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1. WO2020110927 - SOLAR CELL ELEMENT AND SOLAR CELL MODULE

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明 細 書

発明の名称 太陽電池素子および太陽電池モジュール

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

0004   0005   0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

符号の説明

0058  

請求の範囲

1   2  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 太陽電池素子および太陽電池モジュール

技術分野

[0001]
 本開示は、太陽電池素子および太陽電池モジュールに関する。

背景技術

[0002]
 太陽光発電には、太陽光を電気エネルギーに変換するための太陽電池素子を有する太陽電池モジュールが用いられる。この太陽電池モジュールは、太陽光が照射される建造物の屋根および壁面などの屋外に設置されることが多い。
[0003]
 ところで、太陽電池素子には、例えば、第1電極、電子輸送層、光吸収層、ホール輸送層および第2電極が、この記載の順に積層された構造を有するものがある(例えば、特許第5005467号明細書、特開2017-66096号公報および特開2017-34056号公報の記載を参照)。電子輸送層は、例えば、光吸収層における光電変換で生じた電子を輸送する役割と、光吸収層における光電変換で生じた正孔をブロックする役割と、を有する。

発明の概要

[0004]
 太陽電池素子および太陽電池モジュールが開示される。
[0005]
 太陽電池素子の一態様は、基板と、該基板上に位置している光電変換素子と、を備える。該光電変換素子は、電極と、電子輸送層と、保護層と、光吸収層と、を有する。前記電極は、前記基板上に位置している。前記電子輸送層は、前記電極上に位置し、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を含む。前記保護層は、前記電子輸送層上に位置し、酸化亜鉛系および酸化インジウム系とは異なる材料を含むとともに、キャリア密度および厚さが、前記電子輸送層よりも小さい。前記光吸収層は、前記保護層上に位置し、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体を含む。
[0006]
 太陽電池モジュールの一態様は、第1太陽電池部と、第2太陽電池部と、を備える。前記第1太陽電池部は、光電変換素子を含む。該光電変換素子は、電極と、電子輸送層と、保護層と、光吸収層と、を有する。前記電極は、基板上に位置している。前記電子輸送層は、前記電極上に位置し、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を含む。前記保護層は、前記電子輸送層上に位置し、酸化亜鉛系および酸化インジウム系とは異なる材料を含むとともに、キャリア密度および厚さが、前記電子輸送層よりも小さい。前記光吸収層は、前記保護層上に位置し、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体を含む。前記第2太陽電池部は、前記第1太陽電池部を平面透視した場合に、前記第1太陽電池部のうちの前記電極よりも前記光吸収層に近い位置において、前記第1太陽電池部に重なるように位置し、太陽光のうちの前記第1太陽電池部よりも長波長の範囲の光を吸収して光電変換を行う。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 図1は、第1実施形態に係る太陽電池素子の一例の断面構成を模式的に示す図である。
[図2] 図2(a)は、光吸収層および電子輸送層におけるエネルギーバンドの調整について説明するための図である。図2(b)は、光吸収層、電子輸送層および保護層におけるエネルギーバンドの調整について説明するための図である。
[図3] 図3(a)は、第2実施形態に係る太陽電池モジュールの一例の前面側から見た外観を示す平面図である。図3(b)は、図3(a)のIIIb-IIIb線に沿った太陽電池モジュールの一例の仮想的な切断面部を示す図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 再生可能エネルギーの1つである太陽光を利用した太陽光発電が知られている。この太陽光発電には、例えば、太陽光を電気エネルギーに変換するための太陽電池素子を有する太陽電池パネルが用いられる。この太陽電池パネルは、太陽光が照射されやすい建造物の屋根および壁面などの屋外に設置されることが多い。
[0009]
 太陽電池素子には、例えば、第1電極、電子輸送層、光吸収層、ホール輸送層および第2電極が、この記載の順に積層された構造を有するものがある。電子輸送層は、例えば、光吸収層における光電変換で生じた電子を輸送する役割と、光吸収層における光電変換で生じた正孔をブロックする役割と、を有する。
[0010]
 ところで、例えば、建造物の屋根材および壁材などの建材に太陽電池パネルを適用する際には、建造物の意匠性を向上させる目的で、太陽電池素子の外観上の色を適宜変化させることが考えられる。この場合には、例えば、光吸収層における禁制帯の幅(バンドギャップ)を変化させることで、光吸収層で吸収される光の波長の範囲を変化させて、太陽電池素子の外観上の色を適宜変化させることが考えられる。例えば、光吸収層のバンドギャップが狭い場合には、光吸収層が可視光線のほぼ全ての波長域の光を吸収し、太陽電池素子の外観上の色は黒色に近い色となる。これに対して、例えば、光吸収層のバンドギャップを拡大する程、光吸収層が、可視光線の波長域のうちの長波長側の波長域の光から吸収しにくくなる。そして、太陽電池素子の外観上の色を、例えば、黄色に近い色まで変化させることが考えられる。
[0011]
 例えば、光吸収層のバンドギャップを拡大する場合には、光吸収層における伝導帯のエネルギー準位の下端(Conduction Band minimum:CBm)が上昇する。例えば、光吸収層の材料が-3.9eVのCBmを有するハロゲン化ペロブスカイト半導体であり、電子輸送層の材料が-4.0eVのCBmを有する酸化チタンである一般的な太陽電池素子では、光吸収層のCBmが-3.9eVから上昇することが考えられる。このように光吸収層のCBmを上昇させた場合には、電子輸送層のCBmおよびフェルミ準位にも上昇の余地が生じるため、開放電圧を上昇させることができ得ることで、光電変換効率を向上させる可能性がある。ただし、そのためには、光吸収層のCBmを上昇させたことに合わせて、電子輸送層のCBmおよびフェルミ準位も上昇させるように調整する必要がある。そうしないと、光吸収層と電子輸送層との間でCBmの差が大きくなる一方で、電子輸送層とホール輸送層との間でフェルミ準位の差を広げることができない。その場合には、例えば、太陽電池素子の開放電圧(Voc)が本来得られるべき値よりも小さくなり得る。その結果、例えば、太陽電池素子における出力電圧が低下して、太陽電池素子における光電変換効率の低下を招く。
[0012]
 このため、例えば、太陽電池素子の外観上の色を変更するために光吸収層のバンドギャップを拡大する際には、光吸収層のCBmの上昇に合わせて、電子輸送層のCBmも上昇させることが考えられる。例えば、電子輸送層の材料に酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を適用して、電子輸送層のCBmを上昇させることが考えられる。この場合には、例えば、光吸収層と電子輸送層との間でCBmの差が縮小して、太陽電池素子の光電変換効率が向上し得る。
[0013]
 しかしながら、太陽電池素子の製造時に、光吸収層の材料と電子輸送層の材料との間で反応が生じて、光吸収層の結晶性が低下する場合がある。この場合には、光吸収層における光電変換の能力が低下し、太陽電池素子の光電変換効率の低下を招く。
[0014]
 このため、例えば、太陽電池素子および太陽電池モジュールについては、優れた外観と光電変換効率の向上とを両立させる点で改善の余地がある。
[0015]
 そこで、本開示の発明者らは、太陽電池素子および太陽電池モジュールについて、優れた外観と光電変換効率の向上とを両立させることができる技術を創出した。
[0016]
 これについて、以下、各種実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。図1、図3(a)および図3(b)には、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、太陽電池素子10の第1面10fの法線方向が+Z方向とされ、第1面10fに沿った一方向が+X方向とされ、第1面10fに沿った方向であって、+X方向と+Z方向との両方に直交する方向が+Y方向とされている。
[0017]
 <1.第1実施形態>
  <1-1.太陽電池素子>
 第1実施形態に係る太陽電池素子10を、図1および図2に基づいて説明する。
[0018]
 図1で示されるように、太陽電池素子10は、主に光が入射する受光面(第1面ともいう)10fと、この第1面10fの逆側に位置する面(第2面ともいう)10bと、を有する。第1実施形態では、第1面10fが、+Z方向を向いている。第2面10bが、-Z方向を向いている。+Z方向は、例えば、南中している太陽に向く方向に設定される。
[0019]
 図1で示されるように、太陽電池素子10は、例えば、基板1と、光電変換素子20と、を備えている。光電変換素子20は、基板1上に位置している。光電変換素子20は、例えば、第1電極21と、電子輸送層(ブロッキング層ともいう)22と、保護層23と、光吸収層24と、ホール輸送層25と、第2電極26と、を備えている。第1実施形態では、基板1の上に、電極21と、電子輸送層22と、保護層23と、光吸収層24と、ホール輸送層25と、第2電極26と、がこの記載の順に積層されている状態にある。
[0020]
 基板1は、例えば、透光性を有する絶縁性の基板である。この基板1は、例えば、特定波長域の光に対する透光性を有する。特定波長域には、例えば、光吸収層24が吸収して光電変換を生じ得る光の波長域が含まれる。具体的には、特定波長域には、400nmから700nm程度の可視光の波長域および700nmから1200nm程度の赤外光の波長域が含まれ得る。これにより、例えば、第1面10fに照射される光が、基板1を光吸収層24に向けて透過し得る。ここで、例えば、特定波長域に、太陽光を構成する照射強度の高い光の波長が含まれていれば、太陽電池素子10の光電変換効率が向上し得る。基板1の材料には、例えば、ガラス、アクリルまたはポリカーボネートなどが適用される。基板1の形状としては、例えば、平板状、シート状またはフィルム状などが採用される。基板1の厚さは、例えば、0.01mmから5mm程度とされる。
[0021]
 第1電極21は、例えば、基板1上に位置している。第1電極21は、例えば、光吸収層24に対する光の照射に応じた光電変換で生じたキャリアを集めることができる。第1電極21は、例えば、透光性を有する。第1電極21が、基板1と同様に、特定波長域の光に対する透光性を有していれば、特定波長域の光が基板1と第1電極21とを透過して電子輸送層22に入射し得る。第1電極21の材料には、例えば、特定波長域の光に対して透光性を有する透明導電性酸化物(TCO)が採用される。TCOには、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、二酸化チタン(TiO )、酸化スズ(IV)(SnO )または酸化亜鉛(ZnO)などが含まれる。第1電極21には、例えば、層状の電極(第1電極層ともいう)などが適用される。この第1電極21の厚さは、例えば、10nmから1000nm程度とされる。第1電極21は、例えば、スパッタリングなどの真空プロセスによって、基板1上に形成され得る。
[0022]
 電子輸送層22は、例えば、第1電極21上に位置している。電子輸送層22は、例えば、光吸収層24に対する光の照射に応じた光電変換で生じたキャリアとしての電子を収集して出力するためのものである。電子輸送層22は、例えば、ホール(正孔)の侵入をブロックするホールブロッキング層としての機能も有する。電子輸送層22には、例えば、透明な無機材料のn型の半導体の層が適用される。この無機材料は、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を含む。
[0023]
 酸化亜鉛系の材料は、主成分としての酸化亜鉛(ZnO)と、キャリアを導入するための元素(ドーパントともいう)と、を含む。ドーパントには、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)などのIII族元素が含まれる。酸化インジウム系の材料は、主成分としての酸化インジウム(In )と、ドーパントと、を含む。主成分は、含有成分のうち含有される比率(含有率ともいう)が最も大きい(高い)成分を意味する。酸化亜鉛系の材料は、さらに、含有率に応じて伝導帯のエネルギー準位の下端(CBm)を変化させることが可能な特定の元素(特定元素ともいう)としてのマグネシウム(Mg)を含んでいてもよい。酸化インジウム系の材料は、さらに、含有率に応じてCBmを変化させることが可能な特定元素としてのガリウム(Ga)を含んでいてもよい。特定元素には、例えば、カドニウム(Cd)などの12族(II-B族)の元素あるいは硫黄(S)およびセレン(Se)などの16族(VI-A族)の元素などが適用されてもよい。ここでは、例えば、主成分としての酸化亜鉛(ZnO)あるいは酸化インジウム(In )に、特定元素が混合されても、酸化チタン(TiO )および酸化スズ(SnO)に特定元素が混合される際に生じる相分離が発生しにくい。このため、例えば、酸化亜鉛(ZnO)あるいは酸化インジウム(In )に対する特定元素の含有量を増加させて、電子輸送層22におけるCBmを大幅に上昇させることができる。例えば、電子輸送層22における特定元素の比率が0質量%から数十質量%程度の範囲で増加すれば、電子輸送層22におけるCBmが-4.2eVから-3.0eV程度の範囲で上昇し得る。このとき、例えば、電子輸送層22における特定元素の比率にかかわらず、電子輸送層22における価電子帯のエネルギー準位の上端(VBM)は、ほとんど変わらない。
[0024]
 電子輸送層22は、例えば、基板1および第1電極21と同様に、特定波長域の光に対する透光性を有する。これにより、特定波長域の光が基板1と第1電極21と電子輸送層22とを透過して保護層23および光吸収層24に入射し得る。電子輸送層22は、第1電極21上に、例えば、スパッタリングなどの真空プロセスで形成され得る。電子輸送層22の厚さは、例えば、10nmから50nm程度とされる。
[0025]
 保護層23は、例えば、電子輸送層22上に位置している。保護層23が、例えば、基板1と同様に、特定波長域の光に対する透光性を有していれば、特定波長域の光が基板1と第1電極21と電子輸送層22と保護層23とを透過して光吸収層24に入射し得る。保護層23の材料には、酸化亜鉛系および酸化インジウム系とは異なる材料が適用される。具体的には、保護層23の材料には、例えば、酸化アルミニウム(Al )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ガリウム(Ga )、酸化ジルコニウム(ZrO )、酸化ニオブ(Nb )あるいは酸化タンタル(Ta )が適用される。このような保護層23の存在により、例えば、電子輸送層22上に光吸収層24を直接成膜する場合に生じる電子輸送層22の材料と光吸収層24の材料との間における反応を低減することができる。ここで、例えば、保護層23の厚さが電子輸送層22の厚さよりも小さければ、保護層23の存在による電気抵抗が上昇しにくい。保護層23は、電子輸送層22上に、例えば、スパッタリングなどの真空プロセスで形成され得る。保護層23の厚さは、例えば、5nm程度以下とされる。また、例えば、保護層23のキャリア密度が、電子輸送層22のキャリア密度よりも低ければ、保護層23と光吸収層24との界面近傍において、光吸収層24における光電変換で生じたキャリアの再結合が生じにくい。これにより、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率が上昇し得る。
[0026]
 光吸収層24は、保護層23上に位置している。光吸収層24は、例えば、基板1、第1電極21、電子輸送層22および保護層23を透過した光を吸収することができる。第1実施形態では、光吸収層24には、例えば、真性半導体(i型半導体ともいう)が適用される。i型半導体には、例えば、ペロブスカイト構造を有する半導体(ペロブスカイト半導体ともいう)が適用される。ペロブスカイト半導体として、例えば、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体が採用されれば、光吸収層24における光電変換効率が上昇し得る。これにより、太陽電池素子10における光電変換効率が向上し得る。ここで、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体には、例えば、AイオンとBイオンとXイオンとが結合したABX の組成を有するハロゲン化ペロブスカイト半導体が適用される。ここで、Aイオンには、例えば、メチルアンモニウムイオン(MA )、ホルムアミジニウムイオン)FA およびグアジニウムイオン(GA )などのアミン基を有する有機カチオンが適用される。Bイオンには、例えば、鉛イオン(Pb 2+)および錫イオン(Sn 2+)など14族(IV-A族)の元素の金属イオンが適用される。Xイオンには、例えば、ヨウ素イオン(I )、臭素イオン(Br )および塩素イオン(Cl )などのハロゲン化物イオンが適用される。
[0027]
 ここで、例えば、光吸収層24を構成するハロゲン化ペロブスカイト半導体の材料に、メチルアンモニウムイオン(MA )と鉛イオン(Pb 2+)とハロゲン化物イオン(I ,Br )とが結合したMAPb(I,Br) の組成を有する材料を適用する場合を想定する。この場合に、例えば、Brの含有量を、Iの含有量とBrの含有量との合計で除した値(Brの含有比率ともいう)を増加させると、ハロゲン化ペロブスカイト半導体におけるバンドギャップを、1.5eVから2.3eVまで増加させることができる。これにより、例えば、太陽電池素子10を第1面10f側から見たときに、太陽電池素子10の外観上の色を、黒色に近い色から黄色に近い色まで変化させることができる。このとき、ハロゲン化ペロブスカイト半導体では、CBmは、VBMにバンドギャップの値を加算したものである。このため、例えば、このバンドギャップが2.3eVの際には、CBmは-3eV程度となる。
[0028]
 光吸収層24は、例えば、保護層23の上に第1原料液を塗布した後に、塗布後の第1原料液にアニールを施すことで、形成され得る。このとき、ハロゲン化ペロブスカイト半導体は、結晶性を有する薄膜である。第1原料液は、例えば、原料であるハロゲン化アルキルアミンとハロゲン化鉛もしくはハロゲン化錫とが溶媒に溶かされることで生成され得る。光吸収層24の厚さは、例えば、100nmから2000nm程度とされる。
[0029]
 ホール輸送層25は、例えば、光吸収層24上に位置している。第1実施形態では、ホール輸送層25は、例えば、正孔(ホール)を収集して出力するためのものである。ホール輸送層25には、例えば、p型の導電型を有する半導体(p型半導体ともいう)が適用される。ホール輸送層25の材料には、例えば、可溶性ジアミン誘導体であるspiro-OMeTADなどが適用される。ホール輸送層25は、例えば、光吸収層24上に第2原料液が塗布された後に、塗布後の第2原料液が乾燥されることで生成され得る。ホール輸送層25の厚さは、例えば、50nmから200nm程度とされる。
[0030]
 第1実施形態では、p型半導体としてのホール輸送層25と、i型半導体としての光吸収層24と、n型半導体としての電子輸送層22とが、PIN接合領域を形成している状態にある。PIN接合領域により、光の照射に応じた光電変換によって発電が行われ得る。
[0031]
 第2電極26は、例えば、ホール輸送層25の上に位置している。この第2電極26は、光吸収層24に対する光の照射に応じて光電変換で生じたキャリアを集めることができる。ここで、第2電極26の材料には、例えば、金(Au)などの導電性に優れた金属、あるいはTCOが適用される。TCOには、例えば、ITO、FTOまたはZnOなどが含まれる。第2電極26には、例えば、層状の電極(第2電極層ともいう)などが適用される。第2電極26の厚さは、例えば、10nmから1000nm程度とされる。第2電極26は、例えば、スパッタリングなどの真空プロセスによって、ホール輸送層25上に形成され得る。ここで、例えば、第2電極26の材料にTCOが適用される場合には、第2電極26は、特定波長域の光に対する透光性を有する。このとき、例えば、第2面10bに照射される光が、第2電極26を光吸収層24に向けて透過し得る。これにより、太陽電池素子10は、第1面10fだけでなく第2面10bも含めた両面が受光面となり得る。
[0032]
 第1電極21および第2電極26のそれぞれには、例えば、リード線などの配線19が電気的に接続され得る。具体的には、例えば、第1電極21に第1配線19aが電気的に接続され、第2電極26に第2配線19bが接続され得る。各配線19は、例えば、半田付けなどによって、第1電極21および第2電極26のそれぞれに接合され得る。太陽電池素子10では、例えば、第1配線19aおよび第2配線19bによって、光電変換で得られる出力が取り出され得る。
[0033]
  <1-2.エネルギーバンドの調整>
 図2(a)で示されるように、例えば、光吸収層24の禁制帯B24の幅(バンドギャップ)が、比較的小さな値Eg4a(1.5eV程度)である場合には、光吸収層24が可視光線のほぼ全ての波長域の光を吸収し得る。このため、太陽電池素子10を基板1側から見た外観上の色は黒色に近い色である。ここで、例えば、太陽電池素子10の基板1側から見た外観上の色を変更するために、光吸収層24のバンドギャップを、比較的大きな値Eg4bまで増大させる場合を想定する。値Eg4bは、例えば、1.5eV程度よりも大きく2.3eV程度以下とされる。光吸収層24のバンドギャップの増大は、上述したように、例えば、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体において、ハロゲン化物イオンとしてのヨウ素イオン、臭素イオンおよび塩素イオンの含有比率を変化させることで、実現され得る。この場合には、例えば、光吸収層24におけるVBMは、値E41程度で殆ど変化することなく、光吸収層24のCBmは、値E42aから値E42bまで上昇し得る。このとき、光吸収層24と電子輸送層22との間におけるCBmの差は、値D1aから値D1bまで増大し得る。電子輸送層22のCBmは、例えば、光吸収層24のCBm以下であればよい。換言すれば、値D1aは、0以上に設定される。ここでは、例えば、値D1aが、0.1eV以下に設定されれば、電子輸送層22のフェルミ準位が高く、太陽電池素子10における光電変換効率が向上し得る。
[0034]
 ここで、例えば、太陽電池素子10における光電変換効率を上昇させるために、電子輸送層22のCBmを、光吸収層24のCBmの値E42bに近付けるように、電子輸送層22のCBmを、値E22aから値E22bまで上昇させる場合を想定する。電子輸送層22のCBmの上昇は、上述したように、例えば、酸化亜鉛系の材料におけるマグネシウム(Mg)などの特定元素の含有率の上昇、あるいは酸化インジウム系の材料におけるガリウム(Ga)などの特定元素の含有率の上昇によって、実現され得る。この場合には、例えば、電子輸送層22におけるVBMは、値E21程度で殆ど変化することなく、電子輸送層22における禁制帯B22の幅(バンドギャップ)は、値Eg2aから値Eg2bまで上昇し得る。このとき、図2(b)で示されるように、光吸収層24と電子輸送層22との間におけるCBmの差は、値D1bから値D1cまで減少し得る。電子輸送層22のCBmは、例えば、光吸収層24のCBm以下であればよい。換言すれば、値D1cは、0以上に設定される。ここでは、例えば、値D1cが、0.1eV以下に設定されれば、電子輸送層22のフェルミ準位が高く、太陽電池素子10における光電変換効率が向上し得る。
[0035]
 ところで、仮に、電子輸送層22上に光吸収層24を直接形成する場合を想定する。この場合には、電子輸送層22を構成する酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料(具体的には、鉛またはインジウム)と、アミン基を有する有機カチオンと、がアニールの際に反応し得る。このため、例えば、異相が発生して、ハロゲン化ペロブスカイト半導体の結晶性が高まらず、光吸収層24における光電変換効率が低下し得る。
[0036]
 そこで、第1実施形態では、上述したように、電子輸送層22上に保護層23を形成した後に、この保護層23上に光吸収層24を形成する。この場合には、例えば、保護層23の存在によって、電子輸送層22を構成する酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料(具体的には、鉛もしくはインジウム)と、アミン基を有する有機カチオンと、の反応が生じにくい。その結果、例えば、光吸収層24における光電変換効率が向上し得る。
[0037]
 ここで、保護層23のCBmおよび禁制帯B23の幅(バンドギャップ)は、例えば、光吸収層24および電子輸送層22のCBmおよびバンドギャップに合わせた適切な値に設定されればよい。例えば、保護層23のCBmが、電子輸送層22のCBm以上に設定されれば、光吸収層24において光電変換に応じて発生した電子の光吸収層24から電子輸送層22に向けた移動が、保護層23によって阻害されにくい。また、保護層23のCBmは、例えば、電子輸送層22のCBmから、光吸収層24のCBmに0.4eV加算した値までの値域に設定されれば、光吸収層24から電子輸送層22に向けた電子の移動が、保護層23によって阻害されにくい。ただし、例えば、保護層23の厚さが十分に小さければ、保護層23のCBmは、光吸収層24のCBmに0.4eV加算した値を超えてもよい。ここでは、例えば、電子輸送層22のCBmと光吸収層24のCBmとが略同一である場合に、保護層23のCBmが電子輸送層22のCBmに0eVから0.2eVを加算した程度の値であり、保護層23のCBmが光吸収層24のCBmに0eVから0.2eVを加算した程度の値であれば、太陽電池素子10の光電変換効率が高まり得る。
[0038]
 保護層23のCBmは、例えば、保護層23の材料によって適宜設定され得る。例えば、保護層23の材料に、例えば、Al 、MgO、Ga 、ZrO 、Nb あるいはTa を適用すれば、保護層23のCBmを、1.0eVから-4.4eVの範囲で設定することができる。ここで、MgOのCBmは-1.0eVである。Al のCBmは-1.6eVである。Ga のCBmは-2.1eVである。ZrO のCBmは-3.4eVである。Ta のCBmは-3.7eVである。Nb のCBmは-4.4eVである。
[0039]
  <1-3.第1実施形態のまとめ>
 第1実施形態に係る太陽電池素子10では、例えば、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を含む電子輸送層22上に、保護層23が位置し、この保護層23上に、アミン基を有するペロブスカイト半導体を含む光吸収層24が位置している。この保護層23は、電子輸送層22よりも小さなキャリア密度および厚さを有し、酸化亜鉛系および酸化インジウム系とは異なる材料を含む。
[0040]
 このため、例えば、アミン基を有するペロブスカイト半導体のバンドギャップの増大によって上昇した光吸収層24のCBmに合わせて、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料における特定元素の含有率を増加させることで、電子輸送層22のCBmを上昇させることができる。これにより、例えば、太陽電池素子10の出力電圧を向上させることができる。そして、例えば、保護層23の存在によって、電子輸送層22の上に光吸収層24を形成する際に、電子輸送層22を構成する酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料と、光吸収層24のアミン基を有する有機カチオンと、が反応を生じにくい。よって、例えば、光吸収層24のバンドギャップの増大による太陽電池素子10の外観上の色の調整と、太陽電池素子10の光電変換効率の向上と、を実現させることができる。したがって、例えば、太陽電池素子10における優れた外観と光電変換効率の向上とを両立させることができる。
[0041]
 <2.他の実施形態>
 本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
[0042]
  <2-1.第2実施形態>
 例えば、図3(a)および図3(b)で示されるように、第1太陽電池部Sp1と第2太陽電池部Sp2とを備えるいわゆるタンデム構造の太陽電池モジュール100において、第1太陽電池部Sp1に上記第1実施形態に係る光電変換素子20が適用されてもよい。
[0043]
 図3(a)および図3(b)で示されるように、太陽電池モジュール100は、主に光が入射する受光面(前面ともいう)Sf1と、この前面Sf1の逆側に位置する面(裏面ともいう)Sb1と、を有する。第2実施形態では、前面Sf1が、+Z方向を向いている。裏面Sb1が、-Z方向を向いている。例えば、+Z方向は、南中している太陽に向く方向に設定される。図3(a)および図3(b)の例では、前面Sf1および裏面Sb1が、長方形状の形状を有する。
[0044]
 図3(a)および図3(b)で示されるように、太陽電池モジュール100は、例えば、太陽電池パネルPn1を備えている。太陽電池モジュール100は、例えば、端子ボックスおよびフレームなどを備えていてもよい。端子ボックスは、例えば、太陽電池パネルPn1の裏面Sb1上などに位置し、太陽電池パネルPn1における発電で得られた電気を外部に出力することができる。フレームは、例えば、太陽電池パネルPn1の外周部に沿って位置し、太陽電池パネルPn1の外周部を保護することができる。
[0045]
 太陽電池パネルPn1は、例えば、第1保護部材Pr1と、第2保護部材Pr2と、第1太陽電池部Sp1と、第2太陽電池部Sp2と、封止材F1と、を備えている。第1保護部材Pr1は、例えば、太陽電池パネルPn1の前面Sf1を構成する。第2保護部材Pr2は、例えば、太陽電池パネルPn1の裏面Sb1を構成する。封止材F1は、前面Sf1側の封止材(第1封止材ともいう)F1uと、裏面Sb1側の封止材(第2封止材ともいう)F1bと、を含む。
[0046]
 図3(b)の例では、前面Sf1から裏面Sb1に向けて、第1保護部材Pr1、第1太陽電池部Sp1、第1封止材F1u、第2太陽電池部Sp2、第2封止材F1bおよび第2保護部材Pr2が、この記載順に積層されている状態にある。
[0047]
 第1保護部材Pr1は、透光性を有する部材である。第1保護部材Pr1には、例えば、第1実施形態に係る太陽電池素子(第1太陽電池素子ともいう)10における基板1が適用される。このとき、第1保護部材Pr1の前面Sf1は、基板1の第1面10fに相当する。ここでは、第1保護部材Pr1は、例えば、複数の太陽電池素子10に共通する基板1であってもよいし、1つ以上の太陽電池素子10の基板1であってもよい。換言すれば、1つの基板1としての第1保護部材Pr1上に2つ以上の光電変換素子20が位置していてもよい。第1保護部材Pr1には、例えば、厚さが1mmから5mm程度の平板状のものが適用される。この場合には、第1保護部材Pr1は、例えば、剛性と低い透湿度とによって、第1太陽電池部Sp1および第2太陽電池部Sp2を前面Sf1側から保護することができる。図3(a)および図3(b)の例では、第1保護部材Pr1は、前面Sf1側から平面視した場合に、長方形状の外形を有する。
[0048]
 第1太陽電池部Sp1は、例えば、第1保護部材Pr1と第2保護部材Pr2との間において、第2太陽電池部Sp2よりも第1保護部材Pr1に近い側に位置している。第1太陽電池部Sp1は、例えば、少なくとも1つの光電変換素子20を含む。例えば、第1太陽電池部Sp1が、電気的に直列に接続されている状態にある複数の光電変換素子20を有していれば、第1太陽電池部Sp1の出力電圧が向上し得る。この場合には、例えば、第1保護部材Pr1上において、第1保護部材Pr1の前面Sf1とは逆の面に沿った第1方向としての+X方向において、複数の光電変換素子20が並んでいる状態が考えられる。複数の光電変換素子20のそれぞれの形状には、例えば、短冊状の形状が適用される。そして、例えば、複数の光電変換素子20のうちの隣り合う第1の光電変換素子20と第2の光電変換素子20との間で、第1の光電変換素子20の第2電極26と、第2の光電変換素子20の第1電極21と、が電気的に接続されている状態にあれば、複数の光電変換素子20は、電気的に直列に接続されている状態にある。そして、例えば、最も-X方向の側に位置する光電変換素子20の第1電極21に接続された状態にある配線19と、最も+X方向の側に位置する光電変換素子20の第2電極26に接続された配線19と、によって、第1太陽電池部Sp1から出力が取り出され得る。
[0049]
 第1封止材F1uは、例えば、第1保護部材Pr1と第2太陽電池部Sp2との間の第1領域Ar1において第1太陽電池部Sp1を覆っている状態にある。第2実施形態では、例えば、第1封止材F1uは、第1保護部材Pr1上に位置している第1太陽電池部Sp1の第2太陽電池部Sp2側の全面を覆っている状態にある。これにより、第1封止材F1uは、例えば、第1太陽電池部Sp1を封止することができる。また、第1封止材F1uは、例えば、第2太陽電池部Sp2の第1保護部材Pr1側の全面を覆っている状態にある。第1封止材F1uは、例えば、透光性を有する。これにより、例えば、第1保護部材Pr1を透過して入射される光のうち、第1太陽電池部Sp1で吸収されずに、第1太陽電池部Sp1を透過した光が、第2太陽電池部Sp2に向けて第1封止材F1uを透過し得る。第1封止材F1uの素材としては、例えば、特定波長域の光に対する透光性が優れたエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、トリアセチルセルロース(TAC)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂などが採用され得る。第1封止材F1uは、例えば、2種類以上の素材によって構成されていてもよい。
[0050]
 第2太陽電池部Sp2は、例えば、第1太陽電池部Sp1と第2保護部材Pr2との間に位置している。換言すれば、例えば、第1太陽電池部Sp1を第1保護部材Pr1側から平面透視した場合に、第2太陽電池部Sp2は、第1太陽電池部Sp1のうちの第1電極21よりも光吸収層24に近い位置において、第1太陽電池部Sp1に重なるように位置している。図3(a)および図3(b)の例では、第1太陽電池部Sp1および第2太陽電池部Sp2は、それぞれXY平面に沿って平面的に位置している。そして、-Z方向において、第1太陽電池部Sp1と、第2太陽電池部Sp2と、がこの記載の順に並んでいる状態にある。
[0051]
 第2太陽電池部Sp2は、例えば、太陽光のうちの第1太陽電池部Sp1よりも長波長の範囲の光を吸収して光電変換を行うことが可能である。これにより、例えば、太陽光のうち、第1太陽電池素子10の外観上の色を調整したことで第1太陽電池部Sp1を透過するようになった長波長側の光を、第2太陽電池部Sp2で光電変換に利用することができる。その結果、太陽電池モジュール100における単位面積当たりの発電効率が向上し得る。
[0052]
 第2太陽電池部Sp2は、例えば、複数の太陽電池素子(第2太陽電池素子ともいう)C2を有する。第2太陽電池部Sp2では、例えば、平面的に配列された状態にある複数の第2太陽電池素子C2が複数の配線材Wr2によって電気的に直列に接続されている状態にある。各第2太陽電池素子C2としては、例えば、結晶系の半導体(結晶系半導体ともいう)を用いた太陽電池素子(結晶系の太陽電池素子ともいう)または薄膜系の半導体(薄膜系半導体ともいう)を用いた太陽電池素子(薄膜系の太陽電池素子)などが採用され得る。結晶系半導体としては、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコンまたはヘテロ接合型などのシリコン系の半導体あるいはIII-V族系などの化合物系の半導体が採用され得る。また、薄膜系半導体としては、例えば、シリコン系、化合物系またはその他のタイプの半導体が採用され得る。シリコン系の薄膜系半導体には、例えば、アモルファスシリコンまたは薄膜多結晶シリコンなどを用いた半導体が適用される。化合物系の薄膜系半導体には、例えば、CIS半導体またはCIGS半導体などのカルコパライト構造を有する化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などの化合物半導体、ケステライト構造を有する化合物半導体あるいはカドミウムテルル(CdTe)半導体が適用される。CIS半導体は、銅(Cu)、インジウム(In)およびセレン(Se)を含む化合物半導体である。CIGS半導体は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)およびセレン(Se)を含む化合物半導体である。
[0053]
 第2封止材F1bは、第2太陽電池部Sp2と第2保護部材Pr2との間の領域(第2領域ともいう)Ar2において、第2太陽電池部Sp2の第2保護部材Pr2側の全面を覆っている状態にある。このため、第2太陽電池部Sp2は、例えば、第1封止材F1uと第2封止材F1bとによって挟み込まれるように囲まれている状態にある。その結果、第2太陽電池部Sp2は、例えば、封止材F1によって封止され得る。第2封止材F1bは、例えば、特定波長域の光に対する透光性を有していても、有していなくてもよい。第2封止材F1bの素材には、例えば、第1封止材F1uの素材と同様な素材が適用され得る。
[0054]
 第2保護部材Pr2は、例えば、第1太陽電池部Sp1および第2太陽電池部Sp2を裏面Sb1側から保護することができる。図3(b)の例では、第2保護部材Pr2は、裏面Sb1を構成するバックシートである。バックシートは、例えば、0.3mmから0.5mm程度の厚さを有する。バックシートの素材には、例えば、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびPENのうちの1種以上の樹脂が適用される。また、図3(b)の例では、第2保護部材Pr2は、第2太陽電池部Sp2および封止材F1を、裏面Sb1側および側方の外周部側から包み込むように位置している。そして、第2保護部材Pr2が、第1保護部材Pr1の外周部に接着している。ここで、第2保護部材Pr2は、例えば、第1保護部材Pr1と同様な平板状の部材であってもよい。この場合には、例えば、第1保護部材Pr1と第2保護部材Pr2との間の外周部に、封止用のパッキング部材が位置している態様が考えられる。
[0055]
 ところで、ここで、例えば、第1太陽電池部Sp1が光電変換に利用する光の波長の範囲を第1波長範囲とする。第1太陽電池部Sp1を透過して第2太陽電池部Sp2が光電変換に利用する光の波長の範囲を第2波長範囲とする。第2実施形態では、例えば、第2波長範囲は、第1波長範囲よりも長波長側の領域である。また、ここで、例えば、第1波長範囲と第2波長範囲との境界(境界波長ともいう)を適宜変化させて、太陽電池モジュール100の出力を増大させてもよい。ここでは、例えば、太陽電池の出力は、一般に、短絡電流(Isc)と開放電圧(Voc)とフィルファクタ(FF)との積で決まる。このため、第1太陽電池部Sp1における短絡電流(Isc)および開放電圧(Voc)と、第2太陽電池部Sp2における短絡電流(Isc)と、の兼ね合いで、太陽電池モジュール100の出力を増大させることができる。ここでは、例えば、第1光電変換素子20の光吸収層24におけるバンドギャップを1.8eV程度として、境界波長を700nm程度に設定すれば、太陽電池モジュール100の出力が増大し得る。
[0056]
 <3.その他>
 上記第1実施形態では、例えば、基板1上において、相互に電気的に直列に接続された状態で複数の光電変換素子20が並ぶように位置していてもよい。この場合には、太陽電池素子10における出力が向上し得る。
[0057]
 上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。

符号の説明

[0058]
 1 基板
 10 太陽電池素子(第1太陽電池素子)
 20 光電変換素子
 21 第1電極
 22 電子輸送層
 23 保護層
 24 光吸収層
 25 ホール輸送層
 26 第2電極
 100 太陽電池モジュール
 C2 第2太陽電池素子
 Pn1 太陽電池パネル
 Sp1 第1太陽電池部
 Sp2 第2太陽電池部

請求の範囲

[請求項1]
 基板と、該基板上に位置している光電変換素子と、を備え、
 該光電変換素子は、
 前記基板上に位置している電極と、
 該電極上に位置し、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を含む電子輸送層と、
 該電子輸送層上に位置し、酸化亜鉛系および酸化インジウム系とは異なる材料を含むとともに、キャリア密度および厚さが、前記電子輸送層よりも小さい保護層と、
 該保護層上に位置し、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体を含む光吸収層と、を有する、太陽電池素子。
[請求項2]
 第1太陽電池部と、第2太陽電池部と、を備え、
 前記第1太陽電池部は、光電変換素子を含み、
 該光電変換素子は、
 基板上に位置している電極と、
 該電極上に位置し、酸化亜鉛系または酸化インジウム系の材料を含む電子輸送層と、
 該電子輸送層上に位置し、酸化亜鉛系および酸化インジウム系とは異なる材料を含むとともに、キャリア密度および厚さが、前記電子輸送層よりも小さい保護層と、
 該保護層上に位置し、アミン基を有するペロブスカイト構造を有する半導体を含む光吸収層と、を有し、
 前記第2太陽電池部は、
 前記第1太陽電池部を平面透視した場合に、該第1太陽電池部のうちの前記電極よりも前記光吸収層に近い位置において、該第1太陽電池部に重なるように位置し、太陽光のうちの前記第1太陽電池部よりも長波長の範囲の光を吸収して光電変換を行う、太陽電池モジュール。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]