Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2020110269 - INDIVIDUAL IDENTIFICATION DEVICE

Document

明 細 書

発明の名称 個体識別装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150  

産業上の利用可能性

0151   0152  

符号の説明

0153  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1A   1B   1C   1D   2   3   4   5A   5B   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19A   19B   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35  

明 細 書

発明の名称 : 個体識別装置

技術分野

[0001]
 本発明は、個体識別装置、個体識別方法、記録媒体、個体登録装置、および個体照合装置に関する。

背景技術

[0002]
 製品のトレーサビリティを確保する手法に、製造日やロット番号などのような文字列を表示するマークを、製品の製造時に表面に形成する方法がある。製品の表面に形成された上記マークは、デートマークと呼ばれる。例えば、同じ製造機械を使い、同じ日に生産した同一ロットの製品に、同一の文字列を表示するデートマークを形成することにより、製品のロットを視覚的に特定することができる。
[0003]
 他方、物体の表面に形成された微細な紋様の個体差を認証や照合に利用する試みがなされている。例えば特許文献1には、文字や記号などのマークと微細な紋様を表示するラベルを物体に貼付し、上記マークを基準に定まるラベル上の所定領域から上記微細な紋様の画像を取得し、上記物体の認証や照合に利用することが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 再特WO2017/057448

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 トレーサビリティの要求精度が高い場合、ロットを小さくし、個々の製品の個体を管理する必要がある。製品毎のシリアル番号を表示するデートマークを製品の製造時に形成すれば、製品の個体を管理することができるが、製造コストが高くなる。
[0006]
 一方、特許文献1に記載する手法によれば製品の個体を管理することはできるが、識別のための特別な加工、すなわち文字などのマークと微細な紋様を表示するラベルを物体に貼付することが必要になり、やはり製造コストは高くなる。
[0007]
 本発明の目的は、上述した課題、すなわち、デートマークに製品毎のシリアル番号を表示して製品の個体を管理する方法では製造コストが上昇する、という課題を解決する個体識別装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の一形態に係る個体識別装置は、
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別する個体識別装置であって、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する抽出手段と、
を備える。
[0009]
 また本発明の他の形態に係る個体識別方法は、
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別する個体識別方法であって、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得し、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する。
[0010]
 また本発明の他の形態に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別するコンピュータに、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する処理と、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する処理と、
を行わせるためのプログラムを記録する。
[0011]
 また本発明の他の形態に係る個体登録装置は、
 金型デートマークの型番毎に、前記金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークを撮像する条件に係る撮像パラメータ、および前記デートマークを撮像した画像から凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係る画像処理パラメータを、前記金型デートマークの型番に対応付けて記憶するパラメータデータベースから、登録対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを取得し、前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する条件設定手段と、
 前記設定された撮像条件の下で、前記登録対象製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記設定された画像処理条件の下で、前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記登録対象製品の特徴量として抽出し、特徴量データベースに登録する特徴量抽出手段と、
を備える。
[0012]
 また本発明の他の形態に係る個体照合装置は、
 金型デートマークの型番毎に、前記金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークを撮像する条件に係る撮像パラメータ、および前記デートマークを撮像した画像から凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係る画像処理パラメータを、前記金型デートマークの型番に対応付けて記憶するパラメータデータベースから、照合対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを取得し、前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する条件設定手段と、
 前記設定された撮像条件の下で、前記照合対象製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記設定された画像処理条件の下で、前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記照合対象製品の特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
 前記照合対象製品の特徴量と登録特徴量とを照合する照合手段と、
を備える。

発明の効果

[0013]
 本発明は上述した構成を有することにより、デートマークによって製品の個体を管理する際の製造コストを抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1A] デートマークを有する製品の一例を示す外観斜視図である。
[図1B] デートマークの一例を示す平面図である。
[図1C] デートマークの断面の一例を模式的に示す図である。
[図1D] デートマークを有する製品の他の例を示す外観斜視図である。
[図2] 本発明の第1の実施形態において、デートマーク画像に対して行われる前処理の概要を示す図である。
[図3] 本発明の第1の実施形態における特徴抽出処理の概要を示す図である。
[図4] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置のブロック図である。
[図5A] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置の撮像部の構造の例を示す断面図である。
[図5B] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置の撮像部の構造の例を示す上面図である。
[図6] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置のハードウェアの一例を示すブロック図である。
[図7] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置において特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する処理の一例を示す動作フローである。
[図8] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置において特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
[図9] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置におけるパラメータ記憶部の内容例を示す図である。
[図10] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置におけるパラメータセットAの値の候補の例を示す図である。
[図11] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置におけるパラメータセットBの値の候補の例を示す図である。
[図12] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における画像記憶部の内容例を示す図である。
[図13] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における特徴量記憶部の内容例を示す図である。
[図14] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における第1の特徴量ペア記憶部の内容例を示す図である。
[図15] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における第2の特徴量ペア記憶部の内容例を示す図である。
[図16] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における分布記憶部の内容例を示す図である。
[図17] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置で使用する分離度の尺度の一例を示す図である。
[図18] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置で使用する分離度の尺度の他の例を示す図である。
[図19A] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置で使用する分離度の尺度の更に他の例を示す図である。
[図19B] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置で使用する分離度の尺度の更に他の例を示す図である。
[図20] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置において特定の撮像パラメータの値を決定する処理の他の例を示すフローチャートである。
[図21] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における個体登録の一例を示す動作フローである。
[図22] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における個体登録の一例を示すフローチャートである。
[図23] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における特徴量記憶部に保存された個体登録情報の内容例を示す図である。
[図24] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における個体識別および個体照合の動作フローである。
[図25] 本発明の第1の実施形態に係る個体識別装置における個体識別および個体照合の処理例を示すフローチャートである。
[図26] 同一の金型デートマークを組み込んだ製品金型によって製造された複数の製品の個体をデートマーク上の微細な凹凸のパターンの特徴量によって個体識別できるか否かを統計的に検証した結果の一例を示すグラフである。
[図27] 本発明の第2の実施形態に係る個体識別システムのブロック図である。
[図28] 本発明の第2の実施形態に係る個体識別システムにおけるパラメータ学習装置の一例を示すブロック図である。
[図29] 本発明の第2の実施形態に係る個体識別システムにおけるパラメータ管理装置の一例を示すブロック図である。
[図30] 本発明の第2の実施形態に係る個体識別システムにおける個体管理装置の一例を示すブロック図である。
[図31] 本発明の第2の実施形態に係る個体識別システムにおける特徴量管理装置の一例を示すブロック図である。
[図32] 本発明の第2の実施形態に係る個体識別システムにおける個体照合装置の一例を示すブロック図である。
[図33] 本発明の第3の実施形態に係る個体識別装置のブロック図である。
[図34] 本発明の第4の実施形態に係る個体登録装置のブロック図である。
[図35] 本発明の第3の実施形態に係る個体照合装置のブロック図である。

発明を実施するための形態

[0015]
[第1の実施の形態]
 次に、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。先ず、図1A~図1Dを参照して、本実施形態による個体識別の概要を説明する。
[0016]
 図1Aは、デートマークを有する製品の一例を示す外観斜視図である。図1Aに示す製品10には、その一つの面にデートマーク11が形成されている。図1Bは、デートマーク11の一例を示す平面図である。図1Bに示すデートマーク11は、中央に表示する数字で製造年を示し、周辺部に表示する数のうち中央に表示する矢印が指し示す数で製造月を示している。この例のデートマーク11は、製造年月が2020年12月であることを表示している。図1Bに示したデートマークの表示はあくまでも一例である。デートマークには、製造年だけを表示するタイプ、製造月だけを表示するタイプ、製造年月日を表示するタイプ、ロット番号を表示するタイプなど、各種のタイプがある。本発明は、如何なる表示タイプのデートマークにも適用可能である。
[0017]
 一般に、図1Aに示されるようなデートマーク11を有する製品10は、ダイカスト、鋳造、射出成型などの成形方法によって製造される。具体的には、金型デートマークが組み込まれた製品金型に、金属や樹脂などの素材を流し込んで製造される。そのため、製品10のデートマーク11には、金型デートマークに彫刻された文字(反転文字)を反転した立体的な文字が基材上に形成される。文字の深さは、デートマーク11の外径サイズにより一定ではないが、概ねコンマ数ミリメートル程度である。同一の彫刻文字を有する金型デートマークが組み込まれた製品金型を使用して複数の製品10を製造した場合、それぞれの製品10には見た目上同一のデートマーク11が形成される。しかし、実際には、流し込まれる素材が金型デートマークの凹凸の隅々まで、ミクロのレベルで常に同一に流れ込み、同一の凝固をすることはない。個々の製造のたびに、微細な流れや凝固作用の差異が生じる。このミクロの差異によって、デートマーク11上の彫刻文字の細部や彫刻文字間の面に微細な立体形状の差異が発生する。
[0018]
 図1Cは、デートマーク11の断面の一例を模式的に示している。図1Cに示されるように、デートマーク11の表面には、彫刻文字の溝部分に相当する凹凸11a、11b、11cが存在している。また、その凹凸11a、11b、11cの各部やそれ以外のデートマーク面には、ミクロなレベルの微細な凹凸11d、11eがランダムに形成されている。このような微細な凹凸11d、11eは製品の性能・品質には影響しないレベルにあり、通常は同一品として扱われている。しかし、実際には、微細な凹凸のパターンは、同じデートマーク11を有する複数の製品であっても決して同一にはならず個体差が生じる。本実施形態は、このようなデートマーク11の微細な凹凸のパターンの個体差を認証や照合に利用する。そのため、複数の製品10のデートマーク11が表示する内容が同一であっても、製品10の個体を識別することができる。
[0019]
 また、金型を使用して製造される製品10には、その製造時に、図1Aに示すように、製造会社などを示すロゴ12、何らかの記号などを示すロゴ13など、デートマーク11以外のマークが形成されることがある。そして、それらのロゴ12、13の部分にも製品固有の微細な凹凸が形成される。しかし、本発明者は、撮像条件および画像処理条件の決定の容易性の観点から、デートマーク11を採用するに至った。以下、この点について説明する。
[0020]
 微細な凹凸が素材上に形成された対象物をコントラスト良く撮像するためには、照明角度や画像解像度などのパラメータを適切に設定した撮像条件の下で撮像を行う必要がある。また、画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を抽出するためには、前処理や特徴抽出のためのパラメータを適切に設定した画像処理条件の下で特徴量を抽出する必要がある。好適な撮像条件および画像処理条件は、対象物の三次元形状が確定していなければ正しく決定できない。そのため、ロゴ12、13などの他のマーク上の微細凹凸の個体差を利用する場合、実際に製品が出来上がってからでなければ、どの箇所の微細凹凸の差異を個体識別に利用すればよいかが決定できず、従ってその撮像条件および画像処理条件も事前に決定することができない。これに対して、デートマーク上の微細凹凸のパターンの個体差を個体識別に利用する場合、実際に製品が出来上がっていなくても、同じデートマークを有する他の製品や試作品が存在すれば、その撮像条件および画像処理条件を事前に決定しておくことができる。例えば図1Dに示すように、図1Aに示した製品10とはその外観も機能も全く相違するけれども、製品10のデートマーク11と同じ仕様の金型デートマークを使って形成されたデートマーク21を有する製品20であれば、撮像条件および画像処理条件を製品10と同一にすることができる。同じ仕様の金型デートマークを異なる製品金型に使用するケースは多々存在するため、異なる製品間で撮像条件および画像処理条件を共通にできるメリットは大きい。また、製品金型が完成していない新製品であっても、使用する金型デートマークが決定されていれば、事前に撮像条件および画像処理条件を決定できるメリットがある。
[0021]
 本実施形態では、同じ仕様の金型デートマーク毎に撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を事前に決定し、この決定した値を金型デートマークの仕様を一意に特定する型番に対応付けて記憶装置に記憶するように構成されている。また、本実施形態では、製品の個体登録時および個体照合時、登録対象および照合対象の製品のデートマークの形成に使用した金型デートマークの型番に対応付けられた撮像パラメータおよび画像処理パラメータを記憶装置から取得するように構成されている。また、本実施形態では、上記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値で定まる撮像条件および画像処理条件を設定し、上記撮像条件の下でデートマークの画像を撮像し、上記画像処理条件の下で画像処理を行ってデートマークの画像から特徴量を抽出するように構成されている。
[0022]
 以上が本実施形態の概要である。続いて、本実施形態を詳細に説明する。
[0023]
 先ず、撮像パラメータおよび画像処理パラメータについて説明する。
[0024]
<撮像パラメータ>
 撮像パラメータの1つの例は、照明角度である。照明角度は、照明光が物体の表面に入射する角度である。
[0025]
 撮像パラメータの他の1つの例は、画像解像度である。画像解像度は、例えばDPI(Dot Per Inch)で表される。また、画像解像度と撮像倍率とには一定の因果関係があるため、画像解像度の代わりに撮像倍率を撮像パラメータとして使用してもよい。
[0026]
 撮像パラメータは、上述した照明角度、画像解像度に限定されない。対象物とカメラとの距離、照明光の強度、照明光の波長、照明の大きさ、照明の種類、照明の配置、レンズ倍率などが、撮像パラメータの他の例である。
[0027]
<画像処理パラメータ>
 画像処理パラメータは、前処理パラメータと特徴抽出パラメータとに大別される。
[0028]
 前処理パラメータは、デートマーク画像に対して、特徴抽出の前に実施される前処理で使用されるパラメータのことである。特徴抽出パラメータは、前処理が施されたデートマーク画像に対して実施される特徴抽出処理で使用されるパラメータのことである。
[0029]
 先ず、前処理の概要を説明し、前処理で使用する幾つかのパラメータについて説明する。
[0030]
 図2は、デートマーク画像に対して行われる前処理の概要を示す図である。前処理では、撮像画像に対してマスク処理、ノイズ除去、鮮明化の3つの処理がその順に実施される。
[0031]
 マスク処理では、撮像画像の領域をデートマークの領域とそれ以外の領域(背景)とに分け、背景に属する画素を特定の画素値に置き換える。特定の画素値を定める方法は2通りある。1つの方法は、事前に与えられた画素値(一般にはゼロ)で置き換える方法である。他の1つの方法は、置き換え対象となる背景の画素毎に、その画素とその周辺の画素の値に基づいて置き換え後の画素の値を決定する方法である。周辺の画素の範囲は、事前に与えられる局所画像ブロックで決定される。例えば、局所画像ブロックとして3×3ブロックを使用する場合、注目画素とその周囲8画素との合計9画素の例えば平均値で置き換え後の画素の値が決定される。上記ゼロ等の特定の画素値、および上記局所画像ブロックを、マスク処理パラメータと呼ぶ。マスク処理パラメータは、前処理パラメータの一例である。
[0032]
 ノイズ除去では、マスク処理後の撮像画像におけるデートマークの領域に存在するノイズを、例えばメディアンフィルタによって除去する。或いは、上記ノイズを、平滑化フィルタによって除去する。或いは、バイラテラルフィルタによってノイズ(センサノイズ)を除去する。上記メディアンフィルタ、平滑化フィルタ、バイラテラルフィルタを、ノイズ除去パラメータと呼ぶ。ノイズ除去パラメータは、前処理パラメータの他の例である。
[0033]
 鮮明化では、撮像画像のコントラストを局所領域毎に最適化することにより、個体識別性のあるパターンを強調する。例えば、ノイズ除去後の撮像画像を、事前に与えられる画像ブロックサイズの局所領域に分割し、局所領域毎にCLAHE(Contrast Limited Adaptive Histogram)を適用する。上記画像ブロックサイズを、鮮明化処理パラメータと呼ぶ。鮮明化処理パラメータは、前処理パラメータの更に他の例である。
[0034]
<特徴抽出パラメータ>
 次に、特徴抽出処理の概要を説明し、特徴抽出処理で使用する幾つかのパラメータについて説明する。
[0035]
 図3は、特徴抽出処理の概要を示す図である。図3に示す特徴抽出処理では、前処理適用後の撮像画像に対して窓関数適用、周波数変換処理、周波数帯域選択、特徴量の各要素に対する重み付けの4つの処理がその順に実施される。
[0036]
 窓関数適用は、後段の周波数変換において、画像端の不連続に起因する特徴量へのノイズ混入を抑制するために実施する。窓関数適用では、撮像画像中の個体識別性のあるパターンを極力残せるような形状の窓関数(例えば一般化ハミング窓関数)を使用する。窓関数の形状を調整するパラメータを、窓関数適用パラメータと呼ぶ。窓関数適用パラメータは、特徴抽出パラメータの例である。
[0037]
 周波数変換処理は、例えばフーリエ変換である。
[0038]
 周波数帯域選択では、周波数変換後のデータである2次元データ配列(複素数)から、事前に与えられる配列ブロックのサイズと中心位置座標に従って、個体識別性を有する周波数帯域の要素を選択する。上記配列ブロックのサイズと中心位置座標を、周波数帯域選択パラメータと呼ぶ。周波数帯域選択パラメータは、特徴抽出パラメータの他の例である。
[0039]
 特徴量の各要素に対する重み付けは、周波数帯域選択で選択された周波数帯域の各要素に対して、例えば2次元ガウス関数を乗じることで行う。2次元ガウス関数の2次元それぞれの方向に対する形状を決めるパラメータを、特徴量の各要素に対する重みパラメータと呼ぶ。この重みパラメータは、特徴抽出パラメータの更に他の例である。
[0040]
 続いて、本実施形態に係る個体識別装置の構成について説明する。
[0041]
 図4は、本実施形態に係る個体識別装置のブロック図である。本実施形態に係る個体識別装置100は、撮像部101と、条件制御部102と、画像記憶部103と、特徴量抽出部104と、特徴量記憶部105と、特徴量ペア生成部106と、第1の特徴量ペア記憶部107と、第2の特徴量ペア記憶部108と、スコア算出部109と、分布生成部110と、分布記憶部111と、パラメータ決定部113と、パラメータ記憶部114と、判定部115と、情報提示部116と、デートマーク情報入力部117とを備える。
[0042]
 デートマーク情報入力部117は、デートマークの仕様を一意に定める情報を入力するように構成されている。本実施形態では、デートマークの仕様を一意に定める情報として、金型デートマークの型番を使用する。型番が同じ金型デートマークは、それによって形成されるデートマークの三次元形状が同一になる。但し、デートマーク情報は、金型デートマークの型番に限定されない。
[0043]
 条件制御部102は、撮像部101の撮像条件を制御するように構成されている。条件制御部102は、予め定められた1種類以上の撮像パラメータの値の組合せによって撮像条件を制御する。本実施形態では、予め定められた撮像パラメータとして、照明角度、画像解像度、および製品上のデートマークとカメラとの相対的な姿勢の3つを使用する。このうち、照明角度と画像解像度の2つは、事前に決定しておく撮像パラメータである。デートマークとカメラとの相対的な姿勢は、事前に決定しておく撮像パラメータではなく、外乱要因として使用する。但し、事前に決定しておく撮像パラメータの種類と数は、上記に限定されない。また、外乱要因として使用する撮像パラメータの種類と数は、上記に限定されない。
[0044]
 また、条件制御部102は、特徴量抽出部104における画像処理の条件を制御するように構成されている。条件制御部102は、予め定められた1種類以上の画像処理パラメータの値の組合せによって画像処理条件を制御する。本実施形態では、予め定められた画像処理パラメータとして、前処理パラメータセットと特徴抽出パラメータセットとの2つを使用する。前処理パラメータセットは、前述したマスク処理パラメータ、ノイズ除去パラメータ、および鮮明化処理パラメータに属する1つ、或いは2つ以上のパラメータを含む。また、特徴抽出パラメータセットは、前述した窓関数適用パラメータ、周波数帯域選択パラメータ、重みパラメータに属する1つ、或いは2つ以上のパラメータを含む。
[0045]
 撮像部101は、条件制御部102によって設定された撮像条件に基づいて、製品のデートマークをカメラによって撮像するように構成されている。
[0046]
 図5Aおよび図5Bは、撮像部101の構造の例を示す。図5AはX-X線に沿う断面図、図5Bは上面図である。この例の撮像部101は、ズームレンズ162を有するカメラ161を備える。カメラ161は、例えばデジタルカメラであってよい。カメラ161の光軸は、製品164のデートマークの素材面に対して垂直な方向である。製品164は、テーブル165の上に置かれている。テーブル165を傾け、或いは、回転させることにより、カメラ161に対する製品164の姿勢、従ってデートマークの姿勢を変えることができる。カメラ161と製品164のデートマークとの距離はほぼ一定である。ズームレンズ162により撮像倍率を変化させることで、画像解像度を制御することができる。また、撮像部101は、照明角度可変な照明器163を備える。照明器163は、緯度方向(高さ方向)の位置が異なるLED等の照明部166を経度方向(周方向)8方位に備える。点灯する照明部166の位置を変化させることで、照明角度を制御することができる。
[0047]
 画像記憶部103は、撮像部101によって撮像して得られた製品のデートマークの画像を記憶するように構成されている。
[0048]
 特徴量抽出部104は、条件制御部102によって設定された画像処理の条件に基づいて、画像記憶部103に記憶された製品のデートマークの画像に対して画像処理を行うように構成されている。即ち、先ず、特徴量抽出部104は、デートマークの画像に対して図2を参照して説明した前処理を行う。次に特徴量抽出部104は、図3を参照して説明した特徴抽出処理を行う。
[0049]
 特徴量記憶部105は、特徴量抽出部104によって抽出された特徴量を記憶するように構成されている。
[0050]
 特徴量ペア生成部106は、特徴量記憶部105に記憶された複数の製品の複数のデートマークの特徴量から、製品のそれぞれについて、第1の特徴量ペアを生成するように構成されている。第1の特徴量ペアは、ペアを構成する2つの特徴量が同一の製品の複数のデートマーク画像から抽出された特徴量のペアを意味する。また、特徴量ペア生成部106は、特徴量記憶部105に記憶された複数の製品の複数のデートマークの特徴量から、製品の全ての組み合わせについて、第2の特徴量ペアを生成するように構成されている。第2の特徴量ペアは、ペアを構成する2つの特徴量が互いに異なる製品の複数のデートマーク画像から抽出された特徴量のペアを意味する。
[0051]
 第1の特徴量ペア記憶部107は、特徴量ペア生成部106によって生成された複数の第1の特徴量ペアを記憶するように構成されている。第2の特徴量ペア記憶部108は、特徴量ペア生成部106によって生成された複数の第2の特徴量ペアを記憶するように構成されている。
[0052]
 スコア算出部109は、2つの特徴量間の相関を計算し、2つの特徴量が類似している程度を表す照合スコアを算出するように構成されている。スコアを算出する対象となる2つの特徴量ペアは、第1の特徴量ペア、第2の特徴量ペア、及び、特徴量抽出部104で抽出された識別・照合対象とする特徴量と特徴量記憶部105に記憶された基準の特徴量とから成るペアである。スコア算出部109は、例えば、双方の特徴量間で対応する特徴量の要素数を用いてスコアを算出する。或いはスコア算出部109は、例えば、双方の特徴量を表すコード間のハミング距離によりスコアを算出する。スコアは、2つの特徴量が類似している程、即ち2つの特徴量の距離が小さい程、大きくなる値であってもよいし、その反対に小さくなる値であってもよい。但し、スコアの算出方法は上記の例に限定されない。
[0053]
 分布生成部110は、複数の第1の特徴量ペアの照合スコアの分布である第1の分布を生成するように構成されている。また分布生成部110は、複数の第2の特徴量ペアの照合スコアの分布である第2の分布を生成するように構成されている。ここで、第1の分布および第2の分布は、スコアの範囲を幾つかの区間に分けて、各区間に出現する第1の特徴量ペアおよび第2の特徴量ペアの数を表形式あるいはグラフ形式で表現した情報である。
[0054]
 分布記憶部111は、分布生成部110によって生成された第1の分布および第2の分布を記憶するように構成されている。
[0055]
 パラメータ決定部113は、分布記憶部111に記憶された第1の分布と第2の分布との分離度を算出するように構成されている。またパラメータ決定部113は、算出した分離度に基づいて、予め定められた撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定するように構成されている。
[0056]
 パラメータ記憶部114は、デートマーク情報に対応付けて、パラメータ決定部113によって決定された撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を記憶するように構成されている。
[0057]
 判定部115は、特徴量抽出部104で抽出された識別・照合対象とする特徴量と特徴量記憶部105に記憶された基準の特徴量とから成るペアについてスコア算出部109によって算出されたスコアに基づき、識別および照合の判定結果を生成するように構成されている。
[0058]
 情報提示部116は、判定部115の判定結果に基づき製品管理情報を提示するように構成されている。
[0059]
 個体識別装置100は、例えば図6に示すように、カメラ等の撮影部151と、キーボードやマウスなどの操作入力部152と、液晶ディスプレイ等の画面表示部153と、通信インタフェース部154と、メモリやハードディスク等の記憶部155と、1以上のマイクロプロセッサ等の演算処理部156とを有するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置150と、プログラム157とで実現することができる。
[0060]
 プログラム157は、情報処理装置150の立ち上げ時等に外部のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からメモリに読み込まれ、演算処理部156の動作を制御することにより、演算処理部156上に、撮像部101、条件制御部102、画像記憶部103、特徴量抽出部104、特徴量記憶部105、特徴量ペア生成部106、第1の特徴量ペア記憶部107、第2の特徴量ペア記憶部108、スコア算出部109、分布生成部110、分布記憶部111、パラメータ決定部113、パラメータ記憶部114、判定部115、情報提示部116、デートマーク情報入力部117といった機能的手段を実現する。
[0061]
 次に、本実施形態に係る個体識別装置100の動作を説明する。個体識別装置100の動作は、以下の三つに大別される。
(a)特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する事前処理の動作
(b)個体登録の動作
(c)個体識別および個体照合の動作
[0062]
[特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する事前処理の動作]
 本実施形態では、照明角度および画像解像度の2つの画像パラメータの値を事前に決定する。また、本実施形態では、特定の画像処理パラメータとして予め定められた前処理パラメータのセットおよび特徴抽出パラメータのセットを事前に決定する。前処理パラメータのセットは、少なくとも1つの前処理パラメータを含む。特徴抽出パラメータのセットは、少なくとも1つの特徴抽出パラメータを含む。
[0063]
 特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する処理は、金型デートマークの型番毎に実施する。
[0064]
 図7は、金型デートマークの型番毎に実施される特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する処理の一例を示す動作フローである。また、図8は、金型デートマーク毎に実施される特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
[0065]
 先ず、事前処理を管理するオペレータは、デートマーク情報入力部117を通じてパラメータ記憶部114に、これから処理する金型デートマークの型番を登録する(ステップS101)。
[0066]
 図9は、パラメータ記憶部114の内容例を示す。図9を参照すると、パラメータ記憶部114は、金型デートマークの型番に対応付けて、パラメータ決定部113によって決定されたパラメータを記憶する。パラメータは、撮像パラメータと画像処理パラメータとに大別される。また、撮像パラメータは、照明角度、および、画像解像度の2つのパラメータから構成される。また、画像処理パラメータは、前処理パラメータセット、および、特徴抽出パラメータセットの2つから構成されている。オペレータの入力時点では、照明角度、画像解像度、前処理パラメータセット、および画像処理パラメータセットの値は規定値となっている。この規定値は、パラメータ決定部113で決定された値で更新されることとなる。
[0067]
 次に、条件制御部102は、事前に定められた撮像パラメータ(本例では、照明角度と画像解像度)および事前に定められた画像処理パラメータ(本例では、前処理パラメータセットと特徴抽出パラメータセット)をパラメータセットAとし、事前に定められた外乱要因として使用する撮像パラメータ(本例では、製品とカメラとの相対的な姿勢)をパラメータセットBとし、パラメータセットAの値の候補及びパラメータセットBの値の候補を網羅的に生成する(ステップS102)。例えば、条件制御部102は、事前に定められた照明角度、画像解像度、前処理パラメータセット、特徴抽出パラメータセットの値を含み、少なくとも1つのパラメータの値が他の候補と相違するパラメータセットAの値の候補を網羅的に生成する。また、条件制御部102は、製品とカメラとの相対的な姿勢をパラメータセットBの値の候補として生成する。
[0068]
 図10は、パラメータセットAの値の候補の例を示す。この例では、条件制御部102は、照明角度をθ1からθaまでa通りに変化させ、画像解像度をm1からmbまでb通りに変化させ、前処理パラメータセットをpr1からprcまでc通りに変化させ、特徴抽出パラメータセットをeq1からeqdまでd通りに変化させることによって、a×b×c×d通りのパラメータセットAの値の候補a1~anを生成している。
[0069]
 図11は、パラメータセットBの値の候補の例を示す。この例では、条件制御部102は、撮像する際の製品の姿勢をm通りに変化させることによって、m通りのパラメータセットBの値の候補b1~bmを生成している。
[0070]
 次に条件制御部102は、パラメータセットAの値の候補を選択するための変数iを1にし(ステップS103)、パラメータセットAの値の候補a1を選択する(ステップS104)。次に条件制御部102は、パラメータセットBの値の候補を選択するための変数jを1にし(ステップS105)、パラメータセットBとして候補b1を選択する(ステップS106)。次に、条件制御部102は、上記選択した候補a1と候補b1とで定まる撮像条件(照明角度、画像解像度、姿勢)を撮像部101に設定すると共に、上記選択した候補a1で定まる画像処理条件(前処理パラメータセット、特徴抽出パラメータセット)を特徴量抽出部104に設定する(ステップS107)。撮像条件の撮像部101への設定は、自動化されていてもよいし、撮像パラメータを画面表示部153に表示してユーザの手動によって設定してもよい。画像処理条件の特徴量抽出部104への設定は、自動化されていてもよいし、画像処理パラメータを画面表示部153に表示してユーザの手動によって設定してもよい。
[0071]
 次に、撮像部101は、型番1の金型デートマークを使用して製造されたデートマークを有するN(≧2、好ましくは≧3)個の製品サンプルのデートマーク画像を少なくとも1回ずつ撮像し、画像記憶部103に保存する(ステップS108)。撮像の対象となるデートマークを有する製品サンプルは、型番1の金型デートマークが組み込まれた製品金型を使用して製造された完成品であってもよいし、デートマーク部位のみの試作品であってもよい。上記動作により、画像記憶部103には、例えば図12に示す画像G111、G211、…、GN11のN枚の画像が、製品サンプルのIDおよび候補a1、b1で定まる撮像・画像処理条件に対応付けて保存される。
[0072]
 次に特徴量抽出部104は、候補a1、b1で定まる撮像・画像処理条件の下で撮像されて得られたN個の製品サンプルのデートマーク画像を画像記憶部103から読み出し、候補a1で定まる画像処理条件に基づいて、それぞれのデートマーク画像から特徴量を抽出し、特徴量記憶部105に保存する(ステップS109)。これにより、特徴量記憶部105には、例えば図13に示す特徴量V111、V211、…、VN11のN個の特徴量が、製品サンプルのIDおよび候補a1、b1で定まる撮像・画像処理条件に対応付けて保存される。
[0073]
 次に条件制御部102は、変数jをインクリメントし(ステップS110)、変数jがmより大きくなければ、ステップS106に戻って、上述した処理と同様の処理を繰り返す。これにより、上記と同じN個の製品サンプルのデートマーク画像が、候補a1、b2で定まる撮像・画像処理条件の下で撮像され、且つそれぞれのデートマーク画像から特徴量が抽出される。同様の動作が、変数jがmより大きくなるまで繰り返される(ステップS111)。これにより、パラメータセットAの値をa1に固定し、パラメータセットBの値をb1、b2、…、bmと順番に変えてN個の製品サンプルのデートマークそれぞれが複数回撮像され、またそれぞれのデートマーク画像から特徴量が抽出されることになる。図12に示す画像G111、G211、…、GN11、G112、G212、…、GN12、…、G11m、G21m、…、GN1m、および図13に示す特徴量V111、V211、…、VN11、V112、V212、…、VN12、…、V11m、V21m、…、VN1mは、このようにして撮像して得られた画像および特徴量である。
[0074]
 次に特徴量ペア生成部106は、特徴量記憶部105から特徴量V111、V211、…、VN11、V112、V212、…、VN12、…、V11m、V21m、…、VN1mを読み出し、第1の特徴量ペアおよび第2の特徴量ペアを生成し、第1の特徴量ペア記憶部107および第2の特徴量ペア記憶部108に保存する(ステップS112)。これにより、第1の特徴量ペア記憶部107には、例えば図14に示す、m個の特徴量(V111、V112、…、V11m)の中から2つを選ぶ組み合わせ、m個の特徴量(V211、V212、…、V21m)の中から2つを選ぶ組み合わせ、…、m個の特徴量(VN11、VN12、…、VN1m)の中から2つを選ぶ組み合わせ、から構成される第1の特徴量ペアが、パラメータセットAの候補a1に対応付けて保存される。また、第2の特徴量ペア記憶部108には、例えば図15に示す、特徴量V11x(x=1、2、…、m)と特徴量Viyy(i≠1、yは任意)との組み合わせ、特徴量V21x(x=1、2、…、m)と特徴量Viyy(i≠2、yは任意)との組み合わせ、…、特徴量VN1x(x=1、2、…、m)と特徴量Viyy(i≠N、yは任意)との組み合わせ、から構成される第2の特徴量ペアが、パラメータセットAの候補a1に対応付けて保存される。
[0075]
 次にスコア算出部109は、第1の特徴量ペア記憶部107からパラメータセットAの候補a1に対応付けられた第1の特徴量ペアを読み出し、ペアを構成する特徴量間の相関を計算して照合スコアを算出し、分布生成部110はその算出された第1の特徴量ペアの照合スコアから第1の分布を生成して分布記憶部111に保存する(ステップS113)。これにより、分布記憶部111には、例えば図16に示すように、パラメータセットAの候補a1に対応つけて、第1の特徴量ペアの分布D11が保存される。
[0076]
 またスコア算出部109は、第2の特徴量ペア記憶部108からパラメータセットAの候補a1に対応付けられた第2の特徴量ペアを読み出し、ペアを構成する特徴量間の相関を計算して照合スコアを算出し、分布生成部110はその算出された第2の特徴量ペアの照合スコアから第2の分布を生成して分布記憶部111に保存する(ステップS114)。これにより、分布記憶部111には、例えば図16に示すように、パラメータセットAの候補a1に対応つけて、第2の特徴量ペアの分布D12が保存される。
[0077]
 次にパラメータ決定部113は、分布記憶部111から第1の分布D11および第2の分布D12を読み出し、それらの分離度を計算して、分布記憶部111に保存する(ステップS115)。これにより、分布記憶部111には、例えば図16に示すように、パラメータセットAの候補a1に対応つけて、分離度SP1が保存される。
[0078]
 ここで、2つの分布の分離度SP1は、2つの分布D11、D12がどの程度分離しているかを表す尺度あるいは指標値である。分離度には、例えば以下に例示するような尺度を用いることができる。
[0079]
<分離度の尺度の例1>
 図17に示すように、第1の特徴量ペアのスコアの分布(第1の分布)の平均をm g、分散をσ g、ペア数をω gとし、第2の特徴量ペアのスコアの分布(第2の分布)の平均をm i、分散をσ i、ペア数をω iとするとき、クラス内分散σ w、クラス間分散σ bは、それぞれ次式で与えられる。
  σ w=(ω gσ g 2+ω iσ i 2)/(ω g+ω i)   …(1)
  σ b=ω gω i(m g-m i2/(ω g+ω i2   …(2)
 そして、次式で与えられるクラス内分散・クラス間分散比を分離度の尺度とすることができる。
  分離度=クラス内分散・クラス間分散比=σ b 2/σ w 2   …(3)
[0080]
<分離度の尺度の例2>
 図18に示すように、第1の特徴量ペアのスコアの分布(第1の分布)の最小値をS g、第2の特徴量ペアのスコアの分布(第2の分布)の最大値をS iとするとき、次式で与えられる、最小値S gに対する最大値S iの比率を分離度の尺度とすることができる。
  分離度=第1の分布の最小値に対する第2の分布の最大値の比率=S i/S g
     …(4)
[0081]
<分離度の尺度の例3>
 第1の特徴量ペアのスコアの分布から求められるFRR(False Rejection Rate)と第2の特徴量ペアのスコアの分布から求められるFAR(False Acceptance Rate)とが等しくなるEER(Equal Error Rate)を、分離度の尺度とする。例えば、FRRは、図19Aに示すように、第1の特徴量ペアのスコアの累積ヒストグラム(第1の特徴量ペアの総数で正規化)として求めることができる。また、FARは、図19Aに示すように、第2の特徴量ペアのスコアの累積ヒストグラム(第2の特徴量ペアの総数で正規化)として求めることができる。さらに、EERは、図19Aに示すように、EERとFRRの交点の頻度(確率)として求めることができる。また、図19Bに示すように、第1のスコアの累積ヒストグラムと第2のスコアのヒストグラムとが完全に分離する場合は、それぞれの累積ヒストグラムを近似する累積分布関数による外挿によって、EERを算出することができる。
[0082]
 次にパラメータ決定部113は、算出した分離度SP1を予め定められた閾値と比較することにより、第1の特徴量ペアに基づく第1の分布D11と第2の特徴量ペアに基づく第2の分布D12とが閾値以上、分離しているか否かを判定する(ステップS116)。そして、パラメータ決定部113は、第1の分布D11と第2の分布D12との分離度SP1が閾値以上であれば、そのときのパラメータセットAの候補a1が表す撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を金型デートマークの型番1に対応付けてパラメータ記憶部114に保存し(ステップS118)、図8に示す処理を終了する。
[0083]
 他方、パラメータ決定部113は、第1の分布D11と第2の分布D12との分離度SP1が閾値未満であれば、そのときのパラメータセットAの候補a1が表す撮像パラメータおよび画像処理パラメータによる撮像条件・画像処理条件では、N個の製品サンプル相互間を識別できないと判断する。そして、パラメータ決定部113は、変数iをインクリメントし(ステップS117)、iがnより大きくないことを確認して(ステップS119でNO)、ステップS104に戻る。これにより、上述した処理と同様の処理が、パラメータセットAの値を候補a2に固定して繰り返される(ステップS104~S116)。
[0084]
 以後、第1の分布と第2の分布との分離度が閾値以上となるパラメータセットAの候補が見つかるか、変数iがnより大きくなるか、何れかの条件が最初に成立するまで、図8に示す処理が実行される。なお、変数iがnより大きくなるまでに分離度が閾値以上となるパラメータセットAの候補が発見されなかった場合、パラメータ決定部113はエラーメッセージを出力し(ステップS120)、図8に示す処理を終了する。
[0085]
 図20は、金型デートマークの型番毎に実施される特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する処理の他の例を示すフローチャートである。図20に示す処理は、図8に示した処理と比較して、ステップS116、S118、S120がステップS116A、S118A、S120Aで置換されている点で相違し、それ以外は図8に示した処理と同じである。
[0086]
 ステップS116Aでは、パラメータ決定部113は、算出した分離度が閾値以上かつパラメータ記憶部114に保存されている同一型番のパラメータセットAの候補の分離度以上であるか否かを判定する。パラメータ決定部113は、算出した分離度が閾値以上かつパラメータ記憶部114に保存されている同一型番のパラメータセットAの候補の分離度以上であれば、パラメータ記憶部114に保存されている同一型番のパラメータセットAの候補およびその分離度を、今回のパラメータセットAの候補およびその分離度で上書きする(ステップS118A)。そして、ステップS117に進む。他方、パラメータ決定部113は、算出した分離度が閾値以上でないか、或いは閾値以上であってもパラメータ記憶部114に保存されている同一型番のパラメータセットAの分離度以上でなければ、ステップS118Aをスキップして、ステップS117へ進む。
[0087]
 そして、パラメータ決定部113は、ステップS119において変数iがnより大きくなったと判定すると、パラメータ記憶部114にパラメータセットAの候補が保存されていなければエラーメッセージを出力し(ステップS120A)、図20の処理を終える。パラメータ記憶部114にパラメータセットAの候補が保存されているときは、その保存された候補が、閾値以上かつ最大の分離度を与えるパラメータセットAの候補、即ち事前に決定した撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値となる。
[0088]
[個体登録の動作]
 次に、管理対象の製品個々を登録する個体登録の動作について説明する。
[0089]
 図21および図22は、個体登録の動作の処理フローおよびフローチャートである。先ず、個体登録を管理するオペレータは、デートマーク情報入力部117を通じて条件制御部102に対して、これから登録する製品のデートマークの形成に使用した金型デートマークの型番を入力する(ステップS121)。
[0090]
 条件制御部102は、デートマーク情報入力部117から入力された金型デートマークの型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値をパラメータ記憶部114から読み出し、その撮像パラメータの値で定まる撮像条件を撮像部101に設定し、また、その画像処理パラメータの値で定まる画像処理条件を特徴量抽出部104に設定する(ステップS122)。例えば、型番1が入力された場合、条件制御部102は、型番1に対応付けて記憶されている照明角度と画像解像度を撮像部101に設定し、型番1に対応付けて記憶されている前処理パラメータと特徴抽出パラメータの値を特徴量抽出部104に設定する。上記撮像条件の撮像部101への設定は、自動化されていてもよいし、撮像条件を画面表示部153に表示してオペレータの手動によって設定してもよい。また、上記画像処理条件の特徴量抽出部104への設定は、自動化されていてもよいし、画像処理条件を画面表示部153に表示してオペレータの手動によって設定してもよい。
[0091]
 次に、撮像部101は、設定された撮像条件の下で、登録する製品のデートマーク上の微細な凹凸紋様の画像を少なくとも1回撮像し、画像記憶部103に保存する(ステップS123)。
[0092]
 次に、特徴量抽出部104は、画像記憶部103に保存された上記登録する製品のデートマーク上の微細な凹凸紋様の画像を読み出し、設定された画像処理条件に基づいて、その画像に対して画像処理を行って微細な凹凸紋様に係る特徴量を抽出し、この抽出した特徴量を登録特徴量として特徴量記憶部105に保存する(ステップS124)。このとき、特徴量記憶部105は、登録対象の製品のID番号、登録日時、寸法、製品仕様等といった当該登録対象の製品に係る情報(付帯情報とも称す)と紐付けて(対応付けて)、個体固有の特徴量を登録する。こうしておくことで、後述する個体識別や個体認証の判定結果に基づき、製造物等の対象物の個体管理情報を提示することが可能になる。
[0093]
 他の製品をさらに登録する場合、ステップS121~S124の動作が登録する製品の数だけ繰り返される。
[0094]
 図23は、特徴量記憶部105に保存された個体登録情報の内容例を示す。特徴量PF1、PF2、…、PFnおよび付帯情報SI1、SI2、…、SInは、登録対象の製品に1対1に対応する特徴量および付帯情報である。
[0095]
[個体識別および個体照合の動作]
 次に、製品個々を識別および照合する動作について説明する。
[0096]
 図24および図25は、個体識別および個体照合時の動作の処理フローおよびフローチャートである。先ず、個体識別および照合を管理するオペレータは、デートマーク情報入力部117を通じて条件制御部102に対して、これから識別および照合する製品のデートマークの形成に使用した金型デートマークの型番を入力する(ステップS131)。
[0097]
 条件制御部102は、デートマーク情報入力部117から入力された型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値をパラメータ記憶部114から読み出し、その撮像パラメータの値で定まる撮像条件を撮像部101に設定し、また、その画像処理パラメータの値で定まる画像処理条件を特徴量抽出部104に設定する(ステップS132)。例えば、型番1を入力した場合、条件制御部102は、型番1に対応付けて記憶されている照明角度と画像解像度を撮像部101に設定し、型番1に対応付けて記憶されている前処理パラメータと特徴抽出パラメータの値を特徴量抽出部104に設定する。上記撮像条件の撮像部101への設定は、自動化されていてもよいし、撮像条件を画面表示部153に表示してオペレータの手動によって設定してもよい。また、上記画像処理条件の特徴量抽出部104への設定は、自動化されていてもよいし、画像処理条件を画面表示部153に表示してオペレータの手動によって設定してもよい。
[0098]
 次に、撮像部101は、設定された撮像条件の下で、識別および照合する製品のデートマーク上の微細な凹凸紋様の画像を少なくとも1回撮像し、画像記憶部103に保存する(ステップS133)。
[0099]
 次に、特徴量抽出部104は、画像記憶部103に保存された識別および照合する製品のデートマーク上の微細な凹凸紋様の画像を読み出し、設定された画像処理条件に基づいて、その画像に対して画像処理を行って微細な凹凸紋様に係る特徴量を抽出し、スコア算出部109へ出力する(ステップS134)。このとき、特徴量抽出部104からスコア算出部109へ出力される特徴量を、以下、個体識別・照合対象の特徴量と記す。
[0100]
 次に、スコア算出部109は、個体識別・照合対象の特徴量と、特徴量記憶部105に登録されている全ての特徴量PF1~PFnとの間の相関を計算して、全ての特徴量PF1~PFnに対する照合スコアを算出する(ステップS135)。次に、判定部115は、スコア算出部109が算出した照合スコアに基づき、個体識別・照合対象の特徴量が、特徴量記憶部105に記憶されている、どの特徴量と合致するかを判定する。例えば、判定部115は、個体識別・照合対象の特徴量と登録されている全特徴量との照合スコアをソートし、照合スコアが最大(相関が最大)となる特徴量を選択する(ステップS136)。そして、判定部115は、選択した特徴量に紐付いた付帯情報を特徴量記憶部105から読み出して、識別および照合対象の製品の生産物情報として出力する。
[0101]
 また、判定部115は、個体識別・照合対象の特徴量と特徴量記憶部105に記憶された全特徴量との照合スコアが、予め設定された閾値を超えるかどうかの判定を行ってもよい。そして、判定部115は、個体識別・照合対象の特徴量と特徴量記憶部105に記憶された全特徴量との照合スコアの何れも閾値を超えない場合、識別および照合対象の製品は、登録されていないと判断し、認証エラーを表す情報を出力する。このように動作する判定部115は、製品の真贋判定といった、個体認証目的で使用することができる。
[0102]
 続いて、情報提示部116は、判定部115から得た生産物情報や、認証エラー情報を受け、識別および照合対象の製品の個体識別結果である生産物情報や、個体認証情報を図示しない表示装置に表示し或いは外部の端末へ出力する(ステップS137)。
[0103]
 次に、本実施形態の効果を説明する。
[0104]
 本実施形態によれば、複数の製品のデートマークが表示する内容が同一であっても、複数の製品それぞれの個体を識別することができる。その理由は、製造時にランダムに形成されるデートマークの素材上の微細な凹凸のパターンの個体差を個体識別に利用しているためである。
[0105]
 図26は、同一の金型デートマークを組み込んだ製品金型によって製造された複数の製品の個体をデートマーク上の微細な凹凸のパターンの特徴量によって個体識別できるか否かを統計的に検証した結果の一例を示すグラフである。図26のグラフの縦軸は照合スコアを示し、横軸は照合箇所を示す。デートマークの場合、同一製品サンプルペアの照合スコアの分布171と、異なる製品サンプルペアの照合スコアの分布172とは完全に分離することが確認された。一方、デートマーク以外の箇所1と箇所2の2つを選定し、同様の検証を行った。その結果、箇所1の場合、同一製品サンプルペアの照合スコアの分布173と、異なる製品サンプルペアの照合スコアの分布174とは完全に分離するが、その分離の程度はデートマークより小さかった。また、箇所2の場合、同一製品サンプルペアの照合スコアの分布175と、異なる製品サンプルペアの照合スコアの分布175とは分離せず、照合に失敗する恐れがあった。
[0106]
 また本実施形態によれば、個体識別のための製造コストを抑えることができる。その理由は、製造時にランダムに形成されるデートマークの素材上の微細な凹凸のパターンの個体差を個体識別に利用するため、複数の製品のデートマークが表示する内容が同一であっても、製品の個体を識別することができるためである。
[0107]
 また本実施形態によれば、撮像条件および画像処理条件を事前に決定しておくことが容易に行える。その理由は、或る型番の金型デートマークに基づいて決定した好適な撮像条件および画像処理条件は、同一型番の金型デートマークを使用する既存製品および新製品のすべてに適用できるためである。
[0108]
 また本実施形態によれば、互いに類似する複数種類のデートマーク間の識別に有用な撮像条件および画像処理条件を決定することができる。その理由は、複数種類の撮像パラメータおよび画像処理パラメータのうちの特定のパラメータセットAの値を或る候補値とし、物体の撮像時の姿勢などの外乱要因であるパラメータセットBの値を変えてN(N≧2、好ましくはN≧3)種類の対象物(製品のデートマーク)のそれぞれを複数回撮像して得られた複数の画像を取得する撮像部101と、上記複数の画像のそれぞれから特徴量を抽出する特徴量抽出部104と、ペアを構成する2つの特徴量が同一の種類の対象物の複数の画像から抽出された特徴量ペアを、N種類の対象物のそれぞれについて第1の特徴量ペアとして生成し、ペアを構成する2つの特徴量が互いに異なる種類の対象物の複数の画像から抽出された特徴量ペアを、N種類の対象物の全ての組み合わせについて第2の特徴量ペアとして生成する特徴量ペア生成部106と、複数の第1の特徴量ペアの照合スコアの分布である第1の分布を生成し、第2の特徴量ペアの照合スコアの分布である第2の分布を生成する分布生成部110と、第1の分布と第2の分布との分離度に基づいて、パラメータセットAの上記候補値の採用可否を決定するパラメータ決定部113とを備えているためである。
[0109]
 なお、上記の説明では、個体識別装置100は、特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータを図8または図20に示す処理によって決定するように構成されている。しかし、本実施形態の変形例として、個体識別装置100は、特定の撮像パラメータを図8または図20に示す処理によって決定し、画像処理パラメータは予め定められた固定の値を使用するように構成されていてもよい。或いは、本実施形態の他の変形例として、個体識別装置100は、特定の画像処理パラメータを図8または図20に示す処理によって決定し、撮像パラメータは予め定められた固定の値を使用するように構成されていてもよい。
[0110]
[第2の実施形態]
 図27を参照すると、本発明の第2の実施形態に係る個体識別システム200は、パラメータ学習装置210と、パラメータ管理装置230と、個体登録装置240と、特徴量管理装置250と、個体照合装置260と、これらを相互に通信可能に接続するネットワーク270とから構成されている。これらの各装置210、230、240、250、260のそれぞれは、1台または複数台のコンピュータなどの情報処理装置で構成される。
[0111]
 パラメータ学習装置210は、金型デートマークの型番毎に撮像パラメータおよび画像処理パラメータを学習するように構成されている。パラメータ学習装置210は、例えば、金型デートマークを製造または販売する会社によって運営される。
[0112]
 図28は、パラメータ学習装置210の一例を示すブロック図である。図28を参照すると、パラメータ学習装置210は、撮像部211、条件制御部212、画像記憶部213、特徴量抽出部214、特徴量記憶部215、特徴量ペア生成部216、第1の特徴量ペア記憶部217、第2の特徴量ペア記憶部218、スコア算出部219、分布生成部220、分布記憶部221、パラメータ決定部223、パラメータ記憶部224、デートマーク情報入力部227、および、パラメータ登録部228を含んで構成されている。パラメータ登録部228以外の部分は、全体として学習手段を構成している。学習手段を構成する各部分は、図4に示した個体識別装置100における撮像部101、条件制御部102、画像記憶部103、特徴量抽出部104、特徴量記憶部105、特徴量ペア生成部106、第1の特徴量ペア記憶部107、第2の特徴量ペア記憶部108、スコア算出部109、分布生成部110、分布記憶部111、パラメータ決定部113、パラメータ記憶部224、デートマーク情報入力部117と同様の機能を有している。
[0113]
 パラメータ登録部228は、学習手段によって学習された撮像パラメータおよび画像処理パラメータを、金型デートマークの型番に対応付けて、パラメータ管理装置230に登録するように構成されている。
[0114]
 パラメータ管理装置230は、パラメータ学習装置210で学習された撮像パラメータおよび画像処理パラメータを、金型デートマークの型番に対応付けて記憶して管理するように構成されている。パラメータ管理装置230は、例えば、金型デートマークを製造または販売する会社、或いは、金型デートマークを使って製品を製造または販売する会社によって運営される。
[0115]
 図29は、パラメータ管理装置230の一例を示すブロック図である。図29を参照すると、パラメータ管理装置230は、パラメータデータベース231とコントローラ232とを含んで構成されている。パラメータデータベース231は、金型デートマークの型番に対応付けて撮像パラメータおよび画像処理パラメータをテーブルに記憶するように構成されている。例えば、テーブルの1つの行は1つのレコードで構成され、1つのレコードは、金型デートマークの型番、撮像パラメータ、画像処理パラメータの各項目で構成される。コントローラ232は、外部から入力される処理要求に応じて、パラメータデータベース231に対して、レコード単位でデータの追加、選択、削除、更新を行うように構成されている。
[0116]
 個体登録装置240は、登録対象製品のデートマーク画像から特徴量を抽出するように構成されている。個体登録装置240は、例えば、製品を製造または販売する会社によって運営される。
[0117]
 図30は、個体登録装置240の一例を示すブロック図である。図30を参照すると、個体登録装置240は、撮像部241、条件制御部242、画像記憶部243、特徴量抽出部244、およびデートマーク情報入力部247を含んで構成されている。これらは、図4に示した個体識別装置100における撮像部101、条件制御部102、画像記憶部103、特徴量抽出部104、デートマーク情報入力部117と同様の機能を有している。
[0118]
 特徴量管理装置250は、個体登録装置240で抽出された登録対象製品の特徴量に対応付けて製品の付帯情報を記憶して管理するように構成されている。特徴量管理装置250は、例えば、製品を製造または販売する会社によって運営される。
[0119]
 図31は、特徴量管理装置250の一例を示すブロック図である。図31を参照すると、特徴量管理装置250は、特徴量データベース251とコントローラ252とを含んで構成されている。特徴量データベース251は、登録対象製品の特徴量に対応付けて製品の付帯情報をテーブルに記憶するように構成されている。例えば、テーブルの1つの行は1つのレコードで構成され、1つのレコードは、登録対象製品の特徴量、登録対象製品の付帯情報の各項目で構成される。コントローラ252は、外部から入力される処理要求に応じて、特徴量データベース251に対して、レコード単位でデータの追加、選択、削除、更新を行うように構成されている。
[0120]
 個体照合装置260は、照合対象製品のデートマーク画像から特徴量を抽出し、この抽出した特徴量と特徴量管理装置250に記憶されている登録対象製品の特徴量とを照合するように構成されている。個体照合装置260は、例えば、製品を製造または販売する会社によって運営される。或いは、個体照合装置260は、個人が所有するスマートフォン等の携帯情報端末で実現される。
[0121]
 図31は、個体照合装置260の一例を示すブロック図である。図31を参照すると、個体照合装置260は、撮像部261、条件制御部262、画像記憶部263、特徴量抽出部264、判定部265、情報提示部266、デートマーク情報入力部267、スコア算出部269を含んで構成されている。これらは、図4に示した個体識別装置100における撮像部101、条件制御部102、画像記憶部103、特徴量抽出部104、判定部115、情報提示部116、デートマーク情報入力部117と同様の機能を有している。
[0122]
 次に、本実施形態に係る個体識別システム200の動作を説明する。個体識別システム200の動作は、以下の三つに大別される。
(a)特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する事前処理の動作
(b)個体登録の動作
(c)個体識別および個体照合の動作
[0123]
[特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する事前処理の動作]
 この動作は、パラメータ学習装置210により行われる。このときのパラメータ学習装置210の動作は、パラメータ登録部228の動作を除き、個体識別装置100における事前処理の動作と基本的に同じである。パラメータ登録部228は、パラメータ記憶部224から読み出した金型デートマークの型番とそれに対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータとで構成されるレコードを付加した追加要求をパラメータ管理装置230に送信する。パラメータ管理装置230のコントローラ232は、上記追加要求を受信すると、付加されているレコードをパラメータデータベース231のテーブルに追加する。これによって、パラメータデータベース231には、例えば図9に示したデータと同様なデータが記憶されることになる。
[0124]
[個体登録の動作]
 この動作は、個体登録装置240により行われる。このときの個体登録装置240の動作は、個体識別装置100における個体登録の動作と以下の点を除いて基本的に同じである。条件制御部242は、デートマーク情報入力部247から入力された金型デートマークの型番を指定した選択処理要求をパタメータ管理装置230へ送信する。パラメータ管理装置230のコントローラ232は、選択処理要求で指定された金型デートマークの型番を有するレコードをパラメータデータベース231から取得し、この取得したレコードを条件制御部242に返却する。条件制御部242は、返却されたレコードから撮像パラメータと画像処理パラメータを取得する。また、特徴量抽出部244は、抽出した特徴量と付帯情報とを含むレコードを付加した追加処理要求を特徴量管理装置250へ送信する。特徴量管理装置250のコントローラ252は、追加処理要求に付加されたレコードを特徴量データベース251のテーブルに追加する。これによって、特徴量データベース251には、例えば図23に示されるデータと同様なデータ、即ち、登録対象の製品に1対1に対応する特徴量および付帯情報が登録されることになる。
[0125]
[個体識別および個体照合の動作]
 この動作は、個体照合装置260により行われる。このときの個体照合装置260の動作は、個体識別装置100における個体識別および個体照合の動作と以下の点を除いて基本的に同じである。条件制御部262は、デートマーク情報入力部267から入力された金型デートマークの型番を指定した選択処理要求をパタメータ管理装置230へ送信する。パラメータ管理装置230のコントローラ232は、選択処理要求で指定された金型デートマークの型番を有するレコードをパラメータデータベース231から取得し、この取得したレコードを条件制御部262に返却する。条件制御部262は、返却されたレコードから撮像パラメータと画像処理パラメータを取得する。また、スコア算出部269は、全レコードの取得を要求する処理要求を特徴量管理装置250へ送信する。特徴量管理装置250のコントローラ252は、特徴量データベース251のテーブルの全レコードを応答としてスコア算出部269へ返却する。スコア算出部269は、各レコードから登録特徴量および付帯情報を取得する。
[0126]
 本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、特定の撮像パラメータおよび画像処理パラメータの値を決定する学習作業、登録製品に係る個体登録作業、個体識別・照合作業を、複数の装置、複数のオペレータで分担して実施することができる。
[0127]
[第3の実施の形態]
 次に、本発明の第3の実施の形態に係る個体識別装置について説明する。図33は、本実施の形態における個体識別装置300の構成を示すブロック図である。
[0128]
 図33を参照すると、個体識別装置300は、撮像手段301と抽出手段302とを含んで構成される。
[0129]
 撮像手段301は、製品に形成されたデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得するように構成されている。撮像手段301は、例えば図4の撮像部101と同様に構成することができるが、それに限定されない。撮像手段は撮影手段とも呼ぶ。
[0130]
 抽出手段302は、撮像手段301によって取得された画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を製品の個体を識別するデータとして抽出するように構成されている。抽出手段302は、例えば図4の特徴量抽出部104と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0131]
 このような構成を有する個体識別装置300は、以下のように動作する。即ち、先ず撮像手段301が、製品に形成されたデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する。次に抽出手段302が、撮像手段301によって取得された画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を製品の個体を識別するデータとして抽出する。
[0132]
 上記のように構成され動作する個体識別装置300によれば、個体識別のための製造コストを抑えることができる。その理由は、製造時にランダムに形成されるデートマークの素材上の微細な凹凸のパターンの個体差を個体識別に利用するため、複数の製品のデートマークが表示する内容が同一であっても、製品の個体を識別することができるためである。
[0133]
[第4の実施の形態]
 次に、本発明の第4の実施の形態に係る個体登録装置について説明する。図34は、本実施形態に係る個体登録装置400の構成を示すブロック図である。
[0134]
 図34を参照すると、個体登録装置400は、条件設定手段401と撮像手段402と特徴量抽出手段403とを含んで構成される。
[0135]
 条件設定手段401は、登録対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータをパラメータデータベースから取得し、取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定するように構成されている。撮像パラメータは、金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像する条件に係るパラメータである。また画像処理パラメータは、デートマークを撮像した画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係るパラメータである。条件設定手段401は、例えば図30の条件制御部242と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0136]
 撮像手段402は、設定された撮像条件の下で、登録対象製品に形成されたデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得するように構成されている。撮像手段402は、例えば図30の撮像部241と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0137]
 特徴量抽出手段403は、設定された画像処理条件の下で、撮像手段402で撮像した画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を登録対象製品の特徴量として抽出し、特徴量データベースに登録するように構成されている。特徴量抽出手段403は、例えば図30の特徴量抽出部244と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0138]
 このような構成を有する個体登録装置400は、以下のように動作する。即ち、先ず条件設定手段401が、登録対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータをパラメータデータベースから取得し、取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する。次に撮像手段402が、設定された撮像条件の下で、登録対象製品に形成されたデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する。次に特徴量抽出手段403が、設定された画像処理条件の下で、撮像手段402で撮像した画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を登録対象製品の特徴量として抽出し、特徴量データベースに登録する。
[0139]
 上記のように構成され動作する個体登録装置400によれば、個体識別のための製造コストを抑えることができる。その理由は、製造時にランダムに形成されるデートマークの素材上の微細な凹凸のパターンの個体差を個体識別に利用するため、複数の製品のデートマークが表示する内容が同一であっても、製品の個体を識別することができるためである。
[0140]
[第5の実施の形態]
 次に、本発明の第5の実施の形態に係る個体照合装置について説明する。図35は、本実施形態に係る個体照合装置500の構成を示すブロック図である。
[0141]
 図35を参照すると、個体照合装置500は、条件設定手段501と撮像手段502と特徴量抽出手段503と照合手段504とを含んで構成される。
[0142]
 条件設定手段501は、照合対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータをパラメータデータベースから取得し、取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定するように構成されている。撮像パラメータは、金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像する条件に係るパラメータである。また画像処理パラメータは、デートマークを撮像した画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係るパラメータである。条件設定手段501は、例えば図32の条件制御部262と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0143]
 撮像手段502は、設定された撮像条件の下で、照合対象製品に形成されたデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得するように構成されている。撮像手段502は、例えば図32の撮像部261と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0144]
 特徴量抽出手段503は、設定された画像処理条件の下で、撮像手段502で撮像された画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を照合対象製品の特徴量として抽出するように構成されている。特徴量抽出手段503は、例えば図32の特徴量抽出部264と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0145]
 照合手段504は、特徴量抽出手段503で抽出された照合対象製品の特徴量と登録特徴量とを照合するように構成されている。照合手段504は、例えば図32のスコア算出部269および判定部265と同様に構成することができるが、それに限定されない。
[0146]
 このような構成を有する個体照合装置500は、以下のように動作する。即ち、先ず条件設定手段501が、照合対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータをパラメータデータベースから取得し、取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する。次に撮像手段502が、設定された撮像条件の下で、照合対象製品に形成されたデートマークであって微細な凹凸が基材上にランダムに形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する。次に特徴量抽出手段503は、設定された画像処理条件の下で、撮像手段502で撮像された画像から微細な凹凸のパターンに係る特徴量を照合対象製品の特徴量として抽出する。次に照合手段504が、特徴量抽出手段503で抽出された照合対象製品の特徴量と登録特徴量とを照合する。
[0147]
 上記のように構成され動作する個体照合装置500によれば、個体識別のための製造コストを抑えることができる。その理由は、製造時にランダムに形成されるデートマークの素材上の微細な凹凸のパターンの個体差を個体識別に利用するため、複数の製品のデートマークが表示する内容が同一であっても、製品の個体を識別することができるためである。
[0148]
[その他の実施の形態]
 上記の実施形態では、事前に決定(学習)した撮像パラメータおよび画像処理パラメータを金型デートマークの型番に対応付けてデータベース等の記憶手段に記憶した。しかし、事前に決定(学習)した画像処理パラメータおよび画像処理パラメータを、金型デートマークの画像或いはその画像上の表示に対応付けてデータベース等の記憶手段に記憶するようにしてもよい。このような構成によれば、例えば照合対象とする製品のデートマークの画像或いはその画像上の表示をキーにデータベース等の記憶手段を検索することにより、そのデートマークの製造に使用した金型デートマークの型番に対応する撮像パラメータおよび画像処理パラメータを取得することができる。
[0149]
 また、製品の識別情報(例えば製品のシリアル番号やロット番号など)とその製品のデートマークの製造に使用した金型デートマークの型番との対応表を、デートマーク情報入力手段から参照可能なように事前に記憶しておくようにしてもよい。このような構成によれば、金型デートマークの型番の代わりに製品の識別情報が入力された場合、デートマーク情報入力手段は、入力された製品の識別情報に対応する金型デートマークの型番を、対応表を参照して取得し、取得した金型デートマークの型番をパラメータ記憶部や条件制御部に出力することができる。
[0150]
 以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。

産業上の利用可能性

[0151]
 本発明は、各種製品のトレーサビリティを確保する分野に適用できる。
[0152]
 上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別する個体識別装置であって、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する抽出手段と、
を備える個体識別装置。
[付記2]
 金型デートマークの型番毎に撮像パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
 前記デートマークの形成に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得するパラメータ取得手段と、
 前記取得された撮像パラメータで定まる撮像条件を設定する条件設定手段と、
をさらに備え、
 前記撮影手段は、前記設定された撮像条件の下で、前記画像を取得する、
付記1に記載の個体識別装置。
[付記3]
 前記パラメータ記憶手段は、前記金型デートマークの型番毎に、さらに、画像処理パラメータを記憶し、
 前記パラメータ取得手段は、さらに、前記金型デートマークの型番に対応する前記画像処理パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、
 前記条件設定手段は、さらに、前記取得された画像処理パラメータで定まる画像処理条件を設定し、
 前記抽出手段は、前記設定された画像処理条件の下で、前記特徴量を抽出する、
付記2に記載の個体識別装置。
[付記4]
 金型デートマークの型番毎に前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを、前記金型デートマークを使用して製造されたデートマークのサンプルを撮像した画像を用いて学習する学習手段を、さらに備える、
付記3に記載の個体識別装置。
[付記5]
 前記特徴量を登録特徴量として記憶する特徴量記憶手段を、さらに備える、
付記1乃至4の何れかに記載の個体識別装置。
[付記6]
 前記特徴量を照合に係る特徴量として登録特徴量と照合する照合手段を、さらに備える、
付記1乃至5の何れかに記載の個体識別装置。
[付記7]
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別する個体識別方法であって、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得し、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する、
個体識別方法。
[付記8]
 金型デートマークの型番毎に撮像パラメータを記憶するパラメータ記憶手段から、前記デートマークの形成に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータを取得し、
 前記取得した撮像パラメータで定まる撮像条件を設定し、
 前記画像の取得では、前記設定された撮像条件の下で、前記画像を取得する、
付記7に記載の個体識別方法。
[付記9]
 金型デートマークの型番毎に撮像パラメータおよび画像処理パラメータを記憶するパラメータ記憶手段から、前記デートマークの形成に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび画像処理パラメータを取得し、
 前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定し、
 前記画像の取得では、前記設定された撮像条件の下で、前記画像を取得し、
 前記特徴量の抽出では、前記設定された画像処理条件の下で、前記特徴量を抽出する、
付記7に記載の個体識別方法。
[付記10]
 金型デートマークの型番毎に前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを、前記金型デートマークを使用して製造されたデートマークのサンプルを撮像した画像を用いて学習する、
付記9に記載の個体識別方法。
[付記11]
 前記特徴量を登録特徴量として記憶する、
付記7乃至10の何れかに記載の個体識別方法。
[付記12]
 前記特徴量を照合に係る特徴量として登録特徴量と照合する、
付記7乃至11の何れかに記載の個体識別方法。
[付記13]
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別するコンピュータに、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する処理と、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する処理と、
を行わせるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
[付記14]
 金型デートマークの型番毎に、前記金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークを撮像する条件に係る撮像パラメータ、および前記デートマークを撮像した画像から凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係る画像処理パラメータを、前記金型デートマークの型番に対応付けて記憶するパラメータデータベースから、登録対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを取得し、前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する条件設定手段と、
 前記設定された撮像条件の下で、前記登録対象製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記設定された画像処理条件の下で、前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記登録対象製品の特徴量として抽出し、特徴量データベースに登録する特徴量抽出手段と、
を備える個体登録装置。
[付記15]
 金型デートマークの型番毎に、前記金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークを撮像する条件に係る撮像パラメータ、および前記デートマークを撮像した画像から凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係る画像処理パラメータを、前記金型デートマークの型番に対応付けて記憶するパラメータデータベースから、照合対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを取得し、前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する条件設定手段と、
 前記設定された撮像条件の下で、前記照合対象製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮像手段と、
 前記設定された画像処理条件の下で、前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記照合対象製品の特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
 前記照合対象製品の特徴量と登録特徴量とを照合する照合手段と、
を備える個体照合装置。

符号の説明

[0153]
10…製品
11…デートマーク
11a~11e…凹凸
12、13…ロゴ
20…製品
21…デートマーク
100…個体識別装置
101…撮像部
102…条件制御部
103…画像記憶部
104…特徴量抽出部
105…特徴量記憶部
106…特徴量ペア生成部
107…第1の特徴量ペア記憶部
108…第2の特徴量ペア記憶部
109…スコア算出部
110…分布生成部
111…分布記憶部
113…パラメータ決定部
114…パラメータ記憶部
115…判定部
116…情報提示部
117…デートマーク情報入力部
150…情報処理装置
151…撮影部
152…操作入力部
153…画面表示部
154…通信インタフェース部
155…記憶部
156…演算処理部
157…プログラム
161…カメラ
162…ズームレンズ
163…照明器
164…製品
165…テーブル
166…照明部
171~176…分布
200…個体識別システム
210…パラメータ学習装置
211…撮像部
212…条件制御部
213…画像記憶部
214…特徴量抽出部
215…特徴量記憶部
216…特徴量ペア生成部
217…第1の特徴量ペア記憶部
218…第2の特徴量ペア記憶部
219…スコア算出部
220…分布生成部
221…分布記憶部
223…パラメータ決定部
224…パラメータ記憶部
227…デートマーク情報入力部
228…パラメータ登録部
229…学習手段
230…パラメータ管理装置
231…パラメータデータベース
232…コントローラ
240…個体登録装置
241…撮像部
242…条件制御部
243…画像記憶部
244…特徴量抽出部
245…特徴量記憶部
250…特徴量管理装置
251…特徴量データベース
252…コントローラ
260…個体照合装置
261…撮像部
262…条件制御部
263…画像記憶部
264…特徴量抽出部
265…判定部
266…情報提示部
267…デートマーク情報入力部
270…ネットワーク
300…個体識別装置
301…撮像手段
302…抽出手段
400…個体登録装置
401…条件設定手段
402…撮像手段
403…特徴量抽出手段
500…個体照合装置
501…条件設定手段
502…撮像手段
503…特徴量抽出手段
504…照合手段

請求の範囲

[請求項1]
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別する個体識別装置であって、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する抽出手段と、
を備える個体識別装置。
[請求項2]
 金型デートマークの型番毎に撮像パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
 前記デートマークの形成に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得するパラメータ取得手段と、
 前記取得された撮像パラメータで定まる撮像条件を設定する条件設定手段と、
をさらに備え、
 前記撮影手段は、前記設定された撮像条件の下で、前記画像を取得する、
請求項1に記載の個体識別装置。
[請求項3]
 前記パラメータ記憶手段は、前記金型デートマークの型番毎に、さらに、画像処理パラメータを記憶し、
 前記パラメータ取得手段は、さらに、前記金型デートマークの型番に対応する前記画像処理パラメータを前記パラメータ記憶手段から取得し、
 前記条件設定手段は、さらに、前記取得された画像処理パラメータで定まる画像処理条件を設定し、
 前記抽出手段は、前記設定された画像処理条件の下で、前記特徴量を抽出する、
請求項2に記載の個体識別装置。
[請求項4]
 金型デートマークの型番毎に前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを、前記金型デートマークを使用して製造されたデートマークのサンプルを撮像した画像を用いて学習する学習手段を、さらに備える、
請求項3に記載の個体識別装置。
[請求項5]
 前記特徴量を登録特徴量として記憶する特徴量記憶手段を、さらに備える、
請求項1乃至4の何れかに記載の個体識別装置。
[請求項6]
 前記特徴量を照合に係る特徴量として登録特徴量と照合する照合手段を、さらに備える、
請求項1乃至5の何れかに記載の個体識別装置。
[請求項7]
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別する個体識別方法であって、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得し、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する、
個体識別方法。
[請求項8]
 金型デートマークの型番毎に撮像パラメータを記憶するパラメータ記憶手段から、前記デートマークの形成に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータを取得し、
 前記取得した撮像パラメータで定まる撮像条件を設定し、
 前記画像の取得では、前記設定された撮像条件の下で、前記画像を取得する、
請求項7に記載の個体識別方法。
[請求項9]
 金型デートマークの型番毎に撮像パラメータおよび画像処理パラメータを記憶するパラメータ記憶手段から、前記デートマークの形成に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび画像処理パラメータを取得し、
 前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定し、
 前記画像の取得では、前記設定された撮像条件の下で、前記画像を取得し、
 前記特徴量の抽出では、前記設定された画像処理条件の下で、前記特徴量を抽出する、
請求項7に記載の個体識別方法。
[請求項10]
 金型デートマークの型番毎に前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを、前記金型デートマークを使用して製造されたデートマークのサンプルを撮像した画像を用いて学習する、
請求項9に記載の個体識別方法。
[請求項11]
 前記特徴量を登録特徴量として記憶する、
請求項7乃至10の何れかに記載の個体識別方法。
[請求項12]
 前記特徴量を照合に係る特徴量として登録特徴量と照合する、
請求項7乃至11の何れかに記載の個体識別方法。
[請求項13]
 ランダムに形成された凹凸のパターンを表面に有する製品の個体を識別するコンピュータに、
 前記製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する処理と、
 前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記製品の個体を識別するデータとして抽出する処理と、
を行わせるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
[請求項14]
 金型デートマークの型番毎に、前記金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークを撮像する条件に係る撮像パラメータ、および前記デートマークを撮像した画像から凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係る画像処理パラメータを、前記金型デートマークの型番に対応付けて記憶するパラメータデータベースから、登録対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを取得し、前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する条件設定手段と、
 前記設定された撮像条件の下で、前記登録対象製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮影手段と、
 前記設定された画像処理条件の下で、前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記登録対象製品の特徴量として抽出し、特徴量データベースに登録する特徴量抽出手段と、
を備える個体登録装置。
[請求項15]
 金型デートマークの型番毎に、前記金型デートマークを使用して製造された製品のデートマークを撮像する条件に係る撮像パラメータ、および前記デートマークを撮像した画像から凹凸のパターンに係る特徴量を抽出する条件に係る画像処理パラメータを、前記金型デートマークの型番に対応付けて記憶するパラメータデータベースから、照合対象製品の製造に使用された金型デートマークの型番に対応する前記撮像パラメータおよび前記画像処理パラメータを取得し、前記取得した撮像パラメータおよび画像処理パラメータで定まる撮像条件および画像処理条件を設定する条件設定手段と、
 前記設定された撮像条件の下で、前記照合対象製品に形成されたデートマークを撮像して得られた画像を取得する撮像手段と、
 前記設定された画像処理条件の下で、前記デートマークを撮影した画像から前記凹凸のパターンに係る特徴量を前記照合対象製品の特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
 前記照合対象製品の特徴量と登録特徴量とを照合する照合手段と、
を備える個体照合装置。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]

[ 図 1D]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19A]

[ 図 19B]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]

[ 図 33]

[ 図 34]

[ 図 35]