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1. (WO2019064486) PORTABLE NONAQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY
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明 細 書

発明の名称 [規則91に基づく訂正 16.10.2017] 携帯型の非水電解質二次電池

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

非特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010  (R91)  

課題を解決するための手段

0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

符号の説明

0015  

発明を実施するための最良の形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040  

実施例

0041   0042   0043  

産業上の利用可能性

0044  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : [規則91に基づく訂正 16.10.2017] 携帯型の非水電解質二次電池

技術分野

[0001]
 本発明は、二次電池、特に、携帯型の非水電解質二次電池に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1及び特許文献6には、本発明で採用している外装体(二次電池用の可撓性包装体)が開示されている。なお、特許文献6の特許権は存続期間が満了し、誰でも自由に実施をすることができる周知技術である。
[0003]
 ところで、特許文献1の課題は、発電要素1の両端部に突出した電極1a、1bのアルミニウム箔や銅箔を内側に曲げることにより、振動や衝撃を受けた場合にも、このアルミニウム箔や銅箔が電池ケース2のアルミラミネートシート21、22を突き破るようなことのない電池を提供することである。そして、この特許文献1には、帯状の正極(正極材料層)1aと負極(負極材料層)1bを、セパレータ1cを介して数回(例えば7回)巻き付け、かつ、その平坦面から押し潰して扁平状に成形し、この扁平巻物状の発電要素1を内周面に絶縁層21cを有するアルミラミネートシート21、22で密閉状に包み、さらに、前記扁平巻物状の発電要素1の巻回軸方向の両端部に前記電極1a、1bの側縁部の活物質未塗布部のアルミニウム箔と銅箔をそれぞれ突出させ、集電体としての前記アルミニウム箔には正極リード端子3を前記アルミラミネートシート21、22の周縁部から短冊状に突出させ、一方、集電体としての前記銅箔には負極リード端子4を前記アルミラミネートシート21、22の周縁部から短冊状に突出させる非水電解質二次電池の構造が開示されている(符号は特許文献1のもの)。
[0004]
 上記特許文献1に記載の公知発明は、外装体としてのアルミラミネートシート21、22が可撓性であっても容易に破れない、軽量である等の利点があるものの、発電要素1は扁平巻物状であるため、比較的重いという問題点がある。また負極活物質の充電と放電の機能が十分でないことから、容量を増やすために発電要素1(正極材料層1aと負極材料層1b)を、例えば7回程度巻回しなければならない、発電要素1の両端部又は一端部に多数の切欠部を形成しなければならない等の理由から、発電要素1が重い、製造が面倒である等の問題点がある。そこで、現在、これらの問題点を解決することが望まれている。
[0005]
 ところで、特許文献2には、外装が円筒状の二次電池の構造が開示されているが、普通一般に、この種の二次電池の発電要素は、特許文献1と同様にセパレータを挟んで、正極と負極が直接接触しないように断面が渦巻き状に巻回されている。また特許文献2には、正極の活物質と負極の活物質、それらの結着剤(バインダー)、それらの集電体の材料が記載されている。
[0006]
 また、日本国特許庁の非特許文献には、二次電池の基本的構造が要約されており、正極(正極材料層)は、セパレータの一側面に塗着されたものであり、正極活物質・バインダー・集電体(AI)を含み、一方、負極(負極材料層)は前記セパレータの他側面に塗着されたものであり、負極活物質・バインダー・集電体(Cu)を含み、前記負極活物質は、近年、シリコンパウダーと炭素の複合体や炭素材料以外の新しい負極活物質の開発が進められている旨が記載されている。そして、特許文献3乃至特許文献5には、負極活物質の一例として、ナノサイズのシリコン粒子と微細化炭素の複合体が記載されている。
[0007]
 しかして、ナノサイズのシリコン粒子と微細化炭素の複合体等の負極活物質を用いた場合、電池特性の改善(高容量化、急速放電、不可逆容量の低減等)はもちろんのこと、振動、衝撃等の外的要因により、少なくとも負極(負極材料層)にクラックが生じ或いはセパレータから剥離することがないことが望まれる。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2005-174602号公報
特許文献2 : 特開2001-223028号公報
特許文献3 : 特開2006-190642号公報
特許文献4 : 特表2007-519182号公報
特許文献5 : 特開2017-152390号公報
特許文献6 : 特許第3512551号公報

非特許文献

[0009]
 平成21年度、特許出願技術動向調査報告書、リチウムイオン電池(要約版)、平成22年4月、日本国特許庁。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
[規則91に基づく訂正 16.10.2017] 
 本発明の主たる目的は、特許文献1の上記問題点を克服するために、特許文献6の利点を生かすと共に、電池特性の改善(高容量化、急速放電、不可逆容量の低減等)を高め、これより外装に内装する薄板状電池要素の数を少なくし、軽量性及び携帯性に優れた携帯型の非水電解質二次電池を提供することである。本発明の二次的目的は、ナノサイズのシリコン粒子と微細化炭素の複合体等の負極活物質を用いた場合において、振動、衝撃等の外的要因により、少なくとも負極(負極材料層)にクラックが生じ、或いはセパレータから剥離しないようにすることである。その他の目的は、従属項によって特定される。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明の携帯型の非水電解質二次電池は、充電と放電の機能を有する薄板状電池要素と、この薄板状電池要素を密閉状態に包む外装体と、この外装体に設けられた正極と負極の一対の端子とから成る非水電解質二次電池に於いて、前記外装体は、所定形状の扁平状に形成されていると共に、前記薄板状電池要素を真空パック状に包む可撓性の本体部と、この本体部を構成する平坦上面及び平坦下面に挟まれた周側壁の一部又は略全周のいずれかに突設された可撓性の鰭状部と、その内端部が前記鰭状部に挟持され、かつ、前記薄板状電池要素を構成するセパレータの一側面に塗着された正極活物質・バインダー・集電体から成る正極材料層に電気的に接続すると共に、その外端部が前記鰭状部の縁から舌片状に所定量突出する前記正極端子と、一方、前記セパレータの他側面に塗着された負極活物質・バインダー・集電体から成る負極材料層に電気的に接続すると共に、その外端部が前記鰭状部の縁から舌片状に所定量突出する前記負極端子とから成り、しかも、前記薄板状電池要素の前記セパレータは1枚又は数枚のみであり、また前記負極材料層の負極活物質は、ナノサイズのシリコン粒子と該シリコン粒子を全体的に被覆する微細化炭素とを含むと共に、熱処理された層状ポリシランであると共に、負極材料層のバインダーは、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の混合物であることを特徴とする。
[0012]
 ここで、「一つの薄板状電池要素」とは、1枚のセパレータと、このセパレータの一側面に塗着されかつ正極活物質・バインダー・集電体(例えばAI)を含む正極(正極材料層)と、前記セパレータの他側面に塗着されかつ負極活物質・バインダー・集電体(例えばCu)を含負極(負極材料層)とを言う。また、ここで「数枚の薄板状電池要素」とは、合計2乃至4枚の薄板状電池要素が、各外装の平坦上面或いは平坦下面の上下(厚み)方向に、重なり合っていることを言う。

発明の効果

[0013]
(a)請求項1に記載の発明は、特許文献6の利点を生かすと共に、電池特性の改善(高容量化、急速放電、不可逆容量の低減等)を高め、これより外装に内装する薄板状電池要素の数を少なくし、軽量性及び携帯性に優れた携帯型の非水電解質二次電池を提供することができる。
(b)請求項2に記載の発明は、2種類の熱可塑性樹脂は、「ポリイミド」又は「ポリアミドイミド」のいずれかが主成分であると共に、これにポリアクリル酸が含まれているので、前記(a)を確実に達成することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、セパレータは可撓性を有すると共に、多孔質の薄いシート状に形成され、かつ、リチウムイオンの移動を許容するものであることから、充電と放電の機能を十分に発揮することができると共に、多孔質の中に結着剤が入り込み、より一層セパレータから剥離しないようにすることができる。
(d)請求項4に記載の発明は、前記外装体は、フレキシブルシートであり、また前記周側壁に連設する可撓性の鰭状部は、本体部の平坦上面及び平坦下面の縁部に沿う方向を周方向として、該周方向に一周連続させた略角環状又は略円環状のいずれかに形成し、全体して鍔形状であることから、製造時、薄板状電池要素に対する本体部の密着性が向上する。
(e)請求項5に記載の発明は、周側壁に連設する可撓性の鰭状部は、本体部の平坦上面及び平坦下面の縁部に沿う方向を周方向として、前記周側壁の一部に略直線状に形成し、全体して帯形状であることから、例えば外装体の形態が、一端部開口形式のものも可能である。

図面の簡単な説明

[0014]
図1乃至図6は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図7乃至図11は本発明の第2実施形態を示す各説明図。
[図1] 第1実施形態の斜視図。
[図2] 正面図。
[図3] 平面図。
[図4] 底面図。
[図5] 図3の5-5線概略断面図(薄板状電池要素は簡略)。
[図6] 要部(本体部の一部、鰭状部、正極端子、リード部、電池要素の端面部など)の拡大図。
[図7] 第2実施形態の斜視図。
[図8] 正面図。
[図9] 底面図。
[図10] 図8のA-A線断面図(薄板状電池要素は簡略)。
[図11] 図8のB-B線断面図(薄板状電池要素は簡略)。

符号の説明

[0015]
X…非水電解質二次電池、1…薄板状電池要素、2…セパレータ、3…正極(正極材料層)、4…負極(負極材料層)、20…外装体、21…本体部、22…鰭状部、25…正極端子、26…正極リード部、27…負極端子、28…負極リード部。

発明を実施するための最良の形態

[0016]
 図1乃至図6は、本発明の第1実施形態の携帯型の非水電解質二次電池(以下、ここでは「電池」という。)の各説明図である。図1は第1実施形態の斜視図である。
まず図1に於いて、Xは電池で、この電池Xの重さは、最小で60グラムであり、一方、最大で520グラムである。例えば電池Xを、いわゆるスマホ等の携帯端末の電源として用いる場合には、60~120グラムの範囲内であることが望ましい。この電池Xは、薄板状電池要素1と、外装体20と、正極端子25と、負極端子27とから成り、前記薄板状電池要素1には、少なくとも1枚のセパレータ2と、このセパレータ2の一側面に塗着されかつ正極活物質・バインダー・集電体(例えばAI)を含む正極(正極材料層)3と、前記セパレータの他側面に塗着されかつ負極活物質・バインダー・集電体(例えばCu)を含負極(負極材料層)4とを含む。前記正極(正極材料層)3と負極(負極材料層)4は、一般に「電極」と称されている。
[0017]
 さて、薄板状電池要素1は充電と放電の機能を有する。外装体20は扁平状本体部内に、一つの薄板状電池要素1を密閉状態に包む。正極端子25及び負極端子27は、図1で示すように外装体20の扁平状本体部に連続する鍔形状の鰭状部から舌片状に同一方向に所定間隔離間して所定量突出する。
[0018]
 さらに、図2乃至図6を参照にして、まず外装体20の構成を説明する。外装体20は、熱処理により扁平状袋にすることができる積層体(ラミネート)である。例えば図6で示すように、OPP、PET、ナイロン等で出来ている表基材(イ)と、アルミ箔で出来ている中間基材(ロ)と、LDPE、LLDPE、CPP等で出来ているシーラント層(ハ)とから成り、前記シーラント層は絶縁層の役割を果たしている。
[0019]
 しかして、外装体20は、所定形状の扁平状に形成されていると共に、前記薄板状電池要素1を真空パック状に包む可撓性の本体部21と、この本体部を構成する平坦上面21a及び平坦下面21bに挟まれた周側壁21cの一部又は略全周のいずれかに突設された可撓性の鰭状部22とから成る。
[0020]
 付言すると、外装体20は、例えば特許文献1に記載の電池ケースと同様に、合計二枚のアルミラミネートシートの凹所が互いに対向するように重ね合わせた状態で、前記本体部21の狭い収納空間に薄板状電池要素1を収納し、かつ、鍔形状の鰭状部22を熱溶着して成形されている。なお、二枚のアルミラミネートシートは、本体部21の収納空間に薄板状電池要素1を容易に収納することができるように、事前に絞り加工によって一方又は両方の内壁面を凹所状にするのが望ましい。
[0021]
 次に電極3、4と接続する一対の端子について説明する。正極端子25は、図6で示すようにその内端部25aが鰭状部22に挟持され、かつ、薄板状電池要素1を構成するセパレータ2の一側面に塗着された正極活物質・バインダー・集電体から成る正極材料層3に電気的に接続すると共に、その外端部25bは前記鰭状部22の縁から舌片状に所定量突出する。なお、正極端子25の内端部25aと正極材料層3の活性物質未塗布部から突出する集電体の突片部は正極リード部26を介して適宜に接続している。好ましくは、両者の接続部分は、図示しない熱溶着性フィルムにより挟持されている。
[0022]
 一方、負極端子27は、その内端部27aが鰭状部22に挟持され、かつ、前記セパレータ2の他側面に塗着された負極活物質・バインダー・集電体から成る負極材料層4に電気的に接続すると共に、その外端部27bが前記鰭状部22の縁から舌片状に所定量突出する。そして、負極端子27の内端部27aと負極材料層4の活性物質未塗布部から突出する集電体の突片部は負極リード部28を介して適宜に接続している。好ましくは、両者の接続部分も、図示しない熱溶着性フィルムにより挟持されている。
[0023]
 次に薄板状電池要素1の構成を説明する。薄板状電池要素1の数について、実施形態では、軽量性及び携帯性に優れた非水電解質二次電池を提供するために、両電極3、4を有するセパレータ2は「1枚のみ」である。もちろん、発明の課題を逸脱しない範囲で、前記セパレータ2の数を「2枚」、「3枚」、「4枚」としても良いが、4枚は最大数であり、好ましくは2枚であり、より好ましくは1枚である。
[0024]
 次に負極材料層4について説明する。負極材料層4は、粉末状の負極活物質と、粉末状の炭素などの導電助剤と、後述のバインダーと、適量の有機溶剤を加えて混合し「スラリー」にしたものを、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの方法で集電体上に塗布し、該スラリーを乾燥させることによって作製することができる。
[0025]
 次に粉状の負極活物質は、ナノサイズのシリコン粒子と該シリコン粒子を全体的に被覆する微細化炭素とを含むと共に、熱処理された層状ポリシランである。付言すると、シリンコンパウダー(シリコン粒子)は、例えば特許第3865033号公報、特開2009-102219号公報等に記載されている公知の製造方法によりナノサイズの微粒子として得ることができる。また塩化水素と二ケイ化カルシウム(CaSi2)とを反応させることにより、「層状ポリシラン」を合成することができるが、該層状ポリシランを、例えば非酸化性雰囲気下にて100℃を超える温度で熱処理することにより、比表面積の小さいナノシリコン(シリコンパウダー)を得ることができる。実施形態では、「サイクル特性の向上」を図るために、適宜方法で得られた比表面積の小さいシリコンパウダーと炭素層を合体した「複合体」を電池Xの負極の活物質として用いている。
[0026]
 したがって、本明細書の「シリコン」の概念は、当然、シリンコンパウダーが含まれる。そして、該シリンコンパウダーの結晶子同士が互いに付着して構成される構成粒子、複数のシリコン結晶子が非晶質シリコンや不純物を含む他の材料に付着して構成される構成粒子、粒径がナノメートルオーダーのシリコン粒子が層状に配列してなるシート状シリコン体が厚み方向に複数枚積層された構造の構成粒子が含まれ、少なくともシリコンパウダーは炭素層で略全体的に覆われているが、好ましくは前記構成粒子(複合体)が炭素層で略全体的に覆われており、より好ましくは、「熱処理された層状ポリシラン」である。シリンコンパウダーの構造は、例えばSEM観察により確認することが可能である。また前記シート状シリコン体の厚みは、強度やリチウムイオンなどの挿入・離脱の容易性などの観点から、望ましくは20nm~50nmの範囲である。
[0027]
 また本明細書の「炭素」の概念は、当然、炭素系導電性粉末が含まれ、この炭素系導電性粉末としては、カーボンブラックの他、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、微細化黒鉛粒子などを用いることができる。炭素層における導電性粉末の含有量は、1~50質量%の範囲が好ましい。導電性粉末の含有量が1質量%未満では添加した効果の発現が困難となる場合があり、50質量%を超えると炭素層の強度が低下し二次電池のサイクル特性が低下してしまう場合があるからである。
[0028]
 さらに、負極4のバインダーについて説明する。バインダーは、なるべく少ない量で負活物質を結着させることが求められるが、その添加量は活物質、導電助剤及びバインダーを合計したものの「0.5wt%~50wt%」が望ましい。バインダーが0.5wt%未満では電極の成形性が低下する場合があり、50wt%を超えると電極のエネルギー密度が低くなる場合がある。
[0029]
 本明細書の負極材料層4のバインダーは、電極のエネルギー密度が低くならように配慮しつつ「2種類以上」の熱可塑性樹脂の混合物である。振動、衝撃等の外的要因により、少なくとも負極(負極材料層)にクラックが生じ、或いはセパレータから剥離しないようにするという発明の課題を達成するために、バインダーは、好ましくは2種類の熱可塑性樹脂の混合物であり、より好ましくは3種類以上の熱可塑性樹脂の混合物である。
実験結果によると、バインダーとして、好ましくはポリフッ化ビニリデンを用いると負極の電位を下げることができ蓄電装置の電圧向上が可能となる。また少なくとも「ポリアミドイミド」又は「ポリアクリル酸」のいずれかを用いることで初期効率と放電容量が向上することを知見した。付言すると、2種類の熱可塑性樹脂は、「ポリイミド」又は「ポリアミドイミド」のいずれかが主成分であると共に、これにポリアクリル酸が含まれている。さらに、新規物質が含まれる。
[0030]
 ここで混合物としてのバインダーを列挙すると、次のとおりである。ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレン-ブタジエンゴム、メタクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、変性ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリル酸である。
[0031]
 ここで、付記として、簡単に負極4を採用した電池(コインセル)での評価結果を説明する。導電材としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリイミドを主とする混合物と、シリコンパウダーとの比率(固形分組成)が、下記表1に示す組成比である負極(負極組成物1~負極組成物3、比較用負極組成物)を作成した。そして、作成した負極組成物(負極組或物1~負極組成物3、比較用負極組成物)を、銅製の集電体(基材)に塗布するために、下記表1に示す固形分となるように、溶媒成分を加えてインク状組成物を調整した。なお、表1の固形分組成の単位重量%(wt%)である。
[0032]
[表1]


[0033]
 なお、上記表1に於いて、例えば負極組成物1を理解する場合、「シリコンパウダー(中核)を被覆するカーボンブラック(外層)は、略72.7+9.1であり、合計80パーセントである。一方、ポリイミドを主とする混合物は9.1+0.9であり、合計10パーセントである。それ故に、導電材としての複合物と二種以上の結着剤との比率は、上記表1の如く、「80:20」となる。負極組成物2及び負極組成物3も同様に理解する。
[0034]
 そして、調整したインク状組成物を、銅製の基材の表面と裏面に、所定の厚みで塗布した後、乾燥させて溶媒或分を除去することで、負極4を作成した。作成した負極4と、正極活物質を含む正極3を用いて、コインセルを作成し、作成したコインセルについて、充放電を1回(1サイクル)実施した場合の試験結果を下記表2に示す。
[0035]
[表2]


[0036]
 上記表2に示すように、負極組成物1、負極組或物2において、良好な結果が得られた。充電時間について、本実施形態の一枚のセパレータ2、正極3、負極4を採用したコインセルAと、従来公知のリチウムイ-オン電池用の正極活物質(例えばリチウム塩と電導助剤)、粉状炭素、電解質(例えばプロピレカーボネート)、セパレータ(例えばポリエチレンやポリプロレンなどのポリオレフィン)から成る負極を採用したコインセルBを作成し、コインセルA、Bに対する充電時間を測定した。
[0037]
 その結果、充電に要する時間に関して、本実施形態のコインセルAの充電時間T1の方が、コインセルBの充電時間T2よりも非常に短いこと、時間T1が、時間T2の大凡5分の1であることを確認した。
[0038]
 以上の通り、実施の形態では、より好ましくは、負極4に関して、炭素系の導電材として「ナノサイズのシリコン粒子と該シリコン粒子を全体的に被覆する微細化炭素とを含むと共に、熱処理された層状ポリシラン」と、ポリイミド又はポリアミドイミドのいずれかが主成分であると共に、これにポリアクリル酸が含まれている「混合物としての結着剤」を含む負極(負極材料層)4を用いた電池Xを、扁平状外装体22の本体部21に真空パック状に内装した。
[0039]
 その結果、電池特性の改善(高容量化、急速放電、不可逆容量の低減等)を高め、これより外装に内装する薄板状電池要素の数を少なくし、軽量性及び携帯性に優れた非水電解質二次電池を提供することが可能になった。
[0040]
 なお、セパレータの一側面に塗着された正極活物質・バインダー・集電体から成る正極材料層4に於いて、そのバインダーは、前述した負極4のバインダーと同一のものを用いている。また一枚のセパレータ2は、可撓性を有すると共に、多孔質の薄いシート状に形成され、かつ、リチウムイオンの移動を許容するものである。また、正極(正極材料層)3を構成する正極活物質及び集電体は、従来のものが適宜に用いられている。 

実施例

[0041]
 第1実施形態では、外装体20は、フレキシブルシートであり、また周側壁21cに連設する可撓性の鰭状部22は、本体部21の平坦上面21a及び平坦下面21bの縁部に沿う方向を周方向として、該周方向に一周連続させた略角環状又は略円環状のいずれかに形成し、全体して鍔形状である。しかしながら、前記鰭状部22は、本体部21の平坦上面21a及び平坦下面21bの縁部に沿う方向を周方向として、前記周側壁21cの一部に略直線状に形成し、全体して帯形状であっても良い。このように構成しても、本発明の主たる課題を達成することができる。
[0042]
 また、第1実施形態では、正極端子25と負極端子27は、同一方向に向いている。しかしながら、同一方向であることは発明の本質的事項ではない。例えば図7乃至図11に示す第2実施形態の如く、正極端子25と負極端子27を反対向きにしても良い。
[0043]
 なお、前記正極活物質層を形成する材料としては、TiS2,MoS2,Co2S5,V2O5,MnO2,CoO2等の遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化合物及びこれらとLiとの複合体(Li複合酸化物;LiMnO2,LiMn2O4,LiCoO2等)、有機物の熱重合物である一次元グラファイト化物、フッ化カーボン、グラファイト、あるいは10-2S/cm以上の電気伝導度を有する導電性高分子、具体的にはポリアニリン、ポリピロール、ポリアズレン、ポリフェニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリフタロシアニン、ポリ-3-メチルチオフェン、ポリピリジン、ポリジフェニルベンジジン等の高分子及びこれらの誘導体が挙げられることができる。また、外装体20に封入される電解液としては、有機非水系極性溶媒を使用するが、有機非水系極性溶媒として非プロトン性で且つ、高誘電率のものが好ましい。その具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ-ブチルラクトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を挙げることができる。

産業上の利用可能性

[0044]
 本発明は、運搬可能な携帯端末の分野で利用することができる。

請求の範囲

[請求項1]
充電と放電の機能を有する薄板状電池要素と、この薄板状電池要素を密閉状態に包む外装体と、この外装体に設けられた正極と負極の一対の端子とから成る携帯型の非水電解質二次電池に於いて、前記外装体は、所定形状の扁平状に形成されていると共に、前記薄板状電池要素を真空パック状に包む可撓性の本体部と、この本体部を構成する平坦上面及び平坦下面に挟まれた周側壁の一部又は略全周のいずれかに突設された可撓性の鰭状部と、その内端部が前記鰭状部に挟持され、かつ、前記薄板状電池要素を構成するセパレータの一側面に塗着された正極活物質・バインダー・集電体から成る正極材料層に電気的に接続すると共に、その外端部が前記鰭状部の縁から舌片状に所定量突出する前記正極端子と、一方、前記セパレータの他側面に塗着された負極活物質・バインダー・集電体から成る負極材料層に電気的に接続すると共に、その外端部が前記鰭状部の縁から舌片状に所定量突出する前記負極端子とから成り、しかも、前記薄板状電池要素の前記セパレータは1枚又は数枚のみであり、また前記負極材料層の負極活物質は、ナノサイズのシリコン粒子と該シリコン粒子を全体的に被覆する微細化炭素とを含むと共に、熱処理された層状ポリシランであると共に、負極材料層のバインダーは、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の混合物であることを特徴する携帯型の非水電解質二次電池。
[請求項2]
請求項1の非水電解質二次電池に於いて、2種類の熱可塑性樹脂は、「ポリイミド」又は「ポリアミドイミド」のいずれかが主成分であると共に、これにポリアクリル酸が含まれていることを特徴する携帯型の非水電解質二次電池。
[請求項3]
請求項1の非水電解質二次電池に於いて、セパレータは、可撓性を有すると共に、多孔質の薄いシート状に形成され、かつ、リチウムイオンの移動を許容するものであることを特徴する携帯型の非水電解質二次電池。
[請求項4]
請求項1の非水電解質二次電池に於いて、前記外装体は、フレキシブルシートであり、また前記周側壁に連設する可撓性の鰭状部は、前記本体部の平坦上面及び平坦下面の縁部に沿う方向を周方向として、該周方向に一周連続させた略角環状又は略円環状のいずれかに形成し、全体として鍔形状であることを特徴する携帯型の非水電解質二次電池。
[請求項5]
請求項1の非水電解質二次電池に於いて、前記周側壁に連設する可撓性の鰭状部は、前記本体部の平坦上面及び平坦下面の縁部に沿う方向を周方向として、前記周側壁の一部に略直線状に形成し、全体として帯形状であることを特徴する携帯型の非水電解質二次電池。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]