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1. WO2020116419 - GLOVE

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明 細 書

発明の名称 手袋

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

実施例

0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

請求の範囲

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 手袋

技術分野

[0001]
 本発明は、水を含有するウレタン樹脂組成物による皮膜を有する手袋に関するものである。

背景技術

[0002]
 一般にゴム弾性を有する材料として使用されるゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等が利用されている。これらを手袋に使用した場合、天然ゴムに含まれるたんぱく質によるアレルギーや、これらゴム全般に使用される加硫剤、加硫促進剤によるアレルギーが問題になる場合がある。
[0003]
 そこで、これらのゴムの代替材料として、上記の物質を含まないゴム弾性を有するウレタン樹脂の利用が有望である。これまで手袋加工ではゴムラテックスが広く利用されており、同じ製造設備で使用できるウレタンディスパージョン(水中にウレタン樹脂が分散等したもの。)への代替が、その中でも特に有望である。
[0004]
 前記手袋として、特に医療用手袋では高い柔軟性とアルコール等に対する高い耐薬品性とが求められる。前記手袋用のウレタンディスパージョンとしては、例えば、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールの導入により、耐薬品性を向上する手法が有効である(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、ポリエステルポリオールは耐加水分解性に劣り、ポリカーボネートポリオールは皮膜の硬質化を招く。このように、高いレベルで柔軟性と耐薬品性とを両立する材料は未だ見出されていないのが実情である。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特表2005-526889号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明が解決しようとする課題は、水を含有するウレタン樹脂を使用して、柔軟性及び耐薬品性(特に、耐アルコール性)を備える手袋を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明は、ウレタン樹脂(A)、及び、水(B)を含有するウレタン樹脂組成物により形成された皮膜を有する手袋であって、前記ウレタン樹脂(A)が、ポリカーボネートポリオール(a1-1)を原料とするものであり、前記皮膜の前記皮膜の500%モジュラスが、7MPa以下であることを特徴とする手袋を提供するものである。

発明の効果

[0008]
 本発明の手袋は、柔軟性及び耐薬品性(特に、耐アルコール性)を高いレベルで両立するものである。また、水を含有するウレタン樹脂組成物を使用することから、手袋製造時の環境負荷も小さいものである。従って、本発明の手袋は、化学工業分野、食品分野、医療分野等の様々な分野で使用される産業用手袋として好適に利用することができ、特に医療用手袋として好適に利用することができる。

発明を実施するための形態

[0009]
 本発明の手袋は、ウレタン樹脂(A)、及び、水(B)を含有するウレタン樹脂組成物により形成された皮膜を有するものである。
[0010]
 前記ウレタン樹脂(A)は、後述する水(B)中に分散等し得るものであり、例えば、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基等の親水性基を有するもの;乳化剤で強制的に水(B)中に分散するものなどを用いることができる。これらのウレタン樹脂(A)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、乳化の容易性の点から、親水性基を有するウレタン樹脂を用いることが好ましく、手袋加工の容易性からアニオン性基を有するウレタン樹脂を用いることがより好ましい。
[0011]
 前記アニオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物、及びスルホニル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を原料として用いる方法が挙げられる。
[0012]
 前記カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-吉草酸等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0013]
 前記スルホニル基を有する化合物としては、例えば、3,4-ジアミノブタンスルホン酸、3,6-ジアミノ-2-トルエンスルホン酸、2,6-ジアミノベンゼンスルホン酸、N-(2-アミノエチル)-2-アミノスルホン酸、N-(2-アミノエチル)-2-アミノエチルスルホン酸、N-2-アミノエタン-2-アミノスルホン酸、N-(2-アミノエチル)-β-アラニン;これらの塩を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0014]
 前記カルボキシル基及びスルホニル基は、ウレタン樹脂組成物中で、一部又は全部が塩基性化合物に中和されていてもよい。前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミン;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム等を含む金属塩基化合物などを用いることができる。
[0015]
 前記カチオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、アミノ基を有する化合物の1種又は2種以上を原料として用いる方法が挙げられる。
[0016]
 前記アミノ基を有する化合物としては、例えば、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン等の1級及び2級アミノ基を有する化合物;N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン等のN-アルキルジアルカノールアミン、N-メチルジアミノエチルアミン、N-エチルジアミノエチルアミン等のN-アルキルジアミノアルキルアミンなどの3級アミノ基を有する化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0017]
 前記ノニオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、オキシエチレン構造を有する化合物の1種又は2種以上を原料として用いる方法が挙げられる。
[0018]
 前記オキシエチレン構造を有する化合物としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール等のオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオールを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0019]
 前記強制的に水(B)中に分散する水性ウレタン樹脂を得る際に用いることができる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体等のノニオン系乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン系乳化剤;アルキルアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系乳化剤などを用いることができる。これらの乳化剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0020]
 前記ウレタン樹脂(A)としては、具体的には、ポリカーボネートポリオール(a1-1)及びポリテトラメチレングリコール(a1-2)を原料とするものであり、その質量比[(a1-1)/(a1-2)]が、50/50~95/5の範囲であるウレタン樹脂(AX)、及び/又は、ポリカーボネートポリオール(a1-1)、及び/又は、数平均分子量が500未満であり、分岐構造と2~4個の水酸基とを有する化合物(a1-4)を原料とするものであり、その質量比[(a1-1)/(a1-4)]が、93/7~99.5/0.5の範囲であるウレタン樹脂(AY)を用いることが好ましい。
[0021]
 まず、前記ウレタン樹脂(AX)について述べる。
[0022]
 前記ウレタン樹脂(AX)としては、具体的には、ポリオール(a1X)、ポリイソシアネート(a2X)、鎖伸長剤(a3X)及び必要に応じて前記した親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料の反応物を用いることができる。
[0023]
 前記ポリオール(a1X)としては、ポリカーボネートポリオール(a1-1)とポリテトラメチレングリコール(a1-2)とを質量比[(a1-1)/(a1-2)]で、50/50~95/5の範囲で用いることが、より一層優れた柔軟性及び耐薬品性が得られる点で好ましい。係る範囲であれば、柔軟性と耐薬品性とを高いレベルで両立することができる。前記質量比としては、より一層優れた柔軟性及び耐薬品性が得られる点から、60/40~90/10の範囲がより好ましい。
[0024]
 前記ポリカーボネートポリオール(a1-1)及び前記ポリテトラメチレングリコール(a1-2)の数平均分子量としては、より一層優れた柔軟性及び耐薬品性が得られる点から、500~10,000の範囲であることが好ましく、1,000~5,000の範囲がより好ましい。なお、前記ポリカーボネートポリオール(a1-1)及び前記ポリテトラメチレングリコール(a1-2)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
[0025]
 前記ポリカーボネートポリオール(a1-1)としては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、水酸基を2個以上有する化合物との反応物を用いることができる。
[0026]
 前記炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0027]
 前記水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性が得られる点から、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、及び、1,6-ヘキサンジオールからなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましく、1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールとを併用することがより好ましい。
[0028]
 前記ポリオール(a1X)としては、前記したものの他にも、必要に応じてその他のポリオールを用いることができる。前記その他のポリオールとしては、前記(a1-1)及び(a1-2)以外の1分子あたりの平均水酸基数が2を超えて3.5以下の化合物(a1-3)、前記(a1-1)、(a1-2)及び(a1-3)以外のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリアクリルポリオール、ヒマシ油等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0029]
 前記した中でも、ウレタン樹脂(AX)の親水基が少なくても乳化がしやすくなる点から、前記平均水酸基数が2を超えて3.5以下の化合物(a1-3)を用いることが好ましい。
[0030]
 前記化合物(a1-3)としては、ポリエーテルトリオール;ヒマシ油;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた乳化性が得られる点から、ポリエーテルトリオール、ヒマシ油、及び、トリメチロールプロパンからなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましく、ポリエーテルトリオールがより好ましい。
[0031]
 前記ポリエーテルトリオールとしては、例えば、グリセリンとプロピレンオキサイドとの付加物;グリセリンを開始剤として、プロピレンオキサイドを付加した後に、その末端にエチンオキサイドを更に付加したもの;グリセリンを開始剤として、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドの混合物を付加したもの等のグリセリンとプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの反応物;トリメチロールプロパンとプロピレンオキサイドとの付加物;トリメチロールプロパンを開始剤として、プロピレンオキサイドを付加した後に、その末端にエチンオキサイドを更に付加したもの;トリメチロールプロパンを開始剤として、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドの混合物を付加したもの等のトリメチロールプロパンとプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの反応物などを用いることができる。これらのポリエーテルトリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた乳化性が得られる点から、グリセリンとプロピレンオキサイドとの付加物、及び/又は、トリメチロールプロパンとプロピレンオキサイドとの付加物を用いることが好ましい。
[0032]
 前記化合物(a1-3)を用いる場合の使用量としては、前記ポリオール(a1X)中0.1~40質量%の範囲であることが好ましく、5~30質量%の範囲がより好ましい。
[0033]
 前記ポリエーテルトリオールの数平均分子量としては、500~30,000の範囲であることが好ましく、3,000~8,000の範囲がより好ましい。なお、前記ポリエーテルトリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
[0034]
 前記ポリイソシアネート(a2X)としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性が得られる点から、芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
[0035]
 前記鎖伸長剤(a3X)としては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、等のアミノ基を有する鎖伸長剤;エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリメチロールプロパン等の水酸基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性が得られる点から、分岐構造を有しない鎖伸長剤を用いることが好ましく、水酸基を有する鎖伸長剤がより好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。
[0036]
 前記ウレタン樹脂(AX)の製造方法としては、例えば、無溶剤下または有機溶剤の存在下、前記ポリオール(a1X)と前記ポリイソシアネート(a2X)と前記鎖伸長剤(a3X)と前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するための原料を混合し、50~100℃の範囲で、3~20時間反応させることによって製造する方法;無溶剤下または有機溶剤の存在下で、前記ポリオール(a1X)と前記ポリイソシアネート(a2X)と前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するための原料を混合し、50~100℃の範囲で3~15時間反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得、次いで、該ウレタンプレポリマーと前記鎖伸長剤(a3X)とを反応させることによって製造する方法等が挙げられる。なお、前記反応で有機溶剤を使用した場合には、最終的に留去されることが好ましい。
[0037]
 前記ウレタン樹脂(AX)を製造する際に用いることができる前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド溶剤などを用いることができる。前記有機溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0038]
 前記ウレタン樹脂(AX)の平均粒子径としては、より一層優れた分散安定性と比較的高濃度のウレタン樹脂が得られる点から、0.05~1μmの範囲であることが好ましく、0.10~0.7μmの範囲がより好ましい。なお、前記ウレタン樹脂(AX)の平均粒子径の測定方法は、実施例にて記載する。
[0039]
 前記ウレタン樹脂(AX)の含有量としては、保存性及び作業性を向上できる点から、前記ウレタン樹脂組成物中10~60質量%の範囲であることが好ましく、20~50質量%の範囲がより好ましい。
[0040]
 次に、前記ウレタン樹脂(AY)について説明する。
[0041]
 前記ウレタン樹脂(AY)としては、具体的には、ポリオール(a1Y)、ポリイソシアネート(a2Y)、及び、必要に応じて前記した親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料の反応物を用いることができる。
[0042]
 前記ポリオール(a1Y)としては、ポリカーボネートポリオール(a1-1)と数平均分子量が500未満であり、分岐構造と2~4個の水酸基と有する化合物(a1-4)とを質量比[(a1-1)/(a1-4)]で、93/7~99.5/0.5の範囲で用いることが好ましい。ウレタン樹脂の柔軟性はポリマー主鎖の柔軟性が高くポリマー鎖間の結晶性が低いと得られるが、係る範囲であれば、ポリカーボネートポリオールによりウレタン樹脂が硬質化するところ、前記(a1-4)が有する分岐構造によりウレタン結合部の結晶性が緩和され柔軟性が付与されると同時に、ウレタン結合とポリカーボネートポリオールによるポリマー主鎖の耐薬品性も付与され、かつ前記(a1-4)が多すぎるときにウレタン結合が増加しウレタン結合自体がポリマー主鎖を硬質化して結晶性の緩和効果を相殺することを回避でき、柔軟性と耐薬品性とを高いレベルで両立することができる。前記質量比としては、より一層優れた柔軟性及び耐薬品性が得られる点から、95/5~99/1の範囲がより好ましい。
[0043]
 前記ポリカーボネートポリオール(a1-1)としては、前記ウレタン樹脂(AX)に用いることができるものと同様のものを用いることができる。また、前記化合物(a1-2)の数平均分子量は、構造式から算出できる場合はその計算値、算出できない場合は、前記(a1-1)と同様に測定した値を示す。
[0044]
 前記化合物(a1-4)としては、例えば、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、トリメチロールプロパン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた柔軟性及び耐薬品性が得られる点から、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、及びトリメチロールプロパンからなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましく、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、及び、3-メチル-1,5-ペンタンジオールからなる群より選ばれる1種以上の化合物がより好ましい。
[0045]
 前記ポリオール(a1Y)としては、前記したものの他にも、必要に応じてその他のポリオールを用いることができる。前記その他のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリアクリルポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。ただし、前記ポリオール(a1Y)としては、ポリテトラメチレングリコールを用いないことが好ましい。
[0046]
 また、前記(a1-4)以外の、数平均分子量が500未満の鎖伸長剤を併用することもできる。前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、ヒドラジン等のアミノ基を有する鎖伸長剤;エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル等の水酸基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0047]
 前記ポリイソシアネート(a2Y)としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性が得られる点から、芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
[0048]
 前記ウレタン樹脂(AY)の製造方法としては、例えば、無溶剤下または有機溶剤の存在下、前記ポリオール(a1Y)と前記ポリイソシアネート(a2Y)と前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するための原料を混合し、50~100℃の範囲で、3~20時間反応させることによって製造する方法等が挙げられる。なお、前記反応で有機溶剤を使用した場合には、最終的に留去されることが好ましい。
[0049]
 前記ウレタン樹脂(AY)を製造する際に用いることができる前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド溶剤などを用いることができる。前記有機溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0050]
 前記ウレタン樹脂(AY)の平均粒子径としては、より一層優れた分散安定性と比較的高濃度のウレタン樹脂が得られる点から、0.05~1μmの範囲であることが好ましく、0.10~0.7μmの範囲がより好ましい。なお、前記ウレタン樹脂(AY)の平均粒子径の測定方法は、実施例にて記載する。
[0051]
 前記ウレタン樹脂(AY)の含有量としては、保存性及び作業性を向上できる点から、前記ウレタン樹脂組成物中10~60質量%の範囲であることが好ましく、20~50質量%の範囲がより好ましい。
[0052]
 前記水(B)としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。これらの水は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0053]
 前記水(B)の含有量としては、保存性及び作業性を向上できる点から、前記水性ウレタン樹脂組成物中30~85質量%の範囲であることが好ましく、45~75質量%の範囲がより好ましい。
[0054]
 本発明で用いるウレタン樹脂組成物は、前記ウレタン樹脂(A)、及び、前記水(B)を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
[0055]
 前記その他の添加剤としては、例えば、増粘剤、消泡剤、ウレタン化触媒、シランカップリング剤、充填剤、チキソ性付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤、泡安定剤、顔料、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性付与剤、撥水剤、撥油剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[0056]
 本発明で用いるウレタン樹脂組成物は、使用用途によって異なる耐久性や柔軟性が必要とされることから、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、ブタジエン共重合体(BR)、イソプレン共重合体(IR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレン重合体(CR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体(NBR)、ブチル重合体(IIR)、天然ゴム(NR)等を含有してもよい。
[0057]
 本発明で用いる前記ウレタン樹脂組成物は、手袋以外にも、カテーテルの管等の医療用チューブ、避妊具などにも用いることができる。
[0058]
 前記ウレタン樹脂組成物による皮膜を有する手袋を製造する方法としては、例えば、はじめに手型、管型等を後述する凝固剤中に浸漬した後、必要に応じて乾燥することで、前記手型等の表面に前記凝固剤中の金属塩等を付着させ、次いで、前記手型等を前記ウレタン樹脂組成物中に浸漬させ、次いでその表面を水で洗浄し、乾燥することにより、前記手型等の表面に凝固した皮膜を有する手袋を製造する方法が挙げられる。この際、前記ウレタン樹脂組成物は、蒸留水やイオン交換水等で更に希釈してもよい。
[0059]
 前記凝固剤としては、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化ナトリウム等の金属塩溶液;蟻酸、酢酸等の酸溶液などを用いることができる。前記金属塩や酸を溶解しうる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を用いることができる。前記凝固剤中に含まれる金属塩は、前記凝固剤の全量に対して1~50質量%の範囲で含まれることが好ましい。また、前記凝固剤中に前記塗布物を浸漬する時間は、1~10分が挙げられる。また、前記凝固剤は、5~60℃の温度で使用することができる。
[0060]
 前記手型や管型は、凝固剤中に浸漬する際に、常温であってもよく、30~70℃に加温されていてもよい。
[0061]
 また、前記手型や管型には、予めナイロン繊維等の編み物からなる手袋状物や管状物が装着されていてもよい。具体的には、はじめに、前記編み物からなる手袋状物等が装着された手型等を、前記凝固剤中に浸漬した後、必要に応じて乾燥することで、前記手袋状物等に前記凝固剤を含浸する。次いで、前記手型等を前記ウレタン樹脂組成物中に浸漬した後、その表面を水で洗浄し、乾燥することで、前記手袋状物等の表面に凝固した皮膜からなる手袋等が形成し、前記手型及び手袋状物等から前記手袋等を剥離することで、前記手型等に応じた形状をした凝固皮膜からなる手袋等を得ることができる。前記管を製造する場合も、前記管型、及び、ナイロン繊維等の編み物からなる管状物を用いること以外は、前記と同様の方法で製造することができる。
[0062]
 前記編み物としては、前記ナイロン繊維に限らず、例えば、ポリエステル繊維やアラミド繊維、ポリエチレン繊維、綿等によって構成されたものを用いることができる。また、前記編み物の代わりに、前記繊維からなる織物を用いることもできる。また、前記編み物の代わりに、塩化ビニル、天然ゴム、合成ゴム等の樹脂材料からなる手袋状物や管状物を用いることもできる。
[0063]
 以上、本発明の手袋は、柔軟性及び耐薬品性(特に、耐アルコール性)を高いレベルで両立するものである。また、水を含有するウレタン樹脂組成物を使用することから、手袋製造時の環境負荷も小さいものである。従って、本発明の手袋は、化学工業分野、食品分野、医療分野等の様々な分野で使用される産業用手袋として好適に利用することができ、特に医療用手袋として好適に利用することができる。
[0064]
 本発明の手袋は柔軟性に優れるものであり、そのウレタン樹脂組成物により形成された皮膜の500%モジュラスとしては、7MPa以下であることが好ましく、1~6MPaの範囲がより好ましい。
実施例
[0065]
 以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[0066]
[実施例1]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、ポリカーボネートポリオール(1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量;2,000、以下「PC」と略記する。)を600質量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量;2,000、以下「PTMG」と略記する。)を33質量部、ポリプロピレントリオール(グリセリンとプロピレンオキサイドとの付加物、数平均分子量;6,000、以下「3fPPG」と略記する。)を181質量部、エチレングリコール(以下「EG」と略記する。)を8.4質量部、2,2-ジメチロールプロピオン酸(以下「DMPA」と略記する。)を15.8質量部、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記する。)を154質量部、及び、メチルエチルケトンを991質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.0質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを498質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を9.6質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を2,480質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;45質量%、平均粒子径;0.73μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0067]
[実施例2]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを600質量部、PTMGを214質量部、3fPPGを86質量部、EGを10.0質量部、DMPAを18.7質量部、MDIを182質量部、及び、メチルエチルケトンを1,111質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.3質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを558質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を11.4質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を2,783質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.33μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0068]
[実施例3]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを600質量部、PTMGを313質量部、3fPPGを71質量部、EGを11.0質量部、DMPAを20.7質量部、MDIを202質量部、及び、メチルエチルケトンを1,218質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.5質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを612質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を12.6質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を3,050質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.29μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0069]
[実施例4]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを400質量部、PTMGを400質量部、3fPPGを41質量部、EGを9.6質量部、DMPAを17.9質量部、MDIを175質量部、及び、メチルエチルケトンを1,043質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.3質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを524質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を10.9質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を2,612質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.25μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0070]
[実施例5]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを800質量部、PTMGを286質量部、トリメチロールプロパン(以下、「TMP」と略記する。)を2.6質量部、EGを13.3質量部、DMPAを23.0質量部、MDIを240質量部、及び、メチルエチルケトンを1,364質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.7質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを686質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を14.0質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を3,417質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;50質量%、平均粒子径;0.68μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0071]
[実施例6]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを800質量部、ネオペンチルグリコール(以下「NPG」と略記する。)を13.5質量部、DMPAを14.8質量部、MDIを160質量部、及び、メチルエチルケトンを988質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.2質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを497質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を9.0質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を4,961質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.45μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0072]
[実施例7]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを800質量部、NPGを27.1質量部、DMPAを15.3質量部、MDIを194質量部、及び、メチルエチルケトンを1,036質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.4質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを521質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を9.3質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を5,201質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.43μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0073]
[実施例8]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを800質量部、NPGを40.6質量部、DMPAを16.1質量部、MDIを228質量部、及び、メチルエチルケトンを1,084質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.7質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを546質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を9.8質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を5,445質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.40μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0074]
[実施例9]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを800質量部、1,3-ブタンジオール(以下「1,3BG」と略記する。)を11.7質量部、DMPAを14.8質量部、MDIを160質量部、及び、メチルエチルケトンを987質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.2質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを496質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を9.0質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を4,951質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.51μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0075]
[実施例10]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PCを800質量部、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(以下「MPG」と略記する。)を15.4質量部、DMPAを14.8質量部、MDIを160質量部、及び、メチルエチルケトンを990質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.2質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを498質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を9.0質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を4,970質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.56μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0076]
[比較例1]
<ウレタン樹脂組成物の調製>
 温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた窒素置換された容器中で、PTMGを760質量部、3fPPGを80質量部、EGを9.3質量部、DMPAを17.4質量部、MDIを170質量部、及び、メチルエチルケトンを1,037質量部の存在下、70℃で反応させた。
 反応物が規定粘度に達した時点でメタノール1.6質量部を加えて1時間撹拌して反応を終了し、更に希釈溶剤としてメチルエチルケトンを521質量部追加することでウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
 次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に、中和剤として48質量%水酸化カリウム水溶液を10.6質量部加えて前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、更に水を3,417質量部加え撹拌することにより、ウレタン樹脂の水分散体を得た。次いで、前記ウレタン樹脂の水分散体を脱溶剤することにより、不揮発分;40質量%、平均粒子径;0.17μmのウレタン樹脂組成物を得た。
[0077]
<手袋の作製>
 以下の手順により、手袋を作製した。
(1)陶器製手形を10質量%硝酸カルシウム水溶液に浸漬させ、引き上げる。
(2)(1)の手型を70℃で2分間乾燥させる。
(3)(2)の手型を前記ウレタン樹脂組成物に5秒間浸漬させ、引き上げる。
(4)(3)の手型を水で洗浄する。
(5)(4)の手型を70℃で20分間、次いで120℃で30分間乾燥させる。
(6)(5)の手型にベビーパウダーを付着させて、手型からウレタン樹脂皮膜を剥がす。
[0078]
[数平均分子量の測定方法]
 合成例で用いたポリオール等の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
[0079]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
 「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
 「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
 「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
 「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
[0080]
(標準ポリスチレン)
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
 東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
[0081]
[ウレタン樹脂組成物の平均粒子径の測定方法]
 実施例及び比較例にて得たウレタン樹脂組成物をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製「マイクロトラック UPA-EX150」)を使用して、分散液として水を使用し、溶媒屈折率=1.33、粒子屈折率=1.51として、平均粒子径は体積平均径を測定した。
[0082]
[柔軟性の評価]
 実施例及び比較例で得られた手袋を、ASTM D412で規定されている「ダンベル TYPE D」で裁断したものを試験片とした。この試験片の両端部をチャックで挟み、引張試験機「オートグラフAG-I」(株式会社島津製作所製)を使用して、温度23±2℃、湿度60±10%の雰囲気下で、クロスヘッドスピード500mm/分で引張り、試験片の500%モジュラス(MPa)を測定した。この時の標線間距離は20mm、チャック間の初期距離は40mmとした。なお、前記500%モジュラス値が7MPa以下である場合に、柔軟性に優れると判断した。
[0083]
[耐薬品性の評価]
 実施例及び比較例で得られた手袋を「ダンベル TYPE D」で裁断して試験片を作成し2-プロパノールに24時間浸漬させ、その後取り出してペーパータオルの間に試験片をはさみ、表面のアルコールを軽く除去し、速やかに引張試験機「オートグラフAG-I」(株式会社島津製作所製)を使用して前期と同様の条件で抗張力(MPa)を測定した。なお、耐薬品性が不良で抗張力の測定ができなかったものは「-」とした。なお、前記抗張力が0.5MPa以上である場合に、耐薬品性に優れると判断した。
[0084]
[表1]


[0085]
[表2]



[0086]
 本発明の手袋である実施例1~10は、柔軟性及び耐薬品性(特に、耐アルコール性)を備えることが分かった。
[0087]
一方、比較例1は、ポリカーボネートポリオール(a1-1)を用いない態様であるが、耐薬品性が不良であった。

請求の範囲

[請求項1]
ウレタン樹脂(A)、及び、水(B)を含有するウレタン樹脂組成物により形成された皮膜を有する手袋であって、
前記ウレタン樹脂(A)が、ポリカーボネートポリオール(a1-1)を原料とするものであり、
前記皮膜の前記皮膜の500%モジュラスが、7MPa以下であることを特徴とする手袋。
[請求項2]
前記ウレタン樹脂(A)が、
ポリカーボネートポリオール(a1-1)及びポリテトラメチレングリコール(a1-2)を原料とするものであり、その質量比[(a1-1)/(a1-2)]が、50/50~95/5の範囲であるウレタン樹脂(AX)、
及び/又は、
ポリカーボネートポリオール(a1-1)、及び、数平均分子量が500未満であり、分岐構造と2~4個の水酸基とを有する化合物(a1-4)を原料とするものであり、その質量比[(a1-1)/(a1-4)]が、93/7~99.5/0.5の範囲であるウレタン樹脂(AY)である、
請求項1記載の手袋。
[請求項3]
前記ウレタン樹脂(AX)及びウレタン樹脂(AY)が、いずれも芳香族ポリイソシアネートを原料とするものである請求項2記載の手袋。
[請求項4]
前記ウレタン樹脂(AX)及びウレタン樹脂(AY)が、いずれもアニオン性基を有するウレタン樹脂である請求項2又は3記載の手袋。