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1. WO2020110909 - LIQUID EJECTING HEAD, AND RECORDING DEVICE

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明 細 書

発明の名称 液体吐出ヘッドおよび記録装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

課題を解決するための手段

0004   0005  

図面の簡単な説明

0006  

発明を実施するための形態

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

符号の説明

0103  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 液体吐出ヘッドおよび記録装置

技術分野

[0001]
 液体吐出ヘッドおよび記録装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、流路部材と、加圧部と、カバー部材とを備える液体吐出ヘッドが知られている。流路部材は、吐出孔、吐出孔と繋がっている加圧室、吐出孔側に位置する吐出孔面、加圧室側に位置する加圧室面とを有する。また、加圧部は、加圧室面の加圧領域に位置する。また、カバー部材は、流路部材に立設している(例えば、先行文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2010-12650号公報

発明の概要

課題を解決するための手段

[0004]
 本開示の液体吐出ヘッドは、流路部材と、加圧部と、カバー部材と、封止部材とを有する。流路部材は、吐出孔と、加圧室と、吐出孔面と、加圧室面とを有する。加圧室は、吐出孔と繋がっている。吐出孔面は、吐出孔側に位置する。加圧室面は、加圧室側に位置する。加圧部は、加圧室面の加圧領域に位置する。カバー部材は、流路部材に立設している。封止部材は、カバー部材と流路部材とを封止する。また、流路部材は、加圧室面のうち加圧領域外に位置する溝を有する。また、カバー部材は、前記溝に位置している。また、封止部材は、カバー部材における溝内に位置する固定部と、溝との間に位置する。
[0005]
 本開示の記録装置は、上記に記載の液体吐出ヘッドと、搬送部と、制御部と、を有する。搬送部は、印刷用紙を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する。制御部は、液体吐出ヘッドを制御する。

図面の簡単な説明

[0006]
[図1] 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。
[図2] 図1の液体吐出ヘッドの断面図である。
[図3] 図1の液体吐出ヘッドの断面図である。
[図4] 図1の液体吐出ヘッドの一部を拡大した平面図である。
[図5] 図4のV-V線に沿った断面図である。
[図6] 図1の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
[図7] 図6のVII-VII線に沿った断面図である。
[図8] 図6のVIII-VIII線に沿った断面図である。
[図9] 他の実施形態の液体吐出ヘッドを示し、図7に対応する断面図である。
[図10] 他の実施形態の液体吐出ヘッドを示し、図7に対応する断面図である。
[図11] 他の実施形態の液体吐出ヘッドを示し、図7に対応する断面図である。

発明を実施するための形態

[0007]
 従来の液体吐出ヘッドでは、流路部材とカバー部材とが直接接触していた。そのため、ミクロ的な視点で見ると、流路部材とカバー部材との間に隙間が生じていた。インクミストが、流路部材とカバー部材との隙間に到達した場合、インクミストが隙間に入り込み、加圧領域まで到達してしまう問題があった。インクミストが加圧領域まで到達すると、加圧領域に位置する加圧部に不具合が生じる場合がある。それゆえ、液体吐出ヘッドの封止性を向上させる必要があった。
[0008]
 本開示の液体吐出ヘッドは、液体吐出ヘッドの封止性を向上させるものである。以下、本開示の液体吐出ヘッドおよび記録装置について、詳細に説明する。
[0009]
 図1(a)は、液体吐出ヘッド2を含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタ1(以下で単にプリンタと言うことがある)の概略の側面図である。図1(b)は、概略の平面図である。
[0010]
 プリンタ1は、印刷用紙Pをガイドローラ82Aから搬送ローラ82Bへと搬送する。印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2に対して相対的に移動する。制御部88は、画像や文字のデータに基づいて、液体吐出ヘッド2を制御し、印刷用紙Pに向けて液体を吐出させる。プリンタ1は、印刷用紙Pに液滴を着弾させて、印刷用紙Pに印刷などの記録を行なう。
[0011]
 本形態では、液体吐出ヘッド2はプリンタ1に対して固定されており、プリンタ1はいわゆるラインプリンタである。プリンタ1の他の形態としては、液体吐出ヘッド2を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に往復させるなどして移動させながら記録する動作と、印刷用紙Pの搬送とを交互に行なう、いわゆるシリアルプリンタが挙げられる。
[0012]
 プリンタ1には、印刷用紙Pとほぼ平行となるように平板状のヘッド搭載フレーム70(以下で単にフレームと言うことがある)が固定されている。フレーム70には図示しない複数の孔が設けられており、液体吐出ヘッド2がそれぞれの孔に搭載されている。液体吐出ヘッド2と印刷用紙Pとの間の距離は、例えば0.5~20mm程度とされる。フレーム70で固定された複数の液体吐出ヘッド2は、1つのヘッド群72を構成している。プリンタ1は、複数のヘッド群72を有している。
[0013]
 液体吐出ヘッド2は、図1(a)の手前から奥へ向かう方向、図1(b)の上下方向に細長い長尺形状を有している。1つのヘッド群72内において、3つの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向に沿って並んでいる。他の2つの液体吐出ヘッド2は搬送方向に沿ってずれた位置で、3つの液体吐出ヘッド2の間にそれぞれ一つずつ並んでいる。
[0014]
 4つのヘッド群72は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って配置されている。各液体吐出ヘッド2には、図示しない液体タンクから液体、例えば、インクが供給される。1つのヘッド群72に属する液体吐出ヘッド2には、同じ色のインクが供給されるようになっており、4つのヘッド群72で4色のインクが印刷できる。各ヘッド群72から吐出されるインクの色は、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。このようなインクを、制御部88で制御して印刷すれば、カラー画像が印刷できる。また、印刷用紙Pの表面処理をするために、コーティング剤などの液体を印刷してもよい。
[0015]
 プリンタ1に搭載されている液体吐出ヘッド2の個数は、単色で、1つの液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲を印刷するのなら1つでもよい。ヘッド群72に含まれる液体吐出ヘッド2の個数や、ヘッド群72の個数は、印刷する対象や印刷条件により適宜変更できる。
[0016]
 印刷用紙Pは、使用前において給紙ローラ80Aに巻かれた状態になっており、2つのガイドローラ82Aの間を通った後、複数のフレーム70の下側を通り、2つの搬送ローラ82C,82Dの間を通り、最終的に回収ローラ80Bに回収される。
[0017]
 ここで、印刷対象としては、印刷用紙P以外に、ロール状の布などでもよい。また、プリンタ1は、印刷用紙Pを直接搬送する代わりに、搬送ベルト上に載せて搬送するものであってもよい。さらに、プリンタ1は、搬送ベルトを用いれば、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどを印刷対象とすることができる。また、液体吐出ヘッド2から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。また、液体吐出ヘッド2から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、化学薬品を作製してもよい。
[0018]
 プリンタ1は塗布機83を有している。塗布機83は、制御部88により制御されており、コーディング剤を印刷用紙Pに一様に塗布する。その後、印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2の下へ搬送される。
[0019]
 プリンタ1は、液体吐出ヘッド2を収納するヘッドケース85を有している。ヘッドケース85は、印刷用紙Pが出入りする部分などの一部において外部と繋がっているが、概略、外部と隔離された空間である。ヘッドケース85は、必要に応じて、制御部88等によって、温度、湿度、および気圧等の制御因子(少なくとも1つ)が制御される。
[0020]
 プリンタ1は、ヘッドケース85内に送風機84を有している。送風機84は、ヘッドケース85内の空気を循環させている。送風機84で空気を循環させることにより、ヘッドケース85の内部環境を一定に近づけることができる。
[0021]
 プリンタ1は、乾燥機78を有している。ヘッドケース85から外に出た印刷用紙Pは、2つの搬送ローラ82Cの間を通り、乾燥機78の中を通る。乾燥機78が印刷用紙Pを乾燥することにより、回収ローラ80Bにおいて、重なって巻き取られる印刷用紙P同士が接着したり、未乾燥の液体が擦れることが生じにくい。
[0022]
 プリンタ1は、センサ部77を有している。センサ部77は、位置センサ、速度センサ、温度センサなどにより構成される。制御部88が、センサ部77からの情報から、プリンタ1各部の状態を判断し、プリンタ1の各部を制御してもよい。
[0023]
 プリンタ1は、液体吐出ヘッド2をクリーニングするクリーニング部を備えていてもよい。クリーニング部は、例えば、ワイピングや、キャッピングして洗浄を行なう。ワイピングは、例えば、柔軟性のあるワイパーで、液体が吐出される部位の面、例えば液体吐出ヘッド2の吐出孔面4-1を擦ることで、その面に付着していた液体を取り除く。キャッピングしての洗浄は、例えば、次のように行なう。まず、液体を吐出される部位、例えば吐出孔面4-1を覆うようにキャップを被せる(これをキャッピングと言う)ことで、吐出孔面4-1とキャップとで、ほぼ密閉されて空間が作られる。そのような状態で、液体の吐出を繰り返すことで、ノズル3に詰まっていた、標準状態よりも粘度が高くなっていた液体や、異物等を取り除く。
[0024]
 次に、本発明の液体吐出ヘッド2について説明する。
[0025]
 図2は液体吐出ヘッド2の長手方向に直交する方向の断面図である。ただし、流路部材4およびリザーバ40の内部の流路は省略してある。図3は液体吐出ヘッド2の長手方向に沿った方向の断面図である。ただし、リザーバ40よりも上方に位置するもの、および流路部材4の内部の流路は、一部省略してある。図4は、ヘッド本体2aの拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。なお、図4において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべきマニホールド(共通流路)5、吐出孔8、加圧室10を実線で描いている。図5は図4のV-V線に沿った縦断面図である。
[0026]
 液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aとリザーバ40と筐体90とカバー部材98とを含んでいる。ヘッド本体2aおよびリザーバ40は、いずれも一方方向に長く、互いに沿うように接合されている。ヘッド本体2aは、流路部材4と、圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。リザーバ40は、リザーバ本体41と分岐流路部材51とを含んでいる。筐体90とカバー部材98とは、圧電アクチュエータ基板21を覆っている。
[0027]
 流路部材4は、複数の吐出孔8と、複数の加圧室10と、複数のマニホールド5とを有している。流路部材4は、複数の吐出孔8が形成された吐出孔面4-1を備える。また、吐出孔面4-1の反対に位置する部分の表面である加圧室面4-2を有している。流路部材4において、吐出孔面4-1を下面とすれば、加圧室面4-2は上面である。そして、流路部材4における加圧室面4-2には、圧電アクチュエータ基板21が接合され、加圧室10の開口が圧電アクチュエータ基板21により形成されている。圧電アクチュエータ基板21には、変位素子30が設けられており、信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などの信号伝達部92が接続されている。
[0028]
 リザーバ40は、リザーバ本体41と、分岐流路部材51とが接合されて構成されている。リザーバ本体41は、内部にリザーバ流路42が形成されている。分岐流路部材51は、内部に分岐流路52が形成されている。リザーバ流路42の供給孔42aは外部に向けて開口している。外部から供給された液体は、供給孔42a、リザーバ流路42、分岐流路52をこの順に通って、流路部材4のマニホールド5に供給される。なお、分岐流路52を設けずに、リザーバ流路42を直接マニホールド5に繋げてもよい。
[0029]
 また、流路部材4とリザーバ40とは接合剤で接合されており、加圧部収容部54は略密閉された空間となっている。また、リザーバ40には、加圧部収容部54に繋がるように、上下に貫通する貫通孔44が設けられており、信号伝達部92がその中を通っている。貫通孔44の幅は、例えば、1~2mm程度にされる。
[0030]
 リザーバ本体41には、押圧板96と配線基板94とが固定されている。押圧板96は、断熱性弾性部材97が取り付けられている。配線基板94にはコネクタ95が実装されている。信号伝達部92にはドライバIC55が実装されている、信号伝達部92は、コネクタ95に接続されている。
[0031]
 制御部88から信号ケーブルを介して配線基板94に送られた駆動信号は、コネクタ95を介して信号伝達部92に送られる。信号伝達部92に実装されたドライバIC55は、駆動信号を処理し、処理後の駆動信号は信号伝達部92を通じて、圧電アクチュエータ基板21に送られる。駆動信号は、変位素子30を駆動し、流路部材4の内部の液体を加圧することにより、液滴が吐出される。なお、配線基板94を設けず、制御部88からの信号ケーブルを直接信号伝達部92に接続するようにしてもよい。
[0032]
 信号伝達部92は可撓性を有する帯状のもので、内部に金属の配線を有し、配線の一部は、信号伝達部92の表面に露出しており、露出した配線により、コネクタ95、ドライバIC55および圧電アクチュエータ基板21と電気的に接続される。
[0033]
 ドライバIC55は、上述の駆動信号処理を行なう際に発熱する。ドライバIC55が、押圧板96および断熱性弾性部材97により、信号伝達部92を介して押されて、筐体90に押し当てられている。そのため、発生した熱は主に筐体90に伝わり、さらに筐体90全体に速く広がり、外部に放熱されていく。
[0034]
 押圧板96は、ドライバIC55が取り付けられる際に、湾曲するようになっている。この湾曲が戻る力により、ドライバIC55が筐体90押しあてられる。
[0035]
 筐体90は、箱形状をなしており、下面に開口を有している。言い換えれば、有底の筒状体である。筐体90は、ヘッド本体2aを開口から筒部分に収容することで、ヘッド本体2aを覆うものである。筐体90は、金属、合金、あるいは樹脂により形成できる。
[0036]
 カバー部材98は、流路部材4と筐体90との間に設けられている。カバー部材98は、流路部材4に立設しており、リザーバ40を囲むように設けられている。なお、カバー部材98と筐体90とを別部材により形成した例を示したが、一体的に形成してもよい。
[0037]
 リザーバ40は、流路構造体41aと平板状のプレート41b、dと、ダンパプレート41cとが積層されて構成されている。流路構造体41aは金属や樹脂あるいはセラミックスにより形成することができる。樹脂製であること安価に作製できる。また、プレート40b、dは、樹脂や金属により形成することができるが、樹脂により形成することで、安価にできるとともに、流路構造体41aとの間に膨張係数差が生じにくい。
[0038]
 リザーバ40は、供給孔42aと、リザーバ流路42と、ダンパ46と、フィルタ48とを有している。リザーバ流路42は、リザーバ本体41の長手方向の一端部から他端部まで延在している。リザーバ流路42は、リザーバ40を上下に貫通している。リザーバ流路42がリザーバ本体41を上下に貫通する間にフィルタ48が設けられており、液体中の異物などの通過を抑制する。また、リザーバ流路42の両端には、外部へ開口するリザーバ流路の供給孔42aが1箇所ずつ、計2箇所設けられている。リザーバ流路42は、長さ方向の中央部で、後述の分岐流路52の供給孔(中央流路)42aに繋がっている。
[0039]
 リザーバ流路42の内壁の一部は弾性変形可能な材質のダンパプレート41cで構成されたダンパ46になっている。ダンパ46のリザーバ流路42と反対の面が面する方向に変形できるように開口しているため、ダンパ46は弾性変形することでリザーバ流路42の体積を変化させることができる。そのため、液体吐出量が急激に多くなった場合などに、安定して液体が供給できるようになる。ダンパプレート41cの材質は、例えば、樹脂や金属であり、厚みは5~30μm程度にされる。
[0040]
 分岐流路部材51には、分岐流路52が設けられており、分岐流路52の中央部の供給孔52aは、リザーバ本体41の中のリザーバ流路42の中央部と繋がっている。分岐流路52は、途中で分岐して、流路部材4の中のマニホールド5の開口5aと繋がっている。分岐流路52を設けることにより、液体の供給不足が起り難くできる。
[0041]
 分岐流路部材51は複数の長方形状のプレート51a~51cを積層して構成されている。分岐流路52は、分岐流路52の供給孔52aの直下で長手方向の一方および他方に分岐し、長手方向の端近くで下側に向かい、分岐流路52の流出孔52bで流路部材4のマニホールド5の開口5aに繋がる。
[0042]
 分岐流路部材51の流路部材4に接合されている長尺形状の両端の間に凹部が設けられており、凹部が加圧部収容部54となり、圧電アクチュエータ基板21が収められている。
[0043]
 流路部材4の内部には4つのマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延びる細長い形状を有している。またマニホールド5の両端において、流路部材4の上面にマニホールド5の開口5aが形成されている。マニホールド5は独立して4本設けられており、それぞれ開口5aは分岐流路52に繋がっている。
[0044]
 流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室10は流路部材4の上面である加圧室面4-2に開口している。そして、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面の加圧領域Eに圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されている。
[0045]
 加圧室10は1つのマニホールド5と個別供給流路14を介して繋がっている。1つのマニホールド5に沿うようにして、当該マニホールド5に繋がっている加圧室10により加圧室列11が構成されている。加圧室列11は、マニホールド5の両側に2列ずつ、合計4列設けられている。各加圧室列11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、37.5dpiの間隔となっている。
[0046]
 各加圧室列11の加圧室10は、隣接する加圧室列11の間に角部が位置するように千鳥状に配置されている。1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10により加圧室群が構成されている。各加圧室群内における加圧室10の相対的な配置は同じになっており、各加圧室群は長手方向にわずかにずれて配置されている。
[0047]
 加圧室10の個別供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出孔面4-1に開口している吐出孔8に繋がる部分流路が伸びている。部分流路は、平面視において、加圧室の対角線を延長する方向に伸びている。各加圧室列11において、加圧室10は37.5dpiの間隔で並んでおり、1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は全体として、長手方向に150dpiの間隔になっている。4つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は、長手方向に600dpiに相当する間隔でずれて配置されている。そのため、加圧室10は、全体で長手方向に600dpiの間隔で形成されている。前述のように、吐出孔8の長手方向の間隔も600dpiになっている。
[0048]
 吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置されたマニホールド5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。
[0049]
 流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e~g、カバープレート4hおよびノズルプレート4iである。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートの厚さは10~300μm程度であることにより、形成する孔の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路12およびマニホールド5を構成するように、位置合わせして積層されている。
[0050]
 個別流路12は、マニホールド5と吐出孔8とを接続している。マニホールド5に供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、マニホールド5から上方向に向かって、個別供給流路14を通り、しぼり6の一端部に至る。次に、しぼり6の延在方向に沿って水平に進み、しぼり6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そして個別流路12を進み、吐出孔面4-1に開口した吐出孔8から吐出される。
[0051]
 圧電アクチュエータ基板21は、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21の圧電セラミック層21aの下面から圧電セラミック層21bの上面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10をまたぐように延在している。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料により形成される。
[0052]
 圧電アクチュエータ基板21は、共通電極24と、個別電極25と、接続電極26と、ダミー接続電極27と、表面電極28とを有している。共通電極24は、Ag-Pd系などの金属材料により形成される。共通電極24は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。共通電極24の厚さは2μm程度である。表面電極28は、圧電セラミック層21b上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている。表面電極28に、圧電セラミック層21bに形成されたビアホールを介して繋がっていて、接地され、グランド電位に保持されている。表面電極28は、多数の個別電極25と同様に、信号伝達部92上の別の電極と接続されている。表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2列形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。
[0053]
 個別電極25は、個別電極本体25aと引出電極25bとを有する。個別電極25は、圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置に配置されている。個別電極本体25aは、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している。引出電極25bは、個別電極本体25aから引き出されている。
[0054]
 接続電極26は、引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出されている。接続電極26は例えばガラスフリットを含む銀-パラジウムからなり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。接続電極26は、信号伝達部92に設けられた電極と電気的に接合されている。ダミー接続電極27は、接続電極26が位置しない領域に配置されている。ダミー接続電極御27は、圧電アクチュエータ基板21と信号伝達部92とを接続し、接続強度を高めるとともに、圧電アクチュエータ基板21上で接続される部分の分布を均一化し、接続する際に、接続が安定してできる。
[0055]
 圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および吐出孔8に対応する個別の変位素子30に相当する。変位素子30は、加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する圧電セラミック層(振動板)21a、共通電極24、圧電セラミック層21b、個別電極25により形成されている。変位素子30は、加圧領域Eに収納されている。
[0056]
 複数の個別電極25は、個別に電位を制御することができるように、それぞれが信号伝達部92および配線を介して、個別に制御部88に電気的に接続されている。個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部88により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
[0057]
 本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極24と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極25を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。
[0058]
 図6~8を用いてカバー部材98の封止構造について説明する。図6は液体吐出ヘッド2の概略を示す分解斜視図である。なお、図6は、流路部材4とカバー部材98のみ示している。図7は、図6に示すVII-VII線断面図である。図8は、図6に示すVIII-VIII線断面図である。なお、図7,8は、流路部材4とカバー部材98と封止部材62と、圧電アクチュエータ基板21のみ示している。
[0059]
 流路部材4は、加圧室面4-2のうち加圧領域E外に溝60を有している。溝60は、流路部材4の長手方向に長く形成されている。溝60は、流路部材4を貫通しておらず流路部材4の厚み方向の途中まで設けられている。
[0060]
 カバー部材98は、側板98aと固定部98bとを有している。側板98aは、流路部材4の長手方向に沿って設けられおり、平板状に形成されている。固定部98bは、側板98aから流路部材4に向けて延びている。固定部98bは、第1側面98b1と第2側面98b2とを有する。第1側面98b1は、加圧領域E側に位置する。第2側面98b2は、加圧領域Eと反対側に位置する。固定部98bは、流路部材4の溝60に収容され、溝60と離間した状態で位置している。固定部98bは、封止部材62により流路部材4に固定される。それにより、カバー部材98は、流路部材4に立設されている。流路部材4とカバー部材98とは封止部材62により封止されている。
[0061]
 カバー部材98は、金属、合金、あるいは樹脂により形成できる。流路部材4とカバー部材98との熱膨張差を小さくし、液体吐出ヘッド2の封止性を向上させるため、流路部材4およびカバー部材98を熱膨張係数の近い材質としたり、同じ材質としたりしてもよい。
[0062]
 封止部材62は、固定部98bと溝60との間に位置し、流路部材4とカバー部材98とを封止している。詳細には、封止部材62は、固定部98bと溝60の底面との間に位置している。また、封止部材62は、第1側面98b1と、溝60の第1側面98b1と対向する面との間に位置している。また、封止部材62は、第1側面98b1から加圧室面4-2にわたって位置している。そのため、封止部材62は、溝60の加圧領域E側の縁を覆っている。
[0063]
 さらに、封止部材62は、第2側面98b2と、溝60の第2側面98b2と対向する面との間に位置している。また、封止部材62は、第2側面98b2から加圧室面4-2にわたって位置している。そのため、封止部材62は、溝60の加圧領域Eと反対側の縁を覆っている。
[0064]
 図8に示すように、封止部材62は、固定部98bと溝60との間に位置している。詳細には、封止部材62は、固定部98bと溝60の底面との間に位置している。また、封止部材62は、固定部98bと溝60の長手方向に直交する側面との間に位置している。また、封止部材62は、側板98aと流路部材4との間に位置している。より詳細には、封止部材62は、側板98aの底面と加圧室面4-2との間に位置している。
[0065]
 封止部材62は、固定部98bと溝60との間に間隙64を有している。間隙64は、溝60の底面全体に位置している。
[0066]
 封止部材62としては、エポキシ系の樹脂、あるいはウレタン系の樹脂などにより形成することができる。
[0067]
 封止部材62は、例えば、以下の方法により形成できる。まず、カバー部材98の下方に硬化前の封止部材62を塗布する。より詳細には、側板98aの下側と固定部98bの全域とに付着するように、カバー部材98に硬化前の封止部材62をディップする。次に、カバー部材98の固定部98bが溝60内に収容されるように、流路部材4にカバー部材98を挿入する。そして、封止部材62を硬化することにより形成できる。
[0068]
 なお、溝60内に硬化前の封止部材62を塗布し、カバー部材98を流路部材4に立設した後に、固定部98bを封止するように第1側面98b1および第2側面98b2に硬化前の封止部材62を塗布してもよい。
[0069]
 ここで、流路部材4とカバー部材98とが直接接触していると、ミクロ的な視点で見ると、流路部材4とカバー部材98との間に隙間が生じていた。インクミストが、流路部材4とカバー部材98との隙間に到達した場合、インクミストが隙間に入り込み、加圧領域Eまで到達してしまう。インクミストが加圧領域Eまで到達すると、加圧領域Eに位置する圧電アクチュエータ基板21の個別電極25が短絡してしまう場合がある。
[0070]
 本実施形態の液体吐出ヘッド2は、封止部材62が、固定部98bと溝60との間に位置している。言い換えると、封止部材62が、固定部98bと溝60とが接触しないように間に介在している。すなわち、ミクロ的な視点で見ると、固定部98bと溝60との間に生じる隙間に封止部材62が位置している。
[0071]
 それにより、固定部98bと溝60との間に、流路部材4とカバー部材98とが直接接する界面を有さないこととなる。その結果、インクミストが、封止部材62の内部に侵入した場合においても、インクミストが界面に沿って広がりにくくなる。それゆえ、インクミストが加圧領域Eに侵入しにくくなり、封止性の向上した液体吐出ヘッド2とすることができる。
[0072]
 また、本実施形態の液体吐出ヘッド2は、固定部98bと溝60との間に間隙64が位置してもよい。
[0073]
 上記構成によれば、インクミストが、封止部材62の内部に侵入した場合においても、侵入したインクミストを間隙64に収容することができる。それにより、インクミストが加圧領域Eに侵入しにくくなり、封止性の向上した液体吐出ヘッド2とすることができる。
[0074]
 なお、間隙64は、第1側面98b1と、溝60の第1側面98b1と対向する面との間に位置してもよい。また、間隙64は、第2側面98b2と、溝60の第2側面98b2と対向する面との間に位置してもよい。
[0075]
 また、本実施形態の液体吐出ヘッド2は、封止部材62が、第1側面98b1から加圧室面4-2にわたって位置していてもよい。
[0076]
 上記構成によれば、溝60の加圧領域E側の縁を封止部材62により覆うことができる。その結果、溝60の内部に侵入したインクミストは、溝の加圧領域E側の縁に位置する封止部材62の存在により、加圧領域Eに到達しにくくなる。その結果、封止性の向上した液体吐出ヘッド2とすることができる。
[0077]
 また、本実施形態の液体吐出ヘッド2は、封止部材62が、側板98aと流路部材4との間に位置していてもよい。
[0078]
 上記構成によれば、側板98aと流路部材4との間にも、流路部材4とカバー部材98とが直接接する界面を有さない構成となる。その結果、インクミストが、封止部材62の内部に侵入した場合においても、インクミストが界面に沿って広がりにくくなる。それゆえ、インクミストが加圧領域Eに侵入しにくくなり、封止性の向上した液体吐出ヘッド2とすることができる。
[0079]
 続いて、他の液体吐出ヘッドの実施形態について、図9~11を用いて説明する。図9,10に示す液体吐出ヘッド202,302は、基本構造は図1~8で示したものと同じであるが、封止部材262、362の構造が異なっている。また、図11に示す液体吐出ヘッド402は、撥水膜464を有する点で異なる。なお、同じ部位については、同じ符号を付けて、説明を省略する。
[0080]
 図9の液体吐出ヘッド202に示すように、固定部98bの溝60内の位置が液体吐出ヘッド2と異なっていてもよい。具体的には、第1側面98b1と溝60の第1側面98b1と対向する面との距離が、第2側面98b2と溝60の第2側面98b2と対向する面との距離よりも短くしてもよい。言い換えると、固定部98bが、溝60の加圧領域E側によって位置していてもよい。それにより、第2側面98b2側に位置する封止部材262の体積が、第2側面98b2側に位置する封止部材262の体積よりも少なくすることができる。
[0081]
 上記構成によれば、第1側面98b1に位置する封止部材262に生じる応力を、第2側面98b2に位置する封止部材262に生じる応力よりも小さくすることができる。それにより、第1側面98b1に位置する封止部材262が剥離しにくくなり、封止性の向上した液体吐出ヘッド202とすることができる。
[0082]
 また、第2側面98b2と溝60の第2側面98b2と対向する面との間に位置する封止部材262の体積を多くすることができ、外部からインクミストが、加圧領域Eに侵入しにくくなる。
[0083]
 また、第1側面98b1側に位置する封止部材262の加圧室面4-2からの高さが、第2側面98b2側に位置する封止部材262の加圧室面4-2からの高さよりも高くてよい。
[0084]
 上記構成によれば、カバー部材98に外力が生じた場合においても、カバー部材98が加圧領域Eに向けて倒れにくくなる。その結果、加圧領域Eが破損する可能性を低減することができる。
[0085]
 なお、固定部98bと溝との距離は、例えば、液体吐出ヘッド202の長手方向に直交する方向に切断し、破断面から測定できる。第1側面98b1側に位置する封止部材262の加圧室面4-2からの高さにおいても同様である。
[0086]
 また、図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、液体吐出ヘッド2が収容されるヘッドケース85と、ヘッドケース85内に位置し、ヘッドケース85内を送風する送風機84を有していてもよい。
[0087]
 上記構成によれば、送風機84でヘッドケース85内の空気を循環させることにより、ヘッドケース85の内部環境を一定に近づけることができる。それにより、精細な印画を行うことができる。なお、送風機84を起動させることにより、ヘッドケース85内にインクミストが浮遊しやすくなるが、本実施形態の液体吐出ヘッド2は、インクミストに対して封止性が向上しているため、インクミストが加圧領域Eまで到達しにくい構成となっている。
[0088]
 なお、本実施例では、加圧部として圧電変形を用いた変位素子30を示したが、これに限られるものでなく、加圧室10中の液体を加圧できるものなら他のものでよく、例えば、加圧室10中の液体を加熱して沸騰させて圧力を生じさせるものや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたものでもよい。
[0089]
 続いて図10を用いて他の実施形態について説明する。液体吐出ヘッド302は、第2封止部材362が、液体吐出ヘッド202と異なっている。
[0090]
 液体吐出ヘッド302は、第1封止部材262と、第2封止部材362とを有している。第1封止部材262は、液体吐出ヘッド202の封止部材262と同様のため説明を省略する。
[0091]
 第2封止部材362は、第2側面98b2側の第1封止部材262上に位置している。第2封止部材362は、第1封止部材262と異なる材料により形成されている。例えば、第1封止部材262をエポキシ系の樹脂により形成した場合、第2封止部材362をウレタン系の樹脂により形成すればよい。また、第1封止部材262をウレタン系の樹脂により形成した場合、第2封止部材362をエポキシ系の樹脂により形成してもよい。それにより、異なる組成のインクミストが、第1封止部材262および第2封止部材362に到達したとしても、破壊される可能性を低減できる。
[0092]
 本実施形態の液体吐出ヘッド302は、第2側面98b2側の第2封止部材362の高さが、第1側面98b1側の第1封止部材262の高さよりも高くてもよい。
[0093]
 上記構成によれば、第2側面98b2側に位置する第2封止部材362の量および第1封止部材262の量が、第1側面98b1側の第1封止部材262の量よりも多くできる。それにより、インクミストが、加圧領域Eまでさらに到達しにくくなり、液体吐出ヘッド302の封止性を向上できる。
[0094]
 第1封止部材262および第2封止部材362は、例えば、以下の方法により形成できる。前述したように、硬化前の第1封止部材262をディップにより形成し、第1封止部材262を乾燥させる。次に、硬化前の第2封止部材362を第2側面98b2側に塗布する。そして、第1封止部材262および第2封止部材362を同時に硬化することにより作製できる。なお、第1封止部材262を硬化した後に、第2封止部材362を塗布、硬化してもよい。
[0095]
 図11を用いて他の実施形態について説明する。液体吐出ヘッド302は、第2封止部材262上に撥水膜464を有する点で、液体吐出ヘッド202と異なっている。
[0096]
 撥水膜464は、第2封止部材262上に位置している。より詳細には、撥水膜464は、第2側面98b2上、側板98a上、加圧室面4-2上、および流路部材4の側面上に位置している。
[0097]
 撥水膜464は、第2封止部材262よりもインクに対する撥水性が大きい。それにより、撥水膜464は、第2封止部材262よりもインクが染み込みにくくなる。撥水膜464は、例えば、UV硬化型の樹脂を用いることができる。撥水膜464をUV硬化撥水膜により形成する場合は、第2封止部材262を硬化させた液体吐出ヘッド402に対して、刷毛やワイパーや筆を用いて塗布し、紫外線を照射して硬化すればよい。なお、インクに対する撥水性は、例えば、接触角計を用いて静的接触角あるいは動的接触角を測定することにより確認できる。
[0098]
 ここで、第2側面98b2側に位置する第2封止部材262は、外部にさらされているため、インクあるいはインクミストからの影響を受けやすい。そして、インクが、第2封止部材262に侵入すると第2封止部材262が劣化する場合がある。
[0099]
 これに対して、本実施形態の液体吐出ヘッド402は、第2封止部材262上に撥水膜464を有している。それにより、インクあるいはインクミストが撥水膜464に接触したとしても撥水膜464により弾かれることとなる。その結果、インクあるいはインクミストは、第2封止部材262に染み込みにくくなり、第2封止部材262が劣化しにくい。
[0100]
 また、撥水膜464は、第2封止部材262上からカバー部材98上まで延びていてもよい。それにより、撥水膜464が、第2封止部材262とカバー部材98との界面上に位置することとなり、第2封止部材262とカバー部材98との界面から腐食が生じにくくなる。なお、撥水膜464は、カバー部材98の全面にわたって位置していてもよい。その場合、さらに撥水性が向上する。
[0101]
 また、撥水膜464は、第2封止部材262上から加圧室面4-2上まで延びていてもよい。それにより、撥水膜464が、第2封止部材262と加圧室面4-2との界面上に位置することとなり、第2封止部材262と加圧室面4-2との界面から腐食が生じにくくなる。
[0102]
 また、撥水膜464は、流路部材4の側面上まで延びていてもよい。それにより、流路部材4の側面の撥水性が向上する。なお、撥水膜464は、流路部材4の側面の全面にわたって位置していてもよい。その場合、さらに撥水性が向上する。

符号の説明

[0103]
 1・・・プリンタ
 2・・・液体吐出ヘッド
 2a・・・ヘッド本体
 4・・・流路部材
  4-1・・・吐出孔面
  4-2・・・加圧室面
 5・・・マニホールド(共通流路)
 6・・・しぼり
 8・・・吐出孔
 10・・・加圧室
 12・・・個別流路
 14・・・個別供給流路
 21・・・圧電アクチュエータ基板
  21a・・・圧電セラミック層(振動板)
  21b・・・圧電セラミック層
 24・・・共通電極
 25・・・個別電極
 26・・・接続電極
 27・・・ダミー接続電極
 28・・・表面電極
 30・・・変位素子(加圧部)
 40・・・リザーバ
 41・・・リザーバ本体
 42・・・リザーバ流路
 51・・・分岐流路部材
 52・・・分岐流路
 60・・・溝
 62、262,362・・・封止部材
 64・・・間隙
 90・・・筐体
 92・・・信号伝達部
 98・・・カバー部材
  98a・・・側板
  98b・・・固定部
   98b1・・・第1側板
   98b2・・・第2側板

請求の範囲

[請求項1]
 吐出孔、前記吐出孔と繋がっている加圧室、前記吐出孔側に位置する吐出孔面、前記加圧室側に位置する加圧室面、を有する流路部材と、
 前記加圧室面の加圧領域に位置する加圧部と、
 前記流路部材に立設したカバー部材と、
 前記カバー部材と前記流路部材とを封止する封止部材と、を有し、
 前記流路部材は、前記加圧室面のうち前記加圧領域外に位置する溝を有しており、
 前記カバー部材は、前記溝に位置しており、
 前記封止部材が、前記カバー部材における前記溝内に位置する固定部と、前記溝との間に位置する、液体吐出ヘッド。
[請求項2]
 封止部材は、前記固定部と前記溝との間に、間隙が位置する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項3]
 前記固定部が、前記加圧領域側に位置する第1側面と、前記加圧部と反対側に位置する第2側面と、を有し、
 断面視して、
 前記第1側面と前記溝の前記第1側面と対向する側面との距離が、前記第2側面と前記溝の前記第2側面と対向する側面との距離よりも短い、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項4]
 前記封止部材が、前記第1側面から前記加圧室面にわたって位置している、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項5]
 前記封止部材が、前記第2側面から前記加圧室にわたって位置しており、
 断面視して、
 前記第2側面側に位置する前記封止部材の前記加圧室面からの高さが、前記第1側面側に位置する前記封止部材の前記加圧室面からの高さよりも高い、請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項6]
 前記封止部材上に撥水膜を有する、請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項7]
 前記撥水膜は、前記封止部材上から前記カバー部材上まで延びている、請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項8]
 前記撥水膜は、前記封止部材上から前記加圧室面まで延びている、請求項6または7に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項9]
 前記流路部材は、前記吐出孔面と前記加圧室面とを接続する側面を有しており、
 前記撥水膜は、前記側面まで延びている、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項10]
 前記カバー部材が、側板と、前記側板から前記流路部材に向けて延びる前記固定部と、を有しており、
 前記封止部材が、前記側板と前記流路部材との間に位置している、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
[請求項11]
 請求項1~9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、
 印刷用紙を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、
 前記液体吐出ヘッドを制御する制御部と、を備えている記録装置。
[請求項12]
 請求項1~9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、
 前記液体吐出ヘッドが収納されるヘッドケースと、
 前記ヘッドケース内に位置し、ヘッドケース内を送風する送風機と、を備えている記録装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]