Search International and National Patent Collections
Some content of this application is unavailable at the moment.
If this situation persist, please contact us atFeedback&Contact
1. (WO2019049765) PNEUMATIC TIRE
Document

明 細 書

発明の名称 空気入りタイヤ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

符号の説明

0055  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 空気入りタイヤ

技術分野

[0001]
 本発明は、空気入りタイヤに関する。

背景技術

[0002]
 空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を設け、これらの主溝により複数列の陸部を区画したトレッドパターンが採用されている。このような空気入りタイヤにおいて、トレッド部の各陸部にタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝を設けることにより良好な排水性能が達成される。
[0003]
 しかしながら、トレッド部におけるラグ溝の本数を増加させた場合、トレッド部の剛性(トレッド剛性)が低下し、ドライ路面での操縦安定性能が低下することになる。逆に、トレッド部におけるラグ溝の本数を減少させた場合、排水性能が低下し、ウェット路面での操縦安定性が低下する。このようにドライ路面での操縦安定性とウェット路面での操縦安定性とは二律背反関係にある。また、ラグ溝を設けることにより、パターンノイズは増大する。
[0004]
 例えば、ドライ路面での操縦安定性とウェット路面での操縦安定性とを両立しつつ、更に耐偏摩耗性を向上することを可能にした空気入りタイヤが知られている(特許文献1)。
 当該空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に沿ってジグザグ形状を成してタイヤ周方向に延びるセンター主溝とセンター主溝の外側でタイヤ周方向に延びるショルダー主溝を備える。さらに、空気入りタイヤは、センター主溝とショルダー主溝との間の陸部にショルダー主溝からタイヤ幅方向内側に向かって延びてセンター主溝に連通することなく終端する複数本のラグ溝を備える。各ラグ溝の終端側にタイヤ周方向の一方側に向かって屈曲した屈曲部が形成される。この陸部に屈曲部に対して連通することなくタイヤ周方向に沿って間欠的に延在する複数本の細溝が形成されている。この細溝はジグザグ形状を有するセンター主溝に対して実質的に平行に配置される。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2017-30556号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記空気入りタイヤは、ドライ路面での操縦安定性能とウェット路面での操縦安定性能とを両立しつつ、更に耐偏摩耗性能を向上することが可能であるが、陸部に設けられたラグ溝に起因してパターンノイズは低減されず依然として大きい。ラグ溝が陸部に設けられない場合、ウェット路面での操縦安定性能は低下し易い。
[0007]
 そこで、本発明は、ドライ路面での操縦安定性能及びウェット路面での操縦安定性能を従来に比べて向上させ、かつパターンノイズを抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の一態様は、空気入りタイヤである。当該空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びて環状を成し、トレッドパターンを備えたトレッド部を備え、
 前記トレッドパターンは、
 前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線に対してタイヤ幅方向の両側に位置し、タイヤ周方向に一周する2つの内側主溝と、
 前記2つの内側主溝をタイヤ幅方向内側に挟むように設けられた2つの外側主溝と、
 前記2つの内側主溝に挟まれて形成され、タイヤ周方向に連続して一周する内側連続陸部と、
 前記内側主溝及び前記外側主溝に挟まれて形成され、前記内側連続陸部のタイヤ幅方向の外側でタイヤ周方向に連続して一周する2つの中間連続陸部と、
 前記2つの中間連続陸部のそれぞれの領域に設けられ、前記外側主溝からタイヤ幅方向内側に延びる第1サイプと、を備える。
 前記内側連続陸部及び前記中間連続陸部の領域には前記内側主溝あるいは前記外側主溝から延びるラグ溝が設けられず、
 前記内側主溝の1つの両側の縁は、前記トレッド部のトレッド表面から見てジグザグ形状をなすように面取り幅がタイヤ周方向で変化する溝面取り部を備え、
 前記第1サイプは、前記第1サイプの深さ方向のサイプ底側においてサイプ壁面の距離が一定であるサイプ本体部と、前記第1サイプの前記トレッド表面の側においてサイプ壁面が前記トレッド表面に向かって開くように傾斜したサイプ面取り部と、を備える。
[0009]
 前記第1サイプは、前記外側主溝から前記内側連続陸部に向かって、タイヤ幅方向に傾斜して、前記中間連続陸部の領域内で閉塞するように設けられ、
 前記第1サイプのうち、前記外側主溝のうち一方の外側主溝Aから延びる第1サイプaの、前記トレッド表面から見た表面輪郭形状は、前記外側主溝Aから延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びる延在部と、前記第1サイプaの閉塞端部の側に設けられ、前記延在部から前記延在部が延びるタイヤ周方向の側と反対側に屈曲して延びる屈曲部と、を有し、
 前記屈曲部において、前記サイプ本体部は屈曲することなく前記延在部から延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びて閉塞する一方、前記サイプ面取り部が、前記屈曲部の屈曲形状を形成している、ことが好ましい。
 さらに、前記サイプ面取り部は、前記サイプ面取り部の対向する2つのサイプ壁面の一方の側のサイプ壁面は、前記第1サイプの深さ方向に対する傾斜角度が互いに異なる第1面取り面及び第2面取り面をサイプ深さ方向の異なる場所に備えることにより、前記屈曲部の屈曲形状を形成している、ことが好ましい。
[0010]
 前記第1面取り面の前記傾斜角度は対向する面取り面と同じである、ことが好ましい。
 また、前記第2面取り面の前記傾斜角度は前記第1面取り面の傾斜角度に比べて大きい、ことが好ましい。この場合、前記第2面取り面は、前記第1面取り面に対して前記トレッド表面の側に位置する、ことが好ましい。
[0011]
 前記2つの面取り面の面取り幅は、前記サイプ本体部の閉塞する端に向かうに連れて小さくなる、ことが好ましい。
[0012]
 前記中間連続陸部のうち、前記第1サイプaが設けられる中間連続陸部αの領域には、前記屈曲部に連通しない細溝が、タイヤ周方向に間欠的に設けられ、前記細溝の延在方向は、前記表面輪郭形状の前記内側主溝側の縁の延在方向に平行である、ことが好ましい。
[0013]
 前記空気入りタイヤは、車両に対する装着の向きが指定されており、
 前記外側主溝Aは、前記外側主溝のうちの前記外側主溝Aと異なる外側主溝Bに対して、車両外側に位置するように、前記装着の向きが指定されている、ことが好ましい。
[0014]
 前記外側主溝Aと異なる外側主溝と前記内側主溝の1つに挟まれる前記中間連続陸部のうちの中間連続陸部βの領域には、前記内側主溝の1つから延びて前記外側主溝に連通することなく閉塞する第2サイプが設けられ、
 前記内側連続陸部の領域には、前記2つの内側主溝のうち、前記中間連続陸部βに接する内側主溝から、他の内側主溝に向かって延びて、前記他の内側主溝に連通することなく閉塞する第3サイプが設けられ、
 前記第2サイプが前記第3サイプの延長線上に位置するように、前記第2サイプ及び前記第3サイプのタイヤ幅方向に対する傾斜の向きとタイヤ周上の位置は設定されている、ことが好ましい。
[0015]
 前記第1サイプのうち、前記中間連続陸部βの領域に設けられる第1サイプbと、前記第2サイプは、前記トレッド表面からみて、タイヤ幅方向の内側に進むに連れて、タイヤ周方向の異なる側に進むように傾斜している、ことが好ましい。
[0016]
 前記2つの中間連続陸部の領域に設けられる前記第1サイプは、前記トレッド表面からみて、お互いに、前記タイヤ幅方向内側に進むに連れて、タイヤ周方向の異なる側に進むように傾斜している、ことが好ましい。
[0017]
 前記外側主溝のうち外側主溝Bのタイヤ幅方向外側には、外側陸部が設けられ、
 前記外側陸部の領域には、タイヤ周方向に一周する周方向補助溝と、タイヤ幅方向の外側からタイヤ幅方向に延びて前記外側主溝Bに連通することなく閉塞した外側ラグ溝と、が設けられ、前記外側ラグ溝は、前記周方向補助溝と交差する、ことが好ましい。

発明の効果

[0018]
 上述の空気入りタイヤによれば、ドライ路面での操縦安定性能及びウェット路面での操縦安定性能を従来に比べて向上させ、かつパターンノイズを抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 一実施形態の空気入りタイヤのプロファイル断面図である。
[図2] 一実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す展開図である。
[図3] (a),(b)は、図2に示す第1サイプの一例を拡大して示す平面図である。
[図4] (a),(b)は、図3(a)に示す第1サイプの一例の断面図である。
[図5] 図3(a)に示す第1サイプをサイプ中心線に沿って切断したときの第1サイプの一例の斜視図である。
[図6] 図2に示すトレッドパターンの要部を拡大して示す平面図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本実施形態の空気入りタイヤについて詳細に説明する。
 本明細書においてタイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転中心軸方向をいい、タイヤ周方向とは、タイヤ回転中心軸を中心にタイヤを回転させたときにできるトレッド表面の回転方向をいう。タイヤ径方向とは、タイヤ回転中心軸から放射状に向く方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転中心軸から遠ざかる側をいい、タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転中心軸に近づく側をいう。また、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道線からタイヤ幅方向において遠ざかる側をいい、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に近づく側をいう。
[0021]
 図1は、一実施形態の空気入りタイヤのプロファイル断面図である。図1に示す空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備える。
 一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ巻かれて折り返されている。ビードコア5の外周上にはタイヤ径方向外側に延びる断面が三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
[0022]
 一方、トレッド部1におけるカーカス層4のタイヤ径方向外側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7のタイヤ径方向外側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードがタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列した少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
 なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
[0023]
 図2は、一実施形態の空気入りタイヤTのトレッドパターン10の一例を示す展開図である。トレッドパターン10を有する空気入りタイヤTは、乗用車用タイヤに好適に用いることができる。
[0024]
 図2において、符号CLはタイヤセンターライン(タイヤ赤道線)を示す。
 トレッドパタンーン10は、センター主溝(内側主溝)11,12と、ショルダー主溝(外側主溝)13,14と、センター連続陸部(内側連続陸部)21と、中間連続陸部22,23と、第1サイプ30,31と、を主に備える。
[0025]
 センター主溝11,12は、センターラインCLに対してタイヤ幅方向の両側に位置し、タイヤ周方向にトレッド部1を一周する。センター主溝12の溝両側の縁は、トレッド部1のトレッド表面から見てジグザグ形状をなすように面取り幅がタイヤ周方向で変化する溝面取り部12A,12Bを備える。センター主溝12の溝両側の縁では、1つの溝面取り部12A,12Bが、タイヤ周方向の一方の側に進むにつれて面取り幅が徐々に大きくなって所定の幅で終了し、その終了位置と略同じ位置で、さらに別の溝面取り部12A,12Bが始まり、面取り幅0から面取り幅が徐々に大きくなって所定の幅で終了する。溝面取り部12A,12Bは、これを繰り返してタイヤ周方向に沿ってセンター主溝12を一周する。センター主溝12の溝両側の縁では、タイヤ周方向の同じ位置で面取り幅が始まり、同じ位置で終了するので、センター主溝12は、トレッド表面から見てジグザグ形状に見える。しかし、センター主溝12の溝幅を一定に維持してセンター主溝12を一周する。このジグザグ形状における、1つの溝面取り部12A,12Bが終了し、別の溝面取り部12A,12Bが始まる位置における、タイヤ幅方向の縁の段差の寸法(タイヤ幅方向に沿った長さ)は、センター主溝12の溝幅の、例えば15~35%である。
 センター主溝11には、センター主溝12に設けられるような面取り部は設けられず、センター主溝11の溝両側の縁は、タイヤ周方向に直線状に延びてタイヤを一周する。
[0026]
 ショルダー主溝13,14は、センター主溝11,12をタイヤ幅方向内側に挟むように設けられて、タイヤ周方向に屈曲あるいは湾曲することなく真っ直ぐに延びてトレッド部1を一周する。
 センター主溝11,12及びショルダー主溝13,14の溝幅は、例えば5.0~15.0mmであり、溝深さは6.5~9.0mmである。
[0027]
 センター連続陸部21は、センター主溝11,12に挟まれて形成され、タイヤ周方向に連続して一周する。センター連続陸部21上を、センターラインCLが通る。
 中間連続陸部22は、センター主溝11及びショルダー主溝13に挟まれて形成され、センター連続陸部21のタイヤ幅方向の外側でタイヤ周方向にトレッド部1を連続して一周する。中間連続陸部23も、センター主溝12及びショルダー主溝14に挟まれて形成され、センター連続陸部21のタイヤ幅方向の外側でタイヤ周方向にトレッド部1を連続して一周する。
 センター連続陸部21及び中間連続陸部22の領域にはセンター主溝11,12あるいはショルダー主溝13,14から延びるラグ溝が一切設けられず、サイプが設けられているだけである。ここで、ラグ溝は、溝深さ方向の各位置の50%の位置において溝壁間の溝幅が2mmを越えるラグ溝をいう。
[0028]
 第1サイプ30は、中間連続陸部23の領域に設けられ、ショルダー主溝14からタイヤ幅方向内側に延びて、センター主溝12に接続することなく中間連続陸部23の領域内で閉塞する。第1サイプ31は、中間連続陸部22の領域に設けられ、ショルダー主溝13からタイヤ幅方向内側に延びて、センター主溝11に接続することなく中間連続陸部22の領域内で閉塞する。
[0029]
 ショルダー主溝13,14のタイヤ幅方向外側には、ショルダー陸部24,25が設けられている。ショルダー陸部24,25のそれぞれには、タイヤ幅方向の両側のトレッドパターンエンドからタイヤ幅方向内側に向かって延び、ショルダー主溝13,14に接続することなくショルダー陸部24,25の領域内で閉塞するタイヤ周方向に所定の間隔で複数配置されたショルダーラグ溝35,36が設けられている。タイヤ周方向に隣り合うショルダーラグ溝35,36の間には、ショルダーサイプ37,38が設けられている。ショルダーサイプ37,38は、ショルダー陸部24,25の領域からタイヤ幅方向内側に向かってショルダーラグ溝35,36に並行するように設けられ、ショルダー主溝13,14に接続している。
[0030]
 このようなトレッドパターン20において、第1サイプ30,31は、第1サイプ30,31の深さ方向のサイプ底側においてサイプ壁面の距離が一定であるサイプ本体部40(図4(a)参照)と、第1サイプ30,31のトレッド表面の側においてサイプ壁面がトレッド表面に向かって開くように傾斜したサイプ面取り部42と、を備える。すなわち、第1サイプ30,31は、いわゆる、面取りサイプである。
[0031]
 第1サイプ30,31の深さは、例えば5.5~8.5mmである。第1サイプ30,31の深さは、センター主溝11,12およびショルダー主溝13,14の溝深さに比べて浅く、サイプ本体部40におけるサイプ壁面間の距離は、例えば0.3~0.9mmである。一般的に、サイプのサイプ壁面間の距離は、サイプ壁面同士が並行である場合、0.3~0.9mmである。この距離は、センター主溝11,12およびショルダー主溝13,14等の主溝の溝幅に比べて狭い。サイプと主溝とは、平行なサイプ壁面間の距離と溝幅の寸法の相違によって区別され得る。
[0032]
 このように、中間連続陸部22,23の領域に、ラグ溝が無いので、中間連続陸部22,23のトレッド剛性の低下は抑制され、ドライ路面における操縦安定性能が向上する。さらに、センター陸部21にもラグ溝が無くトレッド剛性の低下が抑制されるので、ドライ路面における操舵初期の操縦性能も向上する。一方、中間連続陸部22,23に設けられる第1サイプ30,31は、面取りサイプであるので、サイプ面取り部42では、サイプ面取り部のない従来のサイプに比べて水が流れ易く、また、面取りサイプ部42の一部はエッジとして機能するので、さらに、センター主溝12には溝面取り部12A,12Bが設けられてセンター主溝12はジグザグ形状を成して、この部分がエッジとして機能するので、ウェット路面における操縦安定性能が向上する。また、中間連続陸部22,23及びセンター連続陸部21の領域では、ラグ溝が設けられていないので、連続陸部を切断してブロックを形成することが無いので、ラグ溝に起因して生じるパターンノイズが発生しない。このためパターンノイズも低減する。
[0033]
 ウェット路面における操縦安定性能を向上させるために、第1サイプ30,31におけるサイプ壁面のサイプ深さ方向に対する傾斜角度θ(図4(a),(b)参照)は、例えば20~80度であることが好ましい。第1サイプ30,31において、サイプ面取り部42のサイプ深さ方向の長さは、第1サイプ30,31の延在方向の位置に拠らず一定であることが好ましく、サイプ深さ方向の長さ(トレッド表面からサイプ底までの長さ)の例えば25~60%であることが好ましい。したがって、第1サイプ30,31において、サイプ面取り部42とサイプ本体部40との接続位置のトレッド表面から見たサイプ深さ方向の位置は、第1サイプ30,31の延在方向の位置に拠らず一定であることが好ましい。
[0034]
 図3(a),(b)は、好ましい一実施形態における第1サイプ30,31の一例を拡大して示す平面図である。図4(a),(b)は、図3(a)に示す第1サイプ30,31の一例の断面図である。図5は、図3(a)に示す第1サイプ30をサイプ中心線45に沿って切断したときの一例の斜視図である。図6はトレッドパターン10の要部を拡大して示す平面図である。
[0035]
 第1サイプ30,31は、図2に示すように、ショルダー主溝13,14からセンター連続陸部21の側に向かって、タイヤ幅方向に傾斜するように延びて、中間連続陸部22,23の領域内で閉塞するように設けられている。第1サイプ30,31のうち、ショルダー主溝14(ショルダー主溝A)から延びる第1サイプ30(第1サイプa)の、トレッド表面から見た表面輪郭形状は、ショルダー主溝14から延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びる延在部44(図2、図3(a)参照)と、第1サイプ30の閉塞端部に設けられ、延在部44から延在部44が延びるタイヤ周方向の側と反対側に屈曲して延びる屈曲部46と、を有する。
[0036]
 第1サイプ31には、屈曲部46のような屈曲形状が閉塞端部に設けられておらず、第1サイプ31はショルダー主溝13から延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びてセンター主溝11に接続することなく中間連続陸部22の領域内で閉塞している。このとき、サイプ深さ方向においては、延在部44と同じ断面形状でサイプ本体部40とサイプ面取り部42が閉塞端部まで延びている。サイプ面取り部42における面取り面のサイプ深さ方向に対する傾斜角度も変化せず一定の角度を維持している。
[0037]
 このとき、一実施形態によれば、図4(b),図5に示すように、第1サイプ30の屈曲部46において、サイプ本体部40は屈曲することなく延在部44から延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びて閉塞する一方、サイプ面取り部42が、屈曲部の屈曲形状を形成していることが好ましい。
 具体的には、サイプ面取り部42の面取り面42Aの第1サイプ30の深さ方向に対する傾斜角度θ(図4(b)参照)が変化することにより、屈曲部46の屈曲形状は形成されていることが好ましい。すなわち、2つのサイプ壁面の一方の側のサイプ壁面は、第1サイプの深さ方向に対する傾斜角度が互いに異なる面取り面(第1面取り面)42A及び面取り面(第2面取り面)42Cをサイプ深さ方向の異なる場所に備える。こうして、屈曲部46の屈曲形状は形成されている。
[0038]
 第1サイプ30の延在部44におけるサイプの断面形状は、図4(a)に示すように、サイプ中心線45に対して左右対称の形状をしている。延在部44におけるサイプ面取り部42は、対向する面取り面42Aと面取り面42Bで構成され、面取り面42Aと面取り面42Bは、同じ傾斜角度θであるが、サイプ深さ方向に対して、互いに異なる側に傾斜している。面取り面42Aと面取り面42Bは平面であるが、サイプ壁面間の空間に対して凸になるようにあるいは凹になるように穏やかに湾曲した曲面であってもよい。
[0039]
 これに対して、屈曲部46におけるサイプ断面形状は、図4(b)に示すように、サイプ中心線45に対して非対称の形状をしている。屈曲部46におけるサイプ面取り部42は、対向する面取り面42A、面取り面42B、面取り面42Cと、壁面42Dとで構成され、面取り面42Aと面取り面42Bは、同じ傾斜角度θであるが、サイプ深さ方向に対して、互いに異なる側に傾斜している。面取り面42Cは、面取り面42Aと同じ側に設けられ同じ側に傾斜している。面取り面42Cの傾斜角度θは面取り面42Aと異なっている。一実施形態によれば、面取り面42Cの傾斜角度θは面取り面42Aの傾斜角度θに比べて大きい、ことが好ましい。一実施形態によれば、面取り面42Cは、面取り面42Aに対してトレッド表面の側に位置する、ことが好ましい。このような形態にすることにより、面取り部42の対向する面取り面間の空間を大きく確保することができる。したがって、面取り面42Aと面取り面42Cは、面取り面42Aとリッジ線42Eを介して接続されている。面取り面42Cは、トレッド表面から第1サイプ30のサイプ本体部40の閉塞端部の先端に進む方向に傾斜した平面である。図3(a)に示すように、屈曲部46の表面輪郭形状は、矢印形状をしており、この矢印形状を形作るトレッド表面と接する縁は、リッジ線42F,42Gである。面取り面42Cは、トレッド表面とリッジ線42Fを介して接続されている。したがって、面取り面42Cは、リッジ線42Fから、サイプ本体部40のサイプ深さ方向の最も上部の位置(面取り面42Aとサイプ本体部40のサイプ壁面の接続位置)であって、閉塞端部の先端の位置に向かって傾斜している。一方、壁面42Dは、トレッド表面とリッジ線42Gを介して接続されて、サイプ深さ方向に対して0~60度の範囲の傾斜角度で、面取り面42Cに向かって延びている。すなわち、壁面42Dは、サイプ本体部40のサイプ壁面と同様にトレッド表面から見て急傾斜面となっている。このようなリッジ線42Gが、図2、図6に示されるように、延在部44からタイヤ周方向に屈曲する屈曲部46の矢印形状の縁となっている。したがって、リッジ線42Gは、エッジ効果を発揮することができる。なお、面取り面42A、面取り面42B、面取り面42C、及び壁面42Dは平面であるが、サイプ壁面間の空間に対して凸になるようにあるいは凹になるように穏やかに湾曲した曲面であってもよい。
[0040]
 一実施形態によれば、図4(b)に示すように、第1サイプ30の一方の側のサイプ壁面である面取り面42A,42Cの、第1サイプ30の深さ方向に対する傾斜角度θは互いに異なって屈曲部46の屈曲形状が形成されていることが好ましい。これにより、面取り面42Cの傾斜角度θを面取り面42Bの傾斜角度θよりも大きくすることができ、屈曲部46に大きな空間を確保できるので、ウェット路面上の水がこの空間に流入し易くなりサイプ面取り部42を介してショルダーラグ溝14に排水されるので排水性能に寄与する。このため、ウェット路面における操縦安定性能を向上させることができる。
 一実施形態によれば、面取り面42Aの傾斜角度θは対向する面取り面42Bと同じであることが好ましい。これにより、中間連続陸部23における第1サイプ30周りの部分の変形が極端に非対称になることを抑制でき、ブロック欠けを抑制することができる。
[0041]
 また、一実施形態によれば、2つの面取り面42A,42Cの面取り幅は、サイプ本体部40の閉塞する端に向かうに連れて小さくなることが好ましい。図4(b)に示すように、面取り面42A,42Cのトレッド表面からの深さ方向の位置は、サイプ本体部40の閉塞端部の先端に進むにつれて深い位置になるが、サイプ本体部40の閉塞端部の先端に向かうに連れて面取り幅が小さくなるので、中間連続陸部23のトレッド剛性の低下を抑制することができ、ドライ路面における操縦安定性の低下を抑制することができる。
[0042]
 図6に示すように、第1サイプ30(第1サイプa)が設けられる中間連続陸部23(中間連続陸部α)の領域には、屈曲部46に連通しない細溝60が、タイヤ周方向に間欠的に設けられている。一実施形態によれば、細溝60の延在方向は、屈曲部46の表面輪郭形状のセンター主溝12側の縁であるリッジ線42Gの延在方向に平行であることが好ましい。リッジ線42Gのエッジと細溝60のエッジを互いに平行にしてエッジ成分の方向を揃えることできるので、エッジ効果は増大する。このため、ウェット路面における操縦安定性能を向上させることができる。細溝60の溝幅は、例えば0.2~1.0mmであり、溝深さは、例えば2.0~4.0mmであり、ラグ溝や主溝と、溝深さ及び溝幅で区別することができる。
[0043]
 空気入りタイヤTは、一実施形態によれば、車両に対する装着の向きが指定されていることが好ましい。この装着向きの指定は、空気入りタイヤTのサイドウォール表面に文字や記号等により情報として付される。このとき、ショルダー主溝14(ショルダー主溝A)及びジグザグ形状のセンター主溝12は、ショルダー主溝13(ショルダー主溝B)及びセンター主溝11に対して、車両外側に位置するように、装着の向きが指定されていることが好ましい。これにより、コーナリングの際に高荷重がかかり操縦安定性能に大きな影響を与えるコーナリング外側の空気入りタイヤの、センターラインCLに対して車両外側に位置するジグザグ形状のセンター主溝12、第1サイプ30、及び細溝60のエッジ成分によりウェット路面における操縦安定性能がより一層向上する。
[0044]
 さらに、図2に示されるように、中間連続陸部22(中間連続陸部β)の領域には、センター主溝11から延びてショルダー主溝13に接続することなく閉塞する第2サイプ32が設けられ、さらに、中間連続陸部22に接するセンター主溝11から、他のセンター主溝12に向かって延びて、他のセンター主溝12に接続することなく閉塞する第3サイプ33が設けられている。このとき、一実施形態によれば、図2に示すように、第2サイプ32が第3サイプ33の延長線上に位置するように、第2サイプ32及び第3サイプ33のタイヤ幅方向に対する傾斜の向きとタイヤ周上の位置は設定されていることが好ましい。これにより、第2サイプ32及び第3サイプ33が1つのサイプのように作用して、エッジ効果が集中するので、ウェット路面における制駆動性能を向上させることができる。第2サイプ32及び第3サイプ33は、対向するサイプ壁面がサイプ深さ方向のいずれの位置においても平行になっている、サイプ面取り部のない形態のサイプである。
[0045]
 また、中間連続陸部22(中間連続陸部β)の領域に設けられる第1サイプ31(第1サイプb)と、第2サイプ32は、トレッド表面からみて、タイヤ幅方向の同じ側(図2の紙面上の左側あるいは右側)の方向に対して、お互いにタイヤ周方向の異なる側に傾斜していることが好ましい。すなわち、第1サイプ31と第2サイプ32は、ハの字形状を成している。これにより、空気入りタイヤTに、正のスリップ角がついても、負のスリップ角がついても、ウェット路面における操縦安定性能及び制駆動性能を効果的に発揮させることができる。
[0046]
 第1サイプ30,31は、トレッド表面からみて、お互いに、タイヤ幅方向の同じ側(図2の紙面上の左側あるいは右側)の方向に対してタイヤ周方向の同じ側に傾斜していることが好ましい。いいかえると、第1サイプ30,31は、トレッド表面からみて、タイヤ幅方向の内側に進むに連れて、タイヤ周方向の異なる側に進むように傾斜している、ともいえる。図2に示す例では、第1サイプ30,31は、紙面上で左下から右上方向へ、あるいは右上方向から左下方向に延びている。第1サイプ30,31のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、25~75度であることが好ましい。傾斜角度が25度未満では、第1サイプ30,31がショルダー主溝13,14と接続する接続部分近傍において、中間連続陸部23のトレッド剛性が局部的に低下し、ドライ路面での操縦安定性能が低下し易く、偏摩耗の発生の核となり易い。傾斜角度が75度より大きいと、中間連続陸部23のタイヤ周方向のトレッド剛性が低下してドライ路面での操縦安定性能が低下し易い。
[0047]
 また、図2に示すように、ショルダー陸部24の領域には、タイヤ周方向に一周する周方向補助溝39と、ショルダーラグ溝36が設けられている。ショルダーラグ溝36は、タイヤ幅方向の外側からタイヤ幅方向に延びてショルダー主溝13(ショルダーラグ溝B)に連通することなく閉塞している。このとき、ショルダーラグ溝36は、周方向補助溝39と交差することが好ましい。周方向補助溝39は、ショルダー陸部24のトレッド剛性が高くなり過ぎることを抑制し、ショルダー陸部の接地面積を調整する。特に、ショルダー陸部24が車両内側に向くように車両に装着される場合、キャンバーの効果(ネガティブキャンバー)によりタイヤの接地面積を大きくして接地圧力を低下させることができるので、ショルダー陸部24の摩耗を抑制することができる。
 周方向補助溝39の溝幅は、例えば0.8~3.0mmであり、溝深さは1.0~4.5mmである。
[0048]
(実験例)
 実施形態の空気入りタイヤTの効果を確認するために、種々のトレッドパターンを備える空気入りタイヤを試作して性能を評価した。具体的には、試作した空気入りタイヤのタイヤサイズは、225/50R17 98Wとした。試作した空気入りタイヤをリム(リムサイズ17×7.5J)に装着し、空気圧230kPaの条件で試験車両(排気量2400ccの前輪駆動車)に装着した。試験車両をテストコース路面上で走行させて、ドライ路面での操縦安定性能及びウェット路面での操縦安定性能の評価、及びパターンノイズの大小の評価を行った。
[0049]
 ドライ路面での操縦安定性能の評価では、ドライバーがドライ路面上で操舵を行いながら操舵に対する応答の評価を官能評価で行い、従来例を指数100として指数化した。指数が高いほど性能が高いことを示す。
 ウェット路面での操縦安定性能の評価では、雨天条件を再現したウェット路面の所定の範囲を走行したときの走行時間を計測し、その逆数を指数化した。従来例の計測した走行時間の逆数を指数100とした。したがって、指数が高いほど性能が高いことを示す。
 パターンノイズの評価では、所定の速度条件で車両を走行させたときにドライバーが聞くパターンノイズの大きさの官能評価を行った。評価については、従来例を指数100として指数化した。指数が高いほどパターンノイズが低いことを示す。
[0050]
 試作した空気入りタイヤTは、図1に示すタイヤ構造を用いた。
 従来例の空気入りタイヤのトレッドパターンは、図2に示すトレッドパターンのうち、第1サイプ30,31がなく、ラグ溝とした以外は、図2に示すトレッドパターンとした。ラグ溝の溝幅は、4.6mmとした。
 比較例では、図2に示すトレッドパターンを基調パターンとし、第1サイプ30,31を有するが、サイプ面取り部42がなく、対向するサイプ壁面の距離がサイプ深さ方向で一定であるサイプ本体部40で構成されたサイプとした。サイプ壁面の距離は、以下に説明する実施例におけるサイプ本体部40における距離と同じにした。第1サイプ30,31のサイプ深さは5.7mmとし、サイプ本体部40におけるサイプ壁面間の距離は0.6mmとし、面取り面42A,42Bの傾斜角度θは25度、面取り面42Cの傾斜角度θは45度とし、屈曲部46のサイプ面取り部42における対向するサイプ壁面間の最大距離を5.5mmとした。
 屈曲部46のない実施例1では、図2に示すトレッドパターンを基調パターンとし、第1サイプ30の閉塞端部は、第1サイプ31の閉塞端部(図3(b)参照)と同様の形状とした。実施例2~6では、図2に示すトレッドパターンを基調パターンとした。
 従来例及び実施例では、いずれもセンター主溝12の縁部は、溝面取り部を設けてジグザグ形状とした。表1、2中の“面取り深さ”は、第1サイプ30,31のサイプ深さ(サイプ本体部40及びサイプ面取り部42の合計の深さ)に対するサイプ面取り部42の深さ(トレッド表面からサイプ面取り部42の最も深い位置までの長さ)の比である。
 センター主溝11,12の溝幅、溝深さは、それぞれ、9.3mm、8.3mmとし、ショルダー主溝13,14の溝幅、溝深さは、それぞれ、11.3mmとし、ショルダーラグ溝35,36の最大溝幅、最大溝深さは、それぞれ、5.5mm、5.2mmとした。
[0051]
[表1]


[0052]
[表2]


[0053]
 従来例に対して実施例1~6はいずれもドライ路面及びウェット路面における操縦安定性能が向上し、かつパターンノイズも低減することがわかる。
 比較例と実施例1との比較より、第1サイプ30にサイプ面取り部42を設けることにより、ウェット路面における操縦安定性能が向上することがわかる。
 実施例1と実施例2との比較より、第1サイプ30に屈曲部46を設けることにより、ウェット路面における操縦安定性能が向上することがわかる。
 実施例2~4より、サイプ面取り部42の深さを、第1サイプ30,31のサイプ本体部40及びサイプ面取り部42の合計の深さに対して、0.2~0.6倍の深さとすることにより、ドライ路面及びウェット路面における操縦安定性能が向上することがわかる。
 実施例2,5,6より、第1サイプ30,31のショルダー主溝13,14に対する傾斜角度は、25度~75度においてドライ路面及びウェット路面における操縦安定性能が向上し、かつパターンノイズも低減することがわかる。
 これより、実施形態の空気入りタイヤTの効果は明らかである。
[0054]
 以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。

符号の説明

[0055]
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
10 トレッドパターン
11,12 センター主溝
13,14 ショルダー主溝
21 センター連続陸部
22,23 中間連続陸部
24,25 ショルダー陸部
30,31 第1サイプ
32 第2サイプ
33 第3サイプ
35,36 ショルダーラグ溝
37,38 ショルダーサイプ
39 周方向補助溝
40 サイプ本体部
42 サイプ面取り部
42A,42B,42C 面取り面
42D 壁面
42E,42F,42G リッジ線
45 サイプ中心線
60 細溝

請求の範囲

[請求項1]
 空気入りタイヤであって、
 タイヤ周方向に延びて環状を成し、トレッドパターンを備えたトレッド部を備え、
 前記トレッドパターンは、
 前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線に対してタイヤ幅方向の両側に位置し、タイヤ周方向に一周する2つの内側主溝と、
 前記2つの内側主溝をタイヤ幅方向内側に挟むように設けられた2つの外側主溝と、
 前記2つの内側主溝に挟まれて形成され、タイヤ周方向に連続して一周する内側連続陸部と、
 前記内側主溝及び前記外側主溝に挟まれて形成され、前記内側連続陸部のタイヤ幅方向の外側でタイヤ周方向に連続して一周する2つの中間連続陸部と、
 前記2つの中間連続陸部のそれぞれの領域に設けられ、前記外側主溝からタイヤ幅方向内側に延びる第1サイプと、を備え、
 前記内側連続陸部及び前記中間連続陸部の領域には前記内側主溝あるいは前記外側主溝から延びるラグ溝が設けられず、
 前記内側主溝の1つの両側の縁は、前記トレッド部のトレッド表面から見てジグザグ形状をなすように面取り幅がタイヤ周方向で変化する溝面取り部を備え、
 前記第1サイプは、前記第1サイプの深さ方向のサイプ底側においてサイプ壁面の距離が一定であるサイプ本体部と、前記第1サイプの前記トレッド表面の側においてサイプ壁面が前記トレッド表面に向かって開くように傾斜したサイプ面取り部と、を備える、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
[請求項2]
 前記第1サイプは、前記外側主溝から前記内側連続陸部に向かって、タイヤ幅方向に傾斜して、前記中間連続陸部の領域内で閉塞するように設けられ、
 前記第1サイプのうち、前記外側主溝のうち一方の外側主溝Aから延びる第1サイプaの、前記トレッド表面から見た表面輪郭形状は、前記外側主溝Aから延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びる延在部と、前記第1サイプaの閉塞端部の側に設けられ、前記延在部から前記延在部が延びるタイヤ周方向の側と反対側に屈曲して延びる屈曲部と、を有し、
 前記屈曲部において、前記サイプ本体部は屈曲することなく前記延在部から延在方向が一定あるいは滑らかに変化して延びて閉塞する一方、前記サイプ面取り部が、前記屈曲部の屈曲形状を形成している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
[請求項3]
 前記サイプ面取り部は、前記サイプ面取り部の対向する2つのサイプ壁面の一方の側のサイプ壁面は、前記第1サイプの深さ方向に対する傾斜角度が互いに異なる第1面取り面及び第2面取り面をサイプ深さ方向の異なる場所に備えることにより、前記屈曲部の屈曲形状を形成している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
[請求項4]
 前記第1面取り面の前記傾斜角度は対向する面取り面と同じである、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
[請求項5]
 前記第2面取り面の前記傾斜角度は前記第1面取り面の傾斜角度に比べて大きい、請求項3または4に記載の空気入りタイヤ。
[請求項6]
 前記第2面取り面は、前記第1面取り面に対して前記トレッド表面の側に位置する、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
[請求項7]
 前記対向する2つの面取り面の面取り幅は、前記サイプ本体部の閉塞する端に向かうに連れて小さくなる、請求項3~5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
[請求項8]
 前記中間連続陸部のうち、前記第1サイプaが設けられる中間連続陸部αの領域には、前記屈曲部に連通しない細溝が、タイヤ周方向に間欠的に設けられ、前記細溝の延在方向は、前記表面輪郭形状の前記内側主溝側の縁の延在方向に平行である、請求項2~7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
[請求項9]
 前記空気入りタイヤは、車両に対する装着の向きが指定されており、
 前記外側主溝Aは、前記外側主溝のうちの前記外側主溝Aと異なる外側主溝Bに対して、車両外側に位置するように、前記装着の向きが指定されている、請求項2~8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
[請求項10]
 前記外側主溝Aと異なる外側主溝と前記内側主溝の1つに挟まれる前記中間連続陸部のうちの中間連続陸部βの領域には、前記内側主溝の1つから延びて前記外側主溝に連通することなく閉塞する第2サイプが設けられ、
 前記内側連続陸部の領域には、前記2つの内側主溝のうち、前記中間連続陸部βに接する内側主溝から、他の内側主溝に向かって延びて、前記他の内側主溝に連通することなく閉塞する第3サイプが設けられ、
 前記第2サイプが前記第3サイプの延長線上に位置するように、前記第2サイプ及び前記第3サイプのタイヤ幅方向に対する傾斜の向きとタイヤ周上の位置は設定されている、請求項2~9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
[請求項11]
 前記第1サイプのうち、前記中間連続陸部βの領域に設けられる第1サイプbと、前記第2サイプは、前記トレッド表面からみて、タイヤ幅方向の内側に進むに連れて、タイヤ周方向の異なる側に進むように傾斜している、請求項9に記載の空気入りタイヤ。
[請求項12]
 前記2つの中間連続陸部の領域に設けられる前記第1サイプは、前記トレッド表面からみて、お互いに、前記タイヤ幅方向内側に進むに連れて、タイヤ周方向の異なる側に進むように傾斜している、請求項1~11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
[請求項13]
 前記外側主溝のうち外側主溝Bのタイヤ幅方向外側には、外側陸部が設けられ、
 前記外側陸部の領域には、タイヤ周方向に一周する周方向補助溝と、タイヤ幅方向の外側からタイヤ幅方向に延びて前記外側主溝Bに連通することなく閉塞した外側ラグ溝と、が設けられ、前記外側ラグ溝は、前記周方向補助溝と交差する、請求項1~12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]