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1. WO2020116215 - METHOD FOR FORMING COATING FILM

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明 細 書

発明の名称 塗膜の形成方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

0004  

図面の簡単な説明

0005  

発明を実施するための形態

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089  

実施例

0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140  

産業上の利用可能性

0141  

符号の説明

0142  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 塗膜の形成方法

技術分野

[0001]
 本発明は、塗膜の形成方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来から、電子工学分野や医学分野等において、材料の表面に細孔や凹凸等の微細でかつ規則的な形状を施す技術の検討がなされ、ポリマー溶液等を一定環境下におくことにより、自発的に秩序又は規則性を形成される自己組織化構造を利用した技術の提案がなされてきた。
[0003]
 例えば、特開昭58-164622号(特許文献1)には、多孔質構造を有しかつ調節可能な総気孔容積、調節可能な気孔径及び調節可能な気孔壁を有する成形体等を製造する方法の提供を目的として、ポリマーを、溶解温度で液状のかつ混合可能な2つの化合物A及びBの混合物中で上部臨界温度を上回り加熱することにより溶解し、その場合、ポリマー、化合物A及び化合物Bより成る使用混合物が流動性の凝集状態で混合欠陥を有し、化合物Aがポリマーに対し溶剤であり、かつ化合物Bが、ポリマー及び化合物Aより成る溶液の相分離温度を上昇させ、この溶液を場合により成形し、かつ冷却することにより凝離させかつ成分A及び/又はBを場合により抽出する多孔体の製造方法が記載されている。
 また、特表2018-512265号(特許文献2)には、テクスチャ表面を形成する方法であって、溶媒中に固体を溶解させて溶液を形成することであって、前記固体は、第1温度での前記溶媒中の前記固体の第1飽和濃度よりも低く、且つ第2温度での前記溶媒中の前記固体の第2飽和濃度よりも高い濃度を有することと、前記溶液を前記第2温度に冷却させて固体粒子溶液を形成することと、前記固体粒子溶液を表面上に配置することと、前記溶媒を蒸発させて前記テクスチャ表面を形成することを含む方法が記載されている。

発明の概要

[0004]
 本発明は、以下の〔1〕に関する。
〔1〕工程1:溶媒A、溶媒B、及びポリマーCを含有する液体組成物Iを基材に付与する工程と、
 工程2:工程1で付与された基材上の液体組成物Iに、水を含有する液体IIの液滴を付与する工程と、を含み、
 該溶媒Aの沸点が99℃未満であり、該溶媒Aの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが36以下であり、
 該溶媒Bの沸点が150℃以上であり、該溶媒Bの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが40以上であり、
 該溶媒Bが該溶媒Aと相溶し、かつ該ポリマーCが該溶媒Aに可溶で該溶媒Bに不溶であり、工程2で付与される液滴の平均直径dが0.01μm以上50μm以下である、塗膜の形成方法。
 Ra=(4×ΔD 2+ΔP 2+ΔH 20.5   (1)
 ΔD:ハンセン溶解度パラメータにおける分散成分の溶媒と水との差
 ΔP:ハンセン溶解度パラメータにおける極性成分の溶媒と水との差
 ΔH:ハンセン溶解度パラメータにおける水素結合成分の溶媒と水との差

図面の簡単な説明

[0005]
[図1] 本発明の塗膜の形成方法により、基材上に付与された液体組成物Iに液滴が付与された断面の一例を示す模式図である。
[図2] 本発明の塗膜の形成方法により、基材上に付与された液体組成物Iに液滴が付与された断面の一例を示す模式図である。
[図3] 実施例1-2で得られた塗膜を上面側より撮影した光学顕微鏡写真(倍率:250倍)である。
[図4] 実施例1-2で得られた塗膜を上面側より撮影した光学顕微鏡写真(倍率:1,000倍)である。
[図5] 実施例1-2で得られた塗膜を上面側より撮影した光学顕微鏡写真(倍率:2,500倍)である。
[図6] 実施例4-1で得られた塗膜の水洗前後を上面側より撮影した写真である。
[図7] 実施例4-1で得られた塗膜の水洗前後を上面側より撮影した光学顕微鏡写真(倍率:2,500倍)である。

発明を実施するための形態

[0006]
 特許文献1では、ポリマーを含む混合物の温度を調整することにより、多孔体を形成するため、気孔径の調整が十分でない。また、特許文献2の技術では、固体粒子溶液を形成し、該固体粒子溶液を表面上に配置することにより、テクスチャ表面を形成するため、テクスチャ表面の特性は固体粒子の粒径によるため、テクスチャ表面の特性を制御するには十分でない。そのため、より簡便でかつ精密に表面の性状を制御でき、結果として光学的な特性を発揮し得る塗膜の形成方法が望まれている。
 本発明は、簡便でかつ精密に光学的な特性を発揮し得る塗膜の形成方法に関する。
[0007]
 本発明者は、所定の沸点を有する2種類の溶媒及びポリマーを含有する液体組成物を基材に付与する工程と、該工程で付与された基材上の液体組成物に、水を含有する液体の液滴を付与する工程とを含み、これら2種類の溶媒の水に対するハンセン溶解度パラメータを所定の範囲とし、2種類の溶媒の相溶性とポリマーの溶媒に対する溶解性をそれぞれ特定の関係とし、該液体組成物に付与される液滴の平均直径を所定の範囲とすることにより、一次粒子が集積した二次粒子を含む塗膜が形成され、無機顔料を使用しなくとも、高い白色度を有し、隠蔽性が向上するという光学的な特性が発現することを見出した。
 すなわち、本発明は、
 工程1:溶媒A、溶媒B、及びポリマーCを含有する液体組成物Iを基材に付与する工程と、
 工程2:工程1で付与された基材上の液体組成物Iに、水を含有する液体IIの液滴を付与する工程と、を含み、
 該溶媒Aの沸点が99℃未満であり、該溶媒Aの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが36以下であり、
 該溶媒Bの沸点が150℃以上であり、該溶媒Bの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが40以上であり、
 該溶媒Bが該溶媒Aと相溶し、かつ該ポリマーCが該溶媒Aに可溶で該溶媒Bに不溶であり、工程2で付与される液滴の平均直径dが0.01μm以上50μm以下である、塗膜の形成方法に関する。
 Ra=(4×ΔD 2+ΔP 2+ΔH 20.5   (1)
 ΔD:ハンセン溶解度パラメータにおける分散成分の溶媒と水との差
 ΔP:ハンセン溶解度パラメータにおける極性成分の溶媒と水との差
 ΔH:ハンセン溶解度パラメータにおける水素結合成分の溶媒と水との差
[0008]
 本発明によれば、簡便でかつ精密に光学的な特性を発揮し得る塗膜の形成方法を提供することができる。
[0009]
[塗膜の形成方法]
 本発明の塗膜の形成方法は、工程1:溶媒A、溶媒B、及びポリマーCを含有する液体組成物I(以下、「液体組成物I」ともいう)を基材に付与する工程と、工程2:工程1で付与された基材上の液体組成物Iに、水を含有する液体IIの液滴を付与する工程と、を含み、該溶媒Aの沸点が99℃未満であり、該溶媒Aの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが36以下であり、該溶媒Bの沸点が150℃以上であり、該溶媒Bの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが40以上であり、該溶媒Bが該溶媒Aと相溶し、かつ該ポリマーCが該溶媒Aに可溶で該溶媒Bに不溶であり、工程2で付与される液滴の平均直径dが0.01μm以上50μm以下である。
 Ra=(4×ΔD 2+ΔP 2+ΔH 20.5   (1)
 ΔD:ハンセン溶解度パラメータにおける分散成分の溶媒と水との差
 ΔP:ハンセン溶解度パラメータにおける極性成分の溶媒と水との差
 ΔH:ハンセン溶解度パラメータにおける水素結合成分の溶媒と水との差
[0010]
 本発明において、「相溶」とは、溶媒A及び溶媒Bを含む混合系において、溶媒Aと溶媒Bが互いに溶け合う現象をいう。溶媒Aと溶媒Bとを混合して静置したときに多相に分離しない場合、又は、混合して撹拌操作を行ったときに相分離して白濁が生じない場合を、溶媒A及び溶媒Bが相溶状態にあると判断する。
 また、ポリマーCは、溶媒Aに可溶で溶媒Bに不溶であり、液体組成物I中においては溶解してなるものである。
 本発明において、「ポリマーCが溶媒Aに可溶である」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーCを25℃の溶媒A100gに溶解させたときの溶解量が5g以上であることをいう。前記溶解量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは10g以上である。
 本発明において、「ポリマーCが溶媒Bに不溶である」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーCを25℃の溶媒B100gに飽和するまで溶解させたときの溶解量が5g未満であることをいう。前記溶解量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは2g以下である。
 上記の「相溶」又は「可溶」であるか否かの判断は25℃で行う。
[0011]
 本発明において、「ハンセン溶解度パラメータ」は、Hildebrandによって導入された溶解度パラメータ(SP値)を3成分(分散成分D、極性成分P、水素結合成分H)に分割して表される。各溶媒のD、P、Hは“HANSEN SOLBILITY PARAMETERS” A User’s Handbook Second Editionに詳しく記載されている。また、多くの溶媒や樹脂についてのHSP値はWesley L.Archer著、Industrial Splvents Handbook等にも記載されている。
 各溶媒のD、P、Hは、Charles Hansen Consulting, Inc.(Horsholm, Denmark, hansen-solubility.com)のソフトウェアHSPiPを用いて求めることもできる。
 本発明においては、HSPiPバージョン4.1.03のデータベースに登録されている溶媒(各種HSPの文献参照)に関してはその値を使用し、データベースにない溶媒に関しては、前記HSPiPにより推算される値を使用する。
[0012]
 本発明によれば、無機顔料を使用しなくとも、高い白色度を有し、隠蔽性に優れるという光学的な特性を発揮し得る塗膜を簡便かつ精密に形成することができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
 本発明の塗膜の形成方法は、沸点及び水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが互いに異なる溶媒A及び溶媒B、並びに該溶媒Aに可溶で該溶媒Bに不溶なポリマーCを含有する液体組成物Iを用いる。このような液体組成物Iを基材に付与した後、該基材上の液体組成物Iに水を含有する液体IIの液滴を付与する。本発明においては溶媒A及び溶媒Bの水に対する溶解度パラメータが特定の範囲であるため、液体IIの付与により溶媒Aと相溶していた溶媒Bは相分離する。そして、ポリマーCは溶媒Aに可溶で溶媒Bに不溶であるため、相分離した溶媒BをポリマーCが被覆し、溶媒Bの合一が抑制されることにより、溶媒BをコアとしてポリマーCをシェルとするコアシェル構造を有する一次粒子が形成されると考えられる。更に、溶媒Aの揮発と形成された一次粒子の表面整列に伴い、塗膜内で規則的に区切られたセル状の対流構造、いわゆるベナールセル(Benard Cells)が発生し、各セル内でのベナール対流により、一次粒子が集積して二次粒子が形成され、本発明に係る塗膜が得られると考えられる。その結果、塗膜内に形成された粒子構造により光が散乱され、高い白色度が発現し、隠蔽性が向上すると推察される。
[0013]
(工程1)
 工程1は、溶媒A、溶媒B、及びポリマーCを含有する液体組成物Iを基材に付与する工程である。
[0014]
<液体組成物I>
(溶媒A)
 本発明に係る液体組成物Iは、溶媒Aを含有する。
 溶媒Aは、沸点が99℃未満であり、該溶媒Aの前記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raは36以下である。更に溶媒Aは、溶媒Bと相溶し、ポリマーCを溶解する。これにより、液体組成物Iへの液体IIの液滴の付与される際に、溶媒Aと溶媒Bの相分離を生じさせることができる。
[0015]
 溶媒Aの沸点は、一次粒子を形成し、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、99℃未満であり、好ましくは98℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下であり、そして、取り扱い性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上である。
 溶媒Aの水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raは、一次粒子を形成し、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、36以下であり、好ましくは32以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは28以下、より更に好ましくは26以下であり、そして、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上、より更に好ましくは22以上である。
 溶媒Aは、1種を単独で又は2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合の沸点及び水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raは、各溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値として求めることができる。
[0016]
 溶媒Aとしては、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、炭素数1以上4以下の1価のアルコールが好ましい。中でも、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブチルアルコールから選ばれる少なくとも1種であり、取り扱い性の観点から、更に好ましくは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びtert-ブチルアルコールから選ばれる少なくとも1種であり、より更に好ましくはエタノールである。
[0017]
(溶媒B)
 本発明に係る液体組成物Iは、溶媒Bを含有する。
 溶媒Bの沸点は150℃以上であり、該溶媒Bの前記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raは40以上である。更に溶媒Bは、溶媒Aと相溶し、ポリマーCを溶解しない。これにより、液体組成物Iの表面に液体IIが付与される際に、溶媒Aと溶媒Bの相分離が生じ、溶媒BをポリマーCで被覆した一次粒子が形成される。
[0018]
 溶媒Bの沸点は、一次粒子を形成し、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、150℃以上であり、好ましくは155℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは165℃以上、より更に好ましくは170℃以上であり、そして、取り扱い性の観点から、好ましくは300℃以下、より好ましくは270℃以下、更に好ましくは250℃以下、より更に好ましくは230℃以下、より更に好ましくは210℃以下、より更に好ましくは180℃以下である。
 溶媒Bの水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raは、一次粒子を形成し、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、40以上であり、好ましくは42以上、より好ましくは44以上であり、そして、好ましくは60以下、より好ましくは57以下、更に好ましくは55以下である。
 溶媒Bは、1種を単独で又は2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合の沸点及び水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raは、各溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値として求めることができる。
[0019]
 溶媒Bは、白色度及び隠蔽度を向上させる観点から、炭化水素油及びシリコーン油から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
 炭化水素油としては、α-オレフィンオリゴマー、流動パラフィン;イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテン等の流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動オゾケライト、スクワラン、プリスタン、スクワレン等が挙げられ、好ましくは流動イソパラフィンであり、より好ましくはイソドデカン及び水添ポリイソブテンから選ばれる1種以上である。
 炭化水素油の重量平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは160以上であり、そして、好ましくは1,000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。
 水添ポリイソブテンの20℃における粘度は、好ましくは0.5mPa・s以上、より好ましくは0.7mPa・s以上、更に好ましくは1mPa・s以上であり、そして、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは25mPa・s以下、更に好ましくは20mPa・s以下である。水添ポリイソブテンの20℃における粘度は、E型粘度計を用いて測定することができる。
[0020]
 シリコーン油としては、トリシロキサン等の直鎖状シリコーン油;メチルトリメチコン等の分岐状シリコーン油;メチルシクロポリシロキサン等の環状シリコーン油が挙げられる。中でも、トリシロキサン、メチルトリメチコンが好ましい。
 シリコーン油の重量平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは160以上であり、そして、好ましくは1,000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。
 シリコーン油の25℃における粘度は、好ましくは0.5mPa・s以上であり、そして、好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下、更に好ましくは5mPa・s以下、より更に好ましくは3mPa・s以下である。シリコーン油の25℃における粘度は、E型粘度計を用いて測定することができる。
 溶媒Bは、炭化水素油又はシリコーン油に加えて、更に保湿剤、紫外線吸収剤、害虫忌避剤、シワ防止剤、香料、染料等の添加剤を含むものであってもよい。
 溶媒Bが、重量平均分子量が150以上1,000以下である炭化水素油及びシリコーン油から選ばれる少なくとも1種を含む場合、溶媒B中の重量平均分子量が150以上1,000以下である炭化水素油及びシリコーン油から選ばれる少なくとも1種の含有量は、白色度及び隠蔽度を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
[0021]
(ポリマーC)
 本発明においてポリマーCは、相分離した溶媒Bを被覆し、一次粒子の形成に寄与する。
 ポリマーCは、溶媒Aに可溶で溶媒Bに不溶であれば特に制限はない。
 ポリマーCとしては、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ベタインポリマー等のイオン性ポリマー;ノニオン性ポリマーなどが挙げられる。
[0022]
〔アニオン性ポリマー〕
 アニオン性ポリマーはアニオン性基を有する。該アニオン性基としては、カルボキシ基(-COOM)、スルホン酸基(-SO 3M)、リン酸基(-OPO 32)等の解離して水素イオンが放出されることにより酸性を呈する基、又はそれらの解離したイオン形(-COO -、-SO 3 -、-OPO 3 2-、-OPO 3 -M)等が挙げられる。上記化学式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。
 アニオン性ポリマーは、好ましくは酸性基を有するモノマー由来の構成単位を含むアニオン性ポリマーCI(以下、「アニオン性ポリマーCI」ともいう)である。
 酸性基を有するモノマーは、好ましくはカルボキシ基を有するモノマーであり、より好ましくは、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及び2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸から選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸である。
 ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味する。
[0023]
 アニオン性ポリマーCIは、更に酸性基を有するモノマー以外の他のモノマー由来の構成単位を含む共重合体であることが好ましい。他のモノマーとしては、脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等の疎水性モノマー;ノニオン性モノマーなどが挙げられる。
 ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる1種以上を意味する。
[0024]
 脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレートは、好ましくは炭素数1以上22以下、より好ましくは炭素数1以上12以下、更に好ましくは1以上8以下の脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有するものである。該(メタ)アクリレートとしては、直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート、分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレート、脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0025]
 芳香族基含有モノマーは、好ましくは、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6以上22以下の芳香族基を有するビニルモノマーであり、より好ましくはスチレン系モノマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種である。芳香族基含有モノマーの分子量は、500未満が好ましい。
 スチレン系モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
 芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0026]
 アニオン性ポリマーCIにおけるノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド;N-ビニル-2-ピロリドン;ジアセトンアクリルアミド;N-アルキル(メタ)アクリルアミド;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(n=2~30、nは当該オキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下も同様である。);アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(n=1~30、好ましくは2~30);フェノキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(n=1~30、その中のエチレングリコール:n=1~29)(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
 商業的に入手しうるノニオン性モノマーの具体例としては、新中村化学工業株式会社のNKエステルM-20G、同40G、同90G、同230G等、日油株式会社のブレンマーPE-90、同200、同350等、PME-100、同200、同400等、PP-500、同800、同1000等、AP-150、同400、同550等、50PEP-300、50POEP-800B、43PAPE-600B等が挙げられる。
 前述の各モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0027]
 アニオン性ポリマーCIの重量平均分子量は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、更に好ましくは200,000以下である。アニオン性ポリマーCIの重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の分子量である。
[0028]
 商業的に入手しうるアニオン性ポリマーCIとしては、ウルトラホールド8、ウルトラホールドストロング、ウルトラホールドパワー(以上、BASFジャパン株式会社)、アンフォーマーV-42(ナショナルスターチ社)等のアクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体;カーボポール980、981(以上、Lubrizol Advanced Materials社)等のカルボキシビニルポリマー;ダイヤホールド(三菱化学株式会社)等の(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体;プラスサイズL-53P、L-75CB、L-9540B、L-6466、L-3200B(互応化学工業(株))等の(アクリル酸/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP又は(アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP;ルビフレックスVBM35(BASF社)等の(メタ)アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/ポリビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
[0029]
 アニオン性ポリマーCIは、好ましくは酸性基を有するモノマー由来の構成単位及び(メタ)アククリル酸アルキルエステル由来の構成単位を含み、より好ましくは、酸性基を有するモノマー由来の構成単位、(メタ)アククリル酸アルキルエステル由来の構成単位、及び(N-アルキル)(メタ)アクリルアミド由来の構成単位を含み、更に好ましくは(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)(メタ)アクリルアミド共重合体、より更に好ましくはアクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体である。
[0030]
〔カチオン性ポリマー〕
 本発明においてカチオン性ポリマーの「カチオン性」とは、未中和のポリマーを純水に分散又は溶解させた場合、pHが7より大となること、第4級アンモニウム基等を有するポリマーの場合はその対イオンを水酸化物イオンとして純水に分散又は溶解させた場合、pHが7より大となること、又はポリマー等が純水に不溶であり、pHが明確に測定できない場合には、純水に分散させた分散体のゼータ電位が正となることをいう。
 カチオン性ポリマーは、好ましくは、第1~3級アミノ基、第4級アンモニウム基、ヒドラジノ基等の塩基性基を有し、より好ましくは第4級アンモニウム基を有する。
 なお、塩基性基は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸等の酸で中和されたものを含む。
[0031]
 カチオン性ポリマーとしては、天然系カチオン性ポリマー、合成系カチオン性ポリマーが挙げられる。
 天然系カチオン性ポリマーは、天然物から抽出、精製等の操作により得られるポリマー及び該ポリマーを化学的に修飾したものであり、ポリマー骨格にグルコース残基を有するものが挙げられる。具体的には、カチオン化グアガム;カチオン化タラガム;カチオン化ローカストビーンガム;カチオン化セルロース;カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース;カチオン性澱粉などが挙げられる。
[0032]
 合成系カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン又はそれらの酸中和物、ポリグリコール-ポリアミン縮合物、カチオン性ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルピロリドン、カチオン性シリコーンポリマー、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート重合体又はそれらの酸中和物、ポリ(トリメチル-2-メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド)、アミン/エピクロロヒドリン共重合体、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/ビニルピロリドン共重合体、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩/N,N-ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/ヒドロキシエチルセルロース共重合体、1-アリル-3-メチルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体、アルキルアミノ(メタ)アクリレート/ビニルピロリドン共重合体、アルキルアミノ(メタ)アクリレート/ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体、(3-(メタ)アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体、アルキルアミノアルキルアクリルアミド/アルキルアクリルアミド/(メタ)アクリレート/ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 中でも、好ましくは塩基性基を有するモノマー由来の構成単位を含むカチオン性ポリマーCII-1(以下、「カチオン性ポリマーCII-1」ともいう)、カチオン性シリコーンポリマーCII-2である。
[0033]
〔カチオン性ポリマーCII-1〕
 カチオン性ポリマーCII-1は、塩基性基を有するモノマー由来の構成単位を含む。該塩基性基としては、前述と同じものが挙げられる。
 塩基性基を有するモノマーとしては、アルキルアミノ(メタ)アクリレート;N,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド;ジアリルジアルキルアンモニウムなどのアミノ基含有モノマー、その酸中和物又は四級化物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
 酸中和するための酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸等が挙げられ、四級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ-n-プロピル等のアルキル化剤が挙げられる。
[0034]
 カチオン性ポリマーCII-1は、好ましくは塩基性基を有するモノマーの単独重合体、塩基性基を有するモノマーと該塩基性基を有するモノマー以外の他のモノマーとの共重合体、又は縮重合体であり、より好ましくは塩基性基を有するモノマーと該塩基性基を有するモノマー以外の他のモノマーとの共重合体であり、更に好ましくは、塩基性基を有するモノマー由来の構成単位と、前述のアニオン性ポリマーCIで挙げた疎水性モノマー由来の構成単位と、前述のアニオン性ポリマーCIで挙げたノニオン性モノマー由来の構成単位を含む共重合体であり、より更に好ましくは、アミノ基含有モノマー由来の構成単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位と、N-アルキル(メタ)アクリルアミド由来の構成単位と、アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む共重合体である。カチオン性ポリマーCII-1は、これらのモノマーを含む原料モノマーを塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
[0035]
 カチオン性ポリマーCII-1製造時における、塩基性基を有するモノマー、疎水性モノマー、及びノニオン性モノマーの原料モノマー中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)、すなわちカチオン性ポリマーCII-1中における各成分由来の構成単位の含有量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、次のとおりである。
 塩基性基を有するモノマーの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
 疎水性モノマーの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
 ノニオン性モノマーの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
[0036]
 カチオン性ポリマーCII-1の重量平均分子量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは7,000以上、更に好ましくは10,000以上、より更に好ましくは50,000以上、より更に好ましくは100,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、更に好ましくは300,000以下、より更に好ましくは200,000以下である。カチオン性ポリマーCII-1の重量平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
[0037]
〔カチオン性シリコーンポリマーCII-2〕
 カチオン性シリコーンポリマーCII-2は、オルガノポリシロキサンセグメント(x)(以下、単に「セグメント(x)」ともいう)と、該セグメント(x)のケイ素原子の少なくとも1個に結合するカチオン性窒素原子を含むアルキレン基と、下記一般式(1-1)で表されるN-アシルアルキレンイミンの繰り返し単位とからなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(y)(以下、単に「セグメント(y)」ともいう)とを含むポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体が好ましい。
[0038]
[化1]



(式中、R 1は水素原子、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数6以上22以下のアリール基、又は炭素数7以上22以下のアリールアルキル基若しくはアルキルアリール基を示し、aは2又は3である。)
[0039]
 R 1であるアルキル基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましい。
 R 1であるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
 R 1であるアリールアルキル基としては、アルキル基の炭素数が1以上20以下のフェニルアルキル基、ナフチルアルキル基等が挙げられ、アルキルアリール基としては、アルキル基の炭素数が1以上20以下のアルキルフェニル基、アルキルナフチル基等が挙げられる。
 セグメント(y)における一般式(1-1)で表される繰り返し単位の重合度は特に制限はないが、例えば1以上500以下が好ましく、6以上100以下がより好ましい。
[0040]
 セグメント(x)を形成するオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(1-2)で表される化合物が挙げられる。
[化2]



(式中、R 2は炭素数1以上22以下のアルキル基、フェニル基、又は窒素原子を含むアルキル基を示し、複数個のR 2は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1個はカチオン性窒素原子を含むアルキル基である。bは100以上5,000以下である。)
[0041]
 一般式(1-2)において、R 2で示される炭素数1以上22以下のアルキル基の中では、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
 また、R 2で示される窒素原子を含むアルキル基としては、窒素原子を好ましくは1個以上3個以下含む炭素数2以上20以下のアルキル基が挙げられる。窒素原子を含むアルキル基は、オルガノポリシロキサンの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にあればよく、オルガノポリシロキサン中の窒素原子を含むアルキル基の数は1以上300以下が好ましく、1以上100以下がより好ましい。
[0042]
 一般式(1-2)において、bは、好ましくは100以上2,000以下、より好ましくは350以上1,500以下である。
 セグメント(x)を形成するオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、更に好ましくは200,000以下である。
[0043]
 セグメント(x)とセグメント(y)との結合において、介在する窒素原子を含むアルキレン基として、窒素原子を好ましくは1個以上3個以下含む炭素数2以上20以下のアルキレン基が挙げられる。
 具体的には、アルキレン鎖の炭素-炭素間又は末端に存在する窒素原子としては、(i)第2級アミン又は第3級アミン、(ii)第2級アミン又は第3級アミンに水素イオンが付加したアンモニウム塩、(iii)第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
[0044]
 ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体としては、セグメント(x)の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、カチオン性窒素原子を含むアルキレン基を介して、セグメント(y)が結合したものが好ましい。
 ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体におけるセグメント(x)及びセグメント(y)の合計含有量に対するセグメント(x)の含有量の質量比[セグメント(x)の含有量/〔セグメント(x)及びセグメント(y)の合計含有量〕]は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、より更に好ましくは0.5以上であり、そして、好ましくは0.99以下、より好ましくは0.95以下、更に好ましくは0.9以下である。
 本明細書において、質量比[セグメント(x)の含有量/〔セグメント(x)及びセグメント(y)の合計含有量〕]は、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体におけるセグメント(x)の質量(Mx)及びセグメント(y)の質量(My)の合計量に対するセグメント(x)の質量(Mx)の比である。
 質量比[セグメント(x)の含有量/〔セグメント(x)及びセグメント(y)の合計含有量〕]は、ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体を重クロロホルム中に5質量%溶解させ、核磁気共鳴(1H-NMR)分析により、セグメント(x)中のアルキル基又はフェニル基と、セグメント(y)中のメチレン基との積分比より算出することができる。
[0045]
 ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体の重量平均分子量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは70,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、更に好ましくは200,000以下である。ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体の重量平均分子量は、セグメント(x)を形成するオルガノポリシロキサンの重量平均分子量と前述の質量比[セグメント(x)の含有量/〔セグメント(x)及びセグメント(y)の合計含有量〕]から算出することができる。
[0046]
 ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体の好適例としては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
[0047]
 ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体は、例えば、環状イミノエーテルの開環重合物であるポリ(N-アシルアルキレンイミン)とセグメント(x)を形成するオルガノポリシロキサンとを反応させる方法により得ることができる。より具体的には、例えば特開2011-126978公報に記載の方法により得ることができる。カチオン性シリコーンポリマーCII-2として用いるポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0048]
〔ベタインポリマー〕
 本発明においてベタインポリマーは、アニオン性基を有するモノマーとカチオン性基を有するモノマーとの共重合体、ベタインモノマーの重合体又は共重合体、アニオン性基をカチオン性ポリマーに導入したもの、前述の塩基性基をアニオン性ポリマーに導入したもの等が挙げられる。中でも、好ましくは側鎖にベタイン構造を含むポリマーであり、より好ましくはベタインモノマー由来の構成単位を含むベタインポリマーCIII(以下、「ベタインポリマーCIII」ともいう)である。
 ベタインモノマーは、好ましくはベタイン構造と(メタ)アクリルアミド構造とを含むモノマーであり、より好ましくはカルボキシベタインモノマー、スルホベタインモノマー、及びホスホベタインモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはカルボキシベタインモノマーである。
[0049]
 ベタインポリマーとしては、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール共重合体、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。中でも、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体が好ましい。
[0050]
 ベタインポリマーの重量平均分子量は、隠蔽性及び化粧持続性を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、更に好ましくは300,000以下である。ベタインポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の分子量である。
[0051]
 商業的に入手しうるベタインポリマーとしては、例えば、プラサイズL-410W、同L―402W、同L-440、同L-440W、同K-450、同L-450W(以上、互応化学工業株式会社製、商品名);ユカフォーマーSM、同301(以上、三菱ケミカル株式会社製、商品名);RAMレジン-1000、同-2000、同-3000、同-4000(以上、大阪有機化学工業株式会社製、商品名);マーコートプラス3330(日本ルーブリゾール株式会社製、商品名)、アンフォーマー28-4910、同LV-71(以上、アクゾノーベル株式会社、商品名)等が挙げられる。
[0052]
〔ノニオン性ポリマー〕
 ノニオン性ポリマーとしては、ノニオン性モノマー由来の構成単位を有するポリマー、水溶性多糖類(セルロース系、ガム系、スターチ系等)及びその誘導体等が挙げられる。
 ノニオン性ポリマーにおけるノニオン性モノマーとしては、炭素数1以上22以下の脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート;N-ビニル-2-ピロリドン;ビニルアルコール;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(n=1~30);アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(n=1~30);(メタ)アクリルアミド及びその誘導体等が挙げられる。
 また、ノニオン性ポリマーは、更に、ノニオン性モノマー以外の他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。他のモノマーとしては、スチレン等のスチレン系モノマー;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族基含有(メタ)アクリレート;酢酸ビニルなどが挙げられる。
[0053]
 ノニオン性ポリマーは、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリウレタンポリウレア、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等のビニルピロリドンと他のノニオン性モノマーとの共重合体、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、グアガム、ポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルホルムアミド)、ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)等が挙げられる。中でも、ポリビニルアセタール、ポリウレタンポリウレアが好ましい。
[0054]
 商業的に入手しうるノニオン性ポリマーとしては、エスレックBシリーズ(積水化学株式会社製、商品名)等のポリビニルブチラール;BAYCUSANシリーズ(コベストロジャパン社製、商品名)等のポリウレタンポリウレア;HECダイセルSE900、同SE850、同SE600、同SE550、同SE400(以上、ダイセルファインケム株式会社製、商品名)等のヒドロキシエチルセルロース;POLYOXWSRN-12、同WSR N-60K、同WSR-301(以上、ダウ・ケミカル株式会社製、商品名)等の高重合ポリエチレングリコール;ペオPEO-27、同PEO-18、同PEO-15、同PEO-8(以上、住友精化株式会社、商品名、ポリエチレンオキサイド);ルビスコールK90、同K80、同K30(以上、BASF社製、商品名)等のポリビニルピロリドン;ゴーセノールシリーズ(以上、日本合成化学工業株式会社、商品名)等のポリビニルアルコールなどが挙げられる。
[0055]
 本発明においてポリマーCの水への溶解量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーCを25℃の水100gに飽和するまで溶解させたときの溶解量として、好ましくは5g未満である。
 なお、ポリマーCがアニオン性ポリマーの場合、前記溶解量はポリマーCのアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。ポリマーCがカチオン性ポリマーの場合、前記溶解量はポリマーのカチオン性基を塩酸で100%中和した時の溶解量である。
[0056]
 本発明においてポリマーCは、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、溶媒Bには不溶であっても溶媒Bに対して親和性を有し、かつ水に対しても親和性を有する両親媒性ポリマーであることが好ましく、イオン性ポリマーがより好ましく、酸性基を有するモノマー、塩基性基を有するモノマー、及びベタインモノマーから選ばれる少なくとも1種をモノマー構成単位として含むポリマーを含有することが更に好ましく、アニオン性ポリマーCI、カチオン性ポリマーCII-1、カチオン性シリコーンポリマーCII-2、及びベタインポリマーCIIIから選ばれる少なくとも1種を含有することがより更に好ましい。
 中でも、ポリマーCは、好ましくは2種以上のポリマーを併用するものであり、より好ましくは、アニオン性ポリマーCIと、カチオン性ポリマーCII-1、カチオン性シリコーンポリマーCII-2、及びベタインポリマーCIIIから選ばれる少なくとも1種とを含有するものであり、更に好ましくは、アニオン性ポリマーCIと、カチオン性ポリマーCII-1及びベタインポリマーCIIIから選ばれる少なくとも1種とを含有するものであり、アニオン性ポリマーCIと、カチオン性ポリマーCII-1又はベタインポリマーCIIIとを含有するものであり、より更に好ましくはアニオン性ポリマーCIとベタインポリマーCIIIとを含有するものである。
[0057]
 液体組成物Iの20℃における粘度は、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上、更に好ましくは10mPa・s以上であり、そして、好ましくは1,000mPa・s以下、より好ましくは700mPa・s以下、更に好ましくは300mPa・s以下、より更に好ましくは100mPa・s以下、より更に好ましくは50mPa・s以下、より更に好ましくは30mPa・s以下である。液体組成物Iの20℃における粘度は、実施例に記載の方法で測定される。
[0058]
(pH調整剤)
 液体組成物Iは、更にpH調整剤を含有することが好ましい。pH調整剤は、液体組成物IのpHを変化させることにより、形成される一次粒子径又は一次粒子の屈折率が変化し、白色度及び隠蔽性を向上させることができると考えられる。当該観点から、液体組成物IのpH(20℃)は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上であり、そして、好ましくは8以下、より好ましくは7.5以下、更に好ましくは7以下である。液体組成物IのpH(20℃)は、実施例に記載の方法で測定される。
[0059]
 pH調整剤としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホ基、スルフィン酸基、又はカルボキシ基を有する有機酸、及びこれらの塩等が挙げられる。これらの中でも、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、カルボキシ基を有する有機酸が好ましい。該カルボキシ基を有する有機酸としては、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;酢酸等のモノカルボン酸;コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の飽和又は不飽和のジカルボン酸などの有機酸及びこれらの塩が挙げられる。これらの中でも、より好ましくはヒドロキシカルボン酸及びジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはヒドロキシカルボン酸であり、より更に好ましくは乳酸である。
[0060]
 本発明に係る液体組成物Iには、任意成分として、染料、無機顔料、有機顔料、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分、薬効成分、保湿剤、酸化防止剤、殺菌剤、防腐剤等の成分を含有してもよい。これらは、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0061]
(液体組成物Iの製造)
 液体組成物Iは、溶媒A、溶媒B、ポリマーC及び必要に応じて前記任意成分を混合し、撹拌することによって得ることができる。混合順序に特に制限はないが、好ましくは、まず溶媒AとポリマーCとを混合して、ポリマーCを溶媒Aに溶解させてポリマーCの溶液を得た後、該溶液に溶媒Bを添加する工程を含むことが好ましい。必要に応じて前記任意成分を更に添加及び混合してもよい。
[0062]
 液体組成物I中の各成分の含有量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、以下のとおりである。
 液体組成物I中の溶媒Aの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは87質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
 液体組成物I中の溶媒Bの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
 液体組成物I中の溶媒Bに対する溶媒Aの含有量の質量比[溶媒A/溶媒B]は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1以上、より更に好ましくは1.5以上、より更に好ましくは2以上であり、そして、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは7以下、より更に好ましくは5以下である。
[0063]
 液体組成物I中のポリマーCの含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。
 ポリマーCが、アニオン性ポリマーCIと、カチオン性ポリマーCII-1、カチオン性シリコーンポリマーCII-2、及びベタインポリマーCIIIから選ばれる少なくとも1種とを含有する場合、ポリマーC中の、アニオン性ポリマーCIと、カチオン性ポリマーCII-1、カチオン性シリコーンポリマーCII-2及びベタインポリマーCIIIから選ばれる少なくとも1種との合計含有量、又はポリマーC中の、アニオン性ポリマーCI、カチオン性ポリマーCII-1、カチオン性シリコーンポリマーCII-2及びベタインポリマーCIIIの合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下であり、より更に好ましくは100質量%である。
 ポリマーCが、アニオン性ポリマーCIとベタインポリマーCIIIとを含有する場合、アニオン性ポリマーCIとベタインポリマーCIIIとの含有量の質量比[アニオン性ポリマーCIの含有量/ベタインポリマーCIIIの含有量]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは9以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
[0064]
 液体組成物I中の溶媒A及び溶媒Bの合計含有量に対するポリマーCの含有量の質量比[ポリマーC/(溶媒A+溶媒B)]は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.05以上であり、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、より更に好ましくは0.2以下、より更に好ましくは0.1以下である。
 液体組成物I中の無機顔料の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下であり、より更に好ましくは0質量%である。
[0065]
 液体組成物I中のpH調整剤の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
[0066]
<基材>
 本発明で用いる基材は、金属;ガラス、シリコンウェハー等の無機材料;皮革、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム等の樹脂フィルム等の有機材料、これらの複合材料などが挙げられる。すなわち、本発明における基材とは、皮膚、毛、爪等のヒトや動物の器官及びその付属器官、並びにこれらの人工物以外の材料である。
 基材の厚みは基材の種類により適宜選択することができる。
 工程1における液体組成物Iの基材への付与方法は特に限定されないが、インクジェット法、グラビア法、フレキソ法、バーコート法、スクリーン法、ロールコーター法、スプレー法、スピンコート法、ディップ法等が挙げられる。
[0067]
 液体組成物Iの基材への付与量は、好ましくは0.5mg/cm 2以上、より好ましくは1mg/cm 2以上、更に好ましくは3mg/cm 2以上であり、そして、好ましくは10mg/cm 2以下、より好ましくは8mg/cm 2以下、更に好ましくは6mg/cm 2以下である。
 基材上に付与される液体組成物Iの乾燥前の膜厚、すなわち湿潤膜厚Tは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上であり、そして、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
[0068]
 工程1の液体組成物Iの基材への付与は、作業の簡便性の観点から、空気雰囲気下で行うことが好ましい。
 工程1の液体組成物Iを付与する際の温度は、好ましくは15℃以上、より好ましくは18℃以上、更に好ましくは20℃以上であり、そして、好ましくは35℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは28℃以下である。
 工程1の液体組成物を付与する際の相対湿度は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは30%以上であり、そして、好ましくは85%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下である。
[0069]
(工程2)
 工程2は、工程1で付与された基材上の液体組成物Iに、水を含有する液体IIの液滴を付与する工程である。
 これにより、溶媒Aと溶媒Bの相分離が速やかに進行し、溶媒BがポリマーCで被覆され、一次粒子が形成される。工程2における液滴の付与は、工程1で液体組成物Iを付与した領域全体に付与してもよく、該領域の一部に付与してもよい。
 工程1と工程2との時間の間隔は、基材上の液体組成物Iが乾燥する前に工程2を行えば特に制限はないが、好ましくは0.01秒以上、より好ましくは0.1秒以上であり、白色度及び隠蔽性の観点から、好ましくは10秒以下、より好ましくは5秒以下である。
[0070]
<液体II>
 本発明に係る液体IIは、水を含有するが、水以外に他の液体を含有してもよい。
 他の液体としては、炭素数1以上4以下の1価のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブチルアルコール等が挙げられる。中でも、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びtert-ブチルアルコールから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはエタノールである。
 液体II中の水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下であり、より更に好ましくは100質量%である。
[0071]
 液体IIを付与する方法は、液体IIの液滴を発生させて付与することが好ましい。液滴を発生させる方法としては、ピエゾ式、サーマル式、加圧式、回転式、スチーム式、超音波式、静電式等が挙げられる。中でも、微細な一次粒子を形成し、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、ピエゾ式、サーマル式、加圧式、回転式、スチーム式等の発生時に速度を有する液滴を発生させる方法が好ましい。
[0072]
 液滴が速度を有する場合、液滴1個あたりのエネルギーE 1(以下、「エネルギーE 1」ともいう)は運動エネルギーE M1と表面自由エネルギーE S1との和である下記式(2)で表される。
 E 1=〔(π/12)ρd 32+πd 2γ II〕   (2)
 ここで、ρは液体IIの密度(g/cm 3)、dは液滴の平均直径(μm)、Vは液滴の平均速度(m/s)、γ IIは液体IIの表面張力(mJ/m 2)を表す。
 基材上の液体組成物Iに液体IIの液滴が付与されると、液体IIが、液体組成物I上で半球状に着弾する場合と、液体組成物I中に球状に埋没する場合が考えられる。いずれの場合も、該液滴によりもたらされるエネルギーE 1の一部は、液体組成物Iにおいて液体IIの液滴の形成により消費されるが、その残りは余剰エネルギーとして相分離する溶媒Bの新たな界面の形成に消費され、溶媒BはポリマーCにより被覆され、一次粒子を形成すると考えられる。そのため、液滴のエネルギーE 1を調整すれば、形成される一次粒子の粒径を調整することができ、塗膜の白色度を制御することができると考えられる。
[0073]
 ここで、液体IIが水であり、溶媒Aがエタノールであり、及び溶媒Bが流動パラフィンである場合を代表例として、液滴のエネルギーE 1と形成される一次粒子の粒径との関係について説明する。
 1pLの水滴が液滴速度7.5m/sを有する場合、運動エネルギーE M1は2.81×10 -8mJ、表面自由エネルギーE S1は3.51×10 -8mJであり、1pLの水滴のエネルギーE 1は6.32×10 -8mJと算出される。
 液体IIが、液体組成物I上で半球状に着弾する場合には、空気と水との半球面状の界面とエタノールと水との円状の界面が形成され、これらの界面が質量比(エタノール/水)が50/50の界面に置き換わると仮定すると、余剰エネルギーは5.13×10 -8mJとなる。そして、この余剰エネルギーは、相分離により発現する水滴中の流動パラフィンの新たな界面の形成に消費される。流動パラフィンの水中界面張力は45mJ/m 2であるため、水滴中で新たに形成される流動パラフィンの必要な界面の面積は1.14×10 -92と算出される。
 液滴中での流動パラフィンは、ポリマーCにより合一せずに球状で独立に存在し、液滴中の流動パラフィン球体の最大充填率は36.3%であるため、上記の余剰エネルギーを消費するためには少なくとも水滴中に形成される粒子の平均粒径は2μm未満でなければならないと計算できる。
[0074]
 液体IIが、液体組成物I中に球状に埋没する場合には、そのままエタノール中で1plの水滴となり、該水滴とエタノールとの界面が質量比(エタノール/水)が50/50の界面に置き換わると仮定すると、余剰エネルギーは4.93×10 -8mJとなる。前者の場合と同様に流動パラフィンの水中界面張力は45mJ/m 2であるため、水滴中で新たに形成される流動パラフィンの必要な界面の面積は1.10×10 -92と算出される。
 更に、前者の場合と同様に水滴中での流動パラフィンは球状で独立に存在し、液滴中の流動パラフィン球体の最大充填率は36.3%であるため、上記の余剰エネルギーを消費するためには少なくとも水滴中に形成される粒子の平均粒径は2μm未満でなければならないと計算できる。
[0075]
 このように、液滴1個あたりのエネルギーE 1は、形成される一次粒子の粒径と密接に関係すると考えられる。そして、付与される液滴の総エネルギーEを、液滴の平均直径d、液滴の平均速度V、液体IIの表面張力γ II、及び液滴の打ち込み密度pにより制御することにより、形成される一次粒子の粒径を調整し、白色度を制御することができ、簡便でかつ精密に光学的な特性を発揮し得る塗膜を得ることができると考えられる。
 液滴の総エネルギーE(運動エネルギーE Mと表面自由エネルギーE Sとの和)は、液滴1個あたりのエネルギーE 1と液滴の打ち込み密度p(ドット/m 2)との積で表され、白色度を制御する観点から、好ましくは8.0mJ/m 2以上、より好ましくは20mJ/m 2以上、更に好ましくは100mJ/m 2以上であり、そして、好ましくは4,000mJ/m 2以下、より好ましくは3,000mJ/m 2以下、更に好ましくは2,600mJ/m 2以下である。
[0076]
 液体IIの液滴の平均直径dは、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、0.01μm以上であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、そして、50μm以下であり、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
 工程1で付与される液体組成物Iの湿潤膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは5未満、より好ましくは3未満、更に好ましくは1未満であり、そして、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上である。
 液体IIの液滴の付与量は、好ましくは0.01mg/cm 2以上、より好ましくは0.05mg/cm 2以上、更に好ましくは0.1mg/cm 2以上であり、そして、好ましくは10mg/cm 2以下、より好ましくは7mg/cm 2以下、更に好ましくは5mg/cm 2以下である。
 液滴の平均速度は、好ましくは1m/s以上、より好ましくは1.5m/s以上、更に好ましくは2m/s以上であり、そして、好ましくは20m/s以下、より好ましくは18m/s以下、更に好ましくは15m/s以下である。
[0077]
 液体組成物Iの表面張力γ Iは、好ましくは15mN/m以上、より好ましくは18mN/m以上、更に好ましくは20mN/以上であり、そして、好ましくは35mN/m以下、より好ましくは30mN/m以下、更に好ましくは27mN/m以下である。
 液体IIの表面張力γ IIは、好ましくは25mN/m以上、より好ましくは30mN/m以上、更に好ましくは35mN/m以上であり、そして、好ましくは80mN/m以下、より好ましくは75mN/m以下である。
 液体組成物Iの表面張力γ Iと液体IIの表面張力γ IIとの差(γ II-γ I)は、好ましくは1mN/m以上、より好ましくは3mN/m以上、更に好ましくは5mN/以上であり、そして、好ましくは55mN/m以下、より好ましくは53mN/m以下、更に好ましくは50mN/m以下である。
 表面張力は、実施例に記載の方法により測定される。
[0078]
 工程2の液滴を付与する際の温度は、特に制限はないが、好ましくは15℃以上、より好ましくは18℃以上、更に好ましくは20℃以上であり、そして、好ましくは35℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは28℃以下である。
 工程2の液滴を付与する際の相対湿度は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは30%以上であり、そして、好ましくは85%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下である。
[0079]
 工程2において液滴を付与する方法としては、インクジェット法が好ましい。インクジェット法を用いることにより、インクジェットヘッドから吐出される液滴の粒径及び速度を精密に制御して、形成される一次粒子の粒径を調整することができ、白色度を向上させることができる。
[0080]
 工程2における液滴の付与をインクジェット法で行う場合、インクジェット印刷装置のインクカートリッジに、液体IIを装着し、液滴を吐出させて、基材上の液体組成物Iに付与することができる。この際に基材上に付与された液体組成物Iの一部の領域のみに液体IIを付与し、所望の領域の白色度を向上させ、印刷画像を形成することもできる。
 以下、インクジェット法を用いる場合において、液滴を付与した部分を「印字部」ともいい、液滴を付与してない部分を「非印字部」ともいう。
 この場合において、液滴を付与していない部分(非印字部)は、空気雰囲気中の水蒸気が乾燥前の湿潤塗膜(以下、「湿潤塗膜」ともいう)表面上で凝縮することにより、溶媒Bが相分離し、溶媒BをコアとしてポリマーCをシェルとする一次粒子が形成されて白色化されるが、液滴を付与した部分(印字部)に比べて白色度は低く、白色度の高低によりパターンが形成された印刷画像を得ることができる。
[0081]
 インクジェットヘッドの印加電圧は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは5V以上、より好ましくは10V以上、更に好ましくは15V以上であり、そして、好ましくは50V以下、より好ましくは45V以下、更に好ましくは40V以下である。
 インクジェットヘッドの駆動周波数は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは1kHz以上、より好ましくは3kHz以上であり、そして、好ましくは300kHz以下、より好ましくは150kHz以下、更に好ましくは90kHz以下、より更に好ましくは50kHz以下である。
 液体IIの吐出液滴量は、白色度及び隠蔽性を向上させる観点から、1滴あたり、好ましくは0.01pL以上、より好ましくは0.1pL以上、更に好ましくは1pL以上、より更に好ましくは4pL以上であり、そして、好ましくは50pL以下、より好ましくは40pL以下、更に好ましくは35pL以下である。
[0082]
 液滴の打ち込み密度pは、1平方インチ当たりのドット数として、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは50,000以上であり、そして、好ましくは3,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは500,000以下である。液滴の打ち込み密度pは、基材の搬送方向と垂直な方向のドット密度(dpi)と基材の搬送方向のドット密度(dpi)の積から算出される。
[0083]
(工程3)
 本発明において、白色度及び隠蔽性を効率的に向上させる観点から、工程2の後、更に下記の工程3を含むことが好ましい。
 工程3:工程2で得られた塗膜を乾燥させて、ポリマー塗膜を得る工程
 乾燥方法としては、静置乾燥、送風乾燥、加熱乾燥、真空乾燥、赤外線乾燥等が挙げられる。中でも、操作の簡便性の観点から、送風乾燥、加熱乾燥が好ましい。乾燥方法は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
 加熱乾燥としては、塗膜の表面に温風を付与して加熱する方法、塗膜の表面にヒーターを近づけて加熱する方法、基材の塗膜が形成された面と反対側の面にヒーターを接触させて加熱する方法、常圧又は高圧で高温蒸気を用いる蒸気養生によって加熱する方法等が挙げられる。
 工程3における乾燥時の温度は、塗膜の変形を抑制する観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下、より更に好ましくは70℃以下であり、そして、短時間で乾燥させる観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上である。
 工程3における乾燥時間は、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上であり、そして、好ましくは30分以下、より好ましくは20分以下、更に好ましくは10分以下である。
[0084]
(工程4)
 本発明において、工程1で付与される液体組成物Iの湿潤膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)が1超である場合、工程2又は工程3の後、好ましくは工程3の後、更に下記の工程4を含んでもよい。
 工程4:工程2又は工程3で得られた塗膜を水洗する工程
 ポリマーCがイオン性ポリマーである場合には、工程4により、工程2で液滴を付与した部分の塗膜を取り除き、該部分の基材表面が露出させる一方で、液滴を付与していない部分は塗膜で被覆された状態となるため、液滴を付与した部分と液滴を付与していない部分の白色度の差が増大し、簡便でかつ精密にパターンが形成された印刷画像を得ることができる。
 水洗方法としては、流水水洗、浸漬水洗等が挙げられるが、操作の簡便性の観点から、流水水洗が好ましい。使用する水は、水道水、イオン交換水、RO水、蒸留水のいずれでもよい。
[0085]
 工程1で付与される液体組成物Iの湿潤膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)が1超である場合、図1に示すように、液体組成物Iで形成された湿潤膜厚に対して、液滴の直径の方が大きくなる。
 これにより、湿潤膜厚の厚さ方向全てにわたって、液体組成物Iと水を含む液体IIとの界面が形成されるため、溶媒BをコアとしてポリマーCをシェルとする親水性の一次粒子が厚さ方向全体で形成される。このような粒子構造を有する塗膜を水洗することにより、親水性の一次粒子が水中に分散及び流出し、液滴を付与した部分の一次粒子を厚さ方向全体で取り除くことができ、基材が露出した状態となる。一方、液滴を付与していない部分は、空気雰囲気中の水蒸気が湿潤塗膜表面上で凝縮することにより、溶媒Bが相分離し、溶媒BをコアとしてポリマーCをシェルとする一次粒子が形成されて白色化される。しかしながら、液滴を付与した部分に比べて一次粒子の親水性が劣ることから、液滴を付与してない部分については水洗により塗膜は除去され難く、基材は塗膜で被覆された状態となる。その結果、液滴を付与した部分と液滴を付与していない部分の白色度の差が増大し、パターニングを精度よく行うことができると考えられる。
[0086]
 液滴を付与した部分と、液滴を付与していない部分とで一次粒子の親水性に差が生じる理由として、以下のように推察される。
 液体IIを付与していない部分は、溶媒Aが比較的多い状態で、溶媒BとポリマーCが一次粒子を形成し始めるため、一次粒子周辺の比誘電率は比較的低い。その結果、溶媒Bをコアとして、該コアをポリマーCのシェルにて内包したコアシェル構造を有する一次粒子を形成しながらも、ポリマーCのイオン性基の解離が抑制される。これにより、ポリマーCの疎水性官能基が一次粒子の外側に配向し、一次粒子の外側は比較的疎水的なポリマー膜となって成膜すると考えられる。
 一方、液体IIを付与した部分は、付与される液滴の総エネルギーEと液体II中に含まれる水との作用により、水が比較的多い状態で溶媒BとポリマーCが一次粒子を形成し始めるため、一次粒子周辺の比誘電率は比較的高い。その結果、溶媒Bをコアとして、該コアをポリマーCのシェルにて内包したコアシェル構造を有する一次粒子を形成しつつ、ポリマーCのイオン性基の解離は促進される。これにより、ポリマーCの親水性官能基が一次粒子の外側に配向し、一次粒子の外側は比較的親水的なポリマー膜となって成膜すると考えられる。
[0087]
 一方、工程1で付与される液体組成物Iの湿潤膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)が1未満である場合、図2に示すように、液体組成物Iで形成された湿潤膜厚に対して、液滴の直径の方が小さくなる。
 これにより、湿潤膜厚中に液滴が取り込まれるため、溶媒BをコアとしてポリマーCをシェルとする親水性の一次粒子が塗膜内部に封鎖された状態で塗膜が形成される。
 このような粒子構造を有する塗膜を水洗する場合には、親水性の一次粒子が塗膜内部に封鎖された状態であるため、液滴を付与した部分の一次粒子が水中に分散又は流出され難くなると考えられる。
[0088]
 このように、工程1で付与される液体組成物Iの湿潤膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)を制御し、比(d/T)が1未満とする場合には液滴を付与した部分に隠蔽性の高い一次粒子を形成させることができ、比(d/T)が1超とする場合には液滴を付与した部分に親水性の一次粒子を形成させ、更に水洗をすることで、液滴を付与していない部分の塗膜を残し、パターンを形成することが可能となる。
 本発明の方法により基材上にパターンを形成することにより、基材表面の所望の領域の表面エネルギー、接触角、形状を意図的に変化させ、後続の基材上に別の製剤を付与する際の、基材への付着量、浸透性、接着性等を変化させることができ、簡便でかつ精密に表面の性状を制御することができる。
[0089]
 本発明の塗膜の形成方法は、無機顔料を使用しなくとも、白色度が高く、隠蔽性に優れるという光学的な特性が発現する塗膜を得ることができるため、各種分野における印刷方法、画像形成方法として有用であり、中でも、簡便性及び精密な画像設計が容易なことから、インクジェット印刷方法として用いることが好ましい。また、インクジェット印刷方法で塗膜を形成するにあたって、樹脂成分をインクジェットヘッドから吐出する際には、樹脂成分の影響によるミストが生じることが一般的に知られているが、本発明では樹脂成分を含む液体組成物Iを予め別の方法で基材に付与した上で、インクジェット法により液体組成物Iの湿潤塗膜に液体IIを付与してパターニングを行い、微細な親水性の一次粒子を印字部として所望の位置に形成することができるため、樹脂成分を含むミストの発生を抑制することができる。そのため、本発明の塗膜の形成方法は、パターニング部周辺の汚染を抑制することができる。
実施例
[0090]
 以下の合成例、調製例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。ポリマー等の物性の測定は、以下の方法で行った。
[0091]
(1)カチオン性ポリマーCII-1の重量平均分子量の測定
 N,N-ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8320GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSKgel SuperAWM-H、TSKgel SuperAW3000、TSKgel guardcolumn Super AW-H)、流速:1mL/min〕により、標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンキット〔PStQuick B(F-550、F-80、F-10、F-1、A-1000)、PStQuick C(F-288、F-40、F-4、A-5000、A-500)、東ソー株式会社製〕を用いて測定した。
 測定試料は、ガラスバイアル中にカチオン性ポリマーCII-1 0.1gを前記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター(DISMIC-13HP PTFE 0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。
[0092]
(2)ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)の数平均分子量の測定
 1mmol/L ファーミンDM20(商品名、花王株式会社製)/クロロホルムを溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔測定カラム:昭和電工株式会社製カラム(K-804L)を直列に2つ連結されたもの、流速:1mL/min、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折率計〕により、標準物質として分子量既知のポリスチレンを用いて測定した。測定試料は、濃度5mg/mLにて100μL用いた。
[0093]
(3)粘度の測定
 東機産業株式会社製のE型粘度計RE80を用い、測定時間1分、回転数100rpm、ロータは標準(1°34’×R24)を使用して、粘度を測定した。
 なお、粘度の測定は、水添ポリイソブテンは20℃、シリコーン油は25℃、液体組成物Iは20℃にて行った。
[0094]
(4)pHの測定
 pH電極「6337-10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F-71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、20℃におけるpHを測定した。
[0095]
(5)表面張力の測定
 20℃に調整したサンプル5gの入った円柱ポリエチレン製容器(直径3.6cm×深さ1.2cm)に白金プレートを浸漬し、表面張力計(協和界面化学株式会社製、「CBVP-Z」)を用いて、ウィルヘルミ法で20℃における静的表面張力を測定した。
[0096]
(6)ワイヤーバー塗布による湿潤膜厚Tの測定
 温度25℃、湿度50%に温湿度を制御した環境室内において、卓上コーター(三井電気精機株式会社製、商品名:TC-1)上に、あらかじめ重量を測定したA4サイズの透明PETフィルム(東レ株式会社、商品名:ルミラー T60、膜厚75μm)を乗せ、湿潤膜厚を確認したいワイヤーバーをセットした。次いで、エタノール10%、水50%、及びグリセリン40%の混合溶液をスポイトで約2~6ml滴下した後、直ちにセットしたワイヤーバーを用いて、毎分1mのワイヤーバーの移動速度で前記PETフィルム上に前記混合溶液を塗布した。塗布した際に、PETフィルム全面に一様に前記混合溶液が行き渡り、端部から液が溢れることを確認した。次いで、すぐに塗布したPETフィルムの重量を測定し、前記混合溶液の比重で補正することで、該ワイヤーバーを用いる際の湿潤膜厚Tを算出した。
[0097]
 各成分の詳細は、以下のとおりである。
[0098]
(アニオン性ポリマーCI)
 ウルトラホールド8:アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:ウルトラホールド8)、固形分100%粉体
 ウルトラホールドストロング:アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:ウルトラホールドストロング)、固形分100%粉体
 ウルトラホールドパワー-dry:アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体の溶液(固形分32%)(BASFジャパン株式会社製、商品名:ウルトラホールドパワー)を乾燥させた粉体
[0099]
(カチオン性ポリマーCII-1)
 カチオン性ポリマー1:下記合成例1で得られた共重合体
 カチオン性ポリマー2:下記合成例2で得られた共重合体
(カチオン性シリコーンポリマーCII-2)
 カチオン性シリコーンポリマー1:下記合成例3で得られたポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/ジメチルポリシロキサン共重合体
 カチオン性シリコーンポリマー2:下記合成例4で得られたポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/ジメチルポリシロキサン共重合体
 カチオン性シリコーンポリマー3:下記合成例5で得られたポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/ジメチルポリシロキサン共重合体
[0100]
(ベタインポリマーCIII)
 ユカフォーマーSM-dry:N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のエタノール溶液(固形分30%)(三菱ケミカル株式会社製、商品名:ユカフォーマーSM)を乾燥させた粉体
 RAMレジン1000-dry:N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のエタノール溶液(固形分30%)(大阪有機化学工業株式会社製、商品名:RAMレジン-1000、分子量100,000)を乾燥させた粉体
 RAMレジン2000-dry:N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のエタノール溶液(固形分30%)(大阪有機化学工業株式会社製、商品名:RAMレジン-2000、分子量40,000)を乾燥させた粉体
 RAMレジン3000-dry:N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のエタノール溶液(固形分30%)(大阪有機化学工業株式会社製、商品名:RAMレジン-3000、分子量40,000)を乾燥させた粉体
[0101]
(ノニオン性ポリマー)
 ポリビニルブチラール:エスレックBM-1(積水化学工業株式会社、商品名)、固形分100%粉体
 ポリウレタンポリウレア:BAYCUSAN C2000(コベストロジャパン株式会社、商品名、ポリウレタン-64の固形分40%エタノール溶液)を乾燥させた粉体
[0102]
(溶媒B)
〔炭化水素油〕
 パールリーム3:水添ポリイソブテン(日油株式会社製、商品名:パールリーム3、沸点179℃、Ra45、粘度1.4mPa・s)
 パールリーム4:水添ポリイソブテン(日油株式会社製、商品名:パールリーム4、沸点262℃、Ra45、粘度3.7mPa・s)
〔シリコーン油〕
 KF-96A-1cs:トリシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-96A-1cs、沸点153℃、Ra45、粘度0.9mPa・s)
 TMF-1.5:メチルトリメチコン(信越化学工業株式会社製、商品名:TMF-1.5、沸点191℃、Ra45、1.4mPa・s)
[0103]
合成例1(カチオン性ポリマー1の合成)
 2つの滴下ロート1及び2を備えた反応容器内に、表1の「初期仕込みモノマー溶液」欄に示す組成のモノマーを入れ、窒素ガス置換を行った。
 一方、表1の「滴下モノマー溶液」欄に示す組成のモノマー及び有機溶媒を混合して滴下モノマー溶液を調製し、別途表1の「重合開始剤溶液」欄に示す有機溶媒及び重合開始剤(2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル):富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名:V-65)を混合して重合開始剤溶液を調製し、それぞれ滴下ロート1及び2の中に入れて、窒素ガス置換を行った。
 窒素雰囲気下、反応容器内の初期仕込みモノマー溶液を撹拌しながら62℃に維持し、滴下モノマー溶液及び重合開始剤溶液を滴下されるモノマーに対する滴下される重合開始剤の割合が一定になるように2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。
 滴下終了後、撹拌しながら62℃に維持したまま、1時間撹拌した後、次いでアセトンを47部添加した。更に撹拌しながら62℃に維持し、4時間加熱熟成を行った。
 次いで、限外濾過膜(日本ガイシ株式会社製、セラミック製限外濾過膜、商品名:セフィルト、孔径10nm)を用いて、反応物から未反応モノマー及び重合開始剤残渣を除去し、乾燥して、カチオン性両親媒性ポリマー(以下、「カチオン性ポリマー1」ともいう)を得た。得られたカチオン性ポリマー1の重量平均分子量は130,000であった。
[0104]
合成例2(カチオン性ポリマー2の合成)
 2つの滴下ロート1及び2を備えた反応容器内に、表1の「初期仕込みモノマー溶液」欄に示す組成のモノマーを入れ、窒素ガス置換を行った。
 一方、表1の「滴下モノマー溶液」欄に示す組成のモノマー及び有機溶媒を混合して滴下モノマー溶液を調製し、別途表1の「重合開始剤溶液」欄に示す重合開始剤(V-65)を混合して重合開始剤溶液を調製し、それぞれ滴下ロート1及び2の中に入れて、窒素ガス置換を行った。
 窒素雰囲気下、反応容器内の初期仕込みモノマー溶液を撹拌しながら55℃に維持し、滴下モノマー溶液及び重合開始剤溶液を滴下されるモノマーに対する滴下される重合開始剤の割合が一定になるように2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。
 滴下終了後、撹拌しながら55℃に維持し、5時間加熱熟成を行った。
 次いで、限外濾過膜(日本ガイシ株式会社製、セラミック製限外濾過膜、商品名:セフィルト、孔径10nm)を用いて、反応物から未反応モノマー及び重合開始剤残渣を除去し、乾燥して、カチオン性両親媒性ポリマー(以下、「カチオン性ポリマー2」ともいう)を得た。得られたカチオン性ポリマー2の重量平均分子量は120,000であった。
[0105]
[表1]


[0106]
合成例3(カチオン性シリコーンポリマー1の合成)
 2-エチル-2-オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA-4、東ソー株式会社製)2.0gで、28℃15時間脱水を行った。得られた脱水2-エチル-2-オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)(数平均分子量2,700)溶液を得た。
 別途、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-8015、重量平均分子量100,000(カタログ値)、アミン当量20,000)100.0gと酢酸エチル203.0gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで、28℃15時間脱水を行った。
 次いで、上記で得られた末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)溶液を、脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/ジメチルポリシロキサン共重合体(以下、「カチオン性シリコーンポリマー1」ともいう)を白色ゴム状固体(108g)として得た。カチオン性シリコーンポリマー1の重量平均分子量は115,000(計算値)、質量比[オルガノポリシロキサンセグメント(x)の含有量/〔オルガノポリシロキサンセグメント(x)及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(y)の合計含有量〕]は0.87であった。
[0107]
合成例4(カチオン性シリコーンポリマー2の合成)
 2-エチル-2-オキサゾリン53.3g(0.54モル)と酢酸エチル127.5gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA-4、東ソー株式会社製)9.0gで15時間脱水を行った。得られた脱水2-エチル-2-オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル9.48g(0.061モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)(数平均分子量1,300)溶液を得た。
 別途、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-8003、重量平均分子量40,000(カタログ値)、アミン当量2,000)153.7gと酢酸エチル312.1gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ23.3gで、28℃15時間脱水を行った。
 次いで、上記で得られた末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)溶液を、脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/ジメチルポリシロキサン共重合体(以下、「カチオン性シリコーンポリマー2」ともいう)を淡黄色ゴム状固体(200g)として得た。カチオン性シリコーンポリマー2の重量平均分子量は56,000(計算値)、質量比[オルガノポリシロキサンセグメント(x)の含有量/〔オルガノポリシロキサンセグメント(x)及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(y)の合計含有量〕]は0.71であった。
[0108]
合成例5(カチオン性シリコーンポリマー3の合成)
 2-エチル-2-オキサゾリン73.7g(0.74モル)と酢酸エチル156.0gとを混合し、得られた混合液をモレキュラーシーブ(ゼオラムA-4、東ソー株式会社製)12.0gで、28℃15時間脱水を行った。得られた脱水2-エチル-2-オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル2.16g(0.014モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)(数平均分子量は6,000)溶液を得た。
 別途、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(KF-864、信越シリコーン社製、重量平均分子量50,000(カタログ値)、アミン当量3,800)70.0gと酢酸エチル140.0gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.0gで、28℃15時間脱水を行った。
 次いで、上記で得られた末端反応性ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/ジメチルポリシロキサン共重合体(以下、「カチオン性シリコーンポリマー3」ともいう)を白色ゴム状固体(135g)として得た。カチオン性シリコーンポリマー3の重量平均分子量は100,000(計算値)、質量比[オルガノポリシロキサンセグメント(x)の含有量/〔オルガノポリシロキサンセグメント(x)及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)セグメント(y)の合計含有量〕]は0.50であった。
[0109]
調製例1-1~1-6及び比較調製例1-1~1-7
<液体組成物Iの調製>
 ポリマーCとしてウルトラホールド8 固形分100%粉体 3部、及びユカフォーマーSM-dry 3部を、表2に記載の溶媒Aに溶解し、透明で浮遊物及び沈殿物が無いことを確認した後、表2に記載の溶媒Bを添加し、撹拌して均一化し、孔径0.20μmのフィルターを用いてろ過し、液体組成物I1-1~I1-6及びI1-C1~I1-C7を得た。用いたフィルターは、フィルター自体の溶剤耐性の観点から、液体組成物I1-1~I1-6及びI1-C1~I1-C2及びI1-C7ではアドバンテック社製セルロースアセテートシリンジフィルターを用い、液体組成物I1-C3~I1-C6ではアドバンテック社製PTFEシリンジフィルターを用いた。
 調製例1-1で用いたポリマーCの溶媒A100gへの溶解量は43gであり、溶媒B100gへの溶解量は2.2gであった。また、調製例1-2~1-6で用いたポリマーCの溶媒B100gへの溶解量は5g未満であり、溶媒A100gへの溶解量は5g以上であった。
[0110]
実施例1-1~1-6及び比較例1-1~1-7
<塗膜の形成>
(工程1)
 温度25℃湿度50%に温湿度を制御した環境室内にて、卓上コーター(三井電気精機株式会社製、TC-1)上に基材としてガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、MASコート付きスライドガラスS9215)をMASコート面が表側になるように固定し、表2に示す各液体組成物1mlをスライドガラス端部に滴下した後、直ちにNo.30のワイヤーバー(湿潤膜厚T:60μm)を用いて、毎分1mのワイヤーバーの移動速度でガラス基板上に各液体組成物を塗布した。
(工程2)
 各液体組成物の塗布した後3~5秒の間に、印刷条件600dpiで印刷できるように改修したハンディインクジェットプリンター(紀州技研製工業株式開社製、商品名:KGKJET HQ1000H)を用いて、基材上の液体組成物表面に垂直上面方向から液体IIとしてイオン交換水の液滴を表2に示す吐出液滴量にて付与した。
 なお、インクカートリッジは、TK403黒-CSカートリッジ(紀州技研工業株式会社製)の内部をイオン交換水及びエタノールで洗浄し、電気伝導度0.6マイクロジーメンス以下のイオン交換水を充填し、インクジェットヘッドから吐出させたイオン交換水を捕集し、電気伝導度が1.0uS/cm以下となっていることを確認してから用いた。
 また、印刷画像は縦600dpi、横600dpiの解像度で、縦12.7mm、幅50.8mmのベタ画像(打ち込み密度p:360,000(ドット/平方インチ))を用いて印刷した。
(工程3)
 工程2で得られたガラス基板に形成された塗膜を温度25℃湿度50%に温湿度を制御した環境室内に30分静置乾燥し、各液体組成物から形成された乾燥したポリマー塗膜1-1~1-6及び1-C1~1-C7を得た。光学顕微鏡(株式会社ハイロックス社製、商品名:RH-2000)を用いた観察の結果、得られた塗膜の表面に一次粒子が集積した二次粒子の集合体が形成されていることを確認した。図3~5に、実施例1-2で得られた塗膜の上面側より撮影した光学顕微鏡写真を示す。
[0111]
<白色度の評価>
 光学的な特性の指標として白色度の評価を行った。
 JIS K5101-4:2004に則り、隠蔽率試験紙の黒色部に、実施例及び比較例で得られた塗膜をそれぞれ1枚ずつ載せ、液体IIとしてイオン交換水を付与した部分の黒の画像濃度を測定した。画像濃度の測定装置は、分光測色計/濃度計(エックスライト株式会社製、商品名:SpectroEye)を用いた。測定条件は光源D65、観察視野2度、濃度基準DIN、白色ベース「Abs」、内蔵フィルター「No」とした。結果を表2に示す。
 何も塗布していないガラス基板の画像濃度を測定したところ、測定値は2.25となった。測定値が小さいほど白色度が高く、隠蔽性に優れることを示す。測定値は好ましくは1以下であり、この場合特に白色度が高く隠蔽性に優れる。
[0112]
[表2]


[0113]
 表2から、実施例1-1~1-6で得られた塗膜1-1~1-6は、白色度が高く、無機顔料を含まずして高い隠蔽性を示すことが分かる。一方、比較例1-1~1-7で得られた塗膜1-C1~1-C7は、白色度が低いことから透明性が高く、所望の隠蔽性を発現しなかった。
[0114]
実施例2-1~2-5及び比較例2-1
(工程1)
 実施例1-2の工程1において、環境室内の温湿度条件を温度25℃湿度10%に変更した以外は同様にしてガラス基板上に液体組成物I1-2を塗布した。
(工程2)
 実施例1-2の工程2において、印刷画像は縦600dpi、横600dpiの解像度で、縦12.7mm、幅50.8mmのベタ画像を、表3に記載の打ち込み密度になるように印刷画像の一部を平均的に間引いてイオン交換水を付与した以外は同様に行った。
 なお、打ち込み密度pが0とは、液体組成物の塗布のみでイオン交換水の付与、すなわち工程2は行わなかったことを意味する。
(工程3)
 工程2で得られたガラス基板に形成された塗膜を温度25℃湿度10%に温湿度を制御した環境室内に30分静置乾燥し、乾燥したポリマー塗膜2-1~2-5及び2-C1を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られたポリマー塗膜のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表3に示す。
[0115]
実施例2-6
(工程1)
 温度25℃湿度10%に温湿度を制御した環境室内において、サーマルインクジェット印刷装置(LGエレクトロニクス社製、商品名:LPP-6010N)のイエローの中間タンクに電気伝導度が0.1uS/cmのイオン交換水を充填した。
 なお、インクジェットヘッドは、該ヘッド内部を電気伝導度が0.1uS/cm以下のイオン交換水及びエタノールで洗浄し、電気伝導度が0.1uS/cm以下のイオン交換水を充填し、インクジェットヘッドから吐出させたイオン交換水を捕集し、電気伝導度が1.0uS/cm以下となっていることを確認してから用いた。
 前記インクジェット印刷装置の印刷媒体上にガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、MASコート付きスライドガラスS9215)をMASコート面が表側になるように固定し、液体組成物I1-2 1mlをスライドガラス端部に滴下した後、直ちにNo.30のワイヤーバー(湿潤膜厚T:60μm)を用いて、毎分1mのワイヤーバーの移動速度でガラス基板上に液体組成物I1-2を塗布した。
(工程2)
 液体組成物I1-2を塗布した後3~5秒の間に前記インクジェット印刷装置を用いて、液体IIとしてイオン交換水の液滴を表3に記載の吐出液滴量にて付与した。印刷画像は縦1600dpi、横1600dpiの解像度で、縦12.7mm、幅50.8mmのベタ画像とした。
(工程3)
 工程2で得られたガラス基板上に形成された塗膜を温度25℃湿度10%に温湿度を制御した環境室内に30分静置乾燥し、乾燥したポリマー塗膜2-6を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られたポリマー塗膜のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表3に示す。
[0116]
実施例2-7~2-10
(工程1)
 温度25℃湿度10%に温湿度を制御した環境室内において、インクジェット印刷装置(株式会社トライテック製、商品名:OnePassJet)を用い、インクジェットヘッド(京セラ株式会社、型番:KJ4B-QA06NTB)にイオン交換水を充填した。
 なお、インクジェットヘッドは、該ヘッド内部をイオン交換水及びエタノールで洗浄し、電気伝導度0.6マイクロジーメンス以下のイオン交換水を充填し、インクジェットヘッドから吐出させたイオン交換水を捕集し、電気伝導度が1.0uS/cm以下となっていることを確認してから用いた。
 前記インクジェット印刷装置の印刷媒体のキャリッジ上にガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、MASコート付きスライドガラスS9215)をMASコート面が表側になるように固定し、液体組成物I1-2 1mlをスライドガラス端部に滴下した後、直ちにNo.30のワイヤーバー(湿潤膜厚T:60μm)を用いて、毎分1mのワイヤーバーの移動速度でガラス基板上に液体組成物I1-2を塗布した。
(工程2)
 液体組成物I1-2を塗布した後3~5秒の間に、印刷条件600dpi×600dpiに設定した前記インクジェット印刷装置を用いて、液体IIとしてイオン交換水の液滴を表3に記載の吐出液滴量にて付与した。印刷画像として縦12.7mm、幅50.8mmのベタ画像を用いた。
(工程3)
 工程2で得られたガラス基板上に形成された塗膜を温度25℃湿度10%に温湿度を制御した環境室内に30分静置乾燥し、乾燥したポリマー塗膜2-7~2-10を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られたポリマー塗膜のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表3に示す。
[0117]
[表3]


[0118]
 表3から、実施例2-1~2-5で得られた塗膜2-1~2-5は、工程2を経ていない比較例2-1で得られた塗膜2-C1に比べ、高い白色度を示し、液滴の打ち込み密度pによって白色度を調整することが可能であることが分かる。
 また、実施例2-6~2-10で得られた塗膜2-6~2-10は、工程2を経ていない比較例2-1で得られた塗膜2-C1に比べ、高い白色度を示し、吐出液滴量、すなわち液滴の平均直径dを変更することによって、白色度を調整できることが可能であることが分かる。
[0119]
実施例3-1~3-5
 実施例1-2の工程2において、表4に記載の液体IIに変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜3-1~3-5を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られたポリマー塗膜の液体IIとしてイオン交換水及びエタノールを表4に示す割合で付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表4に示す。
[0120]
[表4]


[0121]
 表4から、実施例3-1~3-5で得られた塗膜3-1~3-5は、高い白色度を示し、無機顔料を含まずして、高い隠蔽性を示すことが分かる。また、液体II中の水の含有量によって、白色度を制御できることが分かる。
[0122]
実施例4-1~4-5
(工程1~3)
 実施例1-2において、基材をPETフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラー T60)に変更し、液体組成物Iの湿潤膜厚Tが表5に記載の値になるようにワイヤーバーの番手を変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜4-1~4-5を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られたポリマー塗膜のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。水洗前の印字部の白色度と非印字部の白色度として、結果を表5に示す。
(工程4)
 次いで、得られたポリマー塗膜4-1~4-5をそれぞれイオン交換水の流水で3分間洗浄した。以下に示す方法により水洗後の塗膜の評価を行った。
[0123]
<水洗後の印字部の白色度の評価>
 水洗前後のイオン交換水を付与した部分(印字部)とイオン交換水を付与しなかった部分(非印字部)の白色度をそれぞれ前述と同様の方法で測定した。更に水洗後の印字部と非印字部の白色度比を算出した。結果を表5に示す。
 また、図6には、実施例4-1の前記工程1~3において、印刷画像として、縦600dpi及び横600dpiの解像度にて、線幅20ピクセル、間隔20ピクセル、長さ50.8mmの細線を長辺側が平行になるように7本形成する細線画像に変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜4-1の水洗前後の写真を示す。また、水洗後のポリマー塗膜の光学顕微鏡写真(倍率:2,500倍)を図7に示す。
[0124]
実施例4-6~4-10
 実施例2-7において、基材を前記PETフィルムに変更し、液体組成物Iの湿潤膜厚Tが表5に記載の値になるようにワイヤーバーの番手を変更し、更に実施例2-7の工程2において液体IIの吐出液滴量を表5のとおり変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜4-6~4-10を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られたポリマー塗膜の水洗前後の印字部及び非印字部の白色度の評価、及び水洗後の印字部と非印字部の白色度比の算出を行った。結果を表5に示す。
[0125]
[表5]


[0126]
 表5から、実施例4-1~4-10で得られた塗膜4-1~4-10の印字部は、高い白色度を示し、無機顔料を含まずして、高い隠蔽性を示すことが分かる。
 また、図6で示すとおり、実施例4-1で得られた塗膜4-1は、比(d/T)が1超であるため、水洗前は印字部(細線部)の白色度が高く、隣接する細線の合一もない細線画像が形成されていることが分かる。水洗後は、基材が露出して印字部の白色度が低下して、該印字部の一次粒子が流出していることが分かる。
 さらに、図7の細線画像の光学顕微鏡写真で示すとおり、水洗後の塗膜4-1の細線画像において、非印字部では一次粒子が残存していることが確認できるのに対して、印字部では一次粒子は確認されず、基材を露出して細線部が消失していることが分かる。この現象は、比(d/T)が1超である実施例4-2~4-3及び4-6~4-8で得られた塗膜4-2~4-3及び4-6~4-8でも同様に確認された。
 表5に記載の印字部の水洗前後の白色度の変化から、基材上の塗膜の有無を水洗で制御することができるため、非常に簡便にパターンを形成することができ、塗膜で構成された印刷画像を得ることができる。このようなパターンが基材上に形成されることで、基材表面の所望の領域の表面エネルギー、接触角、形状を意図的に変化させ、後続の基材上に別の製剤を付与する際の、基材への付着量、浸透性、接着性等を変化させることができる。
[0127]
実施例5-1
 実施例1-2において、環境室内の温湿度条件を温度25℃湿度10%に変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜5-1を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られた塗膜5-1のイオン交換水を付与した部分の白色度評価を行った。結果を表6に示す。
[0128]
実施例5-2~5-4
 実施例1-2において、環境室内の温湿度条件を温度25℃湿度10%に変更した以外は同様にして、工程1及び工程2を行った。
 更に工程3として、表6に示す乾燥時間にて、実施例5-2では温度25℃の冷風乾燥、実施例5-3では温度60℃の温風乾燥、実施例5-4では塗膜が形成された基材の塗膜が形成された面と反対側の面にヒーター(株式会社八光電機製、被覆熱電対付きシリコーンラバヒーター)を接触させて60℃で加熱して乾燥処理を行い、乾燥したポリマー塗膜5-2~5-4を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られた塗膜5-2~5-4のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表6に示す。
[0129]
<白色度発現速度の評価>
 白色度の評価において、イオン交換水を付与した後1分おきに白色度を測定し、白色度の値が安定するのに必要な時間を測定し、白色度発現速度を評価した。白色度を測定した際に、1分前に測定した白色度との差が0.1以下となった時点で白色度が安定したとして、その時間を記録し、その際の白色度を評価した。結果を表6に示す。白色度安定までの時間は短いほど好ましく、30分以内であれば実用上問題ない。
[0130]
[表6]


[0131]
 表6から、実施例5-1~5-4で得られた塗膜5-1~5-4は、高い白色度を速やかに発現し、無機顔料を含まずして、高い隠蔽性を示すことが分かる。
[0132]
調製例6-1~6-15及び7-1~7-18
<液体組成物Iの調製>
 表7及び表8に示すポリマーCを溶媒Aとして無水エタノールに溶解し、透明で浮遊物及び沈殿物が無いことを確認した後、溶媒Bとしてパールリーム3を添加し、撹拌して均一化し、孔径0.20μmのアドバンテック社製セルロースアセテートシリンジフィルターを用いてろ過し、液体組成物I6-1~I6-15及びI7-1~I7-18を得た。
 調製例6-1~6-15及び7-1~7-18で用いたポリマーCの溶媒B100gへの溶解量は5g未満であり、溶媒A100gへの溶解量は5g以上であった。
[0133]
実施例6-1~6-15及び7-1~7-18
 実施例1-1において、液体組成物I-1を表7及び表8に示す液体組成物Iに変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜6-1~6-15及び7-1~7-18を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られた塗膜のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表7及び表8に示す。
[0134]
[表7]


[0135]
[表8]


[0136]
 表7及び表8から、実施例6-1~6-15で得られた塗膜6-1~6-15及び実施例7-1~7-18で得られた塗膜7-1~7-18は、高い白色度を発現し、無機顔料を含まずして、高い隠蔽性を示すことが分かる。これにより、ポリマーCとして溶媒Aに可溶で溶媒Bに不溶である特性を有すれば、広く用いることができることが分かる。
[0137]
調製例8-1~8-10
<液体組成物Iの調製>
 表9に示すポリマーCを溶媒Aとして無水エタノールに溶解し、透明で浮遊物及び沈殿物が無いことを確認した後、表9に示す溶媒Bを添加し、撹拌して均一化し、孔径0.20μmのアドバンテック社製セルロースアセテートシリンジフィルターを用いてろ過し、液体組成物I8-1~I8-10を得た。
 調製例8-1~8-10で用いたポリマーCの溶媒B100gへの溶解量は5g未満であり、溶媒A100gへの溶解量は5g以上であった。
[0138]
実施例8-1~8-10
 実施例1-1において、液体組成物I1-1を表9に示す液体組成物Iに変更した以外は同様にして乾燥したポリマー塗膜8-1~8-10を得た。
 次いで、前述と同様にして、得られた塗膜のイオン交換水を付与した部分の白色度の評価を行った。結果を表9に示す。
[0139]
[表9]


[0140]
 表9から、実施例8-1~8-10で得られた塗膜8-1~8-10は、高い白色度を発現し、無機顔料を含まずして、高い隠蔽性を示すことが分かる。これにより、溶媒Bが所定の物性を有すれば、その種類によらずに本発明の効果が得られることが分かる。

産業上の利用可能性

[0141]
 本発明によれば、無機顔料を使用しなくとも、高い白色度を有し、隠蔽性に優れる塗膜が得られ、簡便でかつ精密に光学的な特性を発揮し得る塗膜を形成することができる。

符号の説明

[0142]
  1:液体組成物I
  2:液滴
  3:基材

請求の範囲

[請求項1]
 工程1:溶媒A、溶媒B、及びポリマーCを含有する液体組成物Iを基材に付与する工程と、
 工程2:工程1で付与された基材上の液体組成物Iに、水を含有する液体IIの液滴を付与する工程と、を含み、
 該溶媒Aの沸点が99℃未満であり、該溶媒Aの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが36以下であり、
 該溶媒Bの沸点が150℃以上であり、該溶媒Bの下記式(1)で表される水に対するハンセン溶解度パラメータの距離Raが40以上であり、
 該溶媒Bが該溶媒Aと相溶し、かつ該ポリマーCが該溶媒Aに可溶で該溶媒Bに不溶であり、工程2で付与される液滴の平均直径dが0.01μm以上50μm以下である、塗膜の形成方法。
 Ra=(4×ΔD 2+ΔP 2+ΔH 20.5   (1)
 ΔD:ハンセン溶解度パラメータにおける分散成分の溶媒と水との差
 ΔP:ハンセン溶解度パラメータにおける極性成分の溶媒と水との差
 ΔH:ハンセン溶解度パラメータにおける水素結合成分の溶媒と水との差
[請求項2]
 液体II中の水の含有量が50質量%以上である、請求項1に記載の塗膜の形成方法。
[請求項3]
 工程2において、基材上の液体組成物Iに付与される液滴によってもたらされる運動エネルギーE M及び表面自由エネルギーE Sの総和である総エネルギーEが、8.0mJ/m 2以上4,000mJ/m 2以下である、請求項1又は2に記載の塗膜の形成方法。
[請求項4]
 工程2において、液滴を付与する方法がインクジェット法である、請求項1~3のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項5]
 液体組成物Iの表面張力γ Iと液体IIの表面張力γ IIとの差(γ II-γ I)が1mN/m以上である、請求項1~4のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項6]
 溶媒Aが、炭素数1以上4以下の1価のアルコールである、請求項1~5のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項7]
 溶媒Bが、重量平均分子量が150以上1,000以下である、炭化水素油及びシリコーン油から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含む、請求項1~6のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項8]
 ポリマーCが、イオン性ポリマーである、請求項1~7のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項9]
 ポリマーCが、酸性基を有するモノマー、塩基性基を有するモノマー、及びベタインモノマーから選ばれる少なくとも1種をモノマー構成単位として含む、請求項1~8のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項10]
 ポリマーCが、酸性基を有するモノマー由来の構成単位を含むアニオン性ポリマーCIと、塩基性基を有するモノマー由来の構成単位を含むカチオン性ポリマーCII-1、カチオン性シリコーンポリマーCII-2、及びベタインモノマー由来の構成単位を含むベタインポリマーCIIIから選ばれる少なくとも1種とを含有する、請求項1~9のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項11]
 ポリマーCが、酸性基を有するモノマー由来の構成単位を含むアニオン性ポリマーCIと、ベタインモノマー由来の構成単位を含むベタインポリマーCIIIとを含有する、請求項1~10のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項12]
 ベタインモノマーが、カルボキシベタインモノマー、スルホベタインモノマー、及びホスホベタインモノマーから選ばれる少なくとも1種である、請求項9~11のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項13]
 工程2の後に更に下記工程3を含む、請求項1~12のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
 工程3:工程2で得られた塗膜を乾燥させる工程
[請求項14]
 工程1で付与される液体組成物Iの乾燥前の膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)が1未満である、請求項1~13のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
[請求項15]
 工程1で付与される液体組成物Iの乾燥前の膜厚Tに対する、工程2で付与される液滴の平均直径dの比(d/T)が1超であり、
 かつ工程2又は工程3の後に更に下記工程4を含む、請求項1~14のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
 工程4:工程2又は工程3で得られた塗膜を水洗する工程

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]