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1. (WO2019065131) FRONT FORK AND METHOD FOR MANUFACTURING FRONT FORK
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明 細 書

発明の名称 フロントフォーク、及びフロントフォークの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : フロントフォーク、及びフロントフォークの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、フロントフォークと、フロントフォークの製造方法の改良に関する。

背景技術

[0002]
 従来、フロントフォークの中には、アウターチューブ内に移動可能に挿入されたインナーチューブの内側にダンパを設け、そのダンパのシリンダをインナーチューブに連結するとともに、ダンパのロッドをアウターチューブに連結したものがある。
[0003]
 そして、このようなフロントフォークでは、例えば、JP2011-094647Aに記載のように、シリンダのアウターチューブ側の端部に嵌合するヘッド部材が、インナーチューブの内周にピンで取り付けられる環状のストッパ部と、シリンダのアウターチューブ側の端部に嵌合されてストッパ部の内周に螺合するシリンダヘッド部とを有して構成されることがある。
[0004]
 当該構成によれば、インナーチューブに取り付けられたストッパ部にシリンダヘッド部を捻じ込んでいくと、シリンダがインナーチューブにおける反アウターチューブ側の開口を塞ぐ蓋部に押し付けられて、シリンダに軸方向に力(軸力)が加わる。このため、シリンダがインナーチューブ内にガタツキなく固定される。
[0005]
 つまり、上記構成によれば、シリンダをインナーチューブ内に固定するにあたり、シリンダに螺子加工を施す必要がなく、ダンパに作用する引張力をインナーチューブで負担できるので、シリンダの肉厚を薄くして軽量化できる。さらに、蓋部がインナーチューブに固定されているのを前提とすると、シリンダを固定するための螺合部が、ストッパ部とシリンダヘッド部との螺合部の一カ所になるので、螺子加工及び螺合作業が少なくなり、コストを低減できる。

発明の概要

[0006]
 上記従来のフロントフォークでは、ストッパ部をインナーチューブの内周に装着するのに複数のピンを利用しており、インナーチューブとストッパ部には、それぞれ、ピンと同数の孔が周方向に並べて形成されている。
[0007]
 ピンは、ストッパ部の内周側からストッパ部の孔を通ってインナーチューブの孔に挿通されるとともに、スナップリングによりインナーチューブ側へ附勢される。これにより、ストッパ部がインナーチューブの内周に保持される。そして、このように保持されたストッパ部の内周にシリンダヘッド部を螺合することで、シリンダがヘッド部材と蓋部との間に軸力を受けた状態で挟持される。
[0008]
 つまり、従来のフロントフォークでは、シリンダをインナーチューブの内側に固定するのに、ストッパ部、シリンダヘッド部、ピン、及びスナップリングが必要になるので部品数が多い。また、ストッパ部とシリンダヘッド部とを螺合しており、この部分については螺子加工及び螺合作業が必要になる。このため、さらなるコスト低減の余地がある。
[0009]
 そこで、本発明は、このような問題を解決し、シリンダをインナーチューブ内に固定するための部品数、螺子加工、及び螺合作業を減らしてコストを低減できるフロントフォーク、及びフロントフォークの製造方法の提供を目的とする。
[0010]
 本発明のフロントフォークは、一端からアウターチューブ内に移動可能に挿入されるインナーチューブの他端を閉塞する蓋部と、インナーチューブ内に設けられるシリンダと、シリンダの反蓋部側に嵌合するヘッド部材とを備え、シリンダとヘッド部材が、インナーチューブに形成された加締め部と蓋部により軸力を受けた状態で挟持されている。
[0011]
 また、本発明の上記フロントフォークの第一の製造方法は、蓋部を装着したインナーチューブにシリンダとヘッド部材を挿入し、シリンダとヘッド部材に軸力を加えた状態でインナーチューブを加締め加工して加締め部を形成する。
[0012]
 また、本発明の上記フロントフォークの第二の製造方法は、インナーチューブ内にシリンダとヘッド部材を挿入し、インナーチューブを加締め加工して形成した加締め部でヘッド部材を支えた状態で、蓋部をインナーチューブに螺合してシリンダとヘッド部材に軸力を加える。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークを部分的に切欠いて示した正面図である。
[図2] 図2は、図1の一部を拡大して示した部分拡大縦断面図である。
[図3] 図3は、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークにおけるヘッド部材の第一の変形例を示し、ヘッド部材部分を拡大して示した部分拡大縦断面図である。
[図4] 図4は、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークにおけるヘッド部材の第二の変形例を示し、ヘッド部材部分を拡大して示した部分拡大縦断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に本発明の実施の形態のフロントフォークについて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
[0015]
 図1に示す本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFは、鞍乗型車両の前輪を懸架する懸架装置である。以下の説明では、フロントフォークFが車両に取り付けられた状態での上下を、特別な説明がない限り、フロントフォークFの「上」「下」とする。
[0016]
 フロントフォークFは、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材Tと、このチューブ部材T内に収容されるダンパD、及び懸架ばねSとを備える。
[0017]
 チューブ部材Tは、倒立型となっており、アウターチューブ1を上側(車体側)へ、インナーチューブ2を下側(車輪側)へ向けて配置される。つまり、本実施の形態では、アウターチューブ1が車体側チューブ、インナーチューブが車輪側チューブとなる。
[0018]
 アウターチューブ1は、車体側ブラケット(図示せず)を介して車両の車体に連結される。その一方、インナーチューブ2は、車輪側ブラケット20を介して前輪の車軸に連結される。このようにしてフロントフォークFは車体と車軸との間に介装される。そして、車両が凹凸のある路面を走行する等して前輪が上下に振動すると、インナーチューブ2がアウターチューブ1に出入りしてフロントフォークFが伸縮する。
[0019]
 なお、チューブ部材Tは、正立型になっていて、アウターチューブ1を車輪側チューブ、インナーチューブ2を車体側チューブとしてもよい。また、フロントフォークFが搭載される鞍乗型車両とは、鞍に跨るような姿勢で乗員が乗車するタイプの車両全般のことであり、自動二輪車(スクーターを含む)、三輪車等を含む。そして、本発明に係るフロントフォークFは、如何なる鞍乗型車両に利用されていてもよい。
[0020]
 つづいて、アウターチューブ1の上端は、キャップ10で塞がれており、当該キャップ10がアウターチューブ1の上端を塞ぐ蓋部となっている。また、インナーチューブ2の下端は、車輪側ブラケット20で塞がれており、当該車輪側ブラケット20がインナーチューブ2の下端を塞ぐ蓋部となっている。さらに、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間は、シール部材11で塞がれている。
[0021]
 このようにしてチューブ部材Tの内側は密閉空間とされており、チューブ部材Tの内側にダンパDが収容されている。また、チューブ部材TとダンパDとの間には、液溜室Rが形成されており、この液溜室Rには作動油等の液体が貯留されるとともに、その液面上側に気体が封入されている。そして、この液溜室Rに懸架ばねSが収容されている。
[0022]
 ダンパDは、液体を収容するシリンダ3と、このシリンダ3内に摺動自在に挿入されるピストン4と、一端がピストン4に連結されて他端がシリンダ3外へ突出するロッド5と、シリンダ3の一端に嵌合してロッド5の挿通を許容する環状のヘッド部材6と、シリンダ3の他端に嵌合するボトム部材7とを備える。
[0023]
 また、ダンパDは、正立型となっており、シリンダ3外へ突出するロッド5をシリンダ3の上側(車体側)へ向けて配置されている。そして、ロッド5がキャップ10を介してアウターチューブ1に連結されるとともに、シリンダ3がインナーチューブ2に連結されている。
[0024]
 このようにしてダンパDはアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装されている。そして、フロントフォークFが伸縮すると、ロッド5がシリンダ3に出入りしてダンパDが伸縮し、ピストン4がシリンダ3内を上下に移動する。なお、シリンダ3をインナーチューブ2に連結する構造については、後に詳細に説明する。
[0025]
 シリンダ3の上下の開口は、ヘッド部材6とボトム部材7とでそれぞれ塞がれている。そして、シリンダ3内には、液体が充填される液室が形成されており、この液室は、ピストン4で上側(ロッド5側)の伸側室L1と、下側(ピストン4側)の圧側室L2とに区画されている。
[0026]
 ピストン4には、伸側室L1と圧側室L2とを連通する伸側通路4aと圧側通路4bが形成されている。また、ピストン4の下側には、伸側通路4aの出口を開閉する伸側バルブ40が積層されている。この伸側バルブ40は、減衰バルブであり、伸側通路4aを伸側室L1から圧側室L2へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに、その逆向きの流れを阻止する。その一方、ピストン4の上側には、圧側通路4bの出口を開閉する圧側バルブ41が積層されている。この圧側バルブ41は、チェックバルブであり、圧側通路4bを圧側室L2から伸側室L1へ向かう液体の流れを許容するが、その逆向きの流れを阻止する。
[0027]
 つづいて、ボトム部材7は、シリンダ3の下端に嵌合する嵌合部7aと、この嵌合部7aの下端部から横方向へ張り出すフランジ部7bとを有する。このフランジ部7bは、シリンダ3の下側へ突出し、シリンダ3と車輪側ブラケット20とで挟まれる。さらに、フランジ部7bには、液溜室Rの液体を嵌合部7aの下側へ導く切欠き7cが形成されており、嵌合部7aには、切欠き7cを介して圧側室L2と液溜室Rとを連通する吸込通路7dと排出通路7eが形成されている。
[0028]
 また、嵌合部7aの上側には、吸込通路7dの出口を開閉する吸込バルブ70が積層されている。この吸込バルブ70は、チェックバルブであり、吸込通路7dを液溜室Rから圧側室L2へ向かう液体の流れを許容するが、その逆向きの流れを阻止する。その一方、嵌合部7aの下側には、排出通路7eの出口を開閉する排出バルブ71が積層されている。この排出バルブ71は、減衰バルブであり、排出通路7eを圧側室L2から液溜室Rへ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに、その逆向きの流れを阻止する。
[0029]
 上記構成によれば、フロントフォークFが伸長してロッド5がシリンダ3から退出し、ピストン4がシリンダ3内を上方へ移動して伸側室L1が縮小すると、伸側室L1の液体が伸側バルブ40を押し開き、伸側通路4aを通って圧側室L2へ移動する。当該液体の流れに対しては、伸側バルブ40により抵抗が付与されるので、伸側室L1の圧力が上昇し、ダンパDが伸長作動を妨げる伸側の減衰力を発揮する。また、伸長時には、吸込バルブ70が開いて、シリンダ3から退出したロッド体積分の液体が吸込通路7dを通じて液溜室Rから圧側室L2へ供給される。
[0030]
 反対に、フロントフォークFが収縮してロッド5がシリンダ3内へ侵入し、ピストン4がシリンダ3内を下方へ移動して圧側室L2が縮小すると、圧側室L2の液体が圧側バルブ41を開き、圧側通路4bを通って伸側室L1へ移動する。さらに、収縮時には、圧側室L2の液体が排出バルブ71を押し開き、シリンダ3内へ侵入したロッド体積分の液体が排出通路7eを通じて液溜室Rへ排出される。当該液体の流れに対しては、排出バルブ71により抵抗が付与されるので、シリンダ3内の圧力が上昇し、ダンパDが収縮作動を妨げる圧側の減衰力を発揮する。
[0031]
 なお、ダンパDの構成は、上記の限りではなく適宜変更できる。例えば、伸側室L1、圧側室L2、液溜室R等の各部屋を連通する通路の構成、及び、その通路に設けるバルブの構成は、適宜変更できる。さらに、液体の流れに抵抗を与えるのにオリフィス、又はチョーク等を利用してもよい。
[0032]
 また、チューブ部材Tが正立型になっている場合には、ダンパDが倒立型になっていて、シリンダ3から下側へロッド5を突出させてもよい。さらに、本実施の形態では、ダンパDが片ロッド型になっており、液溜室Rがシリンダ3に出入りするロッド5の体積補償をするためのリザーバとして機能する。
[0033]
 しかし、フリーピストン、ブラダ等を利用してシリンダ3内に膨縮可能な気室を形成し、当該気室でシリンダ3に出入りするロッド5の体積補償をしてもよい。さらに、ダンパDが両ロッド型になっていて、ロッドがピストン4の両側からシリンダ3外へ突出していてもよく、この場合には、シリンダ3に出入りするロッドの体積補償をする必要がない。
[0034]
 また、本実施の形態では、シリンダ3、ロッド5、及びヘッド部材6が、液体の流れに抵抗を与えて減衰力を発生する液圧ダンパであるダンパDを構成する部材であるが、これらは液圧ダンパ以外に利用されていなくてもよい。この場合、例えば、通路が形成されたピストン4及びボトム部材7、並びに、通路を開閉するバルブ等を廃し、シリンダ3内に収容した懸架ばねをロッド5で圧縮するようにして、シリンダ3、ロッド5、ヘッド部材6、及び懸架ばねでばね装置を構成するとしてもよい。
[0035]
 つづいて、ヘッド部材6は、シリンダ3の上端に嵌合するシリンダヘッド部8と、このシリンダヘッド部8の上側に積層される環状のストッパ部9とを有して構成されている。
[0036]
 ストッパ部9の外周には、周方向に沿って環状溝9aが形成されている。そして、当該ストッパ部9をインナーチューブ2内へ挿入した状態で、インナーチューブ2において環状溝9aと対向する部分を加締めて内周側へ突出させ、その部分(以下、加締め部2aという)を環状溝9aに嵌め込む。すると、ストッパ部9がインナーチューブ2に保持される。
[0037]
 また、ストッパ部9の上側には、懸架ばねSが積層されている。この懸架ばねSは、コイルばねであり、その上端をキャップ10で支持されている(図1)。キャップ10はアウターチューブ1に連結されるので、懸架ばねSの上端は、キャップ10を介してアウターチューブ1で支持されているといえる。その一方、懸架ばねSの下端は、ストッパ部9を介してインナーチューブ2で支持される。
[0038]
 このようにして懸架ばねSはアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装されている。そして、フロントフォークFが収縮してインナーチューブ2がアウターチューブ1内へ侵入すると、懸架ばねSが圧縮されて弾性変形し、その変形量に見合った弾性力を発揮してフロントフォークFを伸長方向へ附勢する。フロントフォークFでは、この懸架ばねSで車体を弾性支持するようになっている。
[0039]
 なお、懸架ばねSの構成及び配置は、適宜変更できる。例えば、懸架ばねSは、エアばね等のコイルばね以外のばねであってもよい。このように、懸架ばねSをエアばねにした場合には、液溜室Rの液面上側に気体を圧縮しながら封入し、当該気体を封入した気室を上記エアばねに利用してもよい。また、懸架ばねSは、シリンダ3内に収容されていて、ロッド5により圧縮されるとしてもよい。
[0040]
 つづいて、シリンダヘッド部8は、図2に示すように、内周にブッシュ80が嵌合する環状のガイド部8aと、このガイド部8aの上側に連なり、外径がガイド部8aの外径よりも大きい環状の嵌合部8bと、この嵌合部8bの上側に連なり、外径が嵌合部8bの外径よりも大きい筒状のケース部8cと、このケース部8cの上端に連なり、外径が上端へ向かうに従って徐々に拡径する円錐台形状のテーパ部8dと、このテーパ部8dの上端に連なり、ストッパ部9を支える環板状の支持部8eとを有し、軸方向視で環状となっている。
[0041]
 そして、嵌合部8bがシリンダ3の上端部内周に嵌合するとともに、ブッシュ80が環状であってロッド5の外周に摺接する。つまり、シリンダヘッド部8は、ブッシュ80を介してロッド5を摺動自在に軸支しており、ロッドガイドとして機能する。
[0042]
 さらに、テーパ部8dには、通孔8fが形成されるとともに、ストッパ部9の内径がロッド5の外径よりも大きく設定されており、液溜室Rがヘッド部材6で仕切られないように配慮されている。このため、フロントフォークFの伸縮時にシリンダ3内外を液体が移動すると、その分の液体が通孔8fとストッパ部9の内周側を通ってヘッド部材6の上側とシリンダ3の外周側との間を行き来する。
[0043]
 また、本実施の形態では、図1に示すように、シリンダヘッド部8とピストン4との間に伸切ばね42が設けられており、フロントフォークFの最伸長時の衝撃を伸切ばね42で緩和する。
[0044]
 また、シリンダヘッド部8のケース部8cは、液溜室Rの液中に浸漬した状態に設けられている。そして、シリンダ3外へ突出するロッド5の外周には、ロックピース50が設けられており、フロントフォークFの最収縮時にロックピース50でケース部8c内の液体を閉じ込め、その液圧でフロントフォークFの収縮作動を停止させる。このような液圧ロック機構を利用すると、フロントフォークFの最収縮時の衝撃を緩和できる。
[0045]
 なお、液圧ロック機構の構成は、適宜変更できる。さらに、最伸長時又は最伸長時の衝撃を緩和するための構成も、適宜変更できる。例えば、最伸長時の衝撃を緩和するのに、上記した伸切ばね42に替えて、クッションゴム、又は液圧ロック機構等を利用してもよい。また、最収縮時の衝撃を緩和するのに、上記した液圧ロック機構に替えて、ばね、又はクッションゴム等を利用してもよい。
[0046]
 つづいて、本実施の形態に係るフロントフォークFの製造方法について説明する。
[0047]
 まず、車輪側ブラケット20を装着したインナーチューブ2の内側に、ダンパDを挿入する。このとき、シリンダ3の両端には、それぞれシリンダヘッド部8とボトム部材7が軽圧入されており、シリンダ3内には、先端にピストン4が装着されたロッド5が挿入されている。また、ダンパDをインナーチューブ2の内側に挿入した状態で、ストッパ部9は、シリンダヘッド部8の支持部8eに積層された状態となっている。
[0048]
 なお、このダンパ挿入工程において、ストッパ部9を除いたダンパDをインナーチューブ2内へ挿入してからストッパ部9をインナーチューブ2内へ挿入してもよく、ストッパ部9をシリンダヘッド部8に積層した状態で、ダンパDをインナーチューブ2内へ挿入してもよい。
[0049]
 次に、ストッパ部9に軸方向へ力を加えて、ストッパ部9、シリンダヘッド部8、シリンダ3、及びボトム部材7を車輪側ブラケット20へ押し付けつつ、インナーチューブ2において環状溝9aに対応する部分を加締め、加締め部2aを環状溝9aに嵌合させる。すると、ストッパ部9、シリンダヘッド部8、シリンダ3、及びボトム部材7が、加締め部2aと車輪側ブラケット20との間に軸力を受けた状態で挟持される。よって、これらがインナーチューブ2内にガタツキなく固定される。
[0050]
 次に、インナーチューブ2の外周に、車輪側ブラケット20の反対側(反車軸側ブラケット側)からアウターチューブ1を装着する。このアウターチューブ1には、シール部材11及びブッシュ12が装着されている。そして、インナーチューブ2内に懸架ばねSを挿入するとともに液体を注ぎ入れ、ロッド5にキャップ10を連結してから、キャップ10をアウターチューブ1に連結する。
[0051]
 なお、インナーチューブ2の外周に、反車輪側ブラケット側からアウターチューブ1を装着するのが難しい場合には、ダンパDをインナーチューブ2内へ挿入する前にインナーチューブ2の外周にアウターチューブ1を装着しておいてもよい。また、シリンダ3等に軸力を加えた状態で加締め加工が可能であれば、加締め加工時にインナーチューブ2内に懸架ばねSが挿入されていても、ロッド5にキャップ10が装着されていてもよい。
[0052]
 以下、本実施の形態に係るフロントフォークFの作用効果について説明する。
[0053]
 本実施の形態において、フロントフォークFは、アウターチューブ1と、上端(一端)からアウターチューブ1内に移動可能に挿入されるインナーチューブ2と、インナーチューブ2の下端(他端)を閉塞する車輪側ブラケット(蓋部)20と、インナーチューブ2内に設けられるシリンダ3と、アウターチューブ1に連結されてシリンダ3内に移動可能に挿入されるロッド5と、シリンダ3の上端(反車輪側ブラケット(蓋部)側)に嵌合してロッド5の挿通を許容するヘッド部材6とを備える。
[0054]
 そして、本実施の形態に係るフロントフォークFでは、シリンダ3とヘッド部材6が、インナーチューブ2に形成された加締め部2aと車輪側ブラケット(蓋部)20により軸力を受けた状態で挟持されている。
[0055]
 このように、本実施の形態では、車輪側ブラケット20と加締め部2aとの間にシリンダ3とヘッド部材6を挟んで固定している。このため、シリンダ3をインナーチューブ2内に固定するにあたり、従来のフロントフォークで利用されるピン、及びスナップリングが不要になる。よって、上記構成によれば、フロントフォークFの部品数を従来よりも少なくできる。
[0056]
 また、上記構成によれば、シリンダ3をインナーチューブ2内に固定するにあたり、シリンダ3に螺子加工を施す必要がなく、ダンパDに作用する引張力をインナーチューブ2で負担できるので、シリンダ3の肉厚を薄くして軽量化できる。さらに、車輪側ブラケット(蓋部)20がインナーチューブ2に固定されているのを前提とすると、シリンダ3をインナーチューブ2内に固定するための螺合部が不要になる。このため、フロントフォークFの製造時における螺子加工及び螺合作業を少なくできる。
[0057]
 そして、本実施の形態では、インナーチューブ2に加締め部2aを形成しているが、この加締め部2aとは、加締め加工により塑性変形させた部分のことであり、このような加締め部2aを形成するのは、螺子加工、及び螺合作業をする場合と比較して容易である。加えて、上記構成によれば、従来のようなピンを挿通する手間も省ける。よって、上記構成によれば、シリンダ3をインナーチューブ2内に固定するための部品数、螺子加工、及び螺合作業を減らしてコストを低減できる。
[0058]
 また、本実施の形態において、ヘッド部材6は、シリンダ3に嵌合するシリンダヘッド部8と、このシリンダヘッド部8に積層されて加締め部2aが嵌合する環状のストッパ部9とを有する。当該構成によれば、ストッパ部9が加締め加工により加締め部2aを形成する際のあて板として機能できる。
[0059]
 また、本実施の形態のフロントフォークFのように、加締め部2aと車輪側ブラケット(蓋部)20との間に軸力をかけつつヘッド部材6とシリンダ3を挟み込む場合、ストッパ部9において、加締め部2aを嵌め込む部分の加工精度を高めると、シリンダ3等に加わる軸力のバラツキを抑制できる。
[0060]
 そこで、加締め部2aを嵌め込む部分、即ち、本実施の形態における環状溝9aが形成される部分をストッパ部9として、シリンダヘッド部8と別々に形成すると、ストッパ部9とシリンダヘッド部8のそれぞれで、要求される加工精度に応じた加工方法を選択しやすい。例えば、高い加工精度が要求される環状溝9aについては、切削等で形成すればよく、シリンダヘッド部8については、プレス加工等を採用できる。
[0061]
 また、本実施の形態では、ストッパ部9の外周に周方向に沿って形成した環状溝9aに加締め部2aを嵌合する。このため、インナーチューブ2に対するストッパ部9の周方向の位置合わせをしなくても、加締め部2aをストッパ部9に嵌合できる。よって、インナーチューブ2に形成した加締め部2aをストッパ部9に嵌合するのが容易である。
[0062]
 また、シリンダ3等に周方向になるべく均等に軸力を加える上では、加締め部2aをインナーチューブ2の周方向に等間隔で3又は4カ所形成するとよい。しかし、加締め部2aの数は、適宜変更できる。また、加締め部2aを嵌合する溝部の形状は、環状でなくてもよく、ストッパ部9の周方向に複数並べて形成されていてもよい。
[0063]
 また、加締め部2aは、必ずしもストッパ部9に嵌合していなくてもよく、例えば、加締め部2aをストッパ部9に当接させて、加締め部2aでストッパ部9を押さえる構造にしてもよい。具体的には、図3に示す第一の変形例に係るヘッド部材6Aように、ヘッド部材6のストッパ部9を環板状のストッパ部9Aに替えて、このストッパ部9Aの上側を加締め部2aで押さえるとしてもよい。この場合、ストッパ部9Aとして、ワッシャ等を利用できる。
[0064]
 さらに、ストッパ部9とシリンダヘッド部8とを一体形成してもよい。具体的には、例えば、図4に示す第二の変形例に係るヘッド部材6Bのように、ヘッド部材6におけるシリンダヘッド部8の支持部8eをストッパ部9Bとして利用して、このストッパ部9Bの上側を加締め部2aで押さえてもよい。なお、当該ヘッド部材6Bのように、ストッパ部9Bとシリンダヘッド部8とを一体形成した場合であっても、ストッパ部9Bの外周に環状溝等の溝を形成し、当該溝に加締め部2aを嵌合させるとしてもよい。
[0065]
 図3,4中、懸架ばねSを省略しているが、ヘッド部材6A,6Bに懸架ばねSの下端を当接させてもよいのは勿論である。また、シリンダヘッド部8の構成も適宜変更できる。例えば、フロントフォークFの最収縮時の衝撃を緩和するのに液圧ロック機構を利用しない場合には、ケース部8cを省略してもよい。
[0066]
 また、本実施の形態のフロントフォークFは、車輪側ブラケット(蓋部)20を装着したインナーチューブ2にシリンダ3とヘッド部材6を挿入し、これらに軸力を加えた状態でインナーチューブ2を加締め加工して加締め部2aを形成する。当該製造方法によれば、シリンダ3とヘッド部材6が加締め部2aと車輪側ブラケット20との間に軸力を受けた状態で挟持できる。
[0067]
 また、本実施の形態では、インナーチューブ2の下端(他端)を塞ぐ車輪側ブラケット(蓋部)20がインナーチューブ2に螺合されている。そこで、インナーチューブ2内にシリンダ3とヘッド部材6を挿入し、インナーチューブ2を加締め加工して形成した加締め部2aでヘッド部材6を支えた状態で、車輪側ブラケット20をインナーチューブ2に螺合してシリンダ3とヘッド部材6に軸力を加えるとしてもよい。当該製造方法によっても、シリンダ3とヘッド部材6が加締め部2aと車輪側ブラケット20との間に軸力を受けた状態で挟持できる。
[0068]
 なお、上記各製造方法は、ヘッド部材6の構成によらず選択可能であるのは勿論であり、何れのヘッド部材6,6A,6Bを利用する場合であっても採用できる。さらに、フロントフォークFの製造方法は、上記の限りではなく、適宜変更できる。
[0069]
 また、本実施の形態では、インナーチューブ2の下端(他端)を塞ぐ蓋部が車輪側ブラケット20であり、当該車輪側ブラケット20が有底筒状に形成されている。そして、車輪側ブラケット20の筒部20aの内周にインナーチューブ2が螺合され、車輪側ブラケット20の底部20bが蓋部として機能する。
[0070]
 しかし、車輪側ブラケット20とは別に、インナーチューブ2の内周に螺合する蓋部を設けてもよく、チューブ部材Tが正立型である場合には、インナーチューブ2の上端を塞ぐキャップが蓋部として機能するとしてもよい。そして、このような変更は、ヘッド部材6の構成、及びフロントフォークFの製造方法によらず可能である。
[0071]
 以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形及び変更が可能である。
[0072]
 本願は、2017年9月27日に日本国特許庁に出願された特願2017-185773に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 フロントフォークであって、
 アウターチューブと、
 一端から前記アウターチューブ内に移動可能に挿入されるインナーチューブと、
 前記インナーチューブの他端を閉塞する蓋部と、
 前記インナーチューブ内に設けられるシリンダと、
 前記アウターチューブに連結されて前記シリンダ内に移動可能に挿入されるロッドと、
 前記シリンダの反蓋部側に嵌合して前記ロッドの挿通を許容するヘッド部材とを備え、
 前記シリンダと前記ヘッド部材は、前記インナーチューブに形成された加締め部と前記蓋部により軸力を受けた状態で挟持されている
 ことを特徴とするフロントフォーク。
[請求項2]
 請求項1に記載のフロントフォークであって、
 前記ヘッド部材は、前記シリンダに嵌合するシリンダヘッド部と、前記シリンダヘッド部に積層されて前記加締め部が嵌合する環状のストッパ部とを有する
 フロントフォーク。
[請求項3]
 請求項2に記載のフロントフォークであって、
 前記ストッパ部の外周に、周方向に沿って前記加締め部が嵌合する環状溝が形成されている
 フロントフォーク。
[請求項4]
 請求項1に記載のフロントフォークであって、
 前記蓋部は、前記インナーチューブに螺合されている
 フロントフォーク。
[請求項5]
 フロントフォークの製造方法であって、
 前記フロントフォークが
 アウターチューブと、
 一端から前記アウターチューブ内に移動可能に挿入されるインナーチューブと、
 前記インナーチューブの他端を閉塞する蓋部と、
 前記インナーチューブ内に設けられるシリンダと、
 前記アウターチューブに連結されて前記シリンダ内に移動可能に挿入されるロッドと、
 前記シリンダの反蓋部側に嵌合して前記ロッドの挿通を許容するヘッド部材とを備え、
 前記蓋部を装着した前記インナーチューブに前記シリンダと前記ヘッド部材を挿入し、前記シリンダと前記ヘッド部材に軸力を加えた状態で前記インナーチューブを加締め加工して加締め部を形成し、
 前記加締め部と前記蓋部により、前記シリンダと前記ヘッド部材を挟持する
 フロントフォークの製造方法。
[請求項6]
 フロントフォークの製造方法であって、
 前記フロントフォークが
 アウターチューブと、
 一端から前記アウターチューブ内に移動可能に挿入されるインナーチューブと、
 前記インナーチューブの他端を閉塞する蓋部と、
 前記インナーチューブ内に設けられるシリンダと、
 前記アウターチューブに連結されて前記シリンダ内に移動可能に挿入されるロッドと、
 前記シリンダの反蓋部側に嵌合して前記ロッドの挿通を許容するヘッド部材とを備え、
 前記インナーチューブ内に前記シリンダと前記ヘッド部材を挿入し、前記インナーチューブを加締め加工して形成した加締め部で前記ヘッド部材を支えた状態で、前記蓋部を前記インナーチューブに螺合して前記シリンダと前記ヘッド部材に軸力を加える
 フロントフォークの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]