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1. WO2020110538 - POLARIZING PLATE

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明 細 書

発明の名称 偏光板

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

実施例

0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078  

産業上の利用可能性

0079  

符号の説明

0080  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 偏光板

技術分野

[0001]
 本発明は、偏光板に関する。

背景技術

[0002]
 液晶表示装置等の表示装置に貼着される偏光板は、表示面の形状に合わせて各辺が直線からなる長方形である場合が多いが、表示面外にある物理ボタンやカメラホール等に被さることを避けるために、辺の一部を切り欠いたものや貫通孔を有する形状である場合もある(例えば特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2018-25630号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 偏光板がこのように異形のものである場合、ヒートショック試験において凹部や貫通孔の部分に、表示装置の視認性に影響を与えるクラックが生じやすい傾向がある。本発明は、異形の偏光板でありながらヒートショック試験において表示装置の視認性に影響を与えるクラックが生じにくい偏光板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明は、偏光フィルムと、その両面にそれぞれ積層された第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムとを備える偏光板であって、平面視において、外周縁に当該偏光板の外形形状の一部を成す凹部を有し、又は、外周縁から離れた位置に貫通孔を有し、第1の保護フィルムは、位相差フィルムであり、且つ、その遅相軸と偏光フィルムの吸収軸とのなす角度が70°~90°である、偏光板を提供する。
[0006]
 また、本発明は、偏光フィルムと、その両面にそれぞれ積層された第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムとを備える偏光板であって、平面視において、外周縁に当該偏光板の外形形状の一部を成す凹部を有し、又は、外周縁から離れた位置に貫通孔を有し、第1の保護フィルムは、延伸フィルムであり、且つ、その遅相軸と偏光フィルムの吸収軸とのなす角度が70°~90°である、偏光板を提供する。
[0007]
 これらの偏光板は、異形の偏光板でありながらヒートショック試験において表示装置の視認性に影響を与えるクラックが生じにくい。
[0008]
 ここで、第1の保護フィルムは、最大寸法収縮率が0.1%以上であってもよい。この場合、クラックが一層生じにくい。
[0009]
 また、上記角度は、80°~90°であってもよい。
[0010]
 第1の保護フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂を含むものであってもよい。
[0011]
 また、本発明の偏光板は、第2の保護フィルムの面のうち偏光フィルムが積層されている面とは反対側の面に、粘着剤層を備えていてもよい。また、第1の保護フィルムは、当該偏光板を表示装置に貼着した際に視認側に位置するものであってもよい。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、異形の偏光板でありながらヒートショック試験において表示装置の視認性に影響を与えるクラックが生じにくい偏光板を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 偏光板の平面図である。
[図2] 図1のII-II断面図である。
[図3] 図1の偏光板の分解斜視図である。
[図4] 粘着剤層付き偏光板の断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[0015]
<偏光板>
 図1~図3に示されているとおり、本実施形態の偏光板1は、偏光フィルム2と、その両面にそれぞれ積層された第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bとを備えている。偏光板1は平面視において、四つの角が曲線とされた略矩形をなしている。当該矩形の大きさは、長辺が100mm~300mmであることが好ましく、110mm~200mmであることがより好ましい。短辺は40mm~150mmであることが好ましく、50mm~100mmであることがより好ましい。
[0016]
 偏光板1は、外周縁に当該偏光板1の外形形状の一部を成す凹部D(D ,D )を有することによって異形形状を成している。すなわち、略矩形の短辺において、外周縁から偏光板1の中央へ向かうように外周縁が窪むことで、矩形を基準とした場合にその一部を切り欠いたような欠損部を生じている。凹部Dは、二つの短辺のうち、一方の短辺に形成されていてもよく、両方の短辺に形成されていてもよい。凹部Dを構成している凹みは、短辺方向の最大幅P(P ,P )が、短辺の長さの10%~90%であってもよく、20%~80%であってもよく、30%~70%であってもよく、40%~60%であってもよい。凹部が両方の短辺に形成されている場合は、図1に示されているとおり、一方の凹部D の短辺方向の最大幅P は、他方の凹部D の短辺方向の最大幅P と異なっていてもよい。
[0017]
 凹部Dを構成している凹みは、長辺方向の最大幅Q(Q ,Q )すなわち凹みの深さが、長辺の長さの2%~20%であってもよく、4%~15%であってもよく、6%~10%であってもよい。凹部が両方の短辺に形成されている場合は、図1に示されているとおり、一方の凹部D の長辺方向の最大幅Q は、他方の凹部D の長辺方向の最大幅Q と異なっていてもよい。
[0018]
 凹部Dの形状は、頂点を有する多角形形状であってもよく、頂点部分が角丸とされた形状であってもよい。また、多角形と円形が組み合わされた形状であってもよい。また、凹部Dの形状は、長辺方向の軸を中心軸とした対称形であることが好ましく、凹部Dの存在位置は、短辺方向の中央に位置していてもよく、短辺方向の中央から外れた箇所に位置していてもよい。
[0019]
 第1の保護フィルム3Aは位相差フィルムであり、例えば延伸フィルムである。そして、図3に示されているとおり、第1の保護フィルム3Aの遅相軸と偏光フィルム2の吸収軸とのなす角度は70°~90°である。ここで、偏光フィルム2の吸収軸(=延伸軸)は略矩形の長辺方向と一致しており、以下ではこの方向を基準の0°と定義する。図3では、第1の保護フィルム3Aの遅相軸の角度が90°である様子が描かれている。なお、上記「角度」とは、偏光フィルム2の吸収軸を基準とした角度のうち、0°~90°を成す角度をいう。当該角度は、80°~90°であることが好ましい。
[0020]
 また、第1の保護フィルム3Aは、偏光板1を液晶表示装置等の表示装置に貼着した際に視認側に位置するものであることが好ましい。この場合、表示装置側に位置する第2の保護フィルム3Bは、第1の保護フィルム3Aと同様の性状であってもよいし、異なる性状であってもよい。
[0021]
<偏光フィルム>
 偏光フィルム2は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光フィルムであることができる。偏光フィルム2としては、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものを好適に用いることができる。偏光フィルム2は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液等の架橋液で処理する工程;及び、架橋液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
[0022]
 ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。ここで「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
[0023]
 ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85~100mol%であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000~10000であり、1500~5000が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
[0024]
 このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚さは特に制限されないが、偏光フィルムの厚さを15μm以下とするためには、5~35μmのものを用いることが好ましく、20μm以下のものを用いることがより好ましい。
[0025]
 ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、架橋処理の前又は架橋処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
[0026]
 一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤や水を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3~6倍である。
[0027]
 ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
[0028]
 二色性色素による染色後の架橋処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。
[0029]
 偏光フィルムの厚さは、通常20μm以下であり、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは13μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。偏光フィルムの厚さは、通常2μm以上であり、3μm以上であることが好ましい。
[0030]
 偏光フィルムとしては、例えば特開2016-170368号公報に記載されるように、液晶化合物が重合した硬化膜中に、二色性色素が配向したものを使用してもよい。二色性色素としては、波長380~800nmの範囲内に吸収を有するものを用いることができ、有機染料を用いることが好ましい。二色性色素として、例えば、アゾ化合物が挙げられる。液晶化合物は、配向したまま重合することができる液晶化合物であり、分子内に重合性基を有することができる。また、WO2011/024891に記載されるように、液晶性を有する二色性色素から偏光フィルム2を形成してもよい。
[0031]
<保護フィルム>
 第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bは、それぞれ熱可塑性樹脂から構成される透明樹脂フィルムであることができる。第1の保護フィルム3Aは、正の複屈折性を有する熱可塑性樹脂のフィルムである透明樹脂フィルムであってもよいし、負の複屈折性を有する熱可塑性樹脂のフィルムである透明樹脂フィルムであってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を例とする鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂(正の複屈折性を有する熱可塑性樹脂);セルローストリアセテート及びセルロースジアセテート等のセルロースエステル系樹脂(正の複屈折性を有する熱可塑性樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂(正の複屈折性を有する熱可塑性樹脂);ポリカーボネート系樹脂(正の複屈折性を有する熱可塑性樹脂);(メタ)アクリル系樹脂(負の複屈折性を有する熱可塑性樹脂);又はこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。なかでも、第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bは、環状ポリオレフィン系樹脂を含むものであると好ましく、特に、第1の保護フィルム3Aが環状ポリオレフィン系樹脂を含むものであると好ましい。
[0032]
 第1の保護フィルム3Aは、例えば延伸フィルムである。その延伸方向の最大寸法収縮率は、0.1%以上であることが好ましく、0.12%以上であることが好ましい。延伸方向に直交する方向の最大寸法収縮率は、0.1%未満であってもよく、0.07%未満であってもよい。第1の保護フィルム3Aの延伸は、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。第2の保護フィルム3Bは、延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムでなくてもよい。
[0033]
 第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bは、位相差フィルム及び輝度向上フィルム等の光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる透明樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
[0034]
 第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bは、偏光フィルムとは反対側の表面に、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層及び防汚層等の表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。保護フィルム表面に表面処理層を形成する方法には、公知の方法を用いることができる。
[0035]
 第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bは、互いに同一の保護フィルムであってもよいし、異なる保護フィルムであってもよい。保護フィルムが異なる場合の例としては、保護フィルムを構成する熱可塑性樹脂の種類が少なくとも異なる組み合わせ;保護フィルムの光学機能の有無又はその種類において少なくとも異なる組み合わせ;表面に形成される表面処理層の有無又はその種類において少なくとも異なる組み合わせなどがある。
[0036]
 第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bの厚さは、偏光板の薄膜化の観点から薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下して加工性に劣る。したがって、第1保護フィルム及び第2保護フィルムの厚さは、5~90μm以下が好ましく、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは50μm以下であり、特に好ましくは30μm以下である。
[0037]
<接着剤層>
 偏光フィルム2と第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bとの積層は、接着剤層を介して行われる(なお、図2には接着剤層を図示していないが、実際には各層の間に接着剤層が存在する)。接着剤層を形成する接着剤としては、紫外線、可視光、電子線、X線などの活性エネルギー線の照射によって硬化し得る活性エネルギー線硬化性接着剤、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させた水系接着剤などが挙げられる。
[0038]
 第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bは、いずれか一方を偏光フィルム2に積層させた後に他方を積層するようにしてもよいし、両保護フィルムを実質的に同時に偏光フィルム2に積層するようにしてもよい。
[0039]
 活性エネルギー線硬化性接着剤を採用する場合、接着剤層は、その硬化物を含む。接着剤としては、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分とする活性エネルギー線硬化性接着剤がより好ましく、エポキシ系化合物を硬化性成分とする紫外線硬化性接着剤がさらに好ましい。ここでいうエポキシ系化合物とは、分子内に1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0040]
 好適に使用できるエポキシ系化合物の例は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物を含む。
[0041]
 活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分としてラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物をさらに含有することもできる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
[0042]
 活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄-アレーン錯体等を挙げることができる。また、活性エネルギー線硬化性接着剤が(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性硬化性成分を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノンなどが挙げられる。
[0043]
 活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、オキセタン、ポリオール等のカチオン重合促進剤、光増感剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
[0044]
 偏光フィルム2に活性エネルギー線硬化性接着剤や水系接着剤を用いて第1の保護フィルム3A及び第2の保護フィルム3Bを貼合する方法として、貼合される2枚のフィルムの一方又は両方の貼合面に接着剤を塗工し、その接着剤層を介して2枚のフィルムを重ね合わせる方法を挙げることができる。接着剤の塗工には、例えば流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などを採用することができる。流延法とは、貼合対象のフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤層を介して重ね合わせてなるフィルム積層体は通常、ニップロール(貼合ロール)などに通して上下から押圧される。
[0045]
 偏光フィルム2に保護フィルムを貼合するにあたり、保護フィルム及び/又は偏光フィルム2の貼合面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理及びケン化処理等の易接着処理を行うことができ、中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。例えば保護フィルムが環状ポリオレフィン系樹脂からなる場合には通常、保護フィルムの貼合面にプラズマ処理やコロナ処理が施される。また、保護フィルムがセルロースエステル系樹脂からなる場合には通常、保護フィルムの貼合面にケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
[0046]
 活性エネルギー線硬化性接着剤を使用した場合は、上述のフィルムを貼合した後、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層を硬化させる硬化工程を実施する。当該接着剤層の硬化は、フィルム積層体に対して活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。活性エネルギー線は通常、第1の保護フィルム3A側から照射される。活性エネルギー線は、好ましくは紫外線である。
[0047]
 活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好ましく用いられる。
[0048]
 活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層への活性エネルギー線照射強度は、接着剤の組成によって適宜決定されるが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1~6000mW/cm となるように設定されることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm 以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm 以下である場合、光源から輻射される熱及び性接着剤の硬化時の発熱による接着剤層の黄変や偏光フィルム2の劣化を生じるおそれが少ない。
[0049]
 活性エネルギー線の照射時間についても、接着剤の組成によって適宜決定されるが、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10~10000mJ/cm となるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm 以上であると、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm 以下であると、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
[0050]
 活性エネルギー線の照射は、偏光フィルム2の偏光度、透過率及び色相、並びに保護フィルムの透明性等の偏光板の諸機能が低下しない条件で行うことが好ましい。
[0051]
 活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される接着剤層の厚さは、例えば、0.01~10μm程度であり、好ましくは0.01~5μm程度であり、より好ましくは2μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下である。
[0052]
<粘着剤層>
 偏光板を表示装置に貼着する際に、粘着剤が用いられる。図4に示されているとおり、第2の保護フィルム3Bの表面に粘着剤層4を設けることで、粘着剤層付き偏光板10とすることができる。なお、図示していないが、粘着剤層4の表面に離型シートを積層することで、貼着前の粘着剤層付き偏光板10の保存をしやすくなる。
[0053]
 粘着剤層4を形成する粘着剤としては、従来公知のものを適宜選択すればよく、偏光板1がさらされる高温環境、湿熱環境又は高温と低温が繰り返されるような環境下において、剥れなどが生じない程度の接着性を有するものであればよい。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができ、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の点で、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
[0054]
 粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
[0055]
 粘着剤層4は、通常、粘着剤の溶液を離型シート上に塗布し、乾燥し、これを第2の保護フィルム3B上に転写することで粘着剤層付き偏光板10が得られる。離型シート上への塗布は、例えば、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤層の厚さは、通常3~100μm程度であり、好ましくは5~50μmである。
[0056]
 以上に示した偏光板1によれば、異形の偏光板でありながら、ヒートショック試験においてクラックが生じにくい。また、粘着剤層4を備える粘着剤層付き偏光板10によれば、粘着剤層4を介して偏光板1を表示装置(例えば液晶セル)に貼着することができる。
[0057]
 以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では異形の偏光板として外縁部に凹部を有する態様を示したが、異形の態様としては、外周縁から離れた位置に貫通孔を有する態様であってもよい。この場合、貫通孔の形状はその加工のしやすさから正円形であることが好ましく、貫通孔の直径は、1.0mm~20mmであることが好ましく、2.0mm~10mmであることがより好ましい。貫通孔と外周縁との距離は、例えば0.5mm以上であり、10mm以下である。
[0058]
 また、上記実施形態では、凹部Dが略矩形の一辺の範囲内に収まるように形成されている態様を示したが、凹部は、略矩形の隣り合う二辺にまたがるようにして形成されていてもよい。すなわち、略矩形の四つの角のうちの一つが存在しなくなるように凹部が形成された態様であってもよい。このような凹み部分も、本明細書では凹部と呼ぶ。
実施例
[0059]
 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[0060]
(コロナ処理)
 以下の実施手順に現れる「コロナ処理」は、春日電機株式会社製のコロナ放電装置により行った。具体的には、コロナ表面処理フレーム“STR-1764”、高周波電源“CT-0212”、高圧トランス“CT-T02W”を使用した。
[0061]
 以下に示す実施例及び比較例では、偏光フィルム及び接着剤は全て同一である。これらは以下のとおり作製・調製した。
[0062]
(偏光フィルムの作製)
 厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.052/5.7/100の水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11.0/6.2/100の水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ7μmの偏光フィルムを得た。
[0063]
(接着剤の調製)
 以下の成分を混合し、脱泡して紫外線硬化性接着剤を調製した。
 ・3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:CEL2021P、株式会社ダイセル製):70質量部
 ・ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:EX-211、ナガセケムテックス株式会社製):20質量部
 ・2-エチルヘキシルグリシジルエーテル(商品名:EX-121、ナガセケムテックス株式会社製):10質量部
 ・カチオン重合開始剤(商品名:CPI-100、サンアプロ株式会社製):固形分量2.25質量部(50%プロピレンカーボネート溶液として配合した。)
 ・1,4-ジエトキシナフタレン:2質量部
[0064]
<実施例1>
(偏光フィルムと保護フィルムとの貼合)
 厚さ23μmの保護フィルムA〔日本ゼオン株式会社製の無延伸(未延伸)の環状ポリオレフィン系樹脂フィルムである商品名「ゼオノアフィルムZF14-023」の貼合面にコロナ処理を施したもの〕を用意した。マイクログラビアコーターを用いて、コロナ処理面に上記紫外線硬化性接着剤を塗工し、これを上記偏光フィルムの一方面に貼合した。
フュージョンUVシステムズ社製の紫外線ランプ「Dバルブ」が取り付けられたベルトコンベア付き紫外線照射装置を用いて、積算光量が200mJ/cm となるように紫外線を照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させた。
[0065]
 次に、厚さ20μmの保護フィルムB〔日本ゼオン株式会社製の一軸延伸された環状ポリオレフィン系樹脂フィルムである商品名「ゼオノアフィルムZT-12」の貼合面にコロナ処理を施したもの〕を用意した。保護フィルムBは、その面内にλ/4の位相差値を有していた。マイクログラビアコーターを用いて、コロナ処理面に上記紫外線硬化性接着剤を塗工し、偏光フィルムの吸収軸と保護フィルムBの遅相軸(延伸軸)とのなす角度が90°となるよう調整し、これを上記偏光フィルムのもう一方面に貼合した。上記と同様に紫外線を照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させた。
[0066]
 以上の手順により、保護フィルムB(視認側;厚さ20μm)/紫外線硬化性接着剤層/偏光フィルム(厚さ7μm)/紫外線硬化性接着剤層/保護フィルムA(表示装置側;厚さ23μm)の積層構成からなる偏光板を得た。硬化後の接着剤層の厚さはいずれも1.0μmであった。
[0067]
(粘着剤の貼合)
 作製した偏光板の保護フィルムAの表面にコロナ処理を施した。コロナ処理面に、厚さ20μmのシート状のアクリル系粘着剤層を貼合し、粘着剤付き偏光板を作製した。ここで、次の打ち抜き工程のために、粘着剤層の表面に離型シートを積層した。
[0068]
(打ち抜き工程、ガラス貼合)
 上記で準備した粘着剤層付き偏光板の打ち抜き加工を実施した(異形加工)。打ち抜き形状は図1に示したとおりであり、略矩形のサイズは短辺=66.6mm、長辺=140.6mmとした。そして、ガラス洗浄機で洗浄したガラス板(コーニング社製)を準備し、上記粘着剤層付き偏光板の粘着剤層から離型シートを剥離して偏光板をガラスに貼合し、評価用サンプルを作製した。
[0069]
(ヒートショック試験)
 評価用サンプルを恒温槽に投入した。恒温槽の温度と保持時間を、-40℃(30分)→85℃(30分)→-40℃(30分)・・・としたヒートサイクルを繰り返し実施した。サイクル数が0回、25回、50回、100回、150回、250回終了するたびに、評価用サンプルの凹部にクラックが生じていないかどうか、ルーペを用いて目視観察した。
 評価基準は、
  ・クラックの長さが300μm以上:「NG」
  ・クラックの長さが300μm未満:「OK」
 結果を表1に示した。なお、「NG」の表示とともに示している長さはクラックの長さを意味し、「貫通」は、凹部内から生じたクラックが他方側の短辺に向かって伸び、他方側の短辺にまで到達していた状態を意味する。
[0070]
<比較例1~3、実施例2~5>
 上記実施例1に示した手順から、二枚の保護フィルム(視認側保護フィルム及び表示装置側保護フィルム)を表1に示したように変更して、比較例1~3、実施例2~5を行った。結果を表1に示した。
[0071]
<比較例4~6、実施例6~7>
 上記実施例1に示した手順から、偏光フィルムの吸収軸に対する視認側保護フィルムの遅相軸の角度を表2に示したように変更して、比較例4~6、実施例6~7を行った。具体的には、当該角度を0°、25°、65°、70°、80°に変更した。結果を表2に示した。
[0072]
<実施例8>
 上記実施例1に示した手順から、視認側保護フィルムを二軸延伸するように変更して、実施例8を行った。結果を表2に示した。
[0073]
<比較例7~12>
 表示装置側保護フィルムを貼合しない態様を実施した。すなわち、表示装置側保護フィルムを貼合する代わりに、偏光フィルムに直接粘着剤層を貼合した。上記比較例5~6、実施例6~7、実施例1、実施例8の積層構成を、それぞれ表示装置側保護フィルムを積層しないように変更して、比較例7~12を行った。結果を表3に示した。
[0074]
 なお、表1~3における各層の内容は以下のとおりである。
 ・「保護フィルムA」…上記「ゼオノアフィルムZF14-023」
 ・「保護フィルムB」…上記「ゼオノアフィルムZT-12」
 ・「接着剤A」…上記で調製した接着剤
 ・「PVA」…上記で作製した偏光フィルム
 ・「粘着剤A」…上記で貼合した粘着剤層
 ・「保護フィルムC」…ゼオノアフィルムを二軸延伸としたフィルム
[0075]
[表1]


[0076]
[表2]


[0077]
[表3]


[0078]
 以上の評価結果から、異形の偏光板において、(i)偏光フィルムの両面に保護フィルムが積層されていること、(ii)少なくとも一方の保護フィルムが位相差を有する延伸フィルムであること、(iii)その保護フィルムの遅相軸が偏光フィルムの吸収軸に対して70°~90°傾いていることを満たす場合に、ヒートショック試験で凹部にクラックが生じにくいことが分かった。

産業上の利用可能性

[0079]
 本発明は、偏光板として利用することができる。

符号の説明

[0080]
 1…偏光板、2…偏光フィルム、3A…第1の保護フィルム、3B…第2の保護フィルム、4…粘着剤層、10…粘着剤層付き偏光板、D(D ,D )…凹部、P(P ,P )…短辺方向の最大幅、Q(Q ,Q )…長辺方向の最大幅。

請求の範囲

[請求項1]
 偏光フィルムと、その両面にそれぞれ積層された第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムとを備える偏光板であって、
 平面視において、外周縁に当該偏光板の外形形状の一部を成す凹部を有し、又は、外周縁から離れた位置に貫通孔を有し、
 前記第1の保護フィルムは、位相差フィルムであり、且つ、その遅相軸と前記偏光フィルムの吸収軸とのなす角度が70°~90°である、偏光板。
[請求項2]
 偏光フィルムと、その両面にそれぞれ積層された第1の保護フィルム及び第2の保護フィルムとを備える偏光板であって、
 平面視において、外周縁に当該偏光板の外形形状の一部を成す凹部を有し、又は、外周縁から離れた位置に貫通孔を有し、
 前記第1の保護フィルムは、延伸フィルムであり、且つ、その遅相軸と前記偏光フィルムの吸収軸とのなす角度が70°~90°である、偏光板。
[請求項3]
 前記第1の保護フィルムは、最大寸法収縮率が0.1%以上である、請求項1又は2記載の偏光板。
[請求項4]
 前記角度が80°~90°である、請求項1~3のいずれか一項記載の偏光板。
[請求項5]
 前記第1の保護フィルムが、環状ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の偏光板。
[請求項6]
 前記第2の保護フィルムの面のうち前記偏光フィルムが積層されている面とは反対側の面に、粘着剤層を備える、請求項1~5のいずれか一項記載の偏光板。
[請求項7]
 前記第1の保護フィルムは、当該偏光板を表示装置に貼着した際に視認側に位置するものである、請求項1~6のいずれか一項記載の偏光板。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]