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1. WO2020110477 - COMPACT AIR-CONDITIONING DEVICE

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明 細 書

発明の名称 小型空調装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 小型空調装置

関連出願への相互参照

[0001]
 本出願は、2018年11月27日に出願された日本特許出願番号2018-221578号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。

技術分野

[0002]
 本開示は、小型空調装置に関するものである。

背景技術

[0003]
 近年、車両またはパーソナルモビリティなど(以下、車両等という)に搭載される小型空調装置に関する開発が進められている。小型空調装置は、空調ケース内に冷凍サイクルの構成部品が収容されたものである。小型空調装置は、例えば、車両の座席下などに設置され、座席の側面などから空調風を吹き出して乗員の快適性を高めることに用いられる。なお、小型空調装置は、車両のインストルメントパネルの内側等に配置される車両用空調装置と共に使用されることもある。
[0004]
 ところで、一般に、車両用空調装置では、エバポレータで生成される凝縮水(すなわち、ドレン水)を空調ケースの外へ排出している。特許文献1には、車両用空調装置において、凝縮水を空調ケースの外へ排出して処理するための構成が記載されている。具体的には、この車両用空調装置は、冷凍サイクルを構成するエバポレータの下に配置される容器と、エンジンルーム内でコンデンサの近くに配置された別の容器と、それらの容器同士を接続する配管と、その配管の途中に設けられたポンプを備えている。そして、この車両用空調装置は、エバポレータで生成された凝縮水をエバポレータ下の容器で受け、その凝縮水をポンプの駆動によりエンジンルーム内の容器に送り、その容器からコンデンサに向けて凝縮水を噴射することで凝縮水を処理している。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平7-40732号公報

発明の概要

[0006]
 小型空調装置において、凝縮水を空調ケースの外へ排出して処理する場合、空調ケースの下にドレンポートを設け、そのドレンポートにドレンホースを接続して凝縮水を車外へ排出することが考えられる。
 しかしながら、小型空調装置は、上述したように車両の座席下などに設置されることがある。一般に、車両の座席下のスペースは小さく、また、車両の座席は前後方向に移動可能に構成されている。そのため、小型空調装置にドレンポートやドレンホースを設けると、小型空調装置の体格が大型化して座席下への設置が困難になると共に、座席下でのドレンホースの取り回しが困難な場合がある。このように、小型空調装置では、凝縮水を空調ケースの外に排出するように構成すると、車両搭載性が悪化するおそれがある。
[0007]
 また、小型空調装置は、空調ケース内でコンデンサおよびエバポレータの空気流れ下流側に送風機が配置されることがある。その場合、送風機の駆動により空調ケース内が負圧になるため、仮に空調ケースにドレンポートを設置しても、そのドレンポートから凝縮水を排出することが困難になる。
[0008]
 本開示は、体格を大型化することなく、エバポレータで生成される凝縮水を空調ケース内で処理することが可能な小型空調装置を提供することを目的とする。
[0009]
 本開示の1つの観点によれば、空調ケース内に冷凍サイクルの構成部品が収容された小型空調装置において、
 冷媒を吸入し、圧縮して吐き出す圧縮機と、
 圧縮機から吐き出された冷媒と空気との熱交換により冷媒を凝縮させるコンデンサと、
 コンデンサから流出した冷媒を減圧膨張させる減圧機構と、
 減圧機構から流出した冷媒と空気との熱交換により蒸発させた冷媒を圧縮機へ流出するエバポレータと、
 コンデンサまたはエバポレータを通過させた空気を空調対象空間に吹き出す吹出側送風機と、
 コンデンサまたはエバポレータを通過させた空気を排出する排気側送風機と、
 圧縮機、コンデンサ、減圧機構およびエバポレータを含む冷凍サイクルの構成部品を収容し、エバポレータを通過した冷風が流れる冷風室、およびコンデンサを通過した温風が流れる温風室を有する空調ケースと、
 冷風室および温風室の底部または境界に設けられ、エバポレータで生成される凝縮水を冷風室から温風室に送出する送水部と、を備える。
[0010]
 これによれば、エバポレータで生成される凝縮水は、送水部により、冷風室から温風室に送出され、温風室を流れる温風により蒸発する。この送水部は、冷風室および温風室の底部または境界に設けられているので、空調ケース内に送水部を設けるスペースを小さくできると共に、他の構成部品と送水部との干渉を防ぐことができる。したがって、この小型空調装置は、体格を大型化することなく、空調ケース内で凝縮水を処理することが可能である。また、この小型空調装置は、特許文献1のように、空調ケースから凝縮水を排出するためのドレンポートの設置やドレンホースの取り回し等を必要としないので、車両等への搭載性を向上することができる。
[0011]
 なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 第1実施形態に係る小型空調装置において、上部カバー、吹出側送風機および排気側送風機を除いた状態の断面図である。
[図2] 図1のII―II線において吹出側送風機を含む断面図であり、差圧弁が閉弁している状態を示すものである。
[図3] 図1のIII―III線において、排気側送風機を含む断面図であり、差圧弁が閉弁している状態を示すものである。
[図4] 図2に対応する断面図において、差圧弁が開弁している状態を示すものである。
[図5] 第1実施形態に係る小型空調装置の制御系統を示すブロック図である。
[図6] 第1実施形態に係る小型空調装置の制御装置が行う制御処理を説明するためのフローチャートである。
[図7] 第2実施形態に係る小型空調装置の断面図である。
[図8] 第3実施形態に係る小型空調装置の断面図である。
[図9] 第4実施形態に係る小型空調装置の断面図である。
[図10] 第5実施形態に係る小型空調装置の制御装置が行う制御処理を説明するためのフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
[0014]
 (第1実施形態)
 第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の小型空調装置1は、車両またはパーソナルモビリティなど(以下、車両等という)の座席下などに設置され、座席の側面などから空調風を吹き出して乗員の快適性を高めることに用いられるものである。なお、以下の説明において、上側、下側、左側、右側の用語を用いる場合、それらの用語は説明の便宜上用いるものであり、小型空調装置1が車両等に搭載されるときの位置および向きを限定するものではない。
[0015]
 図1~図3に示すように、小型空調装置1は、冷凍サイクルの構成部品と共に、吹出側送風機7、排気側送風機8、および送水部としての差圧弁9などが空調ケース10内に収容されたものである。
[0016]
 冷凍サイクルの構成部品である圧縮機2、コンデンサ3、減圧機構4、エバポレータ5およびアキュムレータ6などは配管によって接続され、蒸気圧縮式冷凍機を構成している。冷凍サイクルを循環する冷媒として、例えばHFC系冷媒(例えば、R134a)またはHFO系冷媒(例えば、R1234yf)等が用いられる。なお、冷媒として、自然冷媒(例えば、二酸化炭素)等を用いてもよい。
[0017]
 なお、以下の説明では、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち、圧縮機2の吐出口22からコンデンサ3を経由して減圧機構4へ流れる冷媒を高圧冷媒と呼ぶことがある。また、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち、減圧機構4の出口からエバポレータ5を経由して圧縮機2の吸入口21へ流れる冷媒を低圧冷媒と呼ぶことがある。
[0018]
 圧縮機2は、吸入口21から吸入した冷媒を圧縮し、吐出口22から吐き出すものである。この圧縮機2は、電動モータにより圧縮機構を駆動する電動圧縮機である。圧縮機構として、例えば、スクロール型、ベーン型などの回転式のものが用いられる。なお、圧縮機構として、列型、斜板型などの往復式のものを用いてもよい。電動モータは、図5に示す制御装置30から伝送される制御信号によって回転数が制御される。したがって、制御装置30が電動モータの回転数を制御することにより、圧縮機2の冷媒吐出能力が変更される。
[0019]
 圧縮機2から高圧冷媒が吐き出される配管にはコンデンサ3の冷媒入口が接続されている。コンデンサ3は、圧縮機2から吐き出された高温高圧の冷媒と、コンデンサ3を通過する空気との熱交換を行う熱交換器である。コンデンサ3を流れる冷媒は、コンデンサ3を通過する空気に放熱して凝縮する。コンデンサ3を通過する空気は、コンデンサ3を流れる冷媒から吸熱して温風となる。
[0020]
 コンデンサ3とエバポレータ5とを接続する配管の途中に減圧機構4が設けられている。減圧機構4は、コンデンサ3から流出した冷媒を減圧膨張させるものであり、例えば、オリフィスまたはキャピラリーチューブなどの固定絞り、温度式膨張弁、あるいは電気制御式膨張弁など、種々の絞り抵抗を用いることができる。
[0021]
 減圧機構4の下流側に設けられるエバポレータ5は、減圧機構4から流出して気液二相となった低温低圧の冷媒と、エバポレータ5を通過する空気との熱交換を行う熱交換器である。エバポレータ5を流れる冷媒は、エバポレータ5を通過する空気から吸熱して蒸発する。エバポレータ5を通過する空気は、エバポレータ5を流れる冷媒に放熱して冷風となる。
[0022]
 エバポレータ5の下流側にはアキュムレータ6が設けられている。アキュムレータ6は、エバポレータ5から流出した冷媒の気液を分離し、冷凍サイクル内の余剰冷媒を蓄えると共に、気相冷媒を圧縮機2の吸入口21に供給するものである。
[0023]
 上述したコンデンサ3は空調ケース10の一方の側(例えば図1では右側)に配置され、エバポレータ5は空調ケース10の他方の側(例えば図1では左側)に配置されている。また、図2および図3に示すように、コンデンサ3とエバポレータ5はいずれも、空調ケース10の底部19から所定距離離れた位置に設けられている。すなわち、空調ケース10の底部19とコンデンサ3との間には空間が設けられている。また、空調ケース10の底部19とエバポレータ5との間にも空間が設けられている。
[0024]
 コンデンサ3とエバポレータ5との間には、吹出側送風機7と排気側送風機8が設けられている。吹出側送風機7は、コンデンサ3またはエバポレータ5を通過させた空気を、空調対象空間である車室内に吹き出すための送風機である。吹出側送風機7の下流側には、図示しない吹出ダクトが接続される。吹出側送風機7の駆動により、空調ケース10内で生成された冷風または温風(すなわち、空調風)は、吹出ダクトを介して座席の側面などから車室内に吹き出される。具体的には、その冷風または温風は、座席に着座する乗員またはその近傍に向けて吹き出される。
[0025]
 一方、排気側送風機8は、コンデンサ3またはエバポレータ5を通過させた空気を排出するための送風機である。排気側送風機8の下流側には、図示しない排気ダクトが接続される。排気側送風機8の駆動により、空調ケース10内で生成された排気は、排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
[0026]
 吹出側送風機7と排気側送風機8はいずれも、コンデンサ3またはエバポレータ5の空気流れ下流側に設けられている。すなわち、吹出側送風機7と排気側送風機8はいずれも、コンデンサ3またはエバポレータ5を通過する空気を吸い込むように設けられている。吹出側送風機7と排気側送風機8は、羽根車と、その羽根車を回転させる電動モータにより構成されている。吹出側送風機7と排気側送風機8として、軸流式、遠心式、または貫流式など、種々の形態のものを用いることができる。吹出側送風機7と排気側送風機8はそれぞれ、図5に示す制御装置30から伝送される制御信号によって回転数が制御される。したがって、制御装置30が吹出側送風機7の回転数を制御することにより、吹出側送風機7の送風量が変更される。また、制御装置30が排気側送風機8の回転数を制御することにより、排気側送風機8の送風量が変更される。
[0027]
 空調ケース10は、略直方体に形成されている。なお、空調ケース10の形状は、これに限るものでなく、車両等への取り付けスペースに合わせて任意の形状とすることができる。空調ケース10は、上述した圧縮機2、コンデンサ3、減圧機構4、エバポレータ5およびアキュムレータ6などを含む冷凍サイクルの構成部品と共に、吹出側送風機7、排気側送風機8、および送水部としての差圧弁9などを収容している。空調ケース10は、圧縮機2、コンデンサ3、エバポレータ5、吹出側送風機7および排気側送風機8をそれぞれ区画するための複数の壁を有している。
[0028]
 以下の説明では、吹出側送風機7および排気側送風機8と、コンデンサ3との間に設けられている壁を、第1壁11と呼ぶ。吹出側送風機7および排気側送風機8と、エバポレータ5との間に設けられている壁を、第2壁12と呼ぶ。吹出側送風機7と、排気側送風機8との間に設けられている壁を、第3壁13と呼ぶ。第1壁11、第2壁12および第3壁13はいずれも、空調ケース10の底部19から所定距離離れた位置に設けられている。すなわち、第1壁11、第2壁12および第3壁13と、空調ケース10の底部19との間には、空間が設けられている。
 また、圧縮機2およびアキュムレータ6と、コンデンサ3、吹出側送風機7およびエバポレータ5との間に設けられている壁を、第4壁14と呼ぶ。第4壁14は、空調ケース10の底部19に接続している。
[0029]
 吹出側送風機7の空気吸入側(すなわち、空調ケース10の底部19側)において、空調ケース10の底部19と平行に設けられている壁を、第5壁15と呼ぶ。第5壁15には吹出側送風機7の羽根車の外径に対応した穴151が設けられている。
 排気側送風機8の空気吸入側(すなわち、空調ケース10の底部19側)において、空調ケース10の底部19と平行に設けられている壁を、第6壁16と呼ぶ。第6壁16には排気側送風機8の羽根車の外径に対応した穴161が設けられている。なお、吹出側送風機7と第5壁15とは一体に形成されていてもよく、排気側送風機8と第6壁16とは一体に形成されていてもよい。
[0030]
 吹出側送風機7および排気側送風機8と、空調ケース10の底部19との間には、後述する差圧弁9を取り付けるための仕切壁17が設けられている。仕切壁17は、第3壁13の下部に接続するように設けられ、吹出側送風機7と排気側送風機8とが並ぶ方向に延びている。また、仕切壁17と第1壁11と第2壁12とは略平行に設けられている。仕切壁17には、後述する差圧弁9が取り付けられる。仕切壁17は、その差圧弁9と共に、エバポレータ5を通過した冷風が流れる空間(以下、冷風室40と呼ぶ)とコンデンサ3を通過した温風が流れる空間(以下、温風室50と呼ぶ)とを仕切るものである。
[0031]
 空調ケース10の底部19と吹出側送風機7との間には、吹出用ドア60が設けられている。吹出用ドア60は、吹出側送風機7の下側の空間の略半分の領域を塞ぐことが可能である。図1および図2では、吹出用ドア60が、吹出側送風機7の下側の空間のうち、コンデンサ3側の略半分の領域を塞ぎつつ、エバポレータ5側の略半分の領域を開放している状態を示している。吹出用ドア60は、図5に示したドア用アクチュエータ70により駆動され、第1壁11と仕切壁17と第2壁12とに跨るように、その間を往復移動可能に設けられている。具体的には、吹出用ドア60の吹出側送風機7側の面に設けられたラック61は、図示しないピニオンに噛み合うようになっている。ドア用アクチュエータ70がそのピニオンを回転駆動することで、吹出用ドア60が移動する。
[0032]
 空調ケース10の底部19と排気側送風機8との間には、排気用ドア80が設けられている。排気用ドア80は、排気側送風機8の下側の空間の略半分の領域を塞ぐことが可能である。図1および図3では、排気用ドア80が、排気側送風機8の下側の空間のうち、エバポレータ5側の略半分の領域を塞ぎつつ、コンデンサ3側の略半分の領域を開放している状態を示している。排気用ドア80も、ドア用アクチュエータ70により駆動され、第1壁11と仕切壁17と第2壁12とに跨るように、その間を往復移動可能に設けられている。具体的には、排気用ドア80の排気側送風機8側の面に設けられたラック81も、図示しないピニオンに噛み合うようになっている。ドア用アクチュエータ70がそのピニオンを回転駆動することで、排気用ドア80が移動する。
[0033]
 仕切壁17と空調ケース10の底部19との間には、送水部としての差圧弁9が設けられている。差圧弁9は、例えばゴム板、樹脂板または金属板などより形成されている。図2および図3に示すように、差圧弁9は、上側の端部が仕切壁17に支持固定され、下側の端部が空調ケース10の底部19に接触している。差圧弁9は、下側の端部が温風室50側に向くように設けられている。この状態で、差圧弁9と仕切壁17は、エバポレータ5の下側の空間とコンデンサ3の下側の空間とを仕切っている。そして、図4に示すように、差圧弁9は、下側の端部が空調ケース10の底部19から離れて温風室50上方に変位可能に構成されている。
[0034]
 空調ケース10内において、エバポレータ5の下面、空調ケース10の内壁、排気用ドア80、仕切壁17および差圧弁9で区画された空間を、冷風室40と呼ぶ。冷風室40には、エバポレータ5を通過した冷風が流れる。一方、空調ケース10内において、コンデンサ3の下面、空調ケース10の内壁、吹出用ドア60、仕切壁17および差圧弁9で区画された空間を、温風室50と呼ぶ。温風室50には、コンデンサ3を通過した温風が流れる。すなわち、空調ケース10は、冷風室40と温風室50を有している。
[0035]
 上述した差圧弁9は、冷風室40と温風室50との境界に設けられ、冷風室40と温風室50との圧力差に応じて開閉動作するように構成されている。具体的には、差圧弁9は、冷風室40の圧力が温風室50の圧力より低いときに閉弁するように構成されている。図2および図3は、差圧弁9が閉弁している状態を示している。この状態で、差圧弁9のうち仕切壁17とは反対側の端部は、空調ケース10の底部19に当接している。そのため、差圧弁9が閉弁しているとき、冷風室40と温風室50との間で風や水の流れが遮断される。
[0036]
 一方、差圧弁9は、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低いときに開弁するように構成されている。図4は、差圧弁9が開弁している状態を示している。この状態で、差圧弁9のうち仕切壁17とは反対側の端部は、空調ケース10の底部19から離れている。
 なお、差圧弁9は、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低く、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成してもよい。その所定値は、実験などにより適宜設定される。
[0037]
 小型空調装置1が備える圧縮機2、吹出側送風機7、排気側送風機8、ドア用アクチュエータ70などは、図5に示す制御装置30によりその駆動が制御される。制御装置30は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記憶するROM、RAM等の記憶部を含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、制御装置30の記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。制御装置30は、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、各種制御処理および演算処理を行い、出力ポートに接続された各機器の作動を制御する。制御装置30は、空調ケース10の内部に設けられていてもよく、空調ケース10から離れた場所に設けられていてもよい。
[0038]
 上述した構成において、図1~図3は、小型空調装置1が車室内の冷房を行う状態を示している。
 小型空調装置1が車室内の冷房を行う際、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、吹出用ドア60が、吹出側送風機7の下側の空間のうちコンデンサ3側の略半分の領域を塞ぎ、エバポレータ5側の略半分の領域を開放した状態とする。また、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、排気用ドア80が、排気側送風機8の下側の空間のうち、エバポレータ5側の略半分の領域を塞ぎ、コンデンサ3側の略半分の領域を開放した状態とする。そして、制御装置30は、冷凍サイクルの圧縮機2と、吹出側送風機7と、排気側送風機8を駆動する。すると、図2の矢印CAに示すように、エバポレータ5を通過した冷風は、吹出用ドア60により形成された開口62を通って吹出側送風機7に吸い込まれ、図示しない吹出ダクトを介して座席に着座する乗員またはその近傍に向けて吹き出される。また、その際、図3の矢印HAに示すように、コンデンサ3を通過した温風は、排気用ドア80により形成された開口82を通って排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
[0039]
 冷凍サイクルが作動すると、エバポレータ5を通過した空気に含まれる水蒸気が凝縮し、凝縮水が生成されることがある。図2および図3の破線CWに示すように、エバポレータ5で生成される凝縮水は、冷風室40の底部41に溜まることとなる。制御装置30は、通常作動時において、冷風室40の圧力を温風室50の圧力より低く維持することで、差圧弁9を閉弁状態とする。そして、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行うことで、温風室50の圧力を冷風室40の圧力より低くする。これにより、差圧弁9が開弁し、冷風室40に溜まった凝縮水は、温風室50に送出される。すなわち、差圧弁9は、エバポレータ5で生成される凝縮水を冷風室40から温風室50に送出する送出部として機能する。冷風室40から温風室50に送出された凝縮水は、温風室50でコンデンサ3を通過した温風により蒸発する。その凝縮水が蒸発した水蒸気は、排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
[0040]
 なお、差圧弁9を、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低く、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成した場合、制御装置30は、次の制御を行う。すなわち、制御装置30は、通常作動時において、冷風室40の圧力を温風室50の圧力より低く維持することで、差圧弁9を閉弁状態とする。また、制御装置30は、通常作動時において、冷風室40の圧力が温風室50の圧力より高くても、冷風室40と温風室50との差圧が予め設定された所定値よりも小さい範囲に維持することで、差圧弁9を閉弁状態とすることも可能である。一方、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行う。制御装置30は、そのような制御により、温風室50の圧力を冷風室40の圧力より低くし、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きくなるようにする。これにより、差圧弁9が開弁し、冷風室40に溜まった凝縮水は、温風室50に送出される。
[0041]
 なお、小型空調装置1が車室内の暖房を行う場合、図1~図3で図示した状態に対し、吹出用ドア60と排気用ドア80とが互いに各図の左右逆側に移動した状態となる。その状態の図示は省略するが、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、吹出用ドア60が、吹出側送風機7の下側の空間のうちエバポレータ5側の略半分の領域を塞ぎ、コンデンサ3側の略半分の領域を開放した状態とする。また、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、排気用ドア80が、排気側送風機8の下側の空間のうち、コンデンサ3側の略半分の領域を塞ぎ、エバポレータ5側の略半分の領域を開放した状態とする。そして、制御装置30は、冷凍サイクルの圧縮機2と、吹出側送風機7と、排気側送風機8を駆動する。すると、コンデンサ3を通過した温風は、吹出用ドア60により形成された開口を通って吹出側送風機7に吸い込まれ、図示しない吹出ダクトを介して車室内に吹き出される。具体的には、その温風は、座席に着座する乗員またはその近傍に向けて吹き出される。また、その際、エバポレータ5を通過した冷風は、排気用ドア80により形成された開口を通って排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
[0042]
 次に、第1実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、この説明では、小型空調装置1が車室内の冷房を行っているものとして説明する。
[0043]
 まず、ステップS10で制御装置30は、冷風室40に溜まった凝縮水を温風室50に送水する必要があるか否かを判定する。この判定は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたか否かで判定される。所定量は、例えば、空調ケース10から凝縮水が漏れ出さない範囲、または、空調ケース10内の電子機器が被水しない範囲、または、凝縮水が空調風に影響を与えない範囲など、実験などにより適宜設定される。
[0044]
 また、冷風室40に溜まった凝縮水の量は、例えば、エバポレータ5を通過する風の温度、湿度、風量と、エバポレータ5の温度により算出される。エバポレータ5を通過する風の温度、湿度は、例えば、車両に設置される温度センサ、湿度センサにより検出可能である。或いは別の方法として、エバポレータ5を通過する風の温度および湿度は、車外のサーバまたはクラウドから取得した車外の温度および湿度に関する情報とインストルメントパネルの内側の車両用空調装置の動作状態などから推定してもよい。エバポレータ5を通過する風量は、例えば、冷房時には吹出側送風機7に対する通電のデューティー比から算出可能である。エバポレータ5の温度は、例えば、エバポレータ5に設置した温度センサの出力から検出してもよく、または、圧縮機2の回転数など冷凍サイクル装置の能力から算出してもよい。
[0045]
 或いは別の方法として、冷風室40に溜まった凝縮水の量は、例えば、空調ケース10内に水センサが設けられている場合、その水センサから制御装置30に出力される信号に基づいて検出してもよい。
[0046]
 ステップS10で制御装置30は、冷風室40に溜まった凝縮水を温風室50に送水する必要が無いと判定した場合、処理を一旦終了する。そして、制御装置30は、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
[0047]
 一方、ステップS10で制御装置30は、冷風室40に溜まった凝縮水を温風室50に送水する必要が有ると判定した場合、処理をステップS20に進める。
 ステップS20で制御装置30は、コンデンサ3に風を通過させる側の送風機(以下、コンデンサ3側の送風機という)の風量を増大する制御を行う。すなわち、冷房時には排気側送風機8の風量を増大する制御を行う。そして、制御装置30は、処理をステップS30に進める。
[0048]
 次に、ステップS30で制御装置30は、冷風室40と温風室50との差圧が、差圧弁9を開弁するために十分な差圧にあるか否かを判定する。冷風室40と温風室50との差圧は、例えば、吹出側送風機7の風量と、排気側送風機8の風量から算出可能である。制御装置30のメモリーには、吹出側送風機7および排気側送風機8の風量と、冷風室40と温風室50との差圧との関係をマップにして記憶しておいてもよい。ステップS30で制御装置30は、冷風室40と温風室50との差圧が、差圧弁9を開弁するために十分な差圧にあると判定した場合、処理をステップS50に進める。
[0049]
 一方、ステップS30で制御装置30は、冷風室40と温風室50との差圧が、差圧弁9を開弁するために十分な差圧に到達していないと判定した場合、処理をステップS40に進める。
 ステップS40で制御装置30は、エバポレータ5に風を通過させる側の送風機(以下、エバポレータ5側の送風機という)の風量を減少する制御を行う。すなわち、冷房時には吹出側送風機7の風量を減少する制御を行う。そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。
[0050]
 ステップS50で制御装置30は、差圧弁9が開弁してから所定時間経過したか否かを判定する。この所定時間は、冷風室40に溜まった凝縮水が温風室50に送水されるのに必要な時間に設定される。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS60に進める。
 ステップS60で制御装置30は、排気側送風機8の風量と、吹出側送風機7の風量を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
[0051]
 以上説明した第1実施形態の小型空調装置1は、次の作用効果を奏するものである。
 (1)第1実施形態では、送水部としての差圧弁9が、冷風室40と温風室50の境界に設けられ、エバポレータ5で生成される凝縮水を冷風室40から温風室50に送出するように構成されている。これにより、エバポレータ5で生成される凝縮水は、差圧弁9により、冷風室40から温風室50に送出され、温風室50を流れる温風により蒸発する。そして、この差圧弁9は、冷風室40と温風室50の境界に設けられているので、空調ケース10内に差圧弁9を設けるスペースを小さくできると共に、他の構成部品と差圧弁9との干渉を防ぐことができる。したがって、この小型空調装置1は、体格を大型化することなく、空調ケース10内で凝縮水を処理することが可能である。また、この小型空調装置1は、上述した特許文献1のように、空調ケース10から凝縮水を排出するためのドレンポートの設置やドレンホースの取り回し等を必要としないので、体格が大型化することなく、車両等への搭載性を向上することができる。
[0052]
 (2)第1実施形態では、差圧弁9は、冷風室40の圧力が温風室50の圧力より低いときに閉弁し、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低いときに開弁するように構成されている。これにより、小型空調装置1の通常作動時には差圧弁9を閉弁状態とすることで、冷風室40と温風室50との間の空気や水の流通を遮断することができる。そして、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたときなど必要に応じて、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少すれば、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低くなり、差圧弁9が開弁する。したがって、この小型空調装置1は、通常作動時は冷風室40と温風室50との間の空気や水の流通を遮断しつつ、必要に応じて凝縮水を冷風室40から温風室50に送水することができる。
 なお、差圧弁9は、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低く、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成してもよい。
[0053]
 (3)第1実施形態では、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行う。これにより、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたときに差圧弁9を開弁し、凝縮水を冷風室40から温風室50に送水することができる。したがって、空調ケース10から凝縮水が漏出することを防ぐことができる。
[0054]
 (第2実施形態)
 第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して送水部の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
[0055]
 図7に示すように、第2実施形態では、送水部は、ウィック91により構成されている。ウィック91は、例えば、金属メッシュ、複数の金属線を束状にしたもの、または、複数の細管を有する金属などにより構成することができる。ウィック91は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51とに亘って設けられている。ウィック91は、凝縮水の表面張力および毛管現象により、冷風室40から温風室50へ凝縮水を送水する機能を有する。また、ウィック91は、冷風室40と温風室50との間の空気の流通を防ぐ機能を有する。なお、ウィック91の上部には、冷風室40と温風室50とを仕切るための仕切壁17が設けられている。
[0056]
 ウィック91は、冷風室40の底部41に配置される部位の面積よりも、温風室50の底部51に配置される部位の面積の方が大きいものとされている。冷風室40側の面積を小さくするのは、冷風室40側で保持する水の量を減らし初期段階で早く温風室50側へ送水するとともに、運転終了後にそのまま保水して残ってしまう水の量を減らすためである。温風室50側の面積をより大きくするのは蒸発量を増やすために面積を稼ぐためと、総保水量を確保するためである。これらの技術的思想を合わせたことで、ウィック91は、冷風室40側より温風室50側の方が面積が大きくなっている。したがって、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することができる。
[0057]
 また、第2実施形態では、冷風室40の底部41に傾斜面42が設けられている。傾斜面42は、送水部から離れるに従って重力方向上側に高くなるように構成されている。これにより、冷風室40の底部41の凝縮水は、傾斜面42を流れてウィック91に集められる。ウィック91に集められた凝縮水は、ウィック91により冷風室40から温風室50に送出され、温風室50を流れる温風により蒸発する。したがって、この小型空調装置1は、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することで、空調ケース10から凝縮水が漏出することを防ぐことができる。
[0058]
 なお、第2実施形態においても、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行ってもよい。これにより、制御装置30は、冷風室40の圧力より温風室50の圧力を下げて温風室50の負圧を大きくすることで、冷風室40から温風室50への凝縮水の送水量を増やすことができる。
[0059]
 以上説明した第2実施形態では、送水部としてのウィック91が、冷風室40の底部41と温風室50の底部51に亘って設けられている。これにより、エバポレータ5で生成される凝縮水は、ウィック91により、冷風室40から温風室50に常に送出され、温風室50を流れる温風により蒸発する。そして、ウィック91は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51に亘って設けられている。ウィック91は、それ自体が、毛細管力を用いるために機械的機構が不要で体格が小さくなる。そのため、空調ケース10内にウィック91を設けるスペースを小さくできると共に、他の構成部品とウィック91との干渉を防ぐことができる。したがって、この小型空調装置1は、体格を大型化することなく、車両等への搭載性を向上することができる。
[0060]
 また、第2実施形態では、送水部をウィック91で構成することで、冷風室40から温風室50へ凝縮水を表面張力および毛管現象により常に送水することが可能である。すなわち、冷風室40から温風室50への送水のために吹出側送風機7および排気側送風機8などの制御が不要である。また、冷風室40と温風室50との間の空気の流通は常に遮断される。そのため、この小型空調装置1は体格を大型化することなく、且つ、簡素な構成で冷風室40から温風室50に凝縮水を送水することが可能である。
[0061]
 (第3実施形態)
 第3実施形態について説明する。第3実施形態も、第1実施形態等に対して送水部の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
[0062]
 図8に示すように、第3実施形態では、送水部は、多孔質体92により構成されている。多孔質体92は、例えば、多孔質金属、多孔質セラミックス、または焼結金属などにより構成することができる。多孔質体92は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51とに亘って設けられている。多孔質体92は、表面張力および毛管現象により、冷風室40から温風室50へ凝縮水を送水する機能を有する。すなわち、多孔質体92も、それ自体が、毛細管力を用いるために機械的機構が不要で体格が小さくなる。また、多孔質体92は、冷風室40と温風室50との間の空気の流通を防ぐ機能を有する。なお、多孔質体92の上部には、冷風室40と温風室50とを仕切るための仕切壁17が設けられている。
[0063]
 なお、第3実施形態でも、第2実施形態と同様に、多孔質体92は、冷風室40の底部41に配置される部位の面積よりも、温風室50の底部51に配置される部位の面積の方が大きいものとされている。また、第3実施形態でも、第2実施形態と同様に、冷風室40の底部41に傾斜面42が設けられている。
[0064]
 以上説明した第3実施形態も、送水部を多孔質体92で構成することで、第1、2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0065]
 (第4実施形態)
 第4実施形態について説明する。第4実施形態も、第1実施形態等に対して送水部の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
[0066]
 図9に示すように、第4実施形態では、送水部は、水分子を透過することの可能な半透膜93により構成されている。半透膜93は、冷風室40と温風室50の境界おいて、空調ケース10の底部19と仕切壁17との間に設けられている。第4実施形態では、温風室50に、水のイオン濃度よりもイオン濃度の高い水溶液IWが、半透膜93に接するように貯留されている。そのため、半透膜93は、浸透圧により、冷風室40から温風室50へ凝縮水を送水する機能を有する。また、半透膜93は、冷風室40と温風室50との間の空気の流通を防ぐ機能を有する。
 なお、第4実施形態でも、第2、第3実施形態と同様に、冷風室40の底部41に傾斜面42が設けられている。
[0067]
 以上説明した第4実施形態では、送水部を半透膜93で構成することで、冷風室40から温風室50へ凝縮水を浸透圧により常に送水することが可能である。すなわち、冷風室40から温風室50への送水のために吹出側送風機7および排気側送風機8などの制御が不要である。また、冷風室40と温風室50との間の空気の流通は常に遮断される。したがって、第4実施形態も、第1~3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[0068]
 (第5実施形態)
 第5実施形態について説明する。第5実施形態は、上述した第1~第4実施形態に対して、凝縮水を冷風室40から温風室50に送水した後、または送水しつつ、温風室50において凝縮水の蒸発を促進するための制御を行うものである。
[0069]
 第5実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、この説明では、小型空調装置1が車室内の冷房を行っているものとして説明する。
[0070]
 ステップS10~S60までの処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。第5実施形態では、制御装置30は、ステップS60の後、処理をステップS70に進める。
[0071]
 ステップS70で制御装置30は、凝縮水の発生量を算出する。凝縮水の発生量は、ステップS10と同様に、例えば、エバポレータ5を通過する風の温度、湿度、風量と、エバポレータ5の温度により算出される。なお、制御装置30は、ステップS10で算出した結果を利用してもよい。
[0072]
 次に、ステップS80で制御装置30は、温風室50における凝縮水の蒸発可能量を算出する。凝縮水の蒸発可能量は、例えば、コンデンサ3を通過して温風室50を流れる風の温度、湿度、風量により算出される。コンデンサ3を通過して温風室50を流れる風の温度、湿度は、例えば、コンデンサ3を通過する前の風の温度および湿度、コンデンサ3の温度、コンデンサ3を通過する風量から算出可能である。コンデンサ3の温度は、例えば、コンデンサ3に設置した温度センサの出力から検出してもよく、または、圧縮機2の回転数など冷凍サイクル装置の能力から算出してもよい。コンデンサ3を通過する風量は、例えば、冷房時には排気側送風機8に対する通電のデューティー比から算出可能である。
[0073]
 続いて、ステップS90で制御装置30は、ステップS70で算出したエバポレータ5における凝縮水の発生量と、ステップS80で算出した温風室50における凝縮水の蒸発可能量に基づき、凝縮水の蒸発促進が必要か否かを判定する。その際、制御装置30は、凝縮水の蒸発促進が必要か否かを、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えたか否かで判定する。すなわち、制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えた場合、凝縮水の蒸発促進が必要であると判定する。所定量は、例えば、空調ケース10から凝縮水が漏れ出さない範囲、または、空調ケース10内の電子機器が被水しない範囲、または、凝縮水が空調風に影響を与えない範囲など、実験などにより適宜設定される。
[0074]
 或いは別の方法として、空調ケース10内に水センサが設けられている場合、その水センサから制御装置30に出力される信号に基づいて空調ケース10内に溜まった凝縮水の量を検出してもよい。
[0075]
 ステップS90で制御装置30は、凝縮水の蒸発促進を行う必要が無いと判定した場合、処理を一旦終了する。そして、制御装置30は、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
[0076]
 一方、ステップS90で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS100に進める。
 ステップS100で制御装置30は、高圧冷媒の圧力を高める制御を行う。高圧冷媒の圧力が高くなると、それに伴ってコンデンサ3を流れる冷媒の温度も高くなる。これにより、温風室50を流れる風の温度が上昇し、凝縮水の蒸発が促進されることになる。
[0077]
 高圧冷媒の圧力を高める制御として、次の(A)~(E)の制御が考えられる。
 (A)コンデンサ3側の送風機の風量を減少する制御を行う。すなわち、冷房時には排気側送風機8の風量を減少する。コンデンサ3を通過する風量を減少すると、コンデンサ3を通過する空気側の放熱能力が低下するため、それを補うべく冷媒側の能力とバランスするまでコンデンサ3を流れる高圧冷媒の圧力が上昇する。
[0078]
 (B)圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。圧縮機2の回転数を上げると、冷媒流量が増加する。すると、冷媒側の能力が増加するため、エバポレータ5の吸熱能力を確保しようと低圧冷媒の圧力が下がり、コンデンサ3の放熱能力を確保しようと高圧冷媒の圧力が上がる方向でバランスする。
[0079]
 (C)減圧機構4に電気式膨張弁を使用した場合、その膨張弁の弁開度を絞る(すなわち、流路面積を小さくする)制御を行う。膨張弁の弁開度を絞ると、その分、低圧冷媒の圧力は下がり、高圧冷媒の圧力は上がる。
[0080]
 (D)エバポレータ5側の送風機の風量を増加する制御を行う。すなわち、冷房時には吹出側送風機7の風量を増加する。エバポレータ5を通過する風量を増加すると、エバポレータ5を通過する空気側の冷房能力が増加する。それに見合うように低圧冷媒側も圧力上昇し、冷媒流量が増加するようバランス点が変化する。また、冷媒流量の増加は、コンデンサ3でその分多くの放熱が必要となり、冷媒温度に対応する高圧冷媒の圧力が上昇してバランスする。
[0081]
 (E)コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行う。コンデンサ3の前面に図示しないシャッタが設けられている場合、そのシャッタを閉じると、コンデンサ3を通過する風量が減少する。すると、コンデンサ3を通過する空気側の放熱能力が低下するため、それを補うべく冷媒側の能力とバランスするまでコンデンサ3を流れる高圧冷媒の圧力が上昇する。
[0082]
 ステップS100で制御装置30は、上述した(A)~(E)の少なくとも1つの制御を実行することで、高圧冷媒の圧力を上昇させ、凝縮水の蒸発を促進することが可能である。
 なお、ステップS100で制御装置30は、上述した(A)、(B)、(C)、(E)の組み合わせた制御を行うことで、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することが可能である。以下、このことについて詳細に説明する。
[0083]
 上述した(A)、(E)の制御を行う場合、高圧冷媒の圧力が高くなると共に、低圧冷媒の圧力も高くなる。それに対し、上述した(B)、(C)の制御を行う場合、高圧冷媒の圧力が高くなると共に、低圧冷媒の圧力は低くなる。
 そこで、制御装置30は、(A)、(E)の少なくとも一方の制御を行い、且つ、(B)、(C)の少なくとも一方の制御を行う。具体的には、制御装置30は、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御、および、コンデンサ3の前面面積を減らす制御の少なくとも一方を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御、および、減圧機構4の弁開度を絞る制御の少なくとも一方を行う。これにより、低圧冷媒の圧力の変化を抑えると共に、高圧冷媒の圧力をより高くすることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することが可能となる。
[0084]
 続いて、ステップS110で制御装置30は、高圧冷媒の圧力を高める制御を開始してから所定時間経過したか否かを判定する。この所定時間は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が蒸発するのに必要な時間に設定される。ステップS110において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS120に進める。
 ステップS120で制御装置30は、高圧冷媒の圧力を元の状態に戻す制御を行う。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
[0085]
 以上説明した第5実施形態では、制御装置30は、空調ケース10内の凝縮水が所定量を超えたとき、高圧冷媒の圧力を高める制御を実行する。高圧冷媒の圧力を高めると、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなり、コンデンサ3を通過して温風室50を流れる風の温度が上昇する。そのため、温風室50における凝縮水の蒸発量が増加するので、凝縮水を装置内で確実に処理することが可能である。したがって、この小型空調装置1は、空調ケース10の体格を大型化することなく、空調ケース10から凝縮水が漏れ出すことを防ぐことができる。
[0086]
 さらに、第5実施形態では、制御装置30は、高圧冷媒の圧力をより高める制御として、上述した(A)、(E)の少なくとも一方の制御を行い、且つ、(B)、(C)の少なくとも一方の制御を行うことも可能である。このような制御により、低圧冷媒の圧力の変化を抑えると共に、高圧冷媒の圧力をより高くすることが可能である。したがって、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
[0087]
 (他の実施形態)
 本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
[0088]
 (1)上記第1実施形態では、送水部としての差圧弁9を例えばゴム板などより構成されるものとして説明したが、これに限られない。送水部としての差圧弁9は、例えば、弁座、弁体およびスプリングを有する機械式の弁部材としてもよい。
[0089]
 (2)上記実施形態では、図1を参照しつつ、空調ケース10を上方から見て右側にコンデンサ3を配置し、左側にエバポレータ5を配置したものについて説明したが、これに限られない。すなわち、空調ケース10を上方から見て、左側にコンデンサ3を配置し、エバポレータ5を右側に配置してもよい。なお、その場合、圧縮機2は、吸入口21を右側(すなわち、エバポレータ5寄り)に配置し、吐出口22を左側(すなわち、コンデンサ3寄り)に配置することが好ましい。
[0090]
 (3)上記実施形態では、図1を参照しつつ、空調ケース10の中央付近に吹出側送風機7を配置し、その吹出側送風機7に対して圧縮機2とは反対側に排気側送風機8を配置したが、これに限られない。すなわち、空調ケース10の中央付近に排気側送風機8を配置し、その排気側送風機8を挟んで圧縮機2とは反対側に吹出側送風機7を配置してもよい。
 (4)上記実施形態では、コンデンサ3およびエバポレータ5の空気流れ下流側に吹出側送風機7と排気側送風機8を配置したが、これに限られない。吹出側送風機7と排気側送風機8は、コンデンサ3およびエバポレータ5の空気流れ上流側に配置してもよい。また、その場合、空調対象空間への吹き出し用と排気用を1つの送風機により構成することも可能である。
[0091]
 (5)なお、本開示に記載の制御装置30及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置30及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置30及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
[0092]
 (まとめ)
 上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空調ケース内に冷凍サイクルの構成部品が収容された小型空調装置は、圧縮機、コンデンサ、減圧機構、エバポレータ、吹出側送風機、排気側送風機、空調ケースおよび送水部を備える。圧縮機は、冷媒を吸入し、圧縮して吐き出す。コンデンサは、圧縮機から吐き出された冷媒と空気との熱交換により冷媒を凝縮させる。減圧機構は、コンデンサから流出した冷媒を減圧膨張させる。エバポレータは、減圧機構から流出した冷媒と空気との熱交換により蒸発させた冷媒を圧縮機へ流出する。吹出側送風機は、コンデンサまたはエバポレータを通過させた空気を空調対象空間に吹き出す。排気側送風機は、コンデンサまたはエバポレータを通過させた空気を排出する。空調ケースは、圧縮機、コンデンサ、減圧機構およびエバポレータを含む冷凍サイクルの構成部品を収容し、エバポレータを通過した冷風が流れる冷風室、およびコンデンサを通過した温風が流れる温風室を有する。送水部は、冷風室および温風室の底部または境界に設けられ、エバポレータで生成される凝縮水を冷風室から温風室に送出する。
[0093]
 第2の観点によれば、吹出側送風機および排気側送風機はいずれも、コンデンサまたはエバポレータの空気流れ下流側に配置されている。送水部は、冷風室と温風室との境界に設けられ、冷風室の圧力が温風室の圧力より低いときに閉弁し、温風室の圧力が冷風室の圧力より低いときに開弁するように構成された差圧弁である。
[0094]
 これによれば、小型空調装置の通常作動時には、差圧弁を閉弁状態とすることで、冷風室と温風室との間の空気や水の流通を遮断することができる。そして、冷風室の凝縮水が所定量を超えたときなど必要に応じて、温風室の圧力を冷風室の圧力より低くして、差圧弁を開弁させることが可能である。なお、吹出側送風機および排気側送風機はいずれもコンデンサまたはエバポレータの空気流れ下流側に配置されている。そのため、温風室の圧力を冷風室の圧力より低くするには、温風室の風量を増大し、または、冷風室の風量を減少するように送風機の駆動を制御すればよい。したがって、この小型空調装置は、通常作動時は冷風室と温風室との間の空気や水の流通を遮断することで空調効率を高め、必要に応じて凝縮水を冷風室から温風室に送水することで、空調ケースから凝縮水が漏れることを防ぐことができる。
 なお、差圧弁は、温風室の圧力が冷風室の圧力より低く、且つ、温風室と冷風室との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成してもよい。その場合、差圧弁は、温風室の圧力が冷風室の圧力より高いときに閉弁する。また、差圧弁は、温風室の圧力が冷風室の圧力より低く、且つ、温風室と冷風室との差圧が予め設定された所定値より小さいときにも閉弁する。この様な構成も、第2の観点で述べた構成に含まれるものである。
[0095]
 第3の観点によれば、送水部は、冷風室と温風室とに亘って設けられるウィックまたは多孔質体である。
 これによれば、送水部をウィックまたは多孔質体で構成することで、冷風室から温風室へ凝縮水を毛管現象により常に送水することが可能である。すなわち、冷風室から温風室への送水のために送風機などの制御が不要である。また、冷風室と温風室との間の空気の流通は常に遮断される。そのため、この小型空調装置は体格を大型化することなく、且つ、簡素な構成で冷風室から温風室に凝縮水を送水することが可能である。
[0096]
 第4の観点によれば、ウィックまたは多孔質体は、冷風室の底部と温風室の底部とに亘って設けられる。
 これによれば、ウィックは、それ自体が、毛細管力を用いるために機械的機構が不要で体格が小さくなる。そのため、空調ケース内にウィックまたは多孔質体を設けるスペースを小さくできると共に、ウィックまたは多孔質体と他の構成部品との干渉を防ぐことができる。したがって、この小型空調装置は、体格の大型化を防ぐことができる。
[0097]
 第5の観点によれば、ウィックまたは多孔質体は、冷風室の底部に配置される部位の面積より、温風室の底部に配置される部位の面積の方が大きい。
 これによれば、冷風室側の面積を小さくするのは、冷風室側で保持する水の量を減らし初期段階で早く温風室側へ送水するとともに、運転終了後にそのまま保水して残ってしまう水の量を減らすためである。温風室側の面積をより大きくするのは蒸発量を増やすために面積を稼ぐためと、総保水量を確保するためである。これらの技術的思想を合わせたことで、ウィックまたは多孔質体は、冷風室側より温風室側の方が面積が大きくなっている。したがって、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することができる。
[0098]
 第6の観点によれば、小型空調装置は、冷風室の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室の風量を増大し、または、冷風室の風量を減少させる制御を行う制御装置を備える。
[0099]
 これによれば、送水部を差圧弁で構成した場合、制御装置は、冷風室の凝縮水が所定量を超えたときなど必要に応じて差圧弁を開弁し、凝縮水を冷風室から温風室に送水することができる。したがって、空調ケースから凝縮水が漏出することを防ぐことができる。
 また、送水部をウィックまたは多孔質体で構成した場合、制御装置は、冷風室の圧力より温風室の圧力を下げて温風室の負圧を大きくすることで、冷風室から温風室への凝縮水の送水量を増やすことができる。
[0100]
 第7の観点によれば、送水部は、冷風室と温風室との境界に設けられ、水分子を透過することの可能な半透膜である。そして、温風室に、水のイオン濃度よりもイオン濃度の高い水溶液が、半透膜に接するように貯留されている。
[0101]
 これによれば、送水部を半透膜で構成することで、冷風室から温風室へ凝縮水を浸透圧により常に送水することが可能である。すなわち、冷風室から温風室への送水のために送風機などの制御が不要である。また、冷風室と温風室との間の空気の流通は常に遮断される。そのため、この小型空調装置は体格を大型化することなく、且つ、簡素な構成で冷風室から温風室に凝縮水を送水することが可能である。
[0102]
 第8の観点によれば、小型空調装置は、冷風室の底部に設けられ、送水部から離れるに従って重力方向上側に高くなるように構成された傾斜面を備える。
[0103]
 これによれば、冷風室の凝縮水は、傾斜面を流れて送水部に集められる。その凝縮水は送水部により冷風室から温風室に送出され、温風室を流れる温風により蒸発する。したがって、この小型空調装置は、空調ケース内で凝縮水を確実に処理することで、空調ケースから凝縮水が漏出することを防ぐことができる。

請求の範囲

[請求項1]
 空調ケース(10)内に冷凍サイクルの構成部品が収容された小型空調装置において、
 冷媒を吸入し、圧縮して吐き出す圧縮機(2)と、
 前記圧縮機から吐き出された冷媒と空気との熱交換により冷媒を凝縮させるコンデンサ(3)と、
 前記コンデンサから流出した冷媒を減圧膨張させる減圧機構(4)と、
 前記減圧機構から流出した冷媒と空気との熱交換により蒸発させた冷媒を前記圧縮機へ流出するエバポレータ(5)と、
 前記コンデンサまたは前記エバポレータを通過させた空気を空調対象空間に吹き出す吹出側送風機(7)と、
 前記コンデンサまたは前記エバポレータを通過させた空気を排出する排気側送風機(8)と、
 前記圧縮機、前記コンデンサ、前記減圧機構および前記エバポレータを含む前記冷凍サイクルの構成部品を収容し、前記エバポレータを通過した冷風が流れる冷風室(40)、および前記コンデンサを通過した温風が流れる温風室(50)を有する空調ケースと、
 前記冷風室および前記温風室の底部(41、51)または境界に設けられ、前記エバポレータで生成される凝縮水を前記冷風室から前記温風室に送出する送水部(9、91、92、93)と、を備える小型空調装置。
[請求項2]
 前記吹出側送風機および前記排気側送風機はいずれも、前記コンデンサまたは前記エバポレータの空気流れ下流側に配置されており、
 前記送水部は、前記冷風室と前記温風室との境界に設けられ、前記冷風室の圧力が前記温風室の圧力より低いときに閉弁し、前記温風室の圧力が前記冷風室の圧力より低いときに開弁するように構成された差圧弁(9)である、請求項1に記載の小型空調装置。
[請求項3]
 前記送水部は、前記冷風室と前記温風室に亘って設けられるウィック(91)または多孔質体(92)である、請求項1に記載の小型空調装置。
[請求項4]
 前記ウィックまたは前記多孔質体は、前記冷風室の底部(41)と前記温風室の底部(51)とに亘って設けられる、請求項3に記載の小型空調装置。
[請求項5]
 前記ウィックまたは前記多孔質体は、前記冷風室の底部に配置される部位の面積より、前記温風室の底部に配置される部位の面積の方が大きい、請求項3または4に記載の小型空調装置。
[請求項6]
 前記冷風室の凝縮水が所定量を超えたとき、前記温風室の風量を増大し、または、前記冷風室の風量を減少させる制御を行う制御装置(30)を備える、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の小型空調装置。
[請求項7]
 前記送水部は、前記冷風室と前記温風室との境界に設けられ、水分子を透過することの可能な半透膜(93)であり、
 前記温風室に、水のイオン濃度よりもイオン濃度の高い水溶液(IW)が、前記半透膜に接するように貯留されている、請求項1に記載の小型空調装置。
[請求項8]
 前記冷風室の底部に設けられ、前記送水部から離れるに従って重力方向上側に高くなるように構成された傾斜面(42)を備える、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の小型空調装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]