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1. WO2020110605 - TELEOPERATION DEVICE FOR CONSTRUCTION MACHINERY

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明 細 書

発明の名称 建設機械の遠隔操作装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 建設機械の遠隔操作装置

技術分野

[0001]
 本発明は、建設機械から離れた遠隔地において前記建設機械を遠隔操縦するための遠隔操作装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、掘削作業、解体作業などの種々の作業に用いられる建設機械が知られている。当該建設機械をキャブ内の運転席において操縦するオペレータ、特に熟練したオペレータは、前記アタッチメントが作業の対象物などの他の物体に接触したか否かについて、視覚的に判断するだけでなく、キャブ内の運転席においてオペレータに伝わる振動に関する情報も参考にして判断している。参考にされる当該情報としては、例えば、前記掘削作業においてアタッチメントのバケットと掘削対象物である土砂との接触時の振動に関する情報、前記解体作業においてアタッチメントの破砕機と破砕対象物である構造物との接触時の振動に関する情報などが挙げられる。
[0003]
 ところで、近年、建設機械から離れた遠隔地においてオペレータが遠隔操作レバーを操作することにより建設機械を遠隔操縦する技術が提案されている。このような遠隔操縦においても、建設機械のアタッチメントが作業の対象物と接触したことを示す情報は、遠隔操縦による作業を行う上で重要な情報である。
[0004]
 特許文献1は、作業機械に振動検出センサを設け、この振動検出センサにより作業部が作業により生じた振動を検出する遠隔操作システムを開示している。当該遠隔操作システムでは、操作席に振動発生装置を設け、振動検出センサの検出信号を無線で振動発生装置に伝送し、振動検出センサの検出信号が振動発生装置に入力されたときに振動発生装置により操作席に振動を加える。
[0005]
 特許文献2は、油圧ショベルの作業力(掘削力とねじれ)が作業力検出器で検出され、アンテナを介して遠隔地の遠隔操縦装置へ送信される遠隔操縦掘削機を開示している。当該遠隔操縦掘削機では、コントローラは掘削力とねじれをそれぞれ2つの正弦波の振幅に変換して振動合成器へ出力し、振動合成器は各振幅により各正弦波を作成して振動発生装置へ出力し、振動発生装置は掘削力に基づく正弦波によりオペレータが座る椅子を上下方向に振動させ、ねじれに基づく正弦波により当該椅子に回転振動を与える。
[0006]
 しかしながら、建設機械を用いた前記掘削作業や前記解体作業においてアタッチメントに生じる振動には、当該アタッチメントが作業の対象物に接触したときに発生する振動だけでなく、例えば下部走行体や上部旋回体などの機械本体に発生する振動に起因するもの、すなわち、前記アタッチメントが前記対象物に接触していないときに発生する振動も含まれる。特許文献1,2に係る技術では、振動などを検出するセンサの信号が遠隔地に伝送され、遠隔地において受信された信号が選別されることなく当該信号に基づいて振動発生装置が運転席に振動を与える。このため、特許文献1,2に係る遠隔操作装置によって遠隔地の運転席に与えられる振動は、アタッチメントが作業の対象物に接触したときの振動以外の様々な振動を含む。したがって、遠隔地のオペレータは、遠隔地の運転席に与えられる振動に基づいてアタッチメントが作業の対象物に接触したことを判断することは難しい。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2013-168777号公報
特許文献2 : 特開平9-217382号公報

発明の概要

[0008]
 本発明は、建設機械の遠隔操作において、アタッチメントに生じる振動が、当該アタッチメントが他の物体に接触した可能性の高い振動であるか否かを判定して、このような振動が発生したと判定された場合にその振動を選択的に遠隔地のオペレータに伝達することが可能な建設機械の遠隔操作装置を提供することを目的とする。
[0009]
 提供されるのは、アタッチメントを有する建設機械から離れた遠隔地において前記建設機械を遠隔操縦するための遠隔操作装置であって、前記アタッチメントに生じる振動のうち、互いに異なる複数の方向における複数の振動成分を検出可能な振動検出部と、前記アタッチメントの振動に関する振動情報を前記遠隔地におけるオペレータに伝達するための伝達装置と、前記伝達装置の動作を制御する伝達制御部と、を備え、前記アタッチメントが他の物体に接触することにより発生した振動であるか否かを判定するための振動判定条件が予め設定されており、当該振動判定条件は、前記振動検出部により検出される前記複数の振動成分のうち振幅が最も大きい最大振動成分の振幅が予め設定された振幅閾値以上であることを条件として含み、前記伝達制御部は、前記振動判定条件が満たされた場合にのみ、前記伝達装置の動作を制御して前記オペレータに前記振動情報が伝達されることを許容する。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の実施形態に係る遠隔操作装置により遠隔操縦される建設機械の一例を示す側面図である。
[図2] 前記実施形態に係る遠隔操作装置の運転席、遠隔操作レバー、及び伝達装置を示す斜視図である。
[図3] 前記実施形態に係る遠隔操作装置の機能構成を示すブロック図である。
[図4] 前記実施形態に係る遠隔操作装置により遠隔操縦される建設機械のアタッチメントの動作の一例と、当該動作によって前記アタッチメントに生じる振動の方向とを示す概略図である。
[図5] 前記実施形態に係る遠隔操作装置により遠隔操縦される建設機械のアタッチメントの動作の他の例と、当該動作によって前記アタッチメントに生じる振動の方向とを示す概略図である。
[図6] 前記実施形態に係る遠隔操作装置における振動検出部が検出したX方向の振動成分、Y方向の振動成分及びZ方向の振動成分の波形の一例を示す概略図である。
[図7] 前記遠隔操作装置のコントローラのうち、建設機械に設けられた機械コントローラが行う演算制御動作の一例を示すフローチャートである。
[図8] 前記遠隔操作装置のコントローラのうち、遠隔地に設けられた遠隔地コントローラが行う演算制御動作の一例を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[0012]
 図1は、本発明の実施形態に係る遠隔操作装置101により遠隔操縦される建設機械の一例である油圧ショベル100を示す側面図である。図2は、前記実施形態に係る遠隔操作装置101の運転席31、遠隔操作レバー32、及び伝達装置71,72を示す斜視図である。図3は、遠隔操作装置101の機能構成を示すブロック図である。油圧ショベル100(建設機械)と前記遠隔操作装置101とは、遠隔操作システムを構成している。
[0013]
 なお、図1及び図2には、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本発明の実施形態に係る遠隔操作装置101及び油圧ショベル100の構造を説明するために便宜上示すものであり、油圧ショベル100の移動方向や使用態様などを限定するものではない。
[0014]
 図1に示すように、前記油圧ショベル100は、下部走行体1と、その上に旋回可能に搭載される上部旋回体2と、当該上部旋回体2に搭載されるアタッチメント6と、を備える。前記上部旋回体2は、前記下部走行体1に連結される旋回フレーム2aと、当該旋回フレーム2a上に搭載されるキャブ7と、を有する。前記アタッチメント6は、前記旋回フレーム2aの前端部に起伏可能に連結されるブーム3と、当該ブーム3の先端部に回動可能に連結されるアーム4と、当該アーム4の先端部に回動可能に連結される先端アタッチメント5と、を含む。本実施形態では、当該先端アタッチメント5は、バケット5により構成されている。前記キャブ7は、前記旋回フレーム2aの前部であって当該旋回フレーム2aの左右方向において前記ブーム3と隣接する部位に搭載され、前記油圧ショベルの操縦を行うための運転室を構成する。
[0015]
 前記油圧ショベル100は、さらに、前記アタッチメント6を動作させるための複数の油圧アクチュエータ3a,4a,5aと、前記上部旋回体2を旋回させるための図略の旋回モータと、下部走行体1を走行させるための図略の走行モータと、を備える。前記複数の油圧アクチュエータは、ブーム3を動作させるためのブームシリンダ3aと、アーム4を動作させるためのアームシリンダ4aと、バケット5を動作させるためのバケットシリンダ5aと、を含む。
[0016]
 本実施形態に係る遠隔操作装置101は、油圧ショベル100から離れた遠隔地において当該油圧ショベル100を遠隔操縦するための装置である。図1~図3に示す実施形態では、前記遠隔操作装置101は、カメラ11(映像取得装置)と、表示装置21と、運転席31と、一対の遠隔操作レバー32,32と、一対の走行ペダル33,33と、一対の走行レバー33A,33Aと、振動検出部41と、コントローラ50と、通信装置61,62と、振動発生装置71(伝達装置の一例)と、音発生装置72(伝達装置の他の例)と、を備える。前記コントローラ50は、油圧ショベル100に設けられた機械コントローラ50Aと、遠隔地に設けられた遠隔地コントローラ50Bとにより構成されている。
[0017]
 前記カメラ11、振動検出部41、機械コントローラ50A、及び通信装置61は、図1に示す前記油圧ショベル100又はその近傍に設けられている。前記表示装置21、運転席31、一対の遠隔操作レバー32,32、一対の走行ペダル33,33、一対の走行レバー33A,33A、遠隔地コントローラ50B、振動発生装置71、音発生装置72、及び通信装置62は、前記油圧ショベル100から離れた図2に示す遠隔地に設けられている。
[0018]
 前記カメラ11は、映像を撮影することが可能な装置であり、具体的には、動画を撮影可能な装置である。前記カメラ11は、所定の視野角(例えば図1において二点鎖線で示される視野角)を有し、その視野範囲の映像を撮影可能に構成されている。前記カメラ11により取得された映像に関する情報(映像信号)は、図3に示す通信装置61,62を介して前記遠隔地に設けられた遠隔地コントローラ50Bに入力される。
[0019]
 図1に示すように、前記カメラ11は、前記油圧ショベル100の作業領域の映像であってキャブ7の運転室の座席に座るオペレータの視野に対応する映像(作業映像)を取得する。前記カメラ11は、例えば、キャブ7の運転室の座席に座るオペレータの目線に対応する高さ位置に配置され、アタッチメント6の要部、例えばアーム4やバケット5を撮影可能なように前方に広がる視野を有する。
[0020]
 前記表示装置21は、前記カメラ11により取得された映像を、前記遠隔地において表示するための装置である。表示装置21は、前記通信装置61,62を介して遠隔地コントローラ50Bに入力された映像に関する情報(映像信号)を受け、当該映像を表示する。当該表示装置21は、例えば図2に示すように、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイであってもよく、かかる場合には、当該表示装置21は、運転席31に着座するオペレータが当該表示装置21に表示される映像を目視可能な位置に設けられる。また、前記表示装置21は、上記のようなディスプレイに限られず、例えば、映像をスクリーンなどに投影する図略のプロジェクタなどであってもよく、また、オペレータの頭部に装着する図略のヘッドマウントディスプレイであってもよい。
[0021]
 前記運転席31は、前記遠隔地において前記オペレータが着座するための座席である。運転席31は、座部34と、背もたれ部35と、ヘッドレスト36と、左右のアームレスト37,37と、を含む。前記座部34は、オペレータの下半身、具体的には臀部と脚部の一部(太もも)とを支持する。背もたれ部35は、オペレータの上半身、具体的には背中を支持する。ヘッドレスト36は、オペレータの頭部、具体的には後頭部を支持する。
[0022]
 前記左右のアームレスト37,37は、運転席31に着座するオペレータが前記遠隔操作レバー32,32を操作するときにオペレータの前腕を支持するためのものであり、オペレータの前腕を支えることができるように前後方向に延びる形状を有する。前記左右のアームレスト37,37は、前記座部34の左側方及び右側方にそれぞれ配置されている。
[0023]
 一対の遠隔操作レバー32,32のそれぞれは、前記遠隔地において前記運転席31に着座するオペレータによるアタッチメント操作を受けて前後左右に回動する。当該アタッチメント操作は、前記アタッチメント6を動作させるための操作である。当該アタッチメント操作には、前記上部旋回体2に対して前記ブーム3を起伏させる起伏動作のためのブーム起伏操作、前記ブーム3に対して前記アーム4を回動させる回動動作のためのアーム回動操作、前記アーム4に対して前記バケット5を回動させる回動動作のためのバケット回動操作、前記下部走行体1に対して前記上部旋回体2を旋回させて前記アタッチメント6を旋回させる旋回動作のためのアタッチメント旋回操作などが含まれる。
[0024]
 前記一対の走行ペダル33,33は、下部走行体1を走行させるペダルである。前記一対の走行レバー33A,33Aは、下部走行体1を走行させるレバーである。運転席31に着座するオペレータは、当該運転席31の前方に位置する左右の走行ペダル33,33を踏み込むこと、又は左右の走行レバー33A,33Aを操作することで、下部走行体1を走行させることができる。すなわち、下部走行体1の走行動作の操縦は、前記走行ペダル33,33の踏み込み操作及び前記走行レバー33A,33Aの手動操作の何れの操作でも可能である。
[0025]
 各遠隔操作レバー32は、オペレータによる操作を受けると、その操作量、操作方向などに応じて決まる当該遠隔操作レバー32の状態(操作状態)に応じた操作信号を生成し、当該操作信号を遠隔地コントローラ50Bに入力する。すなわち、各遠隔操作レバー32の前記操作量、前記操作方向などに応じて決まる前記操作状態が電気信号に変換され、当該電気信号(操作信号)が遠隔地コントローラ50Bに入力される。同様に、各走行ペダル33又は各走行レバー33Aは、オペレータによる操作を受けると、その操作量に応じた操作信号を生成し、当該操作信号を遠隔地コントローラ50Bに入力する。各遠隔操作レバー32は、オペレータによる操作を受けるレバー本体と、その操作量、操作方向などに応じて前記操作信号を生成し、当該操作信号をコントローラ50に入力する操作信号生成部と、を含む。
[0026]
 当該遠隔地コントローラ50Bに入力された前記操作信号は、前記通信装置61,62を介して油圧ショベル100の前記機械コントローラ50Aに入力される。油圧ショベル100の前記機械コントローラ50Aは、入力された前記操作信号に基づいて適宜演算等の信号処理を行い、前記操作信号に対応する指令信号を生成する。当該指令信号は、前記ブームシリンダ3a、前記アームシリンダ4a、前記バケットシリンダ5a、前記旋回モータ、前記走行モータなどを動作させるためのコントロールバルブ等に入力される。したがって、オペレータは、遠隔操作レバー32,32を操作することにより、油圧ショベル100の種々の動作、具体的には、前記アタッチメント旋回動作、前記ブーム起伏動作、前記アーム回動動作、前記バケット回動動作、下部走行体1の走行動作などの動作を実行させることができる。
[0027]
 前記振動検出部41は、前記アタッチメント6に生じる振動を検出可能なものであればよく、具体的な構成は特に限定されるものではないが、一例を挙げると次の通りである。前記振動検出部41は、例えば、X方向の振動成分を検出する加速度センサ41Xと、Y方向の振動成分を検出する加速度センサ41Yと、Z方向の振動成分を検出する加速度センサ41Zとにより構成される。これらの加速度センサ41X,41Y,41Zは、加速度を検出する方向が互いに直交するように配置される。加速度センサ41X,41Y,41Zによりそれぞれ検出される振動成分のデータには、振動の振幅、振動の周波数などのデータが含まれる。
[0028]
 通信装置61(送受信装置)は、前記油圧ショベル100又はその近傍に設けられる。前記カメラ11、振動検出部41などから出力される信号は、機械コントローラ50Aを経て前記通信装置61に入力される。当該通信装置61は、これらの信号を前記遠隔地に設けられた通信装置62(送受信装置)に向けて送信する機能と、当該通信装置62から送信される信号を受信する機能と、を有する。
[0029]
 通信装置62(送受信装置)は、前記遠隔地に設けられる。当該通信装置62は、前記通信装置61が送信する信号を受信し、当該信号を遠隔地コントローラ50Bに入力する機能と、当該遠隔地コントローラ50Bから出力される信号を受けて、当該信号を前記油圧ショベル100又はその近傍に設けられた前記通信装置61に向けて送信する機能と、を有する。
[0030]
 本実施形態では、通信装置61と通信装置62は、無線通信により互いに信号の送受信を行うように構成されているが、これに限られず、有線通信により信号の送受信を行うように構成されていてもよい。
[0031]
 前記振動発生装置71は、皮膚感覚などを通じてオペレータが前記振動情報を認識できる振動を発生させる機能を有する。前記振動発生装置71としては、例えば、図略のモータと、当該モータの軸に重心を偏らせて取り付けられた重りとを有するものが挙げられるが、これに限られない。前記振動発生装置71は、例えば図2に示すように、座部34、背もたれ部35、ヘッドレスト36、左右のアームレスト37,37、一対の遠隔操作レバー32,32、及びフロアプレート38(床部材)から選ばれる少なくとも一つの部材に設けられる。
[0032]
 前記振動発生装置71は、前記振動検出部41の加速度センサ41X,41Y,41Zが検出する振動成分の3つの方向に対応する方向に振動可能に構成されていてもよい。具体的には、前記振動発生装置71は、前後方向の振動を発生させる前後振動発生部と、左右方向の振動を発生させる左右振動発生部と、上下方向の振動を発生させる上下振動発生部と、を含むものを例示できる。このような態様であれば、前後方向、左右方向及び上下方向のうち、後述する最大振動成分に対応する方向の振動を選択的に発生させることが可能になる。
[0033]
 前記音発生装置72は、聴覚を通じてオペレータが前記振動情報を認識できる音を発する機能を有する。前記音発生装置72は、例えば図2に示すように、警報ブザー72、スピーカー72などを有する。
[0034]
 前記コントローラ50は、例えばコンピュータなどにより構成される。図3に示すように、本実施形態では、前記コントローラ50は、油圧ショベル100に設けられた機械コントローラ50Aと、遠隔地に設けられた遠隔地コントローラ50Bと、を含む。当該遠隔地コントローラ50Bは、座標系変換部52と、振動判定部53と、伝達制御部54と、を機能として有する。
[0035]
 前記座標系変換部52は、アタッチメント6のバケット5に設けられた前記振動検出部41により検出された情報であってバケット5を基準とする第1の座標系において規定される振動検出情報を、前記遠隔地における前記運転席31を基準とする第2の座標系において規定される振動変換情報に変換する機能を有する。
[0036]
 図4に示すように、前記振動検出部41が前記アタッチメント6のバケット5に設けられている場合には、当該バケット5を基準とする前記第1の座標系の方向(X軸、Y軸、Z軸の方向)は、前記バケット5の動作に応じて変化する。そこで、本実施形態では、前記第1の座標系において規定される前記振動検出情報が前記第2の座標系において規定される前記振動変換情報に変換される。
[0037]
 前記座標系変換部52による座標の変換は、例えば次のように行われることが可能である。すなわち、機械コントローラ50Aの座標系変換部52は、キャブ7に対するバケット5の角度を演算し、バケット5に設けられた振動検出部41が検出する振動の方向(前記第1の座標系の方向)をキャブ7に対する振動の方向に変換する。そして、このようにして変換された振動の方向は、遠隔地における座標系の方向と一致するように設定されている。前記キャブ7に対する前記バケット5の角度は、前記アタッチメント6の姿勢を検出可能な公知の種々の姿勢検出部により取得される姿勢データに基づいて演算され得る。具体例を挙げると次の通りである。前記姿勢検出部は、例えば、上部旋回体2に対するブーム3の角度(ブーム角度)を検出可能な図略のブーム角度センサと、ブーム3に対するアーム4の角度(アーム角度)を検出可能な図略のアーム角度センサと、アーム4に対するバケット5の角度(バケット角度)を検出可能な図略のバケット角度センサと、下部走行体1に対する上部旋回体2の角度(旋回角度)を検出可能な図略の旋回角度センサと、を含む。前記ブーム角度、前記アーム角度、前記バケット角度及び前記旋回角度が特定されると、これらの情報に基づいて前記キャブ7に対する前記バケット5の角度が特定される。
[0038]
 本実施形態では、第2の座標系において、X軸の方向は前後方向に設定され、Y軸の方向は左右方向に設定され、Z軸の方向は上下方向に設定されているが、これらの設定に限られない。
[0039]
 振動判定部53は、前記振動検出部41の加速度センサ41X,41Y,41Zにより検出される3つの振動成分の振幅を比較し、これらの振動成分のうち、振幅が最も大きい最大振動成分を判別する。また、振動判定部53は、前記最大振動成分の振幅が予め設定された振幅閾値以上であるか否かを判定する。当該振幅閾値は、例えば、実験やシミュレーションなどにより取得可能なデータ、具体的には、バケット5が壁面Wや地面Gに接触するときに発生する振動の振幅データなどに基づいて設定可能である。
[0040]
 具体的には、例えば図4や図5に示すようにアタッチメント6のバケット5が壁面Wや地面Gなどに接触するとバケット5には振動が生じる。バケット5の振動は、例えば図6に示すように、前記振動検出部41の加速度センサ41X,41Y,41Zにより3つの振動成分として検出される。当該3つの振動成分は、X方向の振動成分と、Y方向の振動成分と、Z方向の振動成分とにより構成される。前記振動検出部41により検出された前記振動成分に関する信号は、通信装置61,62を介して遠隔地コントローラ50Bに入力される。入力された信号に基づいて、振動判定部53は、X方向の振動成分、Y方向の振動成分及びZ方向の振動成分のうち、振幅が最も大きい最大振動成分(図6の具体例では、X方向の振動成分)を判別する。そして、振動判定部53は、最大振動成分であるX方向の振動成分の振幅が前記振幅閾値以上であるか否かを判定する。
[0041]
 前記伝達制御部54は、予め設定された振動判定条件が満たされた場合にのみ、前記伝達装置71,72の動作を制御してオペレータに前記振動情報が伝達されることを許容するように構成されている。前記振動判定条件は、振動検出部41により検出されるバケット5の振動に関する振動情報を遠隔地におけるオペレータに対して伝達制御部54が伝達するか否かを判定するために設定された条件である。
[0042]
 前記振動判定条件は、前記最大振動成分の振幅が予め設定された振幅閾値以上であるという条件(振幅条件)を少なくとも含む。
[0043]
 また、前記振動判定条件は、前記バケット5の振動の周波数について予め設定された周波数条件を含んでいてもよい。この場合、当該周波数条件は、前記バケット5の振動の周波数が予め設定された周波数範囲に含まれるか否かを条件として含む。加速度センサ41X,41Y,41Zによりそれぞれ検出される振動成分のデータには、振動の周波数に関する情報も含まれる。したがって、コントローラ50は、前記振動成分の周波数に関するデータに基づいて、前記周波数条件が満たされているか否かを判定することができる。
[0044]
 さらに、前記振動判定条件は、前記遠隔操作レバー32が前記アタッチメント操作を受けたという条件(操作条件)を含んでいてもよい。前記振動判定条件に含まれる前記操作条件について、コントローラ50は、次のようにして判定する。上述したように、前記遠隔操作レバー32は、オペレータによる操作を受けると、その操作量、操作方向などに応じて決まる当該遠隔操作レバー32の状態(操作状態)に応じた操作信号を生成し、当該操作信号を遠隔地コントローラ50Bに入力する。したがって、伝達制御部54は、遠隔地コントローラ50Bに入力された前記操作信号に基づいて、前記遠隔操作レバー32が前記アタッチメント操作を受けたか否かを判定することができる。なお、前記伝達制御部54は、前記遠隔操作レバー32が受ける前記操作の操作量が予め設定された基準値以上である場合に、前記遠隔操作レバー32が前記アタッチメント操作を受けたと判定し、前記操作量が前記基準値未満である場合には、前記遠隔操作レバー32が前記アタッチメント操作を受けていないと判定してもよい。前記操作条件の判定は、機械コントローラ50Aが行ってもよい。
[0045]
 以上のように前記振動判定条件は、前記振幅条件のみからなるものであってもよいが、前記振幅条件に加えて、前記周波数条件及び前記操作条件の少なくとも一方の条件を含んでいてもよい。また、前記振動判定条件は、前記振幅条件に加えて、前記周波数条件及び前記操作条件以外の条件を含んでいてもよい。
[0046]
 以下、図7及び図8に示すフローチャートに基づいて本実施形態に係る遠隔操作装置101のコントローラ50が行う演算制御動作について説明する。図7は、前記遠隔操作装置101のコントローラ50のうち、油圧ショベル100に設けられた機械コントローラ50Aが行う演算制御動作の一例を示すフローチャートである。図8は、前記遠隔操作装置101のコントローラ50のうち、遠隔地に設けられた遠隔地コントローラ50Bが行う演算制御動作の一例を示すフローチャートである。
[0047]
 図7に示すように、前記油圧ショベル100の作業が開始されると、機械コントローラ50Aは、前記振動検出部41から入力されるバケット5の振動に関する情報に基づいて、アタッチメント6のバケット5の振動が検出されたか否かを判定する(ステップS1)。バケット5の振動が検出されたと判定された場合(ステップS1においてYES)、機械コントローラ50Aは、アタッチメント6のバケット5の振動情報、動作情報などのバケット5に関する情報を、通信装置61,62を介して遠隔地コントローラ50Bに送信する(ステップS2)。バケット5に関する情報には、前記振動検出部41により検出されたバケット5の振動に関する情報(第1の座標系において規定される振動検出情報)などが含まれる。
[0048]
 次に、図8に示すように、遠隔地コントローラ50Bは、前記振動情報などのバケット5に関する情報を受信したか否かを判定する(ステップS11)。前記バケット5に関する情報が前記遠隔地コントローラ50Bに入力されると(ステップS11においてYES)、前記座標系変換部52は、バケット5に設けられた前記振動検出部41により検出されて第1の座標系において規定される振動検出情報を、前記遠隔地における前記運転席31を基準とする第2の座標系において規定される振動変換情報に変換する(ステップS12)。
[0049]
 次に、前記振動判定部53は、振動検出部41の加速度センサ41X,41Y,41Zにより検出された3つの方向(X方向、Y方向及びZ方向)の振動成分に関する情報に基づいて、これらの振動成分のうち、振幅が最も大きい最大振動成分を特定する(ステップS13)。図6に示す具体例の場合、当該最大振動成分は、X方向の振動成分である。そして、振動判定部53は、前記最大振動成分の振幅が予め設定された振幅閾値以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
[0050]
 前記最大振動成分の振幅が前記振幅閾値以上であると判定されると(ステップS14においてYES)、振動判定部53は、前記最大振動成分の振動の周波数が予め設定された周波数範囲内であるか否かを判定する(ステップS15)。前記最大振動成分の周波数が予め設定された周波数範囲内である場合には(ステップS15においてYES)、前記伝達制御部54は、前記オペレータに対して前記振動情報が報知されるように前記振動発生装置71及び音発生装置72の少なくとも一方を制御する(ステップS16)。
[0051]
 前記周波数範囲は、例えば、予め設定された閾値以上の周波数範囲に設定されたり、予め設定された下限値と上限値との間の周波数範囲に設定されたりすることが可能である。当該周波数範囲は例えば上記のように設定される。このような周波数条件が前記振動判定条件に含まれることにより、特定の周波数範囲(例えば上記のような急停止に起因する振動の周波数に関連付けられた周波数範囲)に含まれる振動がオペレータに伝達されることが抑制されるので、アタッチメントの操作性の悪化を抑制することができる。なお、前記伝達制御部54は、前記最大振動成分の周波数が予め設定された周波数範囲から外れている場合に、前記オペレータに対して前記振動情報が報知されるように前記振動発生装置71及び音発生装置72の少なくとも一方を制御してもよい。
[0052]
 本実施形態では、前記振動発生装置71が複数の方向に振動可能に構成されている。かかる場合には、前記伝達制御部54は、前記最大振動成分に対応する方向の振動が選択的に発生するように前記振動発生装置71を制御することができる。具体的には、第2の座標系において、X方向が前後方向に設定され、Y軸の方向が左右方向に設定され、Z軸の方向が上下方向に設定されている場合を例に挙げて説明する。
[0053]
 加速度センサ41X,41Y,41Zにより検出される振動検出情報は、例えば図4に示す第1の座標系において規定されるデータである。この振動検出情報は、上述したように座標系変換部52により例えば図4に示す第2の座標系において規定される座標変換情報に変換される。変換された座標変換情報は、例えば図6に示す3つの振動成分のデータを含む。この場合、振動判定部53は、X方向の振動成分が最大振動成分であると判別し、当該最大振動成分の振幅が前記振幅閾値以上であると判定すると、前記伝達制御部54は、当該最大振動成分に対応する方向であるX方向の振動、すなわち、前後方向の振動のみが選択的に発生するように、前記振動発生装置71を制御する。これにより、オペレータは、バケット5において実際に生じている振動をより具体的に把握することが可能になる。
[0054]
 図8においてステップS14及びステップS15に示される処理の順番は図8に示す順番に限られず入れ替わってもよい。また、図8においてステップS15が省略されてもよい。
[0055]
 なお、本実施形態では、図8に示すフローチャートにおけるステップS16の前に、前記振動判定条件として、他の条件を含めることも可能である。
[0056]
 具体的には、例えば、前記振動判定条件は、前記遠隔操作レバー32が前記アタッチメント操作を受けたという条件(操作条件)を含んでいてもよい。この場合、前記遠隔操作レバー32,32の操作信号は、コントローラ50(機械コントローラ50A又は遠隔地コントローラ50B)に入力される。コントローラ50は、前記遠隔操作レバー32,32が前記アタッチメント操作を受けたか否かを判定する。また、前記アタッチメント操作のうちの一部の特定操作が予め設定されてコントローラ50の図略の記憶部に記憶され、前記振動判定条件は、前記遠隔操作レバー32が当該特定操作を受けたという条件(特定操作条件)を含んでいてもよい。具体的には、当該特定操作には、前記アタッチメント操作に含まれる複数の操作のうち、例えば前記アーム回動操作が含まれる。より具体的には、前記特定操作には、例えば前記アーム回動操作のうち、前記アーム4を前方に移動させるアーム押し操作が含まれる。当該アーム押し操作は、図4に示すようにバケット5が前方Dに移動してバケット5が構造物の壁面Wに接触するときの操作や、図5に示すようにバケット5が下方Dに移動してバケット5が地面の土砂に接触するときの操作に対応している。前記遠隔操作レバー32,32が前記特定操作を受けたことが前記振動判定条件に含まれることにより、バケット5が作業の対象物などの他の物体に接触した可能性がさらに高い振動が発生したときの機械振動をオペレータに選択的に報知することができる。
[0057]
 以上説明した本実施形態に係る遠隔操作装置101では、前記振動判定条件は、前記最大振動成分の振幅が前記振幅閾値以上であるという条件(振幅条件)を含み、当該振動判定条件が満たされた場合にのみ、前記オペレータへの前記振動情報の伝達が許容される。したがって、バケット5が作業の対象物などの他の物体に接触していないときにオペレータに対して振動情報が伝達されることが抑制される。これにより、バケット5が他の物体に接触した可能性が高い振動をオペレータに選択的に報知することができる。このことは、オペレータがより正確なアタッチメント操作を行うことを可能にする。
[0058]
 また、前記振幅条件の判定、すなわち、前記振動検出部41により検出される前記複数の振動成分のうち振幅が最も大きい最大振動成分の振幅が前記振幅閾値以上であるという振幅条件の判定は、例えば複数の加速度センサによる検出値を相対比較するとともに前記振幅閾値と比較するという比較的簡単な構成と簡単な制御により実現可能であるので、遠隔操作装置101の構造及び制御が複雑になるのを抑制できる。
[0059]
 本実施形態では、前記振動検出部41は、加速度センサ41X,41Y,41Zにより構成され、これらの加速度センサ41X,41Y,41Zは、互いに直交する3つの方向(第1方向、第2方向、第3方向)の振動成分を検出可能である。したがって、例えば、前記第1方向が前後方向に設定され、前記第2方向が左右方向に設定され、前記第3方向が上下方向に設定されることにより、上述のように分類される種々の振動成分、すなわち、前記上向きの振動成分、前記後向きの振動成分、前記左向きの振動成分、及び前記右向きの振動成分が感度よく検出される。
[0060]
 また、前記振動判定条件は、前記遠隔操作レバー32が前記アタッチメント操作を受けたことを条件としてさらに含んでいてもよい。かかる場合には、アタッチメントが作業の対象物などの他の物体に接触した可能性がさらに高い振動を遠隔地のオペレータに選択的に伝達することが可能になる。
[0061]
 [変形例]
 なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を包含する。
[0062]
 (A)建設機械について
 前記遠隔操作装置は、前記実施形態において例示した油圧ショベル100に限らず、例えばクレーン、ドーザーなどの他の建設機械にも広く適用され得るものである。
[0063]
 (B)先端アタッチメントについて
 前記遠隔操作装置において、前記先端アタッチメントは、前記実施形態において例示したバケット5に限られない。前記先端アタッチメントは、例えば、スクラップヤード等においてスクラップを把持し搬送するためのグラップル、コンクリート構造物等の解体作業を行うための圧砕機(破砕機)、岩盤の掘削、岩石の小割、コンクリートの破砕などに使用するためのブレーカ、運搬物を把持するためのフォークなどであってもよい。
[0064]
 (C)伝達装置について
 前記伝達装置は、前記アタッチメントの振動に関する振動情報を前記遠隔地においてオペレータに対して伝達可能なものであればよいので、前記実施形態で例示した振動発生装置71及び音発生装置72に限られず、例えば光発生装置、振動情報表示装置などであってもよい。前記光発生装置は、例えば、図略の表示灯、回転灯、信号灯などを有する。前記振動情報表示装置は、例えば、視覚を通じてオペレータが前記振動情報を認識できる文字、図形などを表示する図略のディスプレイなどを有する。
[0065]
 (D)振動検出部について
 前記振動検出部は、前記アタッチメントの振動を検出することができればよいので、前記実施形態で例示したように前記アタッチメント6の先端部を構成するバケット5に設けられていなくてもよく、アーム4、ブーム3などに設けられていてもよく、また、上部旋回体2に設けられていてもよい。また、前記振動検出部は、複数箇所に設けられていてもよい。
[0066]
 (E)コントローラ50の機能について
 前記座標系変換部52、前記振動判定部53及び前記伝達制御部54は、遠隔地コントローラ50Bではなく、機械コントローラ50Aに設けられていてもよい。また、前記コントローラ50は、機械コントローラ50A及び遠隔地コントローラ50Bの何れか一方のみにより構成されていてもよい。
[0067]
 (実施の形態の纏め)
 本実施の形態の技術的特徴は下記のように纏められる。
[0068]
 前記課題を解決するために、本発明者らは、前記掘削作業や前記解体作業などの建設機械を用いた作業においてアタッチメントが他の物体に接触するときには、特定方向の振動成分の振幅が他の方向の振動成分の振幅に比べて際だって大きいという特徴を有する振動が発生しやすいという点に着目した。すなわち、アタッチメントに生じる振動において、互いに異なる複数の方向における複数の振動成分のうち振幅が最も大きい最大振動成分の振幅の大きさは、前記アタッチメントが前記他の物体に接触したか否かを判定するときの重要な判定基準になる。したがって、アタッチメントが他の物体に接触することにより発生した振動であるか否かを判定するための振動判定条件として、複数の振動成分から抽出された前記最大振動成分の振幅の大きさに関する条件を含める。このことは、アタッチメントに生じる振動が、当該アタッチメントが他の物体に接触した可能性の高い振動であるか否かを判定することを可能にし、このような振動が発生したと判定された場合に、その振動を遠隔地のオペレータに選択的に伝達することを可能にする。
[0069]
 前記建設機械の遠隔操作装置は、このような観点からなされたものである。前記遠隔操作装置は、アタッチメントを有する建設機械から離れた遠隔地において前記建設機械を遠隔操縦するためのものである。前記遠隔操作装置は、前記アタッチメントに生じる振動のうち、互いに異なる複数の方向における複数の振動成分を検出可能な振動検出部と、前記アタッチメントの振動に関する振動情報を前記遠隔地におけるオペレータに伝達するための伝達装置と、前記伝達装置の動作を制御する伝達制御部と、を備え、前記アタッチメントが他の物体に接触することにより発生した振動であるか否かを判定するための振動判定条件が予め設定されており、当該振動判定条件は、前記振動検出部により検出される前記複数の振動成分のうち振幅が最も大きい最大振動成分の振幅が予め設定された振幅閾値以上であることを条件として含み、前記伝達制御部は、前記振動判定条件が満たされた場合にのみ、前記伝達装置の動作を制御して前記オペレータに前記振動情報が伝達されることを許容する。
[0070]
 前記遠隔操作装置では、前記振動判定条件は、前記最大振動成分の振幅が前記振幅閾値以上であるという条件(振幅条件)を含み、当該振動判定条件が満たされた場合にのみ、前記オペレータへの前記振動情報の伝達が許容される。すなわち、前記遠隔操作装置は、前記アタッチメントに生じる振動を前記振幅条件に関するフィルタにかけることにより、アタッチメントが他の物体に接触した可能性の高い振動を抽出することを可能にし、前記振動判定条件が満たされないときにはオペレータに対して振動情報が伝達されることが抑制される。これにより、前記遠隔操作装置では、アタッチメントが他の物体に接触した可能性が高い振動をオペレータに選択的に報知することができる。
[0071]
 具体的に、前記建設機械の遠隔操作装置において、前記複数の方向は、互いに直交する3つの方向を含むことが好ましい。例えば、前記掘削作業の対象物が建設機械の前方下部にある地面である場合には、アタッチメントが下方に移動することで当該地面の土砂に接触することが想定され、このときアタッチメントに生じる振動は、主として上向きの振動成分を多く含む。また、前記掘削作業や前記解体作業の対象物が建設機械の前方にある構造物の壁面である場合には、アタッチメントが前方に移動することで当該壁面に接触することが想定され、このときアタッチメントに生じる振動は、主として後向きの振動成分を多く含む。また、上部旋回体の旋回動作に伴ってアタッチメントが旋回動作をしているときに当該アタッチメントが例えば構造物の壁面に接触するときには、アタッチメントがおおよそ右方向又は左方向に移動しているので、アタッチメントに生じる振動は、主として左向き又は右向きの振動成分を多く含む。アタッチメントの種々の動作に起因して生じるアタッチメントの振動はおおよそ上記のように分類される。したがって、本態様のように前記振動検出部が互いに直交する前記3つの方向(第1方向、第2方向及び第3方向)における3つの振動成分を検出可能である場合には、例えば、前記第1方向が前後方向に設定され、前記第2方向が左右方向に設定され、前記第3方向が上下方向に設定されることにより、上記のように分類される種々の振動成分、すなわち、前記上向きの振動成分、前記後向きの振動成分、前記左向きの振動成分、及び前記右向きの振動成分が感度よく検出される。
[0072]
 前記建設機械の遠隔操作装置は、前記アタッチメントを動作させるために前記遠隔地において前記オペレータが行うアタッチメント操作を受ける遠隔操作レバーをさらに備え、前記振動判定条件は、前記遠隔操作レバーが前記アタッチメント操作を受けたことを条件としてさらに含んでいてもよい。前記掘削作業や前記解体作業などの建設機械を用いた作業においてアタッチメントが当該作業の対象物などの他の物体に接触するときには、遠隔操作レバーに対して前記アタッチメントを動作させるためのアタッチメント操作が与えられている場合が多い。すなわち、前記遠隔操作レバーに対して前記アタッチメント操作が与えられていることは、前記アタッチメントが他の物体に接触したか否かを判定するときの重要な判定基準になる。したがって、本態様では、前記振動判定条件として、オペレータがアタッチメント操作を行っているという条件を含めている。このことは、アタッチメント操作に起因してアタッチメントが他の物体に接触した可能性が高い振動であるか否かを判定することを可能にし、このような振動が発生したと判定された場合に、その振動を遠隔地のオペレータに選択的に伝達することを可能にする。
[0073]
 前記建設機械の遠隔操作装置において、前記振動検出部は前記アタッチメントに設けられ、前記振動検出部により検出される前記アタッチメントの振動は前記アタッチメントを基準とする第1の座標系において規定され、前記遠隔操作装置は、前記遠隔地においてオペレータが着座するための運転席と、前記振動検出部により検出されて前記第1の座標系において規定される振動検出情報を、前記遠隔地における前記運転席を基準とする第2の座標系において規定される振動変換情報に変換する座標系変換部と、をさらに備えることが好ましい。本態様のように、前記振動検出部が前記アタッチメントに設けられている場合には、前記アタッチメントを基準とする前記第1の座標系の方向は、前記アタッチメントの動作に応じて変化する。そこで、本態様では、前記第1の座標系において規定される前記振動検出情報が前記第2の座標系において規定される前記振動変換情報に変換される。このことは、前記振動検出部により連続的に検出される前記アタッチメントの振動に関する複数の情報、すなわち、アタッチメントの動作に応じて変化する第1の座標系において規定される情報を、前記運転席を基準とする第2の座標系という同一の座標系(一定の座標系)において比較して利用することを可能にする。
[0074]
 前記建設機械の遠隔操作装置において、前記振動判定条件は、前記アタッチメントの振動の周波数について予め設定された周波数条件をさらに含み、前記周波数条件は、前記アタッチメントの振動の周波数が予め設定された周波数範囲に含まれるか否かを条件として含んでいてもよい。例えば、空中を動作しているアタッチメントが他の物体に接触せずに急停止した場合には、急停止の衝撃に起因してアタッチメントには振動が発生することが予想される。ただし、このような急停止に起因してアタッチメントに生じる振動の周波数は、アタッチメントが他の物体に接触したときにアタッチメントに生じる振動の周波数とは異なる。したがって、アタッチメントに生じる振動の周波数は、アタッチメントが他の物体に接触したか否かを判定する基準となり得る。そこで、本態様では、前記振動判定条件は、前記周波数条件を含む。このことは、アタッチメントが他の物体に接触した可能性がさら高い振動を抽出することを可能にし、このように抽出された振動をオペレータに選択的に伝達することを可能にする。
[0075]
 前記建設機械の遠隔操作装置において、前記伝達装置は、前記複数の方向に対応する方向に振動可能な振動発生装置を含み、前記伝達制御部は、前記振動発生装置が前記最大振動成分に対応する方向に振動するように当該振動発生装置を制御してもよい。この態様では、アタッチメントが他の物体に接触したときの当該アタッチメントの振動のうち、例えば後方(前後方向)の振動成分の振幅が最も大きい場合には、遠隔地のオペレータに対して後方(前後方向)の振動が伝達される。これにより、オペレータは、アタッチメントにおいて実際に生じている振動をより具体的に把握することが可能になる。
[0076]
 以上のように、前記遠隔操作装置によれば、建設機械の遠隔操作において、アタッチメントに生じる振動が、当該アタッチメントが他の物体に接触した可能性の高い振動であるか否かを判定して、このような振動が発生したと判定された場合にその振動をオペレータに選択的に伝達することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 アタッチメントを有する建設機械から離れた遠隔地において前記建設機械を遠隔操縦するための遠隔操作装置であって、
 前記アタッチメントに生じる振動のうち、互いに異なる複数の方向における複数の振動成分を検出可能な振動検出部と、
 前記アタッチメントの振動に関する振動情報を前記遠隔地におけるオペレータに伝達するための伝達装置と、
 前記伝達装置の動作を制御する伝達制御部と、を備え、
 前記アタッチメントが他の物体に接触することにより発生した振動であるか否かを判定するための振動判定条件が予め設定されており、当該振動判定条件は、前記振動検出部により検出される前記複数の振動成分のうち振幅が最も大きい最大振動成分の振幅が予め設定された振幅閾値以上であることを条件として含み、
 前記伝達制御部は、前記振動判定条件が満たされた場合にのみ、前記伝達装置の動作を制御して前記オペレータに前記振動情報が伝達されることを許容する、建設機械の遠隔操作装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の建設機械の遠隔操作装置であって、
 前記複数の方向は、互いに直交する3つの方向を含む、建設機械の遠隔操作装置。
[請求項3]
 請求項1又は2に記載の建設機械の遠隔操作装置であって、
 前記アタッチメントを動作させるために前記遠隔地において前記オペレータが行うアタッチメント操作を受ける遠隔操作レバーをさらに備え、
 前記振動判定条件は、前記遠隔操作レバーが前記アタッチメント操作を受けたことを条件としてさらに含む、建設機械の遠隔操作装置。
[請求項4]
 請求項1~3の何れか1項に記載の建設機械の遠隔操作装置であって、
 前記振動検出部は前記アタッチメントに設けられ、前記振動検出部により検出される前記アタッチメントの振動は前記アタッチメントを基準とする第1の座標系において規定され、
 前記遠隔操作装置は、
 前記遠隔地においてオペレータが着座するための運転席と、
 前記振動検出部により検出されて前記第1の座標系において規定される振動検出情報を、前記遠隔地における前記運転席を基準とする第2の座標系において規定される振動変換情報に変換する座標系変換部と、をさらに備える、建設機械の遠隔操作装置。
[請求項5]
 請求項1~4の何れか1項に記載の建設機械の遠隔操作装置であって、
 前記振動判定条件は、前記アタッチメントの振動の周波数について予め設定された周波数条件をさらに含み、
 前記周波数条件は、前記アタッチメントの振動の周波数が予め設定された周波数範囲に含まれるか否かを条件として含む、建設機械の遠隔操作装置。
[請求項6]
 請求項1~5の何れか1項に記載の建設機械の遠隔操作装置であって、
 前記伝達装置は、前記複数の方向に対応する方向に振動可能な振動発生装置を含み、
 前記伝達制御部は、前記振動発生装置が前記最大振動成分に対応する方向に振動するように当該振動発生装置を制御する、建設機械の遠隔操作装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]