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1. (WO2019031409) PATTERN FORMING METHOD
Document

明 細 書

発明の名称 パターン形成方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138  

実施例

0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1A   1B   1C   1D   1E   1F   2A   2B   2C   2D   2E  

明 細 書

発明の名称 : パターン形成方法

技術分野

[0001]
本発明は、パターン形成方法、回路基板の製造方法、電子機器の製造方法及び光学部品の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
半導体デバイスやMEMS等においては、微細化の要求が高まっており、微細加工技術として、光ナノインプリント技術が注目されている。光ナノインプリント技術では、表面に微細な凹凸パターンが形成されたモールド(型)を光硬化性組成物(レジスト)が塗布された基板(ウエハ)に押しつけた状態で光硬化性組成物を硬化させる。これにより、モールドの凹凸パターンを光硬化性組成物の硬化膜に転写し、パターンを基板上に形成する。光ナノインプリント技術によれば、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体を形成することができる。
[0003]
光ナノインプリント技術は、一般に、次のような手順で行われる。まず、基板上のパターン形成領域にインクジェット法等を用いて、液状のレジストを離散的に滴下する(配置工程)。このとき、滴下されたレジストの液滴は基板上に多少広がるが、この現象をプレスプレッドと呼ぶ。次に、このレジストを、下面にパターンが形成されたモールド(型)を押し付けることにより成形する(型接触工程)。型接触工程においては、レジストの液滴が毛細管現象により基板とモールドの間隙の全域へ拡がる。この現象をスプレッドと呼ぶ。また、型接触工程においては、レジストはモールドの下面に形成されたパターンの凹部の内部へも毛細管現象により充填される。この充填現象をフィルと呼ぶ。スプレッドとフィルが完了するまでの時間を充填時間と呼ぶ。レジストの充填が完了した後、光を照射してレジストを硬化させる(光照射工程)。このとき、光をモールド側から照射する場合には、照射光に対して透明なモールドが用いられる。レジストが硬化した後、モールドを基板から引き離す(離型工程)。これらの工程を実施することにより、所定の形状を有するレジストのパターン(光硬化膜)が基板上に形成される。
[0004]
光ナノインプリント技術の離型工程においては、光硬化性組成物と基材との間の密着性が重要である。光硬化性組成物と基材との間の密着性が低いと、離型工程においてモールドを引き離す際に、光硬化性組成物を硬化させて得られた光硬化物の一部がモールドに付着したまま剥がれてしまう、パターン剥がれ欠陥が発生してしまう場合があるからである。そこで、光硬化性組成物と基材との間の密着性を向上させる技術として、光硬化性組成物と基材との間に、光硬化性組成物と基材とを密着させるための層である密着層を形成する技術が提案されている(特許文献1)。
[0005]
一方、現在の半導体の微細化プロセスでは、寸法の微細化と共にレジストが薄膜化されている。また、加工パターンのアスペクト比が増大してマイクロローディング効果と呼ばれるエッチング速度が低下する現象が発生することにより、エッチング時間が長くなって薄膜化されたレジストマスクが耐えられなくなることがある。そこで、微細なパターンを高いアスペクト比で高精度に形成するために、多層レジストプロセスや反転プロセスなどの手法が用いられている。これらの手法では、レジストとは別の、エッチング耐性の高い層(高エッチング耐性層)に対してレジストパターンを一旦転写してから、高エッチング耐性層をエッチングマスクとして目的とする下地層を加工する。高エッチング耐性層の材料として、有機系材料あるいはシリコン系材料が一般的に用いられ、有機系材料としてはカーボンを主成分とするSOC(スピンオンカーボン)が用いられることがある(特許文献2)。
[0006]
ナノインプリントでのパターン形成でも同様に、高エッチング耐性層が用いられる場合があり、例えば、ナノインプリントでの反転プロセスにおいて、高エッチング耐性層としてSOCが用いられている(特許文献3)。なお、SOC上へのナノインプリントプロセスでは、SOC上にナノインプリント用の密着層材料を塗布し、その上にインプリントを行うことが一般的である(特許文献4)。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2013-202982号公報
特許文献2 : 特許第5065058号公報
特許文献3 : 特開2016-162862号公報
特許文献4 : 特許第5827180号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
特許文献1は、離型工程における基板と光硬化物との密着性を高めるために、尿素系架橋剤を含む組成物を用いて形成した下層膜(密着層)を基板表面に設けることを記載している。しかしながら、離型工程において光硬化物が基板から剥離されないためには、基板と光硬化物との密着性だけでなく、モールドと光硬化物との剥離性も重要である。一方、型接触工程における充填時間を短縮するためには、光硬化性組成物とモールドや基板の表面との親和性(濡れ性)も重要な要素となる。すなわち、光ナノプリント技術においては、光硬化性組成物とモールド表面(及び基板表面)との濡れ性と、光硬化物とモールド表面との剥離性(及び基板表面との密着性)とが同時に求められることになる。本発明は、このような要請に応える光ナノプリント技術によるパターン形成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
本発明のパターン形成方法の一形態は、表面に下地層を有する基板の前記下地層上に硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記硬化性組成物とモールドとを接触させる型接触工程と、
前記硬化性組成物に光を照射して硬化膜とする光照射工程と、
前記硬化膜と前記モールドとを引き離す離型工程と、
をこの順に有するパターン形成方法であって、
前記下地層中の水素を除く総原子数に対する炭素原子数の割合が80%以上であり、
前記配置工程は、フッ素系界面活性剤を実質的に含まない硬化性組成物(A1)を前記下地層上に配置する第一の配置工程と、前記硬化性組成物(A1)の上に、溶剤を除く成分中のフッ素系界面活性剤濃度が1.1質量%以下である硬化性組成物(A2)の液滴を離散的に滴下する第二の配置工程を有することを特徴とする。
[0010]
また、本発明のパターン形成方法の別の形態は、表面に下地層を有する基板の前記下地層上に硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記硬化性組成物とモールドとを接触させる型接触工程と、
前記硬化性組成物に光を照射して硬化膜とする光照射工程と、
前記硬化膜と前記モールドとを引き離す離型工程と、
をこの順に有するパターン形成方法であって、
前記下地層中の水素を除く総原子数に対する炭素原子数の割合が80%以上であり、
前記配置工程は、溶剤を除く成分中のフッ素系界面活性剤濃度が0.26質量%以下である硬化性組成物を前記下地層上に配置する工程であることを特徴とする。
[0011]
また、本発明のパターン形成方法の更に別の形態は、表面にスピンオンカーボンを有する基板の前記スピンオンカーボン上に硬化性組成物を直接配置する配置工程と、
前記基板とモールドとによって前記硬化性組成物を挟むように、前記基板上の前記硬化性組成物とモールドとを接触させる型接触工程と、
前記硬化性組成物に光を照射して前記スピンオンカーボンと密着して硬化した硬化膜とする光照射工程と、
前記スピンオンカーボンと密着した状態の前記硬化膜と前記モールドとを引き離す離型工程と、をこの順に有することを特徴とする。
[0012]
本発明の更なる特徴は、本発明の実施の形態についての以下の記載(と付属する図面への言及)によって明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1A] は、第1実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図1B] は、第1実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図1C] は、第1実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図1D] は、第1実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図1E] は、第1実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図1F] は、第1実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図2A] は、第2実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図2B] は、第2実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図2C] は、第2実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図2D] は、第2実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。
[図2E] は、第2実施形態に係るパターン形成方法を示す模式断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下に説明する実施形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれる。
[0015]
本発明の発明者らは、SOC膜等のカーボンを主成分とする層上においては、密着層を塗布しなくても、レジストが強固に密着することを見出した。そのため、カーボンを主成分とする層上では密着層の塗布を省略することができるようになった。密着層の塗布工程を省略することができるようになると、密着層材料が不要になるため材料コスト及び塗布するためのプロセスコストを削減することができる。さらに、密着層材料及び塗布プロセスに起因する欠陥をなくすことができ、その分、デバイス製造の歩留まりが向上する。また、インプリント後の残膜(図1F及び図2Eの109)の一部とみなされる密着層がなくなることで、実質的な残膜厚が減り、後工程のエッチングプロセスマージンが増大する、といった多数のメリットが発生する。
[0016]
ただし、カーボンを主成分とする層上にインプリント用のレジストを滴下すると、レジストの接触角が大きく、レジストを充填するのに時間がかかるという難点があった。すなわち本発明は、SOC等のカーボンを主成分とする層上に滴下されたレジストの接触角が小さく、充填速度が速く、パターン剥がれが起こらないパターン形成方法を提供するものである。
[0017]
(1)第1実施形態
[硬化性組成物]
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)及び(A2)は、少なくとも重合性化合物である成分(a)を有する組成物である。本実施形態に係る硬化性組成物はさらに、光重合開始剤である成分(b)、内添型離型剤等の非重合性化合物である成分(c)、溶剤である成分(d)を含有してもよい。
[0018]
また、本明細書において硬化膜とは、基板上で硬化性組成物を重合させて硬化させた膜を意味する。なお、硬化膜の形状は特に限定されず、表面にパターン形状を有していてもよい。
[0019]
<成分(a):重合性化合物>
成分(a)は重合性化合物である。ここで、本明細書において重合性化合物とは、光重合開始剤(成分(b))から発生した重合因子(ラジカル等)と反応し、連鎖反応(重合反応)によって高分子化合物からなる膜を形成する化合物である。
[0020]
このような重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物が挙げられる。成分(a)である重合性化合物は、一種類の重合性化合物のみから構成されていてもよく、複数種類の重合性化合物で構成されていてもよい。
[0021]
ラジカル重合性化合物としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ以上有する化合物、すなわち、(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。したがって、本実施形態に係る硬化性組成物は、成分(a)として(メタ)アクリル化合物を含むことが好ましく、成分(a)の主成分が(メタ)アクリル化合物であることがより好ましく、成分(a)の全てが(メタ)アクリル化合物であることが最も好ましい。なお、ここで記載する成分(a)の主成分が(メタ)アクリル化合物であるとは、成分(a)の90質量%以上が(メタ)アクリル化合物であることを示す。
[0022]
ラジカル重合性化合物が、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ以上有する複数種類の化合物で構成される場合には、単官能(メタ)アクリルモノマーと多官能(メタ)アクリルモノマーを含むことが好ましい。これは、単官能(メタ)アクリルモノマーと多官能(メタ)アクリルモノマーを組み合わせることで、機械的強度が強い硬化膜が得られるからである。
[0023]
アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-(2-フェニルフェニル)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性p-クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2-ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4-ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性フェノキシ(メタ)アクリレート、PO変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、t-オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0024]
上記単官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、アロニックス(登録商標)M101、M102、M110、M111、M113、M117、M5700、TO-1317、M120、M150、M156(以上、東亞合成製)、MEDOL10、MIBDOL10、CHDOL10、MMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、LA、IBXA、2-MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190、#192、#193、#220、#2000、#2100、#2150(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレートBO-A、EC-A、DMP-A、THF-A、HOP-A、HOA-MPE、HOA-MPL、PO-A、P-200A、NP-4EA、NP-8EA、エポキシエステルM-600A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD(登録商標) TC110S、R-564、R-128H(以上、日本化薬製)、NKエステルAMP-10G、AMP-20G(以上、新中村化学工業製)、FA-511A、512A、513A(以上、日立化成製)、PHE、CEA、PHE-2、PHE-4、BR-31、BR-31M、BR-32(以上、第一工業製薬製)、VP(BASF製)、ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、興人製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0025]
また、アクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、EO変性2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン、PO変性2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン、EO,PO変性2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0026]
上記多官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、ユピマー(登録商標)UV SA1002、SA2007(以上、三菱化学製)、ビスコート#195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#360、#700、GPT、3PA(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレート4EG-A、9EG-A、NP-A、DCP-A、BP-4EA、BP-4PA、TMP-A、PE-3A、PE-4A、DPE-6A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD(登録商標) PET-30、TMPTA、R-604、DPHA、DPCA-20、-30、-60、-120、HX-620、D-310、D-330(以上、日本化薬製)、アロニックス(登録商標)M208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400(以上、東亞合成製)、リポキシ(登録商標)VR-77、VR-60、VR-90(以上、昭和高分子製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0027]
なお、上述した化合物群において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはそれと同等のアルコール残基を有するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはそれと同等のアルコール残基を有するメタクリロイル基を意味する。EOは、エチレンオキサイドを示し、EO変性化合物Aとは、化合物Aの(メタ)アクリル酸残基とアルコール残基がエチレンオキサイド基のブロック構造を介して結合している化合物を示す。また、POは、プロピレンオキサイドを示し、PO変性化合物Bとは、化合物Bの(メタ)アクリル酸残基とアルコール残基がプロピレンオキサイド基のブロック構造を介して結合している化合物を示す。
[0028]
<成分(b):光重合開始剤>
成分(b)は、光重合開始剤である。本明細書において光重合開始剤は、所定の波長の光を感知して上記重合因子(ラジカル)を発生させる化合物である。具体的には、光重合開始剤は、光(赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線等、放射線)によりラジカルを発生する重合開始剤(ラジカル発生剤)である。成分(b)は、一種類の光重合開始剤で構成されていてもよく、複数種類の光重合開始剤で構成されていてもよい。
[0029]
ラジカル発生剤としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-又はp-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の置換基を有してもよい2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン等のα―アミノ芳香族ケトン誘導体;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-t-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナンタラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、プロピルベンゾイン等のベンゾイン誘導体;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N-フェニルグリシン等のN-フェニルグリシン誘導体;アセトフェノン、3-メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド誘導体;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル誘導体;キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0030]
上記ラジカル発生剤の市販品として、Irgacure 184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI-1700、-1750、-1850、CG24-61、Darocur 1116、1173、Lucirin(登録商標)TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0031]
これらの中でも、成分(b)は、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤であることが好ましい。なお、上記の例のうち、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤は、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド化合物である。
[0032]
本実施形態において、硬化性組成物(A1)は実質的に光反応性を有さないことが好ましい。このために、成分(b)の硬化性組成物(A1)における配合割合は、成分(a)、成分(b)、後述する成分(c)の合計、すなわち溶剤成分(d)を除く全成分の合計質量に対して、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下である。成分(b)の配合割合を0.1質量%未満とすることにより、硬化性組成物(A1)は実質的に光反応性を有さない。このため、漏れ光による光硬化が生じず、隣接ショットにおいても短い充填時間でも未充填欠陥が少ないパターンが得られるのである。当該ショットにおける硬化性組成物(A1)の硬化反応については、後述する。
[0033]
成分(b)の硬化性組成物(A2)における配合割合は、成分(a)、成分(b)、後述する成分(c)の合計、すなわち溶剤成分(d)を除く全成分の合計質量に対して、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上20質量%以下である。成分(b)の配合割合を0.1質量%以上とすることにより、組成物の硬化速度が速くなり、反応効率を良くすることができ、50質量%以下とすることにより、得られる硬化膜をある程度の機械的強度を有する硬化膜とすることができる。
[0034]
<成分(c):非重合性化合物>
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)及び(A2)は、前述した、成分(a)、成分(b)の他に、種々の目的に応じ、本実施形態の効果を損なわない範囲で、更に成分(c)として非重合性化合物を含有することができる。このような成分(c)としては、(メタ)アクリロイル基などの重合性官能基を有さず、かつ、所定の波長の光を感知して上記重合因子(ラジカル)を発生させる能力を有さない化合物が挙げられる。例えば、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、酸化防止剤、ポリマー成分、その他添加剤等が挙げられる。成分(c)として前記化合物を複数種類含有してもよい。
[0035]
増感剤は、重合反応促進や反応転化率の向上を目的として、適宜添加される化合物である。増感剤は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
[0036]
増感剤として、例えば、増感色素等が挙げられる。増感色素は、特定の波長の光を吸収することにより励起され、成分(b)である光重合開始剤と相互作用する化合物である。なお、ここで記載する相互作用とは、励起状態の増感色素から成分(b)である光重合開始剤へのエネルギー移動や電子移動等である。増感色素の具体例としては、アントラセン誘導体、アントラキノン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、カルバゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、キサントン誘導体、クマリン誘導体、フェノチアジン誘導体、カンファキノン誘導体、アクリジン系色素、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0037]
水素供与体は、成分(b)である光重合開始剤から発生した開始ラジカルや、重合生長末端のラジカルと反応し、より反応性が高いラジカルを発生する化合物である。成分(b)である光重合開始剤が光ラジカル発生剤である場合に添加することが好ましい。
[0038]
このような水素供与体の具体例としては、n-ブチルアミン、ジ-n-ブチルアミン、トリ-n-ブチルホスフィン、アリルチオ尿素、s-ベンジルイソチウロニウム-p-トルエンスルフィネート、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、4,4’-ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、トリエタノールアミン、N-フェニルグリシンなどのアミン化合物、2-メルカプト-N-フェニルベンゾイミダゾール、メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプト化合物、等が挙げられるが、これらに限定されない。水素供与体は、一種類を単独で用いてもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。また、水素供与体は、増感剤としての機能を有してもよい。
[0039]
モールドとレジストとの間の界面結合力の低減、すなわち後述する離型工程における離型力の低減を目的として、硬化性組成物に内添型離型剤を添加することができる。本明細書において内添型とは、硬化性組成物の配置工程の前に予め硬化性組成物に添加されていることを意味する。内添型離型剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤および炭化水素系界面活性剤等の界面活性剤等を使用できる。ただし、本実施形態においては後述のように、フッ素系界面活性剤には添加量に制限がある。なお、本実施形態において内添型離型剤は、重合性を有さないものとする。内添型離型剤は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
[0040]
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するアルコールのポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)付加物、パーフルオロポリエーテルのポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)付加物等が含まれる。なお、フッ素系界面活性剤は、分子構造の一部(例えば、末端基)に、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキル基、アミノ基、チオール基等を有してもよい。例えばペンタデカエチレングリコールモノ1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルエーテル等が挙げられる。
[0041]
フッ素系界面活性剤としては、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、メガファック(登録商標)F-444、TF-2066、TF-2067、TF-2068、略称DEO-15(以上、DIC製)、フロラードFC-430、FC-431(以上、住友スリーエム製)、サーフロン(登録商標)S-382(AGC製)、EFTOP EF-122A、122B、122C、EF-121、EF-126、EF-127、MF-100(以上、トーケムプロダクツ製)、PF-636、PF-6320、PF-656、PF-6520(以上、OMNOVA Solutions製)、ユニダイン(登録商標)DS-401、DS-403、DS-451(以上、ダイキン工業製)、フタージェント(登録商標)250、251、222F、208G(以上、ネオス製)等が挙げられる。
[0042]
また、内添型離型剤は、炭化水素系界面活性剤でもよい。炭化水素系界面活性剤としては、炭素数1~50のアルキルアルコールに炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加した、アルキルアルコールポリアルキレンオキサイド付加物やポリアルキレンオキサイド等が含まれる。
[0043]
アルキルアルコールポリアルキレンオキサイド付加物としては、メチルアルコールエチレンオキサイド付加物、デシルアルコールエチレンオキサイド付加物、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物、セチルアルコールエチレンオキサイド付加物、ステアリルアルコールエチレンオキサイド付加物、ステアリルアルコールエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。なお、アルキルアルコールポリアルキレンオキサイド付加物の末端基は、単純にアルキルアルコールにポリアルキレンオキサイドを付加して製造できるヒドロキシル基に限定されない。このヒドロキシル基が他の置換基、例えば、カルボキシル基、アミノ基、ピリジル基、チオール基、シラノール基等の極性官能基やアルキル基、アルコキシ基等の疎水性官能基に置換されていてもよい。
[0044]
ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらのモノまたはジメチルエーテル、モノまたはジオクチルエーテル、モノまたはジノニルエーテル、モノまたはジデシルエーテル、モノアジピン酸エステル、モノオレイン酸エステル、モノステアリン酸エステル、モノコハク酸エステル等が挙げられる。
[0045]
アルキルアルコールポリアルキレンオキサイド付加物は、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、青木油脂工業製のポリオキシエチレンメチルエーテル(メチルアルコールエチレンオキサイド付加物)(BLAUNON MP-400、MP-550、MP-1000)、青木油脂工業製のポリオキシエチレンデシルエーテル(デシルアルコールエチレンオキサイド付加物)(FINESURF D-1303、D-1305、D-1307、D-1310)、青木油脂工業製のポリオキシエチレンラウリルエーテル(ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物)(BLAUNON EL-1505)、青木油脂工業製のポリオキシエチレンセチルエーテル(セチルアルコールエチレンオキサイド付加物)(BLAUNON CH-305、CH-310)、青木油脂工業製のポリオキシエチレンステアリルエーテル(ステアリルアルコールエチレンオキサイド付加物)(BLAUNON SR-705、SR-707、SR-715、SR-720、SR-730、SR-750)、青木油脂工業製のランダム重合型ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル(BLAUNON SA-50/50 1000R、SA-30/70 2000R)、BASF製のポリオキシエチレンメチルエーテル(Pluriol(登録商標)A760E)、花王製のポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲンシリーズ)等が挙げられる。また、ポリアルキレンオキサイドは市販品を使用してもよく、例えばBASF製のエチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合物(Pluronic PE6400)等が挙げられる。
[0046]
フッ素系界面活性剤は優れた離型力低減効果を示すため、内添型離型剤として有効である。しかし、本発明者らは、ある一定量以上のフッ素系界面活性剤を含む硬化性組成物は、炭素原子数の割合が80%以上である下地層、特にSOC膜上でピンニング効果により接触角が大きいことを見出した。このピンニング効果を抑えて接触角を小さく維持しないと硬化性組成物が基板-モールドの間隙に入り込む充填時間(スプレッド時間)が長くなり、インプリントプロセスのスループットが悪化する。また、短い充填時間でインプリントプロセスを実行すると、インプリントした凹凸パターンに硬化性組成物が充填されていない欠陥が多く発生することになる。
[0047]
上記のような理由から、本実施形態においては、硬化性組成物(A1)は、フッ素系界面活性剤を実質的に含まない。ここで、実質的に含まない、とは溶剤を除く成分中の含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下の意味である。また、硬化性組成物(A2)の溶剤を除く成分中の、フッ素系界面活性剤の量は、1.1質量%以下、好ましくは0.51質量%以下である。前記の添加量とすることにより、硬化性組成物の接触角を小さくすることができる。
[0048]
フッ素系界面活性剤を除いた成分(c)の硬化性組成物における配合割合は、成分(a)、成分(b)、成分(c)の合計、すなわち溶剤を除く全成分の合計質量に対して、0質量%以上50質量%以下が好ましい。また、より好ましくは、0.1質量%以上50質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。フッ素系界面活性剤を除いた成分(c)の配合割合を50質量%以下とすることにより、得られる硬化膜をある程度の機械的強度を有する硬化膜とすることができる。
[0049]
<成分(d):溶剤>
本実施形態に係る硬化性組成物は、成分(d)として溶剤を含有していてもよい。成分(d)としては、成分(a)、成分(b)、成分(c)が溶解する溶剤であれば、特に限定はされない。好ましい溶剤としては常圧における沸点が80℃以上200℃以下の溶剤である。さらに好ましくは、エステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれかを少なくとも1つ有する溶剤である。具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、γ-ブチロラクトン、乳酸エチルから選ばれる単独、あるいはこれらの混合溶剤である。
[0050]
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)は、成分(d)を含有することが好ましい。後述するように、基板上への硬化性組成物(A1)の塗布方法としてスピンコート法が好ましいためである。
[0051]
<硬化性組成物の配合時の温度>
本実施形態の硬化性組成物(A1)及び(A2)を調製する際には、少なくとも成分(a)、成分(b)を所定の温度条件下で混合・溶解させる。具体的には、0℃以上100℃以下の範囲で行う。成分(c)、成分(d)を含有する場合も同様である。
[0052]
<硬化性組成物の粘度>
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)及び(A2)は液体であることが好ましい。なぜならば、後述する型接触工程において、硬化性組成物(A1)及び/または(A2)のスプレッド及びフィルが速やかに完了する、つまり充填時間が短いからである。
[0053]
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)の溶剤(成分(d))を除く成分の混合物の25℃での粘度は、1mPa・s以上1000mPa・s以下であることが好ましい。また、より好ましくは、1mPa・s以上500mPa・s以下であり、さらに好ましくは、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
[0054]
本実施形態に係る硬化性組成物(A2)の溶剤(成分(d))を除く成分の混合物の25℃での粘度は、1mPa・s以上100mPa・s以下であることが好ましい。また、より好ましくは、1mPa・s以上50mPa・s以下であり、さらに好ましくは、1mPa・s以上12mPa・s以下である。
[0055]
硬化性組成物(A1)の粘度を1000mPa・s以下、または硬化性組成物(A2)の粘度を100mPa・s以下とすることにより、硬化性組成物(A1)及び(A2)をモールドに接触する際に、スプレッド及びフィルが速やかに完了する。つまり、本実施形態に係る硬化性組成物を用いることで、光ナノインプリント法を高いスループットで実施することができる。また、充填不良によるパターン欠陥が生じにくい。また、粘度を1mPa・s以上とすることにより、硬化性組成物(A1)及び(A2)を基板上に塗布する際に塗りムラが生じにくくなる。さらに、硬化性組成物(A1)及び(A2)をモールドに接触する際に、モールドの端部から硬化性組成物(A1)及び(A2)が流出しにくくなる。
[0056]
<硬化性組成物の表面張力>
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)及び(A2)の表面張力は、溶剤(成分(d))を除く成分の組成物について23℃での表面張力が、5mN/m以上70mN/m以下であることが好ましい。また、より好ましくは、7mN/m以上50mN/m以下であり、さらに好ましくは、10mN/m以上40mN/m以下である。ここで、表面張力が大きいほど、例えば5mN/m以上であると、毛細管力が強く働くため、硬化性組成物(A1)及び/または(A2)をモールドに接触させた際に、充填(スプレッド及びフィル)が短時間で完了する。また、表面張力を70mN/m以下とすることにより、硬化性組成物を硬化して得られる硬化膜が表面平滑性を有する硬化膜となる。
[0057]
本実施形態においては、溶剤(成分(d))を除く硬化性組成物(A1)の表面張力が、溶剤(成分(d))を除く硬化性組成物(A2)の表面張力より大きいことが好ましい。型接触工程前に、後述するマランゴニ効果により硬化性組成物(A2)のプレスプレッドが加速され(液滴が広範囲に広がり)、後述する型接触工程中のスプレッドに要する時間が短縮され、結果として充填時間が短縮されるためである。マランゴニ効果とは液体の表面張力の局所的な差に起因した自由表面移動の現象である。表面張力、つまり表面エネルギーの差を駆動力として、表面張力の小さい液体が、より広い表面を覆うような拡散が生じる。つまり、基板全面に表面張力の大きい硬化性組成物(A1)を塗布しておき、表面張力の小さい硬化性組成物(A2)を滴下すれば、硬化性組成物(A2)のプレスプレッドが加速されるのである。
[0058]
<硬化性組成物の接触角>
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)及び(A2)の接触角は、溶剤(成分(d))を除く成分の組成物について、基板表面及びモールド表面の双方に対して0°以上90°以下であることが好ましく、0°以上10°以下であることが特に好ましい。接触角が90°より大きいと、モールドパターンの内部や基板-モールドの間隙において毛細管力が負の方向(モールドと硬化性組成物間の接触界面を収縮させる方向)に働き、充填しない可能性がある。接触角が小さいほど毛細管力が強く働くため、充填速度が速い。本実施形態では、前述のように、硬化性組成物(A1)がフッ素系界面活性剤を実質的に含まず、硬化性組成物(A2)中のフッ素系界面活性剤の量を1.1質量%以下とすることで、小さい接触角、好ましくは0°以上10°以下の接触角を得ることができる。
[0059]
<硬化性組成物に混入している不純物>
本実施形態に係る硬化性組成物(A1)及び(A2)は、できる限り不純物を含まないことが好ましい。ここで記載する不純物とは、前述した成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)以外のものを意味する。したがって、本実施形態に係る硬化性組成物は、精製工程を経て得られたものであることが好ましい。このような精製工程としては、フィルタを用いた濾過等が好ましい。
[0060]
フィルタを用いた濾過を行う際には、具体的には、前述した成分(a)、成分(b)および成分(c)を混合した後、例えば、孔径0.001μm以上5.0μm以下のフィルタで濾過することが好ましい。フィルタを用いた濾過を行う際には、多段階で行ったり、多数回繰り返したりすることがさらに好ましい。また、濾過した液を再度濾過してもよい。孔径の異なるフィルタを複数用いて濾過してもよい。濾過に使用するフィルタとしては、ポリエチレン樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、フッ素樹脂製、ナイロン樹脂製等のフィルタを使用することができるが、特に限定されるものではない。このような精製工程を経ることで、硬化性組成物に混入したパーティクル等の不純物を取り除くことができる。これにより、パーティクル等の不純物によって、硬化性組成物を硬化した後に得られる硬化膜に不用意に凹凸が生じてパターンの欠陥が発生することを防止することができる。
[0061]
なお、本実施形態に係る硬化性組成物を、半導体集積回路を製造するために使用する場合、製品の動作を阻害しないようにするため、硬化性組成物中に金属原子を含有する不純物(金属不純物)が混入することを極力避けることが好ましい。このような場合、硬化性組成物に含まれる金属不純物の濃度としては、10ppm以下が好ましく、100ppb以下にすることがさらに好ましい。
[0062]
[基板]
下地層を配置する対象である基板は、被加工基板であり、通常、シリコンウエハが用いられる。基板は表面に被加工層を有してもよい。基板は被加工層の下にさらに他の層が形成されていてもよい。また、基板として石英基板を用いれば、石英インプリントモールドのレプリカ(モールドレプリカ)を作製することができる。ただし、基板はシリコンウエハや石英基板に限定されるものではない。基板は、アルミニウム、チタン-タングステン合金、アルミニウム-ケイ素合金、アルミニウム-銅-ケイ素合金、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の半導体デバイス用基板として知られているものの中からも任意に選択することができる。なお、使用される基板あるいは被加工層の表面は、シランカップリング処理、シラザン処理、有機薄膜の成膜等の表面処理によって硬化性組成物(A1)及び(A2)との密着性を向上されていてもよい。
[0063]
[下地層]
下地層材料は、主剤(成分(P))、有機溶剤(成分(Q))を含有する。当該下地層材料は、酸発生剤(成分(R))及び/または架橋剤(成分(S))及び/または結合剤(成分(T))を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下各成分について説明する。
[0064]
<成分(P):主剤>
成分(P)は、主剤である。成分(P)は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などの芳香族環を有し、好ましくは式量が300~5,000、特に好ましくは式量が500~2,500の化合物である。分子量が300以上であれば、良好な成膜性が得られ、硬化時の昇華物増加により装置が汚染される恐れがない。分子量が5,000以下であれば、良好な埋め込み/平坦化特性を得ることができる。
[0065]
成分(P)は、分岐状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素基、ヘテロ芳香族基を含んでいてもよく、エーテル基、水酸基、エステル基、カルボニル基、アミノ基、ハロゲン基、スルフィド基、カルボキシル基、スルホ基、アミド基、イミド基、シアノ基、アルデヒド基、イミノ基、ウレア基、カーバメート基、カーボネート基、ニトロ基、スルホニル基を含んでもよい。
[0066]
成分(P)の具体例としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックなどのノボラック系化合物、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシビニルナフタレンなどの置換ポリスチレン化合物、などが挙げられる。
[0067]
本発明において、成分(P)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
[0068]
<成分(Q):溶剤>
成分(Q)は溶剤である。成分(Q)は、成分(P)及び必要に応じて含有する任意成分を溶解又は分散することができれば特に限定されない。成分(Q)としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒等が挙げられる。成分(Q)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0069]
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、iso-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、tert-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、2,6-ジメチルヘプタノール-4、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
[0070]
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル-iso-ブチルケトン、メチル-n-ペンチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、ジ-iso-ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等が挙げられる。 
[0071]
エーテル系溶媒としては、例えばエチルエーテル、iso-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、n-ヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、ジオキソラン、4-メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、2-n-ブトキシエタノール、2-n-ヘキソキシエタノール、2-フェノキシエタノール、2-(2-エチルブトキシ)エタノール、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、1-n-ブトキシ-2-プロパノール、1-フェノキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
[0072]
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミルγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、酢酸n-プロピル、酢酸iso-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸n-ペンチル、酢酸sec-ペンチル、酢酸3-メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2-エチルブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n-ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン酸iso-アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ-n-ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、乳酸n-アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。  
[0073]
含窒素系溶媒としては、例えばN-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。  
[0074]
これらの中でも、エーテル系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、成膜性に優れる観点から、グリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテルがさらに好ましく、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。 
[0075]
<成分(R):酸発生剤>
本実施形態に係る下地層材料は、成分(R)として酸発生剤を含有していてもよい。成分(R)は、熱や光の作用により酸を発生し、成分(P)の後述する架橋剤(成分(S))による架橋反応を促進する成分である。当該レジスト下層膜形成用組成物が成分(R)を含有することで成分(P)の架橋反応が促進され、形成される膜の硬度をより高めることができる。成分(R)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0076]
成分(R)としては、例えばオニウム塩化合物、N-スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられる。
[0077]
上記オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。  
[0078]
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
[0079]
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウム2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
[0080]
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウム2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
[0081]
アンモニウム塩としては、例えばトリエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルアンモニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート等が挙げられる。
[0082]
N-スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド等が挙げられる。  
[0083]
これらの中で、成分(R)としては、オニウム塩化合物が好ましく、ヨードニウム塩及びアンモニウム塩がより好ましく、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート及びトリエチルアンモニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネートがさらに好ましい。  
[0084]
当該下地層材料が成分(R)を含有する場合、成分(R)の含有量の下限としては、成分(P)100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、3質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、15質量部が好ましく、12質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。成分(R)の含有量を上記範囲とすることで、成分(P)の架橋反応をより効果的に促進させることができる。
[0085]
<成分(S):架橋剤>
本実施形態に係る下地層材料は、成分(S)として架橋剤を含有していてもよい。成分(S)は、熱や酸の作用により、当該下地層材料中の成分(P)に含まれる化合物同士の架橋結合を形成するか、又は自らが架橋構造を形成する成分である。当該下地層材料が成分(S)を含有することで、形成される下地層の硬度を高めることができる。成分(S)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。  
[0086]
成分(S)としては、例えば多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物等が挙げられる。  
[0087]
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。  
[0088]
上記エポキシ化合物としては、例えばノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。  
[0089]
上記ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物としては、例えば2-ヒドロキシメチル-4,6-ジメチルフェノール、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、3,5-ジヒドロキシメチル-4-メトキシトルエン[2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール]等が挙げられる。  
[0090]
上記アルコキシアルキル基含有フェノール化合物としては、例えばメトキシメチル基含有フェノール化合物、エトキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。  
[0091]
上記アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体などの(ポリ)メチロール化メラミン、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリル、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体などの(ポリ)メチロール化グリコールウリル、テトラメトキシメチル化ベンゾグアナミン、テトラブトキシメチル化ベンゾグアナミン、これらのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体などの(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、ジメトキシメチル化ジメトキシエチレンウレア、これのアルコキシ及び/又はヒドロキシ置換体、及びこれらの部分自己縮合体などの(ポリ)メチロール化ウレア、等の一分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒素化合物であって、そのメチロール基の水酸基の水素原子の少なくとも一つが、メチル基やブチル基等のアルキル基によって置換された化合物等が挙げられる。なお、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物は、複数の置換化合物を混合した混合物でもよく、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含むものであってもよい。 
[0092]
当該下地層材料が成分(S)を含有する場合、成分(S)の含有量の下限としては、成分(P)100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましく、20質量部が特に好ましい。成分(S)の含有量を上記範囲とすることで、成分(P)の架橋反応をより効果的に起こさせることができる。
[0093]
<成分(T):結合剤>
 本実施形態に係る下地層材料は、成分(T)として結合剤を含有していてもよい。基板とレジストとの間の密着性の向上、すなわち後述する離型工程における基板上のレジストの剥離を低減する目的として、下地層組成物に成分(T)を添加することができる。
[0094]
本明細書において成分(T)とは、硬化性組成物と結合出来る化合物を意味する。水素供与性官能基を含有する化合物は、硬化性組成物(A1)及び/または(A2)の有するエチレン性不飽和基が光照射工程において光ラジカル重合する際に、連鎖移動反応を生じることによりエチレン性不飽和基と共有結合を形成するため、本発明における成分(T)として好ましく用いることができる。水素供与性官能基としては、チオール基、(アルキル)アミノ基などが挙げられ、これらの官能基を有する化合物が、成分(T)として好ましく用いられる。多官能チオール化合物、多官能(アルキル)アミノ化合物が特に好ましい。ただし、本実施形態においては後述のように、下地層はベーク後の層中の水素を除く総原子数を100%とした時の炭素原子数の割合が少なくとも80%以上である層が好ましいため、成分(T)の添加量は、下地層の重量を100%としたときに1%~20%が好ましい。成分(T)は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
[0095]
結合剤(T)として用いることが可能な、チオール基を少なくとも2つ有する化合物の具体例としては、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン等の2官能チオール化合物;1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)等の3官能チオール化合物;ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセタート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)等の4官能チオール等の多官能チオール化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0096]
成分(T)として用いることが可能な、(アルキル)アミノ基を有する化合物(A)の具体例としては、N-フェニルグリシン、1,6-ジアミノヘキサン-N,N,N’,N’-四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物等のカルボキシル基含有アミン化合物;N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタキス(2-ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン等の水酸基含有アミン化合物;N,N,N”,N”-テトライソプロピルジエチレントリアミン、N,N,N”,N”-テトラブチルジエチレントリアミン等の多官能アミン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0097]
結合剤(T)が有するチオール基およびアミノ基は、基板や成分(P)とも結合できる官能基である。結合剤(T)が有するチオール基およびアミノ基は、後述する下地層形成工程において、基板の表面に存在する官能基と、共有結合、水素結合、分子間力などのいずれかの化学結合を生じる。これにより、下地層と基板との間の密着性を向上させることができる。
[0098]
その他の任意成分として、例えば界面活性剤等が挙げられる。当該下地層材料は、界面活性剤を含有することで塗工性を向上させることができ、その結果、形成される下地層膜の塗工面均一性が向上し、かつ塗工斑の発生を抑制することができる。界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。  
[0099]
当該下地層材料が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量の下限としては、(P)主剤100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましく、0.1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。界面活性剤の含有量を上記範囲とすることで、当該下地層材料の塗工性をより向上させることができる。
[0100]
また、本発明では市販されている下地層材料を用いることも出来る。例えば、信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜形成用組成物ODL-50(ベーク後のカーボンの含有量が80質量%)、ODL-69(ベーク後のカーボン含有量86質量%)、ODL-102(ベーク後のカーボンの含有量が80質量%)、ODL-180(ベーク後のカーボンの含有量が80質量%)、JSR製 NFC-1400、 HM8005等のスピンオンカーボン膜形成用組成物が挙げられるが、これらに限定されない。なお、下地層材料は、それぞれ一種類の組成物で構成されていても良く、複数種類の組成物で構成されていても良い。
[0101]
本実施形態に係る基板上には、下地層と呼ばれるマスク材料が塗布される。現在の半導体の微細化プロセスでは、寸法の微細化と共にレジストの厚さが薄膜化されている。また、加工パターンのアスペクト比が増大するとマイクロローディング効果と呼ばれるエッチング速度が低下する現象が発生する。そのため、エッチング時間が長くなりレジストマスクが耐えられなくなる。微細パターンを高いアスペクト比で高精度にパターニングするために、多層レジストプロセスや反転プロセスなどの手法が用いられている。これらの手法では、レジストとは別のエッチング耐性の高い層(高エッチング耐性層)に対してレジストパターンを一旦転写してから、高エッチング耐性層をエッチングマスクとして目的とする下地層を加工する。
[0102]
下地層としては容易に加工でき、かつ、下地層の下地となる基板あるいは他の層を加工するエッチングプロセスに対する耐性を有する層であって、ベーク後の下地層中の水素を除く総原子数を100%とした時の炭素原子数の割合が少なくとも80%以上である層が好ましい。下地層は、ナノインプリントプロセスを実施する基板の最表層に形成すると良く、例えば、SOC、ダイヤモンドライクカーボン及びグラファイトなどのカーボン材料を用いることができる。一般に、高エッチング耐性材料はカーボンを主成分とするSOCが用いられる。ナノインプリントでのパターン形成でも同様に、SOCを高エッチング耐性材料として用いることができる。本実施形態では、SOC層上にてナノインプリントプロセスを実施することが好ましい。
[0103]
ベーク後の下地層中の水素を除く総原子数に対する炭素原子数の割合が80%以上あると、硬化性組成物(A1)及び(A2)が光照射工程によって硬化後、基板と硬化性組成物が強固に密着することができる。下地層中の炭素原子数の割合は、80%以上必要であって、好ましくは80~95%である。
[0104]
下地層の前駆体組成物はカーボン系の材料、例えばナフタレン系化合物と溶剤との混合物であり、スピンコート法によって基板に塗布される。通常は、ベーク後に0.1nm~1000nmの厚さになるように塗布される。基板表面を均一な平坦度にするのに十分な量の組成物を塗布することが好ましい。塗布後に基板をベークすることで溶剤成分が揮発し、さらに、炭化が進んで炭素原子数の割合が80%以上のカーボン膜となる。ベーク条件は使用される組成物の種類に応じて適宜調整されるが、一般的には約200℃~約350℃で約30秒~90秒間ベークすることが好ましく、約220℃~約300℃で約45秒~60秒間ベークすることが特に好ましい。
[0105]
ベーク後の下地層を大気中に1時間以上放置すると、表面状態が変化し硬化性組成物との接触角が大きくなる可能性がある。大気中の水分や揮発性有機物等が下地層表面に付着していると考えられる。そのため、ベークしてから1時間以内に硬化性組成物を積層することが好ましい。また、下地層をベーク後1時間以上経過した場合は、再度ベークを行うリベーク工程を実施することで表面状態を回復することができる。具体的には、約180℃以上で約30~90秒間ベークすることが好ましい。硬化性組成物の積層はリベーク後でも1時間以内が好ましい。
[0106]
[パターン形成方法]
次に、第1実施形態に係るパターン形成方法について、図1A~1Fの模式断面図を用いて説明する。本実施形態によって得られる硬化膜は、1nm以上10mm以下のサイズのパターンを有する膜であることが好ましい。また、10nm以上100μm以下のサイズのパターンを有する膜であることがより好ましい。なお、一般に、光を利用してナノサイズ(1nm以上100nm以下)のパターン(凹凸構造)を有する膜を作製するパターン形成技術は、光ナノインプリント法と呼ばれている。本実施形態に係るパターン形成方法は、光ナノインプリント法を利用している。
[0107]
<下地層形成工程[1]>
本工程では、図1Aに示す通り、基板101の表面(基板101が被加工層を有する場合は被加工層の表面)に下地層102を形成する。例えば、前述した本実施形態に係る下地層の前駆体組成物を基板101上に積層(塗布)し、ベークを行い下地層102を形成する。本実施形態において、下地層102を形成する方法としては、例えば、インクジェット法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法等を用いることができる。本実施形態においては、スピンコート法が特に好ましい。スピンコート法を用いて下地層102を形成する場合、必要に応じてベーク工程を実施し、溶剤成分を揮発させる。ベーク条件は、約200℃~約350℃で約30秒~約90秒間ベークする。ベーク条件は使用される組成物の種類に応じて適宜調整される。
[0108]
なお、下地層102の平均膜厚は、使用する用途によっても異なるが、例えば、0.1nm以上10,000nm以下であり、好ましくは1nm以上350nm以下であり、特に好ましくは1nm以上250nm以下である。
[0109]
<配置工程[2-1][2-2]>
本工程では、図1B及び1Cに示す通り、基板101上の下地層102上に硬化性組成物を配置する。配置工程は、フッ素系界面活性剤を実質的に含まない硬化性組成物(A1)103を下地層102上に配置する第一の配置工程と、硬化性組成物(A1)103の上に、硬化性組成物(A2)104の液滴を離散的に滴下する第二の配置工程を有する。
[0110]
(第一の配置工程[2-1])
本工程では、図1Bに示す通り、フッ素系界面活性剤を実質的に含まない硬化性組成物(A1)103を下地層102上に配置する。例えば、硬化性組成物(A1)103を下地層102上に積層(塗布)して塗布膜を形成する。本実施形態において、硬化性組成物(A1)103を配置する方法としては、例えば、インクジェット法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法等を用いることができる。本実施形態においては、スピンコート法が特に好ましい。スピンコート法を用いて硬化性組成物(A1)103を配置する場合、必要に応じてベーク工程を実施し、溶剤成分(d)を揮発させても良い。
[0111]
なお、硬化性組成物(A1)103の平均膜厚は、使用する用途によっても異なるが、例えば、0.1nm以上10,000nm以下であり、好ましくは1nm以上20nm以下であり、特に好ましくは1nm以上10nm以下である。
[0112]
(第二の配置工程[2-2])
本工程では、図1Cに示す通り、硬化性組成物(A1)103の上に、硬化性組成物(A2)104の液滴を離散的に滴下する。配置方法としてはインクジェット法が特に好ましい。硬化性組成物(A2)104の液滴は、モールド106上に凹部が密に存在する領域に対向する基板101上には密に、凹部が疎に存在する領域に対向する基板101上には疎に配置することが好ましい。このことにより、後述する残膜109を、モールド106上のパターンの疎密によらずに均一な厚さに制御することができる。
[0113]
本工程で配置された硬化性組成物(A2)104の液滴は、前述のように、表面エネルギー(表面張力)の差を駆動力とするマランゴニ効果により、液滴の拡がる方向に速やかに広がる(プレスプレッド105a)。硬化性組成物(A1)が実質的に光反応性を有さない場合、硬化性組成物(A1)及び硬化性組成物(A2)の混合の結果、硬化性組成物(A2)の成分(b)光重合開始剤が硬化性組成物(A1)にも移行し、硬化性組成物(A1)が初めて感光性を獲得する。
[0114]
<型接触工程[3]>
本工程では、図1Dに示すように、硬化性組成物とモールド106とを接触させる。例えば、硬化性組成物(A1)及び硬化性組成物(A2)が混合してなる液体にパターン形状を転写するための原型パターンを有するモールド106を接触させる。これにより、モールド106が表面に有する微細パターンの凹部に硬化性組成物(A1)及び硬化性組成物(A2)が部分的に混合してなる液体が充填されて、モールドの微細パターンに充填された液膜となる(フィル105b)。
[0115]
モールド106としては、次の光照射工程を考慮して光透過性の材料で構成されたモールド106を用いるとよい。モールド106を構成する材料の材質としては、具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサン等の柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が好ましい。ただし、モールド106を構成する材料の材質として透明樹脂を使用する場合は、硬化性組成物に含まれる成分に溶解しない樹脂を選択する必要がある。熱膨張係数が小さくパターン歪みが小さいことから、モールド106を構成する材料の材質は、石英であることが特に好ましい。
[0116]
モールド106が表面に有する微細パターンは、4nm以上200nm以下のパターン高さを有することが好ましい。パターン高さが小さいほど、離型工程においてモールド106をレジストの光硬化膜から引き剥がす力、すなわち離型力が小さく、また、離型に伴ってレジストパターンがひきちぎられてマスク側に残存する離型欠陥数が少ない。モールドを引き剥がす際の衝撃によるレジストパターンの弾性変形で隣接レジストパターン同士が接触し、レジストパターンが癒着あるいは破損する場合がある。しかし、パターン幅に対してパターン高さが2倍程度以下(アスペクト比2以下)であると、それらの不具合を回避できる可能性が高い。一方、パターン高さが小さ過ぎると、基板101の加工精度が低い。
[0117]
モールド106には、硬化性組成物(A1)及び(A2)とモールド106の表面との剥離性を向上させるために、本工程の前に表面処理を行っておいてもよい。表面処理の方法としては、モールド106の表面に離型剤を塗布して離型剤層を形成する方法が挙げられる。ここで、モールド106の表面に塗布する離型剤としては、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、炭化水素系離型剤、ポリエチレン系離型剤、ポリプロピレン系離型剤、パラフィン系離型剤、モンタン系離型剤、カルナバ系離型剤等が挙げられる。例えば、ダイキン工業(株)製のオプツール(登録商標)DSX等の市販の塗布型離型剤も好適に用いることができる。なお、離型剤は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、フッ素系および炭化水素系の離型剤が特に好ましい。
[0118]
本工程において、モールド106と硬化性組成物(A1)及び(A2)とを接触させる際に、硬化性組成物(A1)及び(A2)に加える圧力は特に限定はされない。該圧力は0MPa以上100MPa以下とするとよい。また、該圧力は0MPa以上50MPa以下であることが好ましく、0MPa以上30MPa以下であることがより好ましく、0MPa以上20MPa以下であることがさらに好ましい。
[0119]
前工程(第二の配置工程[2-2])において硬化性組成物(A2)104の液滴のプレスプレッド105aが進行しているため、本工程における硬化性組成物(A2)104のスプレッドは速やかに完了する。以上のように、本工程において硬化性組成物(A1)及び(A2)のスプレッド及びフィル105bが速やかに完了するため、モールド106と硬化性組成物(A1)及び(A2)を接触させる時間を短く設定できる。つまり短時間で多くのパターン形成工程を完了でき、高い生産性を得られることが、本実施形態の効果の一つである。接触させる時間は、特に限定はされないが、例えば0.1秒以上600秒以下とすると良い。また、該時間は0.1秒以上3秒以下であることが好ましく、0.1秒以上1秒以下であることが特に好ましい。0.1秒より短いと、スプレッド及びフィルが不十分となり、未充填欠陥と呼ばれる欠陥が多発する傾向がある。
[0120]
本工程は、大気雰囲気下、減圧雰囲気下、不活性ガス雰囲気下のいずれの条件下でも行うことができるが、酸素や水分による硬化反応への影響を防ぐことができるため、減圧雰囲気や不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気下で本工程を行う場合に使用することができる不活性ガスの具体例としては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、各種フロンガス等、あるいはこれらの混合ガスが挙げられる。大気雰囲気下を含めて特定のガスの雰囲気下で本工程を行う場合、好ましい圧力は、0.0001気圧以上10気圧以下である。
[0121]
本工程は、凝縮性ガスを含む雰囲気(以下、「凝縮性ガス雰囲気」と称する)下で行ってもよい。本明細書において凝縮性ガスとは、モールド106上に形成された微細パターンの凹部及びモールド106と基板101との間隙に、硬化性組成物(A1)及び(A2)と一緒に充填された時、充填時に発生する毛細管圧力で凝縮して液化するガスのことを指す。なお凝縮性ガスは、本工程で硬化性組成物(A1)及び(A2)とモールド106とが接触する前は雰囲気中に気体として存在する。凝縮性ガス雰囲気下で本工程を行うと、微細パターンの凹部に充填されたガスが硬化性組成物(A1)及び(A2)により発生する毛細管圧力により液化することで気泡が消滅するため、充填性が優れる。凝縮性ガスは、硬化性組成物(A1)及び/または(A2)に溶解してもよい。
[0122]
凝縮性ガスの沸点は、本工程の雰囲気温度以下であれば限定はされないが、-10℃~23℃が好ましく、さらに好ましくは10℃~23℃である。この範囲であれば、充填性がさらに優れる。尚、本工程の雰囲気温度は、特に制限がないが、20℃~25℃が好ましい。
[0123]
凝縮性ガスの本工程の雰囲気温度での蒸気圧は、本工程で押印するときのモールド圧力以下であれば制限がないが、0.1~0.4MPaが好ましい。この範囲であれば、充填性がさらに優れる。雰囲気温度での蒸気圧が0.4MPaより大きいと、気泡の消滅の効果を十分に得ることができない傾向がある。一方、雰囲気温度での蒸気圧が0.1MPaよりも小さいと、減圧が必要となり、装置が複雑になる傾向がある。
[0124]
凝縮性ガスとして、具体的には、トリクロロフルオロメタン等のクロロフルオロカーボン(CFC)、フルオロカーボン(FC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(CHF 2CH 2CF 3、HFC-245fa、PFP)等のハイドロフルオロカーボン(HFC)、ペンタフルオロエチルメチルエーテル(CF 3CF 2OCH 3、HFE-245mc)等のハイドロフルオロエーテル(HFE)等のフロン類が挙げられる。これらのうち、本工程の雰囲気温度が20℃~25℃での充填性が優れるという観点から、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(23℃での蒸気圧0.14MPa、沸点15℃)、トリクロロフルオロメタン(23℃での蒸気圧0.1056MPa、沸点24℃)、およびペンタフルオロエチルメチルエーテルが好ましい。さらに、安全性が優れるという観点から、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンが特に好ましい。
[0125]
凝縮性ガスは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。またこれら凝縮性ガスは、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等の非凝縮性ガスと混合して用いてもよい。凝縮性ガスと混合する非凝縮性ガスとしては、充填性の観点から、ヘリウムが好ましい。ヘリウムはモールド106を透過することができる。そのため、本工程でモールド106上に形成された微細パターンの凹部に硬化性組成物(A1)及び/または(A2)と一緒に雰囲気中のガス(凝縮性ガスおよびヘリウム)が充填されたとき、凝縮性ガスが液化するとともにヘリウムはモールド106を透過する。
[0126]
<光照射工程[4]>
本工程では、図1Eに示すように、硬化性組成物に光を照射して硬化膜とする。例えば、硬化性組成物(A1)103及び硬化性組成物(A2)104が部分的に混合してなる層に対し、モールド106を介して光を照射する。より詳細には、モールド106の微細パターンに充填された硬化性組成物(A1)及び/または(A2)に、モールド106を介して光107を照射する。これにより、モールド106の微細パターンに充填された硬化性組成物(A1)及び/または(A2)は、照射される光によって硬化してパターン形状を有する硬化膜108となる。
[0127]
ここで、照射光107は、硬化性組成物(A1)及び(A2)の感度波長に応じて選択される。具体的には、150nm以上400nm以下の波長の紫外光や、X線、電子線等を適宜選択して使用することが好ましい。これらの中でも、照射光107は、紫外光が特に好ましい。これは、硬化助剤(光重合開始剤)として市販されているものは、紫外光に感度を有する化合物が多いからである。ここで紫外光を発する光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、Deep-UVランプ、炭素アーク灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F 2エキシマレーザ等が挙げられるが、超高圧水銀灯が特に好ましい。また使用する光源の数は1つでもよいし又は複数であってもよい。また、光照射を行う際には、モールドの微細パターンに充填された硬化性組成物(A1)及び/または(A2)の全面に行ってもよく、一部領域にのみ行ってもよい。また、光照射は、基板上の全領域に断続的に複数回行ってもよいし、全領域に連続照射してもよい。さらに、第一の照射過程で一部領域Aを照射し、第二の照射過程で領域Aとは異なる領域Bを照射してもよい。
[0128]
本工程においては、前述のように漏れ光、つまり当該ショット領域外への光の拡散が、モールド及び装置のコストの制約上不可避である。本実施形態においては、硬化性組成物(A1)が、実質的に光反応性を有さない場合、硬化性組成物(A1)は単独では光照射によって硬化しない。このため、当該ショットから発生した漏れ光によって隣接ショット領域上の硬化性組成物(A1)が硬化することはない。このため、隣接ショットにおいてもその全域で短い充填時間で未充填欠陥の少ないパターンを形成することができるのである。一方で、当該ショットにおいては、前述のように硬化性組成物(A1)及び硬化性組成物(A2)の混合の結果、硬化性組成物(A2)の光開始剤(b2)成分が硬化性組成物(A1)にも移行する。その結果、硬化性組成物(A1)が感光性を得るため、硬化性組成物(A1)及び(A2)はいずれも、照射される光によって硬化してパターン形状を有する硬化膜108となるのである。
[0129]
<離型工程[5]>
本工程では、図1Fに示すように、硬化膜108とモールド106とを引き離す。例えば、パターン形状を有する硬化膜108とモールド106とを引き離し、モールド106上に形成された微細パターンの反転パターンとなるパターン形状を有する硬化膜108が自立した状態で得られる。なお、パターン形状を有する硬化膜108の凹凸パターンの凹部にも硬化膜が残存するが、この膜のことを残膜109と呼ぶこととする。
[0130]
なお、型接触工程[3]を凝縮性ガス雰囲気下で行った場合、本工程で硬化膜108とモールド106とを引き離す際に、硬化膜108とモールド106とが接触する界面の圧力が低下することに伴って凝縮性ガスが気化する。これにより、硬化膜108とモールド106とを引き離すために必要な力である離型力を低減させる効果を奏する傾向がある。
[0131]
パターン形状を有する硬化膜108とモールド106とを引き離す方法としては、引き離す際にパターン形状を有する硬化膜108の一部が物理的に破損しなければ特に限定されず、各種条件等も特に限定されない。例えば、基板101を固定してモールド106を基板101から遠ざかるように移動させて剥離してもよい。もしくは、モールド106を固定して基板101をモールド106から遠ざかるように移動させて剥離してもよい。あるいは、これらの両方を正反対の方向へ引っ張って剥離してもよい。
[0132]
以上の工程[2-1]~工程[5]、好ましくは工程[1]~工程[5]をこの順で有する一連の工程(製造プロセス)によって、所望の凹凸パターン形状(モールド106の凹凸形状に因むパターン形状)を、所望の位置に有する硬化膜を得ることができる。
[0133]
本実施形態のパターン形形成方法では、工程[2-1]で基板表面の大部分に硬化性組成物(A1)を一括して積層し、工程[2-2]~工程[5]からなる繰り返し単位(ショット)を、同一基板上で繰り返して複数回行うことができる。また、工程[2-1]~工程[5]を同一基板上で繰り返して複数回行ってもよい。工程[2-1]~工程[5]又は工程[2-2]~工程[5]からなる繰り返し単位(ショット)を複数回繰り返し、基板の所望の位置に複数の所望の凹凸パターン形状(モールド106の凹凸形状に因むパターン形状)を有する硬化膜108を得ることができる。
[0134]
≪第2実施形態≫
第2実施形態のパターン形成方法は、配置工程が異なる以外は、第1実施形態と同じである。以下、第2実施形態に係るパターン形成方法について、図2A~2Eの模式断面図を用い、第1実施形態と異なる部分について説明を行う。
[0135]
<配置工程[2]>
本工程では、図2Bに示す通り、溶剤を除く成分中のフッ素系界面活性剤濃度が0.26質量%以下である硬化性組成物(A3)110を下地層102上に配置する。硬化性組成物(A3)110は、液滴を離散的に配置しても良いし、積層(塗布)して塗布膜を形成しても良い。本実施形態において、硬化性組成物(A3)110を配置する方法としては、例えば、インクジェット法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法等を用いることができる。硬化性組成物(A3)110を離散的に配置する場合は、インクジェット法が特に好ましく、硬化性組成物(A3)110を塗布する場合は、スピンコート法が特に好ましい。
[0136]
硬化性組成物(A3)の溶剤を除く成分中のフッ素系界面活性剤の量を0.26質量%以下、好ましくは0.2質量%以下とすることにより、炭素原子数の割合が80%以上である下地層、特にSOC膜上でも硬化性組成物の接触角を小さくすることができる。尚、硬化性組成物(A3)のフッ素系界面活性剤の量以外については、第1実施形態の硬化性組成物(A2)と同様である。
[0137]
≪回路基板、電子部品及び光学機器の製造方法≫
本発明のパターン形成方法で得た、パターン形状を有する硬化膜108をマスクとして、基板101(基板101が被加工層を有する場合は被加工層)をエッチングなどの加工手段を用いてパターン状に加工することができる。また、パターン形状を有する硬化膜108上にさらに被加工層を成膜した後に、エッチングなどの加工手段を用いてパターン転写を行っても良い。このようにして、パターン形状を有する硬化膜108のパターン形状に基づく回路構造を基板101上に形成することができる。これにより、半導体素子等で利用される回路基板を製造することができる。また、この回路基板と回路基板の回路制御機構などとを接続することにより、ディスプレイ、カメラ、医療装置などの電子機器を形成することもできる。ここでいう半導体素子とは、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D-RDRAM、NANDフラッシュ等が挙げられる。
[0138]
本発明のパターン形成方法で得た、パターン形状を有する硬化膜108を回折格子や偏光板などの光学部材(光学部材の一部材として用いる場合を含む)として利用し、光学部品を得ることもできる。このような場合、少なくとも、基板101と、この基板101上のパターン形状を有する硬化膜108と、を有する光学部品とすることができる。
実施例
[0139]
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下に説明する実施例に限定されるものではない。尚、以下に使用される「部」および「%」は特に示さない限りすべて質量基準である。
[0140]
実施例及び比較例で用いた成分は以下の通りである。
(1)成分(a)
a1:トリメチロールプロパントリアクリレート(アルドリッチ製、略称TMPTA)
a2:イソボルニルアクリレート(共栄社化学製、商品名:IB-XA)
a3:ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業製、商品名:V#160)
a4:ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学製、商品名:NP-A)
(2)成分(b)
b1:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(Lucirin(登録商標) TPO(BASF製)):3質量部
(3)成分(c)
c1:ペンタデカエチレングリコールモノ1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルエーテル(F(CF 26CH 2CH 2(OCH 2CH 215OH)(DIC製、略称DEO-15)
c2:エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合物(BASF製、商品名Pluronic PE6400)
(4)成分(d)
d1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(東京化成工業製、略称PGMEA)
[0141]
[硬化性組成物の調製]
<調整例1>
成分(a1)100質量部、成分(d1)33000質量部を配合し、0.2μmの超高分子量ポリエチレン製フィルタでろ過し、硬化性組成物1を調製した。
[0142]
<調整例2~7>
表1に示した成分を使用した以外は調整例1と同様にして、硬化性組成物2~7を調製した。
[0143]
[表1]


[0144]
[実施例1]
<下地層の形成>
実施例1~8、比較例1~4においては、有効成分であるナフタレン系化合物を有機溶剤に溶解させたSOC前駆体組成物を、基板としてのシリコンウエハ上にスピンコートによって塗布した。スピンコートの条件は、1700rpm、25秒とした。その後、ホットプレート上においてSOC前駆体組成物をベークし、下地層としてSOC膜を形成した。加熱の条件としては、約300℃で約3分間加熱した。これにより、総原子数に対する炭素原子数の割合が80%以上であり、膜厚300nm以下の下地層を形成した。
[0145]
<接触角の評価>
下地層のベーク後1時間以内に、スピンコーターを用いて、硬化性組成物(A1)としての硬化性組成物1を下地層上に塗布することで、5~10nm程度の厚さの硬化性組成物1の膜を得た。スピンコートの条件は、1100rpm、25秒とした。
[0146]
硬化性組成物(A2)としての硬化性組成物2の液滴(約1μL)を硬化性組成物1の膜に滴下し、滴下してから約10秒経過後の液滴の接触角を、協和界面科学社製のDropMasterを用いて、θ/2法で求めた。滴下及び測定は5回行い、その相加平均を求め、以下の基準で評価した。接触角は2.5°でA評価であった。
A:接触角が10°以下
B:接触角が10°より大きい
[0147]
<密着性の評価>
「接触角の評価」と同様にして、下地層上に硬化性組成物1の膜を得た。その上に、硬化性組成物(A2)としての硬化性組成物2を2μL滴下して配置した。さらにその上から、パターンが形成された厚さ1mmの石英ガラス(モールド)を被せ、35mm×25mmの領域を硬化性組成物で充填させた。次に、超高圧水銀ランプを備えたUV光源から出射された光を、後述する干渉フィルタを通した上で石英ガラスを通して200秒照射した。これにより、硬化膜を得た。なお、光照射の際に使用した干渉フィルタはVPF-25C-10-15-31300(シグマ光機製)である。また、使用した照射光は、313±5nmの単一波長光の紫外光とし、照度を1.0mW/cm 2とした。光照射後、石英ガラスを引き剥がし、基板側からの硬化膜の剥がれの有無を目視で確認し、以下の基準で評価した。結果は、基板側に硬化膜が全て残ったのでA評価となった。
A:35mm×25mmの領域全面で基板側からの硬化膜の剥がれが生じなかった場合
B:35mm×25mmの領域の一部でも基板側からの剥がれが生じた場合
[0148]
[実施例2~5、比較例1]
表2に示す硬化性組成物(A2)を使用した以外は実施例1と同様にして、接触角と密着性を評価した。結果を表2に示す。接触角については、実施例2~5は実施例1と同じくA(10°以下)と評価されたが、比較例1はB(10°より大きい)と評価された。一方、密着性については、実施例2-5も比較例1もA(基板側に硬化膜が全て残った)と評価された。
[0149]
[表2]


[0150]
[実施例6]
<下地層の形成>
実施例1と同様にしてシリコンウエハ上に下地層を形成した。
[0151]
<接触角の評価>
下地層のベーク後1時間以内に、下地層上に硬化性組成物1の膜を形成することなく、硬化性組成物(A3)としての硬化性組成物2の液滴(約1μL)を下地層上に滴下し、約10秒経過後の液滴の接触角を、実施例1と同様にして測定、評価した。接触角は4.9°でA評価であった。
[0152]
<密着性の評価>
下地層のベーク後1時間以内に、下地層上に硬化性組成物1の膜を形成することなく、下地層上に硬化性組成物(A3)としての硬化性組成物2を2μL滴下して配置し、その後は実施例1と同様にして密着性を評価した。基板側に硬化膜が全て残ったのでA評価となった。
[0153]
[実施例7~8、比較例2~4]
表3に示す硬化性組成物(A3)を使用した以外は実施例6と同様にして、接触角と密着性を評価した。結果を表3に示す。接触角については、実施例7~8は実施例6と同じくA(10°以下)と評価されたが、比較例2~4はB(10°より大きい)と評価された。一方、密着性については、実施例7~8も比較例2~4もA(基板側に硬化膜が全て残った)と評価された。
[0154]
[表3]


[0155]
[比較例5]
<接触角の評価>
シリコンウエハ上に下地層を形成することなく、硬化性組成物2の液滴(約1μL)を、シリコンウエハ上に滴下し、約10秒経過後の液滴の接触角を、実施例1と同様にして測定、評価した。接触角は4.4°でA評価であった。
[0156]
<密着性の評価>
シリコンウエハ上に下地層を形成することなく、シリコンウエハ上に硬化性組成物2を2μL滴下して配置し、その後は実施例1と同様にして密着性を評価した。基板側から硬化膜が全て剥がれたのでB評価となった。
[0157]
[比較例6~10]
表4に示す硬化性組成物を使用した以外は比較例1と同様にして、接触角と密着性を評価した。結果を表4に示す。接触角については、比較例10はA(10°以下)と評価されたが、比較例6~9はB(10°より大きい)と評価された。一方、密着性については、比較例6~10は全てB(基板からの剥がれが生じた)と評価された。
[0158]
[表4]


[0159]
上記で説明したように、SOC等のカーボンを主成分とする層上でレジストの接触角が小さいパターン形成方法を提供でき、以下で示す下地層も同様に形成できる。
[0160]
 <下地層の形成>
 下地層の組成にもちいる成分は以下の通りである。
(1)成分(P)
p1:ポリヒドロキシスチレン(Mw:3500)(日本曹達製、製品名:VP-2500)
(2)成分(Q)
q1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(東京化成工業製、略称PGMEA)
(3)成分(R)
r1:Bis(4-tert-butylphenyl)iodonium perfluoro-1-butanesulfonate (アルドリッチ製)
(4)成分(S)
s1:1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル (東京化成工業製)
(5)成分(T)
t1:トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート) (東京化成工業製)
t2:1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(昭和電工製、製品名:カレンズMT NR1)
t3:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(東京化成工業製)
t4:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート) (昭和電工製、製品名:カレンズMT PE1)
t5:N,N,N”,N”-テトライソプロピルジエチレントリアミン(東京化成工業製)
t6:N,N,N”,N”-テトラブチルジエチレントリアミン(東京化成工業製)
t7:ジエチレントリアミン五酢酸(東京化成工業製)
[0161]
[表5]


[0162]
表5のSOC前駆体組成物である調整例8~14を基板としてのシリコンウエハ上にスピンコートによって塗布する。スピンコートの条件は、1700rpm、25秒とする。その後、ホットプレート上においてSOC前駆体組成物を200℃で60秒間ベークし、下地層としてSOC膜を形成する。
[0163]
 <接触角の評価>
調整例8~14によるSOC膜上に硬化性組成物2の液滴(約1μL)をそれぞれ下地層上に滴下し、約10秒経過後の液滴の接触角を、実施例1と同様の手順で評価できる。
[0164]
<密着性の評価>
調整例8~14によるSOC膜上に硬化性組成物(A3)としての硬化性組成物2を2μL滴下して配置し、その後は実施例1と同様にして密着性を評価できる。
[0165]
以上説明したように、本発明によれば、SOC等のカーボンを主成分とする層上でレジストの接触角が小さく、高スループット、かつ、基板のショット領域で剥がれのないパターン形成方法を提供することができる。
[0166]
この出願は2017年8月10日に出願された日本国特許出願番号2017-155715の優先権を主張するものであり、それらの内容を引用してこの出願の一部とするものである。


請求の範囲

[請求項1]
表面に下地層を有する基板の前記下地層上に硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記硬化性組成物とモールドとを接触させる型接触工程と、
前記硬化性組成物に光を照射して硬化膜とする光照射工程と、
前記硬化膜と前記モールドとを引き離す離型工程と、
をこの順に有するパターン形成方法であって、
前記下地層中の水素を除く総原子数に対する炭素原子数の割合が80%以上であり、
前記配置工程は、フッ素系界面活性剤を実質的に含まない硬化性組成物(A1)を前記下地層上に配置する第一の配置工程と、前記硬化性組成物(A1)の上に、溶剤を除く成分中のフッ素系界面活性剤濃度が1.1質量%以下である硬化性組成物(A2)の液滴を離散的に滴下する第二の配置工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
[請求項2]
前記硬化性組成物(A1)が実質的に光反応性を有さないことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
[請求項3]
溶剤を除く前記硬化性組成物(A1)の表面張力が、溶剤を除く前記硬化性組成物(A2)の表面張力より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
[請求項4]
表面に下地層を有する基板の前記下地層上に硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記硬化性組成物とモールドとを接触させる型接触工程と、
前記硬化性組成物に光を照射して硬化膜とする光照射工程と、
前記硬化膜と前記モールドとを引き離す離型工程と、
をこの順に有するパターン形成方法であって、
前記下地層中の水素を除く総原子数に対する炭素原子数の割合が80%以上であり、
前記配置工程は、溶剤を除く成分中のフッ素系界面活性剤濃度が0.26質量%以下である硬化性組成物を前記下地層上に配置する工程であることを特徴とするパターン形成方法。
[請求項5]
 前記下地層の下地層組成物が、結合剤としてアミノ基含有化合物または/およびチオール基含有化合物を、下地層の重量を100質量%としたときに1質量%~20質量%含有することを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
[請求項6]
前記配置工程の前に、基板の表面に下地層を形成する下地層形成工程を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
[請求項7]
前記下地層形成工程と前記配置工程の間に、前記下地層をリベークするリベーク工程を有することを特徴とする請求項6に記載のパターン形成方法。
[請求項8]
前記リベーク工程は、前記下地層を180℃以上でリベークする工程であることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
[請求項9]
前記下地層形成工程は、前記下地層をベークするベーク工程を有し、前記ベーク工程または前記リベーク工程の後1時間以内に、前記配置工程を開始することを特徴とする請求項7または8に記載のパターン形成方法。
[請求項10]
前記下地層はスピンオンカーボンを含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
[請求項11]
前記下地層の前駆体組成物が、ナフタレン系化合物及び有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
[請求項12]
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のパターン形成方法により所定のパターン形状を有する膜を得る工程と、
前記膜のパターン形状をマスクとして前記基板を加工する工程と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
[請求項13]
請求項12に記載の回路基板の製造方法により回路基板を得る工程と、
前記回路基板と前記回路基板を制御する制御機構とを接続する工程と、を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
[請求項14]
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のパターン形成方法により所定のパターン形状を有する膜を得ることを特徴とする光学部品の製造方法。
[請求項15]
表面にスピンオンカーボンを有する基板の前記スピンオンカーボン上に硬化性組成物を直接配置する配置工程と、
前記基板とモールドとによって前記硬化性組成物を挟むように、前記基板上の前記硬化性組成物とモールドとを接触させる型接触工程と、
前記硬化性組成物に光を照射して前記スピンオンカーボンと密着して硬化した硬化膜とする光照射工程と、
前記スピンオンカーボンと密着した状態の前記硬化膜と前記モールドとを引き離す離型工程と、をこの順に有することを特徴とするパターン形成方法。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]

[ 図 1D]

[ 図 1E]

[ 図 1F]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 2D]

[ 図 2E]