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1. WO2020111134 - SYSTEM, SERVER COMPUTER, IN-VEHICLE DEVICE, CONTROL METHOD, SEMICONDUCTOR INTEGRATED CIRCUIT, AND COMPUTER PROGRAM

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明 細 書

発明の名称 システム、サーバコンピュータ、車載装置、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186  

符号の説明

0187  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

明 細 書

発明の名称 : システム、サーバコンピュータ、車載装置、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラム

技術分野

[0001]
 この開示は、システム、サーバコンピュータ、車載装置、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラムに関する。この出願は、2018年11月29日出願の日本出願特願2018-223000号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容をここに参照により援用する。

背景技術

[0002]
 自動車及び自動二輪車等(以下、車両という)の運転に関して運転者を支援する種々のシステム(以下、運転支援システムという)が提案されている。運転支援システムでは、道路及びその周辺に設置された種々のセンサ機器(カメラ、レーダ等)を備えた装置(以下、インフラセンサという)からセンサの情報を収集し、それを解析して交通に関する情報(事故、渋滞等)を、運転支援情報として車両に提供する。また、移動通信回線(以下、通信回線ともいう)の高速化に伴い、インフラセンサに限らず、車両に搭載されているセンサ機器からの情報を収集し、運転支援に有効利用する(運転に役立つ運転支援情報として提供する)ことも提案されている。例えば、第3世代移動通信システム及びそれに続く移動通信システムの規格化を推進している3GPP(Third Generation Partnership Project)からは、セルラーV2Xという規格が提案されている。Vは車両(Vehicle)を意味し、Xはそれ以外のものを意味している。この規格は、車両とそれ以外のものとの通信を、LTE(Long Term Evolution)及び5G(第5世代移動通信システム)により行なうことを目的とする。5G回線の回線速度は、LTE回線の100~1000倍の速度を実現することができる。
[0003]
 後掲の特許文献1には、複数のセンサからセンサデータを、通信網を介して情報処理装置に伝送するシステムにおいて、状況に応じて、望ましい通信網を選択してセンサデータを伝送する技術が開示されている。センサネットワークでは、多種多様なセンサを利用するため、センサデータも多種多様であり、情報量が多いもの、少ないもの、伝送のリアルタイム性が要求されるもの、要求されないもの等がある。これらは状況に応じて変化する。これに対応するために、このシステムでは、伝送すべきセンサデータに対応するセンサID(個々のセンサを特定するID)、センサの種類及び情報量のうち少なくとも1つに基づいて通信網を選択し、センサデータを送信する。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2003-110749号公報

発明の概要

[0005]
 この開示のある局面に係る車載装置は、車両に搭載される車載装置であって、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集部と、収集部により収集されたセンサデータを外部装置に送信する送信部と、収集部により収集されたセンサデータを記憶するバッファ部と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、送信部によるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御部とを含み、制御部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信部に、収集部により収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させ、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、送信部に、バッファ部に記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信させる。
[0006]
 この開示の別の局面に係るサーバコンピュータは、上記の車載装置から並列に送信されるセンサデータを受信する受信部と、受信部により受信されたセンサデータを、遅延時間に応じて複数に分類し、複数の分類の各々に応じたデータ処理を実行する処理部とを含む。
[0007]
 この開示のさらに別の局面に係る半導体集積回路は、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを外部装置に送信する車載装置に搭載される半導体集積回路であって、センサにより検出されたセンサデータを記憶するバッファ部と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、車載装置によるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御部とを含み、制御部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、車載装置に、収集部により収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させ、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、車載装置に、バッファ部に記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信させる。
[0008]
 この開示のさらに別の局面に係るシステムは、車両に搭載される車載装置と、車載装置と通信するサーバコンピュータとを含むシステムであって、車載装置は、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集部と、収集部により収集されたセンサデータをサーバコンピュータに送信する送信部と、収集部により収集されたセンサデータを記憶するバッファ部と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、送信部によるセンサデータのサーバコンピュータへの送信を制御する制御部とを含み、制御部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信部に、収集部により収集されたセンサデータのサーバコンピュータへの送信を中止させ、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、送信部に、バッファ部に記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、サーバコンピュータに並列に送信させ、サーバコンピュータは、車載装置から並列に送信されるセンサデータを受信する受信部と、受信部により受信されたセンサデータを、遅延時間に応じて複数に分類し、複数の分類の各々に応じたデータ処理を実行する処理部とを含む。
[0009]
 この開示のさらに別の局面に係る制御方法は、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集ステップと、収集ステップにより収集されたセンサデータを外部装置に送信する送信ステップと、収集ステップにより収集されたセンサデータを記憶するバッファステップと、所定条件が満たされるか否かを判定する判定ステップと、送信ステップによるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御ステップとを含み、制御ステップは、判定ステップにより所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信ステップによる、収集ステップにより収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させるステップと、所定条件が満たされると判定ステップにおいて判定された後に、所定条件が満たされないと判定ステップにおける判定が変化したことを受けて、バッファステップにより記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信するステップとを含む。
[0010]
 この開示のさらに別の局面に係るコンピュータプログラムは、車両に搭載されるコンピュータに、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集機能と、収集機能により収集されたセンサデータを外部装置に送信する送信機能と、収集機能により収集されたセンサデータを記憶するバッファ機能と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定機能と、送信機能によるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御機能とを実現させるためのコンピュータプログラムであって、制御機能は、判定機能により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信機能による、収集機能により収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させる機能と、所定条件が満たされると判定機能が判定した後に、所定条件が満たされないと判定機能による判定が変化したことを受けて、バッファ機能により記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信する機能とを含む。
[0011]
 本開示の第7の局面に係る車載装置は、車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部と、センサデータ収集部により収集されたセンサデータを格納可能なバッファと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータ、又はバッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信する送信装置と、センサデータに関連する車載装置の状態を制御する状態制御部を含み、状態制御部は、車載装置の状態と、送信装置による外部装置へのセンサデータの送信のスループットとにしたがって、車載装置の状態を有限個の状態の間で遷移させる。
[0012]
 本開示の第8の局面に係る車載装置の制御方法は、車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部がセンサデータを収集するステップと、バッファがセンサデータ収集部により収集されたセンサデータを格納するステップと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータ、又はバッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信するステップと、を含む、車両に搭載された車載装置の制御方法であって、さらに、センサデータに関連する車載装置の状態を制御する状態制御部が、車載装置の状態と、送信装置による外部装置へのセンサデータの送信のスループットとにしたがって、車載装置の状態を有限個の状態の間で遷移させるステップを含む。
[0013]
 本開示の第9の局面に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部と、センサデータ収集部により収集されたセンサデータを格納可能なバッファと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータ、又はバッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信する送信装置と、センサデータに関連する車載装置の状態を、車載装置の状態と、送信装置による外部装置へのセンサデータの送信のスループットとにしたがって、有限個の状態の間で遷移させる状態制御部として機能させる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 図1は、この開示の第1実施形態に係る運転支援システムの構成を示す模式図である。
[図2] 図2は、車載装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
[図3] 図3は、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
[図4] 図4は、車載装置の機能的構成を示すブロック図である。
[図5] 図5は、バッファの構成を示すブロック図である。
[図6] 図6は、サーバの機能的構成を示すブロック図である。
[図7] 図7は、車載装置の動作を示すフローチャートである。
[図8] 図8は、サーバの動作を示すフローチャートである。
[図9] 図9は、この開示の第1実施形態の第1変形例に係る車載装置の機能的構成を示すブロック図である。
[図10] 図10は、バッファ容量の算出のためのパラメータを示す模式図である。
[図11] 図11は、第1実施形態の第1変形例に係るサーバの機能的構成を示すブロック図である。
[図12] 図12は、第1実施形態の第2変形例に係る車載装置の動作を示すフローチャートである。
[図13] 図13は、図5と異なるバッファの構成を示すブロック図である。
[図14] 図14は、この開示の第2実施形態に係る車載装置の状態の変化を示す状態遷移図である。
[図15] 図15は、この開示の第2実施形態に係る車載装置の機能的構成を示すブロック図である。
[図16] 図16は、第2実施形態に係る車載装置で使用されるリングバッファの模式図である。
[図17] 図17は、コンピュータを、第2実施形態に係る車載装置の状態制御部として機能させるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
[図18] 図18は、コンピュータを、第2実施形態に係る車載装置のセンサデータ収集部として機能させるプログラムの制御構造を示すプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
[図19] 図19は、コンピュータを、第2実施形態に係る車載装置のデータ処理部として機能させるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
[図20] 図20は、この開示の第3実施形態に係る車載装置の状態の変化を示す状態遷移図である。
[図21] 図21は、この開示の第2実施形態及びその変形例に係る車載装置を実現するコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 [開示が解決しようとする課題]
 5Gでは、従来移動通信で使用されている周波数帯よりもさらに周波数が高い高周波数帯を使用することが検討されている。例えば、最大100GHzまでを対象とした検討が進められている。高周波数帯の電波は、空間伝搬の直進性が高く、空間伝搬により信号強度が大きく減衰する。そのため5Gでは、セルの大きさを従来よりも小さく設計する必要があり、建築物、樹木、移動体(車両、人等)による通信電波の遮蔽が起こり易くなる。特に、車両に搭載された車載装置からサーバ等にセンサデータを送信するときに、通信電波が遮蔽物により遮蔽され、基地局と通信ができない状態(以下、シャドウィングという)が発生する頻度が高くなる。例えば、車載装置が搭載された車両の走行中に、大型車両(ダンプカー、トレーラ等)がその車両の近くを並走するとき、並走している間シャドウィングが発生し、車載装置がセンサデータを送信できない状況が生じ得る。
[0016]
 シャドウィング等により通信に支障が生じた場合、採用されている通信プロトコル(TCP/IP等)にしたがって、正常に送信されなかったことが検知され、送信できなかったデータを再送信する処理が繰返される。シャドウィングが解消して通信可能になり、サーバにセンサデータを送信できたとしても、サーバは、遅延時間(例えば、センサデータが車載装置で取得された時刻とサーバにより受信された時刻との差)が大きいセンサデータが運転支援に利用できなければ、そのセンサデータを利用せずに破棄する。このように、無駄な再送信が実行され、無駄なセンサデータが送信されるという問題がある。代替する通信網がなければ、特許文献1に開示された技術によっては、この問題を解決することはできない。
[0017]
 したがって、この開示は、車載装置からのセンサデータの送信に支障が生じた状況において無駄な再送信を抑制し、送信可能になれば、送信先の装置に有効なセンサデータを送信できるシステム、サーバコンピュータ、車載装置、制御方法、半導体集積回路及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
[0018]
 [開示の効果]
 この開示によれば、車載装置からのセンサデータの送信に支障が生じた状況において無駄な再送信を抑制し、送信可能になれば、送信先の装置に有効なセンサデータを送信できる。
[0019]
 [この開示の実施形態の説明]
 この開示の実施の形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合せてもよい。
[0020]
 (1)この開示の第1の局面に係る車載装置は、車両に搭載される車載装置であって、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集部と、収集部により収集されたセンサデータを外部装置に例えば通信回線を介して送信する送信部と、収集部により収集されたセンサデータを記憶するバッファ部と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、送信部によるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御部とを含み、制御部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信部に、収集部により収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させ、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、送信部に、バッファ部に記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信させる。これにより、不要なデータ送信処理を抑制し、外部装置により使用され得る有効なデータを送信できる。
[0021]
 (2)所定条件は、外部装置との通信ができない現象の発生、又は、外部装置から受信したエリア情報により特定される道路地図上の所定範囲内に車両が位置すること及び外部装置との通信ができない現象の発生でもよく、所定条件が現象の発生であれば、判定部は、現象が発生していれば、所定条件が満たされると判定し、現象が発生していなければ、所定条件が満たされないと判定し、所定条件が、所定範囲内に車両が位置すること及び外部装置との通信ができない現象の発生であれば、判定部は、車両が所定範囲内に位置し且つ現象が発生していれば、所定条件が満たされると判定し、車両が所定範囲外に位置する又は現象が発生していなければ、所定条件が満たされないと判定してもよい。これにより、通信に支障が生じている状況又は所定範囲に車両が位置する場合において、不要なデータ送信処理を抑制し、通信可能になった場合又は所定範囲から車両が出た場合に、外部装置により使用され得る有効なデータを送信できる。
[0022]
 (3)遅延時間は、遅延時間の大きさに応じて複数の分類のいずれかに分類され、送信部は、並列に送信する際に、バッファ部に記憶されているセンサデータのうち、より小さい遅延時間を含む分類に対応するセンサデータをより優先して、外部装置に送信してもよい。これにより、よりリアルタイム性の高い情報をより優先して送信できる。
[0023]
 (4)バッファ部は、複数のバッファを含んでもよく、複数のバッファは、複数の分類に1対1に対応してもよく、より小さい遅延時間を含む分類に対応するバッファの容量はより小さくなるようにしてもよい。すなわち、バッファ部は、複数の分類に分類される遅延時間を持つセンサデータをそれぞれ記憶するための複数のバッファを含んでもよく、複数のバッファの容量は、より小さい遅延時間を含む分類に対応するバッファの容量がより小さくなるように定められていてもよい。これにより、リアルタイム性に応じて、適切なバッファ容量を設定できる。
[0024]
 (5)車載装置は、外部装置から、外部装置が行なう複数の処理がそれぞれ処理対象とするセンサデータの取得時刻と処理を実行する時刻との差の上限である複数の許容遅延時間を受信する受信部をさらに含んでもよく、バッファ部は、複数のバッファを含み、複数のバッファは、複数の許容遅延時間に1対1に対応し、バッファの容量は、許容遅延時間の大きさに応じて設定されるようにしてもよい。すなわち、バッファ部は、それぞれ複数の許容遅延時間に対応して設定された容量を持ち、それぞれ複数の処理が処理対象とするセンサデータを記憶するための複数のバッファを含んでもよい。これにより、外部装置によるサービスで要求される許容遅延時間に応じた適切なデータを送信できる。車載装置の走行位置によって、車載装置がセンサデータを送信する外部装置は異なり得る。また、サービスで要求される許容遅延時間も異なり得る。これらの変化に適切に対応できる。
[0025]
 (6)受信部は、許容遅延時間毎に対応するセンサデータが車載装置から送信されてから外部装置により受信されるまでの時間である伝送遅延時間と、許容遅延時間毎に対応するセンサデータに対して処理を開始してから完了するまでにかかる時間である処理遅延時間とを外部装置からさらに受信してもよく、車載装置は、送信部が並列に送信する際の通信回線の回線速度を予測する予測部と、複数のバッファの容量を、予測部により予測された回線速度、許容遅延時間、伝送遅延時間、処理遅延時間、及び、送信部が並列に送信する際の、許容遅延時間毎に対応するセンサデータを複数のバッファからそれぞれ読出してから送信するまでの処理速度であるスループットに応じて決定された値に変更する変更部とをさらに含んでもよい。これにより、無駄のない、適切なバッファ容量を設定できる。
[0026]
 (7)バッファ部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、収集部により収集されたセンサデータの記憶を開始し、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、収集部により収集されたセンサデータの記憶を停止するようにしてもよい。これにより、無駄なバッファ処理を回避できる。
[0027]
 (8)この開示の第2の局面に係るサーバコンピュータは、上記の車載装置から並列に送信されるセンサデータを受信する受信部と、受信部により受信されたセンサデータを、遅延時間に応じて複数に分類し、複数の分類の各々に応じたデータ処理を実行する処理部とを含む。これにより、サーバは、データ処理に適したセンサデータを受信できる。
[0028]
 (9)この開示の第3の局面に係る半導体集積回路は、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを外部装置に送信する車載装置に搭載される半導体集積回路であって、センサにより検出されたセンサデータを記憶するバッファ部と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、車載装置によるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御部とを含み、制御部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、車載装置に、センサにより検出されたセンサデータの外部装置への送信を中止させ、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、車載装置に、バッファ部に記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信させる。これにより、不要なデータ送信処理を抑制し、外部装置により使用され得る有効なデータを送信できる。
[0029]
 (10)この開示の第4の局面に係るシステムは、車両に搭載される車載装置と、車載装置と通信するサーバコンピュータとを含むシステムであって、車載装置は、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集部と、収集部により収集されたセンサデータをサーバコンピュータに送信する送信部と、収集部により収集されたセンサデータを記憶するバッファ部と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、送信部によるセンサデータのサーバコンピュータへの送信を制御する制御部とを含み、制御部は、判定部により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信部に、収集部により収集されたセンサデータのサーバコンピュータへの送信を中止させ、所定条件が満たされると判定部が判定した後に、所定条件が満たされないと判定部による判定が変化したことを受けて、送信部に、バッファ部に記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、サーバコンピュータに並列に送信させ、サーバコンピュータは、車載装置から並列に送信されるセンサデータを受信する受信部と、受信部により受信されたセンサデータを、遅延時間に応じて複数に分類し、複数の分類の各々に応じたデータ処理を実行する処理部とを含む。これにより、不要なデータ送信処理を抑制し、サーバコンピュータによりデータ処理に使用され得る有効なデータを送信できる。
[0030]
 (11)この開示の第5の局面に係る制御方法は、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集ステップと、収集ステップにより収集されたセンサデータを外部装置に送信する送信ステップと、収集ステップにより収集されたセンサデータを記憶するバッファステップと、所定条件が満たされるか否かを判定する判定ステップと、送信ステップによるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御ステップとを含み、制御ステップは、判定ステップにより所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信ステップによる、収集ステップにより収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させるステップと、所定条件が満たされると判定ステップにおいて判定された後に、所定条件が満たされないと判定ステップにおける判定が変化したことを受けて、バッファステップにより記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信するステップとを含む。これにより、不要なデータ送信処理を抑制し、外部装置により使用され得る有効なデータを送信できる。
[0031]
 (12)この開示の第6の局面に係るコンピュータプログラムは、車両に搭載されるコンピュータに、車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集機能と、収集機能により収集されたセンサデータを外部装置に送信する送信機能と、収集機能により収集されたセンサデータを記憶するバッファ機能と、所定条件が満たされるか否かを判定する判定機能と、送信機能によるセンサデータの外部装置への送信を制御する制御機能とを実現させるためのコンピュータプログラムであって、制御機能は、判定機能により所定条件が満たされると判定されたことを受けて、送信機能による、収集機能により収集されたセンサデータの外部装置への送信を中止させる機能と、所定条件が満たされると判定機能が判定した後に、所定条件が満たされないと判定機能による判定が変化したことを受けて、バッファ機能により記憶されているセンサデータを、センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、外部装置に並列に送信する機能とを含む。これにより、不要なデータ送信処理を抑制し、外部装置により使用され得る有効なデータを送信できる。
[0032]
 (13)本開示の第7の局面に係る車載装置は、車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部と、センサデータ収集部により収集されたセンサデータを格納可能なバッファと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータ、又はバッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信する送信装置と、センサデータに関連する車載装置の状態を制御する状態制御部とを含み、状態制御部は、車載装置の状態と、送信装置による外部装置へのセンサデータの送信のスループットとにしたがって、車載装置の状態を有限個の状態の間で遷移させる。
[0033]
 状態とスループットの変化とに追随して、車載装置の状態が変化する。車載装置の有限個の状態をあらかじめ適切に設定しておくことで、シャドウィング等が発生したときも適切にセンサデータを処理できる。
[0034]
 (14)有限個の状態は、センサデータ収集部により収集されたセンサデータを送信装置によって外部装置に送信する第1の状態、センサデータ収集部により収集されたセンサデータをバッファに格納する第2の状態、及び、バッファに格納されたセンサデータを読出し、送信装置を介して外部装置に送信する第3の状態を含んでもよい。
[0035]
 第1の状態では、センサデータを外部装置に送信し、第2の状態ではバッファに格納する。第3の状態では、バッファに格納されたセンサデータを外部装置に送信する。送信のスループットに応じてこれらを組合せ、適宜状態遷移させることで、センサデータを外部装置に送信する処理と、外部装置に送信せずバッファに蓄積する処理と、バッファに蓄積されたセンサデータを外部に送信する処理とを状態遷移により切替えて実行できる。
[0036]
 (15)状態制御部は、車載装置が第1の状態にあるときに、スループットがしきい値より大きい値からしきい値以下の値に変化したことに応答して、第1の状態から第2の状態に車載装置の状態を遷移させる第1の状態遷移部と、車載装置が第2の状態にあるときに、スループットがしきい値より大きな値に変化したことに応答して、車載装置の状態を第2の状態から第3の状態に遷移させる第2の状態遷移部と、車載装置が第2の状態にあるときに、バッファ内にデータが存在しないことが検知されたことに応答して、車載装置の状態を第3の状態から第1の状態に遷移させる第3の状態遷移部と、車載装置が第3の状態にあるときにスループットがしきい値以下になったことに応答して、車載装置の状態を第3の状態から第2の状態に遷移させる第4の状態遷移部とを含んでもよい。
[0037]
 センサデータを外部に送信しているときにスループットが低下したときには、車載装置は第2の状態に遷移し、センサデータをバッファにバッファリングする。第2の状態でスループットが回復すると、車載装置は第3の状態に遷移し、バッファリングしていたセンサデータを外部装置に送信する。スループットの変化に対しても、センサデータを全て外部装置に送信できる。
[0038]
 (16)有限個の状態はさらに、バッファに格納されたセンサデータを読出し、よりデータサイズの小さなサブデータに変換して送信装置を介して外部装置に送信する第4の状態を含んでもよく、状態制御部は、さらに、車載装置が第2の状態にある時間がしきい時間より長くなったことに応答して、車載装置の状態を第2の状態から第4の状態に変化させる第5の状態遷移部を含んでもよい。
[0039]
 センサデータをバッファリングしている時間がしきい時間より長くなると、バッファに格納されたセンサデータを順に読出し、データサイズを小さく変換して外部に送信する。スループットが低い時間が長時間にわたり継続したときでも、センサデータの中で、重要な一部のみを外部装置に送信できる。
[0040]
 (17)有限個の状態はさらに、センサデータ収集部により収集されるセンサデータを、より小さなサブデータに限定する第4の状態を含んでもよく、状態制御部は、さらに、車載装置が第2の状態にある時間がしきい時間より長くなったことに応答して、車載装置の状態を第2の状態から第4の状態に変化させる第5の状態遷移部を含んでもよい。
[0041]
 センサデータをバッファリングしている時間がしきい時間より長くなると、センサ収集部がセンサから収集するセンサデータを、より小さなサブデータに限定し外部に送信する。スループットが低い時間が長時間にわたり継続したときでも、センサデータの中で、重要な一部のみを外部装置に送信できる。
[0042]
 (18)状態制御部はさらに、車載装置が第4の状態にあるときに、スループットがしきい値より大きくなったことに応答して、車載装置の状態を第3の状態に遷移させる第6の状態遷移部を含んでもよい。
[0043]
 センサデータのデータサイズを小さく変換して外部に送信しているときにスループットが回復すれば、センサデータをそのまま外部装置に送信する状態に戻る。スループットが十分高いときには、蓄積されたデータを無駄にすることなく外部で利用できる。
[0044]
 (19)状態制御部はさらに、車載装置が第4の状態にあるときに、スループットがしきい値より大きくなったことに応答して、車載装置の状態を第1の状態に遷移させる第7の状態遷移部を含んでもよい。
[0045]
 データサイズの小さなセンサデータを送信する状態となった後に、スループットが回復した場合には、蓄積されたセンサデータではなく、取得されたセンサデータをそのまま送信する。外部装置では、通信が回復するとともにリアルタイムのセンサデータを取得でき、最新の情報を利用したサービスを提供できる。
[0046]
 (20)車載装置は、第7の状態遷移部により車載装置の状態が第4の状態から第1の状態に遷移したことに応答して、バッファに記憶されているセンサデータをクリアするデータクリア部をさらに含んでもよい。
[0047]
 収集されたセンサデータをそのまま送信する場合、バッファにデータが残る。次にバッファを使用する場合に備えてバッファをクリアしておく必要がある。バッファをクリアしておくことにより、次回、スループットが落ちたときにバッファを利用できる。
[0048]
 (21)第4の状態における変換後のデータサイズの、変換前のデータサイズに対する比は、スループットに対する単調増加関数であってもよい。
[0049]
 スループットが小さくなれば、送信できるデータサイズは小さくなる。したがって、変換後のデータサイズを、スループットに対する単調増加関数で定めることにより、スループットの大きさにあわせたデータサイズでセンサデータを外部装置に送信できる。
[0050]
 (22)本開示の第8の局面に係る車載装置の制御方法は、車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部がセンサデータを収集するステップと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータをバッファに格納するステップと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータ、又はバッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信するステップと、センサデータに関連する車載装置の状態を制御する状態制御部が、車載装置の状態と、外部装置へのセンサデータの送信のスループットとにしたがって、車載装置の状態を有限個の状態の間で遷移させるステップとを含む。
[0051]
 状態とスループットの変化とに追随して、車載装置の状態が変化する。車載装置の有限個の状態をあらかじめ適切に設定しておくことで、シャドウィング等が発生したときも適切にセンサデータを処理できる。
[0052]
 (23)本開示の第9の局面に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部と、センサデータ収集部により収集されたセンサデータを格納可能なバッファと、センサデータ収集部により収集されたセンサデータ、又はバッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信する送信装置と、センサデータに関連する車載装置の状態を、車載装置の状態と、送信装置による外部装置へのセンサデータの送信のスループットとにしたがって、有限個の状態の間で遷移させる状態制御部として機能させる。
[0053]
 状態とスループットの変化とに追随して、車載装置の状態が変化する。車載装置の有限個の状態をあらかじめ適切に設定しておくことで、シャドウィング等が発生したときも適切にセンサデータを処理できる。
[0054]
  [この開示の実施形態の詳細]
 以下の実施形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[0055]
  (第1実施形態)
 [全体構成]
 図1を参照して、この開示の第1実施形態に係る運転支援システム100は、サーバ102と、車両106に搭載され、基地局104及びネットワーク108を介してサーバ102と通信する車載装置120とを含む。サーバ102は、車載装置120に対して運転支援情報を提供し、車両106の運転者を支援する。基地局104は、5G回線等による移動通信サービスを提供している。サーバ102と基地局104との間の通信はネットワーク108を介して行なわれ、有線又は無線で通信される。
[0056]
 車載装置120は、5G回線による通信機能を有している。なお、車載装置120の通信機能は、5G回線以外によるものであってもよい。検知対象110は、車両106の車載センサにより検知される対象物である。図1では人を示しているが、これに限らず、信号機、建造物等も対象物である。
[0057]
 図1には、代表的に1つの基地局を示しているが、これに限定されない。通常、複数の基地局が設けられている。車両に関しても、図1では代表的に1台の車両を示しているが、これに限定されず、サーバ102はより多くの車両の車載装置と通信し、情報を収集して解析し、運転支援情報を提供する。
[0058]
  [車載装置のハードウェア構成]
 図2を参照して、車両106に搭載されている車載装置120のハードウェア構成の一例を示す。車載装置120は、センサ機器122に接続されたインターフェイス部(以下、I/F部という)124、通信を行なう通信部126、データを記憶するメモリ128、それらを制御する制御部130、及び、各部の間でデータを交換するためのバス132を含む。車載装置120は、図2に示した構成要素以外に、タイマ、電源装置等、車載装置として機能するために必要な構成をも含んでいる。
[0059]
 センサ機器122は、車両106に搭載されているセンサである。車両には、種々のセンサが搭載されているが、それらのうちセンサ機器122は、運転支援情報の生成に供するものを意味する。センサ機器122は、例えば、イメージセンサ(CCD(Charge-Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)カメラ等)、レーザセンサ(LiDAR(Light Detection and Ranging)等)、ミリ波レーダ等である。センサ機器122は、対象を検知して所定の検出信号(アナログ信号又はデジタルデータ)を出力する。
[0060]
 センサ機器122による検出信号はI/F部124に入力される。I/F部124はA/D変換部を含み、アナログ信号が入力されると所定周波数でサンプリングし、デジタルデータ(センサデータ)を生成して出力する。生成されたデジタルデータは、メモリ128に伝送されて記憶される。センサ機器122からの出力信号がデジタルデータであれば、I/F部124は、入力されるデジタルデータをメモリ128に記憶する。メモリ128は、例えば書換可能な不揮発性の半導体メモリ、又はハードディスクドライブ(以下、HDDという)である。
[0061]
 メモリ128に記憶されるセンサデータには、センサデータを取得した時刻を特定する情報(例えば、タイムスタンプ。以下、センサデータ取得時刻という)と、センサデータ取得時刻に対応する車両106の位置を表す情報(以下、車両位置という)とが付される。例えば、センサ機器122がイメージセンサであれば、フレーム単位のセンサデータに、センサデータ取得時刻及び車両位置が付される。センサデータ取得時刻はタイマから取得され、車両位置はGPS(Global Positioning System)から取得される。
[0062]
 通信部126は、5G回線での移動通信機能を有し、サーバ102との通信を行なう。車載装置120とサーバ102との間の通信は基地局104及びネットワーク108を介して行なわれる。通信部126は、5G回線で採用されている変調及び多重化を行なうためのIC、所定周波数の電波を放射及び受信するためのアンテナ、並びにRF(Radio Frequency)回路等により構成されている。
[0063]
 制御部130は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されており、各部を制御することにより、後述する車載装置120の機能を実現する。
[0064]
  [サーバのハードウェア構成]
 図3を参照して、サーバ102は、制御部140、メモリ142、通信部144、及びバス146を含む。各部の間のデータ伝送は、バス146を介して行なわれる。制御部140は、例えばCPUを含み、各部を制御し、サーバ102の種々の機能を実現する。通信部144は、車両106からアップロードされるセンサデータを、基地局104及びネットワーク108を介して受信する。メモリ142は、書換可能な不揮発性の半導体メモリ及びHDD等の大容量記憶装置を含む。通信部144により受信されたデータは、メモリ142に伝送され、データベースとして記憶される。
[0065]
  [車載装置の機能的構成]
 図4を参照して、車載装置120の機能について説明する。車載装置120は、センサ機器122により検出されたセンサデータを収集するセンサデータ収集部200、センサデータ収集部200の収集したセンサデータを処理しサーバ102にアップロードするパケットを生成するセンサデータ処理部190、センサデータ処理部190により生成されたパケットをサーバ102に送信するパケット送信部216、及びサーバ102からのパケットを受信するパケット受信部218を含む。
[0066]
 センサデータ処理部190は、バッファ入力制御部202、バッファ部204、バッファ出力制御部212、及びシャドウィング検知部214を含む。バッファ部204は、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210を含む。
[0067]
 センサデータ収集部200は、センサ機器122により検出されたセンサデータを収集する。バッファ入力制御部202は、センサデータ収集部200から入力されるセンサデータを、基地局104との通信状態に支障がなければパケット送信部216に出力し、支障があればバッファ部204に出力する。バッファ入力制御部202から出力されるセンサデータには、上記したように、センサデータ取得時刻と、センサデータ取得時刻に対応する車両106の車両位置とが付されている。ここでは、基地局104との通信状態の支障は、シャドウィングの発生である。シャドウィングの発生の情報は、後述するようにシャドウィング検知部214から伝送される。
[0068]
 第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210は、所定のバッファ容量を有し、入力されるデータを順に記憶する。第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210は、例えば、メモリ128上に確保される。ここでは、図5に示すように、各バッファ容量は、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210の順で大きくなるように確保されているとする。バッファ入力制御部202は、バッファ部204にセンサデータを出力する場合、第1バッファ206に出力する。第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210は、入力されるデータを記憶し、新たなデータが入力される場合、それまでに記憶したデータをシフト(図5では右側にシフト)した後、空いた領域に新たに入力されるデータを記憶する。第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210は、記憶されるデータがバッファ容量を超えてオーバーフローする場合には、以下の様に機能する。即ち、図5を参照して、第1バッファ206がオーバーフローする場合には、第1バッファ206に記憶されているデータのうち、最も古いデータ(図5において斜線で示す)は第2バッファ208に出力される。第2バッファ208がオーバーフローする場合には、第2バッファ208に記憶されているデータのうち、最も古いデータ(図5において斜線で示す)は第3バッファ210に出力される。第3バッファ210がオーバーフローする場合には、第3バッファ210に記憶されているデータのうち、最も古いデータ(図5において斜線で示す)は破棄される。
[0069]
 このように構成されることにより、第1バッファ206には最も遅延時間(センサデータが車載装置120で取得された時刻と特定時刻(現在時刻又はサーバ102により受信された時刻)との差)が短いデータ(例えば、遅延時間≦数百ミリ秒)が記憶される。第2バッファ208には、第1バッファ206に記憶されるデータよりも遅延時間が長いデータ(例えば、数百ミリ秒<遅延時間≦数秒)が記憶される。第3バッファ210には、第2バッファ208に記憶されるデータよりも遅延時間が長いデータ(例えば、数秒<遅延時間≦数分)が記憶される。第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210に記憶されるセンサデータを、それぞれリアルタイムデータ、準リアルタイムデータ、及び非リアルタイムデータともいう。予め設定される各バッファがデータ(センサデータ、センサデータ取得時刻及び車両位置)を記憶する時間、並びに、それに対応する各バッファ容量は、サーバ102が提供するサービス(運転支援情報の提供等)に使用されるセンサデータに許される遅延時間(例えば、センサデータ取得時刻とセンサデータの処理完了時刻との差)に応じて設定されてもよい。以下、サービス毎に許される遅延時間の上限を「許容遅延時間」という。このように、センサデータの遅延時間(以下、リアルタイム性ともいう)に応じて複数のバッファ領域を備えることにより、後述するように、よりリアルタイム性の高い情報をより優先して送信できる。また、センサデータのリアルタイム性に応じてバッファ容量を設定することにより、適切なバッファ容量を設定できる。なお、上記した各バッファの記憶時間は一例であり、上記と異なる時間範囲でデータを記憶してもよい。後述するように、各バッファの記憶時間(対応するバッファ容量)は、サーバ102で実行されるサービスに応じて設定すればよい。
[0070]
 バッファ出力制御部212は、基地局との通信に生じていた支障がなくなれば、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210からセンサデータを並列に読出して、パケット送信部216に出力する。例えば、バッファ出力制御部212は、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210の各々における最も古いデータ(図5の斜線を付した部分)から読出す。このとき、バッファ出力制御部212は、遅延時間が短いセンサデータを優先して読出す。即ち、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210の順で、データ読出しの優先度が低くなる。したがって、読出しの初期には、特定のバッファからのみデータが読出されることはなく、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210から並列に読出される。時間経過に応じて、第1バッファ206、第2バッファ208の順で、読出されるデータがなくなり、終期には第3バッファ210からのみデータが読出される。バッファ出力制御部212は、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210から読出したセンサデータの遅延時間を特定できる情報を、センサデータに付加して、パケット送信部216に出力する。例えば、バッファ出力制御部212は、リアルタイムデータ、準リアルタイムデータ、及び非リアルタイムデータを表す分類情報を、センサデータに付加して、パケット送信部216に出力する。バッファ出力制御部212は、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210にバッファされていたセンサデータを全てパケット送信部216に出力すると、所定の情報(以下、出力完了情報ともいう)をシャドウィング検知部214に出力する。
[0071]
 パケット送信部216は、入力されるデータを、通信プロトコルにしたがってパケット化し(ヘッダデータの付加、分割等)、送信する。パケット送信部216に入力されるデータは、バッファされていたデータであれば、分類情報が付加されている(センサデータ、センサデータ取得時刻、車両位置及び分類情報)が、そうでなければ、分類情報が付加されていない(センサデータ、センサデータ取得時刻及び車両位置)。第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210から、優先度に応じて並列に読出されたバッファデータを送信することを、以下においては「並列アップロード」ともいう。この場合、「並列アップロード(並列に送信する)」とは、1)複数種類のデータを1個ずつ読出して、これらをまとめて1つのパケットに組立てて送信すること、2)複数種類のデータを1個ずつ読出して、それぞれ別々のパケットを組立てて1つの無線通信装置を介して連続して送信すること、3)複数種類のデータを1個ずつ読出して、それらをつないだ1つのデータを作り、それを複数のパケットに分割して送信すること、及び4)複数の無線送信装置がある場合には、複数種類のデータを1個ずつ読出して別々のパケットを組立て、別々の無線送信装置を介してほぼ同時に送信すること、のいずれであっても良いし、これらを組合せても良い。また、パケット送信部216は、送信失敗の頻度、又は、通信回線の回線速度を算出して、シャドウィング検知部214に出力する。これは、後述するように、シャドウィング検知部214により、基地局との通信に支障が生じているか否かを判定するためである。
[0072]
 パケット受信部218は、基地局104から送信されたデータを受信する。パケット受信部218は、パケット送信部216から送信したパケットデータが送信先で受信されたか否かを、送信先から送信される受信確認情報を受信することにより判定できる。例えば、TCP/IPプロトコルであれば、ACK、及び、確認応答番号(次に送信すべきデータの先頭を表す(どこまでデータを受信できたかを表す))を受信することにより可能である。所定時間内にパケット受信部218が受信確認情報を受信できなければ、送信に失敗したとして、パケット送信部216は該当するパケットデータを再送信する。
[0073]
 シャドウィング検知部214は、パケット送信部216から入力される送信失敗の頻度、又は、通信回線の回線速度から、シャドウィングが発生しているか否かを判定し、シャドウィングが発生していると判定した場合、所定の指示(以下、バッファ開始指示という)をバッファ入力制御部202に出力する。バッファ入力制御部202は、バッファ開始指示が入力されると、センサデータ収集部200から入力されるセンサデータの出力先を、パケット送信部216からバッファ部204に変更する。これにより、上記したように第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210によりセンサデータのバッファリング(記憶)が実行される。
[0074]
 シャドウィング検知部214は、発生していたシャドウィングが解消したと判定した場合、所定の指示(以下、送信開始指示という)をバッファ入力制御部202及びバッファ出力制御部212に出力する。バッファ入力制御部202は、送信開始指示が入力されると、センサデータ収集部200から入力されるセンサデータの出力を停止する。バッファ出力制御部212は、送信開始指示が入力されると、上記したように、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210からデータを並列して読出し、読出したデータに、対応する分類情報を付加してパケット送信部216に出力する。バッファ出力制御部212は、全バッファデータの出力が完了すると、出力完了情報をシャドウィング検知部214に出力し、出力完了情報が入力されたシャドウィング検知部214は、所定の指示(以下、バッファ終了指示という)をバッファ入力制御部202に出力する。バッファ入力制御部202は、バッファ終了指示が入力されると、センサデータ収集部200から入力されるセンサデータの出力先を、バッファ部204からパケット送信部216に戻す。
[0075]
 これにより、車載装置120は、シャドウィングが発生している期間、センサデータをバッファし、シャドウィングが解消すれば、バッファしていたセンサデータを並列して送信できる。このとき、バッファしていたセンサデータは、遅延時間の短いものから優先して送信されるので、後述するように、サーバ102は、受信したセンサデータを有効に利用することができる。
[0076]
 センサデータ収集部200の機能は図2のI/F部124により実現される。パケット送信部216及びパケット受信部218の機能は、通信部126により実現される。バッファ入力制御部202、バッファ部204、バッファ出力制御部212及びシャドウィング検知部214の機能は、制御部130及びメモリ128により実現される。なお、車載装置120の各機能は、専用ハードウェア(回路基板、半導体集積回路(ASIC等)等)を用いて実現されてもよい。例えば、図4の1点鎖線で囲まれたバッファ入力制御部202、バッファ部204、バッファ出力制御部212及びシャドウィング検知部214の機能を1又は複数の半導体集積回路で実現し、制御部130及びメモリ128とは別の構成として車載装置120に搭載してもよい。
[0077]
  [サーバの機能的構成]
 図6を参照して、サーバ102の機能について説明する。サーバ102は、パケットデータを受信するパケット受信部240と、パケット受信部240の出力データを所定の条件にしたがって分類し、データベース246に入力するフィルタ部244と、データベース246に記憶されたデータに対して所定の処理を実行する処理部254と、処理部254の処理結果を運転支援情報として送信するパケット送信部242とを含む。
[0078]
 データベース246は、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252を含む。データベース246は、メモリ142(図3参照)により実現される。リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252は、遅延時間に応じたセンサデータを記憶するための領域である。リアルタイムデータ領域248は、リアルタイムのセンサデータを記憶するための領域である。準リアルタイムデータ領域250は、準リアルタイムのセンサデータを記憶するための領域である。非リアルタイムデータ領域252は、非リアルタイムのセンサデータを記憶するための領域である。
[0079]
 パケット受信部240は、車両106の車載装置120等の車載装置からセンサデータを受信する。パケット受信部240は、車載装置以外に、街頭監視カメラ等の固定設置されたインフラセンサからもセンサデータを受信する。インフラセンサには、例えば、イメージセンサ(カメラ等)、レーザセンサ(LiDAR等)、ミリ波レーダ等が含まれる。パケット受信部240は、車載装置120から送信されたセンサデータを含むパケットデータを受信すると、センサデータと、それに付加された情報(以下、付加情報ともいう)があれば付加情報とを取出して、フィルタ部244に出力する。パケット受信部240の機能は、図3の通信部144により実現される。ここで付加情報は、上記したセンサデータ取得時刻、車両位置及び分類情報(センサデータの遅延時間の分類を表す情報)である。
[0080]
 フィルタ部244は、入力されるセンサデータ、センサデータ取得時刻及び車両位置を、分類情報に応じて、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252のいずれかに記憶する。分類情報は、車載装置120において、発生したシャドウィングが解消したときに送信されるセンサデータ(バッファされていたデータ)にのみ付加されており、通常時に送信されるセンサデータには付加されていない。また、インフラセンサから受信したセンサデータにも分類情報は付加されていない。フィルタ部244は、分類情報が付加されていないセンサデータを、リアルタイム性の高いデータとしてリアルタイムデータ領域248に出力する。
[0081]
 なお、時間経過にしたがって、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250、非リアルタイムデータ領域252に記憶されているデータのリアルタイム性は変化するので、適宜、相互間でのデータ移動、及びデータ削除が行なわれ、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252の各々に記憶されているセンサデータのリアルタイム性が維持される。例えば、時間経過に応じて、センサデータ取得時刻を参照し、リアルタイムデータ領域248に記憶されたデータのうち、リアルタイムデータに該当しなくなったデータは、準リアルタイムデータ領域250に移動される。同様に、準リアルタイムデータ領域250に記憶されたデータのうち、準リアルタイムデータに該当しなくなったデータは、非リアルタイムデータ領域252に移動される。非リアルタイムデータ領域252に記憶されたデータのうち、非リアルタイムに該当しなくなったデータは削除される。
[0082]
 処理部254は、所定のタイミングで、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252からセンサデータを読出し、読出したセンサデータの遅延時間に応じた処理を実行する。処理部254は、例えば、リアルタイムデータ領域248から読出したセンサデータに対して、動体検出処理を行ない、検出された動体の属性(種類(人、車両等)、位置、大きさ等)を特定し、運転支援情報を生成する、交通状況マップに反映する等の処理を行なう。処理部254は、リアルタイムデータ領域248及び準リアルタイムデータ領域250から読出したセンサデータを、検出対象の将来の行動を推定する処理に用いる。例えば、処理部254は、リアルタイムデータ領域248のセンサデータから検出された動体の詳細な属性(例えば、歩行者が検出された場合、それがどのような歩行者であるか(例えば、子供、老人、歩行中、歩行速度、歩行方向、停止中等))を予測する。準リアルタイムデータ領域250から読出したセンサデータは、行動推定処理における過去サンプルとして用いられ得る。処理部254は、非リアルタイムデータ領域252から読出したセンサデータを、例えば、統計分析等の統計処理の対象データ、推定モデルを構築するための学習データ等に用いる。処理部254の処理結果は、データベース246の解析結果領域256に記憶され、適宜パケット送信部242により読出され、運転支援情報として車載装置に送信される。
[0083]
 このように、サーバ102は、車載装置120等の車載装置及びインフラセンサから受信したセンサデータをリアルタイム性に応じて分類して記憶し、記憶されているセンサデータを、そのリアルタイム性に応じて利用できる。
[0084]
  [動作]
 図7及び図8を参照して、車載装置120及びサーバ102の動作を説明することにより、運転支援システム100の動作を説明する。図7に示した処理は、制御部130が、所定のプログラムをメモリ128から読出して実行することにより実現される。図8に示した処理は、制御部140が、所定のプログラムをメモリ142から読出して実行することにより実現される。
[0085]
  [車載装置の動作]
 図7を参照して、ステップ300において、制御部130は、センサ機器122からセンサデータを取得する。
[0086]
 ステップ302において、制御部130は、シャドウィングが発生しているか否かを判定する。シャドウィングの発生は、上記した送信失敗の頻度の増大、回線速度の低下の他、受信信号レベルの低下、サーバ102との通信切断等によっても判定できる。これは、図4のシャドウィング検知部214の機能に対応する。シャドウィングが発生していると判定された場合、制御はステップ304に移行する。そうでなければ、制御はステップ306に移行する。
[0087]
 ステップ304において、制御部130は、300で取得したセンサデータのバッファを開始する。これは、図4のバッファ入力制御部202及びバッファ部204の機能に対応する。例えば、センサデータは、その遅延時間に応じて、リアルタイムデータ、準リアルタイムデータ、非リアルタイムデータに区分されてバッファされる。その後、制御はステップ308に移行する。
[0088]
 一方、ステップ302でシャドウィングが発生していないと判定された場合、ステップ306において、ステップ300で取得したセンサデータをサーバ102に送信する。これは、図4のバッファ入力制御部202及びパケット送信部216の機能に対応する。
[0089]
 ステップ308において、制御部130は、シャドウィングが解消したか否かを判定する。解消したと判定された場合、制御はステップ312に移行する。そうでなければ制御はステップ310に移行する。
[0090]
 ステップ310において、制御部130は、センサデータを取得し、取得したセンサデータを、上記のようにバッファする。その後、制御はステップ308に戻る。これにより、シャドウィングが生じている間、センサデータはバッファされ、送信されない。
[0091]
 一方、シャドウィングが解消すると、ステップ312において、制御部130は、バッファ処理を中止し、バッファされたデータをサーバ102に送信する処理を開始する。これは、図4のバッファ出力制御部212及びパケット送信部216の機能に対応する。リアルタイムデータ、準リアルタイムデータ、非リアルタイムデータに区分されてバッファされていたデータは、並列アップロードされる。このとき、リアルタイム性が高いものを優先して送信する。その後、制御はステップ314に移行する。
[0092]
 ステップ314において、制御部130は、終了が指示されているか否かを判定する。終了の指示は、例えば車載装置120の電源がオフされることにより成される。終了が指示されていると判定されると、このプログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ300に戻る。
[0093]
 以上により、車載装置120は、シャドウィングが発生していなければ、センサデータを受信してサーバ102に送信する処理を繰返す。一旦シャドウィングが発生すれば、車載装置120は、シャドウィングが発生している期間、センサデータをバッファし、シャドウィングが解消すれば、バッファしていたセンサデータを並列アップロードできる。このとき、バッファしていたセンサデータは、遅延時間の短いものから優先して送信される。したがって、シャドウィング発生時に、データの再送信を繰返す無駄な処理を抑制できる。また、シャドウィングが解消すれば、リアルタイム性の高いセンサデータを優先的に送信するので、サーバ102は、受信したデータを有効に利用することができ、受信したデータが利用されずに破棄されることを抑制できる。
[0094]
 [サーバの動作]
 図8を参照して、ステップ400において、制御部140は、データを受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合、制御はステップ402に移行する。そうでなければ、制御はステップ412に移行する。
[0095]
 ステップ402において、制御部140は、ステップ400で受信したデータがセンサデータであるか否かを判定する。例えば、車載装置120からセンサデータをパケット化して送信するときに、パケットヘッダに、センサデータを含むことを示す情報を含めて送信すればよい。制御部140は、受信したパケットヘッダにその情報が含まれていれば、センサデータを受信したと判定できる。受信したと判定された場合、制御はステップ406に移行する。そうでなければ、制御はステップ404に移行する。
[0096]
 ステップ404において、制御部140は、受信したデータに応じて、該当する処理を実行する。その後、制御はステップ412に移行する。
[0097]
 ステップ406において、制御部140は、ステップ400で受信したデータに分類情報(センサデータのリアルタイム性を表す情報)が含まれているか否かを判定する。含まれていると判定された場合、制御はステップ408に移行する。そうでなければ、制御はステップ410に移行する。
[0098]
 ステップ408において、制御部140は、ステップ400で受信したセンサデータを、受信した分類情報に対応するメモリ142の該当領域に記憶する。これは、図6のフィルタ部244及びデータベース246の機能に対応する。センサデータは、その分類情報に応じて、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250又は非リアルタイムデータ領域252に記憶される。
[0099]
 ステップ410において、制御部140は、ステップ400で受信したセンサデータ(分類情報を含まない)を、メモリ142のリアルタイムデータを記憶する領域(図6のリアルタイムデータ領域248)に記憶する。その後、制御はステップ412に移行する。
[0100]
 ステップ412において、制御部140は、記憶しているセンサデータの解析処理を実行するか否かを判定する。解析処理を実行すると判定された場合、制御はステップ414に移行する。そうでなければ、制御はステップ416に移行する。例えば、制御部140は、新たなセンサデータを受信した場合、解析処理を実行すると判定する。また、解析処理が所定の時間間隔で実行されるように設定されていれば、制御部140は、前回解析処理を実行してからの経過時間により、解析処理を実行するか否かを判定する。
[0101]
 ステップ414において、制御部140は、メモリ142(図6のリアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250、非リアルタイムデータ領域252)に記憶されているセンサデータに対して、そのリアルタイム性に応じた解析処理を実行する。これは、図6の処理部254の機能に対応する。制御部140は、解析結果をメモリ142(図6の解析結果領域256)に記憶する。その後制御は、ステップ416に移行する。
[0102]
 ステップ416において、制御部140は、終了の指示が成されたか否かを判定する。終了の指示は、例えば、実行中のプログラムを停止させる指示により成される。終了の指示を受けると、このプログラムは終了する。終了の指示を受けていなければ、制御は、ステップ400に戻る。
[0103]
 以上により、サーバ102は、車載装置120等の車載装置及びインフラセンサから受信したセンサデータを、そのリアルタイム性に応じて分類して記憶し、記憶されているセンサデータを、そのリアルタイム性に応じて利用できる。特に、車載装置120においてシャドウィングが発生して所定の期間送信できず、シャドウィングが解消した後に送信されるセンサデータ(バッファデータ)を、破棄することなく、そのリアルタイム性に応じて分類して記憶し、そのリアルタイム性に応じて有効に利用できる。
[0104]
 上記では、シャドウィングが発生したときに、センサデータをバッファリングする場合を説明したが、これに限定されない。基地局のサービスエリア内において、シャドウィング以外の原因で、一時的に正常な通信ができない現象が発生したときに、センサデータをバッファリングし、正常に通信可能になれば、バッファデータを並列アップロードすればよい。
[0105]
  (第1変形例)
 上記では、シャドウィングが発生したときに車載装置がセンサデータをバッファするためのバッファ容量が固定である場合を説明したが、これに限定されない。バッファ容量は、適宜変更されてもよい。第1変形例では、車載装置は、サーバから送信されるパラメータにしたがって、バッファ容量を変更する。
[0106]
  [車載装置の機能的構成]
 第1変形例の車載装置のハードウェア構成は図2と同じである。図9を参照して、車両430は第1変形例に係る車載装置150を含む。車載装置150の機能的構成において、図4の車載装置120と異なる点は、図4のセンサデータ処理部190に代えて、センサデータ処理部190にバッファ容量決定部220が追加されたセンサデータ処理部440を含んでいることだけである。バッファ容量決定部220は、後述するように、サーバ102から送信されてパケット受信部218により受信されるパラメータを、パケット受信部218から入力され、パケット送信部216から入力される情報(回線速度)とパラメータとから各バッファの容量を決定する。車載装置150において、車載装置120(図4)の構成要素と同じ符号を付した構成要素は、車載装置120の構成要素と同じ機能を有しているので、重複説明を繰返さない。主として異なる点に関して説明する。
[0107]
 ここでは、車載装置150が動作を開始した時点では、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210の各々のバッファ容量は予め設定されているとする。車載装置150は、車載装置120と同様に、シャドウィングが発生すると、センサデータ収集部200から出力されるセンサデータの送信を中止し、バッファ部204へのバッファ処理を開始する(バッファ入力制御部202の出力先がパケット送信部216からバッファ部204に変更される)。その後、シャドウィングが解消すると、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210にバッファされていたデータを並列に読出し、パケット送信部216から送信する(並列アップロード)。このとき、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210のデータは、リアルタイム性に応じた優先度(第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210の順で優先度が低くなる)で、並列に読出され(バッファ出力制御部212の機能)、送信される。このとき、パケット送信部216から送信される各パケットデータには、送信時刻を表す情報が含まれている。
[0108]
 これにより、サーバ102は、シャドウィングが発生していた期間にバッファされていたデータ(センサデータ)を受信して、有効に活用する。並列アップロードが行われているとき、サーバ102は、後述するように、回線速度と、受信したデータの送信時刻から取得時刻までの時間差(以下、伝送遅延時間という)と、受信したデータ(センサデータ)の解析処理に要した時間(以下、処理遅延時間という)とを測定(算出)する。測定された回線速度は、量子化されて記憶される。伝送遅延時間、及び処理遅延時間の算出は、上記した分類情報(センサデータの遅延時間を表す情報)毎に行なわれる。即ち、サーバ102は、車載装置150による並列アップロード時に、並列アップロードの性能評価を行なう。サーバ102は、これらのパラメータを、適当なタイミングで車載装置150に送信する。パラメータは、例えば、{回線速度,分類情報,伝送遅延時間,処理遅延時間}の組として送信される。
[0109]
 サーバ102は、各サービスの許容遅延時間をも送信する。センサデータを使用するサービスは、そのセンサデータのリアルタイム性に応じて異なる。例えば、運転支援情報の生成には、リアルタイムデータを使用できるが、非リアルタイムデータを使用することはできない。許容遅延時間を超える遅延時間のセンサデータは、対応するサービスでは使用されない。許容遅延時間は、分類情報毎に設定される。なお、許容遅延時間は、サーバと車載装置との間で共有されていればよく、許容遅延時間が変化するものでなければ、予め仕様として規定されていてもよく、例えば、車載装置において初期設定されていてもよい。許容遅延時間が変化するとしてもその周期が比較的長い場合には、許容遅延時間は、パラメータの送信とは別に送信されてもよい。許容遅延時間が変化し、その周期が比較的短い場合には、パラメータの送信と同時に許容遅延時間を送信するようにしてもよい。
[0110]
 サーバ102から送信されるパラメータ及び許容遅延時間は、パケット受信部218により受信され、バッファ容量決定部220に出力される。バッファ容量決定部220は、入力されるパラメータを記憶する。また、パケット送信部216は、適宜、正常通信できている状態の回線速度を測定し、バッファ容量決定部220に出力する。バッファ容量決定部220は、パケット送信部216から入力される回線速度の平均値を算出して記憶する。
[0111]
 バッファ容量決定部220は、記憶した回線速度の平均値及びパラメータを用いて、第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210の各バッファ容量を、以下に示すようにして決定する。図10に、特定のリアルタイム性(リアルタイム、準リアルタイム、又は非リアルタイム)のセンサデータに関して、バッファ開始時刻(バッファ処理を開始した時刻)tsから、処理完了時刻(サーバ102によりバッファデータが受信され解析が完了する時刻)teまでの間における各処理に要する時間を示す。図10において、バッファ時間T1は、特定のリアルタイム性の全バッファデータBの記憶に要した時間を意味する。バッファ入力制御部202から単位時間当たりに出力されるセンサデータ量をSとし、センサデータに付加されるデータ(センサデータ取得時刻及び車両位置)は小さいので無視すると、B=T1×Sとなる。全バッファデータの送出所要時間T2は、特定のリアルタイム性の全バッファデータを読出してから、パケット化してパケット送信部216から送信するまでに要する時間を意味する。即ち、全バッファデータの送出所要時間T2は、車載装置150において、分類毎のバッファデータ(センサデータ、センサデータ取得時刻及び車両位置)を処理する速度(以下、スループットという)Th(例えばbps単位)を用いて、T2=B/Th=T1×S/Thで表される。伝送遅延時間T3は、特定のリアルタイム性の全バッファデータが、車載装置150から送信されてサーバ102により受信されるまでの時間を意味する。処理遅延時間T4は、サーバ102が特定のリアルタイム性のセンサデータを解析するのに要する時間を意味する。これらのうち、伝送遅延時間T3、処理遅延時間T4は上記したようにサーバ102により測定される。一方、バッファ時間T1及びスループットThは、車載装置150において測定される。これらの時間は、リアルタイム性(リアルタイム、準リアルタイム又は非リアルタイム)に応じて異なる。バッファ時間T1は、リアルタイムデータ(第1バッファ206のバッファデータ)、準リアルタイムデータ(第2バッファ208のバッファデータ)、非リアルタイムデータ(第3バッファ210のバッファデータ)の順で大きくなる。スループットTh、伝送遅延時間T3及び処理遅延時間T4に関しても同様である。
[0112]
 図10には、2種類の許容遅延時間TA1及びTA2を示す。例えば、許容遅延時間TA1は、準リアルタイムデータを利用するサービスに関するものであり、許容遅延時間TA2は、リアルタイムデータを利用するサービスに関するものである。許容遅延時間TA1の場合、車載装置150においてバッファされたデータは全てサーバ102により有効に利用され得る。しかし、許容遅延時間TA2の場合には、期間ΔTにバッファされたセンサデータは、有効に使用されない(対応するサービスでは使用されない)。即ち、ΔTの期間は無駄な時間である。ΔTは、バッファ容量に直接対応するものではなく、T1に含まれる無駄なバッファ時間ΔT1、T2に含まれるΔT1に記憶されるデータ(以下、無駄なバッファデータという)の送出処理時間、T3に含まれる無駄なバッファデータの伝送時間、T4に含まれる無駄なバッファデータの処理時間の合計である。したがって、許容遅延時間をTAとすると、T1+T2+T3+T4=T1(1+S/Th)+T3+T4≦TA、即ち、T1≦(TA-T3-T4)/(1+S/Th)となるように、バッファ時間T1の上限値((TA-T3-T4)/(1+S/Th))を設定してもよい。バッファ時間T1の上限値に対応するバッファ容量は、バッファ時間T1及び単位時間当たりのセンサデータ量Sの積((TA-T3-T4)×S/(1+S/Th))により算出できる。
[0113]
 バッファ容量決定部220は、記憶しているパラメータに含まれる回線速度(量子化データ)のうち、パケット送信部216から取得した回線速度から算出しておいた平均値に対応する回線速度(量子化データ)を特定し、特定された回線速度(量子化データ)に対応する{分類情報,伝送遅延時間,処理遅延時間}の組を特定する。そして、バッファ容量決定部220は、特定された組における分類情報(リアルタイム性に対応)を1つ特定し、それに対応する伝送遅延時間(T3)、処理遅延時間(T4)及び許容遅延時間(TA)を、(TA-T3-T4)×S/(1+S/Th)に代入して、バッファ容量の上限値を算出する。バッファ容量決定部220は、分類情報の数だけこれを繰返し、分類情報毎のバッファ容量の上限値を決定する。
[0114]
 バッファ容量決定部220は、決定した分類情報毎のバッファ容量の上限値を、バッファ入力制御部202に出力する。これを受けて、バッファ入力制御部202は、シャドウィングが発生していないときに、シャドウィングが発生したときのために、予め各分類情報に対応する第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210のバッファ容量をメモリ128上に確保する。
[0115]
 バッファ容量の算出に使用した、パケット送信部216からバッファ容量決定部220に出力される回線速度は変化する。一旦シャドウィングが発生した後、シャドウィングが解消したときの回線速度は、シャドウィングが発生する少し前の回線速度とほぼ同じであると推定できる。したがって、サーバ102から、繰返しパラメータが送信され、バッファ容量決定部220が、パラメータを受信する度に、パケット送信部216から取得し、算出しておいた回線速度の平均値(シャドウィング解消後の回線速度の推定値)を用いてバッファ容量の上限値を決定すれば、シャドウィングが発生したときのために、適切なバッファ容量を確保できる。確保されたバッファ容量は、リアルタイム性(分類情報)に応じた適切なバッファ容量であり、サーバ102に送信された場合に、利用されずに破棄されるデータまでバッファする無駄を抑制できる。
[0116]
 車載装置150のバッファ容量決定部220の機能は、制御部130(図2)が、所定のプログラムをメモリ128から読出して実行することにより実現され得る。例えば、制御部130は、図7に示したプログラムと並行して、バッファ容量決定部220の機能を実現するためのプログラムを実行すればよい。
[0117]
 上記では、一旦シャドウィングが発生した後、シャドウィングが解消したときの回線速度として、シャドウィングが発生する前の回線速度の平均値を使用したが、これに限定されない。シャドウィングが解消したときの回線速度の推定値であればよく、別の方法で推定された値を用いてもよい。例えば、過去の走行位置と対応する回線速度とを記憶しておき、現在の車両の走行位置から、シャドウィング解消時の回線速度を推定してもよい。
[0118]
  [サーバの機能的構成]
 第1変形例のサーバのハードウェア構成は図3と同じである。図11を参照して、第1変形例に係るサーバ152の機能的構成について説明する。サーバ152の構成において、図6のサーバ102と異なる点は、パラメータ生成部258が追加されていることだけである。パラメータ生成部258は、上記したように、車載装置150による並列アップロード時に、パラメータを算出する。サーバ152において、サーバ102(図6)の構成要素と同じ符号を付した構成要素は、サーバ102の構成要素と同じ機能を有しているので、重複説明を繰返さない。主として異なる点に関して説明する。
[0119]
 サーバ152は、サーバ102と同様に、車載装置150等の車載装置及びインフラセンサ等からセンサデータを受信し、受信したセンサデータのリアルタイム性に応じて、リアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250又は非リアルタイムデータ領域252に記憶する。その後、サーバ102は、適宜、サービスに応じてリアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252からセンサデータを読出し、解析し、解析結果を解析結果領域256に記憶する。
[0120]
 サーバ152においては、サーバ102と異なり、パケット受信部240は、車載装置150による並列アップロードで、バッファされたデータを含むパケットデータを受信すると、そのパケットデータをパラメータ生成部258に出力する。また、パケット受信部240は、このときの回線速度の情報をパラメータ生成部258に出力する。パラメータ生成部258は、入力される回線速度を量子化して記憶する。
[0121]
 パラメータ生成部258に入力されるパケットデータには、センサデータ、センサデータ取得時刻、車両位置、分類情報及び送信時刻が含まれている。したがって、パラメータ生成部258は、分類情報毎に伝送遅延時間を測定(算出)できる。パラメータ生成部258は、パケットデータが入力される度に伝送遅延時間を測定し、該当する分類情報に対応させて記憶する。伝送遅延時間は、例えば、分類情報毎に、各パケットの伝送遅延時間を求め、並列アップロードが終われば、それらの平均値として算出できる。並列アップロードで送信されたパケットデータに関して、これを繰返すと、回線速度(量子化値)毎に、{分類情報,伝送遅延時間}の組を生成することができる。
[0122]
 処理部254は、サーバ152においてはサーバ102と異なり、リアルタイム性毎(分類情報毎)の処理遅延時間(解析処理に要した時間)を算出し、処理遅延時間を分類情報と対応させて、パラメータ生成部258に出力する。パラメータ生成部258は、入力される処理遅延時間を、分類情報に対応させて、{回線速度,分類情報,伝送遅延時間,処理遅延時間}の組を生成し、パケット送信部242を介して、車載装置150に送信する。これにより、車載装置150はパラメータを受信する度に、上記したように、発生したシャドウィングが解消したときの回線速度の推定値を用いて、シャドウィングが発生時にセンサデータを記憶するバッファ容量を、予め適切に設定できる。
[0123]
 パラメータ生成部258の機能は、制御部140(図3)が、所定のプログラムをメモリ142から読出して実行することにより実現され得る。例えば、制御部140は、図8に示したプログラムと並行して、パラメータ生成部258の機能を実現するためのプログラムを実行すればよい。
[0124]
  (第2変形例)
 上記では、車載装置がシャドウィングの発生を検知したときに、センサデータのバッファ処理を開始する場合を説明したが、これに限定されない。第2変形例では、車載装置におけるセンサデータのバッファ処理の開始条件をサーバから指示し、指示にしたがって車載装置がバッファ処理を開始する。例えば、交通事故等の特定の事態が生じている道路地図上の範囲(以下、エリアという)、インフラセンサの検出範囲外のエリア等において取得されるセンサデータは、サーバによるサービス(運転支援情報の提供等)にとって重要である。したがって、サーバは、そのようなエリア内を走行している車両の車載装置に対して、シャドウィング発生時にセンサデータのバッファリングを行なわせる。
[0125]
 第2変形例において、車載装置のハードウェア構成は図2と同じであり、車載装置の機能は図4に示した機能を含む。但し、シャドウィング検知部214は、シャドウィングの検知に加えて、サーバにより指定されたエリア内に車両が位置するか否かをも判定する。サーバのハードウェア構成は図3と同じであり、サーバの機能は図6に示した機能を含む。したがって、適宜、図2~4及び6を参照し、主として上記と異なる機能に関して説明する。
[0126]
  [車載装置の動作]
 第2変形例に係る車載装置は、図7に代えて、図12のフローチャートに示す処理を実行する。図12のフローチャートは、図7のフローチャートにおいて、ステップ350~ステップ354が追加されたものである。図12において、図7と同じ番号を付したステップの処理は、図7と同じであるので、重複説明を繰返さない。主として異なる点に関して説明する。
[0127]
 ここでは、サーバ102は、各車両の車載装置に対して、道路地図上の所定範囲を特定するための情報(以下、エリア情報という)を送信し、車載装置120は、受信したエリア情報をメモリ128に記憶しているとする。ステップ350において、制御部130は、記憶しているエリア情報により特定される所定範囲(以下、指定エリアともいう)内に車両106が位置しているか否かを判定する。指定エリア内に位置していると判定された場合、制御はステップ302に移行する。そうでなければ、制御はステップ352に移行する。指定エリア内に位置しているか否かの判定は、GPSにより取得した車両106の位置情報を用いて行なうことができる。
[0128]
 指定エリア内に位置していると判定された場合、ステップ302~312が実行され、上記したように、シャドウィングが発生していれば、その間センサデータはバッファされ、シャドウィングが解消すると、バッファデータは並列アップロードされる。
[0129]
 一方、指定エリア内に位置しないと判定された場合、ステップ352において、制御部130は、ステップ302と同様に、シャドウィング発生の有無を判定する。シャドウィングが発生していないと判定された場合、制御はステップ306に移行し、センサデータの送信が行なわれる。シャドウィングが発生していると判定された場合、制御はステップ354に移行する。ステップ354において、制御部130は、センサデータを送信もバッファもせずに、破棄する。
[0130]
 これにより、車両102が指定エリア内を走行していれば、車両102に搭載されている車載装置120は、シャドウィングが発生している間、センサデータをバッファし、シャドウィングが解消すれば、バッファデータをサーバ102に送信する。車両102が指定エリア外を走行していれば、車両102に搭載されている車載装置120は、シャドウィングが発生すれば、センサデータを破棄し、センサデータの再送信も、センサデータのバッファも行なわない。したがって、サーバ102は、提供するサービスにとって重要なセンサデータを取得でき、車載装置120は、サーバ102にとってそれ程重要ではないセンサデータの再送信を抑制できる。
[0131]
 図12では、車両106が指定エリア内に位置するか否かを判定した後に、シャドウィング発生の有無を判定しているが、これに限定されない。例えば、シャドウィングの発生の有無を判定し、シャドウィングが発生している場合に、車両106が指定エリア内に位置するか否かを判定してもよい。また、バッファ処理の開始条件は、エリア情報で特定される指定エリア内に位置することに限定されず、それ以外の条件であってもよい。
[0132]
 (第2実施形態)
 [状態遷移]
 この開示の第2実施形態に係る車載装置の状態遷移を図14に示す。図14を参照して、この実施形態に係る車載装置の状態は、センサデータを収集し、サーバ102にアップロードする処理を繰返す通常状態450と、通常状態450において車載装置からサーバ102へのアップロードのスループット(回線速度)が所定のしきい値以下となったときに通常状態450から遷移する、センサデータを収集し、サーバ102にアップロードせずバッファリングするバッファリング状態452と、車載装置がバッファリング状態452にあるときに、サーバ102との回線速度がしきい値より大きな値に復帰したときに、バッファリング状態452においてバッファリングされたセンサデータをサーバ102に順次アップロードするバッファ送信状態454とを含む。バッファリング状態452においてバッファからのアップロードが完了すると、状態は通常状態450に戻る。バッファリング状態452においてスループットがしきい値以下になると、状態はバッファリング状態452に戻る。
[0133]
 以上の状態遷移は、第1実施形態の場合と同様である。この第2実施形態では、バッファリング状態452の状態が所定時間以上継続したとき(バッファリング期間が満了したとき)に、バッファリングしたデータを、低下した回線速度でもサーバ102に継続してアップロードできるような小さなサイズのサブセットに変換し、サーバ102にアップロードする処理を繰返すサブセット送信状態456をさらに含む。車載装置がサブセット送信状態456にあるときに回線速度がしきい値より大きな値に復帰したときには、車載装置の状態はバッファ送信状態454に遷移する。車載装置の状態とスループットの変化とに追随して、車載装置の状態が変化する。車載装置の4個の状態をあらかじめ適切に設定しておくことで、シャドウィング等が発生したときも適切にセンサデータを処理できる。送信のスループットに応じて、状態との組合せで適宜状態遷移させることで、センサデータを外部装置に送信する処理と、外部装置に送信せずバッファに蓄積する処理と、バッファに蓄積されたセンサデータを外部に送信する処理とを状態遷移により切替えて実行できる。
[0134]
 第1実施形態では回線速度が低下したときには、車載装置は、サーバ102へのセンサデータのアップロードを中断し、バッファリングする。車載装置は、回線速度が回復したときにバッファされたセンサデータをサーバ102に順次アップロードする。
[0135]
 しかし、バッファリング用のメモリ容量にも限界があるため、バッファリング時間が長期になると、センサデータをそれ以上バッファリングすることができなくなる。古いデータに上書きすればメモリ容量は確保できるが、サーバ102にセンサデータ等をアップロードしない期間があまり長期になるとサーバ102が提供するサービスの内容に影響が及ぶ可能性がある。そこでこの実施形態では、センサデータのバッファリングを開始してから所定時間が経過すると、バッファリングされたセンサデータを、よりサイズの小さなサブセットに変換し、サーバ102に順次アップロードする。ここでのバッファリング期間は、バッファ部のバッファ長及びセンサデータ長により見積もるようにすることも1方法である。なお、このときのサブデータセットのサイズは、固定でもよいが、利用できる回線速度によって変化させてもよい。
[0136]
 以下に述べる第2実施形態では、バッファリング状態452からバッファ送信状態454に車載装置の状態が遷移したときにも、センサデータのバッファリングは継続して行う。また第1実施形態とは異なり、バッファ送信状態454ではバッファリングされた3種類のセンサデータとともに、センサから収集されたセンサデータも同時にサーバ102にアップロードする。
[0137]
 そのために必要な構成及びプログラム等について以下に説明する。
[0138]
 [車載装置の構成]
 図15を参照して、この第2実施形態に係る、車両480に搭載される車載装置490は、図4に示す第1実施形態に係る車載装置150に変更を加えたものである。図15を参照して、車載装置490は、図4のセンサデータ処理部190に代えて、センサデータ処理部190と同様にバッファリング機能を備えながら、バッファリング期間終了後には、バッファリングされていたセンサデータを低い回線速度でもアップロードできるような小さなデータ(サブデータセット)に変換し、パケット送信部216を介してサーバ102にアップロードする処理を行うセンサデータ処理部492を含むものである。
[0139]
 センサデータ処理部492は、図4のセンサデータ処理部190において、回線速度及びバッファリング期間に基づいてセンサデータ処理部492の状態を図14にしたがって遷移させるための状態制御部510と、状態制御部510が使用する、センサデータ処理部492の状態を示すフラグ514と、状態制御部510がバッファリング期間を計測するためのタイマ512と、バッファ入力制御部202の出力に接続され、パケット送信部216に与えられるパケットを一時保持しておくための、FIFO(先入れ先出し)バッファである送信用バッファ518とを追加し、図4のバッファ部204に代えて、リングバッファからなるバッファ部500を含む。バッファ部500はバッファ部204とは異なる構成であるが、後述するようにその機能及び使用方法はバッファ部204と同じである。
[0140]
 センサデータ処理部492はさらに、図4のバッファ出力制御部212に代えて、状態制御部510及びシャドウィング検知部214に接続され、図14の状態遷移にしたがってサーバ102にアップロードするデータをバッファ部500から読出すためのバッファ出力制御部516と、状態制御部510から与えられる制御信号に応答し、図14に示すサブセット送信状態456において、バッファ出力制御部516がバッファ部500から読出すセンサデータを、よりデータ容量の小さなサブデータセットに変換するためのデータ変換部504と、いずれも状態制御部510からの制御信号により制御され、バッファリング状態452ではバッファ出力制御部516の出力を選択して送信用バッファ518に与え、サブセット送信状態456ではデータ変換部504の出力を選択して送信用バッファ518に与え、サブセット送信状態456ではバッファ出力制御部516の出力をデータ変換部504に与えてその変換後のデータを送信用バッファ518に与えるためのセレクタ506及び508とを含む。
[0141]
 図16にバッファ部500の概略図を示す。バッファ部500はリングバッファであって、バッファの先頭アドレスが最後尾のアドレスと関連付けられたメモリである。バッファ部500は、書込アドレスを指す書込ポインタ540と、読出アドレスを示す読出ポインタ542とを持つ。通常、バッファ部500が単なるバッファとして機能するときには、書込ポインタ540により示されるメモリロケーションにデータを書込、バッファ部500を次のアドレスに進める。読出ポインタ542は、バッファ部500に存在するデータの末尾を指している。バッファからデータを読出すときには、読出ポインタ542が指すメモリロケーションからデータを読出して、読出ポインタ542を次のアドレスに進める。
[0142]
 こうして、バッファ部500を読出ポインタ542が書込ポインタ540を追いかけるようにポインタを制御することで、バッファ部500をリング状バッファとして用いることができる。
[0143]
 この実施形態では、書込ポインタ540が進む方向を書込ポインタ540の前方、書込ポインタ540が進む方向と逆の方向を書込ポインタ540の後方と呼ぶことにする。すると、書込ポインタ540の後方に、書込ポインタ540に近い位置から順に領域550、552及び554を考えることができる。これらをそれぞれ図5に示す第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210として使用できる。
[0144]
 バッファ部500からのデータの読出しには、領域550、552及び554にそれぞれ読出ポインタ542、544及び546を用いる。これらポインタは、その領域にデータがフルに格納されている場合には各領域の末尾を指し、その領域の途中までデータが存在している場合にはそのデータを格納したメモリロケーションを指す。その領域にデータが存在しない場合にはポインタの値は例えばヌルに設定される。
[0145]
 [センサデータ処理部492のプログラム構成]
 図17は、コンピュータを、センサデータ処理部492の状態を制御するように機能させるためのプログラムの制御構造を示す。このプログラムは、一定の間隔で繰返し起動される。
[0146]
 図17を参照して、このプログラムは、サーバ102との間のスループットを測定するステップ560と、ステップ560で測定されたスループットがしきい値より大きいか否かにより制御の流れを分岐させるステップ562と、ステップ562の判定が否定のときに、フラグの値が1かどうかにしたがって制御の流れを分岐させるステップ564とを含む。
[0147]
 このプログラムはさらに、ステップ564の判定が否定のときにフラグの値が2又は0か、それ以外かを判定し、判定にしたがって制御の流れを分岐させるステップ570と、ステップ570の判定が肯定のときに、フラグを1に設定するステップ572と、ステップ572に続き、所定のバッファリング期間にタイマをセットしスタートしてこのプログラムの実行を終了させるステップ574と、ステップ564の判定が肯定のときに、ステップ574でスタートさせたタイマが満了したか否かを判定し、その結果にしたがって制御の流れを分岐させるステップ566と、ステップ566の判定が肯定のときに、フラグを3に設定しこのプログラムの実行を終了するステップ568とを含む。ステップ570の判定が否定のとき、及びステップ566の判定が否定のときにはこのプログラムの実行は終了される。
[0148]
 このプログラムはさらに、ステップ562の判定が肯定であることに応答してフラグの値が1又は3か否かを判定し、その結果にしたがって制御の流れを分岐させるステップ578と、ステップ578の判定が肯定のときに、フラグを2に設定してこのプログラムの実行を終了するステップ580と、ステップ578の判定が否定であることに応答して、フラグの値が2か否かにしたがって制御の流れを分岐させるステップ582と、ステップ582の判定が肯定であることに応答して、バッファ部500が空か否かにしたがって制御の流れを分岐させるステップ584と、ステップ584の判定が肯定であることに応答して、フラグを0に設定してこのプログラムの実行を終了させるステップ586とを含む。ステップ582の判定が否定のとき、及びステップ584の判定が否定のときにもこのプログラムの実行は終了する。
[0149]
 図18に、車載装置490がセンサデータを受信したときのセンサデータ処理部492の中のバッファ入力制御部202として機能するようコンピュータを動作させるプログラムの制御構造を示す。このプログラムは、センサデータが受信されるたびに起動される。図18を参照して、このプログラムは、フラグの値が0又は2か、それ以外かを判定し、その結果により制御の流れを分岐させるステップ620と、ステップ620の判定が肯定のときに、受信したセンサデータを図15の送信用バッファ518に格納してこのプログラムの実行を終了するステップ624と、ステップ620の判定が否定のときに、センサデータをバッファ部500に格納して処理を終了するステップ622とを含む。
[0150]
 図19は、バッファ部500及び送信用バッファ518に格納されたデータに基づき、センサデータ処理部492が図14に示したどの状態にあるかにしたがって適切なデータを読出してパケットを生成しパケット送信部216に与えるよう、コンピュータを動作させるデータ処理プログラムの制御構造を示す。このプログラムは、一定間隔で繰返し起動される。
[0151]
 図19を参照して、このプログラムは、フラグの値が0、1、2、及び3のいずれであるかにしたがって制御の流れを分岐させるステップ650と、フラグの値が0であるときに、受信したセンサデータを送信用バッファ518から読出してパケット化し、パケット送信部216を介してサーバ102にアップロードしてこのプログラムの実行を終了するステップ652と、フラグの値が2のときに、バッファ部500にバッファリングされたデータ(最高で3種類)をそれぞれ並行して読出し、パケット化してサーバ102にアップロードする処理を実行するステップ656と、フラグの値が3のときに、バッファ部500にバッファリングしたセンサデータ(最高で3種類)をそれぞれ並行して読出すステップ658と、ステップ658で読出したデータをそれぞれより小さなサブセットに変換し、パケット化してサーバ102にアップロードしてこのプログラムの実行を終了するステップ660とを含む。フラグの値が1のときにはこのプログラムでは何も処理されない。
[0152]
 [車載装置490の動作]
 車載装置490は以下のように動作する。
[0153]
 車載装置490の起動時にはフラグは0である(通常状態である)ものとする。
[0154]
 -通常状態-
 図15を参照して、通常状態では、センサデータ収集部200がセンサ機器122からセンサデータを収集し、バッファ入力制御部202に与える。バッファ入力制御部202は、センサデータを受けると、送信用バッファ518にそのセンサデータを与える。パケット送信部216は送信用バッファ518からセンサデータを読出し、パケット化してサーバ102にアップロードする。
[0155]
 シャドウィングが発生し、パケット送信部216とサーバ102との間のスループットが低下し、しきい値以下となると、状態は図14に示されたとおりバッファリング状態452に遷移する。すなわち、シャドウィング検知部214がパケット送信部216からのデータに基づいてシャドウィングの発生を検知すると、状態制御部510にその情報を与える。状態制御部510はこの信号に応答して、フラグ514の値を1に書き換え、タイマ512をスタートする。
[0156]
 以上をプログラムの流れで見ると、図18のプログラムが起動されると、ステップ620の判定が肯定となり、ステップ624の処理が実行される。図19に示すプログラムが起動されると、ステップ650の判定により制御はステップ652に移動する。ステップ652で、送信用バッファ518に格納されているセンサデータがパケット送信部216により読出され、サーバ102にアップロードされる。図17のプログラムが起動すると、ステップ560でスループットが測定された後、ステップ562の判定が否定となる。ステップ564の判定は否定なので、ステップ570の判定が行われる。ステップ570の判定は肯定となり、ステップ572でフラグが1に設定され、ステップ574でタイマがスタートされる。
[0157]
 -バッファリング状態-
 バッファリング状態452では、車載装置490は以下のように動作する。図15を参照して、バッファ入力制御部202は、センサデータ収集部200からセンサデータを受信するとバッファ部500の書込位置にセンサデータを格納し、書込ポインタ540を1進める。スループットが改善しないとこの状態が継続する。タイマ512が満了しないうちにスループットが改善すると、センサデータ処理部492の状態はバッファ送信状態454に遷移する。バッファリング状態452のままタイマ512が満了すると、バッファリング状態452の状態はサブセット送信状態456に遷移する。
[0158]
 以上をプログラムの制御の流れにしたがって見ると、図17のプログラムが起動された際、ステップ560で測定されたスループットがしきい値以下であれば、ステップ562、564、566が実行される。タイマが満了しない間はステップ568が実行されず、タイマが満了するとステップ568が実行される。この処理が繰返される。一方、図18に示すプログラムが実行されるたびに、制御はステップ620から622に移り、センサデータがバッファ部500に格納される。この処理が繰返される。また、図19に示すプログラムが実行されても、フラグが1なので何も処理されない。データは単にバッファ部500に蓄積されるだけである。
[0159]
 一方、タイマが満了しないうちにスループットがしきい値より大きくなると、図17のプログラムでステップ562の判定が肯定となり、ステップ578、ステップ580の処理が実行され、フラグが2に設定される。すなわち、センサデータ処理部492の状態はバッファ送信状態454に遷移する。
[0160]
 また、スループットが改善しないうちにタイマ512が満了すると、図17のプログラムの実行時に、ステップ560、562、564を経てステップ566の判定が肯定となる。その結果、ステップ568が実行され、フラグが3に設定される。すなわち、センサデータ処理部492の状態はサブセット送信状態456(図14)に遷移する。
[0161]
 -バッファ送信状態-
 バッファ送信状態454では、図15に示すバッファ出力制御部516がバッファ部500の領域550、552、及び554から(もしあれば)それぞれ最も後ろの(最も古い)センサデータを読出し、並行して送信用バッファ518に与える。一方、バッファ入力制御部202はバッファ部500へのセンサデータのバッファリングを停止し、送信用バッファ518にデータを送信する。パケット送信部216は、送信用バッファ518に格納されたセンサデータ(バッファ入力制御部202からのものとバッファ部500からのもの)の双方を順番に読出し、パケット化してサーバ102にアップロードする。バッファからのアップロードが完了すると、状態は通常状態450に戻る。
[0162]
 これをプログラムの流れから見ると以下のようになる。フラグが2に設定されると、図17のプログラムの実行時には、スループットがしきい値より大きい状態が続くと、ステップ560、562、578、582、584の順に処理が実行される。ステップ584において、バッファ部500が空でないと判定されると、このプログラムの実行は終了する。バッファ部500が空であると判定されるとフラグが0に設定される。すなわちこの場合にはセンサデータ処理部492は通常状態450に戻る。
[0163]
 もしもバッファ部500が空になる前にスループットが再度しきい値以下になり、その直後に図17のプログラムが実行されると、ステップ560、562、564、570、572、574がこの順で実行される。この結果、フラグは1に設定され(センサデータ処理部492の状態はバッファリング状態452に戻り)、タイマがスタートする。
[0164]
 -サブセット送信状態-
 サブセット送信状態456では、図15に示すセンサデータ処理部492は以下のように動作する。バッファ入力制御部202はバッファ部500にセンサデータを格納する。バッファ出力制御部516は、バッファリング状態452のときと同様、バッファ部500から最大で3種類のセンサデータを並行して読出し、セレクタ506に与える。セレクタ506は、サブセット送信状態456ではこのセンサデータをデータ変換部504に与える。データ変換部504はこのセンサデータを、よりサイズの小さいサブデータセットに変換し、それぞれセレクタ508に与える。セレクタ508はこのサブデータセットを送信用バッファ518に格納する。パケット送信部216がこのサブデータセットを送信用バッファ518から読出し、パケット化してサーバ102にアップロードする。
[0165]
 この状態では、センサデータよりも小さいサイズのサブデータセットをサーバ102にアップロードするので、スループットが低くても車載装置490からセンサデータをサーバ102にアップロードできる。もちろんアップロードできるデータサイズが限定されるため、サーバ102にとって有用なデータのみをサブデータセットとして選択する。
[0166]
 この状態でスループットがしきい値より大きくなると、センサデータ処理部492の状態はバッファ送信状態454に遷移し、バッファリングされたセンサデータがそのままアップロードされる状態になる。
[0167]
 サブセット送信状態456におけるセンサデータ処理部492の動作を、プログラムの面から述べると以下のようになる。フラグは3である。もしもスループットが改善されないと、図17に示すプログラムが実行されるたびに、ステップ560、562、564、570がこの順で実行される。フラグが3なのでステップ570の判定は否定となり、フラグの値は変化しない。途中でスループットが改善ししきい値より大きくなると、ステップ560、562、578、580の処理が実行され、フラグが2に設定され、センサデータ処理部492の状態はバッファ送信状態454に遷移する。
[0168]
 一方、フラグの値が3である間、図18のプログラムの実行のたびに、ステップ620、622が実行され、ステップ622でセンサデータがバッファ部500に格納される。同様に図19のプログラムも繰返し実行される。その実行のたびに、ステップ650、658、660の処理が実行され、バッファ部500から読出されたセンサデータがサブデータセットに変換されてサーバ102にアップロードされる。
[0169]
 フラグが2に変化すると、図18のプログラムではステップ620、624が実行され、新たなセンサデータは送信用バッファ518に格納されることになる。図19のプログラムでは、ステップ650、656が実行され、バッファ部500からセンサデータが読出されてサーバ102にアップロードされる。この結果、バッファリングされていたデータが無駄になることなくサーバ102で利用され、サーバ102がより充実したサービスを提供できる。
[0170]
 以上のようにこの実施形態に係る車載装置490では、バッファリング状態が所定時間以上継続すると、バッファリング状態452からサブセット送信状態456に状態が変化する。サブセット送信状態456では、新たなセンサデータがバッファ部500に追加される一方、それより前にバッファ部500に蓄積されていたデータが読出され、よりデータサイズの小さなサブデータセットに変換されてサーバ102にアップロードされる。車載装置490のセンサデータの一部を継続的にサーバ102にアップロードすることができるため、サーバ102では車載装置490を搭載した車両のデータをサービスに組入れることができる。その結果、サーバ102の提供するサービスを高品質にできる。
[0171]
 (変形例)
 上記した第2実施形態では、バッファリング状態452が所定時間以上継続したときに、車載装置の状態をバッファリング状態452からサブセット送信状態456に変化させた。そして、スループットが改善しない限り、このサブセット送信状態456を維持した。スループットが改善したときには、状態をサブセット送信状態456からバッファ送信状態454に遷移させた。しかしこの開示の実施形態は、そのような形態には限定されない。例えば図20に示すように、状態がサブセット送信状態456であるときにスループットがしきい値より大きくなったら、直ちに通常状態450に状態を遷移させる実施形態も考えられる。こうすることで、サーバ102に対してリアルタイムのデータが送信可能になり、サーバ102はより充実したサービスを提供できる。この場合、サブセット送信状態456から通常状態450への遷移とともに、バッファ部500に蓄積されていたセンサデータは全て破棄することになる。つまり、バッファ部500をクリアする。データが破棄されることによりサーバ102での処理に若干の影響が生じる可能性があるが、時間の経過とともにその影響は小さくなり、やがて消滅する。一方、バッファ部500を
クリアすることにより、シャドウィングが発生したときには、再度、バッファ部500を利用できる。
[0172]
 さらにまた、上記実施形態では、サブセット送信状態456を一つのみ採用している。しかしこの開示はそのような実施形態には限定されない。スループットに応じてサブセット送信状態456のような状態を複数段階設け、それらの間で状態を遷移させるようにしてもよい。既に述べたように、センサデータをより小さなサブデータセットに変換するとき、そのサブデータセットの大きさは、通信のスループットが大きくなれば大きく、小さくなれば小さくしてもよい。すなわち、変換後のデータサイズの、変換前のデータサイズに対する比は、スループットに対する単調増加関数である。スループットが小さくなれば、送信できるデータサイズは小さくなる。したがって、変換後のデータサイズを、スループットに対する単調増加関数で定めることにより、スループットの大きさにあわせたデータサイズで途切れなくセンサデータを外部装置に送信できる。
[0173]
 (コンピュータによる実現)
 図21を参照して、車載装置490は実質的にはコンピュータ750を含むプロセッサであって、CPU(Central Processing Unit)770、CPU770とコンピュータ750の各部との間のデータ及び命令の伝送経路となるバス772とを含む。コンピュータ750はさらに、いずれもバス772に接続されたROM(Read-Only Memory)774、RAM(Random Access Memory)776、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の補助記憶装置778、無線通信により外部との通信を提供する無線通信部780、入出力インターフェイス(I/F)782、ユーザとの音声によるインタラクションを提供するための音声処理I/F790、及びUSBメモリ762が着脱可能で、USBメモリ762とコンピュータ750内の他の各部との通信を可能にするUSBメモリポート784を含む。
[0174]
 車載装置490はさらに、バス772に接続された、タッチパネル752、表示制御装置を含む液晶等のモニタ754、入出力I/F782に接続された車両の制御のための各種ECU756及びLiDAR等の各種センサ758と、音声処理I/F790に接続されたスピーカ及びマイク760とを含む。ROM774にはコンピュータ750の起動プログラム等が記憶されている。RAM776はCPU770による処理の際に様々な変数を記憶するための作業領域として使用される。
[0175]
 図17から図19に示す制御構造を持つプログラムは、例えば図21のUSBメモリ762に記憶されて流通し、補助記憶装置778により転送されCPU770により実行される。このプログラムは、実行時にはUSBメモリ762からUSBメモリポート784及びバス772を介してRAM776にロードされる。又はこのプログラムは、補助記憶装置778からバス772を介してRAM776にロードされる。USBメモリ762からUSBメモリポート784を介して補助記憶装置778にプログラムを保存することもできる。
[0176]
 上記の実施形態及び変形例では、バッファ処理を開始するトリガとして、シャドウィングが発生したとき、又は、サーバから指示された条件を満たすようになったときを挙げたが、これに限定されない。車載装置は、常にセンサデータをバッファしてもよい。即ち、車載装置は、センサデータを取得すると、サーバに送信すると同時にバッファする。そして、車載装置は、発生していたシャドウィングが解消したとき、又は、サーバから指示された条件を満たさなくなったときに、センサデータの送信を停止し、バッファデータの送信を開始するようにしてもよい。
[0177]
 上記では、車載装置が、サービスで要求される許容遅延時間に応じて、メモリ上に複数のバッファ領域を確保する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、図13に示すように、連続するアドレスに1つのバッファ領域を確保してもよい。図13において、アドレスM0~M1のデータ領域、アドレスM2~M3のデータ領域、及びアドレスM4~M5のデータ領域はそれぞれ、図5の第1バッファ206、第2バッファ208及び第3バッファ210に対応する。即ち、バッファ処理において、アドレスM0にセンサデータが書込まれる。記憶されているデータを右側にシフトしてから、次のデータがアドレスM0に書込まれる。アドレスM5に記憶されているデータは、次のデータをアドレスM0に書込む前に、破棄される(アドレスM5の左側のデータがアドレスM5に上書きされる)。並列アップロード時には、例えば、アドレスM1、M3及びM5が読出し開始アドレスとなり、上記した優先度にしたがって、順次左側のアドレスのデータが読出される。
[0178]
 上記では、1つのセンサに関して、3種類のバッファを備える場合を説明したが、これに限定されない。車両が複数のセンサを備える場合には、車載装置は、センサ毎に3種類のバッファを備えることができる。その場合、センサ毎にバッファ部204(図4)を備えていても、1つのバッファ出力制御部212で、複数のセンサ間のリアルタイム性を考慮して、各バッファの優先度を設定し、並列アップロードしてもよい。
[0179]
 上記では、センサデータのリアルタイム性に応じて、3種類のバッファを備える場合を説明したが、これに限定されない。センサデータのリアルタイム性に応じて、2種類のバッファを備えていても、4種類以上のバッファを備えてもよい。
[0180]
 上記では、バッファデータを送信するとき、遅延時間を表す分類情報を付加して送信する場合を説明したが、これに限定されない。分類情報を付加すれば、サーバにおけるセンサデータの分類が容易になるが、センサデータにはセンサデータ取得情報が付加されるので、それを利用してリアルタイム性を判定する場合には、分類情報を付加しなくてもよい。例えば、車載装置及びサーバの時計を合わせておけば、サーバは、現在時刻と、受信したセンサデータのセンサデータ取得時刻とを比較して、受信したセンサデータのリアルタイム性を判定し、該当する領域(例えば、図6のリアルタイムデータ領域248、準リアルタイムデータ領域250及び非リアルタイムデータ領域252)に記憶できる。
[0181]
 上記の実施形態では、シャドウィングが解消したときに、バッファ入力制御部202がシャドウィング検知部214から送信開始指示を受信したことにより、バッファデータを送信している間、センサデータ収集部200から出力されるセンサデータの送信が中断される場合を説明したが、これに限定されない。バッファデータを送信している間に、センサデータ収集部200から出力されるセンサデータを送信してもよい。そのためには、シャドウィングが解消したときに、シャドウィング検知部214から送信開始指示をバッファ入力制御部202に出力しなければよい。センサデータ収集部200から出力されるセンサデータと、バッファされていたセンサデータとを共に送信するには、バッファ入力制御部202とバッファ出力制御部212との間で、パケット送信部216にデータを出力するタイミングを調整すればよい。
[0182]
 図4に関して説明したのと同様に、図9においても、1点鎖線で囲まれたバッファ入力制御部202、バッファ部204、バッファ出力制御部212、シャドウィング検知部214及びバッファ容量決定部220の機能を1又は複数の半導体集積回路で実現し、制御部130及びメモリ128(図2参照)とは別の構成として車載装置150に搭載してもよい。
[0183]
 上記の第1変形例では、リアルタイム性毎(種類情報毎)の伝送遅延時間をサーバが算出する場合を説明したが、これに限定されない。車載装置が、伝送遅延時間を算出してもよい。例えば、サーバが、種類情報を含むパケットデータを受信すれば、その受信時刻を車載装置に送信し、車載装置が、該当するパケットデータの送信時刻、及びパケットに含まれるデータサイズ(センサデータ等)を記憶するようにすれば、車載装置は、送信したパケットデータのサーバでの受信時刻を用いて、リアルタイム性毎(種類情報毎)の伝送遅延時間を算出できる。また、車載装置は、並列アップロード時の回線速度を量子化して記憶することができる。したがって、その場合には、車載装置は、サーバからリアルタイム性毎(種類情報毎)の処理遅延時間及び許容遅延時間を受信すれば、各バッファに関する適切なバッファ容量を決定できる。
[0184]
 上記では、インフラセンサから送信されるセンサデータには分類情報が付加されない場合、即ち、インフラセンサに関してはシャドウィングが発生しない場合を説明したが、これに限定されない。固定設置されているインフラセンサであっても、その周囲を走行する車両によってアンテナの送信電波が遮蔽され、シャドウィングが発生する可能性はある。したがって、車載装置と同様にインフラセンサにおいて、遅延時間に応じて複数種類のバッファを備え、シャドウィングが発生するとセンサデータをバッファし、シャドウィングが解消するとバッファデータに分類情報を付加し、遅延時間の短いデータを優先して並列アップロードするようにしてもよい。これにより、サーバ102は、インフラセンサから受信したセンサデータをより有効に利用することができる。
[0185]
 さらに、上記第2実施形態のサブセット送信状態456では、データ変換部504がセンサデータをよりサイズの小さいサブデータセットに変換してそれをサーバ102に送信している。しかしこの開示はそのような実施の形態には限定されない。例えば、センサ機器122からセンサデータ収集部200が取込むセンサデータのデータセットを、一部のみに限定してもよい。例えば、どのようなデータを選択するかはあらかじめ決められた優先順位にしたがって定めてもよいし、サーバ102と通信が可能なときにサーバ102からの指示にしたがって定めてもよい。こうすることで、サーバ102との回線速度が遅いときにも、サーバ102に最低限のセンサデータを送信し、サーバ102による運転支援に反映できる。
[0186]
 以上、実施の形態を説明することによりこの開示を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、この開示は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この開示の範囲は、開示の詳細な説明の記載を参酌した上で、請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。

符号の説明

[0187]
100  運転支援システム
102、152  サーバ
104  基地局
106、430、480  車両
108  ネットワーク
110 検知対象
120、150、490  車載装置
122  センサ機器
124  I/F部
126、144  通信部
128、142  メモリ
130、140  制御部
132、146  バス
190、440、492 センサデータ処理部
200  センサデータ収集部
202  バッファ入力制御部
204  バッファ部
206  第1バッファ
208  第2バッファ
210  第3バッファ
212  バッファ出力制御部
214  シャドウィング検知部
216、242  パケット送信部
218、240  パケット受信部
220  バッファ容量決定部
244  フィルタ部
246  データベース
248  リアルタイムデータ領域
250  準リアルタイムデータ領域
252  非リアルタイムデータ領域
254  処理部
256  解析結果領域
258  パラメータ生成部
450 通常状態
452 バッファリング状態
454 バッファ送信状態
456 サブセット送信状態
500 バッファ部
504 データ変換部
506、508 セレクタ
510 状態制御部
512 タイマ
514 フラグ
516 バッファ出力制御部
518 送信用バッファ
540 書込ポインタ
542、544、546 読出ポインタ
550、552、554 領域
300、302、304、306、308、310、312、314、350、352、354、400、402、404、406、408、410、412、414、416、560、562、564、566、568、570、572、574、578、580、582、584、586、620、622、624、650、652、656、658、660 ステップ
750 コンピュータ
752 タッチパネル
754 モニタ
756 各種ECU
758 各種センサ
760 スピーカ及びマイク
762 USBメモリ
770 CPU
772 バス
774 ROM
776 RAM
778 補助記憶装置
780 無線通信部
782 入出力I/F
784 USBメモリポート
790 音声処理I/F
T1  バッファ時間
T2  全バッファデータの送出所要時間
T3  伝送遅延時間
T4  処理遅延時間
TA1、TA2  許容遅延時間
ts  バッファ開始時刻
te  処理完了時刻
M0、M1、M2、M3、M4、M5  アドレス

請求の範囲

[請求項1]
 車両に搭載される車載装置であって、
 前記車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集部と、
 前記収集部により収集された前記センサデータを外部装置に送信する送信部と、
 前記収集部により収集された前記センサデータを記憶するバッファ部と、
 所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、
 前記送信部による前記センサデータの前記外部装置への送信を制御する制御部とを含み、
 前記制御部は、
  前記判定部により前記所定条件が満たされると判定されたことを受けて、前記送信部に、前記収集部により収集された前記センサデータの前記外部装置への送信を中止させ、
  前記所定条件が満たされると前記判定部が判定した後に、前記所定条件が満たされないと前記判定部による判定が変化したことを受けて、前記送信部に、前記バッファ部に記憶されている前記センサデータを、前記センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、前記外部装置に並列に送信させる、車載装置。
[請求項2]
 前記所定条件は、前記外部装置との通信ができない現象の発生、又は、前記外部装置から受信したエリア情報により特定される道路地図上の所定範囲内に前記車両が位置すること及び前記外部装置との通信ができない現象の発生であり、
 前記所定条件が前記現象の発生であれば、前記判定部は、
  前記現象が発生していれば、前記所定条件が満たされると判定し、
  前記現象が発生していなければ、前記所定条件が満たされないと判定し、
 前記所定条件が、前記所定範囲内に前記車両が位置すること及び前記外部装置との通信ができない現象の発生であれば、前記判定部は、
  前記車両が前記所定範囲内に位置し且つ前記現象が発生していれば、前記所定条件が満たされると判定し、
  前記車両が前記所定範囲外に位置する又は前記現象が発生していなければ、前記所定条件が満たされないと判定する、請求項1に記載の車載装置。
[請求項3]
 前記遅延時間は、前記遅延時間の大きさに応じて複数の分類のいずれかに分類され、
 前記送信部は、前記並列に送信する際に、前記バッファ部に記憶されている前記センサデータのうち、より小さい遅延時間を含む前記分類に対応するセンサデータをより優先して、前記外部装置に送信する、請求項1又は2に記載の車載装置。
[請求項4]
 前記バッファ部は、前記複数の分類に分類される遅延時間を持つセンサデータをそれぞれ記憶するための複数のバッファを含み、
 前記複数のバッファの容量は、より小さい遅延時間を含む前記分類に対応するバッファの容量がより小さくなるように定められている、請求項3に記載の車載装置。
[請求項5]
 前記外部装置から、前記外部装置が行なう複数の処理がそれぞれ処理対象とする前記センサデータの前記取得時刻と前記処理を実行する時刻との差の上限である複数の許容遅延時間を受信する受信部をさらに含み、
 前記バッファ部は、それぞれ前記複数の許容遅延時間に対応して設定された容量を持ち、それぞれ前記複数の処理が処理対象とする前記センサデータを記憶するための複数のバッファを含む、請求項1又は2に記載の車載装置。
[請求項6]
 前記受信部は、前記許容遅延時間毎に対応する前記センサデータが前記車載装置から送信されてから前記外部装置により受信されるまでの時間である伝送遅延時間と、前記許容遅延時間毎に対応する前記センサデータに対して前記処理を開始してから完了するまでにかかる時間である処理遅延時間とを前記外部装置からさらに受信し、
 前記送信部が前記並列に送信する際の通信回線の回線速度を予測する予測部と、
 前記複数のバッファの容量を、前記予測部により予測された前記回線速度、前記許容遅延時間、前記伝送遅延時間、前記処理遅延時間、及び、前記送信部が前記並列に送信する際の、前記許容遅延時間毎に対応するセンサデータを前記複数のバッファからそれぞれ読出してから送信するまでの処理速度であるスループットに応じて決定された値に変更する変更部とをさらに含む、請求項5に記載の車載装置。
[請求項7]
 前記バッファ部は、
  前記判定部により前記所定条件が満たされると判定されたことを受けて、前記収集部により収集された前記センサデータの記憶を開始し、
  前記所定条件が満たされると前記判定部が判定した後に、前記所定条件が満たされないと前記判定部による判定が変化したことを受けて、前記収集部により収集された前記センサデータの記憶を停止する、請求項1から6のいずれか1項に記載の車載装置。
[請求項8]
 請求項1から7のいずれか1項に記載の車載装置から前記並列に送信される前記センサデータを受信する受信部と、
 前記受信部により受信された前記センサデータを、前記遅延時間に応じて複数に分類し、複数の前記分類の各々に応じたデータ処理を実行する処理部とを含むサーバコンピュータ。
[請求項9]
 車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを外部装置に送信する車載装置に搭載される半導体集積回路であって、
 前記センサにより検出された前記センサデータを記憶するバッファ部と、
 所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、
 前記車載装置による前記センサデータの前記外部装置への送信を制御する制御部とを含み、
 前記制御部は、
  前記判定部により前記所定条件が満たされると判定されたことを受けて、前記車載装置に、前記センサにより検出された前記センサデータの前記外部装置への送信を中止させ、
  前記所定条件が満たされると前記判定部が判定した後に、前記所定条件が満たされないと前記判定部による判定が変化したことを受けて、前記車載装置に、前記バッファ部に記憶されている前記センサデータを、前記センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、前記外部装置に並列に送信させる、半導体集積回路。
[請求項10]
 車両に搭載される車載装置と、
 前記車載装置と通信するサーバコンピュータとを含むシステムであって、
 前記車載装置は、
  前記車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集部と、
  前記収集部により収集された前記センサデータを前記サーバコンピュータに送信する送信部と、
  前記収集部により収集された前記センサデータを記憶するバッファ部と、
  所定条件が満たされるか否かを判定する判定部と、
  前記送信部による前記センサデータの前記サーバコンピュータへの送信を制御する制御部とを含み、
  前記制御部は、
   前記判定部により前記所定条件が満たされると判定されたことを受けて、前記送信部に、前記収集部により収集された前記センサデータの前記サーバコンピュータへの送信を中止させ、
   前記所定条件が満たされると前記判定部が判定した後に、前記所定条件が満たされないと前記判定部による判定が変化したことを受けて、前記送信部に、前記バッファ部に記憶されている前記センサデータを、前記センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、前記サーバコンピュータに並列に送信させ、
 前記サーバコンピュータは、
  前記車載装置から前記並列に送信される前記センサデータを受信する受信部と、
  前記受信部により受信された前記センサデータを、前記遅延時間に応じて複数に分類し、複数の前記分類の各々に応じたデータ処理を実行する処理部とを含む、システム。
[請求項11]
 車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集ステップと、
 前記収集ステップにより収集された前記センサデータを外部装置に送信する送信ステップと、
 前記収集ステップにより収集された前記センサデータを記憶するバッファステップと、
 所定条件が満たされるか否かを判定する判定ステップと、
 前記送信ステップによる前記センサデータの前記外部装置への送信を制御する制御ステップとを含み、
 前記制御ステップは、
  前記判定ステップにより前記所定条件が満たされると判定されたことを受けて、前記送信ステップによる、前記収集ステップにより収集された前記センサデータの前記外部装置への送信を中止させるステップと、
  前記所定条件が満たされると前記判定ステップにおいて判定された後に、前記所定条件が満たされないと前記判定ステップにおける判定が変化したことを受けて、前記バッファステップにより記憶されている前記センサデータを、前記センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、前記外部装置に並列に送信するステップとを含む、制御方法。
[請求項12]
 車両に搭載されるコンピュータに、
 前記車両に装備されたセンサにより検出されたセンサデータを収集する収集機能と、
 前記収集機能により収集された前記センサデータを外部装置に送信する送信機能と、
 前記収集機能により収集された前記センサデータを記憶するバッファ機能と、
 所定条件が満たされるか否かを判定する判定機能と、
 前記送信機能による前記センサデータの前記外部装置への送信を制御する制御機能とを実現させるためのコンピュータプログラムであって、
 前記制御機能は、
  前記判定機能により前記所定条件が満たされると判定されたことを受けて、前記送信機能による、前記収集機能により収集された前記センサデータの前記外部装置への送信を中止させる機能と、
  前記所定条件が満たされると前記判定機能が判定した後に、前記所定条件が満たされないと前記判定機能による判定が変化したことを受けて、前記バッファ機能により記憶されている前記センサデータを、前記センサデータの取得時刻と現在時刻との差である遅延時間に応じた優先度で、より遅延時間が小さいセンサデータをより優先して、前記外部装置に並列に送信する機能とを含む、コンピュータプログラム。
[請求項13]
 車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部と、
 前記センサデータ収集部により収集された前記センサデータを格納可能なバッファと、
 前記センサデータ収集部により収集された前記センサデータ、又は前記バッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信する送信装置と、
 前記センサデータに関連する車載装置の状態を制御する状態制御部とを含み、
 前記状態制御部は、前記車載装置の状態と、前記送信装置による前記外部装置への前記センサデータの送信のスループットとにしたがって、前記車載装置の状態を有限個の状態の間で遷移させる、車載装置。
[請求項14]
 前記有限個の状態は、
 前記センサデータ収集部により収集されたセンサデータを前記送信装置によって前記外部装置に送信する第1の状態、
 前記センサデータ収集部により収集されたセンサデータを前記バッファに格納する第2の状態、及び、
 前記バッファに格納された前記センサデータを読出し、前記送信装置を介して前記外部装置に送信する第3の状態を含む、請求項13に記載の車載装置。
[請求項15]
 前記状態制御部は、
 前記車載装置が前記第1の状態にあるときに、前記スループットがしきい値より大きい値から前記しきい値以下の値に変化したことに応答して、前記第1の状態から前記第2の状態に前記車載装置の状態を遷移させる第1の状態遷移部と、
 前記車載装置が前記第2の状態にあるときに、前記スループットが前記しきい値より大きな値に変化したことに応答して、前記車載装置の状態を前記第2の状態から前記第3の状態に遷移させる第2の状態遷移部と、
 前記車載装置が前記第2の状態にあるときに、前記バッファ内にデータが存在しないことが検知されたことに応答して、前記車載装置の状態を前記第3の状態から前記第1の状態に遷移させる第3の状態遷移部と、
 前記車載装置が前記第3の状態にあるときに前記スループットが前記しきい値以下になったことに応答して、前記車載装置の状態を前記第3の状態から前記第2の状態に遷移させる第4の状態遷移部とを含む、請求項14に記載の車載装置。
[請求項16]
 前記有限個の状態はさらに、前記バッファに格納された前記センサデータを読出し、よりデータサイズの小さなサブデータに変換して前記送信装置を介して前記外部装置に送信する第4の状態を含み、
 前記状態制御部は、さらに、前記車載装置が前記第2の状態にある時間がしきい時間より長くなったことに応答して、前記車載装置の状態を前記第2の状態から前記第4の状態に変化させる第5の状態遷移部を含む、請求項15に記載の車載装置。
[請求項17]
 前記有限個の状態はさらに、前記センサデータ収集部により収集されるセンサデータを、より小さなサブデータに限定する第4の状態を含み、
 前記状態制御部は、さらに、前記車載装置が前記第2の状態にある時間がしきい時間より長くなったことに応答して、前記車載装置の状態を前記第2の状態から前記第4の状態に変化させる第5の状態遷移部を含む、請求項15に記載の車載装置。
[請求項18]
 前記状態制御部はさらに、前記車載装置が前記第4の状態にあるときに、前記スループットが前記しきい値より大きくなったことに応答して、前記車載装置の状態を前記第3の状態に遷移させる第6の状態遷移部を含む、請求項16又は請求項17に記載の車載装置。
[請求項19]
 前記状態制御部はさらに、前記車載装置が前記第4の状態にあるときに、前記スループットが前記しきい値より大きくなったことに応答して、前記車載装置の状態を前記第1の状態に遷移させる第7の状態遷移部を含む、請求項16又は請求項17に記載の車載装置。
[請求項20]
 前記第7の状態遷移部により前記車載装置の状態が前記第4の状態から前記第1の状態に遷移したことに応答して、前記バッファに記憶されている前記センサデータをクリアするデータクリア部をさらに含む、請求項19に記載の車載装置。
[請求項21]
 前記第4の状態において前記外部装置に送信されるデータサイズの、前記第4の状態以外におけるデータサイズに対する比は、前記スループットに対する単調増加関数である、請求項16から請求項20のいずれか1項に記載の車載装置。
[請求項22]
 車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部がセンサデータを収集するステップと、
 前記センサデータ収集部により収集された前記センサデータをバッファに格納するステップと、
 前記センサデータ収集部により収集された前記センサデータ、又は前記バッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信するステップと、
 前記センサデータに関連する車載装置の状態を制御する状態制御部が、前記車載装置の状態と、前記外部装置への前記センサデータの送信のスループットとにしたがって、前記車載装置の状態を有限個の状態の間で遷移させるステップとを含む、車載装置の制御方法。
[請求項23]
 コンピュータを、
 車両に装備されたセンサの出力するセンサデータを収集するセンサデータ収集部と、
 前記センサデータ収集部により収集された前記センサデータを格納可能なバッファと、
 前記センサデータ収集部により収集された前記センサデータ、又は前記バッファに格納されたセンサデータのいずれかを読出し、外部装置に送信する送信装置と、
 前記センサデータに関連する車載装置の状態を、前記車載装置の状態と、前記送信装置による前記外部装置への前記センサデータの送信のスループットとにしたがって、有限個の状態の間で遷移させる状態制御部として機能させる、コンピュータプログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]