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1. WO2020110845 - FAILURE DETECTION DEVICE

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明 細 書

発明の名称 不具合検出装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 不具合検出装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、2018年11月29日に出願された日本出願番号2018-223639号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合の検出に関する。

背景技術

[0003]
 車両に搭載された車載機と、車両のユーザが携帯する携帯機とが相互に無線通信を行って、車両のドアの開閉、施錠および開錠、エンジンの始動などを自動的に行うシステムが用いられている。このようなシステムは、例えば、スマートキーシステム、スマートエントリシステムおよびリモートキーレスエントリシステムなどと呼ばれる。上記システムにおける車載機と携帯機との間の無線通信には、LF(Low Frequency)周波数帯、例えば、30kHz~300kHzといった周波数帯の信号(以下、「LF信号」と呼ぶ)が用いられる。LF信号を出力する構成として、車両には、LF信号送信用のアンテナ(以下、「LFアンテナ」と呼ぶ)と、かかるアンテナに対して出力対象の信号(以下、「出力対象信号」と呼ぶ)を供給する装置または回路(以下、「信号供給装置」と呼ぶ)とが設置される。LFアンテナは、車両に正しく組み付けられて、信号供給装置に正常に電気的に接続されている必要がある。そこで、車両製造時の一工程として、LFアンテナと信号供給装置との接続正常性を診断するアンテナ接続診断が行われる場合がある。特許文献1には、信号供給装置からLFアンテナに対して診断用電圧を印加し、電圧印加停止後のアンテナの電圧波形を監視し、電圧波形が所定の形状である場合にLFアンテナとアンテナ回路とが互いに正常に組み付けられていると判定するアンテナ接続診断方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2008-224522号公報

発明の概要

[0005]
 特許文献1のアンテナ接続診断方法によれば、LFアンテナの車体からの脱落や、LFアンテナとアンテナ回路との間の断線など、LFアンテナと信号供給装置の組み付け異常は検出できる。しかし、特許文献1のアンテナ接続診断方法では、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を検出することができない。例えば、取り付けるべき正しいLFアンテナとは相違する特性を有するアンテナ、すなわち、抵抗器の電気抵抗値やコイルのインダクタンス値やコンデンサの静電容量値が正しいアンテナとは相違するLFアンテナが信号供給装置に組み付けられた不具合は、特許文献1のアンテナ診断方法では検出することができない。また、例えば、正しいアンテナが組み付けられたとしても、車両製造後において、実際に使用していくうちにLFアンテナの特性が経年変化することに起因してLFアンテナの共振周波数と信号供給装置の駆動周波数とのずれが生じ、通信性能の劣化が生じ得る。しかし、特許文献1のアンテナ診断方法では、このような不具合は検出できない。
[0006]
 このような問題は、LF信号に限らず、他の任意の周波数帯の信号を出力するためのアンテナおよび信号供給装置において共通する。このようなことから、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を検出可能な技術が望まれる。
[0007]
 本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
[0008]
 本開示の一形態として、アンテナの不具合を検出する不具合検出装置が提供される。この不具合検出装置は、搬送波の周波数を調整する周波数調整部と、入力信号により前記搬送波を変調する変調部と、変調された前記入力信号を増幅して出力対象信号を生成し、前記アンテナに供給する増幅部と、前記アンテナを流れるアンテナ電流を測定する電流測定部と、前記不具合を検出する不具合検出部と、制御部と、を備える。前記制御部は、試験信号供給処理であって、前記周波数調整部を制御して前記アンテナの共振周波数の範囲として予め定められた周波数範囲内において前記搬送波の周波数を変化させ、前記変調部を制御して前記入力信号としての試験信号により前記搬送波を変調し、前記増幅部を制御して変調後の前記搬送波を増幅させて前記出力対象信号として前記アンテナに供給する試験信号供給処理を実行しつつ、前記電流測定部を制御して、前記搬送波の周波数が変化する毎に、該周波数に対応する前記アンテナ電流を測定する。前記不具合検出部は、前記試験信号供給処理が実行中に測定された前記アンテナ電流のうち、大きい側のアンテナ電流の値を利用して、前記アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を検出する。
[0009]
 この形態の不具合検出装置によれば、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、大きい側のアンテナ電流の値を利用して、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を検出するので、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を検出できる。アンテナの共振周波数と搬送波の周波数とのずれが小さいほど、測定されるアンテナ電流は大きくなるので、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、大きい側のアンテナ電流が測定された際の搬送波の周波数は、アンテナの共振周波数とのずれが小さい側の周波数である。このようなアンテナの共振周波数とのずれが小さい側の周波数は、アンテナの特性に応じて異なる。このため、このようなアンテナの特性に応じて異なる周波数を利用することにより、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を精度良く検出できる。
[0010]
 本発明は、不具合検出装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、車両制御装置、車両システム、スマートキーシステム、スマートエントリシステム、スマートキーレスエントリシステム、不具合検出方法、かかる方法を実現するためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体等の形態で実現することができる。

図面の簡単な説明

[0011]
 本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
[図1] 図1は、本開示の不具合検出装置の一実施形態としての信号供給装置を搭載した車両の概略構成を示す説明図であり、
[図2] 図2は、第1実施形態の信号供給装置の構成を示すブロック図であり、
[図3] 図3は、第1実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートであり、
[図4] 図4は、第1実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートであり、
[図5] 図5は、第2実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートであり、
[図6] 図6は、第3実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートであり、
[図7] 図7は、第4実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートであり、
[図8] 図8は、第4実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートであり、
[図9] 図9は、第5実施形態における不具合検出処理の手順を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0012]
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
 図1に示す車両システム300は、車両100と携帯機200とが互いに無線通信を行うことによりリモートキーレスエントリを実現するシステムである。リモートキーレスエントリとは、車両100のユーザが携帯機200の図示しないスイッチを操作すると、かかる操作に応じて車両100のドアの開閉、開錠、施錠等が行われることを意味する。なお、リモートキーレスエントリに代えて、または、リモートキーレスエントリに加えて、スマートエントリを実現してもよい。スマートエントリとは、車両100のユーザが携帯機200を携帯して車両100の近傍の無線通信可能な領域に進入したときに車両100のドアの開錠が行われたり、ユーザが携帯機200を携帯した状態で運転席に座って所定のスイッチを操作することにより、車両100を始動させたりすることを意味する。
[0013]
 車両100と携帯機200とは、LFLow Frequency)帯の信号(以下、「LF信号」と呼ぶ)の送受信と、UHF(Ultra High Frequency)帯の信号(以下、「UHF信号」と呼ぶ)の送受信とを行う。LF帯は、例えば30kHz~300kHzの周波数帯を意味する。また、UHF帯は、例えば、300MHz~3GHzの周波数帯を意味する。
[0014]
 図1に示すように、車両システム300は、車両100に搭載されたCPU10と、信号供給装置50と、複数のLF送信アンテナ(ANT)30と、携帯機200とを備える。本実施形態において、CPU10は、いわゆる車載機としてのECU(Electronic Control Unit)の一部を構成している。CPU10は、かかるECUが備えるメモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、車載機としての機能、例えば、携帯機200と各種信号のやりとりの制御や、携帯機200の認証処理などを実行する。
[0015]
 また、CPU10は、図2に示すように、車載機としての機能を実現するのに加えて、不具合検出部11、記憶部12、および報知制御部13としても機能する。不具合検出部11は、LF送信アンテナ30の不具合を検出する。本実施形態では、LF送信アンテナ30の不具合として、正しいアンテナとは異なる誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている不具合を検出する。かかる不具合の詳細については、後述する。記憶部12は、書き換え可能な不揮発性メモリ、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成されている。記憶部12は、後述する不具合検出処理において測定されたアンテナ電流値を記憶する。報知制御部13は、信号供給装置50に接続されている報知部500を制御して、不具合検出部11により不具合が検出された場合に、かかる不具合の検出を報知する。本実施形態において、報知部500は、車両100の製造時の試験工程において、信号供給装置50に電気的に接続される。本実施形態において、報知部500は、液晶ディスプレイを有し、報知制御部13による制御の下、種々のメッセージを表示する。
[0016]
 図1および図2に示すように、信号供給装置50は、CPU10および各LF送信アンテナ30に電気的に接続されている。信号供給装置50は、CPU10による制御の下、各LF送信アンテナ30にLF信号を供給する。また、信号供給装置50は、後述の不具合検出処理を実行する不具合検出装置としても機能する。本実施形態において、不具合検出処理は、車両100の製造時に行われる試験の一工程として実行される。不具合検出処理の詳細は、後述する。
[0017]
 図2に示すように、信号供給装置50は、発振器40と、LF送信制御IC(集積回路:Integrated Circuit)20とを備える。発振器40は、所定の周波数の信号、例えば16MHz(メガヘルツ)の正弦波の信号を出力する。なお、16MHzに限らず、任意の周波数の信号を出力してもよい。発振器40は、例えば、水晶発振器により構成されてもよい。
[0018]
 LF送信制御IC20は、制御部21と、分周部22と、変調部23と、増幅部24と、電流測定部25とを備える。
[0019]
 制御部21は、LF送信制御IC20の全体動作を制御する。例えば、制御部21は、搬送波の周波数が予め設定された周波数となるように、分周部22を制御する。また、例えば、制御部21は、LF信号として送信すべき対象となる入力信号をCPU10から受信すると、かかる信号を変調部23に渡し、変調部23を制御して搬送波を変調する。
[0020]
 分周部22は、制御部21による制御の下、発振器40から出力される所定の周波数の信号を分周して、使用周波数の搬送波を生成して出力する。「使用周波数」とは、LF信号を送信するための搬送波の周波数として通常状態において使用される周波数を意味する。「通常状態」とは、車両100の出荷後において、信号供給装置50に給電が行なわれている状態を意味する。本実施形態では、使用周波数の初期値f(int)として、予め所定値が設定されている。初期値f(int)の詳細については後述する。
[0021]
 変調部23は、制御部21から受信する入力信号によって分周部22から出力される搬送波を変調する。増幅部24は、変調された搬送波を増幅してLF信号を生成し、LF送信アンテナ30に供給する。電流測定部25は、LF送信アンテナ30を流れる電流(以下、「アンテナ電流」と呼ぶ)を測定し、測定結果の電流値を記憶部26に記憶させる。記憶部26は、少なくとも後述の使用周波数調整処理の実行中に電流測定部25により測定された電流値をすべて記憶可能な程度の記憶容量を有する。
[0022]
 上述の制御部21および分周部22は、本開示における周波数調整部の下位概念に相当する。
[0023]
 各LF送信アンテナ30は、それぞれ信号供給装置50に電気的に接続されており、信号供給装置50から供給されるLF信号を無線電波として出力する。本実施形態において、LF送信アンテナ30は、RLC回路を備えている。LF送信アンテナ30として、共振周波数が所定の共振周波数となるように予めアンテナ特性が調整されたアンテナが用いられている。アンテナ特性とは、例えば、抵抗器の抵抗値、コイルのインダクタンス、コンデンサの静電容量などを意味する。但し、LF送信アンテナ30の共振周波数には、設計公差の範囲においてバラツキが存在する。各LF送信アンテナ30は、車両100においてそれぞれ異なる場所に設置されている。例えば、運転席のドア、助手席のドア、後部座席のドア、運転席と助手席との間、後部座席とトランクルームとの間などに配置されている。LF送信アンテナ30から出力されるLF信号の出力電力は、LF送信アンテナ30を中心とする数十cm(センチメートル)から数m(メートル)の範囲において、所定の受信信号強度で携帯機200により受信され得るように調整されている。このように、LF信号の受信可能領域を比較的狭い範囲に限定することにより、携帯機200のおおまかな位置を特定可能としている。
[0024]
 なお、車両100には、UHF信号の受信に関連する各種装置が搭載されているが、本実施形態では、図示およびその詳細な説明を省略する。UHF信号の受信に関連する各種装置とは、例えば、UHF信号を受信するためのアンテナ、かかるアンテナにおいて受信した信号の増幅や符号化を行って信号を抽出するICなどが該当する。
[0025]
 図1に示すように、携帯機200は、CPU210と、LF受信制御IC220と、LF受信アンテナ(ANT)230とを備える。CPU210は、携帯機200の全体動作の制御の他、車載機としてのECUと各種信号のやりとりを行う。例えば、CPU210は、LF信号を受信した場合に、LF受信制御IC220を制御して携帯機200に予め設定されている識別子を含む応答信号をUHF信号として送信する。LF受信制御IC220は、CPU210に電気的に接続されており、CPU210による制御の下、LF信号の受信に係る各種処理を実行する。具体的には、LF受信アンテナ230から受信する信号の増幅や符号化などを行う。LF受信アンテナ230は、LF受信制御IC220に電気的に接続されており、LF信号を受信し、受信した信号をLF受信制御IC220に渡す。なお、携帯機200には、UHF信号の送信に関連する各種装置が搭載されているが、本実施形態では、図示およびその詳細な説明を省略する。UHF信号の送信に関連する各種装置とは、例えば、UHF信号を送信するためのアンテナ、かかるアンテナに供給する信号を生成するためのICなどが該当する。
[0026]
 上述のように、車両100では、LF送信アンテナ30として、共振周波数が所定の共振周波数となるように予めアンテナ特性が調整されたアンテナが用いられる。しかし、車両100の製造過程において、上述のようにアンテナ特性が調整されたアンテナとは異なるアンテナが誤って信号供給装置50に組み付けられるおそれがある。例えば、外観がほぼ同じであり、且つ、アンテナ特性が相違するアンテナがLF送信アンテナ30として誤って組み付けられるおそれがある。このような場合、LF送信アンテナ30の共振周波数が所定の共振周波数からずれることにより、信号供給装置50の駆動周波数、すなわち、使用周波数と、LF送信アンテナ30の共振周波数とのずれが生じ得る。このように使用周波数とLF送信アンテナ30の共振周波数とのずれが生じると、LF信号の強度にばらつきが生じ、携帯機200の位置の特定精度が低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、車両100の製造時に、信号供給装置50を不具合検出装置として用いて後述の不具合検出処理を実行することにより、所定のアンテナ特性を有する正しいアンテナがLF送信アンテナ30として組み付けられていない不具合の有無を検出し、また、その検出結果を報知するようにしている。
[0027]
A2.不具合検出処理:
 車両100の製造時の試験工程において、不具合検出処理が実行される。本実施形態において、不具合検出処理とは、正しいアンテナとは異なる誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている不具合を検出する処理である。かかる不具合検出処理の実行前に、信号供給装置50と報知部500とが専用配線により電気的に接続される。なお、専用配線に代えて、車両100内に設けられたネットワーク、例えば、CAN(Controller Area Network)を介して、信号供給装置50と報知部500とが接続されてもよい。作業員が、不具合検出処理の実行を信号供給装置50に指示することにより、不具合検出処理が開始される。本実施形態において、かかる指示は、車両100のインストルメントパネルに設けられたディスプレイにおいて、試験用のメニュー画面を表示させ、かかるメニュー画面において「不具合検出処理」を選択してその実行を指示することにより実現される。不具合検出処理は、各LF送信アンテナ30を対象としてそれぞれ実施される。
[0028]
 図3に示すように、制御部21は、搬送波の周波数f(op)として、初期値f(int)を設定する(ステップS105)。本実施形態において、初期値f(int)は、LF送信アンテナ30の共振周波数の設計公差の中央値に設定されている。具体的には、LF送信アンテナ30の共振周波数の設計公差は、120kHz~130kHzであり、初期値f(int)は125kHzである。なお、設計公差は、120kHz~130kHzに限定されるものではない。また、初期値f(int)は、中央値に限らず、設計公差の範囲内の任意の値に設定されてもよい。したがって、例えば、設計公差が110kHz~140kHzであり、かつ、初期値f(int)が、134kHzであってもよい。
[0029]
 制御部21は、搬送波の周波数f(op)は、LF送信アンテナ30の設計公差の範囲内の上限周波数f(UL)よりも低いか否かを判定する(ステップS110)。周波数f(op)が上限周波数f(UL)(130kHz)よりも低いと判定された場合(ステップS110:YES)、制御部21は、試験信号をLF信号としてLF送信アンテナ30に供給する(ステップS115)。例えば、「0」と「1」とが交互に現れる所定の長さの信号が試験信号として用いられてもよい。制御部21は、分周部22を制御して周波数f(op)の搬送波を生成し、変調部23を制御して試験信号により搬送波を変調し、増幅部24を制御して変調後の搬送波を増幅して、LF信号として試験信号をLF送信アンテナ30に供給する。
[0030]
 電流測定部25は、試験信号(LF信号)をLF送信アンテナ30に供給した際のアンテナ電流を測定し、記憶部26に記憶させる(ステップS120)。このとき、測定されたアンテナ電流値と、このときの搬送波の周波数f(op)とが互いに対応付けて記憶される。
[0031]
 制御部21は、搬送波の周波数f(op)を0.1kHz増加させる(ステップS125)。ステップS125の実行後、上述のステップS110が実行される。このようにして、搬送波の周波数f(op)が上限周波数f(UL)に達するまで試験信号(LF信号)の供給(ステップS115)、アンテナ電流の測定(ステップS120)、および周波数f(op)の0.1kHz増加(ステップS125)が繰り返し実行される。したがって、搬送波の周波数f(op)が0.1kHz増加するたびに、かかるf(op)の搬送波が試験信号で変調され、得られたLF信号が増幅されてLF送信アンテナ30に供給され、このときのアンテナ電流が測定される。なお、周波数の増加量は、0.1kHzに限らず、任意の値にしてもよい。
[0032]
 上述のステップS110において、周波数f(op)が上限周波数f(UL)よりも低くない、つまり、上限周波数f(UL)以上であると判定された場合(ステップS110:NO)、制御部21は、搬送波の周波数f(op)として、初期値f(int)を設定する(ステップS130)。このステップS130は、上述のステップS105と同じである。
[0033]
 制御部21は、搬送波の周波数f(op)は、LF送信アンテナ30の設計公差の範囲内の下限周波数f(DL)よりも高いか否かを判定する(ステップS135)。周波数f(op)が下限周波数f(DL)(120kHz)よりも高いと判定された場合(ステップS135:YES)、制御部21は、試験信号をLF信号としてLF送信アンテナ30に供給する(ステップS140)。このステップS140は上述のステップS115と同じである。電流測定部25は、試験信号(LF信号)をLF送信アンテナ30に供給した際のアンテナ電流を測定し、記憶部26に記憶させる(ステップS145)。このステップS145は、上述のステップS120と同じである。
[0034]
 制御部21は、搬送波の周波数f(op)を0.1kHz減少させる(ステップS150)。ステップS150の実行後、上述のステップS135が実行される。このようにして、搬送波の周波数f(op)が下限周波数f(DL)に達するまで試験信号(LF信号)の供給(ステップS140)、アンテナ電流の測定(ステップS145)、および周波数f(op)の0.1kHz減少(ステップS150)が繰り返し実行される。したがって、搬送波の周波数f(op)が0.1kHz減少するたびに、かかるf(op)の搬送波が試験信号で変調され、得られたLF信号が増幅されてLF送信アンテナ30に供給され、このときのアンテナ電流が測定される。本実施形態において、上述のステップS105~S115、S125~S140、S150は、試験信号供給処理と呼ばれる。したがって、上述のステップS105~S150は、試験信号供給処理を実行しつつ、搬送波の周波数f(op)毎に、当該周波数に対応するアンテナ電流を測定して記憶部26に記憶させる処理ともいえる。
[0035]
 上述のステップS135において、周波数f(op)が下限周波数f(DL)(120kHz)よりも高くない、つまり、下限周波数f(DL)以下であると判定された場合(ステップS135:NO)、不具合検出部11は、記憶部26に記憶されているアンテナ電流値が最大のときの周波数f(op)を特定する(ステップS155)。なお、本実施形態において、アンテナ電流値が最大の時の周波数f(ip)を、最大電流周波数f(op_max)とも呼ぶ。
[0036]
 図4に示すように、不具合検出部11は、最大電流周波数f(op_max)は、正常周波数範囲内であるか否かを判定する(ステップS160)。正常周波数範囲とは、正しいLF送信アンテナ30が信号供給装置50に正常に組み付けられた状態で試験信号供給処理が実行された場合に想定される電流値に対応する周波数の範囲を意味し、予め実験等により特定されて設定されている。LF送信アンテナ30の共振周波数と、搬送波の周波数f(op)とのずれが小さいほどアンテナ電流は大きな値となる。したがって、設計公差の範囲内で周波数f(op)を変化させた場合において最もアンテナ電流が大きいときの最大電流周波数f(op_max)は、LF送信アンテナ30の共振周波数とのずれが最も小さな周波数である。そして、かかる最大電流周波数f(op_max)は、アンテナの特性に応じて大きく異なる周波数である。
[0037]
 最大電流周波数f(op_max)が正常周波数範囲内であると判定された場合(ステップS160:YES)、不具合検出部11は、不具合無しを検出し(ステップS165)、報知部500を制御して、不具合無しを報知する(ステップS170)。本実施形態において、ステップS170の報知は、報知部500が有する液晶ディスプレイに「不具合無し」のメッセージを表示させることを意味する。
[0038]
 これに対して、最大電流周波数f(op_max)が正常周波数範囲内でないと判定された場合(ステップS160:NO)、不具合検出部11は、不具合有りを検出し(ステップS175)、報知部500を制御して、不具合有りを報知する(ステップS180)。上述のステップS170またはステップS180の実行後、不具合検出処理は終了する。
[0039]
 上述のように、最大電流周波数f(op_max)は、アンテナの特性に応じて大きく異なる周波数である。したがって、正しいアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に正常に組み付けられている場合には、最大電流周波数f(op_max)は、正常周波数範囲内の値となる。これに対して、誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている場合には、最大電流周波数f(op_max)は、正常周波数範囲から外れた値となる。したがって、上述の不具合検出処理が実行されることにより、正しいアンテナとは異なる誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている不具合が精度良く検出されることとなる。
[0040]
 以上説明した第1実施形態の信号供給装置50、すなわち不具合検出装置によれば、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、最も大きなアンテナ電流の値を利用して、誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている不具合の有無を検出するので、誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている不具合を精度良く検出できる。アンテナの共振周波数と搬送波の周波数とのずれが小さいほど、測定されるアンテナ電流は大きくなるので、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、最も大きなアンテナ電流が測定された際の搬送波の周波数(最大電流周波数f(op_max))は、アンテナの共振周波数とのずれが最も小さい周波数である。このようなアンテナの共振周波数とのずれが最も小さい周波数は、アンテナの特性に応じて異なる。このため、このようなアンテナの特性に応じて異なる最大電流値周波数f(op_max)を利用することにより、誤ったアンテナがLF送信アンテナ30として信号供給装置50に組み付けられている不具合を精度良く検出できる。
[0041]
 また、制御部21は、試験信号供給処理において、使用周波数として予め定められている初期値f(int)から順に、設計公差の周波数範囲内で周波数f(op)の増加を行い、周波数範囲の上限周波数f(UL)に至ると、今度は、初期値f(int)から順に、下限周波数f(DL)に至るまで、設計公差の周波数範囲で周波数f(op)の減少を行うので、設計公差の周波数範囲の全体において漏れなく所定の周波数(0.1kHz)間隔で搬送波の周波数を変化させることができる。
[0042]
 また、信号供給装置50は、搬送波の周波数f(op)毎に測定されたアンテナ電流の値をそれぞれ記憶する記憶部26を備えており、周波数設定部27は、記憶部26に記憶されているアンテナ電流の値を参照して使用周波数を設定する際に、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、最も大きなアンテナ電流を容易に特定できる。
[0043]
B.第2実施形態:
 第2実施形態の信号供給装置50の装置構成は、第1実施形態の信号供給装置50と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第1実施形態の使用周波数調整処理では、設計公差の周波数範囲内で周波数f(op)を所定の周波数(0.1kHz)ずつ変化させる際に、初期値f(int)から順に増加させていき、周波数範囲の上限周波数f(UL)に至ると、初期値f(int)に戻して、改めて初期値f(int)から順に、下限周波数f(DL)に至るまで減少させていた。これに対して、第2実施形態の使用周波数調整処理では、周波数f(op)を下限周波数f(DL)から上限周波数f(UL)に至るまで順に増加させていく。以下、図5を用いて具体的に説明する。
[0044]
 図5に示す第2実施形態の不具合検出処理は、ステップS105に代えてステップS105aを備える点と、ステップS130~S150が省略されている点とにおいて、図3に示す第1実施形態の不具合検出処理と異なる。第2実施形態の不具合検出処理のその他の手順は、第1実施形態の不具合検出処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[0045]
 図5に示すように、制御部21は、搬送波の周波数f(op)として、下限周波数f(DL)を設定する(ステップS105a)。その後、上述のステップS110~S125が実行される。ステップS110において、周波数f(op)が上限周波数f(UL)よりも低くない、つまり、上限周波数f(UL)以上であると判定された場合(ステップS110:NO)、上述のステップS155以降の手順が実行される。つまり、下限周波数f(DL)から上限周波数f(UL)に至るまで0.1kHzずつ増加させていき、上限周波数f(UL)に至ると、それまでに記憶されているアンテナ電流のうちの最大値のときの最大電流周波数f(op_max)が特定され、かかる最大電流周波数f(op_max)に基づき、不具合の有無が検出されて報知が実行される。
[0046]
 以上説明した第2実施形態の信号供給装置50によれば、第1実施形態の信号供給装置50と同様な効果を奏する。
[0047]
C.第3実施形態:
 第3実施形態の信号供給装置50の装置構成は、第1実施形態の信号供給装置50と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第1実施形態の使用周波数調整処理では、設計公差の周波数範囲内で周波数f(op)を所定の周波数(0.1kHz)ずつ変化させる際に、初期値f(int)から順に増加させていき、周波数範囲の上限周波数f(UL)に至ると、初期値f(int)に戻して、改めて初期値f(int)から順に、下限周波数f(DL)に至るまで減少させていた。これに対して、第3実施形態の使用周波数調整処理では、周波数f(op)を上限周波数f(UL)から下限周波数f(DL)に至るまで順に減少させていく。以下、図6を用いて具体的に説明する。
[0048]
 図6に示す第3実施形態の不具合検出処理は、ステップS105~S125が省略されている点と、ステップS130に代えてステップS130aを備える点とにおいて、図3に示す第1実施形態の不具合検出処理と異なる。第3実施形態の不具合検出処理のその他の手順は、第1実施形態の不具合検出処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[0049]
 図6に示すように、制御部21は、搬送波の周波数f(op)として、上限周波数f(UL)を設定する(ステップS130a)。その後、ステップS135~S160が実行される。つまり、上限周波数f(UL)から下限周波数f(DL)に至るまで0.1kHzずつ減少させていき、下限周波数f(DL)に至ると、それまでに記憶されているアンテナ電流のうちの最大値のときの最大電流周波数f(op_max)が特定され、かかる最大電流周波数f(op_max)に基づき、不具合の有無が検出されて報知が実行される。
[0050]
 以上説明した第3実施形態の信号供給装置50によれば、第1実施形態の信号供給装置50と同様な効果を奏する。
[0051]
D.第4実施形態:
 第4実施形態の信号供給装置50の装置構成は、第1および第2実施形態の信号供給装置50と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態の使用周波数調整処理では、下限周波数f(DL)から上限周波数f(UL)に至るまで0.1kHzずつ増加させていき、上限周波数f(UL)に至ると、それまでに記憶されているアンテナ電流のうちの最大値のときの周波数f(op)が特定され、かかる周波数f(op)が使用周波数に設定されていた。第4実施形態の使用周波数調整処理では、下限周波数f(DL)から上限周波数f(UL)に至るまで0.1kHzずつ増加させていく点では、第2実施形態と同じであるが、増加途中において、アンテナ電流値の変曲点が生じた場合には、増加を中止して、不具合の有無の検出、および報知が行われる。以下、図7および図8を用いて具体的に説明する。
[0052]
 図7および図8に示す第4実施形態の不具合検出処理は、ステップS123およびS124を追加して実行する点と、ステップS160に代えてステップS160aを実行する点とにおいて、図4および図5に示す第2実施形態の不具合検出処理と異なる。第4実施形態の不具合検出処理のその他の手順は、第2実施形態の不具合検出処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[0053]
 ステップS120において、測定されたアンテナ電流値と、このときの搬送波の周波数f(op)とが互いに対応付けて記憶部26に記憶された後、制御部21は、記憶部26に記憶されているアンテナ電流値の履歴を参照して、アンテナ電流値が増加から減少に転ずる変曲点が有るか否かを判定する(ステップS123)。変曲点が無いと判定された場合(ステップS123:NO)、上述のステップS125が実行され、周波数f(op)が0.1kHz増加される。
[0054]
 これに対して、変曲点が有ると判定された場合(ステップS123:YES)、制御部21は、変曲点の周波数f(op)を特定する(ステップS124)。その後、図8に示すように、不具合検出部11は、特定された周波数は、正常周波数範囲内であるか否かを判定する(ステップS160a)。正常周波数範囲は、第2実施形態の正常周波数範囲と同じである。上述のステップS124が実行された場合、変曲点の周波数f(op)が正常周波数範囲内であるか否かが判定される。かかるステップS160aの実行後、上述の第2実施形態と同様に、ステップS165~S180が実行される。搬送波の周波数f(op)がLF送信アンテナ30の共振周波数に近づくにつれてアンテナ電流は増加し、また、かかる共振周波数から離れるにしたがってアンテナ電流は減少する。このため、アンテナ電流値が増加から減少に転ずる変曲点が存在する場合、かかる変曲点の周波数が、車両システム300の共振周波数に最も近い周波数といえる。このため、第4実施形態では、変曲点の周波数を、最大電流周波数f(op_max)とみなし、かかる変曲点の周波数に基づき、不具合の有無の検出および報知を実行するようにしている。
[0055]
 なお、搬送波の周波数f(op)を0.1kHzずつ増加していく途中で変曲点が存在しないまま上限周波数f(UL)に達した場合には(ステップS110:NO)、上述のステップS155が実行され、その後、S160a~S180が実行される。したがって、上述の第2実施形態と同様に、最大電流周波数f(op_max)に基づき、不具合の有無の検出および報知が実行される。
[0056]
 以上説明した第4実施形態の信号供給装置50によれば、第1実施形態および第2実施形態の信号供給装置50と同様な効果を奏する。加えて、下限周波数f(DL)から上限周波数f(UL)に至るまで0.1kHzずつ増加させていく途中においてアンテナ電流の変曲点が有ると判定された場合には、かかる変曲点の周波数に基づき、不具合の有無の検出および報知が実行されるので、設計公差の周波数範囲のすべてにおいて試験信号の送信、アンテナ電流の測定、記憶部26へのアンテナ電流値の記憶を行わずに済み、不具合検出処理を短時間で完了できる。
[0057]
E.第5実施形態:
 第5実施形態の信号供給装置50の装置構成は、第1実施形態の信号供給装置50と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第5実施形態の不具合検出処理では、アンテナ特性の変化に起因する不具合が検出される。本実施形態において、「アンテナ特性の変化に起因する不具合」とは、LF送信アンテナ30の特性、すなわち、抵抗器の抵抗値、コイルのインダクタンス、コンデンサの静電容量等が経年変化することにより、LF送信アンテナ30の共振周波数と信号供給装置50の駆動周波数(使用周波数)とのずれが拡大して、LF信号の送受信に関わる無線通信性能が低下する不具合を意味する。したがって、本実施形態の不具合検出処理は、第1実施形態とは異なり、車両100が出荷後において実行される。以下、図9を用いて第5実施形態の不具合検出処理について説明する。
[0058]
 第5実施形態の不具合検出処理は、図9に示すように、ステップS157、S185を追加して実行する点と、ステップS160に代えてステップS160bを実行する点と、試験信号供給処理、アンテナ電流の測定、不具合の有無の検知および報知を、周期的に繰り返し実行する点とにおいて、図3および図4に示す第1実施形態の不具合検出処理と異なる。第5実施形態の不具合検出処理のその他の手順は、第1実施形態の不具合検出処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[0059]
 図3に示すステップS155が実行されて、最大電流周波数f(op_max)が特定された場合、不具合検出部11は、図9に示すように、特定された最大電流周波数f(op_max)を、記憶部12に記憶させる(ステップS157)。
[0060]
 不具合検出部11は、今回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)と、前回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)との周波数差(以下、「最大電流周波数差」と呼ぶ)が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップS160b)。最大電流周波数f(op_max)は、アンテナ特性が変化していない場合には変化せず、他方、アンテナ特性が変化する場合には変化する。したがって、アンテナ特性が経年変化した場合には、最大電流周波数f(op_max)は変化し、最大電流周波数差は拡大する。ステップS160bにおける閾値は、アンテナ特性の経年変化に起因して生じるLF送信アンテナ30の共振周波数と信号供給装置50の駆動周波数とのずれが、所定程度以上の無線通信品質の劣化を引き起こす場合の閾値として、予め実験等により求められて設定されている。
[0061]
 最大電流周波数差が閾値以上ではないと判定された場合(ステップS160b:NO)、上述のステップS165およびステップS170が実行される。したがって、不具合無しが検出されると共にかかる旨が報知される。これに対して、最大電流周波数差が閾値以上であると判定された場合(ステップS160b:YES)、上述のステップS175およびステップS180が実行される。したがって、不具合有りが検出されると共にかかる旨が報知される。
[0062]
 上述のステップS170またはステップS180の実行後、制御部21は、次の周期まで待機し、次の周期が到来した場合、上述のステップS105に戻ってステップS105~S185が再度実行される。なお、第5実施形態の不具合検出処理の実行周期は、30日である。したがって、ステップS185では、制御部21は、およそ1ヶ月間待機し、ステップS105~S185を再び実行する。なお、不具合検出処理の実行周期は、30日に限らず、任意の期間としてもよい。例えば、1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年、5年などにしてもよい。
[0063]
 以上説明した第5実施形態の信号供給装置50、すなわち不具合検出装置によれば、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、最も大きなアンテナ電流の値を利用して、LF送信アンテナ30のアンテナ特性の経年変化に起因する不具合の有無を検出するので、LF送信アンテナ30のアンテナ特性の経年変化に起因する不具合、具体的には、LF送信アンテナ30の共振周波数と信号供給装置50の駆動周波数とのずれが生じて無線通信性能が劣化する不具合を、精度良く検出できる。アンテナの共振周波数と搬送波の周波数とのずれが小さいほど、測定されるアンテナ電流は大きくなるので、試験信号供給処理が実行中に測定されたアンテナ電流のうち、最も大きなアンテナ電流が測定された際の搬送波の周波数(最大電流周波数f(op_max))は、アンテナの共振周波数とのずれが最も小さい周波数である。このようなアンテナの共振周波数とのずれが最も小さい周波数は、アンテナの特性に応じて異なる。このため、このようなアンテナの特性に応じて異なる最大電流値周波数f(op_max)を利用することにより、LF送信アンテナ30のアンテナ特性の経年変化に起因する不具合を精度良く検出できる。
[0064]
 加えて、今回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)と、前回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)との周波数差が、予め定められた閾値以上である場合に、アンテナの特性の変化の不具合を検出するので、アンテナの特性の変化の不具合を精度良く検出できる。その他、第5実施形態の信号供給装置50、すなわち、不具合検出装置によれば、第1実施形態の信号供給装置50、すなわち不具合検出装置と同様な効果を奏する。
[0065]
F.その他の実施形態:
(F1)第1ないし第4実施形態の不具合検出処理では、最大電流周波数f(op_max)が正常周波数範囲内であるか否かに応じて、不具合の有無を検出していたが、本開示はこれに限定されない。設計公差の周波数範囲内で搬送波の周波数f(op)を変化させた際の各アンテナ電流値のうち、大きい側のいずれかのアンテナ電流値に対応する周波数を特定し、かかる周波数が正常周波数範囲内であるか否かに応じて、不具合の有無を検出してもよい。かかる構成においても、各アンテナ電流値のうち、小さい側のいずれかのアンテナ電流値に対応する周波数が正常周波数範囲内であるか否かに応じて不具合の有無を検出する構成に比べて、アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を、より精度良く検出できる。
[0066]
(F2)各実施形態の使用周波数調整処理のステップS155では、制御部21は、記憶部26に記憶されているアンテナ電流値および周波数を参照して、最も大きなアンテナ電流値に対応する周波数を特定していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、アンテナ電流値を測定するたびに、記憶部26に記憶されているアンテナ電流値と比較して、より大きければ上書き保存し、より小さければ記憶部26に記憶させないようにしてもよい。かかる構成においては、ステップS155において、最終的に記憶部26に記憶されている周波数を、最大電流周波数f(op_max)として特定してもよい。
[0067]
(F3)第1および第5実施形態において、ステップS105~S125と、ステップS130~S150とを順番を入れ替えて実施してもよい。また、第4実施形態のステップS123、S124を、第3実施形態に追加するようにしてもよい。具体的には、ステップS145の後にステップS123を実行し、変曲点が有ると判定された場合に、上述のステップS124が実行され、変曲点が無いと判定された場合に上述のステップS150が実行されてもよい。かかる構成においても、第3実施形態および第4実施形態と同様な効果を奏する。
[0068]
(F4)各実施形態の不具合検出処理は、LF帯の信号を送信するためのアンテナ(LF送信アンテナ30)および信号供給装置(信号供給装置50、50a)を対象として実行されていたが、本開示はこれに限定されない。他の任意の周波数帯の信号を出力するアンテナの共振周波数と、かかるアンテナに出力対象信号を供給する信号供給装置を対象として、各実施形態の使用周波数調整処理が実行されてもよい。例えば、3kHz~30kHzのVLF(Very Low Frequency)周波数帯や、300kHz~3MHzのMF(Medium Frequency)周波数帯など、任意の周波数帯の信号を送信するためのアンテナおよび信号供給装置に対して、各実施形態の不具合検出処理が実行されもよい。
[0069]
(F5)第5実施形態では、LF送信アンテナ30のアンテナ特性の経年変化に起因する不具合を検出していたが、本開示はこれに限定されない。車両100の出荷後において、LF送信アンテナ30の設置環境が変化することによりLF送信アンテナ30の共振周波数が変化し、かかる変化に起因する不具合、すなわち、LF送信アンテナ30の共振周波数と信号供給装置50の駆動周波数のずれにより無線通信品質が劣化する不具合をも検出することができる。具体的には、例えば、ユーザがLF送信アンテナ30の近傍に金属製の部材、例えば、ディスプレイ装置を取り付けるための取り付け金具を設置したために、LF送信アンテナ30の共振周波数が変化した場合などにおいても、不具合を検出できる。このような場合も、LF送信アンテナ30の共振周波数が変化するので、アンテナ電流が最大の時の周波数が変化して最大電流周波数差が増大する。したがって、上述の第5実施形態の不具合検出処理によれば、かかる不具合を検出できる。
[0070]
(F6)第5実施形態では、今回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)と、前回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)との周波数差に応じて、不具合が検出されていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、車両100の製造時に予めステップS105~S155を実行して最大電流周波数f(op_max)を特定し、初期値として記憶部12に記憶させておく。そして、その後周期的において実行される不具合検出処理では、かかる初期値と、今回の周期で実行されたステップS155において特定された最大電流周波数f(op_max)との周波数差を特定し、かかる周波数差が所定の閾値以上である場合に不具合有りと検出し、閾値未満である場合に不具合無しと検出してもよい。
[0071]
(F7)第1ないし第4実施形態では、不具合検出処理を実行するのは、信号供給装置50であったが、信号供給装置50とは別の他の装置が不具合検出処理を実行してもよい。例えば、試験用の専用装置が不具合検出処理を実行してもよい。この構成においては、かかる専用装置を各LF送信アンテナ30および報知部500に電気的に接続してから、不具合検出処理が実行されてもよい。かかる構成では、試験用の専用装置は、本開示における不具合検出装置の下位概念に相当する。
[0072]
(F8)各実施形態における信号供給装置50の構成は、あくまでも一例であり、様々に変更可能である。例えば、各実施形態においてCPU10は、リモートキーレスエントリを実現するための車載機(ECU)の一部を構成していたが、かかる車載機とは異なるCPUであってもよい。また、各実施形態において、LF送信制御IC20が有する各機能を、複数のICにより実現してもよい。また、各実施形態において、LF送信制御IC20が有する機能の一部を、CPU10により実現してもよい。また、各実施形態において、搬送波の周波数f(op)を変化させる際の変化量は、一定でなくてもよい。例えば、ステップS125の増加量と、ステップS150の減少量とが互いに異なってもよい。また、報知部500は、液晶ディスプレイに代えて、また、液晶ディスプレイに加えてスピーカを備える構成とし、かかるスピーカから、不具合の有無の検出結果を音声出力することにより、報知を実行してもよい。また、報知部500は、所定のランプの点灯状態を制御することにより、不具合の有無の検出結果を報知してもよい。例えば、赤色のランプを点滅させることにより、不具合有りを報知してもよい。また、例えば、緑色のランプを点灯させることにより、不具合無しを報知してもよい。また、報知部500を省略してもよい。かかる構成においては、例えば、不具合の有無の検出結果を、記憶部12などに履歴として記憶させておいてもよい。また、各実施形態において、使用周波数は、初期値f(int)のまま固定されていたが、不具合検出処理のステップS155またはS124で特定された周波数を使用周波数として設定するようにしてもよい。このようにすることにより、アンテナ特性の相違または変化が生じた場合でも、LF送信アンテナ30の共振周波数と信号供給装置50の駆動周波数とのずれの発生を抑制でき、かかるずれに起因する無線通信性能の劣化の不具合を抑制できる。
[0073]
(F9)本開示に記載の信号供給装置50及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の信号供給装置50及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の信号供給装置50及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
[0074]
 本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 アンテナ(30)の不具合を検出する不具合検出装置(50)であって、
 搬送波の周波数を調整する周波数調整部(21、22)と、
 入力信号により前記搬送波を変調する変調部(23)と、
 変調された前記入力信号を増幅して出力対象信号を生成し、前記アンテナに供給する増幅部(24)と、
 前記アンテナを流れるアンテナ電流を測定する電流測定部(25)と、
 前記不具合を検出する不具合検出部(11)と、
 制御部(21)と、
 を備え、
 前記制御部は、試験信号供給処理であって、前記周波数調整部を制御して前記アンテナの共振周波数の範囲として予め定められた周波数範囲内において前記搬送波の周波数を変化させ、前記変調部を制御して前記入力信号としての試験信号により前記搬送波を変調し、前記増幅部を制御して変調後の前記搬送波を増幅させて前記出力対象信号として前記アンテナに供給する試験信号供給処理を実行しつつ、前記電流測定部を制御して、前記搬送波の周波数が変化する毎に、該周波数に対応する前記アンテナ電流を測定し、
 前記不具合検出部は、前記試験信号供給処理が実行中に測定された前記アンテナ電流のうち、大きい側のアンテナ電流の値を利用して、前記アンテナの特性の相違または変化に起因する不具合を検出する、
 不具合検出装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の不具合検出装置において、
 前記不具合検出部は、前記試験信号供給処理の実行中に測定された前記アンテナ電流のうちの最大値に対応する周波数が、前記アンテナが正常に組み付けられた状態で前記試験信号供給処理が実行された場合に想定される電流値に対応する周波数範囲を外れた場合に、正しいアンテナとは異なる前記特性を有する前記アンテナの組み付けの不具合を検出する、不具合検出装置。
[請求項3]
 請求項1に記載の不具合検出装置において、
 前記制御部は、前記試験信号供給処理の実行と、前記搬送波の周波数毎に該周波数に対応する前記アンテナ電流を測定することと、を繰り返し実行し、
 前記不具合検出部は、今回の前記試験信号供給処理の実行中に測定された前記アンテナ電流のうちの最大値に対応する周波数と、前回の前記試験信号供給処理の実行中に測定された前記アンテナ電流のうちの最大値に対応する周波数と、の差である周波数差が、予め定められた閾値以上である場合に、前記アンテナの特性の変化の不具合を検出する、不具合検出装置。
[請求項4]
 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の不具合検出装置において、
 前記制御部は、前記試験信号供給処理において、前記使用周波数として予め定められている初期値から順に、前記周波数範囲内で増加と減少とのうちのいずれか一方を行い、前記周波数範囲の臨界値に至ると、前記初期値から順に、前記周波数範囲の臨界値に至るまで、前記周波数範囲で増加と減少とのうちの他方を行う、不具合検出装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の不具合検出装置において、
 前記試験信号供給処理において、前記搬送波の周波数毎に測定された前記アンテナ電流の値をそれぞれ記憶する記憶部(12)を、さらに備え、
 前記不具合検出部は、前記試験信号供給処理において前記記憶部に記憶されている前記アンテナ電流の値を参照して、前記不具合を検出する、不具合検出装置。
[請求項6]
 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の不具合検出装置において、
 前記不具合が検出された場合に、報知装置(500)を制御して前記不具合の検出を報知させる報知制御部(13)を、さらに備える、不具合検出装置。
[請求項7]
 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の不具合検出装置において、
 前記搬送波の周波数は、LF(Low Frequency)帯の周波数である、不具合検出装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]