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1. (WO2019031460) SLURRY FOR FLEXIBLE ELECTRODES, AND FLEXIBLE ELECTRODE USING SAME
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明 細 書

発明の名称 柔軟電極用スラリーおよびそれを用いた柔軟電極

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

実施例

0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

符号の説明

0066  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 柔軟電極用スラリーおよびそれを用いた柔軟電極

技術分野

[0001]
 本発明は柔軟電極用スラリー、およびそれを用いた柔軟電極に関する。

背景技術

[0002]
 近年、カーボンナノチューブ、イオン導電性高分子、誘電エラストマー等の高分子材料を利用したアクチュエータが提案されている。中でも誘電エラストマー等の高分子材料を利用したアクチュエータ(以下、誘電アクチュエータ)は、出力が大きいため、人工筋肉、医療用器具、介護補助器具、産業ロボット等の様々な分野での使用が期待されている。
[0003]
 図1に例示されるように、誘電アクチュエータ1は、誘電層2を一対の電極層3で挟んだ構造をしている。電極間への印加電圧を大きくすると、一方の電極層3に正電荷が蓄積し、他方の電極層3に負電荷が蓄積する。これにより電極間に働く静電引力が大きくなる。このため、電極間に挟まれた誘電層2は膜厚方向に圧縮され、誘電層2の厚みは薄くなる。膜厚が薄くなると、その分、誘電層2は電極層3の面方向に伸長する。一方、電極間への印加電圧を小さくすると、電極間の静電引力が小さくなる。このため、誘電層2を膜厚方向に圧縮する力が小さくなり、誘電膜の弾性復元力により膜厚は厚くなる。膜厚が厚くなると、誘電膜は電極層3の面方向に収縮する。このように、誘電アクチュエータ1は、誘電層2を伸長、収縮させることによって、駆動力を生み出す。
[0004]
 ここで、電極の柔軟性が乏しい場合、電極により誘電層の伸長・収縮が阻害されたり、電極が破断するなどして所望の変位量を得ることは難しい。したがって、電極は、誘電層の変形を妨げず、破断しない、柔軟なものであることが望ましい。柔軟な電極は、例えば、ゴムやエラストマー等の母材と導電剤からなるスラリーの塗工によって作製することができる。この場合、電極の導電性を確保するため、導電剤を母材全体に分散させる必要がある。このため、導電剤の充填量が多くなる。導電剤の充填量が多くなると、電極の自然長時の導電性は向上するが、伸長時に電極が割れ、導電性が失われる。更に、スラリーの粘度が上昇し、塗工が困難になる。一方、柔軟性や塗工性を確保するために導電剤の充填量を少なくすると、導電性が低下して誘電層に充分な電荷を供給することができない。また、誘電層と共に電極が大きく伸長された場合には、導電剤同士の距離が大きくなるため、導電パスが切断され、電気抵抗が増加してしまう。このように、所望の導電性と柔軟性と塗工性とを同時に満足するような電極スラリーは未だ実現されていない。
[0005]
 この改善策として、カーボンナノチューブをマトリクス中に分散させたスラリーを用いる方法がある。(特許文献1)

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特許第4771971号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら特許文献1はナノマテリアルであるCNTを使用することが必須であるため、健康への影響の可能性を考慮する必要がある。また、150%伸長時の体積抵抗値が80Ωcm以上となっている。また、電極作製時に有機溶剤と超音波ホモジナイザーを使用しているため、有機溶剤が加熱されて発火するおそれがある。
[0008]
 本発明が解決しようとする課題は、電極伸長時の抵抗値変化が押さえられ、かつ伸長時に破断しない柔軟性をもつ電極の作製が可能なスラリーを提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明は、特定のエマルジョン中で下記特定の成分(ア)あるいは成分(ア)と成分(イ)を含むことを特徴とする。
 成分(ア):非圧縮下DBP吸収量が150~300mL/100g、BET比表面積が35~140m 2/g の範囲にあるカーボンブラック。
 成分(イ):下記のα、β、γ、δからなる群から選ばれる1種以上のカーボン
α:繊維径が1~20nmであるカーボンナノチューブ
β:直径0.5~10μmであるグラフェン
γ:直径0.5~10μmである黒鉛
δ:非圧縮下DBP吸収量が350~500(mL/100g)で比表面積が800~1300(m 2/g)であるカーボンブラック
[0010]
 なお、本発明におけるカーボンブラックの非圧縮下DBP吸収量はJIS K6217-4に準拠して測定される値である。
[0011]
前記エマルジョンがクロロプレン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレア系ポリマー、アクリル系ポリマーおよびブタジエン系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上のポリマー成分からなり、前記エマルジョンのpHが6.5~8.0であると、スラリー中での特定の成分の分散性が向上する。

発明の効果

[0012]
 本発明は、電極伸長時の抵抗値上昇抑制を可能とすることを最も主要な特徴とする。具体的には、本発明のスラリーは、特定のエマルジョン中で上記特定の成分が均一に分散しているため、作製した電極全体に均一な導電パスが形成され、例えば、150%ひずみでの電気抵抗が80Ω・cm未満で、200%ひずみでの電気抵抗が500 Ω・cm未満で、伸長時に電極が破断しない柔軟電極を作製することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は誘電アクチュエータの実施方法を示した説明図である。
[図2] 図2は柔軟電極の評価方法を示した説明図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
[0015]
 本発明は、pHが6.5~8.0である水系のエマルジョンの中に、前述の成分(ア)を分散させてなる柔軟電極用スラリーである。
[0016]
 本発明に用いるエマルジョンに含まれるポリマー成分は下記に挙げるものを用いるのが望ましい。
ポリマー成分:クロロプレン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレア系ポリマー、アクリル系ポリマーおよびブタジエン系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一つのポリマーからなるエマルジョン。これらのなかでも、柔軟性、導電性、分散性の点で、ウレタン系ポリマー、クロロプレン系ポリマーが特に好ましい。
[0017]
 本発明に用いるエマルジョンのpHは6.5~8.0が好ましい。エマルジョンのpHが6.5未満であると成分(ア)の分散性が悪化する。また、エマルジョンのpHが8.0よりも大きくなると成分(ア)の分散性が悪化する。
[0018]
 本発明の柔軟電極用スラリーにおいて、ポリマー成分と成分(ア)の合計が20~30質量%であることが好ましい。ポリマー成分と成分(ア)の合計が20質量%未満であると、乾燥させる水の量が多くなり、均一な電極が作製できない。また、30質量%よりも大きくなると柔軟電極用スラリーの粘度が大きくなり、塗工性が悪化する。
[0019]
 本発明の柔軟電極用スラリーにおいて、ポリマー成分と成分(ア)の合計のうち、ポリマー成分の占める割合が60~85質量%であり、成分(ア)が占める割合が15~40質量%の範囲であることが好ましい。成分(ア)が15質量%より少ないと、導電性が発現しにくくなり、逆に成分(ア)が40質量%よりも多いと、作製した電極が硬くなって破断したり、分散性が悪化したりする。
[0020]
 成分(ア)は非圧縮下DBP吸収量が150~300(mL /100g)でBET比表面積が35~140(m 2 /g)であるカーボンブラックが望ましい。すなわち、非圧縮下DBP吸収量およびBET比表面積が小さいと柔軟電極作製時に導電性付与効果が低下し、逆に非圧縮下DBP吸収量およびBET比表面積が大きすぎると、スラリーが均一にならなくなるからである。
[0021]
 なお、本発明におけるカーボンブラックの非圧縮下DBP吸収量はJIS K6217-4に準拠して測定される値である。
[0022]
 また、本発明では、成分(ア)と下記成分(イ)を併用してもよい。
 成分(イ):下記のα、β、γ、δからなる群から選ばれる1種以上のカーボン
α:繊維径が1~20nmであるカーボンナノチューブ
β:直径0.5~10μmであるグラフェン
γ:直径0.5~10μmである黒鉛
δ:非圧縮下DBP吸収量が350~500(mL/100g)で比表面積が800~1300(m 2/g)であるカーボンブラック
[0023]
 本発明に用いるエマルジョンに含まれるポリマー成分は下記に挙げるものを用いるのが望ましい。
 ポリマー成分:クロロプレン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレア系ポリマー、アクリル系ポリマーおよびブタジエン系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一つのポリマーからなるエマルジョン。これらのなかでも、柔軟性、導電性、分散性の点で、ウレタン系ポリマー、クロロプレン系ポリマーが特に好ましい。
[0024]
 本発明に用いるエマルジョンのpHは6.5~8.0が好ましい。エマルジョンのpHが6.5未満であると成分(ア)および成分(イ)の分散性が悪化する。また、エマルジョンのpHが8.0よりも大きくなると成分(ア)および成分(イ)の分散性が悪化する。
[0025]
 本発明の柔軟電極用スラリーにおいて、ポリマー成分と、成分(ア)と、成分(イ)の合計が20~30質量%であることが好ましい。ポリマー成分と、成分(ア)と、成分(イ)の合計が20質量%未満であると、乾燥させる水の量が多くなり、均一な電極が作製できない。また、30質量%よりも大きくなると柔軟電極用スラリーの粘度が大きくなり、塗工性が悪化する。
[0026]
 本発明の柔軟電極用スラリーにおいて、ポリマー成分と、成分(ア)と、成分(イ)の合計のうち、ポリマー成分の占める割合が60~85質量%であり、成分(ア)と、成分(イ)の合計が占める割合が15~40質量%の範囲であることが好ましい。成分(ア)と、成分(イ)の合計が15質量%より少ないと、導電性が発現しにくくなり、逆に成分(ア)と、成分(イ)の合計が40質量%よりも多いと、作製した電極が硬くなって破断したり、分散性が悪化したりする。
[0027]
本発明の柔軟電極用スラリーにおいて、成分(ア)および成分(イ)のうち、成分(ア)が50~90質量%であり、成分(イ)が10~50質量%であることが好ましい。成分(イ)が10質量%未満だと柔軟性電極の導電性向上効果が得られない。50質量%よりも大きいと、作製した電極が硬くなり、伸長時に破断する。
[0028]
 成分(イ)のカーボンナノチューブは、繊維径1~20nmが望ましい。すなわち、繊維径が小さすぎると、分散性が悪化し、物性が低下する傾向がみられ、逆に繊維径が大きすぎると、柔軟電極作製時に導電性が低下する傾向がみられるからである。
[0029]
 成分(イ)のグラフェンは、直径0.5~10μmが望ましい。すなわち、直径が小さすぎると、柔軟電極作製時に導電性が低下し、逆に直径が大きすぎると、伸長時に柔軟電極が破断する傾向がみられるからである。
[0030]
 成分(イ)の黒鉛は、直径0.5~10μmが望ましい。すなわち、直径が小さすぎると、柔軟電極作製時に導電性が低下し、逆に直径が大きすぎると、伸長時に柔軟電極が破断する傾向がみられるからである。
[0031]
 成分(イ)のカーボンブラックは非圧縮下DBP吸収量が350~500(mL/100g)でBET比表面積が800~1300(m 2 /g)であることが望ましい。すなわち、非圧縮下DBP吸収量およびBET比表面積が小さいと柔軟電極作製時に導電性付与効果が低下し、逆に非圧縮下DBP吸収量およびBET比表面積が大きすぎると、スラリーが均一にならなくなるからである。
[0032]
 なお、本発明におけるカーボンブラックの非圧縮下DBP吸収量はJIS K6217-4に準拠して測定される値である。また、カーボンブラックは、アセチレンブラックであることが好ましい。
[0033]
 なお、本発明の柔軟電極には、上記成分以外に、例えば、イオン導電剤(界面活性剤,イオン液体、アンモニウム塩、無機塩)、金属粒子、導電性高分子、可塑剤、オイル、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、難燃剤、着色剤等を適宜用いても差し支えない。
[0034]
 本発明の柔軟電極用スラリーは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、エマルジョンと、成分(ア)および成分(イ)を配合し、自転・公転式ミキサー、メディアミル、3本ロール、攪拌機、超音装置等の分散装置を用いて分散し、スラリーを調製する。そして、このスラリーを、クロロプレン製シートの上に、所定の厚み(好ましくは1~100μm)となるようにコーティングし、所定の条件(例えば、100℃で30分)で乾燥や架橋することにより、柔軟電極を作製することができる。
[0035]
 本発明の柔軟電極用スラリーは、好ましくは下記の特性を備えている。
(1)せん断速度が1.0s -1の時の粘度が0.7Pa・s~50Pa・s
(2)スラリー中の粒子のメジアン径D50が0.1~10μmである
[0036]
 本発明のスラリーを用いた柔軟電極は、例えば、アクチュエータ、センサー、トランスデューサ等の電子機器等に用いることができる。そのため、本発明の別側面として、本発明のスラリーを用いた柔軟電極であり、さらに別の側面として、本発明の柔軟電極を用いたアクチュエータ、センサーまたはトランスデューサである。導電性と柔軟性を両立した電極を作製するという目的を、強力な分散装置を用いずに実現できる。
実施例
[0037]
 つぎに、実施例および比較例について説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[0038]
 まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を調製,準備した。
[0039]
〔ウレタンエマルジョン1〕
 第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス300〔pH:7.4、固形分:30.2(質量%)〕
[0040]
〔クロロプレンエマルジョン1〕
 デンカ株式会社製、LC-21、〔pH:7.0、固形分:30.2(質量%)〕
[0041]
〔クロロプレンエマルジョン2〕
 デンカ株式会社製、LV-60A、〔pH:12.0、固形分:60.0(質量%)〕
[0042]
〔カーボンブラックA(成分(ア))〕
 デンカ株式会社製、デンカブラックFX-35〔非圧縮下DBP吸油量:267(mL /100g)、BET比表面積:133(m 2 /g)〕
[0043]
〔カーボンブラックB(成分(ア))〕
 デンカ株式会社製、デンカブラックHS-100〔非圧縮下DBP吸油量:177(mL /100g)、BET比表面積:39(m 2 /g)〕
[0044]
〔カーボンブラックC(成分(ア))〕
 デンカ株式会社製、デンカブラックAB粉状品〔非圧縮下DBP吸油量:228(mL /100g)、BET比表面積:68(m 2 /g)〕
[0045]
〔カーボンブラックD(成分(ア))〕
 イメリス・グラファイト&カーボン社製、SuperP〔非圧縮下DBP吸油量:233(mL /100g)、BET比表面積:62(m 2 /g)〕
[0046]
〔カーボンブラックE(成分(イ))〕
 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ケッチェンブラックECP300〔非圧縮下DBP吸油量:365(mL /100g)、BET比表面積:800(m 2 /g)〕
[0047]
〔カーボンブラックF(成分(イ))〕
 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ケッチェンブラックECP600JD〔非圧縮下DBP吸油量:495(mL /100g)、BET比表面積:1270(m 2 /g)〕
[0048]
〔カーボンナノチューブ(成分(イ))〕
 CNano社製、Flotube9000〔繊維径:10(nm)〕
[0049]
〔グラフェン(成分(イ))〕
 アルドリッチ社製、グラフェン粉末〔直径:5(μm)〕
[0050]
〔黒鉛(成分(イ))〕
 日本黒鉛工業株式会社製、黒鉛J-SP〔直径:7(μm)〕
[0051]
 つぎに、上記各材料を用いて、下記のようにして柔軟電極を作製した。
[0052]
〔実施例1〕
 クロロプレンエマルジョン1を60.0質量部量り取り、カーボンブラックB40.0質量部と混合した。カーボンブラック用分散剤をカーボンブラックBに対して0.05質量部添加した。スラリー中の、ポリマー成分+成分(ア)の質量%が20質量%になるよう水を添加した後、自転・公転ミキサー(シンキー製、あわとり練太郎ARV-310)を用いて分散し、柔軟電極用スラリーを調製した。そして、この柔軟電極用スラリーを、厚み0.3mmのクロロプレンシートの上に、厚みが30μmとなるように塗工し、100℃で30分乾燥することにより、柔軟電極を作製した。
[0053]
〔実施例2~24、比較例1~10〕
 各成分の種類、配合割合等を表1~表8に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして柔軟電極用スラリーを調製した。そして、この柔軟電極用スラリーを用いて、実施例1と同様にして柔軟電極を作製した。
 このようにして得られた柔軟電極用スラリーおよび柔軟電極を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、上記の表1~8に併せて示した。
[0054]
〔スラリー粘度〕
 各柔軟電極用スラリーの粘度は、コーンプレート型粘度計(アントンパール製、MCR-300)をもちいて測定した。 測定条件は、測定モード:せん断モード,せん断速度:100s -1~0.01s -1まで変化,測定治具:コーンプレート(CP-50-2;直径50mm,アングル2°,ギャップ0.045mm),測定温度:25℃とした。
[0055]
〔スラリー中凝集径(メジアン径D50)〕
[測定用試料作製]
 バイアル瓶に柔軟電極用スラリーを0.5g秤量し、蒸留水25.0gを添加した。測定前処理にバス型超音波洗浄器を用い、超音波照射により均一化させ測定用試料を作製した。
[メジアン径D50測定]
 前記の方法により調製した測定用試料を用い、柔軟電極用スラリー中凝集径のメジアン径D50値の測定を、以下の方法に従い実施した。LS 13 320 ユニバーサルリキッドモジュールの光学モデルをカーボン、1.520、水1.333とそれぞれの屈折率に設定し、モジュール洗浄を行う。ポンプスピード50%の条件でオフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、粒度分布計に、調製した測定用試料を粒子によってビームの外側に散乱する光のパーセントを示す相対濃度が8~12%、もしくはPIDSが40%~55%になるように加え、粒度分布計付属装置により78W、2分間超音波照射を行い(測定前処理)、30秒循環し気泡を除いた後に粒度分布測定を行った。粒度(粒子径)に対する体積%のグラフを得て、メジアン径D50値を求めた。
 測定は柔軟電極用スラリー1試料につき、採取場所を変え3測定用サンプルを採取して粒度分布測定を行い、メジアン径D50値をその平均値で求めた。
[0056]
〔体積抵抗値〕
 各柔軟電極の0%ひずみでの体積抵抗値、100%ひずみでの体積抵抗値、150%ひずみでの体積抵抗値、200%ひずみでの体積抵抗値は以下のように評価した。柔軟電極を縦2cm、横6.5cmの短冊状に切り取り、図2のように両端を引張用治具で固定する。前記引張用治具を用いて柔軟電極に0、100、150、200%のひずみを与え(一軸方向:図中、矢印の方向)、その際の体積抵抗値は三菱化学アナリテック株式会社製ロレスタGPをもちいて測定した。この時、プローブにはPSPプローブを用い、印加電圧は90Vに設定し、23℃、相対湿度50%の条件で体積抵抗値の測定を行った。
[0057]
[表1]


[0058]
[表2]


[0059]
[表3]


[0060]
[表4]


[0061]
[表5]


[0062]
[表6]


[0063]
[表7]


[0064]
[表8]


[0065]
 実施例および比較例において作製したスラリーと電極について、目視にてスラリー混合状態および電極の平滑性を評価した。上記表1~8の結果から、実施例は、比較例に比べて、スラリー混合状態が均一で、電極の平滑性が良好であった。導電性に優れているとともに、伸長後の導電性に優れていた。これは実施例では電極中において十分なカーボン材料が均一に分散し、伸長時においても導電パスが形成されているからである。

符号の説明

[0066]
 1  誘電アクチュエータ
 2  誘電層
 3  電極層
 4  電源
 5  抵抗値評価システム
 6  固定治具
 7  柔軟電極
 8  測定箇所

請求の範囲

[請求項1]
水系のエマルジョン中に分散された下記成分(ア)を含む柔軟電極用スラリーであって、
前記エマルジョンがアクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレア系ポリマー、クロロプレン系ポリマーおよびブタジエン系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上のポリマー成分からなり、
前記エマルジョンのpHが6.5~8.0であり、
前記柔軟電極用スラリー中のうち、ポリマー成分と成分(ア)の合計が20~30質量%であり、
前記柔軟電極用スラリー中のポリマー成分と成分(ア)の合計のうち、前記ポリマー成分が60~85質量%であり、前記成分(ア)が15~40質量%
であることを特徴とする柔軟電極用スラリー。
成分(ア):カーボンブラックの非圧縮下DBP吸収量が150~300mL/100g、BET比表面積が35~140m 2/g の範囲にあるカーボンブラック
[請求項2]
水系のエマルジョン中に分散された下記成分(ア)および下記成分(イ)を含む柔軟電極用スラリーであって、
前記エマルジョンがアクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレア系ポリマー、クロロプレン系ポリマーおよびブタジエン系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上のポリマー成分からなり、
前記エマルジョンのpHが6.5~8.0であり、
前記柔軟電極用スラリー中のうち、ポリマー成分と成分(ア)と成分(イ)の合計が20~30質量%であり、
前記柔軟電極用スラリー中のポリマー成分と成分(ア)と成分(イ)の合計のうち、前記ポリマー成分が60~85質量%であり、
前記成分(ア)と、成分(イ)の合計が15~40質量%であり、
前記成分(ア)および成分(イ)のうち、成分(ア)が50~90質量%であり、
成分(イ)が10~50質量%
であることを特徴とする柔軟電極用スラリー。
成分(ア):カーボンブラックの非圧縮下DBP吸収量が150~300mL/100g、BET比表面積が35~140m 2/g の範囲にあるカーボンブラック
成分(イ):下記のα、β、γ、δからなる群から選ばれる1種以上のカーボン
α:繊維径が1~20nmであるカーボンナノチューブ
β:直径0.5~10μmであるグラフェン
γ:直径0.5~10μmである黒鉛
δ:非圧縮下DBP吸収量が350~500(mL/100g)で比表面積が800~1300(m 2 /g)であるカーボンブラック
[請求項3]
せん断速度が1.0s -1の時のせん断粘度が0.7Pa・s~50Pa・sである請求項1または2に記載の柔軟電極用スラリー。
[請求項4]
スラリー中の粒子のメジアン径D50が0.1~10μmであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の柔軟電極用スラリー。
[請求項5]
前記成分(ア)及び/又は成分(イ)のカーボンブラックがアセチレンブラックであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の柔軟電極用スラリー。
[請求項6]
ポリマー成分がクロロプレン系ポリマーであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の柔軟電極用スラリー。
[請求項7]
ポリマー成分がウレタン系ポリマーであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の柔軟電極用スラリー。
[請求項8]
請求項1~7のいずれか一項に記載の柔軟電極用スラリーを用いた柔軟電極。
[請求項9]
請求項8に記載の柔軟電極を用いたアクチュエータ,センサーまたはトランスデューサ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]