで蒸留水1000mlで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーは80℃の減圧下で10時間乾燥した。得られたポリマー(重合体1)のエチレン含有量は49.5mol%、Mwは5,100、Mw/Mnは1.7、B値は1.2、100℃動粘度は150mm 2/sであった。
[0081]
[重合例2]
  充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘプタン760ml、プロピレン120gを装入し、系内の温度を150℃に昇温した後、水素0.85MPa、エチレン0.19MPaを供給することにより全圧を3MPaGとした。次に、トリイソブチルアルミニウム0.4mmol、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド0.0002mmol、及びMMAO0.059mmolを窒素で圧入し、撹拌回転数を400rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンを連続的に供給することにより全圧を3MPaGに保ち、150℃で5分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液は、0.2mol/Lの塩酸1000mlで3回、次いで蒸留水1000mlで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーは80℃の減圧下で10時間乾燥した。得られたポリマー(重合体2)のエチレン含有量は48.5mol%、Mwは5,000、Mw/Mnは1.8、B値は1.2、100℃動粘度は150mm 2/sであった。
[0082]
[重合例3]
 充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製重合器にデカン250mLを装入し、系内の温度を130℃に昇温した後、エチレンを25L/hr、プロピレンを75L/hr、水素を100L/hrの流量で連続的に重合器内に供給し、撹拌回転数600rpmで撹拌した。次にトリイソブチルアルミニウム0.2mmolを重合器に装入し、次いでMMAO1.213mmolと[[ジフェニルメチレン(η 5-(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)(η 5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.00402mmolをトルエン中で15分以上予備混合したものを重合器に装入することにより重合を開始した。その後、エチレン、プロピレン、水素の連続的供給を継続し、130℃で15分間重合を行った。少量のイソブチルアルコールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のモノマーをパージした。得られたポリマー溶液を、0.2mol/lの塩酸100mLで3回、次いで蒸留水100mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥し、エチレン-プロピレン共重合体0.77gを得た。得られたポリマー(重合体3)のエチレン含有量は48.8mol%、Mwは4,100、Mw/Mnは1.7、B値は1.2、100℃動粘度は100mm 2/sであった。
[0083]
[重合例4]
 充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製重合器にデカン250mLを装入し、系内の温度を130℃に昇温した後、エチレンを25L/hr、プロピレンを75L/hr、水素を100L/hrの流量で連続的に重合器内に供給し、撹拌回転数600rpmで撹拌した。次にトリイソブチルアルミニウム0.2mmolを重合器に装入し、次いでMMAO1.213mmolとジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド0.00402mmolをトルエン中で15分以上予備混合したものを重合器に装入することにより重合を開始した。その後、エチレン、プロピレン、水素の連続的供給を継続し、130℃で15分間重合を行った。少量のイソブチルアルコールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のモノマーをパージした。得られたポリマー溶液を、0.2mol/lの塩酸100mLで3回、次いで蒸留水100mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥し、エチレン-プロピレン共重合体0.77 gを得た。得られたポリマー(重合体4)のエチレン含有量は48.7mol%、Mwは4,200、Mw/Mnは1.8、B値は1.2、100℃動粘度は100mm 2/sであった。
[0084]
[実施例1]
 エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例3で得られた重合体3を54.0重量%、潤滑油基剤として、APIグループ(IV)に分類される100℃動粘度が5.825mm 2/sのポリ・αオレフィン(NESTE OIL社製NEXBASE 2006)を33.3重量%、APIグループ(V)に分類される脂肪酸エステルDIDA(大八化学社製)を10.0重量%、極圧剤HITEC307(AFTON社製)を2.7重量部配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0085]
[実施例2]
 重合体3 54.0重量%の代わりに、重合例1で得られた重合体1 47.0重量%を用い、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を40.3重量%にしたこと以外は実施例1と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0086]
[実施例3]
 重合体3の配合量を64.0重量%、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を23.3重量%にしたこと以外は実施例1と同様に配合し、ISO320相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0087]
[実施例4]
 重合体1の配合量を55.0重量%、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を32.3重量%にしたこと実施例2と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0088]
[実施例5]
 重合体3の配合量を75.0重量%、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を12.3重量%にしたこと以外は実施例1と同様に配合し、ISO460相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0089]
[実施例6]
 重合体1の配合量を64.0重量%、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を23.3重量%にしたこと実施例2と同様に配合し、ISO460相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0090]
[実施例7]
 エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例3で得られた重合体3を48.0重量%、潤滑油基剤として、APIグループ(III)に分類される鉱物油YUBASE-6を48.8重量%、極圧剤HITEC307を2.7重量部、流動点降下剤アクルーブ146を0.5重量部配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0091]
[実施例8]
 重合体3 48.0重量%の代わりに、重合例1で得られた重合体1 41.0重量%を用い、鉱物油YUBASE-6の配合量を55.8重量%にしたこと以外は実施例7と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0092]
[実施例9]
 重合体3の配合量を59.0重量%、鉱物油YUBASE-6の配合量を37.8重量%にしたこと以外は実施例7と同様に配合し、ISO320相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0093]
[実施例10]
 重合体1の配合量を50.0重量%、鉱物油YUBASE-6の配合量を46.8重量%にしたこと以外は実施例8と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0094]
[実施例11]
 重合体3の配合量を69.0重量%、鉱物油YUBASE-6の配合量を27.8重量%にしたこと以外は実施例7と同様に配合し、ISO460相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0095]
[実施例12]
 重合体1の配合量を59.0重量%、鉱物油YUBASE-6の配合量を37.8重量%にしたこと以外は実施例8と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0096]
[比較例1]
 重合体3 54.0重量%の代わりに、重合例4で得られた重合体4 54.0重量%を用いたこと以外は実施例1と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0097]
[比較例2]
 重合体3 54.0重量%の代わりに、重合例2で得られた重合体2 47.0重量%を用い、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を40.3重量%にしたこと以外は実施例1と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0098]
[比較例3]
 重合体3 54.0重量%の代わりに、重合例2で得られた重合体2 64.0重量%を用い、ポリ・αオレフィン(NEXBASE 2006)の配合量を23.3重量%にしたこと以外は実施例1と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0099]
(比較例4)
 重合体3 69.0重量%の代わりに、重合例4で得られた重合体4 69.0重量%を用いたこと以外は実施例11と同様に配合し、ISO460相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0100]
(比較例5)
 重合体1 59.0重量%の代わりに、重合例2で得られた重合体2 59.0重量%を用いたこと以外は実施例12と同様に配合し、ISO220相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表2に示す。
[0101]
[表2]


産業上の利用可能性

[0102]
 本発明の潤滑油組成物は低温粘度特性と剪断安定性、耐熱酸化安定性に優れることから、省エネ・省資源等に優れる潤滑油組成物であり、好適には工業用潤滑油、とりわけ風力発電用潤滑油として有効である。

請求の範囲

[請求項1]
  下記の方法(α)により製造されるエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体(A)を30~90重量%、(B1)~(B3)の特性を有する合成油(B)または(C1)~(C3)の特性を有する鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤を10~70重量%(ただし、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量%とする)含有することを特徴とする潤滑油組成物;
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下であること
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下であること
(方法(α))
(a)下記式1で表される架橋メタロセン化合物、ならびに
(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および
   (ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物
を含む触媒系の下で、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの溶液重合を行う工程を含む、
 エチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を製造するための方法(α)
[化1]


〔式1において、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 8、R 9およびR 12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、任意に、互いに連結して環構造を形成しており、
 R 6およびR 11は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 7およびR 10は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 6およびR 7は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 11およびR 10は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 6、R 7、R 10およびR 11は、同時には水素原子ではなく;
 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり;
 R 13およびR 14は、独立してアリール基であり;
 Mは、Ti、ZrまたはHfであり;
 Qは、独立してハロゲン、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり;
 jは、1~4の整数である。〕
[請求項2]
 上記式1で表されるメタロセン化合物のシクロペンタジエニル基に結合した置換基(R 1、R 2、R 3およびR 4)のうちの少なくとも1つが炭素数4以上の炭化水素基である請求項1に記載の潤滑油組成物。
[請求項3]
 R 6およびR 11が同一であり、炭素数1~20の炭化水素基である請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
[請求項4]
 上記式1で表されるメタロセン化合物のシクロペンタジエニル基の3位に結合した置換基(R 2またはR 3)が炭化水素基である請求項1~3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[請求項5]
 上記式1で表されるメタロセン化合物のシクロペンタジエニル基の3位に結合した炭化水素基(R 2またはR 3)がn-ブチル基である請求項4に記載の潤滑油組成物。
[請求項6]
 上記式1で表されるメタロセン化合物のフルオレニル基の2位および7位に結合した置換基(R 6およびR 11)がすべてtert-ブチル基である請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[請求項7]
 前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する前記化合物が、下記式6で表される化合物である請求項1~6のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[化2]


〔式6において、R e+は、H +、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、または遷移金属を有するフェロセニウムカチオンであり、R f~R iは、それぞれ独立に炭素数1~20の炭化水素基である。〕
[請求項8]
 前記アンモニウムカチオンがジメチルアニリニウムカチオンである請求項7に記載の潤滑油組成物。
[請求項9]
 前記触媒系がトリメチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムからなる群から選択される有機アルミニウム化合物をさらに含む請求項7または8に記載の潤滑油組成物。
[請求項10]
 前記共重合体(A)が、エチレンと炭素数3~10のα-オレフィンとからなる共重合体であることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[請求項11]
  前記合成油(B)がポリ・αオレフィン(PAO)またはエステル油から選ばれる潤滑油基剤であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[請求項12]
  前記潤滑油組成物に、更に流動点降下剤を含有することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[請求項13]
  前記潤滑油組成物の40℃における粘度が190~750mm 2/sの範囲内にあることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
[請求項14]
 下記(A1)~(A5)の特性を有するエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を30~90重量%、(B1)~(B3)の特性を有する合成油(B)または(C1)~(C3)の特性を有する鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤を10~70重量%を(ただし、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量%とする)含有することを特徴とする潤滑油組成物;
 (A1)エチレン単位を40~60モル%、および炭素数3~20のα-オレフィン単位を60~40モル%含有すること
 (A2)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される、500~10,000の数平均分子量(Mn)、および3以下の分子量分布(Mw/Mn、Mwは重量平均分子量である。)を有すること
 (A3)30~5,000mm 2/sの100℃動粘度を有すること
 (A4)30~-45℃の流動点を有すること
 (A5)0.1g/100g以下の臭素価を有すること
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下であること
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下であること
[請求項15]
 前記潤滑油組成物が、風力発電用ギヤ油組成物である請求項1~14のいずれか一項に記載の工業用潤滑油組成物。
[請求項16]
 以下の方法(α)によりエチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体(A)を製造する工程、および
 前記液状ランダム共重合体(A)30~90重量%と、(B1)~(B3)の特性を有する合成油(B)または(C1)~(C3)の特性を有する鉱物油(C)から選ばれる1種類以上の成分からなる潤滑油基剤10~70重量%とを混合して、潤滑油組成物を製造する工程(但し、(A)、(B)および(C)成分の合計を100重量部とする。)
 (B1)100℃における動粘度が2~20mm 2/sであること
 (B2)粘度指数が130以上であること
 (B3)流動点が-30℃以下であること
 (C1)100℃における動粘度が2~10mm 2/sであること
 (C2)粘度指数が120以上であること
 (C3)流動点が-10℃以下であること
 を含む、潤滑油組成物の製造方法。
(方法(α))
(a)下記式1で表される架橋メタロセン化合物、ならびに
(b)(i)有機アルミニウムオキシ化合物、および
   (ii)前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物
を含む触媒系の下で、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの溶液重合を行う工程を含む、
 エチレンとα-オレフィンとの液状ランダム共重合体を製造するための方法(α)
[化3]


〔式1において、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 8、R 9およびR 12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、任意に、互いに連結して環構造を形成しており、
 R 6およびR 11は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 7およびR 10は、互いに同一であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、
 R 6およびR 7は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 11およびR 10は、任意に、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成し、
 R 6、R 7、R 10およびR 11は、同時には水素原子ではなく;
 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり;
 R 13およびR 14は、独立してアリール基であり;
 Mは、Ti、ZrまたはHfであり;
 Qは、独立してハロゲン、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり;
 jは、1~4の整数である。〕