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1. WO2020116156 - VEHICLE CONTROL DEVICE

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明 細 書

発明の名称 車両制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009   0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

符号の説明

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

明 細 書

発明の名称 : 車両制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、自動車等の車両、特に自動運転走行中の目標軌道生成機能および追従制御機能を備えた車両を制御する車両制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、自車両の周辺の物体情報を取得し、取得した物体情報および地図情報に基づき自車両の運転行動を計画し、それに基づき軌道を生成し、その軌道に追従するように自車両を制御するシステムが開発されている(例えば、下記特許文献1を参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2018-62261号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、自動運転の走行軌道を生成する演算部と、その走行軌道結果に基づいて、車両の運動を制御する演算部を異なるハードウェアに実装する場合、以下の課題がある。
[0005]
 すなわち、例えば、上記特許文献1に記載のように、異なるハードウェア間の通信インターフェースとして軌道点列情報とした場合、その軌道点列情報のみから車両の運転状態(走行状態)を制御すると、道路路面状況や車両状態によって滑りなどが発生して軌道点列情報に沿って運転(走行)できないときに乗心地が低下する可能性がある。
[0006]
 また、例えば、自動運転制御が実装されたコントローラの電源に故障が発生した場合、自動運転制御が単一のコントローラに実装されている場合には緊急停止するなどの動作を行なうことしか出来ないため、安全性や乗心地を担保することが難しい。
[0007]
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、乗心地や安全性を確保することのできる車両制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記課題を解決するため、本発明に係る車両制御装置は、自車両周囲の運転環境および自車両の目的地に基づいて自車両が安全に運転可能な空間である運転可能領域を演算する運転計画演算部と、前記運転計画演算部で演算した運転可能領域において所定の乗心地条件を満たす経路および速度を含む目標軌道を演算し、その目標軌道に追従するように自車両を制御する車両運動制御部と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、自車両の軌道追従制御が安定することで、自車両の加減速頻度が低減するため、乗心地が悪化することを防ぐことができる。また、自動運転のシステムを複数のコントローラに実装することにより、一つのコントローラに故障が発生した場合にも他のコントローラにより安全に運転(走行・停止)することが可能となる。
[0010]
 上記した以外の課題、構成および効果については、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 図1は、本発明の実施例1に係る車両制御装置を搭載した自動運転車両の走行駆動系およびセンサの構成を示したブロック図である。
[図2] 図2は、本発明の実施例1に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。
[図3] 図3は、本発明の実施例1に係る車両制御装置の自動運転計画部の構成を示したブロック図である。
[図4] 図4は、運転可能領域を説明した説明図であり、(a)は自動運転走行シーンの模式図、(b)は(a)に示すシーンの運転可能領域および運転不可能領域の模式図である。
[図5] 図5は、運転可能領域を説明した説明図であり、(a)は自動運転走行シーンの模式図、(b)は(a)に示すシーンの運転可能領域および運転不可能領域の模式図である。
[図6] 図6は、本発明の実施例1に係る車両制御装置の車両運動制御部の構成を示したブロック図である。
[図7] 図7は、本発明の実施例1に係る車両制御装置の軌道候補生成部の構成を示したブロック図である。
[図8] 図8は、自車両の自動運転の動作の一例を示した説明図である。
[図9] 図9は、経路長と車両の速度の関係を示した図である。
[図10] 図10は、車両の横方向位置および縦方向位置、計画する時間の関係を示した図である。
[図11] 図11は、本発明の実施例1に係る車両制御装置の軌道追従制御指令値演算部の処理を示したフローチャートである。
[図12] 図12は、自車両の自動運転の動作の一例を示した説明図である。
[図13] 図13は、目標軌道再生成時の概念図を示した説明図である。
[図14] 図14は、目標軌道再生成時の再接続点の設定方法を説明した説明図である。
[図15] 図15は、本発明の実施例2に係る車両制御装置の車両運動制御部の構成を示したブロック図である。
[図16] 図16は、本発明の実施例2に係る車両制御装置の故障時軌道生成部の構成を示したブロック図である。
[図17] 図17は、故障発生時の退避スペースおよび道路端接続位置の関係を示した説明図である。
[図18] 図18は、駐車車両が存在する故障発生時の退避スペースおよび道路端接続位置の関係を示した説明図である。
[図19] 図19は、故障発生時の退避スペースへの故障時軌道と通常時の目標軌道の関係を示した説明図である。
[図20] 図20は、故障発生時の退避スペースへの故障時軌道と通常時の目標軌道の関係を示した説明図である。
[図21] 図21は、本発明の実施例2に係る車両制御装置の目標軌道決定部の構成を示したブロック図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[0013]
[実施例1]
 図1は、本発明の実施例1に係る車両制御装置1を搭載した自動運転車両(以下、単に車両や自車両ということがある)401の全体構成を示した説明図である。なお、図中、FL輪は左前輪、FR輪は右前輪、RL輪は左後輪、RR輪は右後輪をそれぞれ意味する。
[0014]
 図示実施例の車両401は、外界を認識するセンサ2、3、4、5の情報に基づき、車両401の進行方向を制御するアクチュエータとしてのステアリング制御機構10、ブレーキ制御機構13、スロットル制御機構20への指令値を演算する車両制御装置1を備える。また、車両401は、当該車両制御装置1からの指令値に基づき上記ステアリング制御機構10を制御する操舵制御装置8と、当該指令値に基づき上記ブレーキ制御機構13を制御して各輪(FL輪、FR輪、RL輪、RR輪)のブレーキ力配分を調整する制動制御装置15と、当該指令値に基づきスロットル制御機構20を制御してエンジン(不図示)のトルク出力を調整する加速制御装置19と、自車両401の走行計画や周辺に存在する移動体の行動予測等を表示する表示装置24とを備える。なお、本例では、駆動源としてエンジンを使用しているが、駆動源としてモータを使用した電動車両にも本発明を適用できることは勿論である。
[0015]
 車両401は、外界を認識するセンサ2、3、4、5として、前方にカメラ2、左右側方にレーザーレーダ3、4、後方にミリ波レーダ5を備えており、自車両401と周囲車両の相対距離及び相対速度を検出することができる。また、車両401は、路車間または車々間の通信を行う通信装置23を備える。なお、本実施例では、センサ構成の一例として上記センサの組み合わせを示しているが、それに限定するものではなく、超音波センサ、ステレオカメラ、赤外線カメラなどとの組み合わせでもよい。上記センサ信号(センサの出力信号)が、車両制御装置1に入力される。
[0016]
 車両制御装置1は、図1に詳細に示していないが、例えば、CPU、ROM、RAM及び入出力装置を有する。上記ROMには、以下で説明する車両走行制御のフローが記憶されている。詳細は後述するが、車両制御装置1は、生成した走行計画に従って車両走行を制御するための各アクチュエータ10、13、20の指令値を演算する。各アクチュエータ10、13、20の制御装置8、15、19は、車両制御装置1の指令値を通信により受信し、当該指令値に基づき各アクチュエータ10、13、20を制御する。
[0017]
 次に、ブレーキの動作について説明する。ドライバが車両401を運転している状態では、ドライバのブレーキペダル12を踏む踏力を、ブレーキブースタ(不図示)で倍力し、マスタシリンダ(不図示)によって、その力に応じた油圧を発生させる。発生した油圧は、ブレーキ制御機構13を介して、ホイルシリンダ16FL~16RRに供給される。
ホイルシリンダ16FL~16RRは、不図示のシリンダ、ピストン、パッド等から構成されており、マスタシリンダから供給された作動液によってピストンが推進され、ピストンに連結されたパッドがディスクロータに押圧される。なお、ディスクロータは、車輪とともに回転している。そのため、ディスクロータに作用したブレーキトルクは、車輪と路面との間に作用するブレーキ力となる。以上により、ドライバのブレーキペダル操作に応じて、各輪に制動力が発生させることができる。
[0018]
 制動制御装置15は、図1に詳細に示していないが、車両制御装置1と同様に例えばCPU、ROM、RAM及び入出力装置を有する。制動制御装置15には、前後加速度、横加速度、ヨーレートを検出可能なコンバインセンサ14と、各輪に設置された車輪速センサ11FL~11RRと、上述の車両制御装置1からのブレーキ力指令値と、後述する操舵制御装置8を介したハンドル角検出装置21からのセンサ信号が入力されている。また、制動制御装置15の出力は、不図示のポンプ、制御バルブを有するブレーキ制御機構13に接続されており、ドライバのブレーキペダル操作とは独立に、各輪に任意の制動力を発生させることができる。制動制御装置15は、上記情報に基づいて車両401のスピン、ドリフトアウト、車輪のロックを推定し、それらを抑制するようにブレーキ制御機構13等を制御して該当輪の制動力を発生させ、ドライバの操縦安定性を高める役割を担っている。また、車両制御装置1が、制動制御装置15にブレーキ力指令値を通信することで、車両401に任意のブレーキ力を発生させることができ、ドライバの操作が生じない自動運転においては自動的に制動を行う役割を担っている。但し、本発明は上記制動制御装置15に限定するものではなく、ブレーキバイワイヤ等のほかのアクチュエータを用いてもよい。
[0019]
 次に、ステアリングの動作について説明する。ドライバが車両401を運転している状態では、ドライバがハンドル6を介して入力した操舵トルクとハンドル角をそれぞれ操舵トルク検出装置7とハンドル角検出装置21で検出し、それらの情報に基づいて操舵制御装置8はモータ9を制御してアシストトルクを発生させる。なお、操舵制御装置8も、図1に詳細に示していないが、車両制御装置1と同様に例えばCPU、ROM、RAM及び入出力装置を有する。上記ドライバの操舵トルクと、モータ9によるアシストトルクの合力により、ステアリング制御機構10が可動し、前輪が切れる。一方で、前輪の切れ角に応じて、路面からの反力がステアリング制御機構10に伝わり、路面反力としてドライバに伝わる構成となっている。
[0020]
 操舵制御装置8は、ドライバのステアリング操作とは独立に、モータ9によりトルクを発生し、ステアリング制御機構10を制御することができる。従って、車両制御装置1は、操舵制御装置8に操舵力指令値を通信することで、前輪を任意の切れ角に制御することができ、ドライバの操作が生じない自動運転においては自動的に操舵を行う役割を担っている。但し、本発明は上記操舵制御装置8に限定するものではなく、ステアバイワイヤ等のほかのアクチュエータを用いてもよい。
[0021]
 次に、アクセルについて説明する。ドライバのアクセルペダル17の踏み込み量はストロークセンサ18で検出され、加速制御装置19に入力される。なお、加速制御装置19も、図1に詳細に示していないが、車両制御装置1と同様に例えばCPU、ROM、RAM及び入出力装置を有する。加速制御装置19は、上記アクセルペダル踏み込み量に応じてスロットル開度を調節し、エンジン(のトルク出力)を制御する。以上により、ドライバのアクセルペダル操作に応じて車両401を加速させることができる。また、加速制御装置19は、ドライバのアクセルペダル操作とは独立にスロットル開度を制御することができる。従って、車両制御装置1は、加速制御装置19に加速指令値を通信することで、車両401に任意の加速度を発生させることができ、ドライバの操作が生じない自動運転においては自動的に加速を行う役割を担っている。
[0022]
 次に、本実施例の自動運転用車両制御装置1の構成について、図2に示したブロック図を用いて説明する。
[0023]
 図示実施例の車両制御装置1は、基本的に、後述する自車両を自動的に(自動で)目的地へ運転するための自車両の動作を計画する自動運転計画部(運転計画演算部)201、駐車場などで自車両を自動的に駐車枠に駐車させるための自車両の動作を計画する自動駐車計画部(運転計画演算部)202、自動運転車両の車両運動を制御するための指令値を生成する車両運動制御部203、前述したステアリング・ブレーキ・エンジンなどの各アクチュエータ10、13、20を(制御装置8、15、19を介して)制御するためのアクチュエータ制御部204を備え、それらは異なるコントローラ(ECU)に実装されているとする(このような構成を分散型コントローラということがある)。そのため、各コントローラ間の通信を行なうための車両ネットワーク205が必要となる。ただし、車両ネットワーク205は、有線接続以外にも無線接続されている場合も考えられる。また、各コントローラへの実装方法としては、自動駐車計画部202と自動運転計画部201が同一のハードウェアに実装されている場合なども考えられる。また、アクチュエータ制御部204の実装についても、エンジン制御用コントローラやブレーキ制御用コントローラなどの異なるハードウェアに実装される場合も考えられる。
[0024]
 次に、本実施例の車両制御装置1に含まれる自動運転計画部201の構成および動作について、図3に示したブロック図を用いて説明する。
[0025]
 図示実施例の自動運転計画部201は、主に、センサ情報処理部305、地図情報処理部306、立体物行動予測部307、記憶部308、運転可能領域演算部309からなる。各ブロックについて以下に説明する。
[0026]
 図3に示す例では、外界を認識するセンサとして、電波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や方向を測るレーダ301、対象物を複数の異なる方向から同時に撮影することにより、その奥行き方向の情報も記録できるようにしたステレオカメラ302、車両の速度やタイヤの回転数、GNSS(全球測位衛星システム)を用いた自動運転車両の現在位置情報、自動運転車両に乗員している人がナビゲーションシステムをインターフェースとして入力した目的地情報、電話回線などの無線通信を活用して遠隔地にいるオペレータなどが指定した目的地情報などの車両状態を検知できるセンサ群としての車両センサ303、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離を検知するライダー304が設けられ、それらの情報に基づいて得られた周囲の環境(運転環境)の情報が、センサ情報処理部305に入力され、自車両の周囲に存在する移動物体などの物体情報に変換される。具体的な物体情報としては、歩行者、自転車、車両などの属性情報や、それらの現在位置および現在速度ベクトルを抽出する。ここで、移動物体には、現時刻で得られた速度がゼロであったとしても、将来において動く可能性がある駐車車両などは含めるものとする。また、自車両が自動運転を開始する地点から目標地点およびその周辺に関する道路情報や信号機情報、現在位置から目標地点までのルート情報、走行する区間の交通ルールデータベースなどを記憶する記憶部308がある。また、記憶部308の記憶している情報に基づいて自動運転を行なうために必要な道路の車線中心線情報や信号機情報に基づいて、自動運転車両が通行予定である信号機の点灯情報などを整理して利用できる形式にするための地図情報処理部306がある。
[0027]
 次に、前記の物体情報および地図情報が(センサ情報処理部305および地図情報処理部306から)立体物行動予測部307に入力される。立体物行動予測部307では、入力情報に基づいて、各移動物体の将来の位置および速度情報(物体予測情報)を演算する。各移動物体の動きを予測するために、物体情報に基づいて各物体の将来時間Tにおける位置R(X(T),Y(T))を予測する。予測する具体的な方法としては、移動物体の現在位置Rn0(Xn(0),Yn(0))、現在速度Vn(Vxn,Vyn)とした場合、以下の線形予測式(1)に基づいて、予測演算を行なう方法が考えられる。
[数1]


[0028]
 ここでの演算方法は、各物体は将来時間において現在速度を維持して移動する等速直線運動することを仮定している。これにより、立体物行動予測部307は、短時間に多くの物体の予測が可能となる。
[0029]
 次に、立体物行動予測結果および地図情報が(立体物行動予測部307および地図情報処理部306から)運転可能領域演算部309に入力される。運転可能領域演算部309では、後述するように、入力情報に基づいて、自車両(自動運転車両)が他車両および自車両周辺に存在する立体物に衝突せず、かつ、ルート情報および現在の車両状態(速度、位置、向きなど)に適した、運転可能領域を演算して出力する。
[0030]
 次に、前記運転可能領域演算部309で演算する本実施例の運転可能領域について、図4(a)に示した代表的なシーンの模式図を用いて説明する。このシーンにおいて、自車両401が自動運転走行を行なっている。また、対向1車線道路とし、対向車線には他車両402が走行している。また、自車両401の進行方向に対して左前方に立体物(落下物)403が存在する。また、道路と歩道の境界として配置されているフェンス405がある。また、ステレオカメラ302(図3参照)の検知情報、もしくは、自車両401の位置情報に基づいて自車両周辺地図から入手する方法などで、自車両401が安全に停車することができる道路の端として道路端点列407および道路の中心として道路中心線406の情報(道路端情報および道路中心情報)を自車両401は得ることができるものとする。また、立体物行動予測部307の出力結果である他車両402の予測軌道情報404が得られている。
[0031]
 この状態において、図4(b)には、運転可能領域408および運転不可能領域409を示す。これは、前述したように自車両(自動運転車両)401が他車両402および自車両401周辺に存在する立体物403に衝突するか否か、かつ、ルート情報および現在の車両状態(速度、位置、向きなど)に基づいて演算される。より詳しくは、前記運転可能領域演算部309は、図4(b)に示す例では、現在の自車両位置から進行方向(目的地の方向)に向かって所定距離(例えば速度などに応じた距離)かつ両フェンス405間の道路を複数のセグメント領域(小空間)に区画し、その複数のセグメント領域のうち、自車両(自動運転車両)401が他車両402および自車両401周辺に存在する立体物403に衝突せず、かつ、ルート情報および現在の車両状態(速度、位置、向きなど)に適した(例えば、道路端点列407と道路中心線406の間で安全に走行できる)複数のセグメント領域(セグメント領域群)を運転可能領域408として選択し、運転可能領域408以外の(複数の)セグメント領域を運転不可能領域409として選択する。図4(a)に示すシーンでは、立体物403が存在している付近では自車両401との衝突が予見されるため、図4(b)に示すように、その部分が運転不可能領域409として定義されている。衝突に対して演算する方法として、将来時刻において、自車両と予測移動物体が衝突する確率が所定値以上あるか否かを演算し、所定値以上の場合は自車両への影響あり、所定値以下の場合には、自車両への影響なしと判定する。衝突する確率を演算する方法としては、将来位置における各物体と自車両との衝突予想時間TTC(Time To Collision)を用いる方法が考えられる。ここで、TTC[s]=相対距離[m]÷相対速度[m/s]である。TTCを用いた判定方法としては、TTCが第1所定値以下である場合は、衝突確率50%、TTCが第2所定値(<第1所定値)以下である場合は、衝突確率70%などとし、TTCが第1所定値以上の衝突確率の場合には衝突すると判定する方法が考えられる。
[0032]
 次に、前記運転可能領域演算部309で演算する本実施例の運転可能領域について、図5(a)に示した代表的なシーンの模式図を用いて説明する。図5(a)が図4(a)と異なる点としては、対向車線を走行する他車両402の進行方向に対して左前方に立体物(落下物)403が存在する。そのため、他車両402は自車両401が存在する車線側にはみ出して走行してくることが立体物行動予測部307により予測される。そのため、他車両402の予測軌道情報404が自車線上に存在している部分がある。これにより、図5(b)に示すように、図4(b)に示した運転可能領域408の一部が運転不可能領域409となっている。より詳しくは、前記運転可能領域演算部309は、図5(b)に示す例では、自車両401が存在する車線(自車線)に設定されたセグメント領域のうち、立体物(落下物)403の近くの道路中心線406に隣接する(複数の)セグメント領域を運転不可能領域409として選択(定義)する。また、図5(a)に示すシーンでは、図4(a)に示すシーンと比べて、自車両401が存在する車線側(詳しくは、自車両401の進行方向に対して左前方)に立体物(落下物)が存在しないため、前記運転可能領域演算部309は、その部分に設定された(複数の)セグメント領域については運転可能領域408として選択(定義)する。
[0033]
 これにより、自動運転計画部201は、自車両401周囲の運転環境および自車両401の目的地などに応じて自車両401が安全に運転可能な空間からなる運転可能領域を演算する。
[0034]
 なお、本実施例の車両制御装置1に含まれる自動駐車計画部202は、基本的に目的地が駐車場などの駐車枠で、自動駐車中の(駐車枠までの)運転可能領域および運転不可能領域を演算する以外は、前述した自動運転計画部201とほぼ同じである。
[0035]
 次に、本実施例の車両制御装置1に含まれる車両運動制御部203の構成および動作について、図6を用いて説明する。
[0036]
 車両運動制御部203は、自動運転計画部201や自動駐車計画部202から出力される運転可能領域および周辺地図情報に基づいて、アクチュエータ10、13、20の指令値(アクチュエータ目標値や軌道追従制御指令値ともいう)を演算する。車両運動制御部203の中には、軌道候補生成部601、軌道評価部602、目標軌道決定部603、軌道追従制御指令値演算部604が存在する。各ブロックについて以下に説明する。
[0037]
 軌道候補生成部601では、運転可能領域および周辺地図情報に基づいて軌道候補を生成する。例えば、図7に示すように、軌道候補生成部601には、経路候補生成部701および速度候補生成部702が存在する方法が考えられる。この方法では、始めに経路候補生成部701にて経路(時系列情報を持たずに、自車両が通過する点列)を運転可能領域および周辺地図情報に基づいて演算する。その方法としては、入力される運転可能領域内において、下記の変分方程式(2)を満たすような経路を候補とする方法が考えられる。
[数2]


[0038]
 ここで、自車両の将来の運動状態を演算する方法としては、車両のプラントモデルを利用する方法が考えられる。プラントモデルとしては例えば、バイスクルモデルや4輪モデルなどを用いることが考えられる。上記の変分方程式(2)で演算した経路を走行した場合の車両の挙動(車両の縦加速度、横加速度、車頭角度など)をモデルから得ることができる。以下に述べる速度候補生成部702においても、同様のモデルを用いて将来の車両挙動を予測することが可能となる。
[0039]
 この方程式(2)の出力は、各係数の重み(w1,w2,w3)を変更することや、評価する項目を変更することにより、複数の経路を生成することが可能となる。また、この方程式(2)からの出力以外にも、運転可能領域内の自車線の車線中心点列を利用する方法も考えられる。これらの複数(もしくは単一でも可)の経路候補に対して、速度候補生成部702では、下記の方程式(3)を満たすような速度列情報を速度候補とすることが考えられる。方程式(3)中のw4,w5,w6は各係数の重みである。
[数3]


[0040]
 このときに速度候補として取り得る範囲について、例えば図4(a)および図5(a)に示すシーンでは、自車両401の前後(自車線内)に他車両が存在していないため、道路に規定されている法廷速度以下の範囲内で検索する方法が考えられる。一方、例えば図8に示すシーンのような、自車両401が運転可能領域408内で生成された経路候補(後述する目標軌道に対応)901に沿って走行し、対向車線に他車両(対向車両)402aが存在するとともに、自車両401の前後(自車線内)に他車両(先行車両402cおよび後続車両402b)が存在する場合には、自車両401が衝突せずに走行できる速度範囲は制限される。例えば、図9に示すように、横軸を候補経路の経路長として、縦軸を速度とした場合に、自車両401の速度範囲(速度幅)として、先行車両402cとの衝突を防ぐ上限速度および、後続車両402bとの衝突を防ぐための下限速度を規定することが可能となる。これらの上限速度および下限速度を算出する方法としては、先行車両402cおよび後続車両402bとのTTCが所定時間以内(例えば2秒以内)とならないようにする自車両の速度を演算する方法が考えられる。
[0041]
 また、より一般的に図10に示すように、車両の横方向位置および縦方向位置および時間方向における他物体(他車両など)の衝突確率を演算することにより、運転可能領域408a~408eを定義(作成)する方法も考えられる。この空間内において目標動作点列である候補軌道点列1001a~1001eを定義(作成)する方法も考えられる。また、上記に述べた経路候補および速度候補の生成を同時に求める方式も考えることが出来る。
[0042]
 上述した方法に基づいて、軌道候補生成部601では、経路候補および速度候補からなる軌道候補を生成し、その軌道候補を軌道評価部602に出力する。
[0043]
 図6に戻り、次に、軌道評価部602では、軌道候補生成部601で生成された軌道候補に対して、評価を行なう。軌道評価部602での評価の方法としては、それぞれの軌道候補に対して、下記の方程式(4)の乗心地を示す評価項目(例えば、車両横方向の加速度の2乗、車両縦方向の加速度の2乗、それら加速度を微分した加々速度の2乗の線形和)とする方法が考えられる。ただし、v1,v2,v3,v4は重み係数である。
[数4]


[0044]
 次に、目標軌道決定部603では、軌道評価部602で評価されたそれぞれの軌道候補から、所定の乗心地条件を満たす候補軌道を選択する。目標軌道決定部603での選択の方法としては、それぞれの軌道候補に対して、最も乗心地が良い評価値となる(すなわち、乗心地評価値の最も高い)候補軌道を選択する方法が考えられる。目標軌道決定部603では、選択した候補軌道を目標軌道として軌道追従制御指令値演算部604に出力する。ただし、このとき、目標軌道決定部603は、一度選択した候補軌道については所定時間は変更しないように軌道評価部602で得られた乗心地評価値に対して、重みをつけて調整する方法が考えられる。これは、例えば車線変更を意図する候補軌道を選択した次の演算周期において、目標軌道決定部603側で車線変更しないで現在車線を意図する候補軌道を選択するようなことがあった場合に、乗員が車両の動作に不安を持つ可能性があるためである。
[0045]
 次に、軌道追従制御指令値演算部604では、目標軌道決定部603で選択・決定した目標軌道に対して、車両401が追従するようにステアリング指令値やブレーキ動作量、エンジン出力値などを演算する。この方法について、図11のフローチャートを用いて説明する。
[0046]
 図11に示すように、ステップS801では、軌道追従制御指令値演算部604(CPU)は、目標軌道決定部603で決定した目標軌道に対して、目標軌道に追従するためのステアリング、ブレーキ、エンジンの指令値(軌道追従制御指令値)を演算する。ステアリングの指令値を演算する方法としては、目標軌道との誤差が減少するように操舵量を決定する方法が知られている。また、目標速度を実現するエンジンおよびブレーキへの指令値を演算する方法としては、従来の所定の速度で車両を制御することが出来るクルーズコントロール制御の演算手法を用いる方法が考えられる。
[0047]
 ステップS802では、軌道追従制御指令値演算部604(CPU)は、ステップS801で得られた軌道追従制御指令値に基づき、乗心地判定を行なう。ここではステップS801で得られた軌道追従制御指令値を車両のプラントモデルへ入力することにより車両に生じる加速度や加々速度を演算し、その値が所定値範囲内(例えば、加速度の上限値としては2m/s )となっていることを判定する。ここで、プラントモデルとしては前述したようなバイスクルモデルや4輪モデルなどを用いることが考えられるが(上述の軌道候補生成部601および軌道評価部602参照)、より短い演算周期で演算を行なうために、簡易的な演算処理として、予め車両状態と目標制御量を入力としてテーブルとしたものを参照する方式を利用する方法も考えられる。この乗心地判定の結果、乗心地が良いと判定された場合にはこのフローは終了し(つまり、ステップS801で得られた軌道追従制御指令値を出力し)、乗心地が悪いと判定された場合(換言すれば、自車両の運転中に所定の乗心地条件から外れた場合)にはステップS803に進む。
[0048]
 ステップS803では、軌道追従制御指令値演算部604(CPU)は、運転可能領域と周辺地図情報および再生成前の目標軌道に基づいて、目標軌道を再生成する。ここでの目標軌道を再生成する方法としては、再生成前の目標軌道に対して、現在の自車両位置座標を滑らかに接続するように目標軌道を再生成する方法が考えられる。
[0049]
 図12は、前述した図4(a)に示すシーンにおいて、時刻T1における自車両401aおよびその目標軌道(以下、再生成前目標軌道ということがある)901a、時刻T2における自車両401bおよびその目標軌道(以下、再生成後目標軌道ということがある)901bを示し、図13は、図12に示すシーンにおける目標軌道再生成方法の概念図を示す。図13に示すように、現在の時刻T2において、自車両401bの現在位置(車両中心もしくは車両重心位置)1901と再生成前目標軌道901aとの間に離間量1903が生じている場合、再生成前目標軌道901aに対して(詳しくは、再生成前目標軌道901a上で自車両401bの現在位置より進行方向側に)再接続点(軌道接続点ともいう)1904を設定し、また必要に応じて、再生成前目標軌道901aを延長するように、目標軌道901bを再生成する。ここで、自車両401bの現在速度方向に基づいて、自車両401bの現在速度方向軸1902およびそれに対して垂直方向軸1906を設定する。
[0050]
 次に、前記した再接続点1904の設定方法について、図14を用いて説明する。図14に示すように、横軸に離間量と自車両速度の積、縦軸に自車両から再接続点までの接続距離とした場合に、離間量1903(軸1906方向の距離)と自車両401b速度の積が増加するに従い、自車両401bの現在位置1901から再接続点1904までの接続距離1905(軸1902方向の距離)が増加するように、再接続点1904を設定する。
[0051]
 また、再生成前目標軌道901aと再生成後目標軌道901bは、再接続点1904における接線の傾き1907が略一致するように、目標軌道901bを定めるようにする方法も考えられる。
[0052]
 このようにすることで、離間量1903が大きい場合もしくは自車両401b速度が大きい場合は、再接続点1904までの接続距離1905が大きくなり、再生成前目標軌道901aに対して滑らかに接続されるように目標軌道(再生成後目標軌道)901bが生成されて、自車両の乗心地を損なわないことになる。
[0053]
 なお、ステップS803で再生成した目標軌道に対して、軌道追従制御指令値演算(ステップS801)や乗心地判定(ステップS802)を繰り返し行ない、この乗心地判定の結果、乗心地が良いと判定された場合に、このフローは終了する(つまり、ステップS801で得られた軌道追従制御指令値を出力する)。
[0054]
 次に、本実施例1の車両制御装置1の車両運動制御部203の動きについて、例えば図12に示した状況における作用効果を以下に説明する。
[0055]
 図12に示したシーンは、時刻T1において自車両401は自車両401aの位置に位置しており、運転可能領域408と周辺状況に基づいて目標軌道901aを生成して追従制御を行なっている場面である。所定時間(例えば、10msec)経過して時刻T2になった際に、自車両401は自車両401bの位置に移動している。この間に自車両401は目標軌道901aに追従するように追従制御を行なっていたが、道路路面状況や車両状態により、目標軌道901aから誤差が生じているとする。また、運転可能領域408は時刻T1から更新されていないとする。ここで、時刻T1において作成した目標軌道901aに追従するように制御を行なうと、制御量(例えば操舵角度)を増やす必要があり、その結果、乗心地が悪化することが懸念される。そのため、車両運動制御部203(の軌道追従制御指令値演算部604)は、運転可能領域408内で再度軌道を生成し(つまり、目標軌道901bを再生成し)、新たな目標軌道901bに追従するように制御することで、制御量を増やすことなく、安全かつ乗心地を損なわない自動運転が可能となる。
[0056]
 本実施例の車両制御装置1に含まれるアクチュエータ制御部204は、前述したように、車両運動制御部203(の軌道追従制御指令値演算部604)から出力された軌道追従制御指令値(アクチュエータ目標値)に基づいて、ステアリング・ブレーキ・エンジンなどの各アクチュエータ10、13、20を(制御装置8、15、19を介して)任意に制御することで、車両制御装置1は、前記した自動運転を実現する。
[0057]
 以上で説明したように、本実施例の車両制御装置1によれば、自車両の軌道追従制御が安定することで、自車両の加減速頻度が低減するため、乗心地が悪化することを防ぐことができる。また、自動運転のシステムを複数のコントローラに実装することにより、一つのコントローラに故障が発生した場合にも他のコントローラにより安全に運転(走行・停止)することが可能となる。
[0058]
[実施例2]
 次に、図15~図21を参照して、本発明の実施例2を詳細に説明する。本実施例2は、上述した実施例1に対し、運転可能領域を演算・出力する自動運転計画部201や自動駐車計画部202が故障した際のフェールセーフ構成またはバックアップ構成として故障検知部1501および故障時軌道生成部1502を車両運動制御部203が有する点が異なる。その他の構成は上述した実施例1とほぼ同じであり、実施例1と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
[0059]
 本実施例の車両制御装置1に実装されている車両運動制御部203の構成および動作について、図15に示したブロック図を用いて説明する。
[0060]
 図示するように、本実施例2においては、上述した実施例1に対して、故障検知部1501および故障時軌道生成部1502が追加されている。
[0061]
 故障検知部1501では、自動運転計画部201や自動駐車計画部202(図2参照)が故障して正常な運転可能領域を送信できていないことを検知する。換言すれば、故障検知部1501では、自車両の運転中に自動運転計画部201や自動駐車計画部202に故障が発生して当該自動運転計画部201や自動駐車計画部202から正常な運転可能領域を受信することが不能になったことを検知する。例えば、故障検知部1501は、車載ネットワーク205経由で受信している運転可能領域の結果が所定時間にわたって更新されていないことを検知したときに、自動運転計画部201や自動駐車計画部202が故障していると判断する方法が考えられる。故障検知部1501の故障検知情報は、目標軌道決定部603に送られる。
[0062]
 次に、故障時軌道生成部1502では、運転可能領域および周辺地図情報に基づいて故障時軌道を生成する。そのために、図16に示すように、故障時軌道生成部1502には、退避スペース算出部1600、故障時経路生成部1601および故障時速度生成部1602、ドライバ警報部1603が存在する方法が考えられる。
[0063]
 その故障時軌道生成部1502の方法を、図17を用いて説明する。図17に示したシーンにおいて、時刻Taにおいて、故障検知部1501が故障を検知したとする。このときに、退避スペース算出部1600は、この時刻Taまでに受信していた最新の運転可能領域408および道路端点列407の情報を用いて、接続道路端情報1401を演算する。この接続道路端情報1401の演算は、例えば、運転可能領域408内において、現在自車線内の道路端情報である道路端点列407を抽出することにより行われる。道路端情報である道路端点列407に関しては、自車両位置とともに、記憶部308(図3参照)に保存されている地図情報に基づいて算出する方法と、車両センサとして自車両に搭載されているステレオカメラ302(図3参照)からの情報を利用する方法が考えられる。例えば、図18に示すように自車両401の左前方に駐車車両402dが存在するような場合においては、駐車車両402dの位置には運転可能領域408が定義されない(換言すれば、駐車車両402dの位置には運転不可能領域が定義され、駐車車両402dを避けた位置に運転可能領域が定義される)ので、駐車車両402dを避けた前方に接続道路端情報1401が定義される。
[0064]
 次に、退避スペース算出部1600は、この時刻Taまでに受信していた最新の運転可能領域408および接続道路端情報1401に基づいて、当該接続道路端情報1401の所定位置に、自車両401の車両サイズから安全に停止(停車)させることができる領域(スペース)である退避スペース1402を演算する。この退避スペース1402の演算は、例えば、接続道路端情報1401の中で自車両401の車両サイズより大きく自車両401から最も近い領域(スペース)を抽出することにより行われる。退避スペース1402に関しても、自車両位置とともに、記憶部308(図3参照)に保存されている地図情報に基づいて算出する方法と、車両センサとして自車両に搭載されているステレオカメラ302(図3参照)からの情報を利用する方法が考えられる。
[0065]
 一方、退避スペース算出部1600において、運転可能領域408内に退避スペース1402が検出できない場合には、ドライバ警報部1603において、ドライバに対してドライバ操作により自車両401を安全に停車させることを促す警報を発生させる。
[0066]
 退避スペース算出部1600で上記方法によって算出された退避スペース1402に対して、故障時経路生成部1601および故障時速度生成部1602は、それまでに受信していた最新の運転可能領域408内において自車両401を安全に運転・停止させる故障時軌道(退避軌道ともいう)を演算する。なお、この故障時経路生成部1601および故障時速度生成部1602による故障時軌道の生成は、図6および図7などに基づき説明した軌道候補生成部601の経路候補生成部701および速度候補生成部702による軌道候補(目標軌道に対応)の生成とほぼ同じであるので、ここでは詳細説明は割愛する。また、ここでは、故障時経路生成部1601および故障時速度生成部1602は、1本の故障時軌道を演算するものとしているが、軌道候補生成部601の経路候補生成部701および速度候補生成部702と同様に、運転可能領域408において複数本の(候補)故障時軌道を算出し、それらの(候補)故障時軌道に対して、評価を行なうようにしてもよいことは当然である。例えば、図17に対応した図19に示すようなシーンの場合、通常時の軌道候補(目標軌道に対応)901とともに故障時経路生成部1601および故障時速度生成部1602により故障時軌道1301が算出される。
[0067]
 また、別の故障時軌道生成手法について、ドライバ状態(例えば、ドライバが乗席しているか否かなど)を監視(モニタ)するセンサが自車両401に付設されている場合において、ドライバが運転を引き継げるか否かを判定し、所定時間内(例えば2秒間)にドライバへの運転の引継ぎが完了できることが判定された場合に、故障時経路生成部1601において、所定時間内は従来の目標軌道を走行し、所定時間後からはその目標軌道から(逸脱して)退避スペースへ向かう(退避する)経路を生成する方法も考えられる。この方法を、図17および図19に対応した図20を用いて説明する。故障時経路生成部1601は、故障前の目標軌道901に対して、故障時引継ぎ経路1303を生成している。この故障時引継ぎ経路1303を生成する際に、故障時経路生成部1601は、所定時間内で走行できる経路1302は故障前の目標軌道901と同一の経路を使用し、その後に(予め退避スペース算出部1600により算出された)退避スペース1402に向かう経路を目標軌道901の所定位置から分岐して生成している。このときに、退避スペース算出部1600による退避スペース1402の設定方法としては、所定時間走行した後に安全に停止できる運転可能領域408内のスペースを探索する方法が考えられる。
[0068]
 上記のように故障時軌道生成部1502が経路(並びに軌道)を生成することにより、所定時間内にドライバへの運転引継ぎが可能となる場合には、すぐに退避スペースで停車することなく、自車両401の運転を継続することができるようになる。
[0069]
 故障時軌道生成部1502で生成された故障時軌道は、目標軌道決定部603に送られる。
[0070]
 図15に戻り、目標軌道決定部603では、図21に示すブロック図に基づいて目標軌道を算出・決定する。すなわち、目標軌道決定部603は、通常時は、前述したように、軌道候補生成部601で生成されて軌道評価部602で評価されたそれぞれの軌道候補から、所定の乗心地条件を満たす候補軌道を選択するが、故障検知部1501の故障検知情報に基づいて、故障検知情報で自動運転計画部201や自動駐車計画部202が故障となっていると判断した場合には、故障時軌道を目標軌道として選択する。
[0071]
 軌道追従制御指令値演算部604では、前述したように、目標軌道決定部603で選択・決定した目標軌道に対して、車両401が追従するようにステアリング指令値やブレーキ動作量、エンジン出力値などを演算して出力する。なお、このときに、ドライバが運転を引き継いだ場合には、軌道追従制御指令値演算部604は、それに応じたステアリング指令値やブレーキ動作量、エンジン出力値などを演算して出力することになる。
[0072]
 次に、本実施例2の車両制御装置1の車両運動制御部203の動きについて、例えば図17に示した状況における作用効果を以下に説明する。
[0073]
 図17に示したシーンにおいて、時刻Taにおいて故障を検知した場合に、自動運転計画部201や自動駐車計画部202だけでは緊急停止させることしか出来ない場合が考えられるが、前述したように車両運動制御部203において運転可能領域408に基づいて故障時の軌道生成を行なう(言い換えれば、故障時軌道を生成する)ことにより、道路端に対して安全に車両401を停車させることができるようになる。また、緊急停止させることなく、ドライバ警報部1603においてドライバに対して警報を発することにより、より安全にドライバに運転を引き継ぐことが出来るようになる。
[0074]
 以上で説明したように、本実施例2においても、上述した実施例1と同様に、自車両の軌道追従制御が安定することで、自車両の加減速頻度が低減するため、乗心地が悪化することを防ぐことができる。また、自動運転のシステムを複数のコントローラに実装することにより、一つのコントローラに故障が発生した場合にも他のコントローラにより安全に運転(走行・停止)することが可能となる。
[0075]
 なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
[0076]
 また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
[0077]
 また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

符号の説明

[0078]
1   車両制御装置
2~5 センサ
8   操舵制御装置
15  制動制御装置
19  加速制御装置
23  通信装置
24  表示装置
201 自動運転計画部(運転計画演算部)
202 自動駐車計画部(運転計画演算部)
203 車両運動制御部
204 アクチュエータ制御部
205 車載ネットワーク
301 レーダ
302 ステレオカメラ
303 車両センサ
304 ライダー
305 センサ情報処理部
306 地図情報処理部
307 立体物行動予測部
308 記憶部
309 運転可能領域演算部
401 自車両(自動運転車両)
402 他車両
403 立体物(落下物)
404 他車両の予測軌道情報
405 フェンス
406 道路中心線
407 道路端点列
408 運転可能領域
409 運転不可能領域
601 軌道候補生成部
602 軌道評価部
603 目標軌道決定部
604 軌道追従制御指令値演算部
701 経路候補生成部
702 速度候補生成部
901 目標軌道
1301 故障時軌道(退避軌道)
1401 接続道路端情報
1402 退避スペース
1501 故障検知部
1502 故障時軌道生成部
1600 退避スペース算出部
1601 故障時経路生成部
1602 故障時速度生成部
1603 ドライバ警報部

請求の範囲

[請求項1]
 自車両周囲の運転環境および自車両の目的地に基づいて自車両が安全に運転可能な空間である運転可能領域を演算する運転計画演算部と、
 前記運転計画演算部で演算した運転可能領域において所定の乗心地条件を満たす経路および速度を含む目標軌道を演算し、その目標軌道に追従するように自車両を制御する車両運動制御部と、を備えることを特徴とする車両制御装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の車両制御装置において、
 前記所定の乗心地条件は、自車両の加速度の2乗および加加速度の2乗の線形和を含むことを特徴とする車両制御装置。
[請求項3]
 請求項1に記載の車両制御装置において、
 前記車両運動制御部は、自車両の運転中に前記所定の乗心地条件から外れた場合、前記目標軌道を再生成することを特徴とする車両制御装置。
[請求項4]
 請求項3に記載の車両制御装置において、
 前記車両運動制御部は、現在自車両位置と再生成前目標軌道とに基づき、再生成前目標軌道上に再接続点を設定し、その再接続点において再生成前目標軌道と接続するように前記目標軌道を再生成することを特徴とする車両制御装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の車両制御装置において、
 前記車両運動制御部は、自車両と再生成前目標軌道との離間量と自車両速度の積が増加するに従い、自車両と再接続点との接続距離が増加するように、前記再接続点を設定することを特徴とする車両制御装置。
[請求項6]
 請求項4に記載の車両制御装置において、
 前記車両運動制御部は、再生成前目標軌道と再生成後目標軌道の再接続点における接線の傾きが一致するように前記目標軌道を再生成することを特徴とする車両制御装置。
[請求項7]
 請求項1に記載の車両制御装置において、
 前記車両運動制御部は、自車両の運転中に前記運転計画演算部に故障が発生して前記運転計画演算部から運転可能領域を受信することが不能になった際に、故障発生前までに受信した運転可能領域と道路端情報を用いて、自車両を安全に停止させる故障時軌道を演算する故障時軌道生成部を有することを特徴とする車両制御装置。
[請求項8]
 請求項7に記載の車両制御装置において、
 前記故障時軌道生成部は、故障発生前の運転可能領域に基づき車両サイズより大きな退避スペースを算出し、前記退避スペースに基づき前記故障時軌道を演算することを特徴とする車両制御装置。
[請求項9]
 請求項7に記載の車両制御装置において、
 前記道路端情報は、自車両位置と前記運転計画演算部に記憶されている地図情報もしくは自車両に取り付けられているステレオカメラから得られることを特徴とする車両制御装置。
[請求項10]
 請求項8に記載の車両制御装置において、
 前記故障時軌道生成部が退避スペースを検出できない場合、ドライバに対して、ドライバ操作によって自車両を停車させることを促す警報を発生するドライバ警報部を有することを特徴とする車両制御装置。
[請求項11]
 請求項8に記載の車両制御装置において、
 前記故障時軌道生成部は、ドライバ状態をモニタして運転引継ぎが可能か否かを判断し、ドライバへの運転引継ぎが所定時間内に完了できることが判定された場合、故障前目標軌道を所定時間走行した後に退避スペースへ退避するように故障時軌道を生成することを特徴とする車両制御装置。
[請求項12]
 請求項7に記載の車両制御装置において、
 前記車両運動制御部は、運転可能領域が所定時間にわたって更新されていないことを検知したときに前記運転計画演算部が故障していると判断する故障検知部を有することを特徴とする車両制御装置。
[請求項13]
 請求項1に記載の車両制御装置において、
 前記運転計画演算部と前記車両運動制御部とが異なるコントローラに実装されていることを特徴とする車両制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]