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1. (WO2019031329) WIND SPEED MEASUREMENT DEVICE AND AIR FLOW MEASUREMENT DEVICE
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明 細 書

発明の名称 風速測定装置および風量測定装置

技術分野

0001   0002  

背景技術

0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123  

符号の説明

0124  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 風速測定装置および風量測定装置

技術分野

[0001]
 本発明は風速測定装置に関し、さらに詳しくは、構成が簡易で、安価に作製することができ、測定精度が高い風速測定装置に関する。なお、本発明の風速測定装置は、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を補正する機能を備えている。
[0002]
 また、本発明は、上記本発明の風速測定装置を利用した風量測定装置に関する。

背景技術

[0003]
 ダクトなどの内部に配置されて、通過する気体の風速を測定する風速測定装置が、特許文献1(特開2008-241318号公報)に開示されている。図6に、特許文献1に開示された気体流量計1000を示す。なお、特許文献1に開示された気体流量計1000は、「風速」ではなく「風量(気体流量)」を測定するものであるが、特許文献1にも示唆されているように、「風量」と「風速」は極めて容易に相互に換算することができる。
[0004]
 気体流量計1000は、センサ本体101と制御部102とを備える。
[0005]
 センサ本体101は、プリント基板103上に、熱電対104とサーミスタ素子(サーミスタ)105とが形成されたものからなる。
[0006]
 熱電対104は、電熱線106と、その両側に接合された銅箔107a、107bとで構成されている。電熱線106は、銅との間で熱起電力を生じさせる、たとえば、Cu-Ni合金の一種であるコンスタンタンにより形成されている。熱電対104は、電熱線106に通電することにより、電熱線106と銅箔107a、107bとの接合点108a、108b間に熱起電力が発生する。
[0007]
 制御部102は、電熱線106への通電を制御する通電制御回路109、接合点108a、108b間の熱起電力を検出する熱起電力検出回路110、サーミスタ素子105からの出力が入力される測温回路111、熱起電力検出回路110や測温回路111からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器112、上記各構成要素を制御する制御回路113などを備えている。
[0008]
 気体流量計1000は、微風の場合は、接合点108a、108b間の温度差ΔTに応じた熱起電力を熱起電力検出回路110によって検出し、その熱起電力の大きさに基づいて気体流量を算出する。
[0009]
 しかしながら、気体流量計1000は、強風の場合は、電熱線106が強風に晒され、冷却されるため、熱電対104による気体流量の測定が困難になる。そこで、気体流量計1000は、強風の場合には、プリント基板103の基板温度Tをサーミスタ素子105で検出し、その検出結果に基づいて気体流量を算出する。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : 特開2008-241318号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0011]
 上述した気体流量計1000は、接合点108a、108b間で発生した熱起電力や、サーミスタ素子105で検出したプリント基板103の基板温度Tを、電圧の大きさで測定しているため、ノイズの影響を受けやすく、気体流量の測定精度が低いという問題があった。また、気体流量計1000は、熱起電力検出回路110や測温回路111を定期的に高い精度で校正しなければならず、メンテナンスの負担が大きいという問題があった。そして、気体流量計1000は、熱起電力検出回路110や測温回路111の校正を怠った場合や、校正が正確でなかった場合には、正しい気体流量を測定できないという問題があった。
[0012]
 また、気体流量計1000は、構成が複雑であるため、作製が容易でないという問題があった。さらに、気体流量計1000は、高価なA/D変換器112などを必要とするため、安価に作製することができないという問題があっ

課題を解決するための手段

[0013]
 本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、その手段として本発明の風速測定装置は、予め定められた設定温度または設定温度近傍の温度で発熱する定温発熱装置を備え、定温発熱装置は、電源と、発熱素子と、スイッチング素子と、コンパレータ素子と、第1負特性サーミスタ素子と、複数の抵抗素子と、を備え、発熱素子と第1負特性サーミスタ素子とは、風速測定点に配置され、発熱素子は、電源により発熱し、スイッチング素子は、電源と発熱素子との間に挿入され、コンパレータ素子はスイッチング素子のオンとオフとを制御し、第1負特性サーミスタ素子は、発熱素子の近傍に配置されて発熱素子と同じ温度に近づくように発熱素子と熱的に結合され、設定温度における抵抗値を閾値抵抗値として備え、第1負特性サーミスタ素子と、少なくとも1つの抵抗素子とが直列に接続されて温度検出用分圧回路が形成され、温度検出用分圧回路の第1負特性サーミスタ素子と抵抗素子との接続点から、温度検出用電圧が出力され、少なくとも2つの抵抗素子が直列に接続されて比較用分圧回路が形成され、比較用分圧回路の1つの抵抗素子ともう1つの抵抗素子との接続点から、比較用電圧が出力され、コンパレータ素子は、温度検出用電圧と比較用電圧とを比較し、その結果によって、スイッチング素子をオンにし、または、スイッチング素子をオフにし、スイッチング素子が、オンとオフとを繰り返すことにより、電源から発熱素子にパルス電圧が印加され、印加されたパルス電圧の波形に基づき、風速測定点における風速を算出する風速測定装置であって、比較用分圧回路を構成する少なくとも2つの抵抗素子のうち、1つの抵抗素子が、相互に直列に接続された、少なくとも、第1分割抵抗素子と、第2分割抵抗素子と、温度補償用の第2負特性サーミスタ素子と、に置換えられ、さらに、第1分割抵抗素子および第2分割抵抗素子の両方を比較用分圧回路に接続する場合と、第1分割抵抗素子および第2分割抵抗素子のいずれか一方のみを比較用分圧回路に接続する場合と、を切り替えるスイッチを備えるようにした。
[0014]
 この場合において、温度検出用分圧回路に、一定の電圧が印加され、比較用分圧回路に、一定の電圧が印加され、温度検出用分圧回路の抵抗素子および比較用分圧回路の抵抗素子のそれぞれの抵抗値、および、温度検出用分圧回路および比較用分圧回路にそれぞれ印加される電圧は、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度で、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値のときに、温度検出用電圧=比較用電圧となるように設定され、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度よりも低く、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値よりも大きいときに、温度検出用電圧>比較用電圧であり、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度よりも高く、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値よりも小さいときに、温度検出用電圧<比較用電圧であるか、または、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度よりも低く、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値よりも大きいときに、温度検出用電圧<比較用電圧であり、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度よりも高く、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値よりも小さいときに、温度検出用電圧>比較用電圧であり、コンパレータ素子は、温度検出用電圧と比較用電圧とを比較し、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度よりも低く、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値よりも大きいときに、スイッチング素子をオンにし、第1負特性サーミスタ素子の温度が設定温度よりも高く、第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が閾値抵抗値よりも小さいときに、スイッチング素子をオフにし、スイッチが、風速測定点を通過する風の温度をトリガーとして切り替えられるものとすることができる。この場合には、容易に、風の温度に起因する測定誤差が補正された風速を測定することができる。
[0015]
 たとえば、スイッチが、風速測定点を通過する風の温度を検知したマイクロコンピュータに制御されて切り替えられるものとすることができる。この場合には、風の温度に応じて、適正にスイッチを切り替えることができる。
[0016]
 あるいは、スイッチが、風速測定点を通過する風の温度により変化する第2負特性サーミスタ素子の抵抗値をトリガーとして切り替えられるものとすることができる。この場合には、風速測定装置のみで、風の温度に応じて、適正にスイッチを切り替えることができる。
[0017]
 なお、本発明の風速測定装置は、そのまま、風量測定装置として利用することができる。

発明の効果

[0018]
 本発明の風速測定装置は、風の温度に起因する測定誤差が補正されているため、測定精度が高い。また、本発明の風速測定装置は、ノイズの影響を受けにくく、測定精度が高い。また、本発明の風速測定装置は、構成が簡易であるため、容易に作製することができる。さらに、本発明の風速測定装置は、高価なA/D変換器などを必要としないため、安価に作製することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 第1実施形態にかかる風速測定装置100を示す等価回路図である。
[図2] 風速測定装置100において、風速5m/秒のときの、風の温度と、パルス電圧のデューティ比との関係を示すグラフである。
[図3] 風速測定装置100において、風速と、パルス電圧のデューティ比との関係を示すグラフである。
[図4] 第2実施形態にかかる風速測定装置200を示す等価回路図である。
[図5] 第3実施形態にかかる風速測定装置300を示す等価回路図である。
[図6] 特許文献1に開示された気体流量計1000を示す等価回路図である。
[図7] 参考となる風速測定装置1100Aを示す等価回路図である。
[図8] 図8(A)は、風速測定装置1100Aにおいて、ある風速時における、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度の変遷を示すグラフである。図3(B)は、そのときの、電源Vccから正特性サーミスタ素子222へ供給されるパルス電圧を示すグラフである。
[図9] 参考となる風速測定装置1100Bを示す等価回路図である。
[図10] 風速測定装置1100Bにおいて、風速5m/秒のときの、風の温度と、パルス電圧のデューティ比との関係を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、明細書の理解を助けるためのものであって、模式的に描画されている場合があり、描画された構成要素または構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
[0021]
 [第1実施形態;風速測定装置100]
 図1に、第1実施形態にかかる風速測定装置100を示す。
[0022]
 本件出願人は、本件発明を完成させるのに先立ち、本件発明の範囲外の参考となる風速測定装置1100Aを開発した。この風速測定装置1100Aは、測定精度が高く、構成が簡易であり、高価なA/D変換器などを必要としないため安価に作製すことができるという、優れた特徴を有している。しかしながら、この風速測定装置1100Aには、測定対象である風の温度の高低に起因して、風速に測定誤差が生じるという問題があった。
[0023]
 そこで、本件出願人は、風速測定装置1100Aを改良し、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を補正する機能を備えた、本件発明の範囲外の参考となる風速測定装置1100Bを開発した。この風速測定装置1100Bは、測定対象である風の温度の高低に影響されることなく、高い精度で風速を測定することができる。しかしながら、風速測定装置1100Bには、風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができる温度範囲が狭いという問題があった。
[0024]
 そこで、本件出願人は、風速測定装置1100Bを改良し、本件発明を完成させるに至った。すなわち、本件発明の風速測定装置は、上述した風速測定装置1100Bの課題が改善されており、広い温度範囲において、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができるものである。
[0025]
 そこで、上記本件発明が完成するに至った経緯に鑑み、第1実施形態にかかる風速測定装置100を説明する前に、本件発明の範囲外の参考となる風速測定装置1100Aと、風速測定装置1100Bとについて説明する。
[0026]
 (参考となる風速測定装置1100A)
 本件発明の範囲外の参考となる風速測定装置1100Aを、図7に示す。
[0027]
 風速測定装置1100Aは、定温発熱装置210を備えている。定温発熱装置210は、たとえば、約40℃を設定温度にしている。すなわち、定温発熱装置210は、約40℃の温度で定温発熱するように設計されている。
[0028]
 定温発熱装置210は、発熱部220と、温度制御部230とを備えている。
[0029]
 発熱部220は、第1負特性サーミスタ素子221と、発熱素子である正特性サーミスタ素子222とを備えている。第1負特性サーミスタ素子221と正特性サーミスタ素子222とは、熱的接続されている。第1負特性サーミスタ素子221は、正特性サーミスタ素子222の温度を測定するためのものである。正特性サーミスタ素子222には、たとえば、25℃の抵抗値が68kΩのものが使用される。ただし、発熱素子の種類は任意であり、正特性サーミスタ素子222には限られず、ヒータ素子などであっても良い。
[0030]
 温度制御部230は、電源Vccを備えている。電源Vccとして、たとえば、直流6Vが用いられる。電源Vccには、電源スイッチとしてスイッチSW1が接続されている。
[0031]
 温度制御部230は、スイッチング素子Q1を備えている。スイッチング素子Q1は、一端がスイッチSW1に接続され、他端が正特性サーミスタ素子222に接続されている。スイッチング素子Q1は、電源Vccから正特性サーミスタ素子222への送電をオン・オフする。スイッチング素子Q1には、たとえば、PNPトランジスタが使用される。
[0032]
 温度制御部230は、抵抗素子R201を備えている。抵抗素子R201は、第1負特性サーミスタ素子221と直列に接続されて、温度検出用分圧回路を構成している。温度検出用分圧回路は、抵抗素子R201と第1負特性サーミスタ素子221との接続点から、温度検出用電圧を出力する。
[0033]
 温度制御部230は、抵抗素子R202と、抵抗素子R203とが直列に接続された比較用分圧回路を備える。比較用分圧回路は、抵抗素子R202と抵抗素子R203との接続点から、比較用電圧を出力する。
[0034]
 温度制御部230は、コンパレータ素子Cmp1を備えている。
[0035]
 コンパレータ素子Cmp1の反転入力端子-に、温度検出用分圧回路の抵抗素子R201と第1負特性サーミスタ素子221との接続点が接続されている。
[0036]
 コンパレータ素子Cmp1の非反転入力端子+に、比較用分圧回路の抵抗素子R202と抵抗素子R203との接続点が接続されている。
[0037]
 コンパレータ素子Cmp1の正側の電源端子が、スイッチSW1の負荷側に接続されている。
[0038]
 コンパレータ素子Cmp1の負側の電源端子が、グランドに接続されている。
[0039]
 コンパレータ素子Cmp1の出力端子が、抵抗素子R204を介して、スイッチング素子Q1の制御端子に接続されている。
[0040]
 なお、抵抗素子R204とスイッチング素子Q1との接続点が、別途、抵抗素子R205を介して、スイッチSW1の負荷側に接続されている。
[0041]
 抵抗素子R201の抵抗値、抵抗素子R202の抵抗値、抵抗素子R203の抵抗値を表1に示す。また、第1負特性サーミスタ素子221の抵抗温度特性を表2に示す。なお、表1には、40℃のときの第1負特性サーミスタ素子221の抵抗値を併せて示している。一方、抵抗素子R204の抵抗値および抵抗素子R205の抵抗値は、それぞれ、適宜、設定される。
[0042]
[表1]


[表2]


[0043]
 風速測定装置1100Aは、熱的接続された第1負特性サーミスタ素子221と正特性サーミスタ素子222とからなる発熱部220を、測定対象である風の流路に配置して使用する。
[0044]
 たとえば、環境温度25℃において、定温発熱装置210のスイッチSW1をオンにすると、抵抗素子R201と第1負特性サーミスタ素子221とが直列に接続された温度検出用分圧回路と、抵抗素子R202と抵抗素子R203とが直列に接続された比較用分圧回路とに、それぞれ、6Vの電圧が印加される。このとき、温度検出用分圧回路の抵抗素子R201の抵抗値は4.7kΩ、第1負特性サーミスタ素子221の抵抗値は10kΩ(表2参照)であり、コンパレータ素子Cmp1の反転入力端子-に入力される、温度検出用分圧回路の分圧電圧は、約4.08Vである。一方、比較用分圧回路の抵抗素子R202の抵抗値は4.7kΩ、抵抗素子R203の抵抗値は5.6kΩであり、コンパレータ素子Cmp1の非反転入力端子+に入力される、比較用分圧回路の分圧電圧は、約3.26Vである。
[0045]
 コンパレータ素子Cmp1は、反転入力端子-に入力される温度検出用分圧回路の分圧電圧が、非反転入力端子+に入力される比較用分圧回路の分圧電圧よりも大きい場合に、スイッチング素子Q1をオンさせる。逆に、コンパレータ素子Cmp1は、反転入力端子-に入力される温度検出用分圧回路の分圧電圧が、非反転入力端子+に入力される比較用分圧回路の分圧電圧よりも小さい場合に、スイッチング素子Q1をオフさせる。
[0046]
 定温発熱装置210のスイッチSW1をオンにしたとき、反転入力端子-に入力される温度検出用分圧回路の分圧電圧が、非反転入力端子+に入力される比較用分圧回路の分圧電圧よりも大きいため、コンパレータ素子Cmp1は、スイッチング素子Q1をオンさせる。したがって、定温発熱装置210のスイッチSW1をオンすることによって、電源Vccから、スイッチング素子Q1を経由して、正特性サーミスタ素子222へ電力が供給され、正特性サーミスタ素子222が発熱を開始する。
[0047]
 正特性サーミスタ素子222の温度が上昇すると、これと熱的接続された第1負特性サーミスタ素子221の温度が上昇し、第1負特性サーミスタ素子221の抵抗値が降下する。そして、反転入力端子-に入力される温度検出用分圧回路の分圧電圧が、当初の約4.08Vから降下する。
[0048]
 正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度が設定温度である40℃まで上昇し、第1負特性サーミスタ素子221の抵抗値が5.6kΩまで降下し、温度検出用分圧回路の分圧電圧が、比較用分圧回路の分圧電圧と同じ約3.26Vまで降下すると、コンパレータ素子Cmp1は、スイッチング素子Q1をオフさせ、電源Vccから正特性サーミスタ素子222への電力の供給を停止する。
[0049]
 そして、電源Vccから正特性サーミスタ素子222への電力の供給を停止し、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度が、設定温度である40℃よりも低くなると、コンパレータ素子Cmp1は、スイッチング素子Q1をオンさせ、電源Vccから正特性サーミスタ素子222への電力の供給を再開する。
[0050]
 このような方法により、定温発熱装置210は、正特性サーミスタ素子222への電力の供給と停止を繰り返すことにより、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度を、設定温度である40℃近傍に維持する。
[0051]
 図8(A)に、ある風速時における、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度の変遷を示す。また、図8(B)に、そのときの、電源Vccから正特性サーミスタ素子222へ供給される電圧を示す。図8(B)から分かるように、電源Vccから正特性サーミスタ素子222へは、規則正しいパルス状の電圧(以下において「パルス電圧」という)が供給される。
[0052]
 風速測定装置1100Aは、図7に示すように、温度制御部230のスイッチング素子Q1と、発熱部220の正特性サーミスタ素子222との間に、パルス電圧モニター部240が設けられている。パルス電圧モニター部240においては、たとえば、マイクロコンピュータ250のカウンターにより、パルス電圧の波形がモニターされる。マイクロコンピュータ250のカウンターは、たとえば、1000Hzの発振器を備え、1秒間に1000回、パルス電圧の電圧値を読み取り、パルス電圧の波形を検知する。
[0053]
 風速測定装置1100Aは、マイクロコンピュータ250で読み取ったパルス電圧の波形における1回あたりのオン時間の長さに基づき、または、パルス電圧の波形におけるデューティ比に基づき、風の風速を測定(算出)する。すなわち、風速が、無風から、弱風、中風、強風と大きくなるにしたがって、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221から熱が奪われやすくなるため、定温発熱装置210は設定温度を維持する必要から、パルス電圧のオン時間を長くし、かつ、デューティ比を高くする。風速測定装置1100Aは、パルス電圧のオン時間の長さ、または、デューティ比から、風の風速を測定(算出)する。
[0054]
 以上の構成からなる風速測定装置1100Aは、測定精度が高く、構成が簡易であり、高価なA/D変換器などを必要としないため安価に作製すことができるという、優れた特徴を有している。
[0055]
 しかしながら、この風速測定装置1100Aには、測定対象である風の温度の高低に起因して、風速に測定誤差が生じるという問題があった。すなわち、風速測定装置1100Aを、風の温度を常温の25℃に設定(想定)して設計した場合、風の温度が25℃よりも高くなると、風の温度の影響を受けて、実際の風速に対応したデューティ比よりも、検知されたパルス電圧の波形のデューティ比が低くなってしまうという問題があった。風の温度が25℃よりも高くなると、風の温度が加算されて、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度は、風の温度が25℃のときよりも早く上昇するからである。逆に、風の温度が25℃よりも低くなると、風の温度の影響を受けて、実際の風速に対応したデューティ比よりも、検知されたパルス電圧の波形のデューティ比が高くなってしまうという問題があった。風の温度が25℃よりも低くなると、風の温度が減算されて、正特性サーミスタ素子222および第1負特性サーミスタ素子221の温度は、風の温度が25℃のときよりも遅く上昇するからである。
[0056]
 このように、風速測定装置1100Aには、風の温度が25℃よりも高くなると、実際の風速に対応したデューティ比よりも、検知されたパルス電圧の波形のデューティ比が低くなり、風の温度が25℃よりも低くなると、実際の風速に対応したデューティ比よりも、検知されたパルス電圧の波形のデューティ比が高くなるという問題があった。
[0057]
 そこで、本件出願人は、風速測定装置1100Aを改良し、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を補正する機能を備えた風速測定装置1100Bを開発した。
[0058]
 (参考となる風速測定装置1100B)
 本件発明の範囲外の参考となる風速測定装置1100Bを、図9に示す。
[0059]
 風速測定装置1100Bは、定温発熱装置310を備えている。定温発熱装置310は、たとえば、約35℃を設定温度にしている。定温発熱装置310は、発熱部320と、温度制御部330とを備えている。
[0060]
 発熱部320は、第1温度センサ素子である第1負特性サーミスタ素子321と、発熱素子である正特性サーミスタ素子322とを備えている。第1負特性サーミスタ素子321には、風速測定装置1100Aの第1負特性サーミスタ素子221と同じものを使用した。また、正特性サーミスタ素子322には、風速測定装置1100Aの正特性サーミスタ素子222と同じものを使用した。
[0061]
 温度制御部330は、風速測定装置1100Aと同様に、電源Vccを備えている。電源Vccとして、たとえば、直流6Vが用いられる。電源Vccには、電源スイッチとしてスイッチSW1が接続されている。
[0062]
 温度制御部330は、風速測定装置1100Aと同様に、スイッチング素子Q1を備えている。
[0063]
 温度制御部330は、抵抗素子R301を備えている。抵抗素子R301は、第1負特性サーミスタ素子321と直列に接続されて、温度検出用分圧回路を構成している。温度検出用分圧回路は、抵抗素子R301と第1負特性サーミスタ素子221との接続点から、温度検出用電圧を出力する。
[0064]
 温度制御部330は、抵抗素子R302と、抵抗素子R303と、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を補正するための第2負特性サーミスタ232が直列に接続された比較用分圧回路を備える。比較用分圧回路は、抵抗素子R302と抵抗素子R303との接続点から、比較用電圧を出力する。なお、第2負特性サーミスタ232には、第1負特性サーミスタ素子321と同じ抵抗温度特性のものを使用した。
[0065]
 第2負特性サーミスタ232は、発熱部320の近傍に、発熱部320の正特性サーミスタ素子322および第1負特性サーミスタ素子321から熱分離して配置され、測定対象の風の温度に対応して自らの温度を変化させて、自らの抵抗値を変化させる。
[0066]
 温度制御部230は、風速測定装置1100Aと同様に、コンパレータ素子Cmp1を備えている。
[0067]
 コンパレータ素子Cmp1の出力端子が、抵抗素子R304を介して、スイッチング素子Q1の制御端子に接続されている。なお、抵抗素子R304とスイッチング素子Q1との接続点が、別途、抵抗素子R305を介して、スイッチSW1の負荷側に接続されている。
[0068]
 抵抗素子R301の抵抗値、抵抗素子R302の抵抗値、抵抗素子R303の抵抗値を表3に示す。また、第1負特性サーミスタ素子321および第2負特性サーミスタ332の抵抗温度特性を表4に示す。なお、抵抗素子R304の抵抗値および抵抗素子R305の抵抗値は、それぞれ、適宜、設定される。
[0069]
[表3]


[表4]


[0070]
 風速測定装置1100Bは、風速測定装置1100Aと同様に、パルス電圧モニター部340を備えている。パルス電圧モニター部340においては、たとえば、マイクロコンピュータ350のカウンターにより、パルス電圧の波形がモニターされる。
[0071]
 風速測定装置1100Bは、抵抗素子R301の抵抗値、抵抗素子R302の抵抗値、抵抗素子R303の抵抗値、第1負特性サーミスタ素子321および第2負特性サーミスタ332の抵抗温度特性を、表3および表4に示すように選定したことにより、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差が補正される。
[0072]
 すなわち、風速測定装置1100Bは、第2負特性サーミスタ332で測定した測定対象である風の温度が、25℃よりも高くなると定温発熱装置310の設定温度を当初の35℃よりも高くなるように補正し、25℃よりも低くなると定温発熱装置310の設定温度を当初の35℃よりも低くなるように補正する。この結果、風速測定装置1100Bは、測定対象である風の温度の高低にかかわらず、測定対象である風の風速のみによって、電源Vccから正特性サーミスタ素子322へ供給されるパルス電圧のデューティ比が変化する。すなわち、風速測定装置1100Bは、測定対象である風の温度の高低に起因する測定誤差を補正した、精度の高い風速を検知することができる。
[0073]
 しかしながら、この風速測定装置1100Bには、風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができる温度範囲が狭いという問題があった。この風速の測定誤差を適正に補正することができる温度範囲は、比較用分圧回路を構成する抵抗素子R303の抵抗値によって変化する。
[0074]
 上述したとおり、風速測定装置1100Bでは、抵抗素子R303の抵抗値を820Ωとした。図10に、抵抗素子R303の抵抗値が820Ωの風速測定装置1100Bにおいて、風速5m/秒のときの、風の温度と、パルス電圧のデューティ比との関係を示す(実線のグラフ)。
[0075]
 図10から分かるように、抵抗素子R303の抵抗値が820Ωである風速測定装置1100Bは、風の温度が概ね25℃以上、50℃以下であるときに、風の温度が変化しても、パルス電圧のデューティ比は変化せずフラットになっている。すなわち、抵抗素子R303の抵抗値が820Ωである風速測定装置1100Bは、風の温度が概ね25℃以上、50℃以下であるときに、風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができる。逆に言えば、抵抗素子R303の抵抗値が820Ωである風速測定装置1100Bは、風の温度が25℃未満の場合や、50℃を超えた場合には、風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができなかった。
[0076]
 上述したとおり、風速の測定誤差を適正に補正することができる温度範囲は、比較用分圧回路を構成する抵抗素子R303の抵抗値によって変化する。図10に、抵抗素子R303の抵抗値を、680Ω、910Ω、1210Ωに変更したときの、それぞれの、風速5m/秒における、風の温度と、パルス電圧のデューティ比との関係を示す(破線のグラフ)。
[0077]
 図10から分かるように、たとえば、抵抗素子R303の抵抗値を1210Ωに変更した場合には、風の温度が概ね0℃以上、30℃以下であるときに、風の温度が変化しても、パルス電圧のデューティ比は変化せずフラットになっている。すなわち、抵抗素子R303の抵抗値を1210Ωに変更した場合には、風の温度が概ね0℃以上、30℃以下であるときに、風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができる。
[0078]
 そこで、本件発明者は、風速測定装置1100Bを改良し、本件発明を完成させるに至った。すなわち、本件発明の風速測定装置は、所定の温度(たとえば30℃)を境界にして、風の温度がその温度より低温であるときと、風の温度がその温度よりも高温であるときとで、抵抗素子R303の抵抗値を切り替えるようにし、広い温度範囲にわたって、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができるようにした。
[0079]
 (風速測定装置100)
 上述したとおり、図1に、第1実施形態にかかる風速測定装置100を示す。ただし、図1は、風速測定装置100の等価回路図である。
[0080]
 風速測定装置100は、定温発熱装置10を備えている。定温発熱装置10は、たとえば、約35℃を設定温度にしている。すなわち、定温発熱装置10は、約35℃の温度で定温発熱するように設計されている。
[0081]
 定温発熱装置10は、発熱部20と、温度制御部30とを備えている。
[0082]
 発熱部20は、第1負特性サーミスタ素子21と、発熱素子である正特性サーミスタ素子22とを備えている。第1負特性サーミスタ素子21と正特性サーミスタ素子22とは、熱的接続されている。第1負特性サーミスタ素子21は、正特性サーミスタ素子22の温度を測定するためのものである。正特性サーミスタ素子22には、25℃の抵抗値が68kΩのものを使用した。なお、発熱素子の種類は任意であり、正特性サーミスタ素子22には限られず、ヒータ素子などであっても良い。
[0083]
 温度制御部30は、電源Vccを備えている。電源Vccには、直流6Vを使用した。電源Vccには、電源スイッチとして第1スイッチSW1が接続されている。
[0084]
 温度制御部30は、スイッチング素子Q1を備えている。スイッチング素子Q1は、一端が第1スイッチSW1に接続され、他端が正特性サーミスタ素子22に接続されている。スイッチング素子Q1は、電源Vccから正特性サーミスタ素子22への送電をオン・オフする。スイッチング素子Q1には、PNPトランジスタを使用した。ただし、スイッチング素子Q1の種類は任意であり、PNPトランジスタ以外のものであっても良い。
[0085]
 温度制御部30は、抵抗素子R1を備えている。抵抗素子R1は、第1負特性サーミスタ素子21と直列に接続されて、温度検出用分圧回路を構成している。温度検出用分圧回路は、抵抗素子R1と第1負特性サーミスタ素子21との接続点から、温度検出用電圧を出力する。
[0086]
 温度制御部30は、抵抗素子R2と、第2負特性サーミスタ素子32と、抵抗素子R3とが直列に接続された比較用分圧回路を備える。ただし、抵抗素子R3は、現実には、第1分割抵抗素子R3 と、第2分割抵抗素子R3 との2つの抵抗素子に分割して設けられている。比較用分圧回路は、抵抗素子R2と第2負特性サーミスタ素子32との接続点から、比較用電圧を出力する。
[0087]
 温度制御部30は、コンパレータ素子Cmp1を備えている。
[0088]
 コンパレータ素子Cmp1の反転入力端子-に、温度検出用分圧回路の抵抗素子R1と第1負特性サーミスタ素子21との接続点が接続されている。
[0089]
 コンパレータ素子Cmp1の非反転入力端子+に、比較用分圧回路の抵抗素子R2と第2負特性サーミスタ素子32との接続点が接続されている。
[0090]
 コンパレータ素子Cmp1の正側の電源端子が、第1スイッチSW1の負荷側に接続されている。
[0091]
 コンパレータ素子Cmp1の負側の電源端子が、グランドに接続されている。
[0092]
 コンパレータ素子Cmp1の出力端子が、抵抗素子R4を介して、スイッチング素子Q1の制御端子に接続されている。
[0093]
 なお、抵抗素子R4とスイッチング素子Q1との接続点が、別途、抵抗素子R5によって接続されている。
[0094]
 温度制御部30は、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点と、グランドとの間に、第2スイッチSW2を備えている。第2スイッチSW2は、測定対象である風の温度が30℃未満であるときにはオフにされ、測定対象である風の温度が30℃以上であるときにはオンにされる。
[0095]
 この結果、比較用分圧回路を構成する抵抗素子R3の抵抗値は、測定対象である風の温度が30℃未満であるときには、第1分割抵抗素子R3 の抵抗値と第2分割抵抗素子R3 の抵抗値とが加算された抵抗値になり、測定対象である風の温度が30℃以上であるときには、第1分割抵抗素子R3 の抵抗値のみになる。
[0096]
 抵抗素子R1の抵抗値、抵抗素子R2の抵抗値、抵抗素子R3の抵抗値、第1分割抵抗素子R3 の抵抗値、第2分割抵抗素子R3 の抵抗値を表5に示す。また、第1負特性サーミスタ素子21、第2負特性サーミスタ素子32の抵抗温度特性を表6に示す。なお、抵抗素子R4の抵抗値および抵抗素子R5の抵抗値は、それぞれ、適宜、設定される。
[0097]
[表5]


[表6]


[0098]
 風速測定装置100は、第1スイッチSW1をオンにすることにより、風速測定装置1100A、1100Bと同じ原理により、電源から正特性サーミスタ素子22への電力の供給と停止が繰り返され、正特性サーミスタ素子22および第1負特性サーミスタ素子21の温度が、設定温度である約35℃近傍において維持される。
[0099]
 風速測定装置100は、風速測定装置1100A、1100Bと同じ原理により、パルス電圧のデューティ比(またはオン時間の長さ)から、測定対象である風の風速を測定(算出)する。
[0100]
 風速測定装置100は、風速測定装置1100Bと同じ原理によって、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を補正する。ただし、風速測定装置100は、測定対象である風の温度が30℃未満であるときと、30℃以上であるときとで、抵抗素子R3(第1分割抵抗素子R3 および第2分割抵抗素子R3 )の抵抗値を切り換えたうえで補正をおこなうようにしている。すなわち、風速測定装置100は、測定対象である風の温度が30℃未満である時の低温モードと、測定対象である風の温度が30℃以上である時の高温モードとの、2つのモードで、測定対象である風の温度の高低に起因する風速の測定誤差を補正する。
[0101]
 図2(A)に、測定対象である風の風速が5m/秒のときの、風の温度と、パルス電圧のデューティ比との関係を示す。また、図2(B)に、測定対象である風の風速が0m/秒(無風)のときの、風の温度と、パルス電圧のデューティ比との関係を示す。
[0102]
 図2(A)、(B)から分かるように、風速測定装置100は、測定対象である風の温度が30℃未満であるときと、30℃以上であるときとで、低温モードと高温モードとを切り換えることにより、測定対象である風の温度が変化しても、パルス電圧のデューティ比が一定であり変化しない(デューティ比がフラットになっている)。すなわち、風速測定装置100は、測定対象である風の温度が30℃未満であるときも、30℃以上であるときも、風の温度に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができる。
[0103]
 なお、風速測定装置100が、低温モードと高温モードのいずれのモードで測定誤差を補正しているかの情報は、別途、風速測定装置100からマイクロコンピュータ50に伝達される。そして、マイクロコンピュータ50は、その情報を考慮したうえで、パルス電圧モニター部40で取得されたパルス電圧の波形に基づき、測定対象である風の風速を算出する。
[0104]
 図3に、測定対象である風の風速と、パルス電圧のデューティ比との関係を示す。風速測定装置100は、測定対象である風の温度が30℃未満であるときと、30℃以上であるときとで、2種類の異なる、風速とパルス電圧のデューティ比との関係式を使い分けている。
[0105]
 風速測定装置100は、広い温度範囲にわたって、風の温度に起因する風速の測定誤差を適正に補正することができる。
[0106]
 [第2実施形態;風速測定装置200]
 図4に、第2実施形態にかかる風速測定装置200を示す。ただし、図4は、風速測定装置200の等価回路図である。
[0107]
 風速測定装置200は、上述した第1実施形態にかかる風速測定装置100の構成の一部を変更した。具体的には、風速測定装置100では、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点と、グランドとの間に、第2スイッチSW2が設けられていた。風速測定装置200は、これに代えて、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点と、グランドとの間に、第2スイッチング素子Q2を設けた。本実施形態においては、第2スイッチング素子Q2には、NPNトランジスタを使用した。ただし、第2スイッチング素子Q2の種類は任意であり、NPNトランジスタ以外の種類のスイッチング素子を使用しても良い。
[0108]
 第2スイッチング素子Q2は、制御端子がマイクロコンピュータ50に接続され、マイクロコンピュータ50によって制御されている。なお、マイクロコンピュータ50と第2スイッチング素子Q2とを接続するにあたり、マイクロコンピュータ50と第2スイッチング素子Q2との間に抵抗素子6が挿入され、抵抗素子6と第2スイッチング素子Q2との接続点とグランドとの間に抵抗素子7が挿入されている。抵抗素子6の抵抗値と、抵抗素子7の抵抗値とは、それぞれ、適宜、選定される。
[0109]
 マイクロコンピュータ50は、別途取得した、測定対象である風の温度情報に基づき、測定対象の風の温度が30℃未満である場合に、第2スイッチング素子Q2をオフにする。マイクロコンピュータ50は、別途取得した、測定対象である風の温度情報に基づき、測定対象の風の温度が30℃以上である場合に、第2スイッチング素子Q2をオンにし、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点をグランドに短絡させる。
[0110]
 風速測定装置200も、風速測定装置100と同様に、広い温度範囲にわたって、測定対象である風の温度に起因する風速の測定誤差が適正に補正されている。
[0111]
 [第3実施形態;風速測定装置300]
 図5に、第3実施形態にかかる風速測定装置300を示す。ただし、図5は、風速測定装置300の等価回路図である。
[0112]
 風速測定装置300も、上述した第1実施形態にかかる風速測定装置100の構成の一部を変更した。具体的には、風速測定装置100では、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点と、グランドとの間に、第2スイッチSW2が設けられていた。風速測定装置300は、第2スイッチSW2に代えて、第2コンパレータ素子Cmp2を設けた。
[0113]
 第2コンパレータ素子Cmp2の反転入力端子-に、直流約1.3Vが印加されている。
[0114]
 第2コンパレータ素子Cmp2の非反転入力端子+に、比較用分圧回路の抵抗素子R2と抵抗素子R3(第1分割抵抗素子R3 )との接続点が接続されている。第2コンパレータ素子Cmp2の出力端子が、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点に接続されている。
[0115]
 第2コンパレータ素子Cmp2は、常時、比較用分圧回路の抵抗素子R2と抵抗素子R3(第1分割抵抗素子R3 )との接続点の電圧を監視しており、測定対象の風の温度が30℃未満であり、第2負特性サーミスタ素子32の抵抗値が8.3kΩ以上であり、当該接続点の電圧が約1.3V以上である場合に、オフとなり、逆に、測定対象の風の温度が30℃以上であり、第2負特性サーミスタ素子32の抵抗値が8.3kΩ未満であり、当該接続点の電圧が約1.3V未満である場合に、オンとなり、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との接続点をグランドに短絡させる。
[0116]
 なお、厳密には、第2コンパレータ素子Cmp2がオフであり、比較用分圧回路に第2分割抵抗素子R3 が挿入されている場合と、第2コンパレータ素子Cmp2がオンであり、比較用分圧回路に第2分割抵抗素子R3 が挿入されていない場合とで、比較用分圧回路の抵抗素子R2と抵抗素子R3(第1分割抵抗素子R3 )との接続点の電圧が変動するが、第2分割抵抗素子R3 の抵抗値が390Ωと小さいため、当該変動は誤差として看過することができる。
[0117]
 風速測定装置300も、風速測定装置100、200と同様に、広い温度範囲にわたって、測定対象である風の温度に起因する風速の測定誤差が適正に補正されている。
[0118]
 以上、第1実施形態~第3実施形態にかかる風速測定装置100、200、300について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
[0119]
 たとえば、風速測定装置100、200、300では、抵抗素子R3を、第1分割抵抗素子R3 と第2分割抵抗素子R3 との2つに分割したが、分割抵抗素子の個数は任意であり、2個よりも多くにし、それらをスイッチで切り替えて使用するようにしても良い。
[0120]
 また、風速測定装置100、200、300では、定温発熱装置10の設定温度を約35℃に設定したが、定温発熱装置10の設定温度は任意であり、変更することができる。
[0121]
 また、風速測定装置100、200、300では、測定対象である風の温度に起因する風速の測定誤差を補正する低温モードと高温モードとの切り替えを、30℃を境界としておこなったが、低温モードと高温モードを切り替える温度は任意であり、自由に設定することができる。
[0122]
 また、抵抗素子R1の抵抗値、抵抗素子R2の抵抗値、抵抗素子R3の抵抗値、第1分割抵抗素子R3 の抵抗値、第2分割抵抗素子R3 の抵抗値や、第1負特性サーミスタ素子21の抵抗温度特性、第2負特性サーミスタ素子32の抵抗温度特性なども任意であり、自由に設定することができる。
[0123]
 さらに、風速測定装置100、200、300を使用して、風量測定装置を構成しても良い。

符号の説明

[0124]
10・・・定温発熱装置
20・・・発熱部
30・・・温度制御部
21・・・第1負特性サーミスタ素子
22・・・正特性サーミスタ素子(発熱素子)
32・・・第2負特性サーミスタ素子
SW1・・・(第1)スイッチ
SW2・・・第2スイッチ
Q1・・・(第1)スイッチング素子
Q2・・・第2スイッチング素子
Cmp1・・・(第1)コンパレータ素子
Cmp2・・・第2コンパレータ素子
40・・・パルス電圧モニター部
50・・・マイクロコンピュータ
100、200、300・・・風速測定装置

請求の範囲

[請求項1]
 予め定められた設定温度または前記設定温度近傍の温度で発熱する定温発熱装置を備え、
 前記定温発熱装置は、電源と、発熱素子と、スイッチング素子と、コンパレータ素子と、第1負特性サーミスタ素子と、複数の抵抗素子と、を備え、
 前記発熱素子と前記第1負特性サーミスタ素子とは、風速測定点に配置され、
 前記発熱素子は、前記電源により発熱し、
 前記スイッチング素子は、前記電源と前記発熱素子との間に挿入され、
 前記コンパレータ素子は前記スイッチング素子のオンとオフとを制御し、
 前記第1負特性サーミスタ素子は、前記発熱素子の近傍に配置されて前記発熱素子と同じ温度に近づくように前記発熱素子と熱的に結合され、前記設定温度における抵抗値を閾値抵抗値として備え、
 前記第1負特性サーミスタ素子と、少なくとも1つの前記抵抗素子とが直列に接続されて温度検出用分圧回路が形成され、
 前記温度検出用分圧回路の前記第1負特性サーミスタ素子と前記抵抗素子との接続点から、温度検出用電圧が出力され、
 少なくとも2つの前記抵抗素子が直列に接続されて比較用分圧回路が形成され、
 前記比較用分圧回路の1つの前記抵抗素子ともう1つの前記抵抗素子との接続点から、比較用電圧が出力され、
 前記コンパレータ素子は、前記温度検出用電圧と前記比較用電圧とを比較し、その結果によって、前記スイッチング素子をオンにし、または、前記スイッチング素子をオフにし、
 前記スイッチング素子が、オンとオフとを繰り返すことにより、前記電源から前記発熱素子にパルス電圧が印加され、
 印加された前記パルス電圧の波形に基づき、前記風速測定点における風速を算出する風速測定装置であって、
 前記比較用分圧回路を構成する少なくとも2つの前記抵抗素子のうち、1つの前記抵抗素子が、相互に直列に接続された、少なくとも、第1分割抵抗素子と、第2分割抵抗素子と、温度補償用の第2負特性サーミスタ素子と、に置換えられ、
 さらに、前記第1分割抵抗素子および前記第2分割抵抗素子の両方を前記比較用分圧回路に接続する場合と、前記第1分割抵抗素子および前記第2分割抵抗素子のいずれか一方のみを前記比較用分圧回路に接続する場合と、を切り替えるスイッチを備える、風速測定装置。
[請求項2]
 前記温度検出用分圧回路に、一定の電圧が印加され、
 前記比較用分圧回路に、一定の電圧が印加され、
 前記温度検出用分圧回路の前記抵抗素子および前記比較用分圧回路の前記抵抗素子のそれぞれの抵抗値、および、前記温度検出用分圧回路および前記比較用分圧回路にそれぞれ印加される前記電圧は、前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度で、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値のときに、前記温度検出用電圧=前記比較用電圧となるように設定され、
 前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度よりも低く、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値よりも大きいときに、前記温度検出用電圧>前記比較用電圧であり、前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度よりも高く、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値よりも小さいときに、前記温度検出用電圧<前記比較用電圧であるか、または、前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度よりも低く、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値よりも大きいときに、前記温度検出用電圧<前記比較用電圧であり、前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度よりも高く、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値よりも小さいときに、前記温度検出用電圧>前記比較用電圧であり、
 前記コンパレータ素子は、前記温度検出用電圧と前記比較用電圧とを比較し、前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度よりも低く、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値よりも大きいときに、前記スイッチング素子をオンにし、前記第1負特性サーミスタ素子の温度が前記設定温度よりも高く、前記第1負特性サーミスタ素子の抵抗値が前記閾値抵抗値よりも小さいときに、前記スイッチング素子をオフにし、
 前記スイッチが、前記風速測定点を通過する風の温度をトリガーとして切り替えられる、請求項1に記載された風速測定装置。
[請求項3]
 前記スイッチが、前記風速測定点を通過する風の温度を検知したマイクロコンピュータに制御されて切り替えられる、請求項1または2に記載された風速測定装置。
[請求項4]
 前記スイッチが、前記風速測定点を通過する風の温度によって変化する第2負特性サーミスタ素子の抵抗値をトリガーとして切り替えられる、請求項1または2に記載された風速測定装置。
[請求項5]
 請求項1ないし4のいずれか1項に記載された風速測定装置を利用した風量測定装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]