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1. WO2020116508 - POWER TRANSMISSION DEVICE

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明 細 書

発明の名称 動力伝達装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

産業上の利用可能性

0081  

符号の説明

0082  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

明 細 書

発明の名称 : 動力伝達装置

技術分野

[0001]
 本発明は、任意に入力部材の回転力を出力部材に伝達させ又は遮断させ得る動力伝達装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 一般に自動二輪車が具備する動力伝達装置は、エンジンの駆動力をミッション及び駆動輪へ伝達又は遮断を任意に行わせるためのもので、エンジン側と連結された入力部材と、ミッション及び駆動輪側と連結された出力部材と、出力部材と連結されたクラッチ部材と、クラッチ部材に対して近接又は離間可能なプレッシャ部材とを有しており、プレッシャ部材をクラッチ部材に対して近接させることにより、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接させて動力の伝達を行わせるとともに、プレッシャ部材をクラッチ部材に対して離間させることにより、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力を解放させることにより当該動力の伝達を遮断するよう構成されている。
[0003]
 従来の動力伝達装置として、例えば特許文献1で開示されているように、クラッチハウジングの回転に伴う遠心力で当該溝部の内径側位置から外径側位置に移動することにより駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接させ得るウェイト部材を具備したものが提案されている。かかる従来の動力伝達装置によれば、エンジンの駆動に伴ってクラッチハウジングが回転することにより、ウェイト部材に遠心力を付与させることができ、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接させてエンジンの駆動力を車輪に伝達させることができる。
[0004]
 また、他の従来の動力伝達装置によれば、例えば特許文献2で開示されているように、長孔32及びピン30によるカム機構を有しており、ウェイト部材が内径側位置にあっても、長孔32とピン30とで構成されるカムによってクラッチハブ13を回転させつつ軸方向に移動させることにより、押圧フランジ28を駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板側に移動させ、これらクラッチ板を圧接させてエンジンブレーキを生じさせることができる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2017-155884号公報
特許文献2 : 実開昭62-143827号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、上記従来の動力伝達装置においては、エンジンブレーキを生じさせる際、長孔32及びピン30にて構成されるカム機構により駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接してクラッチオンさせ、車輪側の動力をエンジン側に伝達させることができるものの、エンジンブレーキが生じた状態でクラッチ操作してクラッチ板の圧接力を解放(クラッチオフ)するとき、クラッチ操作量が大きくなってしまいクラッチ操作を円滑に行うことができないという問題があった。
[0007]
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、エンジンブレーキを生じさせた状態におけるクラッチ操作を円滑に行わせることができる動力伝達装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 請求項1記載の発明は、車両のエンジンの駆動力で回転する入力部材と共に回転し、複数の駆動側クラッチ板が取り付けられたクラッチハウジングと、前記クラッチハウジングの駆動側クラッチ板と交互に形成された複数の被動側クラッチ板が取り付けられるとともに、車両の車輪を回転させ得る出力部材と連結されたクラッチ部材と、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接させて前記エンジンの駆動力を前記車輪に伝達可能な状態とする作動位置と、当該駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力を解放させて前記エンジンの駆動力が前記車輪に伝達されるのを遮断し得る非作動位置との間で移動可能なプレッシャ部材と、前記クラッチハウジングの径方向に延設された溝部内に配設され、当該クラッチハウジングの回転に伴う遠心力で当該溝部の内径側位置から外径側位置に移動可能とされたウェイト部材と、前記ウェイト部材が内径側位置から外径側位置に移動するのに伴って、前記プレッシャ部材を前記非作動位置から前記作動位置に移動させ得る連動部材と、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力を解放させ得る方向に前記プレッシャ部材を移動させ得る作動部材とを有した動力伝達装置において、前記プレッシャ部材は、前記連動部材の押圧力を受けて前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板を圧接させる方向に移動し得る第1プレッシャ部材と、前記作動部材の作動力を受けて前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接力を解放させる方向に移動し得る第2プレッシャ部材と、前記ウェイト部材が前記外径位置から内径位置に移動する過程で前記出力部材を介して前記クラッチ部材に回転力が入力され、前記第1プレッシャ部材が前記連動部材に追従して移動する際、当該第1プレッシャ部材に対して前記第2プレッシャ部材を移動させて前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接を保持させるバックトルク伝達用カムとを有することを特徴とする。
[0009]
 請求項2記載の発明は、請求項1記載の動力伝達装置において、前記バックトルク伝達用カムによる前記第2プレッシャ部材の移動方向と、前記作動部材の作動による前記第2プレッシャ部材の移動方向とが逆向きとされたことを特徴とする。
[0010]
 請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の動力伝達装置において、前記バックトルク伝達用カムは、前記第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材の外周縁部に形成されたことを特徴とする。
[0011]
 請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載の動力伝達装置において、前記バックトルク伝達用カムは、前記第2プレッシャ部材における前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の摺動範囲を押圧して当該第2プレッシャ部材を移動させ得ることを特徴とする。
[0012]
 請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の動力伝達装置において、前記プレッシャ部材を前記非作動位置に保持し得るとともに、前記連動部材が移動して前記プレッシャ部材が前記非作動位置から作動位置に向かって移動するのに伴って圧縮され、前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板が圧接される前の締結状態に達するまで前記連動部材及びプレッシャ部材の移動を許容しつつ付勢力を付与し得るレリーズスプリングと、前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板が前記締結状態に達した後、前記連動部材が移動する過程で圧縮され、前記連動部材の移動を許容しつつ前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接力を付与し得るクラッチスプリングと、前記第1プレッシャ部材と第2プレッシャ部材との間に介在され、前記連動部材が移動して前記プレッシャ部材が前記非作動位置から作動位置に向かう過程で圧縮することにより前記連動部材の移動を許容しつつ付勢力を付与し得る緩衝部材とを具備したことを特徴とする。
[0013]
 請求項6記載の発明は、請求項5記載の動力伝達装置において、前記緩衝部材は、円環形状の一部に切欠き部を有したC字状部材から成るウェーブスプリングとされ、前記バックトルク伝達用カムは、当該ウェーブスプリングの外周面を支持し得ることを特徴とする。
[0014]
 請求項7記載の発明は、請求項1~6の何れか1つに記載の動力伝達装置において、前記第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材にそれぞれ形成され、前記第2プレッシャ部材に伝達された回転力を前記バックトルク伝達用カムを介さず前記第1プレッシャ部材に伝達し得るトルク伝達部を具備したことを特徴とする。

発明の効果

[0015]
 請求項1の発明によれば、プレッシャ部材は、連動部材の押圧力を受けて駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板を圧接させる方向に移動し得る第1プレッシャ部材と、作動部材の作動力を受けて駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接力を解放させる方向に移動し得る第2プレッシャ部材と、ウェイト部材が外径位置から内径位置に移動する過程で出力部材を介してクラッチ部材に回転力が入力され、第1プレッシャ部材が連動部材に追従して移動する際、当該第1プレッシャ部材に対して第2プレッシャ部材を移動させて駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接を保持させるバックトルク伝達用カムとを有するので、エンジンブレーキを生じさせた状態におけるクラッチ操作を円滑に行わせることができる。
[0016]
 請求項2の発明によれば、バックトルク伝達用カムによる第2プレッシャ部材の移動方向と、作動部材の作動による第2プレッシャ部材の移動方向とが逆向きとされたので、エンジンブレーキを生じさせた状態で作動部材にてクラッチ操作する際、作動部材による作動量をより小さくすることができる。
[0017]
 請求項3の発明によれば、バックトルク伝達用カムは、第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材の外周縁部に形成されたので、より大きなカムによる推力を生じさせることができ、エンジンブレーキを生じさせる際の駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接をより一層確実に行わせることができる。
[0018]
 請求項4の発明によれば、バックトルク伝達用カムは、第2プレッシャ部材における駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の摺動範囲を押圧して当該第2プレッシャ部材を移動させ得るので、カムによる推力を効率的に駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力に変換させることができ、エンジンブレーキを生じさせる際の駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接をより一層確実に行わせることができる。
[0019]
 請求項5の発明によれば、レリーズスプリング及びクラッチスプリングに加え、第1プレッシャ部材と第2プレッシャ部材との間に介在され、連動部材が移動してプレッシャ部材が非作動位置から作動位置に向かう過程で圧縮することにより連動部材の移動を許容しつつ付勢力を付与し得る緩衝部材を具備したので、動力伝達時の唐突感を抑制して操作性を向上させることができる。
[0020]
 請求項6の発明によれば、緩衝部材は、円環形状の一部に切欠き部を有したC字状部材から成るウェーブスプリングとされ、バックトルク伝達用カムは、当該ウェーブスプリングの外周面を支持し得るので、バックトルク伝達用カムが、第2プレッシャ部材により駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接を保持させる機能と、ウェーブスプリングを支持しつつ遠心力を受けて外径方向に広がってしまうのを防止する機能とを兼ね備えることができる。
[0021]
 請求項7の発明によれば、第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材にそれぞれ形成され、第2プレッシャ部材に伝達された回転力を前記バックトルク伝達用カムを介さず第1プレッシャ部材に伝達し得るトルク伝達部を具備したので、動力伝達を安定して行わせることができる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 本発明の実施形態に係る動力伝達装置を示す外観図
[図2] 同動力伝達装置の内部構成を示す縦断面図(レリーズスプリングの配設位置の縦断面図)
[図3] 同動力伝達装置の内部構成を示す縦断面図(クラッチスプリングの配設位置の縦断面図)
[図4] 同動力伝達装置におけるクラッチハウジングを示す斜視図
[図5] 同動力伝達装置におけるクラッチ部材を示す3面図
[図6] 同動力伝達装置における第1プレッシャ部材を示す3面図
[図7] 同動力伝達装置における第2プレッシャ部材を示す3面図
[図8] 同動力伝達装置におけるクラッチ部材、第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材の組み付け前の状態を示す斜視図
[図9] 同動力伝達装置におけるクラッチ部材、第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材の組み付け前の状態を示す斜視図
[図10] 同動力伝達装置におけるクラッチ部材、第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材の組み付け後の状態を示す斜視図
[図11] 同動力伝達装置における圧接アシスト用カムの作用を説明するための模式図
[図12] 同動力伝達装置におけるバックトルクリミッタ用カムの作用を説明するための模式図
[図13] 同動力伝達装置における第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材を組み付けた状態を示す図であって、凸部の一側面及び第1当接面(トルク伝達部)が当接した状態を示す平面図
[図14] 同動力伝達装置における第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材を組み付けた状態を示す図であって、凸部の他側面及び第2当接面(移動量制限部)が当接した状態を示す平面図
[図15] 同動力伝達装置におけるバックトルク伝達用カムの作用を説明するための図であって、当該バックトルク伝達用カムが作動する前の状態を示す模式図
[図16] 同動力伝達装置におけるバックトルク伝達用カムの作用を説明するための図であって、当該バックトルク伝達用カムが作動した後の状態を示す模式図
[図17] 同動力伝達装置における緩衝部材を示す平面図及び側面図
[図18] 同緩衝部材を示す斜視図
[図19] 本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置を示す縦断面図(レリーズスプリングの配設位置の縦断面図)
[図20] 本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置を示す縦断面図(クラッチスプリングの配設位置の縦断面図)
[図21] 本発明のさらに他の実施形態に係る動力伝達装置を示す縦断面図(レリーズスプリングの配設位置の縦断面図)
[図22] 本発明のさらに他の実施形態に係る動力伝達装置を示す縦断面図(クラッチスプリングの配設位置の縦断面図)
[図23] 本発明のさらに他の実施形態(レリーズスプリングの形態及び作動部材の作動方向が異なる実施形態)に係る動力伝達装置を示す縦断面図

発明を実施するための形態

[0023]
 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
 本実施形態に係る動力伝達装置は、二輪車等の車両に配設されて任意にエンジンの駆動力をミッションや駆動輪側へ伝達し又は遮断するためのもので、図1~10に示すように、車両のエンジンの駆動力で回転する入力ギア1(入力部材)が形成されたクラッチハウジング2と、クラッチ部材4と、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bと、複数の駆動側クラッチ板6及び複数の被動側クラッチ板7と、クラッチハウジング2内を径方向に移動(転動)可能な鋼球部材から成るウェイト部材8と、連動部材9と、手動操作又はアクチュエータ(不図示)により作動可能な作動部材10とから主に構成されている。なお、図中符号B1はボールベアリング、及び符号B2はスラストベアリングをそれぞれ示している。
[0024]
 入力ギア1は、エンジンから伝達された駆動力(回転力)が入力されると出力シャフト3を中心として回転可能とされたもので、リベットR等によりクラッチハウジング2と連結されている。クラッチハウジング2は、図2、3中右端側が開口した円筒状部材から成り、入力ギア1と連結して構成されており、エンジンの駆動力により入力ギア1の回転と共に回転し得るようになっている。
[0025]
 また、クラッチハウジング2には、図1、4に示すように、周方向に亘って複数の切欠き2aが形成されており、これら切欠き2aに嵌合して複数の駆動側クラッチ板6が取り付けられている。かかる駆動側クラッチ板6のそれぞれは、略円環状に形成された板材から成るとともにクラッチハウジング2の回転と共に回転し、且つ、軸方向(図2、3中左右方向)に摺動し得るよう構成されている。
[0026]
 さらに、クラッチハウジング2は、図4に示すように、その底面において径方向に延設された複数の溝部2bが形成されている。かかる溝部2bには、それぞれウェイト部材8が配設されており、クラッチハウジング2が停止した状態(エンジン停止状態)及び低速で回転した状態(アイドリング状態)では、当該ウェイト部材8が内径側位置とされるとともに、クラッチハウジング2が高速で回転した状態では、当該ウェイト部材8が外径側位置となるよう設定されている。
[0027]
 クラッチ部材4は、クラッチハウジング2の駆動側クラッチ板6と交互に形成された複数の被動側クラッチ板7が取り付けられるとともに、車両の車輪を回転させ得る出力シャフト3(出力部材)と連結されたものである。かかるクラッチ部材4は、図5に示すように、周縁部に亘ってフランジ面4cが形成されており、その中央に形成された挿通孔4dに出力シャフト3が挿通され、互いに形成されたギアが噛み合って回転方向に連結されるよう構成されている。
[0028]
 また、本実施形態に係るクラッチ部材4には、図5、9に示すように、圧接アシスト用カムを構成する勾配面4aと、バックトルクリミッタ用カムを構成する勾配面4bとが形成されている。さらに、クラッチ部材4は、外周面にスプライン嵌合部4fが形成されており、当該スプライン嵌合部4fに対して被動側クラッチ板7がスプライン嵌合にて取り付けられるよう構成されている。
[0029]
 そして、クラッチ部材4には、図8~10に示すように、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが組み付けられ、第2プレッシャ部材5bのフランジ面5baとクラッチ部材4のフランジ面4cとの間に複数の駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7が交互に積層状態にて取り付けられるようになっている。また、クラッチ部材4の中央には、軸方向に突出したボス部4eが形成されており、当該ボス部4eの内部における長手方向に挿通孔4dが形成されている。
[0030]
 しかるに、クラッチ部材4及び第1プレッシャ部材5aの間に第2プレッシャ部材5bを介在させつつクラッチ部材4のボス部4eを第1プレッシャ部材5aの挿通孔5acに挿通させることにより、これらクラッチ部材4、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが組み付けられるようになっている。なお、クラッチ部材4には、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが組み付けられた状態において、第2プレッシャ部材5bに突出形成された突出部5bbを挿通させる貫通孔4gが形成されるとともに、ベアリング保持部材Cを取り付けるための取付部4hが形成されている。
[0031]
 プレッシャ部材(5a、5b)は、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接させてエンジンの駆動力を車輪に伝達可能な状態とする作動位置と、当該駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放させてエンジンの駆動力が車輪に伝達されるのを遮断し得る非作動位置との間で移動可能なもので、本実施形態においては、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bにて構成されている。
[0032]
 第1プレッシャ部材5aは、連動部材9の押圧力を受けて駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7を圧接させる方向に移動し得るもので、図6、8に示すように、圧接アシスト用カムを構成する勾配面5aaと、バックトルクリミッタ用カムを構成する勾配面5abとが形成されている。また、第1プレッシャ部材5aは、中央に挿通孔5acが形成された円筒状部材から成り、この挿通孔5acにクラッチ部材4のボス部4eが挿通して組み付けられるようになっている。
[0033]
 さらに、第1プレッシャ部材5aは、クラッチスプリング11が取り付けられる取付凹部5adと、レリーズスプリング12が取り付けられる取付凹部5aeとが形成されており、図2、3に示すように、第1プレッシャ部材5aと連動部材9との間でクラッチスプリング11が圧縮可能に保持されるとともに、第1プレッシャ部材5aとベアリング保持部材Cとの間でレリーズスプリング12が圧縮可能に保持されている。
[0034]
 第2プレッシャ部材5bは、作動部材10の作動力を受けて駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の圧接力を解放させる方向に移動し得るもので、図7~9に示すように、フランジ面5baと、突出部5bbとが形成された円環状部材から成る。そして、第1プレッシャ部材5a、第2プレッシャ部材5b及びクラッチ部材4を組み付けた状態において、クラッチ部材4のフランジ面4cと第2プレッシャ部材5bのフランジ面5baとにより積層状態の駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7を挟持させるようになっている。
[0035]
 しかして、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが図2、3中B方向に移動して作動位置に達すると、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7を圧接させて車両のエンジンの駆動力を車輪に伝達可能な状態とするとともに、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが図2、3中A方向に移動して非作動位置に達すると、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放させてエンジンの駆動力が車輪に伝達されるのを遮断し得るよう構成されている。
[0036]
 すなわち、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とが圧接された状態にて、クラッチハウジング2に入力された回転力(エンジンの駆動力)を出力シャフト3(出力部材)を介して車輪側に伝達するとともに、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接が解放された状態にて、クラッチハウジング2に入力された回転力(エンジンの駆動力)が出力シャフト3(出力部材)に伝達されるのを遮断し得るようになっている。
[0037]
 さらに、本実施形態においては、図6~9に示すように、クラッチ部材4に勾配面4a、4bが形成されるとともに、第1プレッシャ部材5aに勾配面5aa、5abが形成されており、第1プレッシャ部材5a、第2プレッシャ部材5b及びクラッチ部材4を組み付けた状態において、勾配面4aと勾配面5aaとが対峙して圧接アシスト用カムを構成するとともに、勾配面4bと勾配面5abとが対峙してバックトルクリミッタ用カムを構成している。
[0038]
 そして、エンジンの回転数が上がり、入力ギア1及びクラッチハウジング2に入力された回転力が、クラッチ部材4を介して出力シャフト3に伝達され得る状態(ウェイト部材8が外径側位置)となったときに、図11に示すように、第1プレッシャ部材5aにはa方向の回転力が付与されるため、圧接アシスト用カムの作用により、当該第1プレッシャ部材5aには同図中c方向への力が発生する。これにより、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bは、第2プレッシャ部材5bのフランジ面5baがクラッチ部材4のフランジ面4cに対して更に近接する方向(図2、3中B方向)に移動して、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を増加させるようになっている。
[0039]
 一方、車両が走行中、出力シャフト3の回転が入力ギア1及びクラッチハウジング2の回転数を上回って、図12中b方向のバックトルクが生じた際には、バックトルクリミッタ用カムの作用により、第1プレッシャ部材5aを同図中d方向へ移動させて駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放させるようになっている。これにより、バックトルクによる動力伝達装置や動力源(エンジン側)に対する不具合を回避することができる。
[0040]
 ウェイト部材8は、クラッチハウジング2の径方向に延設された溝部2b(図4参照)内に配設され、当該クラッチハウジング2の回転に伴う遠心力で当該溝部2bの内径側位置から外径側位置に移動することにより駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接させ得るものである。すなわち、溝部2bにおけるウェイト部材8の転動面(底面)は、内径側位置から外径側位置に向かって上り勾配とされており、クラッチハウジング2が停止した状態ではウェイト部材8をレリーズスプリング12の付勢力にて内径側位置に保持させるとともに、クラッチハウジング2が回転すると、ウェイト部材8に遠心力が付与されて上り勾配に沿って移動させ、当該クラッチハウジング2が所定の回転数に達することにより外径側位置まで移動させるようになっている。
[0041]
 連動部材9は、クラッチハウジング2内に配設された第1連動部材9a及び第2連動部材9bを有して成るもので、クラッチハウジング2に嵌合して連結され、当該クラッチハウジング2と共に回転可能とされるとともに、図2、3中左右方向に移動可能とされている。なお、第1連動部材9a及び第2連動部材9bの間には、スラストベアリングB2が介在して取り付けられており、第1連動部材9aと第2連動部材9bとが独立して回転可能とされている。そして、第1連動部材9a及び第2連動部材9bは、ウェイト部材8が内径側位置から外径側位置に移動するのに伴って、レリーズスプリング12の付勢力に抗して図2、3中B方向に一体的に移動し、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bを押圧して非作動位置から作動位置に移動させ得るよう構成されている。
[0042]
 作動部材10は、手動又はアクチュエータで操作可能な部材(図2、3参照)から成り、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放させ得る方向(図2、3中A方向)に第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bを移動させ得るものである。なお、作動部材10は、変速操作時、例えば車両が具備するクラッチペダルやクラッチレバー等に対する操作、或いはアクチュエータの作動により図2、3中A方向に移動してベアリング保持部材Cを介して第2プレッシャ部材5bの突出部5bbの突端と当接し、当該第2プレッシャ部材5bを作動位置から非作動位置まで移動させることにより、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放してクラッチをオフ(動力の伝達を遮断)させ得るようになっている。
[0043]
 さらに、本実施形態に係るベアリング保持部材Cは、図2に示すように、第1プレッシャ部材5aとの間でレリーズスプリング12を保持している。かかるレリーズスプリング12は、第1プレッシャ部材5aを非作動位置に保持し得るとともに、連動部材9が移動して第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが非作動位置から作動位置に向かって移動するのに伴って圧縮され、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7が圧接される前の締結状態(駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との離間距離がゼロとなり、且つ、圧接による動力伝達が行われる直前の状態)に達するまで連動部材9、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの移動を許容しつつ付勢力を付与し得るものである。
[0044]
 クラッチスプリング11は、連動部材9と第1プレッシャ部材5aとの間に介装されたコイルスプリングから成り、当該連動部材9の移動に伴い第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bを押圧して駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接させる方向に当該プレッシャ部材5を移動させ得るとともに、作動部材10の作動時、当該第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの連動部材9に対する押圧力を吸収し得るものである。
[0045]
 また、本実施形態に係るクラッチスプリング11は、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7が上述の如き締結状態に達するまでは、圧縮されず(撓まず)に第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bと一体的に移動するとともに、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7が締結状態に達した後、連動部材9が移動する過程で圧縮され、連動部材9の移動を許容しつつ駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の圧接力を付与し得るよう構成されている。
[0046]
 すなわち、クラッチハウジング2の回転に伴ってウェイト部材8が中間位置から外径側位置に移動し、連動部材9がウェイト部材8に押圧されると、その押圧力がクラッチスプリング11を介して第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bに伝達され、当該第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bを図2、3中B方向に移動して駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接させるとともに、その状態にて作動部材10を作動させると、作動部材10の押圧力にて第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが同図中A方向に移動するものの、連動部材9に対する押圧力はクラッチスプリング11にて吸収され、当該連動部材9の位置(ウェイト部材8の位置)は保持されるのである。
[0047]
 ここで、本実施形態に係る動力伝達装置は、ウェイト部材8が外径位置から内径位置に移動する過程で出力シャフト3を介してクラッチ部材4に回転力が入力され、第1プレッシャ部材5aが連動部材9に追従して移動する際、当該第1プレッシャ部材5aに対して第2プレッシャ部材5bを移動させて駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接を保持させるバックトルク伝達用カム(カム面K1、T1)を有している。かかるバックトルク伝達用カムは、図6~9に示すように、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの合わせ面(組み合わせ時の合わせ面)にそれぞれ一体形成されたカム面(K1、T1)により構成されている。
[0048]
 カム面K1は、第1プレッシャ部材5aの外周縁部において、その周方向に亘って複数形成された勾配面から成り、当該第1プレッシャ部材5aの外周縁部に沿って円環状に複数形成された溝部Kの一方の端面に形成されている。すなわち、第1プレッシャ部材5aの外周縁部には、その周方向に亘って複数の溝部Kが形成されており、各溝部Kの一方の端面が勾配面とされてバックトルク伝達用カムのカム面K1を構成しているのである。なお、各溝部Kの他方の端面は、第1クラッチ部材4aの軸方向に延びた壁面K2とされている。
[0049]
 カム面T1は、第2プレッシャ部材5bの外周縁部において、その全周に亘って複数形成された勾配面から成り、当該第2プレッシャ部材5bの外周縁部に沿って円環状に複数形成された突出部Tの一方の端面に形成されている。すなわち、第2プレッシャ部材5bには、その周方向に亘って複数の突出部Tが形成されており、各突出部Tの一方の端面が勾配面とされてバックトルク伝達用カムのカム面T1を構成しているのである。なお、各突出部Tの他方の端面は、第2クラッチ部材4bの軸方向に延びた壁面T2とされている。
[0050]
 そして、溝部Kに突出部Tを嵌入させて第1プレッシャ部材5aと第2プレッシャ部材5bとを組み合わせると、図15に示すように、カム面K1とカム面T1とが対峙してバックトルク伝達用カムを構成するとともに、壁面K2と壁面T2とが所定寸法離間して対峙するようになっている。これにより、車両の走行中、エンジンの回転数が下がってウェイト部材8が外径位置から内径位置に移動する過程において、出力シャフト3を介してクラッチ部材4に回転力が入力され、第1プレッシャ部材5aが連動部材9に追従して移動する際、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが相対的に回転するので、カム面K1とカム面T1とのカムの作用によって、第1プレッシャ部材5aに対して第2プレッシャ部材5bを図2、3中B方向に移動させて駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接を保持させることができる。
[0051]
 すなわち、車両が下り坂を走行する際、エンジンの回転数が下がってウェイト部材8が外径位置から内径位置に移動すると、第1プレッシャ部材5aがウェイト部材8に追従して図2、3中A方向に移動するのであるが、車輪の回転力が出力シャフト3を介してクラッチ部材4に伝達されると、第1プレッシャ部材5aと第2プレッシャ部材5bとの間で相対的な回転が生じてカム面K1とカム面T1との間でカムの作用が生じることとなり、第2プレッシャ部材5bを図2、3中B方向に移動させて駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接を保持させるので、エンジンブレーキを生じさせることができる。
[0052]
 そして、エンジンブレーキが生じた状態から、手動又はアクチュエータで作動部材10を操作すると、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接を保持していた第2プレッシャ部材5bが図2、3中a方向に移動するので、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放してクラッチをオフすることができる。このとき、本実施形態においては、バックトルク伝達用カムによる第2プレッシャ部材5bの移動方向(図2、3中B方向)と、作動部材10の作動による第2プレッシャ部材5bの移動方向(同図中A方向)とが逆向きとされているので、エンジンブレーキが生じている状態において、クラッチをオフ(駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放)する場合、作動部材10の操作量が過度に大きくなってしまうのを回避することができる。
[0053]
 また、本実施形態に係るバックトルク伝達用カムは、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの外周縁部に形成されるとともに、第2プレッシャ部材5bにおける駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の摺動範囲H(圧接力が働く範囲)(図2、3参照)を押圧して当該第2プレッシャ部材5bを移動させ得るよう構成されている。すなわち、バックトルク伝達用カムによる第2プレッシャ部材5bの推進力は、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの最外径において生じ、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の摺動範囲Hに及ぶようになっている。
[0054]
 しかるに、バックトルク伝達用カムの作動時、連動部材9とウェイト部材8とが離間してしまうと、その後、クラッチハウジング2の回転に伴ってウェイト部材8が内径側位置と外径側位置との間を移動しても、その移動に連動部材9を素早く追従させることができない場合があるのに対し、本実施形態によれば、バックトルク伝達用カムの作動時においても、第1プレッシャ部材5aが連動部材9に追従して連動部材9とウェイト部材8との当接を保持させることができるので、ウェイト部材8の移動に連動部材9を安定して追従させることができる。
[0055]
 なお、本実施形態に係るバックトルク伝達用カム(カム面K1及びカム面T1で構成されるカム)は、バックトルクリミッタ用カム(勾配面4b及び勾配面5abで構成されるカム)の作動前に作動し得る構成とされている。すなわち、カム面K1及びカム面T1の間のクリアランス(間隙寸法)は、勾配面4b及び勾配面5abの間のクリアランス(間隙寸法)よりも小さく設定されており、バックトルクリミッタ用カムの作動前にバックトルク伝達用カムが作動し得るようになっている。
[0056]
 さらに、本実施形態に係る動力伝達装置においては、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bにそれぞれ形成され、第2プレッシャ部材5bに伝達された回転力をバックトルク伝達用カム(カム面K1及びカム面T1)を介さず第1プレッシャ部材5aに伝達し得るトルク伝達部と、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bにそれぞれ形成され、バックトルク伝達用カム(カム面K1及びカム面T1)による第2プレッシャ部材5bの移動量を制限する移動量制限部とを具備している。
[0057]
 すなわち、第1プレッシャ部材5aには、図6、8に示すように、凸部Fが周方向に亘って等間隔に複数(本実施形態においては3つ)一体形成されており、第2プレッシャ部材5bには、図7、8、9に示すように、内側に向かって延びた突出部Gが一体形成されている。そして、第1プレッシャ部材5aと第2プレッシャ部材5bとが組み付けられると、図13、14に示すように、一つの凸部Fが2つの突出部Gに挟まれた状態となっており、凸部Fの一側面F1と一方の突出部Gの当接面(第1当接面G1)とが対峙するとともに、凸部Fの他側面F2と他方の突出部Gの当接面(第2当接面G2)とが対峙するよう構成されている。
[0058]
 しかして、第1プレッシャ部材5aに形成された凸部Fの一側面F1と第2プレッシャ部材5bに形成された一方の突出部Gの第1当接面G1とは、本実施形態に係るトルク伝達部を構成している。すなわち、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが作動位置に移動して駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7が圧接されてクラッチがオン(駆動力を伝達)すると、バックトルク伝達用カムにおける溝部Kの壁面K2と突出部Tの壁面T2との離間状態(図15参照)が保持されつつ、図13に示すように、凸部Fの一側面F1と突出部Gの第1当接面G1とが当接し、第2プレッシャ部材5bの回転力を受けて第1プレッシャ部材5aに伝達し得るのである。
[0059]
 また、第1プレッシャ部材5aに形成された凸部Fの他側面F2と第2プレッシャ部材5bに形成された他方の突出部Gの第2当接面G2とは、本実施形態に係る移動量制限部を構成している。すなわち、出力シャフト3を介してクラッチ部材4に回転力が入力されると、第1プレッシャ部材5aと第2プレッシャ部材5bとが相対的に回転するので、バックトルク伝達用カムにおける溝部Kのカム面K1と突出部Tのカム面T1とのカムの作用により第2プレッシャ部材5bが移動する(図16参照)。そして、その移動量が設定値に達すると、図14に示すように、凸部Fの他側面F2と突出部Gの第2当接面G2とが当接し、第1プレッシャ部材5aに対する第2プレッシャ部材5bの相対回転が規制されるので、バックトルク伝達用カムが作動した際の第2プレッシャ部材5bの移動量を制限することができる。
[0060]
 本実施形態においては、第1プレッシャ部材5aに凸部Fを形成し、第2プレッシャ部材5bに突出部Gを形成しているが、これに代えて、第1プレッシャ部材5aに突出部Gを形成し、第2プレッシャ部材5bに凸部Fを形成するようにしてもよい。この場合、第2プレッシャ部材5bに形成された凸部Fの一側面F1と第1プレッシャ部材5aに形成された一方の突出部Gの第1当接面G1とは、本実施形態に係るトルク伝達部を構成するとともに、第2プレッシャ部材5bに形成された凸部Fの他側面F2と第1プレッシャ部材5aに形成された他方の突出部Gの第2当接面G2とは、本実施形態に係る移動量制限部を構成する。
[0061]
 またさらに、本実施形態においては、第1プレッシャ部材5aと第2プレッシャ部材5bとの間に介在され、連動部材9が移動して第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが非作動位置から作動位置に向かう過程で圧縮する(スプリングが撓む)ことにより連動部材9及びプレッシャ部材5の移動を許容しつつ付勢力を付与し得る緩衝部材13を具備している。かかる緩衝部材13は、クラッチスプリング11が圧縮開始する前に圧縮される荷重に設定されたスプリングから成り、図2、3に示すように、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが対峙する面(具体的には、第1プレッシャ部材5aにおける第2プレッシャ部材5bと対峙する面)に組み付けられている。
[0062]
 より具体的には、緩衝部材13は、図17、18に示すように、円環状の一部に切欠き部13aが形成されたC字形状のウェーブスプリングから成り、厚み方向tに対して波形(ウェーブ形状)に形成されて弾力を生じ得るもので、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bとの間に介在され、連動部材9が移動して第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bが非作動位置から作動位置に向かう過程で圧縮することにより連動部材9の移動を許容しつつ付勢力を付与し得るよう構成されている。
[0063]
 かかる緩衝部材13を具備することにより、連動部材9が移動開始するとき、連動部材9に対する押し付け荷重(N)がレリーズスプリング12のセット荷重となって当該レリーズスプリング12が撓み始め(圧縮開始)、連動部材9の移動量が所定寸法に達すると、緩衝部材13が撓み始め(圧縮開始)、その後、連動部材9の移動量が所定寸法に達すると、押し付け荷重(N)がクラッチスプリング11のセット荷重(P2)に達することにより、当該クラッチスプリング11が撓み始める(圧縮開始する)よう構成されている。そして、クラッチスプリング11は、最大荷重(作動荷重の上限)に達するまで、連動部材9の移動によって継続して圧縮する(撓み続ける)こととなる。
[0064]
 したがって、押し付け荷重が増加する過程で緩衝部材13が継続的に圧縮して(撓んで)当該連動部材9の移動が許容されるので、連動部材9が停止してしまう不感帯領域を低減し、ウェイト部材8及び連動部材9を円滑且つ継続的に移動させることができる。よって、緩衝部材13を具備することにより、クラッチ締結時のショックを抑制して動力伝達時の唐突感を抑制することができる。
[0065]
 さらに、本実施形態に係る緩衝部材13は、バックトルク伝達用カムを構成する突出部Tの内径側に配設されている。すなわち、緩衝部材13は、その外周面がバックトルク伝達用カムを構成する突出部Tにより支持されており、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの回転に伴って緩衝部材13に遠心力が生じた場合、突出部Tによって緩衝部材13が拡径してしまうのを防止することができる。
[0066]
 本実施形態によれば、プレッシャ部材(5a、5b)は、連動部材9の押圧力を受けて駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7を圧接させる方向に移動し得る第1プレッシャ部材5aと、作動部材10の作動力を受けて駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の圧接力を解放させる方向に移動し得る第2プレッシャ部材5bと、ウェイト部材8が外径位置から内径位置に移動する過程で出力シャフト3を介してクラッチ部材4に回転力が入力され、第1プレッシャ部材5aが連動部材9に追従して移動する際、当該第1プレッシャ部材5aに対して第2プレッシャ部材5bを移動させて駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接を保持させるバックトルク伝達用カム(K1、T1)とを有するので、エンジンブレーキを生じさせた状態におけるクラッチ操作を円滑に行わせることができる。
[0067]
 また、バックトルク伝達用カム(K1、T1)による第2プレッシャ部材5bの移動方向と、作動部材10の作動による第2プレッシャ部材5bの移動方向とが逆向きとされたので、エンジンブレーキを生じさせた状態で作動部材10にてクラッチ操作する際、作動部材10による作動量をより小さくすることができる。さらに、バックトルク伝達用カム(K1、T1)は、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの外周縁部に形成されたので、より大きなカム推力を生じさせることができ、エンジンブレーキを生じさせる際の駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接をより一層確実に行わせることができる。
[0068]
 またさらに、バックトルク伝達用カム(K1、T1)は、第2プレッシャ部材5bにおける駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の摺動範囲Hを押圧して当該第2プレッシャ部材5bを移動させ得るので、カムによる推力を効率的に駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力に変換させることができ、エンジンブレーキを生じさせる際の駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接をより一層確実に行わせることができる。
[0069]
 また、レリーズスプリング12及びクラッチスプリング11に加え、第1プレッシャ部材5aと第2プレッシャ部材5bとの間に介在され、連動部材9が移動してプレッシャ部材(5a、5b)が非作動位置から作動位置に向かう過程で圧縮することにより連動部材9の移動を許容しつつ付勢力を付与し得る緩衝部材13を具備したので、動力伝達時の唐突感を抑制して操作性を向上させることができる。
[0070]
 さらに、本実施形態に係る緩衝部材13は、円環形状の一部に切欠き部13aを有したC字状部材から成るウェーブスプリングとされ、バックトルク伝達用カム(K1、T1)は、当該ウェーブスプリングの外周面を支持し得るので、バックトルク伝達用カム(K1、T1)が、第2プレッシャ部材5bにより駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7の圧接を保持させる機能と、ウェーブスプリングを支持しつつ遠心力を受けて外径方向に広がってしまうのを防止する機能とを兼ね備えることができる。
[0071]
 またさらに、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bにそれぞれ形成され、第2プレッシャ部材5bに伝達された回転力をバックトルク伝達用カム(K1、T1)を介さず第1プレッシャ部材5aに伝達し得るトルク伝達部(凸部Fの一側面F1及び突出部Gの第1当接面G1)を具備したので、動力伝達を安定して行わせることができる。
[0072]
 なお、上記実施形態によれば、バックトルク伝達用カムは、連動部材9に対して近接する方向に第2クラッチ部材4bを移動させて当該連動部材9とウェイト部材8との当接を保持し得るので、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7を圧接させることにより車輪側の回転力をエンジン側に伝達してエンジンブレーキを生じさせることができるとともに、エンジンブレーキを生じさせた際のウェイト部材8による作動を安定して行わせることができる。
[0073]
 また、本実施形態に係るバックトルク伝達用カムは、第1クラッチ部材4a及び第2クラッチ部材4bのそれぞれに一体形成されたカム面(K1、T1)にて構成され、当該カム面(K1、T1)は、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの合わせ面にそれぞれ形成されたので、バックトルク伝達用カムによる第2プレッシャ部材5bの移動を確実且つ円滑に行わせることができる。
[0074]
 さらに、クラッチ部材4に形成された勾配面4aと第1プレッシャ部材5aに形成された勾配面5aaとを対峙させて構成され、入力ギア1(入力部材)に入力された回転力が出力シャフト3(出力部材)に伝達され得る状態となったときに駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を増加させるための圧接アシスト用カムを具備したので、遠心力によるウェイト部材8の移動に伴う圧接力に加えて圧接アシスト用カムによる圧接力を付与させることができ、より円滑かつ確実に駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接させることができる。
[0075]
 またさらに、クラッチ部材4に形成された勾配面4bと第1プレッシャ部材5aに形成された勾配面5abとを対峙させて構成され、出力シャフト3(出力部材)の回転が入力ギア1(入力部材)の回転数を上回って当該クラッチ部材4とプレッシャ部材(5a、5b)とが相対的に回転したとき、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力を解放させ得るバックトルクリミッタ用カムを具備したので、ウェイト部材8が外径側位置にあるとき、入力ギア1を介してエンジン側に過大な動力が伝達されてしまうのを回避することができるとともに、バックトルクリミッタ用カムの作動前にバックトルク伝達用カムを作動させる構成とされたので、バックトルク伝達用カムによる作動を確実に行わせることができる。
[0076]
 加えて、本実施形態によれば、出力シャフト3(出力部材)を介してクラッチ部材4に回転力が入力されると、第2プレッシャ部材5bを移動させて駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接させ得るバックトルク伝達用カムと、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bにそれぞれ形成され、第2プレッシャ部材5bに伝達された回転力をバックトルク伝達用カム(カム面K1及びカム面T1)を介さず第1プレッシャ部材5aに伝達し得るトルク伝達部とを具備したので、駆動側クラッチ板6及び被動側クラッチ板7を圧接させることにより車輪側の回転力をエンジン側に伝達してエンジンブレーキを生じさせることができるとともに、ウェイト部材8が外径側位置に移動してプレッシャ部材5が作動位置に移動するときの動力伝達を安定して行わせることができる。
[0077]
 また、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bにそれぞれ形成され、バックトルク伝達用カムによる第2プレッシャ部材5bの移動量を制限する移動量制限部を具備したので、バックトルク伝達用カムによる第2プレッシャ部材5bの移動を設定された範囲内にて行わせることができる。
[0078]
 さらに、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの何れか一方に凸部Fが形成されるとともに、トルク伝達部は、当該凸部Fの一側面F1と該一側面F1と当接して回転力を受け得る第1当接面G1とから成るとともに、移動量制限部は、当該凸部Fの他側面F2と該他側面F2と当接して移動量を制限し得る第2当接面G2とから成るので、トルク伝達部及び移動量制限部の機能を凸部Fが兼用して行わせることができる。
[0079]
 以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば図19、20に示すように、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの間に配設された皿バネ14を緩衝部材としてもよく、図21、22に示すように、第1プレッシャ部材5a及び第2プレッシャ部材5bの間に緩衝部材を具備しないものとしてもよい。なお、本発明の動力伝達装置は、自動二輪車の他、自動車、3輪又は4輪バギー、或いは汎用機等種々の多板クラッチ型の動力伝達装置に適用することができる。
[0080]
 さらに、図23に示すように、カップ状のベアリング保持部材Cを具備するとともに、そのベアリング保持部材Cの頂部に形成された開口にローラベアリングB1を介して作動部材10が係止され、運転者の操作やアクチュエータの作動によって同図中左右方向に移動することにより、プレッシャ部材5を作動位置と非作動位置との間で移動可能なものであってもよい。この場合、レリーズスプリング12は、第2プレッシャ部材5bとベアリング保持部材Cとの間に跨がる円形状の皿バネとされている。なお、同図中符号rは、オイル流路rを示している。

産業上の利用可能性

[0081]
 プレッシャ部材は、連動部材の押圧力を受けて駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板を圧接させる方向に移動し得る第1プレッシャ部材と、作動部材の作動力を受けて駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接力を解放させる方向に移動し得る第2プレッシャ部材と、ウェイト部材が外径位置から内径位置に移動する過程で出力部材を介してクラッチ部材に回転力が入力され、第1プレッシャ部材が連動部材に追従して移動する際、当該第1プレッシャ部材に対して第2プレッシャ部材を移動させて駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接を保持させるバックトルク伝達用カムとを有する動力伝達装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。

符号の説明

[0082]
1 入力ギア(入力部材)
2 クラッチハウジング
2a 切欠き
2b 溝部
3 出力シャフト(出力部材)
4 クラッチ部材
4a 勾配面(圧接アシスト用カム)
4b 勾配面(バックトルクリミッタ用カム)
4c フランジ面
4d 挿通孔
4e ボス部
4f スプライン嵌合部
4g 貫通孔
4h 取付部
5a 第1プレッシャ部材
5aa 勾配面(圧接アシスト用カム)
5ab 勾配面(バックトルクリミッタ用カム)
5ac 挿通孔
5ad 取付凹部
5ae 取付凹部
5b 第2プレッシャ部材
5ba フランジ面
5bb 突出部
6 駆動側クラッチ板
7 被動側クラッチ板
8 ウェイト部材
9 連動部材
9a 第1連動部材
9b 第2連動部材
10 作動部材
11 クラッチスプリング
12 レリーズスプリング
13 緩衝部材
14 皿バネ
C ベアリング保持部材
K 溝部
K1 カム面
K2 壁面
T 突出部
T1 カム面
T2 壁面
F 凸部
G 突出部
G1 第1当接面
G2 第2当接面

請求の範囲

[請求項1]
 車両のエンジンの駆動力で回転する入力部材と共に回転し、複数の駆動側クラッチ板が取り付けられたクラッチハウジングと、
 前記クラッチハウジングの駆動側クラッチ板と交互に形成された複数の被動側クラッチ板が取り付けられるとともに、車両の車輪を回転させ得る出力部材と連結されたクラッチ部材と、
 前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接させて前記エンジンの駆動力を前記車輪に伝達可能な状態とする作動位置と、当該駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力を解放させて前記エンジンの駆動力が前記車輪に伝達されるのを遮断し得る非作動位置との間で移動可能なプレッシャ部材と、
 前記クラッチハウジングの径方向に延設された溝部内に配設され、当該クラッチハウジングの回転に伴う遠心力で当該溝部の内径側位置から外径側位置に移動可能とされたウェイト部材と、
 前記ウェイト部材が内径側位置から外径側位置に移動するのに伴って、前記プレッシャ部材を前記非作動位置から前記作動位置に移動させ得る連動部材と、
 前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力を解放させ得る方向に前記プレッシャ部材を移動させ得る作動部材と、
を有した動力伝達装置において、
 前記プレッシャ部材は、
 前記連動部材の押圧力を受けて前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板を圧接させる方向に移動し得る第1プレッシャ部材と、
 前記作動部材の作動力を受けて前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接力を解放させる方向に移動し得る第2プレッシャ部材と、
 前記ウェイト部材が前記外径位置から内径位置に移動する過程で前記出力部材を介して前記クラッチ部材に回転力が入力され、前記第1プレッシャ部材が前記連動部材に追従して移動する際、当該第1プレッシャ部材に対して前記第2プレッシャ部材を移動させて前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接を保持させるバックトルク伝達用カムと、
を有することを特徴とする動力伝達装置。
[請求項2]
 前記バックトルク伝達用カムによる前記第2プレッシャ部材の移動方向と、前記作動部材の作動による前記第2プレッシャ部材の移動方向とが逆向きとされたことを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
[請求項3]
 前記バックトルク伝達用カムは、前記第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材の外周縁部に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動力伝達装置。
[請求項4]
 前記バックトルク伝達用カムは、前記第2プレッシャ部材における前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の摺動範囲を押圧して当該第2プレッシャ部材を移動させ得ることを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の動力伝達装置。
[請求項5]
 前記プレッシャ部材を前記非作動位置に保持し得るとともに、前記連動部材が移動して前記プレッシャ部材が前記非作動位置から作動位置に向かって移動するのに伴って圧縮され、前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板が圧接される前の締結状態に達するまで前記連動部材及びプレッシャ部材の移動を許容しつつ付勢力を付与し得るレリーズスプリングと、
 前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板が前記締結状態に達した後、前記連動部材が移動する過程で圧縮され、前記連動部材の移動を許容しつつ前記駆動側クラッチ板及び被動側クラッチ板の圧接力を付与し得るクラッチスプリングと、
 前記第1プレッシャ部材と第2プレッシャ部材との間に介在され、前記連動部材が移動して前記プレッシャ部材が前記非作動位置から作動位置に向かう過程で圧縮することにより前記連動部材の移動を許容しつつ付勢力を付与し得る緩衝部材と、
を具備したことを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の動力伝達装置。
[請求項6]
 前記緩衝部材は、円環形状の一部に切欠き部を有したC字状部材から成るウェーブスプリングとされ、前記バックトルク伝達用カムは、当該ウェーブスプリングの外周面を支持し得ることを特徴とする請求項5記載の動力伝達装置。
[請求項7]
 前記第1プレッシャ部材及び第2プレッシャ部材にそれぞれ形成され、前記第2プレッシャ部材に伝達された回転力を前記バックトルク伝達用カムを介さず前記第1プレッシャ部材に伝達し得るトルク伝達部を具備したことを特徴とする請求項1~6の何れか1つに記載の動力伝達装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

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