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1. WO2020095799 - POLY(3-HYDROXYBUTYRATE)-BASED RESIN BOTTLE CONTAINER AND METHOD FOR PRODUCING SAME

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明 細 書

発明の名称 ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

非特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040  

実施例

0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 プラスチック容器の大半は最終的に固形物のゴミとなる。リサイクルの尽力が進む一方で、繰り返しの加工は機械特性の低下を生じることになる。従い、土壌環境中で分解するプラスチック容器が望まれている。そのようなプラスチック製品の一例として、ポリ乳酸などの生分解性樹脂を主成分として利用したものが知られている。
[0003]
 一方で、廃棄プラスチックが引き起こす環境問題がクローズアップされ、特に海洋投棄や河川などを経由して海に流入したプラスチックが、地球規模で多量に海洋を漂流していることが判ってきた。この様なプラスチックは長期間にわたって形状を保つため、海洋生物を拘束、捕獲する、いわゆるゴーストフィッシングや、海洋生物が摂取した場合は消化器内に留まり摂食障害を引き起こすなど、生態系への影響が指摘されている。
[0004]
 更には、プラスチックが紫外線などで崩壊・微粒化したマイクロプラスチックが、海水中の有害な化合物を吸着し、これを海生生物が摂取することで有害物が食物連鎖に取り込まれる問題も指摘されている。海洋中に漂流するプラスチックゴミの中でも、PETボトルなどのボトル容器は非常に多く、問題視されている。
[0005]
 この様なプラスチックによる海洋汚染に対し、生分解性プラスチックの使用が期待されるが、国連環境計画が2015年に取り纏めた報告書(非特許文献1)では、ポリ乳酸などのコンポストで生分解可能なプラスチックは、温度が低い実海洋中では短期間での分解が期待できないために、海洋汚染の対策にはなりえないと指摘されている。しかし一方、ボトル容器そのものは特に飲料や食品の携帯に有用であり、継続使用が望まれる。
[0006]
 特許文献1では、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンカーボネート、又はポリ乳酸を含む生分解性の農薬ボトルが記載されているが、ポリ乳酸などは先述の国連環境計画の報告書においても海洋中における生分解性が著しく低いとされており、海洋汚染に対する解決策としては不十分である。
[0007]
 この様な中、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂は海水中でも生分解が進行しうる材料であるため、海洋汚染の問題を解決する素材として注目されている。
[0008]
 また、ボトル容器は、飲料や食品の携行に使用されることから、落下した際に衝撃を受けても割れにくいことが求められる。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2001-348019号公報

非特許文献

[0010]
非特許文献1 : 国連環境計画2015,BIODEGRADABLE PLASTICS & MARINE LITTER

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 本発明は、上記現状に鑑み、海水中でも生分解する材料から構成され、かつ落下しても割れにくいボトル容器を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0012]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、海水中で生分解する材料であるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂から、落下しても割れにくいボトル容器を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0013]
 即ち、本発明は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂から構成されるボトル容器であって、該ボトル容器の側壁の厚みが0.1~5.0mmであるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器に関する。前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度の差が10℃以上であることが好ましい。また、前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂が、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)であることが好ましい。
[0014]
 また、本発明は、前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器を製造する方法であって、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を押出機中で溶融した後、環状ダイからチューブ形状に押出す工程、金型で前記チューブを両側面から挟み込む工程と、前記チューブに空気を吹込んでボトル形状に成形する工程を含み、前記環状ダイの温度を、前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度の間の温度に設定する、製造方法に関する。前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の155℃における溶融粘度が15000poise以上であることが好ましい。

発明の効果

[0015]
 本発明によれば、海水中でも生分解する材料から構成され、かつ落下しても割れにくいボトル容器を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下に、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[0017]
 本発明におけるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂とは、微生物から生産され得る脂肪族ポリエステル樹脂であって、3-ヒドロキシブチレートを繰り返し単位として含むポリエステル樹脂である。当該ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂は、3-ヒドロキシブチレートのみを繰り返し単位とするポリ(3-ヒドロキシブチレート)であってもよいし、3-ヒドロキシブチレートと他のヒドロキシアルカノエートとの共重合体であってもよい。また、前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂は、単独重合体と1種または2種以上の共重合体の混合物、又は、2種以上の共重合体の混合物であってもよい。
[0018]
 前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の具体例としては、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタデカノエート)等が挙げられる。中でも、工業的に生産が容易であることから、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)が好ましい。
[0019]
 更には、繰り返し単位の組成比を変えることで、融点、結晶化度を変化させ、ヤング率、耐熱性などの物性を変化させることができ、ポリプロピレンとポリエチレンとの間の物性を付与することが可能であること、また上記したように工業的に生産が容易であり、物性的に有用なプラスチックであるという観点から、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)が好ましい。特に、180℃以上の加熱下で熱分解しやすい特性を有するポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の中でも、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)は融点が低く低温での成形加工が可能となり、更に剛性が低減し本発明のボトル容器が割れにくくなる観点からも好ましい。
[0020]
 前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)の繰り返し単位の組成比は、柔軟性と強度のバランスの観点から、3-ヒドロキシブチレート単位/3-ヒドロキシヘキサノエート単位の組成比が80/20~99/1(mol/mol)であることが好ましく、75/15~97/3(mo1/mo1)であることがより好ましい。その理由は、柔軟性の点から99/1以下が好ましく、また樹脂が適度な硬度を有する点で80/20以上が好ましいからである。
[0021]
 ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)の市販品としては、株式会社カネカ「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(登録商標)などが挙げられる。
[0022]
 前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート)は、3-ヒドロキシブチレート成分と3-ヒドロキシバレレート成分の比率によって融点、ヤング率などが変化するが、両成分が共結晶化するため結晶化度は50%以上と高く、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)に比べれば柔軟ではあるが、脆性の改良は不充分である。
[0023]
 本発明のボトル容器は、押出ブロー成形からなる成形方法によって製造することができる。押出ブロー成形の基本は、押出機で加熱溶融された樹脂を環状ダイからチューブ形状(パリソン)に押出し、溶融状態のパリソンを金型で両側面から挟み込んでパリソンの下部をピンチオフするとともに融着させ、一端が閉じられたパリソンの内部に空気を吹込んでボトル形状に成形し、冷却後、金型を開いて成形品を取り出す方法である。
[0024]
 本発明では、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂として、示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度の差が10℃以上であるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を用いることが、成形時に生じ得るボトル容器の高さ方向(樹脂の流れ方向)での偏肉を低減しうることから好ましい。当該温度差が10℃以上であると、成形時において、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を溶融させると同時に、一部の結晶を溶融させずに残存させることが容易になるためである。これによって、溶融せずに残った結晶が溶融樹脂に張力を付与し、環状ダイから樹脂を押出すときに、溶融した樹脂が自重で伸びる「ドローダウン」を抑制することができる。これによりボトル容器の偏肉を抑制することができる。なお、前記「ドローダウン」が多く生じると、上側に位置する側壁の厚みが比較的薄くなると共に、下側に位置する側壁の厚みが比較的厚くなるため、ボトル容器の高さ方向で偏肉が生じ、ボトル容器の側壁の厚みが不均一になり得る。
[0025]
 前記温度差は、12℃以上であることがより好ましく、15℃以上であることがさらに好ましく、18℃以上であることがよりさらに好ましい。前記温度差の上限は特に限定されないが、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の製造の容易さの観点から、80℃以下であることが好ましく、75℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましく、65℃以下であることがより更に好ましく、60℃以下であることが特に好ましい。
[0026]
 本発明において、示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度は、以下の様に定義される。樹脂試料4~10mgをアルミパンに充填し、示差走査熱量分析器を用いて、窒素気流下、30℃から180℃まで10℃/分の速度で昇温して前記樹脂試料を融解した時に得られる吸熱曲線において、吸熱量が最大となった温度を融点ピーク温度とし、融点ピークが終了し吸熱が認められなくなった温度を融点ピークの終了温度、とした。なお、前記融点ピーク温度及び融点ピークの終了温度は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器に含まれるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂全体について測定される。
[0027]
 前記融点ピーク温度と融点ピークの終了温度の温度差が10℃以上であるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂としては、融点ピークがブロードで高融点成分を含むポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を使用することができる。また、当該融点ピークがブロードで高融点成分を含むポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂と、融点特性が異なる他のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂とを組み合わせて使用することもできる。
[0028]
 前記融点ピークがブロードで高融点成分を含むポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の具体的な製造方法は、例えば、国際公開第2015/146194号に記載されている。
[0029]
 本発明のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂以外の他の樹脂が含まれていてもよい。そのような他の樹脂としては、例えば、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂や、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンセバテートテレフタレート、ポリブチレンアゼレートテレフタレートなどの脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。他の樹脂としては1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
[0030]
 前記他の樹脂の含有量は、特に限定されないが、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂100重量部に対して、25重量部以下が好ましく、より好ましくは20重量部以下である。他の樹脂の含有量の下限は特に限定されず、0重量部であってもよい。
[0031]
 また、本発明のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器には、本発明の効果を阻害しない範囲で、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂と共に使用可能な添加剤が含まれていてもよい。そのような添加剤としては、無機充填剤、顔料、染料などの着色剤、活性炭、ゼオライト等の臭気吸収剤、バニリン、デキストリン等の香料、可塑剤、酸化防止剤、抗酸化剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、滑剤、離型剤、撥水剤、抗菌剤、摺動性改良剤等が挙げられる。添加剤としては1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これら添加剤の含有量は、その使用目的に応じて当業者が適宜設定可能である。
[0032]
 本発明において、ボトル容器とは、少なくとも、略円形または多角形状の底壁と、該底壁に連結して直立した側壁と、上部に開口部と、場合により上壁とを有する中空状の容器を指し、通常、内部に液体や固体などを収納するために使用され、開口部を通じて内容物を出し入れすることができる。本発明のボトル容器の側壁の厚みは、耐衝撃性と携帯性のバランスの観点から、通常、0.1~5.0mmの範囲であり、好ましくは0.3~2.0mmである。
[0033]
 本発明のボトル容器は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂より構成されながら耐衝撃性を確保する観点から、側壁の厚みの均一性が高くなるように成形されたものであることが好ましい。具体的には、本発明のボトル容器の側壁の最大厚みに対する最小厚みの比が0.7以上となるように成形されたものであることが好ましい。このように側壁の厚みに均一性を持たせることで、ボトル容器が落下した際に衝撃を受けても割れにくくなる。前記比は、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.80以上、さらに好ましくは0.85以上、より更に好ましくは0.90以上である。
[0034]
 なお、本発明において、ボトル容器の側壁の厚み、及び、側壁の最大厚みに対する最小厚みの比を決定する時には、ボトル容器の底壁および上壁の厚みや、ボトル容器の開口部を構成する壁部の厚みは考慮しない。また、側壁と底壁、上壁または開口部とを接続する角部の厚みや、側壁に設けた凹凸部における角部の厚みも考慮しない。さらに、側壁のなかでも、手によるボトル容器の持ちやすさや、意匠性、生産性等の向上を目的にして、他の側壁よりも厚く形成された側壁の厚みについても考慮しない。
[0035]
 また本発明のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器の高さは、特に限定されないが、持ち運び性の観点から、50cm以下が好ましく、40cm以下がより好ましく、30cm以下がさらに好ましい。
[0036]
 次に、本発明のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器を製造する方法について説明する。
[0037]
 本発明のボトル容器は、押出ブロー成形からなる成形方法によって製造することができ、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を押出機中で溶融した後、押出機出口に接続されている環状ダイからチューブ形状に押出す工程、溶融している前記チューブを金型で両側面から挟み込む工程と、一端が閉じられた前記チューブに空気を吹込んで金型に合わせてボトル形状に成形すると同時に冷却固化することによって製造することができる。押出ブロー成形の具体的な条件は、常法に従って当業者が適宜設定することができる。
[0038]
 ボトル容器の成形加工を容易に実現するため、本発明では、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器の製造において、前記環状ダイの温度を、該ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度の間の温度に設定することが好ましい。この条件を採用することで、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を成形加工可能なレベルまで溶融させると同時に、溶融樹脂中に結晶の一部が残存することになり、これによって押出後の溶融樹脂がドローダウンすることを抑制でき、ボトル容器の側壁厚みの均一性を高めることができる。
[0039]
 また、本発明のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器の製造方法では、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂として、155℃における溶融粘度が15000poise以上を示すポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を用いることが好ましい。このように溶融粘度が高いポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を用いることによって、押出後の溶融樹脂のドローダウンを抑制することができ、これによって、ボトル容器の側壁厚みの均一性を高めることができる。前記溶融粘度は、16000poise以上であることがより好ましく、17000poise以上であることがさらに好ましく、18000poise以上であることがよりさらに好ましい。前記溶融粘度の上限は特に限定されないが、ボトル容器の表面平滑性や環状ダイの圧力上昇防止の観点から、30000poise以下であることが好ましい。なお、前記溶融粘度は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器に含まれるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂全体(無機充填剤等の添加剤を含むボトル容器である場合は、該添加剤を含む樹脂全体)について測定される値である。
[0040]
 また本発明のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器には、本発明の効果を損なわない範囲で、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、その他の無機充填剤が1種または2種以上含まれていてもよい。
実施例
[0041]
 以下に実施例と比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[0042]
 (使用した樹脂原料)
 樹脂原料1:カネカ製、カネカ生分解性ポリマーPHBH TM X131A 〔ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)〕
 樹脂原料2:カネカ製、カネカ生分解性ポリマーPHBH TM 151C 〔ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)〕
 樹脂原料の融点特性を表1に示す。
[0043]
 (示差走査熱量分析評価)
 樹脂試料4~10mgをアルミパンに充填し、示差走査熱量分析器を用いて、窒素気流下、30℃から180℃まで10℃/分の速度で昇温して樹脂試料が融解した時に得られる吸熱曲線において、吸熱量が最大となった温度を融点ピーク温度とし、融点ピークが終了し吸熱が認められなくなった温度を融点ピークの終了温度とした。
[0044]
 (溶融粘度の測定方法)
 口径1mm、長さ10mm、流入角45°のオリフィスを装着し、155℃に加熱したキャピログラフ(シリンダー径10mm)に樹脂試料15gを充填し、3分間予熱した後に、ピストンを10mm/minの速度で降下させて前記オリフィスから溶融樹脂を押出す際の、ピストンにかかる応力から、剪断速度122/sでの溶融粘度を算出した。
[0045]
[表1]


[0046]
 (ボトル容器の形状評価)
 ボトル容器をニッパーにて高さ方向(成形時の流れ方向)に沿って切断し、ノギスを用いて高さ方向断面の厚みを5mm毎に計測し、最大厚みと最小厚みを計測し、最大厚みに対する最小厚みの比を求めた。
[0047]
 (ボトル容器の耐衝撃性評価)
 ボトル容器に水を380ml入れ、蓋をして0.5m又は1mの高さから落とし、ボトル容器が割れなければ○、割れれば×とした。
[0048]
 (ボトル容器の海水中での生分解性評価)
 目開き80μのメッシュで異物を除去した海水(兵庫県高砂市の港湾部から採取)6Lと、ASTM D-7081に準じて3gの塩化アンモニウムと、0.6gのリン酸2カリウムとをプラスチックコンテナに入れ、ボトル容器を投入し、3ヵ月後の重量保持率を算出した。ただし、ボトル容器の口部、底部は厚みが安定せず生分解性の比較が困難であるために切除し、ボトル容器の側壁のみを投入した。なお、海水は水温を23℃に保った。
[0049]
 <実施例1>
 φ40mmの単軸押出機のシリンダー温度を150℃、ダイ温度を150℃に設定し、樹脂原料1を投入して溶融させ、環状ダイから、下方にチューブ形状(パリソン)に押出し、ダイから下方に20cm離した位置にある金型で前記パリソンを両側面から挟み込んでパリソンの下部をピンチオフするとともに融着させ、一端が閉じられたパリソンの内部に空気を吹き込むことでパリソンを成形及び冷却固化させることで、上部に開口部を有し外径60mm、高さ14cmのボトル容器を得た。評価結果を表2に示す。
[0050]
 <実施例2>
 加工に用いる樹脂原料を樹脂原料1と樹脂原料2を等量配合した混合物に変更した以外は実施例1と同様にしてボトル容器を得た。得られたボトル容器の評価結果を表2に示す。
[0051]
 <実施例3>
 加工に用いる樹脂原料を樹脂原料2に変更した以外は実施例1と同様にしてボトル容器を得た。得られたボトル容器の評価結果を表2に示す。
[0052]
 <比較例1>
 加工に用いる原料をポリ乳酸(ネイチャーワークス製Ingeo10361D)に変更した以外は実施例1と同様にしてボトル容器を得た。得られたボトル容器の評価結果を表2に示す。
[0053]
[表2]


[0054]
 表2より、実施例1~3において得られたボトル容器は、海水中での生分解性が良好であったことが分かる。また、各実施例に示すボトル容器は耐衝撃性が良好で、特に実施例2及び3において得られたボトル容器は側壁に偏肉が少なく耐衝撃性に優れていることが分かる。一方、比較例1で得られたボトル容器は海水中での生分解性をまったく示さず、十分な耐衝撃性も示さなかった。

請求の範囲

[請求項1]
 ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂から構成されるボトル容器であって、該ボトル容器の側壁の厚みが0.1~5.0mmである、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器。
[請求項2]
 前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度の差が10℃以上である、請求項1に記載のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器。
[請求項3]
 前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂が、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)である、請求項1又は2に記載のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか1項に記載のポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂ボトル容器を製造する方法であって、
 ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を押出機中で溶融した後、環状ダイからチューブ形状に押出す工程、金型で前記チューブを両側面から挟み込む工程と、一端が閉じられた前記チューブに空気を吹込んでボトル形状に成形する工程を含み、
 前記環状ダイの温度を、前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の示差走査熱量分析における融点ピーク温度と、融点ピークの終了温度の間の温度に設定する、製造方法。
[請求項5]
 前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂の155℃における溶融粘度が15000poise以上である、請求項4に記載の製造方法。