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1. (WO2019031070) PRODUCTION METHOD FOR SINGLE CORE OPTICAL FIBER BASE MATERIAL AND PRODUCTION METHOD FOR SINGLE CORE OPTICAL FIBER
Document

明 細 書

発明の名称 シングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033  

図面の簡単な説明

0034  

発明を実施するための形態

0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086  

符号の説明

0087  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : シングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、シングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 レーザ加工機として使用されるファイバレーザ装置では、コアに希土類元素が添加されたシングルコア光ファイバが用いられる。また、このようなシングルコア光ファイバでは、コアにより多くの励起光を入射させるため、一般的にダブルクラッド構造が適用される。ダブルクラッド構造のシングルコア光ファイバは、一般的に、希土類元素が添加されたコアとコアを囲う内側クラッドと内側クラッドを囲う外側クラッドとを有し、外側クラッドは内側クラッドより屈折率が低い。内側クラッドに入射される励起光は、内側クラッドと外側クラッドとの界面においてコア側に反射されてコアに入射し、コアに添加される希土類元素を励起する。しかし、このようなダブルクラッド構造のシングルコア光ファイバにおいて、内側クラッドの長手方向に垂直な断面形状が円形である場合、励起光が内側クラッドと外側クラッドとの界面において一定の角度で反射し続け、励起光がコアに入射せずに内側クラッドを伝搬する場合がある。このように、コアを通過せずにクラッドを伝搬する光をスキュー光という。スキュー光が生じると、コアに入射する励起光が少なくなるため、コアに添加される希土類元素が励起され難くなる。
[0003]
 スキュー光の発生を抑制するための技術として、例えば下記特許文献1には、内側クラッドの長手方向に垂直な断面形状を多角形とするシングルコア光ファイバが開示されている。このように内側クラッドの断面形状が非円形とされることによって、内側クラッドを伝搬する励起光は内側クラッドの外周面において反射角を変えながら反射を繰り返し、コアに入射し易くなると考えられる。
[0004]
特許文献1 : 国際公開第2009-028614号公報

発明の概要

[0005]
 上記のようなクラッドの断面形状が非円形であるシングルコア光ファイバを製造する場合、当該シングルコア光ファイバを製造するためのシングルコア光ファイバ用母材は、長手方向に垂直な断面形状が非円形とされる必要がある。しかし、長手方向に垂直な断面形状が円形のガラスロッドを当該断面形状が非円形となるように切削してシングルコア光ファイバ用母材として用いる場合、機械でガラスロッドを切削可能な長さは制限される傾向にある。ところで、製造コスト低減等の要請により、1つのシングルコア光ファイバ用母材から長尺のシングルコア光ファイバを製造することが求められている。しかし、上記のように機械でガラスロッドを切削可能な長さは制限される傾向にあるため、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さの大きなシングルコア光ファイバ用母材を作製することは難しい。このため、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長尺のシングルコア光ファイバを作製することも難しい。
[0006]
 そこで、本発明は、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材を製造し得るシングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
[0007]
 上記課題を解決するための本発明のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法は、コアとなるコア部を有するコアロッド、及び、クラッドの一部となる複数のクラッドロッド、を含む複数のガラスロッドを束ねるバンドル工程と、束ねられた前記複数のガラスロッドの外周面上に前記クラッドの他の一部となるスートを堆積する外付工程と、前記スートが堆積した前記複数のガラスロッドを加熱して前記スートとそれぞれの前記ガラスロッドとを一体のガラス体とする焼結工程と、を備え、前記バンドル工程において、それぞれの前記クラッドロッドは、前記コアロッドの外周面に接すると共に前記コアロッドを囲う多角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置されることを特徴とする。
[0008]
 束ねられた複数のガラスロッドの外周面上にスートを堆積することによって、スートは複数のガラスロッドの束の外周面に沿って堆積し易い。このため、上記のようにコアロッドの周りに複数のクラッドロッドが配置された状態でスートを堆積させることにより、コアロッドの長手方向に垂直な断面において、スートが堆積した部分の外周形状はコアロッドを囲う多角形の角を丸めた形状と成り得る。すなわち、コアロッドの長手方向に垂直な断面において、スートはコアロッドを囲う非円形の領域に堆積され得る。また、このように堆積したスートを焼結させて複数のガラスロッドと一体化させることによって、長手方向に垂直な断面形状が非円形のシングルコア光ファイバ用母材を製造することができる。さらに、このシングルコア光ファイバ用母材の長さはガラスロッドの長さを調整することで調整され得るため、シングルコア光ファイバ用母材の長さを大きくし得る。よって、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材を製造し得る。
[0009]
 また、それぞれの前記クラッドロッドは互いに同じ直径とされ、前記バンドル工程において、それぞれの前記クラッドロッドは、前記コアロッドの中心を中心とする正多角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置されることが好ましい。
[0010]
 このように複数のクラッドロッドが配置された状態でスートを堆積させることにより、コアロッドの長手方向に垂直な断面において、スートはコアロッドを中心とする領域に堆積され得る。また、このように堆積したスートを焼結させて複数のガラスロッドと一体化させることによって、コアロッドのコア部からなる部位と中心軸とが一致するシングルコア光ファイバ用母材を製造し得る。このようなシングルコア光ファイバ用母材を用いることによって、クラッドの中心にコアが配置されたシングルコア光ファイバを製造し得る。
[0011]
 また、前記コアロッドは、前記コア部の外周面に前記クラッドの一部となるクラッドガラス層を有することが好ましい。
[0012]
 このようにコアロッドがクラッドガラス層を有することによって、バンドル工程においてコアロッドのコア部が傷つくことが抑制され得る。
[0013]
 また、前記バンドル工程において、互いに隣り合う前記クラッドロッドの外周面が接することが好ましい。
[0014]
 同じ数のクラッドロッドが用いられる場合において、上記のように複数のクラッドロッドが互いに接するように配置されると、複数のクラッドロッドが互いに離間するように配置される場合に比べてそれぞれのクラッドロッドの直径を大きくすることができる。そのため、厚いクラッドを有するシングルコア光ファイバが製造され得る。すなわち、コアの中心からクラッドの外周面までの距離が大きなシングルコア光ファイバが製造され得る。このようなシングルコア光ファイバでは、曲げ損失やマイクロベントによる損失が抑制され得る。
[0015]
 また、前記バンドル工程において、互いに隣り合う前記クラッドロッドの外周面が離間することが好ましい。
[0016]
 同じ数のクラッドロッドが用いられる場合において、上記のように複数のクラッドロッドが互いに離間するように配置されると、複数のクラッドロッドが互いに接するように配置される場合よりも直径が大きなコアロッドを用いることができる。そのため、同一のファイバ径で比較した場合にコアの直径が大きなシングルコア光ファイバが製造され得る。
[0017]
 また、前記バンドル工程において、前記コア部よりも屈折率が低く前記クラッドロッドよりも直径が小さい充填用ガラスロッドが、互いに隣り合う前記クラッドロッドの外周面に接する接線によって前記複数のクラッドロッドを囲うように形成される多角形の内側に配置されることが好ましい。
[0018]
 このように充填用ガラスロッドが配置されることによって、シングルコア光ファイバ用母材の長手方向に垂直な断面形状が多角形に近付けられ得る。
[0019]
 また、前記バンドル工程において、前記充填用ガラスロッドは、少なくとも1本の前記クラッドロッドの外周面に接するように配置されることが好ましい。
[0020]
 このように充填用ガラスロッド及びクラッドロッドが配置されることによって、焼結工程において充填用ガラスロッド及びクラッドロッドの変形が抑制され得る。
[0021]
 また、前記バンドル工程において、前記充填用ガラスロッドは、前記コアロッドの外周面に接するように配置されることが好ましい。
[0022]
 このように充填用ガラスロッド及びコアロッドが配置されることによって、焼結工程において充填用ガラスロッド及びコアロッドの変形が抑制され得る。
[0023]
 また、前記バンドル工程において、互いに隣り合う前記クラッドロッドの間に複数の前記充填用ガラスロッドが配置され、互いに隣り合う前記充填用ガラスロッドの外周面が接することが好ましい。
[0024]
 このように充填用ガラスロッドが配置されることによって、焼結工程において充填用ガラスロッドの変形が抑制され得る。
[0025]
 また、前記バンドル工程において、前記充填用ガラスロッドは、互いに隣り合う前記クラッドロッドのそれぞれの外周面に接するように配置されることが好ましい。
[0026]
 このように充填用ガラスロッド及びクラッドロッドが配置されることによって、互いに隣り合うクラッドロッドの一方にのみ充填用ガラスロッドが接する場合に比べて、焼結工程において充填用ガラスロッド及びクラッドロッドの変形がより抑制され得る。
[0027]
 また、前記コア部に活性元素が添加されることが好ましい。
[0028]
 コア部に活性元素が添加されることによって、シングルコア光ファイバ用母材を用いて製造されるシングルコア光ファイバを増幅用光ファイバとして用いることができる。
[0029]
 また、前記焼結工程後に前記スートからなる前記クラッドの他の一部の屈折率が前記クラッドロッドの屈折率よりも低くされてもよい。
[0030]
 スートからなるクラッドの一部の屈折率がクラッドロッドの屈折率より低くされることによって、シングルコア光ファイバ用母材におけるクラッドロッドからなる部位を内側クラッドの一部となる部位とすると共にスートからなる部位を内側クラッドより屈折率が低い外側クラッドとなる部位とし得る。このようなシングルコア光ファイバ用母材を用いることによって、ダブルクラッド構造のシングルコア光ファイバを製造し得る。
[0031]
 また、上記課題を解決するための本発明のシングルコア光ファイバの製造方法は、上記本発明のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法により製造されるシングルコア光ファイバ用母材を線引きする線引工程を備えることを特徴とする。
[0032]
 上記のように、上記本発明のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法によれば、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材を製造し得る。よって、当該シングルコア光ファイバ用母材を用いることによって、クラッドの断面形状が非円形で長尺のシングルコア光ファイバを製造し得る。
[0033]
 以上のように、本発明によれば、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材を製造し得るシングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

[0034]
[図1] 本発明の実施形態に係るシングルコア光ファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図2] 図1のシングルコア光ファイバの製造方法を示すフローチャートである。
[図3] 複数のガラスロッドの束を示す斜視図である。
[図4] 複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図5] 複数のガラスロッドの束の端面にダミーガラスロッドが固定された様子を示す斜視図である。
[図6] 外付工程の様子を示す図である。
[図7] 外付工程後の様子を示す図である。
[図8] 本発明の実施形態に係るシングルコア光ファイバ用母材の長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図9] 線引工程の様子を示す図である。
[図10] 本発明の変形例に係るバンドル工程後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図11] 本発明の他の変形例に係るバンドル工程後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図12] 本発明のさらに他の変形例に係るバンドル工程後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図13] 本発明のさらに他の変形例に係るバンドル工程後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。
[図14] 本発明のさらに他の変形例に係るバンドル工程後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。

発明を実施するための形態

[0035]
 以下、本発明に係るシングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[0036]
 図1は、本発明の実施形態に係るシングルコア光ファイバの長手方向に垂直な断面を示す図である。図1に示すように、本実施形態のシングルコア光ファイバ1は、コア10と、コア10の外周面を隙間なく囲むクラッド20と、クラッド20の外周面を被覆する保護層30とを主な構成として備える。本実施形態のシングルコア光ファイバ1では、コア10は、クラッド20の中心に配置されている。また、クラッド20は、コア10の外周面を隙間なく囲む内側クラッド21と内側クラッド21の外周面を被覆する外側クラッド22とを備え、シングルコア光ファイバ1は、いわゆるダブルクラッド構造とされている。内側クラッド21の屈折率はコア10の屈折率よりも低く、外側クラッド22の屈折率は内側クラッド21の屈折率よりも低くされている。
[0037]
 また、シングルコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、内側クラッド21の外形は非円形とされる。具体的には、内側クラッド21の外形は、シングルコア光ファイバ1の長手方向に垂直な断面において、正六角形の各頂点が丸みを帯びて面取りされると共にそれぞれの辺が内側に丸みを帯びて湾曲した形状とされる。このような内側クラッド21を構成する材料としては、例えば、何らドーパントが添加されていない純粋石英を挙げることができる。なお、内側クラッド21を構成する材料には、屈折率を低下させるフッ素(F)等の元素が添加されてもよい。
[0038]
 本実施形態の外側クラッド22は、樹脂から成り、樹脂としては例えば紫外線硬化性樹脂が挙げられる。
[0039]
 また、本実施形態のシングルコア光ファイバ1は、増幅用光ファイバとされる。よって、コア10を構成する材料としては、例えば、イッテルビウム(Yb)等の活性元素が添加された石英が挙げられる。このような活性元素としては、希土類元素が挙げられ、希土類元素としては、上記Ybの他にツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)等が挙げられる。さらに活性元素として、希土類元素の他に、ビスマス(Bi)等を挙げることができる。また、コア10を構成する材料には、屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等の元素が添加されてもよい。
[0040]
 保護層30を構成する材料としては、例えば、外側クラッド22を構成する樹脂とは異なる紫外線硬化性樹脂が挙げられる。
[0041]
 次に、シングルコア光ファイバ1の製造方法について説明する。
[0042]
 図2は、図1のシングルコア光ファイバの製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、シングルコア光ファイバ1の製造方法は、バンドル工程P1、外付工程P2、焼結工程P3、線引工程P4を主な工程として備える。
[0043]
 <バンドル工程P1>
 本工程は、複数のガラスロッドを束ねる工程である。図3は、複数のガラスロッドの束を示す斜視図である。また、図4は、複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。本実施形態において、当該複数のガラスロッドは、コアロッド2、複数のクラッドロッド3、及び複数の充填用ガラスロッド4である。
[0044]
 コアロッド2は、図1のシングルコア光ファイバ1のコア10となるコア部10Rとコア部10Rの外周面を被覆する内側クラッド21の一部となるクラッドガラス層20Rとを有する円柱状のガラスロッドである。コアロッド2のコア部10Rは、コア10となるためコア10と同じ材料から構成される。また、クラッドガラス層20Rは内側クラッド21の一部となるため内側クラッド21と同じ材料から構成される。
[0045]
 複数のクラッドロッド3は、それぞれ内側クラッド21の一部となる円柱状のガラスロッドである。本実施形態では、6本のクラッドロッド3が用意される。また、それぞれのクラッドロッド3は、互いに同じ直径とされる円柱状のガラスロッドであり、同じ材料で構成される。また、それぞれのクラッドロッド3は、内側クラッド21の一部となるため、内側クラッド21と同様の材料から構成される。したがって、それぞれのクラッドロッド3の屈折率は、コア部10Rの屈折率よりも屈折率も低い。
[0046]
 複数の充填用ガラスロッド4は、それぞれ内側クラッド21の一部となる円柱状のガラスロッドである。本実施形態では、6本の充填用ガラスロッド4が用意される。また、それぞれの充填用ガラスロッド4は、互いに同じ直径とされ、クラッドロッド3よりも小径の円柱状のガラスロッドである。また、それぞれの充填用ガラスロッド4は、同じ材料で構成され、内側クラッド21の一部となるため内側クラッド21と同様の材料から構成される。したがって、それぞれの充填用ガラスロッド4の屈折率は、コア部10Rの屈折率よりも低い。また、本実施形態では、クラッドガラス層20R、クラッドロッド3、及び、充填用ガラスロッド4は、同じシリカガラスから構成される。
[0047]
 上記複数のガラスロッドを用意し、次にこれらのガラスロッドを束ねる位置に配置する。図3及び図4に示すように、それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共に、コアロッド2の中心を中心としてコアロッド2を囲う正六角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。また、互いに隣り合うクラッドロッド3は外周面が離間しており、互いに隣り合うクラッドロッド3の間に充填用ガラスロッド4が配置される。このように配置されるそれぞれの充填用ガラスロッド4は、互いに隣り合うクラッドロッド3のそれぞれの外周面に接する接線で形成される正六角形の内側に収まるように配置される。当該正六角形は、図4において破線で示される。また、それぞれの充填用ガラスロッド4は、コアロッド2の外周面に接すると共に互いに隣り合うクラッドロッド3のそれぞれの外周面に接するように配置される。
[0048]
 そして、上記のように束ねられる位置に配置された複数のガラスロッドを結束バンド51により結束する。結束バンド51は、樹脂製であっても金属製であっても良いが、ガラスロッドの外周面に傷がつくことを抑制する観点では樹脂製であることが好ましく、耐熱性が高い点においては金属製であることが好ましい。こうして、図3に示すように複数のガラスロッドが結束された状態となる。
[0049]
 次に結束された複数のガラスロッドの両端部にダミーガラスロッドを固定する。図5は、このように複数のガラスロッドが固定された様子を示す図である。まず、複数のガラスロッドが結束バンド51で結束された状態で、それぞれのガラスロッドの一方の端部に1つのダミーガラスロッド52を固定する。次に、それぞれのガラスロッドの他方の端部に他の1つのダミーガラスロッド52を固定する。ガラスロッドに不純物が付着することを抑制する観点からは、この固定は溶着によって行われることが好ましい。このようにそれぞれのガラスロッドの両端にダミーガラスロッド52を固定することで、それぞれのガラスロッドが束ねられた状態を維持することができる。次に、それぞれのガラスロッドを結束していた結束バンド51を外す。こうして、図5に示すように複数のガラスロッドが束ねられた状態となる。
[0050]
 なお、本工程は結束バンド51を用いてそれぞれのガラスロッドを束ねた後、ダミーガラスロッド52をそれぞれのガラスロッドに溶着したが、必ずしもこのような手順とする必要はない。例えば、1つのガラスロッドの両端にダミーガラスロッド52を適切な位置に固定する。次に他の1つのガラスロッドを既にダミーガラスロッド52に固定されているガラスロッドと隣り合うように配置して、配置された他の1つのガラスロッドの両端をそれぞれのダミーガラスロッド52に固定する。これを繰り返して全てのガラスロッドを適切な位置でダミーガラスロッド52に固定する。このようにそれぞれのガラスロッドをダミーガラスロッド52に固定しても、図5に示すように複数のガラスロッドが束ねられた状態となる。
[0051]
 <外付工程P2>
 図6は外付工程P2の様子を示す図である。外付工程P2は、例えば、OVD(Outside vapor deposition method)法により行い、バンドル工程P1で束ねられた複数のガラスロッドの外周面上に内側クラッド21の一部となるスートを堆積する。
[0052]
 まず、それぞれのダミーガラスロッド52を不図示の旋盤のチャックに固定して、束ねられた複数のガラスロッドをダミーガラスロッド52の軸中心に回転させる。そして、図6に示すように複数のガラスロッドを回転させながら、内側クラッド21となるスートを堆積する。図7は、外付工程P2後の様子を示す図である。
[0053]
 本工程で堆積するスート5は、流量が制御されたキャリアガスにより、気化されたSiCl を酸水素バーナ53の火炎中に導入してSiCl からSiO (シリカガラス)とする。これと共に、酸水素バーナ53をガラスロッドの長手方向に複数回往復移動させながら、SiO のスート5をそれぞれのガラスロッドの外周面を被覆するように堆積する。このスート5の堆積により、内側クラッド21の一部となるガラス多孔体が形成される。なお、本実施形態では、スート5はクラッドガラス層20R、クラッドロッド3、充填用ガラスロッド4と同様のシリカガラスから構成される。従って、内側クラッド21が上記のように何らドーパントが添加されないシリカガラスにより構成される場合には、特にドーパントを加えずにスート5を堆積する。また、内側クラッド21がドーパントが添加されたシリカガラスとされる場合には、スート5にドーパントを添加する。この場合、気化されたSiCl と共に添加量がコントロールされたドーパントを含有するガスを酸水素バーナの火炎内に導入する。上記のように内側クラッド21がフッ素が添加されたシリカガラスにより構成され、スート5にもフッ素を添加する場合には、気化されたSiCl と共に気化されたSiF を酸水素バーナの火炎内に導入する。
[0054]
 こうして図7に示すように束ねられた複数のガラスロッドの外周面上にスート5が堆積された状態となる。本実施形態では、スート5は、複数のガラスロッドの長手方向に垂直な断面において、コアロッド2の中心を中心とする正六角形の頂点が丸みを帯びて面取りされると共にそれぞれの辺が内側に丸みを帯びて湾曲した領域に堆積される。
[0055]
 <焼結工程P3>
 図7に示すようにスート5が堆積した後、焼結工程P3に先立って、必要に応じて脱水処理を行う。当該脱水処理は、ヒータが設けられ、Ar、He等のガスが充填された炉内で所定時間エージングされることで行われる。
[0056]
 次に焼結工程P3を行う。焼結工程P3は、外周面上にスート5が堆積した複数のガラスロッドを加熱してスート5とそれぞれのガラスロッドとを一体のガラス体とする工程である。焼結工程P3では、上記脱水処理を行う場合よりも炉内の温度を更に高くして堆積されたスート5から成るガラス多孔体が透明なガラス体となるまで焼結を行う。このとき用いる炉は上記脱水処理に用いる炉であっても良く、上記脱水処理に用いる炉と異なる炉であっても良い。こうして、図8に示すシングルコア光ファイバ用母材1Pを得る。なお、コアロッド2、クラッドロッド3、充填用ガラスロッド4及びスート5がシングルコア光ファイバ用母材1Pになる際に、コアロッド2のコア部10Rは殆ど変形することなくシングルコア光ファイバ用母材1Pの母材コア部10Pとなる。また、コアロッド2のクラッドガラス層20R、複数のクラッドロッド3、複数の充填用ガラスロッド4及びスート5のそれぞれがシングルコア光ファイバ用母材1Pの母材クラッド部20Pの一部となる。
[0057]
 こうして得られたシングルコア光ファイバ用母材1Pの長手方向に垂直な断面の外形は非円形とされる。具体的には、シングルコア光ファイバ用母材1Pの長手方向に垂直な断面の外形は、複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面の外形に起因する形状とされる。本実施形態では、複数のクラッドロッド3のそれぞれが正六角形の各頂点と重なる位置に配置されると共に複数の充填用ガラスロッド4のそれぞれが複数のクラッドロッド3を囲う正六角形の内側に配置される。そのため、シングルコア光ファイバ用母材1Pの外形は、母材コア部10Pの中心を中心とする正六角形の頂点が丸みを帯びて面取りされると共にそれぞれの辺が内側に丸みを帯びて湾曲した形状とされる。
[0058]
 なお、クラッドガラス層20R、クラッドロッド3、充填用ガラスロッド4が上記のようにフッ素が添加されたシリカガラスから成る場合には、本工程をフッ素系ガスを含む雰囲気で行っても良い。具体的には、本工程を行う炉内にSiF ,CF ,C 等のフッ素系ガスを導入する。このような工程とすることで、スート5から成るガラス多孔体が粘性流動を起こす際にスート5内に由来するガラス体にフッ素が添加される傾向にある。
[0059]
 <線引工程P4>
 図9は、線引工程P4の様子を示す図である。まず、線引工程P4を行う準備段階として、上記工程により製造されるシングルコア光ファイバ用母材1Pを紡糸炉110に設置する。
[0060]
 次に、紡糸炉110の加熱部111を発熱させて、シングルコア光ファイバ用母材1Pを加熱する。このときシングルコア光ファイバ用母材1Pの下端は、例えば2000℃に加熱され溶融状態となる。そして、シングルコア光ファイバ用母材1Pからガラスが溶融して、ガラスが線引きされる。そして、線引きされた溶融状態のガラスは、紡糸炉110から出ると、すぐに固化して、母材コア部10Pがコア10となり、母材クラッド部20Pがクラッド20となることで、コア10とクラッド20とから構成されるシングルコア光ファイバ素線となる。なお、図8には空隙が非形成のシングルコア光ファイバ用母材1Pを例示しているが、シングルコア光ファイバ用母材1Pに空隙が形成されている場合、本工程において減圧したり溶融ガラスの表面張力を利用したりして当該空隙が潰されることが好ましい。
[0061]
 上記のようにシングルコア光ファイバ素線が作製された後、このシングルコア光ファイバ素線は、冷却装置120を通過して、適切な温度まで冷却される。冷却装置120に入る際、シングルコア光ファイバ素線の温度は、例えば1800℃程度であるが、冷却装置120を出る際には、シングルコア光ファイバ素線の温度は、例えば40℃~50℃となる。
[0062]
 冷却装置120から出たシングルコア光ファイバ素線は、外側クラッド22となる紫外線硬化性樹脂が入ったコーティング装置131を通過し、この紫外線硬化性樹脂で被覆される。更に紫外線照射装置132を通過し、紫外線が照射されることで、紫外線硬化性樹脂が硬化して外側クラッド22が形成される。次に外側クラッド22で被覆されたマルチコアファイバは、保護層30となる紫外線硬化性樹脂が入ったコーティング装置133を通過し、この紫外線硬化性樹脂で被覆される。更に紫外線照射装置134を通過し、紫外線が照射されることで、紫外線硬化性樹脂が硬化して保護層30が形成され、図1に示すシングルコア光ファイバ1となる。
[0063]
 そして、シングルコア光ファイバ1は、ターンプーリー141により方向が変換され、リール142により巻取られる。
[0064]
 このようにして、図1に示すシングルコア光ファイバ1が製造される。
[0065]
 以上説明したように、本実施形態のシングルコア光ファイバ用母材1Pの製造方法は、コア10となるコア部10Rを有するコアロッド2、及び、クラッド20の一部である内側クラッド21の一部となる複数のクラッドロッド3、を含む複数のガラスロッドを束ねるバンドル工程P1と、束ねられた複数のガラスロッドの外周面上に内側クラッド21の他の一部となるスート5を堆積する外付工程P2と、スート5が堆積した複数のガラスロッドを加熱してスート5とそれぞれのガラスロッドとを一体のガラス体とする焼結工程P3と、を備える。また、バンドル工程P1において、複数のクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共にコアロッド2を囲う正六角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。
[0066]
 束ねられた複数のガラスロッドの外周面上にスート5を堆積することによって、スート5は複数のガラスロッドの束の外周面に沿って堆積し易い。このため、上記のようにコアロッド2の周りに複数のクラッドロッド3が配置された状態でスート5を堆積させることにより、コアロッド2の長手方向に垂直な断面において、スート5が堆積した部分の外周形状はコアロッド2を囲う正六角形の角を丸めた形状と成り得る。すなわち、コアロッド2の長手方向に垂直な断面において、スート5はコアロッド2を囲う非円形の領域に堆積され得る。また、このように堆積したスート5を焼結させて複数のガラスロッドと一体化させることによって、長手方向に垂直な断面形状が非円形のシングルコア光ファイバ用母材1Pを製造することができる。さらに、このシングルコア光ファイバ用母材1Pの長さはガラスロッドの長さを調整することで調整され得るため、シングルコア光ファイバ用母材1Pの長さを大きくし得る。よって、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材1Pを製造し得る。
[0067]
 また、本実施形態では、それぞれのクラッドロッド3は互いに同じ直径とされ、バンドル工程P1において、それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の中心を中心とする正六角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。このように複数のクラッドロッド3が配置された状態でスート5を堆積させることにより、コアロッド2の長手方向に垂直な断面において、スート5はコアロッド2を中心とする領域に堆積され得る。また、このように堆積したスート5を焼結させて複数のガラスロッドと一体化させることによって、コアロッド2のコア部10Rからなる母材コア部10Pと中心軸とが一致するシングルコア光ファイバ用母材1Pを製造し得る。このようなシングルコア光ファイバ用母材1Pを用いることによって、クラッド20の中心にコア10が配置されたシングルコア光ファイバ1を製造し得る。
[0068]
 また、本実施形態では、バンドル工程P1において、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面が離間するように配置される。同じ数のクラッドロッド3が用いられる場合において、このように複数のクラッドロッド3が互いに離間するように配置されると、複数のクラッドロッド3が互いに接するように配置される場合よりも直径が大きなコアロッド2を用いることができる。そのため、同一のファイバ径で比較した場合にコア10の直径が大きなシングルコア光ファイバ1が製造され得る。
[0069]
 また、本実施形態では、バンドル工程P1において、充填用ガラスロッド4がクラッドロッド3の外周面に接するように配置される。このように充填用ガラスロッド4が少なくとも1本のクラッドロッド3の外周面に接するように配置されることによって、焼結工程P3において充填用ガラスロッド4及びクラッドロッド3の変形が抑制され得る。
[0070]
 また、本実施形態では、バンドル工程P1において、充填用ガラスロッド4はコアロッド2の外周面に接するように配置される。このように充填用ガラスロッド4及びコアロッド2が配置されることによって、焼結工程P3において充填用ガラスロッド4及びコアロッド2の変形が抑制され得る。
[0071]
 また、本実施形態では、バンドル工程P1において、充填用ガラスロッド4は互いに隣り合うクラッドロッド3のそれぞれの外周面に接するように配置される。このように充填用ガラスロッド4及びクラッドロッド3が配置されることによって、互いに隣り合うクラッドロッド3の一方にのみ充填用ガラスロッド4が接する場合に比べて、焼結工程P3において充填用ガラスロッド4及びクラッドロッド3の変形がより抑制され得る。
[0072]
 また、本実施形態では、コアロッド2は、コア部10Rの外周面にクラッド20の一部となるクラッドガラス層20Rを有する。このようにコアロッド2がクラッドガラス層20Rを有することによって、バンドル工程P1においてコアロッド2のコア部10Rが傷つくことが抑制され得る。ただし、クラッドガラス層20Rは必須の構成ではない。
[0073]
 また、本実施形態では、バンドル工程P1において、コア部10Rよりも屈折率が低くクラッドロッド3よりも直径が小さい充填用ガラスロッド4が、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面に接する接線によって複数のクラッドロッド3を囲うように形成される正六角形の内側に配置される。このように充填用ガラスロッド4が配置されることによって、シングルコア光ファイバ用母材1Pの長手方向に垂直な断面形状が正六角形に近付けられ得る。
[0074]
 また、本実施形態のシングルコア光ファイバ1の製造方法は、上記実施形態のシングルコア光ファイバ用母材1Pの製造方法により製造されるシングルコア光ファイバ用母材1Pを線引きする線引工程P4を備える。上記のように、本実施形態のシングルコア光ファイバ用母材1Pの製造方法によれば、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材1Pを製造し得る。よって、当該シングルコア光ファイバ用母材1Pを用いることによって、上記のように内側クラッド21の断面形状が非円形で長尺のシングルコア光ファイバ1を製造し得る。
[0075]
 以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0076]
 例えば、上記実施形態では、バンドル工程P1において、それぞれのクラッドロッド3がコアロッド2の中心を中心とする正六角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。複数のクラッドロッド3は、コアロッド2を囲う多角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置されればよく、クラッドロッド3の数は3本以上であれば特に限定されない。すなわち、バンドル工程P1において、それぞれのクラッドロッド3は、クラッドロッド3の数と同じ数の角を有してコアロッド2を囲う多角形の各頂点と重なる位置に配置されればよい。ただし、当該多角形は、コアロッド2の中心を中心とする多角形であることが好ましく、また当該多角形は正多角形であることが好ましい。なお、クラッドロッド3の数が増えると当該多角形は円形に近付くこととなる。そのため、コアロッド2の長手方向に垂直な断面においてスート5が堆積される領域が円形に近付き、内側クラッド21の断面形状も円形に近付く。内側クラッド21の形状をスキュー光の発生を抑制するために効果的な形状とする観点から、クラッドロッド3の数は8本以下であることが好ましい。すなわち、上記多角形は、角の数が8以下の多角形であることが好ましい。
[0077]
 図10は、本発明の変形例に係るバンドル工程P1後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。本変形例では、コアロッド2の周りに3本のクラッドロッド3が配置される。それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共にコアロッド2を囲う正三角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。また、互いに隣り合うクラッドロッド3の間には2本の充填用ガラスロッド4が配置される。それぞれの充填用ガラスロッド4は、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面に接する接線によって複数のクラッドロッド3を囲うように形成される正三角形の内側に配置される。当該正三角形は、図10において破線で示される。また、互いに隣り合う充填用ガラスロッド4は、外周面が接するように配置される。このように互いに隣り合うクラッドロッド3の間に複数の充填用ガラスロッド4が配置されることによって、互いに隣り合うクラッドロッド3の間の隙間が大きい場合でも当該隙間を充填用ガラスロッド4で埋めることができる。そのため、シングルコア光ファイバ用母材1Pの長手方向に垂直な断面形状が多角形に近付けられ得る。また、このようにバンドル工程P1において互いに隣り合うクラッドロッド3の間に複数の充填用ガラスロッド4が配置され、互いに隣り合う充填用ガラスロッド4の外周面が接することによって、焼結工程P3において充填用ガラスロッド4の変形が抑制され得る。
[0078]
 図11は、本発明の他の変形例に係るバンドル工程P1後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。本変形例では、コアロッド2の周りに4本のクラッドロッド3が配置される。それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共にコアロッド2を囲う正方形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。また、互いに隣り合うクラッドロッド3の間には1本の充填用ガラスロッド4が配置される。それぞれの充填用ガラスロッド4は、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面に接する接線によって複数のクラッドロッド3を囲うように形成される正方形の内側に配置される。当該正方形は、図11において破線で示される。
[0079]
 図12は、本発明のさらに他の変形例に係るバンドル工程P1後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。本変形例では、コアロッド2の周りに4本のクラッドロッド3が配置される。それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共にコアロッド2を囲う正方形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。また、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面が接している。同じ数のクラッドロッド3が用いられる場合において、このように複数のクラッドロッド3が互いに接するように配置されると、複数のクラッドロッド3が互いに離間するように配置される場合に比べてそれぞれのクラッドロッド3の直径を大きくすることができる。そのため、厚いクラッド20を有するシングルコア光ファイバ1が製造され得る。すなわち、コア10の中心からクラッド20の外周面までの距離が大きなシングルコア光ファイバ1が製造され得る。このようなシングルコア光ファイバ1では、曲げ損失やマイクロベントによる損失が抑制され得る。
[0080]
 図13は、本発明のさらに他の変形例に係るバンドル工程P1後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。本変形例では、コアロッド2の周りに5本のクラッドロッド3が配置される。それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共にコアロッド2を囲う正五角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。また、互いに隣り合うクラッドロッド3の間には1本の充填用ガラスロッド4が配置される。それぞれの充填用ガラスロッド4は、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面に接する接線によって複数のクラッドロッド3を囲うように形成される正五角形の内側に配置される。当該正五角形は、図13において破線で示される。
[0081]
 図14は、本発明のさらに他の変形例に係るバンドル工程P1後における複数のガラスロッドの束の長手方向に垂直な断面を示す図である。本変形例では、コアロッド2の周りに6本のクラッドロッド3が配置される。それぞれのクラッドロッド3は、コアロッド2の外周面に接すると共にコアロッド2を囲う正六角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される。また、互いに隣り合うクラッドロッド3の外周面が接している。
[0082]
 また、上記実施形態では、バンドル工程P1において、充填用ガラスロッド4が互いに隣り合うクラッドロッド3のそれぞれの外周面に接する例を挙げて説明した。しかし、充填用ガラスロッド4は、クラッドロッド3の外周面から離間していてもよい。ただし、バンドル工程P1において、充填用ガラスロッド4は、少なくとも1本のクラッドロッド3の外周面に接するように配置されることが好ましい。
[0083]
 また、上記実施形態では、それぞれのクラッドロッド3は互いに同じ直径とされる例を挙げて説明したが、それぞれのクラッドロッド3の直径は互いに異なっていてもよい。また、上記実施形態では、それぞれの充填用ガラスロッド4は互いに同じ直径とされる例を挙げて説明したが、それぞれの充填用ガラスロッド4の直径は互いに異なっていてもよい。
[0084]
 また、上記実施形態では、外側クラッド22が樹脂からなる例を挙げて説明したが、外側クラッド22はシリカガラスで構成されてもよい。この場合、例えば、スート5からなるクラッド20の一部の屈折率をクラッドロッド3の屈折率よりも低くすることによって、スート5によって外側クラッド22を形成することができる。スート5からなるクラッド20の一部の屈折率がクラッドロッド3の屈折率より低くされることによって、クラッドロッド3からなる部位が内側クラッド21の一部となる部位とされ、スート5からなる部位が内側クラッド21より屈折率が低い外側クラッド22となる部位とされるシングルコア光ファイバ用母材1Pを製造し得る。このようにスート5によって外側クラッド22を形成する場合、外付工程P2は複数回行われることが好ましい。すなわち、最初の1回または最初から数回の外付工程P2では内側クラッド21となるスート5を堆積させ、残りの外付工程P2では外側クラッド22となるスート5を堆積させることが好ましい。このようにして製造されるシングルコア光ファイバ用母材1Pを用いることによって、増幅用光ファイバに好適なダブルクラッド構造のシングルコア光ファイバ1を製造し得る。
[0085]
 また、上記実施形態では、シングルコア光ファイバ1が増幅用光ファイバである例を挙げて説明したが、シングルコア光ファイバ1は、コア10に活性元素が添加されていない光ファイバとされてもよい。例えば、コア10に活性元素が添加されていない場合、シングルコア光ファイバ1は、上記実施形態のシングルコア光ファイバ1のような増幅用光ファイバに接続されるデリバリファイバとして用いることができる。
[0086]
 以上説明したように、本発明によれば、長手方向に垂直な断面形状が非円形で長さが大きなシングルコア光ファイバ用母材を製造し得るシングルコア光ファイバ用母材の製造方法、及び、シングルコア光ファイバの製造方法が提供され、ファイバレーザ装置等の分野で利用することが期待される。

符号の説明

[0087]
1・・・シングルコア光ファイバ
1P・・・シングルコア光ファイバ用母材
2・・・コアロッド
3・・・クラッドロッド
4・・・充填用ガラスロッド
5・・・スート
10・・・コア
10R・・・コア部
20・・・クラッド
20R・・・クラッドガラス層
21・・・内側クラッド
22・・・外側クラッド
P1・・・バンドル工程
P2・・・外付工程
P3・・・焼結工程
P4・・・線引工程

請求の範囲

[請求項1]
 コアとなるコア部を有するコアロッド、及び、クラッドの一部となる複数のクラッドロッド、を含む複数のガラスロッドを束ねるバンドル工程と、
 束ねられた前記複数のガラスロッドの外周面上に前記クラッドの他の一部となるスートを堆積する外付工程と、
 前記スートが堆積した前記複数のガラスロッドを加熱して前記スートとそれぞれの前記ガラスロッドとを一体のガラス体とする焼結工程と、
を備え、
 前記バンドル工程において、それぞれの前記クラッドロッドは、前記コアロッドの外周面に接すると共に前記コアロッドを囲う多角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される
ことを特徴とするシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項2]
 それぞれの前記クラッドロッドは互いに同じ直径とされ、
 前記バンドル工程において、それぞれの前記クラッドロッドは、前記コアロッドの中心を中心とする正多角形のそれぞれの頂点と重なる位置に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項3]
 前記コアロッドは、前記コア部の外周面に前記クラッドの一部となるクラッドガラス層を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項4]
 前記バンドル工程において、互いに隣り合う前記クラッドロッドの外周面が接する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項5]
 前記バンドル工程において、互いに隣り合う前記クラッドロッドの外周面が離間する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項6]
 前記バンドル工程において、前記コア部よりも屈折率が低く前記クラッドロッドよりも直径が小さい充填用ガラスロッドが、互いに隣り合う前記クラッドロッドの外周面に接する接線によって前記複数のクラッドロッドを囲うように形成される多角形の内側に配置される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項7]
 前記バンドル工程において、前記充填用ガラスロッドは、少なくとも1本の前記クラッドロッドの外周面に接するように配置される
ことを特徴とする請求項6に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項8]
 前記バンドル工程において、前記充填用ガラスロッドは、前記コアロッドの外周面に接するように配置される
ことを特徴とする請求項6または7に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項9]
 前記バンドル工程において、互いに隣り合う前記クラッドロッドの間に複数の前記充填用ガラスロッドが配置され、互いに隣り合う前記充填用ガラスロッドの外周面が接する
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項10]
 前記バンドル工程において、前記充填用ガラスロッドは、互いに隣り合う前記クラッドロッドのそれぞれの外周面に接するように配置される
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項11]
 前記コア部に活性元素が添加される
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項12]
 前記焼結工程後に前記スートからなる前記クラッドの他の一部の屈折率が前記クラッドロッドの屈折率よりも低くされる
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法。
[請求項13]
 請求項1から12のいずれか1項に記載のシングルコア光ファイバ用母材の製造方法により製造されるシングルコア光ファイバ用母材を線引きする線引工程を備える
ことを特徴とするシングルコア光ファイバの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]