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1. (WO2019044195) HEARTBEAT MEASUREMENT DEVICE
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明 細 書

発明の名称 心拍測定装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063  

符号の説明

0064  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 心拍測定装置

技術分野

[0001]
 本発明は、例えば人体の心拍の測定に用いて好適な心拍測定装置に関する。

背景技術

[0002]
 心拍測定装置として、ドップラ効果を利用したドップラセンサが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。このようなドップラセンサは、被測定者に対し送信アンテナから送信信号を送信する送信手段と、受信アンテナによって前記被測定者から反射してきた信号を受信信号として受信する受信手段と、前記送信信号と前記受信信号の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号を生成する信号生成手段とを備えている。
[0003]
 特許文献1には、ドップラセンサから出力される中間周波信号(IF信号)をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号に対して、フィルタ処理を実行することによって、心拍と呼吸を算出する構成が開示されている。
[0004]
 特許文献2には、反射波をIQ検波(直交検波)し、IQ平面上の取得信号の位置ベクトルのノルムの時系列データから心拍信号を抽出し、抽出した心拍信号の波形の周期的な変動に基づいて1心拍に対応する心拍信号を検出することが記載されている。
[0005]
 特許文献3には、血流による反射率の変化から心拍を検出するドップラセンサが記載されている。また、特許文献3には、ドップラセンサの検出した振幅成分と位相成分の2つの信号に基づいて、振幅成分から人体の体動に起因する成分を分離する処理を行い、心拍だけを抽出する構成が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2016-13239号公報
特許文献2 : 特開2014-39838号公報
特許文献3 : 特開2006-55504号公報

発明の概要

[0007]
 ところで、特許文献1に記載された心肺機能監視装置は、フーリエ変換後の信号に対して、フィルタ処理を実行することによって、心拍と呼吸を算出する。このため、心拍による周波数成分と体動による周波数成分とが重なった場合には、検知できないという問題がある。
[0008]
 特許文献2に記載されたドップラセンサは、IQ平面上の時系列の動きを見ている。このため、雑音がある場合に信号の検知ができなくなる。
[0009]
 特許文献3に記載されたドップラセンサは、血流による反射率の変化から心拍を検出している。しかしながら、血流による反射率の変化は非常に小さく、雑音に弱い。このため、極めて小さな体動でなければ、心拍と分離できないという問題がある。
[0010]
 本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、心拍成分を精度良く抽出することができる心拍測定装置を提供することにある。
[0011]
 上述した課題を解決するために、本発明は、被測定者に対し送信アンテナから送信信号を送信する送信手段と、受信アンテナによって前記被測定者から反射してきた信号を受信信号として受信する受信手段と、前記送信信号と前記受信信号の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号を生成する信号生成手段とを備えた心拍測定装置において、前記I信号と前記Q信号から正と負の周波数領域のスペクトラムを計算するスペクトラム演算部と、前記スペクトラムの正と負の周波数成分を比較して心拍成分を抽出する信号処理部とを備えることを特徴としている。
[0012]
 本発明によれば、心拍成分を精度良く抽出することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明の第1の実施の形態による心拍測定装置の構成を示すブロック図である。
[図2] IQ平面上の受信信号の動きを示す説明図である。
[図3] 被測定者の動きとスペクトラムとの関係を示す説明図である。
[図4] 受信信号、フーリエ変換区間およびスペクトラムの関係を示す説明図である。
[図5] 本発明の第2の実施の形態による心拍測定装置の構成を示すブロック図である。
[図6] 本発明の第3の実施の形態による心拍測定装置の構成を示すブロック図である。
[図7] 本発明の心拍測定装置を車両に搭載した状態を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の実施の形態による心拍測定装置について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
[0015]
 図1に、第1の実施の形態による心拍測定装置1を示す。心拍測定装置1は、送信機3、受信機5、直交検波回路7、フーリエ変換部8、信号処理部9等を備えている。送信機3および直交検波回路7は、局部発振器2に接続されている。心拍測定装置1は、ドップラ効果を利用したドップラセンサであり、被測定者O(人体)の心拍を、被測定者Oとは非接触で測定する。
[0016]
 局部発振器2は、単一の周波数f0のRF信号(高周波信号)を生成する。このとき、RF信号の周波数f0は、10GHzないし100GHzの範囲内に設定されている。
[0017]
 送信機3は、被測定者Oに対し送信アンテナ4から送信信号Stを送信する送信手段を構成している。送信機3は、電力増幅器3A(PA)を備えている。電力増幅器3Aの入力側は、局部発振器2に接続されている。電力増幅器3Aの出力側は、送信アンテナ4に接続されている。送信機3は、局部発振器2によるRF信号を、電力増幅器3Aによって電力増幅し、送信信号Stとして送信アンテナ4から被測定者Oに向けて送信する。
[0018]
 送信アンテナ4は、送信信号Stが放射可能な各種のアンテナによって構成されている。送信アンテナ4の入力側は、送信機3(電力増幅器3A)に接続されている。送信アンテナ4は、例えば被測定者Oの前方に配置され、送信機3から入力される送信信号Stを、被測定者Oの胸部に向けて照射する。
[0019]
 受信機5は、受信アンテナ6によって被測定者Oから反射してきた信号を受信信号Srとして受信する受信手段を構成している。受信機5は、低雑音増幅器5A(LNA)を備えている。低雑音増幅器5Aの入力側は、受信アンテナ6に接続されている。低雑音増幅器5Aの出力側は、直交検波回路7に接続されている。受信機5は、被測定者Oが送信信号Stを反射したときに、このときの反射波を受信アンテナ6によって受信信号Srとして受信する。受信機5は、低雑音増幅器5Aによって受信信号Srを増幅し、直交検波回路7に出力する。
[0020]
 受信アンテナ6は、送信アンテナ4と同様に構成されている。受信アンテナ6は、例えば送信アンテナ4と同様に被測定者Oの前方に配置され、被測定者Oが送信信号Stを反射したときの反射波を受信信号Srとして受信する。受信アンテナ6は、受信信号Srを受信可能な各種のアンテナによって構成されている。
[0021]
 なお、送信アンテナ4および受信アンテナ6は、被測定者Oの前方に限らず、受信信号Srに被測定者Oの心拍によるドップラ効果が生じる位置であれば、いずれの位置(例えば被測定者Oの後方)に配置してもよい。
[0022]
 直交検波回路7は、送信信号Stと受信信号Srの同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号を生成する信号生成手段を構成している。直交検波回路7は、受信信号Srに対して直交検波を行う。直交検波回路7は、ミキサ7A,7Bと移相器7Cとによって構成されている。ミキサ7Aは、局部発振器2に接続されている。ミキサ7Aは、受信信号Srと局部発振器2によるRF信号とを混合してI信号(同相信号)を出力する。ミキサ7Bは、RF信号の位相を90°シフトさせる移相器7Cを介して局部発振器2に接続されている。ミキサ7Bは、受信信号Srと移相器7Cを通過したRF信号とを混合してQ信号(直交信号)を出力する。直交検波回路7は、I信号とQ信号をフーリエ変換部8に出力する。
[0023]
 フーリエ変換部8および信号処理部9は、例えばマイクロコンピュータ等のような演算装置10によって構成されている。演算装置10は、I信号およびQ信号をAD変換器によってディジタル信号に変換するAD変換器(図示せず)を有している。これに加えて、演算装置10は、各種のプログラムが格納された記憶部(図示せず)を有している。演算装置10は、各種のプログラムを実行することによって、フーリエ変換部8および信号処理部9として動作する。
[0024]
 フーリエ変換部8は、I信号とQ信号から正と負の周波数領域のスペクトラムSsを計算するスペクトラム演算部を構成している。フーリエ変換部8は、時間幅Twを心拍の間隔Thbよりも短く設定して、I信号とQ信号をフーリエ変換する。このため、I信号およびQ信号は、フーリエ変換部8に入力され、予め決められた時間幅Twに区切られてフーリエ変換される。図4に示すように、フーリエ変換部8は、区切られた時間幅Twを少しずつずらしながら、それぞれの区間でフーリエ変換を行い、スペクトラムSsの時間変化を演算する。時間幅Twをずらす値は、時間幅Twよりも小さい値(例えば時間幅Twの半分)である。
[0025]
 ここで、心拍数の正常値は、例えば60~100回/分程度である。このとき、心拍の間隔Thbは、例えば0.6~1秒程度になる。このため、フーリエ変換部8は、心拍の間隔Thbよりも短い値として、例えば0.3~0.5秒程度の時間幅Twを設定し、I信号とQ信号を時間幅Twで区切って、フーリエ変換する。
[0026]
 フーリエ変換されたデータは、正と負の周波数領域を持っている。フーリエ変換部8は、ある一定時間(時間幅Tw)の信号に含まれる周波数成分を計算し、その周波数成分の時間変化を連続して出力する。フーリエ変換部8は、スペクトラムSsを信号処理部9に出力する。
[0027]
 信号処理部9は、スペクトラムSsの正と負の周波数成分を比較して心拍成分を抽出する。信号処理部9は、スペクトラムSsの時間変化を解析し、正と負の周波数成分を比較する。具体的には、信号処理部9は、スペクトラムSsについて同一周波数で正と負の信号強度を比較する。信号処理部9は、例えば両者の差異が20%以内であるとき、即ち一方(例えば正側)の信号強度が他方(例えば負側)の信号強度の±20%の範囲内にあるときには、信号強度が同じ範囲であると判定する。一方、信号処理部9は、例えば両者の差異が20%を超えているときには、信号強度が異なる範囲であると判定する。信号処理部9は、心拍信号として、正と負の周波数成分で信号強度が同じ範囲であるものを抽出する。
[0028]
 なお、信号強度が同じ範囲は、例示したものに限らず、実際の測定結果等に応じて適切な値が適宜設定される。また、フーリエ変換部8および信号処理部9は、演算装置10の演算処理によって実現するものとしたが、それぞれハードウエアの処理回路によって構成してもよい。
[0029]
 次に、本実施の形態による心拍測定装置1による心拍測定の動作について、図1ないし図4を参照しつつ説明する。
[0030]
 心拍測定装置1は、例えば被測定者Oから数m離れた位置に設置される。心拍測定装置1は、送信アンテナ4から被測定者Oに対し送信信号St(RF信号)を出力し、被測定者Oで反射して戻ってきた反射波(RF信号)を受信信号Srとして受信アンテナ6で受信する。このとき、反射波には、被測定者Oの動きに伴ってドップラ効果が生じ、被測定者Oの動きに応じた位相変動が生じる。受信信号Srは、直交検波回路7のミキサ7A,7Bによりダウンコンバートされ、I信号とQ信号が生成される。I信号とQ信号は、振幅をA(t)、送信信号の周波数をf0、心拍測定装置1と被測定者Oの距離をd(t)、光速をc、雑音等による位相変動をφ(t)とすると、以下の数1および数2の式のように表される。
[0031]
[数1]


[0032]
[数2]


[0033]
 図2に心拍測定装置1(直交検波回路7)の出力信号(I信号およびQ信号)の一例を示す。ターゲット(例えば被測定者Oの胸表面)が移動するに従い、受信信号Srの位相が回転し、IQ平面上で円周上を動く。心拍測定装置1と被測定者Oの距離が送信信号Stの半波長分変化すると、IQ平面上で1周する。心拍測定装置1と被測定者Oが近付くときは、IQ平面上で左回りに回転する。心拍測定装置1と被測定者Oが遠ざかるときは、IQ平面上で右回りに回転する。心拍測定装置1と被測定者Oの距離の変動が送信信号Stの半波長に対して充分小さいときは、図2中の軌跡は円周上の一部分のみ動き、ほぼ直線的な動きとなる。
[0034]
 図3にIQ信号をフーリエ変換したスペクトラムの周波数成分を例示する。被測定者Oの動きが大きい場合には、図2に示したように、IQ平面上で円周上を動く。図3(A)に示すように、心拍測定装置1と被測定者Oが近付き、IQ平面上で左回りに回転するときは、スペクトラムSsの周波数成分は、正の周波数成分として表れる。図3(B)に示すように、心拍測定装置1と被測定者Oが遠ざかり、IQ平面上で右回りに回転するときは、スペクトラムSsの周波数成分は、負の周波数成分として表れる。図3(C)に示すように、逆に被測定者Oの動きが小さい場合には、周波数成分は正側と負側にほぼ同じ成分を持つ。
[0035]
 図4に心拍による受信信号Sr(I信号とQ信号)のスペクトラムSsの一例を示す。ここで、送信信号Stの周波数f0は、10GHzないし100GHzの範囲内である。このため、送信信号Stの波長は、3mmないし30mmになり、その半波長は、1.5mmないし15mmになる。このとき、心拍に伴う胸表面の動きは、概ね0.5mmないし1.0mmであり、送信信号Stの半波長よりも小さい。このため、図2中の軌跡は、円周上の一部分のみ動き、ほぼ直線的な動きとなる。この結果、図4に示すように、心拍のスペクトラムSsの周波数成分は、正側と負側にほぼ同じ成分を持つ。
[0036]
 ここで、I信号およびQ信号は、時間幅Twに区切られてフーリエ変換される。このとき、I信号およびQ信号のうち時間幅Twで区切られる部分は、徐々にシフトする。このため、スペクトラムSsの信号強度は、I信号およびQ信号のうちフーリエ変換される部分がずれるのに従って、時間変化する。心拍のスペクトラムSsの周波数成分が正側と負側にほぼ同じ成分を持つ点については、両者の振幅は、ほぼ同じ大きさとなる。従って、信号処理部9は、正と負の周波数成分で信号強度が同じ範囲であるものを抽出することによって、心拍信号を抽出することができる。
[0037]
 かくして、スペクトラム演算部8は、被測定者Oからの反射波(受信信号Sr)のI信号とQ信号から正と負の周波数領域のスペクトラムSsを計算し、信号処理部9は、スペクトラムSsの正と負の周波数成分を比較して心拍成分を抽出する。このとき、心拍のように小さい動きに対する信号の周波数成分は、正と負の周波数領域で同様に現われる。これに対し、体動のように大きな動きに対する信号の周波数成分は、正と負で異なる成分を有する。このため、信号処理部9は、スペクトラムSsの正と負の周波数成分を比較して、正と負の周波数領域で同じ成分を取り出すことによって、心拍による信号を抽出することができる。この結果、心拍による信号と体動による信号とを分離することができ、体動による影響があっても、心拍成分を精度良く抽出することができる。
[0038]
 また、送信信号Stの周波数は、10GHzないし100GHzの範囲内であるから、送信信号Stの波長は、3mmないし30mmになり、その半波長は、1.5mmないし15mmになる。このとき、心拍に伴う胸表面の動きは、概ね0.5mmないし1.0mmであり、送信信号Stの半波長よりも小さい。一方、呼吸に伴う胸表面の動きは、概ね10mmであり、送信信号Stの半波長と同程度の大きさになる。このため、送信信号Stの周波数は、10GHzないし100GHzの範囲内に設定することによって、心拍は小さな動きとして捕らえ、呼吸は大きな動きとして捕らえることができ、心拍と呼吸を精度良く分離することができる。
[0039]
 さらに、スペクトラム演算部は、I信号とQ信号をフーリエ変換するフーリエ変換部8によって構成されている。このとき、心拍による胸表面の動きは、1回の心拍の間に瞬時に振動する時間帯と、殆ど動いていない時間帯とが存在する。これに対し、フーリエ変換部8は、フーリエ変換の時間幅Twが心拍の間隔Thbよりも短く設定されているから、周波数成分の時間変化を精度良く観測することができ、個別の鼓動を、時間を追って観測することができる。このため、心拍の検知精度が向上する。
[0040]
 次に、図5に、本発明の第2の実施の形態による心拍測定装置11を示す。第2の実施の形態の特徴は、スペクトラム演算部は、I信号とQ信号をウェーブレット変換するウェーブレット変換部によって構成されたことにある。なお、心拍測定装置11の説明に際し、第1の実施の形態による心拍測定装置1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
[0041]
 心拍測定装置11は、送信機3、受信機5、直交検波回路7、ウェーブレット変換部12、信号処理部9等を備えている。
[0042]
 ウェーブレット変換部12および信号処理部9は、例えばマイクロコンピュータ等のような演算装置10によって構成されている。演算装置10は、各種のプログラムを実行することによって、ウェーブレット変換部12および信号処理部9として動作する。
[0043]
 ウェーブレット変換部12は、I信号とQ信号から正と負の周波数領域のスペクトラムSsを計算するスペクトラム演算部を構成している。ウェーブレット変換部12は、フーリエ変換する際に、解析する周波数帯域により時間幅を変える。具体的には、ウェーブレット変換部12は、低い周波数帯域は時間幅を広くし、高い周波数帯域は時間幅を狭くする。これにより、同時に広帯域な信号解析を行うことができる。
[0044]
 フーリエ変換されたデータは、正と負の周波数領域を持っている。ウェーブレット変換部12は、可変な時間幅の信号に含まれる周波数成分を計算し、その周波数成分の時間変化を連続して出力する。ウェーブレット変換部12は、スペクトラムSsを信号処理部9に出力する。
[0045]
 かくして、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、スペクトラム演算部は、I信号とQ信号をウェーブレット変換するウェーブレット変換部12によって構成されている。この場合、ウェーブレット変換部12は、フーリエ変換するときに、解析する周波数帯域に応じて時間幅を変える。このため、ウェーブレット変換部12は、低い周波数帯域は時間幅を広くし、高い周波数帯域は時間幅を狭くすることで、同時に広帯域な信号解析を行うことができる。
[0046]
 次に、図6に、本発明の第3の実施の形態による心拍測定装置21を示す。第3の実施の形態の特徴は、送信アンテナと受信アンテナは、これらに兼用される単一の送受信アンテナによって構成されたことにある。なお、心拍測定装置11の説明に際し、第1の実施の形態による心拍測定装置1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
[0047]
 心拍測定装置21は、送信機3、受信機5、直交検波回路7、フーリエ変換部8、信号処理部9等を備えている。送信機3および受信機5は、サーキュレータ22を介して、送受信アンテナ23に接続されている。
[0048]
 送受信アンテナ23は、送信信号Stの送信と、受信信号Srの受信との両方に使用される。このため、送受信アンテナ23は、送信信号Stが放射可能であり、かつ、その反射波からなる受信信号Srが受信可能な各種のアンテナによって構成されている。サーキュレータ22は、送信機3から出力された送信信号Stを送受信アンテナ23に供給すると共に、送受信アンテナ23から受信した受信信号Srを受信機5に伝送する。
[0049]
 かくして、第3の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、送信アンテナと受信アンテナは、単一の送受信アンテナ23によって構成されている。このため、送信アンテナと受信アンテナとを別個に設けた場合に比べて、装置全体を小型化することができる。
[0050]
 なお、第3の実施の形態による心拍測定装置21は、第1の実施の形態によるフーリエ変換部8を備えるものとしたが、第2の実施の形態によるウェーブレット変換部12を備えるものとしてもよい。
[0051]
 また、図7に示すように、心拍測定装置1は、車両Vに搭載されてもよい。この場合、送信機3および受信機5は、車両Vに搭載される。具体的には、送信機3および受信機5は、運転手Dと対面する位置として、例えば車両VのステアリングホイールSの周囲に設けられている。送信機3は、被測定者として車両Vの運転手Dに送信信号Stを送信する。受信機5は、運転手Dから反射してきた信号を受信信号Srとして受信する。これにより、車両Vの運転手Dの心拍を検出することができる。車両Vには、第1の実施の形態による心拍測定装置1に限らず、第2,第3の実施の形態による心拍測定装置11,21を搭載してもよい。
[0052]
 また、前記各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
[0053]
 次に、上記の実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明は、被測定者に対し送信アンテナから送信信号を送信する送信手段と、受信アンテナによって前記被測定者から反射してきた信号を受信信号として受信する受信手段と、前記送信信号と前記受信信号の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号を生成する信号生成手段とを備えた心拍測定装置において、前記I信号と前記Q信号から正と負の周波数領域のスペクトラムを計算するスペクトラム演算部と、前記スペクトラムの正と負の周波数成分を比較して心拍成分を抽出する信号処理部とを備えることを特徴としている。
[0054]
 本発明によれば、スペクトラム演算部は、被測定者からの反射波のI信号とQ信号から正と負の周波数領域のスペクトラムを計算し、信号処理部は、スペクトラムの正と負の周波数成分を比較して心拍成分を抽出する。このとき、心拍のように小さい動きに対する信号の周波数成分は、正と負の周波数領域で同様に現われる。これに対し、体動のように大きな動きに対する信号の周波数成分は、正と負で異なる成分を有する。このため、信号処理部は、スペクトラムの正と負の周波数成分を比較して、正と負の周波数領域で同じ成分を取り出すことによって、心拍による信号を抽出することができる。この結果、心拍による信号と体動による信号とを分離することができ、体動による影響があっても、心拍成分を精度良く抽出することができる。
[0055]
 本発明では、前記送信信号の周波数は、10GHzないし100GHzの範囲内であることを特徴としている。
[0056]
 本発明によれば、送信信号の周波数は、10GHzないし100GHzの範囲内であるから、送信信号の波長は、3mmないし30mmになり、その半波長は、1.5mmないし15mmになる。このとき、心拍に伴う胸表面の動きは、概ね0.5mmないし1.0mmであり、送信信号の半波長よりも小さい。一方、呼吸に伴う胸表面の動きは、概ね10mmであり、送信信号の半波長と同程度の大きさになる。このため、送信信号の周波数は、10GHzないし100GHzの範囲内に設定することによって、心拍は小さな動きとして捕らえ、呼吸は大きな動きとして捕らえることができ、心拍と呼吸を精度良く分離することができる。
[0057]
 本発明では、前記スペクトラム演算部は、時間幅を心拍の間隔よりも短く設定して、前記I信号と前記Q信号をフーリエ変換するフーリエ変換部であることを特徴としている。
[0058]
 このとき、心拍による胸表面の動きは、1回の心拍の間に瞬時に振動する時間帯と、殆ど動いていない時間帯とが存在する。これに対し、フーリエ変換部は、フーリエ変換の時間幅が心拍の間隔よりも短く設定されているから、周波数成分の時間変化を精度良く観測することができ、個別の鼓動を、時間を追って観測することができる。このため、心拍の検知精度が向上する。
[0059]
 本発明では、前記スペクトラム演算部は、前記I信号と前記Q信号をウェーブレット変換するウェーブレット変換部であることを特徴としている。
[0060]
 ウェーブレット変換部は、フーリエ変換するときに、解析する周波数帯域に応じて時間幅を変える。このため、ウェーブレット変換部は、低い周波数帯域は時間幅を広くし、高い周波数帯域は時間幅を狭くすることで、同時に広帯域な信号解析を行うことができる。
[0061]
 本発明では、前記送信アンテナと前記受信アンテナは、これらに兼用される単一の送受信アンテナによって構成されることを特徴としている。
[0062]
 このため、送信アンテナと受信アンテナとを別個に設けた場合に比べて、装置全体を小型化することができる。
[0063]
 本発明では、前記送信手段および前記受信手段は、車両に搭載され、前記送信手段は、前記被測定者として前記車両の運転手に前記送信信号を送信し、前記受信手段は、前記運転手から反射してきた信号を前記受信信号として受信することを特徴としている。これにより、車両の運転手の心拍を検出することができる。

符号の説明

[0064]
 1,11,21 心拍測定装置
 3 送信機(送信手段)
 4 送信アンテナ
 5 受信機(受信手段)
 6 受信アンテナ
 7 直交検波回路(信号生成手段)
 8 フーリエ変換部(スペクトラム演算部)
 9 信号処理部
 12 ウェーブレット変換部(スペクトラム演算部)
 23 送受信アンテナ

請求の範囲

[請求項1]
 被測定者に対し送信アンテナから送信信号を送信する送信手段と、
 受信アンテナによって前記被測定者から反射してきた信号を受信信号として受信する受信手段と、
 前記送信信号と前記受信信号の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号を生成する信号生成手段とを備えた心拍測定装置において、
 前記I信号と前記Q信号から正と負の周波数領域のスペクトラムを計算するスペクトラム演算部と、
 前記スペクトラムの正と負の周波数成分を比較して心拍成分を抽出する信号処理部とを備えることを特徴とする心拍測定装置。
[請求項2]
 前記送信信号の周波数は、10GHzないし100GHzの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の心拍測定装置。
[請求項3]
 前記スペクトラム演算部は、時間幅を心拍の間隔よりも短く設定して、前記I信号と前記Q信号をフーリエ変換するフーリエ変換部であることを特徴とする請求項1または2に記載の心拍測定装置。
[請求項4]
 前記スペクトラム演算部は、前記I信号と前記Q信号をウェーブレット変換するウェーブレット変換部であることを特徴とする請求項1または2に記載の心拍測定装置。
[請求項5]
 前記送信アンテナと前記受信アンテナは、これらに兼用される単一の送受信アンテナによって構成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の心拍測定装置。
[請求項6]
 前記送信手段および前記受信手段は、車両に搭載され、
 前記送信手段は、前記被測定者として前記車両の運転手に前記送信信号を送信し、
 前記受信手段は、前記運転手から反射してきた信号を前記受信信号として受信することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の心拍測定装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]