Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2020110873 - COLORED PHOTOSENSITIVE COMPOSITION, FILM, COLOR FILTER, SOLID STATE IMAGE SENSING ELEMENT, AND IMAGE DISPLAY DEVICE

Document

明 細 書

発明の名称 着色感光性組成物、膜、カラーフィルタ、固体撮像素子および画像表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264  

実施例

0265   0266   0267   0268   0269   0270   0271   0272   0273   0274   0275   0276   0277   0278   0279   0280   0281   0282   0283   0284   0285   0286   0287   0288   0289   0290   0291   0292   0293   0294   0295   0296   0297   0298   0299   0300   0301   0302   0303   0304  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 着色感光性組成物、膜、カラーフィルタ、固体撮像素子および画像表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、顔料を含む着色感光性組成物に関する。また、本発明は、着色感光性組成物から形成された膜、カラーフィルタ、固体撮像素子および画像表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、電荷結合素子(CCD)イメージセンサなどの固体撮像素子の需要が大きく伸びている。ディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタ、赤外線カットフィルタ等が使用されている。
[0003]
 カラーフィルタ、または、赤外線カットフィルタは、着色剤と重合性化合物とを含む着色感光性組成物を用いて製造されている。また、一般的に着色剤として顔料を用いた場合、分散剤などを用いて着色感光性組成物中に顔料を分散させている。
[0004]
 特許文献1には、所定のトリアジン化合物と顔料とを有機溶剤中にて分散させて製造した顔料分散組成物と、酸性基を有するバインダーポリマーと、エチレン性不飽和二重結合を二個以上有する多官能モノマーと、光重合開始剤とを含有する着色感光性組成物に関する発明が開示されている。
 また、特許文献2には、特定の構造のアゾ色素を含有することを特徴とする顔料分散剤が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2003-081972号公報
特許文献2 : 特開2000-239554号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 着色感光性組成物を用いて形成される膜に関し、支持体との密着性と、得られる膜のコントラストとの両立について、更なる向上が望まれている。
 なお、特許文献1には、顔料分散後の組成物の分散安定性についての検討がなされているが、支持体との密着性については何ら検討がなされておらず、また、得られる膜のコントラストについては更なる向上の余地があった。
 また、特許文献2には、得られる膜のコントラストを向上することについて記載されているが、支持体との密着性については何ら検討がなされていない。
[0007]
 よって、本発明の目的は、支持体との密着性と、得られる膜のコントラストとの両立に優れた膜を形成できる着色感光性組成物を提供することである。また、上記着色感光性組成物から形成された膜、カラーフィルタ、固体撮像素子および画像表示装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者の検討によれば、以下の構成とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は以下を提供する。
<1> 波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1以下である顔料誘導体A1と、
 波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1を超える顔料誘導体A2と、
 顔料と、
 重合性化合物と、
 光重合開始剤と、を含む
 着色感光性組成物。
<2> 上記顔料誘導体A1、および、上記顔料誘導体A2の総質量に対する、上記顔料誘導体A1の含有量が50~90質量%である、<1>に記載の着色感光性組成物。
<3> 上記顔料100質量部に対し、上記顔料誘導体A1、および、上記顔料誘導体A2の総含有量が1~30質量部である、<1>または<2>に記載の着色感光性組成物。
<4> 上記顔料誘導体A1が、下記式(1)により表される化合物を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
 A -L -Z    ・・・(1)
 式(1)中、A は芳香族環を含む基を表し、
 L は、単結合または2価の連結基を表し、
 Z は、下記式(Z1)により表される基を表す;
[化1]


 式(Z1)中、*は結合手を表し、
 Yz は-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Lz は、単結合または2価の連結基を表し、
 Rz およびRz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Rz とRz は2価の基を介して結合して環を形成していてもよく、
 mは1~5の整数を表す。
<5> 上記式(Z1)により表される基が、下記式(Z2)により表される基である、<4>に記載の着色感光性組成物。
[化2]


 式(Z2)中、*は結合手を表し、
 Yz およびYz は、それぞれ独立して-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Lz およびLz は、それぞれ独立して2価の連結基を表し、
 Rz ~Rz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Rz とRz 、および、Rz とRz は、それぞれ2価の基を介して結合して環を形成していてもよい。
<6> 上記顔料誘導体A2が、色素部分構造を有する化合物を含み、上記色素部分構造が、ベンズイミダゾロン色素、ベンズイミダゾリノン色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、アントラキノン色素、ジケトピロロピロール色素、キナクリドン色素、アゾ色素、イソインドリノン色素、イソインドリン色素、ジオキサジン色素、ペリレン色素、および、チオインジゴ色素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の色素を由来とする部分構造を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
<7> 上記顔料誘導体A2が、下記式(Pg-1)~下記式(Pg-10)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
[化3]


 式(Pg-1)~式(Pg-10)中、破線部は他の構造との結合部位を表す。
<8> 上記顔料が、ハロゲン化フタロシアニンを含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
<9> 上記光重合開始剤が、オキシム化合物を含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
<10> 上記光重合開始剤の波長365nmにおけるモル吸光係数が、3,000L・mol -1・cm -1以上である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
<11> 樹脂である分散剤を更に含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
<12> 酸基を有する樹脂を更に含む、<1>~<11>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物。
<13> <1>~<12>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物から形成された膜。
<14> <1>~<12>のいずれか1つに記載の着色感光性組成物から形成されたカラーフィルタ。
<15> <13>に記載の膜を含む固体撮像素子。
<16> <13>に記載の膜を含む画像表示装置。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、支持体との密着性に優れた膜を形成できる着色感光性組成物が提供される。また、上記着色感光性組成物から形成された膜、カラーフィルタ、固体撮像素子および画像表示装置が提供される。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
 本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
 本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
 本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
 本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
 本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
 本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値である。
 本明細書において、近赤外線とは、波長700~2,500nmの光をいう。
 本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
 本明細書において、顔料とは、溶剤に対して溶解しにくい化合物を意味する。例えば、顔料は、23℃の水100gおよび23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度がいずれも0.1g以下であることが好ましく、0.01g以下であることがより好ましい。
 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
 本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。また、特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
 本明細書において、特段の記載がない限り、構造式中の波線部または*(アスタリスク)は他の構造との結合部位を表す。
 本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
[0011]
(着色感光性組成物)
 本発明の着色感光性組成物は、
 波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1以下である顔料誘導体A1(以下、「無色顔料誘導体A1」ともいう。)と、
 波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1を超える顔料誘導体A2(以下、「有色顔料誘導体A2」ともいう。)と、
 顔料と、
 重合性化合物と、
 光重合開始剤と、を含む。
[0012]
 本発明の着色感光性組成物によれば、支持体との密着性と、得られる膜のコントラストとの両立に優れた膜が得られる。上記効果が得られる理由としては、下記のように推測される。
[0013]
 本発明の着色感光性組成物は、光重合開始剤を含む。一般的に光重合開始剤は光分解性の高い化合物であるため、着色感光性組成物の保管時などにおいても光重合開始剤の分解反応が進行して光重合開始剤の性能が失活し易いと推測される。
 特に、着色感光性組成物には顔料の他に、顔料の分散等を目的として顔料誘導体が用いられる場合がある。上記顔料誘導体として波長400~700nmの範囲に吸収を有する化合物のみを含む場合においては、このような化合物が増感剤として作用するため、光重合開始剤の性能がより失活し易いと推測される。
 本発明の着色感光性組成物は、顔料誘導体として波長400~700nmの範囲に吸収を有する上記化合物以外に無色顔料誘導体A1を併用している。そのため、所望量の顔料誘導体を配合しつつ、上記化合物による増感作用が抑えられ、着色感光性組成物中の光重合開始剤の性能失活が抑制されると推測される。上記失活の抑制により、着色感光性組成物の感光性が向上する等の理由から、着色感光性組成物の硬化時には膜深部(膜の支持体側)まで硬化されやすく、密着性に優れた膜が形成されると考えられる。
 また、顔料誘導体として、無色顔料誘導体のみを用いた場合には、得られる膜のコントラストが低くなる場合がある。これは、膜において顔料の間に無色顔料誘導体が存在することにより、有色顔料誘導体を含む場合と比較して、膜における可視光の吸収性が低下するためであると考えられる。本発明の着色感光性組成物は、顔料誘導体として有色顔料誘導体A2を含む。上記有色顔料誘導体A2により、上述の可視光の吸収が補われるため、コントラストに優れた膜が得られると考えられる。
 すなわち、本発明の着色感光性組成物は、無色顔料誘導体A1および有色顔料誘導体A2を含むことにより、上記密着性および上記コントラストの両方を良好に維持したまま、顔料誘導体の濃度を増加させることができるため、分散性にも優れやすいと考えられる。
 また、本発明の着色感光性組成物は、上述の光重合開始剤の分解が抑制されるため、着色感光性組成物の保存安定性にも優れやすいと考えられる。
[0014]
 本発明の着色感光性組成物は、カラーフィルタ、近赤外線透過フィルタ、近赤外線カットフィルタ、ブラックマトリクス、遮光膜、屈折率調整膜、マイクロレンズなどに用いることができる。
[0015]
 カラーフィルタとしては、特定の波長の光を透過させる着色画素を有するフィルタが挙げられ、赤色画素、青色画素、緑色画素、黄色画素、シアン色画素およびマゼンタ色画素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の着色画素を有するフィルタであることが好ましい。
 カラーフィルタは、有彩色顔料を含む着色感光性組成物を用いて形成することができる。
[0016]
 近赤外線カットフィルタとしては、極大吸収波長を波長700~1,800nmの範囲に有するフィルタが挙げられる。近赤外線カットフィルタは、極大吸収波長を波長700~1,300nmの範囲に有するフィルタであることが好ましく、波長700~1,000nmの範囲に有するフィルタであることがより好ましい。
 また、近赤外線カットフィルタの波長400~650nmの全範囲での透過率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、波長700~1,800nmの範囲の少なくとも1点での透過率は20%以下であることが好ましい。
 また、近赤外線カットフィルタの極大吸収波長における吸光度Amaxと、波長550nmにおける吸光度A550との比である吸光度Amax/吸光度A550は、20~500であることが好ましく、50~500であることがより好ましく、70~450であることが更に好ましく、100~400であることが特に好ましい。
 近赤外線カットフィルタは、近赤外線吸収顔料を含む着色感光性組成物を用いて形成することができる。
[0017]
 近赤外線透過フィルタは、近赤外線の少なくとも一部を透過させるフィルタである。近赤外線透過フィルタは、可視光と近赤外線のいずれも透過させるフィルタ(透明膜)であってもよく、可視光の少なくとも一部を遮光し、近赤外線の少なくとも一部を透過させるフィルタであってもよい。近赤外線透過フィルタとしては、波長400~640nmの範囲における透過率の最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、波長1,100~1,300nmの範囲における透過率の最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)である分光特性を満たしているフィルタなどが好ましく挙げられる。
 近赤外線透過フィルタは、以下の(1)~(4)のいずれかの分光特性を満たしているフィルタであることが好ましい。
 (1):波長400~640nmの範囲における透過率の最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、波長800~1,300nmの範囲における透過率の最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ。
 (2):波長400~750nmの範囲における透過率の最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、波長900~1,300nmの範囲における透過率の最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ。
 (3):波長400~830nmの範囲における透過率の最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、波長1,000~1,300nmの範囲における透過率の最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ。
 (4):波長400~950nmの範囲における透過率の最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、波長1,100~1,300nmの範囲における透過率の最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ。
[0018]
 本発明の着色感光性組成物は、カラーフィルタ用の着色感光性組成物として好ましく用いることができる。具体的には、カラーフィルタの画素形成用の着色感光性組成物として好ましく用いることができ、固体撮像素子に用いられるカラーフィルタの画素形成用の着色感光性組成物としてより好ましく用いることができる。
 また、本発明の着色感光性組成物は、カラーフィルタの緑色画素形成用の硬化性組成物として好ましく用いることができる。
 また、本発明の着色感光性組成物は、カラーマイクロレンズの形成用の組成物として用いることもできる。カラーマイクロレンズの製造方法としては、特開2018-010162号公報に記載された方法などが挙げられる。
[0019]
 以下、本発明の着色感光性組成物に用いられる各成分について説明する。
[0020]
<無色顔料誘導体A1>
 本発明の着色感光性組成物は、波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1以下である顔料誘導体A1(無色顔料誘導体A1)を含む。
 無色顔料誘導体A1の波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値は、得られる膜と支持体との密着性の観点からは、1,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、500L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。最小値は特に限定されないが、0L・mol -1・cm -1以上とすることができる。
 本明細書において、無色顔料誘導体A1のモル吸光係数の値は後述する実施例に記載の方法にて測定した値である。
[0021]
〔化合物(1)〕
 無色顔料誘導体A1は、下記式(1)により表される化合物(「化合物(1)」ともいう)であることが好ましい。
 A -L -Z    ・・・(1)
 式(1)中、A は芳香族環を含む基を表し、
 L は、単結合または2価の連結基を表し、
 Z は、下記式(Z1)により表される基を表す。
[化4]


 式(Z1)中、*は結合手を表し、
 Yz は-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Lz は、単結合または2価の連結基を表し、
 Rz およびRz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Rz とRz は2価の基を介して結合して環を形成していてもよく、
 mは1~5の整数を表す。
[0022]
-A
 式(1)において、A は芳香族環を含む基を表す。芳香族環としては、芳香族炭化水素環であってもよく、芳香族複素環であってもよい。また、芳香族環は、単環であってもよく縮合環であってもよい。
 A が表す基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ペリレン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾリン環、ピリジン環、トリアゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、キナゾリン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、インドール環、イソインドール環、トリアジン環、ピロール環、カルバゾール環、ベンゾイミダゾリノン環、フタルイミド環、フタロシアニン環、アントラキノン環、ジケトピロロピロール環、イソインドリノン環、イソインドリン環およびキナクリドン環よりなる群から選ばれる芳香族環を含む基;これらの芳香族環を含む縮合環を含む基などが挙げられる。上記の縮合環は芳香族環であってもよく、非芳香族環であってもよいが、芳香族環であることが好ましい。
 また、A におけるL との結合位置における原子は、A に含まれる芳香族環または縮合環に含まれる環員である原子が好ましく、A に含まれる芳香族環または縮合環に含まれる環員である炭素原子がより好ましい。
[0023]
 また、A が表す基は上記の芳香族環または縮合環を1個のみ有する基であってもよいが、芳香族環が多い方がπ-π相互作用により、顔料吸着性が向上して組成物の保存安定性を向上させ易いという理由からは、これらの環を2個以上有していることが好ましい。
 A が2個以上の環を含む場合、これらの環は単結合、-O-、-NR -、アミド結合、-S-、―C(=O)―、エステル結合、ウレア結合、イミド結合等により結合されていることが好ましい。上記R は水素原子または炭化水素基を表し、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
 R が表す炭化水素基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~12が更に好ましい。R が表す炭化水素基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
 R が表すアルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、これらを2以上組み合わせた構造であってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
 R が表すアルケニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がより好ましく、2~8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、これらを2以上組み合わせた構造であってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R が表すアルケニル基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
 R が表すアルキニル基の炭素数は、2~40が好ましく、2~30がより好ましく、2~25が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、これらを2以上組み合わせた構造であってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R が表すアルキニル基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
 R が表すアリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。R が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
[0024]
 A が表す基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
[0025]
 A が表す基は、着色感光性組成物中における顔料の分散性を向上する観点、または、着色感光性組成物の保存安定性を向上する観点からは、本発明の着色感光性組成物に含まれる顔料と相互作用し易い構造または顔料に類似した構造を有する基であることが好ましい。また、A が表す基は、本発明の効果がより顕著に得られやすいという理由から芳香族複素環を含む基であることが好ましく、含窒素芳香族複素環を含む基であることがより好ましく、トリアジン環を含む基であることが更に好ましく、下記式(A1)により表される基であることが特に好ましい。
[化5]


 式(A1)中、*は結合手を表し、
 Ya およびYa は、それぞれ独立して-N(Ra )-または-O-を表し、
 Ra は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 B およびB は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。
[0026]
 式(A1)においてYa およびYa は、それぞれ独立して-N(Ra )-または-O-を表し、本発明の効果がより顕著に得られやすいという理由から-N(Ra )-であることが好ましい。
[0027]
 Ra は、水素原子または炭化水素基を表し、Ra の好ましい態様は、上述のR における好ましい態様と同様である。
[0028]
 式(A1)においてB およびB は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。置換基としては後述する置換基Tが挙げられ、アルキル基、アリール基または複素環基が好ましく、アリール基または複素環基がより好ましく、顔料吸着性を高めて組成物の保存安定性を向上させ易いという理由からアリール基が更に好ましい。
 B およびB が表すアルキル基、アリール基および複素環基は更に置換基を有していてもよい。更なる置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1~30のアルキル基)、フルオロアルキル基(好ましくは炭素数1~30のフルオロアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~30のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~30のアルキニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6~30のアリール基)、アミノ基(好ましくは炭素数0~30のアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~30のアルコキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6~30のアリールオキシ基)、ヘテロアリールオキシ基、アシル基(好ましくは炭素数1~30のアシル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~30のアルコキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7~30のアリールオキシカルボニル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~30のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2~30のアシルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2~30のアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7~30のアリールオキシカルボニルアミノ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0~30のスルファモイル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1~30のカルバモイル基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~30のアルキルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6~30のアリールチオ基)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1~30のヘテロアリールチオ基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1~30のアルキルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6~30のアリールスルホニル基)、ヘテロアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1~30のヘテロアリールスルホニル基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1~30のアルキルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6~30のアリールスルフィニル基)、ヘテロアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1~30のヘテロアリールスルフィニル基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1~30のウレイド基)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1~30のリン酸アミド基)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルスルフィノ基、アリールスルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基などが挙げられ、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、アルケニル基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、ニトロ基が好ましい。
 B およびB が表すアルキル基、アリール基および複素環基は、上述したさらなる置換基を有さないことも好ましい。
[0029]
<<置換基T>>
 置換基Tとしては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、-ORt 、-CORt 、-COORt 、-OCORt 、-NRt Rt 、-NHCORt 、-CONRt Rt 、-NHCONRt Rt 、-NHCOORt 、-SRt 、-SO Rt 、-SO ORt 、-NHSO Rt または-SO NRt Rt が挙げられる。Rt およびRt は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。Rt とRt が結合して環を形成してもよい。
[0030]
 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
 アルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。
 アルケニル基の炭素数は、2~30が好ましく、2~12がより好ましく、2~8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。
 アルキニル基の炭素数は、2~30が好ましく、2~25がより好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。
 アリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。
 複素環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。複素環基は、単環または縮合数が2~4の縮合環が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。
 アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基および複素環基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基Tで説明した置換基が挙げられる。
[0031]
 A の具体例としては下記構造の基が挙げられる。以下の構造式中、Meはメチル基を表し、波線部はL との結合部位を表す。
[化6]


[化7]


[化8]


[0032]
-L
 式(1)において、L は単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基が好ましい。L が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、-O-、-N(R L1)-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、-SO -およびこれらを2以上組み合わせた基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましく、1~5が特に好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、これらを2以上組み合わせた構造であってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。アリーレン基の炭素数は6~30が好ましく、6~15がより好ましい。アリーレン基はフェニレン基であることが好ましい。
L1は、水素原子または炭化水素基を表し、R L1の好ましい態様は、上述のR における好ましい態様と同様である。
[0033]
 L が表す2価の連結基としては、下記式(L1)により表される基であることが好ましい。
 * -L 1A-L 1B-L 1C-*    ・・・(L1)
 式中、L 1AおよびL 1Cはそれぞれ独立して、-O-、-N(R L1)-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、または、-SO -を表し、L 1Bは、単結合または2価の連結基を表し、* は式(1)におけるA との結合部位を、* は式(1)におけるZ との結合部位をそれぞれ表す。
[0034]
 L 1Bが表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン基とアリーレン基とを単結合または-O-、-N(R L1)-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、-SO -およびこれらを2以上組み合わせた基よりなる群から選ばれた基を介して結合した基、アルキレン基同士またはアリーレン基同士を-O-、-N(R L1)-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、-SO -およびこれらを2以上組み合わせた基よりなる群から選ばれた基を介して結合した基などが挙げられる。
[0035]
 式(1)により表される化合物において、A が式(A1)により表される基である場合、L 1Aは-N(R L1)-であることが好ましく、L 1Aは-N(R L1)-であり、かつ、L 1BにおけるL 1Aとの結合部位がアリーレン基であることがより好ましい。
 また、L 1Cは-N(R L1)-、-NHCO-または-CONH-であることが好ましい。
[0036]
 L の具体例としては下記構造の基が挙げられる。下記構造において、紙面左側の波線部がA との結合部位であり、紙面右側の波線部がZ との結合部位である。
[化9]


[0037]
-Z
<<式Z1>>
 式(1)において、Z は下記式(Z1)により表される基を表す。
[化10]


 式中、*は結合手を表し、
 Yz は-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Lz は、単結合または2価の連結基を表し、
 Rz およびRz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Rz とRz は2価の基を介して結合して環を形成していてもよく、
 mは1~5の整数を表す。
[0038]
 式(Z1)において、Yz は-N(Ry )-または-O-を表し、耐久性を向上させ易いという理由から-N(Ry )-であることが好ましい。
[0039]
 Ry は、水素原子または炭化水素基を表し、Ry の好ましい態様は、上述のR における好ましい態様と同様である。
[0040]
 式(Z1)において、Lz が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、-O-、-N(R L1)-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、-SO -およびこれらを2以上組み合わせた基が挙げられ、アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましく、1~5が特に好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
[0041]
 式(Z1)において、Rz およびRz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基であることが好ましく、アルキル基またはアリール基であることがより好ましく、アルキル基であることがさらに好ましい。炭化水素基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~12が更に好ましい。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましく、1または2が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アルケニル基の炭素数は、2~10が好ましく、2~8がより好ましく、2~5が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アルキニル基の炭素数は、2~10が好ましく、2~8がより好ましく、2~5が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。
 Rz が炭化水素基を表す場合、上記炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。
 Rz が炭化水素基を表す場合、上記炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。
 mが2以上の場合、2以上のRz は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
 mが2以上の場合、2以上のRz は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
[0042]
 式(Z1)において、Rz とRz は2価の基を介して結合して環を形成していてもよい。形成される環としては5員環または6員環が好ましい。2価の基としては、-CH -、-O-、-SO -が挙げられる。Rz とRz とが2価の基を介して形成される環の具体例としては以下が挙げられる。
[化11]


[0043]
 式(Z1)において、mは1~5の整数を表し、1~4が好ましく、1~3がより好ましく、2~3が更に好ましく、2が特に好ましい。
[0044]
<<式Z2>>
 式(1)において、Z は、下記式(Z2)により表される基であることが好ましい。
[化12]


 式中、*は結合手を表し、
 Yz およびYz は、それぞれ独立して-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子または炭化水素基を表し、
 Lz およびLz は、それぞれ独立して2価の連結基を表し、
 Rz ~Rz は、それぞれ独立して水素原子または炭化水素基を表し、
 Rz とRz 、および、Rz とRz は、それぞれ2価の基を介して結合して環を形成していてもよい。
[0045]
 式(Z2)のYz およびYz は、式(Z1)のYz と同義であり、好ましい範囲も同様である。Ry は、水素原子または炭化水素基を表し、Ry の好ましい態様は、上述のR における好ましい態様と同様である。
[0046]
 式(Z2)のLz およびLz は、式(Z1)のLz と同義であり、好ましい範囲も同様である。式(Z2)のRz ~Rz は、式(Z1)のRz とRz と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[0047]
 Z の具体例としては下記構造の基が挙げられる。以下の構造式中、Phはフェニル基を表す。構造式中の括弧の添え字は繰り返し数を表す。
[化13]


[0048]
 本発明の着色感光性組成物に用いられる化合物(1)、すなわち、無色顔料誘導体A1であって、上記の式(1)により表される化合物は、下記式(2)により表される化合物であることが好ましい。このような化合物を用いることにより、本発明の効果がより顕著に得られる。
 A -X -L -X -Z    ・・・(2)
 式(2)中、A は芳香族環を含む基を表し、
 X およびX は、それぞれ独立して単結合、-O-、-N(R )-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、または、-SO -を表し、
 R は、水素原子または炭化水素基を表し、
 L は、単結合または2価の連結基を表し、
 Z は、上述した式(Z1)により表される基を表す。
[0049]
 式(2)のA およびZ は式(1)のA およびZ と同義であり、好ましい範囲も同様である。
[0050]
 式(2)のX およびX は、それぞれ独立して単結合、-O-、-N(R )-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、または、-SO -を表し、-O-、-N(R )-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、または、-SO -であることが好ましい。R は、水素原子または炭化水素基を表し、R の好ましい態様は、上述のR における好ましい態様と同様である。
[0051]
 式(2)のL は、単結合または2価の連結基を表す。L が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン基とアリーレン基を単結合または-O-、-N(R )-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、-SO -およびこれらを2以上組み合わせた基よりなる群から選ばれた基を介して結合した基、アルキレン基同士またはアリーレン基同士を-O-、-N(R )-、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、-COO-、-CO-、-SO NH-、-SO -およびこれらを2以上組み合わせた基よりなる群から選ばれた基を介して結合した基などが挙げられる。R は、水素原子または炭化水素基を表し、R の好ましい態様は、上述のR における好ましい態様と同様である。
[0052]
 本発明において用いられる無色顔料誘導体の好ましい一態様である化合物(1)の具体例としては、以下が挙げられる。以下の表中、「No.」の欄の記載は化合物番号を、「A 」、「L 」、「Z 」欄に記載の記号は、それぞれ式(1)におけるA の具体例、L の具体例、Z の具体例で挙げた構造をそれぞれ表す。
[0053]
[表1]


[0054]
 無色顔料誘導体A1は、以下の(a)~(d)のいずれかの分光特性を満たしていることも好ましい。
 (a) 波長700nmを超え750nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
 (b) 波長750nmを超え800nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
 (c) 波長800nmを超え850nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
 (d) 波長850nmを超え900nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
[0055]
 着色感光性組成物の全固形分中における無色顔料誘導体A1の含有量は0.3~20質量%であることが好ましい。下限は0.6質量%以上であることが好ましく、0.9質量%以上であることがより好ましい。上限は15質量%以下であることが好ましく、12.5質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
 また、無色顔料誘導体A1の含有量は顔料100質量部に対して1~30質量部であることが好ましい。下限は2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限は、20質量部以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。無色顔料誘導体A1は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合はそれらの合計量が上記範囲であることが好ましい。
[0056]
<有色顔料誘導体A2>
 本発明の着色感光性組成物は、波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1を超える顔料誘導体A2(有色顔料誘導体A2)を含む。
 有色顔料誘導体A2の波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最小値は、得られる膜のコントラストの向上の観点からは、4,000L・mol -1・cm -1以上であることが好ましく、5,000L・mol -1・cm -1以上であることがより好ましい。また最大値は、例えば100,000L・mol -1・cm -1以下とすることができる
 本明細書において、有色顔料誘導体A2のモル吸光係数の値は後述する実施例に記載の方法にて測定した値である。
[0057]
〔色素部分構造〕
 有色顔料誘導体A2は、色素部分構造を有する化合物を含むことが好ましい。
 上記色素部分構造としては、ベンズイミダゾロン色素、ベンズイミダゾリノン色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、アントラキノン色素、ジケトピロロピロール色素、キナクリドン色素、アゾ色素、イソインドリノン色素、イソインドリン色素、ジオキサジン色素、ペリレン色素、および、チオインジゴ色素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の色素を由来とするの部分構造が好ましく、本発明の効果がより顕著に得られやすいという理由からは、ベンズイミダゾロン色素、ベンズイミダゾリノン色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、ジケトピロロピロール色素およびアゾ色素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の色素を由来とする部分構造であることがより好ましく、ベンズイミダゾリノン色素およびアゾ色素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の色素を由来とする部分構造であることが更に好ましい。
[0058]
 有色顔料誘導体A2は、下記式(Pg-1)~式(Pg-10)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造を含むことが好ましい。
 有色顔料誘導体A2は、下記式(Pg-1)~式(Pg-10)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造を、上記色素部分構造として含むことが好ましい。
 これらの中でも、式(Pg-1)、式(Pg-2)、式(Pg-3)、式(Pg-5)および式(Pg-7)のいずれかにより表される構造またはこれらの構造から水素原子を更に1個以上除いた構造を有することがより好ましい。なお、下記の式(Pg-3)中、Mは金属原子、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表す。
 下記式(Pg-1)~式(Pg-10)中、破線部は他の構造との結合部位を表す。
[化14]


[0059]
 有色顔料誘導体A2に含まれる色素部分構造の数は1個であってもよく、2個以上であってもよい。
[0060]
〔酸基または塩基性基〕
 有色顔料誘導体A2は、酸基または塩基性基を含むことが好ましい。
 有色顔料誘導体A2における上記酸基は、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基およびそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、カルボキシ基、スルホ基およびそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。塩を構成する原子または原子団としては、アルカリ金属イオン(Li 、Na 、K など)、アルカリ土類金属イオン(Ca 2+、Mg 2+など)、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
[0061]
 有色顔料誘導体A2が有する上記塩基性基は、アミノ基、ピリジル基およびそれらの塩、アンモニウム基の塩、ならびにフタルイミドメチル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、アミノ基、アミノ基の塩、およびアンモニウム基の塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、アミノ基またはアミノ基の塩であることがより好ましい。アミノ基としては、-NH 、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、環状アミノ基などが挙げられる。ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、環状アミノ基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては上述した置換基Tや硬化性基などが挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、水酸化物イオン、ハロゲンイオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、フェノキシドイオンなどが挙げられる。
[0062]
 有色顔料誘導体A2に含まれる酸基または塩基性基の数は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。有色顔料誘導体A2に含まれる酸基または塩基性基の数が1個の場合、着色感光性組成物は硬化性に優れやすい。また、有色顔料誘導体A2に含まれる酸基または塩基性基の数が2個以上の場合、顔料の分散性に優れやすい。また、有色顔料誘導体A2に含まれる酸基または塩基性基の数が2個以上の場合、分散性の観点から酸基のみを2個以上含むか、あるいは、塩基性基のみを2個以上含むことが好ましい。また、有色顔料誘導体A2は、塩基性基を有することが好ましい。
 有色顔料誘導体A2に含まれる酸基または塩基性基の数は、1~4個が好ましく、1~3個がより好ましく、1~2個がさらに好ましい。酸基または塩基性基の数が上記範囲であれば、例えば、有色顔料誘導体A2と樹脂との親和性が向上しやすく、組成物中における顔料の分散性が向上しやすい。
[0063]
〔硬化性基〕
 有色顔料誘導体A2は、着色感光性組成物の硬化性を向上する観点からは、硬化性基を含むことが好ましい。
 上記硬化性基としては、エチレン性不飽和基および環状エーテル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、より優れた硬化性が得られやすいという理由からは、エチレン性不飽和基であることが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、ビニルフェニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基およびマレイミド基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。環状エーテル基としては、エポキシ基およびオキセタニル基が挙げられ、エポキシ基が好ましい。有色顔料誘導体A2に含まれる硬化性基の数は、1~8個が好ましく、2~6個がより好ましく、2~4個がさらに好ましい。硬化性基の数が上記範囲であれば、着色感光性組成物の硬化性が良好であり、線幅感度や密着性などをより向上させることができる。
[0064]
〔式(A2-1)~式(A2-3)〕
 本発明において、有色顔料誘導体A2は、式(A2-1)~式(A2-3)のいずれかにより表される化合物であることが好ましく、顔料の分散性に優れるという理由から式(A2-1)または式(A2-2)により表される化合物であることがより好ましい。
[化15]


 式(A2-1)中、P は色素部分構造を表し、L 11はそれぞれ独立してa1+1価の連結基を表し、L 12はそれぞれ独立してb1+1価の連結基を表し、A はそれぞれ独立して硬化性基を表し、B はそれぞれ独立して酸基または塩基性基を表し、a1はそれぞれ独立して1以上の整数を表し、b1はそれぞれ独立して1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表す;
 式(A2-2)中、P は色素部分構造を表し、L 21はa2+b2+1価の連結基を表し、A は硬化性基を表し、B は酸基または塩基性基を表し、a2はそれぞれ独立して0以上の整数を表し、b2はそれぞれ独立して1以上の整数を表し、jは1以上の整数を表す;
 式(A2-3)中、P は色素部分構造を表し、L 31はa3+1価の連結基を表し、A は硬化性基を表し、B は酸基または塩基性基を表し、a3はそれぞれ独立して1以上の整数を表し、kは1以上の整数を表す。
[0065]
 式(A2-1)において、a1は1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。nは0~4が好ましく、0~3がより好ましく、0、1または2が更に好ましい。b1は1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。mは1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。
[0066]
 式(A2-2)において、a2は0~4が好ましく、0~3がより好ましく、0、1または2が更に好ましい。b2は1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。jは1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。
[0067]
 式(A2-3)において、a3は1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。
 式(A2-3)において、kは1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2が更に好ましい。
[0068]
 式(A2-1)~式(A2-3)において、P ~P が表す色素部分構造としては、上述の有色顔料誘導体A2における色素部分構造として記載した構造が挙げられ、好ましい態様も同様である。
[0069]
 式(A2-1)~式(A2-3)において、A ~A が表す硬化性基としては、上述の有色顔料誘導体A2における硬化性基として記載した基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
[0070]
 式(A2-1)~式(A2-3)において、B ~B は、それぞれ独立して酸基または塩基性基を表す。酸基および塩基性基については上述した基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
[0071]
 式(A2-1)~式(A2-3)において、L 11が表すa1+1価の連結基、L 12が表すb1+1価の連結基、L 21が表すa2+b2+1価の連結基、および、L 31が表すa3+1価の連結基としては、炭化水素基、複素環基、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-SO -、-NR -、-NR CO-、-CONR -、-NR SO -、-SO NR -およびこれらを2以上組み合わせた基が挙げられ、R は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。炭化水素基は脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの基から水素原子を1個以上除いた基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~10がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。アリーレン基の炭素数は、6~18が好ましく、6~14がより好ましく、6~10がさらに好ましい。複素環基は、単環または縮合数が2~4の縮合環が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基Tで挙げた基が挙げられる。また、R が表すアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。R が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。R が表すアリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。R が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。
[0072]
 式(A2-1)~式(A2-3)において、L 11、L 12、L 21およびL 31は、それぞれ独立して下記式(L-1)~式(L-5)のいずれかにより表される基であることが好ましい。この態様によれば、有色顔料誘導体A2と顔料との親和性が向上し、組成物中における顔料の分散性をより向上させることができる。
[化16]


 式中、*は結合手であり、
 p1は0~5の整数を表し、p2は1~6の整数を表し、p1+p2は2~6の整数であり、
 L 100~L 105はそれぞれ独立して単結合または2価の連結基を表し、
 X 、X およびX はそれぞれ独立して-O-、-S-または-NR L1-を表し、
 R L1は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
[0073]
 R L1が表すアルキル基およびアリール基は、上記R の項で説明したアルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、R L1が表すアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。
[0074]
 L 100~L 105が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-SO -、-NR L2-、-NR L2CO-、-CONR L2-、-NR L2SO -、-SO NR L2-およびこれらを2以上組み合わせた基が挙げられる。
 アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~10がさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。アリーレン基の炭素数は、6~18が好ましく、6~14がより好ましく、6~10がさらに好ましい。複素環基は、単環または縮合数が2~4の縮合環が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。アルキレン基、アリーレン基および複素環基は置換基を有していてもよい。置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。
 R L2は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R L2が表すアルキル基およびアリール基は、上記R の項で説明したアルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、R L2が表すアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては上述した置換基Tが挙げられる。
[0075]
 式(L-5)において、X 、X およびX はそれぞれ独立して-O-、-S-または-NR L1-を表し、-NR L1-であることが好ましい。また、R L1は水素原子であることが好ましい。
[0076]
 有色顔料誘導体A2は、分子間相互作用を有する官能基を含むことが好ましい。有色顔料誘導体A2がこのような官能基を有する場合においては、有色顔料誘導体A2と顔料との親和性が向上し、組成物中における顔料の分散性をより向上させることができる。上記の官能基としては、アミド基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、トリアジン基、イソシアヌル基、イミド基、イミダゾリジノン基などが挙げられる。これらの官能基は、色素部分構造に含まれていてもよく、色素部分構造以外の部位(例えば、式(A1)のL 11やL 12、式(A2)のL 21、式(A3)のL 31など)に含まれていてもよい。
[0077]
 有色顔料誘導体A2の具体例としては、下記構造の化合物が挙げられる。以下の構造式中、Acはアセチル基を表す。
[化17]


[化18]


[化19]


[化20]


[0078]
 上記式(A2)-12中、CuPcは銅フタロシアニン(下記式(CuPc)、*が(A2)-12における結合部位を表す。)を表し、上記式(A2)-13中、ZnPcは亜鉛フタロシアニン(下記式(ZnPc)、*が(A2)-13における結合部位を表す。)を表す。
[化21]


[0079]
 有色顔料誘導体A2の分子量は、2,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、1,000以下がより好ましい。下限は、300以上であることが好ましい。
[0080]
 有色顔料誘導体A2が硬化性基を有する場合、硬化性基価は、0.1~10mmol/gであることが好ましい。下限は、0.5mmol/g以上であることが好ましく、1mmol/gであることがより好ましい。上限は、8mmol/g以下であることが好ましく、4mmol/g以下であることがより好ましい。なお、有色顔料誘導体A2の硬化性基価は、有色顔料誘導体A2の1分子中に含まれる硬化性基の数を有色顔料誘導体A2の分子量で割ることで算出した値である。硬化性基としては、エチレン性不飽和基、環状エーテル基などが挙げられる。
 また、有色顔料誘導体A2が有する硬化性基がエチレン性不飽和基である場合、有色顔料誘導体A2のエチレン性不飽和基価(以下、C=C価ともいう)は、0.1~10mmol/gであることが好ましい。下限は、0.5mmol/g以上であることが好ましく、1mmol/gであることがより好ましい。上限は、8mmol/g以下であることが好ましく、4mmol/g以下であることがより好ましい。なお、有色顔料誘導体A2のC=C価は、有色顔料誘導体A2の1分子中に含まれるエチレン性不飽和基の数を有色顔料誘導体A2の分子量で割ることで算出した値である。
[0081]
 有色顔料誘導体A2が塩基性基を有する化合物である場合、有色顔料誘導体A2の塩基性基価は10mmol/g以下であることが好ましく、8mmol/g以下であることがより好ましく、5mmol/g以下であることが更に好ましい。下限は、0.1mmol/g以上であることが好ましく、1mmol/g以上であることがより好ましく、2mmol/g以上であることが更に好ましい。
 また、有色顔料誘導体A2が酸基を有する化合物である場合、有色顔料誘導体A2の酸価は10mmol/g以下であることが好ましく、8mmol/g以下であることがより好ましく、5mmol/g以下であることが更に好ましい。下限は、0.1mmol/g以上であることが好ましく、1mmol/g以上であることがより好ましく、2mmol/g以上であることが更に好ましい。
[0082]
 有色顔料誘導体A2は、親水的な化合物であることも好ましい。この態様によれば、顔料表面や樹脂との相互作用が向上し、顔料の分散性をより向上させることができる。有色顔料誘導体A2の親水性は例えばLogP値で評価することができ、有色顔料誘導体A2のLogP値が小さいほど親水性が高い傾向にある。有色顔料誘導体A2のLogP値は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましい。有色顔料誘導体A2のLogP値とは、化合物Aの1-オクタノール/水の分配係数Pの常用対数の値である。本明細書では化合物AのLogP値は、ChemiBioDraw Ultra ver.13.0.2.3021(Cambridge soft社製)を用いて予測計算して求めた。
[0083]
 有色顔料誘導体A2は極大吸収波長を350~700nmに一つ以上有することが好ましく、380~600nmに一つ以上有することが好ましく、400~500nmに一つ以上有することが更に好ましい。
[0084]
 有色顔料誘導体A2は、以下の(a)~(d)のいずれかの分光特性を満たしていることも好ましい。
 (a) 波長700nmを超え750nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
 (b) 波長750nmを超え800nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
 (c) 波長800nmを超え850nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
 (d) 波長850nmを超え900nm以下の範囲のモル吸光係数の最大値が、3,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましく、1,000L・mol -1・cm -1以下であることがより好ましく、100L・mol -1・cm -1以下であることが更に好ましい。
[0085]
 着色感光性組成物の全固形分中における有色顔料誘導体A2の含有量は1~15質量%である。下限は2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限は12質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
 また、有色顔料誘導体A2の含有量は顔料100質量部に対して0.1~20質量部であることが好ましい。下限は1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。上限は、18質量部以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有色顔料誘導体A2は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合はそれらの合計量が上記範囲であることが好ましい。
[0086]
<無色顔料誘導体A1と有色顔料誘導体A2の含有比率>
 本発明の着色顔料誘導体における上記無色顔料誘導体A1、および、上記有色顔料誘導体A2の含有比率は、無色顔料誘導体A1と有色顔料誘導体A2とが混合される限りにおいて特に限定されないが、上記顔料誘導体A1、および、上記顔料誘導体A2の総質量に対する、上記顔料誘導体A1の含有量が5~98質量%であることが好ましく、10~95質量%であることがより好ましく、20~90質量%であることが更に好ましく、50~90質量%であることが更に好ましい。
[0087]
<無色顔料誘導体A1と有色顔料誘導体A2のモル吸光係数>
 無色顔料誘導体A1の波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値と有色顔料誘導体A2の波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値との差は、300~100,000L・mol -1・cm -1であることが好ましく、500~50,000L・mol -1・cm -1であることがより好ましい。
[0088]
<顔料>
 本発明の着色感光性組成物は、顔料を含有する。顔料としては、白色顔料、黒色顔料、有彩色顔料、近赤外線吸収顔料が挙げられる。なお、本発明において、白色顔料は純白色のみならず、白に近い明るい灰色(例えば灰白色、薄灰色など)の顔料などを含む。
 また、顔料は、無機顔料、有機顔料のいずれでもよく、分散安定性をより向上させやすいという理由から有機顔料であることが好ましい。
 また、顔料は、波長400~2,000nmの範囲に極大吸収波長を有するものが好ましく、波長400~700nmの範囲に極大吸収波長を有するものがより好ましい。
 また、波長400~700nmの範囲に極大吸収波長を有する顔料(好ましくは有彩色顔料)を用いた場合においては、本発明の着色感光性組成物は、カラーフィルタにおける着色層形成用の着色感光性組成物として好ましく用いることができる。
 着色層としては、例えば、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層、マゼンタ色着色層、シアン色着色層、イエロー色着色層などが挙げられる。
[0089]
 顔料の平均一次粒子径は、1~200nmが好ましい。下限は5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。上限は、180nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。顔料の平均一次粒子径が上記範囲であれば、着色感光性組成物中における顔料の分散安定性が良好である。なお、本発明において、顔料の一次粒子径は、顔料の一次粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた画像写真から求めることができる。具体的には、顔料の一次粒子の投影面積を求め、上記投影面積と同面積の真円の直径(円相当径)を顔料の一次粒子径として算出する。また、本発明における平均一次粒子径は、400個の顔料の一次粒子についての一次粒子径の算術平均値とする。また、顔料の一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
[0090]
〔有彩色顔料〕
 有彩色顔料としては、特に限定されず、公知の有彩色顔料を用いることができる。有彩色顔料としては、波長400~700nmの範囲に極大吸収波長を有する顔料が挙げられる。例えば、黄色顔料、オレンジ色顔料、赤色顔料、緑色顔料、紫色顔料、青色顔料などが挙げられる。これらの具体例としては、例えば、以下が挙げられる。
[0091]
 カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow(以下、単に「PY」ともいう。) 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214,231,232(メチン/ポリメチン系)等(以上、黄色顔料)、
 C.I.Pigment Orange(以下、単に「PO」ともいう。) 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
 C.I.Pigment Red(以下、単に「PR」ともいう。) 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279,294(キサンテン系、Organo Ultramarine、Bluish Red)等(以上、赤色顔料)、
 C.I.Pigment Green(以下、単に「PG」ともいう。) 7,10,36,37,58,59,62,63等(以上、緑色顔料)、
 C.I.Pigment Violet(以下、単に「PV」ともいう。) 1,19,23,27,32,37,42,60(トリアリールメタン系),61(キサンテン系)等(以上、紫色顔料)、
 C.I.Pigment Blue(以下、単に「PB」ともいう。) 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,29,60,64,66,79,80,87(モノアゾ系),88(メチン/ポリメチン系)等(以上、青色顔料)。
[0092]
 本発明の着色感光性組成物は、本発明の効果がより得られやすい観点からは、顔料として緑色顔料を含むことが好ましく、ハロゲン化フタロシアニンを含むことがより好ましく、PG 36および/またはPG 58を含むことが更に好ましい。
 また、本発明の着色感光性組成物は、上記緑色顔料と黄色顔料とを併用することも好ましい。併用される黄色顔料としては、PY 150および/またはPY 185が好ましく挙げられる。
[0093]
-緑色顔料-
 また、緑色顔料として、1分子中のハロゲン原子数が平均10~14個であり、臭素原子数が平均8~12個であり、塩素原子数が平均2~5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/118720号に記載の化合物が挙げられる。また、緑色顔料として中国特許出願公開第106909027号明細書に記載の化合物、リン酸エステルを配位子として有するフタロシアニン化合物などを用いることもできる。
[0094]
-青色顔料-
 また、青色顔料として、リン原子を有するアルミニウムフタロシアニン化合物を用いることもできる。具体例としては、特開2012-247591号公報の段落0022~0030、特開2011-157478号公報の段落0047に記載の化合物が挙げられる。
[0095]
-黄色顔料-
 また、黄色顔料として、特開2017-201003号公報に記載されている顔料、特開2017-197719号公報に記載されている顔料を用いることができる。
 また、黄色顔料として、下記式(I)により表されるアゾ化合物およびその互変異性構造のアゾ化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンと、2種以上の金属イオンと、メラミン化合物とを含む金属アゾ顔料を用いることもできる。
[化22]


 式中、R およびR はそれぞれ独立して、-OHまたは-NR であり、R およびR はそれぞれ独立して、=Oまたは=NR であり、R ~R はそれぞれ独立して、水素原子またはアルキル基である。R ~R が表すアルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐および環状のいずれであってもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基およびアミノ基が好ましい。
[0096]
 上記の金属アゾ顔料については、特開2017-171912号公報の段落番号0011~0062、0137~0276、特開2017-171913号公報の段落番号0010~0062、0138~0295、特開2017-171914号公報の段落番号0011~0062、0139~0190、特開2017-171915号公報の段落番号0010~0065、0142~0222の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0097]
-赤色顔料-
 赤色顔料として、特開2017-201384号公報に記載の構造中に少なくとも1つ臭素原子が置換したジケトピロロピロール系顔料、特許第6248838号の段落番号0016~0022に記載のジケトピロロピロール系顔料などを用いることもできる。また、赤色顔料として、芳香族環に対して、酸素原子、硫黄原子または窒素原子が結合した基が導入された芳香族環基がジケトピロロピロール骨格に結合した構造を有する化合物を用いることもできる。このような化合物としては、式(DPP1)により表される化合物であることが好ましく、式(DPP2)により表される化合物であることがより好ましい。
[化23]


[0098]
 上記式中、R 11およびR 13はそれぞれ独立して置換基を表し、R 12およびR 14はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、n11およびn13はそれぞれ独立して0~4の整数を表し、X 12およびX 14はそれぞれ独立して酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表し、X 12が酸素原子または硫黄原子の場合は、m12は1を表し、X 12が窒素原子の場合は、m12は2を表し、X 14が酸素原子または硫黄原子の場合は、m14は1を表し、X 14が窒素原子の場合は、m14は2を表す。R 11およびR 13が表す置換基としては、上述した置換基Tで挙げた基が挙げられ、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アミド基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、スルホキシド基、スルホ基などが好ましい具体例として挙げられる。
[0099]
 本発明において、有彩色顔料は、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、有彩色顔料は、2種以上組み合わせて用いる場合、2種以上の有彩色顔料の組み合わせで黒色を形成していてもよい。そのような組み合わせとしては、例えば以下の(1)~(7)の態様が挙げられる。着色感光性組成物中に有彩色顔料を2種以上含み、かつ、2種以上の有彩色顔料の組み合わせで黒色を呈している場合においては、本発明の着色感光性組成物は、近赤外線透過フィルタとして好ましく用いることができる。
(1)赤色顔料と青色顔料とを含有する態様。
(2)赤色顔料と青色顔料と黄色顔料とを含有する態様。
(3)赤色顔料と青色顔料と黄色顔料と紫色顔料とを含有する態様。
(4)赤色顔料と青色顔料と黄色顔料と紫色顔料と緑色顔料とを含有する態様。
(5)赤色顔料と青色顔料と黄色顔料と緑色顔料とを含有する態様。
(6)赤色顔料と青色顔料と緑色顔料とを含有する態様。
(7)黄色顔料と紫色顔料とを含有する態様。
[0100]
〔白色顔料〕
 白色顔料としては、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛などが挙げられる。白色顔料は、チタン原子を有する粒子が好ましく、酸化チタンがより好ましい。また、白色顔料は、波長589nmの光に対する25℃における屈折率が2.10以上の粒子であることが好ましい。前述の屈折率は、2.10~3.00であることが好ましく、2.50~2.75であることがより好ましい。
[0101]
 また、白色顔料は「酸化チタン 物性と応用技術 清野学著 13~45ページ 1991年6月25日発行、技報堂出版発行」に記載の酸化チタンを用いることもできる。
[0102]
 白色顔料は、単一の無機物からなるものだけでなく、他の素材と複合させた粒子を用いてもよい。例えば、内部に空孔や他の素材を有する粒子、コア粒子に無機粒子を多数付着させた粒子、ポリマー粒子からなるコア粒子と無機ナノ微粒子からなるシェル層とからなるコアおよびシェル複合粒子を用いることが好ましい。上記ポリマー粒子からなるコア粒子と無機ナノ微粒子からなるシェル層とからなるコアおよびシェル複合粒子としては、例えば、特開2015-047520号公報の段落番号0012~0042の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0103]
 白色顔料は、中空無機粒子を用いることもできる。中空無機粒子とは、内部に空洞を有する構造の無機粒子であり、外殻に包囲された空洞を有する無機粒子のことを言う。中空無機粒子としては、特開2011-075786号公報、国際公開第2013/061621号、特開2015-164881号公報などに記載された中空無機粒子が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0104]
〔黒色顔料〕
 黒色顔料としては特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック、グラファイト等が挙げられ、カーボンブラック、チタンブラックが好ましく、チタンブラックがより好ましい。チタンブラックとは、チタン原子を含有する黒色粒子であり、低次酸化チタンや酸窒化チタンが好ましい。チタンブラックは、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または、酸化ジルコニウムでチタンブラックの表面を被覆することが可能である。また、特開2007-302836号公報に表されるような撥水性物質での処理も可能である。黒色顔料として、カラーインデックス(C.I.)Pigment Black 1,7等が挙げられる。チタンブラックは、個々の粒子の一次粒子径および平均一次粒子径のいずれもが小さいことが好ましい。具体的には、平均一次粒子径が10~45nmであることが好ましい。チタンブラックは、分散物として用いることもできる。例えば、チタンブラック粒子とシリカ粒子とを含み、分散物中のSi原子とTi原子との含有比が0.20~0.50の範囲に調整された分散物などが挙げられる。上記分散物については、特開2012-169556号公報の段落0020~0105の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。チタンブラックの市販品の例としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M-C、13R-N、13M-T(商品名:三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(商品名:赤穂化成(株)製)などが挙げられる。
[0105]
〔近赤外線吸収顔料〕
 近赤外線吸収顔料は、有機顔料であることが好ましい。また、近赤外線吸収顔料は、波長700nmを超え1,400nm以下の範囲に極大吸収波長を有することが好ましい。また、近赤外線吸収顔料の極大吸収波長は、1,200nm以下であることが好ましく、1,000nm以下であることがより好ましく、950nm以下であることが更に好ましい。また、近赤外線吸収顔料は、波長550nmにおける吸光度A 550と極大吸収波長における吸光度A maxとの比であるA 550/A maxが0.1以下であるものが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.03以下であることが更に好ましく、0.02以下であることが特に好ましい。下限は、特に限定はないが、例えば、0.0001以上とすることができ、0.0005以上とすることもできる。上述の吸光度の比が上記範囲であれば、可視光透明性および近赤外線遮蔽性に優れた近赤外線吸収顔料とすることができる。なお、本発明において、近赤外線吸収顔料の極大吸収波長および各波長における吸光度の値は、近赤外線吸収顔料を含む着色感光性組成物を用いて形成した膜の吸収スペクトルから求めた値である。
[0106]
 近赤外線吸収顔料としては、特に限定はないが、ピロロピロール化合物、リレン化合物、オキソノール化合物、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、クロコニウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ピリリウム化合物、アズレニウム化合物、インジゴ化合物およびピロメテン化合物が挙げられ、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物およびナフタロシアニン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ピロロピロール化合物またはスクアリリウム化合物であることが更に好ましく、ピロロピロール化合物であることが特に好ましい。
[0107]
 着色感光性組成物の全固形分中における顔料の含有量は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、30質量%以上であることがより一層好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。上限は80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
[0108]
〔染料〕
 本発明の着色感光性組成物は、染料を含有することができる。染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。染料は、有彩色染料であってもよく、近赤外線吸収染料であってもよい。有彩色染料としては、ピラゾールアゾ化合物、アニリノアゾ化合物、トリアリールメタン化合物、アントラキノン化合物、アントラピリドン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物、キサンテン化合物、フタロシアニン化合物、ベンゾピラン化合物、インジゴ化合物、ピロメテン化合物が挙げられる。また、特開2012-158649号公報に記載のチアゾール化合物、特開2011-184493号公報に記載のアゾ化合物、特開2011-145540号公報に記載のアゾ化合物を用いることもできる。また、黄色染料として、特開2013-054339号公報の段落番号0011~0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014-026228号公報の段落番号0013~0058に記載のキノフタロン化合物などを用いることもできる。近赤外線吸収染料としては、ピロロピロール化合物、リレン化合物、オキソノール化合物、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、クロコニウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ピリリウム化合物、アズレニウム化合物、インジゴ化合物およびピロメテン化合物が挙げられる。また、特開2017-197437号公報に記載のスクアリリウム化合物、国際公開第2017/213047号の段落番号0090~0107に記載のスクアリリウム化合物、特開2018-054760号公報の段落番号0019~0075に記載のピロール環含有化合物、特開2018-040955号公報の段落番号0078~0082に記載のピロール環含有化合物、特開2018-002773号公報の段落番号0043~0069に記載のピロール環含有化合物、特開2018-041047号公報の段落番号0024~0086に記載のアミドα位に芳香族環を有するスクアリリウム化合物、特開2017-179131号公報に記載のアミド連結型スクアリリウム化合物、特開2017-141215号公報に記載のピロールビス型スクアリリウム骨格またはクロコニウム骨格を有する化合物、特開2017-082029号公報に記載されたジヒドロカルバゾールビス型のスクアリリウム化合物、特開2017-068120号公報の段落番号0027~0114に記載の非対称型の化合物、特開2017-067963号公報に記載されたピロール環含有化合物(カルバゾール型)、特許第6251530号公報に記載されたフタロシアニン化合物などを用いることもできる。
[0109]
 着色感光性組成物の全固形分中における染料の含有量は1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。上限としては特に制限はないが、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
 また、染料の含有量は、顔料の100質量部に対して5~50質量部であることが好ましい。上限は、45質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。下限は、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることが更に好ましい。
 また、本発明の着色感光性組成物は染料を実質的に含有しないこともできる。本発明の着色感光性組成物が染料を実質的に含まない場合、本発明の着色感光性組成物の全固形分中における染料の含有量が0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
[0110]
<顔料と顔料誘導体の含有比率>
 本発明の着色顔料誘導体における上記顔料、上記無色顔料誘導体A1、および、上記有色顔料誘導体A2の含有比率は、顔料が分散される限りにおいて特に限定されないが、上記顔料100質量部に対し、上記顔料誘導体A1、および、上記顔料誘導体A2の総含有量が1~30質量部であることが好ましく、2~20質量部であることがより好ましく、3~15質量部であることが特に好ましい。
[0111]
<重合性化合物>
 本発明の着色感光性組成物は、重合性化合物を含有する。上述の有色顔料誘導体A2、および、後述の硬化性基を有する分散剤に該当する化合物は、重合性化合物には該当しないものとする。重合性化合物としては、ラジカル、酸または熱により架橋可能な公知の化合物を用いることができる。本発明において、重合性化合物は、例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。本発明で用いられる重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
[0112]
 重合性化合物としては、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーが好ましい。重合性化合物の分子量は、100~3,000が好ましい。上限は、2,000以下がより好ましく、1,500以下が更に好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上が更に好ましい。
[0113]
 重合性化合物は、エチレン性不飽和基を3個以上含む化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和基を3~15個含む化合物であることがより好ましく、エチレン性不飽和基を3~6個含む化合物であることが更に好ましい。また、重合性化合物は、3~15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3~6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。重合性化合物の具体例としては、特開2009-288705号公報の段落番号0095~0108、特開2013-029760号公報の段落0227、特開2008-292970号公報の段落番号0254~0257、特開2013-253224号公報の段落番号0034~0038、特開2012-208494号公報の段落番号0477、特開2017-048367号公報、特許第6057891号公報、特許第6031807号公報に記載されている化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0114]
 重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、NKエステルA-DPH-12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造の化合物(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。また、重合性化合物としては、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としてはM-460;東亞合成(株)製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステルA-TMMT)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)、RP-1040(日本化薬(株)製)、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)、NKオリゴUA-7200(新中村化学工業(株)製)、8UH-1006、8UH-1012(大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB-A0(共栄社化学(株)製)などを用いることもできる。
[0115]
 また、重合性化合物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート化合物を用いることも好ましい。3官能の(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、アロニックスM-309、M-310、M-321、M-350、M-360、M-313、M-315、M-306、M-305、M-303、M-452、M-450(東亞合成(株)製)、NKエステル A9300、A-GLY-9E、A-GLY-20E、A-TMM-3、A-TMM-3L、A-TMM-3LM-N、A-TMPT、TMPT(新中村化学工業(株)製)、KAYARAD GPO-303、TMPTA、THE-330、TPA-330、PET-30(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
[0116]
 重合性化合物は、酸基を有する化合物を用いることもできる。酸基を有する重合性化合物を用いることで、着色感光性組成物から形成された膜の現像時に未露光部の重合性化合物が除去されやすく、現像残渣の発生を抑制できる。酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。酸基を有する重合性化合物の市販品としては、アロニックスM-510、M-520、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)等が挙げられる。酸基を有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1~40mgKOH/gであり、より好ましくは5~30mgKOH/gである。重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像液に対する膜の溶解性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。
 本明細書において、特段の記載がない限り、酸価は、JIS K0070(1992)に規定される滴定方法により測定される値である。
[0117]
 重合性化合物は、カプロラクトン構造を有する化合物であることも好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120等が挙げられる。
[0118]
 重合性化合物は、アルキレンオキシ基を有する重合性化合物を用いることもできる。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物は、エチレンオキシ基および/またはプロピレンオキシ基を有する重合性化合物が好ましく、エチレンオキシ基を有する重合性化合物がより好ましく、エチレンオキシ基を4~20個有する3~6官能(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能(メタ)アクリレートであるSR-494、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能(メタ)アクリレートであるKAYARAD TPA-330などが挙げられる。
[0119]
 重合性化合物は、フルオレン骨格を有する重合性化合物を用いることもできる。フルオレン骨格を有する重合性化合物の市販品としては、オグソールEA-0200、EA-0300(大阪ガスケミカル(株)製、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー)などが挙げられる。
[0120]
 重合性化合物としては、トルエンなどの環境規制物質を実質的に含まない化合物を用いることも好ましい。このような化合物の市販品としては、KAYARAD DPHA LT、KAYARAD DPEA-12 LT(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
[0121]
 重合性化合物としては、特公昭48-041708号公報、特開昭51-037193号公報、特公平2-032293号公報、特公平2-016765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58-049860号公報、特公昭56-017654号公報、特公昭62-039417号公報、特公昭62-039418号公報に記載されたエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物も好適である。また、特開昭63-277653号公報、特開昭63-260909号公報、特開平1-105238号公報に記載された分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物を用いることも好ましい。また、重合性化合物としては、UA-7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA-40H(日本化薬(株)製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600、LINC-202UA(共栄社化学(株))製などの市販品を用いることもできる。
[0122]
 着色感光性組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は0.1~50質量%であることが好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。重合性化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それらの合計が上記範囲となることが好ましい。
[0123]
<光重合開始剤>
 本発明の着色感光性組成物は光重合開始剤を含む。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
[0124]
 光重合開始剤としては、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物などが挙げられる。光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン-ベンゼン-鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3-アリール置換クマリン化合物であることが好ましく、オキシム化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物よりなる群から選ばれる化合物であることがより好ましく、本発明の効果が得られやすい観点からは、オキシム化合物であることが更に好ましい。光重合開始剤については、特開2014-130173号公報の段落0065~0111、特許第6301489号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0125]
 α-ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE-184、DAROCUR-1173、IRGACURE-500、IRGACURE-2959、IRGACURE-127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α-アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE-907、IRGACURE-369、IRGACURE-379、および、IRGACURE-379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE-819、DAROCUR-TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
[0126]
 オキシム化合物としては、特開2001-233842号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653-1660)に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156-162)に記載の化合物、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202-232)に記載の化合物、特開2000-066385号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特表2004-534797号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、特開2017-019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017-198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0038に記載の化合物などが挙げられる。オキシム化合物の具体例としては、3-ベンゾイルオキシイミノブタン-2-オン、3-アセトキシイミノブタン-2-オン、3-プロピオニルオキシイミノブタン-2-オン、2-アセトキシイミノペンタン-3-オン、2-アセトキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンゾイルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、3-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン-2-オン、および2-エトキシカルボニルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられる。市販品としては、IRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02、IRGACURE OXE03、IRGACURE OXE04(以上、BASF社製)、TR-PBG-304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製、特開2012-014052号公報に記載の光重合開始剤2)が挙げられる。また、オキシム化合物としては、着色性が低い化合物や、透明性が高く変色し難い化合物を用いることも好ましい。市販品としては、アデカアークルズNCI-730、NCI-831、NCI-930(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
[0127]
 本発明において、光重合開始剤として、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014-137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
[0128]
 本発明において、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010-262028号公報に記載の化合物、特表2014-500852号公報に記載の化合物24、36~40、特開2013-164471号公報に記載の化合物(C-3)などが挙げられる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0129]
 本発明において、光重合開始剤として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013-114249号公報の段落番号0031~0047、特開2014-137466号公報の段落番号0008~0012、0070~0079に記載されている化合物、特許4223071号公報の段落番号0007~0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI-831((株)ADEKA製)が挙げられる。
[0130]
 本発明において、光重合開始剤として、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/036910号に記載されるOE-01~OE-75が挙げられる。
[0131]
 本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0132]
[化24]


[化25]


[0133]
 本発明において用いられる光重合開始剤は、波長350~500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、波長360~480nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物がより好ましい。
 有色顔料誘導体A2の波長400~700nmの範囲における極大吸収波長と、光重合開始剤の極大吸収波長との差は、20~200nmであることが好ましく、50~100nmであることがより好ましい。
 また、本発明において用いられる光重合開始剤の波長365nmにおけるモル吸光係数は、本発明の効果がより得られやすい観点から、1,000L・mol -1・cm -1以上であることが好ましく、3,000L・mol -1・cm -1以上であることがより好ましく、5,000L・mol -1・cm -1以上であることが更に好ましい。また最大値は、特に限定されないが、100,000L・mol -1・cm -1以下であることが好ましい。 光重合開始剤のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、分光光度計(Varian社製Cary-5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
[0134]
 光重合開始剤として、2官能あるいは3官能以上の光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。そのような光ラジカル重合開始剤を用いることにより、光ラジカル重合開始剤の1分子から2つ以上のラジカルが発生するため、良好な感度が得られる。また、非対称構造の化合物を用いた場合においては、結晶性が低下して溶剤などへの溶解性が向上して、経時で析出しにくくなり、着色感光性組成物の経時安定性を向上させることができる。2官能あるいは3官能以上の光ラジカル重合開始剤の具体例としては、特表2010-527339号公報、特表2011-524436号公報、国際公開第2015/004565号、特表2016-532675号公報の段落番号0412~0417、国際公開第2017/033680号の段落番号0039~0055に記載されているオキシム化合物の2量体、特表2013-522445号公報に記載されている化合物(E)および化合物(G)、国際公開第2016/034963号に記載されているCmpd1~7、特表2017-523465号公報の段落番号0007に記載されているオキシムエステル類光開始剤、特開2017-167399号公報の段落番号0020~0033に記載されている光開始剤、特開2017-151342号公報の段落番号0017~0026に記載されている光重合開始剤(A)などが挙げられる。
[0135]
 本発明の着色感光性組成物の全固形分中の光重合開始剤の含有量は0.1~30質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。本発明の着色感光性組成物において、光重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0136]
<樹脂>
 本発明の着色感光性組成物は、樹脂を含有することができる。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を着色感光性組成物中で分散させる用途やバインダーの用途で配合される。なお、主に顔料などの粒子を分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で使用することもできる。
[0137]
 樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3,000~2,000,000が好ましい。上限は、1,000,000以下が好ましく、500,000以下がより好ましい。下限は、4,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましい。
[0138]
 樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、特開2017-206689号公報の段落番号0041~0060に記載の樹脂、特開2018-010856号公報の段落番号0022~0071に記載の樹脂を用いることもできる。
[0139]
〔酸基を有する樹脂〕
 本発明の着色感光性組成物は、樹脂として酸基を有する樹脂を含むことが好ましい。この態様によれば、着色感光性組成物の現像性を向上させることができ、矩形性に優れた画素を形成しやすい。酸基としては、カルボキシ基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられ、カルボキシ基が好ましい。酸基を有する樹脂は、例えば、アルカリ可溶性樹脂として用いることができる。
[0140]
 酸基を有する樹脂は、酸基を側鎖に有する繰り返し単位を含むことが好ましく、酸基を側鎖に有する繰り返し単位を樹脂の全繰り返し単位中5~70モル%含むことがより好ましい。酸基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量の上限は、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。酸基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量の下限は、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
[0141]
 酸基を有する樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)により表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分に由来する繰り返し単位を含むことも好ましい。
[0142]
[化26]


[0143]
 式(ED1)中、R およびR は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基を表す。
[化27]


 式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1~30の有機基を表す。式(ED2)の詳細については、特開2010-168539号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0144]
 エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013-029760号公報の段落番号0317の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0145]
 本発明で用いられる樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含むことも好ましい。
[化28]


 式(X)中、R は、水素原子またはメチル基を表し、R は炭素数2~10のアルキレン基を表し、R は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1~20のアルキル基を表す。nは1~15の整数を表す。
[0146]
 酸基を有する樹脂については、特開2012-208494号公報の段落番号0558~0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685~0700)の記載、特開2012-198408号公報の段落番号0076~0099の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、酸基を有する樹脂は市販品を用いることもできる。
[0147]
 酸基を有する樹脂の酸価は、30~500mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、400mgKOH/g以下が好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下が更に好ましい。酸基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000~100,000が好ましい。また、酸基を有する樹脂の数平均分子量(Mn)は、1,000~20,000が好ましい。
[0148]
 酸基を有する樹脂としては、例えば下記構造の樹脂などが挙げられる。下記構造中、括弧の添字は各繰り返し単位の含有量(モル%)を表す。
[化29]


[0149]
〔分散剤〕
 本発明の着色感光性組成物は、分散剤としての樹脂を含むこともできる。分散剤としては、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占める樹脂が好ましく、実質的に酸基のみからなる樹脂がより好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシ基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、20~180mgKOH/gが好ましく、30~150mgKOH/gがより好ましく、50~100mgKOH/gがさらに好ましい。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%を超える樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミノ基であることが好ましい。
[0150]
 分散剤として用いる樹脂は、酸基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。分散剤として用いる樹脂が酸基を有する繰り返し単位を含むことにより、フォトリソグラフィ法によりパターン形成する際、現像残渣の発生をより抑制できる。
[0151]
 分散剤として用いる樹脂は、グラフト樹脂であることも好ましい。グラフト樹脂の詳細は、特開2012-255128号公報の段落番号0025~0094の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0152]
 分散剤として用いる樹脂は、主鎖および側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むポリイミン系分散剤であることも好ましい。ポリイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する主鎖と、原子数40~10,000の側鎖とを有し、かつ主鎖および側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。ポリイミン系分散剤については、特開2012-255128号公報の段落番号0102~0166の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0153]
 分散剤として用いる樹脂は、コア部に複数個のポリマー鎖が結合した構造の樹脂であることも好ましい。このような樹脂としては、例えばデンドリマー(星型ポリマーを含む)が挙げられる。また、デンドリマーの具体例としては、特開2013-043962号公報の段落番号0196~0209に記載された高分子化合物C-1~C-31などが挙げられる。
[0154]
 また、上述した酸基を有する樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を分散剤として用いることもできる。
[0155]
 また、分散剤として用いる樹脂は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する繰り返し単位を含む樹脂であることも好ましい。エチレン性不飽和基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全繰り返し単位中10モル%以上であることが好ましく、10~80モル%であることがより好ましく、20~70モル%であることが更に好ましい。
[0156]
 分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、BYKChemie社製のDISPERBYKシリーズ(例えば、DISPERBYK-111、161など)、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパースシリーズ(例えば、ソルスパース76500など)などが挙げられる。また、特開2014-130338号公報の段落番号0041~0130に記載された顔料分散剤を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。なお、上記分散剤として説明した樹脂は、分散剤以外の用途で使用することもできる。例えば、バインダーとして用いることもできる。
[0157]
-硬化性基を有する分散剤-
 本発明において用いられる分散剤としては、硬化性基を有する分散剤も好適にあげられる。
 上記分散剤における硬化性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、ビニル基、ビニルフェニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、および、マレイミド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましく、(メタ)アクリロイル基が更に好ましく、アクリロイル基が特に好ましい。
 また、硬化性基は、側鎖に有することが好ましく、側鎖の分子末端に有することも好ましい。
 本発明において、上述の無色顔料誘導体A1、及び、上述の有色顔料誘導体A2に該当する化合物は、硬化性基を有する分散剤には該当しないものとする。
 また、分散剤は、上述の色素部分構造を有しない化合物であることが好ましい。
 また、分散剤の好ましい重量平均分子量は、10,000~100,000であることが好ましい。
[0158]
<<式D1により表される構成単位>>
 硬化性基を有する分散剤は、下記式D1により表される構成単位を有することが好ましい。
[化30]


 式D1中、R D1~R D3はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、X D1は、-COO-、-CONR D6-またはアリーレン基を表し、R D6は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R D4は、2価の連結基を表し、L D1は、下記式D2または式D3により表される基を表し、R D5は、(n+1)価の連結基を表し、X D2は、酸素原子またはNR D7-を表し、R D7は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R は水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す。
[化31]


[0159]
 式D2および式D3中、X D3は、酸素原子または-NH-を表し、X D4は、酸素原子またはCOO-を表し、R e1~R e3はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、R e1~R e3のうちの少なくとも2つが結合し、環構造を形成していてもよく、*および波線は他の構造との結合位置を表す。
[0160]
 また、式D3で表される構造は、構造異性体として下記式D3’で表される構造を含んでもよい。
 式D3’中、X D5は式D3中のX D4と、R e4~R e6は式D3中のR e1~R e3とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
 また式D3’中、R e4~R e6のうちの少なくとも2つが結合し、環構造を形成していてもよく、*及び波線は他の構造との結合位置を表す。
 式D3’で表される構造は、例えば、カルボキシ基、フェノール性水酸基等の基と、エポキシ基との反応により構造異性体として存在する場合がある。
[化32]


[0161]
 着色感光性組成物において、上述の硬化性基を有する分散剤を用いることにより、得られる硬化物の深部硬化性に優れやすい。
 上記効果が得られる理由は不明であるが、以下のように推測される。
 上述の硬化性基を有する分散剤を用いた場合には、樹脂成分同士が重合するため、得られる硬化物の深部硬化性に優れやすいと考えられる。
 特に、式D1により表される構成単位を有する樹脂においては、側鎖に極性基である式D2または式D3により表される基を有することにより、組成物中において、上記(メタ)アクリロイル基が動く幅が大きくなり、反応性に優れると考えられる。また、式D2または式D3により表される基を有することにより、樹脂同士の凝集を抑制し、分散性に優れ、より上記(メタ)アクリロイル基が反応しやすくなるため、上記深部硬化性に優れる着色感光性組成物が得られやすいと考えられる。
 また、式D1により表される構成単位を有することにより、主鎖から離れた位置に式D2または式D3により表される基を介して高反応性の(メタ)アクリロイル基を導入することができる。これにより、樹脂分子内の(メタ)アクリロイル基同士で反応するのではなく、樹脂分子間または組成物中の他の架橋成分(例えば、重合性化合物など)と反応する確率が高められ、顔料濃度の高い組成物中でも効率良く架橋反応が進行し、深部硬化性およびパターン形状を向上できると考えられる。
 また、式D1により表される構成単位は、比較的長い側鎖構造を有し、式D2または式D3により表される極性基を側鎖に有するため、顔料への吸着性を高め、かつ、顔料粒子同士の凝集を抑制する立体的な反発性を発現すると考えられる。その結果、顔料の分散性が向上されると考えられる。
 更に、後述する式D4により表される構成単位を有することにより、主鎖から離れた位置に吸着性基となるカルボン酸を導入することができ、顔料吸着性を高め分散安定性を向上することができると考えられる。
 また、式D1により表される構成単位を導入することにより、基板密着性およびパターン形状も、深度硬化性に優れることにより、改良され、更に、後述する式D4により表される構成単位を有することにより、分散安定性を向上されると考えられる。
[0162]
 式D1におけるR D1~R D3はそれぞれ独立に、深部硬化性の観点から、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、深部硬化性の観点から、R D1は水素原子またはメチル基であり、かつR D2およびR D3は水素原子であることが更に好ましい。L D1が式D2により表される基である場合、R D1はメチル基であることが更に好ましく、L D1が式D3により表される基である場合、R D1は水素原子であることが更に好ましい。
 式D1におけるX D1は、深部硬化性の観点から、-COO-またはCONR D6-であることが好ましく、-COO-であることがより好ましい。X D1がアリーレン基である場合、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェニレン基またはナフチレン基がより好ましく、フェニレン基が更に好ましい。X D1が-COO-である場合、-COO-における炭素原子が式D1中のR D1が結合した炭素原子と結合することが好ましい。X D1が-CONR D6-である場合、-CONR D6-における炭素原子が式D1中のR D1が結合した炭素原子と結合することが好ましい。
 R D6は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
 式D1におけるR D4は、深部硬化性の観点から、炭化水素基、または、2以上の炭化水素基とエーテル結合およびエステル結合よりなる群から選ばれた1以上の構造とが結合した基であることが好ましく、炭化水素基、または、2以上の炭化水素基と1以上のエステル結合とが結合した基であることがより好ましい。
 また式D1におけるR D4は、アルキレン基、エーテル基、カルボニル基、フェニレン基、シクロアルキレン基、及び、エステル結合よりなる群から選ばれた2以上の基を結合した基であることが好ましく、アルキレン基、エーテル基、及び、エステル結合よりなる群から選ばれた2以上の基を結合した基であることがより好ましい。
 また、式におけるR D4は、深部硬化性の観点から、総原子数2~60の基であることが好ましく、総原子数2~50の基であることがより好ましく、総原子数2~40の基であることが特に好ましい。
 更に、深部硬化性の観点から、R D4が、炭化水素基、アルキレンオキシ基、アルキレンカルボニルオキシ基および下記構造により表されるいずれかの基よりなるよりなる群から選ばれた基であり、かつ上記R D5が、アルキレン基、または、2以上のアルキレン基とエーテル結合およびエステル結合よりなる群から選ばれた1以上の構造とが結合した基であることが特に好ましい。
[化33]


[0163]
 上記式中、*および波線は他の構造との結合位置を表し、*が式D1におけるX D1との結合部位を、波線がL D1との結合位置を表すことが好ましい。
 また、上記式中、L F1及びL F2はそれぞれ独立に、炭化水素基を表し、nは0以上の整数を表す。
 L F1及びL F2はそれぞれ独立に、炭素数2~20のアルキレン基である態様も好ましい。
 L F1及びL F2は同一の基である態様も好ましい。
 nは0~100である態様も好ましい。
[0164]
 式D1におけるnは、深部硬化性の観点から、1~6の整数であることが好ましく、1~3の整数であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
 式D1におけるR D5は、深部硬化性の観点から、2価の連結基であることが好ましく、アルキレン基、または、2以上のアルキレン基とエーテル結合およびエステル結合よりなる群から選ばれた1以上の構造とが結合した基であることがより好ましく、アルキレンオキシアルキレン基であることが更に好ましく、メチレンオキシ-n-ブチレン基であることが特に好ましい。
 また、式D1におけるR D5は、深部硬化性の観点から、総原子数2~40の基であることが好ましく、総原子数2~30の基であることがより好ましく、総原子数2~20の基であることが特に好ましい。
 式D1におけるX D2は、深部硬化性の観点から、酸素原子であることが好ましい。
 R D7は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
 R は、水素原子であることが好ましい。
[0165]
 式D1におけるL D1は、分散性の観点からは、上記式D2により表される基であることが好ましく、パターン形状および現像残渣抑制の観点からは、上記式D3により表される基であることが好ましい。
 上記式D2およびD3において、*がR D4との結合部位であり、波線がR D5との結合部位であることが好ましい。
 式D2におけるX D3は、深部硬化性および分散性の観点から、酸素原子であることが好ましい。
 また、L D1が、式D2により表される基である場合、深部硬化性および分散性の観点から、R D4が、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基およびイソブチレン基よりなる群から選ばれた基であり、かつR D5が、エチレン基であることが特に好ましい。
 式D3におけるX D4は、深部硬化性、パターン形状および現像残渣抑制の観点から、-COO-であることが好ましい。X D4が上記-COO-である場合、-COO-における酸素原子と、R e1が結合した炭素原子と、が結合することが好ましい。
 式D3におけるR e1~R e3は、深部硬化性、パターン形状および現像残渣抑制の観点から、水素原子であることが好ましい。
 また、L D1が、式D3により表される基である場合、深部硬化性、パターン形状および現像残渣抑制の観点から、R D4が、炭化水素基、2以上の炭化水素基とエーテル結合およびエステル結合よりなる群から選ばれた1以上の構造とが結合した基、または、下記構造により表されるいずれかの基であり、かつR D5が、アルキレン基、または、2以上のアルキレン基とエーテル結合およびエステル結合よりなる群から選ばれた1以上の構造とが結合した基であることが特に好ましい。
[0166]
 式D2により表される基としては、下記式D2-1または式D2-2により表される基が好ましく挙げられる。
 また、式D3により表される基としては、下記式D3-1または式D3-2により表される基が好ましく挙げられる。
[化34]


[0167]
 *および波線は、式D2または式D3中の*および波線と同義であり、好ましい態様も同様である。
[0168]
 また、式D3-1、及び、式D3-2で表される構造において、少なくとも一部が、下記式D3-1に対する式D3-1’、下記式D3-2に対する式D3-2’で表される構造となっていてもよい。式D3-1’で表される構造は、一例としては、カルボン酸化合物と、エポキシ基及びアクリロイル基を有する化合物との反応において、構造異性体として存在する場合がある。式D3-2’で表される構造は、一例としては、フェノール化合物と、エポキシ基及びアクリロイル基を有する化合物との反応において、構造異性体として存在する場合がある。
[化35]


[0169]
 式D1により表される構成単位としては、以下に示す構造が好ましく挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。下記具体例中、mは2以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。
[化36]


[化37]


[0170]
 硬化性基を有する分散剤は、式D1により表される構成単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
 式D1により表される構成単位の含有量は、現像性、パターン形状、分散安定性、および、深部硬化性の観点から、硬化性基を有する分散剤の全質量に対し、1~80質量%であることが好ましく、1~70質量%であることがより好ましく、1~60質量%であることが特に好ましい。
[0171]
<<式D4により表される構成単位)>>
 硬化性基を有する分散剤は、分散安定性、および、現像性の観点から、下記式D4により表される構成単位を更に有することが好ましい。
[化38]


 式D4中、R D8は、水素原子またはアルキル基を表し、X D5は、-COO-、-CONR -またはアリーレン基を表し、R は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、L D2は、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素数6~20の芳香族炭化水素基、または、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基および炭素数6~20の芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれた2以上の基とエーテル結合およびエステル結合よりなる群から選ばれた1以上の基とを結合した基を表し、更に、L D2は、X D5がアリーレン基である場合、単結合であってもよい。
[0172]
 式D4におけるR D8は、水素原子であることが好ましい。
 式D4におけるX D5は、分散安定性の観点から、-COO-またはCONR であることが好ましく、-COO-であることがより好ましい。X D5が-COO-である場合、-COO-における炭素原子が式D4中のR D8が結合した炭素原子と結合することが好ましい。X D5が-CONR DB-である場合、-CONR DB-における炭素原子が式D4中のR D8が結合した炭素原子と結合することが好ましい。
 R は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
 式D4におけるL D2は、分散安定性の観点から、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、または、2以上の炭素数1~10の脂肪族炭化水素基と1以上のエステル結合とを結合した基であることが好ましく、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数1~10のアルキレン基であることが特に好ましい。
[0173]
 式D4により表される構成単位としては、以下に示す構造が好ましく挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。下記具体例中、nは1以上の整数を表す。
[化39]


[0174]
 硬化性基を有する分散剤は、式D4により表される構成単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
 式D4により表される構成単位の含有量は、現像性、パターン形状、および、分散安定性の観点から、硬化性基を有する分散剤の全質量に対し、20質量%~80質量%であることが好ましく、20質量%~70質量%であることがより好ましく、20質量%~60質量%であることが特に好ましい。
[0175]
<<式D5により表される構成単位>>
 硬化性基を有する分散剤は、分散安定性の観点から、下記式D5により表される構成単位を更に有することが好ましく、分散安定性、および、現像性の観点から、上記式D4により表される構成単位、および、下記式D5により表される構成単位を更に有することがより好ましい。
[化40]


[0176]
 式D5中、R D9は、水素原子またはアルキル基を表し、X D6は、酸素原子またはNR -を表し、R は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、L D3は、2価の連結基を表し、Y D1およびY D2はそれぞれ独立に、アルキレンオキシ基またはアルキレンカルボニルオキシ基を表し、Z D1は、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基または炭素数6~20の芳香族炭化水素基を表し、pおよびqはそれぞれ独立に、0以上の整数を表し、p+qの値は1以上である。
[0177]
 式D5におけるR D9は、水素原子またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
 式D5におけるX D6は、分散安定性の観点から、酸素原子であることが好ましい。
 R は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
 式D5におけるL D3は、分散安定性の観点から、総原子数2~30の基であることが好ましく、総原子数3~20の基であることがより好ましく、総原子数4~10の基であることが特に好ましい。
 また、式D5におけるL D3は、分散安定性の観点から、ウレタン結合またはウレア結合を有する基であることが好ましく、ウレタン結合を有する基であることがより好ましく、アルキレン基とウレタン結合とが結合した基であることが特に好ましい。
[0178]
 式D5におけるY D1およびY D2はそれぞれ独立に、分散安定性の観点から、アルキレンカルボニルオキシ基であることが好ましく、Y D1およびY D2はそれぞれ異なるアルキレンカルボニルオキシ基であることがより好ましい。また、p個のY D1およびq個のY D2は、ランダムに配列していてもよいし、p個のY D1のブロックとq個のY D2のブロックとを形成して配列していてもよい。
 上記アルキレンカルボニルオキシ基の炭素数は、分散安定性の観点から、2~30であることが好ましく、3~10であることがより好ましく、5~8であることが特に好ましい。
 分散安定性の観点から、pは、1以上の整数であり、かつqは、0以上の整数であることが好ましく、pは、1以上の整数であり、かつqは、1以上の整数であることがより好ましく、pは、3以上の整数であり、かつqは、3以上の整数であることが特に好ましい。
 また、pおよびqはそれぞれ独立に、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが特に好ましい。
 式D5におけるZ D1は、分散安定性の観点から、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数4~20のアルキル基であることがより好ましく、炭素数6~20のアルキル基であることが特に好ましい。
 また、Z D1における上記アルキル基は、分散安定性の観点から、分岐アルキル基であることが好ましい。
[0179]
 式D5により表される構成単位としては、以下に示す構造が好ましく挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。下記具体例中、nは1以上の整数を表し、aおよびbはそれぞれ独立に、1以上の整数を表す。
[化41]


[0180]
 上記硬化性基を有する分散剤は、式D5により表される構成単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
 式D5により表される構成単位の含有量は、現像性、および、分散安定性の観点から、硬化性基を有する分散剤の全質量に対し、5質量%~80質量%であることが好ましく、5質量%~70質量%であることがより好ましく、5質量%~60質量%であることが特に好ましい。
[0181]
<<式D6により表わされる構成単位>>
 硬化性基を有する分散剤は、硬化性の観点から、下記式D6により表される構成単位を更に有することが好ましく、分散安定性、および、現像性の観点から、上記式D4により表される構成単位、分散安定性の観点から上記式D5により表される構成単位、および、硬化性の観点から、下記式D6により表される構成単位を更に有することがより好ましい。
[化42]


[0182]
 式D6中、R D10およびR D14はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、L D5は2価の連結基を表し、A D1は酸基からプロトンが乖離した構造を含む基を表し、R D11、R D12およびR D13はそれぞれ独立に、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基または炭素数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
[0183]
 式D6におけるR D10およびR D14はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
 式D6におけるL D5は、直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、ウレア結合、ウレタン結合、および、これらを2以上組み合わせた基であることが好ましく、下記式D6-1または式D6-2により表される基であることがより好ましい。
 式D6におけるA D1は、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスフィン酸基、および、ホスホン酸基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸基から少なくとも1つのプロトンが乖離した構造を含む基であることが好ましく、分散安定性の観点からは、カルボン酸からプロトンが乖離した構造を含む基であることがより好ましい。また、A D1は2以上の酸基を含んでいてもよいし、1つのみの酸基を含んでいてもよい。好ましい態様の1つとしては、A D1が1つのみの酸基を含む態様が挙げられる。
 式D6におけるR D11、R D12およびR D13はそれぞれ独立に、分散安定性の観点からは、炭素数1~20のアルキル基、またはフェニル基を有していることが好ましく、炭素数1~20のアルキル基であることが特に好ましい。
[化43]


 式D6-1および式D6-2中、L D6およびL D7は2価の連結基を表し、*は式D6中の窒素原子との結合部位を、波線は式D6中のR D14が結合した炭素原子との結合部位を表す。
[0184]
 式D6-1中、L D6はアルキレン基、エーテル基、および、これらを2以上結合した基が好ましい。上記アルキレン基の炭素数は、1~20であることが好ましく、1~10であることがより好ましい。また、式D6-1により表される基は、下記式D6-3により表される基であることが好ましい。
 式D6-2中、L D7はアルキレン基であることが好ましい。上記アルキレン基の炭素数は、1~20であることが好ましく、1~10であることがより好ましい。また、L D7は式D6-2中に記載された、ヒドロキシ基(-OH)及び*が結合したシクロヘキサン環のいずれかの環員原子に結合していればよく、結合位置は特に限定されないが、式D6-2中のヒドロキシ基が結合する環員原子を1位、*と結合する環員原子を2位とした場合に、5位の環員原子と結合することが好ましい
[化44]


 式D6-3中、L D6およびL D7は2価の連結基を表し、*は式D6中の窒素原子との結合部位を、波線は式D6中のR D14が結合した炭素原子との結合部位を表す。
[0185]
 また、式D6-1で表される構造において、少なくとも一部が、式D6-1’で表される構造となっていてもよい。式D6-1’で表される構造は、一例としては、カルボン酸、フェノール性水酸基等の基と、エポキシ基との反応において、構造異性体として存在する場合がある。
[化45]


[0186]
 式D6により表される構成単位としては、以下に示す群Aから選ばれた少なくとも1種と、群Bから選ばれた少なくとも1種と、を組み合わせた構造が好ましく挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。下記具体例中、nは1以上の整数を表し、Etはエチル基を表す。
[化46]


[0187]
<<その他の構成単位>>
 硬化性基を有する分散剤は、上述した式D1、式D4式D5および式D6により表される構成単位以外のその他の構成単位を有していてもよい。
 その他の構成単位としては、特に制限はなく、公知の構成単位を有することができる。
[0188]
 硬化性基を有する分散剤の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上であることが好ましく、1,000~200,000であることがより好ましく、1,000~100,000であることが特に好ましい。
[0189]
 硬化性基を有する分散剤のエチレン性不飽和結合価は、深部硬化性、パターン形状、および、基板密着性の観点から、0.01mmol/g~2.5mmol/gであることが好ましく、0.05mmol/g~2.3mmol/gであることがより好ましく、0.1mmol/g~2.2mmol/gであることが更に好ましく、0.1mmol/g~2.0mmol/gであることが特に好ましい。
 硬化性基を有する分散剤のエチレン性不飽和結合価は、硬化性基を有する分散剤の固形分1gあたりのエチレン性不飽和基のモル量を表したものであり、アルカリ処理により硬化性基を有する分散剤からエチレン性不飽和基部位(例えば、上記硬化性基を有する分散剤の式D1により表される構成単位において、アクリロキシ基を有する場合は、アクリル酸)の低分子成分(a)を取り出し、その含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定し、その測定値に基づいて下記式からエチレン性不飽和結合価を算出した。具体的には、測定サンプル0.1gをテトラヒドロフラン/メタノール混合液(50mL/15mL)に溶解させ、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液10mLを加え、40℃で2時間反応させた。反応液を4mol/Lメタンスルホン酸水溶液10.2mLで中和し、その後、イオン交換水5mLとメタノール2mLを加えた混合液を100mLメスフラスコに移液し、メタノールでメスアップすることでHPLC測定サンプルを調製し、以下の条件で測定する。なお、低分子成分(a)の含有量は別途作成した低分子成分(a)の検量線から算出し、エチレン性不飽和結合価は下記式より算出する。
[0190]
〔エチレン性不飽和結合価算出式〕
 エチレン性不飽和結合価[mmol/g]=(低分子成分(a)含有量[ppm]/低分子成分(a)の分子量[g/mol])/(調液ポリマーの秤量値[g]×(ポリマー液の固形分濃度[%]/100)×10)
-HPLC測定条件-
 測定機器: Agilent-1200(アジレント・テクノロジー(株)製)
 カラム: Phenomenex社製 Synergi 4u Polar-RP 80A,250mm×4.60mm(内径)+ガードカラム
 カラム温度:40℃
 分析時間:15分
 流速:1.0mL/min(最大送液圧力:182bar(18.2MPa))
 注入量:5μl
 検出波長:210nm
 溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤不含HPLC用)/バッファー溶液(リン酸0.2体積%およびトリエチルアミン0.2体積%を含有するイオン交換水溶液)=55/45(体積%)
 なお、本明細書において、体積%は25℃における値である。
[0191]
 着色感光性組成物は、硬化性基を有する分散剤を1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
 着色感光性組成物が硬化性基を有する分散剤を含有する場合、硬化性基を有する分散剤の含有量は、深部硬化性、および、分散安定性の観点から、着色感光性組成物の全固形分に対して、10~45質量%であることが好ましく、12~40質量%であることがより好ましく、14~35質量%であることが特に好ましい。
 また、硬化性基を有する分散剤の含有量は、深部硬化性、および、分散安定性の観点から、顔料の含有量100質量部に対して、20~60質量部含有することが好ましく、22~55質量部であることがより好ましく、24~50質量部であることが特に好ましい。
[0192]
 硬化性基を有する分散剤の合成方法は、特に制限はなく、公知の方法、および、公知の方法を応用して合成することができる。
 例えば、上記硬化性基を有する分散剤の前駆体を公知の方法により合成した後、高分子反応により、上記式D1により表される構成単位におけるアクリロイル基を有する基を導入する方法が挙げられる。上記高分子反応としては、上記硬化性基を有する分散剤の前駆体が有するカルボキシ基と、エポキシ基およびアクリロイル基を有する化合物との反応、ならびに、上記硬化性基を有する分散剤の前駆体が有するヒドロキシ基と、イソシアナト基およびアクリロイル基を有する化合物との反応などが挙げられる。
[0193]
 また、上記硬化性基を有する分散剤は、現像性を担う構成単位、分散性を担う構成単位、硬化性を担う構成単位等の異なる構成単位から構成されており、異なる機能を効果的に発現するためには、上記硬化性基を有する分散剤の組成が均一化していることが好ましい。
 上記硬化性基を有する分散剤の組成を均一化する方法としては、例えば、異なるモノマー種の消費速度を合わせるように反応系内にモノマーを滴下する手法が挙げられる。一般的には、消費速度の遅いモノマー種の反応系内の初期濃度を上げ、消費速度の速いモノマー種を滴下することで反応系内での濃度差を作ることで反応速度を合わすことが可能である。
[0194]
〔含有量〕
 本発明の着色感光性組成物が樹脂を含む場合、着色感光性組成物の全固形分中における樹脂の含有量(着色感光性組成物に含まれる、樹脂に該当する成分の合計量)は、5~50質量%が好ましい。下限は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。また、着色感光性組成物の全固形分中における酸基を有する樹脂の含有量は、5~50質量%が好ましい。下限は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。また、樹脂全量中における酸基を有する樹脂の含有量は、優れた現像性が得られやすいという理由から30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上限は、100質量%とすることができ、95質量%とすることもでき、90質量%以下とすることもできる。
[0195]
 また、着色感光性組成物の全固形分中における重合性化合物と樹脂との合計の含有量は、硬化性、現像性および被膜形成性の観点から10~65質量%が好ましい。下限は、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。また、重合性化合物の100質量部に対して、樹脂を30~300質量部含有することが好ましい。下限は50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましい。上限は250質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。
[0196]
<環状エーテル基を有する化合物>
 本発明の着色感光性組成物は、環状エーテル基を有する化合物を含有することができる。環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。環状エーテル基を有する化合物は、エポキシ基を有する化合物であることが好ましい。エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を1つ以上有する化合物が挙げられ、エポキシ基を2つ以上有する化合物が好ましい。エポキシ基は、1分子内に1~100個有することが好ましい。エポキシ基の数の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。エポキシ基の数の下限は、2個以上が好ましい。エポキシ基を有する化合物としては、特開2013-011869号公報の段落番号0034~0036、特開2014-043556号公報の段落番号0147~0156、特開2014-089408号公報の段落番号0085~0092に記載された化合物、特開2017-179172号公報に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
[0197]
 エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量2000未満、さらには、分子量1,000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1,000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1,000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の重量平均分子量は、200~100,000が好ましく、500~50,000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、10,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、3,000以下が更に好ましい。
[0198]
 エポキシ基を有する化合物としては、エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。エポキシ樹脂としては、例えばフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、エポキシ基をもつケイ素化合物とそれ以外のケイ素化合物との縮合物、エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体等が挙げられる。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、310~3,300g/eqであることが好ましく、310~1,700g/eqであることがより好ましく、310~1,000g/eqであることが更に好ましい。
[0199]
 環状エーテル基を有する化合物の市販品としては、例えば、EHPE3150((株)ダイセル製)、EPICLON N-695(DIC(株)製)、マープルーフG-0150M、G-0105SA、G-0130SP、G-0250SP、G-1005S、G-1005SA、G-1010S、G-2050M、G-01100、G-01758(以上、日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)等が挙げられる。
[0200]
 本発明の着色感光性組成物が環状エーテル基を有する化合物を含有する場合、着色感光性組成物の全固形分中における環状エーテル基を有する化合物の含有量は、0.1~20質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、例えば、15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。環状エーテル基を有する化合物は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0201]
<シランカップリング剤>
 本発明の着色感光性組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。この態様によれば、得られる膜の支持体との密着性をより向上させることができる。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基、フェニル基などが挙げられ、アミノ基、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、特開2009-288703号公報の段落番号0018~0036に記載の化合物、特開2009-242604号公報の段落番号0056~0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0202]
 着色感光性組成物の全固形分中におけるシランカップリング剤の含有量は、0.1~5質量%が好ましい。上限は、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。シランカップリング剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0203]
<溶剤>
 本発明の着色感光性組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。溶剤は、各成分の溶解性や着色感光性組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。有機溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開第2015/166779号の段落番号0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤を好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジクロロメタン、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミドなどが挙げられる。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
[0204]
 本発明においては、金属含有量の少ない溶剤を用いることが好ましく、溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
[0205]
 溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
[0206]
 溶剤には、異性体(原子数が同じであるが構造が異なる化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
[0207]
 本発明において、有機溶剤中の過酸化物の含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
[0208]
 着色感光性組成物中における溶剤の含有量は、10~95質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましく、30~90質量%であることが更に好ましい。
[0209]
 また、本発明の着色感光性組成物は、環境規制の観点から環境規制物質を実質的に含有しないことが好ましい。なお、本発明において、環境規制物質を実質的に含有しないとは、着色感光性組成物中における環境規制物質の含有量が50質量ppm以下であることを意味し、30質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることが更に好ましく、1質量ppm以下であることが特に好ましい。環境規制物質は、例えばベンゼン;トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン類;クロロベンゼン等のハロゲン化ベンゼン類等が挙げられる。これらは、REACH(Registration Evaluation Authorization and Restriction of CHemicals)規則、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)法、VOC(Volatile Organic Compounds)規制等のもとに環境規制物質として登録されており、使用量や取り扱い方法が厳しく規制されている。これらの化合物は、本発明の着色感光性組成物に用いられる各成分などを製造する際に溶媒として用いられることがあり、残留溶媒として着色感光性組成物中に混入することがある。人への安全性、環境への配慮の観点よりこれらの物質は可能な限り低減することが好ましい。環境規制物質を低減する方法としては、系中を加熱や減圧して環境規制物質の沸点以上にして系中から環境規制物質を留去して低減する方法が挙げられる。また、少量の環境規制物質を留去する場合においては、効率を上げる為に該当溶媒と同等の沸点を有する溶媒と共沸させることも有用である。また、ラジカル重合性を有する化合物を含有する場合、減圧留去中にラジカル重合反応が進行して分子間で架橋してしまうことを抑制するために重合禁止剤等を添加して減圧留去してもよい。これらの留去方法は、原料の段階、原料を反応させた生成物(例えば重合した後の樹脂溶液や多官能モノマー溶液)の段階、またはこれらの化合物を混ぜて作製した着色感光性組成物の段階いずれの段階でも可能である。
[0210]
<重合禁止剤>
 本発明の着色感光性組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、p-メトキシフェノールが好ましい。着色感光性組成物の全固形分中における重合禁止剤の含有量は、0.0001~5質量%が好ましい。
[0211]
<界面活性剤>
 本発明の着色感光性組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤については、国際公開第2015/166779号の段落番号0238~0245を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0212]
 本発明において、界面活性剤はフッ素系界面活性剤であることが好ましい。着色感光性組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで液特性(特に、流動性)がより向上し、省液性をより改善することができる。また、厚みムラの小さい膜を形成することもできる。
[0213]
 フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3~40質量%が好適であり、より好ましくは5~30質量%であり、特に好ましくは7~25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色感光性組成物中における溶解性も良好である。
[0214]
 フッ素系界面活性剤としては、特開2014-041318号公報の段落番号0060~0064(対応する国際公開第2014/017669号の段落番号0060~0064)等に記載の界面活性剤、特開2011-132503号公報の段落番号0117~0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF171、F172、F173、F176、F177、F141、F142、F143、F144、R30、F437、F475、F479、F482、F554、F780、EXP、MFS-330(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393、KH-40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。
[0215]
 また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS-21が挙げられる。
[0216]
 また、フッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。このようなフッ素系界面活性剤は、特開2016-216602号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0217]
 フッ素系界面活性剤としては、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011-089090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
[化47]


 上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000~50,000であり、例えば、14,000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
[0218]
 また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010-164965号公報の段落番号0050~0090および段落番号0289~0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015-117327号公報の段落番号0015~0158に記載の化合物を用いることもできる。
[0219]
 ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンならびにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(和光純薬工業(株)製)、パイオニンD-6112、D-6112-W、D-6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
[0220]
 シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越シリコーン(株)製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
[0221]
 着色感光性組成物の全固形分中における界面活性剤の含有量は、0.001質量%~5.0質量%が好ましく、0.005~3.0質量%がより好ましい。界面活性剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0222]
<紫外線吸収剤>
 本発明の着色感光性組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012-208374号公報の段落番号0052~0072、特開2013-068814号公報の段落番号0317~0334、特開2016-162946号公報の段落番号0061~0080の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。紫外線吸収剤の具体例としては、下記構造の化合物などが挙げられる。紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、UV-503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としては、ミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)が挙げられる。
[化48]


[0223]
 着色感光性組成物の全固形分中における紫外線吸収剤の含有量は、0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。本発明において、紫外線吸収剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0224]
<酸化防止剤>
 本発明の着色感光性組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。フェノール性ヒドロキシ基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1~22の置換または無置換のアルキル基が好ましい。また、酸化防止剤は、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。また、酸化防止剤は、リン系酸化防止剤も好適に使用することができる。リン系酸化防止剤としてはトリス[2-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2-[(4,6,9,11-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-2-イル)オキシ]エチル]アミン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)などが挙げられる。酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブ AO-20、アデカスタブ AO-30、アデカスタブ AO-40、アデカスタブ AO-50、アデカスタブ AO-50F、アデカスタブ AO-60、アデカスタブ AO-60G、アデカスタブ AO-80、アデカスタブ AO-330(以上、(株)ADEKA)などが挙げられる。
[0225]
 着色感光性組成物の全固形分中における酸化防止剤の含有量は、0.01~20質量%であることが好ましく、0.3~15質量%であることがより好ましい。酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0226]
<酸化剤>
 本発明の着色感光性組成物は、酸化剤を含有することができる。
 酸化剤には、上述の重合禁止剤としても働く化合物が含まれる場合がある。
 酸化剤としては、たとえばキノン化合物、キノジメタン化合物などが挙げられる。キノン化合物としてはベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、クロラニル、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)などを用いることができる。キノジメタン化合物としては7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2-フルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(FTCNQ)、2,5-ジフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F2TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)などを用いることができる。
酸化剤は含有する顔料または染料の最低空軌道(LUMO)よりも低いことが好ましい。酸化剤のLUMOは好ましくは-3.5eV以下であり、より好ましくは-3.8eV以下であり、最も好ましくは-4.0eV以下である。
着色感光性組成物の全固形分中における酸化剤の含有量は、0.0001~10質量%であることが好ましく、0.0005~5質量%であることがより好ましく、0.001~1質量%であることが最も好ましい。酸化剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[0227]
<その他成分>
 本発明の着色感光性組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、可塑剤およびその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012-003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008-250074号公報の段落番号0101~0104、0107~0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、本発明の着色感光性組成物は、必要に応じて、潜在酸化防止剤を含有してもよい。潜在酸化防止剤としては、酸化防止剤として機能する部位が保護基で保護された化合物であって、100~250℃で加熱するか、または酸/塩基触媒存在下で80~200℃で加熱することにより保護基が脱離して酸化防止剤として機能する化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤としては、国際公開第2014/021023号、国際公開第2017/030005号、特開2017-008219号公報に記載された化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤の市販品としては、アデカアークルズGPA-5001((株)ADEKA製)等が挙げられる。
[0228]
 また、本発明の着色感光性組成物は、得られる膜の屈折率を調整するために金属酸化物を含有させてもよい。金属酸化物としては、TiO 、ZrO 、Al 、SiO 等が挙げられる。金属酸化物の一次粒子径は1~100nmが好ましく、3~70nmがより好ましく、5~50nmが更に好ましい。金属酸化物はコア-シェル構造を有していてもよい。また、この場合、コア部は中空状であってもよい。
[0229]
 また、本発明の着色感光性組成物は、耐光性改良剤を含んでもよい。耐光性改良剤としては、特開2017-198787号公報の段落番号0036~0037に記載の化合物、特開2017-146350号公報の段落番号0029~0034に記載の化合物、特開2017-129774号公報の段落番号0036~0037、0049~0052に記載の化合物、特開2017-129674号公報の段落番号0031~0034、0058~0059に記載の化合物、特開2017-122803号公報の段落番号0036~0037、0051~0054に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0039に記載の化合物、特開2017-186546号公報の段落番号0034~0047に記載の化合物、特開2015-025116号公報の段落番号0019~0041に記載の化合物、特開2012-145604号公報の段落番号0101~0125に記載の化合物、特開2012-103475号公報の段落番号0018~0021に記載の化合物、特開2011-257591号公報の段落番号0015~0018に記載の化合物、特開2011-191483号公報の段落番号0017~0021に記載の化合物、特開2011-145668号公報の段落番号0108~0116に記載の化合物、特開2011-253174号公報の段落番号0103~0153に記載の化合物などが挙げられる。
[0230]
 本発明の着色感光性組成物の粘度(25℃)は、例えば、塗布により膜を形成する場合、1~100mPa・sであることが好ましい。下限は、0.1mPa・s以上がより好ましく、0.2mPa・s以上が更に好ましい。上限は、10mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以下が更に好ましく、3mPa・s以下が特に好ましい。
[0231]
 本発明の着色感光性組成物は、顔料などと結合または配位していない遊離の金属の含有量が100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが更に好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。本明細書において、ppmは質量基準である。この態様によれば、顔料分散性の安定化(凝集抑止)、分散性向上に伴う分光特性の向上、硬化性成分の安定化、金属原子・金属イオンの溶出に伴う導電性変動の抑止、表示特性の向上などの効果が期待できる。また、特開2012-153796号公報、特開2000-345085号公報、特開2005-200560号公報、特開平8-043620号公報、特開2004-145078号公報、特開2014-119487号公報、特開2010-083997号公報、特開2017-090930号公報、特開2018-025612号公報、特開2018-025797号公報、特開2017-155228号公報、特開2018-036521号公報などに記載された効果も得られる。上記の遊離の金属の種類としては、Na、K、Ca、Sc、Ti、Mn、Cu、Zn、Fe、Cr、Co、Mg、Al、Sn、Zr、Ga、Ge、Ag、Au、Pt、Cs、Ni、Cd、Pb、Bi等が挙げられる。また、本発明の着色感光性組成物は、顔料などと結合または配位していない遊離のハロゲンの含有量が100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが更に好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。ハロゲンとしては、F、Cl、Br、Iおよびそれらの陰イオンが挙げられる。着色感光性組成物中の遊離の金属やハロゲンの低減方法としては、イオン交換水による洗浄、ろ過、限外ろ過、イオン交換樹脂による精製等の方法が挙げられる。
[0232]
 本発明の着色感光性組成物は、テレフタル酸エステルを実質的に含まないことも好ましい。
[0233]
<収容容器>
 本発明の着色感光性組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器として、原材料や着色感光性組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015-123351号公報に記載の容器が挙げられる。
 また、本発明の着色感光性組成物や、イメージセンサを製造するために用いられる組成物の収容容器としては、容器内壁からの金属溶出を防ぎ、組成物の保存安定性を高め、成分変質を抑制する目的で、収容容器の内壁をガラス製やステンレス製などにすることも好ましい。
 本発明の着色感光性組成物の保存条件としては特に限定はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、特開2016-180058号公報に記載された方法を用いることもできる。
[0234]
<着色感光性組成物の調製方法>
 本発明の着色感光性組成物は、前述の成分を混合して調製できる。着色感光性組成物の調製に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解および/または分散して着色感光性組成物を調製してもよいし、必要に応じて、各成分を適宜2つ以上の溶液または分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して着色感光性組成物を調製してもよい。
[0235]
 また、着色感光性組成物の調製に際して、顔料を分散させるプロセスを含むことが好ましい。顔料を分散させるプロセスにおいて、顔料の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における顔料の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、顔料を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015-157893号公報の段落番号0022に記載のプロセスおよび分散機を好適に使用出来る。また顔料を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は、例えば特開2015-194521号公報、特開2012-046629号公報の記載を参酌できる。
[0236]
 着色感光性組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、着色感光性組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン-6、ナイロン-6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
[0237]
 フィルタの孔径は、0.01~7.0μmが好ましく、0.01~3.0μmがより好ましく、0.05~0.5μmが更に好ましい。フィルタの孔径が上記範囲であれば、微細な異物をより確実に除去できる。フィルタの孔径値については、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。フィルタは、日本ポール株式会社(DFA4201NIEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)および株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタを用いることができる。
[0238]
 また、フィルタとしてファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。市販品としては、ロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)が挙げられる。
[0239]
 フィルタを使用する際、異なるフィルタ(例えば、第1のフィルタと第2のフィルタなど)を組み合わせてもよい。その際、各フィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみに対して行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。
[0240]
(膜)
 本発明の膜は、上述した本発明の着色感光性組成物から形成された膜である。本発明の膜は、カラーフィルタ、近赤外線透過フィルタ、近赤外線カットフィルタ、ブラックマトリクス、遮光膜、屈折率調整膜などに用いることができる。例えば、カラーフィルタの着色層として好ましく用いることができる。
 本発明の膜の膜厚は、目的に応じて適宜調整できる。例えば、膜厚は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。
[0241]
<膜の製造方法>
 本発明の膜は、上述した本発明の着色感光性組成物を支持体上に付与する工程を経て製造できる。本発明の膜の製造方法においては、更にパターン(画素)を形成する工程を含むことが好ましい。パターン(画素)の形成方法としては、フォトリソグラフィ法が好ましい。
[0242]
 フォトリソグラフィ法によるパターン形成は、本発明の着色感光性組成物を用いて支持体上に着色感光性組成物層を形成する工程と、着色感光性組成物層をパターン状に露光する工程と、着色感光性組成物層の未露光部を現像除去してパターン(画素)を形成する工程と、を含むことが好ましい。必要に応じて、着色感光性組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像されたパターン(画素)をベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。
[0243]
〔着色感光性組成物層を形成する工程〕
 着色感光性組成物層を形成する工程では、本発明の着色感光性組成物を用いて、支持体上に着色感光性組成物層を形成する。支持体としては、特に限定は無く、用途に応じて適宜選択できる。例えば、ガラス基板、シリコン基板などが挙げられ、シリコン基板であることが好ましい。また、シリコン基板には、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、透明導電膜などが形成されていてもよい。また、シリコン基板には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されている場合もある。また、シリコン基板には、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層が設けられていてもよい。
[0244]
 着色感光性組成物層を形成する工程では、着色感光性組成物が支持体に付与される。
 着色感光性組成物の付与方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(たとえば、特開2009-145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えばオンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット-特許に見る無限の可能性-、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された方法(特に115ページ~133ページ)や、特開2003-262716号公報、特開2003-185831号公報、特開2003-261827号公報、特開2012-126830号公報、特開2006-169325号公報などに記載の方法が挙げられる。また、着色感光性組成物の塗布方法については、国際公開第2017/030174号、国際公開第2017/018419号の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[0245]
 支持体上に形成した着色感光性組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスにより膜を製造する場合は、プリベークを行わなくてもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10~300秒が好ましく、40~250秒がより好ましく、80~220秒がさらに好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
[0246]
〔露光工程〕
 次に、着色感光性組成物層をパターン状に露光する(露光工程)。例えば、着色感光性組成物層に対し、ステッパー露光機やスキャナ露光機などを用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン状に露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。
[0247]
 露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等が挙げられる。また、波長300nm以下の光(好ましくは波長180~300nmの光)を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられ、KrF線(波長248nm)が好ましい。また、300nm以上の長波な光源も利用できる。
[0248]
 また、露光に際して、光を連続的に照射して露光してもよく、パルス的に照射して露光(パルス露光)してもよい。なお、パルス露光とは、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光する方式の露光方法のことである。パルス露光の場合、パルス幅は、100ナノ秒(ns)以下であることが好ましく、50ナノ秒以下であることがより好ましく、30ナノ秒以下であることが更に好ましい。パルス幅の下限は、特に限定はないが、1フェムト秒(fs)以上とすることができ、10フェムト秒以上とすることもできる。周波数は、1kHz以上であることが好ましく、2kHz以上であることがより好ましく、4kHz以上であることが更に好ましい。周波数の上限は50kHz以下であることが好ましく、20kHz以下であることがより好ましく、10kHz以下であることが更に好ましい。最大瞬間照度は、50,000,000W/m 以上であることが好ましく、100,000,000W/m 以上であることがより好ましく、200,000,000W/m 以上であることが更に好ましい。また、最大瞬間照度の上限は、1,000,000,000W/m 以下であることが好ましく、800,000,000W/m 以下であることがより好ましく、500,000,000W/m 以下であることが更に好ましい。なお、パルス幅とは、パルス周期における光が照射されている時間のことである。また、周波数とは、1秒あたりのパルス周期の回数のことである。また、最大瞬間照度とは、パルス周期における光が照射されている時間内での平均照度のことである。また、パルス周期とは、パルス露光における光の照射と休止を1サイクルとする周期のことである。
[0249]
 照射量(露光量)は、例えば、0.03~2.5J/cm が好ましく、0.05~1.0J/cm がより好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、または、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、または、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1,000W/m ~100,000W/m (例えば、5,000W/m 、15,000W/m 、または、35,000W/m )の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10,000W/m 、酸素濃度35体積%で照度20,000W/m などとすることができる。
[0250]
〔現像工程〕
 次に、着色感光性組成物層の未露光部を現像除去してパターン(画素)を形成する。着色感光性組成物層の未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の着色感光性組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、下地の素子や回路などにダメージを起さない有機アルカリ現像液が望ましい。現像液の温度は、例えば、20~30℃が好ましい。現像時間は、20~180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
[0251]
 現像液は、アルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液(アルカリ現像液)であることが好ましい。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。また、現像液は、さらに界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、上述した界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されないが、例えば1.5~100倍の範囲に設定することができる。また、現像後純水で洗浄(リンス)することも好ましい。また、リンスは、現像後の着色感光性組成物層が形成された支持体を回転させつつ、現像後の着色感光性組成物層へリンス液を供給して行うことが好ましい。また、リンス液を吐出させるノズルを支持体の中心部から支持体の周縁部に移動させて行うことも好ましい。この際、ノズルの支持体中心部から周縁部へ移動させるにあたり、ノズルの移動速度を徐々に低下させながら移動させてもよい。このようにしてリンスを行うことで、リンスの面内ばらつきを抑制できる。また、ノズルを支持体中心部から周縁部へ移動させつつ、支持体の回転速度を徐々に低下させても同様の効果が得られる。
[0252]
 現像後、乾燥を施した後に追加露光処理や加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。追加露光処理やポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の処理であり、加熱温度は、例えば100~240℃が好ましく、200~240℃がより好ましい。ポストベークは、現像後の膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
 追加露光処理を行う場合、露光に用いられる光は、波長400nm以下の光であることが好ましい。また、追加露光処理は、韓国公開特許第10-2017-0122130号公報に記載の方法で行ってもよい。
[0253]
 画素の幅としては、0.5~20.0μmであることが好ましい。下限は、1.0μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であることがより好ましい。上限は、15.0μm以下であることが好ましく、10.0μm以下であることがより好ましい。
[0254]
 画素のヤング率としては0.5~20GPaが好ましく、2.5~15GPaがより好ましい。
[0255]
 画素は高い平坦性を有することが好ましい。具体的には、画素の表面粗さRaとしては、100nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることが更に好ましい。下限は規定されないが、例えば0.1nm以上であることが好ましい。表面粗さの測定は、例えばVeeco社製のAFM(原子間力顕微鏡) Dimension3100を用いて測定することができる。
 また、画素上の水の接触角は適宜好ましい値に設定することができるが、典型的には、50~110°の範囲である。接触角は、例えば接触角計CV-DT・A型(協和界面科学(株)製)を用いて測定できる。
[0256]
 画素の体積抵抗値は高いことが望まれる。具体的には、画素の体積抵抗値は10 Ω・cm以上であることが好ましく、10 11Ω・cm以上であることがより好ましい。上限は規定されないが、例えば10 14Ω・cm以下であることが好ましい。画素の体積抵抗値は、例えば超高抵抗計5410(アドバンテスト社製)を用いて測定することができる。
[0257]
(カラーフィルタ)
 本発明のカラーフィルタは、本発明の着色感光性組成物から形成されたカラーフィルタである。本発明のカラーフィルタは、上述した本発明の膜を有することが好ましい。本発明の膜をカラーフィルタに用いる場合においては、顔料として、有彩色顔料を用いることが好ましい。
 本発明のカラーフィルタの膜厚は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましい。本発明のカラーフィルタは、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や画像表示装置などに用いることができる。
[0258]
 また、本発明のカラーフィルタは、本発明の膜と保護層とを含んでもよい。上記保護層と本発明の膜とは接していてもよいし、間に更に別の層を有してもよいし、間に空隙を有してもよい。保護層を含むことにより、酸素遮断化、低反射化、親疎水化、特定波長の光(紫外線、近赤外線、赤外線等)の遮蔽等の種々の機能を付与することができる。保護層の厚さとしては、0.01~10μmが好ましく、0.1~5μmがさらに好ましい。保護層の形成方法としては、溶剤に溶解した樹脂組成物を塗布して形成する方法、化学気相蒸着法、成型した樹脂を接着材で貼りつける方法等が挙げられる。保護層を構成する成分としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、セルロース樹脂、Si、C、W、Al 、Mo、SiO 、Si などが挙げられ、これらの成分を二種以上含有しても良い例えば、酸素遮断化を目的とした保護層の場合、保護層はポリオール樹脂、SiO 、Si を含むことが好ましい。また、低反射化を目的とした保護層の場合、保護層は(メタ)アクリル樹脂、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
[0259]
 樹脂組成物を塗布して保護層を形成する場合、樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、キャスト法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の公知の方法を用いることができる。樹脂組成物に含まれる溶剤は、公知の溶剤(例えば、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート、シクロペンタノン、乳酸エチル等)を用いることが出来る。保護層を化学気相蒸着法にて形成する場合、化学気相蒸着法としては、公知の化学気相蒸着法(熱化学気相蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、光化学気相蒸着法)を用いることができる
[0260]
 保護層は、必要に応じて、有機・無機粒子、特定波長(例えば、紫外線、近赤外線、赤外線等)の吸収剤、屈折率調整剤、酸化防止剤、密着剤、界面活性剤等の添加剤を含有しても良い。有機・無機微粒子の例としては、例えば、高分子微粒子(例えば、シリコーン樹脂微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン樹脂微粒子)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、窒化チタン、酸窒化チタン、フッ化マグネシウム、中空シリカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。特定波長の吸収剤は公知の吸収剤を用いることができる。例えば、紫外線吸収剤としては、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012-208374号公報の段落番号0052~0072、特開2013-068814号公報の段落番号0317~0334、特開2016-162946号公報の段落番号0061~0080の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。赤外線吸収剤としては、例えば、環状テトラピロール色素、オキソカーボン色素、シアニン色素、クアテリレン色素、ナフタロシアニン色素、ニッケル錯体色素、銅イオン色素、イミニウム色素、サブフタロシアニン色素、キサンテン色素、アゾ系色素、ジピロメテン色素、ピロロピロール色素などを用いることができる。これらの詳細については、特開2018-054760号公報の段落番号0020~0072、特開2009-263614号公報、国際公開第2017/146092号の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。これらの添加剤の含有量は適宜調整できるが、保護層の全質量に対して0.1~70質量%が好ましく、1~60質量%がさらに好ましい。
[0261]
 また、保護層としては、特開2017-151176号公報の段落番号0073~0092に記載の保護層を用いることもできる。
[0262]
(固体撮像素子)
 本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の膜を含む。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の膜を含み、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
[0263]
 基板上に、固体撮像素子(CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、カラーフィルタを有する構成である。更に、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は各着色画素に対して低屈折率であることが好ましい。このような構造を有する撮像装置の例としては、特開2012-227478号公報、特開2014-179577号公報、国際公開第2018/043654号に記載の装置が挙げられる。本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、デジタルカメラや、撮像機能を有する電子機器(携帯電話等)の他、車載カメラや監視カメラ用としても用いることができる。
[0264]
(画像表示装置)
 本発明の画像表示装置は、上述した本発明の膜を含む。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
実施例
[0265]
 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[0266]
<分散液の調製(1)>
 下記の表に記載の顔料(G顔料(緑色顔料):8.29質量部、Y顔料(黄色顔料):2.07質量部)と、下記の表に記載の無色顔料誘導体A1と、下記表に記載の有色顔料誘導体A2と、下記表に記載の分散剤と、71.92質量部のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)とを混合したのち、直径0.3mmのジルコニアビーズ230質量部を加えて、ペイントシェーカーを用いて5時間分散処理を行い、ビーズをろ過で分離して分散液を製造した。下記の表に記載の含有量を示す数値は質量部である。なお、例えば分散液G-18における「G顔料」の欄のPG36 PG58(50/50)等の記載は、G顔料として、PG36と、PG38とを50/50(質量比)の割合で使用したことを示している。
 また、「(A1)/(A1+A2)(質量%)」の欄には「顔料誘導体A1、および、顔料誘導体A2の総質量に対する、顔料誘導体A1の含有量(質量%)」を、「(A1+A2)/顔料」の欄には「顔料100質量部に対する、顔料誘導体A1、および、顔料誘導体A2の総含有量(質量部)」をそれぞれ記載した。
 また、表2中、「-」の記載は該当する化合物を含有しないことを示している。
[0267]
[表2]


[0268]
 上記表中の略語で示す素材の詳細は下記の通りである。
[0269]
〔G顔料〕
・PG36:C.I.Pigment Green 36
・PG58:C.I.Pigment Green 58
[0270]
〔Y顔料〕
・PY150:C.I.Pigment Yellow 150
・PY185:C.I.Pigment Yellow 185
[0271]
〔無色顔料誘導体A1〕
・(A1)-1:上述した無色顔料誘導体A1の具体例にて説明した化合物(A1)-1と同様の構造の化合物。その他、(A1)-10等についても上述の具体例における化合物(A1)-10等と同様の構造の化合物である。
・(A1)-r1:下記構造の化合物
[化49]


[0272]
〔有色顔料誘導体A2〕
・(A2)-1:上述した有色顔料誘導体A2の具体例にて説明した化合物(A2)-1と同様の構造の化合物。その他、(A2)-2等についても上述の具体例における化合物(A2)-2等と同様の構造の化合物である。
・(A2)-r1:下記構造の化合物
[化50]


[0273]
〔分散剤〕
・P-1:下記構造の樹脂の30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液。主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。Mw=20,000。
[化51]


・P-2:下記構造の樹脂の30質量%PGMEA溶液。主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。Mw=28,000。式中、r=15、s=63、t=5、u=17、n=9である。
[化52]


・P-3:下記構造の樹脂の30質量%PGMEA溶液。主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。Mw=22,000。
[化53]


[0274]
〔無色顔料誘導体A1のモル吸光係数〕
 下記方法に従って、無色顔料誘導体A1の波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)を測定し、下記評価基準に従って評価した。評価結果は表2の「吸収」の欄に記載した。
 各化合物のεmaxは次のようにして測定した。
 20mgの各化合物をメタノール200mLに溶解させ、この溶液2mLにメタノールを加え、50mLにした。この溶液の吸光度について、Cary5000 UV-Vis-NIR分光光度計(アジレント・テクノロジー製)を用いて波長200~800nmの範囲まで測定し、波長400~700nmにおけるεmaxを算出した。
-評価基準-
 A:波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)が100L・mol -1・cm -1以下である。
 B:波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)が100L・mol -1・cm -1より大きく1000L・mol -1・cm -1以下である。
 C:波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)が1000L・mol -1・cm -1より大きく3000L・mol -1・cm -1以下である
 D:波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)が3000L・mol -1・cm -1を超える。
[0275]
〔有色顔料誘導体A2のモル吸光係数〕
 上述の(A2)-1~(A2)-22および(A2)-r1について、それぞれ、波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)を測定した。
 いずれの化合物も波長400~700nmの範囲のモル吸光係数の最大値(εmax)は3,000L・mol -1・cm -1を超えていた。
 各化合物のεmaxは上述の無色顔料誘導体A1のモル吸光係数と同様の方法により測定し、下記評価基準により評価した。評価結果を下記表に記載する。
-評価基準-
A:εmaxが5000L・mol -1・cm -1以上
B:εmaxが4000L・mol -1・cm -1以上5000L・mol -1・cm -1未満
C:εmaxが3000L・mol -1・cm -1を超え4000L・mol -1・cm -1未満
[0276]
[表3]


[0277]
<分散液の調製(2)>
 下記の表に記載の顔料と、無色顔料誘導体(A1)-1の0.5質量部と、有色顔料誘導体(A2)-1の0.5質量部と、分散剤P-3(30質量%PGMEA溶液)の15質量部と、溶剤PGMEAの73.64質量部とを混合したのち、直径0.3mmのジルコニアビーズ230質量部を加えて、ペイントシェーカーを用いて5時間分散処理を行い、ビーズをろ過で分離して分散液を製造した。下記の表に記載の含有量を示す数値は質量部である。
 下記G-r3およびG-r4の調製においては、無色顔料誘導体(A1)-1の含有量を0.5質量部から0質量部(含有しない)へと変更し、有色顔料誘導体(A2)-1の含有量を0.5質量部から1.0質量部へと変更した。
 また、「(A1)/(A1+A2)(質量%)」の欄には「顔料誘導体A1、および、顔料誘導体A2の総質量に対する、顔料誘導体A1の含有量(質量%)」を、「(A1+A2)/顔料」の欄には「顔料100質量部に対する、顔料誘導体A1、および、顔料誘導体A2の総含有量(質量部)」をそれぞれ記載した。
[0278]
[表4]


[0279]
 上述した以外の、上記表中の略語で示す素材の詳細は下記の通りである。
[0280]
〔Y顔料〕
・PY129:C.I.Pigment Yellow 129
・PY231:C.I.Pigment Yellow 231
[0281]
(実施例1~50、比較例1~2)
 以下の原料を混合して着色感光性組成物を調製した。
 なお、表5中、「光重合開始剤」の欄の「F-1/F-6」等の記載は、光重合開始剤として「F-1」および「F-6」を合計で0.33質量部を含有し、かつ、「F-1」および「F-6」の含有質量比が1:1であること等を示している。
[0282]
<着色感光性組成物の組成>
・下記表5に記載の種類の分散液(G-):39.4質量部
・樹脂D1:0.58質量部
・重合性化合物E1(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製):0.54質量部
・表5に記載の光重合開始剤(F-):0.33質量部
・界面活性剤H1:4.17質量部
・p-メトキシフェノール:0.0006質量部
・7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン:0.02質量部
・PGMEA:7.66質量部
[0283]
 上記の略語で示す素材の詳細は下記の通りである。
[0284]
 樹脂D1:下記構造の樹脂。主鎖に付記した数値はモル比である。Mw=11,000。
[化54]


[0285]
 重合性化合物E1:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
 光重合開始剤F:下記化合物。なお、F-1~F-3はオキシム化合物ではなく、F-4~F-6はオキシム化合物である。
・F-1:IRGACURE 369(BASF社製) (365nmにおけるモル吸光係数 800L・mol -1・cm -1
・F-2:IRGACURE 819(BASF社製) (365nmにおけるモル吸光係数 500L・mol -1・cm -1
・F-3:IRGACURE 907(BASF社製) (365nmにおけるモル吸光係数 1,100L・mol -1・cm -1
・F-4:IRGACURE OXE01(BASF社製) (365nmにおけるモル吸光係数 1,500L・mol -1・cm -1
・F-5:IRGACURE OXE02(BASF社製) (365nmにおけるモル吸光係数 3,500L・mol -1・cm -1
・F-6:IRGACURE OXE03(BASF社製) (365nmにおけるモル吸光係数 15,000L・mol -1・cm -1
[0286]
 界面活性剤H1:下記混合物(Mw=14,000)の1質量%PGMEA溶液。下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
[化55]


[0287]
<分散性評価>
 各実施例または比較例において得られた着色感光性組成物の粘度を、東機産業(株)製「RE-85L」にて測定した。着色感光性組成物の粘度は25℃に温度調整を施した状態で測定した。測定結果を下記評価基準に従い評価した。評価結果は表5に記載した。粘度が小さいほど、分散性が良好であるといえる。
[0288]
〔評価基準〕
 A:粘度が3mPa・s以下
 B:粘度が3mPa・sより大きく5mPa・s以下
 C:粘度が5mPa・sより大きく10mPa・s以下
 D:粘度が10mPa・sより大きい
[0289]
<保存安定性評価>
 各実施例または比較例において、上記で得られた着色感光性組成物の粘度を、東機産業(株)製「RE-85L」にて測定後、着色感光性組成物を45℃、3日間の条件にて静置した後、再度粘度を測定した。静置前後での粘度差(ΔVis)から下記評価基準に従って保存安定性を評価した。粘度差(ΔVis)の数値が小さいほど、保存安定性が良好であるといえる。3日間静置した後の着色感光性組成物の粘度は25℃に温度調整を施した状態で測定した。評価基準は下記の通りとし、評価結果は下記表に記載した。
[0290]
〔評価基準〕
 A:ΔVisが0.5mPa・s以下
 B:ΔVisが0.5mPa・sより大きく1.0mPa・s以下
 C:ΔVisが1.0mPa・sより大きく2.0mPa・s以下
 D:ΔVisが2.0mPa・sより大きい
[0291]
<密着性評価>
 8インチ(20.32cm)シリコンウエハに、CT-4000L(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)をポストベーク後の厚さが0.1μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレートを用いて220℃で300秒間加熱して下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハ(支持体)を得た。次いで、各着色感光性組成物をでスピンコーターを用いて塗布した。次いで、ホットプレートを用い、100℃で2分間ポストベークした。ポストべーク後の着色感光性組成物の層の膜厚は0.5μmであった。
 次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(キヤノン(株)製)を用い、所定の画素(パターン)サイズが形成されるベイヤーパターンを有するマスクを介して200mJ/cm の露光量にて露光した。なお、マスクには、画素パターンが0.7μm四方、0.8μm四方、0.9μm四方、1.0μm四方、1.1μm四方、1.2μm四方、1.3μm四方、1.4μm四方、1.5μm四方、1.7μm四方、2.0μm四方、3.0μm四方、5.0μm四方、10.0μm四方のサイズで形成されるベイヤーパターンを有するマスクを用いた。
 次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、純水を用いてスピンシャワーにてリンスを行った。次いで、ホットプレートを用い、200℃で5分間加熱することで、パターン(画素)を形成した。
 高分解能FEB(Field Emission Beam)測長装置(HITACHI CD-SEM)S9380II((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、0.7μm四方、0.8μm四方、0.9μm四方、1.0μm四方、1.1μm四方、1.2μm四方、1.3μm四方、1.4μm四方、1.5μm四方、1.7μm四方、2.0μm四方、3.0μm四方、5.0μm四方、10.0μm四方のサイズのパターンを観察し、剥離無くパターンが形成されている最小のパターンサイズを最小密着線幅とした。最小密着線幅が小さいほど密着性に優れていることを意味する。
[0292]
〔評価基準〕
 A:最小密着線幅が1.2μm四方以下である。
 B:最小密着線幅が1.2μm四方より大きく1.4μm四方以下である。
 C:最小密着線幅が1.4μm四方より大きく1.6μm四方以下である。
 D:最小密着線幅が1.6μm四方より大きい。
[0293]
<コントラスト評価>
 各実施例または比較例において、着色感光性組成物をガラス基板上に塗布し、乾燥後の塗布膜の厚さが1μmになるようにサンプルを作製した。2枚の偏光板(シグマ光機(株)製、USP-50C)の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(この評価法は、「1990年第7回 色彩光学コンファレンス、512色表示10.4“サイズTFT-LCD(thin film transistor liquid crystal display)用カラーフィルター、植木、小関、福永、山中」を参考にした)。測定評価の結果は下記表5に示す。ここで、コントラストが高いことは、着色力が高いことを示す。
 具体的には、得られた着色感光性組成物を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、硬化後の塗布膜の厚さが1μmとなるようにスピンコート法により塗布した。上記塗布後、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗膜の全面に200mJ/cm にて(照度20mW/cm )露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK-1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光および現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上に着色樹脂被膜(本発明の膜)を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。上記着色フィルタ基板の上記着色樹脂被膜の上に偏光板を置いて、ガラス基板側からもう一枚の偏光板によりガラス基板および着色樹脂被膜を挟み込み、偏光板の偏光軸が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン社製のBM-5を用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。値が大きいほど高コントラストであることを示す。
[0294]
〔評価基準〕
 A:5,000以上である。
 B:2,000以上5,000未満である。
 C:1,000以上2,000未満である。
 D:1,000未満である。
[0295]
[表5]


[0296]
 以上、実施例および比較例に示されたように、実施例の着色感光性組成物は、支持体との密着性と、得られる膜のコントラストとの両立に優れていた。
 比較例1における着色感光性組成物は、無色顔料誘導体A1を含まず、有色顔料誘導体A2のみを含むため、得られる膜の密着性に劣っている。
 比較例2における着色感光性組成物は、有色顔料誘導体A2を含まず、無色顔料誘導体A1のみを含むため、得られる膜のコントラストに劣っている。
 比較例3における着色感光性組成物は、無色顔料誘導体A1を含まず、有色顔料誘導体A2のみを含むため、得られる膜の密着性に劣っている。
 比較例4における着色感光性組成物は、無色顔料誘導体A1を含まず、有色顔料誘導体A2のみを含むため、得られる膜の密着性に劣っている。
[0297]
また、実施例1において、組成物G-1に含まれる、PY150を、同質量部のC.I.Pigment Yellow 139に変更し、実施例1と同様の実験を行ったたところ、実施例1と同様の結果が得られた。
[0298]
(実施例201~239)
 シリコンウエハ上に、Green組成物をポストベーク後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(キヤノン(株)製)を用い、365nmの波長光を1000mJ/cm の露光量で2μm四方のドットパターンのマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、更に純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱(ポストベーク)することで、Green組成物をパターニングした。同様にRed組成物、Blue組成物を順次パターニングし、赤、緑および青の着色パターン(ベイヤーパターン)を形成した。
 Green組成物としては、実施例201において実施例1の着色感光性組成物を、実施例202において実施例2の着色感光性組成物を、以下同様に、実施例203~実施例239において実施例3~39の着色感光性組成物をそれぞれ使用した。
 Red組成物およびBlue組成物については後述する。
 なお、ベイヤーパターンとは、米国特許第3,971,065号明細書に開示されているような、一個の赤色(Red)素子と、二個の緑色(Green)素子と、一個の青色(Blue)素子とを有する色フィルタ素子の2×2アレイを繰り返したパターンである。
 得られたカラーフィルタを公知の方法に従いそれぞれ固体撮像素子に組み込んだ。いずれの固体撮像素子も、好適な画像認識能を有していた。
[0299]
〔Red組成物〕
 下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、Red組成物を調製した。
 Red顔料分散液:51.7質量部
 樹脂D1の40質量%PGMEA溶液:0.6質量部
 重合性化合物E6:0.6質量部
 光重合開始剤F1:0.3質量部
 界面活性剤H1:4.2質量部
 PGMEA:42.6質量部
[0300]
〔Blue組成物〕
 下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、Blue組成物を調製した。
 Blue顔料分散液:44.9質量部
 樹脂D1の40質量%PGMEA溶液:2.1質量部
 重合性化合物E1:1.5質量部
 重合性化合物E6:0.7質量部
 光重合開始剤F1:0.8質量部
 界面活性剤H1:4.2質量部
 PGMEA:45.8質量部
[0301]
 Red組成物およびBlue組成物の調製に使用した原料は、以下の通りである。
[0302]
-Red顔料分散液-
 C.I.Pigment Red 254を9.6質量部、C.I.Pigment Yellow 139を4.3質量部、分散剤(Disperbyk-161、BYKChemie社製)を6.8質量部、PGMEAを79.3質量部の量で配合した混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間更に混合および分散した。その後更に、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cm の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行った。この分散処理を10回繰り返し、Red顔料分散液を得た。
[0303]
-Blue顔料分散液-
 C.I.Pigment Blue 15:6を9.7質量部、C.I.Pigment Violet 23を2.4質量部、分散剤(Disperbyk-161、BYKChemie社製)を5.5質量部、PGMEAを82.4質量部の量で配合した混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間更に混合および分散した。その後更に、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2,000kg/cm の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行った。この分散処理を10回繰り返し、Blue顔料分散液を得た。
[0304]
 樹脂D1、重合性化合物E1、光重合開始剤F1および界面活性剤H1:上述した材料である。
 重合性化合物E6:下記構造の化合物
[化56]


請求の範囲

[請求項1]
 波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1以下である顔料誘導体A1と、
 波長400~700nmの範囲におけるモル吸光係数の最大値が3,000L・mol -1・cm -1を超える顔料誘導体A2と、
 顔料と、
 重合性化合物と、
 光重合開始剤と、を含む
 着色感光性組成物。
[請求項2]
 前記顔料誘導体A1、および、前記顔料誘導体A2の総質量に対する、前記顔料誘導体A1の含有量が50~90質量%である、請求項1に記載の着色感光性組成物。
[請求項3]
 前記顔料100質量部に対し、前記顔料誘導体A1、および、前記顔料誘導体A2の総含有量が1~30質量部である、請求項1または請求項2に記載の着色感光性組成物。
[請求項4]
 前記顔料誘導体A1が、下記式(1)により表される化合物を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
 A -L -Z    ・・・(1)
 式(1)中、A は芳香族環を含む基を表し、
 L は、単結合または2価の連結基を表し、
 Z は、下記式(Z1)により表される基を表す;
[化1]


 式(Z1)中、*は結合手を表し、
 Yz は-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Lz は、単結合または2価の連結基を表し、
 Rz およびRz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Rz とRz は2価の基を介して結合して環を形成していてもよく、
 mは1~5の整数を表す。
[請求項5]
 前記式(Z1)により表される基が、下記式(Z2)により表される基である、請求項4に記載の着色感光性組成物。
[化2]


 式(Z2)中、*は結合手を表し、
 Yz およびYz は、それぞれ独立して-N(Ry )-または-O-を表し、
 Ry は、水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Lz およびLz は、それぞれ独立して2価の連結基を表し、
 Rz ~Rz は、それぞれ独立して水素原子、または、炭化水素基を表し、
 Rz とRz 、および、Rz とRz は、それぞれ2価の基を介して結合して環を形成していてもよい。
[請求項6]
 前記顔料誘導体A2が、色素部分構造を有する化合物を含み、前記色素部分構造が、ベンズイミダゾロン色素、ベンズイミダゾリノン色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、アントラキノン色素、ジケトピロロピロール色素、キナクリドン色素、アゾ色素、イソインドリノン色素、イソインドリン色素、ジオキサジン色素、ペリレン色素、および、チオインジゴ色素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の色素を由来とする部分構造を含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[請求項7]
 前記顔料誘導体A2が、下記式(Pg-1)~下記式(Pg-10)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造を含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[化3]


 式(Pg-1)~式(Pg-10)中、破線部は他の構造との結合部位を表す。
[請求項8]
 前記顔料が、ハロゲン化フタロシアニンを含む、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[請求項9]
 前記光重合開始剤が、オキシム化合物を含む、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[請求項10]
 前記光重合開始剤の波長365nmにおけるモル吸光係数が、3,000L・mol -1・cm -1以上である、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[請求項11]
 樹脂である分散剤を更に含む、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[請求項12]
 酸基を有する樹脂を更に含む、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の着色感光性組成物。
[請求項13]
 請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の着色感光性組成物から形成された膜。
[請求項14]
 請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の着色感光性組成物から形成されたカラーフィルタ。
[請求項15]
 請求項13に記載の膜を含む固体撮像素子。
[請求項16]
 請求項13に記載の膜を含む画像表示装置。