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1. WO2020116410 - AUTOMATED ANALYSIS APPARATUS

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明 細 書

発明の名称 自動分析装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

符号の説明

0047  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 自動分析装置

技術分野

[0001]
 本発明は、自動分析装置に関する。

背景技術

[0002]
 フロー型の電解質分析装置において、ある検体測定と次の検体測定の間に、イオン選択電極(以下ISE:Ion Selective Electrode)を用いて内部標準液を測定する場合がある(特許文献1参照)。特許文献1では、試料測定と次の試料測定の間にイオン濃度が既知の内部標準液を送液し、流路内の前検体成分を洗い流すとともに、内部標準液起電力を測定し、検体起電力と内部標準液起電力との間の差を算出する。内部標準液測定により、前検体の影響を低減するとともに、ISE電極電位のドリフトを補正することができる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-024799号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 内部標準液を測定する前に、血清・血漿検体と比べて濃度が高い高濃度尿検体を測定する場合や、検体の粘性が高く内部標準液送液によって洗い流すことが困難である場合は、基準となる内部標準液測定値自体が前試料の影響で変動し、結果として補正後の濃度の変動を引き起こす場合がある。このような場合、特許文献1記載の手法によって前検体の影響を完全に除去することは困難である。
[0005]
 本発明の目的は、内部標準液を送液することにより、前検体の影響をより確実に低減することができる自動分析装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明に係る自動分析装置は、第1検体のイオン濃度が第2検体のイオン濃度よりも基準値以上であると想定される場合に、内部標準液に加えて検体以外の液体を送液する。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、濃度が未知の複数の検体を連続測定する場合において、高濃度検体が次検体に対して与える影響を低減することができる。また、前検体の影響が小さい場合において必要以上に内部標準液を送液しないので、処理能力への影響を最低限に抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 実施形態1に係る自動分析装置100の構成図。
[図2] 自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャート。
[図3] 自動分析装置100による測定シーケンスを模式的に示す図。
[図4] 検体測定と内部標準液測定を並行して実施する場合のシーケンス例。
[図5] 実施形態2に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャート。
[図6] 実施形態3に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャート。
[図7] 実施形態4に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャート。
[図8] 実施形態5に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャート。

発明を実施するための形態

[0009]
<実施の形態1>
 図1は、実施形態1に係る自動分析装置100の構成図である。自動分析装置100は、フロー型電解質分析装置として構成されている。サンプルプローブ1はサンプル容器2からサンプルを分注し、希釈槽3へ吐出する。希釈槽3にサンプルが分注された後、希釈液シリンジ5の動作によって希釈ボトル6より希釈液が送液される。希釈ノズル4はその希釈液を吐出することにより検体を希釈する。流路内の希釈液の温度や圧力変化により気泡が発生することを防ぐため、希釈液流路の途中に取り付けられた脱ガス機構7により脱ガス処理する。希釈された検体は、シッパシリンジ8および電磁弁9の動作によりISE電極10へ吸引される。ピンチ弁11とシッパシリンジ8の動作により、比較電極液ボトル12より比較電極液が比較電極13内へ送液される。比較電極液は所定の濃度の塩化カリウム(KCl)水溶液からなり、サンプルと比較電極が接することによりISE電極10と比較電極13が電気的に導通する。電圧計14とアンプ15は、比較電極電位を基準としたISE電極電位の変動を計測する。サンプル測定の前後において内部標準液ボトル16中の内部標準液を内部標準液シリンジ17により送液し、内部標準液ノズル18より希釈槽3へ吐出する。サンプル測定と同様の動作で内部標準液のイオン濃度を測定する。
[0010]
 計算機19は、内部標準液の起電力とサンプルの起電力との間の差分を用いて、サンプルに含まれる電解質濃度を算出する。制御部20は、自動分析装置100が備える各部の動作を制御する。コンピュータ21は、制御部20に対して例えばユーザからの指示を与える。記憶部22は計算機19による算出結果を記憶する。計算機19、制御部20、コンピュータ21は、1つの演算装置などによって一体的に構成することもできる。この場合、その演算装置は自動分析装置100全体を制御する制御部とみなすことができる。制御部20は、その動作を実装した回路デバイスなどのハードウェアによって構成することもできるし、その動作を実装したソフトウェアを演算装置が実行することによって構成することもできる。計算機19とコンピュータ21を一体化した場合も同様である。
[0011]
 比較電極液の濃度は、サンプルと接触している間の濃度変動の影響を抑制するために高濃度であることが望ましいが、他方で飽和濃度付近では結晶化し流路詰まりの原因となる可能性があるので、0.5mmol/Lから2.0mmol/Lの間であることが望ましい。
[0012]
 内部標準液中の電解質濃度は、サンプルの電解質濃度の期待値付近に設定することが望ましい。血清・血漿検体を測定する場合には、Na:130-150mmol/L付近、K:3-5mmol/L付近、Cl:90-110mmol/L程度が望ましい。内部標準液濃度は、測定対象物の検体種別や希釈倍率等の条件により選定することができる。
[0013]
 内部標準液の測定回数は、後述する検体1のイオン濃度と検体2のイオン濃度との間の想定される差、または検体1のイオン濃度と内部標準液のイオン濃度との間の差に基づき増減することができる。
[0014]
 内部標準液の送液量は、検体1を洗い流す効果の観点からは送液量が多いことが望ましいが、検体1と検体2の基準電位を取得する観点からは、動作サイクル時間を検体1、検体2、内部標準液それぞれについて同一にすることが望ましい。すなわち、希釈後の検体1の送液量および検体2の送液量と同程度とすることが望ましい。本実施形態1においては、検体15μLを希釈液450μLによって希釈して465μLとした希釈後検体を希釈槽3に準備し、ISE電極10に対して250μL~450μL程度を送液するので、内部標準液は250μL~700μL程度を送液することとした。
[0015]
 検体1測定後に内部標準液(以下IS、ISa、ISbなどと略記する)を1回のみ測定した後に検体2を測定する場合における検体1の影響度合いについて説明する。検体1を測定した次にISaを送液して測定する際に、検体1が流路上に残存しており、ISaの測定結果に対して影響する量の割合(以下残存率)がX%と仮定する。100mmol/Lの検体1を測定後にISaを測定するとき、検体1のISaに対する影響程度は、(100×X/100)mmol/Lである。通常、血清・血漿中カリウム濃度の最小分解能は0.1mmol/L程度が要求されるので、残存率X=0.1%以上であれば要求精度を達成できないレベルの影響を受ける。
[0016]
 次に後述の図2で説明するフローにしたがって検体1測定後に内部標準液を2回送液する(便宜上、ISaとISbとして区別する)場合における、検体1のISb測定結果に対する影響度合いを説明する。この場合、検体1の影響程度は、((100×X/100)×X/100)=100×X^2/10000となる。したがって最小分解能0.1mmol/Lを実現するためには、残存率X=10 1/2= 3.16%以下とすればよいことになる。すなわち、後述の図2で説明するフローによれば、検体1の影響をより確実に低減することができる。
[0017]
 以下では第1検体として電解質濃度が高濃度である可能性のある尿検体を測定した後、第2検体として濃度範囲が狭くより精密な測定が要求される血清検体または血漿検体を連続して測定する場合について説明する。尿検体は血清・血漿に比べ濃度範囲が広く、24時間蓄尿の濃度はNa:20-300mmol/L、K:1-100mmol/L、Cl:20-300mmol/L程度となる場合がある。一方で血清検体または血漿検体は濃度範囲が狭いが、臨床検査上の重大性がより高いので、精密な測定が要求される。一般的に健常者の血清・血漿中の電解質濃度は、Na:136-146mmol/L、K:3.6-4.9mmol/L、Cl:98-100mmol/L程度の範囲である。したがって第1検体を測定した後に第2検体を連続して測定すると、第1検体の影響により第2検体の測定値が変動する可能性がある。
[0018]
 図2は、自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャートである。自動分析装置100は、第1検体が第2検体の測定値に対して影響を与える可能性が高い場合、図2の手順にしたがってその影響を抑制する。オペレータが検体の種別/個数/測定順序などを自動分析装置100に対して入力すると、自動分析装置100は本フローチャートを開始する。以下では記載の便宜上、制御部20が計算機19とコンピュータ21を兼ねているものとする。以下図2の各ステップについて説明する。以下、例えば、ステップ201をS201のように表記する。
[0019]
(図2:S201)
 制御部20は、第1検体に続いて第2検体が連続して測定されるか否かを判定する。この判定は例えばオペレータからの指示にしたがってすることができる。連続測定する場合はS202へ進み、連続測定しない場合はS208以降へスキップする。図2においてはS210へスキップして第2検体のみ測定する例を示したが、オペレータからの指示によってはISaと第1検体のみ測定して本フローチャートを終了してもよい。
[0020]
(図2:S202)
 制御部20は、第1検体が尿であり、かつ第2検体が血清または血漿であるか否かを判定する。この判定は例えばオペレータからの指示にしたがってすることができる。上記のように、尿の濃度範囲は広いため、尿の濃度範囲が低く、第2検体の測定結果へほとんど影響しない場合もある。しかし、ここでは、第1検体が尿、かつ第2検体が血清または血漿であれば、実際の濃度差とは関係なく、S203へ進むものとする。該当しない場合はS208へ進む。
[0021]
(図2:S203~S204)
 制御部20は、ISE電極10に対して内部標準液ISaを送液して電解質濃度を測定する(S203)。続いて制御部20は、ISE電極10に対して第1検体を送液して電解質濃度を測定する(S204)。
[0022]
(図2:S205~S207)
 制御部20は、ISE電極10に対して内部標準液ISaを送液して電解質濃度を測定し(S205)、続いてISE電極10に対して内部標準液ISbを送液して電解質濃度を測定し(S206)、続いてISE電極10に対して第2検体を送液して電解質濃度を測定する(S207)。内部標準液ISaとISbは同じものを繰り返し用いればよい。第2検体を送液する前に内部標準液を2回送液するので、流路上に残存する第1検体を洗い流してその影響を確実に低減することができる。
[0023]
(図2:S208~S211)
 制御部20は、S203~S207と同様に、ISa測定(S208)、第1検体測定(S209)、ISa測定(S210)、第2検体測定(S211)を実施する。ただしS209とS211の間において、内部標準液を送液するのは1回のみである。これはS202において、第1検体が第2検体の測定結果へ影響する可能性が低いと判定したことによる。このように、尿検体(第1検体)と血清検体または血漿検体(第2検体)が連続測定される場合のみ、内部標準液を2回送液および測定することにより、測定スループットの低下を最小限に抑えることができる。
[0024]
 図3は、自動分析装置100による測定シーケンスを模式的に示す図である。最も単純な測定シーケンス例としては、図3のように、サンプル(S)と内部標準液(IS)を順番(シリアル)に測定することが考えられる。この場合、図2で説明したように、尿検体を測定した後にIS測定を2回実施するので、従来の測定シーケンスと比較して測定完了時間が1サイクル分延長する。
[0025]
 図4は、検体測定と内部標準液測定を並行して実施する場合のシーケンス例である。自動分析装置100が電解質濃度を測定する1回のサイクル(図2のS203以降の各ステップ)は、準備動作と測定動作に分けることができる。準備動作は、ISE電極10が起電力を測定するための準備をする動作であり、各分注機構や廃液吸引ノズル26などの動作により希釈槽3内で測定する液体を準備するものである。測定動作は、ISE電極10に対して測定対象液を送液して起電力を測定するものである。準備動作と測定動作は、稼働部位が互いに異なるのでそれぞれ独立して実施することができる。したがって測定時間を短縮するために、例えば第1検体に対して測定動作を実施している間にISaに対して準備動作を実施するなど、並行動作が可能である。
[0026]
 図2で説明したように、本実施形態1においては、尿検体を測定した後、血清検体または血漿検体を測定する前に内部標準液を2回測定する必要がある。このとき、図4の「本発明1」が示すように、サンプルに対して測定動作を実施している間に1回目のISに対して準備動作を実施することができる。これにより図3よりも測定完了時間を短縮することができる。
[0027]
 さらに図4の「本発明2」が示すように、1回目のISに対して測定動作を実施している間に2回目のISに対して準備動作を実施することができる。これにより「本発明1」よりもさらに測定完了時間を短縮することができる。その結果、内部標準液を2回測定する場合であっても、従来の測定シーケンスと比較して測定完了時間が0.5サイクル分延長するに留まる。
[0028]
<実施の形態1:まとめ>
 本実施形態1に係る自動分析装置100は、第1検体が尿、第2検体が血清または血漿の場合は、第2検体を測定する前に内部標準液を2回測定する。これにより第1検体が第2検体の測定結果に対して与える影響を確実に減少させることができる。また、第1検体が尿の場合であってその濃度が低い場合であっても、処理を変えることなく、簡便な処理とすることができる。
[0029]
 本実施形態1に係る自動分析装置100は、第1検体に対して測定動作を実施している間に、内部標準液に対して準備動作を実施する。これにより、複数検体を測定する際の測定完了時間を短縮することができる。
[0030]
 本実施形態1に係る自動分析装置100は、第1検体測定と第2検体測定の間に内部標準液を2回測定する場合は、1回目の内部標準液に対して測定動作を実施している間に2回目の内部標準液に対して準備動作を実施する。これにより、第1検体の影響を抑制するため内部標準液を2回測定する場合であっても、測定完了時間の延長を最小限に抑えることができる。
[0031]
<実施の形態2>
 図5は、実施形態2に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャートである。本実施形態2においては、第1検体が第2検体の測定結果に対して大きな影響を与えるか否か判断する手法が実施形態1とは異なる。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様である。以下図5の各ステップについて説明する。
[0032]
(図5:S501~S503)
 制御部20は、S201と同様に第1検体に続いて第2検体が連続して測定されるか否かを判定する(S501)。連続測定する場合は、ISE電極10に対して内部標準液ISaを送液して電解質濃度を測定し(S502)、続いてISE電極10に対して第1検体を送液して電解質濃度を測定する(S503)。連続測定しない場合はS508へ進む。
[0033]
(図5:S504)
 制御部20は、第1検体の起電力が所定値よりも大きいか否かを判定する。これは第1検体に含まれる電解質濃度が、第2検体の測定結果に対して影響を与える程度であるか否かを判定するためのものである。第1検体の起電力が所定値よりも大きければS505へ進み、所定値以内であればS508へ進む。
[0034]
(図5:S504:補足)
 本ステップにおける判定のために用いる所定値は、例えば製造時点で収集された検体濃度と対応するEMFデータにしたがって定めることができる。あるいはISa測定によって取得したEMF値に適当な値を加算した値を用いてもよい。また、ISa測定以前に実施されるキャリブレーション結果にしたがって算出することもできる。
[0035]
(図5:S505~S507)
 制御部20は、S205~S207と同様に、内部標準液を2回測定(S505~S506)した後に第2検体を測定(S507)する。
[0036]
(図5:S508~S509)
 制御部20は、S210~S211と同様に、ISa(S508)と第2検体(S509)を測定する。
[0037]
<実施の形態3>
 図6は、実施形態3に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャートである。本実施形態3においては、第1検体が第2検体の測定結果に対して大きな影響を与えるか否か判断する手法が実施形態1~2とは異なる。自動分析装置100の構成は実施形態1と同様である。以下図6の各ステップについて説明する。
[0038]
(図6:S601~S604)
 S601~S603はS501~S503と同様である。制御部20は、ISE電極10に対して内部標準液ISaを送液して電解質濃度を測定する(S604)。
[0039]
(図6:S605)
 制御部20は、ISaの起電力が規定値よりも大きいか否かを判定する。例えばS602におけるISa起電力とS604におけるISa起電力との間の差分が、製造時点においてあらかじめ定めた許容差分値よりも大きいか否かに基づき判定することができる。本ステップは、第1検体の影響がどの程度残存しているかを判定する意義がある。ISaの起電力が規定値よりも大きければS606へ進み、それ以外であればS609へ進む。
[0040]
(図6:S605:補足)
 本ステップの時点で既に1回目の内部標準液ISaを測定しているので、S606以降においては2回目の内部標準液ISbを測定すれば足りる。同様に本ステップにおいて「N」と判定する場合は、本ステップの後にS608を実施する必要はないのでS609へ進むことができる。
[0041]
(図6:S606~S609)
 制御部20は、S506~S509と同様に、内部標準液ISa、ISb、第2検体を測定する。
[0042]
<実施の形態4>
 図7は、実施形態4に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャートである。検体種別としては、血清・血漿・尿のほかに、全血、髄液、喀痰、胸水、腹水、唾液などの体液や分泌液を用いる場合もある。想定する検体の濃度や粘性、夾雑物に応じて、内部標準液の濃度/送液量/測定回数を調整してもよい。図7は、S206を2回実施することにより測定回数を増やした例を示した。その他の構成は実施形態1~3と同様である。
[0043]
<実施の形態5>
 図8は、実施形態5に係る自動分析装置100の動作手順を説明するフローチャートである。第1検体が第2検体の測定結果に対して大きな影響を与える場合、複数回測定する内部標準液の一部を、洗浄液に置き換えることができる。具体的には、検体の電解質濃度を算出するために用いる内部標準液(検体を測定する直前に測定する内部標準液)以外は、洗浄液に置き換えることができる。図8においては、S206に代えてS205の前にS801を実施することにより、ISE電極10に対して洗浄液を送液することとした。その他の構成は実施形態1~3と同様である。
[0044]
 洗浄液は、ISE電極10の性質上、界面活性剤や脂溶性の高い成分を含まないことが望ましい。第1検体が生体試料であり、タンパク質を洗浄する場合には、pH8-12程度のアルカリ性成分、次亜塩素酸塩、酵素などのタンパク質の分解を促す成分が含まれていることが望ましい。洗浄液濃度は、次に測定する内部標準液の測定結果に対する影響を避けるため、ISa送液過程で洗い流される濃度であることが望ましい。
<本発明の変形例について>
[0045]
 上記実施例では、第1検体と第2検体との検体種別に応じた処理、及び、第1検体や内部標準液の起電力を実際に測定した結果に基づく処理、について説明した。本実施例では、これらの処理のことをまとめて「第1検体に含まれる対象イオンの濃度、及び、内部標準液もしくは第2検体に含まれる対象イオンの濃度、との想定される差異に基づいて、内部標準液の測定部への送液を制御する」処理であると表現する。前者の場合、結果的に第1検体と第2検体の濃度差がほとんどない場合もあるが、第1検体が尿、第2検体が血清及び/又は血漿、であれば、多くの場合において、第1検体と第2検体の間の濃度差は大きいと想定される。また、後者の場合、実際の判定結果を参照すれば、第1検体に含まれる対象イオンの濃度、及び、内部標準液もしくは第2検体に含まれる対象イオンの濃度、との差異を想定することができる。
[0046]
 以上の実施形態においては、第1検体の例として尿検体、第2検体の例として血清検体または血漿検体を説明したが、これに限られるものではなく、第1検体が第2検体の測定結果に対して影響を与える場合において一般的に適用することができる。またISE電極10が検出するイオン種はCl/K/Naに限られるものではなく、本発明は全てのイオン種に対して適用することができる。

符号の説明

[0047]
1:サンプルプローブ
2:サンプル容器
3:希釈槽
4:希釈ノズル
5:希釈液シリンジ
6:希釈ボトル
7:脱ガス機構
8:シッパシリンジ
9:電磁弁
10:ISE電極
11:ピンチ弁
12:比較電極液ボトル
13:比較電極
14:電圧計
15:アンプ
16:内部標準液ボトル
17:内部標準液シリンジ
18:内部標準液ノズル
19:計算機
20:制御部
21:コンピュータ
22:記憶部

請求の範囲

[請求項1]
 検体に含まれる対象イオンの濃度を測定する測定部と、
 前記測定部に前記検体及び内部標準液を送液する送液部と、
 第1検体の測定と該第1検体の次に送液される第2検体の測定との間に前記内部標準液を測定し、該内部標準液の測定結果に基づいて該第2検体の測定値を算出する算出部と、
 前記第1検体に含まれる対象イオンの濃度、及び、前記内部標準液もしくは前記第2検体に含まれる対象イオンの濃度、の想定される差異に基づいて、前記内部標準液の前記測定部への送液を制御する制御部と、
 を備える、自動分析装置。
[請求項2]
 前記制御部は、前記第1検体が前記内部標準液もしくは前記第2検体と濃度差が小さいと想定される場合、該第1検体が送液され前記第2検体が送液されるまでの1サイクルで前記内部標準液を前記測定部に送液し、前記第1検体が前記内部標準液もしくは前記第2検体と濃度差が大きいと想定される場合、該第1検体が送液され前記第2検体が送液されるまでの複数サイクルで前記内部標準液を前記測定部に送液するよう制御する、請求項1記載の自動分析装置。
[請求項3]
 前記第1検体の検体種別は尿、前記第2検体の検体種別は血清及び/又は血漿である、請求項2記載の自動分析装置。
[請求項4]
 前記第1及び第2検体は、前記測定部の測定により算出された前記内部標準液との起電力の差に基づいて、前記内部標準液と濃度差が大きいか否かを判断される、請求項2記載の自動分析装置。
[請求項5]
 前記制御部は、前記第1検体に含まれる前記対象イオンの第1濃度が、前記内部標準液に含まれるまたは前記第2検体に含まれる前記対象イオンの第2濃度よりも基準値以上大きいか否かを、前記送液部が前記第2検体を送液する前に判定し、
 前記制御部は、前記第1濃度が前記第2濃度よりも前記基準値以上大きいと判定した場合は、前記送液部が前記第1検体を送液してから前記第2検体を送液するまでの間に、前記内部標準液に加えて前記検体以外の液体を送液するように前記送液部を制御する、請求項2記載の自動分析装置。
[請求項6]
 前記制御部は、前記内部標準液に含まれる前記対象イオンの濃度の測定結果を用いて、前記検体に含まれる前記対象イオンの濃度の測定結果を算出し、
 前記制御部は、前記検体に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定する間に、前記内部標準液に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定するための準備動作を実施し、
 前記制御部は、前記内部標準液に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定する間に、前記検体に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定するための準備動作を実施する、請求項5記載の自動分析装置。
[請求項7]
 前記制御部は、前記第1濃度が前記第2濃度よりも前記基準値以上大きいと判定した場合は、前記第1検体に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定する間に、前記内部標準液を送液するように前記送液部を制御し、さらに、前記第2検体に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定するための準備動作を開始する前に、前記内部標準液を再度送液するように前記送液部を制御する、請求項5記載の自動分析装置。
[請求項8]
 前記制御部は、前記再度送液した前記内部標準液に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定する間に、前記第2検体に含まれる前記対象イオンの濃度を前記測定部が測定するための準備動作を実施する、請求項7記載の自動分析装置。
[請求項9]
 前記制御部は、前記第1検体に含まれる前記対象イオンの濃度の測定結果が所定値よりも大きい場合は、前記第1濃度が前記第2濃度よりも前記基準値以上大きいと判定する、請求項5記載の自動分析装置。
[請求項10]
 前記送液部は、前記内部標準液、前記第1検体、前記内部標準液の順で送液し、
 前記制御部は、前記送液部が前記第1検体を送液する前後それぞれにおいて前記内部標準液に含まれる前記対象イオンの濃度を取得し、後者が前者よりも所定値以上大きい場合は、前記第1濃度が前記第2濃度よりも前記基準値以上大きいと判定する、請求項5記載の自動分析装置。
[請求項11]
 前記送液部は、前記検体以外の液体として洗浄液を送液する、請求項1記載の自動分析装置。
[請求項12]
 前記洗浄液はタンパク質分解を促す成分を含む、請求項11記載の自動分析装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]