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1. WO2020111064 - PUMP

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明 細 書

発明の名称 ポンプ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078  

産業上の利用可能性

0079  

符号の説明

0080  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B   6C   6D   6E   6F   6G   6H   7   8   9   10A   10B   11A   11B   12   13  

明 細 書

発明の名称 : ポンプ

技術分野

[0001]
 本発明は、ポンプに関し、特に圧電体を備えるポンプに関する。

背景技術

[0002]
 従来、圧電体を備えるポンプが気体や液体などの流体の吸引装置または加圧装置として用いられている。ポンプには、ポンプ室への吸気口又は排気口を閉じる弁体の機能を振動板の振動により少なくとも部分的に実現するポンプがある。
[0003]
 例えば、特許文献1には、弁体を備えないポンプが記載されている。ポンプは、圧電体が貼り付けられた振動板の振動により吸排気を実施している。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第5177331号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、振動板の振動により弁体の機能を少なくとも部分的に実現するポンプにおいて、充分なポンプ流量またはポンプ圧力を得ることができないので、ポンプの充分な仕事量を得ることができない問題がある。
[0006]
 したがって、本発明の目的は、圧電体を備えるポンプにおいて、仕事量を向上させたポンプを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、第1主面に圧電体を有する振動板と、前記第1主面と逆側の前記振動板の第2主面に対向し、第1開口部を有する天板及び、前記天板と前記振動板との間の空間を囲むように、前記天板の外周部に接続される側壁を備えるカバーと、前記側壁に接続され、前記振動板の外周を支持する支持部と、前記振動板の第2主面と前記天板の主面とが対向する向きに直交する方向に断面視して、前記側壁と前記振動板との間に形成された第2開口部と、前記振動板の外周縁における変位量よりも小さい変位量の前記振動板の位置と対向して、前記天板の第1開口部が位置する、ポンプである。

発明の効果

[0008]
 本発明に係るポンプによれば、圧電体を備えるポンプにおいて、ポンプの仕事量を向上させたポンプを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施形態1におけるポンプの模式的断面図
[図2] 振動板の振動特性を示す説明図
[図3] ポンプの分解斜視図
[図4] 実施形態1における天板の底面図
[図5] 振動ユニットの平面図
[図6A] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6B] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6C] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6D] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6E] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6F] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6G] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図6H] ポンプが動作中の振動板の変位を示す説明図
[図7] 比較例1のポンプの模式的断面図
[図8] 比較例2のポンプの模式的断面図
[図9] 実施形態2におけるポンプの模式的断面図
[図10A] 実施形態3におけるポンプの模式的断面図
[図10B] 実施形態3におけるポンプの模式的断面図
[図11A] 実施形態4におけるポンプの模式的断面図
[図11B] 実施形態4におけるポンプの模式的断面図
[図12] 変形例における振動ユニットの平面図
[図13] 変形例における振動ユニットの平面図

発明を実施するための形態

[0010]
 本発明の一態様のポンプは、第1主面に圧電体を有する振動板と、前記第1主面と逆側の前記振動板の第2主面に対向し、第1開口部を有する天板及び、前記天板と前記振動板との間の空間を囲むように、前記天板の外周部に接続される側壁を備えるカバーと、前記側壁に接続され、前記振動板の外周を支持する支持部と、前記振動板の第2主面と前記天板の主面とが対向する向きに直交する方向に断面視して、前記側壁と前記振動板との間に形成された第2開口部と、前記振動板の外周縁における変位量よりも小さい変位量の前記振動板の位置と対向して、前記天板の第1開口部が位置する。
[0011]
 このような構成によれば、振動板の外周縁は変位が大きいので振動板の外周縁を流れる流体の速さが速い。これに対して、振動板の外周縁の変位量よりも小さい変位量の振動板の位置では、外周縁に比べて流れる流体の速さが遅い。したがって、振動板の外周縁と、外周縁よりも変位量の小さい位置とでは、静圧差があり、外周縁の方が静圧が低い。天板の開口部は、振動板の外周縁よりも変位量の小さい位置と対向しているので、天板の開口部よりも振動板の外周縁の方が静圧が低く、天板の開口部から振動板の外周縁に向けて外向きの流量が生じる。これにより、ポンプの仕事量を向上させることができる。
[0012]
 また、前記振動板は、中央部と外周縁において逆位相で振動し、前記天板の前記第1開口部は、前記振動板の外周縁よりも前記振動板の振動の節となる位置に近くてもよい。このような構成によれば、振動板は中央部と外周縁において逆位相で振動するので、中央部と外周縁との間に振動しない節となる部分が存在する。この節となる部分は、振動板の変位量がほぼゼロとなるので、流体の速さが最も遅くなる。したがって、天板の開口部が振動板の外周縁よりも振動の節となる位置に近いので、天板の開口部と振動板の外周縁との間に大きな静圧差を発生させることができ、天板の開口部から振動板の外周縁に向けて外向きの流量を増やすことができる。
[0013]
 また、前記天板の前記第1開口部は、前記振動板の振動の節となる位置よりも内側に位置してもよい。このような構成によれば、天板の開口部と振動板の外周縁との距離が長いため、高い圧力特性が得られる。
[0014]
 また、前記振動板は円形であって、前記振動板の中央部と外周縁において逆位相で振動し、前記振動板の外周縁における変位量よりも小さい変位量の前記振動板の位置は、前記振動板の中心CLから前記振動板の半径の45%以上81%以下の位置であってもよい。このような構成によれば、天板の開口部が、第1種ベッセル関数において節の近傍に位置するので、大きな静圧差を発生させることができる。
[0015]
 また、前記支持部は、前記振動板の外周縁に沿った梁形状を有してもよい。このような構成によれば、支持部の可撓性を振動板よりも好適に高くすることができる。
[0016]
 また、前記支持部は、前記振動板よりも可撓性が高くてもよい。このような構成によれば、振動板の外周縁の変位量が増大するので、逆流抑制効果を高めることができ、ポンプ流量及びポンプ圧力を高くすることができる。
[0017]
 また、前記支持部は、前記振動板の外周全体と接続してもよい。このような構成によれば、振動板と支持部との接続強度を向上させることができるので、支持部の耐久性を向上することができる。
[0018]
 また、前記支持部は、前記振動板よりも薄くてもよい。このような構成によれば、例えば、支持部と振動板とが同一の材質であっても、支持部の可撓性を振動板よりも好適に高くすることができる。
[0019]
 また、前記振動板は、金属製であり、前記支持部は、樹脂製であってもよい。このような構成によれば、支持部の可撓性を振動板よりも好適に高くすることができる。
[0020]
 また、一方が前記振動板の外周縁に接続し、他方が開放端である弁体を備えてもよい。このような構成によれば、弁体の他方が開放端であるので、支持部の開口から流体の逆流が発生した場合、弁体の開放端が天板に向けて起立することにより、天板の開口部から支持部の開口への流路を狭くすることができる。したがって、流体の逆流に対して流路抵抗を増すことができるので、流体の逆流を弁体により低減することができる。また、天板の開口部から支持部の開口へ流体が流れる場合は、弁体の他方は天板から離れているので、流体の流れを妨げることがない。
[0021]
 また、前記天板の前記第1開口部の外側に凹部を有してもよい。このような構成によれば、開口部の内側の気流を乱すことなく、外部から天板の開口部に流れる流体の空気抵抗を低減することができる。
[0022]
 また、前記天板の中央部の前記振動板側に窪み部を有してもよい。このような構成によれば、振動変位が最大となる振動板の中央部において振動板と天板との間隔が他の箇所よりも長いので空気抵抗を低減し、振動変位を増大することができる。この結果、ポンプ流量及びポンプ圧力を増大することができる。
[0023]
 また、前記振動板と前記圧電体とに挟まれた補助板を備えてもよい。このような構成によれば、振動板の振動をより増幅することができる。この結果、静圧差を大きくすることができ、ポンプ流量及びポンプ圧力を増大することができる。
[0024]
 以下、本発明に係るポンプについて、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、実質的に同じ機能、構成を有する部材については同一の符号を付して、明細書においてはその説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
[0025]
 なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものであり、本発明がこの構成に限定されるものではない。また、以下の実施の形態において具体的に示される数値、形状、構成、ステップ、ステップの順序などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各変形例における構成も同様であり、各変形例に記載した構成をそれぞれ組み合わせてもよい。
[0026]
 (実施形態1)
 最初に、図1を参照して実施形態1におけるポンプ1の構造について概略的に説明する。図1は、実施形態1におけるポンプ1の模式的断面図である。なお、以下の説明では、ポンプ1により流れる流体として空気を例に説明するが、これに限らず、流体は、空気以外の気体でもよいし、液体でもよい。
[0027]
 ポンプ1は、圧電体3と、振動板7と、振動板7を振動可能に支持する支持部9と、振動板7との間の空間を囲むカバー10を備える。カバー10は、支持部9の外端が接続される側壁11と、側壁11の上端と接続される天板31と、を備える。
[0028]
 圧電体3は、圧電材料からなる薄板の両主面に電極を設けて構成されている。圧電体3は、上下主面それぞれの略全面に図示しない電極膜が設けられている。圧電体3は、円板状であり、振動板7の中央部の下面に貼り付けられている。
[0029]
 振動板7は、例えば、SUS301のような金属製である。振動板7はその第1主面7aに圧電体3が接続されている。圧電体3の上下主面それぞれの電極膜間に、外部電源からの例えば20kHz程度の矩形波や正弦波状の駆動電圧が印加されることにより、振動板7及び圧電体3には、主面法線方向を振幅方向とする屈曲振動が主面中心から外周にかけて回転対称形(同心円状)に生じる。
[0030]
 天板31は、振動板7と対向する第1主面31aと、第1主面31aと反対側の第2主面31bと、第2主面31b側に形成された環状の凹部31cと、凹部31cの底面からポンプ室15へ貫通する、環状に並べられた複数の第1開口部31dとを有する。また、天板31は、第1主面31a側の中央部に第2主面31b方向に窪んだ円筒状の窪み部31eを有する。天板31は対称点31fを有する点対称形状であり、対称点31fには第1開口部31dが位置していない。対称点31fは、天板31における振動板7の中心CLに対向する位置であり、例えば、天板31の中心である。なお、図1は、天板31の第1主面31aと振動板7の第2主面31bとが対向する向きに直交する方向から断面視した図である。
[0031]
 側壁11は、天板31の振動板7側のポンプ室15を囲むように天板31の外周部に接続される。側壁11は、例えば、円筒形状を有する。したがって、カバー10は、第1主面31aと逆側の振動板7の面に対向し、第1開口部31dを有するとともに、支持部9を介して振動板7の外周部に接続される。なお、天板31と側壁11とは、それぞれ別部材としてカバー10を構成してもよいし、一体物としてカバー10を構成してもよい。
[0032]
 振動板7と側壁11との間には、ポンプ室15と圧電体3側の外部空間とを連通する第2開口部17を有する。これにより、天板31の第1開口部31dからポンプ室15へ吸引された空気は、第2開口部17から排出される。
[0033]
 次に、図1及び図2を参照して、振動板7の半径Rdと、ポンプ1及び振動板7の中心CLから天板31の第1開口部31dまでの距離Rsと、振動板7の中心CLから振動板7の振動時の節Ndまでの距離Rvとの関係を説明する。図2は、振動板7の振動特性を説明する説明図である。図2において、振動板7の下方への変位をプラスとし、上方への変位をマイナスとする。
[0034]
 天板31の第1開口部31dは、振動板7の外周縁における変位量Dpよりも小さい変位量の振動板7の位置と対向して位置する。平面視で、振動板7の外周縁における変位量Dpよりも小さい変位量の振動板7の範囲Rp1内に天板31の第1開口部31dが形成されている。より、具体的には、ポンプ室15の中心(振動板7の中心CL)から半径Rdの63%±18%の距離Rv内に形成されている。ポンプ室15内の圧力分布は、第1種ベッセル関数に従うと推測されるので、ポンプ室15の中心から距離Rvの範囲は、ポンプ室15の圧力分布の節に近い。なお、振動板7の振動の節Ndの位置とポンプ室15の圧力変化の節の位置とは一致すると推測される。したがって、第1開口部31dから流体漏れが生じず、高いポンプ流量及びポンプ圧力を得ることができる。
[0035]
 また、天板31の第1開口部31dは、振動板7の振動の節Ndとなる位置よりも第1、第2主面7a、7bに沿う方向において外側の範囲Rp2に位置してもよい。天板31の第1開口部31dは、振動板7の振動の節Ndから振動の腹となる振動板7の外周縁の間に形成される。言い換えると、振動板7の変位の符号と振動板7の変位を微分した値の符号とが一致する範囲内に天板31の第1開口部31dが位置する。
[0036]
 また、天板31の第1開口部31dは、振動板7の外周縁における変位量Dpよりも小さい変位量の振動板7の位置であって、振動板7の振動の節Ndとなる位置よりも、第1、第2主面7a、7bに沿う方向において内側の範囲Rp3に位置してもよい。この場合、天板31の第1開口部31dと振動板7の外周縁の距離が長いので、高い圧力特性を得ることができる。
[0037]
 次に、実施形態1におけるポンプ1の具体構成例について、図3~図5を参照して、さらに詳細に説明する。図3は、ポンプ1の分解斜視図である。図4は、振動板7側から見た天板31および側壁11の平面図である。図5は、振動ユニット23の平面図である。
[0038]
 ポンプ1は、複数の板状部材である、圧電体3、補助板5、振動ユニット23、側壁板21、及び、天板31を、順に積層して構成されている。ポンプ1の全体の厚みは、例えば、1mm程度の低背な構成である。
[0039]
 補助板5は、圧電体3と振動板7との間に配置されている。補助板5の上面は振動板7の中央部の下面に貼り付けられている。なお、ポンプ1は、補助板5を備えない構成でもよい。
[0040]
 側壁板21は、ポンプ室15を形成する円状の開口21aと開口21aの周囲を囲む側壁部11aを有する。
[0041]
 振動ユニット23は、振動板7、支持部9、側壁部11b、及び、第2開口部17を有する。振動板7は、例えば、平面視で円形状であり、振動ユニット23の中央に配置されている。なお、振動板7の形状は円形状に限られず、矩形でもよい。側壁部11bは、平面視で枠状であり、振動板7の周囲に配置されている。支持部9は、振動板7の外周縁に沿って延びる梁形状の梁部25を有し、振動板7と側壁部11bとを連結する。振動板7は、その中心CLが天板31の窪み部31eと対向するように配置されている。側壁板21の側壁部11aと振動ユニット23の側壁部11bとで側壁11を構成する。
[0042]
 支持部9は、振動ユニット23に3つ以上の複数個設けられ、それぞれの支持部9が間隔を空けて設けられている。支持部9は、梁形状の梁部25と、振動板7の半径方向に延び、梁部25と振動板7とを接続する第1連結部27と、振動板7の半径方向に延び、梁部25と側壁部11bとを接続する第2連結部29とを備える。第1連結部27は、90°間隔で配置されている。このように、支持部9は長い矩形の梁部25を有するので、振動板7より可撓性が高い形状に形成されており、振動板7の外周縁は振動可能である。なお、支持部9が振動板7よりも可撓性を高くするために、支持部9の厚みが振動板7の厚みよりも薄くしてもよいし、支持部9が振動板7よりも曲がりやすい材質でもよい。
[0043]
 第2開口部17は、振動板7と側壁部11bとの間に形成された第1貫通孔17aと、梁部25と側壁部11bとの間に形成された第2貫通孔17bとを有する。第1貫通孔17aは、振動板7の外周縁に沿って形成されている。第2貫通孔17bは、梁部25に沿って形成されている。振動ユニット23において、第1貫通孔17a及び第2貫通孔17bは、共に積層方向に貫通している。
[0044]
 振動板7は、例えば、直径13mmで厚さが0.5mmである。圧電体3は、例えば、直径11mmで厚さが0.05mmである。天板31は、例えば、直径17mmで厚さが0.25mmである。中央部における振動板7と天板31との間隔は、例えば、0.15mmである。
[0045]
 次に、ポンプ1の駆動について、図6A~図6Hを参照して説明する。図6A~図6Hはポンプ1が動作中の振動板の変位を示す説明図である。ポンプ1では、外部接続端子(図示省略)に交流の駆動電圧が印加されると、圧電体3が面内方向に等方的に伸縮しようとして、圧電体3と振動板7との積層体に厚み方向の屈曲振動が同心円状に生じる。この屈曲振動では、側壁部11bが固定部となり、振動板7の中心CLが第1の振動の腹となり、振動板7の外周縁が第2の振動の腹となる。振動板7の中心CLと振動板7の外周縁とは逆方向の振動となる。
[0046]
 図6Aは、振動板7の外周縁が天板31に最も接近している状態である。次に、図6Bに示すように、振動板7の外周縁が天板31から少し離れると、第2開口部17から振動板7の外周縁へと空気が流入する。その流入空気の風速分、振動板7の外周縁における静圧が下がり、第1開口部31dからポンプ室15へ空気が流入する。図6Cは振動板7の外周縁が天板31から離れて振動板7と天板31とが略平行になった状態であり、図6Dは振動板7の外周縁がさらに天板31から離れた状態である。図6C、図6Dのポンプ室15の状態も図6Bの状態と同様である。したがって、図6C、図6Dの状態においても、第2開口部17から振動板7の外周縁へと空気が流入する。
[0047]
 次に、図6Eのように、振動板7の外周縁が天板31に最も離れた状態に至った後、図6Fのように、振動板7の外周縁が天板31へ少し接近すると、振動板7の外周縁から第2開口部17へと空気が排出される。その排出空気の風速分、振動板7の外周縁における静圧が下がり、第1開口部31dからポンプ室15へ空気が流入する。図6Gは振動板7の外周縁が天板31へ接近して振動板7が天板31と略平行になった状態であり、図6Hは、振動板7の外周縁が天板31へさらに接近した状態であるが、図6G、図6Hのポンプ室15の状態も同様である。したがって、図6G、図6Hの状態においても、振動板7の外周縁から第2開口部17へと空気が排出される。
[0048]
 以上のように、図6Aから図6Hに至り、さらに図6Aに戻るサイクルを繰り返す過程で、第1開口部31dからは空気が流入する。第2開口部17からは、図6Bから図6Dの過程では空気が流入し、図6Fから図6Hの過程では空気が排出されるが、第1開口部31dから空気が流入するため、図6Fから図6Hの過程での空気の排出量の方が、図6Bから図6Dの過程での空気の流入量より多い。したがって、図6Aから図6Hに至り、さらに図6Aに戻るサイクルの繰り返しにより、第1開口部31dから空気が流入し、第2開口部17から空気が排出される。
[0049]
 次に、図7、図8を参照して、上述した実施形態によるポンプの効果を説明する。図7、図8は、比較例1、2におけるポンプの模式断面図を示す。図7に示すポンプ1Aは、天板31の中央部に第1開口部31dが設けられている。ポンプ1Aにおいて、その他の構成はポンプ1と同様である。また、図8に示すポンプ1Bは、実施形態1のポンプ1Aにおいて、天板31の中央部にも第1開口部31dが設けられている。ポンプ1Bにおいて、その他の構成はポンプ1と同様である。
[0050]
 実施形態1において、振動板7の振動の節Ndの位置に対向して天板31の第1開口部31dが設けられ、補助板5を備えるポンプ1のポンプ性能は、駆動電圧が20Vppにおいて、ポンプ流量が1.19L/min、ポンプ圧力が0.4kPaである。
[0051]
 また、図7に示す、比較例1のポンプ1Aのポンプ性能は、駆動電圧が20Vppにおいて、ポンプ流量が0.03L/min、ポンプ圧力が0kPaである。
[0052]
 また、図8に示す、比較例2のポンプ1Bのポンプ性能は、駆動電圧が20Vppにおいて、ポンプ流量が0.03L/min、ポンプ圧力が0kPaである。したがって、ポンプ1A及び1Bのそれぞれのポンプ性能は同じである。
[0053]
 このように、実施形態1のポンプ1の出力は、比較例1、2のそれぞれのポンプ1A、1Bよりもポンプ流量及びポンプ圧力共に高い性能を有し、仕事量が向上している。
[0054]
 実施形態1のポンプ1によれば、第1主面7aに圧電体3を有する振動板7と、第1主面7aと逆側の振動板7の面に対向し、第1開口部31dを有する天板31及び天板31と振動板7との間の空間を囲むように天板31の外周部に接続される側壁11を備えるカバー10と、側壁11に接続され、振動板7の外周を支持する支持部9と、側壁11と振動板7との間に形成された第2開口部17と、振動板7の外周縁における変位量よりも小さい変位量の振動板7の位置と対向して、天板31の第1開口部31dが位置する。この構成によれば、振動板7の外周縁は変位が大きいので振動板7の外周縁を流れる流体の速さが速い。これに対して、振動板7の外周縁の変位量よりも小さい変位量の振動板7の位置では、外周縁に比べて流れる流体の速さが遅い。したがって、振動板7の外周縁と、外周縁よりも変位量の小さい位置とでは、静圧差があり、外周縁の方が静圧が低い。天板31の第1開口部31dは、振動板7の外周縁よりも変位量の小さい位置と対向しているので、天板31の第1開口部31dより振動板7の外周縁の方が静圧が低く、天板31の第1開口部31dから振動板7の外周縁に向けて外向きの流量が生じる。これにより、ポンプの仕事量を向上させることができる。
[0055]
 また、振動板7は、中央部と外周縁において逆位相で振動し、天板31の第1開口部31dは、振動板7の外周縁よりも振動板7の振動の節Ndとなる位置に近い。このような構成によれば、振動板7は中央部と外周縁において逆位相で振動するので、中央部と外周縁との間に振動しない節Ndとなる部分が存在する。この節Ndとなる部分は、振動板7の変位量がほぼゼロとなるので、流体の速さが最も遅くなる。したがって、天板31の第1開口部31dが振動板7の外周縁よりも振動の節Ndとなる位置に近いので、天板31の第1開口部31dと振動板7の外周縁との間に大きな静圧差を発生させることができ、天板31の第1開口部31dから振動板7の外周縁に向けて外向きの流量を増やすことができる。
[0056]
 また、天板31の第1開口部31dは、振動板7の振動の節Ndとなる位置よりも内側に位置してもよい。このような構成によれば、天板31の第1開口部31dと振動板7の外周縁との距離が長いため、高い圧力特性を得ることができる。
[0057]
 また、振動板7は円形であって、振動板7の中央部と外周縁において逆位相で振動し、振動板7の外周縁における変位量よりも小さい変位量の振動板7の位置は、振動板7の中心CLから振動板7の半径の45%以上81%以下の位置である。このような構成によれば、天板31の第1開口部31dが、第1種ベッセル関数において節Ndの近傍に位置するので、大きな静圧差を発生させることができる。
[0058]
 また、支持部9は、振動板7の外周縁に沿った梁形状を有してもよい。このような構成によれば、支持部9の可撓性を振動板7よりも好適に高くすることができる。
[0059]
 また、支持部9は、振動板7よりも可撓性が高い。このような構成によれば、振動板7の外周縁の変位量が増大するので、逆流抑制効果を高めることができ、ポンプ流量及びポンプ圧力を高くすることができる。
[0060]
 また、ポンプ1の積層方向において、天板31の第1開口部31dの外側に凹部31cを有してもよい。このような構成によれば、第1開口部31dの内側の気流を乱すことなく、外部から天板31の第1開口部31dに流れる流体の空気抵抗を低減することができる。
[0061]
 また、天板31の中央部の振動板7側に窪み部31eを有してもよい。このような構成によれば、振動変位が最大となる振動板7の中央部において振動板7と天板31との間隔が他の箇所よりも長いので空気抵抗を低減し、振動変位を増大することができる。この結果、ポンプ流量及びポンプ圧力を増大することができる。
[0062]
 また、振動板7と圧電体3とに挟まれた補助板5を備えてもよい。このような構成によれば、振動板7の振動をより増幅することができる。この結果、静圧差を大きくすることができ、ポンプ流量及びポンプ圧力を増大することができる。
[0063]
(実施形態2)
 次に、本発明の実施形態2のポンプ1Cについて図9を参照して説明する。図9は、実施形態2におけるポンプ1Cの模式的断面図である。
[0064]
 実施形態2のポンプ1Cにおいて、支持部9Cは振動板7よりも薄い。この点において、実施形態1におけるポンプ1と実施形態2のポンプ1Cとが異なる。したがって、実施形態2におけるポンプ1Cは、この点及び以下に説明する点以外の構成は、実施形態1のポンプ1と共通である。なお、図9に第2開口部17は示されていないが、支持部9Cに形成されている。
[0065]
 実施形態2のポンプ1Cによれば、支持部9Cは、振動板7よりも薄いので、例えば、支持部9Cと振動板7とが同一の材質であっても、支持部9Cの可撓性を振動板7よりも好適に高くすることができる。例えば、振動板7の厚みが0.40mmに対して、支持部9Cの厚みが0.10mmである。
[0066]
(実施形態3)
 次に、本発明の実施形態3のポンプ1Dについて図10A及び図10Bを参照して説明する。図10Aは、実施形態3におけるポンプ1Dの模式的断面図である。図10Bは、実施形態3におけるポンプ1Dの振動板ユニット23Dの平面図である。
[0067]
 実施形態3のポンプ1Dは、振動板7と支持部9Dとが別部材で形成されている。この点において、実施形態1におけるポンプ1と実施形態3のポンプ1Dとが異なる。この点及び以下に説明する点以外の構成は、実施形態1のポンプ1と実施形態3のポンプ1Dと共通である。
[0068]
 ポンプ1Dの支持部9Dは、振動板7よりも弾性率が低い材料で構成されている。支持部9Dは、例えば、ポリイミドなどの樹脂製のフィルムで構成されている。フィルムの弾性率は、例えば、1~5GPaで、振動板7の弾性率は、例えば、ステンレススチール製であれば200GPaである。このように、支持部9Dの弾性率が振動板7の弾性率よりも低いので、振動板7を強く拘束しない。これにより、振動板7の外周縁が大きく振動することができる。なお、フィルムの厚みは、例えば、5~200μmである。なお、振動板7と支持部9Dとを別部材で形成する構成は、実施形態1に適用してもよい。
[0069]
 支持部9Dには、複数の貫通孔9Daが環状に形成されて第2開口部17Dを構成している。
[0070]
 実施形態3におけるポンプ1Dによれば、支持部9Dは、振動板7の外周全体と接続している。したがって、振動板7と支持部9Dとの接続強度を向上させることができるので、支持部9Dの耐久性を向上することができる。
[0071]
 また、実施形態3におけるポンプ1Dによれば、振動板7は金属製であり、支持部9Dは樹脂製である。このような構成によれば、支持部9Dの可撓性を振動板7よりも好適に高くすることができる。
[0072]
(実施形態4)
 次に、本発明の実施形態4のポンプ1Eについて図11A及び図11Bを参照して説明する。図11Aは、実施形態4におけるポンプ1Eの弁体35が開いている際の模式的断面図である。図11Bは、実施形態4におけるポンプ1Eの弁体35が閉じている際の模式的断面図である。
[0073]
 実施形態4のポンプ1Eは、円環形状の弁体35が振動板7の外周縁に沿って貼り付けられている。この点において、実施形態1におけるポンプ1と実施形態4のポンプ1Eとが異なる。この点及び以下に記載した事項以外の構成は、実施形態4のポンプ1Eは、実施形態1のポンプ1と共通である。
[0074]
 弁体35は、ポリイミドまたはPET製のフィルムで形成されている。弁体35は、内周付近が振動板7に接着される接着部35aと、外周付近が開放端となっている可動部35bとを有する。接着部35aは、第1開口部31dより外側の振動板7の面上に貼り付けられる。弁体35は、支持部9の開口から天板31の第1開口部31dへの流れを抑制し、天板31の第1開口部31dから支持部9の第2開口部17への流れを通す。これにより、支持部9の第2開口部17からの逆流が抑制されるので、大流量、高圧力のポンプ性能を実現することができる。弁体35の厚みは100μm以下であり、さらに望ましくは、10μm以下である。弁体35の厚みが薄いほど、弁体として動作しやすくなる。なお、弁体35の耐久性を確保するために、弁体35の厚みは、3μm以上が望ましい。さらに、弁体35の可動部35bの径方向の長さが、振動板7と天板31の距離よりも長ければ、弁体35の開放端が天板31と重なることにより、天板31の第1開口部31dから支持部9の第2開口部17への流路Fpを塞ぐことができる。これにより、逆流の発生を大幅に防ぐことができる。
[0075]
 このように、実施形態4におけるポンプ1Eは、一方が振動板7の外周縁に接続し、他方が開放端である弁体35を備える。実施形態4におけるポンプ1Eによれば、弁体35の他方が開放端であるので、支持部9の第2開口部17から流体の逆流が発生した場合、弁体35の開放端が天板31に向けて起立することにより、天板31の第1開口部31dから支持部9の第2開口部17への流路Fpを狭くすることができる。したがって、流体の逆流に対して流路抵抗を増すことができるので、流体の逆流を弁体35により低減することができる。また、天板31の第1開口部31dから支持部9の第2開口部17へ流体が流れる場合は、弁体35の他方は天板31から離れているので、流体の流れを妨げることがない。このようにして、ポンプ室15への流体の逆流をより低減することができる。
[0076]
 本発明は、上記実施の形態のものに限らず、次のように変形実施することができる。
[0077]
 (1)上記各実施形態において、振動ユニット23は、4つの支持部9を有していたがこれに限らない。振動ユニット23は、3つまたは5つ以上の支持部9を有してもよい。図12に示すように、例えば、振動ユニット23Eは、120°ごとに3つの支持部9がそれぞれ配置されてもよい。
[0078]
 (2)上記各実施形態において、振動ユニット23は、振動板7と梁部25とが二股で接続されてもよい。図13に示すように、例えば、振動ユニット23Fにおいて、2つの第1連結部27により、振動板7と梁部25とが連結される。また、梁部25と側壁部11bとが1個の第2連結部29で連結されてもよい。

産業上の利用可能性

[0079]
 本発明は、圧電体を備えるポンプに適用可能である。

符号の説明

[0080]
   1、1A、1B、1C、1D、1E ポンプ
   3   圧電体
   5   補助板
   7   振動板
   7a  第1主面
   7b  第2主面
   9、9C、9D 支持部
   9Da 貫通孔
  10   カバー
  11   側壁
  11a  側壁部
  11b  側壁部
  15   ポンプ室
  17、17D   第2開口部
  17a  第1貫通孔
  17b  第2貫通孔
  21   側壁板
  21a 開口
  23、23B 振動ユニット
  25   梁部
  27   第1連結部
  29   第2連結部
  31   天板
  31a  第1主面
  31b  第2主面
  31c  凹部
  31d  第1開口部
  31e  窪み部
  33   第2主面
  35  弁体
  CL   中心
  Fp   流路

請求の範囲

[請求項1]
 第1主面に圧電体を有する振動板と、
 前記第1主面と逆側の前記振動板の第2主面に対向し、第1開口部を有する天板と、前記天板と前記振動板との間の空間を囲むように、前記天板の外周部に接続される側壁とを備えるカバーと、
 前記側壁に接続され、前記振動板の外周を支持する支持部と、
 前記振動板の第2主面と前記天板の主面とが対向する向きに直交する方向に断面視して、前記側壁と前記振動板との間に形成された第2開口部と、
 前記振動板の外周縁における変位量よりも小さい変位量の前記振動板の位置と対向して、前記天板の第1開口部が位置する、
 ポンプ。
[請求項2]
 前記振動板は、中央部と外周縁において逆位相で振動し、
 前記天板の前記第1開口部は、前記振動板の外周縁よりも前記振動板の振動の節となる位置に近い、
 請求項1に記載のポンプ。
[請求項3]
 前記天板の前記第1開口部は、前記振動板の振動の節となる位置よりも内側に位置する、
 請求項1または2に記載のポンプ。
[請求項4]
 前記振動板は円形であって、前記振動板の中央部と外周縁において逆位相で振動し、
 前記振動板の外周縁における変位量よりも小さい変位量の前記振動板の位置は、前記振動板の中心から前記振動板の半径の45%以上81%以下の位置である、
 請求項1に記載のポンプ。
[請求項5]
 前記支持部は、前記振動板の外周縁に沿った梁形状を有する、
 請求項1から4のいずれか1つに記載のポンプ。
[請求項6]
 前記支持部は、前記振動板よりも可撓性が高い、
 請求項1から5のいずれか1つに記載のポンプ。
[請求項7]
 前記支持部は、前記振動板の外周全体と接続する、
 請求項1から4のいずれか1つに記載のポンプ。
[請求項8]
 前記支持部は、前記振動板よりも薄い、
 請求項6または7に記載のポンプ。
[請求項9]
 前記振動板は、金属製であり、
 前記支持部は、樹脂製である、
 請求項6または7に記載のポンプ。
[請求項10]
 一方が前記振動板の外周縁に接続し、他方が開放端である弁体を備える、
 請求項1から9のいずれか1つに記載のポンプ。
[請求項11]
 前記天板の前記第1開口部の外側に凹部を有する、
 請求項1から10のいずれか1つに記載のポンプ。
[請求項12]
 前記天板の中央部の前記振動板側に窪み部を有する、
 請求項1から11のいずれか1つに記載のポンプ。
[請求項13]
 前記振動板と前記圧電体とに挟まれた補助板を備える、
 請求項1から12のいずれか1つに記載のポンプ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 6D]

[ 図 6E]

[ 図 6F]

[ 図 6G]

[ 図 6H]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12]

[ 図 13]